(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】車両買取提案装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20231128BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20231128BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q30/02 450
(21)【出願番号】P 2020017250
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】松井 浩紀
(72)【発明者】
【氏名】関 晋作
(72)【発明者】
【氏名】内藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】井上 喜章
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-194804(JP,A)
【文献】特開2004-288000(JP,A)
【文献】特開2010-033617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両貸出サービスに用いられる車両の買取りを、前記車両貸出サービスを利用するユーザに提案する車両買取提案装置であって、
前記車両および前記ユーザにより利用される携帯端末と通信する通信部と、
前記通信部を介して前記車両の積算走行距離を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部により取得された前記積算走行距離に応じて前記車両の価値を表す価値情報、および前記車両貸出サービスの利用料金を含むユーザの利用情報を記憶する記憶部と、
前記車両情報取得部により取得された前記積算走行距離の情報に基づいて所定期間内の走行距離を算出し、算出した走行距離が所定距離を超えた場合に、前記価値情報および前記利用情報に基づいて、前記車両のユーザによる買取りを提案するための買取提案価格を設定する買取価格設定部と、
前記買取価格設定部により設定された前記買取提案価格の情報を、前記通信部を介して前記携帯端末または前記車両に送信する買取価格送信部と、を備えることを特徴とする車両買取提案装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両買取提案装置において、
前記記憶部に記憶された前記車両の価値情報には、前記車両を所有する事業体で前記車両が販売された場合の想定販売価格を含み、
前記買取価格設定部は、前記車両の前記買取提案価格を前記想定販売価格よりも低い価格に設定する、ことを特徴とする車両買取提案装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両買取提案装置において、
前記記憶部は、前記車両を所有する事業体の車両の在庫情報を記憶し、
前記買取価格設定部は、前記在庫情報に基づいて前記車両の買取提案価格を設定する、ことを特徴とする車両買取提案装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両買取提案装置において、
前記車両貸出サービスは、定額料金で一定期間、ユーザが選択した車両を利用可能なサービスである、ことを特徴とする車両買取提案装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の車両買取提案装置において、
前記車両貸出サービスに用いられる前記車両は、該車両を所有する事業体で販売される登録済みの車両を含む、ことを特徴とする車両買取提案装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両貸出サービスに用いられる車両の買取りを、車両貸出サービスを利用するユーザに提案する車両買取提案装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、毎月の利用料金を定額にして、一定期間、税金や整備費用等を含んだ状態で車両を貸し出す車両貸出サービスが普及している(例えば非特許文献1参照)。このような車両貸出サービスでは、複数種類の車両から好みの車両を選択して使用できることより、様々な車両を運転する楽しさを定額で体験することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】KINTO、[online]、[令和2年1月28日検索]、インターネット<URL:https//kinto-jp.com>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような車両貸出サービスでは、例えば、サービス契約の満了時、ユーザが気に入った車両をサービスを更新して利用する場合に、車両を購入するよりも割高になる等のおそれがあり、ユーザにとって満足度の高いサービスであるとは言い難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様である車両買取提案装置は、車両貸出サービスに用いられる車両の買取りを、車両貸出サービスを利用するユーザに提案する装置である。