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特許7391566光走査装置およびそれを用いた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】光走査装置およびそれを用いた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20231128BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20231128BHJP
   B41J 2/47 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G02B26/10 F
G03G15/04 111
B41J2/47 101D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019147179
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2021028648
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 充広
(72)【発明者】
【氏名】田中 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 久倫
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝敏
(72)【発明者】
【氏名】松下 直樹
(72)【発明者】
【氏名】片山 皓貴
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-011172(JP,A)
【文献】特開平03-180869(JP,A)
【文献】特開平04-246613(JP,A)
【文献】特開2001-296495(JP,A)
【文献】特開2003-072136(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0147354(US,A1)
【文献】特開平09-319268(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0243393(US,A1)
【文献】特開2001-337291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10,26/12
B41J 2/47
H04N 1/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光束を偏向走査する回転多面鏡と、
前記回転多面鏡によって偏向走査された前記光束を像担持体に導光する光学部品と、
を支持する光学箱と、
前記光学箱の開口を遮蔽する蓋と、
を有し、
前記光束を前記回転多面鏡の回転軸に直交する方向に出射する光走査装置であって
前記光学部品のうちで、前記光束の通過経路において最も前記像担持体側の前記光学部品の前記光束の出射方向側には、前記光学箱と前記蓋との間に出射口が形成されており、
前記蓋の一部には、前記出射口よりも前記光束の出射方向に延伸した蓋延伸部が設けられている光走査装置と、
前記蓋の外側に設けられたファンと、
を有し、記録材に前記光走査装置から出射する光束に応じた画像を形成する画像形成装置において、
前記ファンから前記蓋に向かって流れる風は、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
光源と、
前記光源から出射された光束を偏向走査する回転多面鏡と、
前記回転多面鏡によって偏向走査された前記光束を像担持体に導光する光学部品と、
を支持する光学箱と、
前記光学箱の開口を遮蔽する蓋と、
を有し、
前記光束を前記回転多面鏡の回転軸に直交する方向に出射する光走査装置において、
前記光学部品のうちで、前記光束の通過経路において最も前記像担持体側の前記光学部品の前記光束の出射方向側には、前記光学箱と前記蓋との間に出射口が形成されており、
前記蓋の一部には、前記出射口よりも前記光束の出射方向に延伸した蓋延伸部が設けられ、
前記光学箱の一部には、前記出射口よりも前記光束の出射方向に延伸した箱延伸部が設けられており、
前記箱延伸部には、前記光走査装置を画像形成装置に装着する装着部が設けられていることを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
光源と、
前記光源から出射された光束を偏向走査する回転多面鏡と、
前記回転多面鏡によって偏向走査された前記光束を像担持体に導光する光学部品と、
を支持する光学箱と、
前記光学箱の開口を遮蔽する蓋と、
を有し、
前記光束を前記回転多面鏡の回転軸に直交する方向に出射する光走査装置において、
前記光学部品のうちで、前記光束の通過経路において最も前記像担持体側の前記光学部品の前記光束の出射方向側には、前記光学箱と前記蓋との間に出射口が形成されており、
前記蓋の一部には、前記出射口よりも前記光束の出射方向に延伸した蓋延伸部が設けられ、
前記光学箱の一部には、前記出射口よりも前記光束の出射方向に延伸した箱延伸部が設けられており、
前記蓋延伸部と、前記箱延伸部とによって、前記光束が通過する領域が形成され、前記領域の副走査方向の幅は、前記光束の通過経路において最も前記像担持体側の前記光学部品の副走査方向の幅よりも小さいことを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
前記出射口は、前記蓋から前記光束に向かう方向に設けられた蓋リブと、前記光学箱から前記光束に向かう方向に設けられた光学箱リブとの間に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記蓋リブと、前記光学箱リブとは、前記光束の出射方向において、互いにずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記出射口において、前記光学箱リブと前記蓋との間に透光部材を設け、前記透光部材は、前記光束を通過させ、空気を遮蔽することを特徴とする請求項4又は5に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記蓋延伸部の前記光束の出射方向の先端部には、前記光束に向かう方向に設けられた第2の蓋リブが設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記箱延伸部の前記光束の出射方向の先端部には、前記光束に向かう方向に設けられた第2の光学箱リブが設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光走査装置。
【請求項9】
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
記蓋の外側に設けられたファン、
を有し、
前記ファンから前記蓋に向かって流れる風は、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
記回転多面鏡の回転により前記出射口から前記光走査装置の内部に向かって流れる風のうちで、前記蓋の外側の空気は、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
記光束が通過する貫通穴からなる出射窓が設けられた本体フレーム
有し、
前記蓋延伸部は、前記出射口よりも前記光束の出射方向に向かうにつれて前記光束に向かって傾斜して設けられ、
前記ファンから前記蓋に向かって流れる風は、前記蓋延伸部に沿って前記出射窓に向かって流れ、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
