(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
(21)【出願番号】P 2019221688
(22)【出願日】2019-12-06
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000137203
【氏名又は名称】株式会社マースエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 修一
(72)【発明者】
【氏名】白井 哲
(72)【発明者】
【氏名】長澤 誠
【審査官】山田 克典
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-198263(JP,A)
【文献】特開2006-320466(JP,A)
【文献】特開2019-180886(JP,A)
【文献】特開2017-184866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、
前記遊技システムは、
遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、
前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、
前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、
前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段と
を備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、
所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な前記第1の度数と前記第2の度数の合計度数である限度度数を設定するための設定手段と、
前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数と前記設定手段で設定された限度度数によって、合計使用度数が限度度数に達したか否かを判定する判定手段と、
前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段と
を備え
、
前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーに基づいて前記付与手段により付与された前記第2の度数から使用された分を前記合計使用度数から除外して、前記判定を行うことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、
前記遊技システムは、
遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、
前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、
前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、
前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段と
を備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、
所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な前記第1の度数と前記第2の度数の合計度数である限度度数を設定するための設定手段と、
前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数と前記設定手段で設定された限度度数によって、合計使用度数が限度度数に達したか否かを判定する判定手段と、
前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段と
を備え、
前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーの額に相当する度数を前記設定手段に設定される限度度数に加算して、前記判定を行うことを特徴とする遊技システム。
【請求項3】
遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、
前記遊技システムは、
遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、
前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、
前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、
前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段と
を備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、
所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な金額を設定するための設定手段と、
前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数に相当する金額と前記設定手段で設定された金額によって、前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したか否かを判定する判定手段と、
前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段と
を備え、
前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーに基づいて前記付与手段により付与された前記第2の度数から使用された分を前記合計使用度数から除外して、前記判定を行うことを特徴とする遊技システム。
【請求項4】
遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、
前記遊技システムは、
遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、
前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、
前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、
前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段と
を備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、
所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な金額を設定するための設定手段と、
前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数に相当する金額と前記設定手段で設定された金額によって、前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したか否かを判定する判定手段と、
前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段と
を備え、
前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーの額を前記設定手段で設定された金額に加算して、前記判定を行うことを特徴とする遊技システム。
【請求項5】
前記判定手段において前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したと判定された場合には、前記払出手段による遊技媒体を払い出すための処理を禁止する、
請求項3または4に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記判定手段において前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したと判定された場合には、前記付与手段による前記第1の度数または前記第2の度数の付与を禁止する、
請求項3から5のいずれかに記載の遊技システム。
【請求項7】
前記判定手段において前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したと判定された場合には、その旨を報知する、