車両買取提案装置は、車両およびユーザにより利用される携帯端末と通信する通信部と、通信部を介して車両の積算走行距離を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、車両情報取得部により取得された積算走行距離に応じて車両の価値を表す価値情報、および車両貸出サービスの利用料金を含むユーザの利用情報を記憶する記憶部と、車両情報取得部により取得された積算走行距離の情報に基づいて所定期間内の走行距離を算出し、算出した走行距離が所定距離を超えた場合に、価値情報および利用情報に基づいて、車両のユーザによる買取りを提案するための買取提案価格を設定する買取価格設定部と、買取価格設定部により設定された買取提案価格の情報を、通信部を介して携帯端末または車両に送信する買取価格送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザにとって満足度の高い車両貸出サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両買取提案装置を含む車両貸出システムのシステム構成の一例を示す図。
【
図2】
図1の車載端末の概略構成を示すブロック図。
【
図3】
図1のユーザ端末の概略構成を示すブロック図。
【
図4】
図1のサーバ装置の概略構成を示すブロック図。
【
図5】走行距離に対する想定販売価格、買取提案価格および評価価格の変化の一例を示す特性図。
【
図6】車両の走行距離と、利用料金と、これらに基づいて設定される買取提案価格との関係を示す図。
【
図7】本発明の実施形態に係るサーバ装置による処理の一例を示すフローチャート。
【
図8】サブスクリプションサービスの利用料金および買取提案価格の変化の一例を示す特性図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図8を参照して本発明の一実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車両買取提案装置は、車両貸出サービスを提供する車両貸出システムに用いることができる。以下では特に、定額料金で一定期間、複数の車両の中からユーザにより選択された車両を利用できるサービス、いわゆるサブスクリプションサービスを提供する車両貸出システムに、車両買取提案装置を適用する例を説明する。
【0009】
車両のサブスクリプションサービスでは、税金や整備費用等を含んだ定額料金で、一定期間、ユーザが種々の車両を任意に選択して利用することができる。しかし、サブスクリプションサービスでは、車両の走行距離に制限が設けられる。例えば、月間走行距離に制限が設けられる。そのため、ユーザが車両に乗り続けると、走行距離が制限値に近づいて期間末に車両に乗れなくなるおそれがあり、ユーザの満足度が得られ難い。そこで、本実施形態では、サブスクリプションサービスに用いられる車両の所定期間内の走行距離を算出し、走行距離が所定距離を超えると、この車両の買取りを、サブスクリプションサービスを利用するユーザに提案するよう、以下のように車両買取提案装置を構成する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る車両貸出システム100のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、車両貸出システム100は、サブスクリプションサービスを提供する事業体(以下単に、事業体ともいう。)が有するサーバ装置1および車両2と、サブスクリプションサービスを利用するユーザが有するユーザ端末(携帯端末)3とを備える。本実施形態に係る車両買取提案装置は、主にサーバ装置1により構成される。
【0011】
車両2には車載端末20が搭載され、サーバ装置1と、車載端末20と、ユーザ端末3とは、無線通信網、インターネット網、電話回線網などの通信ネットワーク4に接続される。車両2には、事業体で販売される登録済みの車両(車両番号のついている車両であり、以下単に、中古車ともいう。)が含まれ、中古車には、事業体を最初の所有者として登録した車両、いわゆる新古車も含まれる。なお、車両2は、サブスクリプションサービスを提供するために予め選択された車両でもよい。
【0012】
図1には、便宜上、ユーザが所有する単一のユーザ端末3と、ユーザにより選択された単一の車両2(車載端末20)とが示されるが、複数のユーザそれぞれが複数の車両の中から任意の車両を選択できるように、複数のユーザ端末3と、複数の車両2(車載端末20)とを含んで構成されてもよい。また、
図1には単一のサーバ装置1が示されるが、サーバ装置1が複数のサーバ装置から構成されてもよい。
【0013】
車載端末20は、例えば、車載ナビゲーション装置を含んで構成される。
図2は、
図1の車載端末20の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車載端末20は、サブスクリプションサービスの提供に関連する構成として、通信部21と、入出力部22と、記憶部23と、演算部24と、を有する。車載端末20には、車両2に搭載された各種のセンサ群25と、アクチュエータ26とが接続される。
