(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】エアゾール容器用アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/24 20060101AFI20231128BHJP
B65D 83/20 20060101ALI20231128BHJP
B65D 83/22 20060101ALI20231128BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
B65D83/24
B65D83/20
B65D83/22
B05B9/04
(21)【出願番号】P 2019147488
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】尾形 謙
(72)【発明者】
【氏名】清水 広和
(72)【発明者】
【氏名】河野 尚子
(72)【発明者】
【氏名】阪東 里加
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-189024(JP,A)
【文献】特開2019-127284(JP,A)
【文献】特開2011-105342(JP,A)
【文献】特開2015-037955(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/24
B65D 83/20
B65D 83/22
B05B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器本体の容器口部の上部に設けられたステムに接続し内容物を噴射口から噴射可能な押ボタンと、前記押ボタンを囲んで前記エアゾール容器本体に取付けられる肩カバーと、前記肩カバーと相対的に回転可能に取付けられた回転カバーと、前記押ボタンを押圧可能に構成された押圧レバーとを有し、内容物を噴射しない状態を維持するロック機構と、内容物を噴射する状態を維持する連続噴射機構とが設けられたエアゾール容器用アクチュエータであって、
前記ロック機構は、前記肩カバーと前記押圧レバーとが相対的に回動することによって、通常噴射可能位置と前記押圧レバーの下方への移動を阻止可能なロック位置とを切替可能に構成され、
前記連続噴射機構は、前記肩カバーを前記容器口部へ嵌合した際の、前記肩カバーと前記押ボタンとの回転方向の相対的な向きによって、前記通常噴射可能位置と前記肩カバーでの前記押ボタンを押圧可能な連続噴射位置とを切替可能に構成され、
前記押ボタンの上面または側面の少なくともいずれか一方にはボタン向き確認マークが設けられ、
前記肩カバーの側面にはカバー向き確認マークが設けられ、
前記ボタン向き確認マークと前記カバー向き確認マークとは、前記押ボタンと前記肩カバーとの向きが前記連続噴射位置であるとき、互いの周方向の位置が一致するように構成されていることを特徴とするエアゾール容器用アクチュエータ。
【請求項2】
前記押ボタンは、ボタン天井部と、前記ボタン天井部の外周縁から垂下する脚部と、前記脚部よりも内周側の位置で前記ボタン天井部から垂下するステム嵌合部と、前記噴射口とを有し、
前記脚部の下部には、前記脚部よりも外方に膨出形成されたボタンツメが設けられ、
前記肩カバーは、頂板部と、前記頂板部から上方へ突出形成されたボタン誘導壁と、前記ボタン誘導壁に形成されたボタン押圧突起とを有し、
前記連続噴射機構は、前記ボタンツメと前記ボタン押圧突起との回転方向の相対的な向きによって、前記ボタン押圧突起が前記ボタンツメを押圧するように切り替わるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
【請求項3】
前記肩カバーは、頂板部と、前記頂板部から上方へ突出形成されたボタン誘導壁とを有し、
前記押ボタンは、ボタン天井部と、前記ボタン天井部の外周縁から垂下する脚部とを有し、
前記押ボタンと前記肩カバーとは、前記通常噴射可能位置と前記連続噴射位置でのみ、前記押ボタンを前記肩カバーと相対的に上下方向に移動可能な方向規制部を有し、
前記脚部は、前記脚部の半径方向外方に突出形成された摺動凸部を有し、
前記ボタン誘導壁の内周面には、少なくとも下方に開放された誘導用スリットが設けられ、
前記方向規制部は、前記摺動凸部と前記誘導用スリットとで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
【請求項4】
前記押圧レバーは、レバー天井部と、前記レバー天井部から下方に垂下して前記押ボタンを押圧可能な押圧突起と、前記レバー天井部の周縁から垂下するレバー垂下壁と、前記レバー垂下壁の下部に形成された押圧干渉部とを有し、
前記肩カバーは、
頂板部と、前記頂板部から上方に突出形成された回転カバー係合部と、前記回転カバー係合部の上部に形成されたレバー支持部とを有し、
前記ロック位置において、前記レバー支持部は前記押圧干渉部を下方から支持可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
【請求項5】
前記肩カバーは、頂板部と、前記頂板部から上方へ突出形成されたボタン誘導壁と、前記頂板部から上方に突出形成された回転カバー係合部とを有し、
前記押圧レバーは、レバー天井部と、前記レバー天井部から下方に垂下して前記押ボタンを押圧可能な押圧突起と、前記レバー天井部の周縁から垂下するレバー垂下壁とを有し、
前記回転カバーは、カバー天井部と、前記カバー天井部から垂下し、前記ボタン誘導壁を囲むように配置された肩カバー係合壁を有し、
