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  • 特許-便蓋及びクッションゴム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】便蓋及びクッションゴム
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/04 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
A47K13/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019214283
(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公開番号】P2021083663
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 佳憲
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-228069(JP,A)
【文献】特開2019-130167(JP,A)
【文献】特開2013-220174(JP,A)
【文献】特開2020-103594(JP,A)
【文献】特開2008-093185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ装置に設けられる便蓋であって、
前記便蓋は、クッション部を有し、
前記クッション部は、前記便蓋が開位置に位置した状態において便座を開けた場合に前記便座が衝突する第1部位と、前記第1部位よりも先端側に配置される第2部位と、を有し、
前記第1部位は、前記第2部位よりも押圧に対する剛性が低く、
前記第1部位及び前記第2部位は、いずれも、クッションゴムと、前記便蓋の裏面に配置され前記クッションゴムが取り付けられるクッションゴム受け部と、を有し、
前記クッションゴムは、前記クッションゴム受け部側に突出するゴム側リブを有し、
前記クッションゴム受け部は、前記クッションゴム側に突出する受け部側リブを有し、
前記第1部位における前記受け部側リブと前記ゴム側リブとの間の第1隙間は、前記第2部位における前記受け部側リブと前記ゴム側リブとの間の第2隙間よりも広い、便蓋。
【請求項2】
前記第1部位及び前記第2部位は、いずれも、クッションゴムを有し、
前記第1部位の前記クッションゴムの厚さは、前記第2部位の前記クッションゴムの厚さよりも薄い、請求項に記載の便蓋。
【請求項3】
前記第1部位及び前記第2部位は、いずれも、クッションゴムを有し、
前記第1部位の前記クッションゴムの材質は、前記第2部位の前記クッションゴムの材質よりも柔らかい、請求項1又は2に記載の便蓋。
【請求項4】
トイレ装置に設けられる便蓋の裏面に配置されるクッションゴムであって、
前記クッションゴムは、該便蓋が開位置に位置した状態において、便座を開けた場合に、前記便座が衝突する第1クッション部位と、前記第1クッション部位よりも先端側に配置される第2クッション部位と、を有し、
前記第1クッション部位は、前記第2クッション部位よりも押圧に対する剛性が低く、
前記クッションゴムは、クッションゴム受け部に取り付けられ、
前記クッションゴムは、前記クッションゴム受け部側に突出するゴム側リブを有し、
前記クッションゴム受け部は、前記クッションゴム側に突出する受け部側リブを有し、
前記第1クッション部位における前記受け部側リブと前記ゴム側リブとの間の第1隙間は、前記第2クッション部位における前記受け部側リブと前記ゴム側リブとの間の第2隙間よりも広い、クッションゴム。
【請求項5】
前記第1クッション部位の前記クッションゴムの厚さは、前記第2クッション部位の前記クッションゴムの厚さよりも薄い、請求項に記載のクッションゴム。
【請求項6】
前記第1クッション部位の材質は、前記第2クッション部位の材質よりも柔らかい、請求項4又は5に記載のクッションゴム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便蓋及びクッションゴムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便座と、便蓋と、を備えるトイレ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の便蓋の裏面には、便蓋が開位置に位置した状態で便座を開けた場合に、便座が衝突するクッション部が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-130167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