【0014】
通信部21は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置1と無線通信可能に構成される。通信部21は、一例として、車両2を識別する車両IDとともに、センサ群25により検出される信号の一部を、所定時間毎にサーバ装置1に送信する。
【0015】
入出力部22は、ユーザが操作可能な各種スイッチやボタン、マイク、スピーカ、モニタ等を有する。ユーザが操作可能な各種スイッチやボタンには、タッチパネル式のディスプレイも含まれる。この他、入出力部22は、サブスクリプションサービスの利用に供されるカードリーダ221を有する。カードリーダ221は、ユーザの認証カードからユーザ情報を読み取る装置であり、認証カードには、例えば集積回路(IC)が組み込まれてユーザの個人情報が格納された運転免許証を用いることができる。
【0016】
記憶部23は、図示しない揮発性メモリまたは不揮発性メモリを有する。記憶部23には、演算部24が実行する各種のプログラムや、各種のデータが記憶される。記憶部23には、一例として、センサ群25による検出データ等が一時的に記憶される。
【0017】
演算部24はCPUを有し、入出力部22を介して入力された信号、センサ群25により検出された信号、通信部21を介して車載端末20の外部から受信した信号、および記憶部23に記憶されたプログラムやデータ等に基づいて所定の処理を実行し、入出力部22、記憶部23およびアクチュエータ26に制御信号を出力する。
【0018】
演算部24は、さらに通信部21に制御信号を出力し、車載端末20とサーバ装置1との間の信号の送受信を制御する。例えば演算部24は、センサ群25により検出された信号の一部が所定時間毎にサーバ装置1に送信されるように、通信部21に制御信号を出力する。また演算部24は、車両2の利用開始時にユーザがカードリーダ221に認証カードを近づけたとき、カードリーダ221により読み取られたユーザ情報がサーバ装置1に送信されるように、通信部21に制御信号を出力する。サーバ装置1は、受信したユーザ情報に対応する予約情報の有無を判定し、対応する予約情報があれば車載端末20に解錠指令信号を送信する。一方、対応する予約情報がなければ施錠指令信号を送信する。演算部24は、通信部21が解錠指令信号を受信すると解錠信号を、施錠指令信号を受信すると施錠信号を、それぞれ車両2のアクチュエータ26に出力する。
【0019】
センサ群25は、車両2の状態、すなわち車両情報を検出する各種センサを含む。センサ群25は、一例として、GPS衛星からの信号を受信して車両2の位置を検出するGPSセンサ251と、車速を検出する車速センサ252と、車両2に作用する加速度を検出する加速度センサ253と、車両2の走行距離を検出する走行距離センサ254と、を有する。
【0020】
アクチュエータ26は、車載端末20(演算部24)からの指令により車両2に搭載された各種機器を駆動する。アクチュエータ26は、一例として、車両2のドアを施錠または解錠するロックアクチュエータ261を有する。ロックアクチュエータ261は、演算部24から解錠信号が出力されるとドアを解錠し、施錠信号が出力されるとドアを施錠する。
【0021】
ユーザ端末3は、ユーザが個人で所有するスマートフォンやタブレット端末等により構成される。
図3は、
図1のユーザ端末3の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ユーザ端末3は、サブスクリプションサービスの利用に関連する構成として、通信部31と、入出力部32と、記憶部33と、演算部34と、を有する。
【0022】
通信部31は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置1と無線通信可能に構成される。通信部31は、一例として、ユーザを識別するユーザIDとともに、車両2の予約やキャンセル等を指令する信号をサーバ装置1に送信する。
【0023】
入出力部32は、タッチパネル式のディスプレイを有する。ユーザは、タッチパネル(入出力部32)を介して、自身の住所、氏名、連絡先および免許証番号等の個人情報と、決済に必要な情報(例えばクレジット番号)および車両2の予約情報等のサブスクリプションサービスの利用に関連した利用情報とを入力することができる。またユーザは、ディスプレイ(入出力部32)を介して、車両2の貸出期間等の予約情報等を確認することができる。
【0024】
記憶部33は、図示しない揮発性メモリおよび不揮発性メモリを有する。記憶部33には、演算部34が実行する各種のプログラムや、各種のデータが記憶される。記憶部33には、一例として、タッチパネル(入出力部32)を介して入力された個人情報や利用情報等が記憶される。
【0025】
