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特許7391667疎水性表面改質アルミナ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】疎水性表面改質アルミナ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01F 7/448 20220101AFI20231128BHJP
   C09C 1/40 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
C01F7/448
C09C1/40
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019569328
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2018037007
(87)【国際公開番号】W WO2018231761
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】62/520,163
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516380050
【氏名又は名称】サソール(ユーエスエイ)コーポレーシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラバイオリ,マリア・ロベルタ
(72)【発明者】
【氏名】マイ,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ロスカトバ,ライアン
【審査官】青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-062011(JP,A)
【文献】国際公開第2017/075333(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F 7/02
C09C 1/40
C08K 3/00, 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性多孔質アルミナの製造方法であって:
i)酸化水酸化アルミニウム(AlOOH)、ベーマイト又は疑似ベーマイトを含むアルミナ化合物を含むスラリーを提供するステップであって、前記スラリーは7以上のpHを有する、ステップと;
ii)酸改質スラリー中のアルミナ化合物の含有量に対する有機組成物の含有量が0.5~10重量%である、10未満の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む有機組成物を、前記スラリーに加えて、酸改質スラリーを形成するステップであって;前記酸改質スラリーは3~7未満のpHを有する、ステップと;
iii)前記酸改質スラリーを熱水的に老化させて、熱水老化スラリーを形成するステップと;
iv)前記熱水老化スラリーを乾燥するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記有機組成物が、9の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機組成物が、8以下の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記酸改質スラリーが、3.5~5.5のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
以下の特性を含む多孔質疎水性アルミナ:
i)(200)面と(020)面の比により計算される、1.8~3.5のアスペクト比;
ii)0.55cc/g~1.1cc/gの総細孔容積;
iii)30m2/g~100m2/gの比表面積;及び
iv)アルミナの含有量に対して0.5~10重量%の、10未満の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む有機組成物の含有量、好ましくはアルミナの含有量に対して0.5~5重量%の、10未満の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む有機組成物の含有量。
【請求項6】
請求項5に記載の多孔質疎水性アルミナ及び基材を含む組成物。
【請求項7】