記光学箱を支持する支持部材
有し、
前記支持部材は、
前記光学箱の固定面が固定される固定板と、
前記固定板に連続されるダクト部と、
を有し、
更に、前記画像形成装置は、前記固定面と前記ダクト部とにより形成される風路に前記ファンを有し、
前記ファンから前記固定面に向かって流れる風は、前記箱延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項14】
記光学箱を支持する支持部材
有し、
前記支持部材は、
前記光学箱の固定面が固定される固定板と、
前記固定板に連続されるダクト部と、
を有し、
前記装着部は、前記固定板に装着して固定されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項15】
記回転多面鏡の回転により前記出射口から前記光走査装置の内部に向かって流れる風のうちで、前記光学箱の外側の空気は、前記箱延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項16】
記光束が通過する貫通穴からなる出射窓が設けられた本体フレームと、
前記光学箱を支持する支持部材と、
を有し、
前記支持部材は、
前記光学箱の固定面が固定される固定板と、
前記固定板に連続されるダクト部と、
を有し、
更に、前記固定面と前記ダクト部とにより形成される風路に設けられたファンと、
を有し、
前記箱延伸部は、前記出射口よりも前記光束の出射方向に向かうにつれて前記光束に向かって傾斜して設けられ、
前記ファンから前記固定面に向かって流れる風は、前記箱延伸部に沿って前記出射窓に向かって流れ、前記箱延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項17】
記蓋の外側に設けられた第1のファンと、
前記光学箱を支持する支持部材と、
を有し、
前記支持部材は、
前記光学箱の固定面が固定される固定板と、
前記固定板に連続されるダクト部と、
を有し、
更に、前記画像形成装置は、前記固定面と前記ダクト部とにより形成される風路に設けられた第2のファンを有し、
前記第1のファンから前記蓋に向かって流れる風は、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られ、
前記第2のファンから前記固定面に向かって流れる風は、前記箱延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項18】
記回転多面鏡の回転により前記出射口から前記光走査装置の内部に向かって流れる風のうちで、前記蓋の外側の空気は、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られ、
前記光学箱の外側の空気は、前記箱延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項19】
記光走査装置は、
前記蓋延伸部の前記光束の出射方向の先端部に前記光束に向かう方向に設けられた第2の蓋リブと、
前記箱延伸部の前記光束の出射方向の先端部に前記光束に向かう方向に設けられた第2の光学箱リブと、
を有し、
前記画像形成装置は、
前記蓋の外側に設けられた第1のファンと、
前記光学箱を支持する支持部材と、
を有し、
前記支持部材は、
前記光学箱の固定面が固定される固定板と、
前記固定板に連続されるダクト部と、
を有し、
更に、前記画像形成装置は、前記固定面と前記ダクト部とにより形成される風路に設けられた第2のファンを有し、
前記第1のファンから前記蓋に向かって流れる風は、前記蓋延伸部及び前記第2の蓋リブによって前記出射口に向かう流れが遮られ、
前記第2のファンから前記固定面に向かって流れる風は、前記箱延伸部及び前記第2の光学箱リブによって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項20】
記蓋の外側に設けられた第1のファンと、
前記光学箱を支持する支持部材と、
を有し、
前記支持部材は、
前記光学箱の固定面が固定される固定板と、
前記固定板に連続されるダクト部と、
を有し、
更に、前記画像形成装置は、前記固定面と前記ダクト部とにより形成される風路に設けられた第2のファンを有し、
前記第1のファンから前記蓋に向かって流れる風は、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られ、
前記第2のファンから前記固定面に向かって流れる風は、前記箱延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に設けられる光走査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いられる光走査装置は、画像信号に応じて光源から出射したレーザ光を光変調し、光変調されたレーザ光をスキャナモータに搭載されたポリゴンミラーで偏向走査している。偏向走査されたレーザ光は、走査レンズによって感光ドラムの表面上に結像させて静電潜像を形成する。
【0003】
近年の画像形成装置の高速化・小型化に伴い、ポリゴンミラーの駆動基板のICや定着装置からの発熱量は増加する傾向にある。一方で、画像形成装置の内部空間は狭くなり、その空間内の温度は更に上昇し易くなる。そこで、熱による光走査装置の光学箱や光学箱の内部に支持される光学部品の変形を防ぐために、光走査装置に風を当てて冷却するためのファンを搭載したものもある。
【0004】
特許文献1では、光学箱の側面に設けられたレーザ光が通る出射口の近傍に走査レンズが設けられている。ファンより塵埃を含む空気が光走査装置に吹き付けられたとき、光学箱の側面に設けられたレーザ光が通る出射口から光走査装置の内部に塵埃を含む空気が侵入し、光走査装置の内部に設けられた光学部品に塵埃が付着する可能性がある。特許文献2では、光走査装置に開いた穴に弾性の防塵部材を設けて光走査装置の防塵性能を向上している。また、特許文献3では、光走査装置の筺体内部の温度上昇による熱変形量が周辺の熱変形量よりも小さい筺体底面側に壁面を加熱するヒータを設けて筺体の熱変形による歪や捻じれを修正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-151617号公報
【文献】特開平11-133336号公報
【文献】特開2012-128068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3では、筺体の熱変形による歪や捻じれを修正するためのヒータの熱により光走査装置の温度がさらに上昇するおそれがある。ここで、特許文献1のように、出射口の近傍に走査レンズが設けられた構成に対して、特許文献2のように、光走査装置に開いた穴に弾性の防塵部材を設けて光走査装置の防塵性能を向上した場合を考慮する。このような構成であっても、光走査装置を冷やすために、ファンによって塵埃を含む空気が出射口の近傍に設けられた走査レンズに直接吹き付けられて走査レンズに塵埃が付着する場合がある。塵埃が走査レンズに付着すると、走査レンズの光学面の透過率または反射率が減少し、それに伴い、画像が局所的または全体的に薄くなるといった課題があった。
