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特許7391706電力システム構成装置、電力システム構成方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電力システム構成装置、電力システム構成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20231128BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20231128BHJP
   B63J 99/00 20090101ALN20231128BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/46
B63J99/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020024350
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021129473
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】末廣 諭
(72)【発明者】
【氏名】西川 尚希
(72)【発明者】
【氏名】丸山 真範
(72)【発明者】
【氏名】吉村 史隆
(72)【発明者】
【氏名】黒田 真三郎
(72)【発明者】
【氏名】中ノ瀬 潤
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-002064(JP,A)
【文献】特開2010-068573(JP,A)
【文献】特開2016-127655(JP,A)
【文献】特開2016-063873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00 - 5/00
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 9/00 - 11/00
B63B 1/00 - 85/00
B63J 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力システムが備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な前記電源および前記負荷を認識する認識部と、
複数の前記電源の供給可能電力と複数の前記負荷の消費電力とを表す電力リストと、不安定な動作の要因となる前記電源と前記負荷の組み合わせを表す不安定化要因リストと、を記憶する記憶部と、
正常な前記電源および前記負荷を、複数のグループにグループ分けするグループ分け部と、
前記電力リストと前記不安定化要因リストを参照し、
いずれかの前記グループが前記不安定化要因リストに含まれる組み合わせを含む場合、
いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、
いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、
にグループ分けが不適切であると判断する判断部と、
不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力する出力部と、
を備える電力システム構成装置。
【請求項2】
前記記憶部が、さらに、複数の前記負荷の優先度を表す負荷優先度リストを記憶し、
前記判断部が、さらに、前記負荷優先度リストを参照し、複数の前記グループ間の優先度の集中の度合いに所定値以上の偏りがある場合、グループ分けが不適切であると判断する
請求項1に記載の電力システム構成装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記グループの合計の負荷電力が当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、前記負荷優先度リストを参照し、優先度の低い前記負荷を停止させた上で再度のグループ分けを行うよう、グループ分け指示を出力する
請求項2に記載の電力システム構成装置。
【請求項4】
前記出力部は、不適切ではないと判断された場合に、グループ分けされた複数の前記グループに、蓄電池を備えた前記電源を含むグループが含まれているとき、稼働させる前記負荷を選択的に組み合わせものと供給可能時間との関係を表す情報を含めて、前記グループ分けの結果を出力する
請求項1から3のいずれか1項に記載の電力システム構成装置。
【請求項5】
電力システムが備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な前記電源および前記負荷を認識するステップと、
複数の前記電源の供給可能電力と複数の前記負荷の消費電力とを表す電力リストと、不安定な動作の要因となる前記電源と前記負荷の組み合わせを表す不安定化要因リストと、を記憶するステップと、
正常な前記電源および前記負荷を、複数のグループにグループ分けするステップと、
前記電力リストと前記不安定化要因リストを参照し、
いずれかの前記グループが前記不安定化要因リストに含まれる組み合わせを含む場合、
いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、
いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、
