(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20231128BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20231128BHJP
G07B 15/06 20110101ALI20231128BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G07B15/00 510
G07B15/06
(21)【出願番号】P 2019114463
(22)【出願日】2019-06-20
【審査請求日】2022-06-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年8月15日、平成30年8月16日 ウェブサイトにて、高速道路上の走行ルートを判定し、利用料金をリアルタイムで音声案内するアプリケーションを公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】505398941
【氏名又は名称】東日本高速道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(73)【特許権者】
【識別番号】520023466
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ東日本イノベーション&コミュニケーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】倉林 敦志
(72)【発明者】
【氏名】河合 真諭
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-337896(JP,A)
【文献】特開2000-113249(JP,A)
【文献】特開2010-026777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G07B 15/00
G07B 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金算出装置と通信する情報処理装置であって、
高速道路に存在するインターチェンジの位置を示すIC位置情報を記憶する記憶部と、
車両の走行位置を取得する取得部と、
前記IC位置情報と前記車両の走行位置とを用いて前記車両が走行する高速道路のルート上のインターチェンジを特定し、特定したインターチェンジのうち所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報を記録する記録部と、
前記記録部により記録される複数のIC情報を
前記料金算出装置に
送信することで前記料金算出装置から
送信される高速道路の通行料金を取得する料金取得部と、
前記料金取得部で取得した前記通行料金を通知する通知部と、
を有し、
前記記録部は、前記所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報として、前記車両が高速道路に入った際の入口インターチェンジに関するIC情報、前記車両が高速道路から出た際の出口インターチェンジに関するIC情報、及び、前記車両が通過した第1インターチェンジの高速道路が、前記車両が1つ前に通過した第2インターチェンジの高速道路とは異なる高速道路である場合における、前記第1インターチェンジに関するIC情報のみを記録する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記記録部は、前記入口インターチェンジに関するIC情報、前記出口インターチェンジに関するIC情報、及び、前記第1インターチェンジに関するIC情報のみを記録することに代えて、前記入口インターチェンジに関するIC情報、前記出口インターチェンジに関するIC情報、及び、前記車両がジャンクションを通過した場合において当該ジャンクションの次に通過したインターチェンジに関するIC情報のみを記録する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記録部は、前記所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報として、前記車両の走行位置と前記IC位置情報とに基づき、前記車両が次に通過するインターチェンジを予測することで、前記車両が次に通過するインターチェンジに関するIC情報を更に記録し、
前記料金取得部は、少なくとも前記入口インターチェンジに関するIC情報と前記車両が次に通過するインターチェンジに関するIC情報とを含む前記複数のIC情報を前記料金算出装置に入力することで、前記車両が次に通過するインターチェンジで高速道路を出た場合の通行料金を前記料金算出装置から取得し、
前記通知部は、前記料金取得部が取得した、前記車両が次に通過するインターチェンジで高速道路を出た場合の通行料金を通知する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記車両が高速道路を走行中に、前記通行料金を表示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
