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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/00 20060101AFI20231128BHJP
   B62J 45/40 20200101ALI20231128BHJP
【FI】
B62K25/00
B62J45/40
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019188893
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021062775
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】原 宣功
(72)【発明者】
【氏名】白井 豊土
(72)【発明者】
【氏名】水谷 祐太
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】実開平1-73481(JP,U)
【文献】実開昭57-151188(JP,U)
【文献】特開平2-81784(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0012317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/00- 27/16
B62J 45/40
B60G 1/00- 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車のフロントサスペンションにおいて、前記フロントサスペンションの全長または搭乗者による荷重を受けるための流体を含むフロントチャンバの容積と、前記人力駆動車のリアサスペンションにおいて、前記リアサスペンションの全長または前記搭乗者による荷重を受けるための流体を含むリアチャンバの容積と、を調整する調整装置を制御する人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の走行に関する走行情報に基づいて、前記フロントサスペンションの全長または前記フロントチャンバの容積が変化するように前記調整装置を制御するフロント制御信号と、前記リアサスペンションの全長または前記リアチャンバの容積が変化するように前記調整装置を制御するリア制御信号と、を前記調整装置に出力する制御部、を備え、
前記走行情報は、前輪支持軸における荷重、後輪支持軸における荷重、および、入力される踏力の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項2】
前記フロント制御信号は、前記フロントサスペンションの全長を第1フロント長さに設定する第1フロント全長制御信号と、前記フロントサスペンションの全長を前記第1フロント長さよりも長い第2フロント長さに設定する第2フロント全長制御信号と、を含み、
前記リア制御信号は、前記リアサスペンションの全長を第1リア長さに設定する第1リア全長制御信号と、前記リアサスペンションの全長を前記第1リア長さよりも長い第2リア長さに設定する第2リア全長制御信号と、を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント全長制御信号と、前記第2リア全長制御信号の両方を前記調整装置に出力する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント全長制御信号を前記調整装置に出力する、請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
記フロント制御信号は、前記フロントチャンバの容積を第1フロント容積に設定する第1フロント容積制御信号と、前記フロントチャンバの容積を前記第1フロント容積よりも大きい第2フロント容積に設定する第2フロント容積制御信号と、を含み、
前記リア制御信号は、前記リアチャンバの容積を第1リア容積に設定する第1リア容積制御信号と、前記リアチャンバの容積を前記第1リア容積よりも大きい第2リア容積に設定する第2リア容積制御信号と、を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント容積制御信号と、前記第2リア容積制御信号の両方を前記調整装置に出力する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント容積制御信号を出力する、請求項5または6に記載の制御装置。
【請求項8】
人力駆動車のリアサスペンションにおいて、前記リアサスペンションの全長または搭乗者による荷重を受けるための流体を含むリアチャンバの容積を調整する調整装置を制御する人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の走行に関する走行情報に基づいて、前記リアサスペンションの全長または前記リアチャンバの容積が変化するように前記調整装置を制御するリア制御信号を出力する制御部、を備え、
前記走行情報は、前輪支持軸における荷重、後輪支持軸における荷重、および、入力される踏力の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項9】
前記リア制御信号は、前記リアサスペンションの全長を第1リア長さに設定する第1リア全長制御信号と、前記リアサスペンションの全長を前記第1リア長さよりも長い第2リア長さに設定する第2リア全長制御信号と、を含む、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第2リア全長制御信号を前記調整装置に出力する、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
記リア制御信号は、前記リアチャンバの容積を第1容積に設定する第1リア容積制御信号と、前記リアチャンバの容積を前記第1容積よりも大きい第2容積に設定する第2リア容積制御信号と、を含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第2リア容積制御信号を前記調整装置に出力する、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記走行情報は、前記人力駆動車のピッチ方向における角度と、前輪支持軸における荷重、後輪支持軸における荷重、入力される踏力、走行速度、および、搭乗者の着座状態の少なくとも1つを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
人力駆動車のフロントサスペンションにおいて、前記フロントサスペンションの全長または搭乗者による荷重を受けるための流体を含むフロントチャンバの容積を調整する調整装置を制御する人力駆動車用の制御装置であって、
搭乗者の着座状態に関する情報およびシート高さに関する情報を除く、前記人力駆動車の走行に関する走行情報に基づいて、前記フロントサスペンションの高さを調整するフロント制御信号を出力する制御部、を備え、
前記走行情報は、前輪支持軸における荷重、後輪支持軸における荷重、および、入力される踏力の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項15】
前記フロント制御信号は、前記フロントサスペンションの全長を第1フロント長さに設定する第1フロント全長制御信号と、前記フロントサスペンションの全長を前記第1フロント長さよりも長い第2フロント長さに設定する第2フロント全長制御信号と、を含む、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント全長制御信号を前記調整装置に出力する、請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント全長制御信号を前記調整装置に出力する、請求項15または16に記載の制御装置。
