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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】水栓装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20231128BHJP
   E03C 1/05 20060101ALI20231128BHJP
   E03C 1/22 20060101ALI20231128BHJP
   E03C 1/23 20060101ALI20231128BHJP
   A47K 1/00 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
E03C1/042 B
E03C1/05
E03C1/22 C
E03C1/23 Z
A47K1/00 V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019208494
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021080724
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 太久馬
(72)【発明者】
【氏名】成海 洋輔
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-022538(JP,A)
【文献】特開2012-072619(JP,A)
【文献】特開2018-050795(JP,A)
【文献】特開2017-086592(JP,A)
【文献】特開2010-057753(JP,A)
【文献】特開2018-083065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/042
E03C 1/05
E03C 1/22
E03C 1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収納された水栓本体と、
前記筐体に設けられるとともに、前記水栓本体に連通して前記水栓本体を経由した水を吐出する吐出口が形成された吐出部と、
前記筐体における前記吐出部の側方に設けられた第1操作部と、
前記筐体における前記第1操作部とは反対側の前記吐出部の側方に設けられた第2操作部と、
所定の検知範囲に進入した物体を検知するセンサと、
前記水栓本体と前記吐出口との間の流路に設けられて前記流路を開閉する電気駆動弁と、
前記筐体に設けられた前記第1操作部及び前記第2操作部の一方と、前記吐出部と、の間に設けられ、前記センサの検知結果に基づいて前記電気駆動弁による前記流路の開閉を制御する吐水制御部と
を備えている水栓装置。
【請求項2】
前記第1操作部は、前記水栓本体を操作する吐水操作部であり、
前記第2操作部は、前記吐出部の下方に配置される洗面ボウルの排水栓を操作する排水操作部である
請求項1に記載の水栓装置。
【請求項3】
前記第1操作部は、前記水栓本体を操作する吐水操作部であり、
前記吐水制御部は、前記吐水操作部と前記吐出部との間に設けられている
請求項1に記載の水栓装置。
【請求項4】
照明光を照射する照明部と、
前記筐体における前記第1操作部及び前記第2操作部の他方と前記吐出部との間に設けられ、前記照明光の照射状態の切り替え操作を行う照明操作部と、
を備えている請求項3に記載の水栓装置。
【請求項5】
前記照明操作部は、所定の第2検知範囲に進入した物体を検知する第2センサを有する
請求項4に記載の水栓装置。
【請求項6】
前記吐出部、前記第1操作部、及び前記第2操作部は、前記筐体から下方に突出している
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には従来の水栓装置が開示されている。この水栓装置は、吐水部、吐水部からの水の吐出等の操作を行う操作部、所定の機能を有する機能部、機能部の操作を行う操作スイッチや他の機能の操作スイッチ等がユニット化されて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-148094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、吐水部の操作部や操作スイッチ類は、吐水部から見て一方の側方に偏って配置されているため、使用者が誤操作してしまうおそれがある。
【0005】
本開示は、使い勝手がよく、誤操作の回避を図ることができる水栓装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る水栓装置は、筐体と、前記筐体に収納された水栓本体と、前記筐体に設けられるとともに、前記水栓本体に連通して前記水栓本体を経由した水を吐出する吐出口が形成された吐出部と、前記筐体における前記吐出部の側方に設けられた第1操作部と、前記筐体における前記第1操作部とは反対側の前記吐出部の側方に設けられた第2操作部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】水栓装置を備えた洗面化粧台を示す正面図である。
図2】洗面化粧台を概略的に示す側面断面図である。
図3】キャビネット及び水栓ユニットを一部省略して示す正面図である。
図4】キャビネット及び水栓ユニットを一部省略して示す斜視図である。
図5】水栓ユニットを示す斜視図である。
図6】水栓ユニットの要部を拡大して示す斜視図である。
図7】水栓ユニットの要部を拡大して示す斜視図である。
図8】水栓ユニットを一部省略して示す平面図である。
図9】水栓ユニットを一部省略して示す斜視図である。
