(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】商品登録装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20231128BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20231128BHJP
【FI】
G07G1/00 331B
G06Q30/06
G07G1/00 311Z
(21)【出願番号】P 2019006209
(22)【出願日】2019-01-17
【審査請求日】2021-10-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 法義
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001879(JP,A)
【文献】特開2014-149686(JP,A)
【文献】特開2016-126749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
G06Q 10/00-50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗へと入店する買物客を識別するための客コードを取得する第1の取得手段と、
画像に映り込んだ買物客の特徴の類似性に基づいて買物客の前記店舗における行動を監視する監視装置により監視されている前記買物客に対して前記第1の取得手段により取得された前記客コードが不明である場合に、当該買物客に対して仮コードを決定する決定手段と、
前記買物客が購入対象として選択した商品を、当該買物客に対して前記第1の取得手段により取得された客コード又は前記決定手段により決定された仮コードに関連付けて購入商品として登録する登録手段と、
前記決定手段により前記仮コードが決定されている前記買物客に関して、当該買物客に対して前記第1の取得手段により取得された前記客コードが判明した場合に、当該買物客に対して決定されている前記仮コードに関連付けられている前記購入商品を、当該買物客に対して取得された前記客コードに関連付けた購入商品に更新する更新手段と、
を具備
し、
前記登録手段は、前記更新手段による更新が行われた場合に、前記客コードが判明した前記買物客に対して前記決定手段により決定されていた仮コードに関連付けての購入商品の登録を終了し、
前記店舗から退店しようとする前記買物客に対して決定された前記仮コードに関連付けての購入商品の登録が前記登録手段により行われている場合に、前記買物客の客コードを取得する第2の取得手段、
をさらに備える商品登録装置。
【請求項2】
前記更新手段により更新された購入商品が関連付けられた客コードで識別される買物客が前記店舗から退店しようとする場合に、上記の客コードに関連付けられた購入商品を前記買物客に確認させるためのデータを出力する出力手段、
をさらに備える請求項
1に記載の商品登録装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記のデータを、上記の客コードに関連付けられた購入商品を前記買物客に確認させるためであり、かつ、売場からどの買物客によって取り出されたかが不明である商品が購入商品ではないかを前記買物客に確認させるためのデータとする、
請求項2に記載の商品登録装置。
【請求項4】
前記登録手段は、売場からどの買物客によって取り出されたかが不明である商品のうちから前記買物客によって指定された商品を、当該買物客の客コードに関連付けられた購入商品に追加する、
請求項3に記載の商品登録装置。
【請求項5】
コンピュータを、
店舗へと入店する買物客を識別するための客コードを取得する第1の取得手段と、
画像に映り込んだ買物客の特徴の類似性に基づいて買物客の前記店舗における行動を監視する監視装置により監視されている前記買物客に対して前記第1の取得手段により取得された前記客コードが不明である場合に、当該買物客に対して仮コードを決定する決定手段と、
前記買物客が購入対象として選択した商品を、当該買物客に対して前記第1の取得手段により取得された客コード又は前記決定手段により決定された仮コードに関連付けて購入商品として登録する登録手段と、
前記決定手段により前記仮コードが決定されている前記買物客に関して、当該買物客に対して前記第1の取得手段により取得された前記客コードが判明した場合に、当該買物客に対して決定されている前記仮コードに関連付けられている前記購入商品を、当該買物客に対して取得された前記客コードに関連付けた購入商品に更新する更新手段と、
して機能させ
、
前記登録手段を、前記更新手段による更新が行われた場合に、前記客コードが判明した前記買物客に対して前記決定手段により決定されていた仮コードに関連付けての購入商品の登録を終了するものとし、
前記コンピュータを、前記店舗から退店しようとする前記買物客に対して決定された前記仮コードに関連付けての購入商品の登録が前記登録手段により行われている場合に、前記買物客の客コードを取得する第2の取得手段、
としてさらに機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品登録装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数のセンサにより店舗内における買物客の行動を監視することで、買物客が購入しようとする商品の登録を行う技術は、既に実現されている。
しかしながらこのような技術においては、買物客の行動を常に監視できるように、大量のセンサを適切に配置し、それらセンサでの検出結果を適切に処理する必要があり、実際のシステム構築には多くの困難が存在していた。
このような事情から、入店から退店まで完全に追跡できなかった買物客についても購入商品の登録を行えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-126749号公報