【請求項18】
記フロント制御信号は、前記フロントチャンバの容積を第1容積に設定する第1フロント容積制御信号と、前記フロントチャンバの容積を前記第1容積よりも大きい第2容積に設定する第2フロント容積制御信号と、を含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント容積制御信号を前記調整装置に出力する、請求項18に記載の制御装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント容積制御信号を前記調整装置に出力する、請求項18または19に記載の制御装置。
【請求項21】
前記走行情報は、前記人力駆動車のピッチ方向における角度、および、走行速度の少なくとも1つを含む、請求項14から20のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車のコンポーネントを制御する制御装置が知られている。特許文献1は、人力駆動車のサスペンションを制御する制御装置の構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8251376号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ユーザビリティが向上した人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車のフロントサスペンションにおいて、搭乗者が乗車した状態におけるフロント初期沈み込み量と、前記人力駆動車のリアサスペンションにおいて、前記搭乗者が乗車した状態におけるリア初期沈み込み量と、を調整する調整装置を制御する人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車の走行に関する走行情報に基づいて、前記人力駆動車のフロントサスペンションの前記フロント初期沈み込み量を調整するフロント制御信号と、前記人力駆動車のリアサスペンションの前記リア初期沈み込み量を調整するリア制御信号と、を前記調整装置に出力する制御部を備える。
上記第1側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行に関する走行情報に基づくフロント制御信号およびリア制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記フロント制御信号は、前記フロントサスペンションの全長を第1フロント長さに設定する第1フロント全長制御信号と、前記フロントサスペンションの全長を前記第1フロント長さよりも長い第2フロント長さに設定する第2フロント全長制御信号と、を含み、前記リア制御信号は、前記リアサスペンションの全長を第1リア長さに設定する第1リア全長制御信号と、前記リアサスペンションの全長を前記第1リア長さよりも長い第2リア長さに設定する第2リア全長制御信号と、を含む。
上記第2側面の制御装置によれば、人力駆動車が走行する際に、フロントサスペンションおよびリアサスペンションの全長を好適に調整するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント全長制御信号と、前記第2リア全長制御信号の両方を前記調整装置に出力する。
上記第3側面の制御装置によれば、人力駆動車が上り坂を走行する際に、フロントサスペンションおよびリアサスペンションの全長が上り坂の走行に適した長さになるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0008】
前記第2または第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント全長制御信号を前記調整装置に出力する。
上記第4側面の制御装置によれば、人力駆動車が下り坂を走行する際に、フロントサスペンションの全長が、下り坂の走行に適した長さになるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0009】
前記第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記フロントサスペンションは、前記搭乗者による荷重を受けるための流体を含むフロントチャンバを備え、前記リアサスペンションは、前記搭乗者による荷重を受けるための流体を含むリアチャンバを備え、前記フロント制御信号は、前記フロントチャンバの容積を第1フロント容積に設定する第1フロント容積制御信号と、前記フロントチャンバの容積を前記第1フロント容積よりも大きい第2フロント容積に設定する第2フロント容積制御信号と、を含み、前記リア制御信号は、前記リアチャンバの容積を第1リア容積に設定する第1リア容積制御信号と、前記リアチャンバの容積を前記第1リア容積よりも大きい第2リア容積に設定する第2リア容積制御信号と、を含む。
上記第5側面の制御装置によれば、人力駆動車が走行する際に、フロントサスペンションおよびリアサスペンションのチャンバの容積を好適に制御するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0010】
前記第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント容積制御信号と、前記第2リア容積制御信号の両方を前記調整装置に出力する。
上記第6側面の制御装置によれば、人力駆動車が上り坂を走行する際に、フロントチャンバおよびリアチャンバの容積が、上り坂の走行に適した容積になるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0011】
前記第5または第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント容積制御信号を出力する。
上記第7側面の制御装置によれば、人力駆動車が下り坂を走行する際に、フロントチャンバの容積が下り坂の走行に適した容積になるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0012】
本発明の第8側面に従う制御装置は、人力駆動車のリアサスペンションにおいて、搭乗者が乗車した状態におけるリア初期沈み込み量を調整する調整装置を制御する人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車の走行に関する走行情報に基づいて、前記人力駆動車のリアサスペンションのリア初期沈み込み量を調整するリア制御信号を出力する制御部、を備える。
上記第8側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行に関する走行情報に基づくリア制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0013】
前記第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記リア制御信号は、前記リアサスペンションの全長を第1リア長さに設定する第1リア全長制御信号と、前記リアサスペンションの全長を前記第1リア長さよりも長い第2リア長さに設定する第2リア全長制御信号と、を含む。
上記第9側面の制御装置によれば、人力駆動車が走行する際に、リアサスペンションの全長を好適に調整するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0014】
