(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/52 20230101AFI20231128BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20231128BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20231128BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20231128BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H04N23/52
G03B17/02
G03B17/55
H04N23/50
H05K7/20 G
(21)【出願番号】P 2019150315
(22)【出願日】2019-08-20
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】山本 和雄
(72)【発明者】
【氏名】小島 安弘
(72)【発明者】
【氏名】照屋 優子
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-219590(JP,A)
【文献】特開2017-076859(JP,A)
【文献】特開2016-134814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/52
G03B 17/02
G03B 17/55
H04N 23/50
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器を接続する接続端子と、装置本体の発熱源を冷却するために空気を取り込む吸気口及び前記空気を排出する排気口を備えた撮像装置において、
前記接続端子が設置された接続端子設置面および前記排気口が設置された排気口設置面は、それぞれ異なる面を形成し、かつ光軸に対してそれぞれ所定角度で傾斜しており、
前記接続端子設置面と前記排気口設置面は、撮像装置を側面から見た場合、左右方向にずれて配置されており、かつ前記撮像装置を正面から見た場合、相互に重なるように配置されており、
前記撮像装置を上方から見た場合、前記排気口設置面における前記光軸から最も離れた端部と、前記接続端子設置面における前記光軸から最も離れた端部とを結ぶ仮想直線は、前記光軸とほぼ平行であることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記接続端子設置面および前記排気口設置面は、前記撮像装置のグリップ側の面に配置されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記排気口設置面は、前記接続端子設置面よりも前記撮像装置の前方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記接続端子設置面に二列の前記接続端子が設置されており、
前記二列の接続端子のうち前記光軸に近い第2列の接続端子は、前記接続端子設置面から突出した凸状の端子であり、
前記二列の接続端子のうち前記光軸から遠い第1列の接続端子の前記接続端子設置面からの突出量は、前記第2列の接続端子の前記接続端子設置面からの突出量よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記接続端子設置面よりも前記光軸よりに、拡張モジュール取付け部を有し、
前記拡張モジュール取付け部に拡張モジュールを取り付けた際、前記拡張モジュールの側面が前記第2列の接続端子に近接することを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記二列の接続端子をそれぞれ保護する保護蓋
として、前記第1列の接続端子を保護する第1の保護蓋および前記第2列の接続端子を保護する第2の保護蓋を備えており、
前記
第2の保護蓋には、当該
第2の保護蓋における前記拡張モジュールの側面から遠い端部に指掛け用の凹部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記接続端子に
前記保護蓋を装着した状態において、前記撮像装置を側面から見た場合、前記指掛け用の凹部は、前記第1の保護蓋から露出する位置に設けられていることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
前記接続端子に
前記保護蓋を装着した状態において、前記
第2の保護蓋は、前記
第1の保護蓋よりも高さが高いことを特徴とする請求項6又は7記載の撮像装置。
【請求項9】
前記拡張モジュールは、撮像装置の機能又は性能を拡張するためのモジュールであることを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第2列の接続端子は、一列に配置された3
つの接続端子
であり、
前記3
つの接続端子のう
ち1つは基板に実装された接続端子であり、前記基板に実装された接続端子の両側に配置された
2つの接続端子は、
前記基板に実装されていない接続端子であることを特徴とする請求項4乃至9の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記基板は、前記一列に配置された3
つの接続端子の配列方向とほぼ平行に設置されていることを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記基板に実装された接続端子は、前記基板に実装されていない接続端子よりも前記接続端子設置面からの突出量が大きいことを特徴とする請求項10又は11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記3
つの接続端子には、それぞれ同じ形状のプラグが接続されることを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記基板に実装された接続端子は、高速信号送信用の端子であることを特徴とする請求項10乃至13の何れか1項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務用のデジタルビデオカメラ等の撮像装置に関し、特に、複数の外部入出力端子を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用のデジタルビデオカメラは、ケーブル等を介して外部モニタや外部レコーダ等、複数の外部機器に接続された状態で撮影に供される。このため、デジタルビデオカメラは、外部機器と接続するための複数の外部入出力端子を備えている。また、業務用のデジタルビデオカメラには、撮影現場での取り回しの良さが求められ、小型であることが同時に求められている。
【0003】
このようなデジタルビデオカメラとして、例えば、複数の入出力端子と、冷却用のファン、吸気口、ダクト及び排気口を備え、複数の入出力端子が排気口に隣接して設けられた撮像装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術には、撮像装置自体の寸法、特に、撮像装置の幅方向の寸法を小さくするという観点において十分な対策が施されておらず、撮像装置自体の幅方向の寸法をより小さくできるようにした撮像装置の開発が望まれている。
【0006】