にグループ分けが不適切であると判断するステップと、
不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力するステップと、
を含む電力システム構成方法。
【請求項6】
電力システムが備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な前記電源および前記負荷を認識するステップと、
複数の前記電源の供給可能電力と複数の前記負荷の消費電力とを表す電力リストと、不安定な動作の要因となる前記電源と前記負荷の組み合わせを表す不安定化要因リストと、を記憶するステップと、
正常な前記電源および前記負荷を、複数のグループにグループ分けするステップと、
前記電力リストと前記不安定化要因リストを参照し、
いずれかの前記グループが前記不安定化要因リストに含まれる組み合わせを含む場合、
いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、
いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、
にグループ分けが不適切であると判断するステップと、
不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力システム構成装置、電力システム構成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力系統に障害が生じた場合、電力系統の系統構成を変更するとともに、変更後の系統構成に基づいて船速を推定する電気推進船が開示されている。特許文献1に記載されている電気推進船において、系統構成の変更案は、予め所定の記憶部に記憶されていたりランダム性を有するように生成されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-30470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電気推進船は、発生した障害に対して、系統構成を変更することで対処するようにした構成であり、例えば、電源や負荷に故障が発生した場合等、系統構成の変更だけでは対処することができない場合があるという課題があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、電源や負荷に故障等が発生した場合に対処することができる電力システム構成装置、電力システム構成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る電力システム構成装置は、電力システムが備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な前記電源および前記負荷を認識する認識部と、複数の前記電源の供給可能電力と複数の前記負荷の消費電力とを表す電力リストと、不安定な動作の要因となる前記電源と前記負荷の組み合わせを表す不安定化要因リストと、を記憶する記憶部と、正常な前記電源および前記負荷を、複数のグループにグループ分けするグループ分け部と、前記電力リストと前記不安定化要因リストを参照し、いずれかの前記グループが前記不安定化要因リストに含まれる組み合わせを含む場合、いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、にグループ分けが不適切であると判断する判断部と、不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本開示に係る電力システム構成方法は、電力システムが備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な前記電源および前記負荷を認識するステップと、複数の前記電源の供給可能電力と複数の前記負荷の消費電力とを表す電力リストと、不安定な動作の要因となる前記電源と前記負荷の組み合わせを表す不安定化要因リストと、を記憶するステップと、正常な前記電源および前記負荷を、複数のグループにグループ分けするステップと、前記電力リストと前記不安定化要因リストを参照し、いずれかの前記グループが前記不安定化要因リストに含まれる組み合わせを含む場合、いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、にグループ分けが不適切であると判断するステップと、不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力するステップと、を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、電力システムが備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な前記電源および前記負荷を認識するステップと、複数の前記電源の供給可能電力と複数の前記負荷の消費電力とを表す電力リストと、不安定な動作の要因となる前記電源と前記負荷の組み合わせを表す不安定化要因リストと、を記憶するステップと、正常な前記電源および前記負荷を、複数のグループにグループ分けするステップと、前記電力リストと前記不安定化要因リストを参照し、いずれかの前記グループが前記不安定化要因リストに含まれる組み合わせを含む場合、いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、いずれかの前記グループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、にグループ分けが不適切であると判断するステップと、不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の電力システム構成装置、電力システム構成方法およびプログラムによれば、電源や負荷に故障等が発生した場合に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態に係る電力システム構成装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本開示の第1実施形態の動作例を説明するための模式図である。