料金算出装置と通信する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
情報処理装置が、高速道路に存在するインターチェンジの位置を示すIC位置情報を記憶部に記憶するステップと、
情報処理装置が、車両の走行位置を取得するステップと、
情報処理装置が、前記IC位置情報と前記車両の走行位置とを用いて前記車両が走行する高速道路のルート上のインターチェンジを特定し、特定したインターチェンジのうち所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報を記録するステップと、
情報処理装置が、前記記録するステップにより記録される複数のIC情報を
前記料金算出装置に
送信することで前記料金算出装置から
送信される高速道路の通行料金を取得するステップと、
情報処理装置が、前記通行料金を取得するステップで取得した前記通行料金を通知するステップと、
を有し、
前記記録するステップは、前記所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報として、前記車両が高速道路に入った際の入口インターチェンジに関するIC情報、前記車両が高速道路から出た際の出口インターチェンジに関するIC情報、及び、前記車両が通過した第1インターチェンジの高速道路が、前記車両が1つ前に通過した第2インターチェンジの高速道路とは異なる高速道路である場合における、前記第1インターチェンジに関するIC情報のみを記録する、
情報処理方法。
【請求項6】
料金算出装置と通信する情報処理装置に、
高速道路に存在するインターチェンジの位置を示すIC位置情報を記憶部に記憶するステップと、
車両の走行位置を取得するステップと、
前記IC位置情報と前記車両の走行位置とを用いて前記車両が走行する高速道路のルート上のインターチェンジを特定し、特定したインターチェンジのうち所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報を記録するステップと、
前記記録するステップにより記録される複数のIC情報を
前記料金算出装置に
送信することで前記料金算出装置から
送信される高速道路の通行料金を取得するステップと、
前記通行料金を取得するステップで取得した前記通行料金を通知するステップと、
を実行させ、
前記記録するステップは、前記所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報として、前記車両が高速道路に入った際の入口インターチェンジに関するIC情報、前記車両が高速道路から出た際の出口インターチェンジに関するIC情報、及び、前記車両が通過した第1インターチェンジの高速道路が、前記車両が1つ前に通過した第2インターチェンジの高速道路とは異なる高速道路である場合における、前記第1インターチェンジに関するIC情報のみを記録する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路の通行料金は、経由するルートや各種割引の適用有無等によって通行料金が決定されることから、通行料金の計算は複雑である。高速道路の通行料金に関連する特許出願として、例えば特許文献1及び特許文献2が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-150805号公報
【文献】特開2004-361360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ETC搭載車への料金の表示は道路毎に行われるが、料金の中には複数の道路を連続して走行することで決まる類のものもあることから、経路確定前の途中の道路ではそうした料金が案内されない。そのため有料道路の走行が終了した際に走行した道路に応じた料金をユーザに対して敏速に通知可能なサービスの提供が望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、高速道路の通行料金をより正確にユーザに提示することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、高速道路に存在するインターチェンジの位置を示すIC位置情報を記憶する記憶部と、車両の走行位置を取得する取得部と、IC位置情報と車両の走行位置とを用いて車両が走行するルート上のインターチェンジを特定し、特定したインターチェンジのうち所定の条件を満たすインターチェンジに関するIC情報を記録する記録部と、記録部により記録される複数のIC情報を料金算出装置に入力することで料金算出装置から出力される高速道路の通行料金を取得する料金取得部と、料金取得部で取得した通行料金を通知する通知部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高速道路の通行料金をより正確にユーザに提示することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る料金案内システムのシステム構成例を示す図である。