すなわち、上記特許文献1に記載された撮像装置のように、複数の外部入力端子と排気口が隣接して設けられた撮像装置においては、撮像装置本体の幅方向の寸法が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、操作性を損なうことなく、装置本体の寸法、特に、幅方向の寸法を小型化することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、外部機器を接続する接続端子と、装置本体の発熱源を冷却するために空気を取り込む吸気口及び前記空気を排出する排気口を備えた撮像装置において、前記接続端子が設置された接続端子設置面および前記排気口が設置された排気口設置面は、それぞれ異なる面を形成し、かつ光軸に対してそれぞれ所定角度で傾斜しており、前記接続端子設置面と前記排気口設置面は、撮像装置を側面から見た場合、左右方向にずれて配置されており、かつ前記撮像装置を正面から見た場合、相互に重なるように配置されており、前記撮像装置を上方から見た場合、前記排気口設置面における前記光軸から最も離れた端部と、前記接続端子設置面における前記光軸から最も離れた端部とを結ぶ仮想直線は、前記光軸とほぼ平行であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像装置の幅方向の寸法を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】撮像装置本体の主な熱源と冷却機構を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示した冷却機構における空気の流れを示す断面の図である。
【
図4】撮像装置本体に取り付け可能な拡張モジュールの斜視図である。
【
図5】撮像装置本体に拡張モジュールを取付ける方法を説明するための斜視図である。
【
図6】撮像装置本体に拡張モジュールが取り付けられた使用状態を示す外観図である。
【
図7】撮像装置本体に拡張モジュールが取り付けられていない状態での第1列の接続端子及び第2列の接続端子周辺を拡大した斜視図である。
【
図8】第1列の接続端子、第2列の接続端子及びUSB端子の内部構成を示す斜視図である。
【
図9】
図8の接続端子の内部構造を分解した斜視図である。
【
図10】第2列の接続端子の内部構成を示す図である。
【
図11】接続端子に保護蓋群を装着する構成を説明するための斜視図である。
【
図12】接続端子に保護蓋群を装着した状態を示す斜視図である。
【
図14】拡張モジュールを装着しない撮像装置本体の部分平面図である。
【
図15】拡張モジュールを装着した撮像装置本体を後方から見た斜視図である。
【
図16】拡張モジュールを装着した撮像装置本体の部分平面図である。
【
図17】拡張モジュールを装着した撮像装置本体の背面を示す図である。
【
図18】拡張モジュールを装着しない撮像装置本体の接続端子周辺を上面から見た部分平面図である。
【
図21】撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る撮像装置の斜視図である。
図1において、撮像装置1001の撮像装置本体1000にレンズ1002を装着した状態の撮像装置が示されている。
図1(a)は、撮像装置本体1000を上側前方より見た斜視図であり、
図1(b)は、上側後方より見た斜視図である。なお、説明の便宜上、座標系を
図1(a)に示したように定義する。すなわち、z軸を撮像装置本体1000の前後方向(正面のレンズ1002を+z方向)、y軸を撮像装置本体1000の上下方向(上面側を+y方向)、x軸を撮像装置本体1000の左右方向(正面から見て右側面を+x方向)と定義する。
【0013】
撮像装置本体1000は、レンズ交換式のデジタルビデオカメラである。撮像装置本体1000は、レンズ装着部として、レンズ1002を着脱できるマウント部1005を備えている。マウント部1005の後方の撮像装置本体1000内部には被写体から入射した光を受光する撮像素子1007(後述する
図2参照)が内蔵されている。撮像装置本体1000の前方から見て右側には、撮影者の操作によって撮像装置本体1000に所定の動作を実行させるための操作ボタン群1030、RECボタン1031、電源スイッチ1032が配置されている。
【0014】
次に、撮像装置本体1000に設けられた入出力端子について説明する。
【0015】
撮像装置本体1000の左側後方には、ケーブルにより外部機器と電気的に接続するための後方入出力端子(接続端子)群2000が配置されている(
図1(b))。後方入出力端子群2000は、第1(第1列)の端子群2210、第2(第2列)の端子群2220、第3(第3列)の端子群2230により構成されている。
【0016】
第1(第1列)の端子群2210は、小型コントローラ端子2211、多ピン映像端子2212、マイク端子2213、ヘッドホン端子2214を備えている。小型コントローラ端子2211は、3極でΦ2.5のピン形状を有するプラグが挿入できる端子である。このプラグを有するケーブルで外部コントローラと接続すると、外部コントローラで撮像装置本体1000を制御することができる。多ピン映像端子2212は、いわゆるHDMI(商標登録)の出力端子である。多ピン映像端子2212と外部モニタとをケーブルで接続することにより撮像装置本体1000で撮影されたスルー画、または録画映像を外部モニタに表示することができる。マイク端子2213は、3極のΦ3.5のピン形状のプラグが挿入できる端子である。このプラグを有するケーブルでマイク端子2213とステレオ集音可能な外部マイクとを接続することができる。マイク端子2213と外部マイクとが接続されると、撮像装置本体1000はステレオの音声信号を受信することができる。ヘッドホン端子2214は、3極のΦ3.5のピン形状のプラグが挿入できる端子である。このプラグを有するケーブルでヘッドホン端子2214とヘッドホンやイヤホン等の音声出力機器とが接続される。ヘッドホン端子2214とヘッドホンやイヤホン等とを接続すると、撮像装置本体1000で集音した音声を出力することができる。また、第1の端子群2210は、接続端子設置面2240から突出しない端子、いわゆる凹型端子で構成されている。
【0017】
第2(第2列)の端子群2220は、モニタ端子2221、12G-SDI端子2222、タイムコード端子2223で構成されている。第2の端子群2220は、3つの端子ともに、同じ形状のプラグであるBNCプラグが接続できるBNCコネクタであるが、それぞれ出力できる信号が異なる。モニタ端子2221は、外部モニタ用に主に2K60Pの現像後の映像や現像前のRAWの映像信号を出力することができる。12G-SDI端子2222は、記録用のレコーダ用に4K60Pの高精細な現像後の映像や現像前のRAWの映像信号を出力することができる。タイムコード端子2223は、タイムコード信号を出力できる端子である。第2の端子群2220は、接続端子設置面2240から突出する端子、いわゆる凸型端子で構成されている。
【0018】
第3(第3列)の端子群2230は、大型の端子である大型マイク端子2231、電源入力端子2232で構成されている。大型マイク端子2231は、3ピンのXLR端子であり、ケーブルで外部マイクと接続することによって、撮像装置本体1000はモノラルの音声信号を受信することができる。電源入力端子2232は、4ピンのXLR端子である。電源入力端子2232によって約12.6Vの電力が入力され、撮像装置本体1000は、その電力で駆動することができる。また、
図1(b)に示したように、撮像装置本体1000は、本体バッテリー1010を装着することができ、当該本体バッテリー1010から電力を得て駆動することもできる。
【0019】
図1(b)に示したように、一つの平面である接続端子設置面2240に第1の端子群2210、第2の端子群2220及び第3の端子群2230が設置されている。また、接続端子設置面2240に対して挿抜方向が垂直になるように、第1の端子群2210、第2の端子群2220及び第3の端子群2230が、当該接続端子設置面2240に設置されている。第3の端子群2230は大型な端子であるために、各端子は、接続端子設置面2240に一列に設置されている。第3の端子群2230の端子は大型な端子であるために、各端子に挿抜されるケーブルも大型である。このため、重力により挿入されたケーブルが垂れ下がった際に、他の操作の妨げにならないように、第3の端子群2230は、接続端子設置面2240の下側に配置されている。
【0020】
第1の端子群2210と第2の端子群2220に設置された端子は、第3の端子群2230の端子に比べて小型である。このため、第1の端子群2210と第2の端子群2220とで二列となるように各端子が接続端子設置面2240に配置されている。小型である端子を接続端子設置面2240に二列に配置することにより、接続端子設置面2240の少ない面積に多くの端子を配置することができる。
