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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20231128BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019165384
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2021043336
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松島 寿治
(72)【発明者】
【氏名】田中 仁
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-209213(JP,A)
【文献】特開2014-232136(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0245220(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343-1/1345
G02F 1/135
G02F 1/136-1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に位置する液晶層と、を備え、
前記第1基板は、第1共通電極と、画素電極と、第2共通電極と、走査線と、信号線を有し、
前記走査線は、第1方向に延出して形成され、
前記信号線は、第2方向に延出して形成され、
前記第1共通電極は、前記第2方向に延出する軸部と、前記軸部から前記第1方向に延出している第1枝部及び第2枝部と、を有し、
一対の前記走査線と一対の前記信号線で囲まれた第1開口部と、前記第1開口部から前記第2方向に間隔を置いて設けられた一対の前記走査線と一対の前記信号線で囲まれた第2開口部とを有し、
前記第1枝部は、前記画素電極及び前記第1開口部に重なり、
前記第2枝部は、前記第1開口部及び前記第2開口部の間の前記走査線に重なっており
前記第2共通電極は、前記第1共通電極に重なり、前記第1共通電極と同電位で、前記第1開口部から前記第2開口部に亘って配置され、
前記画素電極は、断面視で見て、前記第1共通電極及び前記第2共通電極の間に位置している、表示装置。
【請求項2】
前記第1枝部は、前記軸部に接続された底辺と、前記底辺に対向する頂点とを有する三角形状に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記画素電極は、前記底辺から前記頂点に亘って配置されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1枝部は、前記頂点から前記底辺の一端部まで延出する第1辺と、前記頂点から前記底辺の前記一端部と反対側の他端部まで延出する第2辺とを有し、
前記第1辺の長さと前記第2辺の長さとは、異なる、請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1辺の長さは、前記第2辺の長さよりも長く、
前記第1辺は、前記第1開口部に重なり、
前記第2辺は、前記第1開口部及び前記第2開口部の間の前記走査線に重なっている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1枝部は、前記軸部に接続された下底と、前記下底に対向する上底とを有する台形状に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記画素電極は、前記上底よりも前記第1方向に延出している、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記画素電極は、前記軸部から前記第1方向に離間している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2枝部の一部は、前記画素電極に重なっている、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1基板は、前記第1開口部及び前記第2開口部の間を前記第1方向に延出する前記走査線と、前記第1開口部及び前記第2開口部を挟んで前記第1方向に並び、前記第2方向に延出する第1信号線及び第2信号線とを有している、請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に位置する液晶層と、を備え、
前記第1基板は、第1電極と、画素電極とを有し、
前記第2基板は、遮光層を有し、
前記第1電極は、第2方向に延出している軸部と、前記軸部から前記第2方向に交差する第1方向に延出している第1枝部及び第2枝部と、を有し、
前記遮光層は、第1開口部と、前記第1開口部から前記第2方向に間隔を置いて設けられた第2開口部と、前記第2方向において前記第1開口部に対して前記第2開口部と反対側に間隔を置いて設けられた第3開口部とを有し、
前記第1開口部は、前記第1枝部の一部と前記第2枝部の一部とに重なり、
前記画素電極は、前記第1開口部に重なっており
前記第1枝部は、前記軸部に接続している底辺と、前記底辺に対向する頂点とを有する三角形状に形成され、
前記第2枝部は、前記軸部に接続している下底と、前記下底に対向する上底とを有する台形状に形成され、
前記第2枝部の前記第1方向の長さは、前記第1枝部の前記第1方向の長さよりも短い、表示装置。
【請求項12】
前記画素電極は、前記底辺から前記頂点に亘って配置されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記画素電極は、前記第1枝部に重なり、前記第2枝部の一部に重なっている、請求項11又は12に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のFFS(Fringe Filed Switching)モードに比べて応答速度を速める高速応答モードを実現し、且つ超高精細な表示装置が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-87894号公報
【文献】特開2018-116184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、液晶表示パネルは、高精細化が進み、2000ppiといった超高精細なパネルが検討されている。こういったパネルでは、副画素のサイズが5~10μmといった極小面積となり、副画素内に配置される画素電極や共通電極の配置にも、従来とは異なる形態が必要になる。本実施形態の目的は、このような高精細な表示パネルにおいても、高品位な画像を表示可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に位置する液晶層と、を備え、前記第1基板は、第1共通電極と、画素電極と、走査線と、信号線を有し、前記走査線は、第1方向に延出して形成され、前記信号線は、第2方向に延出して形成され、前記第1電極は、前記第2方向に延出する軸部と、前記軸部から前記第1方向に延出している第1枝部及び第2枝部と、を有し、一対の前記走査線と一対の前記信号線で囲まれた第1開口部と、前記第1開口部から前記第2方向に間隔を置いて設けられた一対の前記走査線と一対の前記信号線で囲まれた第2開口部とを有し、前記第1枝部は、前記画素電極及び前記第1開口部に重なり、前記第2枝部は、前記第1開口部及び前記第2開口部の間の前記走査線に重なっている、表示装置。
【0006】
他の実施形態に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に位置する液晶層と、を備え、前記第1基板は、第1電極と、画素電極とを有し、前記第2基板は、遮光層を有し、前記第1電極は、第2方向に交差する第1方向に延出している軸部と、前記軸部から前記第1方向に延出している第1枝部及び第2枝部と、を有し、前記遮光層は、第1開口部と、前記第1開口部から前記第2方向に間隔を置いて設けられた第2開口部と、前記第2方向において前記第1開口部に対して前記第2開口部と反対側に間隔を置いて設けられた第3開口部とを有し、前記第1開口部は、前記第1枝部の一部と前記第2枝部の一部とに重なり、前記画素電極は、前記第1開口部に重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置DSPの概略的な構成の一例を示す斜視図である。
図2図2は、表示装置の概略的な等価回路の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る表示装置の一例を模式的に示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る表示装置の一例を模式的に示す断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図6図6は、図5に示した枝部BRの拡大図である。