【
図2】端末、サーバ及び料金算出装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】サーバの機能ブロック構成例を示す図である。
【
図7】具体例1におけるサーバの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【
図8】具体例2におけるサーバの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【
図9】端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】通行料金をリアルタイムに表示する場合の表示例を示す図である。
【
図11】変形例におけるサーバの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る料金案内システムのシステム構成例を示す図である。料金案内システム1は、端末10と、サーバ20と、料金算出装置30とを含む。端末10とサーバ20と料金算出装置30とは、通信ネットワークNを介して相互に通信することができる。
【0011】
端末10は、車両に乗車中のユーザ(ドライバー)が所有する端末である。端末10は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、ナビゲーションシステム、ETC装置、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器など、あらゆる情報処理装置を用いることができる。端末10は、車両の走行位置(より詳細には端末10自身の現在位置)を取得し、取得した走行位置をサーバ20に通知する。また、端末10は、サーバ20から取得した高速道路の通行料金を表示する。
【0012】
サーバ20は、高速道路の通行料金(以下、「通行料金」と言う。)を案内する情報処理装置であり、端末10から通知された車両の走行位置から、車両が高速道路に入ったIC(インターチェンジ)(以下、「入口IC」と言う。)、車両が高速道路から出たIC(以下、「出口IC」と言う。)を判定する。また、サーバ20は、料金算出装置30にアクセスすることで、入口ICから高速道路に入って出口ICから出た場合の通行料金を取得し、取得した通行料金を端末10に通知する。サーバ20は、1又は複数のサーバから構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0013】
料金算出装置30は、通行料金を算出する装置であり、外部装置から入口IC及び出口ICの入力を受け付けると、通行料金を計算して応答する機能を有する。料金算出装置30は、入口ICから出口ICまでの間に複数の走行ルートが存在する場合、全ての走行ルートについて通行料金を応答するものであってもよいし、通行料金が安い順に1又は所定数の通行料金を応答するものであってもよいし、走行距離が短い順に1又は所定数の通行料金を応答するものであってもよい。若しくは、複数の走行ルートの中で最も走行する車両が多い走行ルートの通行料金や、渋滞を回避する走行ルートの通行料金を応答するものであってもよい。
【0014】
また、料金算出装置30は、入口IC及び出口ICに加えて、通過したIC(以下、「通過IC」と言う。)を入力することで、入口ICから出口ICまでの間に複数の走行ルートが存在する場合に、通過ICを経由する走行ルートで走行した場合の通行料金に絞って応答する機能を有している。料金算出装置30に入力可能な通過ICの数には特に制限はないことを想定しているが、これに限定されない。入力可能な通過ICの数が制限されていてもよい。
【0015】
料金算出装置30は、通信ネットワークNを介してアクセス可能なAPI(Application Programming Interface)を提供することとしてもよい。サーバ20は、料金算出装置30が提供するAPIに、入口IC及び出口IC(若しくは、入口IC、出口IC及び通過IC)を入力すると、当該APIの戻り値として通行料金を取得することができる。
【0016】
<ハードウェア構成>
図2は、端末10、サーバ20及び料金算出装置30のハードウェア構成例を示す図である。端末10、サーバ20及び料金算出装置30は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。
【0017】
<機能ブロック構成>
図3は、端末10の機能ブロック構成例を示す図である。端末10は、位置測定部101と、位置通知部102と、料金取得部103と、料金通知部104とを含む。位置測定部101と、位置通知部102と、料金取得部103と、料金通知部104とは、端末10のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。当該プログラムは、外部装置からダウンロードされ端末10の記憶装置12に格納(インストール)することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0018】
位置測定部101は、端末10が備えるGPS機能等を用いて、車両の走行位置(端末10の現在位置)を測定する機能を有する。