前記肩カバーは、前記回転カバー係合部から上方に延びる回転ストッパーを有し、
前記レバー垂下壁と前記肩カバー係合壁の少なくともいずれか一方には、位置決め部が設けられ、
前記位置決め部は、前記肩カバーと前記回転カバーとを相対的に回転させた際、前記回転ストッパーの側方から干渉可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
【請求項6】
前記回転カバーは、前記押ボタンの前記噴射口からの内容物の噴射が通過可能な開放孔をさらに有し、
前記開放孔は、前記ロック機構によって前記押ボタンの下方への移動が規制された際、前記押ボタンの前記噴射口からの内容物の噴射方向に延びる仮想線から外れるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
【請求項7】
前記肩カバーには、肩カバー側乗り越え部が設けられ、
前記回転カバーには、回転カバー側乗り越え部が設けられ、
前記肩カバー側乗り越え部と前記回転カバー
側乗り越え部とは、クリック部を構成していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のエアゾール容器用アクチュエータ。
【請求項8】
前記エアゾール容器は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のエアゾール容器用アクチュエータを備えていることを特徴とするエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアゾール容器用アクチュエータに関し、特に、簡単な操作で通常噴射可能状態、ロック状態(誤噴射防止状態)、および連続噴射状態(ガス抜き状態)のそれぞれの状態に切り替え可能なエアゾール容器用アクチュエータおよびエアゾール製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、使用済みのエアゾール容器をゴミとして廃棄する際、容器内部に残存するガスを放出しなければならず、そのため、種々のエアゾール容器用ガス抜き機構が提案されている。
例えば、特許文献1には、エアゾール容器A本体の容器口部の上部に設けられたステムを囲んで取付けられる肩カバー3と、ステムに接続し、ステムを下方に押圧してエアゾール容器A内の内容物を噴射口4から噴射可能な押ボタン(噴射ボタン1)と、肩カバー3上に押ボタン(噴射ボタン1)を囲んで取付けられる回転カバー(キャップ2)とを有するロック機構を備えたエアゾール容器用アクチュエータが記載されている。
【0003】
このエアゾール容器用アクチュエータのロック機構は、押ボタン(噴射ボタン1)の下端部外周面には周方向に複数の直方体状の突起6が設けられるとともに、押ボタン(噴射ボタン1)の背面には切欠部7が設けられている。
また、回転カバー(キャップ2)には、爪状の押下制止突起(規制突起9)が設けられており、ロック機構がロック解除されている状態で、キャップを回動させて押下制止突起(規制突起9)を押ボタン(噴射ボタン1)の背面部の第1浅切欠部7bに嵌入することで、押ボタン(噴射ボタン1)の下動を不能とし、ロック機構を作動することができる。
これによって、回転カバー(キャップ2)を回転させる動作のみで、押ボタン(噴射ボタン1)の押下動作の可否を切り替えることができる。
【0004】
さらに、肩カバー3の環状周壁17の下端部には複数の第2浅切欠き部20bが形成されており、回転カバー(キャップ2)ごと肩カバー3を容器口部から外し、肩カバー3を180度回転させた向きで再び容器口部に嵌着する際、押ボタン(噴射ボタン1)の下端部外周面に設けられた突起6が第2浅切欠き部20bに嵌入することにより、押ボタン(噴射ボタン1)が上昇不能に拘束され、肩カバー3を押し込み完全に容器口部に嵌着すると、押ボタン(噴射ボタン1)がステムを押し下げて内容物を外部に噴射する位置で固定される。
これによって、エアゾール容器の廃棄に際して、押ボタン(噴射ボタン1)を押し下げる動作を行うことなく、容器内の残留内容物を完全に放出するガス抜き操作が可能となるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1で公知のエアゾール容器用アクチュエータには、未だ改善の余地があった。
すなわち、特許文献1で公知のエアゾール容器用アクチュエータは、ロック状態において押ボタンを直接ロックする構成であり、ロック状態で誤って押ボタンを押し込んでしまった際に押ボタンが直接押圧力に耐える必要があるため、過度な負荷が押ボタンに直接かかることで、ロック機構や押ボタンが破損してしまう虞や、ロック機構の破損に伴ってロック状態にもかかわらず押ボタンが押し込まれ、内容物を噴射してしまう虞があった。