【文献】特開2018-159965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、入店から退店まで完全に追跡できなかった買物客についても購入商品の登録を行える商品登録装置及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の商品登録装置は、第1の取得手段、決定手段、登録手段、更新手段及び第2の取得手段を備える。第1の取得手段は、店舗へと入店する買物客を識別するための客コードを取得する。決定手段は、画像に映り込んだ買物客の特徴の類似性に基づいて買物客の店舗における行動を監視する監視装置により監視されている買物客に対して第1の取得手段により取得された客コードが不明である場合に、当該買物客に対して仮コードを決定する。登録手段は、買物客が購入対象として選択した商品を、当該買物客に対して第1の取得手段により取得された客コード又は決定手段により決定された仮コードに関連付けて購入商品として登録する。更新手段は、決定手段により仮コードが決定されている買物客に関して、当該買物客に対して第1の取得手段により取得された客コードが判明した場合に、当該買物客に対して決定されている仮コードに関連付けられている購入商品を、当該買物客に対して取得された客コードに関連付けた購入商品に更新する。登録手段は、更新手段による更新が行われた場合に、客コードが判明した買物客に対して決定手段により決定されていた仮コードに関連付けての購入商品の登録を終了する。第2の取得手段は、店舗から退店しようとする買物客に対して決定された仮コードに関連付けての購入商品の登録が登録手段により行われている場合に、買物客の客コードを取得する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る販売管理装置の要部回路構成と、この販売管理装置を用いて構成された店舗システムの概略構成とを示すブロック図。
【
図2】
図1中のプロセッサによるメイン管理処理のフローチャート。
【
図3】
図1中のプロセッサによるサブ管理処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、商品登録装置としての機能を備えた販売管理装置を例に説明する。
図1は本実施形態に係る販売管理装置10の要部回路構成と、この販売管理装置10を用いて構成された店舗システム100の概略構成とを示すブロック図である。
【0008】
店舗システム100は、売場に陳列した商品を販売する店舗における商品販売のための情報処理を行う。店舗システム100は、販売管理装置10、チェックイン端末20、センサ群30及びチェックアウト端末40を、通信ネットワーク200を介して通信可能とすることで構成されている。店舗システム100は、チェックイン端末20を複数台含む場合もある。店舗システム100は、チェックアウト端末40を複数台含む場合もある。なお販売管理装置10は、決済サーバ300とも、通信ネットワーク200を介して通信可能である。
【0009】
通信ネットワーク200は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
決済サーバ300は、通信ネットワーク200を介しての決済要求に応じてクレジット決済を行う。
【0010】
販売管理装置10は、上記店舗において買物客によって売場から取り出された商品をその買物客の購入商品として登録する。販売管理装置10は、買物客が店舗から退店した場合等に、当該買物客の購入商品についての代金の決済を決済サーバ300に要求する。
チェックイン端末20は、買物客が入店するための手続きを受け付ける。チェックイン端末20は、タッチパネル21及びリーダ22を備える。タッチパネル21は、入店しようとする買物客に対して各種の情報を提示するための画面を表示する。タッチパネル21は、買物客によるタッチ操作によって指定されるデータを入力する。リーダ22は、入店しようとする買物客が提示する会員コードを読み取る。リーダ22は例えば、光学式の2次元バーコードリーダである。
【0011】
センサ群30は、店舗内に配置された多数のセンサを含む。これら多数のセンサはそれぞれ、買物客の行動及び商品の陳列状況を検出する。これらセンサは例えば、カメラ、光センサ、赤外線センサ、温度センサ、あるいは重量センサなどである。
チェックアウト端末40は、買物客が退店するための手続きを受け付ける。チェックアウト端末40は、タッチパネル41及びリーダ42を備える。タッチパネル41は、退店しようとする買物客に対して各種の情報を提示するための画面を表示する。タッチパネル41は、買物客によるタッチ操作によって指定されるデータを入力する。リーダ42は、退店しようとする買物客が提示する会員コードを読み取る。リーダ42は例えば、光学式の2次元バーコードリーダである。
【0012】
販売管理装置10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14及び伝送路15等を備える。プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14とは、伝送路15によって接続される。そしてプロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13は、伝送路15で接続されていることによって、販売管理装置10を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、情報処理プログラムに従って、販売管理装置10としての各種の機能を実現するための情報処理を行う。
【0013】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域では情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が情報処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0014】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)又はSSD(solid state drive)を単独で、あるいは複数組み合わせて用いることができる。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス13は、情報処理プログラムを記憶する場合もある。補助記憶デバイス13が記憶する情報処理プログラムの1つは、販売管理装置10としての機能を実現するためのアプリケーションプログラム(以下、販売管理アプリと称する)P1である。補助記憶デバイス13は、購入商品テーブルD1、不明商品テーブルD2及びロスト期間データD3を記憶する。購入商品テーブルD1は、買物客の会員コードに関連付けて、当該買物客の購入商品のリストを表したテーブルデータである。不明商品テーブルD2は、売場から取り出されているものの、どの買物客が購入しようとしているかが不明である商品(以下、不明商品と称する)のリストを表したテーブルデータである。不明商品のリストは、不明商品のそれぞれについて、それを識別する商品コードと、売場から取り出された時刻とを関連付けて表している。ロスト期間データD3については後述する。
【0015】
通信インタフェース14は、通信ネットワーク200を介したデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース14としては、例えばLANを介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