請求項3から6のいずれか記載の遊技システム。
【請求項8】
前記判定手段は、複数の遊技場において前記遊技者が遊技に使用した度数に相当する金額の合計が前記設定手段に設定された金額に達したか否かの判定を行う、
請求項3から7のいずれかに記載の遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロット機などの遊技機が設置された遊技場においては、携帯端末にチャージされた電子マネーを用いて遊技が可能である(たとえば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技場においては、従来のように貨幣を度数へ変換可能なことに加え、上記のように、携帯端末にチャージされた電子マネーを度数に変換可能であるので、貨幣のみ変換可能な場合に比較して管理が複雑になっている。
【0005】
したがって、本発明は、貨幣を用いた遊技と電子マネーを用いた遊技の両方が可能な場合において適切に管理を行う遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技システムは、遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、前記遊技システムは、遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段とを備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な前記第1の度数と前記第2の度数の合計度数である限度度数を設定するための設定手段と、前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数と前記設定手段で設定された限度度数によって、合計使用度数が限度度数に達したか否かを判定する判定手段と、前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段とを備え、前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーに基づいて前記付与手段により付与された第2の度数から使用された分を前記合計使用度数から除外して、前記判定を行う。
本発明の遊技システムは、遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、前記遊技システムは、遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段とを備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な前記第1の度数と前記第2の度数の合計度数である限度度数を設定するための設定手段と、前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数と前記設定手段で設定された限度度数によって、合計使用度数が限度度数に達したか否かを判定する判定手段と、前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段とを備え、前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーの額に相当する度数を前記設定手段に設定される限度度数に加算して、前記判定を行う。
【0007】
本発明の遊技システムは、遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、前記遊技システムは、遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段とを備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な金額を設定するための設定手段と、前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数に相当する金額と前記設定手段で設定された金額によって、前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したか否かを判定する判定手段と、前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段とを備え、前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーに基づいて前記付与手段により付与された第2の度数から使用された分を前記合計使用度数から除外して、前記判定を行う。
本発明の遊技システムは、遊技者の携帯通信端末を用いて、遊技を可能とする遊技システムであって、前記遊技システムは、遊技者の貨幣を遊技機の遊技で使用可能な第1の度数に変換するための第1の変換手段と、前記遊技者の携帯通信端末を用いて前記遊技者の電子マネーを前記遊技で使用可能な第2の度数に変換するための第2の変換手段と、前記第1の度数の付与および前記第2の度数の付与を行う付与手段と、前記第1の度数および前記第2の度数に基づいて遊技媒体を払い出すための処理を行う払出手段とを備え、遊技機に対応させて設けられる遊技用装置と、前記遊技用装置と通信可能であり、前記第1の度数と前記第2の度数の管理を行う管理装置と、を少なくとも含み、所定期間において前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行うことが可能な金額を設定するための設定手段と、前記払出手段で前記遊技媒体を払い出すための処理を行ったことに基づき使用された前記第1の度数と前記第2の度数の合計使用度数に相当する金額と前記設定手段で設定された金額によって、前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したか否かを判定する判定手段と、前記遊技者が前記遊技機において遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を前記電子マネーに交換するための交換手段とを備え、前記判定手段は、前記交換手段により前記獲得遊技媒体から交換された前記電子マネーの額を前記設定手段で設定された金額に加算して、前記判定を行う。
【0009】
前記判定手段において前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したと判定された場合には、前記払出手段による遊技媒体を払い出すための処理を禁止する。
【0010】
前記判定手段において前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したと判定された場合には、前記付与手段による前記第1の度数または前記第2の度数の付与を禁止する。
【0011】
前記判定手段において前記合計使用度数に相当する金額が前記設定手段で設定された金額に達したと判定された場合には、その旨を報知する、
【0014】
前記判定手段は、複数の遊技場において前記遊技者が遊技に使用した度数に相当する金額の合計が前記設定手段に設定された金額に達したか否かの判定を行う。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、貨幣を用いた遊技と電子マネーを用いた遊技の両方が可能な場合において適切に管理を行う遊技システムの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る遊技システム10において、台間機3の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る遊技システム10において、スマートフォン26の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る遊技システム10において、景品管理機16の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る遊技システム10において、遊技者のスマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを、遊技機(パチンコ機2,スロット機7)の遊技で使用する度数(第2の度数)に変換するときの動作の概要を示すフロー図である。
【
図8】
図8は、実施形態の変形例9に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
【0018】
[A]遊技システム10
図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
【0019】
