(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電気生理学的マッピングカテーテル用の単極基準電極
(51)【国際特許分類】
A61B 5/287 20210101AFI20231128BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
A61B5/287 200
A61B18/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019142872
(22)【出願日】2019-08-02
【審査請求日】2022-06-16
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン・アール・トビー
(72)【発明者】
【氏名】シュバユ・バス
(72)【発明者】
【氏名】セサル・フエンテス-オルテガ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・イー・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】トゥーシャー・シャルマ
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-152430(JP,A)
【文献】特表平11-504541(JP,A)
【文献】特開2016-152926(JP,A)
【文献】国際公開第2017/192480(WO,A1)
【文献】特開2018-047233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24 - 5/398
A61B 18/12 -18/16
A61N 1/05 - 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)シャフトと、
(b)前記シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、遠位端と近位端とを有し、前記遠位端と前記近位端との間に長手方向中間点を有し、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、エンドエフェクタと、
を備える、装置であって、前記エンドエフェクタは、
(i)心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、少なくとも1つのセンサ電極と、
(ii)接触している流体から電位を取得するように構成されており、前記エンドエフェクタの前記長手方向中間点に対して近位に位置している、基準電極と、
を備え、
前記エンドエフェクタは、前記基準電極が組織と接触することを防止するように構成されており、
前記エンドエフェクタが前記シャフトの遠位端から延在する円筒形部分を備え、前記基準電極が前記円筒形部分に包み込ま
れている、
装置。
【請求項2】
前記エンドエフェクタは、前記長手方向中間点に対して近位の第1の部分と前記長手方向中間点に対して近位の第2の部分とを有する輪郭を画定し、前記輪郭の前記第1の部分は、前記輪郭の前記第2の部分に対して近位にあり、前記エンドエフェクタの前記輪郭は、
(A)前記エンドエフェクタの前記近位端に位置する近位面における第1の断面積であって、前記近位面は、前記輪郭の前記第1の部分の近位境界を画定する、第1の断面積と、
(B)前記輪郭の前記第1の部分と前記第2の部分との間に境界を画定する中間面における第2の断面積であって、前記第2の断面積は、前記第1の断面積と実質的に等しい、第2の断面積と、
(C)前記輪郭の前記第2の部分の遠位境界を画定する遠位面における第3の断面積と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記基準電極は、前記輪郭の前記第1の部分に配置されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記輪郭の前記第1の部分は、概ね円筒形である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記輪郭の前記第1の部分は、概ね多角形である、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記輪郭の前記第2の部分は、概ね切頭円錐形である、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記輪郭の前記第2の部分は、概ねベルマウス形状である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記輪郭の前記第2の部分は、概ね角錐形である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記輪郭の前記第2の部分は、前記中間面から前記遠位面へと外向きに分岐している、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記エンドエフェクタは、ヒト心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記エンドエフェクタは、複数の細長棘部分と、複数の前記センサ電極とを更に備え、前記センサ電極は、前記棘部分に固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記棘部分は、組織が前記基準電極と接触することを防止するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記棘部分は、互いに平行に配設され、概ね平坦な構成を画定するために前記棘部分の近位領域において接続されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記棘部分の第1の対は、第1の面を画定するために近位領域において接続され、前記棘部分の第2の対は、前記第1の面とは異なる第2の面を画定するために近位領域において接続されている、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、各前記棘部分の一部分は、前記長手方向軸から離れて外向きに延在する、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記棘部分のそれぞれは、前記長手方向軸から離れて配向されたそれぞれの自由端を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記エンドエフェクタは、前記長手方向軸に沿って延在する中央シャフトを更に備え、前記中央シャフトは、前記基準電極が前記中央シャフト上に配置され、前記棘部分によって部分的に包み込まれるように、前記棘部分よりも短い、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記エンドエフェクタの前記中央シャフトは、灌注流体を分配するように更に構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記棘部分は、前記長手方向軸に対して外向きに湾曲し、かつ遠位に収束して、バスケット構造を形成するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記基準電極は、前記バスケット構造の内部領域内に配置されている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記基準電極は、前記長手方向軸の周りに同軸状に配置されたリングを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記基準電極は、前記少なくとも1つのセンサ電極に関連して近位に配置されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝達するときに生じる。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝達経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(RF)エネルギー)を適用することによって心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を、停止又は修正することが可能な場合がある。アブレーションプロセスは、電気絶縁性の病変組織又は瘢痕組織を作り出すことによって、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
いくつかの処置では、1つ以上のRF電極を備えるカテーテルを使用して、心臓血管系内でアブレーションを行うことができる。主要静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)内にカテーテルを挿入し、次いで、心臓内又は心臓に隣接する心血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を配置するように前進させることができる。電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触して置き、次いでRFエネルギーで作動させ、それによって、接触した組織をアブレーションすることができる。いくつかの場合において、電極は、双極性であってもよい。いくつかの他の場合において、患者と接触している接地パッドと組み合わせて単極電極を使用してもよい。
【0003】
アブレーションカテーテルの例は、米国特許公開第2013/0030426号、発明の名称「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」(2013年1月31日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」(2017年11月2日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2018/0071017号、発明の名称「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」(2018年3月15日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」(2018年3月1日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2018/0036078号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」(2018年2月8日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許第8,956,353号、発明の名称「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」(2015年2月17日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);並びに米国特許第9,801,585号、発明の名称「Electrocardiogram Noise Reduction」(2017年10月31日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている)に記載されている。
【0004】
いくつかのカテーテルアブレーション処置は、電気生理学的(EP)マッピングを使用して実行することができる。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実行するために使用されるのと同じカテーテル)上における検知電極の使用を含んでもよい。このような検知電極は、心臓血管系内の電気信号を監視して、不整脈に関与する異常な導電性組織部位の位置を正確に示すことができる。EPマッピングシステムの例は、米国特許第5,738,096号、発明の名称「Cardiac Electromechanics」(1998年4月14日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」(2018年3月6日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2018/0036078号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」(2018年2月8日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);並びに米国特許公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」(2018年3月1日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている)に記載されている。EPマッピングを使用することに加えて、いくつかのカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(IGS)システムを使用して実行されてもよい。
【0005】
IGSシステムは、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、医師がリアルタイムで患者内のカテーテルの位置を視覚的に追跡することを可能にすることができる。いくつかのシステムは、Biosense Webster,Inc.(California州Irvine)によるCARTO 3(登録商標)システムを含め、EPマッピングとIGS機能との組み合わせを行うことができる。IGSシステムとともに使用するように構成されたカテーテルの例は、米国特許第9,480,416号、発明の名称「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」(2016年11月1日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている)、及び本明細書に引用される様々な他の参照文献に開示されている。
【0006】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が製作され、利用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を製作又は利用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示に過ぎず、本願発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療手技の概略図を示す。
【
図2】
図1のカテーテルアセンブリの平面図を示す。
【
図3】
図1のカテーテルアセンブリのエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図4】組織表面と接触している、
図3のエンドエフェクタの側面概略図である。
【
図5】エンドエフェクタアームが省略され、エンドエフェクタ輪郭の模式図が円筒形部分とベルマウス形状の切頭円錐形部分とを含んでいる、
図1のカテーテルアセンブリの遠位端の端の斜視図を示す。
【
図6】エンドエフェクタアームが省略され、エンドエフェクタ輪郭の模式図が円筒形部分と角錐形の切頭円錐形部分とを含んでいる、
図1のカテーテルアセンブリの遠位端の端の斜視図を示す。
【
図7】1つのアームが3セグメント構成であり、他のアームが省略されている、
図3のエンドエフェクタの部分側面立面図を示す。
【
図8】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図9】
図8のエンドエフェクタの中央シャフトの一部分の拡大側面立面図を示す。
【
図10】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図11】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図12】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図13】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図14】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図15】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図16】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの側面立面図を示す。
【
図17】
図10~
図16のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な先端部の拡大斜視図を示す。
【
図18】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図19】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図20】
図1のカテーテルアセンブリに組み込むことが可能な別の例示的で代替的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特定の実施例の以下の記載は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、所定の実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定ではなく一例として示すものである。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つを実例として示す以下の記載から、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0009】
本明細書に記載の教示、表現、変更例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変更例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わされてもよい。したがって、以下に記載されている教示、表現、変更例、実施例などは、互いに対して分離して検討されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることが可能な種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0010】
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、挙げられた値の±10%の値の範囲を指していてもよく、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指していてもよい。更に、本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。
【0011】
I.例示的なマッピングカテーテルシステム
A.概要
一部のEPマッピング処置は、単極電極を用いて実行されてもよい。一部の従来の単極EPマッピング技術は、ある単極電極によって取得された電位と、遠隔基準電極によって取得された電位との比較を含んでいてもよい。かかる技術の一例は、WCTは、3つの四肢誘導を平均化することを含むウィルソン中心電極(Wilson Central Terminal、WCT)である。別の技術は、目的の組織領域での電位を取得するための第1のカテーテル上の電極と、基準電位を取得するための第2のカテーテル上の電極とを使用することを含んでいてもよい。例えば、第1のカテーテル上の電極は、肺静脈(PV)内の組織での電位を取得してもよく、一方、第2のカテーテル上の電極は、下大静脈(IVC)内の基準電位を取得してもよい。
【0012】
従来の単極EPマッピング技術の代替法として、組織電位が取得されている組織付近の血液から基準電位を得ることが望ましい場合がある。換言すれば、第1の電極を組織と接触して置き、それにより、組織から電位を取得して、第2の電極を、接触した組織付近の血液と接触して置き、それにより、血液から基準電位を取得することが望ましい場合がある。第2の(基準)電極は、組織と接触することなく、血液のみと接触していてもよい。この血液は、心臓の正確な基準電位を与え得る。第2の(基準)電極が組織と接触するのを避けるようにすることによって、第2の(基準)電極が、他の方法では検知した基準電位の信頼性を損ないかねない局所的な組織電位を取得することを回避し得る。この構成は、組織接触電極と同じ心腔内にある基準電極の位置に起因して、例えば、ノイズの低減及びファーフィールド信号の低減など、双極EPマッピングデバイス及び技術を用いて得られるのと同様の利点を提供し得る一方、直接的な組織電位が1つの電極のみによって取得されるので、単極信号の特徴を維持している。単に一例として、この構成は、WCTなどの従来の技術を用いて取得されたファーフィールド信号と比較して、ファーフィールド信号を約50%~約100%を低減することができる。