演算部34はCPUを有し、タッチパネル(入出力部32)を介して入力された信号、通信部31を介してユーザ端末3の外部から受信した信号および記憶部33に記憶されたデータ等に基づいて所定の処理を実行し、ディスプレイ(入出力部32)および記憶部33に制御信号を出力する。演算部34は、さらに通信部31に制御信号を出力し、ユーザ端末3とサーバ装置1との間の信号の送受信を制御する。演算部34は、一例として、ユーザによりタッチパネルを介して入力され、記憶部33に記憶された個人情報や利用情報がサーバ装置1に送信されるように、通信部31に制御信号を出力する。
【0026】
サーバ装置1は、例えば、車両2のサブスクリプションサービスを提供する事業者が有するサーバ装置として構成される。クラウド上で仮想サーバ機能を利用して、サーバ装置1を構成することもできる。
図4は、
図1のサーバ装置1の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置1は、通信部11と、入出力部12と、記憶部13と、演算部14と、を有する。
【0027】
通信部11は、通信ネットワーク4を介して車載端末20およびユーザ端末3と無線通信可能に構成される。通信部11は、一例として、車両2を識別する車両IDとともに、車両2のドアを施錠または解錠させる解錠指令信号または施錠指令信号を車載端末20に送信する。
【0028】
入出力部12は、例えばキーボード、マウス、モニタ、タッチパネル等を有する。入出力部12は、省略することもでき、例えば、サーバ装置1に接続される別の情報端末(不図示)で構成することもできる。
【0029】
記憶部13は、図示しない揮発性メモリまたは不揮発性メモリを有する。記憶部13には、演算部14が実行する各種のプログラムや各種のデータが記憶される。記憶部13には、一例として、サブスクリプションサービスに供される車両2の車両IDおよびサブスクリプションサービスを利用するユーザのユーザID等が記憶される。
【0030】
記憶部13は、メモリが担う機能的構成、特にサブスクリプションサービスを利用するユーザに対する車両2の買取り提案に関連する構成として、サブスクリプションサービスに供される車両2の車両データベース(在庫情報)131と、サブスクリプションサービスを利用するユーザのユーザデータベース132とを有する。
【0031】
車両データベース131は、車両IDに対応付けられた各車両2の車両情報および利用計画等を記憶する。車両情報には、各車両2の車種、年式および積算走行距離等、車両2の価値を表す価値情報が含まれる。
【0032】
価値情報には、事業体でこの車両2を販売する場合の想定販売価格および事業体で車両2を下取りした場合の評価価格が含まれる。想定販売価格は、評価価格よりも高く設定され、想定販売価格と評価価格との差が事業体にとっての利益に相当する。想定販売価格および評価価格は、車両2の車種、年式、積算走行距離、グレード、色、装備されたオプションおよび車両2の状態(例えば、傷の有無等)等に基づいて設定される。想定販売価格および評価価格は、事業体が所有する在庫車両の数に応じて設定することができる。例えば、事業体が在庫を多く有する場合には低く設定され、車両2と同じ車種の車両が事業体に多く存在する場合にはより低く設定される。利用計画には、各車両2の現在までの利用情報および予約情報が含まれる。
【0033】
ユーザデータベース132は、ユーザIDに対応付けられた各ユーザの個人情報および利用情報を記憶する。個人情報には、ユーザ端末3により入力された各ユーザの住所、氏名、連絡先および免許証番号等が含まれる。利用情報には、各ユーザのサブスクリプションサービスの契約情報および利用履歴情報等が含まれる。契約情報には、サブスクリプションサービスを利用する利用料金が含まれ、利用履歴情報には、このサービスの利用回数、利用期間およびユーザがこのサービスで選択した車両2の車両ID等が含まれる。
【0034】
演算部14はCPUを有し、入出力部12を介して入力された信号、通信部11を介してサーバ装置1の外部から受信した信号、および記憶部13に記憶されたデータに基づいて所定の処理を実行し、入出力部12や記憶部13に制御信号を出力する。演算部14は、さらに通信部11に制御信号を出力し、サーバ装置1と、車載端末20およびユーザ端末3との間の信号の送受信を制御する。演算部14は、一例として、車両2のドアを施錠させる施錠指令信号または解錠させる施錠指令信号が車載端末20に送信されるように、通信部11に制御信号を出力する。
【0035】
演算部14は、プロセッサが担う機能的構成、特にサブスクリプションサービスを利用するユーザに対する車両2の買取り提案に関連する構成として、予約管理部141と、車両情報取得部142と、買取価格設定部143と、買取価格送信部144とを有する。
【0036】
予約管理部141は、通信ネットワーク4を介してユーザ端末3から送信された車両2の予約情報を受信するように構成される。例えば予約管理部141は、ユーザにより選択された車両2およびこの車両2の貸出期間等、ユーザ端末3を介してユーザにより入力された車両2の予約情報を通信ネットワーク4を介して受信し、記憶部13に記憶された利用計画に基づいて車両2の予約の可否を判定する。予約管理部141は、対応する貸出期間に車両2の予約がなければ通信ネットワーク4を介してユーザ端末3に承認信号および利用料金を送信する。一方、対応する貸出期間に別の予約があれば否認信号を送信する。ユーザ端末3(演算部34)は予約の承認信号を受信すると、ディスプレイ(入出力部32)に車両2の予約承認を表示し、否認信号を受信すると、ディスプレイに車両の予約が否認された旨を表示する。
