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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】表示装置及び半導体基板
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20231128BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20231128BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20231128BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20231128BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20231128BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G02F1/1333
G02F1/1343
G02F1/1368
G06F3/041 410
G06F3/041 430
G09F9/00 366A
G09F9/30 348A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020048058
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021148920
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出 元
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-139357(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0192571(US,A1)
【文献】特開2017-122770(JP,A)
【文献】特開2017-010507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0108744(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1368
G06F3/03-3/047
G09F9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と、
前記スイッチング素子を覆う第1有機絶縁膜と、
第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延出した第1金属配線と第2金属配線と、
前記第1金属配線と前記第2金属配線との間に位置する島状の金属電極と、を備え、
前記第1有機絶縁膜は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を有し、
前記スイッチング素子は、前記第1面によって覆われ、
前記第1金属配線、前記第2金属配線、及び、前記金属電極は、前記第2面側に位置し、
前記第1金属配線は、前記第2方向に延出した第1部分と、前記第1部分の幅より大きい幅を有する第2部分と、を有し、
前記第2部分は、平面視において、円弧状の第1側縁と、前記第1側縁の反対側に位置し円弧状の第2側縁と、を有し、
前記金属電極は、n角形状もしくは楕円形状であり、nは4より大きい、半導体基板。
【請求項2】
さらに、前記第1方向に延出した走査線を備え、
前記スイッチング素子は、ドレイン電極と、前記走査線の一部であるゲート電極と、を備え、
前記ドレイン電極は、前記第1有機絶縁膜の前記第1面に接し、
前記金属電極は、前記第1有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記ドレイン電極と接続され、
前記ドレイン電極は、平面視で前記走査線と対向する円弧状の第3側縁を有する、請求項1に記載の半導体基板。
【請求項3】
さらに、前記第1有機絶縁膜の上に位置する無機絶縁膜と、前記第1有機絶縁膜と前記無機絶縁膜との間に位置する島状の透明電極と、を有し、
前記透明電極は、前記金属電極に接続され、
平面視において、前記透明電極はn角形状もしくは楕円形状であり、nは4より大きい、請求項2に記載の半導体基板。
【請求項4】
さらに、前記無機絶縁膜を覆う配向膜と、前記無機絶縁膜と前記配向膜との間に設けられた画素電極と、を備え、
前記画素電極は、前記無機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記透明電極に接続されている、請求項3に記載の半導体基板。
【請求項5】
さらに、前記無機絶縁膜と前記第1有機絶縁膜の前記第2面との間に設けられた第2有機絶縁膜を備え、
前記透明電極は、前記第2有機絶縁膜と前記無機絶縁膜との間に設けられ、
前記透明電極は、前記第2有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介し前記金属電極に接続される、請求項4に記載の半導体基板。
【請求項6】
前記ドレイン電極、前記金属電極及び前記透明電極は、平面視において互いに重なる、請求項3に記載の半導体基板。
【請求項7】
さらに、前記第2有機絶縁膜と前記無機絶縁膜との間に設けられた共通電極を備え、
前記共通電極は、前記画素電極に重なり、
前記共通電極は、前記第2有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第1金属配線もしくは前記第2金属配線に接続される、請求項5に記載の半導体基板。
【請求項8】
前記共通電極は、センサ電極である、請求項7に記載の半導体基板。
【請求項9】
第1方向に延出した走査線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延出した信号線と、
前記信号線を覆う第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の上に配置され前記信号線と重なって延出する第1金属配線と、