【0021】
接続端子設置面2240には、多くの端子が設置されている。接続端子設置面2240は、撮影時に撮影の妨げにならないようにするため、及び、ケーブルの挿抜時の容易性を考慮して、接続端子設置面2240は、撮像装置本体1000の光軸と垂直な面に対して所定角度、例えば、30度傾斜して設置されている。
【0022】
次に、撮像装置本体1000を冷却する強制空冷及び強制空冷方法について詳細に説明する。
【0023】
図1(b)に示したように、撮像装置本体1000の前方から見て左側には、第一の吸気口1101、第二の吸気口1102、及び排気口1103が設置されている。これらの吸排気口は、撮像装置本体1000の主な発熱源である撮像素子1007やメイン基板1110を強制空冷するための構造である。撮像装置本体1000では、前面にはレンズ1002を取付けるマウント部1005があり、後面は後述する拡張モジュール4500の取付部がある。下側には三脚の取付部があり、上側にはアクセサリ等の取付部がある。また、撮像装置本体1000の右側には操作ボタン群1030が全面に配置されている。このため、撮像装置本体1000では残りの左側面、すなわちグリップ側の面に第一の吸気口1101、第二の吸気口1102、排気口1103及び外部接続端子が設置されている。
【0024】
図1(b)で示したように、撮像装置本体1000を含む撮像装置1001の左側面はグリップ側の面であるため、グリップを取り付けるためのグリップ取付け部2401を有している。グリップ取付け部2401は通称ロゼットと呼ばれる円形のアクセサリの固定部である。そのため、グリップ取付け部2401には中心から放射状に所定の間隔で凸形状と凹形状が形成され、中心にはネジ穴を有している。グリップ取付け部2401によりロゼットを有したグリップを撮像装置本体1000に取り付けることで、手持ちの撮影を行うことができる。手持ちの撮影では通常、撮影者は右手にてグリップを把持し撮影を行う。そのため、撮像装置本体1000では、グリップ取付け部2401を左側に設置している。また、グリップ取付け部2401はロゼットを有しているアクセサリであれば、グリップ以外のアクセサリも取り付けることができる。
【0025】
図21は、撮像装置1001の概略構成を示すブロック図である。
図21を用いて、撮像装置1001の機能構成を説明する。
【0026】
撮像装置本体1000は、撮像素子1007、CPU2020、ROM2021、RAM2022、マイクロフォン2025、記録部2026、本体操作部2030、スピーカ2040及び電源制御部2041を備える。また、撮像装置本体1000は、グリップ用通信接点部2045、レンズ用電気通信接点部2046、無線用通信接点部2047、ファインダ用通信接点部2048及びパネル用通信接点部2049を備える。
【0027】
グリップユニット2080は、グリップ電気通信接点部2081とグリップ操作部2082を備える。レンズ鏡筒2100は、レンズ電気通信接点部2101とレンズメモリ2102を備える。無線ユニット2200は、無線ユニット通信接点部2201と通信部2202を備える。ビューファインダユニット2300は、ファインダユニット通信接点部2301とファインダ表示部2302を備える。パネルユニット2500は、パネルユニット通信接点部2501とパネル表示部2502を備える。
【0028】
撮像素子1007は、CCDセンサ又はCMOSセンサであり、A/D変換器を有する。レンズ鏡筒2100が入射光を撮像素子1007に光学像として結像させ、撮像素子1007は、結像した光学像をアナログ電気信号に変換した後、更にA/D変換器によりデジタル信号に変換した映像データを出力する。
【0029】
CPU2020、ROM2021及びRAM2022は、メイン基板(不図示)に実装されている。ROM2021は、電気的に消去・記憶が可能なメモリであって、例えば、EEPROM等が用いられる。ROM2021には、CPU2020の動作用の定数及びプログラム等が記憶される。CPU2020は、ROM2021に記憶されたプログラムを実行して撮像装置本体1000を構成する各部の動作を制御することにより、撮像装置本体1000の統括的な制御を実現する。
【0030】
RAM2022は、システムメモリ、ワークメモリ、画像メモリ及び音声メモリ等として用いられ、CPU2020の動作用の定数、変数及びROM2021から読み出したプログラム等が展開される。マイクロフォン2025から入力された音声信号は、所定レベルにゲインコントロールされた後にA/D変換され、デジタルデータの音声データに変換される。映像データや音声データは、RAM2022に一時記憶される。
【0031】
CPU2020は、RAM2022に一時記憶された映像データや音声データを記録部2026へ送信する。記録部2026には記録メディア2027の挿抜が可能となっており、記録部2026は映像データや音声データを記録メディア2027に記録する。なお、記録メディア2027には、SDカード等の脱着式のフラッシュメモリが用いられる。
【0032】
温度検知部2028は、例えばサーミスタであり、メイン基板(不図示)に実装されている。ファン1140は、温度検知部2028が取得した温度に基づいて動作し、撮像装置本体1000の内部への吸排気を行う。ファン1140の回転状態はCPU2020によって制御される。本体操作部2030は、使用者の操作による指示をCPU2020に伝える。本体操作部2030は、本体RECボタン1031や電源スイッチ1032、本体操作ボタン群1030(
図1参照)を含む。本体操作部2030が操作された際の操作音や映像の記憶開始・記憶停止時のビープ音等は、CPU2020の制御によりスピーカ2040から出力される。
【0033】
電源制御部2041は、バッテリー検出回路、DC-DCコンバータ及び通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。撮像装置本体1000に電源を供給するバッテリ2042は、例えば、撮像装置本体1000に対して着脱可能であり、例えば、リチウムイオン電池等である。
【0034】
撮像装置本体1000のグリップ用通信接点部2045とグリップユニット2080のグリップ電気通信接点部2081が接触して通電すると、撮像装置本体1000のCPU2020はグリップユニット2080の装着を検知する。グリップユニット2080のグリップ操作部2082が使用者により操作されることで、使用者からの各種指示がCPU2020へ送信される。
【0035】
撮像装置本体1000のレンズ用電気通信接点部2046とレンズ鏡筒2100のレンズ電気通信接点部2101が接触して導通すると、撮像装置本体1000のCPU2020はレンズ鏡筒2100の装着を検知する。CPU2020は、レンズ鏡筒2100の装着を検知すると、レンズメモリ2102からレンズ情報を読み出してRAM2022に格納する。
【0036】
撮像装置本体1000の無線用通信接点部2047と無線ユニット2200の無線ユニット通信接点部2201が接触して導通することにより、撮像装置本体1000のCPU2020は無線ユニット2200の装着を検知する。CPU2020は、無線ユニット2200の装着を検知すると、RAM2022に記憶されている映像データと音声データを無線ユニット2200へ送信する。無線ユニット2200の通信部2202は、RAM2022から送信されてきた映像データ及び音声データを外部機器(不図示)へ送信する。
【0037】
撮像装置本体1000のファインダ用通信接点部2048とビューファインダユニット2300のファインダユニット通信接点部2301が接触して導通すると、撮像装置本体1000のCPU2020はビューファインダユニット2300の装着を検知する。CPU2020は、ビューファインダユニット2300の装着を検知すると、RAM2022に記憶されている映像データをビューファインダユニット2300へ送信する。ビューファインダユニット2300のファインダ表示部2302は、例えば、液晶表示装置であり、撮像装置本体1000の動作状況等をオンスクリーン・ディスプレイ情報として必要に応じて表示する。
