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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】液晶表示装置及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20231128BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20231128BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 525
G02F1/133 550
G09G3/20 612J
G09G3/20 621A
G09G3/20 621K
G09G3/20 670K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020101275
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021196431
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】迫 和彦
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-133630(JP,A)
【文献】特開2019-012276(JP,A)
【文献】国際公開第2014/002607(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/164100(WO,A1)
【文献】特表2017-522586(JP,A)
【文献】特開2011-221218(JP,A)
【文献】国際公開第2017/047464(WO,A1)
【文献】特開2016-080897(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103915070(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133
G09G3/00-3/08
3/12
3/16-3/26
3/30
3/34-3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が設けられた液晶パネルと、
前記液晶パネルの動作を制御する制御回路と、
時間の経過に応じてカウント値を増減させるカウンタと、を備え、
前記画素には、第1電極と、第2電極とが設けられ、
前記液晶パネルは、第1モードでの動作と第2モードでの動作とを切り替え可能であり、
前記第1モード時における前記第1電極の電位よりも前記第2電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、前記第2モード時における前記第2電極の電位よりも前記第1電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、が同じであり、
前記カウンタは、外部から複数回供給される垂直同期信号のうち最初の垂直同期信号の供給タイミングに応じてカウントを開始し、前記液晶パネルが前記第1モードで動作している場合に前記カウント値を漸増させ、前記液晶パネルが前記第2モードで動作している場合に前記カウント値を漸減させ、
前記制御回路は、最新の垂直同期信号の供給タイミングに応じて判定タイミングを決定し、前記判定タイミングでの前記カウント値が第1閾値以下である場合、前記第1モードで前記液晶パネルを動作させ、前記判定タイミングでの前記カウント値が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記第2モードで前記液晶パネルを動作させ、前記判定タイミングでの前記カウント値が前記第1閾値と前記第2閾値の間の値である場合、前記第1モードと前記第2モードのうち当該判定タイミングの直前のモードとは異なるモードで前記液晶パネルを動作させる
液晶表示装置。
【請求項2】
前記カウンタは、カウントが開始される前の前記カウント値の初期値を前記第1閾値以下又は前記第2閾値以上とする
請求項に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置と、当該液晶表示装置に画像信号及び垂直同期信号を3回以上供給する制御装置とを備え、
時間的に連続する2つの垂直同期信号の供給タイミング間の時間長は統一されない
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、2つの電極の電位差で液晶の配向を制御している。ここで、2つの電極の電位が一定である所謂直流駆動を行うと、一定方向の電流の影響を受け続けた液晶の劣化が進行し、画素が焼き付きを生じたかのように視認される等の問題が生じることが知られている。このため、一般的な液晶表示装置では、2つの電極の電位をフレーム画像の更新周期に応じて切り替える反転駆動が行われている(例えば特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-149322号公報
【文献】国際公開第2017/164100号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示装置の一形態として、ダイナミックフレームレート方式を利用可能な液晶表示装置が知られている。ダイナミックフレームレート方式は、フレーム画像の更新タイミングが一定周期でないことを許容する方式であり、その具体的なものとして例えばVESA(Video Electronics Standards Association)によって標準化されたAdaptive-Sync規格が知られている。このようなダイナミックフレームレート方式に、反転駆動を単純に適用すると、フレーム画像の更新タイミングが一定周期ではないので、2つの電極のうち一方の電位が他方の電位よりも高い状態で液晶表示装置が動作する時間と、他方の電位が一方の電位よりも高い状態で液晶表示装置が動作する時間との関係が均等でなくなる。このため、反転駆動の切り替えが複数回繰り返されると、反転駆動によって液晶に与えられる電流の2方向のうち一方の駆動時間が他方の駆動時間よりも長くなることがある。このような駆動時間の偏りによって、焼き付きのような劣化を抑制しきれなくなることがあった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、より確実に劣化を抑制できる液晶表示装置及び表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による液晶表示装置は、複数の画素が設けられた液晶パネルと、前記液晶パネルの動作を制御する制御回路と、時間の経過に応じてカウント値を増減させるカウンタと、を備え、前記画素には、第1電極と、第2電極とが設けられ、前記液晶パネルは、第1モードでの動作と第2モードでの動作とを切り替え可能であり、前記第1モード時における前記第1電極の電位よりも前記第2電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、前記第2モード時における前記第2電極の電位よりも前記第1電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、が同じであり、前記カウンタは、外部から複数回供給される垂直同期信号のうち最初の垂直同期信号の供給タイミングに応じてカウントを開始し、前記液晶パネルが前記第1モードで動作している場合に前記カウント値を漸増させ、前記液晶パネルが前記第2モードで動作している場合に前記カウント値を漸減させ、前記制御回路は、最新の垂直同期信号の供給タイミングに応じて判定タイミングを決定し、前記判定タイミングでの前記カウント値が第1閾値以下である場合、前記第1モードで前記液晶パネルを動作させ、前記判定タイミングでの前記カウント値が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記第2モードで前記液晶パネルを動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る表示システムの主要構成例を示す図である。