【0007】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、防塵性能を改善した光走査装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、光源と、前記光源から出射された光束を偏向走査する回転多面鏡と、前記回転多面鏡によって偏向走査された前記光束を像担持体に導光する光学部品と、を支持する光学箱と、前記光学箱の開口を遮蔽する蓋と、を有し、前記光束を前記回転多面鏡の回転軸に直交する方向に出射する光走査装置であって、前記光学部品のうちで、前記光束の通過経路において最も前記像担持体側の前記光学部品の前記光束の出射方向側には、前記光学箱と前記蓋との間に出射口が形成されており、前記蓋の一部には、前記出射口よりも前記光束の出射方向に延伸した蓋延伸部が設けられている光走査装置と、前記蓋の外側に設けられたファンと、を有し、記録材に前記光走査装置から出射する光束に応じた画像を形成する画像形成装置において、前記ファンから前記蓋に向かって流れる風は、前記蓋延伸部によって前記出射口に向かう流れが遮られることを特徴とする
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光走査装置の防塵性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の構成を示す断面図である。
図2】第1実施形態の光走査装置とファンによる風の流れを示す断面図である。
図3】第1実施形態の光走査装置と他の位置のファンによる風の流れを示す断面図である。
図4】第1実施形態の光走査装置の第1変形例の構成とファンによる風の流れを示す断面図である。
図5】第1実施形態の光走査装置とポリゴンミラーの回転による風の流れを示す断面図である。
図6】第1実施形態の光走査装置の第2変形例の構成とファンによる風の流れを示す断面図である。
図7】第1実施形態の光走査装置の第3変形例の構成とファンによる風の流れを示す断面図である。
図8】第2実施形態の光走査装置と、画像形成装置に設けられる光学台とを下方から見た斜視図である。
図9】第2実施形態の光走査装置とファンによる風の流れを示す断面図である。
図10】第2実施形態の光走査装置とポリゴンミラーの回転による風の流れを示す断面図である。
図11】第2実施形態の光走査装置の第1変形例とファンによる風の流れを示す断面図である。
図12】第2実施形態の光走査装置の第2変形例とファンによる風の流れを示す断面図である。
図13】第3実施形態の光走査装置の構成を示す斜視図である。
図14】第3実施形態の光走査装置とファンによる風の流れを示す断面図である。
図15】第3実施形態の光走査装置とポリゴンミラーの回転による風の流れを示す断面図である。
図16】第3実施形態の光走査装置の第1変形例とファンによる風の流れを示す断面図である。
図17】第3実施形態の光走査装置の第2変形例とファンによる風の流れを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図により本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
先ず、図1図7図13を用いて本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置110の第1実施形態の構成について説明する。
【0013】
<画像形成装置>
図1を用いて画像形成装置110の構成について説明する。図1は、画像形成装置110の構成を示す断面図である。図1に示す画像形成装置110は、紙等の記録材Pに画像を形成するレーザビームプリンタの一例である。図1に示す画像形成装置110は、装置本体110aに対して着脱可能に装着されたプロセスカートリッジ102が設けられている。プロセスカートリッジ102には、感光ドラム103と、帯電ローラ3と、現像装置4と、クリーナ5等が設けられている。
【0014】
像担持体としての感光ドラム103は、図1の時計回り方向に回転する。感光ドラム103の表面は、帯電ローラ3により一様に帯電される。一様に帯電された感光ドラム103の表面に対して露光手段としての光走査装置10から画像情報に基づいたレーザ光L(光束)が照射される。これにより感光ドラム103の表面上に静電潜像が形成される。感光ドラム103の表面上に形成された静電潜像に対して現像手段としての現像装置4から現像剤が供給されてトナー像として顕像化される。
【0015】
一方、画像形成装置110の下部には、紙等の記録材Pを収容する給送カセット6が設けられている。給送カセット6の内部に設けられた積載板104上に積載された記録材Pは、給送ローラ105によって繰り出され、分離ローラ7により1枚ずつ分離されながら給送される。その後、記録材Pは、レジストレーションローラ106によって所定のタイミングで感光ドラム103と転写ローラ107により形成される転写ニップ部Nに搬送される。
【0016】
転写ニップ部Nに搬送された記録材P上には、感光ドラム103の表面上に形成されたトナー像が転写ローラ107によって転写される。転写後に感光ドラム103の表面上に残留した残トナーは、クリーニング手段としてのクリーナ5により除去される。
【0017】
転写ニップ部Nにおいて未定着トナー像が担持された記録材Pは、さらに下流側に搬送され、内部に加熱体を有する加熱ローラ108aと加圧ローラ108bとを有する定着装置108により加熱及び加圧されてトナー像が記録材Pに定着される。その後、記録材Pは、排出ローラ109によって画像形成装置110の外部に設けられた排出トレイ111上に排出される。
【0018】
積載板104上の記録材Pが給送ローラ105により給送が開始された後、前記記録材Pが排出トレイ111上に排出されるまでの時間と、その前後の時間において、画像形成装置110の内部に設けられたファン112が駆動する。ファン112により装置本体110aの外部の空気を装置本体110aの内部に送り、画像形成装置110の内部の昇温を抑える。
【0019】
尚、本実施形態では、感光ドラム103に作用するプロセス手段としての帯電ローラ3及び現像装置4を感光ドラム103と一体的にプロセスカートリッジ102内に設けた構成としたが、各プロセス手段を感光ドラム103と別体で構成することでも良い。
【0020】
<光走査装置>
次に、図2及び図13を用いて本実施形態の光走査装置10の構成について説明する。図2は、本実施形態の光走査装置10とファン112による風8の流れを示す断面図である。図13は、後述する第3実施形態の光走査装置310の構成を示す斜視図であるが、本実施形態の光走査装置10の内部構成も略同様に構成されているため本実施形態の光走査装置10の符号をカッコ書きで図13に併記している。
【0021】
図13に示す光走査装置10は、画像形成装置110の枠体の一部である光学台113(図8参照)に固定して設置される。図13に示す光走査装置10において、光源11から出射されたレーザ光Lは、シリンドリカルレンズ12によって副走査方向に集光され、光学箱16に形成された光学絞り17によって所定のビーム径に制限される。
【0022】
その後、レーザ光Lは、スキャナモータ13によって回転軸1を中心にZ軸回りに回転駆動される回転多面鏡としてのポリゴンミラー14によって偏向走査される。その後、レーザ光Lは、走査レンズであるトーリックレンズ15を通過後、感光ドラム103の表面に集光し、Y軸方向に走査され、感光ドラム103の表面に静電潜像を形成する。ポリゴンミラー14の反射面14aに反射したレーザ光Lは、回転軸1に直交する方向に出射される。
【0023】
トーリックレンズ15は、ポリゴンミラー14によって偏向走査されたレーザ光Lを感光ドラム103に導光する光学部品のうちの1つである。トーリックレンズ15は、レーザ光Lが角度θで入ってくると、該トーリックレンズ15の焦点距離fを掛け合わせた大きさ(f×θ)の像を結ぶようなレンズ特性(fθ特性)を有する。トーリックレンズ15は、光走査装置10の内部に支持される複数の光学部品のうちで、レーザ光Lの通過経路において、最も感光ドラム103側(像担持体側)の光学部品として構成される。
【0024】
