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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20231128BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20231128BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H01L21/306 B
H01L27/04 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020050534
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021150552
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 光雄
(72)【発明者】
【氏名】小幡 進
(72)【発明者】
【氏名】樋口 和人
(72)【発明者】
【氏名】下川 一生
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-160549(JP,A)
【文献】特開2019-140225(JP,A)
【文献】国際公開第2019/171750(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/150669(WO,A1)
【文献】特開2012-129528(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021817(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0010164(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0091172(US,A1)
【文献】米国特許第07510982(US,B1)
【文献】米国特許第06537896(US,B1)
【文献】特開2005-044969(JP,A)
【文献】特開2011-199059(JP,A)
【文献】特開2013-201353(JP,A)
【文献】特開2013-235925(JP,A)
【文献】特開2010-129921(JP,A)
【文献】国際公開第2007/032261(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料を含んだ導電基板と絶縁層とを備え、
前記導電基板の一主面は、第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域と比較して高さがより低い第2領域とを含み、
前記第1領域には、底部の位置が前記第2領域と比較してより低い1以上の凹部が設けられ、
前記導電基板のうち前記主面側の表面領域は、前記1以上の凹部と前記第2領域との間の位置に多孔質構造を含み、
前記主面に1以上の溝が設けられ、前記第2領域は、前記1以上の溝の底部であり、
前記絶縁層は前記1以上の溝を埋め込んだ構造体。
【請求項2】
前記第1領域の上方に位置した第1電極と、
前記第1電極から電気的に絶縁された第2電極と
を更に備え、
前記主面は、前記第2領域を間に挟んで前記第1領域に隣り合った第3領域を更に含み、前記第2電極は前記第3領域の上方に位置した請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記第1領域と前記1以上の凹部の側壁及び底面とを覆い、前記第1電極に電気的に接続された導電層と、
前記導電基板と前記導電層との間に介在し、前記導電基板と前記導電層とを互いから電気的に絶縁させた誘電体層と
を更に備え、
前記導電基板は前記第2電極に電気的に接続された請求項に記載の構造体。
【請求項4】
前記1以上の凹部から前記第2領域までの最短距離D2と前記1以上の凹部の深さD1との比D2/D1は0.01乃至1の範囲内にある請求項1乃至の何れか1項に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
MacEtch(Metal-Assisted Chemical Etching)法は、貴金属を触媒として用いて、半導体表面をエッチングする方法である。MacEtch法によれば、例えば、高アスペクト比の凹部を半導体基板に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2013-527103号公報