図2図2は、表示部に設けられた画素及び副画素の例を示す図である。
図3図3は、タイミングコントローラの機能構成例を示すブロック図である。
図4図4は、フレーム期間の時間長が定まっていない場合の反転駆動制御例を示すタイムチャートである。
図5図5は、周期的に繰り返される2フレーム期間に含まれる各フレーム期間の長さがそれぞれ異なる場合の反転駆動制御例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、実施形態に係る表示システム300の主要構成例を示す図である。表示システム300は、液晶表示装置1と、制御装置110と、を備える。液晶表示装置1は、液晶パネル10と、液晶パネル駆動回路20と、タイミングコントローラ30と、を備える。液晶パネル10は、複数の画素Pix(図2参照)が設けられた表示部100を備える。
【0010】
図2は、表示部100に設けられた画素Pix及び副画素SPixの例を示す図である。画素Pixは、複数の副画素SPixを含む。以下、1つの画素Pixに含まれる複数の副画素SPixの並び方向を第1方向Dxとする。また、表示部100の板面に沿う方向であって第1方向Dxと直交する方向を第2方向Dyとする。また、第1方向Dx及び第2方向Dyに直交する方向を第3方向Dzとする。
【0011】
複数の副画素SPixは、例えばマトリクス状に配置される。各副画素SPixは、スイッチング素子12は、キャパシタ13、画素電極15等を含む。スイッチング素子12は、ゲートが走査線GLに接続され、ソース又はドレインの一方が信号線SLに接続され、他方がキャパシタ13に接続される。
【0012】
なお、図1に示すように、表示部100には、走査線GL1,GL2,…,GLmのように示すm本の走査線が設けられている。以下、走査線GLと記載した場合、走査線GL1,GL2,…,GLmを包括した表現である。mは、3以上の自然数である。図2では、係るm本の走査線GLのうち、走査線GLq,GL(q+1),GL(q+2)のように示す3本の走査線GLと、これら3本の走査線GLに接続されている副画素SPixとを図示している。qは、1から(m-2)の範囲内の自然数である。また、図1に示すように、表示部100には、信号線SL1,SL2,…,SLnのように示すn本の信号線が設けられている。以下、信号線SLと記載した場合、信号線SL1,SL2,…,SLnを包括した表現である。nは、3以上の自然数である。図2では、係るn本の信号線SLのうち、信号線SLp,SL(p+1),SL(p+2)のように示す3本の信号線SLと、これら3本の信号線SLに接続されている副画素SPixとを図示している。pは、1から(n-2)の範囲内の自然数である。
【0013】
信号線SLは、後述する画素信号Sigを伝送する。走査線GLは、駆動信号を伝送する。スイッチング素子12は、ゲートに駆動信号が供給されたタイミングに応じてソース-ドレイン間を開通させる。キャパシタ13は、信号線SL及びスイッチング素子12を介して伝送された画素信号Sigに応じた電荷を蓄積する。なお、キャパシタ13の電荷は、後述する書き込み行初期化信号RPの印加タイミングに応じてリセットされる。リセット電位は、例えばキャパシタ13に接続されている基準電位供給部14の電位である。
【0014】
画素電極15は、各副画素SPixに個別に設けられる電極である。画素電極15の電位は、画素信号Sigに応じて蓄積されたキャパシタ13の電荷に応じる。また、表示部100には、複数の副画素SPixで共有される共通電極COMLが設けられている。また、表示部100は、第3方向Dz方向に対向するよう積層された2つの透光性基板と、当該2つの透光性基板の間に封止された液晶層LCとを有する。第1方向Dx-第2方向Dy平面視点で各副画素SPixの位置の液晶層LCに含まれる液晶の配向が画素電極15と共通電極COMLとの電位差に応じた配向になることで、各副画素SPixの透光の度合い(階調度)が決定される。すなわち、階調度は、画素信号Sigに対応する。実施形態では、画素電極15が第1電極として機能する。また、実施形態では、共通電極COMLが第2電極として機能する。画素電極15は、当該2つの透光性基板の一方に設けられる。共通電極COMLは、当該2つの透光性基板の一方又は他方に設けられる。画素電極15が当該2つの透光性基板の一方に設けられ、共通電極COMLが当該2つの透光性基板の他方に設けられる場合、液晶層LCを挟んで画素電極15と共通電極COMLとは対向する。
【0015】
画素電極15と共通電極COMLとの電位により生じる電流の方向は、後述する第2指示信号RE(図4図5参照)に応じて切り替えられる。係る電位により生じる電流の方向の切り替えのための反転駆動方式として、実施形態では、例えばフレーム反転方式が採用される。フレーム反転方式では、各副画素SPixの画素電極15に与えられる電位が共通電極COMLの電位に対して相対的に高くなる第1モードと、各副画素SPixの画素電極15に与えられる電位が共通電極COMLの電位に対して相対的に低い第2モードと、を切り替え可能に設けられる。フレーム期間とは、1つのフレーム画像の表示に係る期間である。なお、実施形態におけるフレーム画像とは、例えば後述する「画像の表示領域」全体で表示される画像である。なお、画素電極15と共通電極COMLとの電位により生じる電流の方向の切り替えは、共通電極COML又は画素電極15の一方の電位に対する他方の電位の相対的な関係(高電位であるか低電位であるか)の切り替えによってもよいし、画素電極15及び共通電極COMLの両方の電位の変更による電位により生じる電流の方向の切り替えによってもよい。
【0016】
図1に示すように、各画素Pixは、複数の副画素SPixを含む。1つの副画素SPixに含まれる副画素SPixには、それぞれ異なる色のカラーフィルタが設けられる。カラーフィルタは、上述の2つの透光性基板のうち一方に設けられる。当該一方は、画像が表示される一面側(表示面側)の透光性基板である。1つの画素Pixに含まれる複数の副画素SPixのカラーフィルタの色の組み合わせは、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)であるが、これに限られるものでなく、適宜変更可能である。また、1つの画素Pixに含まれる副画素SPixの数は2以下であってもよいし、4以上であってもよい。また、液晶パネル10は、所謂モノクロの液晶パネルであってもよい。その場合、各副画素SPixが個別に画素Pixとして機能する。また、1つの画素Pixに含まれる副画素SPixの並び方向は図2に示すような第1方向Dxに限られるものでなく、第2方向Dyであってもよいし、マトリクス状(例えば、2×2)であってもよい。また、画素Pix及び副画素SPixの配置はマトリクス状に限られるものでなく、例えば千鳥状のように互い違いであってもよい。複数の画素Pixが設けられた表示部100は、「画像の表示領域」として機能する。
【0017】
なお、実施形態の液晶パネル10は、ダイナミックフレームレート方式に対応可能な液晶パネルである。また、実施形態の液晶パネル10は、例えば透過型液晶パネル又は半透過型液晶パネルであり、表示面側の反対側(背面側)に設けられる図示しないバックライトユニットからの光の透過の度合いを各副画素SPixで個別に制御することで画像を表示する。この場合、画素電極15及び共通電極COMLは、ITO(Indium Tin Oxide)のような透光性の化合物を利用して形成される。なお、液晶パネル10は、反射型液晶パネルであってもよい。その場合、バックライトユニットに代えて表示面側から光を照射するフロントライトユニットが設けられてもよいし、表示面側からの外光を利用する前提でフロントライトユニットが省略されてもよい。また、その場合の画素電極15は、光を反射する反射電極である。