便蓋と便座とを同時に開閉する場合に、便蓋の裏面に取り付けられたクッション部と便座との摺動抵抗により、便座に傷がつくことがある。特許文献1においては、便蓋の裏面に取り付けられたクッション部と便座との摺動抵抗により、便座に傷がつくことについては、考慮されていない。摺動抵抗の低減には、接触面積の低減が有効である。しかし、接触面積が低減すると、便蓋が開位置に位置した状態で便座を開けたときに、便座が便蓋の裏面に取り付けられたクッション部に衝突して発生する音が大きくなる。
【0005】
本開示は、便蓋が開位置に位置した状態で便座を開けたときに、便座が便蓋に取り付けられたクッション部に衝突した場合の衝突音を低減できると共に、便蓋と便座とを同時に開閉するときに、便蓋に取り付けられたクッション部と便座との摺動抵抗により便座に傷がつくことを低減できる便蓋及びクッションゴムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、トイレ装置に設けられる便蓋であって、前記便蓋は、クッション部を有し、前記クッション部は、前記便蓋が開位置に位置した状態において便座を開けた場合に前記便座が衝突する第1部位と、前記第1部位よりも先端側に配置される第2部位と、を有し、前記第1部位は、前記第2部位よりも押圧に対する剛性が低い、便蓋に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るトイレ装置を示す斜視図である。
図2A】便蓋が開位置に位置した状態を示す正面図である。
図2B図2AのA-A線断面図である。
図3A】便蓋が開位置に位置した状態において、便座を開けた場合を示す正面図である。
図3B図3AのB-B線断面図である。
図4】便蓋及び便座が閉位置に位置した状態を示す断面図である。
図5】中央側クッション受け部に中央側クッションゴムを取り付けた状態を示す断面図である。
図6】中央側クッション受け部から中央側クッションゴムを取り外した状態を示す斜視図である。
図7】第2実施形態の便蓋を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、トイレ装置1の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、便座11に着座したユーザから見た場合の前後の方向を前後方向とする。便座11に着座したユーザから見た場合の左右の方向を左右方向とする。鉛直方向を上下方向とする。
【0009】
図1に示すように、第1実施形態に係るトイレ装置1は、便座11と、便蓋12と、便器13と、機能部2と、を備える。
【0010】
便器13は、上方に向けて開口して形成され、例えば陶器製である。便座11及び便蓋12は、機能部2の前部に、便器13に対して回転可能に取り付けられる。便座11は、ユーザが着座する部分であり、便器13の開口縁の上に配置され、環状の形状に形成される。便蓋12は、便座11及び便器13の開口を開閉可能に覆う蓋である。
【0011】
便座11及び便蓋12は、機能部2に取り付けられる。機能部2は、便座11及び便蓋12の後方側に配置される。機能部2は、機能部品21と、機能部品21を覆うように配置されるカバー部材3と、を備える。機能部品21は、便器13の後部の上部に配置される。カバー部材3は、機能部2の外形を覆うカバーである。カバー部材3は、ベースカバー31と、トップカバー32と、を有する。
【0012】
便座11は、便器13の上部に配置される。便座11は、便座本体111と、一対の便座ヒンジ部112と、を備える。便座本体111は、中央部に開口111aが形成された長円形状に形成される。
【0013】
一対の便座ヒンジ部112は、便座11の後端側の左右方向の両端部に配置され、便座本体111の後方側の両端部から、便座11の後方に延びる。一対の便座ヒンジ部112は、機能部2の前側に回転可能に取り付けられる。
【0014】
便蓋12は、便座11の上部に配置される。便蓋12は、図2Aに示すように、便蓋本体120と、一対の便蓋ヒンジ部121と、を備える。便蓋本体120は、左右対称の形状に形成され、天面板122と、側壁板123と、根元側折り返し片124と、を有する。天面板122は、板状に形成される。天面板122は、根元から先端に延びる。天面板122は、根元側の端部が左右方向に延びて形成され、先端において左右方向の両端部側の角部が丸みを帯びて形成される。天面板122の裏面には、1つの中央側クッション部4(クッション部)と、2つの端部側クッション部7と、が設けられている。