【文献】特開2011-101009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、面内方向へのエッチングの進行を抑制可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によれば、半導体材料を含んだ導電基板と絶縁層とを備え、前記導電基板の一主面は、第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域と比較して高さがより低い第2領域とを含み、前記第1領域には、底部の位置が前記第2領域と比較してより低い1以上の凹部が設けられ、前記導電基板のうち前記主面側の表面領域は、前記1以上の凹部と前記第2領域との間の位置に多孔質構造を含み、前記主面に1以上の溝が設けられ、前記第2領域は、前記1以上の溝の底部であり、前記絶縁層は前記1以上の溝を埋め込んだ構造体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るコンデンサの上面図。
図2図1に示すコンデンサのII-II線に沿った断面図。
図3図2に示す構造の一部を拡大して示す断面図。
図4図1乃至図3に示すコンデンサの製造における一工程を示す断面図。
図5図1乃至図3に示すコンデンサの製造における他の工程を示す断面図。
図6図4及び図5の工程によって得られる構造を示す断面図。
図7】溝を省略した場合に得られる構造の一例を示す電子顕微鏡写真。
図8】溝を省略した場合の触媒層形成工程の一例を示す断面図。
図9】溝を省略した場合のエッチング工程の一例を示す断面図。
図10】溝を設けた場合の触媒層形成工程の一例を示す断面図。
図11】溝を設けた場合のエッチング工程の一例を示す断面図。
図12】溝に採用可能な構造の一例を示す断面図。
図13】溝に採用可能な構造の他の例を示す断面図。
図14】溝に採用可能な構造の更に他の例を示す断面図。
図15】溝に採用可能な構造の更に他の例を示す平面図。
図16】溝に採用可能な構造の更に他の例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。また、ここでは、構造体の一例としてコンデンサについて記載する。
【0009】
図1乃至図3に、一実施形態に係るコンデンサを示す。
図1乃至図3に示すコンデンサ1は、図2及び図3に示すように、導電基板CSと、導電層20bと、誘電体層30とを含んでいる。
【0010】
なお、各図において、X方向は導電基板CSの主面に平行な方向であり、Y方向は導電基板CSの主面に平行であり且つX方向に垂直な方向である。また、Z方向は、導電基板CSの厚さ方向、即ち、X方向及びY方向に垂直な方向である。
【0011】
導電基板CSは、シリコンなどの半導体材料を含んでいる。導電基板CSは、少なくとも導電層20bと向き合った表面が導電性を有している基板である。導電基板CSは、コンデンサの下部電極としての役割を果たす。
【0012】
導電基板CSは、第1主面S1と、第2主面S2と、第1主面S1の縁から第2主面S2の縁まで延びた端面とを有している。ここでは、導電基板CSは、扁平な略直方体形状を有している。導電基板CSは、他の形状を有していてもよい。
【0013】
第1主面S1、ここでは導電基板CSの上面は、第1領域A1と、第2領域A2と、第3領域A3とを含んでいる。第2領域A2は、第1領域A1と隣接しており、第1領域A1と比較して高さがより低い。第3領域A3は、第2領域A2を間に挟んで第1領域A1に隣り合っている。第3領域A3の高さは、第1領域A1の高さ又は第2領域A2の高さと比較して、より低くてもよく、より高くてもよく、同じであってもよい。ここでは、一例として、第3領域A3の高さは、第1領域A1の高さと等しいとする。
【0014】
第1主面S1には、図1乃至図3に示す溝Gが設けられている。ここでは、溝Gは、第1領域A1を取り囲むように設けられている。即ち、ここでは、第1主面S1のうち、溝Gによって取り囲まれた領域が第1領域A1であり、溝Gの底部が第2領域A2であり、溝Gを間に挟んで第1領域A1と隣り合った領域が第3領域A3である。
【0015】
第1領域A1には、一方向に伸びた形状を各々が有し、幅方向に配列した複数の凹部TRが設けられている。凹部TRは、互いから離間している。ここでは、凹部TRは、Y方向に各々が伸び、X方向に配列した複数のトレンチである。
【0016】
導電基板CSのうち、隣り合った凹部TRの一方と他方とに挟まれた部分は、凸部である。凸部は、Y方向に伸びた形状を各々が有し、X方向に配列している。即ち、各第1領域A1には、凸部として、Y方向及びZ方向に伸びた形状を各々が有し、X方向に配列した複数の壁部が設けられている。
【0017】
なお、凹部又は凸部の「長さ方向」は、導電基板の厚さ方向に垂直な平面への凹部又は凸部の正射影の長さ方向である。
【0018】
凹部TRの開口部の長さは、一例によれば、10乃至500μmの範囲内にあり、他の例によれば、50乃至100μmの範囲内にある。
【0019】
凹部TRの開口部の幅、即ち、幅方向に隣り合った凸部間の距離は、0.3μm以上であることが好ましい。この幅又は距離を小さくすると、より大きな電気容量を達成できる。但し、この幅又は距離を小さくすると、凹部TR内に、誘電体層30と導電層20bとを含んだ積層構造を形成することが難しくなる。
【0020】
