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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
G01G19/387 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021575555
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2020004852
(87)【国際公開番号】W WO2021157058
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-085165(JP,A)
【文献】特開2011-094689(JP,A)
【文献】国際公開第2016/043325(WO,A1)
【文献】国際公開第97/019330(WO,A1)
【文献】米国特許第06493605(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に上下に貫通する開口を備えた基台と、該基台に脚部を介して支持されたセンター基体と、該センター基体の上部に設けられて、供給される物品を放射状に搬送する分散フィーダと、該分散フィーダの周囲に設けられて、前記分散フィーダによって搬送された物品を搬送する複数のリニアフィーダと、前記センター基体の外周部に設けられて物品を保持して排出する複数のホッパとを備える組合せ秤であって、
前記基台は、その上面が外方に向けて、外方側の端まで先下がりに傾斜した傾斜面となっており、
前記基台は、中空構造であり、前記基台は、その側面に開口を備えると共に、前記開口の周縁が外方へ向けて突出した突出部を備え、
前記開口の上辺を構成する前記突出部は、その上面が、前記上辺の端に向けて先下がりに傾斜した傾斜面となっている、
組合せ秤。
【請求項2】
前記開口の前記上辺は、その中央部を頂点とする山形であり、前記突出部の前記上面は、前記開口の前記上辺に沿った山形である、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記基台は、前記開口の周縁の前記突出部の突出端が外向きに折り返されたフランジ部を備え、前記フランジ部の外面にシール部材を介して蓋板が取付けられて前記開口が水密状に閉止される、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記基台は、平面視における外形形状が角形であり、該角形の各コーナー部分は、該コーナー部分以外の直線部分とは別部材で構成され、前記コーナー部分と前記直線部分とが突合せ接合されている、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記コーナー部分は、前記直線部分の上面よりも隆起している、
請求項4に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子類や冷凍食品等の各種の物品を所定量ずつ計量して排出する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な組合せ秤では、例えば、特許文献1に開示されているように、中央部が上下に貫通する開口を備えた中空構造の基台に、複数の脚部を介してセンター基体が支持されている。このセンター基体の上部に、上方から供給される物品を、振動によって放射状に搬送する円錐形の分散フィーダが設けられている。この分散フィーダの周囲には、搬送された物品を更に外方に向けて搬送する複数台のリニアフィーダが設けられている。
【0003】
センター基体の外周部には、各リニアフィーダからの物品を一旦保持して排出する複数の供給ホッパと、各供給ホッパから排出された物品の重量を計測するための複数の計量ホッパとがそれぞれ配設されている。複数の計量ホッパの下方には、組合せ演算によって所定の重量範囲となるように選択された適量組合せの計量ホッパから排出される物品を集める集合シュートが配置され、集合シュートの下方には、集合シュートから滑落した物品を集めて落下排出する集合ファネルが配置されている。
【0004】
また、中空構造の基台の内部には、各種の電子部品や回路基板等の電装品が収容されている。この電装品を点検整備するための開口が基台の外側面に形成されている。