【0018】
液晶パネル駆動回路20は、タイミングコントローラ30の制御下で、各副画素SPixの動作を制御する各種の信号を液晶パネル10に供給する。液晶パネル駆動回路20は、ゲートドライバ210と、ソースドライバ220とを備える。ゲートドライバ210は、走査線GL1,GL2,…,GLmを介して液晶パネル10と接続される。ゲートドライバ210は、駆動信号を走査線GLに供給する。ゲートドライバ210は、図示しないシフトレジスタを内包する回路であり、当該シフトレジスタの動作によって駆動信号が供給される走査線GLを予め定められた順序に従って切り替えるように動作する。予め定められた順序は、例えば第2方向Dyの一端側に位置する走査線GLを最初に駆動信号が供給される走査線GLとし、シフトレジスタの動作に応じて駆動信号が供給される走査線GLを他端側に1つずつシフトさせる順序であるが、これに限られるものでなく、適宜変更可能である。以下、「最初の走査線GL」と記載した場合、最初に駆動信号が供給される走査線GLをさす。
【0019】
ソースドライバ220は、信号線SL1,SL2,…,SLnを介して液晶パネル10と接続される。ソースドライバ220は、タイミングコントローラ30から供給される画素信号Sigを複数の信号線SLにライン単位で供給する。ここで、第1方向Dxに沿って並び、1つの走査線GLを共有する複数の副画素SPixを画素行(ライン)とする。ライン単位での画素信号Sigの供給とは、1ラインに含まれる複数の副画素SPixの各々に対して個別に供給される画素信号Sigが複数の信号線SLに同一タイミングで供給されることをさす。駆動信号が供給される走査線GLの切り替えタイミングと画素信号Sigの切り替えタイミングとが同期制御されることで、第2方向Dyに並ぶ複数の副画素SPixに対して供給される画素信号Sigが個別に制御される。なお、1ラインに含まれる複数の副画素SPixに対する画素信号Sigの個別制御は、複数の信号線SLに対して個別に画素信号Sigが与えられることによって行われる。
【0020】
タイミングコントローラ30は、制御装置110と液晶パネル駆動回路20との間に介在し、制御装置110から供給される信号(入力信号)に応じて液晶パネル駆動回路20に信号(出力信号)を供給する。入力信号は、例えば、リセット信号RS、クロック信号CL、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync及び画像信号Pを含む。出力信号は、例えば、画素信号Sig、ソースタイミング信号SigT、第2指示信号RE、書き込み行初期化信号RP及び書き込み行シフトクロック信号SCLを含む。タイミングコントローラ30は、画素信号Sig、ソースタイミング信号SigT及び第2指示信号REをゲートドライバ210に供給する。また、タイミングコントローラ30は、書き込み行初期化信号RP及び書き込み行シフトクロック信号SCLをソースドライバ220に供給する。
【0021】
リセット信号RSは、液晶表示装置1の状態を初期状態にリセットするための信号である。リセット信号RSは、液晶表示装置1の動作開始時に入力される。クロック信号CLは、各部の動作を同期制御するための周期的な信号である。クロック信号CL以外の信号の同期制御タイミングは、クロック信号CLのタイミングに基づいて決定される。垂直同期信号Vsyncは、フレーム画像の切り替えタイミングを制御するための信号である。フレーム画像の切り替えタイミングに応じて垂直同期信号Vsyncが供給される。水平同期信号Hsyncは、第1方向Dxに並ぶ複数の走査線GLのうち駆動信号が供給される走査線GLを切り替えるタイミングを制御するための信号である。1つのフレーム画像の表示期間中の水平同期信号Hsyncの供給回数は、走査線GLの数(m)に対応する。画像信号Pは、液晶表示装置1で表示されるフレーム画像に対応する信号である。画像信号Pは、液晶表示装置1に対する入力画像として機能する。
【0022】
画素信号Sigは、画像信号Pに基づいて各副画素SPixに供給される信号である。ソースタイミング信号SigTは、画素信号Sigの供給タイミングを制御するための信号である。ソースドライバ220に対するソースタイミング信号SigTの供給タイミングは、ゲートドライバ210に対する書き込み行初期化信号RP及び書き込み行シフトクロック信号SCLの供給タイミングに同期する。ソースドライバ220は、ソースタイミング信号SigTの供給タイミングに応じてライン単位で画素信号Sigを信号線SLに供給する。第2指示信号REは、画素信号Sigとして各副画素SPixに供給される信号と共通電極COMLの電位により生じる電流の方向を切り替え制御するための信号である。書き込み行初期化信号RPは、ゲートドライバ210のシフトレジスタの動作状態を初期化するための信号である。シフトレジスタの動作状態が初期化されると、駆動信号が供給される走査線GLが「最初の走査線GL」になる。書き込み行シフトクロック信号SCLは、駆動信号が供給される走査線GLを1つずつシフトさせる信号である。書き込み行シフトクロック信号SCLの供給回数は、走査線GLの数(m)に対応する。
【0023】
制御装置110は、液晶表示装置1に対する入力画像の供給と、当該入力画像の表示に係る各種の制御用信号の供給とを行う。ここでいう入力画像の供給とは、制御装置110からタイミングコントローラ30に対して行われる画像信号Pの供給をさす。また、各種の制御用信号とは、リセット信号RS、クロック信号CL、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncをさす。
【0024】
制御装置110は、例えば図示しない演算部、記憶部、画像出力部等を備える情報処理装置であり、表示システム300における液晶表示装置1のホストとして機能する。当該記憶部には、画像信号Pに対応する画像データが記憶される。また、当該画像出力部は、画像信号Pの出力に伴い、上述した各種の制御用信号を出力する回路を含む。
【0025】
以下、タイミングコントローラ30のより具体的な構成について、図3を参照して説明する。図3は、タイミングコントローラ30の機能構成例を示すブロック図である。タイミングコントローラ30は、タイミング生成部31と、画像信号処理部32と、極性印加時間カウンタ33と、極性指示信号決定回路34とを含む。リセット信号RSは、タイミング生成部31及び極性印加時間カウンタ33に供給される。クロック信号CL、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncは、タイミング生成部31に供給される。画像信号Pは、画像信号処理部32に供給される。
【0026】
タイミングコントローラ30は、タイミング生成部31、画像信号処理部32、極性印加時間カウンタ33及び極性指示信号決定回路34として機能するよう実装された回路である。より具体的には、タイミングコントローラ30は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はその他の専用のIC(Integrated Circuit)のいずれかとして設けられる。
【0027】
タイミング生成部31は、極性印加時間カウンタ33、極性指示信号決定回路34及び画像信号処理部32の動作タイミングを同期させる。また、タイミング生成部31は、係る動作タイミングと同期するようにソースタイミング信号SigT、書き込み行シフトクロック信号SCL及び書き込み行初期化信号RPを出力する。具体的には、タイミング生成部31は、垂直同期信号Vsyncが供給されるタイミングに応じて第1制御信号を極性印加時間カウンタ33に供給する。当該第1制御信号は、垂直同期信号Vsyncであってもよいし、垂直同期信号Vsyncに応じてタイミング生成部31が生成した信号であってもよい。また、極性印加時間カウンタ33は、垂直同期信号Vsyncが供給されるタイミングに応じて第2制御信号を画像信号処理部32に供給する。当該第2制御信号は、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncであってもよいし、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncに応じてタイミング生成部31が生成した信号であってもよい。また、タイミング生成部31は、垂直同期信号Vsyncが供給されるタイミングに応じて書き込み行初期化信号RPの出力タイミングを制御する。また、タイミング生成部31は、水平同期信号Hsyncが供給されるタイミングに応じてソースタイミング信号SigT及び書き込み行シフトクロック信号SCLの出力タイミングを制御する。