凹部TRの深さD1又は凸部の高さは、一例によれば、10乃至300μmの範囲内にあり、他の例によれば、50乃至100μmの範囲内にある。
【0021】
幅方向に隣り合った凹部TR間の距離、即ち、凸部の厚さは、0.1μm以上であることが好ましい。この距離又は厚さを小さくすると、より大きな電気容量を達成できる。但し、この距離又は厚さを小さくすると、凸部の破損を生じ易くなる。
【0022】
なお、ここでは、凹部TRの長さ方向に垂直な断面は矩形状である。これら断面は矩形状でなくてもよい。例えば、これら断面は、先細りした形状を有していてもよい。
【0023】
導電基板CSは、図2に示すように、基板10と導電層20aとを含んでいる。なお、図3では、導電基板CSは、基板10と導電層20aとを区別せずに描いている。
【0024】
基板10は、導電基板CSと同様の形状を有している。基板10は、半導体材料を含んだ基板、例えば、半導体基板である。基板10は、シリコン基板などのシリコンを含んだ基板であることが好ましい。そのような基板は、半導体プロセスを利用した加工が可能である。
【0025】
導電層20aは、基板10上に設けられている。導電層20aは、例えば、導電性を高めるために不純物がドーピングされたポリシリコン、又は、モリブデン、アルミニウム、金、タングステン、白金、ニッケル及び銅などの金属若しくは合金からなる。導電層20aは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0026】
導電層20aの厚さは、0.05μm乃至1μmの範囲内にあることが好ましく、0.1μm乃至0.3μmの範囲内にあることがより好ましい。導電層20aが薄いと、導電層20aに不連続部を生じるか、又は、導電層20aのシート抵抗が過剰に大きくなる可能性がある。導電層20aを厚くすると、製造コストが増加する。
【0027】
ここでは、一例として、基板10はシリコン基板などの半導体基板であり、導電層20aは、半導体基板の表面領域に不純物を高濃度にドーピングした高濃度ドーピング層であるとする。この場合、凸部は、十分に薄ければ、それらの全体が不純物で高濃度にドーピングされ得る。
【0028】
また、基板10の導電率が高い場合には、導電層20aを省略し、基板10を導電基板CSとして用いてもよい。例えば、基板10が、P型又はN型の不純物がドープされた半導体からなる半導体基板又は金属基板である場合、導電層20aは省略することができる。この場合、基板10の少なくとも表面領域、例えば、基板10の全体が導電層20aの役割を果たす。
【0029】
図3に示すように、導電基板CSのうち第1主面S1側の表面領域は、凹部TRと第2領域A2との間の位置に多孔質構造を含んでいる。この多孔質構造は、複数の孔が基板10の表面領域に形成している構造である。これら孔の多くは、例えば、凹部TRの側壁から、基板10の厚さ方向に対して略垂直な方向へ伸びている。これら孔は、溝Gの側壁に到達していてもよく、到達していなくてもよい。多孔質構造は、導電基板CSの厚さ方向の寸法が、一例によれば100乃至100000nmの範囲内にあり、他の例によれば50乃至50000nmの範囲内にある。
【0030】
導電層20aは、多孔質構造に対してコンフォーマルであってもよく、これら孔を完全に埋め込んでいてもよい。即ち、基板10のうち第1主面S1側の表面領域が、凹部TRと第2領域A2との間の位置で多孔質であれば、導電基板CSは、その位置で多孔質であってもよく、多孔質でなくてもよい。
【0031】
導電層20bは、コンデンサの上部電極としての役割を果たす。導電層20bは、第1領域A1上に設けられており、凹部TRの側壁及び底面を覆っている。
【0032】
導電層20bは、例えば、導電性を高めるために不純物がドーピングされたポリシリコン、又は、モリブデン、アルミニウム、金、タングステン、白金、ニッケル及び銅などの金属若しくは合金からなる。導電層20bは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0033】
導電層20bの厚さは、0.05μm乃至1μmの範囲内にあることが好ましく、0.1μm乃至0.3μmの範囲内にあることがより好ましい。導電層20bが薄いと、導電層20bに不連続部を生じるか、又は、導電層20bのシート抵抗が過剰に大きくなる可能性がある。導電層20bが厚いと、導電層20a及び誘電体層30を十分な厚さに形成することが難しい場合がある。
【0034】
なお、図2及び図3では、導電層20bは、凹部TRが、導電層20bと誘電体層30とによって完全に埋め込まれるように設けられている。導電層20bは、導電基板CSの表面に対してコンフォーマルな層であってもよい。即ち、導電層20bは、略均一な厚さを有する層であってもよい。この場合、凹部TRは、導電層20bと誘電体層30とによって完全には埋め込まれない。
【0035】
誘電体層30は、導電基板CSと導電層20bとの間に介在している。誘電体層30は、導電基板CSの表面に対してコンフォーマルな層である。誘電体層30は、導電基板CSと導電層20bとを互いから電気的に絶縁している。