【0013】
図1は、上に言及した、従来のものとは異なる単極EPマッピングを行うために使用可能な心臓EPマッピングカテーテルシステムの例示的な医療手技及び関連する構成要素を示す。具体的に言えば、
図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持している医師(PH)を示しており、カテーテルアセンブリ(100)のカテーテル(120)のエンドエフェクタ(130)(
図2~
図4に示されているが、
図1には示されていない)は、患者(PA)の心臓(H)内又は付近のEPマッピングを実行するために、患者(PA)内に配置されている。
図2に示すように、カテーテル(120)は、細長可撓性シャフト(122)を含み、エンドエフェクタ(130)は、シャフト(122)の遠位端(124)に配設されている。エンドエフェクタ(130)及びその変形形態は、以下により詳細に説明される。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と連結される。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)とも連結されるが、これは単なる任意装備である。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下に配置され、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と連結される。磁場発生器(20)も、単なる任意装備である。
【0014】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)と、ディスプレイ(18)とを含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)と、第2のドライバモジュール(16)とを含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)と連結される。いくつかの変形形態では、第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に記載されるように、エンドエフェクタ(130)の電極(132、146、148、154)を介して得られたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、技術分野において既知のEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含む。これに加えて、又はこれに代えて、第1のドライバモジュール(14)は、エンドエフェクタ(130)の電極(132、146、148)にRF電力を供給し、それによって、組織をアブレーションするように動作可能であってもよい。いくつかの変更例では、第1のドライバモジュール(14)はまた、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(130)内の位置センサ(図示せず)から位置表示信号を受信するように動作可能である。このような変更例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、位置センサからの位置表示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のカテーテル(120)のエンドエフェクタ(130)の位置を判定するように動作可能である。
【0015】
第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)に連結される。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を作動させて、患者(PA)の心臓(H)の周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0016】
上述のとおり、エンドエフェクタ(130)のいくつかの変更例は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(130)の位置と配向の指標となる信号を生成するように動作可能な位置センサ(図示せず)を含む。各位置センサは、磁場発生器(20)によって発生された交流電磁場の存在に応答して電気信号を発生させるように構成された、1つのワイヤコイル又は複数のワイヤコイル(例えば、3つの直交コイル)を含んでもよい。エンドエフェクタ(130)に関連付けられたリアルタイム位置データを生成するために使用可能な他の構成要素及び技術として、無線三角測量、音響トラッキング、光学トラッキング、慣性トラッキングなどを挙げることができる。単に一例として、米国特許第9,480,416号の教示の少なくとも一部に従って位置検知が行われてもよく、この開示は、参照により本明細書に援用される。これに代えて、エンドエフェクタ(130)には、位置センサがなくてもよい。
【0017】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと連結され、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、一組の手術前又は術中に得られた画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づいてもよい。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(130)の位置センサからの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(130)が患者(PA)内で移動するにつれて、位置センサからの対応する位置データが、コンソール(12)のプロセッサに、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新させ、エンドエフェクタ(130)が患者(PA)内で移動するにつれて、エンドエフェクタ(130)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を描写してもよい。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(130)によるEPマッピングによって検出されるように、異常な導電性組織部位の位置を示すように、ディスプレイ(18)を駆動してもよい。単に一例として、コンソール(12)のプロセッサは、患者の解剖学的構造の画像上の異常な導電性組織部位の位置を、例えば、示されたドット、十字線、又は異常な導電性組織部位の視覚的表示のいくつかの他の形態を重ね合わせることによって、重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動してもよい。
【0018】
コンソール(12)のプロセッサはまた、患者の解剖学的構造の画像上のエンドエフェクタ(130)の現在位置を、例えば、示されたドット、十字線、又はエンドエフェクタ(130)の視覚的表示、又は視覚的表示のいくつかの他の形態を重ね合わせることによって、重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動してもよい。このような重なり合った視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(130)を移動するにつれて、ディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内をリアルタイムに移動してもよく、それによって、エンドエフェクタ(130)が患者(PA)内を移動するにつれて、患者(PA)内のエンドエフェクタ(130)の位置についてのリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(130)を見る任意の光学機器(すなわちカメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(130)の位置を追跡する映像を効果的に提供することができる。同じ図で、ディスプレイ(18)は、本明細書に記載されるEPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を、同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位に関する、また、患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関する、エンドエフェクタ(130)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0019】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又はいくつかの他の好適な灌注流体を収容する袋を含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に運ぶように動作可能なポンプ(44)と更に連結された可撓性チューブを含む。いくつかの変形形態では、導管(40)、流体源(42)及びポンプ(44)は、完全に省略される。これらの構成要素が含まれる変更例では、エンドエフェクタ(130)は、流体源(42)から患者内の標的部位に灌注流体を連通するように構成されてもよい。かかる灌注は、本明細書で引用した様々な特許参考文献のうちのいずれかの教示に従って行うことができ、又は本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるように、任意の他の好適な様式で行ってもよい。
【0020】
B.灌注シャフト上に基準電極を有する例示的なマルチレイエンドエフェクタ
図2~
図4は、エンドエフェクタ(130)をより詳細に示す。以下に加え、エンドエフェクタ(130)とカテーテルアセンブリ(100)の他の態様とは、米国特許公開第2018/0056038号(開示内容は参照により本明細書に援用されている)の教示の少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であってもよい。図示しているとおり、本実施例のエンドエフェクタ(130)は、カテーテルシャフト(122)の遠位端から遠位に延在する一組の棘部分又はアーム(140)を含む。アーム(140)は、カテーテルシャフト(122)の長手方向中心軸(L-L)から離れて概ね外向きに放射する。本実施例では、エンドエフェクタ(130)は、5個のアーム(140)を有する。いくつかの他の変更例では、エンドエフェクタ(130)は、8個のアーム(140)を有する。これに代えて、エンドエフェクタ(130)は、任意の他の好適な数のアーム(140)を有してもよい。
【0021】
各アーム(140)は、長手方向に離間配置されたリング電極(146、148)対のそれぞれの組を有する可撓性細長本体(142)を含む。各アーム(140)は、それぞれの自由端で、遠位に終端する。本実施例では、各アーム(140)は、4対の電極(146、148)を有する。これに代えて、4対よりも多い、又はそれよりも少ない電極(146、148)が各アーム(140)上に設けられていてもよい。各対の電極(146、148)は、対応する間隙(144)だけ互いに離隔している。本実施例では、電極(146、148)の各対は、電極(146、148)が心臓血管組織と接触して置かれたときに、心電図信号の双極検知を行うように構成されている。電極(146、148)の各対を使用して、単極検知を行ってもよく、又は、各対の単一の電極(146、148)のみを使用して、単極検知を行い、一方、その対の他方の電極(146、148)は使用されなくてもよい。カテーテルアセンブリ(100)はまた、医師(PH)が2つ以上のモード(双極検知モードと単極検知モードとを含む)の間でエンドエフェクタ(130)を切り替えることを可能にしてもよい。いくつかの他の変形形態では、電極(146、148)は、対では設けられず、その結果、各アーム(140)は、電極(146)のアレイ又は電極(148)のアレイのいずれかのみを有する。
【0022】
エンドエフェクタ(130)は、カテーテルシャフト(122)の遠位端(124)に、アーム(140)に対して近位に、長手方向に離間配置されたリング電極(132)のアレイを更に含む。電極(132)はまた、電極(132)が心臓血管組織と接触して置かれたときに、心電図信号の双極検知を行うように対で協働するように構成されていてもよい。これに代えて、電極(132)のうちの1つ以上を使用して、単極検知を行ってもよい。いくつかの他の変更例では、電極(132)のうちの1つ又は全てが省略される。
【0023】
エンドエフェクタ(130)は、アーム(140)の近位端付近の、カテーテルシャフト(122)の遠位端(124)から遠位に突出する中央シャフト(150)を更に含む。中央シャフト(150)は、カテーテルシャフト(122)と同軸状に整列しており、遠位開口部(152)を画定し、遠位開口部(152)は、中央シャフト(150)の長さ方向に沿って形成される内腔と連通している。この内腔は、流体導管(40)と流体連通しており、流体導管(40)は、上述のとおり、流体源(42)と更に連通している。したがって、中央シャフト(150)は、遠位開口部(152)を介して、流体源(42)から患者(PA)内の部位(例えば、心血管構造内)に灌注流体(例えば、生理食塩水)を分配するように動作可能である。いくつかの他の変更例では、中央シャフト(150)には遠位開口部(152)がなく、灌注流体を分配することができない。
【0024】
本実施例の中央シャフト(150)は、以下により詳細に記載されるように、基準電極として機能するように構成されたリング電極(154)を更に含む。リング電極(154)は、エンドエフェクタ(130)が患者の心血管構造内(例えば、肺静脈内など)に位置しているとき、血液に接触するように配置される。しかしながら、アーム(140)はまた、エンドエフェクタ(130)が心血管構造内に配設されている間に、リング電極(154)が組織と接触するのを防止するように構成されている。したがって、通常の使用中、1つ以上の電極(146、148)は、リング電極(154)が組織に接触していない間に、組織と接触する。例えば、
図4に示すように、医師(PH)は、エンドエフェクタ(130)を組織表面(T)に対して押し進めてもよい。この状態は、1つ以上のアーム(140)を組織表面(T)に沿って概ね平坦にすることによって生じ、それによって、組織表面(T)と直接接触して電極(146、148)を置くことができる。この場合であっても、リング電極(154)は、間隙(G)だけ組織表面(T)から離間配置され得る。医師がエンドエフェクタ(130)を更に組織表面(T)に向かって更に遠位に押し付け続けた場合であっても、また、アーム(140)が更に外向きに広がることができる場合であっても、中央シャフト(150)の遠位端は、リング電極(154)が組織表面(T)と接触する前に組織表面(T)と接触するだろう。したがって、エンドエフェクタ(130)の通常の使用中、リング電極(154)は組織表面(T)には接触しない。
【0025】
リング電極(154)は組織表面(T)に接触しないが、リング電極(154)は、その場合であっても、心臓血管系を通って流れる血液と接触するだろう。エンドエフェクタ(130)が肺静脈内に配置される場合、例えば、1つ以上の電極(146、148)は、組織表面(T)と接触してもよく、一方、リング電極(154)は、肺静脈を通って流れる血液と接触する。組織表面(T)に接触する1つ以上の電極(146、148)は、組織表面(T)の接触領域で電位を取得することができ、一方、リング電極(154)は、リング電極(154)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(146、148、154)からの電位を処理し、それによって心電図信号を提供してもよい。このような心電図信号を使用してEPマッピングを行い、それによって心臓解剖学的構造内の異常な電気活動の位置を特定することができる。これにより、次に、医師(PH)が心臓組織の最も適切な領域を特定して、(例えば、RFエネルギー、冷凍アブレーションなどで)アブレーションし、それによって、心臓組織にわたる異常な電気活動の通信を防止するか、又は少なくとも低減することができる。
【0026】
図5は、アーム(140)の少なくとも近位部分によって画定され得る例示的な三次元輪郭(160)を示す。アーム(140)は
図5から省略されているが、アーム(140)の少なくとも近位部分は、概して、三次元輪郭(160)として示される境界の周りに配置されてもよいことを理解すべきである。いくつかの変更例では、アーム(140)は、アーム(140)の少なくとも近位部分が三次元輪郭(160)を画定するように弾性的に付勢される。本実施例の三次元輪郭(160)は、円筒形部分(162)と、ベルマウス形状の切頭円錐形部分(170)とを含む。円筒形部分(162)は、近位面(166)によって近位に境界が定められ、中間面(164)によって遠位に境界が定められる。近位面(166)は、カテーテルシャフト(122)の遠位端(124)に位置する。ベルマウス形状の切頭円錐形部分(170)は、中間面(164)によって近位に境界が定められ、遠位面(172)によって遠位に境界が定められる。
【0027】
いくつかの変更例では、遠位面(172)は、アーム(140)の自由端又は遠位先端に位置しており、その結果、アーム(140)は、遠位面(172)で遠位に終端する。いくつかの他の変更例では、アーム(140)は、遠位面(172)でそれぞれの直線経路に沿って遠位に延在し続け、その結果、ベルマウス形状の切頭円錐形部分(170)は、各アーム(140)のそれぞれの遠位直線部分と近位直線部分との間に長手方向に挟まれる各アーム(140)の中間湾曲部分を表す。アーム(140)が遠位面(172)でそれぞれの直線経路に沿って遠位に延在するいくつかの変更例では、これらのそれぞれの直線経路は、カテーテルシャフト(122)の長手方向軸(L-L)から離れる方向に斜めに配向される。このような構成の一例が
図7に示されており、
図7は、エンドエフェクタ(130)の1つのアーム(140)のみを描写しており、他のアーム(140)が同様にただし構成されてもよい(、角度を付けて離間配置されたアレイに配置されている)ことが理解される。
【0028】
図7に示されるように、アーム(140)は、第1のセグメント(141)と、第2のセグメント(143)と、第3のセグメント(145)とを含む。第1のセグメント(141)は、シャフト(122)の遠位端(124)から、近位面(166)から中間面(164)まで延在する。第1のセグメント(141)は、実質的に真っ直ぐであり、シャフト(122)の長手方向中心軸(L-L)と平行である。したがって、アーム(140)の角度を付けて離間配置されたアレイの第1のセグメント(141)は、概して、
図5の文脈において上述したとおり、三次元輪郭(160)の円筒形部分(162)を画定する。第2のセグメント(143)は、第1のセグメント(141)に対して遠位であり、中間面(164)から遠位面(172)まで延在する。第2のセグメント(143)は、曲線に沿って延在し、シャフト(122)の長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に屈曲している。したがって、アーム(140)の角度を付けて離間配置されたアレイの第2のセグメント(143)は、概して、
図5の文脈において上述したとおり、三次元輪郭(160)のベルマウス形状の切頭円錐形部分(170)を画定する。これに代えて、第2のセグメント(143)は、シャフト(122)の長手方向中心軸(L-L)に対して斜めに配向されたそれぞれの直線経路に沿ってシャフト(122)の長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に延在してもよく、それによって概して、