図7図7は、変形例1の表示装置に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図8図8は、変形例2の表示装置に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図9図9は、変形例3の表示装置に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図10図10は、変形例4の表示装置に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図11図11は、変形例5の表示装置に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図12図12は、変形例6の表示装置に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図13図13は、変形例7の表示装置に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図14図14は、第2実施形態に係る第1基板の構成例を模式的に示す平面図である。
図15図15は、第3実施形態に係る表示装置の一例を模式的に示す断面図である。
図16図16は、第3実施形態に係る第2基板の構成例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
実施形態においては、電子機器の一例として表示装置を開示する。この表示装置は、例えば、VR(Virtual Reality)ビュアー、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器、及びウェアラブル端末等の種々の装置に用いることができる。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置DSPの概略的な構成の一例を示す斜視図である。第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、液晶表示装置(以下、単に、表示装置と称する)DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第1基板SUB1から第2基板SUB2に向かう方向を「上側」(あるいは、単に上)と称し、第2基板SUB2から第1基板SUB1に向かう方向を「下側」(あるいは、単に下)と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって観ることを平面視という。
【0011】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、表示パネルPNLに対向する照明装置BLと、表示パネルPNLを駆動するドライバIC4と、表示パネルPNL及び照明装置BLの動作を制御する制御モジュール5と、表示パネルPNL及び照明装置BLへ制御信号を伝達するフレキシブル回路基板FPC1、及びFPC2とを備えている。図1に示す例では、表示装置DSPの短辺は、第1方向Xに沿って延出し、表示装置DSPの長辺は、第2方向Yに沿って延出している。
【0012】
表示パネルPNLは、互いに対向する第1基板SUB1及び第2基板SUB2と、各基板SUB1及びSUB2の間に保持された表示機能層(本実施形態では、後述する液晶層LC)と、を備えている。表示パネルPNLは、表示領域DA及び非表示領域NDAを有している。表示領域DAは、画像を表示する領域である。表示領域DAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが対向する領域のほぼ中央に位置している。非表示領域NDAは、画像が表示されない領域であり、表示領域DAの外側に位置している。表示パネルPNLは、例えば、表示領域DAにおいて、X-Y平面にマトリクス状に並ぶ複数の画素PXを備えている。
【0013】
ドライバIC4は、非表示領域NDAに位置している。図1に示した例では、ドライバIC4は、第2基板SUB2の1つの基板側縁(又は、基板端部と称する場合もある)よりも外側に延出した第1基板SUB1の実装部MTに実装されている。なお、ドライバIC4は、フレキシブル回路基板FPC1に設けられていてもよい。
【0014】
図1に示した例では、フレキシブル回路基板FPC1は、表示パネルPNLと制御モジュール5とを電気的に接続している。例えば、フレキシブル回路基板FPC1は、第1基板SUB1の実装部MTに設けられた図示しない端子と制御モジュール5に設けられた図示しない端子とに電気的に接続されている。
【0015】
図1に示した例では、フレキシブル回路基板FPC2は、照明装置BLと制御モジュール5とを電気的に接続している。例えば、フレキシブル回路基板FP2は、照明装置BLに設けられた図示しない端子と制御モジュール5に設けられた図示しない端子とに電気的に接続されている。
【0016】
図2は、表示装置DSPの概略的な等価回路の一例を示す図である。表示装置DSPは、第1ドライバDR1と、第2ドライバDR2と、第1ドライバDR1に接続された複数の走査線Gと、第2ドライバDR2に接続された複数の信号線Sとを備えている。各走査線Gは、表示領域DAにおいて第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。各信号線Sは、表示領域DAにおいて第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並び、各走査線Gと交差している。
【0017】
画素PXは、複数の副画素SPを有している。本実施形態においては、1つの画素PXが赤色、緑色、青色をそれぞれ表示する副画素SPR、SPG、SPBを1つずつ含む場合を想定する。但し、画素PXは、白色を表示する副画素SPなどをさらに含んでもよいし、同一の色に対応する複数の副画素SPを含んでもよい。なお、副画素SPを単に画素SPと称する場合もある。
【0018】
図2において、副画素SPは、第1方向Xで隣り合う2本の走査線Gと第2方向Yで隣り合う2本の信号線Sによって区画される領域に相当する。各副画素SPは、スイッチング素子SW、画素電極PE、画素電極PEに対向する共通電極CE、及び液晶層LCなどを備えている。共通電極CEは、複数の副画素SPに亘って形成されている。共通電極CEには共通電位が印加される。スイッチング素子SWは、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G、信号線S、及び画素電極PEと接続されている。より具体的には、スイッチング素子SWは、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体層等を有している。例えば、ゲート電極は、走査線Gと電気的に接続され、ソース電極は、信号線Sと電気的に接続され、ドレイン電極は、画素電極PE及び半導体層と電気的に接続される。
【0019】
走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素SPの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素SPの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。例えば、共通電極CEと画素電極PEとの間には、保持容量が形成される。
【0020】
第1ドライバDR1は、各走査線Gに対して走査信号を順次供給する。第2ドライバDR2は、各信号線Sに対して映像信号を選択的に供給する。あるスイッチング素子SWに対応する走査線Gに走査信号が供給され、且つこのスイッチング素子SWに接続された信号線Sに映像信号が供給されると、この映像信号に応じた画素電位が画素電極PEに印加される。このとき画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって、液晶層LCの液晶分子の配向が電圧の印加されていない初期配向状態から変化する。このような動作により、表示領域DAに画像が表示される。
【0021】
図3は、本実施形態に係る表示装置DSPの一例を模式的に示す断面図である。図3では、1つの副画素SPのX方向に沿った概略的な断面を示している。
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁層(又は、誘電体層)11、12、13、14、信号線S、共通電極CE(共通電極CE1、共通電極CE2)、画素電極PE、及び配向膜AL1などを備えている。偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10の下に設けられている。
【0022】
絶縁基板10は、透明であり、一例ではホウケイ酸ガラス等のガラス製であるが、プラスチック等の樹脂製であってもよい。絶縁基板10は、第2基板SUB2と対向する主面10Aと、主面10Aの反対側の対向面10Bとを有している。
絶縁層11乃至14は、いずれも透明である。絶縁層11、13、14は、無機絶縁層であり、一例では、窒化ケイ素製あるいは酸化ケイ素製である。絶縁層12は、有機絶縁層であり、一例では、アクリル樹脂などの樹脂製である。絶縁層11は、絶縁基板10の上に位置し、絶縁基板10の主面10Aに接触している。信号線Sは、絶縁層11の上に位置し、絶縁層11に接触している。図3に示した例では、2つの信号線Sは、絶縁層11の上に位置し、第1方向Xに間隔を置いて配置されている。絶縁層12は、絶縁層11及び信号線Sの上に位置し、絶縁層11及び信号線Sに接触している。本実施形態では、信号線Sおよび走査線Gが遮光膜として機能し、信号線Sおよび走査線Gで囲まれた領域が実質的に画素表示に寄与する画素開口部(以下、単に、開口部と称する場合もある)PAとなる。