前記基材が、ポリマー、架橋ポリマー、ナイロン樹脂、及びアクリル樹脂、例えばポリメチルメトラクリレート(polymethylmethlacrylate)(PMMA)、ポリスチレン、スチレンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ゴム、エポキシ樹脂、シリコーン、セルロース、織物、ポリテトラフルオロエチレン、シリカガラス粒子、金属酸化物、セラミックス及び炭素基材を含む、請求項6に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい疎水性多孔質アルミナを製造するための新規な方法、新しい疎水性多孔質アルミナ、並びに新しい疎水性多孔質アルミナ及び基材を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2017年6月15日出願の米国特許出願第62/520,163号に対する優先権を主張するものであり、該出願の開示は、全目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
アルミナ及びシリカは、処理された際に疎水性表面改質金属酸化物の基礎を形成する。これらの疎水性表面改質金属酸化物は、高い分散度を必要とする用途のための、ポリマー、トナー、コーティング系、表面添加物、及び他の高付加価値製品を含む基材の性能を改善するスペーサー又はブロッキング防止剤を含む。これらの用途では、疎水性表面改質金属酸化物がサブミクロンサイズに解凝集する能力、及び特定の基材表面に接着するそれらの能力が、高付加価値製品、例としてトナー製品の特性を達成及び向上させるために必要である。
【0004】
疎水性表面改質金属酸化物の特性に影響を及ぼす要因は、選択された卑金属酸化物の種類、表面添加物の粒子形態、表面添加物の粒子の表面積、及び表面添加物の粒子の表面化学を含む。
【0005】
卑金属酸化物の選択は、疎水性表面改質金属酸化物が必要とする特性を決定する際に重要である。例えば、本発明の技術分野の当業者は、全ての化学処理が全金属酸化物に等しく適用できるわけではなく、例えば、シリカ粒子に用いられる全ての処理が、アルミナに適用できるわけではないことを知っている。
【0006】
疎水性表面改質金属酸化物を扱う際の主な問題点は、相互作用力に起因して形成する微細又はナノ金属酸化物粒子の凝集である。サブミクロン粒子は高度に凝集する場合があり、これらの凝集体は次に、凝集体の部分を形成している粒子の露出表面積を低減する。従って、このような凝集体は、疎水性表面改質金属酸化物が、それらが組み込まれる製品に提供する利点を低減する。
【0007】
これらの疎水性表面改質金属酸化物の合成は、それらが組み込まれるその後の製品の所望の特性を良好に生じさせるために重要である。これらの疎水性表面改質金属酸化物の別の問題点は、その比較的低い安定性であり、この安定性を改善し、疎水性表面改質金属酸化物の劣化を防ぐために、低温及び真空下での特殊な処理がその合成中に用いられる。
【0008】
顧客は、より高い表面添加物性能と、より高品質の製品を要求している。これらの要求に対処するために、混合/湿潤に基づく疎水性表面改質金属酸化物を改善するための後処理方法、及びボールミリングが研究及び改善されている。これらの後処理方法は、当該技術分野で既知である。これらの方法が疎水性表面改質金属酸化物の改善に使用されているが、これらのプロセスを用いて生成された疎水性表面改質金属酸化物は、該酸化物を、例えば好ましいポリマー又は溶媒に不適合とする形態の粒子を含む場合がある。更に、ナノ粒子は、その化学構造、大きい表面積及び低い粒子内多孔性に起因して再処理が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、添加物の固着が低減された、代替的な疎水性表面改質金属酸化物と、改善された疎水性及び分散性を含む所望の特性を提供することができる方法とが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面によれば、以下のステップを含む疎水性多孔質アルミナの製造方法が提供される:
i)アルミナ化合物を含むスラリーを提供するステップであって、スラリーは7以上のpHを有する、ステップと;
ii)14未満の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む有機組成物をスラリーに加えて、酸改質スラリーを形成するステップであって;酸改質スラリーは3~7未満のpHを有する、ステップと;
iii)酸改質スラリーを熱水的に老化させて(hydrothermally aging)、熱水老化スラリーを形成するステップと;
iv)熱水老化スラリーを乾燥するステップ。
【0011】