【0005】
食品を計量処理する組合せ秤では、洗浄作業が欠かせないものとなっており、また、冷凍食品の計量処理では、氷解した水が生じる。このため、基台の前記開口は、基台の内部に洗浄水等の水が浸入しないように、脱着自在な蓋板によって密閉された防水構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-163957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように食品を計量処理する組合せ秤では、定期的な洗浄作業や食品の種類が変更される都度の洗浄作業が欠かせないものとなっている。また、冷凍食品の計量処理では、氷解した水が生じる。
【0008】
このため、洗浄水や氷解した水が基台に降りかって付着残留することがあり、基台に残留した水が雑菌の繁殖やカビ発生の原因になる虞があった。勿論、基台に付着した洗浄水等の水を念入りに拭き取って乾燥させれば、このような不具合を回避することができる。しかし、そのためには多大な労力と時間が必要となる。
【0009】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、洗浄水等の水が基台の上に付着残留するのを防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0011】
(1)本発明に係る組合せ秤は、中央に上下に貫通する開口を備えた基台と、該基台に脚部を介して支持されたセンター基体と、該センター基体の上部に設けられて、供給される物品を放射状に搬送する分散フィーダと、該分散フィーダの周囲に設けられて、前記分散フィーダによって搬送された物品を搬送する複数のリニアフィーダと、前記センター基体の外周部に設けられて物品を保持して排出する複数のホッパとを備える組合せ秤であって、
前記基台は、その上面が外方に向けて、外方側の端まで先下がりに傾斜した傾斜面となっており、
前記基台は、中空構造であり、前記基台は、その側面に開口を備えると共に、前記開口の周縁が外方へ向けて突出した突出部を備え、
前記開口の上辺を構成する前記突出部は、その上面が、前記上辺の端に向けて先下がりに傾斜した傾斜面となっている
【0012】
本発明に係る組合せ秤によると、洗浄水等の水が基台の上面に降りかかっても、水は、外方に向けて外方側の端まで先下がりに傾斜した傾斜面に沿って流れ落ち、基台の上面に溜まることがない。したがって、特に拭取り作業等を行わなくても基台の上面は早期に自然乾燥し、雑菌の繁殖やカビ発生を未然に回避することができる。
【0014】
本発明によると、基台の上面を外方へ流下して側面に沿って流れてきた洗浄水等の水の一部は、開口の周縁の外方に向けて突出した突出部へ流れ込むことになる。この流れ込んだ水は、開口の上辺を構成する突出部の上面の傾斜面に沿って流れてその端から流下排出されることになる。これによって、洗浄水等の水が、外方へ突出した突出部の上面に溜まることがない。
【0015】
)本発明の他の実施態様では、前記開口の前記上辺は、その中央部を頂点とする山形であり、前記突出部の前記上面は、前記開口の前記上辺に沿った山形である。
【0016】
この実施態様によると、開口における上辺と同じ山形の突出部の上面は、山形の頂点部分が境界となり、突出部の上面に流れてきた洗浄水等の水は、頂点部分の両側に分かれて両端に流れ、両端から排出される。
【0017】
)本発明の更に他の実施態様では、前記基台は、前記開口の周縁の前記突出部の突出端が外向きに折り返されたフランジ部を備え、前記フランジ部の外面にシール部材を介して蓋板が取付けられて前記開口が水密状に閉止される。
【0018】
この実施態様によると、開口の周縁の外方へ突出した突出部が、その突出端から折り返されたフランジ部と、開口が形成された基台の側面とによって挟まれて溝が形成される。これによって、突出部へ流れ込んだ洗浄水等の水は、傾斜した前記溝に沿って流下して排出され、シール部材による閉止部分へ降りかかることがない。
【0019】
)本発明の一実施態様では、前記基台は、平面視における外形形状が角形であり、該角形の各コーナー部分は、該コーナー部分以外の直線部分とは別部材で構成され、前記コーナー部分と前記直線部分とが突合せ接合されている。
【0020】