前記第9側面に従う第10側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第2リア全長制御信号を前記調整装置に出力する。
上記第10側面の制御装置によれば、人力駆動車が上り坂を走行する際に、リアサスペンションの全長が上り坂の走行に適した長さになるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0015】
前記第8から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記リアサスペンションは、前記搭乗者による荷重を受けるための流体を含むリアチャンバを備え、前記リア制御信号は、前記リアチャンバの容積を第1容積に設定する第1リア容積制御信号と、前記リアチャンバの容積を前記第1容積よりも大きい第2容積に設定する第2リア容積制御信号と、を含む。
上記第11側面の制御装置によれば、人力駆動車が走行する際に、リアチャンバの容積を好適に調整するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0016】
前記第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第2リア容積制御信号を前記調整装置に出力する。
上記第12側面の制御装置によれば、人力駆動車が上り坂を走行する際に、リアチャンバの容積が上り坂の走行に適した容積になるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0017】
前記第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の制御装置において、前記走行情報は、前記人力駆動車のピッチ方向における角度と、前輪支持軸における荷重、後輪支持軸における荷重、入力される踏力、走行速度、および、搭乗者の着座状態の少なくとも1つを含む。
上記第13側面の制御装置によれば、適切な走行情報に応じて、人力駆動車のフロントサスペンションおよび/またはリアサスペンションを調整するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0018】
本発明の第14側面に従う制御装置は、人力駆動車のフロントサスペンションにおいて、搭乗者が乗車した状態におけるフロント初期沈み込み量を調整する調整装置を制御する人力駆動車用の制御装置であって、搭乗者の着座状態に関する情報およびシート高さに関する情報を除く、前記人力駆動車の走行に関する走行情報に基づいて、前記人力駆動車のフロントサスペンションの高さを調整するフロント制御信号を出力する制御部、を備える制御装置。
上記第14側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行に関する走行情報に基づくフロント制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0019】
前記第14側面に従う第15側面の制御装置において、前記フロント制御信号は、前記フロントサスペンションの全長を第1フロント長さに設定する第1フロント全長制御信号と、前記フロントサスペンションの全長を前記第1フロント長さよりも長い第2フロント長さに設定する第2フロント全長制御信号と、を含む。
上記第15側面の制御装置によれば、人力駆動車が走行する際に、フロントサスペンションの全長を好適に調整するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0020】
前記第15側面に従う第16側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント全長制御信号を前記調整装置に出力する。
上記第16側面の制御装置によれば、人力駆動車が上り坂を走行する際に、フロントサスペンションの全長が上り坂の走行に適した長さになるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0021】
前記第15または第16側面に従う第17側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント全長制御信号を前記調整装置に出力する。
上記第17側面の制御装置によれば、人力駆動車が下り坂を走行する際に、リアサスペンションの全長が下り坂の走行に適した長さになるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0022】
前記第14から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記フロントサスペンションは、搭乗者による荷重を受けるための流体を含むフロントチャンバを備え、前記フロント制御信号は、前記フロントチャンバの容積を第1容積に設定する第1フロント容積制御信号と、前記フロントチャンバの容積を前記第1容積よりも大きい第2容積に設定する第2フロント容積制御信号と、を含む。
上記第18側面の制御装置によれば、人力駆動車が走行する際に、フロントチャンバの容積を好適に調整するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0023】
前記第18側面に従う第19側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が上り坂を走行中であると判断した場合、前記第1フロント容積制御信号を前記調整装置に出力する。
上記第19側面の制御装置によれば、人力駆動車が上り坂を走行する際に、フロントサスチャンバの容積が上り坂の走行に適した容積になるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0024】
前記第18または第19側面に従う第20側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行情報に基づいて前記人力駆動車が下り坂を走行中であると判断した場合、前記第2フロント容積制御信号を前記調整装置に出力する。
上記第20側面の制御装置によれば、人力駆動車が下り坂を走行する際に、フロントサスチャンバの容積が下り坂の走行に適した容積になるような制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【0025】
前記第14から第20側面のいずれか1つに従う第21側面の制御装置において、前記走行情報は、前記人力駆動車のピッチ方向における角度と、前輪支持軸における荷重、後輪支持軸における荷重、入力される踏力、および、走行速度の少なくとも1つを含む。
上記第21側面の制御装置によれば、適切な走行情報に応じて、人力駆動車のフロントサスペンションを調整するための制御信号が出力される。このため、人力駆動車のユーザビリティが向上する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の制御装置によれば、人力駆動車のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態の制御装置を含む人力駆動車の側面図。
図2図1の制御装置の構成を示すブロック図。
図3図1のフロントサスペンションの部分拡大図。
図4図1リアサスペンションの部分拡大図。
図5】サスペンションの構造を示す部分断面図。
図6】第1実施形態の制御部が実行する制御の一例を示すフローチャート。
図7】第2実施形態の制御部が実行する制御の一例を示すフローチャート。
図8】第3実施形態の制御部が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1実施形態>
