(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】蓄電装置管理システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231128BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231128BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231128BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H01M10/48 P
H02J7/02 A
(21)【出願番号】P 2020016433
(22)【出願日】2020-02-03
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005382
【氏名又は名称】古河電池株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】山形 恒智
(72)【発明者】
【氏名】森田 恵里香
(72)【発明者】
【氏名】松井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】柳下 浩平
(72)【発明者】
【氏名】蒲生 良次
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-171061(JP,A)
【文献】特開2013-024725(JP,A)
【文献】国際公開第2012/026574(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/131825(WO,A1)
【文献】特開2004-210230(JP,A)
【文献】古河電池株式会社,JR東日本のエキナカ自販機向けにリチウムイオンバッテリーユニットを開発!,古河電池株式会社新着情報,日本,2016年10月21日,https://corp.furukawadenchi.co.jp/ja/news/news-14643294853322556.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池とその二次電池についての所定の電池情報を計測する測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて構成され、各前記二次電池から負荷へ電力を供給する給電部、
前記測定部で測定される前記電池情報、およびその前記電池情報が測定される前記電池パックを識別する電池パック識別情報を各前記電池パック毎に記憶する装置側記憶部、
前記装置側記憶部に各前記電池パック毎に記憶される前記電池情報を基に
各前記電池パックから前記負荷へ供給された個別の供給電力量を演算し、前記給電部から前記負荷へ供給された
各前記電池パックからの累積の供給電力量を演算する装置側演算部、
前記給電部を構成する前記電池パックの交換を検知する電池パック交換検知部、並びに、
前記負荷へ電力を供給する前記電池パックを識別する前記電池パック識別情報、自身の蓄電装置を識別する装置識別情報、前記給電部が電力を供給する前記負荷を識別する負荷識別情報
、前記装置側演算部で演算される
個別の前記供給電力量および累積の前記供給電力量を送信すると共に、前記電池パック交換検知部で前記電池パックの交換が検知されると、交換前後の各前記電池パックを識別する各前記電池パック識別情報および自身の前記装置識別情報を含む電池パック交換検知情報を送信する送信部を有
し、
いずれかの前記電池パックの前記二次電池の残容量が低下すると、蓄電装置間で、充電された前記二次電池を有する別の前記電池パックに交換される
複数の蓄電装置と、
各前記蓄電装置の前記送信部から送信される情報を受信する受信部、
前記送信部から送信されて前記受信部に受信される前記電池パック識別情報、前記装置識別情報、前記負荷識別情報
、個別の前記供給電力量および
累積の前記供給電力量を前記装置識別情報によって各前記蓄電装置毎に記憶
し、前記負荷識別情報、およびその前記負荷識別情報により識別される前記負荷に前記電池パック識別情報により識別される前記電池パックが供給した個別の前記供給電力量を前記電池パック識別情報によって各前記電池パック毎に記憶するサーバ側記憶部、並びに、
前記受信部に前記電池パック交換検知情報が受信されると、前記電池パック交換検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される、前記電池パック交換検知情報に含まれる交換前の前記電池パック識別情報を、前記電池パック交換検知情報に含まれる交換後の前記電池パック識別情報に更新するデータ更新部
を有する蓄電装置管理サーバと
を備える蓄電装置管理システム。
【請求項2】
前記蓄電装置は、前記負荷の変更を検知する負荷変更検知部を備え、
前記送信部は、前記負荷変更検知部で前記負荷の変更が検知されると、変更前後の各前記負荷を識別する各前記負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報を送信し、
前記蓄電装置管理サーバは、前記受信部に前記負荷変更検知情報が受信されると、前記負荷変更検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される
累積の前記供給電力量を基に、前記負荷変更検知情報に含まれる交換前の前記負荷識別情報で識別される前記負荷へ供給した電力の電気料金を算出するサーバ側演算部を有し、
前記データ更新部は、前記受信部に前記負荷変更検知情報が受信されると、前記負荷変更検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される、前記負荷変更検知情報に含まれる交換前の前記負荷識別情報を、前記負荷変更検知情報に含まれる交換後の前記負荷識別情報に更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置管理システム。
【請求項3】
二次電池とその二次電池についての所定の電池情報を測定する測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて構成され、各前記二次電池から負荷へ電力を供給する給電部、
前記測定部で測定される前記電池情報、およびその前記電池情報が測定される前記電池パックを識別する電池パック識別情報を各前記電池パック毎に記憶する装置側記憶部、
前記装置側記憶部に各前記電池パック毎に記憶される前記電池情報を基に
各前記電池パックから前記負荷へ供給された個別の供給電力量を演算し、前記給電部から前記負荷へ供給された
各前記電池パックからの累積の供給電力量を演算する装置側演算部、
前記負荷の変更を検知する負荷変更検知部、並びに、
自身の蓄電装置を識別する装置識別情報、前記負荷を識別する負荷識別情報
、前記装置側演算部で演算される
個別の前記供給電力量および累積の前記供給電力量を送信すると共に、前記負荷変更検知部で前記負荷の変更が検知されると、変更前後の各前記負荷を識別する各前記負荷識別情報および自身の前記装置識別情報を含む負荷変更検知情報を送信する送信部を有
し、
いずれかの前記電池パックの前記二次電池の残容量が低下すると、蓄電装置間で、充電された前記二次電池を有する別の前記電池パックに交換される
複数の蓄電装置と、
各前記蓄電装置の前記送信部から送信される情報を受信する受信部、
前記送信部から送信されて前記受信部に受信される前記装置識別情報、前記負荷識別情報、
個別の前記供給電力量および
累積の前記供給電力量を前記装置識別情報によって各前記蓄電装置毎に記憶
し、前記負荷識別情報、およびその前記負荷識別情報により識別される前記負荷に前記電池パック識別情報により識別される前記電池パックが供給した個別の前記供給電力量を前記電池パック識別情報によって各前記電池パック毎に記憶するサーバ側記憶部、
前記受信部に前記負荷変更検知情報が受信されると、前記負荷変更検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される、前記負荷変更検知情報に含まれる交換前の前記負荷識別情報を、前記負荷変更検知情報に含まれる交換後の前記負荷識別情報に更新するデータ更新部、並びに、
前記受信部に前記負荷変更検知情報が受信されると、前記負荷変更検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される
累積の前記供給電力量を基に、前記負荷変更検知情報に含まれる交換前の前記負荷識別情報で識別される前記負荷へ供給した電力の電気料金を算出するサーバ側演算部
を有する蓄電装置管理サーバと
を備える蓄電装置管理システム。
【請求項4】
二次電池とその二次電池についての所定の電池情報を計測する測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて構成され、各前記二次電池から負荷へ電力を供給する給電部、
前記測定部で測定される前記電池情報、およびその前記電池情報が測定される前記電池パックを識別する電池パック識別情報を各前記電池パック毎に記憶する装置側記憶部、
前記装置側記憶部に各前記電池パック毎に記憶される前記電池情報を基に各前記電池パックから前記負荷へ供給された個別の供給電力量を演算し、前記給電部から前記負荷へ供給された各前記電池パックからの累積の供給電力量を演算する装置側演算部、並びに、
前記負荷へ電力を供給する前記電池パックを識別する前記電池パック識別情報、自身の蓄電装置を識別する装置識別情報、前記給電部が電力を供給する前記負荷を識別する負荷識別情報、前記装置側演算部で演算される個別の前記供給電力量および累積の前記供給電力量を送信する送信部を有し、
いずれかの前記電池パックの前記二次電池の残容量が低下すると、蓄電装置間で、充電された前記二次電池を有する別の前記電池パックに交換される
複数の蓄電装置と、
各前記蓄電装置の前記送信部から送信される情報を受信する受信部、並びに、
前記送信部から送信されて前記受信部に受信される前記電池パック識別情報、前記装置識別情報、前記負荷識別情報、個別の前記供給電力量および累積の前記供給電力量を前記装置識別情報によって各前記蓄電装置毎に記憶し、前記負荷識別情報、およびその前記負荷識別情報により識別される前記負荷に前記電池パック識別情報により識別される前記電池パックが供給した個別の前記供給電力量を前記電池パック識別情報によって各前記電池パック毎に記憶するサーバ側記憶部
を有する蓄電装置管理サーバと
を備える蓄電装置管理システム。
【請求項5】
前記蓄電装置は、前記給電部を構成する前記電池パックの交換を検知する電池パック交換検知部、および、前記負荷の変更を検知する負荷変更検知部をさらに有し、