図10】水栓ユニットにおいて、キャビネットに取り付けた状態を一部省略して示す正面図である。
図11図10のXI-XI線断面に相当する洗面化粧台の要部拡大断面図である。
図12図10のXII-XII線断面に相当する洗面化粧台の要部拡大断面図である。
図13】洗面化粧台の要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
図1及び図2に示す洗面化粧台1は、水栓装置としての水栓ユニット20を備えている。洗面化粧台1は、洗面台2、洗面ボウル3、バックパネル4、及びミラーキャビネット10を備えている。洗面化粧台1は、洗面台2、バックパネル4、及びミラーキャビネット10の左右幅が同じである。以下の説明において、上下左右の方向とは、図1及び図2における上下左右の方向であり、前後方向とは、図2における左右方向である。
【0009】
図1及び図2に示すように、洗面台2は、床面F上に載置されるとともに、ネジ等の固定手段によって建物躯体の壁面Wに固定されて設置される。洗面台2は、板状のカウンター2Aと、このカウンター2Aを上部に固定した箱体2Bとを有して構成されており、全体として箱状に形成されている。洗面台2の内部空間は、引き出し式の収納空間及び給排水用の配管スペースとされている。
【0010】
図2及び図3に示すように、洗面ボウル3は洗面台2の上部に載置される。具体的には、洗面ボウル3は鉢状に形成されている。洗面ボウル3は、周縁部3Aが洗面台2のカウンター2Aの上面に載置され、中心部のボウル部3Bがカウンター2Aに形成された切り欠きを貫通する形態で、カウンター2Aに嵌め込まれている。洗面ボウル3は平面視略矩形状をなしている。洗面ボウル3の上端縁の高さは、後端から前端に向かうにつれて緩やかに低くなっている。洗面ボウル3の底部後端寄りの位置には排水口3Cが形成されている。排水口3Cには排水栓3Dが取り付けられている。
【0011】
図2及び図3に示すように、バックパネル4は、フレーム4A及び前パネル4Bを有している。フレーム4Aは、左右一対設けられている。一対のフレーム4Aは、洗面台2の上面後端の左右両端部に載置される。一対のフレーム4Aは、洗面化粧台1が設置状態にある時には、洗面台2と同様に、洗面化粧台1が設置された建物躯体の壁面Wにネジ等の固定手段によって固定される。この状態で、一対のフレーム4Aの間には空間が形成される。この空間は配管スペースとされる。前パネル4Bは、カウンター2Aの左右幅と略同等の左右幅を有する正面視略矩形状の板状に形成されている。前パネル4Bの前面には図示しない多数のタイルが上下左右に整列して張られている。前パネル4Bは、後面を一対のフレーム4Aの前面に対向させてフレーム4Aの前面に取り付けられる。前パネル4Bは、シール部材(図示せず)等を介してカウンター2A上に下端部が載置される。
【0012】
図1及び図2に示すように、ミラーキャビネット10は、洗面ボウル3の上方に配置される。ミラーキャビネット10は、洗面台2と同様に、洗面化粧台1が設置された建物躯体の壁面Wにネジ等の固定手段によって固定される。この状態において、ミラーキャビネット10の下端部は一対のフレーム4Aの上端部に載置される。
【0013】
ミラーキャビネット10は、図3及び図4に示すように、箱状のキャビネット本体11と、左右方向に並んだ複数(図3では、3つ)の鏡扉12,13,14と、鏡扉12,13の間及び鏡扉12,14の間に配置された縦長のミラー照明部15と、を有して構成されている。キャビネット本体11は、各鏡扉12,13,14の後方に収納部12A,13A,14Aをそれぞれ形成している。各収納部12A,13A,14Aの空間は、それぞれ縦長に形成されている。
【0014】
図4に示すように、キャビネット本体11は、天板11A、側板11B、背板11C、及び仕切板11Dを具備して構成されている。天板11Aは左右方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。側板11Bは天板11Aの左右両端からそれぞれ下方に延びて設けられている。各側板11Bは、側面視略矩形状に形成されている。背板11Cは、上端部が天板11Aの後端部に接続され、左右側端部が左右の側板11Bの後端部にそれぞれ接続されている。背板11Cの下端は、側板11Bの下端よりも上方に位置しており、設置状態においてバックパネル4の上端との間に配管用の隙間を形成している。
【0015】
仕切板11Dは左右の側板11Bの間に配置されている。仕切板11Dは、キャビネット本体11の内部の空間を左右に仕切り、収納部12A,13A,14Aを形成している。各仕切板11Dは、左右の側板11Bと略平行に、上下方向に延びて配置されている。各仕切板11Dの下端の位置は、側板11Bの下端の位置と略同等の位置まで延びている。仕切板11Dはアルミ押し出し成形等によって内部が空洞に形成されている。このように形成された仕切板11Dの内部空間は、後述するミラー照明部15の制御ユニット(図示せず)等を配置する空間として利用される。
【0016】
収納部12Aには棚板12Bが着脱自在に取り付けられる。棚板12Bは複数配置することができる。各棚板12Bは、高さを段階的に選択して配置可能である。但し、収納部12Aの最も下部に配置される棚板12Cについては、着脱自在ではあるものの、高さの選択は不能である。棚板12Cは、側板11B及び仕切板11Dの下端よりも上方に取り付けられる。棚板12Cの下方の空間には後述する水栓ユニット20が取り付けられる。棚板12Cの下面には、後述する水栓ユニット20に設けられた照明部70を制御する照明制御部73が取り付けられる。
【0017】