図3図1に示す電力リスト31の構成例を示す模式図である。
図4図1に示す不安定化要因リスト32の構成例を示す模式図である。
図5図1に示す負荷優先度リスト33の構成例を示す模式図である。
図6図1に示すシナリオリスト34の構成例を示す模式図である。
図7図1に示す電力システム構成装置1の動作例を示すフローチャートである。
図8】本開示の第1実施形態の動作例を説明するための模式図である。
図9】本開示の第1実施形態の動作例を説明するための模式図である。
図10】本開示の第1実施形態の動作例を説明するための模式図である。
図11】本開示の第1実施形態の動作例を説明するための模式図である。
図12】本開示の第2実施形態の動作例を説明するための模式図である。
図13】本開示の第2実施形態の動作例を説明するための模式図である。
図14】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
(電力システム構成装置の構成)
以下、本開示の第1実施形態に係る電力システム構成装置について、図1図11を参照して説明する。図1は、本開示の第1実施形態に係る電力システム構成装置1の構成例を示すブロック図である。図2および図8図11は、本開示の第1実施形態の動作例を説明するための模式図である。図3は、図1に示す電力リスト31の構成例を示す模式図である。図4は、図1に示す不安定化要因リスト32の構成例を示す模式図である。図5は、図1に示す負荷優先度リスト33の構成例を示す模式図である。図6は、図1に示すシナリオリスト34の構成例を示す模式図である。図7は、図1に示す電力システム構成装置1の動作例を示すフローチャートである。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0012】
図1に示す電力システム構成装置1は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成することができ、そのコンピュータまたはそのコンピュータとそのコンピュータの周辺装置等のハードウェアと、そのコンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせで構成される機能的構成として、認識部2と、記憶部3と、グループ分け部4と、判断部5と、出力部6とを備える。また、記憶部3は、電力リスト31と、不安定化要因リスト32と、負荷優先度リスト33と、シナリオリスト34とを記憶する。
【0013】
図1に示す電力システム構成装置1は、例えば図2に示すように電気推進船10に搭載され、電気推進船10が備える電力システム100が有する複数の電源と負荷のグループ分けの仕方を算出する。図2は、電気推進船10が備える電力システム100が有する複数の電源と負荷の平面上の大まかな配置例と、グループ分けの例と、電源の供給可能電力や負荷の消費電力の相対的な大きさを(大小の差)を、電源や負荷を表すマークの大きさで表す。なお、図2に示す例は、電源や負荷に故障や事故が発生していない初期状態の例である。例えば、電源GTは、ガスタービン発電機等の電源であり、例えば数十MW程度の定格出力を有する。また、電源DEは、ディーゼル発電機等の電源であり、例えば数MW程度の定格出力を有する。また、電源ESS1と電源ESS2は、電力貯蔵システム(Energy Storage System)等の蓄電池(2次電池)を備えた電源であり、例えば数MW程度の定格出力を有する。また、図2に示す電力システム100は、負荷(1)L1、負荷(2)L2、負荷(3)L3、負荷(4)L4、負荷(5)L5、負荷(6)L6、負荷(7)L7、負荷(8)L8、および負荷(9)L9を備える。例えば、負荷(1)L1は、電気推進船10の図示していないプロペラ等の推進器を駆動する推進電動機等の例えば数十MW程度の消費電力の負荷である。なお、電力システム100は、図示してない他の電源や負荷をさらに備えていてもよい。
【0014】
また、図2に示す例では、電源GTと負荷(1)L1と負荷(3)L3と負荷(4)L4が、1つのグループGP1にグループ分けされている。また、電源DEと負荷(2)L2と負荷(5)L5と負荷(6)L6が、グループGP2にグループ分けされている。また、電源ESS1と負荷(7)L7が、グループGP3にグループ分けされている。また、電源ESS2と負荷(8)L8と負荷(9)L9が、グループGP4にグループ分けされている。
【0015】