【0023】
共通電極CE1は、絶縁層12の上に位置し、絶縁層12に接触している。言い換えると、共通電極CE1は、絶縁層12及び絶縁層13の間に位置している。共通電極CE1は、複数の画素電極PEに亘って延在している。なお、共通電極CE1、一例では、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGO(indium gallium oxide)等の透明な導電材料製である。また、共通電極CE1は、表示に寄与する領域と重なる部分が透明であればよく、その他の部分については透明でない材料製であってもよい。絶縁層13は、共通電極CE1の上に位置し、共通電極CE1を覆っている。
【0024】
画素電極PEは、例えば、共通電極CE1と異なる電位を有している。画素電極PEは、透明な導電材料製である。例えば、画素電極PEは、共通電極CE1と同じ材料で形成されていてもよい。画素電極PEは、絶縁層13の上に位置し、絶縁層13に接触している。なお、画素電極PEは、表示に寄与する領域と重なる部分が透明であればよく、その他の部分については透明でない材料製であってもよい。絶縁層14は、絶縁層13及び画素電極PEの上に位置し、絶縁層13及び画素電極PEを覆っている。
【0025】
共通電極CE2は、絶縁層14の上に位置し、絶縁層14に接触している。共通電極CE2は、透明な導電材料製であり、例えば、共通電極CE1と同じ材料で形成されている。共通電極CE1と共通電極CE2とは、同電位であり、例えば、同じ共通電位が印加されている。図3に示した例では、画素電極PEは、共通電極CE1及び共通電極CE2の間に位置している。図示していないが、共通電極CE1と共通電極CE2とは、例えば、非表示領域NDAで電気的に接続されている。なお、共通電極CE2は、表示に寄与する領域と重なる部分が透明であればよく、その他の部分については透明でない材料製であってもよい。
配向膜AL1は、絶縁層14及び共通電極CE2を覆っている。配向膜AL1は、例えば、ポリイミド膜である。なお、第1基板SUB1において、各層の間には、前述した層以外の層が位置していてもよい。
【0026】
液晶層LCは、第1基板SUB1の上に位置している。液晶層LCは、正の誘電率異方性を有するポジ型であってもよいし、負の誘電率異方性を有するネガ型であってもよい。
第2基板SUB2は、液晶層LCの上に位置している。第2基板SUB2は、絶縁基板20、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、及び配向膜AL2などを備えている。なお、カラーフィルタCFは、第1基板SUB1に設けてもよい。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20の上に設けられている。偏光板PL1の吸収軸と偏光板PL2の吸収軸とは、平面視した場合に互いに直交するように設定されている。
【0027】
絶縁基板20は、透明であり、一例ではホウケイ酸ガラス等のガラス製であるが、プラスチック等の樹脂製であってもよい。絶縁基板20は、第1基板SUB1と対向する対向面20Aと、対向面20Aの反対側の主面20Bとを有している。
【0028】
カラーフィルタCFは、絶縁基板20の下に位置し、絶縁基板20を覆っている。カラーフィルタCFは、画素電極PEに対向している。カラーフィルタCFは、絶縁基板20の対向面20Aを覆っている。カラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、及び青色カラーフィルタなどを含む。また、カラーフィルタCFは、4色以上のカラーフィルタを含んでいてもよい。白色を表示する副画素SPには、白色のカラーフィルタが配置されてもよいし、無着色の樹脂材料が配置されてもよいし、カラーフィルタを配置せずにオーバーコート層OCを配置してもよい。
【0029】
オーバーコート層OCは、透明な有機絶縁層であり、一例ではアクリル樹脂などの樹脂製である。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFの下に位置し、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFの表面を平坦化する。
配向膜AL2は、オーバーコート層OCの下に位置し、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL2は、例えば、光配向性のポリイミド膜である。なお、第2基板SUB2において、各層の間には、前述した層以外の層が位置していてもよい。
【0030】
図4は、本実施形態に係る表示装置DSPの一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、主に図3に示した構成とは異なる構成について説明する。
第1基板SUB1は、コンタクトホールCH、及びスイッチング素子SWなどを備えている。コンタクトホールCHは、絶縁層11、12、及び13を貫通して形成され、共通電極CE1に形成された貫通孔CAを通っている。スイッチング素子SWは、絶縁基板10の主面10A側に設けられている。言い換えると、スイッチング素子SWは、絶縁基板10の上に位置している。図4に示した例では、スイッチング素子SWは、絶縁基板10及び絶縁層11の間に位置している。言い換えると、スイッチング素子SWは、絶縁基板10の上に位置し、絶縁層11により覆われている。スイッチング素子SWは、コンタクトホールCHを介して画素電極PEに電気的に接続されている。図4においては、走査線Gやスイッチング素子SWを省略している。さらに、図4においては、スイッチング素子SWを簡略化して示している。実際には、絶縁層11が複数の層を含み、スイッチング素子SWはこれらの層に形成された半導体層や各種電極を含む。
【0031】
図5は、本実施形態に係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図5には、第1基板SUB1の主要部を示している。図5には、複数の開口部PA(PA11、PA12、PA13、PA21、PA22、PA23、PA31、PA32、PA33…)を示している。図5において、開口部PA11、PA12、PA13、PA21、PA22、PA23、PA31、PA32、及びPA33は、同じ形状で、同じ大きさである。開口部PA11乃至PA13は、第2方向Yに等間隔に並んでいる。開口部PA21乃至PA23は、第2方向Yに等間隔で並んでいる。開口部PA31乃至PA33は、第2方向Yに等間隔で並んでいる。開口部PA11、21、及び31は、第1方向Xに等間隔で並んでいる。開口部PA12、22、及び32は、第1方向Xに等間隔で並んでいる。開口部PA13、23、及び33は、第1方向Yに等間隔で並んでいる。図5において、複数の開口部PAは、矩形状に形成されている。例えば、複数の開口部PAは、正方形であってもよい。なお、複数の開口部PAは、矩形状、例えば、正方形以外の形状であってもよい。開口部PAの第2方向の幅は、数μm、例えば、2~4μmである。以下、“所定の物質、物体、空間、又は領域の第1方向Xの幅”を“横幅”と称し、“所定の物質、物体、空間、又は領域の第2方向Yの幅”を“縦幅”と称する場合もある。図5に示した例では、開口部PA11は、境界PAS1と、境界PAS1から第1方向Xの矢印の先端側に位置する境界PAS2と、境界PAS1及びPAS2に交差する境界PAS3と、境界PAS3から第2方向Yの矢印の先端側に位置する境界PAS4とを有している。境界PAS1及び境界PAS2は、第1方向Xにおいて互いに対向している。境界PAS3及び境界PAS4は、第2方向Yにおいて互いに対向している。
【0032】
第1基板SUB1は、複数の信号線S(S1、S2、S3…)、複数の走査線G(G1、G2、G3、G4…)、画素電極PE(PE11、PE12、PE13、PE21、PE22、PE23、PE31、PE32、PE33…)、共通電極CE1、及び共通電極CE2などを備えている。
【0033】
複数の信号線S(S1乃至S3…)は、第2方向Yに延出している。図5に示した例では、複数の信号線S1乃至S3は、第2方向Yに直線状に延出しているが、屈曲していてもよい。複数の信号線S1乃至S3は、所定の間隔を置いて第1方向Xに並んでいる。複数の信号線Sは、例えば、チタン、アルミニウム、チタンの順に積層された3層積層膜、又は、アルミニウム、チタン、アルミニウムの順に積層された3層積層膜等である。
【0034】
複数のゲート線G(G1乃至G4…)は、第1方向Xに延出している。図5に示した例では、複数の走査線G1乃至G4は、第1方向Xに直線状に延出しているが、屈曲していてもよい。複数の走査線G1乃至G4は、所定の間隔を置いて第2方向Yに並んでいる。複数の走査線Gは、例えば、モリブデン-タングステン合金膜である。図5には、複数の信号線Sと複数の走査線Gとで区画された複数の副画素SP(SP11、SP12、SP13、SP21、SP22、SP23、SP31、SP32、SP33…)を示している。図5に示した例では、副画素SP11は、開口部PA11に対応し、副画素SP12は、開口部PA12に対応し、副画素SP13は、開口部PA13に対応している。副画素SP21は、開口部PA21に対応し、副画素SP22は、開口部PA22に対応し、副画素SP23は、開口部PA23に対応している。副画素SP31は、開口部PA31に対応し、副画素SP32は、開口部PA32に対応して、副画素SP33は、開口部PA33に対応している。第2方向Yにおける副画素のピッチは、数μm、例えば、7~9μmである。