前記送信部は、前記電池パック交換検知部で前記電池パックの交換が検知されると、交換前後の各前記電池パックを識別する各前記電池パック識別情報および自身の前記装置識別情報を含む電池パック交換検知情報を送信すると共に、前記負荷変更検知部で前記負荷の変更が検知されると、変更前後の各前記負荷を識別する各前記負荷識別情報および自身の前記装置識別情報を含む負荷変更検知情報を送信し、
前記蓄電装置管理サーバは、前記受信部に前記電池パック交換検知情報が受信されると、前記電池パック交換検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される、前記電池パック交換検知情報に含まれる交換前の前記電池パック識別情報を、前記電池パック交換検知情報に含まれる交換後の前記電池パック識別情報に更新すると共に、前記受信部に前記負荷変更検知情報が受信されると、前記負荷変更検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される、前記負荷変更検知情報に含まれる交換前の前記負荷識別情報を、前記負荷変更検知情報に含まれる交換後の前記負荷識別情報に更新するデータ更新部、および、前記受信部に前記負荷変更検知情報が受信されると、前記負荷変更検知情報に含まれる前記装置識別情報に対応して前記サーバ側記憶部に記憶される累積の前記供給電力量を基に、前記負荷変更検知情報に含まれる交換前の前記負荷識別情報で識別される前記負荷へ供給した電力の電気料金を算出するサーバ側演算部をさらに有する
ことを特徴とする請求項4に記載の蓄電装置管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各負荷に電力を供給する複数の蓄電装置と蓄電装置管理サーバとを備える蓄電装置管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置は、同一種類の複数の二次電池を収容して、負荷に電力を供給するものである。この蓄電装置により、商用交流電源を必要とする負荷がその使用場所の制約を受けることがなくなり、これまで負荷の設置が困難であった場所で、負荷の一時的な需要等にも対処することが可能となる。
【0003】
負荷に電力を供給するシステムとして、例えば特許文献1は、電気自動車100に電力の供給を行う給電所としての給電サービス手段200と、料金精算金額の演算管理や顧客管理を行うサービス管理センタ400とを備える電気自動車の給電サービスシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば自動販売機のような負荷に上記蓄電装置によって電力を供給する場合、1つのベンダーの1台または複数台の自動販売機に電力を供給する場合のみならず、複数のベンダーのそれぞれの1台または複数台の自動販売機に給電しながら、負荷と蓄電装置との給電ペアに関する変更の内容を一元管理することが望まれる。
【0006】
また、蓄電装置や負荷に障害等が生じて、蓄電装置から負荷への給電が停止した際にも、負荷と蓄電装置との給電ペアに関する変更の内容を一元管理することが望まれる。
【0007】
さらに、商用交流電源からの電力の供給を受けることを前提とする負荷に自動販売機以外の種類の電子機器等が含まれる状況を考慮する必要がある。このため、負荷に自動販売機以外の種類の電子機器等が含まれる場合においても、各種負荷に電力を供給しながら、負荷と蓄電装置との給電ペアに関する変更の内容を一元管理することが望まれる。
【0008】
さらに、負荷と蓄電装置を構成する電池パックとの関連情報を一元管理することが望まれる。この点に鑑みて、本発明の目的は、負荷と蓄電装置を構成する電池パックとの関連情報を一元管理することができる蓄電装置管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために本発明は、
二次電池とその二次電池についての所定の電池情報を計測する測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて構成され、各二次電池から負荷へ電力を供給する給電部、
測定部で測定される電池情報、およびその電池情報が測定される電池パックを識別する電池パック識別情報を各電池パック毎に記憶する装置側記憶部、
装置側記憶部に各電池パック毎に記憶される電池情報を基に各電池パックから負荷へ供給された個別の供給電力量を演算し、給電部から負荷へ供給された各電池パックからの累積の供給電力量を演算する装置側演算部、
給電部を構成する電池パックの交換を検知する電池パック交換検知部、並びに、
負荷へ電力を供給する電池パックを識別する電池パック識別情報、自身の蓄電装置を識別する装置識別情報、給電部が電力を供給する負荷を識別する負荷識別情報、装置側演算部で演算される個別の供給電力量および累積の供給電力量を送信すると共に、電池パック交換検知部で電池パックの交換が検知されると、交換前後の各電池パックを識別する各電池パック識別情報および自身の装置識別情報を含む電池パック交換検知情報を送信する送信部し、
いずれかの電池パックの二次電池の残容量が低下すると、蓄電装置間で、充電された二次電池を有する別の電池パックに交換される
複数の蓄電装置と、
各蓄電装置の送信部から送信される情報を受信する受信部、
送信部から送信されて受信部に受信される電池パック識別情報、装置識別情報、負荷識別情報、個別の供給電力量および累積の供給電力量を装置識別情報によって各蓄電装置毎に記憶し、負荷識別情報、およびその負荷識別情報により識別される負荷に電池パック識別情報により識別される電池パックが供給した個別の供給電力量を電池パック識別情報によって各電池パック毎に記憶するサーバ側記憶部、並びに、
受信部に電池パック交換検知情報が受信されると、電池パック交換検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、電池パック交換検知情報に含まれる交換前の電池パック識別情報を、電池パック交換検知情報に含まれる交換後の電池パック識別情報に更新するデータ更新部
を有する蓄電装置管理サーバと
を備える蓄電装置管理システムを構成した。
【0010】
本構成によれば、二次電池と測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて給電部が構成され、蓄電装置と給電ペアを構成する負荷へは、蓄電装置の給電部を構成する各二次電池から電力が供給される。給電部における電池パックの交換は電池パック交換検知部によって検知され、電池パック交換検知部で電池パックの交換が検知されると、交換前後の各電池パックを識別する各電池パック識別情報および自身の装置識別情報を含む電池パック交換検知情報が、蓄電装置の送信部から送信される。送信された電池パック交換検知情報は蓄電装置管理サーバの受信部で受信される。蓄電装置管理サーバのサーバ側記憶部には、蓄電装置の送信部から送信されて蓄電装置管理サーバの受信部に受信される電池パック識別情報、装置識別情報、負荷識別情報、個別の供給電力量および累積の供給電力量が、装置識別情報によって各蓄電装置毎に記憶されている。また、蓄電装置管理サーバのサーバ側記憶部には、負荷識別情報、およびその負荷識別情報により識別される負荷に電池パック識別情報により識別される電池パックが供給した個別の供給電力量が、電池パック識別情報によって各電池パック毎に記憶されている。このため、負荷と蓄電装置を構成する電池パックとの関連情報が、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。
また、電池パック交換検知情報が蓄電装置の送信部から蓄電装置管理サーバの受信部に受信されると、電池パック交換検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、電池パック交換検知情報に含まれる交換前の電池パック識別情報が、蓄電装置管理サーバのデータ更新部により、電池パック交換検知情報に含まれる交換後の電池パック識別情報に更新される。このため、負荷と蓄電装置とからなるいずれの給電ペアにおける電池パックの交換情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。
【0011】
また、本発明は、上記の蓄電装置管理システムの構成に加え、
蓄電装置が、負荷の変更を検知する負荷変更検知部を備え、
送信部が、負荷変更検知部で負荷の変更が検知されると、変更前後の各負荷を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報を送信し、
蓄電装置管理サーバが、受信部に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される累積の供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報で識別される負荷へ供給した電力の電気料金を算出するサーバ側演算部を有し、
データ更新部が、受信部に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報を、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷識別情報に更新する
ことを特徴とする。
【0012】
本構成によれば、蓄電装置と給電ペアを構成する負荷の変更は負荷変更検知部によって検知され、負荷変更検知部で負荷の変更が検知されると、変更前後の各負荷を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報が、蓄電装置の送信部から送信される。送信された負荷変更検知情報は蓄電装置管理サーバの受信部で受信される。負荷変更検知情報が蓄電装置の送信部から蓄電装置管理サーバの受信部に受信されると、蓄電装置管理サーバのデータ更新部により、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報が、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷識別情報に更新される。また、受信部に負荷変更検知情報が受信されると、蓄電装置管理サーバのサーバ側演算部により、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される累積の供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報で識別される負荷へ供給した電力の電気料金が算出される。このため、電池パックの交換情報に加え、負荷と蓄電装置とからなるいずれの給電ペアにおける負荷の変更情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。さらに、サーバ側演算部により、交換前の負荷に供給された電力に対する電気料金の精算が自動的に行われ、交換された負荷に供給された電力に対する電気料金が一元管理される。
【0013】
また、本発明は、
二次電池とその二次電池についての所定の電池情報を測定する測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて構成され、各二次電池から負荷へ電力を供給する給電部、