本実施形態において、各グループGP1~GP4は、グループ内に少なくとも1つの電源と少なくとも1つの負荷とを含み、基本的な電力の供給と消費をグループ内で行う。なお、各電源と各負荷は、図示していない配線(ケーブルやバー)と配線間に設けられた複数の開閉器等を介して、系統構成を変更可能に接続されている。また、各グループGP1~GP4内の電源と負荷は、複数の開閉器を手動であるいは電力システム構成装置1等の制御装置による自動制御によって開状態または閉状態に設定することで、基本的に他のグループから独立した送配電網(グリッド)によって接続されている。
【0016】
また、本実施形態において、電力システム100には、系統や電源、負荷等に故障や事故が発生した場合に、故障や事故が発生した箇所や内容を検知するセンサが適宜に配置されていて、系統や電源、負荷に発生した故障や事故を示す情報が電力システム構成装置1へ通知されるようになっている。なお、電源ESS1と電源ESS2は、他のグループの電源GTや電源DEによって適宜に充電されるが、本実施形態では、後述する事故や故障の発生時にそれまでに充電した電力を放電することで電源として機能するものとする。
【0017】
図2において、例えば、グループGP1では、電源GTが発電した電力が、負荷(1)L1と負荷(3)L3と負荷(4)L4へ供給される。また、例えば、グループGP2では、電源DEが発電した電力が、負荷(2)L2と負荷(5)L5と負荷(6)L6へ供給される。
【0018】
次に、図3を参照して、図1に示す電力リスト31の構成例について説明する。図3に示す電力リスト31は、図2に示す複数の電源の供給可能電力と複数の負荷の消費電力とを表す情報である。図3に示す例では、電力リスト31は、電源GTの定格出力が数十MWで、電源DEの定格出力が数MWで、電源ESS1と電源ESS2の定格出力がそれぞれ数MWであることを示すデータを含む。また、電力リスト31は、負荷(1)L1の消費電力(例えば定格消費電力)が数十MWで、負荷(2)L2、負荷(3)L3および負荷(4)L4の消費電力が数MWで、負荷(5)L5~負荷(9)L9の消費電力が数百kWであることを示すデータを含む。
【0019】
次に、図4を参照して、図1に示す不安定化要因リスト32の構成例について説明する。図4に示す不安定化要因リスト32は、不安定な動作の要因となる電源と負荷の組み合わせを表す情報である。図4に示す不安定化要因リスト32では、電源GTと電源DEとの組み合わせが不安定な動作を発生させるおそれがある組み合わせ(「×」印の組み合わせ)であると定義されている。電源GTは例えばガスタービン発電機であり、電源DEは例えばディーゼル発電機である。そして、例えばそれぞれが出力電圧を自動制御する構成を有している場合、例えば、接続される負荷のインピーダンス特性によっては、相互作用により各発電機の出力電圧が不安定となるおそれがある。そのため、図4に示す例では、例えばそのような理由のため、電源GTと電源DEを同一グループにグループ分けすることが不安定要因であると定義されている。
【0020】
また、図4に示す不安定化要因リスト32では、電源GTと負荷(8)L8および負荷(9)L9との組み合わせと、電源DEと負荷(8)L8および負荷(9)L9との組み合わせが不安定な動作を発生させるおそれがある組み合わせ(「×」印の組み合わせ)であると定義されている。例えば、負荷によっては電源ESS1または電源ESS2と組み合わせることが望ましい場合があり、この場合、不安定な動作を発生する要因ではないものの、電源ESS1または電源ESS2と組み合わせずに電源GTまたは電源DEと組み合わせることは、最も望ましい組み組み合わせであるとはいえない。そこで、不安定化要因リスト32では、負荷(8)L8および負荷(9)L9を、電源ESS1または電源ESS2を含まない状態で、電源GTまたは電源DEと同一グループにグループ分けすることが、不安定要因の一つであるとして定義されている。なお、図4に示す例では、電源と負荷との組み合わせを例に挙げたが、例えば、負荷同士の組み合わせでもインピーダンス特性によっては動作が不安定にある場合があり(例えば誘導性負荷と容量性負荷との組み合わせ等)、そのような組み合わせについても不安定要因として不安定化要因リスト32に定義しておくことができる。
【0021】
次に、図5を参照して、図1に示す負荷優先度リスト33の構成例について説明する。図5に示す負荷優先度リスト33は、複数の負荷の優先度を表す情報である。複数の負荷の優先度は、電気推進船10全体として(あるいは電力システム100全体として)他の負荷に優先して稼働させることが求められる度合いを示す指標である。この例では、優先度=1が最も優先度が高く、優先度=9が優先度が最も低い。本実施形態の電力システム100では、例えば、優先度=1の負荷(1)L1と、優先度=2の負荷(2)L2のどちらか一方のみを稼働させる供給電力しか確保できないとしたら、優先度=1の負荷(1)L1の稼働が選択される。なお、複数の負荷に同一の優先度が設定されていてもよい。
【0022】
次に、図6を参照して、図1に示すシナリオリスト34の構成例いついて説明する。シナリオリスト34は、事前に予測した故障や事故の複数の発生例(シナリオ)に対応する電源と負荷のグルーピングの例を複数含む情報である。シナリオリスト34は、電力システム100における故障や事故の代表例を予め想定し、想定した例において有効な(適切な)グループ分けの例を複数例含んでいる。電力システム構成装置1は、故障や事故の発生時に、シナリオリスト34に含まれているグループ分けの例を参考にして、例えば、一部を変更することで、新たなグループ分けの仕方を算出することができる。なお、図6に示すシナリオ(1)は、図2に示したグループ分けの例を示している。すなわち、シナリオ(1)では、例えば、電源GTには負荷(1)L1と負荷(3)L3と負荷(4)L4が組み合わされて1つのグループを構成し、電源DEには負荷(2)L2と負荷(5)L5と負荷(6)L6が組み合わされて他の1つのグループを構成している。