前記第1絶縁膜の上に配置され前記第1金属配線と同一材料によって形成された島状の金属電極と、
前記第1金属配線及び前記金属電極を覆う第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜の上に位置する第1共通電極と、
前記走査線と重なって前記第1方向に延出した第1遮光部と、前記信号線と重なって前記第2方向に延出した第2遮光部と、を有する遮光層と、を備え、
前記第1金属配線は、前記第2遮光部と重なって前記第2方向に延出した第1部分と、前記第1遮光部と重なり前記第1部分の幅より大きい幅を有する第2部分と、を有し、
前記第1共通電極は、前記第2部分と重なる位置において前記第2絶縁膜に形成された第1コンタクトホールを介して前記第2部分に接し、
前記第2部分は、平面視において、円弧状の第1側縁と、前記第1側縁の反対側に位置し円弧状の第2側縁と、を有し、
前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜は、有機絶縁材料によって形成される、表示装置。
【請求項10】
前記第1遮光部の前記第2方向に沿った幅は、前記第2遮光部の前記第1方向に沿った幅より大きい、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
さらに、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に位置し前記第2方向に延出した第2金属配線を備え、
前記金属電極は、前記第1金属配線と前記第2金属配線との間に位置し、前記第1遮光部と重なり、4辺より大きい多角形状もしくは楕円形状である、請求項9又は10に記載の表示装置。
【請求項12】
さらに、前記第1遮光部と重なり、前記信号線と同一材料によって形成された島状のドレイン電極を備え、
前記金属電極は、前記第1絶縁膜に形成された第2コンタクトホールにおいて、前記ドレイン電極に接し、
前記ドレイン電極は、平面視で前記走査線と対向する円弧状の第3側縁を有する、請求項9乃至11の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記金属電極は、前記第3側縁を覆っている、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
さらに、前記第2絶縁膜の上に位置し、前記金属電極と重なる島状の透明電極を備え、
前記透明電極は、前記第2絶縁膜に形成された第3コンタクトホールにおいて、前記金属電極に接し、楕円形状もしくは4辺より大きい多角形状である、請求項9乃至13の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
さらに、前記第1共通電極の前記第2方向に並んで配置された第2共通電極を備え、
前記金属電極は、平面視において、前記第1共通電極と前記第2共通電極との間に位置し、
前記第1共通電極は、前記第2共通電極側へ突出した突出部を有し、
前記突出部は、前記第1金属配線の前記第2部分と重なる、請求項9乃至14の何れか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置及び半導体基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチセンサを内蔵した表示装置が種々提案されている。一例では、表示パネルに形成された複数の電極がタッチセンシングモードである場合にセンサ電極の役割を果たし、表示モードである場合に共通電極の役割を果たす表示装置が開示されている。タッチセンシング方式としては、相互容量方式及び自己容量方式のいずれかが適用される。タッチセンシングモードでは、タッチ駆動電圧が信号ラインを通じてセンサ電極に印加されることにより、センシングが行われるものである。
【0003】
また、島状のセンサ電極がマトリクス状に並んだタッチセンサを備えた表示装置において、画素電極が、信号線と同層のドレイン電極、金属配線と同層の金属電極、センサ電極と同層の透明電極の3層の電極を介して半導体層と接続された構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-95578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、画素の開口率を向上することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、スイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う第1有機絶縁膜と、第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延出した第1金属配線と第2金属配線と、前記第1金属配線と前記第2金属配線との間に位置する島状の金属電極と、を備え、前記第1有機絶縁膜は、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を有し、前記スイッチング素子は、前記第1面によって覆われ、前記第1金属配線、前記第2金属配線、及び、前記金属電極は、前記第2面側に位置し、前記第1金属配線は、前記第2方向に延出した第1部分と、前記第1部分の幅より大きい幅を有する第2部分と、を有し、前記第2部分は、平面視において、円弧状の第1側縁と、前記第1側縁の反対側に位置し円弧状の第2側縁と、を有し、前記金属電極は、n角形状もしくは楕円形状であり、nは4より大きい、半導体基板が提供される。
【0007】