【0035】
画素電極PE(PE11、PE12、PE13、PE21、PE22、PE23、PE31、PE32、PE33…)は、各副画素SP(SP11、SP12、SP13、SP21、SP22、SP23、SP31、SP32、SP33…)に配置されている。画素電極PEは、開口部PAに重なっている。図5に示した例では、画素電極PE11は、副画素SP11に配置されている。画素電極PE11は、開口部PA11に重なっている。画素電極PE12は、開口部PA12に重なっている。画素電極PE13は、開口部PA13に重なっている。画素電極PE21は、開口部PA21に重なっている。画素電極PE22は、開口部PA12に重なっている。画素電極PE22は、開口部PA22に重なっている。画素電極PE23は、開口部PA23に重なっている。画素電極PE31は、開口部PA31に重なっている。画素電極PE32は、開口部PA32に重なっている。画素電極PE33は、開口部PA33に重なっている。画素電極PE11、PE12、及びPE13は、第2方向Yに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE21、PE22、及びPE23は、第2方向Yに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE31、PE32、及びPE33は、第2方向Yに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE11、PE21、及びPE31は、第1方向Xに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE12、PE22、及びPE32は、第1方向Xに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE13、PE23、及びPE33は、第1方向Xに所定の間隔で並んでいる。図5に示した例では、画素電極PE11乃至13は、それぞれ、第1方向Xにおいて、信号線S1及びS2の間に位置している。なお、画素電極PE11乃至13の一部が、それぞれ、信号線S1及びS2の内の少なくとも一方に重なっていてもよい。画素電極PE21乃至23は、それぞれ、第1方向Xにおいて、信号線S2及びS3の間に位置している。なお、画素電極PE21乃至23の一部が、それぞれ、信号線S2及びS3の内の少なくとも一方に重なっていてもよい。画素電極PE11、PE21、及びPE31は、それぞれ、第2方向Yにおいて、走査線G1乃至走査線G2に亘って配置されている。画素電極PE11、PE21、及びPE31の一部は、それぞれ、走査線G1及びG2に重なっている。なお、画素電極PE11、PE21、及びPE31は、それぞれ、走査線G1及びG2の少なくとも一方に重なっていなくてもよい。画素電極PE12、PE22、及びPE32は、それぞれ、第2方向Yにおいて、走査線G1乃至走査線G2に亘って配置されている。画素電極PE12、PE22、及びPE32の一部は、それぞれ、走査線G2及びG3に重なっている。なお、画素電極PE12、PE22、及びPE32は、それぞれ、走査線G2及びG3の少なくとも一方に重なっていなくてもよい。画素電極PE13、PE23、及びPE33は、それぞれ、第2方向Yにおいて、走査線G1乃至走査線G2に亘って配置されている。画素電極PE13、PE23、及びPE33の一部は、それぞれ、走査線G3及びG4に重なっている。なお、画素電極PE13、PE23、及びPE33は、それぞれ、走査線G3及びG4の少なくとも一方に重なっていなくてもよい。
【0036】
画素電極PEは、スリット等を有していない矩形の平板形状である。なお、画素電極PEは、一例として、スリット等を有していない矩形の平板形状としたが、スリット等を有する形状であってもよいし、矩形状以外の形状であってもよい。図5に示した例では、画素電極PE11は、辺PES1と、第1方向Xにおいて辺PES1と反対側の辺PES2と、辺PES1及びPES2に交差する辺PES3と、第2方向Yにおいて辺PES3と反対側の辺PES4とを有している。辺PES1及び辺PES2は、互いに対向している。辺PES2は、辺PES1から第1方向Xの矢印の先端側に離間している。辺PES3及びPES4は、互いに対向している。辺PES4は、辺PES3から第2方向Yの矢印の先端側に離間している。図5に示した例では、第1方向Xにおいて、辺PES1は、境界PAS1に重なっている。第1方向Xにおいて、辺PES2は、境界PAS2よりも外側に位置している。言い換えると、画素電極PE11の横幅は、開口部PA11の横幅よりも大きい。第2方向Yにおいて、辺PES3は、境界PAS3よりも外側に位置し、辺PES4は、境界PAS4よりも外側に位置している。言い換えると、画素電極PE11の縦幅は、開口部PA11の縦幅よりも大きい。また、第2方向Yにおいて、画素電極PE11の辺PES3及びPES4の間の中心部は、開口部PA11の境界PAS3及びPAS4の間の中心部と重なっている。言い換えると、画素電極PE11の縦幅の中心部と開口部PA11の縦幅の中心部とは、重なっている。なお、画素電極PE11の縦幅の中心部と開口部PA11の縦幅の中心部とは、重なっていなくともよい。なお、説明の便宜上、画素電極PE11を用いて画素電極PEの構成について記載したが、画素電極PE11以外の画素電極PEにも画素電極PE11と同様の構成を適用できる。
【0037】
共通電極CE1は、複数の副画素SPに亘って配置されている。図5に示した例では、共通電極CE1は、X-Y平面に広がっている。言い換えると、共通電極CE1は、X-Y平面にベタ状に配置されている。共通電極CE1は、各副画素SPで各画素電極PEに重なっている。
【0038】
共通電極CE2は、複数の副画素SPに亘って配置されている。共通電極CE2は、複数の軸部AX(AX1、AX2、AX3…)と、枝部BR(BR11、BR12、BR13、BR14、BR15、BR21、BR22、BR23、BR24、BR25、BR31、B32、BR33、BR34、BR35…)とを有している。
【0039】
複数の軸部AXは、第2方向Yに延出している。図5に示した例では、複数の軸部AXは、第2方向Yに直線状に延出しているが、屈曲していてもよい。複数の軸部AXは、所定の間隔を置いて第1方向に並んでいる。言い換えると、第1方向Xで隣り合う2つの軸部の間には、スリットが形成されている。図5に示した例では、軸部AX1、AX2、及びAX3が、第1方向Xの矢印の先端に向かってこれらの順に所定の間隔を空けて配置されている。例えば、軸部AX1乃至AX3は、第1方向Xにおいて、等間隔で並んでいる。各軸部AXは、各信号線Sに重なっている。例えば、軸部AX1は、信号線S1に重なっている。軸部AX2は、信号線S2に重なっている。軸部AX3は、信号線S3に重なっている。例えば、軸部AXの横幅は、信号線Sの横幅よりも小さい。なお、複数の軸部AXは、例えば、非表示領域NDAにおいて電気的に接続されている。以下、“共通電極CE、画素電極PE、開口部PA、信号線S、及び走査線G等の表示装置DSPの部材に対する軸部AXの配置及び構成“を単に”軸部AXの構成“と称する場合がある。
【0040】
複数の枝部BRは、各軸部AXから第1方向Xに延出している。言い換えると、複数の枝部BRは、各軸部AXに接続し、各軸部AXから第1方向Xに延出している。また、各軸部AXにおいて、複数の枝部BRは、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。図5に示した例では、枝部BR11、BR12、BR13、BR14、及びBR15は、軸部AX1から第1方向Xの矢印の先端に向かって延出している。枝部BR11乃至BR15は、第1方向Xにおいて、軸部AX2から離間している。軸部AX1において、枝部BR11乃至BR15は、第2方向Yの矢印の先端に向かってこれらの順に間隔を置いて並んでいる。図5の軸部AX1において、奇数番目の枝部BR11、BR13、及びBR15は、それぞれ、開口部PA11、PA12、及びPA13に重なっている。言い換えると、奇数番目の枝部BR11、BR13、及びBR15は、それぞれ、副画素SP11、SP12、及びSP13に配置されている。また、図5の軸部AX1において、偶数番目の枝部BR12、及びBR14は、開口部PAに重なっていない。言い換えると、図5の軸部AX1において、偶数番目の枝部BR12、及びBR14は、それぞれ、走査線G2及びG3に重なっている。
【0041】