図1から図5を参照して、人力駆動車用の制御装置50が搭載される人力駆動車10について説明する。なお、以下では人力駆動車用の制御装置50を単に制御装置50と記載する場合がある。図1に示される人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車、ならびに、電動自転車(E-bike)を含む。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車も含む。電動自転車は、電気モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0029】
人力駆動車10は、車輪12を含む。車輪12は、前輪12Aと後輪12Bと、を含む。人力駆動車10は、クランクアセンブリ14をさらに備える。人力駆動車10は、フレーム16と、フレーム16に対して相対移動可能なスイングアーム17と、をさらに備える。クランクアセンブリ14には、人力駆動力が入力される。クランクアセンブリ14は、フレーム16に対して回転可能なクランク軸14Aと、クランク軸14Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられるクランクアーム14Bとを含む。各クランクアーム14Bには、ペダル18がそれぞれ連結される。本実施形態では、後輪12Bが、駆動輪である。後輪12Bは、クランクアセンブリ14が回転することによって駆動される。駆動輪は、スイングアーム17によって支持される。クランクアセンブリ14と後輪12Bとは、駆動機構20によって連結される。駆動機構20は、クランク軸14Aに結合される第1回転体22を含む。クランク軸14Aと第1回転体22とは、第1ワンウェイクラッチを介して結合されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランクアセンブリ14が前転した場合に、第1回転体22を前転させ、クランクアセンブリ14が後転した場合に、クランクアセンブリ14と第1回転体22との相対回転を許容するように構成される。第1回転体22は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構20は、第2回転体24と、連結部材26とをさらに含む。連結部材26は、第1回転体22の回転力を第2回転体24に伝達するように構成される。連結部材26は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0030】
第2回転体24は、駆動輪に連結される。第2回転体24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体24と駆動輪との間には、好ましくは、第2ワンウェイクラッチが設けられる。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体24が前転した場合に、駆動輪を前転させ、第2回転体24が後転した場合に、第2回転体24と駆動輪との相対回転を許容するように構成される。
【0031】
フロントフォーク28は、回転可能にフレーム16に取り付けられる。前輪12Aは、フロントフォーク28に支持される。フロントフォーク28には、ハンドルバー30がステム32を介して連結されている。なお、前輪12Aが駆動輪であってもよく、前輪12Aおよび後輪12Bの両方が駆動輪であってもよい。
【0032】
人力駆動車10は、電力供給装置34を含む。電力供給装置34は、1または複数のバッテリセルを含む。電力供給装置34は、制御装置50およびコンポーネント36に電力を供給するように構成される。電力供給装置34は、好ましくは、制御装置50と有線通信または無線通信によって通信可能に接続される。有線通信の一例は、電力線通信(PLC;power line communication)である。
【0033】
人力駆動車10は、コンポーネント36をさらに備える。コンポーネント36は、変速装置38、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータを含むドライブユニット40、アジャスタブルシートポスト42、および、サスペンション44の少なくとも1つを含む。本実施形態では、コンポーネント36は、変速装置38、ドライブユニット40、アジャスタブルシートポスト42、および、サスペンション44を含む。
【0034】
変速装置38は、クランク軸14Aの回転速度に対する駆動輪(後輪12B)の回転速度の変速比率を変更するように構成される。変速装置38は、好ましくは、変速比率を段階的に変更するように構成される。変速装置38は、例えば、内装ハブ変速装置および外装変速装置の少なくとも1つを含む。変速装置38は、例えば、ドライブユニット40のハウジング内に設けられてもよい。
【0035】
ドライブユニット40は、アクチュエータを含む。アクチュエータは、電気モータを含む。電気モータは、例えば、ブラシレスモータを含む。アクチュエータは、ペダル18から駆動輪、すなわち後輪12Bまでの人力駆動力の動力伝達経路、または、非駆動輪、すなわち前輪12Aに回転を伝達するように設けられる。本実施形態において、アクチュエータは、第1回転体22に回転を伝達するように設けられる。
【0036】
後輪12Bのハブにアクチュエータを設けてもよい。この場合、アクチュエータは、連結部材26を介さず、後輪12Bに直接的に回転を伝達する。前輪12Aのハブにアクチュエータを設けてもよい。この場合、アクチュエータは、前輪12Aに直接的に回転を伝達する。すなわち、アクチュエータは、後輪12Bおよび前輪12Aの少なくとも1つを直接または間接的に駆動できるように構成されていれば、どのような構成であってもよい。ドライブユニット40は、ハウジング内に設けられる減速機をさらに備える。アクチュエータは、減速機を介して、ペダル18から後輪12Bまでの人力駆動力の動力伝達経路、および、前輪12Aの少なくとも1つに回転を伝達する。
【0037】
アジャスタブルシートポスト42は、シートチューブ16Aに設けられ、シートの高さを変更するように構成される。アジャスタブルシートポスト42は、電気式シートポストおよび機械式シートポストを含む。電気式シートポストは、電動アクチュエータの力でシートポストが伸縮するように構成される。機械式シートポストは、電動アクチュエータの力でバルブを制御することによって、シートポストがばねおよび空気の少なくとも1つの力で伸び、人力を加えることによって縮むように構成される。機械式シートポストは、油圧式シートポスト、または、油圧および空気圧式シートポストを含む。
【0038】
サスペンション44は、フロントサスペンション46およびリアサスペンション48の少なくとも1つを含む。サスペンション44は、車輪に加えられる衝撃を吸収するスプリング構造と、スプリング構造の振動を減衰させるダンパー構造と、を備える。ダンパー構造については、既知の構造をサスペンション44に適用することができるため、詳細な説明を省略する。以下、サスペンション44のスプリング構造について説明する。図3から図5に示されるサスペンション44は、第1部材44Aと、第1部材44Aに嵌め込まれて第1部材44Aと相対移動可能な第2部材44Bとを含む。
【0039】
フロントサスペンション46は、人力駆動車10のフレーム16と前輪12Aとの間に設けられるように構成される。より具体的には、フロントサスペンション46は、フロントフォーク28に設けられる。フロントサスペンション46は、搭乗者による荷重を受けるための流体を含むフロントチャンバ46Cを備える。フロントサスペンション46は、前輪12Aに加えられる衝撃を吸収する。本実施形態において、流体は空気である。
【0040】