また、押ボタンを直接指などで押圧して内容物を噴射させる構成の場合は、ガス抜き位置に肩カバーを嵌合させる際、肩カバーの中央からボタンの向きを確認しながら正しい位置に合わせることができるが、押圧レバーで押ボタンを上方から押圧する構成の場合、肩カバーの中央に押圧レバーが位置するため、ガス抜き位置に肩カバーを嵌合させる際に押ボタンの向きを確認できず、肩カバーを正しい位置からずれた状態で嵌合させようとしてしまい、押ボタンを不意に押して内容物を噴射してしまったり、肩カバーや押ボタン、ステムなどを破損してしまう虞があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、簡単な構成で、ロック状態において押ボタンの直接押圧防止が可能であるとともに、レバーを使用して押ボタンを押圧する構成であっても、ガス抜き作業時に肩カバーと押ボタンとの向きを確実にガス抜き作業を実施可能な位置に合わせて嵌着させることが可能なエアゾール容器用アクチュエータを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のエアゾール容器用アクチュエータは、エアゾール容器本体の容器口部の上部に設けられたステムに接続し内容物を噴射口から噴射可能な押ボタンと、前記押ボタンを囲んで前記エアゾール容器本体に取付けられる肩カバーと、前記肩カバーと相対的に回転可能に取付けられた回転カバーと、前記押ボタンを押圧可能に構成された押圧レバーとを有し、内容物を噴射しない状態を維持するロック機構と、内容物を噴射する状態を維持する連続噴射機構とが設けられたエアゾール容器用アクチュエータであって、前記ロック機構は、前記肩カバーと前記押圧レバーとが相対的に回動することによって、通常噴射可能位置と前記押圧レバーの下方への移動を阻止可能なロック位置とを切替可能に構成され、前記連続噴射機構は、前記肩カバーを前記容器口部へ嵌合した際の、前記肩カバーと前記押ボタンとの回転方向の相対的な向きによって、前記通常噴射可能位置と前記肩カバーでの前記押ボタンを押圧可能な連続噴射位置とを切替可能に構成され、前記押ボタンの上面または側面の少なくともいずれか一方にはボタン向き確認マークが設けられ、前記肩カバーの側面にはカバー向き確認マークが設けられ、前記ボタン向き確認マークと前記カバー向き確認マークとは、前記押ボタンと前記肩カバーとの向きが前記連続噴射位置であるとき、互いの周方向の位置が一致するように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係るエアゾール容器用アクチュエータによれば、押ボタンを押圧レバーで押圧する構成のため、押ボタンを直接押圧する構成に比べて、押ボタンに付着した内容物が手に触れる可能性が低くなるとともに、押ボタンや押ボタンの周囲を隠すこともでき、外観デザインの自由度を向上できる。
また、ロック状態では押圧レバーの下方への移動を阻止することで内容物の噴射を防止しているため、ロック状態で誤って押圧レバーを押圧しても、押ボタンおよびステムに負荷がかかることがなく、押ボタンが破損したり、ステムが押し下げられて内容物が噴射されてしまうなどの不具合が発生しない。
さらに、押ボタンの上面または側面の少なくともいずれか一方に設けられたボタン向き確認マークと、肩カバーの側面に設けられたカバー向き確認マークとを、互いの周方向の位置が一致するように向きを合わせることで、肩カバーの中央を上方から見ても押ボタンの向きを直接確認できないような押圧カバーが設けられている場合でも、確実に肩カバーを連続噴射位置に合わせて容器口部に嵌合させることができる。
【0010】
請求項2に記載の構成によれば、連続噴射機構は、押ボタンに設けられたボタンツメと肩カバーに設けられたボタン押圧突起との回転方向の相対的な向きによって、ボタン押圧突起がボタンツメを押圧するように切り替わるように構成されているため、肩カバーの向きを連続噴射位置に合わせて嵌合することのみで、確実に押ボタンを押圧してガス抜き作業を実施できる。
請求項3に記載の構成によれば、押ボタンと肩カバーとは、通常噴射可能位置と連続噴射位置でのみ、押ボタンを肩カバーと相対的に上下方向に移動可能な方向規制部を有しているため、通常噴射可能位置または連続噴射位置以外の異常な位置で肩カバーを容器口部に嵌合させることがなく、押ボタンの押圧不良等、不具合の発生を抑制できる。
また、方向規制部は、脚部の半径方向外方に突出形成された摺動凸部と、ボタン誘導壁の内周面に設けられ少なくとも下方に開放された誘導用スリットとで構成されているため、摺動凸部が誘導用スリット内を摺動可能な向きを通常噴射可能位置および連続噴射可能位置に設けることで、より確実に肩カバーを押ボタンとの向きがずれることなく通常噴射可能位置および連続噴射可能位置で容器口部に嵌合させることができる。
【0011】
請求項4に記載の構成によれば、ロック機構は、押圧レバーに設けられた押圧干渉突起と、肩カバーに設けられたレバー支持部とで構成されているため、ロック状態において、押圧レバーを誤って押圧しても、押圧干渉突起がレバー支持部に下方から支持されているため、押圧レバーが押下されることはなく、押圧レバーから押ボタンに押圧力が伝達されることを防止できる。
【0012】
請求項5に記載の構成によれば、肩カバーと回転カバーとを相対的に回転させた際、回転カバーと押圧レバーの少なくともいずれか一方に設けられた位置決め部は、肩カバーに設けられた回転ストッパーの側方から干渉可能に構成されているため、位置決め部と回転ストッパーの位置を調整することで、肩カバーと回転カバーとの相対的な回転可能な範囲を、通常噴射可能位置からロック位置までに限定することができ、肩カバーと回転カバーとの相対的な回転方向を意識して回転させることのみで、簡単に通常噴射可能位置またはロック位置に合わせることができる。
請求項6に記載の構成によれば、回転カバーは、押ボタンの噴射口からの内容物の噴射が通過可能な開放孔をさらに有し、開放孔は、ロック機構によって押ボタンの下方への移動が規制された際、押ボタンの噴射口からの内容物の噴射方向に延びる仮想線から外れるように構成されているため、開放孔を確認するだけで、エアゾール容器用アクチュエータの噴射可否状態を把握することができるとともに、噴射口が開放孔から外れてボタン対向壁に向かう位置でガス抜き操作を実施するような構成であれば、噴射口から噴射された内容物を含むガスが回転カバーにぶつかるため、内容物が広範囲に飛び散ることを防止できる。