図5に示した例では、枝部BR21、BR22、BR23、BR24、及びBR25は、軸部AX2から第1方向Xの矢印の先端に向かって延出している。枝部BR21乃至BR25は、第1方向Xにおいて、軸部AX3から離間している。軸部AX2において、枝部BR21乃至BR25は、第2方向Yの矢印の先端に向かってこれらの順に間隔を置いて並んでいる。図5の軸部AX2において、奇数番目の枝部BR21、BR23、及びBR25は、それぞれ、開口部PA21、PA22、及びPA23に重なっている。言い換えると、奇数番目の枝部BR21、BR23、及びBR25は、それぞれ、副画素SP21、SP22、及びSP23に配置されている。図5の軸部AX2において、偶数番目の枝部BR22、及びBR24は、開口部PAに重なっていない。言い換えると、図5の軸部AX2において、偶数番目の枝部BR22、及びBR24は、それぞれ、走査線G2及びG3に重なっている。
【0042】
図5に示した例では、枝部BR31、BR32、BR33、BR34、及びBR35は、軸部AX3から第1方向Xの矢印の先端に向かって延出している。軸部AX3において、枝部BR31乃至BR35は、第2方向Yの矢印の先端に向かってこれらの順に間隔を置いて並んでいる。図5の軸部AX3において、奇数番目の枝部BR31、BR33、及びBR35は、それぞれ、開口部PA31、PA32、及びPA33に重なっている。言い換えると、枝部BR31、BR33、及びBR35は、それぞれ、副画素SP31、SP32、及びSP33に重なっている。枝部BR32、及びBR34は、開口部PAに重なっていない。言い換えると、枝部BR32、及びBR34は、それぞれ、走査線G2及びG3に重なっている。以下、“共通電極CE、画素電極PE、開口部PA、信号線S、及び走査線G等の表示装置DSPの部材に対する枝部BRの配置及び構成“を単に”枝部BRの構成“と称する場合がある。
【0043】
図5において、軸部AX1乃至AX3の構成は、同じである。奇数番目の枝部BR(BR11、BR13、BR15、BR21、BR23、BR25、BR31、BR33、及びBR35)は、開口部PA(PA11、PA13、PA15、PA21、PA23、PA25、PA31、PA33、及びPA35)同士の構成は、同じである。また、図5において、偶数番目の枝部BR(BR12、BR14、BR22、BR24、BR32、及びBR34)同士の構成は、同じである。つまり、図5に示すように、複数の枝部BRの構成は、2方向Yにおいて、交互に同じになる。言い換えると、第2方向Yで隣り合う2つの枝部BRの構成は、異なっている。なお、「同じ」、「同一」、及び「同等」とは、複数の対象となる物体、空間又は領域等の物理量、材料、又は構成(構造)等が全く同じであることはもちろん、実質的に同じであると見做せる程度にわずかに異なることも含む。
【0044】
以下で、所定の軸部AX、例えば、軸部AX1の奇数番目の少なくとも1つの枝部BR、例えば、枝部BR11と軸部AX2の偶数番目の少なくとも1つの枝部BR、例えば、枝部BR12とを用いて枝部BRの構成を説明するが、所定の奇数番目の枝部BR、例えば、枝部BR11以外の奇数番目の枝部BRにも所定の奇数番目の枝部BR、例えば、枝部BR11と同じ構成が適用できるし、所定の偶数番目の枝部BR、例えば、枝部BR12以外の偶数番目の枝部BRにも所定の偶数番目の枝部BR、例えば、枝部BR12と同じ構成が適用できる。また、所定の軸部AX、例えば、軸部AX1以外の他の軸部AXにも所定の軸部AX、例えば、軸部AX1同じ構成を適用することができる。
【0045】
図6は、図5に示した枝部BRの拡大図である。図6に示した例では、枝部BR11は、信号線S1及びS2と走査線G1及びG2とで区画された副画素SP11に配置されている。言い換えると、枝部BR11は、共通電極CE1と、画素電極PE11と、信号線S1及びS2と走査線G1及びG2とで包囲された開口部PA11とに重なっている。枝部BR11は、軸部AX1に接続された根本(下底)BT1から第1方向Xの矢印の先端側に位置する上底TBT1に向かって先細る台形状に形成されている。下底BT1及び上底TBT1は、第1方向Xにおいて互いに対向している。枝部BR11は、辺BS1と、辺BS2とを有している。図6では、辺BS1は、下底BT1の一端部から上底TBT1の一端部に延出し、辺BS2は、下底BT1の一端部と反対側の他端部から上底TBT1の一端部と反対側の他端部に延出している。辺BS1及び辺BS2は、第2方向Yにおいて互いに対向している。辺BS2は、辺BS1よりも第2方向Yの矢印の先端側に位置している。言い換えると、辺BS2は、辺BS1よりも枝部BR12側に位置している。例えば、辺BS1及びBS2の長さは、同じである。辺BS1及び辺BS2は、同じ角度で傾斜している。なお、辺BS1及びBS2は、異なる角度で傾斜していてもよい。
【0046】
図6に示した例では、枝部BR11の下底BT1は、画素電極PE11の辺PES1と開口部PA11の境界PAS1とに重なっている。なお、下底BT1は、辺PES11に重なっていなくともよいし、境界PAS1に重なっていなくともよい。上底TBT1は、画素電極PE11の辺PES2よりも軸部AX1側に位置している。言い換えると、上底TBT1は、辺PES2よりも内側に位置している。例えば、上底TBT1は、辺PES2よりも軸部AX1側に距離DT3で離間している。つまり、画素電極PE11は、枝部BR11の上底TBT1よりも第1方向Xの矢印の先端側に延出している。第1方向Xにおいて上底TBT1よりも画素電極PE11が外側にあることで、上底TBT1の近傍の液晶分子の配向安定性を高めることができる。上底TBT1は、開口部PA11の境界PAS2に重なっている。上底TBT1は、境界PAS2に重なっていなくともよい。辺BS1及びBS2は、第2方向Yにおいて、開口部PA11の内側に位置している。言い換えると、辺BS1及び辺BS2は、開口部PA11に重なっている。辺BS1及び辺BS2は、第2方向Yにおいて、開口部PA11の境界PAS3及び境界PAS4の間に位置している。辺BS2及び下底BT1の交点は、第2方向Yにおいて、境界PAS4から距離DT1で開口部PA11の内側に離間している。このとき、辺BS1及び下底BT1の交点は、第2方向Yにいて、境界PAS3から距離DT1で離間していてもよい。
【0047】
図6に示した例では、枝部BR12は、走査線G2に重なっている。枝部BR12は、画素電極PE11からPE12に亘って配置されている。枝部BR12の一部は、画素電極PE11及びPE12に重なっている。枝部BR12は、軸部AX1に接続された根本(下底)BT2から第1方向Xの矢印の先端側に位置する上底TBT2に向かって先細る台形状に形成されている。下底BT2及び上底TBT2は、第1方向Xにおいて互いに対向している。枝部BR12は、辺BS3と、辺BS4とを有している。図6では、辺BS3は、下底BT2の一端部から上底TBT2の一端部に延出し、辺BS4は、下底BT2の一端部と反対側の他端部から上底TBT2の一端部と反対側の他端部に延出している。辺BS3及び辺BS4は、第2方向Yにおいて互いに対向している。辺BS3は、辺BS4よりも第2方向Yの矢印の先端の方向と反対側に位置している。言い換えると、辺BS3は、辺BS4よりも枝部BR11側に位置している。辺BS3及びBS4は、同じ角度で傾斜している。なお、辺BS3及びBS4は、異なる角度で傾斜していてもよい。図5に示した例では、辺BS3は、画素電極PE11に重なっている。辺BS4は、画素電極PE12に重なっている。辺BS3及び下底BT2の交点は、第2方向Yにおいて、開口部PA11の境界PAS4よりも外側に位置している。辺BS3及び下底BT2の交点は、第2方向Yにおいて、境界PAS4から距離DT2で開口部PA11の外側に離間している。例えば、距離DT1及びDT2は、同じである。なお、距離DT1は、距離DT2よりも短くてもよい。例えば、一般的なFFSモードよりも応答速度の速い高速応答モードを実現する場合には、第2方向Yで隣り合う2つの枝部BRの間に生じ得る黒線が開口部PA内に入らないように、距離DT1及び距離DT2が同じ、又は距離DT1が距離DT2よりも短くなることが望ましい。
【0048】
表示装置DSPは、一般的なFFSモードよりも応答速度の速い高速応答モードを実現することができる。応答速度は、例えば、画素電極PE及び共通電極CEの間への電圧印加により液晶層LCの光の透過率を所定レベルの間で遷移させる際の速度として定義する。一般的に広く使用されているFFSモードにおいて、2つの電極間にフリンジ電界が形成された場合、液晶分子は全て同一の方向に回転する。しかし、高速応答モードにおける液晶分子の回転は、FFSモードの液晶分子の回転とは異なっている。図6に示した例では、画素電極PE11及び共通電極CE2に電圧が印加された場合、辺BS1及び下底BT1の交点から辺BS1及び上底TBT1の交点まで辺BS1の近傍の液晶分子LMは、第1回転方向R1に回転する。言い換えると、辺BS1の近傍において、根本BT1から上底TBT1までの液晶分子LMの回転方向が第1回転方向R1で揃う。画素電極PE11及び共通電極CE2に電圧が印加された場合、辺BS2及び下底BT1の交点から辺BS2及び上底TBT1の交点まで辺BS2の近傍の液晶分子LMは、第1回転方向R1と反対方向の第2回転方向R2に回転する。言い換えると、辺BS2の近傍において、根本BT1から上底TBT1までの液晶分子LMの回転方向が第2回転方向R2で揃う。画素電極PE11及び共通電極CE2に電圧が印加された場合、辺BS3及び下底BT2の交点から辺BS3及び上底TBT2の交点まで辺BS3の近傍の液晶分子LMは、第1回転方向R1に回転する。言い換えると、辺BS3の近傍において、根本BT2から上底TBT2までの液晶分子LMの回転方向が第1回転方向R1で揃う。なお、枝部BR11及びBR12の第2方向Yの中心部や、枝部BR11及びBR12の間の第2方向Yの中間部などでは、第1回転方向R1に回転する液晶分子LMと第2回転方向R2に回転する液晶分子LMとが拮抗する。そのため、第1回転方向R1に回転する液晶分子と第2回転方向R2に回転する液晶分子LMとが拮抗する領域では、液晶分子LMは、初期配向状態に維持され、ほとんど回転しない。このように高速応答モードでは、第2方向に各枝部BRの辺において、液晶分子LMの回転方向が交互に変わる。また、図6に示すように、枝部BR11において、辺BS1及びBS2が配向処理方向、例えば、第1方向Xに対して直角以外の角度で交差するために、画素電極PE11及び共通電極CE2に電圧を印加した場合に、生成される電界の方向が配向処理方向に対して直角以外の角度で交わるために、辺BS1及びBS2の各々で液晶分子の回転方向をほぼ一定にすることができる。そのため、画素電極及び共通電極CEに電圧が印加した際に液晶分子の回転方向のバラつきを抑えて配向安定性を高めることが可能となる。