本実施形態によれば、第1方向に延出した走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に延出した信号線と、前記信号線を覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に配置され前記信号線と重なって延出する第1金属配線と、前記第1絶縁膜の上に配置され前記第1金属配線と同一材料によって形成された島状の金属電極と、前記第1金属配線及び前記金属電極を覆う第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上に位置する第1共通電極と、前記走査線と重なって前記第1方向に延出した第1遮光部と、前記信号線と重なって前記第2方向に延出した第2遮光部と、を有する遮光層と、を備え、前記第1金属配線は、前記第2遮光部と重なって前記第2方向に延出した第1部分と、前記第1遮光部と重なり前記第1部分の幅より大きい幅を有する第2部分と、を有し、前記第1共通電極は、前記第2部分と重なる位置において前記第2絶縁膜に形成された第1コンタクトホールを介して前記第2部分に接し、前記第2部分は、平面視において、円弧状の第1側縁と、前記第1側縁の反対側に位置し円弧状の第2側縁と、を有する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の表示装置の外観を示す平面図である。
図2図2は、タッチセンサの一構成例を示す平面図である。
図3図3は、画素と図2に示したセンサ電極との関係を示す平面図である。
図4図4は、画素の基本構成及び等価回路を示す図である。
図5図5は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。
図6図6は、本実施形態の金属配線、及び、金属電極の形状を示す平面図である。
図7図7は、図6に示したA-B線に沿った表示パネルの断面図である。
図8図8は、図6に示した金属配線、及び、金属電極と、遮光層との位置関係を示す平面図である。
図9図9は、半導体層及びドレイン電極の形状を示す平面図である。
図10図10は、図9に示したドレイン電極と、遮光層との位置関係を示す平面図である。
図11図11は、共通電極及び透明電極の形状を示す平面図である。
図12図12は、図11に示したC-D線に沿った第1基板の断面図である。
図13図13は、スペーサの位置を示す平面図である。
図14図14は、図13に示したE-F線に沿った表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
まず、本実施形態に係る表示装置DSPについて詳細に説明する。本実施形態においては、表示装置DSPが液晶表示装置である場合について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの外観を示す平面図である。
一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0012】
ここでは、X-Y平面における表示装置DSPの平面図を示している。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブルプリント回路基板1と、ICチップ2と、回路基板3と、を備えている。
【0013】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、シールSEと、遮光層BMと、スペーサSP1乃至SP4と、後述する液晶層LCと、を備えている。また、表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1と対向している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも第2方向Yに延出した実装部MAを有している。第1基板SUB1は、後述するように複数の薄膜トランジスタを備えた半導体基板であり、アレイ基板と称されることもある。第2基板SUB2は、後述するようにカラーフィルタCFを備え、カラーフィルタ基板と称されることもある。
【0014】
シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着している。遮光層BMは、非表示部NDAに位置している。シールSEは、平面視で、遮光層BMと重畳する位置に設けられている。図1において、シールSEが配置された領域と、遮光層BMが配置された領域とでは、互いに異なる斜線で示し、シールSEと遮光層BMとが重畳する領域はクロスハッチングで示している。遮光層BMは、第2基板SUB2に設けられている。
【0015】
スペーサSP1乃至SP4は、いずれも非表示部NDAに位置している。スペーサSP1は、表示パネルPNLの最外周に位置している。スペーサSP2は、スペーサSP1よりも表示部DA側に位置している。スペーサSP1及びSP2は、シールSEと重畳している。スペーサSP3及びSP4は、シールSEよりも表示部DA側に位置している。
【0016】
表示部DAは、遮光層BMによって囲まれた内側に位置している。表示パネルPNLは、表示部DAにおいて、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
【0017】
フレキシブルプリント回路基板1は、実装部MAに実装され、回路基板3に接続されている。ICチップ2は、フレキシブルプリント回路基板1に実装されている。なお、ICチップ2は、実装部MAに実装されてもよい。ICチップ2は、画像を表示する表示モードにおいて画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。また、図示した例では、ICチップ2は、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードを制御するタッチコントローラTCを内蔵している。図中において、ICチップ2は一点鎖線で示し、ディスプレイドライバDD及びタッチコントローラTCは点線で示している。
【0018】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
【0019】
また、表示パネルPNLの詳細な構成について、ここでは説明を省略するが、表示パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モード、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面と平行な面である。
【0020】