【0037】
また予約管理部141は、予約を承認した車両2の利用計画を更新し、更新した利用計画を車両データベース131に登録する。利用計画には、予約された車両2の利用開始日および利用終了日と、定期的に実行されるメンテナンスの計画等が含まれる。
【0038】
車両情報取得部142は、通信ネットワーク4を介して、車両2のセンサ群25により検出される検出データを、車両IDとともに取得するように構成される。より詳細には、車両情報取得部142は、GPSセンサ251により検出される車両2の時系列の位置情報、車速センサ252により検出される車両2の時系列の車速の情報、加速度センサ253により検出される車両2の時系列の加速度の情報、および走行距離センサ254により検出される車両2の時系列の積算走行距離の情報を、車両IDとともに取得する。
【0039】
買取価格設定部143は、車両情報取得部142により取得された車両2の積算走行距離の情報に基づいて所定期間内の走行距離を算出する。そして、算出した走行距離が買取提案距離(所定距離)を超えた場合に、車両データベース131に記憶された車両2の価値情報およびユーザの利用情報に基づいて、車両2のユーザによるこの車両2の買取りを提案するための買取提案価格を設定する。
【0040】
より詳細には、買取価格設定部143は、サブスクリプションサービスの開始後、最初に車両情報取得部142から取得された積算走行距離を算出開始距離に設定し、車両情報取得部142により随時取得される車両2の積算走行距離から算出開始距離を減算して、車両2の走行距離を算出する。この走行距離は、サービス開始時にて0であり、車両2の走行に伴い増加され、サービスを開始してから所定期間を経過したら、リセットされる。算出開始距離は、車両データベース131に一時的に記憶される。
【0041】
なお、所定期間は、車両2の貸出期間と等しいかそれよりも短い期間である。所定期間としては、例えば、サブスクリプションサービスに週単位で車両2の走行距離制限(以下単に、週間走行距離制限ともいう)が設けられる場合、1週間とすることができ、月単位で車両2の走行距離制限(以下単に、月間走行距離制限ともいう)が設けられる場合、1か月とすることができる。所定期間はこれに限らず、事業体によって任意に設定することもできる。また、所定期間内の車両2の走行距離は、車両情報取得部142が取得する積算走行距離の情報に基づいて算出してもよいが、車両情報取得部142が取得する車速の情報に基づいて算出することもできる。
【0042】
買取価格設定部143は、算出した走行距離が買取提案距離を超えた場合に、ユーザによる車両2の買取りを提案するための買取提案価格を設定する。例えば、週間走行距離制限が設けられる場合に買取提案距離を週間走行距離制限の80%に設定すると、ユーザが運転する車両2の走行距離の合計が週間走行距離制限の80%を超えると、買取価格設定部143は、買取提案価格を設定する。また月間走行距離制限が設けられる場合に買取提案距離を月間走行距離制限の80%に設定すると、ユーザが運転する車両2の走行距離の合計が月間走行距離制限の80%を超えると、買取価格設定部143は、買取提案価格を設定する。
【0043】
買取価格設定部143は、買取提案距離を複数設定することもできる。例えば買取価格設定部143は、第1買取提案距離(例えば、週間または月間走行距離制限の60%)、第2買取提案距離(同80%)および第3買取提案距離(同90%)を設定することもできる。この場合、買取価格設定部143は、車両2の走行距離が第1買取提案距離を超えると第1買取提案価格を設定し、第2買取提案距離を超えると第1買取提案価格よりも低価格の第2買取提案価格を設定し、第3買取提案距離を超えると第2買取提案価格よりも低価格の第3買取提案価格を設定する。
【0044】
なお、買取価格設定部143は、算出した走行距離がサブスクリプションサービスにおいて予め設定された制限距離(例えば、週間または月間走行距離制限)を超えた場合には、買取提案価格を設定することなく処理を終了する。
【0045】
図5は、走行距離に対する想定販売価格、買取提案価格および評価価格の変化の一例を示す特性図である。
図5のf1は走行距離の増加に伴う車両2の想定販売価格の変化の特性を示し、f2は走行距離の増加に伴う車両2の買取提案価格の変化の特性を示し、f3は走行距離の増加に伴う評価価格の変化の特性を示す。
【0046】
図5に示すように、車両2の想定販売価格および買取提案価格は、サブスクリプションサービスの開始時点L0では事業体の店頭販売価格P0で一致するが、車両2の制限距離L1に至るまで買取提案価格の方が想定販売価格よりも安くなるように設定される。すなわち、買取価格設定部143は、買取提案価格の走行距離に対する下落率を、想定販売価格の同下落率よりも高く設定して、制限距離L1に至るまで車両2の走行距離に応じて、買取提案価格が想定販売価格よりも安くなるように設定する。これにより、買取提案距離L2における買取提案価格P2が、買取提案距離L2における想定販売価格P1よりも低くなり、ユーザは、想定販売価格P1よりも車両2を安く購入することができる。またユーザは、走行距離が長くなるほど車両2を安く購入することができる。