リアサスペンション48は、フレーム16と後輪12Bとの間に設けられるように構成される。より具体的には、リアサスペンション48は、フレーム16とスイングアーム17との間に設けられる。リアサスペンション48は、搭乗者による荷重を受けるための流体を含むリアチャンバ48Cを備える。リアサスペンション48は、後輪12Bに加えられる衝撃を吸収する。本実施形態において、流体は空気である。
【0041】
本実施形態において、制御装置50は、人力駆動車10のフロントサスペンション46において、搭乗者が乗車した状態におけるフロント初期沈み込み量と、人力駆動車10のリアサスペンション48において、搭乗者が乗車した状態におけるリア初期沈み込み量と、を調整する調整装置60を制御する。制御装置50は、調整装置60を有線または無線通信により制御する。制御装置50は、制御部52および記憶部54を備える。制御部52は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部52は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。記憶部54は、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部54は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えばROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random access memory)を含む。
【0042】
本実施形態において、調整装置60は、人力駆動車10のフロントサスペンション46において、搭乗者が乗車した状態におけるフロント初期沈み込み量を調整するフロント調整装置60Aと、人力駆動車10のリアサスペンション48において、搭乗者が乗車した状態におけるリア初期沈み込み量を調整するリア調整装置60Bと、を備える。調整装置60は、1つまたは複数で構成される。別の例では、調整装置60は、フロントサスペンション46およびリアサスペンション48の両方を、単一の調整装置60で調節するように構成されていてもよい。
【0043】
調整装置60は、サスペンション44の初期沈み込み量を、種々の調整手段で調節することができる。第1例では、調整装置60は、サスペンション44の全長を変更することで、サスペンション44の初期沈み込み量を調整できるように構成される。調整装置60は、チャンバ44Cと流体的に接続されるチャンバ44Dとの間の流路RAに設けられるバルブ61と、バルブ61を開閉するアクチュエータ62と、を備えるように構成される。アクチュエータ62は、電気モータを含む。第2例では、調整装置60は、チャンバ44Cの容積を変更することで、サスペンション44の初期沈み込み量を調整できるように構成される。チャンバ44Cは第1室44C1と、第1室44C1と流体的に接続される第2室44C2を含み、調整装置60は、第1室44C1と第2室44C2の間の流路RBに設けられるバルブ63と、バルブ63を開閉するアクチュエータ64と、を備えるように構成される。アクチュエータ64は、電気モータを含む。第3例では、第1例および第2例の調節手段の両方を備える。本実施形態では、第3例の調節手段を備える。
【0044】
本実施形態において、調整装置60は、フロントサスペンション46のフロント初期沈み込み量を調整するフロント調整装置60Aを含む。フロント調整装置60Aは、フロントチャンバ46Cと流体的に接続されるチャンバ46Dとの間の流路RA1に設けられるバルブ61Aと、バルブ61Aを開閉するアクチュエータ62Aと、を備えるように構成される。アクチュエータ62Aは、電気モータを含む。フロントチャンバ46Cは第1室46C1と、第1室46C1と流体的に接続される第2室46C2を含み、調整装置60は、第1室46C1と第2室46C2の間の流路RB1に設けられるバルブ63Aと、バルブ63Aを開閉するアクチュエータ64Aと、を備えるように構成される。アクチュエータ64Aは、電気モータを含む。上記第1例では、フロント調整装置60Aからバルブ63Aおよびアクチュエータ64Aが省略される。上記第2例では、フロント調整装置60Aからバルブ61Aおよびアクチュエータ62Aが省略される。
【0045】
本実施形態において、調整装置60は、リアサスペンション48のリア初期沈み込み量を調整するリア調整装置60Bを含む。リア調整装置60Bは、リアチャンバ48Cと流体的に接続されるチャンバ48Dとの間の流路RA2に設けられるバルブ61Bと、バルブ61Bを開閉するアクチュエータ62Bと、を備えるように構成される。アクチュエータ62Bは、電気モータを含む。リアチャンバ48Cは第1室48C1と、第2室48C2と流体的に接続される第2室46C2を含み、調整装置60は、第1室48C1と第2室48C2の間の流路RB2に設けられるバルブ63Bと、バルブ63Bを開閉するアクチュエータ64Bと、を備えるように構成される。アクチュエータ64Bは、電気モータを含む。上記第1例では、リア調整装置60Bからバルブ63Bおよびアクチュエータ64Bが省略される。上記第2例では、リア調整装置60Bからバルブ61Bおよびアクチュエータ62Bが省略される。
【0046】
制御部52は、人力駆動車10の走行に関する走行情報に基づいて、人力駆動車10のフロントサスペンション46のフロント初期沈み込み量を調整するフロント制御信号と、人力駆動車10のリアサスペンション48のリア初期沈み込み量を調整するリア制御信号と、を調整装置60に出力する。フロント初期沈み込み量は、搭乗者が人力駆動車10に搭乗した場合における、フロントサスペンション46の第1部材46Aに対して第2部材46Bが相対移動する距離と同義である。リア初期沈み込み量は、搭乗者が人力駆動車10に搭乗した場合における、リアサスペンション48の第1部材48Aに対して第2部材48Bが相対移動する距離と同義である。
【0047】
フロント制御信号は、フロントサスペンション46の全長を第1フロント長さに設定する第1フロント全長制御信号と、フロントサスペンション46の全長を第1フロント長さよりも長い第2フロント長さに設定する第2フロント全長制御信号と、を含む。フロントサスペンション46の全長は、フロントサスペンション46の第2部材46Bが第1部材46Aに対して最大限移動可能な範囲L1と同義である。フロント調整装置60Aは、第1フロント全長制御信号または第2フロント全長制御信号に応じて、アクチュエータ62Aを駆動させることで、バルブ61Aを開閉し、フロントサスペンション46の全長を、第1フロント長さまたは第2フロント長さに設定する。フロントサスペンション46の全長が第1長さであるときのフロント初期沈み込み量は、フロントサスペンション46の全長が第2長さであるときのフロント初期沈み込み量よりも小さい。フロント制御信号は、フロントチャンバ46Cの容積を第1フロント容積に設定する第1フロント容積制御信号と、フロントチャンバ46Cの容積を第1フロント容積よりも大きい第2フロント容積に設定する第2フロント容積制御信号と、を含む。フロント調整装置60Aは、第1フロント容積制御信号または第2フロント容積長制御信号に応じて、アクチュエータ64Aを駆動させることで、バルブ63Aを開閉し、フロントチャンバ46Cの容積を第1フロント容積または第2フロント容積に設定する。具体的には、フロント調整装置60Aは、第1フロント容積制御信号に応じて、バルブ63Aを閉じるようアクチュエータ64Aを駆動させ、フロントチャンバ46Cの容積を第1フロント容積とする。調整装置60は、第2フロント容積制御信号に応じて、バルブ63Aを開けるようアクチュエータ64Aを駆動させ、フロントチャンバ46Cの容積を第2フロント容積とする。フロントチャンバ46Cの容積が第1フロント容積であるときのフロント初期沈み込み量は、フロントチャンバ46Cの容積が第2フロント容積であるときのフロント初期沈み込み量よりも小さい。