図2は、タッチセンサTSの一構成例を示す平面図である。ここでは、自己容量方式のタッチセンサTSについて説明するが、タッチセンサTSは相互容量方式であってもよい。
【0021】
タッチセンサTSは、マトリクス状に配置された複数のセンサ電極Rx(Rx1、Rx2…)と、複数のセンサ配線L(L1、L2…)と、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示部DAに位置し、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。1つのセンサ電極Rxは、1つのセンサブロックBを構成している。センサブロックBとは、タッチセンシングが可能な最小単位である。複数のセンサ配線Lは、表示部DAにおいて、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに並んでいる。センサ配線Lの各々は、例えば後述する信号線Sと重畳する位置に設けられている。また、センサ配線Lの各々は、非表示部NDAに引き出され、フレキシブルプリント回路基板1を介してICチップ2に電気的に接続されている。
【0022】
ここで、第1方向Xに並んだセンサ配線L1乃至L3と、第2方向Yに並んだセンサ電極Rx1乃至Rx3との関係に着目する。センサ配線L1は、センサ電極Rx1乃至Rx3と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。
【0023】
センサ配線L2は、センサ電極Rx2及びRx3と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。ダミー配線D20は、センサ配線L2から離間している。ダミー配線D20は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。センサ配線L2及びダミー配線D20は、同一の信号線上に位置している。
【0024】
センサ配線L3は、センサ電極Rx3と重畳し、センサ電極Rx3と電気的に接続されている。ダミー配線D31は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。ダミー配線D32は、ダミー配線D31及びセンサ配線L3から離間している。ダミー配線D32は、センサ電極Rx2と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。センサ配線L3、ダミー配線D31及びD32は、同一の信号線上に位置している。
【0025】
タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCは、センサ配線Lにタッチ駆動電圧を印加する。これにより、センサ電極Rxにはタッチ駆動電圧が印加され、センサ電極Rxでのセンシングが行われる。センサ電極Rxでのセンシング結果に対応したセンサ信号は、センサ配線Lを介してタッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCあるいは外部のホストは、センシング信号に基づいて、表示装置DSPへの物体の接近又は接触の有無及び物体の位置座標を検出する。
なお、表示モードにおいては、センサ電極Rxは、コモン電圧(Vcom)が印加された共通電極として機能する。コモン電圧は、例えばディスプレイドライバDDに含まれる電圧供給部からセンサ配線Lを介して印加される。
【0026】
図3は、画素PXと図2に示したセンサ電極Rxとの関係を示す平面図である。図3において、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2とほぼ同一である。
【0027】
1つのセンサ電極Rxは、複数の画素PXに亘って配置されている。図示した例では、第2方向Yに沿って奇数行目に位置する画素PXは、方向D1に沿って延出している。また、第2方向Yに沿って偶数行目に位置する画素PXは、方向D2に沿って延出している。なお、ここでの画素PXとは、画素信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、副画素と称する場合がある。また、カラー表示を実現するための最小単位を主画素MPと称する場合がある。主画素MPは、互いに異なる色を表示する複数の副画素PXを備えて構成されるものである。一例では、主画素MPは、副画素PXとして、赤色を表示する赤画素、緑色を表示する緑画素、及び、青色を表示する青画素を備えている。また、主画素MPは、白色を表示する白画素を備えていてもよい。
一例では、1つのセンサ電極Rxには、第1方向Xに沿って60~70個の主画素MPが配置され、第2方向に沿って60~70個の主画素MPが配置されている。
【0028】
図4は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。
複数の走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。複数の信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0029】
共通電極CEは、センサブロックB毎にそれぞれ設けられている。共通電極CEは、コモン電圧(Vcom)の電圧供給部CDに接続され、複数の画素PXに亘って配置されている。また、共通電極CEは、それぞれ上記の通りタッチコントローラTCにも接続され、タッチセンシングモードにおいてタッチ駆動電圧が印加されるセンサ電極Rxを形成している。
【0030】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0031】
図5は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。