【0038】
撮像装置本体1000のパネル用通信接点部2049とパネルユニット2500のパネルユニット通信接点部2501が接触して導通すると、撮像装置本体1000のCPU2020はパネルユニット2500の装着を検知する。CPU2020は、パネルユニット2500の装着を検知すると、RAM2022に記憶されている映像データをパネルユニット2500へ送信する。パネルユニット2500のパネル表示部2502は、例えば、液晶表示装置であり、撮像装置本体1000の動作状況をオンスクリーン・ディスプレイ情報として必要に応じて表示する。なお、パネル表示部2502とファインダ表示部2302に表示される情報は、使用者による設定により、同一とすることもできれば異なる場合とすることもできる。
【0039】
本実施形態の撮像装置1001において、例えば、撮像素子1007が受信した光は、少なくとも約23フレーム/秒(fps)のデジタル画像データに変換され、記録部2026により記録メディア2027に記録される。フレームレートは、約1fps~約250fps以上の範囲で設定することができる。例えば、撮像装置1001は、設定される解像度に応じてフレームレートを変更してもよい。すなわち、「5k」の解像度モードでは約1fps~約100fps、「4k」の解像度モードでは約1~約125fps、クアッドHDモードでは約1~約125fps、「3k」の解像度モードでは約1~約160fps、「2k」の解像度モードでは約1~約250fpsのフレームレートが設定される。例えば、フレームレートとして、20、23.976、24、30、60、および120フレーム/秒、またはこれらのフレームレートの間の他のフレームレート、またはそれ以上のフレームレートでもよい。
【0040】
撮像装置1001は、「2k」(例えば、16:9(2048×1152画素)、2:1(2048×1024画素)など)、「3k」(例えば、16:9(3072×1728画素)、2:1(3072×1536画素)など)、「4k」(たとえは、4096×2540画素、16:9(4096×2304画素)、2:1(4096×2048画素)など)、「4.5k」水平解像度、クアッドHD(例えば、3840×2160画素)、「5k」(例えば、5120×2700)水平解像度、「6k」(例えば、6144×3160)、「8k」(例えば、7680×4320)、またはそれ以上の解像度で画像データを出力することができる。撮像装置1001は、少なくとも上記に列挙した解像度のいずれかの間の水平解像度を有する画像データを記録または出力するように構成することができる。
【0041】
更に、解像度は、上述した値のうち少なくとも1つの間(もしくは上述の値の間の何らかの値)であり、約6.5k、7k、8k、9k、または10k、またはそれらの間の何らかの値を取り得る。本実施形態では、xkの形式(上述した2kおよび4kなど)で表される用語では、「x」の数は近似的な水平解像度を指す。そのため、「4k」の解像度は、約4000以上の水平画素に対応し、「2k」は約2000以上の水平画素に対応する。
【0042】
撮像素子1007は、約0.5インチ(8mm)から、2/3インチ、映画用のS35、35mmフルフレームスチル、および645に及ぶ範囲であることができ、少なくとも約1.0インチ、6cm×17cm以上であることができる。また、少なくとも約10.1×5.35mm、24.4×13.7mm、30×15mm、36×24mm、56×42mm、および186×56mmのサイズを有することもできる。それに加えて、撮像素子1007は、画素領域の所定部分のみを選択的に出力することによって、可変の解像度を提供するように構成することができる。撮像素子1007は、例えば、ベイヤー配列のカラーフィルタを含むことができる。そのため、撮像素子1007の個々の光電変換素子によって検出された赤色光、緑色光、または青色光の量を表すデータを出力する。
【0043】
次いで、撮像装置本体1000の主な熱源である撮像素子1007及びメイン基板1110の強制空冷方法について詳細に説明する。
【0044】
図2は、撮像装置本体1000の主な発熱源と冷却機構を示す斜視図である。
図2において、
図2(a)は、冷却機構を右側前方より見た斜視図であり、
図2(b)は、冷却機構を左側より見た斜視図であり、
図2(c)は、冷却機構を後方より見た斜視図である。また、
図3は、
図2に示した冷却機構における空気の流れを示す断面の図である。
図3において、
図3(a)は断面の位置を示す図であり、その断面の位置より見た断面図が
図3(b)である。なお、
図3(b)では、便宜上、空気の流れは矢印で表されている。
【0045】
図2(a)において、撮像装置本体1000の主な発熱源は、撮像素子1007とメイン基板1110である。撮像素子1007は、レンズ1002によって結像した光学信号を4K60Pの電気信号に変換する素子である。また、撮像素子1007のサイズは、通称フルフレームと呼ばれる大判の撮像素子である。このため、撮像素子1007は、高精細な映像信号を出力することができる。撮像素子1007により変換された電気信号は撮像素子ワイヤ1008により、メイン基板1110に送られる。メイン基板1110に送られた信号は、当該メイン基板1110によりRAWの映像信号や各フォーマットに現像された映像信号に変換される。変換された映像信号は、例えば、上述した後方入出力端子群2000により外部機器に送られる。撮像素子1007は、撮像装置本体1000の光軸に垂直に交わるように設置されている。
【0046】
主として撮像素子1007とメイン基板1110を冷却する強制空冷構造は、
図2に示したように、以下の4つに分けられる。1つ目は、主に撮像素子1007を空冷するための撮像素子ダクト構造1120である。2つ目は、主にメイン基板1110を空冷するためのメイン基板ダクト構造1130である。3つ目は、第一の吸気口1101及び第二の吸気口1102から排気口1103まで空気を送るためのファン1140である。4つ目は、排気口1103に空気を送るための排気ダクト1150である。
【0047】
次いで、冷却用の空気の流れを示す
図3(b)を用いて、撮像素子1007とメイン基板1110を冷却する方法について具体的に説明する。
【0048】
まず、第一の吸気口1101から撮像装置本体1000の内部に入った冷却用の空気は、撮像素子ダクト構造1120に送られる。撮像素子ダクト構造1120の前側は、熱伝導部材である撮像素子熱伝導部材1121によって撮像素子1007と熱的に接続されている。このため、撮像素子1007の熱は撮像素子ダクト構造1120内を後段に向かって流れる空気に伝わり、当該空気が温められることによって撮像素子1007が空冷される。撮像素子ダクト構造1120の後側は、小型素子熱伝導部材1122によってメイン基板1110上の比較的発熱量が少ないメイン基板小型素子1111と熱的に接続されている。このため、第一の吸気口1101から撮像装置本体1000の内部に入った冷却用の空気によって、メイン基板小型素子1111も空冷される。
【0049】
撮像装置本体1000では、第二の吸気口1102からも空気を取り入れることができる。第二の吸気口1102から撮像装置本体1000の内部に入った冷却空気は、メイン基板ダクト構造1130に送られる。メイン基板ダクト構造1130の前側は、熱伝導部材である大型素子熱伝導部材1131によって、メイン基板1110の比較的発熱量が多いメイン基板大型素子1112と熱的に接続されている。このため、メイン基板大型素子1112の熱はメイン基板ダクト構造1130の空気に伝わる。メイン基板大型素子1112は比較的発熱量が多い素子であるので、これを冷却するためには、冷却用の空気に伝わる熱量を多くする必要がある。冷却用の空気に伝わる熱量を多くするためにメイン基板ダクト構造1130はフィン形状1132を有している。また、メイン基板ダクト構造1130は、フィン形状1132を
図3(b)の紙面表裏方向に複数本備えている(図示省略)。フィン形状1132を複数本設置してメイン基板ダクト構造1130の内側の表面積を多くすることによって、メイン基板大型素子1112の熱量を冷却用の空気に効率よく伝えることができる。メイン基板大型素子1112が冷却されることによって温められた空気は、メイン基板ダクト構造1130の後段に送られる。