【0015】
側壁板123は、天面板122の先端側及び側方側の縁部において、天面板122の裏面から、立ち上がるように形成される。根元側折り返し片124は、便蓋12が閉位置に移動されて閉位置に位置する場合に、便蓋12の左右方向の中央側の後端部から下方に突出すると共に、左右方向に延びる。
【0016】
一対の便蓋ヒンジ部121は、便蓋12の後端側の左右方向の両端部に配置され、便蓋本体120の後方側の両端部から、便蓋12の後方に延びる。一対の便蓋ヒンジ部121は、機能部2に回転可能に取り付けられる。
【0017】
図2A及び図2Bに示すように、1つの中央側クッション部4及び2つの端部側クッション部7は、天面板122の裏面に配置される。1つの中央側クッション部4及び2つの端部側クッション部7は、天面板122の裏面において、天面板122の先端側に配置される。
【0018】
1つの中央側クッション部4は、図2A及び図2Bに示すように、天面板122の裏面において、左右方向の中央側における先端側に配置される。2つの端部側クッション部7は、天面板122の裏面における中央側クッション部4と左右方向に並んだ位置において、中央側クッション部4の左右方向の外側に配置される。
【0019】
2つの端部側クッション部7は、図3Aに示すように、便蓋12が開位置に位置した状態において、便座11を開いた場合に、衝突しない位置に配置される。本実施形態においては、便座11の回転軸J1と便蓋12の回転軸J2とが、図3Bに示すように、前後方向にずれた位置に配置されると共に、図3Aに示すように、便座11の先端において左右方向の両端部側の角部が丸みを帯びて形成される。そのため、2つの端部側クッション部7は、図3A及び図3Bに示すように、便座11及び便蓋12が開位置に位置した状態においては、便座11に当接しておらず、便座11及び便蓋12が開位置に位置した状態から、便座11及び便蓋12を同時に閉める場合に、閉める動作の途中から、便座11の上面に摺動しながら移動する。
【0020】
2つの端部側クッション部7は、図4に示すように、便座11及び便蓋12が閉位置に位置した状態において、便座11の上面に当接して配置される。これにより、2つの端部側クッション部7は、左右方向の両端側において、便蓋12がガタつかないように便座11の上面に当接する。
【0021】
2つの端部側クッション部7は、図2A及び図2Bに示すように、端部側クッション受け部71と、端部側クッションゴム72と、を有する。端部側クッション受け部71は、円筒状に形成され、便蓋12の裏面から立ち上がるように形成される。端部側クッションゴム72は、端部側クッション受け部71に取り付けられ、ドーム状に突出する。端部側クッション部7の頂部は、便蓋12の裏面からの高さが、中央側クッション部4の頂部の位置よりも高い位置に形成される。
【0022】
中央側クッション部4は、図2A及び図2Bに示すように、便蓋12が開位置に位置した状態から、便座11を開くことで、図3A及び図3Bに示すように、便座11の上面に衝突する。
【0023】
本実施形態においては、図3Bに示すように、便座11側の回転軸J1と便蓋12側の回転軸J2との位置は、前後方向にずれて配置されている。そのため、中央側クッション部4は、図3A及び図3Bに示すように、便座11及び便蓋12が開位置に位置した状態から、便座11及び便蓋12を同時に閉める場合に、閉める途中において、便座11の上面に摺動しながら移動する。中央側クッション部4は、図4に示すように、便座11及び便蓋12が閉位置に位置した状態から、便座11及び便蓋12を同時に開ける場合に、開ける途中において、便座11の上面に摺動しながら移動する。
【0024】
中央側クッション部4の頂部は、便蓋12の裏面からの高さが、端部側クッション部7の頂部の位置よりも低い位置に形成される。そのため、中央側クッション部4は、図4に示すように、便座11及び便蓋12が閉位置に位置した状態においては、2つの端部側クッション部7が便座11の上面に当接しているため、便座11の上面には当接しない。
【0025】