測定部で測定される電池情報、およびその電池情報が測定される電池パックを識別する電池パック識別情報を各電池パック毎に記憶する装置側記憶部、
装置側記憶部に各電池パック毎に記憶される電池情報を基に各電池パックから負荷へ供給された個別の供給電力量を演算し、給電部から負荷へ供給された各電池パックからの累積の供給電力量を演算する装置側演算部、
負荷の変更を検知する負荷変更検知部、並びに、
自身の蓄電装置を識別する装置識別情報、負荷を識別する負荷識別情報、装置側演算部で演算される個別の供給電力量および累積の供給電力量を送信すると共に、負荷変更検知部で負荷の変更が検知されると、変更前後の各負荷を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報を送信する送信部
を有し、
いずれかの電池パックの二次電池の残容量が低下すると、蓄電装置間で、充電された二次電池を有する別の前記電池パックに交換される
複数の蓄電装置と、
各蓄電装置の送信部から送信される情報を受信する受信部、
送信部から送信されて受信部に受信される装置識別情報、負荷識別情報、個別の供給電力量および累積の供給電力量を装置識別情報によって各蓄電装置毎に記憶し、負荷識別情報、およびその負荷識別情報により識別される負荷に電池パック識別情報により識別される電池パックが供給した個別の供給電力量を電池パック識別情報によって各電池パック毎に記憶するサーバ側記憶部、
受信部に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報を、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷識別情報に更新するデータ更新部、並びに、
受信部に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される累積の供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報で識別される負荷へ供給した電力の電気料金を算出するサーバ側演算部
を有する蓄電装置管理サーバと
を備える蓄電装置管理システムを構成した。
【0014】
本構成においても、二次電池と測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて給電部が構成され、蓄電装置と給電ペアを構成する負荷へは、蓄電装置の給電部を構成する各二次電池から電力が供給される。また、本構成によれば、蓄電装置と給電ペアを構成する負荷の変更は負荷変更検知部によって検知され、負荷変更検知部で負荷の変更が検知されると、変更前後の各負荷を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報が、蓄電装置の送信部から送信される。送信された負荷変更検知情報は蓄電装置管理サーバの受信部で受信される。蓄電装置管理サーバのサーバ側記憶部には、蓄電装置の送信部から送信されて蓄電装置管理サーバの受信部に受信される装置識別情報、負荷識別情報、個別の供給電力量および累積の供給電力量が、装置識別情報によって各蓄電装置毎に記憶されている。また、蓄電装置管理サーバのサーバ側記憶部には、負荷識別情報、およびその負荷識別情報により識別される負荷に電池パック識別情報により識別される電池パックが供給した個別の供給電力量が、電池パック識別情報によって各電池パック毎に記憶されている。このため、負荷と蓄電装置を構成する電池パックとの関連情報が、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。
また、負荷変更検知情報が蓄電装置の送信部から蓄電装置管理サーバの受信部に受信されると、蓄電装置管理サーバのデータ更新部により、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報が、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷識別情報に更新される。また、受信部に負荷変更検知情報が受信されると、蓄電装置管理サーバのサーバ側演算部により、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される累積の供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報で識別される負荷へ供給した電力の電気料金が算出される。このため、負荷と蓄電装置とからなるいずれの給電ペアにおける負荷の変更情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。さらに、サーバ側演算部により、交換前の負荷に供給された電力に対する電気料金の精算が自動的に行われ、交換された負荷に供給された電力に対する電気料金が一元管理される。
【0015】
また、本発明は、
二次電池とその二次電池についての所定の電池情報を計測する測定部との対からなる電池パックが複数組み合わされて構成され、各二次電池から負荷へ電力を供給する給電部、
測定部で測定される電池情報、およびその電池情報が測定される電池パックを識別する電池パック識別情報を各電池パック毎に記憶する装置側記憶部、
装置側記憶部に各電池パック毎に記憶される電池情報を基に各電池パックから負荷へ供給された個別の供給電力量を演算し、給電部から負荷へ供給された各電池パックからの累積の供給電力量を演算する装置側演算部、並びに、
負荷へ電力を供給する電池パックを識別する電池パック識別情報、自身の蓄電装置を識別する装置識別情報、給電部が電力を供給する負荷を識別する負荷識別情報、装置側演算部で演算される個別の供給電力量および累積の供給電力量を送信する送信部を有し、
いずれかの電池パックの二次電池の残容量が低下すると、蓄電装置間で、充電された二次電池を有する別の電池パックに交換される
複数の蓄電装置と、
各蓄電装置の送信部から送信される情報を受信する受信部、並びに、
送信部から送信されて受信部に受信される電池パック識別情報、装置識別情報、負荷識別情報、個別の供給電力量および累積の供給電力量を装置識別情報によって各蓄電装置毎に記憶し、負荷識別情報、およびその負荷識別情報により識別される負荷に電池パック識別情報により識別される電池パックが供給した個別の供給電力量を電池パック識別情報によって各電池パック毎に記憶するサーバ側記憶部
を有する蓄電装置管理サーバと
を備える蓄電装置管理システムを構成した。
【0016】
本構成によれば、蓄電装置管理サーバのサーバ側記憶部には、蓄電装置の送信部から送信されて蓄電装置管理サーバの受信部に受信される電池パック識別情報、装置識別情報、負荷識別情報、個別の供給電力量および累積の供給電力量が、装置識別情報によって各蓄電装置毎に記憶されている。また、蓄電装置管理サーバのサーバ側記憶部には、負荷識別情報、およびその負荷識別情報により識別される負荷に電池パック識別情報により識別される電池パックが供給した個別の供給電力量が、電池パック識別情報によって各電池パック毎に記憶されている。このため、負荷と蓄電装置を構成する電池パックとの関連情報が、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。
【0017】
また、本発明は、
蓄電装置が、給電部を構成する電池パックの交換を検知する電池パック交換検知部、および、負荷の変更を検知する負荷変更検知部をさらに有し、
送信部が、電池パック交換検知部で電池パックの交換が検知されると、交換前後の各電池パックを識別する各電池パック識別情報および自身の装置識別情報を含む電池パック交換検知情報を送信すると共に、負荷変更検知部で負荷の変更が検知されると、変更前後の各負荷を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報を送信し、
蓄電装置管理サーバが、受信部に電池パック交換検知情報が受信されると、電池パック交換検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、電池パック交換検知情報に含まれる交換前の電池パック識別情報を、電池パック交換検知情報に含まれる交換後の電池パック識別情報に更新すると共に、受信部に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報を、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷識別情報に更新するデータ更新部、および、受信部に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される累積の供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報で識別される負荷へ供給した電力の電気料金を算出するサーバ側演算部をさらに有する
ことを特徴とする。
【0018】
本構成によれば、給電部における電池パックの交換は電池パック交換検知部によって検知され、電池パック交換検知部で電池パックの交換が検知されると、交換前後の各電池パックを識別する各電池パック識別情報および自身の装置識別情報を含む電池パック交換検知情報が、蓄電装置の送信部から送信される。送信された電池パック交換検知情報は蓄電装置管理サーバの受信部で受信される。電池パック交換検知情報が蓄電装置の送信部から蓄電装置管理サーバの受信部に受信されると、電池パック交換検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、電池パック交換検知情報に含まれる交換前の電池パック識別情報が、蓄電装置管理サーバのデータ更新部により、電池パック交換検知情報に含まれる交換後の電池パック識別情報に更新される。このため、負荷と蓄電装置とからなるいずれの給電ペアにおける電池パックの交換情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。
また、本構成によれば、蓄電装置と給電ペアを構成する負荷の変更は負荷変更検知部によって検知され、負荷変更検知部で負荷の変更が検知されると、変更前後の各負荷を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報が、蓄電装置の送信部から送信される。送信された負荷変更検知情報は蓄電装置管理サーバの受信部で受信される。負荷変更検知情報が蓄電装置の送信部から蓄電装置管理サーバの受信部に受信されると、蓄電装置管理サーバのデータ更新部により、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報が、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷識別情報に更新される。