【0050】
撮像素子ダクト構造1120及びメイン基板ダクト構造1130をそれぞれ通って温められた空気は合流して、ファン1140に送られる。ファン1140は、例えば、遠心ファンである。ファン1140により当該ファン1140の入り口で負圧を発生させることにより、第一の吸気口1101及び第二の吸気口1102から取り入れられた空気は、良好にファン1140まで送られる。
【0051】
撮像素子ダクト構造1120及びメイン基板ダクト構造1130をそれぞれ通って温められた空気はファン1140に取り込まれ、排気ダクト1150に送られる。排気ダクト1150に送られた空気は、排気口1103を通り、撮像装置本体1000の外部に排出される。撮像装置本体1000では第一の吸気口1101及び第二の吸気口1102と排気口1103は近接して配置されている。このため、温められ排気口1103から排出された空気を、再度、第一の吸気口1101又は第二の吸気口1102から取り入れてしまい、強制空冷の効率が低下する虞れがある。
【0052】
そこで、撮像装置本体1000では、第一の吸気口1101及び第二の吸気口1102の方向と排気口1103の方向に角度がつけられている。具体的には、
図3(b)に示したように、排気ダクト1150の排気口1103の排気方向は、第一の吸気口1101及び第二の吸気口1102の吸気方向に対して60度傾くように設定されている。すなわち、排気ダクト1150の排気口1103の排気方向は、撮像装置本体1000の光軸Pに対しては30度傾けて、排気が後方入出力端子群2000と平行に斜め後方に排出されるように構成されている。斜め後方に排気することにより、温められた空気が再度、第一の吸気口1101又は第二の吸気口1102から吸気されることを防止している。このような強制空冷構造により、撮像装置本体1000の主要な熱源である撮像素子1007及びメイン基板1110は冷却される。
【0053】
次に、撮像装置本体1000の拡張性に関して説明する。
【0054】
撮像装置本体1000の後側に拡張モジュール4500を装着することにより、撮像装置の機能を拡張することができる。
【0055】
図4は、撮像装置本体に取り付け可能な拡張モジュールの斜視図である。
図4において、
図4(a)は、拡張モジュール4500を後方上側より見た斜視図であり、
図4(b)は、拡張モジュール4500を前方上側より見た斜視図である。また。
図4(c)は、拡張モジュール4500を下側後方より見た斜視図であり、
図4(d)は、
図4(a)の拡張モジュールの端子群4510に拡張モジュールの保護蓋群4511を取付けた状態を示す斜視図である。
【0056】
図4(b)に示したように、拡張モジュール4500は、当該拡張モジュール4500の前側部分に、撮像装置本体1000と接続した際に電気的な通信や電力の授受を行うための拡張モジュール接点部4502を備えている。また、
図4(b)及び(c)に示したように、拡張モジュール4500の前側部分には、ボルト等で撮像装置本体1000と固定するための、拡張モジュール固定孔4503と拡張モジュール固定ねじ部4504が設けられている。
【0057】
拡張モジュール4500の後方には、本体バッテリー1010より大型で、高容量の拡張モジュールバッテリー4520(後述する
図6参照)を取付けるための拡張モジュールバッテリー取付け部4521が配置されている。拡張モジュールバッテリー取付け部4521を通して、拡張モジュールバッテリー4520から送られる電力によって拡張モジュール4500を動作させることができる。また、拡張モジュールバッテリー4520から送られる電力は拡張モジュール接点部4502を通して撮像装置本体1000にも送られて、撮像装置本体1000を駆動させることもできる。
【0058】
また、拡張モジュール4500の後方部分には、拡張モジュールの端子群4510が配置されており、側面には拡張モジュールマイク端子4512等の入出力端子が複数設置されている。これらの端子にケーブルを繋ぎ外部機器と接続することにより、撮像装置本体1000の機能又は性能を拡張することができる。
【0059】
次いで、拡張モジュール4500の入出力端子について具体的に説明する。
【0060】
図4(a)において、拡張モジュール4500の電力出力端子4513は、ケーブルを介して接続した外部機器に24Vで最大2Aの電力を供給するための端子である。GENロック端子4514は、BNCケーブルを接続することにより、外部機器に撮像装置本体1000からのGENロック信号を出力するための端子である。コントローラ端子4515は、ケーブルにより外部コントローラと接続して制御信号の入出力を行うための多ピンの端子である。有線LAN端子4516は、LANケーブルを接続することにより、撮像装置本体1000をインターネットに接続するための端子である。レンズ端子4517は、ケーブルによってレンズと接続することにより、レンズと撮像装置本体1000で電気通信を行うための端子である。なお、外部コントローラの制御信号を拡張モジュール接点部4502を通して撮像装置本体1000に送ることによって、外部コントローラで撮像装置本体1000を制御することができる。
【0061】
拡張モジュールマイク端子4512は、3ピンのXLRケーブルで外部マイクと接続することによってモノラルのオーディオ信号を撮像装置本体1000に入力するための端子である。また、拡張モジュールの端子群4510を使用していないときは、
図4(d)に示したように、拡張モジュールの端子群4510に拡張モジュールの保護蓋群4511を取付けることによってこれらの端子を保護することができる。このように、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取付けることによって、撮像装置本体1000の機能又は性能が拡張する。
【0062】
次に、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取付ける具体的な方法について説明する。
【0063】
図5は、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取付ける方法を説明するための斜視図である。
図5において、
図5(a)は、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取付ける前の状態を上側後方より見た斜視図である。
図5(b)は、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取付けた後の状態を上側後方より見た斜視図である。また、
図5(c)は、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取付けた後の状態を下側後方より見た斜視図である。
【0064】
撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取り付けるためには、まず、
図1(b)に示した状態の撮像装置本体1000から本体バッテリー1010を取り外す。本体バッテリー1010を取り外すと、
図5(a)に示したように、撮像装置本体1000の下側に、拡張モジュール取付け部として本体側固定孔1051が露出する。次に、
図1(b)で示した状態の撮像装置本体1000から固定ボルト1501によってねじ留めされた本体接点の保護蓋1502を外す。保護蓋1502を取り外すと、
図5(a)に示したように、拡張モジュール取付け部として本体側接点部1050と本体側固定ねじ部1052が露出する。本体側接点部1050は、拡張モジュール接点部4502と接続して拡張モジュール4500と電気通信及び電力の授受を行うための接点部である。
【0065】
次いで、