収納部13A,14Aには、それぞれ棚板13B,14Bが着脱自在に取り付けられる。棚板13B,14Bは複数配置することができる。各棚板13B,14Bは、高さを段階的に選択して配置可能である。収納部13A,14Aの下端部には、固定的に配置される棚板13C,14Cがそれぞれ取り付けられている。棚板13C,14Cは、側板11B及び仕切板11Dの下端よりも上方に固定的に取り付けられている。棚板13Cの下方の空間には電源コンセント11Eが設けられている。棚板14Cの下方の空間には、タオル掛け用のバー11Fが側板11Bと仕切板11Dの間で左右方向に架け渡されている。
【0018】
鏡扉12,13,14は、板材の表面にミラーを張り付けてそれぞれ形成されている。図1に示すように、鏡扉12,13,14は、上下方向に長い正面視略矩形状をなしている。各鏡扉12,13,14の上下方向の長さは略同等である。各鏡扉12,13,14の上下方向の長さは、キャビネット本体11の側板11B及び仕切板11Dの上下方向の長さよりも僅かに短い(図11図12参照)。鏡扉12は、左右に位置する鏡扉13,14に比べて左右方向の幅が広い。鏡扉12は、鉛直線方向に延びる右側の一辺の後側を回転軸にして、収納部12Aの前面を開閉自在に取り付けられている。鏡扉12の左右に位置する鏡扉13,14は、左右方向の幅が略同等に形成されている。また、鏡扉13,14は、鉛直方向に延びる内側(中央の鏡扉12側)の一辺の後側を回転軸にして、収納部13A,14Aの前面を開閉自在に取り付けられている。
【0019】
ミラー照明部15は、後述する水栓ユニット20の照明部70とは別に設けられた照明部である。ミラー照明部15は、複数のLED光源(図示せず)を上下方向に並べることによって照射範囲が上下方向に長い照明光を照射するように構成されている。ミラー照明部15は、各仕切板11Dの前端のそれぞれに取り付けられている。各ミラー照明部15は、仕切板11Dの上下長さ全体に渡って延びて設けられている。
【0020】
図3及び図4に示すように、水栓ユニット20は、ミラーキャビネット10の下部に設けられている。具体的には、水栓ユニット20は、収納部12Aの下部であって、鏡扉12の後方に配置されている。水栓ユニット20は、収納部12Aの下部に配置された状態において、カバー部材21によってその前面が覆われる。水栓ユニット20は、このカバー部材21によって、鏡扉12を開いた状態において後述する内部の機能部が視認不能とされている。カバー部材21は、水栓ユニット20上方の棚板12Cから立ち下がる形態で取り付けられる。
【0021】
図5及び図6に示すように、水栓ユニット20は、ベース部材30(筐体として例示する)、吐出部40、水栓本体50、吐水操作部60(第1操作部として例示する)、吐水制御部61、照明部70、照明操作部71、及び排水操作部80(第2操作部として例示する)を有している。水栓ユニット20は、ベース部材30に対して、吐出部40、水栓本体50、吐水操作部60、吐水制御部61、照明部70、照明操作部71、及び排水操作部80の各機能部が取り付けられてユニット化されている。
【0022】
図6図7図8、及び図9に示すように、ベース部材30は、底壁31、前壁32、後壁33、左側壁34、右側壁35、及び隔壁36を有して構成されている。ベース部材30は、平面視略矩形状の箱形状をなしている。詳細には、図7及び図8に示すように、ベース部材30は、底壁31の前後左右の四方の端縁から、前壁32、後壁33、左側壁34、及び右側壁35がそれぞれ立ち上がり、上方に開口する箱形状である。図8に示すように、隔壁36は、箱形状をなすベース部材30の内側空間を複数区画に仕切るように、底壁31から立ち上がって形成されている。図8に示すように、隔壁36は、隣接してベース部材30に取り付けられる各機能部の間に介在するように設けられている。
【0023】
図8に示すように、底壁31は、左右方向を長手方向とする平面視略矩形状をなしている。図6に示すように、底壁31は、左右方向中央部の平坦面部31Aと、平坦面部31Aの左右両側に設けられた傾斜面部31B,31Cと、平坦面部31A及び傾斜面部31B,31Cの後端から後方に延びる後面部31Dと、を有している。平坦面部31Aは、洗面化粧台1の設置状態において床面F(設置面)に略平行となるように、その下面が平坦に形成されている。傾斜面部31B,31Cは前後方向に傾斜して形成されている。詳細には、傾斜面部31B,31Cは、後端が平坦面部31Aと略同等の高さであり、前端が平坦面部31Aの高さよりも高い位置まで延びる形態で、後方から前方に向かって斜め上方に傾斜して形成されている。図10に示すように、ベース部材30は、水栓ユニット20がミラーキャビネット10に組み付けられた状態において、平坦面部31A及び傾斜面部31B,31Cの後端部が鏡扉12の下端よりも下方に位置し、傾斜面部31B,31Cの前端部が鏡扉12の下端よりも上方に位置する。
【0024】
図6に示すように、平坦面部31Aには突出部40Aが連結されている。突出部40Aは、後述する吐出部40の基端部となる。突出部40Aは、断面略楕円形状をなし、平坦面部31Aに一体に形成されている。突出部40Aは、平坦面部31Aから前方斜め下方に突出して設けられている。突出部40Aの平坦面部31Aとの連結部40Bは、鏡扉12の下端よりも下方に位置している。左側の傾斜面部31Bには、後述する照明操作部71が取り付けられる凹部71Aと、後述する排水操作部80が取り付けられる貫通孔が形成された取付部80Aと、が平坦面部31A側から左方に向かって並んで形成されている。右側の傾斜面部31Cには、後述する吐水操作部60が挿通される平面視略矩形状の挿通孔60A(開口として例示する)が形成されている。挿通孔60Aは、水栓本体50の下方に対応する位置からずれた位置において、ベース部材30を上下方向に貫通して形成されている。挿通孔60Aの内周縁部には、上方に立ち上がった立壁60Bが形成されている。