【0019】
位置通知部102は、位置測定部101で測定された走行位置を、通信ネットワークNを介してサーバ20に通知する機能を有する。位置通知部102は、所定の周期で走行位置をサーバ20に通知するようにしてもよいし、又は、走行位置が所定の距離移動した場合に走行位置をサーバ20に通知するようにしてもよい。
【0020】
料金取得部103は、サーバ20から送信された通行料金を、通信ネットワークNを介して取得する機能を有する。
【0021】
料金通知部104は、料金取得部103で取得した通行料金を画面に表示することで、及び/又は音声案内することでユーザに通知する機能を有する。
【0022】
図4は、サーバ20の機能ブロック構成例を示す図である。サーバ20は、記憶部201と、位置取得部202と、記録部203と、料金取得部204と、通知部205とを含む。位置取得部202と、記録部203と、料金取得部204と、通知部205とは、サーバ20のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。また、記憶部201は、サーバ20が備える記憶装置12を用いて実現することができる。
【0023】
記憶部201は、高速道路に存在するICの位置を示すIC位置情報201aと、高速道路及び一般道を含む道路の位置情報が格納された道路情報201bとを記憶する。
【0024】
ここで、IC位置情報201aの具体例を
図5に示す。「IC番号」には、ICごとに割り振られる、ICを一意に識別する番号が格納される。「IC名称」には、ICの名称が格納される。なお、IC番号及びIC名称には、高速道路が交差する地点であるジャンクション(JCT)の番号及び名称も含まれる。IC番号及びIC名称は、ICを一意に識別する情報であることから、IC識別情報と称してもよい。「位置データ」には、IC及びJCTの位置を示すデータが格納される。位置データは、例えば、緯度及び経度で表現された所定範囲を示すデータであってもよい。サーバ20は、車両の走行位置が当該所定範囲の中に入った場合に、車両がそのICを利用したと判定するようにしてもよい。「高速道路番号」には、高速道路ごとに割り振られる、高速道路を一意に識別する番号が格納される。「道路名」には、高速道路の名称が格納される。
図4に戻り説明を続ける。
【0025】
位置取得部202は、車両の走行位置(端末10の現在位置)を端末10から取得する機能を有する。
【0026】
記録部203は、道路情報201bと車両の走行位置とに基づいて、車両が高速道路上を走行しているのか一般道を走行しているのかを判定する機能を有する。また、高速道路を走行していると判定した場合、記録部203は、車両が走行する高速道路の走行ルート上のICを記録する機能を有する。より具体的には、記録部203は、IC位置情報201aと車両の走行位置(端末10の現在位置)とを用いて車両が走行する高速道路の走行ルート上のICを特定し、特定したICのうち所定の条件を満たすICに関するIC情報を記録する機能を有する。所定の条件を満たすICとは、例えば、入口ICと、出口ICと、入口ICから出口ICまでの間に車両が通過したICのうち、少なくとも1以上のICであってもよい。
【0027】
料金取得部204は、記録部203により記録される複数のIC情報を料金算出装置30に入力することで、料金算出装置30から出力される通行料金を取得する機能を有する。例えば、車両が高速道路から出た時点での走行IC情報に入口ICのIC情報と出口ICのIC情報とが含まれる場合、料金取得部204は、入口ICのIC情報と出口ICのIC情報とを料金算出装置30に入力することで、通行料金を取得する。
【0028】
通知部205は、料金取得部204が取得した通行料金を端末10に通知する機能を有する。
【0029】
なお、本実施形態では、サーバ20が備える各機能を端末10が備えることとしてもよい。つまり、端末10は、自ら測定した現在位置を用いてIC位置情報201aを検索することで、車両が走行したルート上のICのIC情報を特定し、特定したIC情報を自ら記録していくこととしてもよい。また、端末10は、記録したIC情報を自ら料金算出装置30に入力することで、通行料金を取得し、取得した通行料金を画面に表示することとしてもよい。この場合、通知部205は、料金取得部204が取得した通行料金を“ユーザ”に通知する機能を有していると表現することができる。
【0030】
<処理手順>
続いて、本実施形態に係るサーバ20が行う処理手順について具体的に説明する。
【0031】
図6は、高速道路の一例を示す図である。
図6には、高速道路H1、高速道路H2及び高速道路H3が存在する。また、IC1~IC18はそれぞれIC(インターチェンジ)を示しており、JCT2、JCT5、JCT7及びJCT10は、高速道路同士が交差する地点であるジャンクションを示している。例えば高速道路H1上に存在するIC1から高速道路に入り、同様に高速道路H1上に存在するIC8で高速道路から出る場合、高速道路H1のみを通る走行ルートR1と、JCT2で高速道路H1から高速道路H2に入り、JCT7で高速道路H2から高速道路H1に戻る走行ルートR2と、JCT2で高速道路H1から高速道路H2に入り、JC10で高速道路H2から高速道路H3に入り、JCT5で高速道路H3から高速道路H1に戻る走行ルートとの3つの走行ルートR3が存在する。