【0023】
また、図1に示す認識部2は、電力システム100が備える複数のセンサ等の出力に基づき、電力システム100が備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な電源および負荷を認識する。
【0024】
グループ分け部3は、正常な電源および負荷を、複数のグループにグループ分けする。その際、グループ分け部3は、例えば、シナリオリスト34を参照して、グループ分けの仕方を決定する。グループ分け部3は、例えば、認識部2が認識した正常な電源と正常な負荷の組み合わせと同一の組み合わせのシナリオが、シナリオリスト34に含まれている場合には、そのシナリオに設定されているグループ分けを選択する。また、グループ分け部3は、例えば、認識部2が認識した正常な電源と正常な負荷の組み合わせに対して、正常でない一部の負荷を余分に含む組み合わせのシナリオが、シナリオリスト34に含まれている場合には、正常でない一部の負荷を除いた上でそのシナリオに設定されているグループ分けを選択する。
【0025】
判断部5は、電力リスト31と不安定化要因リスト32を参照し、(1)グループ分け部3がグループ分けした複数のグループのうちのいずれかのグループが不安定化要因リスト32に含まれる組み合わせを含む場合、(2)いずれかのグループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、(3)いずれかのグループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、にグループ分けが不適切であると判断する。ここで、供給可能電力から所定量以上下回る場合は、電源側の出力が定格出力を所定量以上下回ることで、発電の効率等が低下してしまう可能性がある場合に対応する。(3)の条件に該当する場合を不適切なグループ分けと判断することで、電力システム100における電力の供給効率の低下を防止することができる。
【0026】
なお、判断部5は、さらに、負荷優先度リスト33を参照し、複数のグループ間の優先度の集中の度合いに所定値以上の偏りがある場合、グループ分けが不適切であると判断してもよい。この判断は、優先度が相対的に高い負荷が例えば1つのグループに集中した場合に、そのグループの電源等にさらに故障や事故が発生したとき、優先度が相対的に高い複数の負荷が一度に複数、稼働できなきなる状態を回避するためのものである。複数のグループ間の優先度の集中の度合いは、例えば、グループ毎の、複数の負荷の優先度の平均値、中心値、所定値以下(優先度が小さい方が優先度が高い場合)の優先度を有する負荷の個数等で表すことができる。また、所定値以上の偏りがあるとは、平均値や中心値が所定値以下であること(優先度の高い負荷が集中している可能性がある場合)、平均値や中心値が所定値以上であること(優先度の高い負荷がほとんど含まれていない可能性がある場合)、所定値以下の優先度を有する負荷の個数が所定値以上であること等である。
【0027】
また、出力部6は、判断部5によって不適切であると判断された場合に再度の異なるグループ分けを行うようにとの指示をグループ分け部4に対して出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を所定の出力装置に出力する。ここで、所定の出力装置は、電力システム構成装置1が備える図示していない表示装置、印刷装置や、通信装置等を介して接続されている他の端末装置等である。
【0028】
なお、出力部6は、グループの合計の負荷電力が当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、負荷優先度リスト33を参照し、優先度の低い負荷を停止させた上で再度のグループ分けを行うよう、グループ分け部4に対してグループ分け指示を出力してもよい。
【0029】
(電力システム構成装置の動作例)
次に、図7を参照して、図1に示す電力システム構成装置1の動作例について説明する。電力システム構成装置1が図7に示す処理を開始すると、認識部2が、電力システム100が備える複数のセンサ等の出力に基づき、電力システム100が備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な電源および負荷を認識し、電源または負荷に故障や事故等の所定の事象が発生したか否かを判断する(ステップS1)。
【0030】
認識部2は、所定の周期でステップS1の判断を繰り返し実行し(ステップS1で「NO」の繰り返し)、所定の事象が発生したと判断した場合(ステップS1で「YES」の場合)、グループ分け部4が残存負荷と残存電源をマッチングし、正常な電源および負荷を複数のグループにグループ分けする(ステップS2)。
【0031】
この場合、図2に示す電源システム100において図8に示すように電源ESS2と負荷(9)L9が正常でなくなり、グループ分け部4が、正常な電源および負荷を、例えば、図9に示すように、既存のグループGP1およびグループGP3と、電源DEと負荷(2)L2と負荷(5)L5と負荷(6)L6と負荷(8)L8とからなる新たなグループGP2aにグループ分けしたとする。
【0032】