中央側クッション部4の詳細について説明する。本実施形態においては、中央側クッション部4の説明について、主に、便蓋12が開位置に位置した状態の構成について説明する。中央側クッション部4は、図2A及び図2Bに示すように、便蓋12が開位置に位置した状態において、上下方向に延びる細長状に形成される。本実施形態の中央側クッション部4の説明において、中央側クッション部4が延びる上下方向を「縦方向」ともいい、長手方向に直交する左右方向(幅方向)を「横方向」ともいう。
【0026】
中央側クッション部4は、図5及び図6に示すように、縦方向に延びる縦長状の中央側クッション受け部5(クッションゴム受け部)と、縦方向の延びる縦長状の中央側クッションゴム6(クッションゴム)と、を有する。中央側クッション受け部5は、便蓋12の裏面に設けられる。中央側クッションゴム6は、中央側クッション受け部5に取り付けられる。
【0027】
別の観点から見ると、図5に示すように、中央側クッション部4は、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、縦方向に延びる細長状に形成され、第1部位41と、第2部位42と、を有する。第1部位41は、天面板122の根元側の部分であり、第2部位42は、天面板122の先端側の部分である。
【0028】
第1部位41は、図3A及び図3Bに示すように、便蓋12が開位置に位置した状態において、便座11を開けた場合に、便座11に衝突する位置に形成される。第1部位41は、第2部位42よりも押圧に対する剛性が低く形成される。第2部位42は、第1部位41よりも天面板122の先端側に配置される。第2部位42は、第1部位41よりも押圧に対する剛性が高く形成される。
【0029】
中央側クッション部4を構成する中央側クッション受け部5及び中央側クッションゴム6それぞれの構成について説明する。
【0030】
中央側クッション受け部5は、図5及び図6に示すように、便蓋12が開位置に配置された状態において、縦方向に延びる細長状に形成される。中央側クッション受け部5は、縦方向に延びる細長状の環状に形成される受け部側周壁部51と、3つの横リブ52(受け部側リブ)と、3つの横リブ52それぞれの横方向の両側に離して配置される横固定リブ53と、根元側固定リブ54と、先端側固定リブ55と、を有する。3つの横リブ52、複数の横固定リブ53、根元側固定リブ54及び先端側固定リブ55は、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、受け部側周壁部51の内側における天面板122の裏面から、中央側クッションゴム6側に突出する。
【0031】
3つの横リブ52は、それぞれ、受け部側周壁部51の内側において横方向に延びる板状に形成される。3つの横リブ52は、受け部側周壁部51の縦方向に離して並んで配置される。3つの横リブ52における天面板122の裏面からの高さは、いずれも同じ高さである。3つの横リブ52の高さ方向の先端は、横方向の中央が凸状に湾曲する湾曲面状に形成される。3つの横リブ52は、天面板122の根元側から先端側に順に、根元側横リブ521、中間横リブ522及び先端側横リブ523である。根元側横リブ521は、第1部位41に対応する部分に配置される。中間横リブ522及び先端側横リブ523は、第2部位42に対応する部分に配置される。
【0032】
根元側横リブ521は、中央側クッション受け部5の縦方向の天面板122の根元側において、第1部位41に対応する部分に配置される。根元側横リブ521は、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、図5に示すように、横方向の中央において、中央側クッションゴム6のクッションゴム縦リブ63の第1クッション縦リブ部位631(後述)から、第1隙間S1離して配置される。
【0033】
中間横リブ522は、中央側クッション受け部5の縦方向のほぼ中央において、第2部位42に対応する部分に配置される。中間横リブ522は、図5に示すように、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、クッションゴム横リブ64の最も下方側の先端側クッション横リブ642(後述)に対向して配置される。
【0034】
中間横リブ522とクッションゴム横リブ64の最も下方側の先端側クッション横リブ642(後述)とは、横方向のほぼ全域において対向して配置されており、横方向の端部側に向かうに従って隙間が大きく形成される。中間横リブ522は、図5に示すように、横方向の中央において、第1隙間S1よりも小さい第2隙間S2離した状態(ほぼ隙間がない状態)で、中央側クッションゴム6のクッションゴム縦リブ63の第2クッション縦リブ部位632(後述)とクッションゴム横リブ64の最も下方側の先端側クッション横リブ642(後述)との交差部分に対向して配置されている。