【0013】
請求項7に記載の構成によれば、肩カバー側乗り越え部と回転カバー側乗り越え部とは、クリック部を構成しているため、クリック部は、回転カバーと肩カバーとを相対的に回転させた際、肩カバー側乗り越え部と回転カバー側乗り越え部とが互いに干渉しながら乗り越えることで音や手に伝わる刺激等のクリック感を発生できる。
これによって、例えば、押しボタンと肩カバーとの向きが通常噴射可能位置やロック位置に到達した際にクリック感が発生するように肩カバー側乗り越え部および回転カバー側乗り越え部を配置することで、使用者が音や手に伝わる刺激等のクリック感を感知して、確実に回転カバーを所定の位置まで回転させたことを認識でき、必要以上に回転カバーを回転させることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品Pの斜視図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の押ボタン110の斜視図。
【
図3】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の押ボタン110の上面図。
【
図4】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の押ボタン110のA-A’断面図。
【
図5】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の回転カバー120の斜視図。
【
図6】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の回転カバー120の上面図。
【
図7】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の回転カバー120のB-B’断面図。
【
図8】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の押圧レバー140の斜視図。
【
図9】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の押圧レバー140の下面図。
【
図10】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の押圧レバー140のC-C’断面図。
【
図11】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の肩カバー150の斜視図。
【
図12】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の肩カバー150の上面図。
【
図13】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の肩カバー150のD-D’断面図。
【
図14】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の通常噴射可能状態を示す上面図。
【
図15】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の通常噴射可能状態の、クリック部の位置関係を示す上面図。
【
図16】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の通常噴射可能状態を示すE-E’断面図。
【
図17】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の通常噴射状態を示す上面図。
【
図18】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の通常噴射状態を示すF-F’断面図。
【
図19】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100のロック状態を示す正面図。
【
図20】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100のロック状態を示す上面図。
【
図21】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100のロック状態の、クリック部の位置関係を示す上面図。
【
図22】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100のロック状態のG-G’断面を示す斜視図。
【
図23】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100のロック状態を示すH-H’断面図。
【
図24】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の、カバー向き確認マークおよびボタン向き確認マークの向きを合わせた状態を示す斜視図。
【
図25】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の、連続噴射状態を示す上面図。
【
図26】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の、連続噴射状態のJ-J’部分断面を示す斜視図。
【
図27】本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100の、連続噴射状態を示すK-K’断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100について、図面に基づいて説明する。