走査線G1乃至G3は、それぞれ第1方向Xに沿って直線的に延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S1乃至S3は、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。また、表示パネルPNLは、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んだ金属配線ML1乃至ML3を備えている。金属配線ML1乃至ML3は、それぞれ信号線S1乃至S3と重なって延出している。また、後述するが、金属配線ML1乃至ML3は、それぞれ共通電極CE1及びCE2と接続するために拡張された拡張部分(第2部分PT2)を有している。
【0032】
画素電極PE1及びPE2は、走査線G1及びG2の間に配置されている。画素電極PE1及びPE2は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE3及びPE4は、走査線G2及びG3の間に配置されている。画素電極PE3及びPE4は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE1及びPE3は信号線S1及びS2の間に配置され、画素電極PE2及びPE4は信号線S2及びS3の間に配置されている。
【0033】
画素電極PE1及びPE2は、それぞれ方向D1に沿って延出した帯電極Pa1及びPa2を有している。画素電極PE3及びPE4は、それぞれ方向D2に沿って延出した帯電極Pa3及びPa4を有している。図示した例では、帯電極Pa1乃至Pa4は、3本であるが、2本以下であってもよいし、4本以上であってもよい。
【0034】
共通電極CE1は、画素PX1及びPX2に亘って配置されている。共通電極CE2は、画素PX3及びPX4に亘って配置されている。共通電極CE1及びCE2は、第2方向Yに並んでいる。共通電極CE1及びCE2は、図2に示した1つのセンサ電極Rxに含まれている。共通電極CE1は、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE1及びPE2は、共通電極CE1の上に重畳している。共通電極CE2は、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE3及びPE4は、共通電極CE2の上に重畳している。図示した例では、走査線G2は、共通電極CE1及びCE2の間に位置している。
【0035】
また、共通電極CE1は、スリットSL1を有し、共通電極CE2は、スリットSL2を有している。スリットSL1及びSL2は、主画素MPと主画素MPとの境界に位置している。すなわち、共通電極CE1は、1つの主画素MPに重なる部分CE1aがスリットSL1によって区切られている。同様に、共通電極CE2は、1つの主画素MPに重なる部分CE2aがスリットSL2によって区切られている。部分CE1aは、互いにコネクト部CNによって繋がっている。同様に、部分CE2aは、互いにコネクト部CNによって繋がっている。共通電極CE1及びCE2のコネクト部CNは、図示した例では、信号線S1及び金属配線ML1と重なっている。また、後述するが、共通電極CE1及びCE2は、それぞれ第2方向Yに突出した複数の突出部PRを有している。突出部PRは、金属配線ML1及びML2の拡張部分(第2部分PT)と重なっている。
【0036】
また、共通電極CEは、共通電極CE1と共通電極CE2との間に位置するブリッジ部BRを有している。図示した例では、ブリッジ部BRは、信号線S3及び金属配線ML3に重畳している。ブリッジ部BRは、共通電極CE1及び共通電極CE2と一体的に形成され、共通電極CE1及び共通電極CE2を電気的に接続している。ブリッジ部BRは、共通電極CE1及び共通電極CE2と同様にセンサ電極Rxに含まれている。
【0037】
図6は、本実施形態の金属配線ML1及びML2、及び、金属電極MEの形状を示す平面図である。
金属配線ML1及びML2は、第2方向Yに延出した第1部分と、第1部分PT1の幅W11より大きい幅W12を有する第2部分PT2と、を有している。第2部分PT2は、後述する絶縁膜15に形成されたコンタクトホールCH1と重なっている。第2部分PT2は、コンタクトホールCH1を介して共通電極と接続されている。第2部分PT2は、平面視において、円弧状の第1側縁EG1と、第1側縁EG1の反対側に位置し円弧状の第2側縁EG2と、を有している。また、図6の枠Aの内側に示すように、第2部分PT2の形状を点線で規定すると、第2部分PT2は、円形状に形成されている。なお、第2部分PT2は、4辺より大きい多角形状に形成されていても良い。多角形状を構成する辺のうち、何辺かは曲線であっても良い。また、図6の枠Bの内側に示すように、第2部分PT2は、第1部分PT1の外形から突出した凸部T1及びT2を有しているとみなすことができる。図示した例では、凸部T1及びT2は半円状であるが、4辺より大きい多角形状であっても良い。
【0038】
第2部分PT2は、金属電極MEとの間に寄生容量が生じるのを抑制するために、金属電極MEから所定距離L1及びL2だけ離間して位置している。第2部分PT2を円形状もしくは4辺より多い多角形状に形成することによって、第2部分PT2が矩形状である場合と比較して、第2部分PT2をより走査線G2側に近づけて配置することができる。その場合にも、第2部分PT2と金属電極MEとの間の所定距離L1及びL2を維持することができる。
【0039】
表示パネルPNLは、金属配線ML1と金属配線ML2との間に位置し、島状に形成された金属電極MEを備えている。金属電極MEは、金属配線ML1及びML2と同一材料によって形成されている。金属電極MEは、nを4より大きい整数とすると、n角形状に形成されている。なお、多角形状を構成する辺のうち、何辺かは曲線であっても良い。また、金属電極MEは、楕円形状に形成されていても良い。金属電極MEを4辺より大きい多角形状もしくは楕円形状に形成することによって、所定距離L1及びL2を維持した状態で第2部分PT2をさらに走査線G2に近づけて配置することができる。
【0040】
金属電極MEは、辺E1、E2、E3、E4、E5、E6を有している。図示した例では、辺E1及びE4は、第1方向Xに延出し、辺E1は辺E4より短く形成されている。また、金属電極MEは、後述する絶縁膜14に形成されたコンタクトホールCH2と重なっている。金属電極MEは、コンタクトホールCH2を介して島状のドレイン電極と接続されている。また、金属電極MEは、後述する絶縁膜15に形成されたコンタクトホールCH3と重なっている。金属電極MEは、コンタクトホールCH3を介して島状の透明電極と接続されている。