この実施態様によると、直線部分とは別部材で構成されるコーナー部分の形状や剛性を任意に設定しやすくなる。
【0021】
)本発明の他の実施態様では、前記コーナー部分は、前記直線部分の上面よりも隆起している。
【0022】
この実施態様によると、コーナー部分の上面の隆起が、リブ効果を発揮し、コーナー部分の剛性が高いものとなり、基台全体を頑強なものにすることができる。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明の組合せ秤によれば、洗浄水等の水が基台の上に残留することがなく、雑菌の繁殖やカビの発生を防止することができ、衛生的に計量処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は本発明の一実施形態の組合せ秤の外観斜視図である。
図2図2図1の組合せ秤の基台の斜視図である。
図3図3図2の基台の正面図である。
図4図4図2の基台の平面図である。
図5図5図2の基台の底面図である。
図6図6は内部の収容品を省略した図4におけるA-A断面図である。
図7図7は本発明の他の実施形態の図6に対応する断面図である。
図8図8は内部の収容品を省略した基台のコーナー部分の縦断面図である。
図9図9は基台の一部を示す分解斜視図である。
図10図10図3の部分Aの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1に、本発明の一実施形態に係る組合せ秤の外観斜視図が示されている。この実施形態の組合せ秤は、菓子類や冷凍食品などの物品を計量して、所定重量範囲の物品を、図示しない下方の包装装置に排出投入して袋詰めする包装ラインなどに利用される。
【0027】
この組合せ秤は、その中央に略円柱状のセンター基体2が、複数本(この例では4本)の脚部3を介して基台1に支持されている。基台1は、組合せ秤の下部が挿通する開口を有する図示しない床面に設置されている。
【0028】
センター基体2の上部中央には、図示しない上方の供給コンベヤの終端から落下供給される物品を、振動によって放射状に分散させて搬送する分散フィーダ4が装備されている。この分散フィーダ4を取り囲むように、搬送された物品を振動によって外方に向けて搬送する多数台のリニアフィーダ5が配備されている。
【0029】
更に、センター基体2の外周部には、各リニアフィーダ5からの物品を一旦保持して排出する供給ホッパ6と、各供給ホッパ6から排出された物品を保持してその重量を計量する計量ホッパ7とが装備されている。
【0030】
センター基体2の内部には、分散フィーダ4及びリニアフィーダ5の振動装置、供給ホッパ6及び計量ホッパ7の排出ゲートの開閉装置、及び、計量ホッパ7内の物品の重量を計測するロードセルなどの重量センサなどが収納されている。
【0031】
各計量ホッパ7の下方には、組合せ演算によって所定の重量範囲となるように選択された適量組合せの計量ホッパ7から排出された物品を中央側に集める集合シュート8が配備されている。この集合シュート8の下方には、集合シュート8に沿って滑落した物品を更に装置中央に集める集合ファネル9が配備されている。この集合ファネル9の下方には、集合ファネル9で集められた物品を受け止め保持し、包装装置からの供給要請指令に基づいて排出する集合ホッパ10が配置されている。
【0032】
この組合せ秤では、菓子類や冷凍食品など計量するので、定期的な洗浄作業は欠かすことができず、洗浄水や冷凍食品からの氷解した水が基台1に降りかかることがある。降りかかった水が、基台1に付着して残留すると、雑菌の繁殖やカビ発生の虞がある。
【0033】
このため、この実施形態の組合せ秤では、前記基台1を以下のように構成している。図2は基台1の斜視図であり、図3はその正面図であり、図4はその平面図であり、図5はその底面図である。これらの図2図5では、基台1に脚部3を介して支持されたセンター基体2を、仮想線で示している。
【0034】
基台1は、平面形状が正方形であり、その中央に上下に貫通する八角形の開口11を有している。図1に示されるように、組合せ秤は、その下部が開口11に挿通した状態で基台1に支持されている。この基台1は、中空の板金構造となっており、基台1の内部には、各種の電装品が収容されている。
【0035】