エアゾール容器用アクチュエータ100は、
図1および
図16に示すように、エアゾール容器本体Cの容器口部の上部に設けられたステムSに接続し、ステムSを下方に押圧してエアゾール容器内の内容物を噴射可能な押ボタン110と、エアゾール容器本体CのマウンティングカップMに取付けられる肩カバー150と、肩カバー150に取付けられて押ボタン110を囲む回転カバー120と、回転カバー120に取付けられ、押ボタン110を押圧可能に構成された押圧レバー140とを有するエアゾール容器用アクチュエータ100として、エアゾール製品Pの一部を構成するものである。
【0016】
押ボタン110は、
図2乃至
図4に示すように、ボタン天井部111と、ボタン天井部111の外周縁から垂下する脚部112と、脚部112よりも内周側の位置でボタン天井部111から垂下するステム嵌合部116と、ステムSを下方に押圧した際にエアゾール容器内の内容物を噴射する噴射口117とを有し、脚部112には、脚部112の側面から上下方向に延びる一対の摺動凸部113と、脚部112の下部から外方に突出する2つのボタンツメ114と、摺動凸部113を挟むように脚部112の側面から周方向に延びる膨出部115とが設けられている。
ボタン天井部111は、噴射口117の先端から押ボタン110の中心へ向かう方向へ、下方に傾斜したボタン第1天井部111aと、ボタン第1天井部111aよりも下方に位置したボタン第2天井部111bとを有し、ボタン第2天井部111bの上面には、ボタン向き確認マーク118が設けられている。
【0017】
回転カバー120は、
図5乃至
図7に示すように、カバー天井部121と、カバー天井部121から垂下する肩カバー係合壁124と、肩カバー係合壁124よりも外周側の位置でカバー天井部121から垂下するスカート壁122とを有している。
肩カバー係合壁124には、肩カバー係合壁124の下部から半径方向内方に膨出した係合突起125と、肩カバー係合壁124の上部から半径方向内方に突出したストッパーリブ126と、肩カバー係合壁124を上方に開放されたレバー案内部127とが設けられている。
【0018】
回転カバー120は、肩カバー係合壁124とスカート壁122とを貫通する開放孔123をさらに有し、カバー天井部121の開放孔123の上方にあたる箇所には、上方に開放され、押圧レバー140と接続する連結部128が設けられ、開放孔123と対向する位置には、カバー天井部121が他の位置よりも低く形成された凹部129が設けられている。
また、肩カバー係合壁124の下部には、後述するクリック部の回転カバー側乗り越え部を構成する、半径方向内方に膨出形成された第1乗り越え部130aと、半径方向内方に突出するとともに突出端が下方に垂下した第2乗り越え部130bとが設けられている。
【0019】
押圧レバー140は、
図8乃至
図10に示すように、レバー天井部141と、レバー天井部141から垂下するレバー垂下壁144と、レバー垂下壁144よりも内周側の位置でレバー天井部141から垂下する押圧突起142と、回転カバー120の連結部128にヒンジ接続する接続部143とを有している。
レバー垂下壁144には、レバー垂下壁144から内周側へ膨出形成された位置決め部145と、レバー垂下壁144および位置決め部145の下端部に形成された押圧干渉部146と、接続部143と対向する位置のレバー垂下壁144の下部から半径方向外方に向かって形成され上昇規制部147とが設けられている。
【0020】
肩カバー150は、
図11乃至
図13に示すように、頂板部151と、頂板部151の外周縁から垂下し、容器口部のマウンティングカップMに嵌合可能な容器嵌合突起163を有した容器嵌合壁162と、容器嵌合壁162よりも外周側の位置で頂板部151から垂下する外周壁152と、頂板部151の上面から上方に延びて回転カバー120の係合突起125に相対的に回転可能且つ係合可能に構成された回転カバー係合部156を有する回転カバー係合壁155と、ステムSに嵌合した押ボタン110を囲むように頂板部151の上面から上方に延びるボタン誘導壁158とを有している。
外周壁152には、所定の位置にカバー向き確認マーク153と、ロック位置確認マーク154とが設けられている。
【0021】
回転カバー係合壁155の上端部には、上方に突出形成された回転ストッパー157が所定の位置に配置されている。
ボタン誘導壁158には、下方に開放され、押ボタン110の摺動凸部113が上下方向に摺動可能な一対の誘導用スリット159と、ボタン誘導壁158の所定の位置から内周側に膨出形成されたボタン押圧突起160と、ボタン誘導壁158から一対の誘導用スリット159を挟むように半径方向内方に突出形成された仮止めリブ161とを有している。
また、回転カバー係合部156の上部には、後述するクリック部の肩カバー側乗り越え部を構成する、第1被乗り越え部164aおよび第2被乗り越え部164bと、第3被乗り越え部164cおよび第4被乗り越え部164dとが設けられている。
【0022】
次に、エアゾール容器用アクチュエータ100の組み立て手順について説明する。
まず、回転カバー120の連結部128に、押圧レバー140の接続部143を係合させる。
これによって、押圧レバー140は接続部143と連結部128との係合位置を基準としてヒンジ接続される。
【0023】
また、押圧レバー140の上昇規制部147は、回転カバー120のレバー案内部127の間に収まるように位置する。