図6の文脈において上述したとおり、三次元輪郭(180)の角錐形の切頭円錐形部分(190)を画定する。第3のセグメント(145)は、第2のセグメント(143)に対して遠位にあり、遠位面(172)から遠位に延在する。第3のセグメント(145)は、シャフト(122)の長手方向中心軸(L-L)に対して斜めに配向された直線経路に沿って延在する。第2のセグメント(143)が湾曲しておらず、真っ直ぐである変更例では、シャフト(122)の第3のセグメント(145)と長手方向中心軸(L-L)との間に画定される斜角は、シャフト(122)の第2のセグメント(143)と長手方向中心軸(L-L)との間に画定される斜角よりも大きくてもよい。
【0029】
アーム(140)が遠位面(172)でそれぞれの直線経路に沿って遠位に延在するいくつかの他の変更例では、これらのそれぞれの直線経路は、カテーテルシャフト(122)の長手方向軸(L-L)と平行である。単に一例として、このような構成は、
図16に示され、以下に記載されるエンドエフェクタ(1130)に概ね似ていてもよい。これらの変更例では、
図7に示されるものと同様の変更例にでは、又は他の構成では、アーム(140)は、遠位面(172)を越えて遠位方向に延在し続けてもよく、その結果、遠位面(172)は、エンドエフェクタ(130)の遠位端に必ずしも対応するものとして見られるべきではないことを理解すべきである。
【0030】
本実施例では、中間面(164)は、アーム(140)は、概ね真っ直ぐであり、かつ互いに平行な状態から、それぞれの曲線に沿って互いから離れる方向に外向きに広がるように遷移する、長手方向位置を表す。三次元輪郭(160)の近位面(166)領域の断面積(Ap)は、三次元輪郭(160)の中間面(164)領域の断面積(Ai)にほぼ等しい。遠位面(172)領域の断面積(Ad)は、他の平面(164、166)の断面積よりも大きい。アーム(140)の構成が長手方向軸(L-L)に対して対称形であるため、断面積(Ap、Ai、Ad)は、例示的な図において、長手方向軸(L-L)に対して直交しているものとして示されているが、アーム(140)の広がりは、必ずしも長手方向軸(L-L)に関して対称である必要はなく、したがって、近位面、中間面及び遠位面のそれぞれの領域(Ap、Ai、Ad)は、互いに交差していてもよく、ないしは別の方法で長手方向軸(L-L)に対して非直交であってもよい。
【0031】
本実施例では、中央シャフト(150)及びリング電極(154)は、電極(154)の長手方向位置が三次元輪郭(160)の円筒形部分(162)に対応するように構成され、配置される。したがって、リング電極(154)は、中間面(164)に関連して近位に位置する。したがって、リング電極(154)は、エンドエフェクタ(130)のアーム(140)によって画定される三次元輪郭(160)の円筒形部分(162)によって包み込まれているとみなすことができる。いくつかの他の変更例では、中央シャフト(150)及びリング電極(154)は、リング電極(154)が遠位面(172)と中間面(164)との間に長手方向に配置されるように構成され、配置される。そのような変更例では、リング電極(154)は、エンドエフェクタ(130)のアーム(140)によって画定される三次元輪郭(160)のベルマウス形状の切頭円錐形部分(170)によって包み込まれているとみなすことができる。
【0032】
ベルマウス形状の切頭円錐形部分(170)又はエンドエフェクタ(130)の棘部分又はアーム(140)によって画定される三次元輪郭(160)の円筒形部分(162)によってリング電極(154)が包み込まれることによって、リング電極(154)の周囲の血流は、比較的円滑になることができ、これにより、リング電極(154)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(154)の周囲のアーム(140)の配置は、血流が、リング電極(154)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(154)による血液からの電位の取得が、リング電極(154)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(154)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(154)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(154)が円筒形部分(164)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0033】
図6は、アーム(140)の少なくとも近位部分によって画定され得る別の例示的な三次元輪郭(180)を示す。アーム(140)は
図6から省略されているが、アーム(140)の少なくとも近位部分は、概して、三次元輪郭(180)として示される境界の周りに配置されてもよいことを理解すべきである。いくつかの変更例では、アーム(140)は、アーム(140)の少なくとも近位部分が三次元輪郭(180)を画定するように弾性的に付勢される。本実施例の三次元輪郭(180)は、円筒形部分(162)と、角錐形の切頭円錐形部分(190)とを含む。円筒形部分(162)は、近位面(166)によって近位に境界が定められ、中間面(164)によって遠位に境界が定められる。近位面(166)は、カテーテルシャフト(122)の遠位端(124)に位置する。角錐形の切頭円錐形部分(190)は、中間面(164)によって近位に境界が定められ、遠位面(192)によって遠位に境界が定められる。
【0034】
いくつかの変更例では、遠位面(192)は、アーム(140)の自由端又は遠位先端に位置しており、その結果、アーム(140)は、遠位面(192)で遠位に終端する。いくつかの他の変更例では、アーム(140)は、遠位面(192)でそれぞれの直線経路に沿って遠位に延在し続け、その結果、角錐形の切頭円錐形部分(190)は、各アーム(140)のそれぞれの遠位直線部分と近位直線部分との間に長手方向に挟まれる各アーム(140)の中間の角度が付けられた部分を表す。アーム(140)が遠位面(192)でそれぞれの直線経路に沿って遠位に延在するいくつかの変更例では、これらのそれぞれの直線経路は、カテーテルシャフト(122)の長手方向軸(L-L)から離れる方向に(例えば、角錐形の切頭円錐形部分(190)によって表される角度よりも大きな角度で)斜めに配向される。アーム(140)が遠位面(192)でそれぞれの直線経路に沿って遠位に延在するいくつかの他の変更例では、これらのそれぞれの直線経路は、カテーテルシャフト(122)の長手方向軸(L-L)と平行である。いずれの場合でも、又は他の構成では、アーム(140)は、遠位面(192)を越えて遠位方向に延在し続けてもよく、その結果、遠位面(192)は、エンドエフェクタ(130)の遠位端に必ずしも対応するものとして見られるべきではないことを理解すべきである。
【0035】
本実施例では、中間面(164)は、アーム(140)は、概ね真っ直ぐであり、かつ互いに平行な状態から、それぞれの斜めになった経路に沿って互いから離れる方向に外向きに広がるように遷移する、長手方向位置を表す。三次元輪郭(180)の近位面(166)領域の断面積は、三次元輪郭(180)の中間面(164)領域の断面積にほぼ等しい。遠位面(192)領域の断面積は、他の平面(164、166)の断面積よりも大きい。
【0036】
本実施例では、中央シャフト(150)及びリング電極(154)は、電極(154)の長手方向位置が三次元輪郭(180)の円筒形部分(162)に対応するように構成され、配置される。したがって、リング電極(154)は、中間面(164)に関連して近位に位置する。したがって、リング電極(154)は、エンドエフェクタ(130)のアーム(140)によって画定される三次元輪郭(180)の円筒形部分(162)によって包み込まれているとみなすことができる。いくつかの他の変更例では、中央シャフト(150)及びリング電極(154)は、リング電極(154)が遠位面(192)と中間面(164)との間に長手方向に配置されるように構成され、配置される。そのような変更例では、リング電極(154)は、エンドエフェクタ(130)のアーム(140)によって画定される三次元輪郭(180)の角錐形の切頭円錐形部分(190)によって包み込まれているとみなすことができる。
【0037】
角錐形の切頭円錐形部分(190)又はエンドエフェクタ(130)のアーム(140)によって画定される三次元輪郭(190)の円筒形部分(162)によってリング電極(154)が包み込まれることによって、リング電極(154)の周囲の血流は、比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(154)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(154)の周囲のアーム(140)の配置は、血流が、リング電極(154)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(154)による血液からの電位の取得が、リング電極(154)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(154)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(154)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(154)が円筒形部分(162)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0038】
C.内側シャフト上に基準電極を有する例示的なバスケットエンドエフェクタ
図8は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(200)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(200)は、角度を付けて離間配置されたビームのアレイ(222)によって形成される拡張可能なアセンブリ(220)を含む。各ビーム(222)は、双極電極(232、234)の4つの対(230)を含む。電極(232、234)はそれぞれ概ね矩形であり、上述の電極(146、148)と同様に、組織から電位を取得するように構成されている。電極(232、234)は、双極様式又は単極様式で使用されてもよい。各電極(232、234)の全体は、本実施例では、各ビーム(222)の外向きに提示された表面に限定されている。したがって、ビーム(222)は、各ビーム(222)の一方の側(すなわち、各ビーム(222)の組織接触側)に電極(232、234)を有する。
【0039】
ビーム(222)の近位端は、外側シャフト(210)内に配置されており、これは、上述のカテーテルシャフト(122)と類似しているとみなされ得る。ビーム(222)の遠位端は、ハブ部材(212)と連結される。ハブ部材(212)は、拡張可能なアセンブリ(220)の中心に同軸状に配置された中央内側シャフト(250)に固定される。ビーム(222)は、拡張可能なアセンブリ(220)を非拡張状態と拡張状態との間で遷移させるように構成されている。拡張状態を
図8に示す。拡張可能なアセンブリ(220)が非拡張状態にあるとき、ビーム(222)は、外側シャフト(210)の内径以下である有効外径を画定するように内向きに押し進められる。いくつかの変更例では、ビーム(222)は、拡張可能なアセンブリ(220)を拡張状態で提供するように弾性的に付勢される。いくつかのそのような変更例では、外側シャフト(210)の周囲に外側シース(214)を配設してもよい。(例えば、シース(214)の遠位端がハブ部材(212)に対して遠位にあるように)シース(214)が遠位位置にあるとき、シース(214)は、ビーム(222)を内向きに拘束し、それによって拡張可能なアセンブリ(220)を非拡張状態に維持する。(例えば、
図8に示すように、シース(214)の遠位端が拡張可能なアセンブリ(220)に対して近位にあるように)シース(214)が近位位置にあるとき、ビーム(222)は拡張可能なアセンブリ(220)を拡張状態で弾性的に提供することができる。
【0040】
別の単なる例示的な代替例として、拡張可能なアセンブリ(220)の状態は、内側シャフト(250)と外側シャフト(210)の相対的な長手方向の位置に基づいてもよい。内側シャフト(250)がハンドル(110)に対して長手方向に静止している変更例では、ハンドル(110)上のアクチュエータは、外側シャフト(210)を内側シャフト(250)に対して近位方向に駆動して、拡張可能なアセンブリ(220)を非拡張状態へと押し進め、外側シャフト(210)を内側シャフト(250)に対して遠位方向に駆動して、拡張可能なアセンブリ(220)を拡張状態へと押し進めることができる。外側シャフト(210)がハンドル(110)に対して長手方向に静止している変更例では、ハンドル(110)上のアクチュエータは、内側シャフト(250)を外側シャフト(210)に対して遠位に駆動して、拡張可能なアセンブリ(220)を非拡張状態へと押し進め、内側シャフト(250)を内側シャフト(210)に対して近位に駆動して、拡張可能なアセンブリ(220)を拡張状態へと押し進めることができる。このような作動を提供するためにハンドル(110)上に提供され得る様々な好適な形態の入力、並びに拡張可能なアセンブリ(220)が非拡張状態と拡張状態との間で遷移し得る様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。
【0041】
図8に示すように、エンドエフェクタ(200)の構成は、シャフト(210、250)の長手方向軸(L-L)に垂直である3つの平面(264、266、272)に関連して考慮されてもよい。近位面(266)は、シャフト(210)の遠位端及びエンドエフェクタ(200)の近位端に位置する。中間面(264)は、近位面(266)に対して遠位である。遠位面(272)は、中間面(264)に対して遠位である。平面(264、266)の間のエンドエフェクタ(200)の長手方向領域は、
図5~
図6に関連して上述した円筒形部分(162)とかなりよく似ており、円筒形の三次元輪郭を画定する円筒形部分(262)とみなすことができる。したがって、円筒形部分(262)に沿って延在するビーム(222)の部分は、シャフト(210、250)の長手方向軸(L-L)と平行なそれぞれの直線経路に沿って延在していてもよい。平面(264、272)の間のエンドエフェクタ(200)の長手方向領域は、
図5に関連して上述したベルマウス形状の切頭円錐形部分(170)とかなりよく似ており、ベルマウス形状の切頭円錐形の三次元輪郭を画定するベルマウス形状の切頭円錐形部分(270)とみなすことができる。本実施例では、ベルマウス形状の切頭円錐形部分(270)に沿って延在するビーム(222)の部分は、シャフト(210、250)の長手方向軸(L-L)から離れる方向に外向きに湾曲するそれぞれの曲線状経路に沿って延在する。遠位面(272)から遠位に延在するビーム(222)の部分は、シャフト(210、250)の長手方向軸(L-L)に向かって内向き後方に湾曲し、最終的にハブ部材(212)につながる。したがって、遠位面(272)は、ビーム(222)がそれぞれの曲線状経路に沿って外向きに延在するところから、それぞれの曲線状経路に沿って内向きに延在するところまでの遷移を表す。
【0042】
本実施例の内側シャフト(250)は、
図9に示すように、内側シャフト(250)の周りに同軸状に配設されたリング電極(254)を含む。本実施例では、リング電極(254)の長手方向位置が円筒形部分(262)の長手方向位置に対応するように、かつ、リング電極(254)が円筒形部分(262)によって包み込まれるように、リング電極(254)は、平面(264、266)の間に長手方向に配置される。いくつかの他の変更例では、リング電極(254)の長手方向位置がベルマウス形状の切頭円錐形部分(270)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(254)がベルマウス形状の切頭円錐形部分(270)によって包み込まれるように、リング電極(254)は、平面(264、272)の間に長手方向に配置される。
【0043】
したがって、ビーム(222)は、組織がリング電極(254)と接触することを防止するように構成される。しかしながら、ビーム(222)は、血液が拡張可能なアセンブリ(220)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(254)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(200)の使用中、ビーム(222)上の1つ以上の電極(232、234)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(254)は、リング電極(254)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(232、234、254)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0044】
ベルマウス形状の切頭円錐形部分(270)又はエンドエフェクタ(200)のビーム(222)によって画定される三次元輪郭の円筒形部分(262)によってリング電極(254)が包み込まれることによって、リング電極(254)の周囲の血流を比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(254)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(254)の周囲のビーム(222)の配置は、血流が、リング電極(254)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(254)による血液からの電位の取得が、リング電極(254)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(254)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(254)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(254)が円筒形部分(262)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0045】
D.一体型基準電極を備える例示的なマルチアームエンドエフェクタ
図10は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(530)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(530)は、外側アーム(540)と、外側アーム(544)とを含む。アーム(540、544)は、カテーテルシャフト(522)の遠位端(524)から遠位に延在する。アーム(540)は、外側ループを画定し、一方、アーム(544)は、内側ループを画定する。外側ループ及び内側ループは、各ループの遠位端で弾性接合部材(546)を介して互いに連結される。アーム(540、544)の長手方向中間領域は、互いに平行である。アーム(540、544)の近位端は、カテーテルシャフト(522)の遠位端(524)で収束する。
【0046】
アーム(540、544)は、この実施例では、単一の平面に沿って配置される。しかしながら、アーム(540、544)はまた、アーム(540、544)が、アーム(540、544)によって画定される平面を横断する経路に沿って、長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に横方向に屈曲され、それによってアーム(540、544)によって画定される平面を変形させ得るように、可撓性である。このような屈曲は、エンドエフェクタ(530)が組織に対して横方向に押されるときに生じ得る。アーム(540、544)は、
図10に示される平坦な面構成に戻るように弾性的に付勢されてもよい。いくつかの他の変更例では、アーム(540、544)の一部分は、アーム(540、544)が単一の平面に沿って配置されないように、互いから更にずれている。
【0047】
アーム(540、544)の近位端は、互いに対して概ね平行であり、カテーテルシャフト(522)の長手方向軸(L-L)と概ね平行であるそれぞれの直線経路に沿って、近位面(566)と中間面(564)との間に延在する。平面(564、566)の間のアーム(540、544)の最近位領域は、共に、エンドエフェクタ(530)の輪郭の概ね矩形の第1の部分(562)を画定する。アーム(540、544)は、第1の部分(562)に対して遠位に、エンドエフェクタ(530)の輪郭の分岐した第2の部分(570)を画定する。第2の部分(570)は、中間面(564)から遠位面(572)まで延在する。したがって、アーム(540、544)は、第2の部分(570)を通ってそれぞれの分岐経路に沿って外向きに延在する。アーム(540、544)は、遠位面(572)に対して遠位に、上述のように互いに平行なそれぞれの直線経路に沿って延在する。