基台1は、正方形の四辺を構成する直線状の直線部分1Aと、四隅のコーナー部分1Bとを備えている。別部材として構成された直線部分1Aの端部とコーナー部分1Bの端部とが、突合わされて溶接によって接合されている。
【0036】
図6は、内部に収容された電装品を省略した図4におけるA-A断面図である。この図6に示すように、各直線部分1Aは、その上面sが、水平面hに対して第1傾斜角度θ1で外方(図6の左方)に向けて外方側の端まで先下がり傾斜している。この第1傾斜角度θ1は、例えば、5度~30度程度であるのが好ましく、この実施形態では、第1傾斜角度θ1を30度としている。
【0037】
このように平面視正方形の各直線部分1Aの上面sを、外方へ向けて先下がりの傾斜面としているので、洗浄の際の洗浄水や冷凍食品からの水が、基台1に降りかかっても、洗浄水等の水が、傾斜した上面sに沿って速やかに外方へ流下排出される。
【0038】
なお、この実施形態では、開口11に向かう内側壁面の上部が、内方(図6の右方)に向けて急角度で傾斜されている。これによって、上面sと内側壁面との屈折角度が鋭角にならないようにしている。
【0039】
本発明の他の実施形態として、図7に示すように、上面sを、内方側の端まで延長し、直線部分1Aの上面sの全面を、同一の第1傾斜角度θ1の傾斜面としてもよい。すなわち、基台1の内外方向(図6の左右方向)の全幅に亘って、上面sを、外方に向けて外方側の端まで先下がり傾斜している傾斜面としてもよい。
【0040】
この図7の実施形態によれば、洗浄水等の水は、基台1の上面sに沿って外方に流下排出されるので、基台1の内方側の開口11の下方に配備される包装装置などへ洗浄水が降りかかることがない。
【0041】
外方に向けて外方側の端まで先下がり傾斜している傾斜面は、基台1の内外方向の幅の少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上を占めるように形成されるのが好ましい。
【0042】
コーナー部分1Bは、図1図3に示すように、その上面tが直線部分1Aの上面sよりも隆起した山形に形成されてコーナー部分1Bの剛性が高められている。
【0043】
図8は、内部に収容された電装品を省略したコーナー部分1Bの縦断面図である。この図8に示すように、コーナー部分1Bの上面tは、外方(図8の左方)へ向けて外方側の端まで先下がりの傾斜面となっている。これによって、直線部分1Aと同様に、コーナー部分1Bの上面tでの洗浄水等の水が、傾斜した上面tに沿って速やかに外方へ流下排出される。
【0044】
本発明の他の実施形態として、コーナー部分1Bの上面tも上記図7の直線部分1Aの上面sと同様に、内方側の端まで延長し、基台1の内方側の開口11の下方に配備される包装装置などへ洗浄水が降りかからないようにしてもよい。
【0045】
また、コーナー部分1Bの底面及び開口11に向かう内側壁面が、厚板材で形成されて剛性の高いものに構成されている。この内側壁面に、センター基体支持用の脚部3が連結されている。
【0046】
このように剛性の高いコーナー部分1Bに、センター基体2を支持する脚部3を連結しているので、センター基体2の重量を的確に支持することができる。
【0047】
平面視正方形の四辺を構成する各直線部分1Aにおける外側壁面、すなわち、基台1の側面には、長手方向(例えば、図3の左右方向)の中央部に、図9の分解斜視図に示されるように、直線部分1Aの内部に収容した電装品を点検整備するために点検整備用の開口12が設けられている。
【0048】
この実施形態では、開口12は、例えば、図3に示されるように、その正面形状が、横長の矩形の上辺を緩やかな山形に形成して前記上辺の中央に頂点を有する横長の五角形となっている。すなわち、開口12の上辺は、その中央を頂点とする緩やかな山形である。
【0049】
この開口12の周縁は、図6に示されるように、外方(図6の左方)に突出した突出部12aとなっている。この突出部12aの正面形状は、開口12と同じ横長の五角形となっている。開口12の上辺を構成する上方の突出部12aの上面uは、前記上辺に沿った緩やかな山形となっている。
【0050】
開口12の周縁の突出部12aの突出端は、開口12の外側、すなわち、外向きに折り返し延出されてフランジ部12bが構成されている。このフランジ部12bの正面から見た外形形状は、開口12と同じ横長の五角形となっている。
【0051】