光源11、シリンドリカルレンズ12、スキャナモータ13、トーリックレンズ15等の光学部品は、光学箱16の内部に収容されて光学箱16に支持されている。光学箱16の上部開口16dは、樹脂や金属製の光学蓋18によって遮蔽される。
【0025】
図2に示すように、光学箱16の底板16bからレーザ光Lに向かう方向に光学箱リブ16aが設けられている。一方、光学蓋18の天板18bからレーザ光Lに向かう方向に蓋リブ18aが設けられている。蓋リブ18aと光学箱リブ16aとは、レーザ光Lの出射方向において、互いにずれた位置に設けられている。
【0026】
トーリックレンズ15のレーザ光Lの出射方向下流側(光学面15b側)には、光学箱16と光学蓋18との間に出射口22が形成されている。出射口22は、蓋リブ18aと光学箱リブ16aとの間に形成されている。更に、光学蓋18の一部には、出射口22よりもレーザ光Lの出射方向下流に延伸した蓋延伸部18cが設けられている。光学蓋18の外側上部で、レーザ光Lの出射方向において、出射口22とは反対側の位置には、ファン112が設けられている。ファン112により送風された風8は、光学蓋18の天面18b1に対してレーザ光Lの出射方向下流に向けて吹き付けられる。
【0027】
<風の流れ>
次に、図2を用いて本実施形態の光走査装置10とファン112による風8の流れについて説明する。図2に示すように、トーリックレンズ15のレーザ光Lの出射側の光学面15b側において、光学箱16の底板16bと光学蓋18の天板18bからそれぞれレーザ光Lに向かって伸びた光学箱リブ16aと蓋リブ18aが設けられている。
【0028】
光学箱リブ16aと蓋リブ18aとで囲まれた出射口22からレーザ光Lの出射方向下流に光学蓋18の天板18bの天面18b1に沿って伸びた蓋延伸部18cが設けられている。光走査装置10の上方には、ファン112が設けられている。ファン112から光走査装置10の天面18b1に向かって風8が流れ、その風8が蓋延伸部18cを含む光学蓋18の天面18b1に当たっている。
【0029】
図2に示す本実施形態の光走査装置10では、蓋延伸部18cの先端部18c1は、トーリックレンズ15の光学面15bからレーザ光Lの出射方向下流に十分離れた位置にある。そのためファン112から光学蓋18に向かって流れる風8は、蓋延伸部18cによって出射口22に向かう流れが遮られる。これによりファン112から塵埃を含んだ風8が出射口22を通りトーリックレンズ15に回り込む空気の流入量を減らすことができる。
【0030】
また、蓋延伸部18cにより出射口22からの空気の流入量が減るため光走査装置10の内部でトーリックレンズ15よりも更に奥側に侵入する空気の流入量も減らすことができる。これにより出射口22の近傍に設けられたトーリックレンズ15や光走査装置10の内部で出射口22から離れた位置に設けられたポリゴンミラー14等の他の光学部品に付着する塵埃の量を減らすことが可能となる。これにより光学部品に塵埃が付着することで生じる濃度低下等の画像不良を低減することが可能となる。
【0031】
次に、図3を用いて本実施形態の光走査装置10と他の位置のファン112による風8の流れについて説明する。図3は、本実施形態の光走査装置10と他の位置のファン112による風8の流れを示す断面図である。図2に示す光走査装置10では、蓋延伸部18cよりもレーザ光Lの出射方向と反対側にファン112が設けられた場合の一例について説明した。図3に示す光走査装置10では、ファン112が光走査装置10の上部で蓋延伸部18cよりもレーザ光Lの出射方向下流に設けられた場合の一例である。符号117は、ファン112の吹き出し口に設けられたダクトである。
【0032】
図3に示す光走査装置10であってもファン112から光学蓋18に向かって流れる風8は、蓋延伸部18cによって出射口22に向かう流れが遮られる。このように、ファン112からの風8が直接、出射口22に向かわない風路構成であれば、蓋延伸部18cによってファン112からの風8を遮るため前述したと同様の効果が得られる。これにより光走査装置10の防塵性能を改善することができる。
【0033】
<第1変形例>
次に、図4を用いて本実施形態の光走査装置10の第1変形例の構成とファン112による風8の流れについて説明する。図4は、本実施形態の光走査装置10の第1変形例の構成とファン112による風8の流れを示す断面図である。図2に示す光走査装置10では、トーリックレンズ15の近傍に開口(貫通穴)からなる出射口22が設けられた場合の一例について説明した。
【0034】
他に、図4に示すように、レーザ光Lが透過する板状の透光部材23を出射口22の近傍に設けた場合を考慮する。このような構成であっても光走査装置10の上部で蓋延伸部18cよりもレーザ光Lの出射方向と反対側に設けられたファン112からの風8を蓋延伸部18cにより遮ることにより出射口22を通り透光部材23に回り込む空気の流入量を減らすことができる。
【0035】
<透光部材>
出射口22において、光学箱16の光学箱リブ16aと光学蓋18の天板18bの内面18b2との間に透光部材23が設けられている。レーザ光Lの出射方向において、光学箱リブ16aと透光部材23は、蓋リブ18aよりもトーリックレンズ15側に設けられている。透光部材23は、レーザ光Lを通過させ、空気の流入を遮蔽する。ファン112からの塵埃を含んだ風8を蓋延伸部18cにより遮ることにより透光部材23に付着する塵埃の量を減らすことが可能となる。
【0036】
図2図4に示す光走査装置10において、出射口22から出射されるレーザ光Lの出射方向下流に光学蓋18の天板18bに沿って延伸させた蓋延伸部18cの先端部18c1の位置を考慮する。蓋延伸部18cの先端部18c1の位置は、トーリックレンズ15の光学面15bからレーザ光Lの出射方向下流に十分離れた位置にある。そのため画像形成装置110に搭載されたファン112からの塵埃を含んだ風8を蓋延伸部18cにより遮ぎる。これにより出射口22を通りトーリックレンズ15や透光部材23に回り込む空気の流入量を減らすことができる。
【0037】
また、出射口22への空気の流入量が減るため図2及び図3に示す光走査装置10では、光走査装置10の内部でトーリックレンズ15よりも更に奥に侵入する空気の流入量も減らすことが可能となる。これにより塵埃を含む空気が光学部品に当たるのを低減することができる。よって、透光部材23やトーリックレンズ15や他の光学部品に付着する塵埃の量を減らすことが可能となり、光学部品に塵埃が付着することで生じる濃度低下等の画像不良を低減することが可能となる。
【0038】
次に、図5を用いて本実施形態の光走査装置10とポリゴンミラー14の回転による風8の流れについて説明する。図5は、本実施形態の光走査装置10とポリゴンミラー14の回転による風8の流れを示す断面図である。図2図4に示す光走査装置10では、画像形成装置110にファン112が設けられた場合の一例について説明した。図5に示す光走査装置10において、スキャナモータ13に設けられたポリゴンミラー14が回転すると、その周囲が負圧となり、ポリゴンミラー14に向かって空気が吸い寄せられる。その結果、光走査装置10の外側の出射口22近傍にある、塵埃を含んだ風8が出射口22に向かって流れる。
【0039】
ポリゴンミラー14の回転により出射口22から光走査装置10の内部に向かって流れる風8のうちで、光学蓋18の外側上部の塵埃を含んだ風8a(空気)は、蓋延伸部18cによって出射口22に向かう流れが遮られる。ここで、画像形成装置110内の空気内に含まれる塵埃の濃度が光学蓋18の下方よりも上方の方が濃い場合において、塵埃を含んだ風8aを蓋延伸部18cによって遮ることにより、トーリックレンズ15や他の光学部品に向かう塵埃を減らすことができる。よって、ファン112が無い画像形成装置110においても前述したと同様の効果が得られる。