【0049】
本実施形態によれば、表示装置DSPは、第1基板SUB1と、第1基板SUB2に対向する第2基板SUB2とを備えている。第1基板SUB1は、画素電極PE、共通電極CE1、共通電極CE2、及び信号線S及び走査線Gで囲まれた開口部PAを有している。共通電極CE2は、第2方向Yに延出している軸部AXと、軸部AXから第1方向に延出している複数の枝部BRとを有している。複数の枝部BRは、第2方向に所定の間隔を置いて並んでいる。複数の枝部BRの内の1つの枝部BRは、開口部PA、画素電極PE、及び共通電極CE1に重なっている。この開口部PA、画素電極PE、及び共通電極CE1の重なる枝部BRに第2方向Yで隣り合う枝部BRは、画素電極PE、及び走査線Gに重なっている。言い換えると、この枝部BRは、開口部PAに重なっていない。そのため、表示装置DSPは、高精細化、且つ応答速度を向上することができる。したがって、高品位な画像を表示することができる表示装置DSPを提供できる。
【0050】
次に、変形例や他の実施形態に係る表示装置DSPについて説明する。以下に説明する変形例や他の実施形態において、前述した第1実施形態の表示装置DSPと同一の部分には、同一の参照符号を付しその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1実施形態の表示装置DSPと異なる部分を中心に詳細に説明する。なお、他の実施形態においても、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例1)
第1実施形態の変形例1に係る表示装置DSPは、副画素SPの構成が第1実施形態の表示装置DSPと相違する。
図7は、変形例1の表示装置DSPに係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図7には、説明に必要な構成のみを示している。図7に示した画素電極PE11の構成は、図5に示した画素電極PE11を第1方向Xに距離DT4分ずらした構成に相当する。
【0051】
画素電極PEは、軸部AXから第1方向Xの矢印の先端側に離間している。図7に示した例では、画素電極PE11は、軸部AX1から軸部AX2側に距離DT4で離間している。また、画素電極PE11は、枝部BR11の上底TBT1から軸部AX2側に距離DT3で離間している。図7に示す枝部BR11の横幅は、図5に示す枝部BR11の横幅よりも長い。図7に示す枝部BR11の横幅は、図5に示す枝部BR11の横幅よりも距離DT4分長くなっている。また、図7に示す開口部PAの横幅は、図5に示す開口部PAの横幅よりも長い。例えば、図7に示す開口部PA11の横幅は、図5に示す開口部PA11の横幅よりも距離DT4分長くなっている。
このような変形例1においても、第1実施形態と同様の効果がある。加えて、変形例1では、開口部PAの横幅を長くすることができる。そのため、表示パネルPNLの光の透過率を向上することができる。
【0052】
(変形例2)
第1実施形態の変形例2に係る表示装置DSPは、枝部BRの構成が第1実施形態の表示装置DSPと相違する。
図8は、変形例2の表示装置DSPに係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図8には、説明に必要な構成のみを示している。
図8に示した例では、枝部BR11は、軸部AX1に接続された根本(底辺)BT1から第1方向の矢印の先端側に位置する頂点TP1に向かって先細る三角形状に形成されている。底辺BT1及び頂点TP1は、第1方向Xにおいて互いに対向している。図8では、辺BS1は、底辺BT1の一端部から頂点TP1に延出し、辺BS2は、底辺BT1の一端部と反対側の他端部から頂点TP1に延出している。頂点TP1は、画素電極PE11の辺PES2に重なっている。つまり、画素電極PE11は、第1方向Xにおいて、底辺BT1から頂点TP1に亘って配置されている。開口部PAの境界PAS2は、画素電極PE11の辺PES2に重なっている。つまり、図8に示す開口部PA11の横幅は、図5に示した開口部PAの横幅よりも長い。例えば、図8に示す開口部PA11の横幅は、図5に示した開口部PAの横幅よりも距離DT3分長くなっている。
【0053】
このような変形例2においても、第1実施形態と同様の効果がある。加えて、変形例2では、開口部PAの横幅を長くすることができる。そのため、表示パネルPNLの光の透過率を向上することができる。
【0054】
(変形例3)
第1実施形態の変形例3に係る表示装置DSPは、枝部BRの構成が第1実施形態の表示装置DSPと相違する。
図9は、変形例3の表示装置DSPに係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図9には、説明に必要な構成のみを示している。
図9に示した例では、辺BS1は、上底TBT1に垂直な直線に対して角度θ1で傾斜している。辺BS2は、上底TBT1に垂直な直線に対して角度θ2で傾斜している。角度θ1及びθ2は、例えば、0度よりも大きく、10度以下である。角度θ1及びθ2は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、上底TBT1は、画素電極PE11の辺PES2よりも軸部AX1側に距離DT5で離間している。一例では、θ1及びθ2が0度の場合、距離DT5は、0.5μmである。θ1及びθ2が5度の場合、距離DT5は、0.25μmである。また、θ1及びθ2が10度の場合、距離DT5は、0μmである。例えば、距離DT5は、距離DT3よりも短い。この場合、図9に示す枝部BR11の横幅、図5に示した枝部BR11の横幅よりも長い。また、図9に示す開口部PAの横幅は、図5に示した開口部PAの横幅よりも長い。
このような変形例3においても、第1実施形態と同様の効果がある。加えて、変形例3では、開口部PAの横幅を長くすることができる。そのため、表示パネルPNLの光の透過率を向上することができる。
【0055】
(変形例4)
第1実施形態の変形例4に係る表示装置DSPは、軸部AX及び枝部BRの構成が第1実施形態の表示装置DSPと相違する。
図10は、変形例4の表示装置DSPに係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図10には、説明に必要な構成のみを示している。
図10に示した例では、複数の信号線S4乃至S6は、所定の間隔を置いて第1方向Xに並んでいる。画素電極PE41は、開口部PA41に重なっている。画素電極PE42は、開口部PA42に重なっている。画素電極PE51は、開口部PA51に重なっている。画素電極PE52は、開口部PA52に重なっている。画素電極PE41及びPE42は、第2方向Yに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE51及びPE52は、第2方向Yに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE41及びPE51は、第1方向Xに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE41及びPE51は、第1方向Xにおいて、信号線S6に対して対称に配置されている。また、開口部PA41及びPA51は、第1方向Xにおいて、信号線6に対して対称に配置されている。画素電極PE42及びPE52は、第1方向Xに所定の間隔で並んでいる。画素電極PE42及びPE52は、第1方向Xにおいて、信号線S6に対して対称に配置されている。また、開口部PA42及びPA52は、第1方向Xにおいて、信号線S6に対して対称に配置されている。
【0056】
軸部AX4は、信号線S6に重なっている。奇数番目の枝部BR41、偶数番目の枝部BR42、及び奇数番目の枝部BR43は、軸部AX4から第1方向Xの矢印の先端に向かって延出している。枝部BR41、BR42、及びBR43は、第2方向Yの矢印の先端に向かって、これらの順に間隔を置いて並んでいる。奇数番目の枝部BR51、偶数番目の枝部BR52、及び奇数番目の枝部BR53は、それぞれ、第1方向Xにおいて、枝部BR41、枝部BR42、及び枝部BR43の反対方向に延出している。枝部BR51、枝部BR52、及び枝部BR53は、第2方向Yの矢印の先端に向かって、これらの順に間隔を置いて並んでいる。