【0047】
車両2の評価価格は、サブスクリプションサービスの開始時点L0では事業体の店頭販売価格P0よりも低い価格P3に設定され、想定販売価格および買取提案価格と同様に、走行距離が長くなるほど安くなるが、サブスクリプションサービスの開始時点L0から制限距離L1に至るいずれのタイミングにおいても、想定販売価格および買取提案価格よりも安い。すなわち、買取価格設定部143は、想定販売価格と評価価格との間の価格帯に買取提案価格を設定する。例えば、買取価格設定部143は、買取提案距離L2における買取提案価格P2を、買取提案距離L2における想定販売価格P1よりも低く、買取提案距離L2における評価価格P4よりも高く設定する。これにより、事業体は、サブスクリプションサービスに用いられる車両2をユーザに販売することで、在庫を減らすことができるとともに、利益を得ることができる。
【0048】
図6は、車両2の走行距離と、利用料金と、これらに基づいて設定される買取提案価格との関係を示す図である。サブスクリプションサービスは、定額で一定期間利用できるが、サービスを更新するほど利用金額の合計金額が高くなる。すなわち、車両2の走行距離が長くなるほど利用金額の合計金額が高くなる。この場合、
図6に示すように、買取価格設定部143は、車両2の走行距離が長いほど、すなわち、サブスクリプションサービスの利用料金の合計金額が高いほど、想定販売価格に対する割引率が大きく、反対に、走行距離が短く、すなわち、利用料金の合計金額が低いほど、想定販売価格に対する割引率が小さくなるように、買取提案価格を設定する。一方で、買取価格設定部143は、サブスクリプションサービスの利用を更新しない場合(利用料金が定額)でも、車両2の走行距離が長いほど、想定販売価格に対する割引率が大きくなるように、買取提案価格を設定する。割引率を設定するための走行距離、利用料金の合計金額および想定販売価格の各パラメータは、任意に設定することができる。
【0049】
なお、買取価格設定部143は、車両2の走行距離およびサブスクリプションサービスの利用料金のうち、車両2の走行距離に重み付けをして、買取提案価格を設定してもよい。例えば、買取価格設定部143は、利用料金の合計金額が低くても、車両2の走行距離が長ければ、想定販売価格に対する割引率を大きく設定してもよい。
【0050】
また、買取価格設定部143は、サブスクリプションサービスの利用料金に替えて、サブスクリプションサービスの利用回数(利用情報)情報に基づいて、想定販売価格に対する割引率を設定してもよい。例えば、買取価格設定部143は、車両2の走行距離が長いほど、すなわち、サブスクリプションサービスの利用回数が多いほど、想定販売価格に対する割引率が大きく、反対に、走行距離が短く、すなわち、利用回数が少ないほど、想定販売価格に対する割引率が小さくなるように、買取提案価格を設定してもよい。
【0051】
買取価格設定部143は、車両2を所有する事業体の車両の在庫情報、例えば、車両データベース131に記憶された車両の数に基づいて、車両2の買取提案価格を調整してもよい。例えば、事業体が在庫を多く所有する場合には、想定販売価格および評価価格と同様に、買取提案価格を低く設定してもよい。また例えば、車両2と同じ車種の在庫を多く所有する場合には、さらに買取提案価格を低く設定してもよい。
【0052】
買取価格送信部144は、買取価格設定部143により設定された買取提案価格の情報を、通信部11を介して、ユーザ端末3等に送信する。買取価格送信部144は、買取価格設定部143が買取提案価格を設定したときに、買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信してもよく、買取価格設定部143が買取提案価格を設定したときに、所定時間毎に複数回に亘って買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信してもよい。例えば、買取価格設定部143が買取提案価格を設定したときに、5分毎に3回に亘って買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信してもよい。
【0053】
また、買取価格送信部144は、買取価格設定部143が買取提案価格を設定した後、ユーザが車両2のイグニッションをオフしたときに、買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信してもよく、ユーザが車両2のドアを施錠したときに、買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信しよもよい。ユーザがイグニッションをオフしたときや車両2を施錠したときに買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信することで、ユーザが買取提案価格を確認しやすくなる。その結果、ユーザが車両2の購入を検討しやすくなる。