【0040】
<第2変形例>
次に、図6を用いて本実施形態の光走査装置の第2変形例の構成とファン112による風8の流れについて説明する。図6は、本実施形態の光走査装置の第2変形例の構成とファン112による風8の流れを示す断面図である。図6に示すように、本変形例の光走査装置30では、光学箱16の上部開口16dは、樹脂や金属製の光学蓋38によって閉塞される。
【0041】
図6に示すように、光学箱16の底板16bと光学蓋38の天板38bからそれぞれレーザ光Lに向かって伸びた光学箱リブ16aと蓋リブ38aが設けられている。光学箱リブ16aと蓋リブ38aは、トーリックレンズ15のレーザ光Lの出射側の光学面15bよりもレーザ光Lの出射方向下流側に設けられている。光学箱リブ16aと蓋リブ38aとで囲まれた出射口32からレーザ光Lの出射方向下流に光学蓋38の天板38bに沿って伸びた蓋延伸部38cが設けられている。
【0042】
蓋延伸部38cのレーザ光Lの出射方向下流の先端部38c1の近傍には、レーザ光Lに向かう方向に設けられた第2の蓋リブ38dが設けられている。光走査装置30の上方には、ファン112が設けられている。ファン112から光走査装置30の天面38b1に向かって風8が流れ、その風8が蓋延伸部38cを含む光学蓋38の天面38b1に当たっている。
【0043】
画像形成装置110の印刷速度アップに伴いファン112の風量が増えてファン112からの風8の一部である風8bが蓋延伸部38cの先端部38c1を乗り越えて出射口32に向かう場合を考慮する。このような場合でも本変形例によれば、蓋延伸部38cの先端部38c1の近傍に設けられた第2の蓋リブ38dによってファン112からの風8bの出射口32に向かう流れは遮られる。そのためファン112の風量が増えた場合でも前述したと同様の効果が得られる。
【0044】
<第3変形例>
次に、図7を用いて本実施形態の光走査装置の第3変形例の構成とファン112による風8の流れについて説明する。図7は、本実施形態の光走査装置の第3変形例の構成とファン112による風8の流れを示す断面図である。図7に示すように、本変形例の光走査装置40では、光学箱16の上部開口16dは、樹脂や金属製の光学蓋48によって閉塞される。図7に示すように、光学箱16の底板16bと光学蓋48の天板48bからそれぞれレーザ光Lに向かって伸びた光学箱リブ16aと蓋リブ48aが設けられている。光学箱リブ16aと蓋リブ48aは、トーリックレンズ15のレーザ光Lの出射側の光学面15bよりもレーザ光Lの出射方向下流側に設けられている。
【0045】
光学箱リブ16aと蓋リブ48aとで囲まれた出射口42からレーザ光Lの出射方向下流に光学蓋48の天板48bの天面48b1に対してレーザ光Lに向かって所定角度傾斜して伸びた蓋延伸部48cが設けられている。蓋延伸部48cは、出射口42よりもレーザ光Lの出射方向下流に向かうにつれてレーザ光Lに向かって傾斜している。
【0046】
光走査装置40の光学蓋48の上方で出射口42よりもレーザ光Lの出射方向と反対側には、ファン112が設けられている。ファン112から光走査装置40の天面48b1に対してレーザ光Lの出射方向下流に風8が流れ、その風8が光学蓋48の天面48b1と蓋延伸部48cの上面48c2に当たっている。画像形成装置110の光走査装置40の近傍には、蓋延伸部48cよりも更にレーザ光Lの出射方向下流で、レーザ光Lが通過する貫通穴からなる出射窓118aを有する本体フレーム118が設けられている。光走査装置40の光学蓋48に設けられた蓋延伸部48cは、出射窓118aに向かって傾斜している。
【0047】
本変形例によれば、本体フレーム118が光走査装置40の近傍に設けられても光学蓋48の天面48b1からレーザ光Lに向かって傾斜した蓋延伸部48cが設けられる。これによって、ファン112から光学蓋48に向かって流れる風8cは、蓋延伸部48cの上面48c2に沿って本体フレーム118に設けられた貫通穴からなる出射窓118aに向かって流れ、出射窓118aを通り抜ける。
【0048】
また、蓋延伸部48cのレーザ光Lの出射方向下流の先端部48c1は、トーリックレンズ15の光学面15bからレーザ光Lの出射方向下流に十分離れた位置にある。これにより風8cは、蓋延伸部48cによって出射口42に向かう流れが遮られ、出射口42の付近で塵埃を含んだ風8aが滞留することがない。そのため画像形成装置110の構成上、本体フレーム118が光走査装置40の近傍に設けられた場合でもファン112からの塵埃を含んだ風8が出射口42の付近で滞留することが無いため前述したと同様の効果が得られる。
【0049】
〔第2実施形態〕
次に、図8図12を用いて本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置110の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図8は、本実施形態の光走査装置210と、画像形成装置110に設けられる光学台113とを下方から見た斜視図である。図8に示すように、光走査装置210は、画像形成装置110の枠体の一部である光学台113に固定して設置される。
【0050】
<支持部材>
光学箱216を支持する支持部材としての光学台113は、光学箱216の底板216bの下面216b1(固定面)が固定される一対の固定板113cと、各固定板113cに連続されるダクト部113dとを有している。ダクト部113dは、底板113aと、底板113aに対して略直交して起立した一対の側板113bとにより構成されている。固定板113cは、側板113bの外側に向かって側板113bに略直交して底板113aと平行に延長されている。光学台113は、底板113aと一対の側板113bと一対の固定板113cとを有して断面ハット型で構成されている。
【0051】
光学箱216の底板216bには、貫通孔19a~19dが設けられており、底板216bの下面216b1の貫通孔19a~19dの周囲には、台座20a~20dが設けられている。各台座20a~20dの下面は、取付基準面20a1~20d1として構成されている。
【0052】
一方、光学台113の固定板113cには、光学箱216の底板216bに設けられた貫通孔19a~19dに対向する位置にビス孔114a~114dが設けられている。更に、光学台113の固定板113cには、光学箱216の底板216bの下面216b1に設けられた台座20a~20dの取付基準面20a1~20d1に対向する位置に座面115a~115dが設けられている。座面115a~115dは、各ビス孔114a~114dの周囲に設けられている。
【0053】
また、光学箱216の底板216bの下面216b1には、下方に向けて突出したピン21a,21bが設けられている。一方、光学台113の固定板113cにおいて、光学箱216の底板216bの下面216b1に設けられたピン21a,21bに対向する位置には、貫通穴からなる丸穴116aと、貫通穴からなる長丸穴116bがそれぞれ設けられている。
【0054】
光学箱216の底板216bの下面216b1に突出したピン21a,21bを、それぞれ光学台113の固定板113cに設けられた丸穴116aと長丸穴116bに対して嵌合する。これにより光学台113に対する光学箱216の位置決めがされる。光学台113に対する光学箱216の位置決めがされた状態で、ビス119a~119dを光学箱216の底板216bに設けた貫通孔19a~19dに挿通し、光学台113の固定板113cに設けられたビス孔114a~114dに締結する。このようにビス119a~119dをビス孔114a~114dに締結することによって、光学箱216が光学台113に固定される。