【0057】
枝部BR41及び枝部BR43は、図5に示した枝部BR11の構成とほぼ同じである。枝部BR51は、軸部AX4の第1方向Xの中心軸CT4(以下、単に中心軸CT4と称する)に対して枝部BR41と対称に設けられている。枝部BR53は、軸部AX4の中心軸CT4に対して枝部BR43と対称に設けられている。枝部BR42は、図5に示した枝部BR12の構成とほぼ同じである。枝部BR52は、軸部AX4の中心軸CT4に対して枝部BR42と対称に設けられている。
このような変形例3においても、第1実施形態と同様の効果がある。
【0058】
(変形例5)
第1実施形態の変形例5に係る表示装置DSPは、枝部BRの構成が第1実施形態の表示装置DSPと相違する。
図11は、変形例5の表示装置DSPに係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図11には、説明に必要な構成のみを示している。図11に示した例では、開口部PA12は、境界PAS5と、境界PAS5から第1方向Xの矢印の先端側に位置する境界PAS6と、境界PAS5及びPAS6に交差する境界PAS7と、境界PAS7から第2方向Yの矢印の先端側に位置する境界PAS8とを有している。境界PAS5及び境界PAS6は、第1方向Xで互いに対向している。境界PAS7及び境界PAS8は、第2方向Yで互いに対向している。
【0059】
図11に示した例では、枝部BR12の一部は、画素電極PE11及びPE12に重なっている。枝部BR12は、軸部AX1に接続された根本(底辺)BT2から第1方向Xの矢印の先端側に位置する頂点TP2に向かって先細る三角形状に形成されている。底辺BT2及び頂点TP2は、第1方向Xにおいて互いに対向している。図11では、辺BS3は、底辺BT2の一端部から頂点TP2に延出し、辺BS4は、底辺BT2の一端部と反対側の他端部から頂点TP2に延出している。辺BS3及び辺BS4は、第2方向Yにおいて互いに対向している。辺BS3の一部は、画素電極PE11に重なっている。図11では、辺BS3の底辺BT2側の一部が、画素電極PE11に重なっている。辺BS4の一部は、画素電極PE12に重なっている。図11では、辺BS4の底辺BT2側の一部が、画素電極PE12に重なっている。辺BS4及び底辺BT2の交点は、第2方向Yにおいて、開口部PA12の境界PAS7よりも外側に位置している。辺BS4及び底辺BT2の交点は、第2方向Yにおいて、境界PAS7から距離DT6で開口部PA12の外側(枝部BR11側)に離間している。
【0060】
図11に示した例では、枝部BR13は、信号線S1及び信号線S2と走査線G2及び走査線G3とで区画された副画素SP12に配置されている。言い換えると、枝部BR13は、共通電極CE1と、画素電極PE12と、信号線S1及びS2と走査線G2及びG3とで包囲された開口部PA12とに重なっている。枝部BR13は、軸部AX1に接続された根本(底辺)BT3から第1方向Xの矢印の先端側に位置する頂点TP3に向かって先細る三角形状に形成されている。枝部BR13は、辺BS5と、辺BS6とを有している。図11では、辺BS5は、下底BT3の一端部から頂点TP3に延出し、辺BS6は、下底BT1の一端部と反対側の他端部から頂点TP3に延出している。辺BS5及び辺BS6は、対向している。辺BS6は、辺BS5よりも第2方向Yの矢印の先端側に位置している。言い換えると、辺BS5は、辺BS6よりも枝部BR12側に位置している。例えば、辺BS5の長さは、辺BS6の長さよりも長い。辺BS5及びBS6は、異なる角度で傾斜している。なお、辺BS5及びBS6は、同じ角度で傾斜していてもよい。
【0061】
図11に示した例では、枝部BR13の底辺BT3は、画素電極PE12の辺PES5と開口部PA12の境界PAS5とに重なっている。なお、底辺BT3は、辺PES5に重なってなくともよいし、境界PAS5に重なってなくともよい。頂点TP3は、開口部PA12の境界PAS6及び境界PAS8と画素電極PE12の辺PES6とに重なっている。なお、頂点TP3は、境界PAS6及び境界PAS8の少なくとも一方に重なっていなくてもよいし、辺PES6に重なっていなくともよい。辺BS5及び辺BS6は、画素電極PE12に重なっている。辺BS5は、第2方向Yにおいて、開口部PA12の内側に位置している。言い換えると、辺BS5は、開口部PA12に重なっている。辺BS5は、開口部PA12の境界PAS7及び境界PAS8の間において、境界PAS6及び境界PAS8の交点から境界PAS5まで延出している。辺BS5及び下底BT3の交点は、第2方向Yにおいて、境界PAS7から距離DT7で開口部PA12の内側に離間している。例えば、距離DT6及びDT7は、同じである。なお、距離DT7は、距離DT6よりも短くてもよい。辺BS6は、第2方向Yにおいて、開口部PA12の外側に位置している。言い換えると、辺BS6は、開口部PA12に重なっていない。辺BS6は、第2方向Yにおいて、開口部PA12の境界PAS8よりも外側に位置している。
【0062】
図11に示した例では、開口部PA12内に枝部BR13の辺BS5が位置するように、枝部BR13が設けられている。また、画素電極PE12及び共通電極CE2に電圧を印加した場合、第2方向Yにおいて、枝部BR12の辺BS4、枝部BR13の辺BS5、及び枝部BR13の辺BS6で交互に回転方向を変えることが可能であるため、変形例5の表示装置DSPは、高速応答モードを実現できる。
このような変形例5においても、第1実施形態と同様の効果がある。加えて、表示パネルPNLの光の透過率を向上することができる。
【0063】
(変形例6)
第1実施形態の変形例6に係る表示装置DSPは、枝部BRの構成が変形例5の表示装置DSPと相違する。
図12は、変形例6の表示装置DSPに係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図12には、説明に必要な構成のみを示している。
図12に示した例では、枝部BR13は、四角形状に形成されている。枝部BR13は、辺NC1と、辺BS5と、辺BS6とを有している。図12では、辺NC1の一端部は、下底BT3の一端部から第2方向Xの矢印の先端側に延出している。辺BS5は、辺NC1の一端部の反対側の他端部から頂点TP3に延出している。辺BS6は、下底BT1の一端部と反対側の他端部から頂点TP3に延出している。つまり、図12に示す枝部BR13の形状は、図11に示した枝部BR13の辺BS5の底辺BT3側を切り欠いた形状に相当する。
このような変形例6においても、変形例5と同様の効果がある。加えて、表示パネルPNLの光の透過率を向上することができる。
【0064】
(変形例7)
第1実施形態の変形例6に係る表示装置DSPは、枝部BRの構成が変形例5の表示装置DSPと相違する。
図13は、変形例7の表示装置DSPに係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図13には、説明に必要な構成のみを示している。
図13に示した例では、枝部BR12の辺BS4及び底辺BT2の交点は、第2方向Yにおいて、開口部PA12の境界PAS7に重なっている。枝部BR13の辺BS5及び下底BT3の交点は、開口部PA12の境界PAS7に重なっている。つまり、枝部BR12及びBR13は、第2方向Yにおいて、接している。図13に示した複数の枝部BRの構成は、図11に示した複数の枝部BRの構成において、距離DT6及びDT7が0(ゼロ)である場合に相当する。
このような変形例6においても、変形例5と同様の効果がある。
【0065】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る表示装置DSPは、枝部BRの構成が第1実施形態の表示装置DSPと相違する。
図14は、第2実施形態に係る第1基板SUB1の構成例を模式的に示す平面図である。図14には、説明に必要な構成のみを示している。
図14に示した例では、画素電極PE11の辺PES3及びPES4の間の中心部は、開口部PA11の境界PAS3及びPAS4の間の中心部に対して第2方向Yの矢印の先端側にずれている。言い換えると、画素電極PE11は、開口部PA11に対して第2方向Yの矢印の先端側にずれている。
【0066】
図14に示した例では、枝部BR11の一部は、画素電極PE11、及び開口部PA11などに重なっている。枝部BR11は、共通電極CE1に重なっている。枝部BR11は、軸部AX1に接続された根本(下底)BT1から第1方向Xの矢印の先端側に位置する上底TBT1に向かって先細る台形状に形成されている。図14では、辺BS1は、下底BT1の一端部から上底TBT1の一端部に延出し、辺BS2は、下底BT1の一端部と反対側の他端部から上底TBT1の一端部と反対側の他端部に延出している。例えば、辺BS1及びBS2の長さは、同じである。辺BS1及び辺BS2は、同じ角度で傾斜している。なお、辺BS1及び辺BS2は、異なる角度で傾斜していてもよい。
【0067】