【0032】
このように、入口ICから出口ICまでの間に複数の走行ルートが存在する場合、サーバ20は、入口IC及び出口ICに加えて、車両が通過した全てのICのIC情報を料金算出装置30に入力すれば、車両が走行した一の走行ルートに対応する正確な通行料金を取得することが可能である。しかしながら、車両が通過した全てのICの識別情報を料金算出装置30に入力することは無駄であり非効率である。そこで、サーバ20は、走行ルート上のICのうち、所定の条件を満たすICに関するIC情報に絞って料金算出装置30に入力する。
【0033】
ここで、IC情報は、具体的には、IC番号又はIC名称であってもよい。若しくは、IC情報は、IC番号(又はIC名称)と当該ICを車両が通過した時刻との組み合わせであってもよい。IC情報に通過時刻が含まれることで、走行時間帯を加味したより正確な通行料金を取得することが可能になる。以下の説明では、IC情報は、IC番号と通過時刻との組み合わせであるものとして説明する。
【0034】
(具体例1)
所定の条件を満たすICに関するIC情報は、入口ICに関するIC情報と、出口ICに関するIC情報と、車両がJCTで他の高速道路に移動した際に次に通過したICに関するIC情報とであってもよい。
【0035】
具体例1では、記録部203は、車両が高速道路に入った際の入口ICに関するIC情報と、車両が高速道路から出た際の出口ICに関するIC情報とを記録するとともに、車両が通過したIC(例えばIC-2)に属する高速道路が、車両が1つ前に通過したIC(例えばIC-1)に属する高速道路とは異なる高速道路である場合に、車両が通過したIC(IC-2)を所定の条件を満たすICと判定し、当該IC(IC-2)に関するIC情報を記録する。また、料金取得部204は、記録部203で記録された入口ICに関するIC情報と、出口ICに関するIC情報と、記録された通過ICに関するIC情報とを料金算出装置30に入力することで、通行料金を取得する。
【0036】
図7は、具体例1におけるサーバ20の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図7において、車両は道路上を走行しており、車両に搭載された端末10は、周期的に現在位置をサーバ20に通知しているものとする。
【0037】
まず、記録部203は、車両が高速道路の走行を開始したか否かを判定する(S101)。高速道路の走行を開始した場合(S101-YES)、記録部203は、高速道路に入った際のICを入口ICとみなしてIC番号及び通過時刻を記録する(S102)。続いて、記録部203は、車両が移動して次のICに到達した場合、当該ICを通過したのか又は当該ICで高速道路を出たのかを判定する(S103)。車両が高速道路を出た場合(S103-降車)、記録部203は、当該ICは出口ICであるとみなしてIC番号及び通過時刻を記録する(S106)。
【0038】
車両がICを通過した場合(S103-通過)、記録部203は、当該ICは、1つ前に通過したICの高速道路とは異なる高速道路上のICであるか否かを判定する(S104)。1つ前に通過したICの高速道路とは異なる高速道路上のICである場合(S104-YES)、記録部203は、通過した当該ICのIC番号及び通過時刻を記録し(S105)、ステップS103の処理手順に戻る。1つ前に通過したICの高速道路とは異なる高速道路上のICではない場合(S104-NO)、ステップS103の処理手順に戻る。
【0039】
続いて、料金取得部204は、これまでの処理手順において記録部203が記録した入口ICのIC番号及び通過時刻、通過ICのIC番号及び通過時刻、出口ICのIC番号及び通過時刻を料金算出装置30に入力することで、通行料金を取得する。また、通知部205は、取得した通行料金を端末10に通知する(S107)。
【0040】
具体例その1によれば、車両が
図6に示す走行ルートR1を走行した場合、入口ICとしてIC1が記録され、出口ICとしてIC8が記録されることになる。また、車両が走行ルートR2を走行した場合、入口ICとしてIC1が記録され、通過ICとしてIC12が記録され、出口ICとしてIC8が記録されることになる。車両が走行ルートR13を走行した場合、入口ICとしてIC1が記録され、通過ICとしてIC11、IC17及びIC6が記録され、出口ICとしてIC8が記録されることになる。これにより、サーバ20が通行料金を料金算出装置30に問い合わせる際に入力するIC情報が削減されることになり、サーバ20及び料金算出装置30間で送受信されるデータ量を削減することが可能になる。
【0041】
(具体例2)
所定の条件を満たすICに関するIC情報は、入口ICに関するIC情報と、出口ICに関するIC情報と、車両がJCTを通過した場合において該JCTの次に通過したICに関するIC情報とであってもよい。
【0042】
図8は、具体例2におけるサーバ20の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、