伝送路15は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0016】
販売管理装置10は、例えば汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。このときに典型的には、販売管理アプリP1が補助記憶デバイス13に記憶されない状態のコンピュータ装置と販売管理アプリP1とが個別に販売管理装置10を使用する企業等に譲渡される。販売管理アプリP1の譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、販売管理装置10の管理者又はサービスマンなどによる操作に応じて、販売管理アプリP1が補助記憶デバイス13に書き込まれる。ただし、販売管理アプリP1をコンピュータ装置の補助記憶デバイス13に記憶してなる販売管理装置10が上記の企業等に譲渡されても構わない。
【0017】
次に以上のように構成された店舗システム100の動作について説明する。
店舗システム100により管理される店舗で買い物する買物客は、入店前に会員登録を済ませて、会員コードの発行を受けておく。また買物客はこの会員登録に際しては、クレジット決済のためのクレジット情報を申告しておく。買物客の会員コード及びクレジット情報は互いに関連付けた状態で、補助記憶デバイス13又は別の記憶デバイスに保存される。上記の別の記憶デバイスは例えば、通信ネットワーク200に接続された図示しないサーバ装置に備えられた記憶デバイスである。
【0018】
店舗に入店して買い物を開始する買物客は、会員コードを表したバーコードをチェックイン端末20のリーダ22に翳す。例えば買物客は、自らが所持するスマートフォンなどの情報端末に、会員コードを表したバーコードを表示させた上で、このバーコードをリーダ22に翳す。リーダ22は、翳されたバーコードを読み取り、そこに示された会員コードを取得する。バーコードは、偽造による不正を防止するための周知の処理を施していることが好ましい。このため、バーコードとしては、二次元コードを用いることが想定される。しかしながら、バーコードとしては、一次元コード、あるいはそれ以外の任意のタイプのものが利用できる。また会員コードは、会員カードに形成されたものであってもよい。リーダ22は、非接触通信、接触通信、磁気読み取り、あるいは買物客による手入力などにより会員コードを取得してもよい。またリーダ22は、買物客の顔又は指紋などを読み取って、顔認証又は指紋認証などの生体認証技術を利用して買物客を認証し、補助記憶デバイス13又はその他の任意の記憶デバイスに記憶されている会員コードを読み取ってもよい。
【0019】
チェックイン端末20は、リーダ22によって会員コードが取得されたならば、当該会員コードの通知を伴って、当該買物客に関する販売管理の開始を要求する。例えばチェックイン端末20に備えられたプロセッサは、当該要求のための要求データを販売管理装置10に宛てて通信ネットワーク200へと送出する。当該プロセッサは、リーダ22によって取得された会員コードと、販売管理の開始の要求であることを表すものとして予め定められたコマンドとを要求データに含める。要求データは、通信ネットワーク200によって販売管理装置10へと伝送される。販売管理装置10では、通信ネットワーク200によって伝送された要求データを通信インタフェース14が受信し、プロセッサ11へと与える。そうするとプロセッサ11は、販売管理のための以下に説明する情報処理(以下、メイン管理処理と称する)を販売管理アプリP1に従って実行する。
【0020】
図2はプロセッサ11によるメイン管理処理のフローチャートである。なおプロセッサ11は、複数の買物客が在店している場合には、それらの買物客のそれぞれに関してメイン管理処理を並行して実行する。複数のメイン管理処理は、販売管理装置10に複数のプロセッサを備えて、これら複数のプロセッサによって分散処理してもよい。あるいは複数のメイン管理処理は、販売管理装置10を複数備えて、これら複数の販売管理装置10で分散処理してもよい。以下に説明するメイン管理処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0021】
Act1としてプロセッサ11は、要求データに含まれた会員コードを監視コードとしてセットする。つまりプロセッサ11は、店舗へと入店する買物客を識別するための客コードとして、要求データに含まれた会員コードを取得しているのである。かくして販売管理アプリP1に基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第1の取得手段として機能する。なお、客コードとしては、例えば会員登録とは無関係に決定されるシリアル番号のようなコードなど、個々の買物客を識別可能であればどのようなコードが用いられてもよい。
メイン管理処理は、個人が特定されている一人の買物客による買い物を管理する処理である。以下のメイン管理処理に関する説明においては、そのような管理の対象となる一人の買物客を、特定客と称する。
【0022】
ところでプロセッサ11は、メイン管理処理とは別に、買物客の行動及び商品の陳列状況を、センサ群30での検出結果に基づいて監視するための情報処理(以下、監視処理と称する)を実行する。例えばプロセッサ11は監視処理においてはまず、センサ群30に含まれたカメラによる撮影画像にチェックイン端末20に対峙する状態で映り込んでいる買物客を特定する。そして当該買物客の移動、買物客が商品を売場から取り出す動作、買物客が商品を売場に戻す動作などを、上記のようにメイン管理処理により設定された監視コード、あるいは後述するサブ管理処理により設定された監視コードで識別される買物客に関する行動として監視する。またプロセッサ11は、センサ群30に含まれたカメラ及びその他のセンサでの検出結果に基づいて、売場における商品の陳列状況を監視し、売場からの商品の取り出し又は売場への商品の戻しなどが生じた場合にそれを判定する。なお、このような監視処理を、具体的にどのような情報処理によって実現するかは任意であり、例えば既存の技術を利用することが可能である。なおプロセッサ11は、監視コードが複数設定されているときには、それら複数の監視コードのそれぞれに関して上記の監視処理を実行する。ただしこの監視処理は、販売管理装置10に複数のプロセッサを備えて、これら複数のプロセッサによって分散処理してもよい。あるいは上記の監視処理は、販売管理装置10を複数備えて、これら複数の販売管理装置10で分散処理してもよい。かくして販売管理装置10は、買物客の行動を監視する監視装置としての機能も備えている。しかしながら上記の監視処理は、販売管理装置10とは別の情報処理装置によって実行されてもよい。