また、受信部に負荷変更検知情報が受信されると、蓄電装置管理サーバのサーバ側演算部により、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応してサーバ側記憶部に記憶される累積の供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報で識別される負荷へ供給した電力の電気料金が算出される。このため、電池パックの交換情報に加え、負荷と蓄電装置とからなるいずれの給電ペアにおける負荷の変更情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システムを構成する蓄電装置管理サーバによって一元管理される。さらに、サーバ側演算部により、交換前の負荷に供給された電力に対する電気料金の精算が自動的に行われ、交換された負荷に供給された電力に対する電気料金が一元管理される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、負荷と蓄電装置を構成する電池パックとの関連情報を一元管理することができる蓄電装置管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施の形態による蓄電装置管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す蓄電装置管理システムで給電ペアを構成する自動販売機および蓄電装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す蓄電装置管理システムにおける蓄電管理サーバの略構成を示すブロック図である。
【
図4】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される登録サイト一覧画面、(b)は登録装置一覧画面の例を表わす図である。
【
図5】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される稼働系電池パック一覧画面、(b)は電池パック状態情報画面の例を表わす図である。
【
図6】
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される待機系電池パック一覧画面の例を表わす図である。
【
図7】
図1に示す蓄電装置管理システムにおける蓄電装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図8】
図1に示す蓄電装置管理システムにおける蓄電装置管理サーバの動作を例示するフローチャートである。
【
図9】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される給電停止操作検知情報画面、(b)は供給電力量情報画面の例を表わす図である。
【
図10】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される電池パック交換検知情報画面、(b)は、
図6に示す待機系電池パック一覧画面が更新された待機系電池パック一覧画面の例を表わす図である。
【
図11】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される、
図5(a)に示す稼働系電池パック一覧画面が更新された稼働系電池パック一覧画面、(b)は負荷変更検知情報画面の例を表わす図である。
【
図12】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される、
図5(a)に示す稼働系電池パック一覧画面における負荷識別情報および給電期間情報が更新された稼働系電池パック一覧画面、(b)は、
図5(a)に示す稼働系電池パック一覧画面における負荷識別情報、給電期間情報および電池パック識別情報が更新された稼働系電池パック一覧画面の例を表わす図である。
【
図13】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される電気料金情報画面、(b)は、
図5(a)に示す稼働系電池パック一覧画面に給電停止期間情報が追加された稼働系電池パック一覧画面の例を表わす図である。
【
図14】(a)は、
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される、
図5(b)に示す電池パック状態情報画面に給電停止期間情報が追加されて更新された電池パック状態情報画面、(b)は、
図9(b)に示す供給電力量情報画面に給電停止期間情報が追加されて更新された供給電力量情報画面の例を表わす図である。
【
図15】
図3に示す蓄電管理サーバの表示部に表示される、
図13(a)に示す電気料金情報画面に給電停止期間情報が追加されて更新された電気料金情報画面の例を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の一実施の形態による蓄電装置管理システムについて説明する。
【0028】
図1は、この一実施の形態による蓄電装置管理システム(Battery Maintenance System)1の概略構成を示すブロック図である。蓄電装置管理システム1は、複数のサイトA~Jのそれぞれで稼働している複数の自動販売機(Vending Machine)2と蓄電装置(Battery Apparatus)3との給電ペアと、蓄電装置管理サーバ(Battery Maintenance Server)4とから構成される。
【0029】
図1では、サイトAで稼働している自動販売機2と蓄電装置3との複数の給電ペアのうち、自動販売機2-A1と蓄電装置3-A1との給電ペアのみが示されており、サイトBで稼働している自動販売機2と蓄電装置3との複数の給電ペアのうち、自動販売機2-B1と蓄電装置3-B1との給電ペアのみが示されている。また、サイトCで稼働している自動販売機2と蓄電装置3との複数の給電ペアのうち、自動販売機2-C1と蓄電装置3-C1との給電ペアのみが示されている。また、サイトJで稼働している自動販売機2と蓄電装置3との複数の給電ペアのうち、自動販売機2-J1と蓄電装置3-J1との給電ペアのみが示されている。サイトCとサイトJとの間にも、同様な給電ペアを備える図示しないサイトD,E,F,G,HおよびIがある。
【0030】
自動販売機2は給電ペアとなる蓄電装置3の負荷を構成し、給電ペアとなる蓄電装置3により電力が供給される。本実施の形態では、各自動販売機2は、異なるベンダーのもので、各種の定格消費電力を持っている。これら各自動販売機2は、特定の場所に固定的に設置されるか、または、工事による停電時等のために一時的に移動した場所に、一定期間だけ設置される場合がある。
【0031】
図1に例示される蓄電装置管理システム1において、管理車両(Maintenance Vehicle)5は、予め決定された巡回経路に従い、各サイトA~Jにおける蓄電装置3に収容される後述する電池パック6
1~6
10を充電する。
【0032】
本実施の形態では、予め決定された巡回経路として、サイトAにおける自動販売機2と蓄電装置3との各給電ペア、サイトBにおける自動販売機2と蓄電装置3との各給電ペア、サイトCにおける自動販売機2と蓄電装置3との各給電ペアの順、および、サイトD~Jの各順における自動販売機2と蓄電装置3との各給電ペアに管理車両5が巡回して、各蓄電装置3に収容されている電池パック61~610を充電する。
【0033】
図2は、
図1の各サイトA~Jに配置される自動販売機2と蓄電装置3との各給電ペアの概略構成を示している。
【0034】
蓄電装置3は、給電部6、制御部(Control)7、記憶部(Memory)8、入出力部(I/O)9、送受信部(TX/RX)10およびDC/AC変換部(DC/AC)11から構成される。蓄電装置3は、特定の場所に固定的に設置される自動販売機2と併設されるか、または工事による停電時等のために一時的に移動した場所に一定期間だけ設置される自動販売機2と併設される。
【0035】
給電部6は、同一種類のリチウムイオン二次電池の電池モジュール(Battery Module:BM)6a1~6a10が10個並列に接続されて構成され、各BM6a1~6a10から自動販売機2へ電力を常時供給する。BM6a1~6a10は10個の電池パック61~610のそれぞれに収容されており、各BM6a1~6a10にはそれぞれバッテリ・マネジメント・ユニット(Battery Management Unit:BMU)6b1~6b10が接続されている。各BMU6b1~6b10は、同じ電池パック61~610が収容する各BM6a1~6a10の電圧、電流、温度、充電率、劣化率、充放電レートおよび充放電サイクルといった電池情報をそれぞれ定期的に測定し、制御部7へ出力する。各BMU6b1~6b10は、各BM6a1~6a10についての所定の電池情報を計測する測定部を構成している。
【0036】
DC/AC変換部11は、給電部6の各BM6a1~6a10から出力される直流電力を交流電力に変換し、自動販売機2に出力する。自動販売機2は、DC/AC変換部11からの交流電力を受けて動作する。
【0037】
制御部7は、MPU(Micro Processing Unit)等からなり、記憶部8のROM(Read Only Memory)に記憶されたMPUの動作手順を規定するコンピュータプログラムに従い、記憶部8のRAM(Random Access Memory)を一時記憶作業領域として、蓄電装置3の全体および各部の動作の制御をする。具体的には、制御部7は、1)記憶部8に対する読出し/書込み制御、2)入出力部9を介する、図示しないマウスやキーボード等の入出力機器に対する入出力制御、および図示しないLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部に対する表示制御、3)送受信部10を介する自動販売機2や蓄電装置管理サーバ4に対する送受信制御、並びに4)DC/AC変換部11に対する上述の電力変換制御を行う。
【0038】
送受信部10は無線通信回路を備えており、蓄電装置3と蓄電装置管理サーバ4との間は無線通信回線(Communication Channel)12(
図1参照)でつながっており、無線通信が行われる。なお、蓄電装置3と蓄電装置管理サーバ4との間をインターネット網によって接続して、制御部7が送受信部10を制御して、クラウド上の蓄電装置管理サーバ4とインターネット通信を行うように構成してもよい。
【0039】
本実施形態では、記憶部8のRAMは、各BMU6b1~6b10で測定される電池情報、およびその電池情報が測定される電池パック61~610を識別する電池パック識別情報を各電池パック61~610毎に記憶する装置側記憶部を構成する。また、制御部7は、記憶部8のRAMに各電池パック61~610毎に記憶される電池情報を基に、給電部6から自動販売機2へ供給された供給電力量を演算する装置側演算部を構成する。さらに、制御部7は、各BMU6b1~6b10で測定される電池情報を基に、給電部6を構成する電池パック61~610の交換を検知する電池パック交換検知部、および、蓄電装置3に接続される自動販売機2の変更を検知する負荷変更検知部も構成する。
【0040】