【0048】
リア制御信号は、リアサスペンション48の全長を第1リア長さに設定する第1リア全長制御信号と、リアサスペンション48の全長を第1リア長さよりも長い第2リア長さに設定する第2リア全長制御信号を含む。リアサスペンション48の全長は、リアサスペンション48の第2部材48Bが第1部材48Aに対して最大限移動可能な範囲L2と同義である。リア調整装置60Bは、第1リア全長制御信号または第2リア全長制御信号に応じて、アクチュエータ62Bを駆動させることで、バルブ61Bを開閉し、リアサスペンション48の全長を、第1リア長さまたは第2リア長さに設定する。リアサスペンション48の全長が第1長さであるときのリア初期沈み込み量は、リアサスペンション48の全長が第2長さであるときのリア初期沈み込み量よりも小さい。リア制御信号は、リアチャンバ48Cの容積を第1リア容積に設定する第1リア容積制御信号と、リアチャンバ48Cの容積を第1リア容積よりも大きい第2リア容積に設定する第2リア容積制御信号と、を含む。リア調整装置60Bは、第1リア容積制御信号または第2リア容積長制御信号に応じて、アクチュエータ64Bを駆動させることで、バルブ63Bを開閉し、リアチャンバ48Cの容積を第1リア容積または第2リア容積に設定する。具体的には、リア調整装置60Bは、第1リア容積制御信号に応じて、バルブ63Bを閉じるようアクチュエータ64Bを駆動させ、リアチャンバ48Cの容積を第1リア容積とする。リア調整装置60Bは、第2リア容積制御信号に応じて、バルブ63Bを開けるようアクチュエータ64Bを駆動させ、リアチャンバ48Cの容積を第2リア容積とする。リアチャンバ48Cの容積が第1リア容積であるときのリア初期沈み込み量は、リアチャンバ48Cの容積が第2リア容積であるときのリア初期沈み込み量よりも小さい。
【0049】
検出装置70は、人力駆動車10の走行に関する走行情報を検出する。走行情報は、人力駆動車10のピッチ方向における角度と、前輪支持軸における荷重、後輪支持軸における荷重、入力される踏力、走行速度、および、搭乗者の着座状態の少なくとも1つを含む。検出装置70は、人力駆動車10に搭載されるセンサを含む。センサは、軸荷重センサ70A、車速センサ70B、加速度センサ70C、トルクセンサ70D、ケイデンスセンサ70E、着座センサ70F、および、傾斜センサ70Gの少なくとも1つを含む。
【0050】
軸荷重センサ70Aは、前輪支持軸X1における荷重および後輪支持軸X2における荷重を検出する。軸荷重センサ70Aは、フレーム16から前輪支持軸X1における荷重を検出する。別の例では、軸荷重センサ70Aは、フレーム16から後輪支持軸X2における荷重を検出する。本実施形態では、軸荷重センサ70Aは、フレーム16から前輪支持軸X1における荷重およびフレーム16から後輪支持軸X2における荷重の両方を検出する。
【0051】
車速センサ70Bは、走行速度を検出する。車速センサ70Bは、人力駆動車10の前輪12Aまたは後輪12Bの回転速度応じた情報を検出するように構成される。車速センサ70Bは、好ましくは、人力駆動車10の前輪12Aまたは後輪12Bに設けられる磁石を検出するように構成される。車速センサ70Bは、好ましくは、前輪12Aまたは後輪12Bが1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、好ましくは、1である。車速センサ70Bは、前輪12Aまたは後輪12Bの回転速度に応じた信号を出力する。制御部52は、前輪12Aまたは後輪12Bの回転速度に基づいて人力駆動車10の走行速度を算出できる。車速センサ70Bは、好ましくは、リードスイッチを構成する磁性リード、または、ホール素子を含む。車速センサ70Bは、人力駆動車10のフレーム16のチェーンステイに取り付けられ、後輪12Bに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク28に設けられ、前輪12Aに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。本実施形態において、車速センサ70Bは、前輪12Aまたは後輪12Bが一回転した場合に、リードスイッチが磁石を1回検出するように構成される。
【0052】
加速度センサ70Cは、人力駆動車10の加速度を検出する。好ましくは、加速度センサ70Cは、1軸以上の加速度を検出可能に構成される。好ましくは、加速度センサ70Cは、人力駆動車10の進行方向に沿う加速度を検出可能に構成される。
【0053】
トルクセンサ70Dは、人力駆動車10に入力される踏力を検出する。トルクセンサ70Dは、クランクアセンブリ14に入力される踏力に応じた情報を出力するように構成される。トルクセンサ70Dは、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。トルクセンサ70Dは、例えば、クランク軸14A、クランク軸14Aと第1回転体22との間において人力駆動力を伝達する部材、クランクアーム14B、または、ペダル18に設けられる。
【0054】
ケイデンスセンサ70Eは、人力駆動車10のクランク軸14Aの回転速度に応じた情報を検出するように構成される。ケイデンスセンサ70Eは、例えば、人力駆動車10のフレーム16に設けられる。ケイデンスセンサ70Eは、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸14A、クランク軸14Aに連動して回転する部材、または、クランク軸14Aから第1回転体22までの間の動力伝達経路に設けられる。ケイデンスセンサ70Eは、クランク軸14Aの回転速度に応じた信号を出力する。磁石は、クランク軸14Aから第1回転体22までの人力駆動力の動力伝達経路において、クランク軸14Aと一体に回転する部材に設けられてもよい。ケイデンスセンサ70Eは、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0055】
着座センサ70Fは、例えば、アジャスタブルシートポスト42またはシートに設けられる。着座センサ70Fは、例えば、荷重センサ、圧力センサ、および、スイッチの少なくとも1つを含む。着座センサ70Fの出力に応じて、制御部52は、搭乗者のシートへの着座状態が、着座か非着座かを判定する。
【0056】
傾斜センサ70Gは、少なくとも人力駆動車10のピッチ方向における角度を検出する。傾斜センサ70Gは、例えば、ジャイロセンサおよび加速度センサの少なくとも1つを含む。傾斜センサ70Gは、GPS受信機により構成されてもよい。制御部52は、記憶部54に道路勾配に関する情報を含む地図情報を予め記憶する。制御部52は、人力駆動車10の現在地の道路勾配をピッチ方向における角度として取得する。
【0057】
制御部52が、検出装置70から検出された走行に関する走行情報に基づいて実行する判断について説明する。制御部52は、以下に記載の第1手段から第7手段の少なくとも1つに基づいて、上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。制御部52が複数の手段により検出された結果に基づいて、上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する場合、第1例では、複数の手段のすべてにおいて上り坂または下り坂を走行中であると判断された場合に、人力駆動車10が上り坂または下り坂を走行中であると判断する。第2例では、複数の手段の過半数において上り坂または下り坂の一方を走行中であると判断された場合に、人力駆動車10が上り坂または下り坂を走行中であると判断する。
【0058】