アルミナ化合物は、酸化水酸化アルミニウム(AlOOH)、ベーマイト又は疑似ベーマイト(即ち、A.S.T.M.(American Society for Testing and Materials)に記載されているX線回折により識別可能なα-アルミナ一水和物)を含む。好ましくは、アルミナ化合物は、ベーマイト又は疑似ベーマイト、最も好ましくはベーマイトを含む。アルミナ化合物は、アルミニウムアルコキシドの加水分解(water hydrolysis)から、又はアルミン酸ナトリウム源、ミョウバン源、若しくは多数の他の変形物等の他のアルミナ源から誘導される場合がある。
【0012】
より詳細には、本発明の方法に適したアルミナ化合物は、アルミニウムアルコキシドの加水分解により得られる場合がある。
【0013】
アルミナ化合物は、1~60nm、好ましくは2~50nm、最も好ましくは3~40nmの範囲内の(020)軸上の微結晶サイズで構成されている。
【0014】
アルミニウム化合物は、1~5のアスペクト比を有し;好ましくは、アルミナ化合物は、1~3のアスペクト比を有する。
【0015】
アルミナ化合物は、六面体、タブレット状、ブロック状、板状構造、又はそれらの組み合わせを含む異なる形状の結晶から構成されている。アルミナ化合物は、好ましくはタブレット状又はブロック状構造、又はそれらの組み合わせを有する。最も好ましくは、アルミナ化合物は、ブロック状構造を有し、即ちアスペクト比は1である。
【0016】
スラリーは、好ましくは水性スラリーである。有機組成物を加える前又は後に流体、例えば水を加えて、流体スラリーを維持してもよい。本発明のより好ましい態様では、アルミナ化合物を含む水性スラリーは、アルミニウムアルコキシドの加水分解からのAlOOHのジーグラー工業生産の中間流である。そのような場合、水性スラリーは、好ましくは7.0超~10.0のpH、好ましくは8.0~10.0のpHを有する。
【0017】
有機組成物は、アルミナ化合物の表面に結合するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸官能基を含む。
【0018】
有機組成物は、短鎖脂肪酸、短鎖ヒドロキシ脂肪酸、上記の連結鎖及びエステルのマトリクスを含む。有機組成物は、アルミナ化合物の表面に結合する特定の長さのアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸官能基を有する。
【0019】
有機組成物は、14以下の炭素長、好ましくは12未満、より好ましくは10未満、より好ましくは9未満の炭素長、更により好ましくは8以下の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む。
【0020】
有機組成物は、14未満、好ましくは12未満、より好ましくは10未満、更により好ましくは9未満の炭素長、そしてより好ましくは8以下の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有する、ヒドロキシル及び/又はアミノ基を含むカルボン酸官能基を有する場合がある。
【0021】
有機組成物をスラリーに加えると、酸改質スラリーが形成される。酸改質スラリーは、3~7未満のpH、好ましくは3.5~5.5のpHを有する。
【0022】
酸改質スラリー中のアルミナ化合物の含有量に対する有機組成物の含有量は、0.5~10重量%、好ましくは0.5~5重量%である。これは有機組成物の化学量論値よりも低い。
【0023】
次いで、酸改質スラリーを、穏和な条件下で熱水的に老化させる。
【0024】
熱水老化処理は、90℃~200℃、より好ましくは100~180℃、更により好ましくは100~140℃、最も好ましくは100~120℃の温度で行われる。熱は、外部供給源を介して、例えば電気的に若しくは外被内の循環油により供給され、又は高圧蒸気の直接注入を介して供給され得る。
【0025】
得られた熱水老化スラリーは、主として温度及び撹拌に応じた時間の間、熱水老化の温度で維持される。一般的に言えば、そのような老化の持続時間は、1時間~6時間、好ましくは1~5時間、最も好ましくは2時間であり得る。熱水老化中、付随するアルミナ結晶粒子の成長が起こって、特殊な形態を提供する。
【0026】
有機組成物中のカルボン酸が導入される時、アルミナ化合物の表面においてアルミナ化合物、例えばベーマイトのOH表面基との反応が起こる。
【0027】
アルミナ化合物のこれらのOH基は、カルボン酸のカルボニル基に結合したOH基と反応して、分子がアルミナの表面に強く結合するため、アルミナ表面上に安定な層を形成する。これは、このような結合による疎水性被覆に起因して、いずれの遊離水もアルミナ表面OHと反応するよりも容易に脱着するため有利であり、これは結合の強度も改善する。
【0028】
吸着のために利用可能な、アルミナ表面の表面積が既知である場合、微結晶の単位質量当たりの表面OH基の数は、式を使用して決定することができる(Nanotechnology Technical Basis and applications,Stefan Sepeur,2008,100ページ):