また、送受信部10は、制御部7の制御の下、自動販売機2へ電力を供給する電池パック61~610を識別する電池パック識別情報、自身の蓄電装置3を識別する装置識別情報、自身の蓄電装置3が属するサイトA~Jを識別するサイト識別情報、給電部6が電力を供給する自動販売機2を識別する負荷識別情報、BMU6b1~6b10で測定される電池情報、給電部6から自動販売機2への給電期間情報、および制御部7で演算される供給電力量を、蓄電装置管理サーバ4へ送信する。さらに、送受信部10は、その送信と共に、電池パック交換検知部で電池パック61~610の交換が検知されると、交換前後の各電池パック61~610を識別する各電池パック識別情報および自身の装置識別情報を含む電池パック交換検知情報を、蓄電装置管理サーバ4へ送信する。また、送受信部10は、蓄電装置3に接続される自動販売機2の変更が負荷変更検知部で検知されると、変更前後の各自動販売機2を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報を、蓄電装置管理サーバ4へ送信する。
【0041】
図3は、蓄電装置管理サーバ4の概略構成を示すブロック図である。蓄電装置管理サーバ4は、パーソナルコンピュータ等であり、無線通信回線12やインターネット網を介して、各サイトA~Jで稼働している自動販売機2と蓄電装置3との給電ペアの管理を行う。
【0042】
蓄電装置管理サーバ4は、制御部(Control)21、記憶部(Memory)22、入出力部(I/O)23、送受信部(TX/RX)24、マウス25および表示部26から構成される。
【0043】
制御部21は、MPU等からなり、記憶部22のROMに記憶されたMPUの動作手順を規定するコンピュータプログラムに従い、記憶部22のRAMを一時記憶作業領域として、蓄電装置管理サーバ4の全体および各部の動作の制御をする。具体的には、制御部21は、1)記憶部22に対する読出し/書込み制御、2)入出力部23を介する、マウス25やキーボード等の入出力機器に対する入出力制御、およびLCD等の表示部26に対する表示制御、および3)送受信部24を介する蓄電装置管理サーバ4に対する送受信制御を行う。この送受信部24は、各蓄電装置3の送受信部10から送信される情報を受信する受信部を構成する。
【0044】
本実施形態では、記憶部22のRAMは、各蓄電装置3の送受信部10から送信されて送受信部24に受信される電池パック識別情報、装置識別情報、負荷識別情報および供給電力量を、装置識別情報によって各蓄電装置3毎に記憶するサーバ側記憶部を構成する。また、制御部21は、送受信部24に電池パック交換検知情報が受信されると、電池パック交換検知情報に含まれる装置識別情報に対応して記憶部22のRAMに記憶される、電池パック交換検知情報に含まれる交換前の電池パック識別情報を、電池パック交換検知情報に含まれる交換後の電池パック識別情報に更新するデータ更新部を構成する。
【0045】
また、制御部21は、送受信部24に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応して記憶部22のRAMに記憶される供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報で識別される自動販売機2へ供給した電力の電気料金を算出するサーバ側演算部を構成する。さらに、制御部21は、送受信部24に負荷変更検知情報が受信されると、負荷変更検知情報に含まれる装置識別情報に対応して記憶部22のRAMに記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷識別情報を、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷識別情報に更新するデータ更新部をも構成する。
【0046】
また、蓄電装置管理サーバ4の記憶部22には、各サイトA~Jにおける各蓄電装置3の送受信部10から送信される各種情報が、予め記憶されて登録されている。
図4(a)は、蓄電装置管理サーバ4のマウス25を操作して、入出力部23を介して制御部21に表示要求することで、表示部26に表示される登録サイト一覧画面26aである。この例では、登録済みサイトとして、「サイトに固有の識別情報+地区名」の情報が各サイトA~Jに対応して表示される。例えば、サイトAに対応した情報「0001 A地区」から、サイトJに対応した情報「0010 J地区」が表示される。この登録サイト一覧画面26aで、マウス25を操作することで、表示部26の画面に矢印として表示されるポインタ27を「0001 A地区」の表示箇所に図示するように移動して、マウス25をクリックすると、
図4(b)に示す登録装置一覧画面26bが表示される。
【0047】
この登録装置一覧画面26bには、蓄電装置管理サーバ4の記憶部22に登録済みの蓄電装置3の情報が、「蓄電装置に固有の識別情報」として各サイトA~J毎に表示される。例えば、同画面26bには、サイトAに配置される10個の蓄電装置3のそれぞれの固有の識別情報「199605010001」~「199605010010」が表示されている。これら登録装置の識別情報のそれぞれの右隣に表示されている “住所/地図”の表示箇所にポインタ27を移動してマウス25をクリックすると、ポインタ27で指し示される、A地区において登録された蓄電装置3の住所および地図(図示せず)が表示される。さらに、この登録装置一覧画面26bにおいて、例えばマウス25を操作してポインタ27を「199605010001」部分に図示するように移動してクリックすると、
図5(a)に示す稼働系電池パック一覧画面26cが表示される。
【0048】
この稼働系電池パック一覧画面26cは、各サイトA~Jの各蓄電装置3の送受信部10から蓄電装置管理サーバ4の送受信部24に受信される、自動販売機2へ電力を供給する電池パック61~610を識別する稼働系の電池パック識別情報、自身の蓄電装置3を識別する装置識別情報、自身の蓄電装置3が属するサイトA~Jを識別するサイト識別情報、給電部6が電力を供給する自動販売機2を識別する負荷識別情報、および給電部6から自動販売機2への給電期間情報に基づいて、表示される。
【0049】
例えば、稼働系電池パック一覧画面26cには、サイトに固有の識別情報(サイトID)「0001」、蓄電装置3に固有の識別情報(装置ID)「199605010001」、自動販売機2に固有の識別情報(負荷ID)「xxxxxxxxxx」、給電を開始してからの期間(期間)「PM17:00, May1/2019~」が表示される。この例では、サイトAにおける、負荷IDが「xxxxxxxxxx」の自動販売機2へ給電する、装置IDが「199605010001」の蓄電装置3についての、稼働系電池パック61~610に固有の識別情報として、「No1. 201104010001」~「No10. 201104010010」が表示されている。
【0050】
この稼働系電池パック一覧画面26cにおいて、マウス25を操作してポインタ27を「201104010001」部分に図示するように移動してクリックすると、
図5(b)に示す電池パック状態情報画面26dが蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される。
【0051】
この電池パック状態情報画面26dには、サイトに固有の識別情報(サイトID)「0001」、蓄電装置3に固有の識別情報(装置ID)「199605010001」、自動販売機2に固有の識別情報(負荷ID)「xxxxxxxxxx」、給電を開始してからの期間(期間)「PM17:00, May1/2019~」、および電池パック61に固有の識別情報(電池パック: No1. 201104010001)が示されている。さらに、この電池パック状態情報画面26dには、蓄電装置3の送受信部10から蓄電装置管理サーバ4の送受信部24に受信される、BMU6b1~6b10で測定される電池情報、および蓄電装置3の制御部7で演算される供給電力量が表示される。この例では、電池パック61「No1. 201104010001」の電池情報として、測定日時(AM 9:00, May 2/2019)における、電圧(V)「xx.xx」、電流(A)「yy.yy」、温度(℃)「zz.zz」、充電率(SOC(%))「aa.aa」、劣化率(SOH(%))「bb.bb」および供給電力量(W)「cc.cc」が表示されている。供給電力量は、BMU6b1~6b10により測定された電圧および電流から蓄電装置3の制御部7により計算される。
【0052】
また、マウス25を操作してポインタ27を
図4(a),(b)および
図5(a)に示す各画面26a,26bおよび26cの右上に表示される「追加/修正」部分に移動してクリックすると、新規サイトの各情報が表示部26の図示しない画面に表示される。また、マウス25を操作してポインタ27を
図5(a)に示す画面26cの右上に表示される「待機系表示」部分に移動してクリックすると、
図6に示す待機系電池パック一覧画面26eが表示部26に表示される。
【0053】
この待機系電池パック一覧画面26eは、
図1に示される各サイトA~Jにおいて自動販売機2に給電している稼働系電池パック以外の電池パック6
1~6
10の識別情報を表示しており、マウス25を操作してポインタ27を図示するようにカーソル28に移動してドラッグすることで、待機系電池パック全体の識別情報を表示することができる。ここに表示されるこれらの電池パック6
1~6
10は、例えば蓄電装置3から取り外された後に、管理車両5に搭載されている充電器で充電され、管理車両5内に保管されている。
【0054】
次に、このような蓄電装置管理システム1の構成における、蓄電装置3と蓄電装置管理サーバ4との連動する動作について、説明する。
【0055】
図7は、本実施の形態に係る蓄電装置3の蓄電装置管理サーバ4に連動する動作を例示するフローチャートである。ここでは、サイトAにおける自動販売機2と蓄電装置3との給電ペアを例に挙げて説明する。
【0056】
はじめに、ステップS101で、サイトAにおける蓄電装置3の制御部7は、給電部6から自動販売機2への給電を断つスイッチが操作されて給電停止操作が行われ、給電停止操作検知部によって給電停止操作が検知されたか否かを判定する。給電停止操作が検知されていなくてステップS101の判定がNoの場合、制御部7はステップS101の処理を繰り返す。また、給電停止操作が検知されてステップS101の判定がYesの場合、制御部7は、ステップS102で、給電停止操作検知情報を、装置側演算部により演算される蓄電装置管理サーバ4の累積の供給電力量に関する情報と共に、蓄電装置管理サーバ4へ送信する。
【0057】
次に、制御部7は、ステップS103で、ステップS101で断たれたスイッチが投入操作されて、給電部6から自動販売機2への給電が再開されたか否かを判定する。給電が再開されていなくてステップS103の判定がNoの場合、制御部7はステップS103の処理を繰り返す。また、給電が再開されてステップS103の判定がYesの場合、制御部7は、次に、ステップS104で、給電部6におけるいずれかの電池パック6