第1手段では、制御部52は、第1時間および第1時間から所定時間経過後の第2時間における軸荷重センサ70Aの検出結果から上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。制御部52は、前輪支持軸X1における荷重が所定値以上減少した場合、上り坂を走行中であると判断する。制御部52は、前輪支持軸X1における荷重が所定値以上増加した場合、下り坂を走行中であると判断する。制御部52は、後輪支持軸X2における荷重が所定値以上増加した場合、上り坂を走行中であると判断する。制御部52は、後輪支持軸X2における荷重が所定値以上減少した場合、下り坂を走行中であると判断する。制御部52は、荷重が所定値以上変化しない場合、平地を走行中であると判断する。所定時間および所定値は、任意の値が選択される。
【0059】
第2手段では、制御部52は、第1時間および第1時間から所定時間経過後の第2時間における車速センサ70Bの検出結果から上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。制御部52は、走行速度が所定値以上減少した場合、上り坂を走行中であると判断する。制御部52は、走行速度が所定値以上増加した場合、下り坂を走行中であるかを判断する。制御部52は、走行速度が所定値以上変化していない場合、平地を走行中であると判断する。
【0060】
第3手段では、制御部52は、第1時間および第1時間から所定時間経過後の第2時間における加速度センサ70Cの検出結果から、上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。制御部52は、加速度が所定値以上減少している場合、上り坂を走行中であると判断する。制御部52は、加速度が所定値以上増加している場合、下り坂を走行中であると判断する。制御部52は、加速度の変化が所定値未満である場合、平地を走行中であると判断する。
【0061】
第4手段では、制御部52は、第1時間におけるトルクセンサ70Dの検出結果から、上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。制御部52は、一対のペダル18に入力される踏力の差が0以上かつ所定値以下である場合、上り坂を走行中であると判断する。制御部52は、一対のペダル18に入力される踏力の差が所定値より大きい場合、下り坂を走行中であると判断する。制御部52は、一対のペダル18に入力される踏力の差が0である場合、平地を走行中であると判断する。
【0062】
第5手段では、制御部52は、第1時間および第1時間から所定時間経過後の第2時間におけるケイデンスセンサ70Eの検出結果から、上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。制御部52は、ケイデンスの減少が所定値以上である場合、上り坂を走行中であると判断する。制御部52は、ケイデンスの増加が所定値以上である場合、下り坂を走行中であると判断する。制御部52は、ケイデンスの変化が所定値未満である場合、平地を走行中であると判断する。
【0063】
第6手段では、制御部52は、着座センサ70Fの検出結果から搭乗者の着座状態を判断し、上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。一例では、制御部52は、搭乗者が着座している場合、上り坂を走行中であると判断し、搭乗者が着座していない場合下り坂を走行中であると判断する。別の例では、制御部52は、搭乗者が着座していない場合、上り坂を走行中であると判断する。着座センサ70Fの検出結果に基づく制御部52の判断は、予め記憶部54に記憶されているテーブルに基づいていてもよく、搭乗者によって設定されてもよい。第7例では、制御部52は、傾斜センサ70Gの検出結果から、上り坂または下り坂を走行中であるかを判断する。
【0064】
制御部52は、走行情報に基づいて人力駆動車10が上り坂を走行中であると判断した場合、以下の制御を実行する。第1例では、第1フロント全長制御信号と、第2リア全長制御信号の両方を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第1フロント全長制御信号と、第2リア全長制御信号の両方をフロント調整装置60Aおよびリア調整装置60Bに出力する。第2例では、第1フロント容積制御信号と、第2リア容積制御信号の両方を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第1フロント容積制御信号と、第2リア容積制御信号の両方をフロント調整装置60Aおよびリア調整装置60Bに出力する。
【0065】
制御部52は、制御部52は、走行情報に基づいて人力駆動車10が下り坂を走行中であると判断した場合、以下の制御を実行する。第1例では、第2フロント全長制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。第2例では、第2フロント容積制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。
【0066】
図6を参照して、制御部52が実行する制御の一例について説明する。
制御部52は、ステップS11において、検出装置70から走行情報を取得する。制御部52は、ステップS12において、走行情報に基づいて人力駆動車10が上り坂を走行中であるか否かを判断する。人力駆動車10が上り坂を走行中であると判断した場合(ステップS12:YES)、制御部52は、ステップS13において、フロント制御信号をフロント調整装置60Aに出力し、リア制御信号を、リア調整装置60Bに出力する。第1例では、フロント制御信号は第1フロント全長制御信号を含み、リア制御信号は第2リア全長制御信号を含む。第2例では、フロント制御信号は第1フロント容積制御信号を含み、リア制御信号は第2リア容積制御信号を含む。ステップS13の処理の終了後、制御部52は、制御を終了する。
【0067】
人力駆動車10が上り坂を走行中ではないと判断した場合(ステップS12:NO)、制御部52は、ステップS14において、人力駆動車10が下り坂を走行中であるか否かを判断する。人力駆動車10が下り坂を走行中ではないと判断した場合(ステップS14:NO)、制御部52は、制御を終了する。人力駆動車10が下り坂を走行中であると判断した場合(ステップS14:YES)、制御部52は、ステップS15において、フロント制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。第1例では、フロント制御信号は第2フロント全長制御信号を含む。第2例では、フロント制御信号は第2フロント容積制御信号を含む。ステップS15の処理の終了後、制御部52は、制御を終了する。
【0068】
<第2実施形態>
図7を参照して、第2実施形態の制御装置50について説明する。第2実施形態において、人力駆動車10は、フロント調整装置60Aを備えない。その他の事項については、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0069】
本実施形態において、制御装置50は、人力駆動車10のリアサスペンション48において、搭乗者が乗車した状態におけるリア初期沈み込み量を調整するリア調整装置60Bを制御する。制御装置50は、人力駆動車10の走行に関する走行情報に基づいて、人力駆動車10のリアサスペンション48のリア初期沈み込み量を調整するリア制御信号を出力する制御部52、を備える。リアサスペンション48は、搭乗者による荷重を受けるための流体を含むリアチャンバ48Cを備える。
【0070】
リア制御信号は、リアサスペンション48の全長を第1リア長さに設定する第1リア全長制御信号と、リアサスペンション48の全長を第1リア長さよりも長い第2リア長さに設定する第2リア全長制御信号と、を含む。リア制御信号は、リアチャンバ48Cの容積を第1容積に設定する第1リア容積制御信号と、リアチャンバ48Cの容積を第1容積よりも大きい第2容積に設定する第2リア容積制御信号と、を含む。