【0024】
次に、肩カバー150の上方から、回転カバー120を押し込んで、係合突起125を回転カバー係合部156に相対的に回転可能に係合する。
このとき、肩カバー150のカバー向き確認マーク153と回転カバー120の開放孔123との位置を合わせることで、回転カバー120を通常噴射可能位置に合わせて肩カバー150に係合させることができる。
さらに、
図15に示すように、通常噴射可能位置において、第1乗り越え部130aは第1被乗り越え部164aの一方に周方向から挟持され、第2乗り越え部130bは第2被乗り越え部164bと周方向で干渉しない箇所に位置する。
【0025】
さらに、肩カバー150の下方から、押ボタン110を押し込む。
このとき、押ボタン110の摺動凸部113を肩カバー150の誘導用スリット159に挿通することで、押ボタン110と肩カバー150との回転方向の相対位置が固定される。
また、押ボタン110の膨出部115が肩カバー150の仮止めリブ161を乗り越える位置まで押し込むことで、押ボタン110は、下方に押し込まない限り、肩カバー150からの落下を防止できる。
【0026】
以上のように組み立てたエアゾール容器用アクチュエータ100は、肩カバー150の容器嵌合壁162に設けられた容器嵌合突起163を、エアゾール容器本体Cの容器口部のマウンティングカップMに嵌合させて
図16に示すように取付けられる。
このとき、肩カバー150の容器嵌合壁162とマウンティングカップMとは、マウンティングカップMと肩カバー150との相対回転が簡単に発生しない程度に十分に強く嵌合される。
また、押ボタン110は、膨出部115が仮止めリブ161を乗り越えているため、肩カバー150がマウンティングカップMに取付けられた際、ステムSに完全に嵌合されることはない。
【0027】
さらに、押圧レバー140の上昇規制部147は、回転カバー120のレバー案内部127の間に収まるように位置しているため、例えば、押圧レバー140に上方へ引き上げる力を与え、押圧レバー140の上昇規制部147側が接続部143と連結部128との係合箇所を中心とした弧を描くように上昇しても、上昇規制部147の端部がレバー案内部127よりも奥側、すなわち、凹部129のカバー天井部121に干渉するため、押圧レバー140が大きく上方へ引き上げられることはなく、これによって、ヒンジ接続された箇所に過度な負荷がかかって破損してしまうことを防止できる。
【0028】
次に、本発明の一実施形態に係るエアゾール容器用アクチュエータ100を用いた、通常噴射可能状態と、ロック状態と、ガス抜き状態との切り替え方法について、図面に基づいて説明する。
【0029】
まず、通常噴射可能状態および噴射状態について、
図14乃至
図18を用いて説明する。
なお、説明のため、
図15は押圧レバー140を図示していない。
通常噴射可能状態では、押圧レバー140のレバー天井部141を押下することで、押圧レバー140は下方に移動し、押圧突起142がボタン第1天井部111aに当接し、さらに押圧レバー140を押し込むことで、押圧突起142を介して押ボタン110は下方に移動し、膨出部115が仮止めリブ161を乗り越え、ステム嵌合部116はステムSと嵌合する。
【0030】
さらに押圧レバー140を押し込むと、押ボタン110はさらに下方に移動して、ステムSを押し下げ、エアゾール容器本体C内の内容物をステムSを介して取り出し、噴射口117から噴射できる。
このとき、噴射口117の向きと開放孔123の向きが一致し、噴射口117から噴射方向に延びる仮想線Lが開放孔123を通るため、噴射口117から噴射された内容物は、開放孔123を通り、目的の位置へ向けて噴射することができる。
【0031】
また、回転カバー120の開放孔123と反対側は、凹部129によってカバー天井部121が低く形成されているため、指を凹部129に合わせることで、押圧レバー140を押し込みやすい。
また、押圧レバー140の押し込みを解除すると、押圧レバー140は押し込み前の位置へ戻り、押ボタン110はステム嵌合部116とステムSとの嵌合を維持したまま、ステムSが復帰する位置まで上方へ移動する。
【0032】
次に、ロック状態について、
図19乃至
図23を用いて説明する。
なお、説明のため、
図21は押圧レバー140を図示していない。
まず、通常噴射可能状態から、回転カバー120を押ボタン110に対して反時計回りに回転させる。
【0033】
このとき、押ボタン110は摺動凸部113を誘導用スリット159に挿通しているため、回転カバー120や押圧レバー140と押ボタン110とが一部接触していた場合でも、押ボタン110は回転カバー120や押圧レバー140と共に回転することはなく、肩カバー150と相対的に一定の位置を維持し続ける。
【0034】
また、クリック部の回転カバー側乗り越え部を構成する第1乗り越え部130aは、回転カバー120の回転によってクリック部の肩カバー側乗り越え部を構成する第1被乗り越え部164aから第2被乗り越え部164bへ移動する。
このとき、クリック部は、第1乗り越え部130aが第1被乗り越え部164aおよび第2被乗り越え部164bを乗り越える際に、周方向への移動に対する抵抗(以下、クリック抵抗と呼ぶ)を発生する。
【0035】
さらに、クリック部の回転カバー側乗り越え部を構成する第2乗り越え部130bは、回転カバー120の回転によってクリック部の肩カバー側乗り越え部を構成する第3被乗り越え部164cおよび第4被乗り越え部164dを乗り越えて移動する。