1~6
10の交換が電池パック交換検知部により検知されて、いずれかの電池パック6
1~6
10が交換されたか否かを判定する。電池パック交換検知部は、例えば、記憶部8に記憶されている給電再開前の稼働系電池パック6
1~6
10の識別情報(
図5(a)参照)と、給電再開後に記憶部8から読み取った電池パック6
1~6
10の識別情報とを比較することで、いずれかの電池パック6
1~6
10が交換されたか否かを判定する。
【0058】
いずれかの電池パック61~610が交換されてステップS104の判定がYesの場合、制御部7は、次に、ステップS105で、交換前後の各電池パック61~610を識別する各電池パック識別情報および自身の装置識別情報を含む電池パック交換検知情報を、蓄電装置管理サーバ4へ送信する。また、いずれの電池パック61~610も交換されておらず、ステップS104の判定がNoの場合、または、ステップS105で電池パック交換検知情報を蓄電装置管理サーバ4へ送信した後、次に、制御部7は、ステップS106で、蓄電装置3に接続される自動販売機2の変更が負荷変更検知部で検知されて、自動販売機2が変更されているか否かを判定する。負荷変更検知部は、例えば、記憶部8に記憶されている給電再開前の自動販売機2の識別情報と、給電再開後に記憶部8から読み取った自動販売機2の識別情報とを比較することで、蓄電装置3に接続される自動販売機2が変更されたか否かを判定する。
【0059】
自動販売機2が変更されてステップS106の判定がYesの場合、次に、制御部7は、ステップS107で、変更前後の各自動販売機2を識別する各負荷識別情報および自身の装置識別情報を含む負荷変更検知情報を、蓄電装置管理サーバ4へ送信する。自動販売機2が変更されていなくてステップS106の判定がNoの場合、または、ステップS107で負荷変更検知情報を蓄電装置管理サーバ4へ送信した後、制御部7は、ステップS101の処理に戻る。
【0060】
図8は、上記の蓄電装置3の動作に連動して行われる蓄電装置管理サーバ4の動作を例示するフローチャートである。
【0061】
蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、蓄電装置3の送受信部10が
図7,ステップS102で送信した給電停止操作検知情報を送受信部24が受信したか否かを、ステップS201で判定する。給電停止操作検知情報が受信されていなくてステップS201の判定がNoの場合、制御部21はステップS201の処理を繰り返す。
【0062】
図9(a)は、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される給電停止操作検知情報画面26fを例示する図である。この給電停止操作検知情報画面26fには、サイトAの蓄電装置3の送受信部10から送信されて蓄電装置管理サーバ4の送受信部24に受信された給電停止操作検知情報の送信日時「PM2:00,June20/2019」、給電停止操作検知情報に含まれる、給電停止操作検知情報を送信した蓄電装置3が属するサイトAに固有の識別情報(サイトID)「0001」、その蓄電装置3に固有の識別情報(装置ID)「199605010001」、およびその蓄電装置3と給電ペアを構成する自動販売機2に固有の識別情報(負荷ID)「xxxxxxxxxx」が表示される。この給電停止操作検知情報画面26fには、さらに、負荷ID「xxxxxxxxxx」の自動販売機2に給電している装置ID「199605010001」の蓄電装置3に収容されている各電池パック6
1~6
10に固有の各識別情報「No1. 201104010001」~「No10. 201104010010」が表示される。
【0063】
上記の給電停止操作検知情報が送受信部24に受信されてステップS201の判定がYesの場合、蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、蓄電装置3の送受信部10が
図7,ステップS102で給電停止操作検知情報と共に送信した蓄電装置管理サーバ4の累積の供給電力量に関する情報をステップS202で受信する。
【0064】
図9(b)は、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される、この累積の供給電力量に関する情報を表す画面26gを例示する図である。同画面26gには、この情報の送信日時「PM2:00,June20/2019」、この情報を送信した蓄電装置3が属するサイトAに固有の識別情報(サイトID)「0001」、その蓄電装置3に固有の識別情報(装置ID)「199605010001」、その蓄電装置3と給電ペアを構成する自動販売機2に固有の識別情報(負荷ID)「xxxxxxxxxx」、装置ID「199605010001」の蓄電装置3が負荷ID「xxxxxxxxxx」の自動販売機2に電力を供給した期間「PM17:00, May 1/2019~PM2:00, June 20/2019」、および電力を供給した期間における供給電力量「zzz.z kW/H」が表示されている。蓄電装置3の制御部7は、
図5(b)に例示した装置ID「199605010001」の蓄電装置3に収容される全電池パック6
1~6
10の供給電力量を加算することで、蓄電装置3が自動販売機2に供給した累積の供給電力量を算出する。
【0065】
図8,ステップS202で累積の供給電力量を受信した蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、次に、ステップS203で、蓄電装置3の送受信部10が
図7,ステップS105で送信した電池パック交換検知情報を送受信部24が受信したか否かを判定する。
【0066】
図10(a)は、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される、この電池パック交換検知情報を表す画面26hを例示する図である。同画面26hには、この情報の送信日時「PM3:00,June20/2019」、この情報を送信した蓄電装置3が属するサイトAに固有の識別情報(サイトID)「0001」、その蓄電装置3に固有の識別情報(装置ID)「199605010001」、その蓄電装置3と給電ペアを構成する自動販売機2に固有の識別情報(負荷ID)「xxxxxxxxxx」、装置ID「199605010001」の蓄電装置3に新たに収容される稼働系電池パック6
1~6
10に固有の識別情報「No1. 201310010001」~「No10. 201310010010」が表示されている。
【0067】
上記の電池パック交換検知情報を受信していてステップS203の判定がYesの場合、蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、次に、ステップS204で、待機系電池パック一覧(
図6参照)の情報を更新すると共に、稼働系電池パック一覧(
図5(a)参照)の情報を更新する。
【0068】
具体的には、制御部21は、受信した電池パック交換検知情報に含まれる、装置ID「199605010001」の蓄電装置3に電池パック交換前に収容されていた電池パック6
1~6
10の識別情報(稼働系電池パック一覧(
図5(a)参照))を待機系電池パック一覧(
図6参照)に新たに登録すると共に、電池パック交換後の新たな電池パック6
1~6
10の識別情報を待機系電池パック一覧(
図6参照)から削除することで、待機系電池パック一覧に含まれる電池パック6
1~6
10の識別情報を
図10(b)に例示する待機系電池パック一覧画面26iのように更新する。このとき、稼働系電池パック一覧(
図5(a)参照)から待機系電池パック一覧(
図10(b)参照)に新たに登録された交換前の各電池パック6
1~6
10毎に作成されていた電池情報(
図5(b)参照)は、削除される。
【0069】
さらに、制御部21は、受信した電池パック交換検知情報に含まれる、電池パック交換後の新たな電池パック6
1~6
10の識別情報を稼働系電池パック一覧(
図5(a)参照)に新たに登録することで、稼働系電池パック一覧に含まれる電池パック6
1~6
10の識別情報を
図11(a)に例示する稼働系電池パック一覧画面26jのように更新する。
【0070】
待機系電池パック一覧および稼働系電池パック一覧の各情報を上記のように更新した後、または、電池パック交換検知情報を受信していなくてステップS203の判定がNoの場合、蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、次に、ステップS205で、蓄電装置3の送受信部10が
図7,ステップS107で送信した負荷変更検知情報を送受信部24が受信したか否かを判定する。
【0071】
図11(b)は、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される、この負荷変更検知情報を表す画面26kを例示する図である。同画面26kには、この情報の送信日時「PM3:00,June20/2019」、この情報を送信した蓄電装置3が属するサイトAに固有の識別情報(サイトID)「0001」、その蓄電装置3に固有の識別情報(装置ID)「199605010001」、および、その蓄電装置3と給電ペアを新たに構成する自動販売機2に固有の識別情報(負荷ID)「yyyyyyyyyy」が表示されている。
【0072】
負荷変更検知情報を受信していてステップS205の判定がYesの場合、蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、次に、ステップS206で、稼働系電池パック一覧(
図5(a)参照)における情報のうちの負荷識別情報および給電期間情報を更新する。
【0073】
具体的には、制御部21は、ステップS203で電池パック交換検知情報を受信していなくてNoと判定した場合であって、且つ、ステップS205で負荷変更検知情報を受信した場合には、稼働系電池パック一覧画面26c(
図5(a)参照)を
図12(a)に示される稼働系電池パック一覧画面26lに更新する。同画面26lには、画面26c(
図5(a)参照)に示される情報のうち、自動販売機2の識別情報(Load ID)「xxxxxxxxxx」が「yyyyyyyyyy」に修正されており、さらに、装置ID「199605010001」の蓄電装置3が新たな給電ペアを構成する負荷ID「yyyyyyyyyy」の自動販売機2に電力を供給した新たな期間「PM3:00, June 20/2019~」が表示されている。
【0074】
また、制御部21は、ステップS203で電池パック交換検知情報を受信していてYesと判定した場合であって、且つ、ステップS205で負荷変更検知情報を受信した場合には、稼働系電池パック一覧画面26c(
図5(a)参照)を
図12(b)に示される稼働系電池パック一覧画面26mに更新する。同画面26mには、画面26c(