【0028】
画像信号処理部32は、画像信号Pに基づいて画素信号Sigを生成する。具体例を挙げると、画像信号Pは、例えば表示部100に配置された画素Pixの数及び画素Pixの配置に対応した画素数及び画素の配置によるフレーム画像に対応する信号である。画像信号処理部32は、当該画像信号Pに対応した表示が表示部100で行われるよう、各画素Pixに含まれる副画素SPix毎の階調値に対応した信号を画素信号Sigとして生成する。より具体的な例を挙げると、画像信号PがRGB画像データに対応した信号である場合、画素信号Sigは、当該RGB画像データが示す各画素の赤(R)、緑(G)、青(B)の各々の階調値に対応した電位を各副画素SPixに与えるための信号として画素信号Sigを生成する。なお、入力画像の画素数及び画素の配置と表示部100に配置された画素Pixの数及び画素Pix配置とに差異がある場合、画像信号処理部32は、当該差異を考慮して入力画像に対応した表示を表示部100に行わせるためのコンバート処理を行う。
【0029】
画像信号処理部32は、第2制御信号に対応して画素信号Sigの供給タイミングを制御する。具体的には、画像信号処理部32は、垂直同期信号Vsyncに対応して、上述の最初に駆動信号が供給される走査線GLと接続された副画素SPixに対するライン単位の画素信号Sigの供給タイミングを制御する。また、画像信号処理部32は、水平同期信号Hsyncに対応して、走査線GLが供給されるラインの切り替わりに応じたライン単位での画素信号Sigの切り替えタイミングを制御する。
【0030】
極性印加時間カウンタ33は、第1制御信号に基づいたカウントを行う。ここで、当該カウントと液晶表示装置1の動作に係る各種の信号との関係について、図4を参照して説明する。以下、カウント値と記載した場合、当該カウントによって管理される値をさす。実施形態のカウント値は、例えば正負いずれの値も取り得る実数値である。
【0031】
図4は、フレーム期間の時間長が定まっていない場合の反転駆動制御例を示すタイムチャートである。図4及び後述する図5では、カウント値の時系列変化を示すカウンタCTと、他の信号の供給タイミングとの関係を示している。図4等と記載した場合、図4及び図5をさす。
【0032】
まず、極性印加時間カウンタ33は、リセット信号RSが供給されたタイミングに応じて、カウント値を初期値にする。当該初期値は、第1閾値Thmを下回る値又は第2閾値Thpを上回る値である。第1閾値Thmは、所定のカウント値を下回る。第2閾値Thpは、所定のカウント値を上回る。すなわち、第2閾値Thpは、第1閾値Thmよりも大きい。当該所定のカウント値は、例えば0(ゼロ)とされる。図4等では、当該初期値が第1閾値Thmを下回る値である場合を例示している。第1閾値Thm及び第2閾値Thpは、予め定められて極性印加時間カウンタ33に記録されている値である。
【0033】
リセット信号RSが供給されてから第1所定時間DT0経過すると、垂直同期信号Vsyncが供給される。第1所定時間DT0は、例えば1/60[秒]未満の極めて短い時間であるが、任意の時間としてよい。
【0034】
垂直同期信号Vsyncの供給後、第2所定時間DTを経て、各副画素SPixの階調度の更新が順次行われる。第2所定時間DTでは、書き込み行初期化信号RPの供給、1つのフレーム画像に対応した画像信号Pの供給の開始、当該画像信号Pに対応した画素信号Sigの供給及び当該画素信号Sigをライン単位で各副画素SPixに供給するための書き込み行シフトクロック信号SCLの供給の開始が順次行われる。なお、図4等では、画素信号Sigの供給については図示を省略しているが、実際には書き込み行シフトクロック信号SCLに対応したタイミングで行われる。
【0035】
図4では、リセット信号RSが供給された後に最初に供給される垂直同期信号Vsyncの供給タイミングP11を最初の1回の第2所定時間DTの開始タイミングとしている。第2所定時間DTは、垂直同期信号Vsyncの供給タイミングからその直後の書き込み行初期化信号RPの供給タイミングまでの経過時間DT1と、当該書き込み行初期化信号RPの供給タイミングからその直後の画像信号Pの供給開始タイミングまでの経過時間DT2と、当該画像信号Pの供給開始タイミングから書き込み行シフトクロック信号SCLの供給開始タイミングまでの経過時間DT3とを含む。
【0036】
垂直同期信号Vsyncは、フレーム画像の切り替わりタイミングに応じて順次供給される。図4では、順次供給される複数の垂直同期信号Vsyncの各々の供給タイミングP11,P12,P13,P14,P15を例示している。各供給タイミングP11,P12,P13,P14,P15から第2所定時間DTを経て、フレーム期間FT11,FT12,FT13,FT14,FT15の各々の画像信号Pに対応して生成された画素信号Sigによる各副画素SPixの階調度の更新が順次行われる。なお、垂直同期信号Vsyncの供給タイミングP16は、図示しないフレーム期間FT15の次のフレーム期間が開始される際に供給される垂直同期信号Vsyncの供給タイミングである。供給タイミングP16は、供給タイミングP15から開始されるフレーム期間FT15の終了タイミングを示すために図示されている。
【0037】
最初の1回の第2所定時間DT以外では図示しないが、経過時間DT1の時間長、経過時間DT2の時間長及び経過時間DT3の時間長は、各第2所定時間DTで共通である。すなわち、各第2所定時間DTの時間長は、共通である。第2所定時間DTは、例えば1/240[秒]未満の極めて短い時間であるが、任意の時間としてよい。なお、経過時間DT1の時間長と、経過時間DT2の時間長と、経過時間DT3の時間長とは、一部又は全部がそれぞれ異なる時間長であってもよいし、一部又は全部が同じ時間長であってもよい。
【0038】
実施形態では、複数のフレーム期間の各々の時間長は統一されない。図4に示すフレーム期間FT11,FT12,FT13,FT14,FT15の各々の時間長はそれぞれ異なる。このようなフレーム期間の不統一は、制御装置110が各フレーム画像に対応する画像信号Pを出力するための処理にかかる時間が一定でないことによる。例えば、相対的に短時間の処理で生成可能なフレーム画像に対応した画像信号Pが出力されるフレーム期間(例えば、フレーム期間FT13)の開始タイミングは、直前のフレーム期間の開始タイミングからの経過時間を相対的に短くできる。一方、生成のために相対的に長時間の処理が必要なフレーム画像に対応した画像信号Pが出力されるフレーム期間(例えば、フレーム期間FT12)の開始タイミングは、直前のフレーム期間の開始タイミングからの経過時間が相対的に長くなる。フレーム期間の不統一は、このような処理時間と、直前のフレーム期間の開始タイミングからの経過時間との対応関係による。言い換えれば、各フレーム期間の長さは、その直後のフレーム期間に表示されるフレーム画像の生成に必要な処理時間と、係るフレーム画像の生成処理を行う制御装置110の処理性能に対応する。
【0039】