次に、判断部5が、グループ分けされた電源と負荷の組み合わせが適切であるか否かを検証する(ステップS3)。ステップS3において、判断部5は、各グループについて、負荷>供給可能電力でないこと、負荷≪供給可能電力でないこと、および、不安定化要因に該当しないことを確認する。
【0033】
次に、出力部6は、適切であると判断されたか否かに基づき、不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し(ステップS4で「NO」)、不適切ではないと判断された場合に(ステップS4で「YES」の場合に)当該グループ分けの結果を出力する(ステップS5)。
【0034】
上記の場合、グループGP2aが、図4に示す不安定化要因リスト32において不安定要因として定義されている電源DEと負荷(8)L8とを含むため、判断部5は、グループ分けが不適切であると判断し、出力部6は、グループ分け部4に再度のグループ分けの実施を指示する。ここで、グループ分け部4が、正常な電源および負荷を、図10に示すように、既存のグループGP1およびグループGP2と、電源ESS1と負荷(7)L7と負荷(8)L8とからなる新たなグループGP3aにグループ分けしたとする。ここで、判断部5が、グループ分けが適切であると判断したとすると、出力部6は、例えば図11に示すグループ分けの結果6aを出力する。
【0035】
図11に示すグループ分けの結果6aは、各電源と各負荷が残存しているか否かを示す情報と、残存している電源に対して組み合わされる負荷の一覧を示す。図11に示す例では、グループ分けの結果6aは、負荷(9)L9と電源ESS2以外は残存していること、電源GTに対して負荷(1)L1と負荷(3)L3と負荷(4)L4を組み合わせること、電源DEに対して負荷(2)L2と負荷(5)L5と負荷(6)L6を組み合わせること、電源ESS1に対して負荷(7)L7と負荷(8)L8を組み合わせることを示している。なお、グループ分けの結果6aは、例えば、操作者が電力システム100において各機器を操作して電源と負荷を組み合わせる際の参考資料としたり、図示していない制御装置等によって系統を自動で構成する際の情報として用いられたりする。
【0036】
(電力システム構成装置の作用効果・変形例)
以上のように、本実施形態による電力システム構成装置1を用いることで、電源や負荷に故障等が発生した場合に、電源と負荷を適切に組み合わせて対処することができる。
【0037】
なお、判断部5によって、いずれかのグループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、にグループ分けが不適切であると判断することで、電力システム100における電力の供給効率の低下を防止することができる。
【0038】
また、判断部5は、複数のグループ間の優先度の集中の度合いに所定値以上の偏りがある場合、グループ分けが不適切であると判断することで、優先度が相対的に高い複数の負荷が一度に複数、稼働できなきなる状態を回避することができる。
【0039】
なお、船舶において例えば事故や故障の範囲が広範にわたる場合、電源や負荷が複数に影響を受けることが想定されるが、例えば、本実施形態においては、シナリオ毎に役割分担を決めておき、電源と負荷のグルーピングを行うことで、残存負荷に対してスムーズな給電再開を可能とするとともに、供給不足となる系や、電源の不安定化を招く系の組み合わせを事前に避けることが可能である。
【0040】
また、残存する優先度の高いに負荷に給電するためには、供給力不足(負荷>供給可能電力)時に負荷の優先度に基づき、優先度の低い負荷をOFFすることで、再構成時の船内電力を有効に配分することが可能となる。また、電源に対しても優先度を定義し、要求電力に余裕がある場合に、電源の優先度に基づき、優先度の低い電源をOFFすることで、再構成時に燃費向上等が可能となる。
【0041】
また、シナリオに応じた負荷のグルーピングをデータベースとして持っておくことで、供給力過多(負荷≪供給可能電力)となる負荷および電源のグルーピングを選択しないようにすることができる。
【0042】
なお、上記実施形態の変形例として、例えば、負荷と電源の組み合わせの除外リストを作成しておき、グループ分け時に除外リストを参照して該当する組み合わせが選択されないようにしてもよい。
【0043】
<第2実施形態>
以下、本開示の第2実施形態に係る電力システム構成装置について、図12および図13を参照して説明する。図12および図13は、本開示の第2実施形態の動作例を説明するための模式図である。第2実施形態に係る電力システム構成装置は、図1に示す第1実施形態に係る電力システム構成装置1と基本的な構成および動作は同一である。ただし、第2実施形態に係る電力システム構成装置では、図1に示す出力部6が、グループ分けが不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力するとともに、グループ分けされた複数のグループに、蓄電池を備えた電源を含むグループが含まれているとき、稼働させる負荷を選択的に組み合わせものと供給可能時間との関係を表す情報(以下、補足情報という)を含めて、グループ分けの結果を出力する点が異なる。図12図13は、出力部6が出力する、補足情報の例を示す。
【0044】