【0041】
図7は、図6に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至16、信号線S1及びS2、金属配線ML1及びML2、共通電極CE1、画素電極PE1、配向膜AL1を備えている。
【0042】
絶縁基板10は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。絶縁膜11は、絶縁基板10の上に位置している。絶縁膜12は、絶縁膜11の上に位置している。絶縁膜13は、絶縁膜12の上に位置している。
【0043】
信号線S1及びS2は、絶縁膜13の上に位置している。信号線S1及びS2は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、信号線S1及びS2は、チタン(Ti)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、チタン(Ti)を含む第3層がこの順に積層された積層体である。
【0044】
絶縁膜(第1有機絶縁膜、第1絶縁膜)14は、信号線S1及びS2を覆っている。絶縁膜14は、第1面SF1と、第1面SF1の反対側の第2面SF2と、を有している。金属配線ML1及びML2は、絶縁膜14の第2面SF2上に配置されている。絶縁膜(第2絶縁膜)15は、金属配線ML1及びML2を覆っている。すなわち、金属配線ML1及びML2は、絶縁膜14と絶縁膜15との間に位置している。金属配線ML1及びML2は、上記の金属材料や、上記の金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、金属配線ML1及びML2は、チタン(Ti)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、チタン(Ti)を含む第3層がこの順に積層された積層体、あるいは、モリブデン(Mo)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、モリブデン(Mo)を含む第3層がこの順に積層された積層体である。絶縁膜15は、絶縁膜16と絶縁膜14の第2面SF2との間に設けられている。
【0045】
共通電極CE1は、絶縁膜15の上に位置している。共通電極CE1は、絶縁膜15と絶縁膜16との間に設けられている。共通電極CE1は、金属配線ML2の第2部分PT2と重なる位置において絶縁膜15に形成されたコンタクトホールCH1を介して第2部分PT2に接している。共通電極CE1は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。絶縁膜16は、共通電極CE1を覆っている。なお、図示した例では、共通電極CE1は、金属配線ML2に接続されているが、共通電極CE1は、金属配線ML1に接続されていても良いし、金属配線ML1及びML2の両方に接続されていても良い。
【0046】
画素電極PE1は、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。すなわち、画素電極PE1は、絶縁膜16と配向膜AL1との間に設けられている。画素電極PE1は、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1は、絶縁膜16も覆っている。
【0047】
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜16は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14及び15は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁膜である。
【0048】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、配向膜AL2を備えている。
【0049】
絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。カラーフィルタCFは、赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、青色のカラーフィルタCFBを有している。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及び配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。
【0050】
上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、配向膜AL1及び配向膜AL2が対向するように配置されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、所定のセルギャップが形成された状態でシールによって接着されている。液晶層LCは、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを備えている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0051】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。なお、光学素子OD1及び光学素子OD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。
【0052】
このような表示パネルPNLにおいては、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、配向膜AL1及び配向膜AL2の間で所定の方向に初期配向している。このようなオフ状態では、照明装置ILから表示パネルPNLに向けて照射された光は、光学素子OD1及び光学素子OD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、照明装置ILからの光の一部は、光学素子OD1及び光学素子OD2を透過し、明表示となる。