【0048】
各アーム(540、544)は、長手方向に離間配置された電極(542)のアレイを有する。各電極(542)は、組織に接触し、それによって、接触した組織から電位を取得するように構成されている。いくつかの変更例では、電極(542)は、上述の電極(146、148)のような対で設けられる。
【0049】
エンドエフェクタ(530)は、リング電極(554)を有する中央内側シャフト(550)を更に含む。リング電極(554)は、内側シャフト(550)の周囲に同軸状に配設される。本実施例では、リング電極(554)の長手方向位置が第2の部分(570)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(554)が第2の部分(570)によって包み込まれるように、リング電極(554)は、平面(564、572)の間に長手方向に配置される。いくつかの他の変更例では、リング電極(554)の長手方向位置が第1の部分(562)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(554)が第1の部分(562)によって包み込まれるように、リング電極(554)は、平面(564、566)の間に長手方向に配置される。
【0050】
リング電極(554)が第1の部分(562)又は第2の部分(570)によって包み込まれている状態で、アーム(540、544)は、一般に、組織がリング電極(554)と接触することを防止することができる。しかしながら、アーム(540、544)は、血液がエンドエフェクタ(530)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(554)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(530)の使用中、アーム(540、544)上の1つ以上の電極(542)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(554)は、リング電極(554)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(542、554)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供しもよい。
【0051】
エンドエフェクタ(530)のアーム(540、544)によって画定される輪郭の第1の部分(562)又は第2の部分(570)によってリング電極(554)が包み込まれることによって、リング電極(554)の周囲の血流は、比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(554)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(554)の周囲のアーム(540、544)の配置は、血流が、リング電極(554)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(554)による血液からの電位の取得が、リング電極(554)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(554)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(554)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(554)が第1の部分(562)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0052】
図11は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(630)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(630)は、一対の外側アーム(640)と、一対の内側アーム(644)とを含む。アーム(640、644)は、カテーテルシャフト(622)の遠位端(624)から遠位に延在し、ジョイント(646)で遠位に終端する。いくつかの変更例では、ジョイント(646)は、単純に、アーム(640、644)の遠位端を一緒に溶接、接着、ないしは別の方法で固定することによって形成される。アーム(640、644)の長手方向中間領域は、互いに平行である。アーム(640、644)の近位端は、カテーテルシャフト(622)の遠位端(624)で収束し、一方、アーム(640、644)の遠位端は、ジョイント(646)において概ね収束する。アーム(640、644)は、この実施例では、全て単一の平面に沿って配置される。しかしながら、アーム(640、644)はまた、アーム(640、644)が、アーム(640、644)によって画定される平面を横断する経路に沿って、長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に横方向に屈曲され、それによってアーム(640、644)によって画定される平面を変形させ得るように、可撓性である。このような屈曲は、エンドエフェクタ(630)が組織に対して横方向に押されるときに生じ得る。アーム(640、544)は、
図11に示される平坦な面構成に戻るように弾性的に付勢されてもよい。いくつかの他の変更例では、アーム(640、644)の一部分は、アーム(640、644)が単一の平面に沿って配置されないように、互いから更にずれている。
【0053】
アーム(640、644)の近位端は、互いに対して概ね平行であり、カテーテルシャフト(622)の長手方向軸(L-L)と概ね平行であるそれぞれの直線経路に沿って、近位面(666)と中間面(664)との間に延在する。平面(664、666)の間のアーム(640、644)の最近位領域は、共に、エンドエフェクタ(630)の輪郭の概ね矩形の第1の部分(662)を画定する。アーム(640、644)は、第1の部分(662)に対して遠位に、エンドエフェクタ(630)の輪郭の分岐した第2の部分(670)を画定する。第2の部分(670)は、中間面(664)から遠位面(672)まで延在する。したがって、アーム(640、644)は、第2の部分(670)を通ってそれぞれの分岐経路に沿って外向きに延在する。遠位面(672)に対して遠位に、アーム(640、644)は、上述のように互いに平行なそれぞれの直線経路に沿って延在する。
【0054】
各アーム(640、644)は、長手方向に離間配置された電極(642)のアレイを有する。各電極(642)は、組織に接触し、それによって、接触した組織から電位を取得するように構成されている。いくつかの変更例では、電極(642)は、上述の電極(146、148)のような対で設けられる。
【0055】
エンドエフェクタ(630)は、リング電極(654)を有する中央内側シャフト(650)を更に含む。リング電極(654)は、内側シャフト(650)の周囲に同軸状に配設される。本実施例では、リング電極(654)の長手方向位置が第2の部分(670)の長手方向位置に対応するように、かつ、リング電極(654)が第2の部分(670)によって包み込まれるように、リング電極(654)は、平面(664、672)の間に長手方向に配置される。いくつかの他の変更例では、リング電極(654)の長手方向位置が第1の部分(662)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(654)が第1の部分(662)によって包み込まれるように、リング電極(654)は、平面(664、666)の間に長手方向に配置される。
【0056】
リング電極(654)が第1の部分(662)又は第2の部分(670)によって包み込まれている状態で、アーム(640、644)は、一般に、組織がリング電極(654)と接触することを防止することができる。しかしながら、アーム(640、644)は、血液がエンドエフェクタ(630)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(654)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(630)の使用中、アーム(640、644)上の1つ以上の電極(642)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(654)は、リング電極(654)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(642、654)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0057】
エンドエフェクタ(630)のアーム(640、644)によって画定される輪郭の第1の部分(662)又は第2の部分(670)によってリング電極(654)が包み込まれることによって、リング電極(654)の周囲の血流は、比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(654)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(654)の周囲のアーム(640、644)の配置は、血流が、リング電極(654)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(654)による血液からの電位の取得が、リング電極(654)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(654)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(654)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(654)が第1の部分(662)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0058】
図12は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(730)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(730)は、一対の外側アーム(740)と、一対の内側アーム(744)と含む。アーム(740、744)は、カテーテルシャフト(722)の遠位端(724)から遠位に延在する。アーム(740)は、ジョイント(746)で遠位に終端し、一方、アーム(744)は、ジョイント(746)に対して近位であるジョイント(752)で遠位に終端する。いくつかの変更例では、各ジョイント(746、752)は、単純に、対応するアーム(740、744)の遠位端を一緒に溶接、接着、ないしは別の方法で固定することによって形成される。アーム(740、744)の長手方向中間領域は、概ね互いに平行である。アーム(740、744)の近位端は、カテーテルシャフト(722)の遠位端(724)で収束し、一方、アーム(740、744)の遠位端は、それぞれのジョイント(746、752)で概ね収束する。アーム(740、744)は、この実施例では、全て単一の平面に沿って配置される。しかしながら、アーム(740、744)はまた、アーム(740、744)が、アーム(740、744)によって画定される平面を横断する経路に沿って、長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に横方向に屈曲され、それによってアーム(740、744)によって画定される平面を変形させ得るように、可撓性である。このような屈曲は、エンドエフェクタ(730)が組織に対して横方向に押されるときに生じ得る。アーム(740、744)は、
図12に示される平坦な面構成に戻るように弾性的に付勢されてもよい。いくつかの他の変更例では、アーム(740、744)の一部分は、アーム(740、744)が単一の平面に沿って配置されないように、互いから更にずれている。
【0059】
アーム(740、744)の近位端は、互いに対して概ね平行であり、カテーテルシャフト(722)の長手方向軸(L-L)と概ね平行であるそれぞれの直線経路に沿って、近位面(766)と中間面(764)との間に延在する。平面(764、766)の間のアーム(740、744)の最近位領域は、共に、エンドエフェクタ(730)の輪郭の概ね矩形の第1の部分(762)を画定する。アーム(740、744)は、第1の部分(762)に対して遠位に、エンドエフェクタ(730)の輪郭の分岐した第2の部分(770)を画定する。第2の部分(770)は、中間面(764)から遠位面(772)まで延在する。したがって、アーム(740、744)は、第2の部分(770)を通ってそれぞれの分岐経路に沿って外向きに延在する。アーム(740、744)は、遠位面(772)に対して遠位に、上述のように互いに平行なそれぞれの直線経路に沿って延在する。
【0060】
各アーム(740、744)は、長手方向に離間配置された電極(742)のアレイを有する。各電極(742)は、組織に接触し、それによって、接触した組織から電位を取得するように構成されている。いくつかの変更例では、電極(742)は、上述の電極(146、148)のような対で設けられる。
【0061】
エンドエフェクタ(730)は、リング電極(754)を有する中央内側シャフト(750)を更に含む。リング電極(754)は、内側シャフト(750)の周囲に同軸状に配設される。本実施例では、リング電極(754)の長手方向位置が第2の部分(770)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(754)が第2の部分(770)によって包み込まれるように、リング電極(754)は、平面(764、772)の間に長手方向に配置される。いくつかの他の変更例では、リング電極(754)の長手方向位置が第1の部分(762)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(754)が第1の部分(762)によって包み込まれるように、リング電極(754)は、平面(764、766)の間に長手方向に配置される。
【0062】
リング電極(754)が第1の部分(762)又は第2の部分(770)によって包み込まれている状態で、アーム(740、744)は、一般に、組織がリング電極(754)と接触することを防止することができる。しかしながら、アーム(740、744)は、血液がエンドエフェクタ(730)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(754)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(730)の使用中、アーム(740、744)上の1つ以上の電極(742)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(754)は、リング電極(754)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(742、754)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供しもよい。
【0063】
エンドエフェクタ(730)のアーム(740、744)によって画定される輪郭の第1の部分(762)又は第2の部分(770)によってリング電極(754)が包み込まれることによって、リング電極(754)の周囲の血流を比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(754)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(754)の周囲のアーム(740、744)の配置は、血流が、リング電極(754)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(754)による血液からの電位の取得が、リング電極(754)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(754)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(754)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(754)が第1の部分(762)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0064】
図13は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(830)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(830)は、外側アーム(840)と、内側アーム(844)とを含む。アーム(840、844)は、カテーテルシャフト(822)の遠位端(824)から遠位に延在する。アーム(840)は、遠位屈曲部(846)を形成し、一方、アーム(844)は、遠位屈曲部(846)に対して近位にある遠位屈曲部(852)を形成する。アーム(840、844)の長手方向中間領域は、概ね互いに平行である。アーム(840、844)の近位端は、カテーテルシャフト(822)の遠位端(824)で収束する。アーム(840、844)は、この実施例では、単一の平面に沿って配置される。しかしながら、アーム(840、844)はまた、アーム(840、844)が、アーム(840、844)によって画定される平面を横断する経路に沿って、長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に横方向に屈曲され、それによってアーム(840、844)によって画定される平面を変形させ得るように、可撓性である。このような屈曲は、エンドエフェクタ(830)が組織に対して横方向に押されるときに生じ得る。アーム(840、844)は、
図13に示される平坦な面構成に戻るように弾性的に付勢されてもよい。いくつかの他の変更例では、アーム(840、844)の一部分は、アーム(840、844)が単一の平面に沿って配置されないように、互いから更にずれている。
【0065】
アーム(840、844)の近位端は、互いに対して概ね平行であり、カテーテルシャフト(822)の長手方向軸(L-L)と概ね平行であるそれぞれの直線経路に沿って、近位面(866)と中間面(864)との間に延在する。平面(864、866)の間のアーム(840、844)の最近位領域は、共に、エンドエフェクタ(830)の輪郭の概ね矩形の第1の部分(862)を画定する。アーム(840、844)は、第1の部分(862)に対して遠位に、エンドエフェクタ(830)の輪郭の分岐した第2の部分(870)を画定する。第2の部分(870)は、中間面(864)から遠位面(872)まで延在する。したがって、アーム(840、844)は、第2の部分(870)を通ってそれぞれの分岐経路に沿って外向きに延在する。アーム(840、844)は、遠位面(872)に対して遠位に、上述のように互いに平行なそれぞれの直線経路に沿って延在する。
【0066】
各アーム(840、844)は、長手方向に離間配置された電極(842)のアレイを有する。各電極(842)は、組織に接触し、それによって、接触した組織から電位を取得するように構成されている。いくつかの変更例では、電極(842)は、上述の電極(146、148)のような対で設けられる。
【0067】
エンドエフェクタ(830)は、リング電極(854)を有する中央内側シャフト(850)を更に含む。リング電極(854)は、内側シャフト(850)の周囲に同軸状に配設される。本実施例では、リング電極(854)の長手方向位置が第2の部分(870)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(854)が第2の部分(870)によって包み込まれるように、リング電極(854)は、平面(864、872)の間に長手方向に配置される。いくつかの他の変更例では、リング電極(854)の長手方向位置が第1の部分(862)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(854)が第1の部分(862)によって包み込まれるように、リング電極(854)は、平面(864、866)の間に長手方向に配置される。