極性印加時間カウンタ33は、各フレーム期間に予め設定された「所定のタイミング」でのカウント値に基づいて、画素電極15と共通電極COMLとの電位により生じる電流の方向に係る判定を行う。実施形態のようにフレーム反転方式が採用されている場合、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。モード判定とは、液晶パネル10を第1モード又は第2モードのいずれで動作させるかの判定をさす。極性印加時間カウンタ33は、モード判定の結果に応じた第1指示信号SWを極性指示信号決定回路34に出力する。「所定のタイミング」とは、例えば図4に示すタイミングT11,T12,T13,T14,T15で示すように、各フレーム期間において垂直同期信号Vsyncが供給されてから第2所定時間DTが経過したタイミングである。
【0040】
例えば、フレーム期間FT11のタイミングT11におけるカウント値M01は、カウント値の初期値から変更されておらず、第1閾値Thmを下回っている。このように、「所定のタイミング」におけるカウント値が第1閾値Thmを下回っている場合、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第1モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第1モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT11後、液晶パネル10は第1モードで動作する。
【0041】
また、極性印加時間カウンタ33は、画素電極15と共通電極COMLとの電位により生じる電流の方向に応じてカウント値を増減させる。具体的には、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10が第1モードで動作している場合、カウント値を漸増させる。また、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10が第2モードで動作している場合、カウント値を漸減させる。経過時間に応じたカウント値の漸増の度合い及び経過時間に応じたカウント値の漸減の度合いは、予め定められている。また、実施形態では、第1モードで動作した時間と第2モードで動作した時間とが等しい場合、第1モードで動作したことによるカウント値の漸増と第2モードで動作したことによるカウント値の漸減とが互いに打ち消し合う関係になり、この場合のカウント値は±0になる。
【0042】
なお、第1閾値Thm及び第2閾値Thpと、カウント値の漸増の度合い及びカウント値の漸減の度合いとが対応するようにしてもよい。例えば、カウント値が1/β[秒]あたりα漸増又は漸減する場合、第1閾値Thm及び第2閾値Thpは、0に対する絶対値がα未満となる範囲内で設定されるようにしてもよい。βは、例えば、ダイナミックフレームレート方式に対応可能な液晶パネル10が駆動可能なフレームレートの下限(β[Hz])に対応する。
【0043】
図4では、上述のようにタイミングT11後の液晶パネル10は第1モードで動作する。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸増させる。図4では、タイミングT11時点でカウント値M01が第1閾値Thmを下回っているが、タイミングT11からタイミングT12までの間にカウント値が漸増して第2閾値Thpを上回るカウント値P01になっている。
【0044】
以下、時系列に沿って極性印加時間カウンタ33が行う処理を、図4を参照して説明する。フレーム期間FT12のタイミングT12は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT12におけるカウント値P01は、第2閾値Thpを上回っている。このように、「所定のタイミング」におけるカウント値が第2閾値Thpを上回っている場合、極性印加時間カウンタ33は、タイミングT12以後の書き込み行シフトクロック信号SCLの供給タイミングから液晶パネル10を第2モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第2モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT12後、液晶パネル10は第2モードで動作する。すなわち、タイミングT11からタイミングT12まで第1モードで動作していた液晶パネル10は、タイミングT12で動作モードを切り替えられて第2モードで動作するようになる。
【0045】
上述のように、タイミングT12後の液晶パネル10は第2モードで動作する。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸減させる。図4では、タイミングT12時点のカウント値P01からタイミングT13時点のカウント値P02までカウント値が漸減しているが、カウント値P02は、依然として第2閾値Thpを上回っている。
【0046】
フレーム期間FT13のタイミングT13は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT13におけるカウント値P02は、第2閾値Thpを上回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、引き続き液晶パネル10を第2モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第2モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT13後、液晶パネル10は第2モードで動作し続ける。
【0047】
上述のように、タイミングT13後の液晶パネル10は第2モードで動作し続ける。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸減させる。図4では、タイミングT13時点のカウント値P02からタイミングT14時点のカウント値M02までカウント値が漸減している。タイミングT14に到達する途中でカウント値M02は、第1閾値Thmを下回る。
【0048】
フレーム期間FT14のタイミングT14は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT14におけるカウント値M02は、第1閾値Thmを下回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、タイミングT14以後の書き込み行シフトクロック信号SCLの供給タイミングから液晶パネル10を第1モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第1モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT14後、液晶パネル10は第1モードで動作する。すなわち、タイミングT12からタイミングT14まで第2モードで動作していた液晶パネル10は、タイミングT14で動作モードを切り替えられて第1モードで動作するようになる。
【0049】
上述のようにタイミングT14後の液晶パネル10は第1モードで動作する。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸増させる。図4では、タイミングT14時点でカウント値M02が第1閾値Thmを下回っているため、タイミングT14からタイミングT15時点でのカウント値B01までカウント値が漸増している。タイミングT15時点でのカウント値B01は、第1閾値Thmと第2閾値Thpとの間の値である。
【0050】
フレーム期間FT15のタイミングT15は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT15におけるカウント値B01は、第1閾値Thmと第2閾値Thpとの間の値である。このように、「所定のタイミング」におけるカウント値が第1閾値Thmと第2閾値Thpとの間の値である場合、極性印加時間カウンタ33は、タイミングT15以後の書き込み行シフトクロック信号SCLの供給タイミングから当該「所定のタイミング」前の動作モードとは異なるモードで液晶パネル10を動作させる。この場合、タイミングT15まで液晶パネル10は第1モードで動作していたので、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第2モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT12後、液晶パネル10は第2モードで動作する。すなわち、タイミングT14からタイミングT15まで第1モードで動作していた液晶パネル10は、タイミングT15で動作モードを切り替えられて第2モードで動作するようになる。なお、仮に、極性印加時間カウンタ33は、当該「所定のタイミング」前の動作モードが第2モードである場合、当該「所定のタイミング」後の動作モードは、第1モードになる。