図1に示すように、遊技システム10は、複数のパチンコ機2(遊技機)及び複数のスロット機7(遊技機)と、複数の台間機3(遊技用装置)及び複数の台間機8(遊技用装置)と、複数のデータ表示機9と、ネットワーク20と、島コンピュータ25とを備えている。
【0020】
遊技システム10において、複数の台間機3は、複数のパチンコ機2にそれぞれ対応させて設けた遊技用装置であって、複数のパチンコ機2に各々接続されている。一方、複数の台間機8は、複数のスロット機7にそれぞれ対応させて設けた遊技用装置である。なお、台間機3および台間機8には、紙幣識別装置(ビルバリ)などが搭載されている。
【0021】
複数のデータ表示機9は、複数のパチンコ機2及び複数のスロット機7にそれぞれ接続されている。データ表示機9は、例えば、パチンコ機2に関しては、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を表示する。
【0022】
ネットワーク20は、ハブやWi-Fi(登録商標)アクセスポイントなどの通信用機器を用いて構築されている。
【0023】
島コンピュータ25は、複数のパチンコ機2、複数のスロット機7、複数の台間機3、複数の台間機8、及び、複数のデータ表示機9などの機器と、ネットワーク20との間に介在している。
【0024】
なお、以降の説明では、ともに遊技機であるパチンコ機2とスロット機7とを個別に説明する必要がある場合を除き、パチンコ機2の場合を例にとって説明する。
【0025】
上述した機器以外に、遊技システム10には、様々な周辺機器が設けられている。ここでは、周辺機器として、管理装置5、パーソナルコンピュータ5a、景品払出機11、精算機12、計数機14、発券機15、景品管理機16、データ公開機17、プロトコルコンバータ21、モデム22、カードセンタ23、再プレー受付機24などを遊技システム10が備えている。上記した各機器は、ネットワーク20に接続されている。
【0026】
上記の機器のうち、景品管理機16は、景品交換装置(POS)であって、景品払出機11が併設されている。景品管理機16は、景品交換時に従業員が操作を行うように構成されていてもよく、景品交換時に遊技者自身が操作を行うように構成されていてもよい。
【0027】
管理装置5は、例えば、ホールコンピュータ、景品管理装置、会員管理装置などの情報収集装置として構成されている。管理装置5は、管理装置5の情報を参照する機能を含む、パーソナルコンピュータ5aに接続されている。
【0028】
上記の周辺機器は、パチンコ機2及びスロット機7(遊技機)と通信可能である。パチンコ機2、スロット機7、及び、各周辺機器が出力する情報は、ネットワーク20を介して管理装置5に出力された後に、さらに、プロトコルコンバータ21、モデム22を介してカードセンタ23に送信される。なお、モデム22からカードセンタ23への情報の通信は、一般通信回線を介して行われる。
【0029】
遊技システム10では、遊技者は、貨幣(紙幣、硬貨)、会員用カード(遊技用記録媒体)27、非会員用カード(遊技用記録媒体)28、スマートフォン26(携帯通信端末)などを用いて、遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で遊技を行うことができる。
【0030】
詳細には、遊技システム10では、貨幣、会員用カード27、非会員用カード28、スマートフォン26(携帯通信端末)により特定可能な度数(第2の有価価値)によって、遊技場(遊技ホール)と遊技者(会員の遊技者,非会員の遊技者)との間で、パチンコ玉やメダル(コイン)などの遊技媒体の貸借が行われる。そして、遊技者は、貸借されたパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を遊技機(パチンコ機2、スロット機7)において使用して遊技を行う。
【0031】
ここで、「度数」とは、入金された金額を遊技によって消費される数値に変換(度数化)したものであって、例えば、1万円を度数化した場合には100度数になる。また、「会員の遊技者」とは、会員用カード27を有する遊技者であって、住所、氏名、年齢、性別、好きな台(好きな種類の遊技機)、連絡先、暗証番号などの属性情報が、当該会員の遊技者を個別に識別可能な会員番号(会員ID)と対応付けされて管理装置5に登録されている遊技者である。一方、「非会員の遊技者」とは、会員の遊技者として情報が登録されていない一般の遊技者である。また、スマートフォン26に会員番号(会員ID)を対応付けて会員用カード27の代用としてもよい。
【0032】
会員用カード27及び非会員用カード28は、ICチップ及びアンテナを有する非接触タイプの記録媒体であり、カード形状やコイン形状である。非会員用カード28は、例えば、会員用カード27よりも、縦及び横の長さが短く、さらに、厚さが薄く構成されていて会員用カード27と区別される。会員用カード27には、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、カードIDには、会員である遊技者の種々の情報が紐付けされる。この紐付けされる情報(
図5参照)は、例えば、遊技ID(収集用識別情報)、会員番号、度数残高、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技者の獲得玉)、利用した金額などの情報である。
【0033】
この他に、貯玉数(スロットの場合は、貯メダル)、ポイント、勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、貸玉数(スロットの場合は、貸メダル数)、遊技台種別などの情報、これらの情報を履歴情報、日毎情報、週毎情報とした情報、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの情報を紐付けてもよい。また、遊技中は、例えば、遊技者が遊技している遊技台の番号や台間機3の番号を一時的に紐付けることもできる。上記した度数残高や貸玉、貯玉など金銭的に価値のある情報を「価値情報」と呼ぶ。また、遊技を行った時間や発生した大当たり回数などを集計して紐付けしてもよい。
【0034】
上記の「アウト(発射玉)」は、スロットでは「イン(投入枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであっても、パチンコと同様に、「アウト」と称す。同様に、上記の「セーフ」は、スロットでは、「アウト(払い出されたメダルの枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであっても、パチンコと同様に、「セーフ」と称す。「ポイント」には、来店ポイント(台間機3および台間機8に、会員用カード27を差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などがある。これらの情報は、管理装置5によって管理される。「管理」とは、これらの情報を更新したり、消去したり、保持したりすることである。情報は、上記に限定されず、遊技の管理を行う上で必要な情報であれば、適宜、紐付け(関連付け)られる。
【0035】
非会員用カード28にも、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、このカードIDには、非会員の遊技者の種々の情報が紐付けられる。詳細には、遊技ID、度数、貸玉、入金などの情報、これらの情報を所定の期間に限って紐付ける。ただし、この情報は、これらに限定されず、遊技管理を行う上で必要な情報であれば適宜紐付けされる。これらの紐付けされる情報は、会員用カード27に紐付けされる情報と同様に、管理装置5によって管理される。非会員用カード28には、会員番号、ポイントなどの情報は紐付けされない。ただし、管理装置5は、これらの情報をいつでも紐付け可能なように、保持しておくことが可能である。
【0036】
上記情報のうち遊技IDは、例えば、台間機3または台間機8に貨幣を投入したときに付与されるIDであり、以後の遊技の情報は、この遊技IDに対応付けられて管理される。例えば、会員用カード27及び非会員用カード28を所有しない遊技者が貨幣によって遊技を開始する場合、まず遊技IDが発行され、この遊技IDに遊技情報が紐付けられて管理される。その後、例えば、非会員用カード28が発行された場合、遊技IDに対して非会員用カード28に記憶されているカードIDが追加で紐付けられて管理される。また、会員用カード27を所有している遊技者においては、貨幣を投入せずに会員用カード27を台間機3または台間機8に挿入して遊技を開始する場合があるが、その場合、会員用カード27を受け付けた際に遊技IDを発行してもよい。