【0035】
先端側横リブ523は、中央側クッション受け部5の縦方向の天面板122の先端側において、第2部位42に対応する部分に配置される。先端側横リブ523は、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、図5に示すように、横方向の中央において、第1隙間S1よりも小さい第2隙間S2離した状態(ほぼ隙間がない状態)で、中央側クッションゴム6のクッションゴム縦リブ63の第2クッション縦リブ部位632(後述)に対向して配置されている。
【0036】
横固定リブ53は、3つの横リブ52それぞれの横方向の両側に離した状態で、受け部側周壁部51の内面から横方向の内側に突出して配置される。横リブ52と横固定リブ53との間には、中央側クッションゴム6のクッションゴム周壁部62の縦壁621が挟まれて固定される。
【0037】
根元側固定リブ54は、2つの根元側リブ片541,542を有する。2つの根元側リブ片541,542は、受け部側周壁部51における天面板122の根元側に配置され、縦方向に離して配置される。2つの根元側リブ片541,542の間には、中央側クッションゴム6のクッションゴム周壁部62の上側横壁622が挟まれて固定される。
【0038】
先端側固定リブ55は、2つの先端側リブ片551,552を有する。2つの先端側リブ片551,552は、受け部側周壁部51における天面板122の先端側に配置され、縦方向に離して配置される。2つの先端側リブ片551,552の間には、中央側クッションゴム6のクッションゴム周壁部62の下側横壁623が挟まれて固定される。
【0039】
中央側クッションゴム6は、図5及び図6に示すように、クッションゴム天面部61と、クッションゴム周壁部62と、クッションゴム縦リブ63(ゴム側リブ)と、クッションゴム縦リブに交差して配置される複数のクッションゴム横リブ64(ゴム側リブ)と、を有する。便蓋12が開位置に位置した状態において、便座11を開けた場合に、クッションゴム天面部61の表面は、便座11の上面に当接可能である。
【0040】
クッションゴム天面部61は、天面板122に平行に配置される。クッションゴム天面部61は、厚みを有する板状に形成されると共に、縦方向に細長状に延びる。クッションゴム天面部61は、第1部位41に対応する第1クッション天面部位611(第1部位41のクッションゴム、第1クッション部位)と、第2部位42に対応する第2クッション天面部位612(第2部位42のクッションゴム、第2クッション部位)と、を有する。第1クッション天面部位611の厚さは、第2クッション天面部位612の厚さよりも薄く形成される。
【0041】
第1クッション天面部位611及び第2クッション天面部位612を構成する材料としては特に限定されるものではなく、樹脂材料を用いることができ、例えば、エラストマーなどの材料を用いることができる。
【0042】
第1クッション天面部位611は、天面板122の根元側に配置される。第1クッション天面部位611は、便蓋12が開位置に位置した状態において、便座11を開けた場合に、便座11が衝突する。第2クッション天面部位612は、第1クッション天面部位611よりも天面板122の先端側に配置される。第1クッション天面部位611及び第2クッション天面部位612は、厚さが異なって形成されており、表面側において同一面上に形成され、裏面において、接続部分が傾斜面で形成される段差状に形成される。
【0043】
第1クッション天面部位611の厚さは、第2クッション天面部位612の厚さよりも薄く形成される。第1クッション天面部位611と第2クッション天面部位612との接続部分は、裏面において傾斜状に形成される。第1クッション天面部位の厚さを、第2クッション天面部位の厚さよりも薄くすることで、第1部位41の押圧に対する剛性を、第2部位42よりも押圧に対する剛性よりも低くしている。
【0044】
第1クッション天面部位611の材質は、第2クッション天面部位612の材質よりも柔らかく形成される。第1クッション天面部位611の材質を、第2クッション天面部位612の材質よりも柔らかくすることで、第1部位41の押圧に対する剛性を、第2部位42よりも押圧に対する剛性よりも低くしている。
【0045】