【0051】
極性指示信号決定回路34は、第1指示信号SWに応じて第2指示信号REを制御する。図4に示す例では、第2指示信号REは、ハイ(H)/ロー(L)の2値のいずれかを取るよう制御される。実施形態では、第2指示信号REがハイ(H)である場合、ソースドライバ220は、液晶パネル10が第1モードで動作するように画素信号Sigの電位を制御する。また、第2指示信号REがロー(L)である場合、ソースドライバ220は、液晶パネル10が第2モードで動作するように画素信号Sigの電位を制御する。なお、ソースドライバ220は、画素信号Sig及び共通電極COMLの両方の電位を制御してもよい。なお、第1モードと第2モードとの関係と当該ハイ(H)/ロー(L)の関係は逆であってもよい。その場合、図4及び図5に示す第2指示信号REのハイ(H)/ロー(L)は逆転する。なお、実施形態では第1モードでは画素電極がハイ(H)側で、第2モードでは画素電極はロー(L)側であるが、逆であってもいい。
【0052】
図4に示すように、各フレーム期間の時間長が不統一であっても、第1モードでの動作時間と第2モードでの動作時間との間の偏りの発生を抑制できる。
【0053】
なお、図4及び図5では、垂直同期信号Vsync、書き込み行初期化信号RP及び書き込み行シフトクロック信号SCLが供給タイミングに応じてロー(L)からハイ(H)になり、リセット信号RSが供給タイミングに応じてハイ(H)からロー(L)になる例を示しているが、これらのハイ(H)/ロー(L)の関係はあくまで一例であってこれに限られるものでない。これらの一部又は全部のハイ(H)/ロー(L)の関係は逆であってもよい。
【0054】
また、図3では、タイミング生成部31から極性指示信号決定回路34に向かう出力が図示されているが、これは必須でない。係る出力は、例えば極性印加時間カウンタ33からの第1指示信号SWの出力に応じた第2指示信号REの更新タイミングの制御のためにタイミング生成部31から出力されるタイミング制御信号の出力である。このようなタイミング制御信号があれば、第2指示信号REの更新タイミングをより確実にタイミングT11,T12,T13,T14,T15,…のような「所定のタイミング」に同期したタイミングにすることができる。
【0055】
なお、フレーム期間の変化パターンは図4に示すようなフレーム期間毎に異なるパターンに限定されない。
【0056】
図5は、周期的に繰り返される2フレーム期間に含まれる各フレーム期間の長さがそれぞれ異なる場合の反転駆動制御例を示すタイムチャートである。図5では、第1時間長のフレーム期間F21と、第2時間長のフレーム期間F22と、が交互に繰り返されるパターンを示している。第1時間長及び第2時間長は、予め定められた時間長である。第1時間長は、第2時間長よりも長い。フレーム期間の相違を除いて、図5に示す例は、図4に示す例と同様である。
【0057】
以下、時系列に沿って極性印加時間カウンタ33が行う処理を、図5を参照して説明する。極性印加時間カウンタ33は、図4を参照した説明の場合と同様、リセット信号RSが供給されたタイミングに応じて、カウント値を初期値にする。フレーム期間FT21のタイミングT21におけるカウント値M11は、カウント値の初期値から変更されておらず、第1閾値Thmを下回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第1モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第1モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT21後、液晶パネル10は第1モードで動作する。
【0058】
タイミングT21後の液晶パネル10は第1モードで動作する。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸増させる。図5では、タイミングT21時点でカウント値M11が第1閾値Thmを下回っているため、タイミングT21からタイミングT22までの間にカウント値が漸増し、タイミングT22では第2閾値Thpを上回るカウント値P04になっている。
【0059】
フレーム期間FT22のタイミングT22は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT22におけるカウント値P04は、第2閾値Thpを上回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第2モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、タイミングT22以後の書き込み行シフトクロック信号SCLの供給タイミングから液晶パネル10を第2モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT22後、液晶パネル10は第2モードで動作する。すなわち、タイミングT21からタイミングT22まで第1モードで動作していた液晶パネル10は、タイミングT22で動作モードを切り替えられて第2モードで動作するようになる。
【0060】
上述のように、タイミングT22後の液晶パネル10は第2モードで動作する。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸減させる。図5では、タイミングT22時点のカウント値P04からタイミングT23時点のカウント値P05までカウント値が漸減しているが、カウント値P05は、依然として第2閾値Thpを上回っている。
【0061】
フレーム期間FT21のタイミングT23は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT23におけるカウント値P05は、第2閾値Thpを上回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、引き続き液晶パネル10を第2モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第2モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT23後、液晶パネル10は第2モードで動作し続ける。
【0062】
上述のように、タイミングT23後の液晶パネル10は第2モードで動作し続ける。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸減させる。図5では、タイミングT23時点のカウント値P05からタイミングT24時点のカウント値M12までカウント値が漸減している。タイミングT24時点ではカウント値M12は、第1閾値Thmを下回っている。
【0063】
フレーム期間FT22のタイミングT24は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT24におけるカウント値M12は、第1閾値Thmを下回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第1モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、タイミングT24以後の書き込み行シフトクロック信号SCLの供給タイミングから液晶パネル10を第1モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT24後、液晶パネル10は第1モードで動作する。すなわち、タイミングT22からタイミングT24まで第2モードで動作していた液晶パネル10は、タイミングT24で動作モードを切り替えられて第1モードで動作するようになる。