【0037】
なお、詳細については後述するが、本実施形態の遊技システム10においては、上記の他に、遊技者のスマートフォン26(携帯通信端末)を用いて、遊技者の電子マネー(第1の有価価値)を、遊技機(パチンコ機2、スロット機7)での遊技で使用可能な度数(第2の有価価値)に変換可能に構成されている。
【0038】
[B]詳細構成
以下より、本実施形態の遊技システム10の要部、および、遊技者のスマートフォン26(携帯通信端末)に関して詳細に説明する。
【0039】
[B-1]台間機3
図2は、実施形態に係る遊技システム10において、台間機3の構成を模式的に示すブロック図である。
【0040】
台間機3について
図2を用いて説明する。なお、台間メダル貸し機である台間機8は、台間機3と対応する機能を有している。このため、ここでは、台間機3について主に説明し、台間機8については詳細な説明を省略する。
【0041】
台間機3は、主に、パチンコ機2の上皿へパチンコ玉を供給するための装置である。台間機3は、
図2に示すように、制御部30(付与手段)と、カード受付部31と、カード処理部32と、貨幣受付部33(第1の変換手段)と、操作部34(第2の変換手段)と、表示部35と、ランプ部36と、通信部37と、を備える。なお、台間機3は、対応するパチンコ機2で獲得されたパチンコ玉を計数できる計数部やパチンコ玉を払い出す払出部(払出手段)を備えている場合もある。
【0042】
制御部30は、台間機3を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部30は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0043】
カード受付部31は、会員用カード27又は非会員用カード28が挿入される。また、上述のように会員用カード27の代わりにスマートフォン26を使用する場合は台間機3に備わるスマートフォン受付部に近接させることによりスマートフォン26と台間機3の間で通信を行い、会員IDなどを読み取って以下同様にカード処理部32で処理が行われる。
【0044】
カード処理部32は、図示を省略しているが、リーダライタ部、カード貯留部、カード発行部を備える。
【0045】
リーダライタ部は、カード受付部31が受け付けた会員用カード27又は非会員用カード28からカードIDを読み取る。また、リーダライタ部は、会員用カード27又は非会員用カード28に度数などの情報が記憶されている場合、カードIDに加えてこれらの情報も読み取る。リーダライタ部は、その読み取った情報の制御部30への出力や、制御部30に制御されて更新された度数などの書き込みを行う。
【0046】
カード貯留部は、度数などの価値情報が「0」となり回収した非会員用カード28を貯留する。
【0047】
カード発行部は、カード貯留部から非会員用カード28を取り出し、例えば、カードIDや最新の価値情報などを新たに記憶させてカード受付部31から発行する。「最新の価値情報(残額情報)」は、例えば、遊技中に消費されずに残った度数を示す情報である。また、台間機3が計数部を備える場合は計数したパチンコ玉数の情報(獲得遊技媒体)も含まれる。
【0048】
新たな非会員用カード28を発行した場合、カード処理部32は、制御部30に制御されて、非会員用カード28を発行したことを発行情報として管理装置5に送信する。この発行情報には、例えば、非会員用カード28を発行したことを示す情報と、この新たな非会員用カード28に記録されたカードIDと、非会員用カード28に記憶させた最新の価値情報と、が含まれる。
【0049】
貨幣受付部33は、例えば紙幣識別装置と接続されており、この紙幣識別装置に貨幣が挿入されたことや貨幣の金額を認識することができる。認識された貨幣の金額は、パチンコ機2の遊技で使用可能な度数(第1の度数)に変換される。
【0050】
操作部34は、貸玉ボタン、再プレー用貸玉ボタン、返却ボタンなどの操作ボタンを備えている。貸玉ボタンは、遊技者がパチンコ玉の貸し出しを要求するときに、押されるボタンである。例えば、貸玉ボタンが1回押されると度数に基づいて500円分のパチンコ玉の貸し出しが行われ、パチンコ機2の内部からパチンコ玉が払い出される。再プレー用貸玉ボタンは、遊技者が再プレー(貯玉の再払い出し)を要求するときに押されるボタンである。再プレーの払い出しはパチンコ機2から払い出すのではなく、台間機3に備わる払出部からパチンコ玉を払い出してもよい。返却ボタンは、遊技者が会員用カード26または非会員用カード27の発行や返却を要求するときに押されるボタンである。その他、操作部34は、タッチパネルやキーパッドなどの入力インターフェースを有している。
【0051】
表示部35は、各種の情報を表示させる表示装置を有する。
【0052】
ランプ部36は、ランプの点灯及び消灯を行うように構成されている。
【0053】
通信部37は、外部の装置との情報通信を行うように構成されている。
【0054】
本実施形態の台間機3において、操作部34は、上記の他に、遊技者の電子マネーをパチンコ機2の遊技で使用可能な度数(第2の度数)に変換する変換操作を行うための変換操作部を含む。そして、例えば、操作部34において、遊技者が変換操作部を操作して、遊技者の電子マネーを度数に変換する変換操作を行う指示が入力されたときには、表示部35が二次元コードを表示する。ここでは、二次元コードは、時間情報(例えば変換操作が実行された時間の情報)、遊技場情報(例えば全国の遊技場の中で自遊技場を特定可能な識別番号など)、および、遊技機情報(例えば遊技場内に設置される遊技機の中で変換操作が行われた台間機3を特定可能な識別番号など)を含む。また、変換操作において、変換を希望する金額や度数を入力した場合は金額や度数を示す情報を含んでいてもよい。
【0055】
詳細については後述するが、その後、台間機3においては、スマートフォン26を用いて読み取られた二次元コードの情報に基づいて、電子マネーから変換された度数の付与を行う。つまり、台間機3は、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の付与の他に、遊技者のスマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の付与を行うように構成されている。
【0056】
[B-2]スマートフォン26
図3は、実施形態に係る遊技システム10において、スマートフォン26の構成を模式的に示すブロック図である。
【0057】
図3に示すように、スマートフォン26は、携帯通信端末の一例であって、制御部60と、音声入力部61と、音声出力部62と、表示部63と、操作部64と、撮像部65と、コード読取り部67と、通信部68と、記憶部69とを有する。
【0058】
スマートフォン26において、制御部60は、スマートフォン26を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部60は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0059】
音声入力部61は、マイクロフォンを有し、音声を電気信号である音声信号に変換して出力するように構成されている。
【0060】
音声出力部62は、スピーカを有し、電気信号として入力された音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。
【0061】
表示部63は、液晶表示パネルなどの表示パネルを有し、電気信号として入力された画像信号を表示画面に画像として表示するように構成されている。
【0062】
操作部64は、タッチパネルなどの入力インターフェースを有し、入力された操作内容を電気信号である操作信号として出力するように構成されている。
【0063】
撮像部65は、撮像素子を有し、画像を電気信号である画像信号に変換するように構成されている。
【0064】
コード読取り部67は、遊技者の電子マネーを度数に変換するために設けられている。本実施形態では、スマートフォン26は、例えば、前払い方式と後払い方式との少なくとも一方のコード決済のためのアプリケーションがインストールされており、コード読取り部67は、そのコード決済のためのアプリケーションが実行されている際に、二次元コードの情報を読み取るように構成されている。
【0065】
通信部68は、他の機器と通信を行うために設けられている。記憶部69は、各種情報を記憶している。例えば、スマートフォン26に対応付けられている電子マネー額や電子マネー使用履歴を特定し表示部63で表示するための情報、スマートフォン26を識別可能な識別情報などが記憶されている。なお、記憶部69にはスマートフォン26の識別情報が記憶されるICチップなどを含む。