Sc(m/g)/1つのOH基の空間要求(m
式中、
Sc=微結晶の平均表面積(BET表面積を測定することにより実験的に決定され得る、微結晶形状に基づく平均微結晶表面)、及び空間OH要求は、
約18Å(=18×10-20)と想定される。
【0029】
計算した結果をアボガドロ数、Nav=6.022×1023で除算すると、OH基:有機組成物改質物の1:1反応における有機組成物の化学量論量値(mol/g)を計算することができる。
【0030】
上記を用いて、処理後のアルミナ化合物の表面上の有機組成物に関して受容した値を除算すると、アルミナ表面の有機組成物による実際の被覆率と比較することができる。このことは、OH基に基づく化学量論量、即ちアルミナ表面上の0.42mmol/gの有機組成物よりも低い場合がある、加重量の有機組成物を添加することで、所望の特性を得ることができるため有利である。
【0031】
本発明の疎水性多孔質アルミナは、触媒燃焼法(使用される装置-Laboratory Equipment Corporation、以後「ECO」)により測定して、100部のアルミナ化合物中、0.5~10部の有機組成物の残量を有する。これは概算化学量論量よりも少ない。
【0032】
このことは、有機組成物の表面被覆率、使用される有機組成物の種類、及び乾燥条件を変化させることによって、アルミナ化合物の様々な特性、例えばアルミナ化合物の形状、多孔性及び疎水性を完全なものとすることを可能にする。
【0033】
アルミナ化合物微結晶(例えば、ベーマイト微結晶)は、オストヴァルト熟成機構に起因して成長する。アルミナ微結晶の主面は、OH基が露出されている(020)面である。他の2つの面、(200)及び(002)は、露出されているOH基を有さない;従って、有機組成物は、微結晶の特定の表面上に強く結合し、即ち、より短い軸に沿った結晶成長は、(020)面上の特定の表面キャッピングにより抑制される。
【0034】
これは、他の面に沿った溶解及び結晶成長を向上させることが見出されている。詳細には、結晶は(200)方向に優先的に成長する傾向があり、(200)面に沿った板状の長円形状をもたらすことが見出されている。
【0035】
微結晶の厚さは、アルミナスラリーに添加される有機組成物のアルキル炭素鎖の長さが低下すると共に減少する(200/020アスペクト比の値が増大する)ことも見出されている。
【0036】
更に、例えば10未満の炭素鎖長を有するカルボン酸を使用すると、プロセスのステップii)で、例えばpH4.0又は5.0の酸性pHの酸改質スラリーを用いて作業できることが見出されている。
【0037】
本発明の方法によれば、アルミナの表面上に少量の有機組成物、2~4%の有機化合物(概算化学量論量の約40%)をアルミナの表面上に使用することにより、緩い凝集体を得ることができる。
【0038】
非常に有効な疎水性被覆率に起因して、いずれの遊離水も、アルミナOH表面上と反応するよりも容易に脱着され、従ってこのことは結合の強度を改善する。
【0039】
本発明のプロセスの有効性は、幅広い条件のための多様な製品特性を得ることが可能であることである。
【0040】
熱水老化処理の終わりに、得られた系は乾燥チャンバに入り、そこで熱水老化スラリーが乾燥され、粉末が得られる。乾燥温度は、9℃~280℃、好ましくは120~260℃、最も好ましくは230~260℃のガス温度の範囲であり得る。いずれの遊離水も乾
燥により除去され;唯一の反応性表面は、有機組成物により改質されたアルミナである。
【0041】
熱水老化スラリーは、噴霧乾燥機又は接触乾燥機内で乾燥される場合があるが、適切な温度条件下で操作され得る他の乾燥機も使用することができる。乾燥ガスは、並流で、又は、熱風がアトマイザーの流れに対抗して流れる対向流で通過し得る。並流を用いると、粒子がシステム内及び粒子セパレータ(典型的には、サイクロン装置)内で費やす時間が短縮する。
【0042】
本発明の方法の利点は、疎水性多孔質アルミナの粒子が、例えば固体基材とともに粉末の穏やかな機械的動作によるブレンディング、例えば乾燥混合により、一次ナノ微結晶のサイズに解凝集し得ることである。本発明のプロセスは、様々な特性を有する疎水性多孔質アルミナ、例えば様々な結晶サイズを有する疎水性アルミナを乾燥混合するステップを更に含む場合がある。
【0043】