【0064】
上述のようにタイミングT24後の液晶パネル10は第1モードで動作する。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸増させる。図5では、タイミングT24時点のカウント値M12からタイミングT25時点のカウント値M13までカウント値が漸増しているが、カウント値M13は、依然として第1閾値Thmを下回っている。
【0065】
フレーム期間FT21のタイミングT25は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT25におけるカウント値M13は、第1閾値Thmを下回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、引き続き液晶パネル10を第1モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第1モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT25後、液晶パネル10は第1モードで動作し続ける。
【0066】
上述のように、タイミングT25後の液晶パネル10は第1モードで動作し続ける。従って、極性印加時間カウンタ33は、カウント値を漸増させる。図5では、タイミングT25時点でカウント値M13が第1閾値Thmを下回っているが、タイミングT25からタイミングT26までの間にカウント値が漸増して第2閾値Thpを上回るカウント値P06になっている。
【0067】
フレーム期間FT22のタイミングT26は「所定のタイミング」であるので、極性印加時間カウンタ33は、モード判定を行う。ここで、タイミングT26におけるカウント値P06は、第2閾値Thpを上回っている。従って、極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第2モードで動作させる。極性印加時間カウンタ33は、液晶パネル10を第2モードで動作させることを示す第1指示信号SWを出力する。これによって、タイミングT26後、液晶パネル10は第2モードで動作する。すなわち、タイミングT25からタイミングT26まで第1モードで動作していた液晶パネル10は、タイミングT26で動作モードを切り替えられて第2モードで動作するようになる。
【0068】
以降、図示しないが、図5に示す例では、交互に繰り返されるフレーム期間FT21とフレーム期間FT22のうちフレーム期間FT22における「所定のタイミング」で第1モードと第2モードとの切り替えが行われる。
【0069】
図5に示すように、全てのフレーム期間の時間長が統一でなく、かつ、予め定められた複数種類の時間長のフレーム期間が周期的に繰り返される場合であっても、第1モードでの動作時間と第2モードでの動作時間との間の偏りの発生を抑制できる。また、フレーム期間が交互に相対的な長短を切り替えるように繰り返される場合であっても、周期的な第1モードと第2モードとの切り替えを実現できる。このようなフレーム期間の繰り返しパターンで不規則な第1モードと第2モードとの切り替えが生じた場合、画像の明るさ等の変化によるちらつき(フリッカ)が視認されることがあるが、実施形態によれば、そのようなフリッカの発生を抑制できる。
【0070】
以上説明したように、実施形態によれば、液晶表示装置1は、複数の副画素SPixが設けられた液晶パネル10と、液晶パネル10の動作を制御する制御回路(タイミングコントローラ30)と、時間の経過に応じてカウント値を増減させるカウンタ(例えば、極性印加時間カウンタ33)とを備える。副画素SPixは、第1電極(例えば、画素電極15)の電位と第2電極(例えば、共通電極COML)とを備える。液晶パネル10は、第1モードでの動作と第2モードでの動作とを切り替え可能である。第1モードと第2モードは、第1電極の電位よりも第2電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、第2電極の電位よりも第1電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、が同じである。例えば、フレーム反転方式における第1モードは、全ての副画素SPixが「第1電極の電位よりも第2電極の電位が相対的に高い」モードであるとする。その場合、第2モードは、全ての副画素SPixが「第2電極の電位よりも第1電極の電位が相対的に高い」モードである。カウンタは、外部から複数回供給される垂直同期信号Vsyncのうち最初の垂直同期信号Vsyncの供給タイミングに応じてカウントを開始し、液晶パネル10が第1モードで動作している場合にカウント値を漸増させ、液晶パネル10が第2モードで動作している場合にカウント値を漸減させる。制御回路は、最新の垂直同期信号Vsyncの供給タイミングに応じて判定タイミングを決定し、判定タイミングでのカウント値が第1閾値Thm以下である場合、第1モードで液晶パネル10を動作させ、判定タイミングでのカウント値が第2閾値Thpである場合、第2モードで液晶パネル10を動作させる。
【0071】
実施形態によれば、液晶パネル10が第1モードで動作している場合に漸増したカウント値によって、判定タイミングでのカウント値が第2閾値Thp以上になれば、第2モードが液晶パネル10に適用される。また、実施形態によれば、液晶パネル10が第2モードで動作している場合に漸減したカウント値によって、判定タイミングでのカウント値が第1閾値Thm以下になれば、第2モードが液晶パネル10に適用される。従って、実施形態によれば、最新の垂直同期信号Vsyncの供給タイミングに応じて第1モードと第2モードとを切り替えられ、第1モード又は第2モードの一方が液晶パネル10に適用され続けることを抑制できる。よって、実施形態によれば、第1電極(例えば、画素電極15)の電位と第2電極(例えば、共通電極COML)の電位により生じる電流の方向によって液晶に与えられる電流の2方向のうち一方の適用時間が他方の適用時間も長くなることによる焼き付きのような劣化の発生をより確実に抑制できる。
【0072】
また、制御回路(タイミングコントローラ30)は、判定タイミングでのカウント値が第1閾値Thmと第2閾値Thpの間の値である場合、第1モードと第2モードのうち当該判定タイミングの直前のモードとは異なるモードで液晶パネル10を動作させる。これによって、最新の垂直同期信号Vsyncの供給タイミングに応じて第1モードと第2モードとを切り替える頻度をより上げられ、第1モード又は第2モードの一方で液晶パネル10が動作し続けることをより確実に抑制できる。
【0073】
また、カウンタ(例えば、極性印加時間カウンタ33)は、カウントが開始される前のカウント値の初期値を第1閾値Thm以下又は第2閾値Thp以上とされる。これによって、最初のフレーム期間の「所定のタイミング」後に液晶パネル10に第1モード又は第2モードのうち予め定められた一方で規則的に液晶パネルを動作させることができる。
【0074】
また、実施形態において、制御装置110は、液晶表示装置1に画像信号P及び垂直同期信号Vsyncを3回以上供給する。ここで、時間的に連続する2つの垂直同期信号Vsyncの供給タイミング間の時間長は任意である。従って、制御装置110及び液晶表示装置1を含む表示システム300を、ダイナミックフレームレート方式に対応可能な表示システムとすることができる。係る表示システム300において、第1電極(例えば、画素電極15)の電位と第2電極(例えば、共通電極COML)の電位により生じる電流の方向によって液晶に与えられる電流の2方向のうち一方の駆動時間が他方の駆動時間も長くなることによる焼き付きのような劣化の発生をより確実に抑制できる。