このとき、クリック部は、第2乗り越え部130bの下部が第3被乗り越え部164cおよび第4被乗り越え部164dに弾かれるように乗り越える際に、音(以下、クリック音と呼ぶ)を発生する。
【0036】
このように、クリック部が機能することで発生したクリック抵抗およびクリック音は、クリック感として回転カバー120を操作する使用者に伝わるため、使用者は回転カバー120と肩カバー150との周方向の位置関係をクリック感によって察知できる。
【0037】
回転カバー120は、ストッパーリブ126が肩カバー150の回転ストッパー157に当接する位置で回転を止める。
このとき、開放孔123は、肩カバー150のロック位置確認マーク154と同じ方向に位置する。
【0038】
また、回転カバー120と共に押圧レバー140も反時計回りに回転し、位置決め部145は回転ストッパー157に当接するとともに、押圧干渉部146は、レバー支持部として機能する回転カバー係合壁155およびボタン誘導壁158に下方を支持される。
これによって、回転カバー120の回転後は押圧レバー140を押し込んでも、押圧干渉部146が回転カバー係合壁155およびボタン誘導壁158に干渉して下方移動規制部として機能するため、押圧レバー140を介した押ボタン110の押下を防止でき、ステムSを押下してエアゾール容器内の内容物を取り出すことができず、使用時以外に不意に押圧レバー140に触れて内容物が噴出することを防止できる。
【0039】
また、下方移動規制部は、押ボタン110の上下方向の移動自体は規制していないため、押圧レバー140に押圧方向に大きな力が不意にかかったとしても、押ボタン110自体に負荷がかかることがないため、より安全にロック状態を維持できる。
さらに、噴射口117が開放孔123からずれることで、噴射口117から噴射方向に延びる仮想線Lが開放孔123から外れ、開放孔123から噴射口117が確認できないため、エアゾール容器用アクチュエータ100が通常噴射可能状態ではないことを容易に確認できるとともに、ロック状態で押圧レバー140に過剰な力がかかって無理矢理押ボタン110を介してステムSを押下されてしまった場合でも、噴射口117から噴射した内容物は、肩カバー係合壁124にぶつかり、広範囲に内容物が拡散することを防止できる。
【0040】
次に、ガス抜き状態について、
図24乃至
図27を用いて説明する。
まず、ロック状態で肩カバー150をマウンティングカップMから取り外す。
このとき、押ボタン110はステムSに嵌合したままの状態を維持する。
【0041】
次に、ロック状態の位置関係を維持した回転カバー120、押圧レバー140、肩カバー150を、ガス抜き位置に合わせて嵌合する。
このとき、押圧レバー140によって上方から回転カバー120の中心を通して押ボタン110の位置を確認することはできないが、押ボタン110のボタン第2天井部111bに設けられたボタン向き確認マーク118と肩カバー150に設けられたカバー向き確認マーク153とを側方から確認して位置を合わせることで、回転カバー120、押圧レバー140、肩カバー150を、ガス抜き位置に合わせてマウンティングカップMに簡単且つ確実に嵌合することができる。
【0042】
また、ガス抜き位置では、肩カバー150のボタン押圧突起160と、押ボタン110のボタンツメ114との周方向の向きが一致するため、肩カバー150をマウンティングカップMに嵌合させる際、ボタン押圧突起160によってボタンツメ114が押圧され、押ボタン110でステムSを押し下げた状態を維持しながら肩カバー150はマウンティングカップMに嵌合する。
これによって、ガス抜き位置で肩カバー150が嵌合している間、エアゾール容器用アクチュエータ100はエアゾール容器内の内容物を自動的に噴出し続けることができる。
【0043】
すなわち、押ボタン110を押し続ける必要がなく、エアゾール容器内の内容物を最後まで噴射することが可能であり、廃棄前のガス抜き作業を簡単に実施できる。
また、噴射口117から噴射方向に延びる仮想線Lは、開放孔123とずれた位置の肩カバー係合壁124に向かって延びているため、継続的に噴出する内容物は肩カバー係合壁124にぶつかることで、ガス抜き時であっても広範囲に内容物が拡散することを防止できる。
【0044】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0045】
なお、上述した実施形態では、回転カバーの開放孔と対向する位置には、カバー天井部が他の位置よりも低く形成された凹部が設けられているものとして説明したが、回転カバーの構成はこれに限定されず、例えば、凹部やレバー案内部を設けずに、レバー天井部がカバー天井部よりも高い位置に設けられていてもよい。
また、上述した実施形態では、回転カバーは、ストッパーリブおよび押圧レバーの位置決め部が肩カバーの回転ストッパーに当接する位置で回転を止めるものとして説明したが、回転カバーと肩カバーとの相対的な回転に関する構成はこれに限定されず、例えば、ストッパーリブ、位置決め部、回転ストッパーを設けずに、回転カバーと肩カバーとの相対的な回転範囲を限定しなくてもよく、肩カバーと押ボタンとの相対的な回転が制限された状態で、回転カバーと押ボタンとの相対的な回転範囲を制限するように構成してもよい。
【0046】
また、上述した実施形態では、押ボタンの摺動凸部を肩カバーの誘導用スリットに挿通することで、押ボタンと肩カバーとの回転方向の相対位置を固定するものとして説明したが、押ボタンと肩カバーの相対位置の固定方法はこれに限定されず、例えば、摺動凸部や誘導用スリットを設けずに、押ボタンの外周形状と、肩カバーの頂板部の内周形状を合わせることで、回転方向の相対位置を固定してもよく、押ボタンと肩カバーの相対位置を固定しなくてもよい。