図5(a)参照)に示される情報のうち、自動販売機2の識別情報(Load ID)「xxxxxxxxxx」が「yyyyyyyyyy」に修正されており、さらに、装置ID「199605010001」の蓄電装置3が新たな給電ペアを構成する負荷ID「yyyyyyyyyy」の自動販売機2に電力を供給した新たな期間「PM3:00, June 20/2019~」、およびステップ204で更新された新たな稼働系電池パック6
1~6
10の識別情報が表示されている。
【0075】
ステップS206の後、ステップS207で、蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、変更前の負荷ID「xxxxxxxxxx」の自動販売機2について、装置ID「199605010001」の蓄電装置3から受信した累積の供給電力量(
図9(b)参照)と所定のレートとを乗算することで、装置ID「199605010001」の蓄電装置3が負荷ID「xxxxxxxxxx」の自動販売機2に電力を供給したことによる電気料金を計算する。
【0076】
図13(a)は、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される電気料金情報画面26nを例示する図である。同画面26nには、この電気料金情報を計算した基となる累積の供給電力量を蓄電装置3が送信した送信日時「PM3:02,June20/2019」、この累積の供給電力量情報を送信した蓄電装置3が属するサイトAに固有の識別情報(サイトID)「0001」、その蓄電装置3に固有の識別情報(装置ID)「199605010001」、その蓄電装置3と給電ペアを構成する自動販売機2に固有の識別情報(負荷ID)「xxxxxxxxxx」、装置ID「199605010001」の蓄電装置3が負荷ID「xxxxxxxxxx」の自動販売機2に電力を供給した期間「PM17:00, May 1/2019~PM2:00, June 20/2019」、電力を供給した期間における供給電力量「zzz.z kW/H」、および電気料金請求額「\12,000」が表示されている。
【0077】
このような本実施形態による蓄電装置管理システム1によれば、上述のように、BM6a1~6a10とBMU6b1~6b10との対からなる電池パック6
1~6
10が複数組み合わされて給電部6が構成され、蓄電装置3と給電ペアを構成する自動販売機2へは、蓄電装置3の給電部6を構成する各BM6a1~6a10から電力が供給される。給電部6における電池パック6
1~6
10の交換は
図7,ステップS104で電池パック交換検知部によって検知され、電池パック交換検知部で電池パック6
1~6
10の交換が検知されると、交換前後の各電池パック6
1~6
10を識別する各電池パック識別情報および自身の装置識別情報を含む電池パック交換検知情報(
図10(a)参照)が、ステップS105で蓄電装置3の送受信部10から送信される。送信された電池パック交換検知情報は、
図8,ステップS203で蓄電装置管理サーバ4の送受信部24で受信される。
【0078】
蓄電装置管理サーバ4の記憶部22には、蓄電装置3の送受信部10から送信されて蓄電装置管理サーバ4の送受信部24に受信される電池パック識別情報、装置識別情報(装置ID)、負荷識別情報(負荷ID)および供給電力量が、
図5(a)および(b)に示す画面26cおよび26dに示すように、装置IDによって各蓄電装置3毎に記憶されている。電池パック交換検知情報が蓄電装置3の送受信部10から蓄電装置管理サーバ4の送受信部24に受信されると、電池パック交換検知情報に含まれる装置IDに対応してサーバ側記憶部22に記憶される、電池パック交換検知情報に含まれる交換前の電池パック識別情報が、蓄電装置管理サーバ4のデータ更新部により、電池パック交換検知情報に含まれる交換後の電池パック識別情報に、
図10に示すように更新される。このため、自動販売機2と蓄電装置3とからなるいずれの給電ペアにおける電池パック6
1~6
10の交換情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システム1を構成する蓄電装置管理サーバ4によって一元管理される。
【0079】
また、本実施形態による蓄電装置管理システム1によれば、蓄電装置3と給電ペアを構成する自動販売機2の変更は
図7,ステップS106で負荷変更検知部によって検知され、負荷変更検知部で自動販売機2の変更が検知されると、変更前後の各自動販売機2を識別する各負荷IDおよび自身の装置IDを含む負荷変更検知情報(
図11(b)参照)が、蓄電装置3の送受信部10からステップS107で送信される。送信された負荷変更検知情報は、
図8,ステップS205において、蓄電装置管理サーバ4の送受信部24で受信される。負荷変更検知情報が蓄電装置3の送受信部10から蓄電装置管理サーバ4の送受信部24に受信されると、ステップS206において、蓄電装置管理サーバ4のデータ更新部により、
図12(a)および(b)に示す画面26lおよび26mに示すように、負荷変更検知情報に含まれる装置ID「199605010001」に対応してサーバ側記憶部22に記憶される、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷ID「xxxxxxxxxx」が、負荷変更検知情報に含まれる交換後の負荷ID「yyyyyyyyyy」に更新される。
【0080】
また、送受信部24に負荷変更検知情報が受信されると、ステップS207において、蓄電装置管理サーバ4のサーバ側演算部により、負荷変更検知情報に含まれる装置IDに対応してサーバ側記憶部22に記憶される供給電力量を基に、負荷変更検知情報に含まれる交換前の負荷IDで識別される自動販売機2へ供給した電力の電気料金が算出される。このため、電池パック61~610の交換情報に加え、自動販売機2と蓄電装置3とからなるいずれの給電ペアにおける自動販売機2の変更情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システム1を構成する蓄電装置管理サーバ4によって一元管理される。さらに、サーバ側演算部により、交換前の自動販売機2に供給された電力に対する電気料金の精算が自動的に行われ、交換された自動販売機2に供給された電力に対する電気料金が一元管理される。
【0081】
また、本実施形態による蓄電装置管理システム1によれば、蓄電装置3の制御部7により演算される自動販売機2への累積の供給電力量は、
図7,ステップS101において、給電の停止操作が給電停止操作検知部により検知されたときに、ステップS102で、給電停止操作検知情報と共に、蓄電装置3から蓄電装置管理サーバ4へ送信されて、サーバ側記憶部22に記憶される。このため、蓄電装置3の制御部7により演算される供給電力量は、予め決定されたタイミンで定期的に送信される場合に比較して、効率的に蓄電装置3から蓄電装置管理サーバ4へ送信されて、効率的にサーバ側記憶部22に記憶される。
【0082】
なお、自動販売機2への供給電力量の蓄電装置管理サーバ4への送信は、ステップS106で自動販売機2の変更が負荷変更検知部により検知されて、ステップS107で負荷変更検知情報を送信するときに、行うようにしてもよい。また、上記実施の形態では、給電停止操作検知情報を送信するステップS102で、累積の供給電力量を算出している。本発明はこれに限定されず、例えばステップS106での負荷変更の判定が行われたときに、累積の供給電力量が算出されてもよい。この場合、ステップS107で送信される負荷変更検知情報に累積の供給電力量が含まれてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、予め決定された巡回経路として、
図1に示すサイトA~Jのそれぞれにおいて各組の給電ペアに管理車両5が巡回している。本発明は、これに限定されず、例えば特定の都道府県を1つのサイトとして、特定の都道府県を県北、県南地区といった複数のサブサイト、更に特定の地区を複数のサブサブサイトに分割しても良く、複数のサイト、複数のサブサイトまたは複数のサブサブサイトに跨って管理車両5が巡回するだけでなく、1つのサイト、1つのサブサイトまたは1つのサブサブサイト内を管理車両5が巡回する構成としてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では、複数のベンダーからなる各種の定格消費電力量の自動販売機2を負荷として適用しているが、本発明はこれに限定されず、商用交流電源からの電力の供給を受けることを前提とする例えば発券機のような他の種類の電子機器等が負荷に含まれる場合がある。この場合、給電部6から電力の供給を受ける負荷が、商用交流電源からの電力の供給を受けるこのような各種の負荷であっても、各種負荷に電力を供給しながら、負荷と蓄電装置3との給電ペアに関する変更の内容を一元管理することができる。
【0085】
また、上記実施の形態では、
図12に示す稼働系電池パック一覧として個々の蓄電装置3と負荷との給電ペア毎に個別に作成されている。本発明はこれに限定されず、例えば1つのサイト毎に1つのリストとして纏めて作成されても良く、何れにしても、蓄電装置3の識別情報、該蓄電装置3が給電する負荷の識別情報および該蓄電装置3に収容される複数のBMの識別情報を含む情報として形成されていればよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、
図13に示す電気料金情報として個々の蓄電装置3と負荷との給電ペア毎に個別に作成されている。本発明はこれに限定されず、例えば1つのサイト毎に1つのリストとして纏めて作成されても良く、何れにしても、蓄電装置3の識別情報、該蓄電装置3が給電した負荷の識別情報、給電期間、累積の電力量および電気料金を含む情報として形成されていればよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、
図7に示すステップS101で給電停止操作を確認し、ステップS103で給電再開の投入操作を確認した後に、ステップS104で電池パック6
1~6
10の交換を確認している。本発明はこれに限定されず、例えば予め決定されたタイミングで、蓄電装置3の制御部7が、
図7に示すステップ104の電池パック交換検知処理を定期的に行ってもよい。同様に、上記実施の形態では、
図7に示すステップS106で負荷の変更を確認している。本発明は、これに限定されず、例えば予め決定されたタイミングで、蓄電装置3の制御部7が
図7に示すステップS106の負荷変更確認処理を定期的に行ってもよい。
【0088】
また、上記実施の形態では、
図7に示すステップS104での電池パック6
1~6
10の交換判定の後に、ステップS106での負荷の変更判定を行っている。本発明は、これに限定されず、例えば電池パック6
1~6
10の交換判定のみ、または負荷の変更判定のみを行う蓄電装置管理システム1として実施してもよい。
【0089】