【0053】
図8は、図6に示した金属配線ML1及びML2、及び、金属電極MEと、遮光層BMとの位置関係を示す平面図である。
遮光層BMは、走査線G2と重なって第1方向Xに延出した第1遮光部BM1と、信号線S1及びS2と重なって第2方向Yに延出した第2遮光部BM2と、を有している。第1遮光部BM1の第2方向Yに沿った幅W21は、第2遮光部BM2の第1方向Xに沿った幅W22より大きい。第1遮光部BM1及び第2遮光部BM2で囲まれた領域は、画素PXの開口部OPに相当する。第1部分PT1は、第2遮光部BM2と重なって第2方向Yに延出している。図示した例では、第1部分PT1の一部は、第1遮光部BM1とも重なっている。また、第2部分PT2は、第1遮光部BM1と重なっている。図示した例では、第2部分PT2の一部は、第2遮光部BM2とも重なっている。金属電極MEは、第1遮光部BM1と重なっている。
【0054】
第2部分PT2の形状は、第1方向Xに対して角度θ11の接線LN1、第1方向Xに対して角度θ12の接線LN2、第1方向Xに対して角度θ13の接線LN3に追従した形状となっても良い。角度θ11及びθ12は65度以上、角度θ13は70度以上である。また、金属電極MEの辺E3の第1方向Xに対する角度θ21と、辺E5の第1方向Xに対する角度θ22は、偏光解消が生じるのを抑制するために65~75度以上であることが望ましい。辺E3及び辺E5が走査線G2に対して傾斜していることで金属電極MEの面積を低減させることができ、金属電極MEと走査線G2との間の寄生容量を低減することができる。
【0055】
例えば、第2部分PT2が矩形状であった場合、所定距離L1及びL2を確保するため、第2部分PT2が第2遮光部BM2の下に配置されるが、画素PXの開口部OPに第2部分PT2が重なってしまい、開口率を低下させる場合がある。また、第2部分PT2が矩形状である場合には、金属電極MEとの間の寄生容量が増加し、歩留まりが低下する恐れがある。
【0056】
本実施形態によれば、第2部分PT2の外形は円弧状に形成されている。もしくは、第2部分PT2は、円形状又は4辺より大きい多角形状に形成されている。そのため、所定距離L1及びL2を維持した状態で第2部分PT2を走査線G2に近づけることができ、第2部分PT2を第1遮光部BM1と重なる位置に配置することができる。したがって、上記した開口率の低下を抑制することができる。また、第2部分PT2の形状を円形状又は4辺より大きい多角形状に形成することによって、偏光解消する場合があるが、第2部分PT2は第1遮光部BM1と重なるため、表示のコントラスト低下を抑制することができる。また、寄生容量の発生による歩留り低下を抑制することができる。
【0057】
なお、図6に示したように、絶縁膜15のコンタクトホールCH1は、全ての第2部分PT2と重なる位置に形成されていなくても良い。また、第2部分PT2は、共通電極と接続されない箇所においては形成されていなくても良い。
【0058】
図9は、半導体層SC及びドレイン電極DEの形状を示す平面図である。
表示パネルPNLは、信号線S1及びS2と同一材料によって形成された島状のドレイン電極DEを備えている。ドレイン電極DEは、信号線S1と信号線S2との間に配置されている。ドレイン電極DEは、スイッチング素子SWに備えられている。なお、スイッチング素子SWにおいて、ドレイン電極DEはソース電極と称される場合がある。ドレイン電極DEは、金属電極MEと平面視において重なっている。
【0059】
半導体層SCは、その一部分が信号線S2と重なるように配置され、他の部分が信号線S1及びS2の間に延出し、略U字状に形成されている。半導体層SCは、信号線S2と重なる位置において走査線G2と交差し、信号線S1とS2との間においても走査線G2と交差している。走査線G2において、半導体層SCと重畳する領域がそれぞれゲート電極GE1及びGE2として機能する。すなわち、図示した例のスイッチング素子SWは、ダブルゲート構造を有している。半導体層SCは、その一端部SCAにおいてコンタクトホールCH11を通じて信号線S2と電気的に接続され、また、その他端部SCBにおいてコンタクトホールCH12を通じてドレイン電極DEと電気的に接続されている。表示パネルPNLは、ゲート電極GE2に重なった遮光膜LSを備えている。遮光膜LSは、金属電極MEの一部、ドレイン電極DEの一部にも重なっている。
【0060】
図10は、図9に示したドレイン電極DEと、遮光層BMとの位置関係を示す平面図である。
ドレイン電極DEは、第1遮光部BM1と重なっている。ドレイン電極DEは、平面視で走査線G2と対向する円弧状の側縁DEE(第3側縁)を有している。ドレイン電極DEが円弧状の側縁DEEを有することで、ドレイン電極DEと走査線G2との間の距離L3を部分的に拡大することができる。このため、ドレイン電極DEと走査線G2との間の寄生容量を低減することができる。したがって、寄生容量の発生による歩留り低下を抑制することができる。また、金属電極MEは、側縁DEEを覆っている。側縁DEEを円弧状に形成することによって偏光解消する場合があり、側縁DEEは第1遮光部BM1と重なっているが、第3方向Zに対して傾斜した視野角からコントラスト低下が視認される恐れがある。図示した例では、遮光層BMより下層に位置する金属電極MEが側縁DEEと重なるため、偏光解消によるコントラスト低下が傾斜した視野角から視認されるのを抑制することができる。
【0061】
図11は、共通電極CE1及びCE2、及び、透明電極TEの形状を示す平面図である。