【0023】
メイン管理処理において、Act2としてプロセッサ11は、特定客が売場から購入対象とする商品を取り出したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する行動を特定客が行ったことが監視処理により確認されていないならばNoと判定し、Act3へと進む。
Act3としてプロセッサ11は、特定客が売場へと商品を戻したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する行動を特定客が行ったことが監視処理により確認されていないならばNoと判定し、Act4へと進む。
Act4としてプロセッサ11は、特定客が退店しようとしているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する行動を特定客が行ったことが監視処理により確認されていないならばNoと判定し、Act2へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct2~Act4としては、商品の取り出し、商品の戻し、及び退店が監視処理によって確認されるのを待ち受けている。
【0024】
監視処理においてプロセッサ11は、特定客が売場から商品を取り出したことを確認すると、その特定客に関するメイン管理処理に割り込みをかけて、特定客が取り出した商品の商品コードを通知する。この割り込みを受けるとプロセッサ11は、メイン管理処理のAct2にてYesと判定し、Act5へと進む。
【0025】
Act5としてプロセッサ11は、購入商品テーブルD1に特定客の会員コードに関連付けて示された商品リストを更新する。つまりプロセッサ11は、該当する商品リストを、監視処理から通知された商品コードを購入商品の商品コードとして含むように更新する。これにより、プロセッサ11の第1の取得手段としての機能によって取得された客コードとしての会員コードに関連付けての購入商品の登録がなされる。かくして販売管理アプリP1に基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、このような登録を行う登録手段として機能する。プロセッサ11はこののち、Act2~Act4の待ち受け状態に戻る。
【0026】
監視処理においてプロセッサ11は、特定客が売場へと商品を戻したことを確認すると、その特定客に関するメイン管理処理に割り込みをかけて、特定客が戻した商品の商品コードを通知する。この割り込みを受けるとプロセッサ11は、メイン管理処理のAct3にてYesと判定し、Act6へと進む。
Act6としてプロセッサ11は、購入商品テーブルD1に特定客に関連付けて示された商品リストを更新する。つまりプロセッサ11は、該当する商品リストを、監視処理から通知された商品コードを購入商品の商品コードから除外するように更新する。プロセッサ11はこののち、Act2~Act4の待ち受け状態に戻る。
【0027】
さて、監視処理においては例えば、買物客について服装などの特徴を入店時に検出し、当該特徴との類似性に基づいてカメラに映り込んだ買物客を特定することが考えられる。この場合においては、例えば買物客がコートを脱ぐなどして服装が大幅に変化すると、カメラに映り込んだ買物客を特定することができなくなる。そしてこのような状況に陥ると、該当の買物客に関するメイン管理処理に対する上述の割り込みは行われなくなり、プロセッサ11はAct2~Act4の待機状態を維持することになる。
【0028】
一方で上記のような状況では、監視処理においては、監視コードが不明である買物客が新たに検出されることとなる。この場合にプロセッサ11は、当該の買物客を対象として以下に説明する情報処理(以下、サブ管理処理と称する)を販売管理アプリP1に従って実行する。
【0029】
図3はプロセッサ11によるサブ管理処理のフローチャートである。このように、サブ管理処理は、個人が特定されていない一人の買物客による買い物を管理する処理である。以下のサブ管理処理に関する説明においては、そのような管理の対象となる一人の買物客を、不明客と称する。なおプロセッサ11は、このサブ管理処理の対象となる不明客が複数在店している場合には、それらの不明客のそれぞれに関してサブ管理処理を並行して実行する。複数のサブ管理処理は、販売管理装置10に複数のプロセッサを備えて、これら複数のプロセッサによって分散処理してもよい。あるいは複数のサブ管理処理は、販売管理装置10を複数備えて、これら複数の販売管理装置10で分散処理してもよい。以下に説明するサブ管理処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0030】
Act21としてプロセッサ11は、どの会員コードとも一致せず、かつ既に利用されている仮コードとも異なる仮コードを決定する。そしてプロセッサ11は、上記のように監視処理において監視コードが不明となった買物客、つまり不明客に関する新たな監視コードとして上記の決定した仮コードを設定する。一方でプロセッサ11は監視処理においては、上記のように不明客の行動を、ここで新たに設定された監視コードで識別される買物客の行動として監視する。かくして販売管理アプリP1に基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは仮コードを決定する決定手段として機能する。
【0031】
Act22としてプロセッサ11は、不明客が売場から商品を取り出したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する行動を不明客が行ったことが監視処理により確認されていないならばNoと判定し、Act23へと進む。
Act23としてプロセッサ11は、不明客が売場へと商品を戻したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する行動を不明客が行ったことが監視処理により確認されていないならばNoと判定し、Act24へと進む。
Act24としてプロセッサ11は、不明客に関してAct21にて監視コードを設定する前の不明となった監視コードが監視処理において再判明したか否かを確認する。そしてプロセッサ再判明していないならばNoと判定し、Act25へと進む。
Act25としてプロセッサ11は、不明客が退店しようとしているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する行動を不明客が行ったことが監視処理により確認されていないならばNoと判定し、Act22へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct22~Act25としては、商品の取り出し、商品の戻し、監視コードの再判明及び退店が監視処理によって確認されるのを待ち受けている。