図14に示した例では、枝部BR11の下底BT1の一部は、画素電極PE11の辺PES1と開口部PA11の境界PAS1とに重なっている。なお、下底BT1の一部は、辺PES1に重なっていなくともよいし、境界PAS1に重なっていなくともよい。上底TBT1は、画素電極PE11の辺PES2よりも軸部AX1側に位置している。言い換えると、上底TBT1は、辺PES2よりも内側に位置している。例えば、上底TBT1は、辺PES2よりも軸部AX1側に距離DT3で離間している。上底TBT1は、開口部PA11の境界PAS2に重なっていない。辺BS1は、第2方向Yにおいて、開口部PA11の外側に位置している。言い換えると、辺BS1は、開口部PA11に重なっていない。辺BS1は、開口部PA11の境界PAS3から第2方向Yの矢印の先端側と反対方向に位置している。辺BS2は、開口部PA11の内側に位置している。言い換えると、辺BS2は、開口部PA11に重なっている。辺BS2は、第2方向Yにおいて、開口部PA11の境界PAS3及びPAS4の間に位置している。
【0068】
図14に示した例では、枝部BR12の一部は、開口部PA11などに重なっている。枝部BR12は、共通電極CE1及び画素電極PE11などに重なっている。枝部BR12は、軸部AX1に接続された根本(底辺)BT2から第1方向Xの矢印の先端側に位置する頂点TP2に向かって先細る三角形状に形成されている。図14では、辺BS3は、底辺BT2の一端部から頂点TP2に延出し、辺BS4は、底辺BT2の一端部と反対側の他端部から頂点TP2に延出している。辺BS3及び辺BS4の長さは、例えば、同じである。なお、辺BS3及び辺BS4の長さは、異なっていてもよい。辺BS3及び辺BS4は、同じ角度で傾斜している。なお、辺BS3及び辺BS4は、異なる角度で傾斜していてもよい。
【0069】
図14に示した例では、枝部BR12の底辺BT2は、画素電極PE11の辺PES11に重なっている。なお、底辺BT2は、辺PES11に重なってなくともよい。枝部BR12の底辺BT12の一部は、開口部PA11の境界PAS11に重なっている。なお、底辺BT2は、境界PAS11に重なってなくともよい。頂点TP2は、開口部PA11の境界PAS2及び境界PAS4と画素電極PE11の辺PES2とに重なっている。つまり、図14に示した例では、枝部BR11の横幅は、枝部BR12の横幅よりも短い。また、画素電極PE11は、底辺BT2から頂点TP2に亘って配置されている。なお、頂点TP2は、境界PAS2及び境界PAS4の少なくとも一方に重なっていなくてもよいし、辺PES2に重なってなくともよい。辺BS3及びBS4は、画素電極PE11に重なっている。辺BS3は、第2方向Yにおいて、開口部PA11の内側に位置している。言い換えると、辺BS3は、開口部PA11に重なっている。辺BS3は、開口部PA11の境界PAS3及び境界PAS4の間において、境界PAS2及び境界PAS4の交点から境界PAS1まで延出している。位置している。辺BS4は、第2方向Yにおいて、開口部PA11の外側に位置している。言い換えると、辺BS4は、開口部PA11に重なっていない。辺BS4は、開口部PA11の境界PAS4から第2方向Yの矢印の先端側に位置している。
【0070】
図14に示した例では、開口部PA11が枝部BR11の一部と枝部BR12の一部とに重なるように、枝部BR11及びBR12が設けられている。また、画素電極PE11及び共通電極CE2に電圧を印加した場合、第2方向Yにおいて、枝部BR11の辺BS2、枝部BR12の辺BS3、及び枝部BR12の辺BS4で交互に回転方向を変えることが可能であるため、第2実施形態の表示装置DSPは、高速応答モードを実現できる。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果がある。加えて、表示パネルPNLの光の透過率を向上することができる。
【0071】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る表示装置DSPは、遮光層BMを備えている点が前述した第1実施形態、第2実施形態、変形例1乃至変形例7、及び第2実施形態の表示装置DSPと相違する。
図15は、第3実施形態に係る表示装置DSPの一例を模式的に示す断面図である。
第2基板SUB2は、遮光層BMなどをさらに備えている。遮光層BMは、絶縁基板20の下に位置し、絶縁基板20の対向面20Aに接触している。遮光層BMは、信号線Sおよび走査線Gの直上に位置している。遮光層BMは、副画素SPの境界に配置されている。第3実施形態では、このように配置された遮光層BMにより開口部PAが形成される。開口部PAは、画素電極PEに対向している。カラーフィルタCFは、絶縁基板20及び遮光層BMの下に位置し、絶縁基板20及び遮光層BMを覆っている。
【0072】
図16は、第3実施形態に係る第2基板SUB2の構成例を模式的に示す平面図である。なお、図16には、説明に必要な構成のみを示している。また、図16には、図5に示した第1基板SUB1の軸部AX、枝部BR、信号線S、及び走査線Gを示している。
【0073】
第2基板SUB2は、遮光層BM及びカラーフィルタCFを有している。
遮光層BMは、遮光性を有している。図16に示した例では、遮光層BMは、格子状に形成されている。なお。遮光層BMは、はしご状やストライプ状などの格子状以外の構成であってもよい。例えば、遮光層BMは、縦部分BMYと、横部分BMXとを備えている。縦部分BMYは、間隔をおいて第1方向Xに並び、第2方向Yに延出している。平面視した場合、縦部分BMYは、信号線S及び軸部AXに重なっている。縦部分BMYは、第1方向Xにほぼ一定の幅を有する帯状に形成されている。図16に示した例では、縦部分BMY1、BMY2、及びBMY3は、第1方向Xにほぼ同じ幅を有し、第1方向Xに等間隔で並んでいる。縦部分BMY1乃至BMY3は、それぞれ、信号線S1乃至S3及び軸部AX1乃至AX3に沿って第2方向Yに延出し、信号線S1乃至S3及び軸部AX1乃至AX3に重なっている。横部分BMXは、間隔をおいて第2方向Yに並び、第1方向Xに延出している。平面視した場合、横部分BMXは、走査線G及び偶数番目の枝部BRなどに重なっている。横部分BMXは、第2方向Yにほぼ一定の幅を有する帯状に形成されている。図6に示した例では、横部分BMX1、BMX2、BMX3、及びBMX4は、第2方向Yにほぼ同じ幅を有し、第2方向Yに等間隔で並んでいる。横部分BMX1乃至BMX4は、それぞれ、走査線G1乃至G4に沿って延出し、走査線G1乃至G4に重なっている。横部分BMX2は、偶数番目の枝部BR12、BR22、及びBR32に重なっている。横部分BMX3は、偶数番目の枝部BR14、BR24、及びBR34に重なっている。平面視した場合、縦部分BMYと横部分BMXとは、交差している。図6に示した例では、縦部分BMYと横部分BMXとは、十字状に交差している。なお、縦部分BMYと横部分BMXとは、T字状、又はY字状に交差していてもよい。
【0074】
遮光層BMは、複数の開口部PAを有している。複数の開口部PAは、遮光層BMによって区画され表示に寄与する領域である。複数の開口部PAは、X―Y平面でマトリクス状に並んでいる。図16に示した例では、開口部PA11、PA12、PA13、PA21、PA22、PA23、PA31、PA32、及びPA33が、マトリクス状に並んでいる。図16において、開口部PA11、PA12、PA13、PA21、PA22、PA23、PA31、PA32、及びPA33は、同じ形状で、同じ大きさである。開口部PA11乃至PA13は、第2方向Yに等間隔に並んでいる。開口部PA21乃至PA23は、第2方向Yに等間隔で並んでいる。開口部PA31乃至PA33は、第2方向Yに等間隔で並んでいる。開口部PA11、21、及び31は、第1方向Xに等間隔で並んでいる。開口部PA12、22、及び32は、第1方向Xに等間隔で並んでいる。開口部PA13、23、及び33は、第1方向Yに等間隔で並んでいる。図16に示した例では、開口部PA11は、枝部BR11に重なり、開口部PA11及びPA12の間の遮光層BM(横部分BMX2)は、枝部BR12に重なっている。
【0075】
カラーフィルタCFは、開口部PAと重なっている。図16に示した例では、カラーフィルタCFは、カラーフィルタCF11、CF12、CF13、CF21、CF22、CF23、CF31、CF32、及びCF33を含む。カラーフィルタCF11は、開口部PA11に重なっている。カラーフィルタCF12は、開口部PA12に重なっている。カラーフィルタCF13は、開口部PA13に重なっている。カラーフィルタCF21は、開口部PA21に重なっている。カラーフィルタCF22は、開口部PA22に重なっている。カラーフィルタCF23は、開口部PA23に重なっている。カラーフィルタCF31は、開口部PA31に重なっている。カラーフィルタCF32は、開口部PA32に重なっている。カラーフィルタCF33は、開口部PA33に重なっている。
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果がある。
【0076】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル BL…照明装置
SUB1…第1基板 SUB2…第2基板
10…絶縁基板 20…絶縁基板 DA…表示領域 NDA…非表示領域
PE…画素電極 S…信号線 G…走査線
CE、CE1、CE2…共通電極。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16