【0025】
図6に示すように、後面部31Dは、平坦面部31A及び左右の傾斜面部31Bの各後端縁に連なるとともに、ベース部材30の左右幅の略全体に渡って延びる平坦状に形成されている。後面部31Dの左右中央部には、後述する照明部70が取り付けられる凹溝70Aが形成されている。凹溝70Aは、後面部31Dの下面が上方に陥没し、左右方向に延びた溝状に形成されている。図11に示すように、凹溝70Aの底壁は後端から前端に向かって斜め上方に傾斜して形成されている。凹溝70Aの右方には複数の長孔が形成されている。複数の長孔は水抜き用の孔であり、後述する水栓本体50の下方に対応する位置に設けられている。
【0026】
図6及び図7に示すように、前壁32は、底壁31の前縁から上方に立ち上がって形成されている。前壁32は、左右方向中央部の平坦面部31Aに対応する位置において切欠き32Aが形成されている。切欠き32Aの左右側方には、カバー部材21を取り付けるためのねじ穴32Bが形成されている。
【0027】
図7図8、及び図9に示すように、後壁33は、底壁31の後縁から上方に立ち上がって形成されている。詳細には、後壁33は、下部において後方に傾斜しつつ立ち上がり、上部において上方に略垂直に立ち上がって形成されている。後壁33の上端縁は、前壁32の上端縁よりも上方に位置している。後壁33には、開口33A,33Bと、貫通孔33Cと、水栓本体50の取付部50Aとが形成されている。開口33Aは、図8及び図9に示すように、後壁33下部に略矩形状に開口して形成されている。開口33Aは、後壁33の左右中央部から左方に延びて形成されている。開口33Aには、後述するホースガイド45及び操作ワイヤ81が挿通される。
【0028】
開口33Bには後述する吐水制御部61に接続される外部からの電気配線(図示せず)が挿通される。開口33Bは、後壁33の左右中央部よりも右側に開口して形成されている。図9に示すように、開口33Bは開口33Aよりも上方に形成されている。貫通孔33Cは複数(図7中3つ)形成されている。複数の貫通孔33Cは、後壁33の上部に左右方向に並んで形成されている。各貫通孔33Cにはビス等の固定手段が挿通される。これにより、ベース部材30は、後壁33後方のミラーキャビネット10が固定されている壁面Wに固定される。
【0029】
水栓本体50の取付部50Aは、後壁33の右側端部に設けられている。取付部50Aには水栓本体50が挿通される貫通孔(図示せず)が形成されている。取付部50Aは、後壁33を前方側に凹状に陥没させて形成されている。これにより、取付部50Aに取り付けられた状態における水栓本体50の後端部は、後壁33よりも前方に位置する。
【0030】
図6図7、及び図9に示すように、左側壁34及び右側壁35は、底壁31の左右の端縁から上方に立ち上がってそれぞれ形成されている。左側壁34及び右側壁35の前後の端縁は、前壁32及び後壁33にそれぞれ連結されている。左側壁34及び右側壁35の下端部には被係止部34A,35Aがそれぞれ形成されている。被係止部34A,35Aは、ミラーキャビネット10の仕切板11Dから収納部12A側に突出して設けられるダボ(図示せず)に着脱自在に係止される。被係止部34A,35Aは、それぞれ下側及び左右外側が開放された溝状に形成されている。被係止部34A,35Aは、左右側壁34,35の壁面に沿って前後に複数並んで形成されている。
【0031】
図9図10、及び図11に示すように、吐出部40は、ベース部材30の平坦面部31Aに形成された突出部40Aに取り付けられている。吐出部40は、短径が左右方向に延びる形態の断面略楕円形状に形成されており、突出部40Aの突出方向に沿って前方斜め下方に延びている。吐出部40の外周面は突出部40Aの外周面と連続するように形成されている。吐出部40は、吐水ヘッド41及びヘッドホルダー42を有して構成されている。吐水ヘッド41及びヘッドホルダー42は、断面略楕円形状をなす吐出部40の長径方向に対して直交する面で分割された形態でそれぞれ設けられている。
【0032】
吐水ヘッド41はヘッドホルダー42に着脱自在に保持される。吐水ヘッド41は、吐出口41A及び切替つまみ41Bを有している。吐出口41Aは、吐水ヘッド41の先端に設けられている。吐水ヘッド41はこの吐出口41Aから湯水を吐出する。切替つまみ41Bは、吐水ヘッド41の先端には、吐出口41A周りに回動自在に、吐水ヘッド41の先端に設けられている。吐水ヘッド41は、この切替つまみ41Bを手動で回動操作することによって、吐出口41Aから吐出する水の吐出形態をシャワー吐水と通常吐水に随意に切り替えることができる。
【0033】
ヘッドホルダー42は突出部40Aに固定されている。図10に示すように、ヘッドホルダー42には吐水操作用の非接触式のセンサ43と表示部44とが設けられている。センサ43はヘッドホルダー42の先端に取り付けられている。センサ43は、例えば、赤外線センサ等の光電センサを採用することができる。センサ43は、吐出部40の延伸方向前方の所定距離を検知範囲A43として(図12参照)、この範囲内に進入した使用者の手等の物体を検知する。センサ43は、手等の物体を検知した場合に検知信号を後述する吐水制御部61に送信することによって、吐出口41Aから吐出される湯水の吐出状態を止水から吐水に切り替える。表示部44は、吐水制御部61から送信される制御信号に基づいて、吐出部40から吐出された水の状態や温度を表示する。表示部44は、例えばLED等の光源を有して構成され、点灯色、連続点灯、間欠点灯等の光り方の違いによって、吐水状態を表示する。
【0034】