図5(a)に示した撮像装置本体1000の状態から、拡張モジュール4500の拡張モジュール接点部4502と撮像装置本体1000の本体側接点部1050が接続できるように位置合わせをする。位置合わせした後、撮像装置本体1000の後方より拡張モジュール4500を押し込むように、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500を取付ける。押し込むようにして拡張モジュール4500を取付けると、拡張モジュール接点部4502と本体側接点部1050はBtoBコネクタであるため、拡張モジュール接点部4502と本体側接点部1050が嵌合し電気的な接続が可能な状態となる。このままでは固定が不十分であるため、固定ボルト1501と本体側固定ねじ部1052で拡張モジュール固定孔4503をねじ留めするように固定する。この状態が
図5(b)に示した状態である。
【0066】
拡張モジュール4500は、撮像装置本体1000の後方の上側から下側まで覆うように取り付くため、下側の固定も必要である。下側の固定は、固定ボルト1501と拡張モジュール固定ねじ部4504(
図4(c)参照)で本体側固定孔1051をねじ留めするように固定する。この状態が
図5(c)に示した状態である。このような固定方法により、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500が強固に取付けられ、撮影に耐えうる強固な固定状態となる。
【0067】
次に、拡張モジュール4500を取り付けた撮像装置本体1000の使用状態について説明する。
【0068】
図6は、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500が取り付けられた使用状態を示す外観図である。
図6において、
図6(a)は、使用状態を左側から見た斜視図であり、
図6(b)は、使用状態を上方から見た外観図である。また、
図7は、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500が取り付けられていない状態での第1列の接続端子2210及び第2列の接続端子2220周辺を拡大した斜視図である。
【0069】
図6において、拡張モジュール4500が取付けられ、拡張モジュールバッテリー4520から電源が供給されて撮影を行っている使用状態の撮像装置本体1000が示されている。第2の端子群2220にBNCケーブル2321が接続され、それぞれの外部機器に接続されている。また、第1の端子群2210にもそれぞれケーブルが接続されており、それぞれの外部機器と接続されている。小型コントローラ端子2211には小型コントローラケーブル2311が接続されており、多ピン映像端子2212には多ピン映像ケーブル2312が接続されている。マイク端子2213にはマイクケーブル2313が接続されており、ヘッドホン端子2214にはヘッドホンケーブル2314が接続されている。なお、
図6(a)において、ケーブルの他端のプラグ及び接続先の外部機器の図示は便宜上省略されている。
【0070】
図6(b)において、第1の端子群2210と第2の端子群2220は二列に配置されている。撮像装置本体1000に拡張モジュール4500が取り付けていない場合は、第1の端子群2210と第2の端子群2220は、共に問題なく、ケーブルの挿抜を行うことができる。
【0071】
しかし、拡張モジュール4500が取り付けられた状態では、拡張モジュール4500の側面4501が、光軸に近い端子列である第2の端子群2220に近接する。これによって、拡張モジュール4500の側面4501により、拡張モジュール4500に近い光軸側の端子列である第2の端子群2220に取り付けられたケーブルの挿抜性が低下する虞がある。
【0072】
そこで、本実施の形態では、
図7に示したように、突出した凸状のBNCコネクタを有する端子群を第2の端子群2220として拡張モジュール4500側(光軸側)に配置している。一方、凹状部にプラグを挿入する凹状の端子を有する端子群を第1の端子群2210として第2の端子群2220よりも外側(反光軸側)に配置している。
【0073】
具体的には、
図7に示したように、接続端子設置面2240からのモニタ端子2221及びタイムコード端子2223の突出量より低くなるように、第1の端子群2210が設置されている。すなわち、第1の端子群2210は、いわゆる凹型端子で構成され、第2の端子群2220は、いわゆる凸型端子で構成されている。従って、光軸から遠い第1列の接続端子の接続端子設置面からの突出量は、光軸に近い第2列の接続端子の接続端子設置面からの突出量よりも小さくなっている。これによって、拡張モジュール4500の側面4501に近接する第2の接続端子へのケーブルの抜き差し性が低下することを防止して良好な操作性を確保することができる。
【0074】
以下、
図6(b)を用いて第2の接続端子におけるケーブルの抜き差し性について説明する。凸型端子であるBNCコネクタ(第2の接続端子)に挿入されるBNCケーブル2321の操作部はBNCケーブル操作部2321(a)である。BNCは凸型コネクタであるため、自ずと接続端子設置面2240から比較的遠い位置にBNCケーブル操作部2321(a)は位置する。また、凹型端子(第1の接続端子)に挿入されるケーブルの操作部はそれぞれ小型コントローラケーブ操作部2311(a)、多ピン映像ケーブル操作部2312(a)、マイクケーブル操作部2313(a)、ヘッドホンケーブル操作部2314(a)である。
図6(b)から分かるように、BNCケーブル操作部2321(a)の方が、小型コントローラケーブ操作部2311(a)、多ピン映像ケーブル操作部2312(a)等よりも接続端子設置面2240から遠い位置にある。このため、拡張モジュール4500の側面4501に近接し、当該側面と小型コントローラケーブ操作部2311(a)等が挿入された第1の端子群2210に挟まれていても、第2の端子群2220の操作性が損なわれることはない。
【0075】
また、
図7に示したように、撮像装置本体1000では、多くの端子を設置するために接続端子設置面2240とは直角を成す面にUSB端子2251が設置されている。USB端子2251は、USBケーブルでつなぐことにより外部機器と通信するための端子である。USB端子2251にケーブルが取り付けられたときに、排気口1103の排気の妨げとならないように、排気口1103の上方にUSB端子2251が取り付けられている。
【0076】
次に、第1の端子群2210、第2の端子群2220及びUSB端子2251の内部構造について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0077】
図8は、第1列の接続端子2210、第2列の接続端子2220及びUSB端子2251の内部構成を示す斜視図である。
図8において、
図8(a)は、端子の内部構造を左側より見た斜視図であり、
図8(b)は、右側より見た斜視図である。また、
図9は、
図8の接続端子の内部構造を分解した斜視図である。
図9において、
図9(a)は、
図8の端子の内部構造を右側から見た分解斜視図であり、
図9(b)は左側から見た分解斜視図である。
【0078】
図8(b)及び
図9(a)に示したように、BNCコネクタであるモニタ端子2221とタイムコード端子2223は、端子固定板金2261にナット締めによって固定されている。モニタ端子2221とタイムコード端子2223には、それぞれモニタワイヤ2263及びタイムコードワイヤ2264が直接端子に取り付けられている。モニタ端子2221とタイムコード端子2223がモニタワイヤ2263とタイムコードワイヤ2264に取付けられていることにより、撮像装置本体1000の内部の信号をモニタ端子2221とタイムコード端子2223を介して出力することができる。
【0079】
12G-SDI端子2222は、モニタ端子2221とタイムコード端子2223と同様、BNCコネクタであるが、高速信号を送る高速信号送信用の端子である。そのため、12G-SDI端子2222は、12G-SDI基板2262に実装されている。また、12G-SDI基板2262には12G-SDIワイヤ2265が取り付けられている。撮像装置本体1000の内部から12G-SDIワイヤ2265によって送られた電気信号は、12G-SDI基板2262で長距離の高速伝送に耐えられる電気信号に変換される。12G-SDI基板2262で変換された信号は、12G-SDI端子2222から外部機器に伝送される。このように、高速伝送用の信号変換を行うために12G-SDI端子2222は12G-SDI基板2262に実装されている。12G-SDI端子2222が実装された12G-SDI基板2262は、2本のねじにより端子固定ホルダー2266に締結されている。そして、端子固定ホルダー2266と12G-SDI基板2262が取り付いた12G-SDI端子2222は、2本のねじにより端子固定板金2261に締結されている。