第1クッション天面部位611の材質を、第2クッション天面部位612の材質よりも柔らかく構成する場合には、第1クッション天面部位611及び第2クッション天面部位612の材料として、例えば、硬度が異なるエラストマーを用いることができる。第2クッション天面部位612を構成する材質の材料として、例えばポリスチレン、ポリエチレン(PE)、POM(ポリアセタール樹脂)、ASA樹脂等の硬い材料を用いると共に、第1クッション天面部位611を構成する材料を、例えば、エラストマー等の柔らかい材料を用いることができる。
【0046】
クッションゴム周壁部62は、クッションゴム天面部61の裏面から立ち上がる細長状の環状の壁状に形成される。クッションゴム周壁部62は、中央側クッション受け部5に固定される。クッションゴム周壁部62は、横方向に離して配置される一対の縦壁621それぞれが、横リブ52と横固定リブ53との間に挟まれて固定され、上側横壁622が、先端側固定リブ55に固定され、下側横壁623が、根元側固定リブ54に固定される。
【0047】
クッションゴム縦リブ63は、クッションゴム周壁部62の内側において、クッションゴム周壁部62の横方向の中央において、縦方向の全域に亘って延びる板状に形成される。クッションゴム縦リブ63は、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、クッションゴム天面部61の裏面から中央側クッション受け部5側に突出する。
【0048】
クッションゴム縦リブ63の上面は、平面状に形成される。クッションゴム縦リブ63のクッションゴム天面部61の裏面からの高さは、クッションゴム周壁部62の高さよりも低く形成される。
【0049】
クッションゴム縦リブ63は、第1部位41に対応する第1クッション縦リブ部位631と、第2部位42に対応する第2クッション縦リブ部位632と、を有する。第1クッション縦リブ部位631は、天面板122の根元側に形成される。第2クッション縦リブ部位632は、第1クッション縦リブ部位631よりも天面板122の先端側に形成される。
【0050】
第1クッション縦リブ部位631におけるクッションゴム天面部61の表面からの高さは、第2クッション縦リブ部位632におけるクッションゴム天面部61の表面からの高さよりも低く形成される。第1クッション縦リブ部位631及び第2クッション縦リブ部位632は、クッションゴム縦リブ63の裏面において、接続部分が傾斜状に形成される。第1クッション縦リブ部位631及び第2クッション縦リブ部位632のクッションゴム天面部61の裏面からの高さは、いずれも同じ高さであり、クッションゴム天面部61において第1部位41に対応する部分の厚さと第2部位42に対応する部分の厚さとが異なっている。
【0051】
複数のクッションゴム横リブ64は、それぞれ、クッションゴム天面部61の裏面から立ち上がると共に、クッションゴム周壁部62の内側において横方向に延びる板状に形成される。複数のクッションゴム横リブ64の先端の上面は、平面状に形成される。複数のクッションゴム横リブ64は、クッションゴム周壁部62の内側において縦方向に離して並んで配置される。複数のクッションゴム横リブ64は、クッションゴム縦リブ63に交差して形成されている。
【0052】
複数のクッションゴム横リブ64は、天面板122の根元側から先端側に順に、2つの根元側クッション横リブ641、3つの先端側クッション横リブ642である。2つの根元側クッション横リブ641は、縦方向に離して、第1部位41に対応する部分に配置される。3つの先端側クッション横リブ642は、縦方向に離して、第2部位42に対応する部分に配置される。
【0053】
2つの根元側クッション横リブ641におけるクッションゴム天面部61の表面からの高さは、3つの先端側クッション横リブ642におけるクッションゴム天面部61の表面からの高さよりも低く形成される。2つの根元側クッション横リブ641及び3つの先端側クッション横リブ642におけるクッションゴム天面部61の裏面からの高さは、いずれも同じ高さであり、交差するクッションゴム縦リブ63の高さと同じである。クッションゴム天面部61において第1部位41に対応する部分の厚さと第2部位42に対応する部分の厚さとが異なっている。
【0054】
第1部位41において、図5に示すように、第1クッション縦リブ部位631は、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、中央側クッション受け部5の根元側横リブ521から、第1隙間S1離して配置される。
【0055】