【0055】
次に、図9を用いて、本実施形態の光走査装置210とファン112による風8の流れについて説明する。図9は、本実施形態の光走査装置210とファン112による風8の流れを示す断面図である。光学箱216の一部には、出射口222よりもレーザ光Lの出射方向下流に延伸した箱延伸部216cが設けられている。
【0056】
箱延伸部216cには、光走査装置210を画像形成装置110に設けられた光学台113の固定板113cに装着して固定される装着部としての取付基準面20b1,20c1が設けられている。各取付基準面20b1,20c1は、箱延伸部216cの先端部216c1の近傍の下面216c21に設けられた各台座20b,20cの下面により構成される。
【0057】
図9に示すように、光学箱216の底板216bと光学蓋218の天板218bからそれぞれレーザ光Lに向かって伸びた光学箱リブ216aと蓋リブ218aが設けられている。光学箱リブ216aと蓋リブ218aは、光走査装置210内に設けられるトーリックレンズ15のレーザ光Lが出射する側の光学面15bよりもレーザ光Lの出射方向下流側に設けられている。
【0058】
また、光学箱リブ216aと蓋リブ218aとで囲まれた出射口222よりもレーザ光Lの出射方向下流に光学箱216の底板216bの下面216b1に沿って光学箱216の一部が伸びた箱延伸部216cが設けられている。箱延伸部216cの先端部216c1の近傍の下面216c2に取付基準面20b1,20c1が設けられた台座24b,24cが設けられている。
【0059】
画像形成装置110に設けられるファン112は、光学箱216の底板216bの外側下部で、出射口222よりもレーザ光Lの出射方向と反対側に設けられている。ファン112は、光学箱216の底板216bの下面216b1(固定面)と、ダクト部113dとにより形成される風路9内に風8を送る位置に配置されている。ファン112から風路9内を光学箱216の底板216bの下面216b1に向かって流れる風8は、箱延伸部216cによって出射口222に向かう流れが遮られる。
【0060】
本実施形態によれば、ファン112が光走査装置210の下方に設けられた場合でも、箱延伸部216cによりファン112からの塵埃を含んだ風8が遮られて出射口222の付近に塵埃を含んだ空気が滞留することを防止できる。これにより前述したと同様の効果を得ることが可能となる。
【0061】
更に、箱延伸部216cの先端部216c1の近傍の下面216c2に取付基準面20b1,20c1が形成された台座20b,20cを設けている。ここで、光学箱216の底板216bの下面216b1に設けられている台座20a,20dの取付基準面20a1,20d1を考慮する。更に、箱延伸部216cの先端部216c1の近傍の下面216c2に設けられている台座20b,20cの取付基準面20b1,20c1を考慮する。取付基準面20a1,20d1と取付基準面20b1,20c1とのX軸方向における間隔D2が拡がる。
【0062】
各取付基準面20a1~20d1の高さにバラツキが生じる場合がある。ここで、図1図7に示す光走査装置10,30,40の光学箱16の底板16bの下面16b1のみに設けられた台座20a,20dの取付基準面20a1,20d1を考慮する。更に、台座20b,20cの取付基準面20b1,20c1を考慮する。そして、取付基準面20a1,20d1と取付基準面20b1,20c1とのX軸方向における間隔D1が狭い場合を考慮する。間隔D1と比較して、間隔D2が拡がることで、感光ドラム103の表面に対する光走査装置210の傾きのバラツキを減らすことができる。これにより感光ドラム103の表面上に照射するレーザ光Lの照射位置のバラツキが低減する。
【0063】
これにより感光ドラム103の表面上に照射するレーザ光Lの位置を補正する機構を別途、光走査装置に設けたり、記録材Pへの印字位置を補正する機構を別途、画像形成装置110に設けなくても、印字精度を向上することができる。これにより印字精度を向上する機構を別途設けることによるコストアップを招くことなく、比較的安価な画像形成装置110を提供することが可能となる。
【0064】
次に、図10を用いて本実施形態の光走査装置210とポリゴンミラー14の回転による風8の流れについて説明する。図10は、本実施形態の光走査装置210とポリゴンミラー14の回転による風8の流れを示す断面図である。図9では、画像形成装置110にファン112が設けられた場合の一例について説明した。一方、図10に示すように、画像形成装置110にファン112を設けていない場合でもスキャナモータ13に設けられたポリゴンミラー14が回転すると、その周囲が負圧となり、ポリゴンミラー14に向かって空気が吸い寄せられる。その結果、光走査装置210の開口となる出射口222の近傍に滞留していた塵埃を含んだ空気が風8となって出射口222に向かって流れる。
【0065】
画像形成装置110によっては、空気内に含まれる塵埃の濃度が光走査装置210の上方よりも下方の方が濃い場合がある。その場合には、ポリゴンミラー14の回転により出射口222から光走査装置210の内部に向かって流れる風8のうちで、光学箱216の外側の塵埃を含んだ空気が風8dとなっても箱延伸部216cによって出射口222に向かう流れが遮られる。これにより塵埃を含んだ風8dが出射口222に向かって吹き込むことがなく、前述したと同様の効果が得られる。
【0066】
光学箱216の底板216bからレーザ光Lの出射方向下流に延長して箱延伸部216cを設ける。光走査装置210内の光学部品としてのトーリックレンズ15は、レーザ光Lの通過経路上で感光ドラム103に最も近い側に設けられる。箱延伸部216cは、トーリックレンズ15のレーザ光Lが出射する側の光学面15b側から感光ドラム103の方向に延伸している。
【0067】
更に、箱延伸部216cの先端部216c1の近傍の下面216c2に設けた台座20b,20cの下面が取付基準面20b1,20c1として構成されている。光走査装置210を画像形成装置110に設けられた光学台113に支持する。その際に図8に示す光学台113の固定板113cの座面115a~115dに、光学箱216の底板216bの下面216b1に設けられた台座20a,20dの取付基準面20a1,20d1が当接する。
【0068】
更に、箱延伸部216cの下面216c2に設けられた台座20b,20cの取付基準面20b1,20c1が当接する。これにより光学台113の固定板113cの座面115a~115dに対する光学箱216の高さ方向の位置決めがされる。これにより感光ドラム103の表面上に照射するレーザ光Lの位置のバラツキを低減させ、印字精度を向上することができる。
【0069】
<第1変形例>
次に、図11を用いて本実施形態の光走査装置の第1変形例とファン112による風8の流れについて説明する。図11は、本実施形態の光走査装置の第1変形例とファン112による風8の流れを示す断面図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すように、光学箱236の底板236bと光学蓋218の天板218bからそれぞれレーザ光Lに向かって伸びた光学箱リブ236aと蓋リブ218aが設けられている。光学箱リブ236aと蓋リブ218aは、光走査装置230内に設けられるトーリックレンズ15のレーザ光Lが出射する側の光学面15b側に設けられている。符号218b1は、光学蓋218の天板218bの天面である。
【0070】
また、光学箱リブ236aと蓋リブ218aとで囲まれた出射口222よりもレーザ光Lの出射方向下流に光学箱236の底板236bの下面236b1に沿って光学箱236の一部が伸びた箱延伸部236cが設けられている。更に、箱延伸部236cのレーザ光Lの出射方向下流の先端部236c1の近傍には、レーザ光Lに向かう方向に設けられた第2の光学箱リブ236dが設けられている。符号236eは、光学箱236の上部開口であり、光学蓋218により閉塞されている。