【0032】
監視処理においてプロセッサ11は、不明客が売場から商品を取り出したことを確認nすると、その不明客に関するサブ管理処理に割り込みをかけて、不明客が取り出した商品の商品コードを通知する。この割り込みを受けるとプロセッサ11は、サブ管理処理のAct22にてYesと判定し、Act26へと進む。
【0033】
Act26としてプロセッサ11は、購入商品テーブルD1に不明客に関連付けて示された商品リストを更新する。つまりプロセッサ11は、該当する不明客に対して決定された仮コードに関連付けた商品リストを、監視処理から通知された商品コードを購入商品の商品コードとして含むように更新する。これにより、プロセッサ11の決定手段としての機能によって決定された仮コードに関連付けての購入商品の登録がなされる。かくして販売管理アプリP1に基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、このような登録を行う登録手段として機能する。プロセッサ11はこののち、Act22~Act25の待ち受け状態に戻る。
【0034】
監視処理においてプロセッサ11は、不明客が売場へと商品を戻したことを確認すると、その不明客に関するサブ管理処理に割り込みをかけて、不明客が戻した商品の商品コードを通知する。この割り込みを受けるとプロセッサ11は、サブ管理処理のAct23にてYesと判定し、Act27へと進む。
Act27としてプロセッサ11は、購入商品テーブルD1に不明客に関連付けて示された商品リストを更新する。つまりプロセッサ11は、該当する商品リストを、監視処理から通知された商品コードを購入商品の商品コードから除外するように更新する。プロセッサ11はこののち、Act22~Act25の待ち受け状態に戻る。
【0035】
買物客が、例えば一旦脱いだコートを再度着たり、顔が鮮明に画像に映り込んだりするなどの事情により、不明客とされていた買物客について、メイン管理処理のAct1にて設定された監視コードが再判明することがある。そしてこの場合にプロセッサ11は監視処理において、不明客に関するサブ管理処理に割り込みをかけて再判明した監視コードを通知する。この割り込みを受けるとプロセッサ11は、サブ管理処理のAct24にてYesと判定し、Act28へと進む。
【0036】
Act28としてプロセッサ11は、不明客に関する商品リストを、上記のように通知された監視コードで識別される特定客に関する商品リストに結合する。つまりプロセッサ11は例えば、不明客に関する商品リストに示されている買上商品のそれぞれを上記のように通知された監視コードで識別される特定客に関する商品リストに追加する。上記の再判明は、仮コードが決定されている買物客に関して、当該買物客に対して入店時に客コードとして取得した会員コードが判明したことに相当する。そしてプロセッサ11はこの場合に、当該買物客に対して決定されている仮コードに関連付けられている購入商品を、当該買物客に対して客コードとして取得されている会員コードに関連付けた購入商品に更新するのである。かくして販売管理アプリに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータはそのような更新を行う更新手段として機能する。なおプロセッサ11はこのとき、不明客に関する商品リストを購入商品テーブルD1から削除してもよい。
【0037】
Act29としてプロセッサ11は、上記のように通知された監視コードで識別される特定客に関するロスト期間を記録する。ロスト期間とは、ある買物客について、特定客としての行動が不明となってから、不明客としての行動として検出されるまでの期間である。プロセッサ11は例えば、上記のように通知された監視コードで識別される特定客に関する商品リストを最後に更新してから、不明客に対してAct21にて監視コードを設定するまでの期間をロスト期間とする。そしてプロセッサ11は、このロスト期間を表すデータを、特定客の監視コードに関連づけてメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存する。そしてプロセッサ11はこののち、サブ管理処理を終了する。
【0038】
一方、不明客が退店につながる予め定められた行動を行った場合、プロセッサ11は監視処理によって退店しようとしているとして検出する。例えば、店舗の出口に向かう買物客がチェックアウト端末40の前を通過するように店内をレイアウトしておく。そしてプロセッサ11は例えば、不明客がチェックアウト端末40の近くへと移動した場合に、不明客が退店しようとしているとして検出する。そしてプロセッサ11は監視処理において、不明客に関するサブ管理処理に割り込みをかけて、退店しようとしていることを通知する。この割り込みを受けるとプロセッサ11は、サブ管理処理のAct25にてYesと判定し、Act30へと進む。
【0039】
Act30としてプロセッサ11は、チェックアウト端末40で会員コードが取得されるのを待ち受ける。このときプロセッサ11は例えば、不明客が近づいたチェックアウト端末40に対し、会員コードの取得を要求する。この要求に応じてチェックアウト端末40は例えば、タッチパネル41に会員コードをリーダ42に翳すように買物客に促す内容の案内画面を表示させる。またチェックアウト端末40は例えば、
図1には示されないがチェックアウト端末40に内蔵されるサウンドデバイスを駆動して、呼び出し音を発生させる。
【0040】
買物客は、タッチパネル41に表示された案内画面での案内に従って、入店時にチェックイン端末20のリーダ22に翳したのと同じバーコードをリーダ42に翳す。リーダ42は、翳されたバーコードを読み取り、そこに示された会員コードを取得する。従ってリーダ42は、リーダ22と同様にバーコードを読み取るデバイスとしておく。
チェックアウト端末40は、リーダ42によって会員コードが読み取られたならば、上記の要求の応答として当該会員コードを販売管理装置10に通知する。例えばチェックアウト端末40に備えられたプロセッサは、当該通知のための通知データを販売管理装置10に宛てて通信ネットワーク200へと送出する。当該プロセッサは例えば、リーダ42によって読み取られた会員コードと、上記の要求に対する応答であることを表すものとして予め定められたコマンドとを通知データに含める。通知データは、通信ネットワーク200によって販売管理装置10へと伝送される。販売管理装置10では、通信ネットワーク200によって伝送された通知データを通信インタフェース14が受信し、プロセッサ11へと与える。そうするとプロセッサ11は、Act30にてYesと判定し、Act31へと進む。