第2部位42において、第2クッション縦リブ部位632は、中央側クッション受け部5に中央側クッションゴム6が取り付けられた状態において、中央側クッション受け部5の中間横リブ522及び先端側横リブ523から、第1隙間S1よりも小さい第2隙間S2離した状態(ほぼ隙間がない状態)で配置されている。
【0056】
これにより、第1部位41において、第1クッション縦リブ部位631と中央側クッション受け部5の根元側横リブ521とを、第1隙間S1で離して配置する。第2部位42において、第2クッション縦リブ部位632と中央側クッション受け部5の中間横リブ522及び先端側横リブ523とを、第1隙間S1よりも小さい第2隙間S2離して配置する。このようにして、隙間が大きい第1部位41の押圧に対する剛性を、隙間が小さい第2部位42よりも押圧に対する剛性よりも低くしている。
【0057】
以上説明した本実施形態の便蓋12及び中央側クッションゴム6によれば、以下のような効果を奏する。本実施形態においては、中央側クッション部4は、便蓋12が開位置に位置した状態において便座11を開けた場合に便座11が衝突する第1部位41と、第1部位41よりも天面板122の先端側に配置される第2部位42と、を有し、第1部位41は、第2部位42よりも押圧に対する剛性が低い。
【0058】
そのため、便蓋12が開位置に位置した状態において、便座11を開けた場合に、第1部位41の剛性は、第2部位42の剛性よりも押圧に対する剛性が低いため、第1部位41が変形して、第1部位41と便座11の上面との接触面積が大きくなる。これにより、第1部位41が便座11の衝撃を吸収できるため、便座11が便蓋12に衝突した場合の衝突音を低減できる。
【0059】
第2部位42の剛性は、第1部位41の剛性よりも押圧に対する剛性が高い。そのため、第2部位42が便座11の上面に接触する場合、第1部位41が便座11の上面に接触する場合よりも、便座11の上面との接触面積が小さくなる。便座11との接触面積が小さい場合には、便座11との接触面積が大きい場合よりも、塵などを捲き込んで接触しながら摺動する面積が小さいため、便座11に傷がつくことを低減できる。よって、便蓋と便座とを同時に開閉するときに、第1部位41よりも便座11との接触面積が小さい第2部位42と便座11の上面とが摺動するため、便蓋12に取り付けられた中央側クッション部4と便座11との摺動抵抗により便座11に傷がつくことを低減できる。
【0060】
本実施形態においては、第1クッション天面部位611の厚さは、第2クッション天面部位612の厚さよりも薄い。これにより、厚さの薄い第1部位41の押圧に対する剛性は、厚さの厚い第2部位42よりも押圧に対する剛性よりも低い。よって、前述の第1部位41の剛性が第2部位42よりも押圧に対する剛性が低い場合と同様に、便蓋12が開位置に位置した状態で便座を開けたときに、便座11が便蓋12に衝突した場合の衝突音を低減できると共に、便蓋12と便座11とを同時に開閉するときに、便蓋12に取り付けられた中央側クッション部4と便座11との摺動抵抗により便座11に傷がつくことを低減できる。
【0061】
本実施形態においては、第1クッション天面部位611の材質は、第2クッション天面部位612の材質よりも柔らかい。これにより、柔らかい材質の第1部位41の押圧に対する剛性は、硬い材質の第2部位42の押圧に対する剛性よりも低い。よって、前述の第1部位41の剛性が第2部位42よりも押圧に対する剛性が低い場合と同様に、便蓋12が開位置に位置した状態で便座を開けたときに、便座11が便蓋12に衝突した場合の衝突音を低減できると共に、便蓋12と便座11とを同時に開閉するときに、便蓋12に取り付けられた中央側クッション部4と便座11との摺動抵抗により便座11に傷がつくことを低減できる。
【0062】
本実施形態においては、第1部位41における中央側クッション受け部5の天面板122の根元側横リブ521と中央側クッションゴム6の第1クッション縦リブ部位631との間の第1隙間S1は、第2部位42における中央側クッション受け部5の中間横リブ522及び先端側横リブ523と中央側クッションゴム6の第2クッション縦リブ部位632の第2隙間S2よりも広く形成される。
【0063】