微結晶粒子は、マクロ網状多孔質ネットワークを特徴とする独特な形態を有して成長し、粉末材料においてより緩い凝集をもたらす。驚くべきことに、このような改質アルミナは、ポリマー粒子、ナイロン、ポリスチレン、アクリル樹脂及びその他を含む高分子樹脂、又はシリカガラス、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物を含む基材とともにサブミクロンサイズに解凝集し、これらの基材に接着し得ることが見出された。このことは、表面と分散したナノ粒子との間の化学的親和性にかかわらず、ナノ結晶粒子が表面上に分散するので、疎水性多孔質アルミナを例えばトナー用途で使用するための候補とする。粒子は、追加の湿潤化学物質又は相溶化剤なしで、乾燥混合を介して分散され得る。
【0044】
別の利点は、本発明の方法により生成された疎水性多孔質アルミナが、直接溶融混錬により、高いレベルの解凝集を伴って、単一のナノ結晶粒子として基材、例えばポリマー中に均一に分散され得ることである。
【0045】
更に、ナノ構造化疎水性多孔質アルミナ生成物は、既知の先行技術の方法の激しい混合を必要としない。
【0046】
本発明の第2の局面によれば、本発明の方法により調製される多孔質疎水性アルミナが提供される。
【0047】
多孔質疎水性アルミナは、アルミナ化合物及び有機組成物を含み、有機組成物は、14未満、好ましくは12未満、より好ましくは10未満、更により好ましくは8以下の炭素長を有するアルキル炭化水素鎖を有するカルボン酸を含み、有機組成物は、アルミナ化合物の表面に強く結合してアルミナ表面上に層を形成し、疎水性多孔質アルミナは、触媒燃焼法(LECO)により測定して、アルミナ化合物の2~100部の有機組成物の残量を有する。
【0048】
乾燥後、最終生成物は多孔質疎水性アルミナである。このアルミナの粒子は、走査型電子顕微鏡(SEM)により示される、多孔質ネットワーク中に分布した板状の長円ナノ微結晶の独特のマクロ網状形態により特徴付けられる。多孔質構造は、微結晶形態を介して生成される。この形態に起因して、単純な方法により解凝集される粉末の傾向が多大に向上し;それにより粉末は、ブレンディングにより100nm未満に分散され、基材、例えばポリマーの表面上に安定なコーティング層を形成し得る。
【0049】
多孔質疎水性アルミナ生成物は、5000ppm未満の残留水分を有する。
【0050】
多孔質疎水性アルミナ生成物のアスペクト比は、1.80~5.0、好ましくは1.8
0~3.5、最も好ましくは2~3.5である。アスペクト比は、X線回折パターンの面に直交する線に沿った方向に由来する結晶のサイズにより、シェラーの式を使用することにより計算することができる。アスペクト比は、(200)面と(020)面の比により計算される。これは図1に示される。
【0051】
多孔質疎水性アルミナ生成物の微結晶サイズは、(020)面に沿って1~60nmである。
【0052】
平均細孔容積は、0.55cc/g~2.0cc/g、より好ましくは0.55cc/g~1.1cc/gである。多孔質疎水性アルミナの細孔構造は、マクロ多孔質ネットワークを形成する微結晶の開放充填配置(open packing arrangement)を介して形成される。
【0053】
多孔質疎水性アルミナ生成物の比表面積(BET法N吸着)は、30m/g~300m/g、好ましくは30m/g~150m/g、最も好ましくは30m/g~100m/gである。
【0054】
多孔質ネットワーク形態に起因して、材料は、有機系内での激しい混合なしで、柔らかい凝集体からコロイド状サイズへの破壊により分散され得る。従って、多孔質疎水性アルミナ生成物の固有の特性は、ポリマー樹脂において、及び、当業者に周知の開発された他の方法よりも、直接混合によってナノ複合材料を製作するプロセスにおいて、多孔質疎水性アルミナ生成物を有利なものとする。
【0055】
本発明の第3の局面によれば、本発明の方法に従って調製された多孔質疎水性アルミナ及び基材を含む組成物が提供される。
【0056】
基材は、ポリマー、架橋ポリマー、ナイロン樹脂、及びアクリル樹脂、例えばポリメチルメトラクリレート(polymethylmethlacrylate)(PMMA)、ポリスチレン、スチレンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ワックス、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ゴム、エポキシ樹脂、シリコーン、セルロース、織物、ポリテトラフルオロエチレン、シリカガラス粒子、金属酸化物、セラミックス及び炭素基材を含む場合がある。基材は、好ましくは、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネート、及び架橋ポリマーを含む。
【0057】