【0075】
なお、画素電極15と共通電極COMLとの電位の関係を反転させる反転駆動方式は、上述のフレーム反転方式に限定されない。例えば、ライン反転方式、カラム反転方式又は画素反転方式のいずれかが採用されていてもよい。ライン反転方式は、1フレーム期間中に隣接するラインどうしの画素電極15と共通電極COMLとの電位により生じる電流の方向が逆である方式をさす。カラム反転方式は、1フレーム期間中に隣接する画素列どうしの画素電極15と共通電極COMLとの電位により生じる電流の方向が逆である方式をさす。画素列とは、第2方向Dyに並ぶ副画素SPix(又は複数の副画素SPixを含む画素Pix)をさす。画素反転方式は、1フレーム期間中に第1方向Dxに隣接する副画素SPix(又は画素Pix)どうし及び第2方向Dyに隣接する副画素SPix(又は画素Pix)どうしの画素電極15と共通電極COMLとの電位により生じる電流の方向が逆である方式をさす。
【0076】
例えば、ライン反転方式で、第2方向Dyの一端側から他端側に向かって並ぶ各ラインにおいて共通電極COMLに対する画素電極15の電位の相対的な関係を「高」又は「低」で表した場合、第1モード又は第2モードの一方では「高」、「低」、「高」、「低」、「高」、…の順になる。これに対し、他方では「低」、「高」、「低」、「高」、「低」、…の順になる。ここで、第1モードと第2モードは、第1電極の電位よりも第2電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、第2電極の電位よりも第1電極の電位が相対的に高くなる画素の数及び画素の配置と、が同じである。例えば、ライン反転方式における第1モードで第1電極の電位よりも第2電極の電位が相対的に高くなる画素行が第2方向Dyの一端側から数えて奇数番目の画素行であり、第2電極の電位よりも第1電極の電位が相対的に高くなる画素行が当該一端側から数えて偶数番目の画素行であるとする。この場合、ライン反転方式における第2モードで第1電極の電位よりも第2電極の電位が相対的に高くなる画素行が第2方向Dyの一端側から数えて偶数番目の画素行であり、第2電極の電位よりも第1電極の電位が相対的に高くなる画素行が当該一端側から数えて奇数番目の画素行になる。カラム反転方式の例では、当該ライン判定方式の例における「第2方向Dyの一端側から他端側に向かって並ぶ各ライン」が「第1方向Dxの一端側から他端側に向かって並ぶ各画素列」になる。画素反転方式の例では、当該ライン判定方式の例における「第2方向Dyの一端側から他端側に向かって並ぶ各ライン」が、「第1方向Dxの一端側から他端側に向かって並ぶ各副画素SPix(又は各画素Pix)及び第2方向Dyの一端側から他端側に向かって並ぶ副画素SPix(又は各画素Pix)」になる。
【0077】
反転駆動方式の実現に際して第1モードと第2モードで共通電極COMLの電位が変更される場合、共通電極COMLの具体的な構成は、採用される反転駆動方式に対応する。例えば、ライン反転方式の場合、共通電極COMLは、ライン単位で個別に設けられる。また、カラム反転方式の場合、共通電極COMLは、カラム単位で個別に設けられる。また、画素反転方式の場合、共通電極COMLは、副画素SPix(又は画素Pix)単位で個別に設けられる。
【0078】
また、「所定のタイミング」は、垂直同期信号Vsyncから第2所定時間DTが経過したタイミングに限られない。「所定のタイミング」は、各フレーム期間の垂直同期信号Vsyncに対する時間長が一定であり、かつ、各フレーム期間中に収まるタイミングであればよい。例えば、「所定のタイミング」は、垂直同期信号Vsyncの供給タイミングであってもよいし、垂直同期信号Vsyncから経過時間DT1が経過したタイミングであってもよいし、垂直同期信号Vsyncから経過時間DT1及び経過時間DT2が経過したタイミングであってもよい。なお、モードの切り替えが行われるのは、「所定のタイミング」以後に入力される書き込み行シフトクロック信号SCLの供給タイミングとされる。
【0079】
上述のカウント値の説明における「上回る」は、「以上」と置換してもよい。また、上述のカウント値の説明における「下回る」は、「以下」と置換してもよい。これらの置換が適用された場合、「第1閾値Thm以上、第2閾値Thp以下」は、「第1閾値Thmを上回り、第2閾値Thpを下回る」と置換される。すなわち、「第1閾値Thmと第2閾値Thpの間」は、「第1閾値Thmを上回り、第2閾値Thpを下回る」であってもよいし、「第1閾値Thm以上、第2閾値Thp以下」であってもよい。なお、「第1閾値Thm以上、第2閾値Thp以下」又は「第1閾値Thmを上回り、第2閾値Thpを下回る」場合に行われる第1モードと第2モードとの切り替えは、表示パネル(液晶パネル10)の最初の画素信号の書き込みを開始してから、所定の垂直同期信号Vsyncに応じたタイミング(「所定のタイミング」)までの間において、当該表示パネルが第1モードで動作した合計時間と、当該表示パネルが第2モードで動作した合計時間との差が所定時間以内である場合に行われるモードの切り替えである。
【0080】
上述の説明では、極性印加時間カウンタ33が第1指示信号SWの内容を決定しているが、これに限られるものでない。極性指示信号決定回路34が「所定のタイミング」で極性印加時間カウンタ33からカウント値を取得し、第1指示信号SWの内容の決定のための判定を行うようにしてもよい。
【0081】
カウント値は、図4及び図5に示す例に限定されない。例えば、第1モードでの時間をカウントする第1カウンタと、第2状態の連続時間をカウントする第2カウンタと、が個別に設けられてもよい。その場合、カウント値は、「第1カウンタの値」と「第2カウンタの値」との大小関係及び差の大きさを示す値になる。
【0082】
また、上述の説明では、第1閾値Thmと第2閾値Thpとに基づいてモードの切り替えを管理しているが、これに限られるものでない。例えば、表示パネル(液晶パネル10)の最初の画素信号の書き込みを開始してから、所定の垂直同期信号Vsyncに応じたタイミング(「所定のタイミング」)までの間において、当該表示パネルが第1モードで動作した合計時間と、当該表示パネルが第2モードで動作した合計時間のうち、合計時間が短い方のモードで、当該所定の垂直同期信号Vsyncの後の第1電極と第2電極(画素電極15と共通電極COML)の駆動を行うようにしてもよい。具体的には、液晶パネル10は、所定のカウント値(0)を基準として、「所定のタイミング」で当該所定のカウント値を下回っている場合に第1モードで動作し、「所定のタイミング」で当該所定のカウント値を上回っている場合に第2モードで動作する表示パネルであってもよい。
【0083】
また、極性印加時間カウンタ33のうち第1モードでの動作時間をカウントする機能及び第2モードでの動作時間をカウントする機能は、タイミングコントローラ30の外部に設けられてもよい。この場合、タイミングコントローラ30の内部の極性印加時間カウンタ33は、第1モードでの動作時間と第2モードでの動作時間との比較又は第1モードでの動作時間と第2モードでの動作時間との差に基づいた判定を行い、第1指示信号SWを出力する。
【0084】
上述のライン単位の制御は、複数ライン単位であってもよい。すなわち、同時に複数の走査線GLに対して駆動信号が供給され、当該複数の走査線GLを共有する複数の副画素SPixに対して画素信号Sigが供給されるようにしてもよい。
【0085】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0086】
1 液晶表示装置
10 液晶パネル
15 画素電極
20 液晶パネル駆動回路
30 タイミングコントローラ
31 タイミング生成部
32 画像信号処理部
33 極性印加時間カウンタ
34 極性指示信号決定回路
110 制御装置
210 ゲートドライバ
220 ソースドライバ
300 表示システム
COML 共通電極
図1
図2
図3
図4
図5