【0054】
さらに買取価格送信部144は、買取提案価格をユーザ端末3に変えて車載端末20に送信してもよく、ユーザ端末3および車載端末20に送信してもよい。
【0055】
図7は、予め記憶されたプログラムに従いサーバ装置1の演算部14で実行される処理の一例、特にサブスクリプションサービスを利用するユーザに対する車両2の買取り提案に係る処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば、サブスクリプションサービスの利用を開始(車両の貸出し)してから、サブスクリプションサービスの利用が終了(車両の返却)するまで、所定周期で繰り返し実行される。
【0056】
まずステップS1で、通信ネットワーク4を介して、車載端末20から車両2の車両情報を取得する。次いでステップS2で、ステップS1で取得した車両情報に基づいて、車両2の走行距離を算出する。具体的には、車両情報取得部142により取得された積算走行距離から買取価格設定部143により設定された算出開始距離を減算して、車両2の走行距離を算出する。次いでステップS3で、ステップS2で算出した走行距離が買取提案距離を超えるか否かを判定する。
【0057】
ステップS3で否定されるとステップS1に戻り、肯定されるとステップS4に進んで、ステップS2で算出した走行距離がサブスクリプションサービスに設定された制限距離を超えるか否かを判定する。ステップS4で肯定されると、処理を終了する。一方、ステップS4で否定されるとステップS5に進んで、ステップS2で算出した走行距離およびユーザデータベース132に記憶された利用情報(利用料金)に基づいて、車両2の買取提案価格を設定する。次いでステップS6で、ステップS5で設定した買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信する。次いでステップS7で、所定期間を経過したか否かを判定する。ステップS7で否定されると処理を終了し、ステップS7で肯定されるとステップS8に進み、ステップS2で算出した走行距離をリセットする。
【0058】
本実施形態の動作をまとめると以下のようになる。ユーザが自己の所有するユーザ端末3でサブスクリプションサービスのウェブサイトにログインして好みの車両2を選択し、一定期間のサブスクリプションサービスの利用を開始すると、車両2の走行距離が算出される(ステップS2)。車両2の走行距離が買取提案距離(所定距離)を超えると、車両2を利用するユーザが所有するユーザ端末3のディスプレイ(入出力部32)に、車両2の買取りを提案する買取提案価格が表示される(ステップS6)。
【0059】
これにより、サブスクリプションサービスを提供する事業体は、サブスクリプションサービスに供される車両2をユーザに販売することができるので、自己が所有する車両の在庫を減らすことができるとともに、車両2を購入したユーザを顧客として登録することができる。一方、ユーザは、車両2を気に入った場合に、使用した車両2をそのまま購入することができる。販売提案価格は想定販売価格(例えば店頭販売価格)よりも安価に設定されるので、ユーザは、気に入った現物の車両2を安価に購入することができる。
【0060】
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態に係るサーバ装置1は、サブスクリプションサービスに用いられる車両2の買取りを、このサービスを利用するユーザに提案する装置である。サーバ装置1は、車両2の車載端末20(
図2)およびユーザにより利用されるユーザ端末3(
図3)と通信する通信部11と、通信部11を介して車両2の積算走行距離を含む車両情報を取得する車両情報取得部142と、車両情報取得部142により取得された積算走行距離に応じて車両2の価値を表す価値情報、およびこのサービスの利用料金を含むユーザの利用情報を記憶する記憶部13と、車両情報取得部142により取得された積算走行距離の情報に基づいて所定期間内の走行距離を算出し、算出した走行距離が所定距離を超えた場合に、価値情報および利用情報に基づいて、車両2のユーザによる買取りを提案するための買取提案価格を設定する買取価格設定部143と、買取価格設定部143により設定された買取提案価格の情報を、通信部11を介してユーザ端末3または車両2の車載端末20に送信する買取価格送信部144と、を備える(
図4)。
【0061】
この構成により、車両2の価値情報およびユーザの利用情報に基づいてユーザに車両2の買取りを提案するので、ユーザは実際に使用して気に入った車両そのものを安価に購入することができる。そのためユーザは、例えば、制限距離が設けられたサブスクリプションサービスにおいて、制限距離を気にせずに車両2を利用することができる。その結果、ユーザにとって満足度の高いサブスクリプションサービスを提供することができる。またサブスクリプションサービスを提供する事業体は、自己が所有する車両の在庫を効率的に減らすことができるとともに、車両の購入に伴う新規顧客を獲得することができる。
【0062】