【0066】
詳細については後述するが、スマートフォン26においては、遊技者の電子マネーを遊技で使用可能な度数に変換する際に、そのコード決済のためのアプリケーションが用いられる。ここでは、遊技者の電子マネーを度数に変換する際に台間機3の表示部35に表示される二次元コードについて、コード決済のためのアプリケーションを実行させた状態で、スマートフォン26の撮像部65を用いて撮像する。二次元コードの撮像を完了したときには、コード決済のためのアプリケーションの機能であるコード読取り部67が、その撮像した二次元コードについて画像解析を行うことによって、二次元コードの情報を読み取る。そして、コード読取り部67が読み取った二次元コードの情報は、ネットワーク20もしくはインターネット回線などを介して管理装置5に送信される。つまり、スマートフォン26にインストールされたコード決済用アプリケーションから通信網を通じて管理装置5や決済機関の装置へ通信を行う。
【0067】
[B-3]管理装置5
図4は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
図5は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
【0068】
管理装置5は、
図4に示すように、制御部50と、タイマ部51と、情報集計部52と、状態監視部53と、データベース部54と、通信部55と、ID管理部56とを有する。管理装置5を構成する各部は、例えば、ICチップなどの電子素子、電気回路、外付けタイプの装置(外部装置)やこれらを動作させる種々のプログラムによって構成されている。
【0069】
制御部50は、管理装置5を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部50は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0070】
タイマ部51は、タイマーを有し、時間の計測を行う。タイマ部51は、制御部50、情報集計部52、状態監視部53などによって制御されることで計時動作を開始する。そして、タイマ部51は、所定時間を計時し、タイムアップしたときには、そのタイムアップした旨を、制御部50、情報集計部52、状態監視部53などに通知する。タイマ部51は、タイムアップ通知後、リセットされる。
【0071】
情報集計部52は、各部から送信された情報について集計を行うように構成されている。制御部50に制御されて、島コンピュータ25、台間機3、台間機8、パチンコ機2、スロット機7などの機器から送信された種々の情報に基づいて、データベース部54への遊技データの登録及び集計等を行う(
図5参照)。遊技データは、例えば「稼働(遊技中)/非稼働(遊技終了や遊技の一時的中断)」、獲得玉の増加などを表す「玉の増加情報」、会員用/非会員用のカードの挿入状況を表す「カード情報」、遊技者の所持する度数を表す「度数残高」、遊技者が当日に使用した金額を表す「利用金額」、遊技者の所持する貯玉数を表す「貯玉数」などである。なお、「度数残高」は第1の度数と第2の度数で区別して登録される。また図示していないが、遊技者の所持する獲得遊技媒体数を表す「獲得遊技媒体数」なども記憶される。
【0072】
この他に、情報集計部52は、例えば、スタート回数や大当たり回数などの情報の集計や管理を行う。さらに、情報集計部52は、大当たり中か否か、確変中か否か、テーブルの最終更新時間などの情報も管理することができる。これらの遊技情報の管理は、例えば、パチンコ機2から出力される、大当り信号、スタート信号、入賞信号、確変信号、アウト信号、セーフ信号、排出するパチンコ玉数に関する信号や、台間機3から出力される、入金信号、貸玉信号、再プレー貸玉信号などに基づいて行われる。
【0073】
これらの遊技情報は、データベース部54にテーブルとして記憶され、このテーブルは、情報集計部52で管理されることに加え、制御部50に制御下で状態監視部53によっても管理される。テーブルが複数ある場合、
図5に示すように、データ番号などのテーブル固有の識別子をそれぞれ紐付けることよって、関連させて管理することが可能である。これらの遊技データは、情報集計部52において、履歴情報、日毎情報、週毎情報などとしても管理することができる。例えば、情報集計部52は、大当り種別毎に遊技データを集計するなど、種々の情報毎に集計したデータを管理する。
【0074】
状態監視部53は、制御部50に制御されて、情報集計部52が管理する上記の遊技データ(上記した例えば稼働/非稼働の状況など)に基づいて、各パチンコ機2及び各スロット機7を、当該遊技機を遊技者が占有していない状態を示す「空台状態」、遊技中であることを示す「遊技状態」、空台状態と遊技状態の中間の状態である「監視状態」といった3つの状態に区分する。
【0075】
データベース部54は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど種々の記憶装置を備えている。データベース部54には、前述した情報がテーブルとして記憶される。これらの情報は必要に応じて適宜読み書きされる。
【0076】
通信部55は、通信インターフェースを備えている。通信部55は、ネットワーク20を介し、例えばパチンコ機2や台間機3などの周辺機器との間で、情報(信号)を送信および受信するために設けられている。またインターネット回線などを通じて外部にある決済機関の管理装置などとも通信を行うことができる。
【0077】
ID管理部56は、図示を省略しているが、ID検索部、ID発行部、及び、ID登録部を備えている。ID検索部は、データベース部54に記憶されたテーブルから、所定の遊技IDを検索する。ID検索部は、検索結果として、遊技IDの有無や遊技IDが検索された場合には、検索された遊技IDを制御部50に通知する。ID発行部は、新たに遊技IDを発行する。ID登録部は、ID発行部が発行した遊技IDをデータベース部54に記憶させる。また、ID登録部は、発行情報に含まれるカードIDを遊技IDと対応付けてデータベース部54に登録する。
【0078】
詳細については後述するが、本実施形態では、スマートフォン26のコード読取り部67で読み取られた二次元コードの情報が、スマートフォン26の通信部68から管理装置5に送信されたときには、管理装置5は、コード読取り部67で読み取られた二次元コードの情報に基づいて、電子マネーから変換された度数の付与を台間機3において実行させる。
【0079】
[B-4]景品管理機16
図6は、実施形態に係る遊技システム10において、景品管理機16の構成を模式的に示すブロック図である。
【0080】
図6に示すように、景品管理機16は、制御部70、カード処理部71、表示部72、操作部74、通信部75を備える。
【0081】
景品管理機16は、例えば、遊技場のホールにおいて景品カウンターに設置される景品交換機であって、遊技者が遊技において獲得した遊技媒体(玉、メダル)を景品に交換するときに用いられる。景品管理機16は、景品交換時に従業員が操作を行うように構成されていても、もしくは遊技者自身が操作を行うように構成されていてもよい。
【0082】
制御部70は、景品管理機16を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部70は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0083】
カード処理部71は、リーダライタを含み、会員用カード27または非会員用カード28の情報を読み取ると共に、会員用カード27または非会員用カード28に情報を書き込むように構成されている。ここでは、カード処理部71は、例えば、計数機14によって計数された獲得遊技媒体数、会員IDやカードIDなどの情報について読み取り及び書き込みを行う。カード処理部71は、例えば、近距離無線通信によって情報の読取り及び書き込みを行うように構成されていてもよい。また、上述のように会員用カード27に代えてスマートフォン26を使用可能とする場合には、スマートフォンと近接通信可能なリーダーライタが設けられる。
【0084】
表示部72は、例えば、液晶パネルなどの表示パネルを含み、各種の画像を表示するように構成されている。表示部72は、例えば、獲得遊技媒体数、景品の種類、交換する景品の数、景品交換に必要な遊技媒体数などのように、景品交換に係る情報を表示する。
【0085】