【0068】
リング電極(854)が第1の部分(862)又は第2の部分(870)によって包み込まれている状態で、アーム(840、844)は、一般に、組織がリング電極(854)と接触することを防止することができる。しかしながら、アーム(840、844)は、血液がエンドエフェクタ(830)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(854)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(830)の使用中、アーム(840、844)上の1つ以上の電極(842)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(854)は、リング電極(854)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(842、854)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0069】
エンドエフェクタ(830)のアーム(840、844)によって画定される輪郭の第1の部分(862)又は第2の部分(870)によってリング電極(854)が包み込まれることによって、リング電極(854)の周囲の血流は、比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(854)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(854)の周囲のアーム(840、844)の配置は、血流が、リング電極(854)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(854)による血液からの電位の取得が、リング電極(854)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(854)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(854)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(854)が第1の部分(862)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0070】
図14は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(930)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(930)は、第1のアーム(940)と、第2のアーム(944)とを含む。アーム(940、944)は、カテーテルシャフト(922)の遠位端(924)から遠位に延在する。各アーム(940)は、それぞれの遠位屈曲部(946)を形成し、一方、遠位屈曲部(946)は、カテーテルシャフト(922)の遠位端(924)から同じ長手方向距離に位置する。アーム(940、944)は、オーバーラップ点(980)で互いに重なり合う。アーム(940、944)の長手方向中間領域は、概ね互いに平行である。アーム(940、944)の近位端は、カテーテルシャフト(922)の遠位端(924)で収束する。アーム(940)は、この実施例では、第1の平面に沿って配置される。アーム(944)は、この実施例では、第2の平面に沿って配置され、アーム(940)の第1の平面とはわずかにずれている。アーム(940、944)はまた、アーム(940、944)が、アーム(940、944)によって画定される平面を横断する経路に沿って、長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に横方向に曲げられ、それによってアーム(940、944)によって画定される平面を変形させ得るように、可撓性である。このような屈曲は、エンドエフェクタ(930)が組織に対して横方向に押されるときに生じ得る。アーム(940、944)は、
図14に示される平坦な面構成に戻るように弾性的に付勢されてもよい。いくつかの他の変更例では、アーム(940、944)の一部分は、アーム(940、944)が単一の平面に沿って配置されないように、互いから更にずれている。
【0071】
アーム(940、944)の近位端は、互いに対して概ね平行であり、カテーテルシャフト(922)の長手方向軸(L-L)と概ね平行であるそれぞれの直線経路に沿って、近位面(966)と中間面(964)との間に延在する。平面(964、966)の間のアーム(940、944)の最近位領域は、共に、エンドエフェクタ(930)の輪郭の概ね矩形の第1の部分(962)を画定する。アーム(940、944)は、第1の部分(962)に対して遠位に、エンドエフェクタ(930)の輪郭の分岐した第2の部分(970)を画定する。第2の部分(970)は、中間面(964)から遠位面(972)まで延在する。したがって、アーム(940、944)は、第2の部分(970)を通ってそれぞれの分岐経路に沿って外向きに延在する。アーム(940、944)は、遠位面(972)に対して遠位に、上述のように互いに平行なそれぞれの直線経路に沿って延在する。
【0072】
各アーム(940、944)は、長手方向に離間配置された電極(942)のアレイを有する。各電極(942)は、組織に接触し、それによって、接触した組織から電位を取得するように構成されている。いくつかの変更例では、電極(942)は、上述の電極(146、148)のような対で設けられる。
【0073】
エンドエフェクタ(930)は、リング電極(954)を有する中央内側シャフト(950)を更に含む。リング電極(954)は、内側シャフト(950)の周囲に同軸状に配設される。本実施例では、リング電極(954)の長手方向位置が第2の部分(970)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(954)が第2の部分(970)によって包み込まれるように、リング電極(954)は、平面(964、972)の間に長手方向に配置される。いくつかの他の変更例では、リング電極(954)の長手方向位置が第1の部分(962)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(954)が第1の部分(962)によって包み込まれるように、リング電極(954)は、平面(964、966)の間に長手方向に配置される。
【0074】
リング電極(954)が第1の部分(962)又は第2の部分(970)によって包み込まれている状態で、アーム(940、944)は、一般に、組織がリング電極(954)と接触することを防止することができる。しかしながら、アーム(940、944)は、血液がエンドエフェクタ(930)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(954)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(930)の使用中、アーム(940、944)上の1つ以上の電極(942)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(954)は、リング電極(954)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(942、954)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供しもよい。
【0075】
エンドエフェクタ(930)のアーム(940、944)によって画定される輪郭の第1の部分(962)又は第2の部分(970)によってリング電極(954)が包み込まれることによって、リング電極(954)の周囲の血流は、比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(954)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(954)の周囲のアーム(940、944)の配置は、血流が、リング電極(954)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(954)による血液からの電位の取得が、リング電極(954)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(954)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(954)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(954)が第1の部分(962)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0076】
図15は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(1030)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(1030)は、第1のアーム(1040)と、第2のアーム(1044)と、第3のアーム(1046)とを含む。アーム(1040、1044、1046)は、カテーテルシャフト(1022)の遠位端(1024)から遠位に延在する。各アーム(1040)は、それぞれの遠位屈曲部(1046)を形成し、一方、遠位屈曲部(1046)は、カテーテルシャフト(1022)の遠位端(1024)から同じ長手方向距離に位置する。アーム(1040、1044)は、オーバーラップ点(1080)で互いに重なり合う。アーム(1040、1046)は、オーバーラップ点(1084)で互いに重なり合う。アーム(1044、1046)は、オーバーラップ点(1082)で互いに重なり合う。アーム(1040、1044、1046)の長手方向中間領域は、概ね互いに平行である。アーム(1040、1044、1046)の近位端は、カテーテルシャフト(1022)の遠位端(1024)で収束する。アーム(1040)は、この実施例では、第1の平面に沿って配置される。アーム(1044)は、この実施例では、第2の平面に沿って配置され、アーム(1040)の第1の平面とはわずかにずれている。アーム(1046)は、この実施例では、第3の平面に沿って配置され、アームの第1及び第2の平面(1040、1044)とはわずかにずれている。
【0077】
アーム(1040、1044、1046)はまた、アーム(1040、1044、1046)が、アーム(1040、1044、1046)によって画定される平面を横断する経路に沿って、長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に横方向に曲げられ、それによってアーム(1040、1044、1046)によって画定される平面を変形させ得るように、可撓性である。このような屈曲は、エンドエフェクタ(1030)が組織に対して横方向に押されるときに生じ得る。アーム(1040、1044、1046)は、
図15に示される平坦な面構成に戻るように弾性的に付勢されてもよい。いくつかの他の変更例では、アーム(1040、1044、1046)の一部分は、アーム(1040、1044、1046)が単一の平面に沿って配置されないように、互いから更にずれている。
【0078】
アーム(1040、1044、1046)の近位端は、互いに対して概ね平行であり、カテーテルシャフト(1022)の長手方向軸(L-L)と概ね平行であるそれぞれの直線経路に沿って、近位面(1066)と中間面(1064)との間に延在する。平面(1064、1066)の間のアーム(1040、1044、1046)の最近位領域は、共に、エンドエフェクタ(1030)の輪郭の概ね矩形の第1の部分(1062)を画定する。アーム(1040、1044、1046)は、第1の部分(1062)に対して遠位に、エンドエフェクタ(1030)の輪郭の分岐した第2の部分(1070)を画定する。第2の部分(1070)は、中間面(1064)から遠位面(1072)まで延在する。したがって、アーム(1040、1044、1046)は、第2の部分(1070)を通ってそれぞれの分岐経路に沿って外向きに延在する。アーム(1040、1044、1046)は、遠位面(1072)に対して遠位に、上述のように互いに平行なそれぞれの直線経路に沿って延在する。
【0079】
各アーム(1040、1044、1046)は、長手方向に離間配置された電極(1042)のアレイを有する。各電極(1042)は、組織に接触し、それによって、接触した組織から電位を取得するように構成されている。いくつかの変更例では、電極(1042)は、上述の電極(146、148)のような対で提供される。
【0080】
エンドエフェクタ(1030)は、リング電極(1054)を有する中央内側シャフト(1050)を更に含む。リング電極(1054)は、内側シャフト(1050)の周囲に同軸状に配設される。本実施例では、リング電極(1054)の長手方向位置が第2の部分(1070)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(1054)が第2の部分(1070)によって包み込まれるように、リング電極(1054)は、平面(1064、1072)の間に長手方向に配置される。いくつかの他の変更例では、リング電極(1054)の長手方向位置が第1の部分(1062)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(1054)が第1の部分(1062)によって包み込まれるように、リング電極(1054)は、平面(1064、1066)の間に長手方向に配置される。
【0081】
リング電極(1054)が第1の部分(1062)又は第2の部分(1070)によって包み込まれている状態で、アーム(1040、1044、1046)は、一般に、組織がリング電極(1054)と接触することを防止することができる。しかしながら、アーム(1040、1044、1046)は、血液がエンドエフェクタ(1030)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(1054)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(1030)の使用中、アーム(1040、1044、1046)上の1つ以上の電極(1042)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域での電位を取得することができ、一方、リング電極(1054)は、リング電極(1054)が配設されている血液からの基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(1042、1054)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0082】
エンドエフェクタ(1030)のアーム(1040、1044、1046)によって画定される輪郭の第1の部分(1062)又は第2の部分(1070)によってリング電極(1054)が包み込まれることによって、リング電極(1054)の周囲の血流は、比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(1054)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(1054)の周囲のアーム(1040、1044、1046)の配置は、血流が、リング電極(1054)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(1054)による血液からの電位の取得が、リング電極(1054)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(1054)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(1054)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(1054)が第1の部分(1062)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0083】
図16は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(1130)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(1130)は、一対の外側アーム(1140)と、一対の外側アーム(1144)とを含む。アーム(1140、1444)は、カテーテルシャフト(1122)の遠位端(1124)から遠位に延在する。各アーム(1140)は、自由端(1146)で遠位に終端する。アーム(1140、1444)の長手方向中間領域及び遠位領域は、概ね互いに平行である。アーム(1140、1444)の近位端は、カテーテルシャフト(1122)の遠位端(1124)で収束する。アーム(1140、1444)は、この実施例では、単一の平面に沿って配置される。しかしながら、アーム(1140、1444)はまた、アーム(1140、1444)が、アーム(1140、1444)によって画定される平面を横断する経路に沿って、長手方向中心軸(L-L)から離れる方向に横方向に屈曲され、それによってアーム(1140、1444)によって画定される平面を変形させ得るように、可撓性である。このような屈曲は、エンドエフェクタ(1130)が組織に対して横方向に押されるときに生じ得る。アーム(1140、1444)は、
図16に示される平坦な面構成に戻るように弾性的に付勢されてもよい。いくつかの他の変更例では、アーム(1140、1444)の一部分は、アーム(1140、1444)が単一の平面に沿って配置されないように、互いから更にずれている。
【0084】
アーム(1140、1444)の近位端は、互いから離れる方向に外向きに分岐し、カテーテルシャフト(1122)の長手方向軸(L-L)から離れるそれぞれの経路に沿って、近位面(1164)と遠位面(1172)との間に延在する。したがって、平面(1164、1172)の間のアーム(1140、1444)の最近位領域は、共に、エンドエフェクタ(1130)の輪郭の分岐部分(1170)を画定する。アーム(1140、1444)は、遠位面(1172)に対して遠位に、上述のように互いに平行なそれぞれの直線経路に沿って延在する。
【0085】
各アーム(1140、1444)は、長手方向に離間配置された電極(1142)のアレイを有する。各電極(1142)は、組織に接触し、それによって、接触した組織から電位を取得するように構成されている。いくつかの変更例では、電極(1142)は、上述の電極(146、148)のような対で提供される。
【0086】
エンドエフェクタ(1130)は、リング電極(1154)を有する中央内側シャフト(1150)を更に含む。リング電極(1154)は、内側シャフト(1150)の周囲に同軸状に配設される。本実施例では、リング電極(1154)の長手方向位置が分岐部分(1170)の長手方向位置に対応するように、また、リング電極(1154)が分岐部分(1170)によって包み込まれるように、リング電極(1154)は、平面(1164、1172)の間に長手方向に配置される。
【0087】
リング電極(1154)が分岐部分(1170)によって包み込まれている状態で、アーム(1140、1444)は、一般に、組織がリング電極(1154)と接触することを防止することができる。しかしながら、アーム(1140、1444)は、血液がエンドエフェクタ(1130)を通って流れることを可能にし、それによって血液がリング電極(1154)に接触することを可能にする。エンドエフェクタ(1130)の使用中、アーム(1140、1444)上の1つ以上の電極(1142)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(1154)は、リング電極(1154)が配設されている血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(1142、1154)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0088】