このプロセスにより得られる組成物の代表的であるが非限定的な用途は、コーティング;スペーサー又はブロッキング防止剤;プラスチック及びエラストマー;傷防止コーティング;研磨剤、増粘剤及びレオロジー調節剤;粉末の流動挙動を向上させるための添加剤;流体及び固体の熱伝導挙動を向上させるための添加剤;織物処理;紙処理;防汚コーティング;難燃剤;インクジェット記録媒体(トナー;)並びにバリアコーティングを含む。
【0058】
実験
ここで、以下の図面及び非限定的な実施例を参照して本発明を説明する:
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】本発明の方法で得ることができる一次微結晶形状の簡略化三次元グラフ表示である;
図2】実施例1の生成物の粒子形態を示すSEM写真である;
図3】様々な基材(シリカガラス粒子(ガラスビーズ)、ナイロン樹脂(ナイロン12)及びPMMA上に被覆された実施例1の生成物を示す;
図4】SEMによる実施例2の粒子の形態を示す;
図5】様々な基材(シリカガラス粒子(ガラスビーズ)、ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン樹脂、PMM及びナイロン(ナイロン12))上に被覆された実施例2の生成物を示す、
図6】実施例1により形成されたアルミナのFTIRスペクトルである;
図7】実施例2により形成されたアルミナのFTIRスペクトルである;
図8】比較例1により形成されたアルミナのFTIRスペクトルである;
図9】比較例2により形成されたアルミナのFTIRスペクトルである;
図10】実施例3により形成されたアルミナのFTIRスペクトルである;
図11】実施例3の生成物の粒子形態を示すSEM写真である;
図12】ポリスチレン基材上の実施例3の生成物を示す。
【0060】
以下の用語は、実施例セクションに使用される:
FTIRは、フーリエ変換赤外線を意味する。
【0061】
DRIFTは、拡散反射赤外線フーリエ変換を意味する。
【0062】
LECOは、粉末の炭素量の測定に用いられる装置/方法である。
【0063】
BET式は、温度77KでNガス吸着により比表面積を決定するためのBrunauer-Emmett-Teller法である。
【0064】
吸着法は、細孔分析(平均細孔径)に用いられる方法である。
【0065】
SEMは、走査型電子顕微鏡を意味する。
【0066】
生成物の固有の特性は、以下の方法により測定される。
【0067】
DRIFTスペクトルは、FTIR Variant装置を用いて自立(self-supporting)粉末に対して記録され、サンプル当たり32スペクトルを取得した。有機化合物の官能基に関する情報は、1700~1800cm-1の範囲内のバンドの存在によって容易に得られる。アルミナ表面に連結した有機物に割り当てられる1580~1590cm-1の範囲内のスペクトル挙動によって、反応後の相違が明らかとなった。
【0068】
結晶サイズの情報は、3つの回折ピーク、(020)、(200)、(002)ピークから得られる。これらの3つのピーク(結晶面)は、アルミナのx線回折パターンにおいて最も入手しやすい。200/020結晶サイズの比は、アスペクト比である。この比は、(200)結晶サイズが(020)サイズと比較して短い場合のみ、1に近づき得る。(020)、(200)及び(002)の表現を図1に示す。手順は:データ収集、散乱因子の計算;及び最終的にx線回折プロファイルからなる。データ処理及び曲線適合は高い精度で行われ、ステップ当たり数回の走査でシグナル対ノイズ比を改善するために長い収集時間を必要とするため、数時間を要する。このことは当業者に既知である。結晶サイズの計算の背景にある理論的概念は既知である。この決定は、回折ピーク幅の測定により行われる。サイズは、シェラーの式により計算される。
【0069】
サイズ=(0.94)λ(57.3)/(Bcos(θ))
0.94は、形状係数、λは、使用されるx線波長(1.5418 A)である。57.3は、ラジアン/度変換係数である。Bは、ピークの半値幅から機器広がり(inst
rumental broadening)を減算したものである。θは、ピークに関する回折角(2θ)の2分の1である。使用されるx線波長は、銅Kα1及びKα2成分の加重平均である。
【0070】
BET表面積及び細孔容積データは、ASTM法に従ったN吸着により決定した。データは、1トルの真空を用いた110℃で2時間の熱処理後に収集した。表面積(m/g)は、BET式を使用して評価した。総細孔容積は、0.992に等しい相対圧量p/pにおいて吸着された窒素の体積から決定した。
【0071】
SEMのサンプルは、SEM試料台上で調製し、金でスピンコートし、従ってJEOL
SEM顕微鏡上で評価した。
【0072】