図11に示すように、吐水ヘッド41の後端には、可撓性を有する給水ホース41Cの一端が接続される。給水ホース41Cの他端は後述する自動弁55(電気駆動弁として例示する)に接続されている。給水ホース41Cはホースガイド45に摺動自在に挿通されている。ホースガイド45はベース部材30に固定されている。ホースガイド45は、一端が吐出部40の後端から所定の間隔をあけて開口しており、他端が後壁33の開口33Aを貫通して下方に延びる形態で、アーチ状に湾曲した筒状に形成されている。ホースガイド45は、吐水ヘッド41がヘッドホルダー42から取り外された際に引き出される給水ホース41Cの出入りをガイドする。
【0035】
図2に示すように、給水ホース41Cには錘46が取り付けられている。錘46は、給水ホース41Cの洗面台2内に収容されている部分に取り付けられている。錘46は、吐水ヘッド41が取り外されて給水ホース41Cが引き出された際に給水ホース41Cに伴って移動する。錘46は、吐水ヘッド41がヘッドホルダー42に再度取り付けられる際には、重力の作用によって給水ホース41Cを引き戻すように機能する。
【0036】
錘46は、給水ホース41Cが過剰に引き出されるのを防止するストッパーとしても機能する。具体的には、図2に示すように、給水ホース41Cは、錘46よりも吐水ヘッド41側の部分において、ストッパー部材47に摺動自在に挿通されている。ストッパー部材47は、洗面台2に固定されている。錘46は、給水ホース41Cが引き出された際にストッパー部材47に当接し、給水ホース41Cがそれ以上引き出されるのを阻止する。
【0037】
錘46は緩衝部材46Aを有している。緩衝部材46Aは、例えばゴム等の所定の弾性を有する材料から構成されていることができる。緩衝部材46Aは、給水ホース41Cが引き出されて錘46がストッパー部材47に当接する際の衝撃を緩和する。緩衝部材46Aは、錘46の吐水ヘッド41側の端部に取り付けられている。
【0038】
図5図6図7、及び図8に示すように、水栓本体50は、ベース部材30の後壁33の右側端部寄りの位置に取り付けられている。水栓本体50は、固定ディスクや可動ディスク等を内蔵したディスクバルブとして構成されている。図7及び図8に示すように、水栓本体50の前部には後述する吐水操作部60が連結されている。図9に示すように、水栓本体50の後部は後壁33を貫通して後方に露出している。水栓本体50の後部には温水管51及び冷水管52が接続されている。水栓本体50の後部には手動用給水管53及び自動用給水管54の各一端が接続されている。水栓本体50は、吐水操作部60の操作によって、温水管51から供給された湯(加温水)と、冷水管52から供給された水(常温水)との混合比を調整することができる。
【0039】
図5に示すように、手動用給水管53及び自動用給水管54の各他端は自動弁55にそれぞれ接続されている。すなわち、水栓本体50と自動弁55の間には、手動用給水管53及び自動用給水管54が並列に接続されている。水栓本体50は、吐水操作部60の操作に応じた混合比の湯水を、手動用給水管53及び自動用給水管54のそれぞれに供給する。水栓本体50は、手動用給水管53に供給する水の吐水量を調整する。
【0040】
自動弁55は、電磁弁や電動弁等によって構成され、吐水制御部61から送信されるセンサ43の検知に基づく制御信号を受信することによって、自動用給水管54と給水ホース41Cとを連通する流路を開閉することができる。自動弁55は、手動用給水管53と給水ホース41Cとを連通する流路については常時開放している。すなわち、吐出部40からの吐水は、吐水操作部60が吐水操作されることによって水栓本体50が開放される手動吐水と、センサ43による手等の物体の検知に基づいて自動弁55が開放される自動吐水と、の2種類の形態で吐水される。
【0041】
吐水操作部60はレバー式の操作部である。図10に示すように、吐水操作部60は正面視略逆J字状に形成されている。具体的には、吐水操作部60は、正面視において、一端側の水栓本体50との連結部から右方向上方に円弧状に湾曲し、下方に向かって略直線状に延び、底壁31の挿通孔60Aを貫通して下方に延びている。これにより、吐水操作部60の他端側は、一端側の高さよりも下方に位置し、正面視においてベース部材30の下方に露出している。吐水操作部60の他端側は、側面視において、下方に向かうにつれて前方に向かうように傾斜して形成されている(図6図7参照)。吐水操作部60の他端側は、側面視において吐出部40の延伸方向に沿って延びているとも言える。吐水操作部60は、水栓本体50との連結部における前後方向に延びる所定の軸周りに回動されることによって、水栓本体50における湯水の混合比が調整される。この際、吐水操作部60は、図10に示す状態から、下端部が吐出部40に近づく方向(図10における時計回りの方向)に、約65°の範囲で回動操作される。吐水操作部60は、前後方向に傾動されることによって水栓本体50の手動用給水管53に連通する流路が開閉され、手動吐水における吐止水操作、及び手動吐水時の流量調整操作が行われる。
【0042】
図8に示すように、吐水制御部61は、ベース部材30の平面視における吐出部40と水栓本体50の取付部位の間に配置されている。吐水制御部61は、例えば、基板、制御回路等(図示せず)を有して構成される。吐水制御部61は、例えば、これら基板等の電子部品がベース部材30の底壁31上に固定されるとともに、基板等を蓋部材61Aによって上方から水密に覆う構成等を採用することができる。吐水制御部61は、センサ43による手等の物体の検知によって送信される検知信号に基づいて、表示部44の表示制御や自動弁55の開閉制御を実行する。吐水制御部61には、ベース部材30の後壁33に形成された開口33Bから挿通される外部電源の配線が接続されている。