図12に示す、出力部6が出力する補足情報の例6bは、対象とする電源(ESS)と電源(ESS)に接続する負荷P1、P2およびP3の接続関係を示す図6b1と、電源の電力供給時間と消費電力との関係を示す図6b2とを含む。図6b2では、負荷P1、P2およびP3をすべて稼働させた場合と、負荷P1に限定した場合とで、電力供給時間が延長される効果が示されている。
【0045】
一方、図13に示す、出力部6が出力する補足情報の例6cは、対象とする電源(ESS)に、負荷P1と負荷P3を接続した場合、負荷P1と負荷P2を接続した場合、および、負荷P1と負荷P2と負荷P3を接続した場合の稼働可能時間の差を比較して示す。補足情報の例6cは、横軸を時間とし、予め設定した目標時間を示すとともに、縦軸にESS残容量(State of Charge)として、負荷の組み合わせと残容量の変化の差を示す。この例では、負荷P1と負荷P3を接続した場合と負荷P1と負荷P2を接続した場合に目標時間を満足することが分かる。
【0046】
第2実施形態によれば、ESSを電源とするグリッドを再構成した場合、グリッド内の負荷給電可能時間を確認することができる。例えば、復旧までに給電可能時間を上回る場合一般負荷への給電を止め、重要負荷のみ給電することで、重要負荷の残存性を最大化することができる。
【0047】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記実施形態では不安定化要因リスト32で、電源と負荷の1対1の組み合わせが不安定であるか否かの情報を定義することとしたが、これに限るものではなく、例えば複数の電源と負荷との組み合わせが不安定であるか否かの情報を定義するものとしてもよい。
【0048】
〈コンピュータ構成〉
図14は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、インタフェース94を備える。
上述の電力システム構成装置は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0049】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0050】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0051】
<付記>
各実施形態に記載の電力システム構成装置1は、例えば以下のように把握される。
【0052】
(1)第1の態様に係る電力システム構成装置1は、電力システム100が備える複数の電源と複数の負荷のうち、正常な電源および負荷を認識する認識部2と、複数の電源の供給可能電力と複数の負荷の消費電力とを表す電力リスト31と、不安定な動作の要因となる電源と負荷の組み合わせを表す不安定化要因リスト32と、を記憶する記憶部3と、正常な電源および負荷を、複数のグループにグループ分けするグループ分け部4と、電力リスト31と不安定化要因リスト32を参照し、いずれかのグループが不安定化要因リスト32に含まれる組み合わせを含む場合、いずれかのグループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、または、いずれかのグループの合計の負荷電力が、当該グループの合計の供給可能電力から所定量以上下回る場合、にグループ分けが不適切であると判断する判断部5と、不適切であると判断された場合に再度のグループ分け指示を出力し、不適切ではないと判断された場合に当該グループ分けの結果を出力する出力部6と、を備える。
この構成によれば、電源や負荷に故障等が発生した場合に対処することができる。
【0053】
(2)第2の態様の電力システム構成装置1は、(1)の電力システム構成装置1であって、記憶部3が、さらに、複数の負荷の優先度を表す負荷優先度リスト33を記憶し、判断部5が、さらに、負荷優先度リスト33を参照し、複数のグループ間の優先度の集中の度合いに所定値以上の偏りがある場合、グループ分けが不適切であると判断する。
この構成によれば、優先度の高い負荷が1つのグループに集中することを避けることができる。
【0054】
(3)第3の態様の電力システム構成装置1は、(2)の電力システム構成装置1であって、出力部6は、グループの合計の負荷電力が当該グループの合計の供給可能電力より大きい場合、負荷優先度リスト33を参照し、優先度の低い負荷を停止させた上で再度のグループ分けを行うよう、グループ分け指示を出力する。
この構成によれば、優先度に応じて効率的な組み合わせを選択することができる。
【0055】
(4)第4の態様の電力システム構成装置1は、(1)~(3)の電力システム構成装置1であって、出力部6は、不適切ではないと判断された場合に、グループ分けされた複数のグループに、蓄電池を備えた電源ESS1、ESS2を含むグループが含まれているとき、稼働させる負荷を選択的に組み合わせものと供給可能時間との関係を表す情報6b、6cを含めて、グループ分けの結果を出力する。
この構成によれば、蓄電池を備えた電源ESS1、ESS2を適切に稼働させることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 電力システム構成装置
2 認識部
3 記憶部
4 グループ分け部
5 判断部
6 出力部
10 電気推進船
31 電力リスト
32 不安定化要因リスト
33 負荷優先度リスト
34 シナリオリスト
100 電力システム
GT、DE、ESS1、ESS2 電源
L1~L9 負荷(1)~負荷(9)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14