【0036】
誘電体層30は、例えば、有機誘電体又は無機誘電体からなる。有機誘電体としては、例えば、ポリイミドを使用することができる。無機誘電体としては、強誘電体も用いることができるが、例えば、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、チタン酸化物、及びタンタル酸化物などの常誘電体が好ましい。これらの常誘電体は、温度による誘電率の変化が小さい。そのため、常誘電体を誘電体層30に使用すると、コンデンサ1の耐熱性を高めることができる。
【0037】
誘電体層30の厚さは、0.005μm乃至0.5μmの範囲内にあることが好ましく、0.01μm乃至0.1μmの範囲内にあることがより好ましい。誘電体層30が薄いと、誘電体層30に不連続部を生じ、導電基板CSと導電層20bとが短絡する可能性がある。また、誘電体層30を薄くすると、例え短絡していなくても耐圧が低くなり、電圧を印加した際に短絡する可能性が高まる。誘電体層30を厚くすると、耐圧は高くなるが電気容量が小さくなる。
【0038】
誘電体層30は、第3領域A3の位置で、第1領域A1及び第2領域A2を取り囲むように開口している。即ち、誘電体層30は、この位置で、導電層20aを露出させている。ここでは、誘電体層30のうち、第1主面S1上に設けられた部分は、枠形状に開口している。
【0039】
このコンデンサ1は、絶縁層60と、第1内部電極70aと、第2内部電極70bと、第1外部電極70cと、第2外部電極70dとを更に含んでいる。
【0040】
第1内部電極70aは、第1領域A1上に設けられている。第1内部電極70aは、導電層20bと電気的に接続されている。ここでは、第1内部電極70aは、第1主面S1の中央に位置した矩形状の電極である。
【0041】
第2内部電極70bは、第3領域A3上に設けられている。第2内部電極70bは、誘電体層30に設けられた開口の位置で、導電基板CSと接触している。これにより、第2内部電極70bは、導電基板CSへ電気的に接続されている。ここでは、第2内部電極70bは、第1内部電極70aを取り囲むように配置された枠形状の電極である。
【0042】
第1内部電極70a及び第2内部電極70bは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。第1内部電極70a及び第2内部電極70bを構成している各層は、例えば、モリブデン、アルミニウム、金、タングステン、白金、銅、ニッケル、及びそれらの1以上を含んだ合金などの金属からなる。
【0043】
絶縁層60は、導電層20b及び誘電体層30のうち第1主面S1上に位置した部分と、第1内部電極70aと、第2内部電極70bとを覆っている。絶縁層60は、第1内部電極70aの一部の位置と、第2内部電極70bの一部の位置とで、部分的に開口している。
【0044】
絶縁層60は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。絶縁層60を構成している各層は、例えば、シリコン窒化物及びシリコン酸化物などの無機絶縁体、又は、ポリイミド及びノボラック樹脂などの有機絶縁体からなる。
【0045】
第1外部電極70cは、絶縁層60上に設けられている。第1外部電極70cは、絶縁層60に設けられた1以上の開口の位置で、第1内部電極70aと接触している。これにより、第1外部電極70cは、第1内部電極70aに電気的に接続されている。なお、図1において、領域70R1は、第1外部電極70cと第1内部電極70aとが接触している領域である。
【0046】
第2外部電極70dは、絶縁層60上に設けられている。第2外部電極70dは、絶縁層60に設けられた残りの開口の位置で、第2内部電極70bと接触している。これにより、第2外部電極70dは、第2内部電極70bに電気的に接続されている。なお、図1において、領域70R2は、第2外部電極70dと第2内部電極70bとが接触している領域である。
【0047】
第1外部電極70cは、第1金属層70c1と第2金属層70c2とを含んだ積層構造を有している。第2外部電極70dは、第1金属層70d1と第2金属層70d2とを含んだ積層構造を有している。
【0048】
第1金属層70c1及び70d1は、例えば、銅からなる。第2金属層70c2及び70d2は、それぞれ、第1金属層70c1及び70d1の上面及び端面を被覆している。第2金属層70c2及び70d2は、例えば、ニッケル又はニッケル合金層と金層との積層膜からなる。第2金属層70c2及び70d2は省略することができる。
【0049】
第1外部電極70c又は第1内部電極70aは、それらの間の界面に隣接する位置に、バリア層を更に含んでいてもよい。また、第2外部電極70d又は第2内部電極70bも、それらの間の界面に隣接する位置に、バリア層を更に含んでいてもよい。バリア層の材料としては、例えば、チタンを使用することができる。
【0050】
このコンデンサ1は、例えば、以下の方法により製造する。以下、図4乃至図6を参照しながら、コンデンサ1の製造方法の一例を説明する。