透明電極TEは、平面視において金属電極MEと重なり、島状に形成されている。図示した例では、透明電極TEは、楕円形状(非矩形状)である。なお、透明電極TEは、4辺より大きい多角形状であっても良い。多角形状を構成する辺のうち、何辺かは曲線であっても良い。透明電極TEは、共通電極CE1と同一材料によって形成されている。透明電極TEは、絶縁膜15に形成されたコンタクトホールCH3と重なっている。透明電極TEは、コンタクトホールCH3を介して金属電極MEと接続されている。また、透明電極TEは、絶縁膜16に形成されたコンタクトホールCH4と重なっている。透明電極TEは、コンタクトホールCH4を介して画素電極と接続されている。このように、透明電極TEはコンタクトホールCH3及びCH4と重なり、第2方向Yよりも第1方向Xに長い形状となっている。すなわち、透明電極TEは、平面視において、コンタクトホールCH3及びCH4を配置するための領域を維持した状態で略楕円形状(非矩形状)、もしくはnを4より大きい整数として、n角形状に形成されている。
【0062】
透明電極TEが楕円形状もしくは4辺より大きい多角形状に形成されることによって、透明電極TEと共通電極CE1との間の距離L4、透明電極TEと共通電極CE2との間の距離L5を拡大することができる。このため、透明電極TEと共通電極CE1との間の寄生容量、及び、透明電極TEと共通電極CE2との間の寄生容量を低減することができる。さらに、ブリッジ部BRの隣に位置する透明電極TEについては、透明電極TEとブリッジ部BRとの間の寄生容量を低減することができる。また、これらの寄生容量の発生による歩留り低下を抑制することができる。
【0063】
金属電極MEは、平面視において、共通電極CE1と共通電極CE2との間に位置している。共通電極CE1は、共通電極CE2側へ突出した突出部PRを有している。突出部PRは、第2部分PT2と重なっている。また、突出部PRは、金属配線ML2の第2部分PT2と重なる位置でコンタクトホールCH1と重なっている。突出部PRは、コンタクトホールCH1を介して第2部分PT2と接続されている。なお、共通電極CE1及び金属配線MLが接続しない箇所においては、突出部PRが形成されていなくても良い。
【0064】
図12は、図11に示したC-D線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
遮光膜LSは、絶縁基板10の上に形成され、絶縁膜11によって覆われている。絶縁膜14の第1面SF1は、スイッチング素子SWを覆っている。半導体層SCは、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。
【0065】
走査線G2の一部であるゲート電極GE2は、絶縁膜12の上に位置し、絶縁膜13によって覆われている。ゲート電極GE2は、スイッチング素子SWに備えられている。走査線G2は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、走査線G2は、モリブデン-タングステン合金によって形成されている。
【0066】
ドレイン電極DEは、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。ドレイン電極DEは、絶縁膜14の第1面SF1に接している。ドレイン電極は、絶縁膜13に形成されたコンタクトホールCH12を介して半導体層SCに接している。金属電極MEは、絶縁膜14の第2面SF2上に配置され、絶縁膜15によって覆われている。すなわち、金属電極MEは、絶縁膜14と絶縁膜15との間に位置している。金属電極MEは、絶縁膜14に形成されたコンタクトホールCH2において、ドレイン電極DEに接している。透明電極TEは、絶縁膜15の上に配置され、絶縁膜16によって覆われている。絶縁膜16は、絶縁膜14及び絶縁膜15の上に位置している。透明電極TEは、絶縁膜14と絶縁膜16との間に位置している。また、透明電極TEは、絶縁膜15と絶縁膜16との間に位置している。透明電極TEは、絶縁膜15に形成されたコンタクトホールCH3において、金属電極MEに接している。画素電極PEは、絶縁膜16の上に位置している。画素電極PEは、絶縁膜16に形成されたコンタクトホールCH4において、透明電極TEに接している。ドレイン電極DE、金属電極ME、透明電極TEは、第3方向Zに重なっている。
【0067】
図13は、スペーサSPの位置を示す平面図である。図13に示す構成は、図11に示した構成と比較して、スペーサSPが金属配線ML1の第2部分PT2と重なる位置に配置されている点で相異している。
スペーサSPは、共通電極CE1の突出部PRとも重なっている。なお、スペーサSPは、コンタクトホールCH1と重なる位置には配置されない。
【0068】
図14は、図13に示したE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。図14に示す構成は、図7に示した構成と比較して、スペーサSPが配置されている点で相違している。
スペーサSPは、図示した例では、第2基板SUB2に備えられている。スペーサSPは、第1基板SUB1側に突出し、第1基板SUB1に当接している。なお、スペーサSPは、第1基板SUB1に接していなくても良い。このように、金属配線MLの第2部分PT2と重なる位置であって、絶縁膜15にコンタクトホールCH1が形成されていない部分にはスペーサSPが配置されても良い。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、画素の開口率を向上することが可能な表示装置を得ることができる。
【0070】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、複数の薄膜トランジスタを備えた半導体基板に用いられ、表示装置を例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
DSP…表示装置、G…走査線、S…信号線、X…第1方向、Y…第2方向、
14、15…絶縁膜、ML…金属配線、PT1…第1部分、PT2…第2部分、
W11、W12、W21、W22…幅、ME…金属電極、CE…共通電極、
BM…遮光層、BM1…第1遮光部、BM2…第2遮光部、CH…コンタクトホール、
EG1…第1側縁、EG2…第2側縁、DE…ドレイン電極、DEE…側縁、
TE…透明電極、PR…突出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14