【0071】
画像形成装置110の印刷速度アップに伴いファン112の風量が増えてファン112からの風8の一部である風8eが箱延伸部236cの先端部236c1を乗り越えて出射口222に向かう場合を考慮する。このような場合でも、本変形例によれば、箱延伸部236cに設けられた第2の光学箱リブ236dによってファン112からの風8eが出射口222に向かう流れが遮られる。また、箱延伸部236cの先端部236c1の近傍の下面236c2には、取付基準面20b1,20c1が形成された台座20b,20cが設けられている。これにより前述と同様の効果が得られる。
【0072】
<第2変形例>
次に、図12を用いて本実施形態の光走査装置の第2変形例とファン112による風8の流れについて説明する。図12は、本実施形態の光走査装置の第2変形例とファン112による風8の流れを示す断面図である。尚、前述の各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。本変形例では、図12に示すように、画像形成装置110には、光走査装置240の近傍で感光ドラム103との間にレーザ光Lが通る貫通穴からなる出射窓118aを有する本体フレーム118が設けられている。
【0073】
図12に示すように、光学箱246の底板246bと光学蓋218の天板218bからそれぞれレーザ光Lに向かって伸びた光学箱リブ246aと蓋リブ218aが設けられている。光学箱リブ246aと蓋リブ218aは、光走査装置240内に設けられるトーリックレンズ15のレーザ光Lが出射する側の光学面15b側に設けられている。更に、光走査装置240の光学箱246には、底板246bから出射窓118aに向かってレーザ光Lに近づく方向に傾斜した箱延伸部246cが設けられている。符号246dは、光学箱246の上部開口であり、光学蓋218により閉塞されている。
【0074】
箱延伸部246cは、出射口242よりもレーザ光Lの出射方向下流に向かうにつれてレーザ光Lに向かって傾斜している。箱延伸部246cの先端部246c1の近傍の下面246c2には、一対の脚部246c3が設けられており、各脚部246c3の下部に取付基準面20b1,20c1が形成された台座20b,20cが設けられている。取付基準面20b1,20c1は、光学台113の固定板113cに設けられた座面115b,115cに対向する位置に設けられている。
【0075】
本変形例によれば、光走査装置240の近傍に設けられた本体フレーム118の出射窓118aに向かって傾斜した箱延伸部246cが設けられている。これによって、ファン112から風路9内を光学箱246の下面246b1に向かって流れる風8のうちで、一部の風8fは、箱延伸部246cの下面246c2に沿って本体フレーム118に設けられた出射窓118aに向かって流れる。その後、出射窓118aを通り抜ける。また、箱延伸部246cによって出射口242に向かう風8fの流れが遮られる。
【0076】
これにより画像形成装置110の本体フレーム118が光走査装置240の出射口242の近傍に設けられた場合でも、ファン112からの塵埃を含んだ風8が出射口242の付近に滞留することがないため前述したと同様の効果が得られる。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0077】
〔第3実施形態〕
次に、図13図17を用いて本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置110の第3実施形態の構成について説明する。図13は、第3実施形態の光走査装置310の構成を示す斜視図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
【0078】
図14を用いて本実施形態の光走査装置310とファン112a,112bによる風8g,8hの流れについて説明する。図14は、本実施形態の光走査装置310とファン112a,112bによる風8g,8hの流れを示す断面図である。図14に示すように、光学箱216の底板216bと光学蓋18の天板18bからそれぞれレーザ光Lに向かって伸びた光学箱リブ216aと蓋リブ18aが設けられている。光学箱リブ216aと蓋リブ18aは、光走査装置310内に設けられたトーリックレンズ15のレーザ光Lの出射側の光学面15b側に設けられている。図13に示す光学箱216の上部開口216dは光学蓋18により閉塞される。
【0079】
光学箱リブ216aと蓋リブ18aとで囲まれた出射口322からレーザ光Lの出射方向下流に光学蓋18の天面18b1に沿って光学蓋18の一部が伸びた蓋延伸部18cが設けられている。また、出射口322からレーザ光Lの出射方向下流に底板216bの下面216b1に沿って光学箱216の一部が伸びた箱延伸部216cが設けられている。
【0080】
蓋延伸部18cの先端部18c1及び箱延伸部216cの先端部216c1は、トーリックレンズ15の光学面15bからレーザ光Lの出射方向下流に十分離れた位置にある。
【0081】
また、光走査装置310の上方と下方で出射口322よりもレーザ光Lの出射方向とは反対側にそれぞれファン112a,112bが設けられている。光学蓋18の外側上部に設けられた第1のファン112aから光学蓋18に対してレーザ光Lの出射方向下流に向かって流れる風8gは、蓋延伸部18cによって出射口322に向かう流れが遮られる。
【0082】
第2のファン112bは、光学箱216の底板216bの下面216b1と、光学台113のダクト部113dとにより形成される風路9内に風8hを送る位置に配置されている。第2のファン112bから風路9内を光学箱216の下面216b1に向かって流れる風8hは、箱延伸部216cによって出射口322に向かう流れが遮られる。
【0083】
箱延伸部216cの先端部216c1の近傍の下面216c2には、取付基準面20b1,20c1が形成された台座20b,20cが設けられている。光学箱216の底板216bの下面216b1で箱延伸部216cの反対側には、取付基準面20a1,20d1が形成された台座20a,20dが設けられている。これにより前述したと同様の効果を得ることが可能となる。
【0084】
光走査装置210の下方に設けられたファン112bとは別に、光走査装置210の上方にもファン112aが追加されても、蓋延伸部18cによりファン112aからの風8gが出射口322の付近に滞留することを遮る。これによりトーリックレンズ15や他の光学部品に付着する塵埃の量を減らすことが可能となり、光学部品に塵埃が付着することで生じる濃度低下等の画像不良を低減することが可能となる。
【0085】
次に、図15を用いて本実施形態の光走査装置310とポリゴンミラー14の回転による風8の流れについて説明する。図15は、本実施形態の光走査装置310とポリゴンミラー14の回転による風8の流れを示す断面図である。図14では、画像形成装置110にファン112a,112bが設けられた場合の一例について説明した。一方、図15に示すように、画像形成装置110にファンが無い場合であっても、スキャナモータ13に設けられたポリゴンミラー14が回転すると、その周囲が負圧となり、ポリゴンミラー14に向かって空気が吸い寄せられる。これにより出射口322の外側の付近に滞留する塵埃を含んだ空気が出射口322から光走査装置310の内部に向かって流れ込む。
【0086】
ここで、ポリゴンミラー14の回転により出射口322から光走査装置310の内部に向かって流れる風8のうちで、光学蓋18の外側上部の風8aを考慮する。この風8a(空気)は、蓋延伸部18cによって出射口322に向かう流れが遮られる。