【0051】
この方法では、先ず、図4に示す基板10を準備する。ここでは、一例として、基板10は単結晶シリコンウェハであるとする。単結晶シリコンウェハの面方位は特に問わないが、本例では、一主面が(100)面であるシリコンウェハを用いる。基板10としては、一主面が(110)面であるシリコンウェハを用いることもできる。
【0052】
次に、MacEtch(Metal-Assisted Chemical Etching)により、基板10に凹部を形成する。
即ち、先ず、図4に示すように、基板10上に、貴金属を各々が含んだ触媒層80を形成する。触媒層80は、それぞれ、基板10の一方の主面(以下、第1面という)を部分的に覆うように形成する。
【0053】
具体的には、先ず、基板10の第1面上に、マスク層90を形成する。
マスク層90は、凹部TRに対応した位置で開口している。マスク層90は、第1面のうちマスク層90によって覆われた部分が、後述する貴金属と接触するのを防止する。
【0054】
マスク層90の材料としては、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、及びノボラック樹脂などの有機材料や、酸化シリコン及び窒化シリコンなどの無機材料が挙げられる。
【0055】
マスク層90は、例えば、既存の半導体プロセスによって形成することができる。有機材料からなるマスク層90は、例えば、フォトリソグラフィによって形成することができる。無機材料からなるマスク層90は、例えば、気相堆積法による無機材料層の成膜と、フォトリソグラフィによるマスクの形成と、エッチングによる無機材料層のパターニングとによって成形することができる。或いは、無機材料からなるマスク層90は、基板10の表面領域の酸化又は窒化と、フォトリソグラフィによるマスク形成と、エッチングによる酸化物又は窒化物層のパターニングとによって形成することができる。マスク層90は、省略可能である。
【0056】
次に、第1面のうちマスク層90によって覆われていない領域上に、触媒層80を形成する。触媒層80は、例えば、貴金属を含んだ不連続層である。ここでは、一例として、触媒層80は、貴金属を含んだ触媒粒子81からなる粒状層であるとする。
【0057】
貴金属は、例えば、金、銀、白金、ロジウム、パラジウム、及びルテニウムの1以上である。触媒層80及び触媒粒子81は、チタンなどの貴金属以外の金属を更に含んでいてもよい。
【0058】
触媒層80は、例えば、電解めっき、還元めっき、又は置換めっきによって形成することができる。触媒層80は、貴金属粒子を含む分散液の塗布、又は、蒸着及びスパッタリング等の気相堆積法を用いて形成してもよい。これら手法の中でも、置換めっきは、第1面のうちマスク層90によって覆われていない領域に、貴金属を直接的且つ一様に析出させることができるため特に好ましい。
【0059】
次に、貴金属の触媒としての作用のもとで基板10をエッチングして、第1面に凹部を形成する。
【0060】
具体的には、図5に示すように、基板10をエッチング剤100でエッチングする。例えば、基板10を液状のエッチング剤100に浸漬させて、エッチング剤100を基板10と接触させる。
【0061】
エッチング剤100は、酸化剤と弗化水素とを含んでいる。
エッチング剤100における弗化水素の濃度は、1mol/L乃至20mol/Lの範囲内にあることが好ましく、5mol/L乃至10mol/Lの範囲内にあることがより好ましく、3mol/L乃至7mol/Lの範囲内にあることが更に好ましい。弗化水素濃度が低い場合、高いエッチングレートを達成することが難しい。弗化水素濃度が高い場合、過剰なサイドエッチングを生じる可能性がある。
【0062】
酸化剤は、例えば、過酸化水素、硝酸、AgNO、KAuCl、HAuCl、KPtCl、HPtCl、Fe(NO、Ni(NO、Mg(NO、Na、K、KMnO及びKCrから選択することができる。有害な副生成物が発生せず、半導体素子の汚染も生じないことから、酸化剤としては過酸化水素が好ましい。
【0063】
エッチング剤100における酸化剤の濃度は、0.2mol/L乃至8mol/Lの範囲内にあることが好ましく、2mol/L乃至4mol/Lの範囲内にあることがより好ましく、3mol/L乃至4mol/Lの範囲内にあることが更に好ましい。
【0064】
エッチング剤100は、緩衝剤を更に含んでいてもよい。緩衝剤は、例えば、弗化アンモニウム及びアンモニアの少なくとも一方を含んでいる。一例によれば、緩衝剤は、弗化アンモニウムである。他の例によれば、緩衝剤は、弗化アンモニウムとアンモニアとの混合物である。
エッチング剤100は、水などの他の成分を更に含んでいてもよい。
【0065】
このようなエッチング剤100を使用した場合、基板10のうち触媒粒子81と近接している領域においてのみ、基板10の材料、ここではシリコンが酸化される。そして、これによって生じた酸化物は、弗化水素酸により溶解除去される。そのため、触媒粒子81と近接している部分のみが選択的にエッチングされる。