例えば電池パック61~610の交換判定のみを行う場合にも、自動販売機2と蓄電装置3とからなるいずれの給電ペアにおける電池パック61~610の交換情報も、給電ペアに関する変更の内容として、蓄電装置管理システム1を構成する蓄電装置管理サーバ4によって一元管理され、上記実施の形態と同様な作用効果が奏される。また、負荷の変更判定のみを行う場合にも、自動販売機2と蓄電装置3とからなるいずれの給電ペアにおける自動販売機2の変更情報も、給電ペアに関する変更の内容として蓄電装置管理サーバ4によって一元管理されると共に、交換された自動販売機2に供給された電力に対する電気料金が一元管理され、上記実施の形態と同様な作用効果が奏される。
【0090】
さらに、本発明は、蓄電装置3または自動販売機2に障害等が生じて、蓄電装置3から自動販売機2への電力の供給が絶たれた場合を考慮する構成を持つことができる。
【0091】
この変形例の構成では、蓄電装置3の制御部7が、給電部3から自動販売機2へ供給される給電の停止およびその給電停止期間を検知する給電停止検知部を構成する。また、装置側演算部を構成する制御部7が、給電停止検知部により検知される給電停止期間、給電部6から自動販売機2へ供給された供給電力量の演算を停止する。また、給電の停止が給電停止検知部により検知されなくなって、給電部6から自動販売機2への給電が再開されたとき、蓄電装置3の送受信部10が、給電停止期間の情報を蓄電装置管理サーバ4へ送信する。蓄電装置管理サーバ4は、送受信部24に受信した給電停止期間の情報をサーバ側記憶部22に記憶する。
【0092】
図13(b)は、上記変形例の構成における蓄電装置管理システム1において、マウス25の制御部21に対する表示要求操作により、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される稼働系電池パック一覧画面26oを例示する図である。同画面26oには、
図5(a)に示した稼働系電池パック一覧画面26cにおける情報に加えて、給電が停止された期間(給電停止期間)「PM1:00,May3/2019~AM7:00, May4/2019」が表示されている。装置ID「199605010001」の蓄電装置3における給電停止検知部を構成する制御部7は、計時した給電停止期間の情報を記憶部8に記憶しており、表示要求操作に応じて画面26oに表示する。
【0093】
図14(a)は、上記変形例の構成における蓄電装置管理システム1において、マウス25の制御部21に対する表示要求操作により、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される電池パック状態情報画面26pを例示する図である。同画面26pには、
図5(b)に示した電池パック状態情報画面26dに表示される情報に加えて、給電が停止された期間「PM1:00,May3/2019~AM7:00, May4/2019」が表示されている。さらに、給電停止期間に演算されなかった分だけ少なく演算される消費電力量として“dd.dd”が表示されている。
【0094】
図14(b)は、上記変形例の構成における蓄電装置管理システム1において、マウス25の制御部21に対する表示要求操作により、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される累積の供給電力量に関する情報の画面26qを例示する図である。この例では、
図9(b)に示した画面26gの情報に加えて、給電が停止された期間「PM1:00,May3/2019~AM7:00, May4/2019」が表示されている。さらに、給電停止期間に応じて少なく演算される、自動販売機2への累積の供給電力量として“qqq.q”が表示されている。装置ID「199605010001」の蓄電装置3における制御部7は、
図14(a)に示される電池パック毎の供給電力量に基づいて、装置ID「199605010001」の蓄電装置3に収容される全電池パック6
1~6
10の供給電力量を加算して、累積の供給電力量を算出する。
【0095】
図15は、上記変形例の構成における蓄電装置管理システム1において、マウス25の制御部21に対する表示要求操作により、蓄電装置管理サーバ4の表示部26に表示される電気料金情報画面26rを例示する図である。この例では、
図13(a)に示した電気料金情報画面26nの情報に加えて、給電が停止された期間「PM1:00,May3/2019~AM7:00, May4/2019」が表示されている。さらに、給電停止時間に応じた累積の供給電力量“qqq.q”および電気料金請求額“\11,000”が表示されている。蓄電装置管理サーバ4の制御部21は、
図14(b)に示す累積の供給電力量に基づいて電気料金の請求額を算出する。
【0096】
このような変形例の構成をした蓄電装置管理システム1によれば、上記のように、給電停止検知部により検知される給電停止期間、給電部6から自動販売機2へ供給された供給電力量の制御部7による演算が停止される。給電の停止が給電停止検知部により検知されなくなって、給電部6から自動販売機2への給電が再開されたとき、送受信部10によって、給電停止期間の情報が蓄電装置管理サーバ4へ送信される。蓄電装置管理サーバ4は、送受信部24に受信した給電停止期間の情報をサーバ側記憶部22に記憶する。このため、蓄電装置3や自動販売機2に障害等が生じて、蓄電装置3から自動販売機2への給電が停止した際にも、自動販売機2と蓄電装置3との給電ペアにおける給電停止情報を、給電ペアに関する変更の内容として、一元管理することができる。
【0097】
また、上記実施の形態において、測定部を構成するBMU6b1~6b10がBM6a1~6a10の残電池容量を電池情報として測定するように構成してもよい。この場合、蓄電装置3の制御部7が、BMU6b1~6b10で測定されるいずれかのBM6a1~6a10の残電池容量が所定容量以下になるのを検知する残電池容量検知部を構成する。送受信部10は、残電池容量検知部でいずれかのBM6a1~6a10の残電池容量が所定容量以下になるのが検知されると、残電池容量が所定容量以下になったBM6a1~6a10を有する電池パック61~610を識別する電池パック識別情報および自身の装置IDと共に、電池容量警告信号を蓄電管理サーバ4へ送信する。蓄電装置管理サーバ4は、送受信部24に電池容量警告信号を受信すると、受信した電池パック識別情報および装置IDと共に受信した電池容量警告信号を、予め登録された所定の携帯端末に送信する。
【0098】
本構成によれば、自動販売機2と蓄電装置3とのいずれかの給電ペアにおけるBM6a1~6a10の残電池容量が所定容量以下になるのが、蓄電装置3の残電池容量検知部によって検知される。そして、いずれかの給電ペアにおけるBM6a1~6a10の残電池容量が所定容量以下になるのが蓄電装置3の残電池容量検知部によって検知されると、蓄電装置3の送受信部10から蓄電装置管理サーバ4へ、BM6a1~6a10の残電池容量が所定容量以下になったことを表す電池容量警告信号が、そのBM6a1~6a10を有する電池パック61~610を識別する電池パック識別情報および装置IDと共に送信される。
【0099】
蓄電装置管理サーバ4は、電池容量警告信号を受信すると、予め登録された所定の携帯端末へ、受信した電池パック識別情報および装置IDと共に受信した電池容量警告信号を送信する。したがって、所定の携帯端末を有する、管理車両5に搭乗する管理者は、予め定められた巡回ルートから外れて、受信した装置IDで識別される蓄電装置3の設置場所へ急行し、その蓄電装置3の、受信した電池パック識別情報で識別される電池パック61~610を、BM6a1~6a10が充電された新たな電池パック61~610に迅速にかつ容易に交換することができる。このため、各給電ペアを構成する蓄電装置3におけるBM6a1~6a10の残電池容量を一元管理することができる。
【0100】
また、上記実施の形態において、測定部を構成するBMU6b1~6b10がBM6a1~6a10の出力電圧または出力電流または温度の異常を、電池情報として、測定するように構成してもよい。この場合、蓄電装置3の送受信部は、BMU6b1~6b10でBM6a1~6a10の異常が測定されると、異常が検知されたBM6a1~6a10を有する電池パック61~610を識別する電池パック識別情報、および自身の装置IDと共に、異常検知信号を送信する。蓄電装置管理サーバ4は、送受信部24に異常検知信号を受信すると、受信した電池パック識別情報および装置IDと共に受信した異常検知信号を、予め登録された所定の携帯端末に送信する。
【0101】
本構成によれば、自動販売機2と蓄電装置3とのいずれかの給電ペアにおけるBM6a1~6a10の出力電圧または出力電流または温度の異常が、蓄電装置3のBMU6b1~6b10によって測定される。そして、いずれかの給電ペアにおけるBM6a1~6a10の各異常が蓄電装置3のBMU6b1~6b10によって測定されると、蓄電装置3の送受信部10から蓄電装置管理サーバ4へ、BM6a1~6a10の各異常を表す異常検知信号が、そのBM6a1~6a10を有する電池パック61~610を識別する電池パック識別情報および装置IDと共に、蓄電装置管理サーバ4へ送信される。蓄電装置管理サーバ4は、異常検知信号を受信すると、予め登録された所定の携帯端末へ、受信した電池パック識別情報および装置IDと共に、受信した異常検知信号を送信する。したがって、所定の携帯端末を有する、管理車両5に搭乗する管理者は、予め定められた巡回ルートから外れて、受信した装置IDで識別される蓄電装置3の設置場所へ急行し、その蓄電装置3の、受信した電池パック識別情報で識別される電池パック61~610におけるBM6a1~6a10の異常を確認し、必要な対処を迅速にすることができる。このため、各給電ペアを構成する蓄電装置3におけるBM6a1~6a10の各異常を一元管理することができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の蓄電池管理システム1は、1つまたは複数のベンダーの異なる定格消費電力をもつ自動販売機2だけでなく、商用交流電源の供給を前提とする例えば他の電子機器等についても負荷として適用することができる。更に、工事による停電や計画停電等のとき、商用交流電源からの電力の供給を受けることができない場所であっても負荷に蓄電装置3を併設して稼働させることができ、これらの給電ペアの変更内容を蓄電装置管理サーバ4にて一元管理することができる。
【符号の説明】
【0103】
1:蓄電装置管理システム
2:自動販売機
3:蓄電装置
4:蓄電装置管理サーバ
5:管理車両
6:給電部
6a1~6a10:BM(バッテリ・モジュール)
6b1~6b10:BMU(バッテリ・マネジメント・ユニット)
7:装置側制御部
8:装置側記憶部
9:装置側入出力部
10:装置側送受信部
11:DC/AC変換部
12:通信回線
21:サーバ側制御部
22:サーバ側記憶部
23:サーバ側入出力部
24:サーバ側送受信部
25:マウス
26:表示部
26a~26r:表示部26の画面