エンドエフェクタ(1130)のアーム(1140、1444)によって画定される輪郭の分岐部分(1170)によってリング電極(1154)が包み込まれることによって、リング電極(1154)の周囲の血流は、比較的円滑にすることができ、これにより、リング電極(1154)が比較的信頼性の高い方法で血液から電位を取得することを可能にし得る。換言すれば、リング電極(1154)の周囲のアーム(1140、1444)の配置は、血流が、リング電極(1154)が他の場所に配置されている場合の血流よりも乱流が少ないように、また、リング電極(1154)による血液からの電位の取得が、リング電極(1154)が他の場所に配置されている場合よりも信頼性が高くなるように、電極(1154)の周囲の血液の流れに影響を及ぼし得る。リング電極(1154)による血流の乱流の減少及び検知信頼性の増大は、特に、リング電極(1154)が分岐部分(1170)によって包み込まれているときに向上し得る。
【0089】
単に更なる例として、上述の特徴及び機能性を有することに加えて、前述のエンドエフェクタ(130、200、530、630、530、730、830、930、1030、1130)のいずれも、米国特許公開第2016/0374753号、発明の名称「Catheter Having Closed Loop Array with In-Plane Linear Electrode Portion」(2016年12月29日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」(2018年3月1日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」(2018年3月6日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許第9,949,656号、発明の名称「Catheter with Stacked Spine Electrode Assembly」(2018年4月24日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);又は米国特許第9,820,664号、発明の名称「Catheter with High Density Electrode Spine Array」(2017年11月21日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている)の教示のうち少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であってもよい。
【0090】
E.一体型基準電極を備える例示的な灌注アブレーション先端エンドエフェクタ
図17は、カテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な先端部(1240)を有するエンドエフェクタ(1230)の拡大斜視図を示す。単に更なる例として、エンドエフェクタ(1230)は、
図3~
図6に示される実施例について中央シャフト(150)の代わりに、又は
図10~
図16に示される実施例について中央内側シャフト(550、650、750、850、950、1050、1150)の代わりに設けられてもよい。本実施例のエンドエフェクタ(1230)は、カテーテルシャフト(1222)の遠位端(1224)に配置された灌注先端部(1240)を含む。灌注先端部(1240)は、中空内部を画定し、灌注先端部(1240)の端部(1252)に連続的に位置する主要開口部(1242)を含む。灌注内腔(図示せず)は、カテーテルシャフト(1222)の長さ方向に沿って延在し、灌注先端部(1240)の中空内部(1243)と流体連通する主要開口部(1242)のために設けられている。灌注内腔から灌注先端部(1240)の中空内部に連通する灌注流体は、主要開口部(1242)を通して排出される。
【0091】
基準電極(1260)は、
図17の灌注先端部(1240)の遠位端に対して近位であり、先端部(1240)の外側表面上にあるものとして示されているが、灌注先端部(1240)の中空内部(1243)内に配置された基準電極(1260)を有することは、本出願の範囲内である。電極(1260)のための配線(1262)は、押出成型された先端部に埋め込まれてもよく、又は灌注内腔に好適に取り付けられてもよい。基準電極(1260)が中空内部(1243)内で凹んでいる変更例では、基準電極(1260)は、灌注先端部(1240)の中空内部(1243)内に露出したままであり、そのため、血液は、主要開口部(1242)を介して灌注先端部(1240)の中空内部(1243)に入り、基準電極(1260)と接触することができる。これに代えて、生理食塩水又はいくつかの他の流体は、基準電極(1260)に接触し、それによって基準電極(1260)に基準電位を与えてもよい。本明細書で意図されるように、基準電極は、組織(T)に接触することができない。基準電極(1260)は、灌注先端部(1240)の中空内部(1243)を通過する血液、生理食塩水、又は他の流体から基準電位を取得することができる。エンドエフェクタ(1230)の使用中、基準電極(1260)は、灌注先端部(1240)の中空内部(1243)に入る血液又は生理食塩水などから(例えば、開口部(1242)又は他のものを介して)基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、灌注先端部(1240)及び基準電極(1260)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0092】
基準電極(1260)が開口部(1242)を介して灌注先端部(1240)の中空内部(1243)に入る血液又は生理食塩水から基準電位を取得するために使用されるとき、操作者は、灌注流体の灌注先端部(1240)への連通を停止し、それによって血液が先端開口部(1242)に入ることを可能にし得る。いくつかの変更例では、吸引が灌注先端部(1240)に短時間で伝達して、側方開口部(1242)を介して、灌注先端部(1240)の中空内部(1243)内に血液を引き込む。単に一例として、別個の吸引内腔(図示せず)は、カテーテルシャフト(1222)に沿って延在してもよい。これに代えて、灌注内腔は、灌注流体が灌注先端部(1240)に伝達される状態と、吸引が灌注先端部(1240)に伝達される状態とを交互に行うように動作可能であってもよい。吸引が灌注先端部(1240)を介して提供される変更例では、このような吸引は、非常に短時間(血液からの基準電位を取得するのに十分な持続時間にわたって、側方開口部(1242)を介して灌注先端部(1240)の中空内部に十分な量の血液を引き込み、基準電極(1260)と接触させるのに十分なちょうどよい長さ)であってもよい。吸引がエンドエフェクタ(1230)に組み込まれ得る様々な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。これに代えて、エンドエフェクタ(1230)には、吸引能力が完全になくてもよい。
【0093】
F.拡張可能なアブレーション要素及び一体型基準電極を備える例示的なラッソー先端エンドエフェクタ
図18は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(1330)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(1330)は、拡張可能なアセンブリ(1380)と、ラッソーカテーテル(1332)とを含む。拡張可能なアセンブリ(1380)は、カテーテルシャフト(1322)の遠位端(1324)に配置される。拡張可能なアセンブリ(1380)は、拡張可能なバルーン(1382)(
図18に拡張状態で示される)と、フレックス回路アセンブリ(1390)の角度を付けて離間配置されたアレイとを含む。各フレックス回路アセンブリ(1390)は、バルーン(1382)に固定されたフレキシブル基板(1392)を含む。各フレックス回路アセンブリ(1390)は、対応するフレキシブル基板(1392)に固定された電極(1394)を更に含む。電極(1394)は、組織にRFエネルギーを印加し、それによって組織をアブレーションするように動作可能である。ハブ部材(1384)は、バルーン(1382)の遠位端に固定されている。フレックス回路アセンブリ(1390)は、ハブ部材(1384)で遠位に終端する。
【0094】
ラッソーカテーテル(1332)は、カテーテルシャフト(1322)及び拡張可能なアセンブリ(1380)内に同軸状に配設され、拡張可能なアセンブリ(1380)のハブ部材(1384)内に形成された中央開口部(1386)を通って遠位に延在する。いくつかの変更例では、ラッソーカテーテル(1332)は、拡張可能なアセンブリ(1380)に対して並進可能であり、それによって、拡張可能なアセンブリに対するラッソーカテーテル(1332)の選択的な近位後退及び遠位延伸を可能にする。ラッソーカテーテル(1332)は、先端部(1350)内で遠位に終端する可撓性本体(1340)を含む。本体(1340)は、
図18に示すコイル状構成を取るように弾性的に付勢される。複数の電極(1342)は、本体(1340)のコイル状部分に沿って互いから長手方向に離間している。電極(1342)は、組織(T)に接触し、それによって、接触した組織(T)から電位を取得するように動作可能である。
【0095】
リング電極(1360)は、拡張可能なアセンブリ(1380)のハブ部材(1384)上に配置される。リング電極(1360)は、ハブ部材(1384)の最遠位部分上に配置されているものとして示されているが、リング電極(1360)は、その代わりに、ハブ部材(1384)の近位部分又は長手方向中間部分に配置されてもよい。リング電極(1360)は、エンドエフェクタ(1330)を取り囲む血液と接触し、それによって、血液から基準電位を取得するように構成されている。リング電極(1360)は、エンドエフェクタ(1330)の通常の使用中に組織(T)との接触を回避するように更に配置され、構成される。いくつかの他の変形形態では、リング電極(1360)は、拡張可能なアセンブリ(1380)の内部領域内に配置される。そのような変更例では、血液は、ハブ部材(1384)の中央開口部(1386)を介して拡張可能なアセンブリ(1380)の内部領域に入り、それによって、電極(1360)と接触してもよい。かかる変更例では(他の変更例の中で特に)、リング電極(1360)は、必ずしもリングとして形成される必要はなく、その代わりに任意の他の好適な形態を取ることができる。
【0096】
エンドエフェクタ(1330)の通常の使用中、ラッソーカテーテル(1332)上の1つ以上の電極(1342)は、組織表面(T)に接触し、それによって組織表面(T)の接触領域において電位を取得することができ、一方、リング電極(1360)は、リング電極(1360)と接触する血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(1342、1360)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0097】
単に更なる一例として、上述の特徴及び機能性を有することに加えて、エンドエフェクタ(1330)は、米国特許公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」(2017年11月2日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている)の教示の少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であってもよい。
【0098】
G.凹んだ近位基準電極を備えている例示的なマルチレイエンドエフェクタ
図19は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(330)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(330)は、上述のエンドエフェクタ(130)と実質的に同様に構成され、動作可能であり、そのため、同様の構成要素は、ここで更に詳細に説明されない。エンドエフェクタ(130)と同様に、本実施例のエンドエフェクタ(330)は、灌注流体を分配するように動作可能な遠位開口部(352)を有する中央シャフト(350)を含む。しかしながら、中央シャフト(150)とは異なり、本実施例の中央シャフト(350)には、リング電極(154)がない。代わりに、基準電極(362)は、アーム(140)及びリング電極(132)に対して近位の位置でカテーテルシャフト(122)上に配置されている。基準電極(362)は、基準電極(362)がカテーテルシャフト(122)の外側表面に対して凹んでいるように、カテーテルシャフト(122)を通って形成された窓(360)内に配置される。この凹んだ配置によって、基準電極(362)が組織と接触することを防止することができる。その場合であっても、血液は、窓(360)を介して基準電極(362)に到達することができ、その結果、基準電極(362)は、窓(360)を介して基準電極(362)と接触する血液から基準電位を取得することができる。
【0099】
エンドエフェクタ(330)の使用中、組織表面(T)に接触する1つ以上の電極(146、148)は、組織表面(T)の接触領域で電位を取得することができ、一方、基準電極(362)は、基準電極(362)と接触する血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(146、148、362)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0100】
単に更なる一として、上述の特徴及び機能性を有することに加えて、エンドエフェクタ(330)は、米国特許公開第2016/0374753号、発明の名称「Catheter Having Closed Loop Array with In-Plane Linear Electrode Portion」(2016年12月29日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」(2018年3月1日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」(2018年3月6日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許第9,949,656号、発明の名称「Catheter with Stacked Spine Electrode Assembly」(2018年4月24日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);又は米国特許第9,820,664号、発明の名称「Catheter with High Density Electrode Spine Array」(2017年11月21日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている)の教示のうち少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であってもよい。
【0101】
更に、他の上述のカテーテルシャフト(210、522、622、722、822、922、1022、1122、1222、1322)のうちのいずれかは、
図19を参照して上述したように、カテーテルシャフト(122)と同様の方法で、凹んだ基準電極(362)を組み込んでもよい。上述のように電極(154、254、554、654、754、854、954、1054、1154、1260、1360)を設けることに加えて、又はその代わりに、このような修正を行ってもよい。
【0102】
H.覆われた近位基準電極を備えている例示的なマルチレイエンドエフェクタ
図20は、エンドエフェクタ(130)の代わりにカテーテルアセンブリ(100)に組み込むことが可能な別の例示的なエンドエフェクタ(430)を示す。本実施例のエンドエフェクタ(430)は、上述のエンドエフェクタ(130)と実質的に同様に構成され、動作可能であり、そのため、同様の構成要素は、ここで更に詳細に説明されない。エンドエフェクタ(130)と同様に、本実施例のエンドエフェクタ(430)は、灌注流体を分配するように動作可能な遠位開口部(452)を有する中央シャフト(450)を含む。しかしながら、中央シャフト(150)とは異なり、本実施例の中央シャフト(450)には、リング電極(154)がない。代わりに、基準電極(462)は、アーム(140)及びリング電極(132)に対して近位の位置でカテーテルシャフト(122)上に配置されている。基準電極(462)は、カバー状部材又は組織ガード(460)の下に配置される。組織ガード(460)は、基準電極(462)を完全に包含し、組織が基準電極(462)と接触することを防止しながら、血液が基準電極(462)に接触することを可能にするように構成されている。組織ガード(460)は、導電性ではない。単に一例として、組織ガード(460)は、メッシュ材料、多孔質構造、いくつかの開口部が内部に形成されたバンド、又は本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるような任意の他の好適な種類の構造で形成されてもよい。基準電極(462)は、組織ガード(460)を介して基準電極(462)と接触する血液から基準電位を取得するように動作可能である。
【0103】
エンドエフェクタ(430)の使用中、組織表面(T)と接触する1つ以上の電極(146、148)は、組織表面(T)の接触領域で電位を取得することができ、一方、基準電極(462)は、基準電極(462)と接触する血液から基準電位を取得する。コンソール(12)のプロセッサは、電極(146、148、462)からの電位を処理し、それによって、上述のように心電図信号を提供してもよい。
【0104】
単も更なる例として、上述の特徴及び機能性を有することに加えて、エンドエフェクタ(430)は、米国特許公開第2016/0374753号、発明の名称「Catheter Having Closed Loop Array with In-Plane Linear Electrode Portion」(2016年12月29日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」(2018年3月1日公開、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」(2018年3月6日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);米国特許第9,949,656号、発明の名称「Catheter with Stacked Spine Electrode Assembly」(2018年4月24日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている);又は米国特許第9,820,664号、発明の名称「Catheter with High Density Electrode Spine Array」(2017年11月21日発行、開示内容は参照により本明細書に援用されている)の教示のうち少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であってもよい。
【0105】
更に、他の上述のカテーテルシャフト(210、522、622、722、822、922、1022、1122、1222、1322)のうちのいずれかは、
図20を参照して上述したように、カテーテルシャフト(122)と同様の方法で、組織ガード(460)を備える基準電極(462)を組み込んでもよい。このような修正形態は、上述のように電極(154、254、554、654、754、854、954、1054、1154、1260、1360)を設けることに加えて、又はその代わりに、このような修正を行ってもよい。
【0106】
I.基準電極の動的な割り当て
上述の様々なエンドエフェクタ(130、200、330、430、530、630、730、830、930、1030、1130、1330)は、組織に接触するように構成された電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)を有する。このようなエンドエフェクタ(130、200、330、430、530、630、730、830、930、1030、1130、1330)の通常の使用中、少なくとも1つの電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)は組織と接触していてもよいが、少なくとも1つの他の電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)は組織と接触していなくてもよい。そのような組織非接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)は、その場合であっても、血液と接触し得る。したがって、そのような組織非接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)は、上述した電極(154、254、554、654、754、854、954、1054、1154、1260、1360)とまったく同様に、基準電極として機能し得る。このような場合、電極(154、254、554、654、754、854、954、1054、1154、1260、1360)は省略されてもよい。