【0080】
第1の端子群2210の小型コントローラ端子2211、多ピン映像端子2212、マイク端子2213、ヘッドホン端子2214は、端子基板2267の同じ端子設置面に実装されている。USB端子2251は、端子基板2267の反対側の面に実装されている。小型コントローラ端子2211、多ピン映像端子2212、マイク端子2213、ヘッドホン端子2214、USB端子2251は、基板を分けずに、全て端子基板2267に実装することにより、撮像装置本体1000の小型化が図られている。端子基板2267は、端子基板FFC2268及び端子基板ワイヤ2269により撮像装置本体1000の内部と電気的に接続されている。このため、撮像装置本体1000の内部からの信号を小型コントローラ端子2211、多ピン映像端子2212、マイク端子2213、ヘッドホン端子2214、USB端子2251から出力し又は入力することができる。端子基板2267は、3本のねじにより、端子固定ホルダー2266に端子固定板金2261と共締めされ締結されている。以上、第1の端子群2210、第2の端子群2220及びUSB端子2251の内部構造が上述のように構成されている。
【0081】
ところで、撮像装置本体1000は、小型であることが求められている。以下、撮像装置本体1000の小型化に大きく貢献している3連のBNCコネクタである第2の端子群2220の構成について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0082】
図10は、第2列の接続端子の内部構成を示す図であり、12G-SDI端子2222が実装された12G-SDI基板2262とモニタ端子2221とタイムコード端子2223が端子固定板金2261に取り付けられた状態を示す図である。
図10において、
図10(a)は、第2の端子群の内部構成を後側から見た図であり、
図10(b)は、前側から見た図であり、
図10(c)は、右側から見た図である。
【0083】
第2の端子群2220は、
図10(a)に示したように、小型化のためにモニタ端子2221と、12G-SDI端子2222と、タイムコード端子2223が、順に一直線に並んでいる。以下、その理由について説明する。
【0084】
上述したように、12G-SDI端子2222は、高速信号を送るために12G-SDI基板2262に実装されている。一方、12G-SDI端子2222と比較すると低速信号端子であるモニタ端子2221とタイムコード端子2223は、基板に実装されず、それぞれ直接、モニタワイヤ2263及びタイムコードワイヤ2264と接続されている。12G-SDI基板2262は、12G-SDI端子2222の軸中心から12G-SDI基板2262の端までの距離Kが設置に必要である。一方、基板実装ではないモニタ端子2221とタイムコード端子2223は、端子の円の半径Rの分の設置で収まる。端子の半径Rよりも基板は大きくないと基板実装できないため、距離Kは半径Rより大きい。また、12G-SDI基板2262は、12G-SDI端子2222の半径Rとおおよそ接し、BNCコネクタの並び(配列方向)と平行になるように設置してある。ここで言う平行とは、数学的な平行でなく、ほぼ平行を含む実質的な平行を意味する概念である。
このため、モニタ端子2221とタイムコード端子2223の端子の半径Rの空いたスペースに12G-SDI基板2262を設置する構成となっている。このような構成により撮像装置本体1000の小型化が実現されている。
【0085】
仮に、12G-SDI端子2222、モニタ端子2221、タイムコード端子2223の順にBNCコネクタを配置したとすると、12G-SDI端子2222の軸中心から12G-SDI基板2262の端までの距離がKの分大型化してしまう。そこで、上述したように、12G-SDI基板2262に実装された12G-SDI端子2222を、基板実装されていないモニタ端子2221とタイムコード端子2223で挟むようにその両側に配置している。これによって、第2の端子群2220の設置スペースの小型化が図られている。
【0086】
また、12G-SDI基板2262は、高速信号を変換するため電磁ノイズを発生させやすい。しかしながら、上述した構成によって、
図10(c)に示したように、モニタ端子2221とタイムコード端子2223でそれぞれ空間Lが設けられる。これによって、撮像装置本体1000の外部や、撮像装置本体1000内部の他の基板に12G-SDI基板2262からの電磁ノイズが伝播しにくい構成となっている。
【0087】
また、上述した
図6に示したように、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500が取り付いた状態では第2の端子群2220は、第1の端子群2210と拡張モジュール4500の側面4501に挟まれている。さらに、第2の端子群2220の中でも12G-SDI端子2222は、モニタ端子2221とタイムコード端子2223で挟まれた構成となっている。12G-SDI端子2222は、高速な4K60Pの現像後の映像や現像前のRAWの映像信号を出力端子であるため、使用頻度も高い。そして、使用頻度が高い端子であるために、12G-SDI端子2222は、
図10(c)に示したように、モニタ端子2221、タイムコード端子2223よりも距離Mの分だけ突出するように設けられている。すなわち、基板に実装された接続端子は、基板に実装されていない接続端子よりも接続端子設置面からの突出量が大きくなっている。従って、12G-SDI端子2222は、第1の端子群2210と側面4501に挟まれ、更に、モニタ端子2221、タイムコード端子2223に挟まれていても、使い勝手が損なわれることはない。
【0088】
以上、説明したように、3連のBNCコネクタである第2の端子群2220は、小型化を実現できる配置であり、かつ使い勝手が良く、電磁ノイズに対しても良好な構成となっている。
【0089】
次に、接続端子としての後方入出力端子群2000を保護する保護蓋群4200について説明する。
図1で示した後方入出力端子群2000には、端子内部へのゴミの混入や、端子破損防止のために、保護蓋群4200が開閉可能に取り付けられている。
【0090】
図11は、接続端子に保護蓋群を装着する構成を説明するための斜視図である。また、
図12は、接続端子に保護蓋群を装着した状態を示す斜視図である。
【0091】
図11において、後方入出力端子群2000に対応する保護蓋群4200が示されている。保護蓋群4200は、上述した各端子群に対応する第1~第3の保護蓋群で構成されている。第1の保護蓋群4210には小型コントローラ端子蓋4211、多ピン映像端子蓋4212、マイク・ヘッドホン端子蓋4213が含まれる。また、第2の保護蓋群4220にはモニタ端子蓋4221、12G-SDI端子蓋4222、タイムコード端子蓋4223が含まれる。そして、第3の保護蓋群4230には大型マイク端子蓋4231及び電源入力端子蓋4232が含まれる。
【0092】
第1の保護蓋群4210には、後述する
図14に示したように、保護蓋を開けるための第1の指掛け部4219が第2の保護蓋群4220と隣接する面と反対側の面に設けられている。一方、第2の保護蓋群4220には、後述する
図14に示したように、第2の指掛け部4229が第1の保護蓋群4210と隣接する面と反対側の面に設けられている。
【0093】
図13は、保護蓋の装着方法を示す図である。
図13において、第1の保護蓋群4210の多ピン映像端子蓋4212及び第2の保護蓋群4220の12G-SDI端子蓋4222は、それぞれ第1の端子群2210及び第2の端子群2220の対応する端子に押圧することによって装着される。