操作部74は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルなどの入力インターフェースを含み、操作内容が入力され、その入力された操作内容を出力するように構成されている。操作部74においては、例えば、景品交換の開始および終了の入力、所望する景品や個数の入力、暗証番号の入力などの情報が入力される。
【0086】
通信部75は、通信インターフェースを備えている。通信部75は、ネットワーク20を介し、各機器との間で、情報(信号)を送信および受信するために設けられている。
【0087】
詳細については後述するが、本実施形態の景品管理機16(交換手段)は、遊技者が遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を電子マネーに変換可能に構成されている。
【0088】
[C]電子マネーを度数に変換するときの動作
図7は、実施形態に係る遊技システム10において、遊技者のスマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを、遊技機(パチンコ機2,スロット機7)の遊技で使用可能な度数(第2の度数)に変換するときの動作の概要を示すフロー図である。
【0089】
遊技者のスマートフォン26を用いて、該スマートフォン26にて特定可能な遊技者の電子マネーを遊技で使用する度数に変換する際には、
図7に示すように、最初に、変換操作の開始を実行する指令が入力される(ST11)。
【0090】
ここでは、例えば、台間機3の操作部34に設けられた変換操作ボタンを遊技者が押す。これにより、変換操作の開始を実行する指令が入力される。
【0091】
つぎに、
図7に示すように、二次元コードの表示が行われる(ST12)。
【0092】
ここでは、上記のように台間機3の操作部34の変換操作ボタンが押されたときに、台間機3の表示部35に二次元コードを表示させる。上述したように、二次元コードは、時間情報、遊技場情報、および、遊技機情報を含む。
【0093】
つぎに、
図7に示すように、二次元コードの読取りが行われる(ST13)。
【0094】
ここでは、スマートフォン26においてコード決済のためのアプリケーションが実行されている状態で、遊技者がスマートフォン26の撮像部65を用いて、台間機3の表示部35に表示される二次元コードを撮像する。撮像部65で撮像された二次元コードの情報は、スマートフォン26のコード読取り部66において読み取られる。
【0095】
つぎに、
図7に示すように、度数の付与が行われる(ST14)。
【0096】
ここでは、コード読取り部66が読み取った二次元コードの情報は、スマートフォン26の通信部68からネットワーク20に送信される。この他に、二次元コードの情報が読み取られた後には、度数の変換で用いる電子マネーの金額、もしくは変換を希望する度数を、遊技者がスマートフォン26の操作部64を用いて入力する。度数の変換で用いる電子マネーの金額や変換希望度数の情報は、コード読取り部66が読み取った二次元コードの情報や、コード決済のためのアプリケーションにおいて記憶された遊技者の所有する電子マネー情報、金融機関の口座情報やクレジットカード情報などの情報と共にネットワーク20に送信される。
【0097】
ネットワーク20に送信された各情報は、例えば、外部の決済機関(図示省略)において、決済の判断に用いられる。決済の結果は、二次元コードの情報、および、度数への変換で用いる電子マネーの金額の情報と共に、ネットワーク20を経由して管理装置5に送信される。
【0098】
決済がされた場合には、管理装置5は、二次元コードの情報、および、度数への変換で用いる電子マネーの金額の情報に基づいて、電子マネーから変換された度数の付与を台間機3に実行させる。なお、度数の付与が実行される台間機3は二次元コードの情報に含まれる遊技機情報にていずれの台間機3なのかが特定される。
【0099】
度数の付与が行われた場合には、台間機3の表示部35に、例えば、付与された度数が表示される。そして、決済が完了した旨などの情報がスマートフォン26に送信され、例えば、スマートフォン26の表示部63に表示される。また例えば、スマートフォン26に対応付けられている電子マネーが、度数に変換した分減額される。
【0100】
[D]獲得遊技媒体を電子マネーに交換するときの動作
遊技者が遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を電子マネーに交換するときの動作に関して説明する。
【0101】
獲得遊技媒体を電子マネーに交換する際には、獲得遊技媒体が対応付けられた会員用カード27、非会員用カード28、もしくはスマートフォン26をカード処理部71にて受け付け、且つ該獲得遊技媒体を電子マネーに交換する旨の指令が、例えば、景品管理機16の操作部74に入力される。また、遊技者のスマートフォン26に関する情報(電話番号など)が、例えば、景品管理機16の操作部74に入力される。もしくは例えばカード処理部71にてスマートフォン26を受け付け、スマートフォン26に内蔵されるICの識別番号を読み取ってもよい。
【0102】
つぎに、操作部74において交換を希望する電子マネー額を入力する。入力すると獲得遊技媒体数から交換を希望する電子マネーの金額の情報と共に、遊技者のスマートフォン26に関する情報(電話番号やIC識別番号など)が、景品管理機16の通信部75からネットワーク20に出力される。管理装置5は、ネットワーク20を通じて該情報を受信し、データベース部54において記憶する獲得遊技媒体数を交換した分減算する。ここでは、獲得遊技媒体から直接電子マネーに交換する例を示したが、獲得遊技媒体を特殊景品に交換した後に該特殊景品に対応した金額を電子マネーの金額に変換するように構成してもよい。なお、上述のとおり、景品管理機16は従業員によって操作可能としてもよいし、遊技者により操作可能としてもよいが、例えば獲得遊技媒体を直接電子マネーに変換する交換は遊技者によっても交換操作可能だが、獲得遊技媒体を景品に交換する交換操作は従業員のみが操作可能というように制限をしてもよい。もしくは、交換対象となる獲得遊技媒体数が少量である安価景品のみ遊技者が交換操作可能であるなど、交換対象の違いによって交換操作可能な人物を制限してもよい。
【0103】
上記の情報は、ネットワーク20を経由して、例えば、外部の決済機関(図示省略)に送信され、決済の判断に用いられる。
【0104】
決済がされた場合には、獲得遊技媒体数から交換された電子マネーが、遊技者のスマートフォン26に付与される。電子マネーの付与が行われた場合には、遊技者のスマートフォン26に関する情報(電話番号やIC識別番号など)に基づいて、例えば、スマートフォン26の表示部63に、付与された電子マネーの情報が表示される。
【0105】
[E]まとめ
以上のように、本実施形態の遊技システム10は、遊技者のスマートフォン26を用いて、遊技者の電子マネーを、パチンコ機2などの遊技機の遊技で使用可能な度数(第2の度数)に変換可能に構成されている。本実施形態では、上述したように、台間機3に電子マネーを度数に変換する変換操作を行うための操作部34が設けられていると共に、操作部34を用いて変換操作が行われたときに、台間機3の表示部35が二次元コードを表示する。台間機3の表示部35に表示される二次元コードは、スマートフォン26の撮像部65を用いて撮像される。そして、スマートフォン26のコード読取り部67において、その撮像した二次元コードの画像解析が行われることで、二次元コードの情報が読み取られる。コード読取り部67で読み取られた二次元コードの情報は、スマートフォン26の通信部68によって、管理装置5に送信される。そして、管理装置5は、コード読取り部67で読み取られた二次元コードの情報に基づいて、電子マネーから変換された度数の付与を台間機3において実行させる。
【0106】
このように、本実施形態では、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の付与の他に、遊技者のスマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の付与が、台間機3において実行されるように構成されている。このため、本実施形態においては、遊技者は簡便な操作によって第2の度数が付与されるので、利便性の向上を実現することができる。
【0107】
さらに、本実施形態では、遊技者が遊技を行うことによって獲得した獲得遊技媒体を、電子マネーに変換可能であって、その変換された電子マネーを遊技者に付与可能である。このため、本実施形態においては、遊技者は簡便な操作によって、獲得遊技媒体を電子マネーに変換可能であるので、利便性の向上を実現することができる。