このときにプロセッサ11は、店舗から退店しようとする買物客の客コードとしての会員コードを通知データから取得することになる。かくして販売管理アプリP1に基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第2の取得手段として機能する。
【0041】
Act31としてプロセッサ11は、不明客に関する商品リストを、上記のように通知された会員コードと一致する監視コードで識別される特定客に関する商品リストに結合する。このときの具体的な処理は、Act28と同様であってよい。
Act32としてプロセッサ11は、上記のように通知された会員コードと一致する監視コードで識別される特定客に関するロスト期間を記録する。このときの具体的な処理は、Act29と同様であってよい。
Act33としてプロセッサ11は、上記のように通知された会員コードと一致する監視コードで識別される特定客に関するメイン管理処理に割り込みをかけて、チェックアウトを要求する。そしてプロセッサ11はこののち、サブ管理処理を終了する。
【0042】
さて、前述のように、不明客となっていた買物客に対してメイン管理処理のAct21にて設定した監視コードが再判明したのちに、監視処理においては当該買物客の行動は特定客の行動として検出されることになる。このため、メイン管理処理においてプロセッサ11は、Act2~Act4の待ち受け状態から、監視処理における行動の検出結果に応じた処理へと進む。これにより、特定客が商品の取り出し又は商品の戻しを行ったならば、それに応じた前述のような商品リストの更新が行われる。ここで更新の対象となる商品リストは、サブ管理処理のAct28における結合後の商品リストである。
【0043】
プロセッサ11は、特定客が退店しようとしていることが監視処理により検出され、その旨がメイン管理処理に対して通知されると、Act4にてYesと判定し、Act7へと進む。またプロセッサ11は、サブ管理処理からチェックアウト要求が前述のようになされた場合にも、特定客が退店しようとしているとしてAct4にてYesと判定し、Act7へと進む。
Act7としてプロセッサ11は、特定客に関する商品リストに関してサブ管理処理のAct28における結合が実施されているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、結合が実施されているならばYesと判定し、Act8へと進む。
【0044】
Act8としてプロセッサ11は、特定客に関するロスト期間内に発生した不明商品が有るか否かを確認する。プロセッサ11は監視処理において検出した商品の取り出しに関して、それを行った買物客の監視コードを特定することができなかった場合には、当該の商品の商品コードを、その取り出しが検出された時刻に関連付けて不明商品テーブルに追加する。そしてメイン管理処理のAct8においてプロセッサ11は例えば、特定客に関連付けたロスト期間がメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存されているならば、そのロスト期間内の時刻に関連付けられた不明商品が存在するか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する不明商品が存在しないならば、Act8にてNoと判定する。なおプロセッサ11は、特定客に関連付けたロスト期間がメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存されていない場合も、Act8にてNoと判定する。プロセッサ11は、Act8にてNoと判定したならば、Act9へと進む。
【0045】
Act9としてプロセッサ11は、第1の確認画面の表示をチェックアウト端末40に要求する。第1の確認画面は、商品リストに登録されている購入商品が、特定客が購入しようとしている購入商品で間違い無いかを買物客に確認させるための画面である。
図4は第1の確認画面SC1を示す図である。
図4に示す第1の確認画面SC1は、5個の商品が特定客の購入商品として商品リストに登録されている場合の一例である。ただし
図4においては、購入商品の商品名を表す文字列を構成する文字を省略して示している。
【0046】
第1の確認画面SC1は、文字列ST1~ST6、チェックボックスCB1~CB5及びボタンBU1を含む。文字列ST1~ST5は、5個の商品のそれぞれに対応する。そして文字列ST1~ST5は、対応する商品の名称及び単価を表す。文字列ST6は、購入商品に関する総個数及び合計金額を表す。チェックボックスCB1~CB5は、5個の商品のそれぞれに対応し、それら商品に対応する文字列に並べられている。チェックボックスCB1~CB5はいずれも、チェックマークを含み、対応する商品を購入商品とすることを表している。チェックボックスCB1~CB5は、チェックマークを含む状態と、チェックマークを含まない状態との2状態を選択的にとり得る。チェックボックスCB1~CB5は、対応する商品を購入商品とするか否かを買物客が指定するためのGUI(graphical user interface)要素である。ボタンBU1は、確認を完了したことを買物客が宣言するために操作するべきGUI要素である。
【0047】
プロセッサ11は、第1の確認画面SC1のような画面を表す画面データを特定客の商品リストに基づいて生成し、チェックアウト端末40に送信する。なおプロセッサ11は、画面データには、次の制御データも含める。制御データの1つは、チェックボックスCB1~CB5が操作されたことに応じて、対応する商品を購入商品とするか否かを変更するとともに、当該の設定を表すようにチェックマークの表示/非表示を変更する処理をチェックアウト端末40に行わせる。制御データの1つは、ボタンBU1が操作されたことに応じて、チェックボックスCB1~CB5による設定状態の販売管理装置10への通知をチェックアウト端末40に行わせる。画面データは、JPEG(joint photographic coding experts group)形式のように実際の画面を直接的に表すデータであってもよいし、HTML(hypertext markup language)形式のように画面をチェックアウト端末40において構成するためのデータであってもよい。
【0048】
チェックアウト端末40は、画面データを受けると、この画面データに基づいて第1の確認画面をタッチパネル41に表示する。またチェックアウト端末40は例えば、
図1には示されないがチェックアウト端末40に内蔵されるサウンドデバイスを駆動して、呼び出し音を発生させる。