【0043】
照明部70は、ベース部材30の下部に取り付けられて下方に向けて照明光を照射する。図9及び図11に示すように、照明部70は、吐出部40の後方に配置されている。より詳細には、図11に示すように、水栓ユニット20がミラーキャビネット10の下部に配置された状態において、照明部70は、下面を発光面として配置される。照明部70は、前方の吐出部40と後方のバックパネル4との間の前後方向に狭小なスペースに配置される。照明部70は、左右方向を長手方向とする長尺状をなしている。照明部70は、ベース部材30の底壁31の後面部31Dに形成された凹溝70Aの左右方向の長さの略全体に渡って嵌め込まれる。照明部70の下面は、照明部70の周囲におけるベース部材30の下面と略面一にされている。
【0044】
図11及び図12に示すように、照明部70は、ケース70B、カバー70C、及び光源ユニット70Dを有している。ケース70Bは長手方向の一面が開口する断面凹状をなしている。カバー70Cは、ケース70Bの開口を覆うようにして嵌め込まれる断面凹状をなしている。照明部70は、ケース70Bとカバー70Cとを組み合わせることによって筒状をなし、その内部に光源ユニット70Dを収納している。ケース70Bは凹溝70Aに嵌め込まれる部分であり、凹溝70Aの内面に倣った形状の外形形状を有している。ケース70Bの底壁は、凹溝70Aの底壁と同様に、凹溝70Aに嵌め込まれた状態で後端から前端に向かって上方に傾斜して形成されている。
【0045】
カバー70Cは透光性を有している。カバー70Cは、光源ユニット70Dからの光を透過する。カバー70Cは、下面が発光面とされる形態でケース70Bに取り付けられる。光源ユニット70Dは、LED等の光源を複数長手方向に並べて構成され、一方方向に長い照明光を照射可能なユニットである。光源ユニット70Dは、ケース70B上部の底壁に取り付けられる。光源ユニット70Dの光軸Cは、ケース70B上部の底壁面に略直交する方向を向いている。
【0046】
図11に示すように、照明部70は、凹溝70Aに取り付けられた状態において、照射する照明光の光軸Cを前方斜め下方に向けた状態とされる。光軸Cの鉛直方向に対する角度θCは、鉛直方向に対する吐出部40の延伸方向とのなす角度θ40よりも小さい。照明部70は、下方の洗面ボウル3を好適に照らすことができるとともに、吐出部40の延伸方向前方やバックパネル4の表面等の照明部70の前後方向にも十分な照明光を照射可能である。
【0047】
図8図9、及び図10に示すように、照明操作部71は、吐出部40の左方に隣接して配置されている。照明操作部71は、ベース部材30の底壁31の傾斜面部31Bに形成された凹部71Aに設けられている。照明操作部71は、吐水操作用のセンサ43と同様の赤外線センサ等の非接触式のセンサ72(第2センサとして例示する)を有して構成される。
【0048】
図12に示すように、センサ72は、前方斜め下方の所定距離を検知範囲A72(第2検知範囲として例示する)として、この範囲内に進入した使用者の手等の物体を検知する。センサ72は、手等の物体を検知した場合に検知信号を照明制御部73に送信する。照明制御部73は、センサ72による手等の物体の検知によって送信される検知信号に基づいて、照明部70の点灯、消灯等の切替制御を実行する。
【0049】
センサ72の検知範囲A72は、吐水操作用のセンサ43の検知範囲A43とは異なっている。上述のように、照明操作部71は、正面視において吐出部40の左方に隣接して配置されている。吐水操作用のセンサ43は、吐出部40の先端部に設けられている。照明操作部71のセンサ72は、図12に示すように、側面視における吐出部40の延伸方向後方に配置されている。すなわち、センサ72及び吐水操作用のセンサ43は、正面視において左右に隣接し且つ側面視における吐出部40の延伸方向に沿って並んでおり、互いに近接して配置されている。吐水操作用のセンサ43の検知範囲A43は、側面視における吐出部40の延伸方向前方の所定領域に設定されている。センサ72の検知範囲A72は、側面視における吐水操作用のセンサ43の配置された方向に設定されている。しかし、センサ72の側面視における最大検出距離は、吐出部40の先端よりも手前側に設定されている。水栓ユニット20は、近接させて配置した2つのセンサ43,72の各検知範囲A43,A72を異ならせることによって、誤操作の防止が図られている。
【0050】
排水操作部80は洗面ボウル3の底部に設けられた排水栓3Dの操作部である。図8図9、及び図10に示すように、排水操作部80は、照明操作部71の左方に隣接して配置されている。排水操作部80は、ベース部材30の底壁31の傾斜面部31Bに形成された排水操作部80の取付部80Aに取り付けられている。
【0051】
排水操作部80は、棒状の部材であり、一端が底壁31の下面よりも下側に突出し、他端が底壁31を上方に貫通して上側に突出している。排水操作部80は、取り付け面となる傾斜面部31Bの下面に対して略直交するように取り付けられている。換言すると、排水操作部80は、排水操作部80の取付部80Aに取り付けられた状態において、下方に向かうにつれて前方に向かうように、前方斜め下方に向かって斜めに延びている。排水操作部80はプッシュプル式の操作部である。排水操作部80は、下端のつまみをつまんで引き出す操作をすることによって排水栓3Dを開放する。排水操作部80は、下端部のつまみをつまんで押し込む操作をすることによって排水栓3Dを閉塞する。排水操作部80の上端には操作ワイヤ81の一端が接続されている。
【0052】