これにより、隙間が大きい第1部位41の押圧に対する剛性は、隙間が小さい第2部位42よりも押圧に対する剛性よりも低い。よって、前述の第1部位41の剛性が第2部位42よりも押圧に対する剛性が低い場合と同様に、便蓋12が開位置に位置した状態で便座を開けたときに、便座11が便蓋12に衝突した場合の衝突音を低減できると共に、便蓋12と便座11とを同時に開閉するときに、便蓋12に取り付けられた中央側クッション部4と便座11との摺動抵抗により便座11に傷がつくことを低減できる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図7を参照して説明する。第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
【0065】
第2実施形態においては、中央側クッション部4Aの構成が、第1実施形態の中央側クッション部4の構成と主に異なる。
【0066】
第2実施形態の中央側クッション部4A(クッション部)は、第1部位46と、第2部位47と、を有する。第1部位46の横方向(左右方向)の幅は、第2部位47の横方向(左右方向)の幅よりも大きく形成される。これにより、第1部位46は、便座11が衝突した場合に、第2部位47よりも便座11との接触面積が大きく形成される。第2実施形態においては、第1部位46及び第2部位47は、同じ硬さの材質により形成される。
【0067】
第1部位46は、第2部位47よりも横方向の幅が広いため、便座11が衝突した場合の便座11との接触面積が大きい。これにより、便座11との接触面積が大きい第1部位46において便座11の衝突を吸収できるため、衝突音を低減できる。第2部位47が便座11の上面を摺動する場合に、第1部位46に接触する場合よりも、第2部位47と便座11の上面との接触面積が小さいため、第2部位47と便座11との摺動抵抗により便座11に傷がつくことを低減できる。
【0068】
以上により、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、便蓋12が開位置に位置した状態で便座を開けたときに、便座11が便蓋12に衝突した場合の衝突音を低減できると共に、便蓋12と便座11とを同時に開閉するときに、便蓋12に取り付けられた中央側クッション部4Aと便座11との摺動抵抗により便座11に傷がつくことを低減できる。
【0069】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0070】
第1実施形態においては、中央側クッション部4において第1部位41が第2部位42よりも押圧に対する剛性が低い構成として、クッションゴムの厚さを異ならせる構成と、クッションゴムの材質の硬さを異ならせる構成と、クッションゴムのリブとクッション受け部のリブとの隙間の大きさを異ならせる構成と、を全て備える場合について説明した。しかし、これに限定されず、中央側クッション部4において第1部位41が第2部位42よりも押圧に対する剛性が低い構成として、クッションゴムの厚さを異ならせる構成、クッションゴムの材質の硬さを異ならせる構成、及び、クッションゴムのリブとクッション受け部のリブとの隙間の大きさを異ならせる構成について、いずれか1つ以上を異ならせることにより構成してもよい。
【0071】
第2実施形態においては、中央側クッション部4の第1部位46及び第2部位47を、同じ硬度の材質により形成した。これに限定されない。第2実施形態における第1部位46の横方向(左右方向)の幅が、第2部位47の横方向(左右方向)の幅よりも大きく形成される構成において、第1実施形態の構成(クッションゴムの材質の硬さを異ならせる構成、クッションゴムの厚さを異ならせる構成、クッションゴムのリブとクッション受け部のリブとの隙間の大きさを異ならせる構成)の一部や全部を組み合わせることもできる。
【0072】
実施形態1,2においては、中央側クッション部4を便蓋12の裏面の左右方向の中央に設けた。これに限定されない。例えば、クッション部を便蓋12の裏面の左右方向の両側に一対設けてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 トイレ装置、4 中央側クッション部(クッション部)、5 中央側クッション受け部(クッションゴム受け部)、6 中央側クッションゴム(クッションゴム)、11 便座、12 便蓋、41 第1部位、42 第2部位、52 横リブ(受け部側リブ)、63 クッションゴム縦リブ(ゴム側リブ)、64 クッションゴム横リブ(ゴム側リブ)、611 第1クッション天面部位(第1部位のクッションゴム、第1クッション部位)、612 第2クッション天面部位(第2部位のクッションゴム、第2クッション部位)、S1 第1隙間、S2 第2隙間
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7