【0094】
第1の保護蓋群4210、第2の保護蓋群4220それぞれに含まれる保護蓋の形状はほぼ同様である。従って、以下、便宜的に、多ピン映像端子蓋4212と12G-SDI端子蓋4222を取り上げて第1の保護蓋群4210と第2の保護蓋群4220の蓋形状について説明する。
【0095】
多ピン映像端子蓋4212及び12G-SDI端子蓋4222は、
図13(a)に示したように、撮像装置本体1000から当該保護蓋を外した際に撮像装置本体1000と接続するヒンジ部4300を備えている。ヒンジ部4300の先端には先端凸形状4310が設けられている。また、
図13(b)に示したように、先端凸形状4310を各入出力端子近傍に設けた挿通穴4320に圧入することで、先端凸形状4310が挿通穴4320の内壁に掛かり、当該保護蓋を開けた際に、抜け落ちず保持される構成となっている。
【0096】
図14は、拡張モジュール4500を装着しない撮像装置本体1000の部分平面図である。
図14中、A及びBはユーザの指を表したものであり、ユーザは、第1の指掛け部4219に指Aを掛けることで第1の保護蓋群4210を開けることができる。また、ユーザは、第2の指掛け部4229に指Bを掛けることで第2の保護蓋群4220を開けることができる。
【0097】
図15は、拡張モジュール4500を装着した撮像装置本体1000を後方から見た斜視図、
図16は、拡張モジュール4500を装着した撮像装置本体1000の部分平面図である。
【0098】
図15及び
図16に示したように、第2の保護蓋群4220の第2の指掛け部4229に拡張モジュール4500の側面4501が近接(隣接)している。そのため、第2の指掛け部4229と拡張モジュール4500の側面4501との隙間が小さくなり、ユーザの指Cが第2の指掛け部4229に届かないかもしくは指を掛けられなくなることがある。
【0099】
図17は、拡張モジュール4500を装着した撮像装置本体1000の背面を示す図である。
図17において、
図7(a)は、撮像装置本体1000の背面図、
図17(b)は、(a)のD-D断面図である。
【0100】
図17(b)において、多ピン映像端子蓋4212と12G-SDI端子蓋4222の蓋の断面形状を確認できる。まず、入出力端子の挿入方向について、多ピン映像端子蓋4212と12G-SDI端子蓋4222とは蓋の高さが異なり、12G-SDI端子蓋4222の方が多ピン映像端子蓋4212より高い形状となっている。また、12G-SDI端子蓋4222には、多ピン映像端子蓋4212と隣接する側面に、凹形状から成る第3の指掛け部4250が設けられている。第3の指掛け部4250は、多ピン映像端子蓋4212を多ピン映像端子2212に装着した状態でも、撮像装置本体1000を側面から見た場合、第1の保護蓋から露出する位置関係に構成されている。
【0101】
このため、多ピン映像端子蓋4212及び12G-SDI端子蓋4222を各入出力端子に装着した状態においても、ユーザは、背の低い多ピン映像端子蓋4212側から12G-SDI端子蓋4222の第3の指掛け部4250に指Eを引っかけることができる。即ち、12G-SDI端子蓋4222を開けることが可能である。
【0102】
第1の保護蓋群4210と第2の保護蓋群4220の各保護蓋は、上述したように、それぞれ多ピン映像端子蓋4212及び12G-SDI端子蓋4222とほぼ同様の構成となっている。すなわち、第2の保護蓋群4220であるモニタ端子蓋4221及びタイムコード端子蓋4223も、それぞれ第3の指掛け部4250を備えており、指掛けにより蓋を開けることが可能である。
【0103】
以上、説明したように、第1の保護蓋群4210と第2の保護蓋群4220を2列に並設させた本実施の形態に係る撮像装置において、第2の保護蓋群4220の第1の保護蓋群4210と隣接する面にそれぞれ凹部である第3の指掛け部4250が設けられている。これによって、撮像装置本体1000に拡張モジュール4500が装着された状態でも、ユーザは第2の保護蓋群4220の保護蓋を開けることが可能となり、撮像装置の良好な取り扱いを確保することができる。
【0104】
次に、排気口1103と接続端子としての後方入出力端子群2000の関係について図面を参照しつつ説明する。
【0105】
図18は、拡張モジュール4500を装着しない撮像装置本体1000の接続端子周辺を上面から見た部分平面図である。また、
図19は、
図18の撮像装置本体1000の左側面図であり、
図20は、
図18の撮像装置本体1000の正面図である。
【0106】
図18において、排気口1103が設置された排気口設置面と接続端子設置面2240はそれぞれ異なる面であり、かつ、排気口設置面と接続端子設置面2240は略平行となるように配置されている。排気口設置面及び接続端子設置面2240は、撮像装置本体1000の光軸P、及び光軸Pと垂直な面に対して一定の角度を持って配置されている。また、撮像装置本体1000の光軸Pから排気口1103の最外形までの距離を距離Sとし、光軸Pから保護蓋群4200の最外形までの距離を距離Tとすると、
図18から分かるように、距離Sと距離Tは略同一である。従って、排気口1103の設置面における撮像装置本体1000の幅方向端部と、端子設置面又は保護蓋群4200における撮像装置本体1000の幅方向端部を結んだ破線G(仮想直線)は、光軸Pに対して平行となっている。ここで言う平行とは、数学的な平行でなく、ほぼ平行を含む実質的な平行を意味する概念である。
【0107】
撮像装置本体1000の左側面である
図19において、排気口1103と保護蓋群4200は、図中、左右方向(前後)にずれた位置に、それぞれが重ならないように配置されている。また、撮像装置本体1000の正面図である
図20において、排気口1103と保護蓋群4200は相互に重なるように配置されている。すなわち、排気口1103が設置された排気口設置面と、接続端子が設置された接続端子設置面2240は、それぞれ異なる面に設けられており、撮像装置本体1000の側面から見ると接続端子設置面と排気口設置面は横方向にずれている。また、撮像装置本体1000の正面から見て接続端子設置面と排気口設置面は、相互に重なるように配置されている。このとき、排気口設置面における撮像装置本体1000の幅方向端部と、端子設置面における撮像装置本体1000の幅方向端部を結んだ仮想直線は、光軸Pに対して平行であることが好ましい。
【0108】
このような構成によって、背面側に壁又は撮影者が位置した状態においても、排気口1103を塞ぐことがなく、かつ、撮像装置本体1000の幅方向(x方向)寸法を小型化することができる。
【0109】
本実施の形態において、接続端子設置面及び排気口設置面は、撮像装置本体1000のグリップ側の面に配置されることが好ましい。これによって、撮像装置本体1000の全ての表面を有効利用することができ、装置の小型化を実現することができる。
【0110】
また、排気口設置面は、接続端子設置面よりも撮像装置の前方に配置される。これによって、排気口から空気が排出されるための空間を確保しつつ、装置の小型化を図ることができる。
【0111】
以上、本発明の好適な実施の形態について詳述したが、本発明は、これら特定の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の種々の形態も本発明に含まれる。また、上述の実施の形態の一部の構成を適宜組み合わせた形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1000 撮像装置本体
1002 レンズ
1007 撮像素子
1103 排気口
1110 メイン基板
2000 後方入出力端子群(接続端子)
2210 第1の端子群(第1列の接続端子)
2220 第2の端子群(第2列の接続端子)
2230 第3の端子群(第3列の接続端子)
2240 接続端子設置面
2262 12G-SDI基板
4200 保護蓋群
4210 第1の保護蓋群
4219 第1の指掛け部
4220 第2の保護蓋群
4229 第2の指掛け部
4230 第3の保護蓋群
4250 第3の指掛け部
4500 拡張モジュール