図5に示すように、操作ワイヤ81の他端にはテールピース82が予め取り付けられている。テールピース82は、施工時に排水栓3Dに接続される部位である。テールピース82には、排水栓3Dを上下動させる機構部82Aが設けられている。操作ワイヤ81の他端はこの機構部82Aに接続されている。排水操作部80は、施工時には、操作ワイヤ81をベース部材30の後壁33の開口33Aに挿通してバックパネル4及び洗面台2の内部を配索し、テールピース82を排水栓3Dに接続することで取り付けられる。テールピース82は、ワンタッチクリップ82Bによって排水栓3Dに接続される。
【0053】
図13に示すように、鏡扉12の前面下端部には目印部12D,12Eが設けられている。目印部12Dは、正面視において、吐水操作部60に対応する位置の上方に設けられている。目印部12Dには、吐水操作部60の操作方法を示唆するピクトグラムが示されている。目印部12Eは、正面視において、照明操作部71に対応する位置の上方に設けられている。目印部12Eは、鏡扉12の後方に隠れた照明操作部71の位置を示している。目印部12Eは、照明を操作するための操作部であることを示唆するピクトグラム(図示せず)が示されている。
【0054】
上記構成の水栓ユニット20の作用効果について説明する。
【0055】
水栓ユニット20は、吐出部40の左右の側方に、第1操作部及び第2操作部としての吐水操作部60及び排水操作部80が設けられている。このように、水栓ユニット20は、吐水操作部60及び排水操作部80の2つの操作部を離して配置したので、所望の操作を行うための操作部は好適に操作しつつ、意図しない操作部を操作してしまうことは防止される。
【0056】
水栓ユニット20は、吐水操作部60及び排水操作部80という互いに相反する機能の操作部を吐出部40の左右の側方に別々に離して配置したので、誤操作防止による効果が更に高められる。すなわち、水栓ユニット20は、吐水するつもりが排水してしまったり、排水するつもりが吐水してしまったり、といった相反する機能が作動してしまう誤操作が確実に防止され、使い勝手の向上が図られている。
【0057】
水栓ユニット20は、回動操作とプッシュプル操作という異なる操作方法であり、視覚的な形状も異なる2つの操作部である吐水操作部60及び排水操作部80を、吐出部40の左右側方に分けて配置したので、更に確実に誤操作を防止可能である。
【0058】
水栓ユニット20は、吐出部40から吐水する場合には、吐出部40先端のセンサ43の検知による自動吐水と、吐水操作部60の直線状部64を前方に傾動操作することによる手動吐水と、の2通りの操作方法によって吐水可能である。水栓ユニット20は、吐水操作部60を正面視時計回りに回動操作することによって、自動吐水及び手動吐水の両方の吐水時における湯水の混合比、すなわち吐水時における湯水の温度を調整可能である。
【0059】
水栓ユニット20は、回動操作されることによって吐出部40に近接する方向に移動する吐水操作部60を、吐出部40から右方に離して配置している。吐水操作部60は、水栓ユニット20の左右方向中央部に配置されている吐出部40の右方であって、水栓ユニット20の右方の端部に配置されていることから、温調操作の際に吐水操作部60の下端部が左方に移動する方向に回動操作した場合でも、吐水操作部60の吐出部40との干渉が回避される。
【0060】
水栓ユニット20は、水栓本体50がベース部材30に収納されており、ベース部材30はミラーキャビネット10が固定された壁面Wに固定されている。吐水操作部60は、一端側の連結部62が水栓本体50に連結されており、他端側の直線状部64がベース部材30に形成された挿通孔60Aに挿通されている。挿通孔60Aは、水栓本体50の下方に対応する位置からずれた位置において上下方向に貫通して形成されている。吐水操作部60の直線状部64は、挿通孔60Aからベース部材30の外側に突出しており、ベース部材30の外側に露出している。
【0061】
以上のように、水栓ユニット20は、筐体としてのベース部材30、水栓本体50、吐出部40、並びに第1操作部及び第2操作部としての吐水操作部60及び排水操作部80を備えている。水栓本体50は、ベース部材30に収納されている。吐出部40はベース部材30に設けられている。吐出部40は、水栓本体50に連通して水栓本体50を経由した水を吐出する吐出口41Aが形成されている。吐水操作部60及び排水操作部80は、ベース部材30における吐出部40の側方である左右方向の一方及び他方にそれぞれ設けられている。このように、水栓ユニット20は、吐水操作部60及び排水操作部80を吐出部40を挟んだ左右の両側に離して設けている。その結果、それぞれの操作部の使い勝手が良好でありながら、意図しない操作部を誤操作してしまうことを防止することができる。
【0062】
水栓ユニット20において、第1操作部及び第2操作部は、吐水操作部60及び排水操作部80である。このように、水栓ユニット20は、吐水と排水という相反する機能の操作部を離して配置したので、誤操作を確実に防止できることで使い勝手の更なる向上を図ることができる。
【0063】
水栓ユニット20は、センサ43と、電気駆動弁としての自動弁55と、吐水制御部61と、を備えている。センサ43は、検知範囲A43に進入した手等の物体を検知する。自動弁55は、水栓本体50と吐出口41Aとの間の流路に設けられてこの流路を開閉する。吐水制御部61は、ベース部材30における吐水操作部60と吐出部40との間に設けられている。吐水制御部61は、センサ43の検知結果に基づいて自動弁55による流路の開閉を制御する。このように、水栓ユニット20は、自動吐水のための吐水制御部61を吐出部40と吐水操作部60との間に配置したことで、操作時の吐水操作部60と吐出部40との干渉を回避するための空間を確保できる。操作時の吐水操作部60と吐出部40との干渉を回避するための空間に吐水制御部61を配置したことで吐出部40と吐水操作部60の間の空間を有効活用できるので、水栓ユニット20の空間効率を向上させ、小型化された水栓装置を実現することができる。