【0071】
制御部52は、走行情報に基づいて人力駆動車10が上り坂を走行中であると判断した場合、以下の制御を実行する。第1例では、制御部52は、第2リア全長制御信号を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第2リア全長制御信号をリア調整装置60Bに出力する。第2例では、制御部52は、第2リア容積制御信号を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第2リア容積制御信号をリア調整装置60Bに出力する。
【0072】
図7を参照して、第2実施形態の制御部52が実行する制御の一例について説明する。
制御部52は、ステップS21において、検出装置70から走行情報を取得する。制御部52は、ステップS22において、走行情報に基づいて、人力駆動車10が上り坂を走行中か否かを判定する。人力駆動車10が上り坂を走行中ではないと判定した場合(ステップS22:NO)、制御部52は制御を終了する。人力駆動車10が上り坂を走行中であると判断した場合(ステップS22=YES)、制御部52は、ステップS23において、リア制御信号をリア調整装置60Bに出力する。制御部52は、ステップS23の処理の終了後、制御を終了する。
【0073】
<第3実施形態>
図8を参照して、第3実施形態の制御装置50について説明する。第3実施形態において、人力駆動車10は、リア調整装置60Bを備えない。その他の事項については、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0074】
制御装置50は、人力駆動車10のフロントサスペンション46において、搭乗者が乗車した状態におけるフロント初期沈み込み量を調整するフロント調整装置60Aを制御する。制御装置50は、搭乗者の着座状態に関する情報およびシート高さに関する情報を除く、人力駆動車10の走行に関する走行情報に基づいて、人力駆動車10のフロントサスペンション46の高さを調整するフロント制御信号を出力する制御部52、を備える。走行情報は、人力駆動車10のピッチ方向における角度、前輪支持軸X1における荷重、後輪支持軸X2における荷重、入力される踏力、および、走行速度の少なくとも1つを含む。フロントサスペンション46は、搭乗者による荷重を受けるための流体を含むフロントチャンバ46Cを備える。
【0075】
フロント制御信号は、フロントサスペンション46の全長を第1フロント長さに設定する第1フロント全長制御信号と、フロントサスペンション46の全長を第1フロント長さよりも長い第2フロント長さに設定する第2フロント全長制御信号と、を含む。フロント制御信号は、フロントチャンバ46Cの容積を第1容積に設定する第1フロント容積制御信号と、フロントチャンバ46Cの容積記第1容積よりも大きい第2容積に設定する第2フロント容積制御信号と、を含む。
【0076】
制御部52は、走行情報に基づいて人力駆動車10が上り坂を走行中であると判断した場合、以下の制御を実行する。第1例では、制御部52は、第1フロント全長制御信号を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第1フロント全長制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。第2例では、制御部52は、第1フロント容積制御信号を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第1フロント容積制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。
【0077】
制御部52は、走行情報に基づいて人力駆動車10が下り坂を走行中であると判断した場合、以下の制御を実行する。第1例では、制御部52は、第2フロント全長制御信号を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第2フロント全長制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。第2例では、制御部は、第2フロント容積制御信号を調整装置60に出力する。すなわち、制御部52は、第2フロント容積制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。
【0078】
図8を参照して、第3実施形態の制御部52が実行する制御の一例について説明する。
制御部52は、ステップS31において、検出装置70から走行情報を取得する。制御部52は、ステップS32において、走行情報に基づいて、人力駆動車10が上り坂を走行中か否かを判定する。人力駆動車10が上り坂を走行中であると判断した場合(ステップS32=YES)、制御部52は、ステップS33において、フロント制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。第1例では、フロント制御信号は第1フロント全長制御信号を含む。第2例では、フロント制御信号は第1フロント容積制御信号を含む。ステップS33の処理の終了後、制御部52は制御を終了する。
【0079】
人力駆動車10が上り坂を走行中ではないと判定した場合(ステップS32:NO)、制御部52は、ステップS34において、人力駆動車10が下り坂を走行中か否かを判定する。人力駆動車10が下り坂を走行中ではないと判断した場合(ステップS34:NO)、制御部52は制御を終了する。人力駆動車10が下り坂を走行中であると判断した場合(ステップS34:YES)、制御部52は、ステップS35において、フロント制御信号をフロント調整装置60Aに出力する。第1例では、フロント制御信号は第2フロント全長制御信号を含む。第2例では、フロント制御信号は第2フロント容積制御信号を含む。ステップS35の終了後、制御部52は制御を終了する。
【0080】
<変形例>
各実施形態に関する説明は、本発明に従う制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う制御装置は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0081】
・制御装置50は、サスペンション44以外のコンポーネント36を制御するように構成されてもよい。一例では、制御部52は、変速装置38、ドライブユニット40、および、アジャスタブルシートポスト42の少なくとも1つを制御してもよい。
【0082】
・第1実施形態において、制御部52は、制御モードに従ってサスペンション44を制御してもよい。制御モードは、例えば記憶部54に記憶される。制御モードは、第1制御モード、第2制御モード、および、第3制御モードを含む。第1制御モードにおいて、制御部52は、フロント調整装置60Aおよびリア調整装置60Bの両方を制御する。第2制御モードにおいて、制御部52は、リア調整装置60Bのみを制御する。第3制御モードにおいて、制御部52は、フロント調整装置60Aのみを制御する。
【0083】
・本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0084】
10…人力駆動車、46…フロントサスペンション、46C…フロントチャンバ、48…リアサスペンション、48C…リアチャンバ、50…制御装置、52…制御部、RA…流路、60…調整装置、RB…流路、X1…前輪支持軸、X2…後輪支持軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8