買物客は、タッチパネル41に表示された第1の確認画面に基づいて、購入商品が正しく登録されているか否かを確認する。そして誤った商品が購入商品とされている場合には、その商品に対応するチェックボックスを操作して、購入商品としない設定とする。そして買物客は、確認及び必要な設定を終えたならば、ボタンBU1を操作する。これらの操作に応じて、画面データに含まれた制御データに従ってチェックアウト端末40は、設定の変更及び通知を行う。
【0049】
プロセッサ11は一方で、ロスト期間内の時刻に関連付けられた不明商品が存在するならばAct8にてYesと判定し、Act10へと進む。
Act10としてプロセッサ11は、第2の確認画面の表示をチェックアウト端末40に要求する。第2の確認画面は、商品リストに登録されている購入商品が、特定客が購入しようとしている購入商品で間違い無いかを買物客に確認させる画面である。また第2の確認画面は、ロスト期間内の時刻に関連付けられた不明商品が、特定客が購入しようとしている商品でないかを買物客に問い合わせる画面である。ただし第2の確認画面は、ロスト期間に予め定められたマージンを加えた期間内の時刻に関連付けられた不明商品を表す画面としてもよい。あるいは第2の確認画面は、関連付けられた時刻に拘わらずに全ての不明商品を表す画面としてもよい。あるいは第2の確認画面は、時刻以外の予め定められた条件で絞り込んだ不明商品を表す画面としてもよい。例えば第2の確認画面は、ロスト期間内に買物客が存在し得ない位置で取り出された不明商品は表さないようにしてもよい。
【0050】
図5は第2の確認画面SC2を示す図である。
図5に示す第2の確認画面SC2は、特定客に関する商品リストが
図4に示す第1の確認画面SC1の生成のために参照した商品リストと同一である場合であり、かつ不明商品が2つ存在する場合の一例である。このため第2の確認画面SC2は、第1の確認画面SC1に対して、文字列ST7,ST8及びチェックボックスCB6,CB7を含んだ画像を追加した画面となっている。
図5において
図4に示されるのと同一の要素については、同一の符号を付している。
図5においても、購入商品の商品名を表す文字列を構成する文字は省略して示している。
【0051】
文字列ST7,ST8は、2つの不明商品のそれぞれに対応する。そして文字列ST7,ST8は、対応する不明商品の名称及び単価を表す。チェックボックスCB6,CB7は、2つの不明商品のそれぞれに対応し、それら不明商品に対応する文字列に並べられている。チェックボックスCB6,CB7はいずれも、チェックマークを含まず、対応する商品を購入商品としていないことを表している。チェックボックスCB6,CB7は、チェックマークを含む状態と、チェックマークを含まない状態との2状態を選択的にとり得る。チェックボックスCB6,CB7は、対応する不明商品を購入商品とするか否かを買物客が指定するためのGUI要素である。
【0052】
プロセッサ11は、第2の確認画面SC2のような画面を表す画面データを生成し、チェックアウト端末40に送信する。なおプロセッサ11は、画面データには、次の制御データも含める。制御データの1つは、チェックボックスCB1~CB7が操作されたことに応じて、対応する商品を購入商品とするか否かを変更するとともに、当該の設定を表すようにチェックマークの表示/非表示を変更する処理をチェックアウト端末40に行わせる。制御データの1つは、ボタンBU1が操作されたことに応じて、チェックボックスCB1~CB7による設定状態の販売管理装置10への通知をチェックアウト端末40に行わせる。
【0053】
以上のように第1及び第2の確認画面はいずれも、客コードとしての会員コードに関連付けられた購入商品を買物客に確認させるための画面であり、当該画面を表した画面データは上記の確認を行わせるためのデータに相当する。つまり上記の画面データをチェックアウト端末40へと送信することは、購入商品を買物客に確認させるためのデータを出力することに相当する。かくして販売管理アプリP1に基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは上記の出力を行う出力手段として機能する。また第2の確認画面の画面データは、売場からどの買物客によって取り出されたかが不明である商品が購入商品ではないかを買物客に確認させるためのデータに相当する。かくして、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータはそのようなデータを出力する出力手段として機能する。
【0054】
チェックアウト端末40は、画面データを受けると、この画面データに基づいて第2の確認画面をタッチパネル41に表示する。またチェックアウト端末40は例えば、
図1には示されないがチェックアウト端末40に内蔵されるサウンドデバイスを駆動して、呼び出し音を発生させる。
【0055】
買物客は、タッチパネル41に表示された第2の確認画面に基づいて、購入商品が正しく登録されているか否かを確認する。そして誤った商品が購入商品とされている場合には、その商品に対応するチェックボックスを操作して、購入商品としない設定とする。また買物客は、第2の確認画面に基づいて、不明商品が購入商品であるか否かを確認する。そして不明商品が、購入商品であるにも関わらず購入商品とされていない場合には、その不明商品に対応するチェックボックスを操作して、購入商品とする設定とする。そして買物客は、確認及び必要な設定を終えたならば、ボタンBU1を操作する。これらの操作に応じて、画面データに含まれた制御データに従ってチェックアウト端末40は、設定の変更及び通知を行う。
【0056】
プロセッサ11はAct9又はAct10を終えたならば、Act11へと進む。
Act11としてプロセッサ11は、上記のようなチェックアウト端末40からの通知に基づき、購入商品の変更が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、変更が指示されているならばYesと判定し、Act12へと進む。
Act12としてプロセッサ11は、チェックアウト端末40からの通知に応じて、特定客に関する商品リストを更新する。つまりプロセッサ11は、購入商品ではないと買物客により指定された商品を購入商品から除外する。またプロセッサ11は、売場からどの買物客によって取り出されたかが不明である商品のうちから買物客によって指定された商品を、当該買物客の会員コードに関連付けられた購入商品に追加する。かくして販売管理アプリP1に基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、そのような商品登録を行う登録手段として機能する。
【0057】