図8において、具体例1と同一である処理については
図7と同一の符号を付して説明は省略する。
【0043】
車両がICを通過した場合(S103-通過)、記録部203は、当該ICは、JCTの次に通過したICであるか否かを判定する(S1041)。JCTの次に通過したICである場合(S1041-YES)、記録部203は、通過した当該ICのIC番号及び通過時刻を記録し(S105)、ステップS103の処理手順に戻る。JCTの次に通過したICではない場合(S1041-NO)、ステップS103の処理手順に戻る。
【0044】
具体例その2によれば、車両が
図6に示す走行ルートR1を走行した場合、入口ICとしてIC1が記録され、通過ICとしてIC3が記録され、出口ICとしてIC8が記録されることになる。また、車両が走行ルートR2を走行した場合と走行ルートR3を走行した場合については具体例その1と同一のICが記録される。具体例1の場合、車両が入口ICから出口ICまで同一の高速道路を走行した場合、入口ICと出口ICのみしか記録されないため、料金算出装置30において車両がどの走行ルートを走行したのかを一意に特定することが困難であった。一方、具体例2の場合、車両が入口ICから出口ICまで同一の高速道路を走行した場合であっても、車両がどの走行ルートを走行したのかを一意に特定することが可能になる。
【0045】
(画面表示例)
図9は、端末10に表示される画面の一例を示す図である。
図9に示すように、車両が高速道路に入った際、端末10の画面には入口IC名が表示される。また、車両が高速道路から出た際、端末10の画面には出口IC名が表示される。
【0046】
<変形例>
以上説明した処理手順によれば、端末10の画面には、車両が高速道路から出た際に通行料金が表示されるようにしたが、車両が高速道路を走行中、次のICで降りた際の通行料金や更にその次のICで降りた際の通行料金をリアルタイムに表示するようにしてもよい。この場合の表示例を
図10に示す。
図10の例では、IC12を通過した車両に対して、IC13で高速道路を出た場合の通行料金を音声案内する場合の例と、IC12を通過した車両に対して、IC13で高速道路を出た場合の通行料金とIC14で高速道路を出た場合の通行料金を画面表示する場合の例とを示している。
【0047】
変形例では、記録部203は、所定の条件を満たすIC情報として、少なくとも車両が高速道路に入った際の入口インターチェンジのIC情報を記録すると共に、車両の走行位置とIC位置情報201aとに基づき、車両が次に通過するインターチェンジを予測することで、車両が次に通過するインターチェンジのIC情報を更に記録する。また、料金取得部204は、少なくとも入口インターチェンジのIC情報と、車両が次に通過するインターチェンジのIC情報とを含む複数のIC情報を料金算出装置30に入力することで、車両が次に通過するインターチェンジで高速道路を出た場合の通行料金を料金算出装置30から取得する。
【0048】
図11は、変形例におけるサーバ20の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、
図11において、具体例1と同一である処理については
図7と同一の符号を付して説明は省略する。
【0049】
ステップS108において、記録部203は、車両がICを通過した際、車両が次に通過するICを予測し、予測したICのIC番号を記録する。このとき、記録部203は、端末10から通知される現在位置の変化から車両の移動速度を算出することで、車両が予測したICを通過する予想通過時刻を算出して記録するようにしてもよい。続いて、料金取得部204は、入口ICのIC番号及び通過時刻と予測したICのIC番号及び予想通過時刻とを料金算出装置30に入力することで、次のICで高速道路を出た場合の通行料金を取得する。なお、記録部203が、ステップS105の処理手順において車両が通過したICのIC番号及び通過時刻を記録している場合、料金取得部204は、入口ICのIC番号及び通過時刻と、通過ICのIC番号及び通過時刻と、予測したICのIC番号及び予想通過時刻とを料金算出装置30に入力することで、次のICで高速道路を出た場合の通行料金を取得することになる。
【0050】
以上説明した
図11において、ステップS104の処理手順を、
図8に示すステップS1041の処理手順に置き換えることとしてもよい。
【0051】
以上説明した変形例によれば、高速道路を走行している車両のドライバーに対してより正確な通行料金をリアルタイムに通知することが可能になる。
【0052】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…料金案内システム、10…端末、11…CPU、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…サーバ、30…料金算出装置、101…位置測定部、102…位置通知部、103…料金取得部、104…料金通知部、201…記憶部、201a…IC位置情報、202…位置取得部、202b…道路情報、203…記録部、204…料金取得部、205…通知部