【0087】
画像形成装置110によっては、光学蓋18の上方と光学箱216の底板216bの下方の空気内に含まれる塵埃の濃度を比較したとき、光学箱216の底板216bの下方の塵埃の濃度の方が濃い場合がある。このような場合であっても光学箱216の外側下部の風8d(空気)は、箱延伸部216cによって出射口322に向かう流れが遮られる。これにより塵埃を含んだ風8a,8dが出射口322の付近に滞留することを防止することができる。これにより前述したと同様の効果が得られる。
【0088】
<第1変形例>
次に、図16を用いて本実施形態の光走査装置の第1変形例とファン112a,112bによる風8の流れについて説明する。図16は、本実施形態の光走査装置の第1変形例とファン112a,112bによる風8の流れを示す断面図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0089】
図16に示すように、本変形例の光走査装置330では、光学箱リブ236aと蓋リブ38aとで囲まれた出射口332が設けられる。出射口332よりもレーザ光Lの出射方向下流に光学蓋38の天板38bの天面38b1に沿って光学蓋38の一部が伸びた蓋延伸部38cが設けられている。また、出射口332よりもレーザ光Lの出射方向下流に光学箱236の底板236bの下面236b1に沿って光学箱236の一部が伸びた箱延伸部236cが設けられている。
【0090】
蓋延伸部38cと箱延伸部236cのそれぞれのレーザ光Lの出射方向下流の先端部38c1,236c1の近傍には、それぞれレーザ光Lに向かう方向に伸びた第2の蓋リブ38d及び第2の光学箱リブ236dが設けられている。光学蓋38の外側上部で出射口332よりもレーザ光Lの出射方向と反対側には、第1のファン112aが設けられている。一方、光学箱236の底板236bの外側下部で出射口332よりもレーザ光Lの出射方向と反対側には、第2のファン112bが設けられている。第2のファン112bは、光学箱236の底板236bの下面236b1と、光学台113のダクト部113dとにより形成される風路9に向けて風8hが吹き込む位置に設けられている。
【0091】
画像形成装置110の印刷速度アップに伴い、ファン112a,112bの風量が増える場合がある。その際に、各ファン112a,112bからの風8g,8hの一部の風8i,8jが蓋延伸部38cと箱延伸部236cのそれぞれの先端部38c1,236c1を乗り越えて出射口332に向かう場合を考慮する。
【0092】
このような場合でも、本変形例によれば、第1のファン112aから光学蓋38に向かって流れる風8iは、蓋延伸部38c及び第2の蓋リブ38dによって出射口332に向かう流れが遮られる。また、第2のファン112bから光学箱236の底板236bの下面236b1に向かって流れる風8jは、箱延伸部236c及び第2の光学箱リブ236dによって出射口332に向かう流れが遮られる。これによりファン112a,112bの風量が増えた場合でも前述したと同様の効果が得られる。
【0093】
<第2変形例>
次に、図17を用いて本実施形態の光走査装置の第2変形例とファン112a,112bによる風8の流れについて説明する。図17は、本実施形態の光走査装置の第2変形例とファン112a,112bによる風8の流れを示す断面図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
図17に示すように、本変形例の光走査装置340では、光学蓋348の天板348bの天面348b1からレーザ光Lに近づく方向に直交して下方に伸びた垂下部348aが設けられている。垂下部348aは、光走査装置340内に設けられるトーリックレンズ15のレーザ光Lの出射側の光学面15bよりもレーザ光Lの出射方向下流側に設けられている。更に、垂下部348aからレーザ光Lの出射方向下流に沿って伸びた蓋延伸部348cが設けられている。
【0095】
一方、トーリックレンズ15のレーザ光Lの出射側の光学面15b側において、光学箱346の底板346bからレーザ光Lに近づく方向に直交して上方に伸びた起立部346aが設けられている。更に、起立部346aからレーザ光Lの出射方向下流に沿って伸びた箱延伸部346cが設けられている。即ち、蓋延伸部348cは、出射口342を境に光学蓋348の天面348b1からレーザ光Lに向かう下方へ一段下がり、箱延伸部346cは、出射口342を境に光学箱346の底板346bの下面346b1からレーザ光Lに向かう上方へ一段上がっている。符号346dは、光学箱346の上部開口であり、光学蓋348により閉塞されている。
【0096】
蓋延伸部348cと、箱延伸部346cとによって、レーザ光Lが通過する空間領域2が形成される。この空間領域2の副走査方向の幅W1は、トーリックレンズ15の光学面15bの副走査方向の幅W2よりも小さい。これによりレーザ光Lが通過する空間領域2を確保した上で、出射口342の副走査方向の幅W1を小さくできるため外部から出射口342を通って光走査装置340の内部に侵入しようとする風8を更に抑制することができる。
【0097】
光学蓋348の外側上部で出射口342よりもレーザ光Lの出射方向と反対側には、第1のファン112aが設けられている。一方、光学箱346の底板346bの外側下部でレーザ光Lの出射方向と反対側には、光学箱346の底板346bの下面346b1と、光学台113のダクト部113dとにより形成される風路9に風8hが吹き込む位置に第2のファン112bが設けられている。
【0098】
蓋延伸部348cの先端部348c1及び箱延伸部346cの先端部346c1は、トーリックレンズ15の光学面15bからレーザ光Lの出射方向下流に十分離れた位置にある。そのため第1のファン112aから光学蓋348に向かって流れる風8gは、蓋延伸部348cによって出射口342に向かう流れが遮られる。また、第2のファン112bから風路9内を光学箱346の底板346bの下面346b1に向かって流れる風8hは、箱延伸部346cによって出射口342に向かう流れが遮られる。これにより前記各実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0099】
本変形例によれば、蓋延伸部348cと箱延伸部346cとの間の空間領域2の副走査方向の幅W1が狭くなっている。このため出射口342から光走査装置340の内部に設けられたトーリックレンズ15に回り込む塵埃の量を更に減らし、トーリックレンズ15から更に奥の光走査装置340内部に侵入する塵埃の量も更に減らすことができる。これにより画像形成装置110の印刷速度アップに伴いファン112a,112bの風量が増えた場合でも、前述したと同様の効果が得られる。
【0100】
箱延伸部346cの先端部346c1近傍の下面346c2には、一対の脚部346c3を介して取付基準面20b1,20c1が形成された台座20b,20cが設けられている。また、光学箱346の底板346bの下面346b1で箱延伸部346cの反対側には、取付基準面20a1,20d1が形成された台座20a,20dが設けられている。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0101】
L…レーザ光(光束)
1…回転軸
10…光走査装置
11…光源
14…ポリゴンミラー(回転多面鏡)
15…トーリックレンズ(光学部品)
16…光学箱
16d…上部開口(開口)
18…光学蓋(蓋)
18c…蓋延伸部
22…出射口
103…感光ドラム(像担持体)
図1
図2
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