【0108】
[F]変形例
上記の実施形態は、一例であって、下記に示す種々の変形例を採用可能である。
【0109】
[F-1]変形例1
上記の実施形態では、電子マネーを度数に変換する変換操作を行うときには、台間機3の表示部35に表示された二次元コードを、遊技者がスマートフォン26の撮像部65を用いて撮像する「ユーザースキャン方式」の場合について説明したが、これに限らない。「ストアスキャン方式」であってもよい。例えば、台間機3に撮像部(図示なし)およびコード読取り部(図示なし)を設け、スマートフォン26の操作部64において電子マネーから度数への変換操作を行った結果、表示部63に表示される二次元コードを台間機3の撮像部(図示なし)で撮像し、台間機3のコード読取り部(図示なし)で二次元コードを読み取るように構成してもよい。その他、台間機3以外の
図1に示される遊技場の機器において、上記と同様に、二次元コードを読み取るように構成してもよい。
【0110】
[F-2]変形例2
上記の実施形態の遊技システム10においては、スマートフォン26に電子マネーをチャージするためのチャージ装置(例えば
図1に示す発券機15)を更に備えていてもよい。チャージ装置において、貨幣を入金するとともにスマートフォン26をスマートフォン受付部に近接させることで、スマートフォン26に対応付けられる電子マネーを付与する。なお、スマートフォン26への電子マネーの付与は上述の獲得遊技媒体を電子マネーに変換する場合の記載と同様である。その他、前払い方式の電子マネーチャージでは、コンビニのATM等をチャージ装置として用いて、電子マネーのチャージを行ってもよい。
【0111】
[F-3]変形例3
上記の実施形態の場合と異なり、スマートフォン26の通信部68から二次元コードの情報が管理装置5に送信された際に、管理装置5がスマートフォン26の通信部68に認証コードを返信するように構成してもよい。この場合には、台間機3の操作部34に、その認証コードの入力操作が行われ、管理装置5または台間機3において送信した認証コードと入力された認証コードを照合した結果、一致したときに、度数の付与を行う。例えば、認証コードとして、ランダムな数字の配列を送信し、その送信された数字の配列と同じ数字の配列が入力されたときに、度数の付与を行う。これにより、度数の付与に関して、安全性をより高めることができる。なお、照合の結果、一致しない場合は度数の付与を中止し、一致しない旨をエラー報知してもよいし、1回のみではなく所定数の複数回の認証コードの入力を許容し、該所定回数一致しない場合に度数の付与を中止してもよい。
【0112】
[F-4]変形例4
上記変形例3において、複数の台間機3のうち変換操作が行われた台間機3(第1の遊技用装置)とは異なる他の台間機3(第2の遊技用装置)に、管理装置5が送信した認証コードの入力操作が行われたときには、管理装置5が変換操作を取り消すように構成されていてもよい。これにより、度数の付与に関して、安全性をより高めることができる。なお、管理装置5は、受信した二次元コードの情報に含まれる遊技機情報により特定可能な変換操作が行われた台間機3と認証コードの入力操作が行われた台間機3が一致しているか否かを判定している。
【0113】
[F-5]変形例5
複数の台間機3のうち変換操作が行われた台間機3(第1の遊技用装置)とは異なる他の台間機3(第2の遊技用装置)に認証コードの入力操作が行われたときには、管理装置5は、変換操作が行われた台間機3(第1の遊技用装置)ではなく、認証コードの入力操作が行われた他の台間機3(第2の遊技用装置)に度数の付与を行うように構成されていてもよい。この場合には、遊技者が他のパチンコ機2を遊技するために移動した場合であっても、度数の付与が行われるので、利便性を高めることができる。
【0114】
[F-6]変形例6
上記実施形態では、電子マネーを度数に変換する際に台間機3の操作部34において変換を希望する度数や電子マネーの金額の選択を行うように構成されていてもよい。そして、この場合には、台間機3の表示部35に表示する二次元コードが、その度数、もしくは変換で用いる電子マネーの金額に関する情報を含むようにしてもよい。
【0115】
[F-7]変形例7
遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)と、遊技者のスマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)とのそれぞれについては、管理装置5が合算せずに両者を区別して管理してもよい。これにより、貨幣を変換した度数(第1の度数)と電子マネーを変換した度数(第2の度数)とのそれぞれを容易に管理することできる。また、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)を元に貸玉を行い利用した金額と遊技者のスマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)を元に貸玉を行い利用した金額も合算せずに両者を区別して管理してもよい。あるいは、上述した区別して管理するデータとは別に、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)と、遊技者のスマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)を合算した度数情報や利用金額を管理し、例えば遊技者が両度数合わせてどのくらいの金額を利用しているかなどを管理してもよい。もしくは、管理上は両者を区別して管理装置5にて記憶する一方、例えば台間機3などで遊技者に対して表示する情報は両者を合算して表示することで遊技者が容易に残度数などを把握可能に構成してもよい。
【0116】
[F-8]変形例8
遊技システム10における精算機12は貸玉に使用せず余った度数(第1の度数、第2の度数)を精算して遊技者に返却することが可能に構成されている。そして、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)は貨幣または電子マネーのいずれかに変換することによって遊技者に返却することが可能であり、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)は電子マネーにのみ戻す精算を行うことが可能に構成してもよい。あるいは、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)も貨幣に精算して返却することが可能だが、例えば所定額の度数などを変換手数料として徴取されるようにすることで電子マネーへの精算を優遇してもよい。また、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)を当日中に全て使用しきらずに残った状態で遊技終了する場合は当日中の精算を必須とする一方、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)が残った状態で遊技終了しても翌日以降該度数に基づいて貸玉可能に構成してもよい。これにより、電子マネーへの精算を増加させることで再度遊技に使用する利便性をあげ、遊技の継続や再来店の促進の効果を奏することができる。
【0117】
[F-8]変形例8
遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の付与を実行した後には、その遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の全てが遊技において使用されるか精算されてなくなるまで、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の付与を禁止するように構成してもよい。逆に、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の付与を実行した後には、その遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の全てが遊技において使用されるか精算されてなくなるまで、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の付与を禁止するように構成してもよい。なお、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)が残っている時点で更なる遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の付与を行うこと、また、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)が残っている時点で更なる遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の付与を行うことは可能に構成してもよい。これにより、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の管理、および、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の管理を容易に行うことができる。