また、上述した実施形態では、押ボタンの膨出部が肩カバーの仮止めリブを乗り越えることで、押ボタンの肩カバーからの落下を防止できるものとして説明したが、押ボタンと肩カバーとの関係はこれに限定されず、例えば、膨出部や仮止めリブを設けずに、押ボタンの肩カバーからの落下を防がなくてもよい。
【0047】
また、上述した実施形態では、回転カバーは、カバー天井部と、カバー天井部から垂下する肩カバー係合壁と、肩カバー係合壁よりも外周側の位置でカバー天井部から垂下するスカート壁とを有しているものとして説明したが、回転カバーの構成はこれに限定されず、例えば、カバー天井部とスカート壁を設けずに、ボタン対向壁のみを設けて肩カバーと係合するように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、押圧レバーは、接続部を連結部に接続することで回転カバーと接続されているものとして説明したが、押圧レバーと回転カバーとの接続関係はこれに限定されず、例えば、回転カバーと押圧レバーとを一体成型してもよく、押圧レバーに摺動突起を設けて、回転カバーに設けた誘導用スリット内を摺動突起が上下方向に摺動可能に挿通されていてもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、通常噴射可能状態から回転カバーを反時計回りに回すことでロック状態に移行するものとして説明したが、通常噴射可能状態からロック状態への移行方法はこれに限定されず、例えば、通常噴射可能状態から回転カバーを時計回りに回すことでロック状態に移行するように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、エアゾール容器用アクチュエータは、容器口部のマウンティングカップに取付けられるものとして説明したが、エアゾール容器用アクチュエータの取り付け位置はこれに限定されず、例えば、エアゾール容器の胴部と肩カバーとを強固に嵌合するように取付けてもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、回転カバーは、通常噴射可能時以外は噴射口を肩カバー係合壁で隠すように構成されているものとして説明したが、回転カバーの構成はこれに限定されず、例えば、ロック時やガス抜き時でも噴射口が開放孔から見えていてもよい。
また、上述した実施形態では、ボタン向き確認マークは、ボタン第2天井部に設けられているものとして説明したが、ボタン向き確認マークの位置はこれに限定されず、例えば、ボタン第2天井部を設けずに、ボタン第1天井部に設けてもよく、脚部の側面に設けてもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、クリック部のクリック抵抗を発生させるものとして機能する第1乗り越え部、第1被乗り越え部、第2被乗り越え部と、クリック部のクリック音を発生させるものとして機能する第2乗り越え部、第3被乗り越え部、第4被乗り越え部とが設けられているものとして説明したが、クリック部の構成はこれに限定されず、例えば、クリック抵抗を発生させる構成のみをクリック部としてもよく、クリック部がなくてもよい。
また、上述した実施形態では、押ボタンには、脚部の下部から外方に突出する2つのボタンツメが設けられているものとして説明したが、ボタンツメの数や配置はこれに限定されず、例えば、3つのボタンツメが脚部の下部から外方に突出するように配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
100 ・・・ エアゾール容器用アクチュエータ
110 ・・・ 押ボタン
111 ・・・ ボタン天井部
111a ・・・ ボタン第1天井部
111b ・・・ ボタン第2天井部
112 ・・・ 脚部
113 ・・・ 摺動凸部
114 ・・・ ボタンツメ
115 ・・・ 膨出部
116 ・・・ ステム嵌合部
117 ・・・ 噴射口
118 ・・・ ボタン向き確認マーク
120 ・・・ 回転カバー
121 ・・・ カバー天井部
122 ・・・ スカート壁
123 ・・・ 開放孔
124 ・・・ 肩カバー係合壁
125 ・・・ 係合突起
126 ・・・ ストッパーリブ
127 ・・・ レバー案内部
128 ・・・ 連結部
129 ・・・ 凹部
130a ・・・ 第1乗り越え部
130b ・・・ 第2乗り越え部
140 ・・・ 押圧レバー
141 ・・・ レバー天井部
142 ・・・ 押圧突起
143 ・・・ 接続部
144 ・・・ レバー垂下壁
145 ・・・ 位置決め部
146 ・・・ 押圧干渉部
147 ・・・ 上昇規制部
150 ・・・ 肩カバー
151 ・・・ 頂板部
152 ・・・ 外周壁
153 ・・・ カバー向き確認マーク
154 ・・・ ロック位置確認マーク
155 ・・・ 回転カバー係合壁
156 ・・・ 回転カバー係合部
157 ・・・ 回転ストッパー
158 ・・・ ボタン誘導壁
159 ・・・ 誘導用スリット
160 ・・・ ボタン押圧突起
161 ・・・ 仮止めリブ
162 ・・・ 容器嵌合壁
163 ・・・ 容器嵌合突起
164a ・・・ 第1被乗り越え部
164b ・・・ 第2被乗り越え部
164c ・・・ 第3被乗り越え部
164d ・・・ 第4被乗り越え部
C ・・・ エアゾール容器本体
M ・・・ マウンティングカップ
S ・・・ ステム
L ・・・ 仮想線
P ・・・ エアゾール製品