このフランジ部12aの外面に、シール材であるパッキン13を介して蓋板14が脱着可能にネジ連結されている。これによって、点検整備用の開口12は、蓋板14及びパッキン13によって水密状に閉止される。
【0052】
蓋板14は、開口12のフランジ部12bより一回り大きい外形状、すなわち、その正面形状が、横長の五角形となっている。この蓋板14の外周部14aは、図6及び図9に示されるように、内向きに折り返され、パッキン13を介したシール箇所に外周から被さるようにフランジ部12bに外嵌装着される。
【0053】
上記のように開口12の周縁から外方へ突出した突出部12aの突出端からフランジ部12bが、開口12の外側へ折り返し延出されているので、図6に示されるように、開口12の周縁部の外側壁面と、突出部12aと、フランジ部12bとによって、開口12の外周に沿って環状の凹溝17が形成される。
【0054】
基台1の直線部分1Aの外方に向けて先下がり傾斜した上面sに沿って流れ落ちた洗浄水等の水の一部は、点検整備用の開口12の長手方向に長い上部の凹溝17に流れ込むことになる。
【0055】
この実施形態では、上記のように、開口12は、その正面形状が、横長の矩形の上辺を緩やかな山形に形成して前記上辺の中央に頂点を有する横長の五角形となっている。この開口12の周縁から外方へ突出して、上部の凹溝17を構成する突出部12aの上面uも開口12の上辺と同じように、横長の矩形の上辺を緩やかな山形に形成して前記上辺の中央に頂点を有する横長の五角形となっている。
【0056】
突出部12aの上面uの山形の緩やか傾斜は、図3の一点鎖線で囲まれた部分Aの拡大図である図10に示されるように、開口12の上辺の傾斜と同じである。この傾斜角度、すなわち、水平面hに対する第2傾斜角度θ2は、例えば、3度~5度程度であるのが好ましい。この実施形態では、第2傾斜角度θ2は、5度である。
【0057】
これによって、直線部分1Aの外方へ傾斜した上面sに沿って流れ落ちて、点検整備用の開口12の上部の凹溝17に流れ込んだ洗浄水等の水は、その凹溝17を構成する突出部12aの第2傾斜角度θ2で傾斜した上面uに沿って凹溝17を流下して排出される。
【0058】
以上のように本実施形態によれば、基台1の上面s,tは、外方へ向けて、外方側の端まで先下がりの傾斜面となっているので、洗浄の際の洗浄水や冷凍食品からの水が、基台1に降りかかっても、洗浄水等の水が、傾斜した上面s,tに沿って速やかに外方へ流下排出される。
【0059】
また、外方へ流下排出された洗浄水等の水の一部は、開口12の周縁から外方へ突出した突出部12aに流れ込む。突出部12aの上面uは、その中央を頂点とする緩やかな山形であって、基台1の外側壁面及びフランジ部12bと共に、凹溝17を形成するので、突出部12aに流れ込んだ洗浄水等の水は、凹溝17によって中央の頂点の両側へ案内されて両端から流下排出される。
【0060】
したがって、基台1の上面s,t及び突出部12aの上面uに、洗浄水等の水が溜まることがない。このため、特に拭取り作業等を行わなくても基台1の上面s,t及び突出部12aの上面uは早期に自然乾燥し、雑菌の繁殖やカビ発生を未然に回避することができる。
【0061】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0062】
(1)基台1の平面形状は四角形に限られるものではなく、四角以上の多角形であってもよい。
【0063】
(2)点検整備用の開口12の上辺に沿った突出部12aの上面uは、中央部を頂点とする山形に限らず、例えば、上辺の一端から他端へ向けて片流れに傾斜したものでもよい。
【0064】
(3)点検整備用の開口12の下辺の正面形状を、上辺uと対称の緩いV形、すなわち、下辺の中央部が下方に向けて山形となった形状であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 基台
1A 直線部分
1B コーナー部分
2 センター基体
3 脚部
4 分散フィーダ
5 リニアフィーダ
6 供給ホッパ
7 計量ホッパ
8 集合シュート
9 集合ファネル
10 集合ホッパ
11 開口
12 点検整備用の開口
12a 突出部
12b フランジ部
13 パッキン
14 蓋板
17 凹溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10