【0118】
[F-9]変形例9
遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)の付与、および、遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)の付与を行い、両者の度数を同時に所持している際には、両者の度数のうち、いずれか一方が優先的に遊技において使用されるように、管理装置5が管理してもよい。このとき、玉の貸し出し操作に基づいて玉が払い出されるとともに、優先的に遊技に使用される方の度数のみが減算され、もう一方の度数は保持される。なお、両者の度数の優先順位について、例えば、台間機3で設定するように構成してもよい。これにより、利便性を向上可能である。
【0119】
[F-10]変形例10
上記の実施形態では、景品管理機16において読み取られた獲得遊技媒体の情報を用いて、獲得遊技媒体から電子マネーに交換する場合を示しているが、これに限らない。例えば、景品管理機16などを介在せずに、計数機14で計測した獲得遊技媒体数に基づいて、電子マネーの交換を行うように構成してもよい。
【0120】
[F-11]変形例11
図8は、実施形態の変形例9に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
【0121】
図8に示すように、本変形例では、管理装置5は、上記の実施形態の場合(
図4参照)と異なり、限度額設定部101(設定手段)と限度額判定部(判定手段)102と報知部103とを備えていてもよい。
【0122】
限度額設定部101は、予め設定された期間において遊技者が遊技の際に使用可能な金額の限度を設定するために設けられている。ここでは、例えば、管理装置5に接続されたパーソナルコンピュータ5aの操作部(図示省略)において、1日に遊技者が遊技の際に使用することが可能な金額の限度が入力され、その入力された情報に基づいて、限度額設定部101が限度の設定を行う。例えば、1日当たりの限度として、5万円が設定される。なお、限度は金額で設定してもよいし、度数で設定してもよい。また、遊技者の貨幣を変換した度数(第1の度数)として遊技に使用する金額と遊技者の電子マネーを変換した度数(第2の度数)として遊技に使用する金額の合計額に対して限度を設定してもよいし、貨幣を変換した度数として遊技に使用する金額と電子マネーを変換した度数として遊技に使用する金額の夫々に対し、個々に限度を設定してもよい。後者の場合は例えば貨幣を変換した度数より電子マネーを変換した度数の限度を高額とすることで電子マネーの利用を促進することができる。
【0123】
限度額判定部102は、遊技者が遊技の際に使用した金額が限度額設定部101で設定された限度額に達したか否かの判定を行うために設けられている。ここでは、限度額判定部102は、台間機3などの各部から入力される情報、および、データベース部54において記憶している例えば利用金額などの情報に基づいて、上記の判定を行う。そして、限度額判定部102が限度額に達したと判定した場合には、管理装置5は、それ以降のその遊技者に対する遊技において使用する遊技媒体の貸与を禁止する制御を行う。例えば、貨幣を変換した度数として遊技に使用した金額と電子マネーを変換した度数として遊技に使用した金額とを合計した合計金額が、限度額である5万円に達した場合に、遊技媒体の貸与を禁止する。上述のように、貨幣を変換した度数と電子マネーを変換した度数の夫々でここに限度を設定している場合は、夫々に対して判定を行う。遊技媒体の貸与を禁止した場合には、例えば、台間機3の操作部34において貸玉ボタンが押された場合であっても貸玉を禁止する指令を管理装置5が台間機3に出力する。また、貸玉を禁止する代わりに例えば、台間機3に貨幣を入金しても受け付けずに返却する、電子マネーを度数に変換することを禁止するなどの制御を行ってもよい。なお、上述の判定における遊技に使用した金額とは、貨幣や電子マネーから度数に変換した金額を遊技に使用した金額としてもよいし、変換後の度数に基づいて貸玉された金額を遊技に使用した金額としてもよいし、また、払い出されたパチンコ玉で発射された分に相当する金額を遊技に使用した金額としてもよい。
【0124】
報知部103は、限度額判定部102が限度額に達したと判定した場合に、報知を行う。報知を行う場合には、報知部103は、例えば、台間機3の表示部35に、限度額に達したことを示す画像などを表示させる。報知部103は、台間機3以外の機器を用いて報知を行うように構成されていてもよい。例えば、遊技者の所有するスマートフォン26の表示部63に使用金額が限度額に達した旨のメッセージを表示するように情報を送信したり、従業員に報知するために景品管理機16の表示部や図示しない従業員により所持される携帯端末装置に同様のメッセージを、遊技者を特定可能な情報とともに表示してもよい。
【0125】
なお、限度額判定部102は、上述の予め設定された期間において獲得遊技媒体から交換された電子マネーがある場合には、その電子マネーの金額に基づいて遊技した分を使用金額から除外して、上記の判定を行ってもよい。換言すると、獲得遊技媒体から電子マネーに交換された金額が、例えば、1万円である場合には、その電子マネーに基づいて度数に変換された分の1万円分が、遊技に使用された場合に判定対象となる使用金額から除外される。もしくは除外する代わりに、獲得遊技媒体から交換された電子マネーがある場合は、その電子マネーの金額分を限度額設定部101に設定される限度額に加えて、限度額を増額してもよい。例えば、獲得遊技媒体から電子マネーに交換された金額が1万円である場合には、1万円が設定された限度額である5万円に加算され、限度額が6万円に補正される。
【0126】
また、限度額判定部102は、単一の遊技場でなく、複数の遊技場において遊技者が遊技の際に使用した金額の合計額が限度額設定部101で設定された限度額を超えたか否かの判定を行うように構成されていてもよい。例えば、上述の決済機関にて記憶している他の遊技場にて遊技者の電子マネーを度数に変換した決済情報を遊技場に提供することで、遊技者が複数の遊技場において遊技に使用した金額を認識することができる。同様に遊技場間で互いに、貨幣に基づいて度数に変換を行った情報を提供することで遊技者が複数の遊技場において遊技に使用した金額を認識することができる。そのような情報に基づいて遊技者ごとに使用金額の合算額を算出し、判定に使用してもよい。
【0127】
その他、本変形例では、管理装置5が限度額設定部101と限度額判定部102と報知部103とを備える場合について説明したが、これに限らない。管理装置5以外の例えば台間機3などの機器が上記の各部を備えるように構成してもよいし、各部を分けて備えていてもよい。
【0128】
<その他>
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
2:パチンコ機、3:台間機、5:管理装置、5a:パーソナルコンピュータ、7:スロット機、8:台間機、9:データ表示機、10:遊技システム、11:景品払出機、12:精算機、14:計数機、15:発券機、16:景品管理機、17:データ公開機、20:ネットワーク、21:プロトコルコンバータ、22:モデム、23:カードセンタ、24:再プレー受付機、25:島コンピュータ、26:スマートフォン、27:会員用カード、28:非会員用カード、30:制御部、31:カード受付部、32:カード処理部、33:貨幣受付部、34:操作部、35:表示部、36:ランプ部、37:通信部、50:制御部、51:タイマ部、52:情報集計部、53:状態監視部、54:データベース部、55:通信部、56:管理部、60:制御部、61:音声入力部、62:音声出力部、63:表示部、64:操作部、65:撮像部、66:コード読取り部、68:通信部、70:制御部、71:カード処理部、72:表示部、74:操作部、75:通信部、101:限度額設定部、102:限度額判定部、103:報知部