【0107】
1つの電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)が基準電極として機能するいくつかの状況では、医師(PH)は、電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)によって取得される信号を観察して、組織に接触していない電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)を特定することができる。このような観察は、誘導駆動システム(10)のディスプレイ(18)を介してレンダリングされる信号読み出しに基づいて行われてもよい。組織に接触していない電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)を特定した後、医師(PH)は、基準電極として組織非接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)にフラグを付けることができる。場合によっては、医師(PH)はまた、ユーザが特定した基準電極との比較のために、特定の組織接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)にフラグを付けてもよい。次いで、コンソール(12)のプロセッサは、ユーザが特定した基準電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)からの電位と、組織接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)からの電位とを処理し、それによって上述の心電図信号を提供してもよい。
【0108】
医師(PH)が非組織接触基準電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)を特定することの代替形態として、コンソール(12)のプロセッサは、組織非接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)を自動的に特定し、この組織非接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)に基準電極としてフラグを付けてもよい。単に一例として、コンソール(12)のプロセッサは、電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)でのインピーダンスに基づいて、どの電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)が組織に接触しており、どの電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)が組織に接触していないかを特定することができる。組織非接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)は、組織接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)よりも低いインピーダンスを有し得る。
【0109】
別の単なる例示的な例として、コンソール(12)のプロセッサは、専用の基準電極(154、254、554、654、754、854、954、1054、1154、1260、1360)とセンサ電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)のそれぞれとの間のインピーダンスを確認し、どのセンサ電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)が組織に接触しており、どのセンサ電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)が組織に接触していないかを特定することができる。コンソール(12)のプロセッサは、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるような任意の好適な方式でこの情報を使用してもよい。
【0110】
上述の内容を考慮して、本明細書に記載される各エンドエフェクタ(130、200、330、430、530、630、730、830、930、1030、1130、1330)は、少なくとも1つの組織接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1240、1342)と、少なくとも1つの組織非接触電極(146、148、154、232、234、254、542、554、642、654、742、754、842、854、942、954、1042、1054、1142、1154、1260、1342、1360)とを有する。電極(154、254、554、654、754、854、954、1054、1154、1260、1360)の場合、他の構造の組織非接触電極(154、254、554、654、754、854、954、1054、1154、1260、1360)は、エンドエフェクタ(130、200、330、430、530、630、730、830、930、1030、1130、1330)によって、組織と接触することを物理的に防止することができる。電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)の場合、組織非接触電極(146、148、232、234、542、642、742、842、942、1042、1142、1342)は、EPマッピング処置の特定の段階で組織に偶発的には接触しない。
【0111】
II.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で提供されるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例】
【0112】
(実施例1)
(a)シャフトと、(b)シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、遠位端と近位端とを有し、遠位端と近位端との間に長手方向中間点を有し、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、エンドエフェクタと、を備える、装置であって、エンドエフェクタは、(i)心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、少なくとも1つのセンサ電極と、(ii)接触している流体から電位を取得するように構成されており、エンドエフェクタの長手方向中間点に対して近位に位置している、基準電極と、を備え、エンドエフェクタは、基準電極が組織と接触することを防止するように構成されている、装置。
【0113】
(実施例2)
エンドエフェクタは、長手方向中間点に対して近位の第1の部分と長手方向中間点に対して近位の第2の部分とを有する輪郭を画定し、輪郭の第1の部分は、輪郭の第2の部分に対して近位にあり、エンドエフェクタの輪郭が、(A)エンドエフェクタの近位端に位置する近位面における第1の断面積であって、近位面は、輪郭の第1の部分の近位境界を画定する、第1の断面積と、(B)輪郭の第1の部分と第2の部分との間に境界を画定する中間面における第2の断面積であって、第2の断面積は、第1の断面積と実質的に等しい、第2の断面積と、(C)輪郭の第2の部分の遠位境界を画定する遠位面における第3の断面積と、を有する、実施例1に記載の装置。
【0114】
(実施例3)
基準電極は、輪郭の第1の部分に配置されている、実施例2に記載の装置。
【0115】
(実施例4)
輪郭の第1の部分は、概ね円筒形である、実施例2に記載の装置。
【0116】
(実施例5)
輪郭の第1の部分は、概ね多角形である、実施例2に記載の装置。
【0117】
(実施例6)
第2の輪郭は、概ね切頭円錐形である、実施例2~5のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0118】
(実施例7)
第2の輪郭は、概ねベルマウス形状である、実施例6に記載の装置。
【0119】
(実施例8)
第2の輪郭は、概ね角錐形である、実施例6に記載の装置。
【0120】
(実施例9)
第2の輪郭は、中間面から遠位面へと外向きに分岐している、実施例2~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0121】
(実施例10)
エンドエフェクタは、ヒト心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0122】
(実施例11)
エンドエフェクタは、複数の細長棘部分と、複数のセンサ電極とを更に備え、センサ電極は、棘部分に固定されている、実施例1~10のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0123】
(実施例12)
棘部分は、組織が基準電極と接触することを防止するように構成されている、実施例11に記載の装置。
【0124】
(実施例13)
棘部分は、互いに平行に配設され、概ね平坦な構成を画定するために棘部分の近位領域において接続されている、実施例11~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0125】
(実施例14)
棘部分の第1の対は、第1の面を画定するために近位領域において接続され、棘部分の第2の対は、第1の面とは異なる第2の面を画定するために近位領域において接続される、実施例11~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0126】
(実施例15)
シャフトは長手方向軸を画定し、各棘部分の一部は、長手方向軸から離れて外向きに延在する、実施例11~14のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0127】
(実施例16)
シャフトは長手方向軸を画定し、棘部分のそれぞれは、長手方向軸から離れて配向されたそれぞれの自由端を有する、実施例11~15のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0128】
(実施例17)
シャフトは長手方向軸を画定し、エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延在する中央シャフトを更に備え、中央シャフトは、基準電極が中央シャフト上に配置され、棘部分によって部分的に包み込まれるように、棘部分よりも短い、実施例11~16のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0129】
(実施例18)
エンドエフェクタの中央シャフトは、灌注流体を分配するように更に構成されている、実施例17に記載の装置。
【0130】
(実施例19)
シャフトは長手方向軸を画定し、棘部分は、長手方向軸に対して外向きに湾曲し、かつ遠位に収束して、バスケット構造を形成するように構成されている、実施例11~18のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0131】
(実施例20)
基準電極は、バスケット構造の内部領域内に配置されている、実施例19に記載の装置。
【0132】
(実施例21)
シャフトは長手方向軸を画定し、基準電極は、長手方向軸の周りに同軸状に配置されたリングを備えている、実施例1~20のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0133】
(実施例22)
基準電極は、少なくとも1つのセンサ電極に関連して近位に配置されている、実施例1~21のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0134】
(実施例23)
(a)長手方向軸に沿って延在するシャフトと、(b)シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされており、エンドエフェクタは、長手方向軸に対して配向された、長手方向軸の周りの切頭円錐形部分と切頭円錐形部分に対して近位の円筒形部分とを生成する輪郭を画定する、エンドエフェクタと、を備える、装置であって、エンドエフェクタは、(i)心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、少なくとも1つの組織接触電極と、(ii)接触している流体から基準電位を取得するように構成されており、輪郭の円筒形部分内に配置される、組織非接触電極と、を備え、エンドエフェクタは、組織非接触電極が組織と接触することを防止するように構成されている、装置。
【0135】
(実施例24)
装置は、再利用可能な装置へと再処理され、その後の再利用が可能である、実施例23に記載の装置。
【0136】
(実施例25)
再処理された装置が、被験体において再利用するために溶液で洗浄され、滅菌される、実施例24に記載の装置。
【0137】
(実施例26)
溶液が、3300~3800ppmの過酢酸;2.65%のグルタルアルデヒド;26%のイソプロパノールを含む3.4%のグルタルアルデヒド;3.5%のグルタルアルデヒド;5.75%のオルト-フタルアルデヒド;0.55%のオルト-フタルアルデヒド;活性遊離塩素650~675ppmの次亜塩素酸を含む次亜塩素酸塩;1.93%のフェノール/フェナートを含む1.12%のグルタルアルデヒド;2.5%のグルタルアルデヒド;3.2%のグルタルアルデヒド;3%のグルタルアルデヒド;0.23%の過酢酸を含む7.35%の過酸化水素;0.08%の過酢酸を含む1.0%の過酸化水素;2.4%のグルタルアルデヒド;3.4%のグルタルアルデヒド;2.0%の過酸化水素;0.60%のオルト-フタルアルデヒド;活性遊離塩素400~450ppmの次亜塩素酸/次亜塩素酸塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化学物質を含む、実施例25に記載の装置。
【0138】
(実施例27)
(a)第1のセンサ電極を、患者の心臓血管系内の組織と接触して置くことと、(b)基準電極を、患者の心臓血管系内の組織と接触することなく、患者の心臓血管系内の流体と接触して配置することと、(c)第1のセンサ電極及び基準電極からの電気信号を処理することと、(d)処理した電気信号に基づいて、心電図信号をプロットすることと、(e)内腔を通じて流体を連通させることであって、基準電極は、内腔の周囲に同軸状に配置されている、ことと、を含む、方法。
【0139】
(実施例28)
配置する工程は、基準電極の長手方向軸から離れて延在する少なくとも1つの可撓性アームを用いて、基準電極が組織と接触するのを防止することを含む、実施例27に記載の方法。
【0140】
(実施例29)
第1のセンサ電極は、シャフトの長手方向中心軸から外向きに延在する可撓性アーム上に配置され、基準電極は、シャフトの長手方向中心軸の周りに配置される、実施例27~28のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0141】
(実施例30)
(a)第2のセンサ電極を、患者の心臓血管系内の組織と接触して置くことなく、患者の心臓血管系内に置くことと、(b)基準電極と第1のセンサ電極との間のインピーダンスを測定することと、(c)基準電極と第2のセンサ電極との間のインピーダンスを測定することと、(d)測定したインピーダンスに基づいて、第1のセンサ電極が組織しており、第2のセンサ電極が組織と接触していないことを判定することと、を更に含む、実施例27~29のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0142】
(実施例31)
基準電極と第1のセンサ電極との間で測定したインピーダンスは、基準電極と第2のセンサ電極との間で測定したインピーダンスよりも大きく、第1のセンサ電極が組織としており、第2のセンサ電極が組織と接触していないことを判定する工程は、基準電極と第1のセンサ電極との間で測定したインピーダンスが、基準電極と第2のセンサ電極との間で測定したインピーダンスよりも大きいことを判定することを含む、実施例30に記載の方法。
【0143】
(実施例32)
プロットする工程は、ウィルソン中心電極(WCT)の基準信号と比較してファーフィールド信号が50%~100%の範囲で低減した単極信号波形を表示することを含む、実施例27~31のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0144】
(実施例33)
(a)シャフトと、(b)シャフトの遠位端に配置された先端部材であって、中空内部と、中空内部と流体連通する開口部とを画定する、先端部材と、(c)先端部材の周囲に仮想体積を画定するための、シャフトの遠位端から長手方向軸に沿って延在する、少なくとも一対の棘部分と、(d)先端部材の開口部に近接して配置された組織非接触電極であって、基準電位を取得するように構成されており、先端部材は、組織非接触電極が組織と接触することを防止するように構成されている、組織非接触電極と、を備える、装置。
【0145】
(実施例34)
組織非接触電極は、中空内部の内側に配設される、実施例33に記載の装置。
【0146】
(実施例35)
組織非接触電極は、中空内部の外側に配設される、実施例33に記載の装置。
【0147】
(実施例36)
(a)側方窓を画定する外側表面を有するシャフトと、(b)シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、エンドエフェクタと、を備える、装置であって、エンドエフェクタは、(i)心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、少なくとも1つのセンサ電極と、(ii)接触している流体から電位を取得するように構成された基準電極であって、側方窓を介してアクセス可能である、基準電極と、を備え、シャフトは、組織が基準電極と接触することを防止するように構成されている、装置。
【0148】
(実施例37)
基準電極は、シャフトの外側表面に対して凹んでいる、実施例36に記載の装置。
【0149】
(実施例38)
(a)シャフトと、(b)シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされており、少なくとも1つのセンサ電極を備え、少なくとも1つのセンサ電極は、心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、エンドエフェクタと、(c)シャフトに配設されている、電極カバー部材と、(d)基準電極と接触している流体から電位を取得するように構成された基準電極であって、電極カバー部材の下に配置され、電極カバー部材は、組織が基準電極と接触することを防止しつつ、血液が基準電極と接触することを可能にするように構成されている、基準電極と、を備える、装置。
【0150】
(実施例39)
電極カバー部材は多孔質である、実施例38に記載の装置。
【0151】
(実施例40)
シャフトは長手方向軸を画定し、電極カバー部材は、長手方向軸の周りに同軸状に配置されている、実施例38~39のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0152】
III.その他
本明細書に記載される器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄され、滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、プラスチック製又はTYVEK(登録商標)製の袋などの閉じられ、封止された容器にデバイスを入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、β線又はγ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸及び気相滅菌(気体プラズマを用いるか、又は用いない場合のいずれか)、又は蒸気が挙げられるがこれらに限定されない技術分野において既知の任意の他の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0153】