【0066】
触媒粒子81は、エッチングの進行とともに、基板10の他方の主面(以下、第2面という)へ向けて移動し、そこで上記と同様のエッチングが行われる。その結果、図5に示すように、触媒層80の位置では、第1面から第2面へ向けて、第1面に対して垂直な方向にエッチングが進む。
【0067】
このようにして、図6に示す凹部TRを第1面に形成する。
その後、マスク層90及び触媒層80を基板10から除去する。
【0068】
次に、基板10上に、図2に示す導電層20aを形成して、導電基板CSを得る。導電層20aは、例えば、基板10の表面領域へ不純物を高濃度にドーピングすることにより形成することができる。ポリシリコンからなる導電層20aは、例えば、LPCVD(low pressure chemical vapor deposition)によって形成することができる。金属からなる導電層20aは、例えば、電解めっき、還元めっき、又は置換めっきによって形成することができる。
【0069】
めっき液は、被めっき金属の塩を含んだ液体である。めっき液としては、硫酸銅五水和物と硫酸とを含んだ硫酸銅めっき液、ピロリン酸銅とピロリン酸カリウムとを含んだピロリン酸銅めっき液、及び、スルファミン酸ニッケルと硼素とを含んだスルファミン酸ニッケルめっき液などの一般的なめっき液を使用することができる。
【0070】
導電層20aは、被めっき金属の塩と界面活性剤と超臨界又は亜臨界状態の二酸化炭素とを含んだめっき液を用いためっき法により形成することが好ましい。このめっき法では、界面活性剤は、超臨界二酸化炭素からなる粒子と、被めっき金属の塩を含んだ溶液からなる連続相との間に介在させる。即ち、めっき液中で、界面活性剤にミセルを形成させ、超臨界二酸化炭素はこれらミセルに取り込ませる。
【0071】
通常のめっき法では、凹部の底部近傍への被めっき金属の供給が不十分となることがある。これは、凹部の深さDと幅又は径Wとの比D/Wが大きい場合に、特に顕著である。
【0072】
超臨界二酸化炭素を取り込んだミセルは、狭い隙間にも容易に入り込むことができる。そして、これらミセルの移動に伴い、被めっき金属の塩を含んだ溶液も移動する。それ故、被めっき金属の塩と界面活性剤と超臨界又は亜臨界状態の二酸化炭素とを含んだめっき液を用いためっき法によれば、厚さが均一な導電層20aを容易に形成することができる。
【0073】
次に、導電層20a上に、誘電体層30を形成する。誘電体層30は、例えば、CVD(chemical vapor deposition)によって形成することができる。或いは、誘電体層30は、導電層20aの表面を、酸化、窒化、又は酸窒化することにより形成することができる。
【0074】
次いで、誘電体層30上に、導電層20bを形成する。導電層20bとしては、例えば、ポリシリコン又は金属からなる導電層を形成する。そのような導電層20bは、例えば、導電層20aについて上述したのと同様の方法により形成することができる。
【0075】
次に、誘電体層30に、開口部を形成する。開口部は、第3領域A3の位置に形成する。ここでは、誘電体層30のうち第1主面S1上に位置した部分を、枠形状に開口させる。この開口部は、例えば、フォトリソグラフィによるマスクの形成と、エッチングによるパターニングとによって形成することができる。
【0076】
次いで、金属層を成膜し、これをパターニングして、第1内部電極70a及び第2内部電極70bを得る。第1内部電極70a及び第2内部電極70bは、例えば、スパッタリングやめっきによる成膜と、フォトリソグラフィとの組み合わせにより形成することができる。
【0077】
その後、絶縁層60を形成する。絶縁層60は、第1内部電極70aの一部及び第2内部電極70bの一部に対応した位置で開口させる。絶縁層60は、例えば、CVDによる成膜と、フォトリソグラフィとの組み合わせにより形成することができる。
【0078】
次に、絶縁層60上に、第1外部電極70c及び第2外部電極70dを形成する。具体的には、先ず、第1金属層70c1及び70d1を形成する。次に、第2金属層70c2及び70d2を形成する。第1金属層70c1及び70d1並びに第2金属層70c2及び70d2は、例えば、スパッタリングやめっきによる成膜と、フォトリソグラフィとの組み合わせにより形成することができる。
【0079】
その後、このようにして得られた構造をダイシングする。以上のようにして、図1乃至図3に示すコンデンサ1を得る。
【0080】
このコンデンサ1では、第1主面S1に凹部TRを設け、誘電体層30と導電層20bとを含んだ積層構造は、第1主面S1だけでなく、凹部TR内にも設けている。それ故、このコンデンサ1は、大きな電気容量を達成し得る。
【0081】
また、このコンデンサ1について上述した構造を採用すると、MacEtchにおいて、面内方向へエッチングが進行するのを抑制することができる。それ故、この構造は、導電層20bと第2内部電極70bとの間の短絡を生じ難い。これについて、以下に説明する。
【0082】