使用する有機組成物の量は、LECO装置を使用することにより炭素分析計を用いて決定される。有機組成物を含む粉末のサンプルをるつぼ内で秤量し、純粋な酸素と共に作動する加熱炉システム内で燃焼させて、サンプル中の全有機組成物を完全な燃焼を確実にし、サンプルの炭素含有量(重量%)を決定する。その後、分子式を使用することにより、炭素量から粉末に対する有機組成物の量(重量%)を計算する。
【0073】
閉鎖容器内で基材100部当たり粉末0.5部を秤量し、ボルテックスを用いて5分間振盪することにより解凝集試験を行った。
【0074】
液体溶媒100部当たり粉末3部を秤量し、10分間手で振盪することにより分散性試験を行った。TEG及びPEG中の分散の場合、液体の高い粘度により、続いて水バッチ中の30秒の超音波処理を適用して、分散物を均質化した。分散物品質は、30分後に沈降挙動の観察により判断した。分散粒子の重量%も、120℃で乾燥後の遠心分離後に固体残渣から評価し、最初に添加した粉末の総量を考慮して決定した。
【実施例
【0075】
実施例1
ジーグラーアルコールプロセスにより、約9.0のpHを有するベーマイト(AlOOH)スラリーを調製した。出発ベーマイトアルミナ微結晶は、ブロック状の形状を有し、X線(020)反射により31nm、33nm(200)及び36nm(002)のサイズを有し、アスペクト比200/020は1.06に等しかった。
【0076】
粉末100部中の7.8部(0.54mmol/g粉末)に等しい量の有機組成物、この場合はオクタン酸(炭素鎖長8を有するカルボン酸)を、撹拌容器内でベーマイトスラリーと105℃で2時間反応させて、酸改質スラリーを形成した。酸はアルミナスラリーと急速に均質化して、pH4.0を有する乳状酸改質スラリーを得た。
【0077】
この乳状酸改質スラリーを、ノズル噴霧アトマイザーを用いて、230℃の流入ガスの温度及び90+/-5℃の流出ガスの温度で、酸改質スラリー流速を調整することにより、窒素流下で乾燥した。
【0078】
得られた微結晶は、(020)軸に沿ってより細く、(200)軸に沿ってより太く、それが板状の長円であることを示すアスペクト比2.16を有する。
【0079】
吸着に利用可能なBET表面積は、46m/gであった。OH基の推定数は約2.51020/gであり、これは付加されるべき有機改質物の約0.42mmol/gを占める。
【0080】
疎水性多孔質アルミナは、触媒燃焼法により測定して、概算化学量論量0.42mmol/gよりも少ない、粉末100部中の4.2部(0.29mmol/g粉末)の有機組成物の残量を有した。
【0081】
有機組成物は、図6のFTIRスペクトルにより確認して、1590cm-1のバンドの出現、及び1700cm-1の有機官能基バンドの完全消失により、アルミナ化合物に強くに結合していた。これは比較例1及び2(図8及び9)では示されなかった。粒子形態は、図2に示される。
【0082】
疎水性多孔質アルミナの細孔構造を測定するために、N吸着法を疎水性多孔質アルミナに適用した。1トルの真空を用いて110℃で2時間熱処理したサンプルに関するデータを収集した。B.E.T.式を使用して疎水性多孔質アルミナの比表面積(m/g)を評価した。細孔容積は、飽和において吸着された窒素の容積から決定した(0.992に等しい相対圧力p/pで評価)。この方法で決定された細孔容積は、約269nmまで満たした細孔内に含まれていた。
【0083】
疎水性多孔質アルミナ粉末は、軽いブレンディングにより単一ナノ結晶を有するナノサイズに解凝集され、高分子及び非高分子基材を含む様々な基材に組み込まれた。図3から理解し得るように、粉末は様々な基材を被覆する。
【0084】
粒子は水により湿潤されないが、例えばヘキサンにより湿潤される場合があり、分散されて、沈降することなく乳白色系を与えた。
【0085】
実施例2
この実施例は、ナノ微結晶が解凝集される能力を変えることなく、小さい有機組成物改質で、多孔質疎水性アルミナの特性を微調整することが可能であることを示す。多孔質疎水性アルミナを実施例1に従って調製したが、有機組成物、即ちC8炭素鎖の量を低下させた。最終的な粉末は、触媒燃焼法により測定して、粉末100部中の2.6部の有機組成物の残量を有し、これは表面上の有機組成物の0.18mmol/gのみを占める。
【0086】
有機組成物は、図7のFTIRスペクトルにより確認されるように、アルミナ化合物に強く結合していた。スペクトルは実施例1と同様であり、同じ結論を導き、比較例1及び2、図8及び9とは異なる。
【0087】
図4は、粒子の形態を示す。図5は、シリカガラス、ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン樹脂、PMM及びナイロン(ナイロン12)を含む数個の基材上の解凝集した疎水性多孔質アルミナを示す。
【0088】
粒子は分散されて、沈降することなく乳白色系を与えた。