単に一例として、処置前及び/又は処置後に本明細書に記載の器具のうちの1つが洗浄され、滅菌される場合、このような洗浄及び再処理は、溶液を使用して実施されてもよい。単に更なる例として、このような溶液は、3300~3800ppmの過酢酸;2.65%のグルタルアルデヒド;26%のイソプロパノールを含む3.4%のグルタルアルデヒド;3.5%のグルタルアルデヒド;5.75%のオルト-フタルアルデヒド;0.55%のオルト-フタルアルデヒド;活性遊離塩素650~675ppmの次亜塩素酸を含む次亜塩素酸塩;1.93%のフェノール/フェナートを含む1.12%のグルタルアルデヒド;2.5%のグルタルアルデヒド;3.2%のグルタルアルデヒド;3%のグルタルアルデヒド;0.23%の過酢酸を含む7.35%の過酸化水素;0.08%の過酢酸を含む1.0%の過酸化水素;2.4%のグルタルアルデヒド;3.4%のグルタルアルデヒド;2.0%の過酸化水素;0.60%のオルト-フタルアルデヒド;活性遊離塩素400~450ppmの次亜塩素酸/次亜塩素酸塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化学物質を含んでいてもよい。単に別の例として、このような溶液は、3100~3400ppmの過酢酸;20.1%のイソプロパノールを含む3.4%のグルタルアルデヒド;2.0%の過酸化水素;少なくとも1820mg/Lの過酢酸;0.575%のオルト-フタルアルデヒド;0.60%のオルト-フタルアルデヒド;活性遊離塩素650~675ppmの次亜塩素酸塩と次亜塩素酸;0.55%のオルト-フタルアルデヒド;7.5%の過酸化水素;2.6%のグルタルアルデヒド;活性遊離塩素400~450ppmの次亜塩素酸塩と次亜塩素酸;0.55%のオルト-フタルアルデヒド;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化学物質を含んでいてもよい。洗浄及び/又は滅菌手順は、https://www.fda.gov/medical-devices/reprocessing-reusable-medical-devices-information-manufacturers/fda-cleared-sterilants-and-high-level-disinfectants-general-claims-processing-reusable-medical-に公開されるようなアメリカ食品医薬品局のガイドラインに従って実施されてもよく、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0154】
単に一例として、処置前及び/又は処置後に本明細書に記載される器具の1つが洗浄され、滅菌されるとき、このような洗浄及び再処理は、米国特許第6,939,519号、発明の名称「Power System for Sterilization Systems Employing Low Frequency Plasma」(2005年9月6日発行、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される);米国特許第6,852,279号、発明の名称「Sterilization with Temperature-Controlled Diffusion Path」(2005年2月8日発行、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される);米国特許第6,852,277号、発明の名称「Sterilization System Employing a Switching Module Adapter to Pulsate the Low Frequency Power Applied to a Plasma」(2005年2月8日発行、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される);米国特許第6,447,719号、発明の名称「Power System for Sterilization Systems Employing Low Frequency Plasma」(2002年9月10日発行、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される);及び米国特許公開第2017/0252474号、発明の名称「Method of Sterilizing Medical Devices,Analyzing Biological Indicators,and Linking Medical Device Sterilization Equipment」(2017年9月7日公開、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される)に記載されるような滅菌システムを用いて行われてもよい。いくつかの滅菌システムは、気化した化学滅菌剤、又は過酸化水素、過酢酸、オゾン、二酸化塩素、二酸化窒素などの化学ガスを使用して医療機器を滅菌してもよい。そのようなシステムの例は、米国特許第6,365,102号、発明の名称「Method of Enhanced Sterilization with Improved Material Compatibility」(2002年4月2日発行、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される);及び米国特許第6,325,972号、発明の名称「Apparatus and Process for Concentrating a Liquid Sterilant and Sterilizing Articles Therewith」(2001年12月4日発行、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される)に記載されている。
【0155】
本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、上述のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴を含み得る点が理解されるべきである。単に一例として、本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ以上を含むこともできる。
【0156】
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることが可能な種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0157】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。そのようなものであるから、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されたその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0158】
本発明の様々な変更例について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な修正形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。そのような可能な修正形態のうちのいくつかについて述べたが、他の修正も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変更例、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0159】
〔実施の態様〕
(1) (a)シャフトと、
(b)前記シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、遠位端と近位端とを有し、前記遠位端と前記近位端との間に長手方向中間点を有し、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、エンドエフェクタと、
を備える、装置であって、前記エンドエフェクタは、
(i)心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、少なくとも1つのセンサ電極と、
(ii)接触している流体から電位を取得するように構成されており、前記エンドエフェクタの前記長手方向中間点に対して近位に位置している、基準電極と、
を備え、
前記エンドエフェクタは、前記基準電極が組織と接触することを防止するように構成されている、
装置。
(2) 前記エンドエフェクタは、前記長手方向中間点に対して近位の第1の部分と前記長手方向中間点に対して近位の第2の部分とを有する輪郭を画定し、前記輪郭の前記第1の部分は、前記輪郭の前記第2の部分に対して近位にあり、前記エンドエフェクタの前記輪郭は、
(A)前記エンドエフェクタの前記近位端に位置する近位面における第1の断面積であって、前記近位面は、前記輪郭の前記第1の部分の近位境界を画定する、第1の断面積と、
(B)前記輪郭の前記第1の部分と前記第2の部分との間に境界を画定する中間面における第2の断面積であって、前記第2の断面積は、前記第1の断面積と実質的に等しい、第2の断面積と、
(C)前記輪郭の前記第2の部分の遠位境界を画定する遠位面における第3の断面積と、
を有する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記基準電極は、前記輪郭の前記第1の部分に配置されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記輪郭の前記第1の部分は、概ね円筒形である、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記輪郭の前記第1の部分は、概ね多角形である、実施態様2に記載の装置。
【0160】
(6) 前記第2の輪郭は、概ね切頭円錐形である、実施態様2に記載の装置。
(7) 前記第2の輪郭は、概ねベルマウス形状である、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記第2の輪郭は、概ね角錐形である、実施態様6に記載の装置。
(9) 前記第2の輪郭は、前記中間面から前記遠位面へと外向きに分岐している、実施態様2に記載の装置。
(10) 前記エンドエフェクタは、ヒト心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、実施態様1に記載の装置。
【0161】
(11) 前記エンドエフェクタは、複数の細長棘部分と、複数の前記センサ電極とを更に備え、前記センサ電極は、前記棘部分に固定されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記棘部分は、組織が前記基準電極と接触することを防止するように構成されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記棘部分は、互いに平行に配設され、概ね平坦な構成を画定するために前記棘部分の近位領域において接続されている、実施態様11に記載の装置。
(14) 棘部分の第1の対は、第1の面を画定するために近位領域において接続され、棘部分の第2の対は、前記第1の面とは異なる第2の面を画定するために近位領域において接続されている、実施態様11に記載の装置。
(15) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、各前記棘部分の一部分は、前記長手方向軸から離れて外向きに延在する、実施態様11に記載の装置。
【0162】
(16) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記棘部分のそれぞれは、前記長手方向軸から離れて配向されたそれぞれの自由端を有する、実施態様11に記載の装置。
(17) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記エンドエフェクタは、前記長手方向軸に沿って延在する中央シャフトを更に備え、前記中央シャフトは、前記基準電極が前記中央シャフト上に配置され、前記棘部分によって部分的に包み込まれるように、前記棘部分よりも短い、実施態様11に記載の装置。
(18) 前記エンドエフェクタの前記中央シャフトは、灌注流体を分配するように更に構成されている、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記棘部分は、前記長手方向軸に対して外向きに湾曲し、かつ遠位に収束して、バスケット構造を形成するように構成されている、実施態様11に記載の装置。
(20) 前記基準電極は、前記バスケット構造の内部領域内に配置されている、実施態様19に記載の装置。
【0163】
(21) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記基準電極は、前記長手方向軸の周りに同軸状に配置されたリングを備えている、実施態様1に記載の装置。
(22) 前記基準電極は、前記少なくとも1つのセンサ電極に関連して近位に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(23) (a)長手方向軸に沿って延在するシャフトと、
(b)前記シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされており、前記エンドエフェクタは、前記長手方向軸に対して配向された、前記長手方向軸の周りの切頭円錐形部分と前記切頭円錐形部分に対して近位の円筒形部分とを生成する輪郭を画定する、エンドエフェクタと、
を備える、装置であって、前記エンドエフェクタは、
(i)心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、少なくとも1つの組織接触電極と、
(ii)接触している流体から基準電位を取得するように構成されており、前記輪郭の前記円筒形部分内に配置されている、組織非接触電極と、
を備え、
前記エンドエフェクタは、前記組織非接触電極が組織と接触することを防止するように構成されている、装置。
(24) 前記装置は、再利用可能な装置へと再処理され、その後の再使用が可能である、実施態様23に記載の装置。
(25) 前記再処理された装置が、被験体において再利用するために溶液で洗浄され、滅菌される、実施態様24に記載の装置。
【0164】
(26) 前記溶液が、3300~3800ppmの過酢酸;2.65%のグルタルアルデヒド;26%のイソプロパノールを含む3.4%のグルタルアルデヒド;3.5%のグルタルアルデヒド;5.75%のオルトフタルアルデヒド(ortho-phthaldehyde);0.55%のオルトフタルアルデヒド;活性遊離塩素650~675ppmの次亜塩素酸を含む次亜塩素酸塩;1.93%のフェノール/フェナートを含む1.12%のグルタルアルデヒド;2.5%のグルタルアルデヒド;3.2%のグルタルアルデヒド;3%のグルタルアルデヒド;0.23%の過酢酸を含む7.35%の過酸化水素;0.08%の過酢酸を含む1.0%の過酸化水素;2.4%のグルタルアルデヒド;3.4%のグルタルアルデヒド;2.0%の過酸化水素;0.60%のオルトフタルアルデヒド;活性遊離塩素400~450ppmの次亜塩素酸/次亜塩素酸塩;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化学物質を含む、実施態様25に記載の装置。
(27) (a)第1のセンサ電極を、患者の心臓血管系内の組織と接触して置くことと、
(b)基準電極を、前記患者の心臓血管系内の組織と接触することなく、前記患者の心臓血管系内の流体と接触して配置することと、
(c)前記第1のセンサ電極及び前記基準電極からの電気信号を処理することと、
(d)前記処理した電気信号に基づいて、心電図信号をプロットすることと、
(e)内腔を通じて流体を連通させることであって、前記基準電極は、前記内腔の周囲に同軸状に配置されている、ことと、
を含む、方法。
(28) 前記配置する工程は、前記基準電極の長手方向軸から離れて延在する少なくとも1つの可撓性アームを用いて、前記基準電極が組織と接触するのを防止することを含む、実施態様27に記載の方法。
(29) 前記第1のセンサ電極は、シャフトの長手方向中心軸から外向きに延在する可撓性アーム上に配置され、前記基準電極は、前記シャフトの前記長手方向中心軸の周りに配置される、実施態様27に記載の方法。
(30) (a)第2のセンサ電極を、患者の心臓血管系内の組織と接触して置くことなく、前記患者の心臓血管系内に置くことと、
(b)前記基準電極と前記第1のセンサ電極との間のインピーダンスを測定することと、
(c)前記基準電極と前記第2のセンサ電極との間のインピーダンスを測定することと、
(d)前記測定したインピーダンスに基づいて、前記第1のセンサ電極が組織と接触しており、前記第2のセンサ電極が組織と接触していないことを判定することと、
を更に含む、実施態様27に記載の方法。
【0165】
(31) 前記基準電極と前記第1のセンサ電極との間で測定したインピーダンスは、前記基準電極と前記第2のセンサ電極との間で測定したインピーダンスよりも大きく、前記第1のセンサ電極が組織と接触しており、前記第2のセンサ電極が組織と接触していないことを判定する工程は、前記基準電極と前記第1のセンサ電極との間で測定したインピーダンスが、前記基準電極と前記第2のセンサ電極との間で測定したインピーダンスよりも大きいことを判定することを含む、実施態様30に記載の方法。
(32) 前記プロットする工程は、ウィルソン中心電極(WCT)の基準信号と比較してファーフィールド信号が50%~100%の範囲で低減した単極信号波形を表示することを含む、実施態様27に記載の方法。
(33) (a)シャフトと、
(b)前記シャフトの遠位端に配置された先端部材であって、中空内部と、前記中空内部と流体連通する開口部とを画定する、先端部材と、
(c)前記先端部材の周囲に仮想体積を画定するための、前記シャフトの前記遠位端から長手方向軸に沿って延在する、少なくとも一対の棘部分と、
(d)前記先端部材の前記開口部に近接して配置された組織非接触電極であって、基準電位を取得するように構成されており、前記先端部材は、前記組織非接触電極が組織と接触することを防止するように構成されている、組織非接触電極と、
を備える、装置。
(34) 前記組織非接触電極は、前記中空内部の内側に配設されている、実施態様33に記載の装置。
(35) 前記組織非接触電極は、前記中空内部の外側に配設されている、実施態様33に記載の装置。
【0166】
(36) (a)側方窓を画定する外側表面を有するシャフトと、
(b)前記シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされている、エンドエフェクタと、
を備える、装置であって、前記エンドエフェクタは、
(i)心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、少なくとも1つのセンサ電極と、
(ii)接触している流体から電位を取得するように構成された基準電極であって、前記側方窓を介してアクセス可能である、基準電極と、
を備え、前記シャフトは、組織が前記基準電極と接触することを防止するように構成されている、
装置。
(37) 前記基準電極は、前記シャフトの前記外側表面に対して凹んでいる、実施態様36に記載の装置。
(38) (a)シャフトと、
(b)前記シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、心臓血管系内の解剖学的経路に適合するようにサイズ決めされており、少なくとも1つのセンサ電極を備え、前記少なくとも1つのセンサ電極は、心臓血管組織に接触し、それによって電位を取得するように構成されている、エンドエフェクタと、
(c)前記シャフトに配設されている、電極カバー部材と、
(d)接触している流体から電位を取得するように構成された基準電極であって、前記電極カバー部材の下に配置され、前記電極カバー部材は、組織が前記基準電極と接触することを防止しつつ、血液が前記基準電極と接触することを可能にするように構成されている、基準電極と、
を備える、装置。
(39) 前記電極カバー部材は多孔質である、実施態様38に記載の装置。
(40) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記電極カバー部材は、前記長手方向軸の周りに同軸状に配置されている、実施態様38に記載の装置。