図7は、溝を省略した場合に得られる構造の一例を示す電子顕微鏡写真である。
図7に示す構造は、基板10としてシリコン基板を使用し、溝Gを形成することなしに凹部TRを形成した場合に得られたものである。また、図7の写真は、基板10の第1主面側の表面を撮影することにより得られたものである。
【0083】
図7の写真において、下方の約1/3の領域は第1領域A1に相当している。第1領域A1では、横方向に各々が伸びた凹部TRが、縦横に配列している。
【0084】
その他の領域では、孔が第1領域A1から伸びている。これら孔の多くは、長さ方向が、基板10の厚さ方向に略垂直であり且つ第1領域A1の輪郭に対して傾いている。そして、これら孔は、第1主面S1の近傍の領域にのみ存在している。
【0085】
溝Gが設けられていない場合、これら孔は、凹部TRの側壁から第2内部電極70bの下方にまで伸びる可能性がある。それ故、この場合、導電層20bと第2内部電極70bとの間の短絡を生じるか、又は、短絡していなくても耐圧が低くなり、電圧を印加した際に短絡する可能性が高い。
【0086】
溝Gを設けた場合も、図3に示すように、導電基板CSのうち第1主面S1側の表面領域には、凹部TRと第2領域A2との間の位置に多孔質構造を生じる。しかしながら、溝Gが設けられているため、多孔質構造を生じさせる孔は、第3領域A3の位置には生じない。このように、溝Gを設けることにより、面内方向へエッチングが進行するのを抑制することができる。それ故、図1乃至図3を参照しながら説明した構造は、導電層20bと第2内部電極70bとの間の短絡を生じ難い。
【0087】
溝Gが面内方向へエッチングが進行するのを抑制する理由は、以下の通りであると考えられる。
【0088】
図8は、溝を省略した場合の触媒層形成工程の一例を示す断面図である。図9は、溝を省略した場合のエッチング工程の一例を示す断面図である。図10は、溝を設けた場合の触媒層形成工程の一例を示す断面図である。図11は、溝を設けた場合のエッチング工程の一例を示す断面図である。なお、ここでは、一例として、触媒層80は置換めっきによって形成することとする。
【0089】
触媒層80を置換めっきで形成すると、図8に示すように、基板10の表面のうち、マスク層90によって覆われていない領域は、マスク層90によって覆われていない領域と比較して、高さが低くなる。即ち、基板10の表面は、マスク層90の開口部の位置に凹みを生じる。
【0090】
この状態でMacEtchを開始すると、触媒粒子81のうち、この凹み内であって、マスク層90の近傍に位置したものの一部は、図9に示すように、凹みの側壁のエッチングを促進する。即ち、基板10の厚さ方向へのエッチングだけでなく、面内方向へのエッチングも進行する。その結果、基板10の表面領域であって、マスク層90の下方に、先の凹みの側壁から伸びた孔を生じる。
【0091】
凹部TRを深く形成すると、孔の長さも長くなる。従って、溝Gを設けない場合、これら孔は、第2内部電極70bを形成すべき領域の下方にまで伸びる可能性がある。
【0092】
これに対し、図10に示すように溝Gを設けると、図11に示すように、面内方向へのエッチングを、凹部TRと溝Gとによって挟まれた領域内に制限することができる。それ故、凹部TRを深く形成しても、第2内部電極70bを形成すべき領域の下方にまで孔が伸びる可能性を、大幅に低減することができる。
【0093】
なお、溝Gを設けていれば、マスク層90を除去した状態でエッチングを行っても、第2内部電極70bを形成すべき領域の下方にまで孔が伸びる可能性を、大幅に低減することができる。また、上述したエッチングによれば、通常、基板10の表面領域のうち、凹部TRと溝Gとに挟まれた部分だけでなく、隣り合った凹部TRに挟まれた部分も多孔質になる。
【0094】
凹部TRから第2領域A2までの最短距離D2と凹部TRの深さD1との比D2/D1は、1以下であることが好ましく、0.01乃至1の範囲内にあることが好ましく、0.05乃至0.1の範囲内にあることがより好ましい。比D2/D1が過剰に大きい場合、孔が溝Gまで到達しない可能性があり、溝Gを設ける効果が小さい。比D2/D1を過剰に小さくすると、基板10のうち凹部TRと溝Gとの間に挟まれた部分の強度が不十分になる可能性がある。
【0095】
第1領域A1から第3領域A3までの距離D3、ここでは溝Gの幅は、10乃至500nmの範囲内にあることが好ましく、50乃至100nmの範囲内にあることがより好ましい。距離D3を大きくすると、面積当たりの電気容量が小さくなる。
【0096】
第1領域A1と第2領域A2との高さの差D4、ここでは溝Gの深さは、100乃至100000nmの範囲内にあることが好ましく、1000乃至10000nmの範囲内にあることがより好ましい。差D4を小さくすると、孔が溝Gの下方へ回り込む可能性が高くなる。差D4を大きくすると、溝Gの形成により多くの時間が必要になる。
【0097】
このコンデンサ1には、様々な変形が可能である。