【0089】
比較例1
この比較例は、18のアルキル炭化水素鎖長を含む有機組成物を使用することにより例示される。16を超える炭素鎖を有する重合鎖脂肪酸である、ある量の有機改質剤組成物を、撹拌容器内で実施例1のベーマイトスラリーと105℃で2時間反応させた。得られた混合物は、pH7.0を有していた。
【0090】
乳状混合物を、ノズル噴霧アトマイザーを用いて、260℃の流入空気の温度で窒素流下で乾燥した。得られた微結晶は、出発アルミナ化合物よりも細く、アスペクト比は1.75であった。図8のように、この比較組成物は、実施例1及び実施例2のものとは異なるスペクトルを有した。
【0091】
最終的な粉末は、粉末100部中の14部(0.49mmol/g粉末)の有機組成物の量を有し、これは実施例1よりも多く、概算化学量論値と同等である。
【0092】
比較例2
この比較例は、乾燥前に解凝集粒子に対するスクリーニングを用いることによる、C18鎖を有する有機組成物を有する改質ベーマイトを製造するための改質乾燥操作を例示する。比較例1で使用した、ある量の有機改質剤組成物を、撹拌容器内で比較例1のベーマイトスラリーと105℃で2時間反応させた。得られた乳状混合物は、pH7.0を有していた。
【0093】
スクリーンパックをライン上でノズル乾燥機に取り付けて、塊又は凝集体を除去した。乳状混合物を、ノズル噴霧アトマイザーを用いて、260℃の流入空気の温度で、気流下で乾燥した。得られた微結晶は、出発アルミナ化合物よりも細く、アスペクト比は1.69であった。
【0094】
最終的な粉末は、粉末100部中の有機組成物14部(0.49mmol/g粉末)の量を有していた。図9のFTIRスペクトルは、比較例1と同様の特徴を有する。
【0095】
実施例1及び2並びに比較例1及び2の改質アルミナ(AlOOH-M)の特性を、表1にまとめる。
【0096】
【表1】
【0097】
表1から、本発明のプロセスが、結晶の形態が長円形状を有する改質アルミナを生成することが明らかである。これは、1.80を超える改質アルミナのアスペクト比から明らかである。結晶は、炭素鎖8を有するカルボン酸の使用により、より長円となり(実施例1及び実施例2、対、比較例1及び2)、有機組成物の化学量論値未満を必要とする。実施例1及び2の生成物は、比較例1及び2と比較した場合、より大きい表面積及び細孔容積を有する。
【0098】
実施例3
以下の実施例は、アミノ基及びアルキル炭素鎖6を有する有機化合物の使用を記載する。加重量のロイシン(アルキル鎖6を有するアミノ酸)を水に加え、完全に透明ではない溶液が得られるまで室温で撹拌した。この完全に透明ではない溶液を、実施例1のジーグラーアルコールプロセスによるベーマイト(AlOOH)スラリーと、適切な低RPMの回転速度で作動する容器内で、105℃で2時間混合した。pHは、5.5~6.0の範囲内であった。噴霧アトマイザーを使用してスラリーを乾燥して、粉末100部中の8.9部(0.68mmol/g)の有機組成物の量の最終的な粉末を得た。
【0099】
この粉末は、BET表面積37m/g及び細孔容積0.73cc/gを有していた。
【0100】
図10のFTIRスペクトルは、約1580cm-1の領域内で、実施例1と同様の特徴を有していた。
【0101】
粉末3gをPEG100gと共に10分間振盪した。30分後、沈降は起こらなかった。
【0102】
混合物を遠心分離し、固体残渣を120℃で乾燥した後に評価した。最初に添加した総量に対する、遠心分離後に上清中に残留した粒子の重量%は99重量%であり、粒子が高い分散性を有することを示した。
【0103】
図11は、アルミナ粒子形態を示し、図12は、ポリスチレン上の解凝集アルミナ粒子を示す。
【0104】
別の手順では、同じ出発試薬溶液を用いて、同じ混合容器内でより高いRPMの回転速度下で、ロイシンを用いた調製を行った。反応後、上記と本質的に同じ表面積37.3m/gを有した粉末は、細孔容積0.53cc/gを有した。従って、容器に適切な混合速度を適用した場合、混合速度が低下するのと同じ程度に細孔容積が大きくなるように調整される場合がある。
【0105】
本発明の特定の態様をある程度詳細に本明細書に記載してきたが、これは本発明の様々な局面を説明する目的のみで為されたものであり、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は、示され及び記載されている態様が例示であり、本明細書に詳細に論じられる設計選択を含むがそれらに限定されない様々な他の置換、変更及び修正が、特許請求の範囲を逸脱することなく、本発明の実践において為し得ることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12