【0064】
水栓ユニット20は、照明光を照射する照明部70と、ベース部材30における排水操作部80と吐出部40との間に設けられ、照明光の照射状態の切り替え操作を行う照明操作部71と、を備えている。このように、水栓ユニット20は、排水操作部80を吐出部40から離して配置し、その間の空間に他の操作部としての照明操作部71を配置したことによって、排水操作部80の操作時における吐出部40との干渉を回避することができるとともに、吐出部40と排水操作部80の間の空間を有効活用でき、水栓ユニット20の空間効率を向上させることができる。その結果、使い勝手のよさと小型化とを両立することができる水栓装置を実現することができる。
【0065】
照明操作部71は、所定の第2検知範囲としての検知範囲A72に進入した物体を検知する第2センサとしてのセンサ72を有している。このため、照明操作部71は、吐水操作部60や排水操作部80のように使用者に把持される部分を有して構成されている場合と比較して、突出する部分のない構成とすることができるので、意匠性の向上を図ることができる。
【0066】
照明操作部71は、第2センサとしてのセンサ72を有するとともに、吐水操作用のセンサ43が設けられた吐出部40の左方に隣接して設けられている。センサ72の検知範囲A72は、自動吐水用のセンサ43の検知範囲A43とは異なっている。このため、水栓ユニット20は、センサ72及びセンサ43の2つの非接触式センサの誤操作を回避しながら、小型化された水栓装置を実現することができる。
【0067】
吐出部40、第1操作部としての吐水操作部60、及び第2操作部としての排水操作部80は、ベース部材30から下方に突出している。このため、吐出部40、吐水操作部60、及び排水操作部80の位置が使用者から容易に認識することができる。その結果、使い勝手のよい水栓装置を実現することができる。
【0068】
吐出部40、吐水操作部60、及び排水操作部80は、左右方向の中心に吐出部40が配置されて下方に突出し、吐水操作部60及び排水操作部80が吐出部40の左右に対称的に配置されて対称的に下方に突出している。このため、良好な意匠の水栓装置を実現することができる。
【0069】
水栓ユニット20は、ミラーキャビネット10の下部から下方に突出して露出する吐出部40、吐水操作部60、及び排水操作部80が、それぞれ前方斜め下方に向かって傾斜して延びている。このように、洗面化粧台1は、ミラーキャビネット10の下部における統一感が演出され、意匠性の更なる向上を図ることができる。
【0070】
水栓ユニット20はユニット化されている。このため、各要素を別々に取り付ける場合と比較して、部品点数の低減が図られる。水栓ユニット20は、ユニット化され、部品点数が低減されることにより、施工時の工数を低減できる。その結果、現場作業を簡易化することができる。
【0071】
水栓ユニット20は、電子部品を有して構成されている吐水制御部61、照明部70、及び照明操作部71を、吐出部40の右方、左方、及び後方にそれぞれ隣接させて配置している。特に、吐水制御部61は、吐出部40及び水栓本体50の間に配置されている。吐出部40、水栓本体50、吐水操作部60、吐水制御部61、照明部70、照明操作部71、及び排水操作部80は、隔壁36によって仕切った区画毎に、ベース部材30に個別に取り付けられている。水栓ユニット20は、ベース部材30の内側において漏水が発生した場合でも、隔壁36によって仕切られた他の区画に水が浸入するのを抑制することができる。
【0072】
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態1の開示に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も含まれる。
【0073】
(1)第1操作部及び第2操作部は、実施形態1に示した吐水操作部及び排水操作部に限定されない。第1操作部及び第2操作部は、例えば、照明やミラーヒーター等の操作部、浄水、除菌水等の改質水(機能水)を吐出するための操作部等、何等かの機能を発揮する機能部を操作するためのものであればよい。この場合の機能部は、水栓装置に一体的に設けられていてもよいし、水栓装置とは別体に設けられていてもよい。
【0074】
(2)第1操作部及び第2操作部として吐水操作部及び排水操作部を吐出部の左右に配置する場合には、吐水操作部が吐出部の左方、排水操作部が吐出部の右方にそれぞれ配置される形態であってもよい。
【0075】
(3)水栓装置の取り付け形態は、実施形態1に示したミラーキャビネットに取り付けられる形態に限定されない。水栓装置は、例えば、いわゆるバックガード等、洗面ボウルの後方に立ち上がる立壁や壁面に取り付けられていてもよい。
【0076】
(4)第1操作部、第2操作部、その他の操作部等、水栓装置に備えられる操作部の操作形態は、実施形態1に示した回動操作、プッシュプル操作、手かざし等の非接触操作等に限定されず、種々の形態を採用することができる。
【符号の説明】
【0077】
3…洗面ボウル、3D…排水栓、20…水栓ユニット(水栓装置)、30…ベース部材(筐体)、40…吐出部、41A…吐出口、43…センサ、50…水栓本体、55…自動弁(電気駆動弁)、60…吐水操作部(第1操作部)、61…吐水制御部、70…照明部、71…照明操作部、72…センサ(第2センサ)、80…排水操作部(第2操作部)、A43…検知範囲、A72…検知範囲(第2検知範囲)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13