Act13としてプロセッサ11は、不明リストを更新する。プロセッサ11は例えば、不明商品のうちから購入商品とされた商品があるならば、その商品を不明商品から除外するように不明商品テーブルD2を更新する。
こののちにプロセッサ11は、Act14へと進む。なおプロセッサ11は、特定客に関する商品リストに関してサブ管理処理のAct28における結合が実施されていなかった場合には、Act7にてNoと判定し、Act8~Act13をパスしてAct14へと進む。またプロセッサ11は、購入商品の変更が指示されていなかった場合には、Act11にてNoと判定し、Act12及びAct13をパスしてAct14へと進む。
【0058】
Act14としてプロセッサ11は、特定客に関する商品リストに示された全ての購入商品に関する代金を決済するための決済処理を実行する。プロセッサ11は例えば、特定客に関する商品リストに示された全ての購入商品に関する代金を算出する。そしてプロセッサ11は例えば、特定客に関して予め申告されているクレジット情報を用いての上記の代金の決済を決済サーバ300に要求する。そしてプロセッサ11は、決済が完了したことが決済サーバ300から通知されると、Act15へと進む。
【0059】
Act15としてプロセッサ11は、特定客に対して決済が完了した旨を通知する。プロセッサ11は例えば。この通知を、特定客が所持しているスマートフォンなどの情報端末に対して行う。プロセッサ11は、第1又は第2の確認画面をチェックアウト端末40で表示させた場合には、上記の通知を、タッチパネル41での表示によってチェックアウト端末40において行ってもよい。なお、この通知は省略してもよい。そして販売管理装置10は、買物客が任意の情報端末から通信ネットワーク200を介してアクセスしてきた場合に、決済結果などを表した画面を上記の情報端末に表示させるようにしてもよい。ここでの通知をチェックアウト端末40では行わないならば、Act28における結合が実施されていない場合には、買物客はチェックアウト端末40における確認作業を行わなくてよく、そのまま退店することができる。
そしてプロセッサ11はこののち、メイン管理処理を終了する。
【0060】
以上のように販売管理装置10は、店舗内で買い物中の買物客を入店時に特定した買物客として認識できなくなった場合には、当該不明な買物客に関する商品登録を仮コードに関連付けて行うことで継続する。そして販売管理装置10は、このように不明であった買物客が入店時に特定した買物客であることが認識できた場合に、当該入店時に特定した買物客による購入消費として、上記のように仮コードに関連付けて登録した商品を追加する。かくして販売管理装置10によれば、店内に存在する買物客を入店から退店まで完全に追跡することができなかったとしても、その買物客に関しての購入商品の登録を行うことが可能である。そして買物客は、入店時に特定された買物客として認識されなくなった状態においても、買い物を継続することができる。また販売管理装置10によれば、店舗内で買い物中の買物客を入店時に特定した買物客として認識できなくなることが許容されることになる。このため販売管理装置10によれば、常に買物客を厳密に追跡することが必要とされる場合に比べて、センサ群30のハードウェア規模の減少が可能となる。また販売管理装置10によれば、常に買物客を厳密に追跡することが必要な場合に比べて、センサ群30の配置の自由度が向上する。また販売管理装置10によれば、常に買物客を厳密に追跡することが必要とされる場合に比べて、監視処理の自由度が向上する。
【0061】
また販売管理装置10によれば、買物客が、入店時に特定した買物客として認識できない状態のままで退店しようとする場合には、当該買物客の会員コードを再取得する。このため、不明となっていた買物客を、入店時に特定した買物客として確実に認識することができる。
【0062】
また販売管理装置10によれば、不明となった買物客に関して登録した購入商品を、入店時に特定した買物客に関して登録した購入商品に追加した場合には、買物客が退店しようとする場合に、第1又は第2の確認画面にて登録済みの購入商品を買物客に確認させる。従って、上記の購入商品の追加が何らかの事情で適切に行われなかった場合に、そのような不適切な状況がそのまま放置されてしまうことが防止できる。
【0063】
なお、買物客が入店時に特定した買物客として認識できなくなってから、当該買物客に関する仮コードに関連付けての商品登録を開始するまでにはタイムラグが生じる恐れがある。そしてこの期間において当該の買物客が売場から商品を取り出した場合には、当該商品を当該買物客の購入商品とすることができず、当該商品がどの買物客による購入商品であるかが不明となる。しかしながら販売管理装置10によれば、入店時に特定した買物客として認識できなくなったことのある買物客に対しては、上記のような不明の商品が購入商品ではないかを第2の確認画面にて確認させる。従って、上記の状況で購入商品の登録に漏れが生じている場合には、そのことを買物客に認識させることが可能である。そしてそのような不適切な状況がそのまま放置されてしまうことを防止できる。しかも販売管理装置10によれば、チェックアウト端末40における買物客による指示に応じて、上記のような不明な商品を購入商品に追加する。従って、上記のような不適切な状況を、店員などが関与することなしに、容易に解消することができる。
【0064】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
買物客の入店時及び退店時に当該買物客が所持する情報端末から通信ネットワーク200を介して販売管理装置10へと直接に送られる会員コードを、プロセッサ11が通信インタフェース14を介して取得してもよい。
【0065】
チェックアウト端末40での買物客の操作に基づいて決済処理を行ってもよい。この場合、チェックアウト端末40にて決済処理を実行してもよいし、チェックアウト端末40はユーザインタフェースデバイスとし、決済処理は販売管理装置10にて行ってもよい。決済方法としては、クレジット決済、電子マネー決済、金券決済、ポイント決済、QRコード(登録商標)決済、プリペイドカード決済、デビットカード決済、あるいはディジタル通貨決済などの如何なる決済方法が用いられてもよい。
【0066】
情報処理によりプロセッサ11が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10…販売管理装置、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、15…伝送路、20…チェックイン端末、21…タッチパネル、22…リーダ、30…センサ群、40…チェックアウト端末、41…タッチパネル、42…リーダ、100…店舗システム、200…通信ネットワーク、300…決済サーバ。