(2)記憶部13に記憶された車両2の価値情報には、車両2を所有する事業体で車両2が販売された場合の想定販売価格を含む。買取価格設定部143は、車両2の買取提案価格を想定販売価格よりも低い価格に設定する(
図6)。これにより、ユーザは、サブスクリプションサービスに用いられた車両2を想定販売価格よりも安価に購入することができるので、ユーザにとって満足感がより一層高まる。
【0063】
(3)記憶部13は、車両2を所有する事業体の車両の在庫情報を記憶する(
図4B)。買取価格設定部143は、在庫情報に基づいて車両2の買取提案価格を設定する。例えば、事業体が多くの車両を在庫として所有している場合には、在庫が少ない場合に比して買取提案価格を相対的に低く設定する。これにより、事業体は、自己が所有する車両の在庫を、効率的に減らすことが可能になる。この場合、車両のオークション等に出品する場合よりも高く車両を販売することができ、より多くの利益を得ることができる。
【0064】
(4)車両貸出サービスは、定額料金で一定期間、ユーザが選択した車両を利用可能なサブスクリプションサービスである。ここでいうサブスクリプションサービスは、例えば、1か月等の短期間での車両の貸し出しおよび車両の変更が可能、且つ貸し出された車両の購入が可能なサービスである。これにより、例えば、ユーザが気になる車両の短期間の実際の使用が可能になるので、ユーザが車両を購入する際の参考にすることができ、そのまま購入することもできる。また例えば、本サービスに走行距離制限が設けられている場合に車両が気に入って走行距離が増えても、そのまま車両を購入することができるので、走行距離制限を気にすることなく車両を運転する楽しさを満喫することができる。また事業体は、効率的に車両を販売することができる。
【0065】
(5)サブスクリプションサービスに用いられる車両2は、該車両2を所有する事業体で販売される登録済みの車両、すなわち中古車を含む。本サービスに用いられる車両2に中古車を使用することで、本サービスの利用料金を安価に設定することができる。本サービスの利用料金を安価に設定することで、本サービスの利用を手軽に始めることができる。また、1か月等の短期間での車両の貸し出しが可能なので、本サービスの利用を手軽にやめることもできる。その結果、例えば、特に若年層やシニア層が購入する車両に最適となる。
【0066】
上記実施形態では、車両貸出サービスとしてサブスクリプションサービスを用いて説明したが、貸し出された車両をユーザが購入可能な他の車両貸出サービスに適用することもできる。
【0067】
上記実施形態では、走行距離制限のあるサブスクリプションサービスを用いて説明したが、走行距離制限のない車両貸出サービスに適用してもよい。この場合、買取価格設定部143は、買取提案価格を設定するための買取提案距離(所定距離)を任意に設定することができる。例えば買取価格設定部は、サブスクリプションサービスの利用料金の合計金額および買取提案価格に基づいて、買取提案距離を設定してもよい。
【0068】
図8は、サブスクリプションサービスの利用料金の合計金額および買取提案価格の変化の一例を示す特性図である。
図8のf4は、走行距離の増加に伴うサブスクリプションサービスの利用料金の合計金額の変化の特性を示し、
図8のf2は、
図5のf2に示す買取提案価格の変化の特性を示す。
図8に示すように、サブスクリプションサービスの利用料金の合計金額は、サブスクリプションサービスを更新するほど利用料金の合計金額が高くなり、車両2の走行距離も増加する。すなわち、車両2の走行距離が長くなるほど利用料金が増加する。一方、買取提案価格は、車両2の走行距離が長くなるほど低下する。そこで、買取価格設定部は、利用料金が想定販売価格に対する割引料金を上回る前に、買取提案価格を設定することが好ましい。例えば、
図8に示すf4とf2との交点が、利用料金と想定販売価格に対する割引料金とが一致する点であれば、この交点に示す走行距離以前に買取提案価格を設定することが好ましい。このようにすることで、ユーザは、より安く車両2を購入することができる。
【0069】
上記実施形態では、買取価格送信部144は、買取提案価格の情報をユーザ端末3に送信したが、車載端末20に送信してもよく、ユーザ端末3および車載端末20に送信してもよい。
【0070】
上記実施形態では、車両2の価値を表す価値情報として、積算走行距離に応じた価値情報を用いたが、車両2の価値情報は、積算走行距離のみに限らず、例えば、車速センサ252および加速度センサ253により検出される車両2の事故情報等を加味したものであってもよい。この場合、他者の運転に起因する事故の場合、その割合に応じて買取提案価格を減額してもよい。
【0071】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態により本発明が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0072】
1 サーバ装置、2 車両、3 ユーザ端末(携帯端末)、11 通信部、13 記憶部、14 演算部、20 車載端末、142 車両情報取得部、143 買取価格設定部、144 買取価格送信部