図12は、溝に採用可能な構造の一例を示す断面図である。図13は、溝に採用可能な構造の他の例を示す断面図である。図14は、溝に採用可能な構造の更に他の例を示す断面図である。
【0098】
溝Gの長さ方向に垂直な断面は、図12に示すように、矩形状であってもよい。この構造は、距離D3を小さくした場合であっても、溝Gの下方への孔の回り込みを生じ難い。また、この構造は、形成が容易である。更に、この構造は、導電層20aや誘電体層30に不連続部を生じ難い。
【0099】
或いは、溝Gの長さ方向に垂直な断面は、図13に示すように、順テーパ状であってもよい。この構造は、形成が特に容易である。更に、この構造は、導電層20aや誘電体層30に不連続部を特に生じ難い。
【0100】
或いは、溝Gの長さ方向に垂直な断面は、図14に示すように、逆テーパ状であってもよい。この構造は、距離D3を小さくした場合であっても、溝Gの下方への孔の回り込みを特に生じ難い。
【0101】
図15は、溝に採用可能な構造の更に他の例を示す平面図である。図16は、溝に採用可能な構造の更に他の例を示す平面図である。
【0102】
図15に示すように、第1領域A1と第3領域との間には、複数の溝Gを、それらの幅方向に配列するように設けてもよい。この場合、それら溝Gの1以上は、図15に示すように、不連続であってもよい。或いは、図16に示すように、溝Gは、曲線状であってもよい。
【0103】
上述したコンデンサ1では、第2内部電極70bは、第1内部電極70aを取り囲むように配置された枠形状の電極である。第2内部電極70bは、枠形状を有していなくてもよい。即ち、第2内部電極70bが設けられる第3領域A3は、枠形状を有していなくてもよい。この場合、溝Gも枠形状を有していなくてもよい。
【0104】
図2及び図3に示す第3領域A3は、第2領域A2と高さが等しくてもよく、第2領域A2よりも高さが低くてもよい。即ち、第1領域A1、第2領域A2及び第3領域A3は、溝Gを形成せずに、1又は2の段差を形成していてもよい。
【0105】
ここでは、構造体の一例としてコンデンサについて説明したが、コンデンサについて上述した技術は、他の構造体に適用することも可能である。
【0106】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
半導体材料を含んだ導電基板を備え、
前記導電基板の一主面は、第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域と比較して高さがより低い第2領域とを含み、
前記第1領域には、底部の位置が前記第2領域と比較してより低い1以上の凹部が設けられ、
前記導電基板のうち前記主面側の表面領域は、前記1以上の凹部と前記第2領域との間の位置に多孔質構造を含む構造体。
[2]
前記主面に1以上の溝が設けられ、前記第2領域は、前記1以上の溝の底部である項1に記載の構造体。
[3]
前記第1領域の上方に位置した第1電極と、
前記第1電極から電気的に絶縁された第2電極と
を更に備え、
前記主面は、前記第2領域を間に挟んで前記第1領域に隣り合った第3領域を更に含み、前記第2電極は前記第3領域の上方に位置した項1又は2に記載の構造体。
[4]
前記第1領域と前記1以上の凹部の側壁及び底面とを覆い、前記第1電極に電気的に接続された導電層と、
前記導電基板と前記導電層との間に介在し、前記導電基板と前記導電層とを互いから電気的に絶縁させた誘電体層と
を更に備え、
前記導電基板は前記第2電極に電気的に接続された項3に記載の構造体。
[5]
前記1以上の凹部から前記第2領域までの最短距離D2と前記1以上の凹部の深さD1との比D2/D1は0.01乃至1の範囲内にある項1乃至4の何れか1項に記載の構造体。
[6]
半導体材料を含み、一主面が、第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域と比較して高さがより低い第2領域とを含んだ基板を準備することと、
貴金属を含んだ触媒層を、前記第2領域を被覆することなしに、前記第1領域の少なくとも一部を被覆するように形成することと、
前記触媒層の存在下、酸化剤と弗化水素とを含んだエッチング剤で、前記基板をエッチングすることと
を含んだ構造体の製造方法。
[7]
前記主面に1以上の溝が設けられ、前記第2領域は、前記1以上の溝の底部である項6に記載の構造体の製造方法。
【符号の説明】
【0107】
1…コンデンサ、10…基板、20a…導電層、20b…導電層、30…誘電体層、60…絶縁層、70a…第1内部電極、70b…第2内部電極、70c…第1外部電極、70c1…第1金属層、70c2…第2金属層、70d…第2外部電極、70d1…第1金属層、70d2…第2金属層、70R1…領域、70R2…領域、80…触媒層、81…触媒粒子、90…マスク層、100…エッチング剤、A1…第1領域、A2…第2領域、A3…第3領域、CS…導電基板、G…溝、S1…第1主面、S2…第2主面、TR…凹部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16