(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】携帯端末、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20231128BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20231128BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20231128BHJP
G06F 3/04847 20220101ALI20231128BHJP
【FI】
A61B10/00 H
A61B5/11 200
G06F3/01 510
G06F3/04847
(21)【出願番号】P 2020109958
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】318012780
【氏名又は名称】FCNT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】條 英昭
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/095446(WO,A1)
【文献】特開2020-017153(JP,A)
【文献】特開2015-123217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0154372(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
A61B 5/11
G06F 3/01
G06F 3/04847
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンを制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
歩数情報、健康情報及び認知症に罹患するリスクとの対応関係にしたがって、取得したユーザの歩数情報及び予め記憶した前記ユーザの健康情報に対応するリスクを算出し、
認知症に罹患するリスクを示す指標画像を算出した前記リスクに対応する位置に配置したスライダーバーと、前記ユーザの歩数情報とを前記タッチスクリーンに表示し、
前記タッチスクリーンに対するタッチ操作に応じて前記指標画像を移動し、
移動した前記指標画像の位置が示す認知症に罹患するリスク及び前記ユーザの健康情報に対応する歩数情報を前記対応関係にしたがって算出し、
算出した前記歩数情報を前記タッチスクリーンに表示する、
携帯端末。
【請求項2】
前記プロセッサは、さらに、前記指標画像の位置が示すリスクを示す数値を前記指標画像上に表示させる、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記プロセッサは、さらに、前記指標画像の位置が示すリスクから所定値だけリスクを低減させる歩数情報を算出し、算出したリスクを低減させる前記歩数情報を前記所定値とともに前記タッチスクリーンに表示させる、
請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
タッチスクリーンを備える情報処理装置が、
歩数情報、健康情報及び認知症に罹患するリスクとの対応関係にしたがって、取得したユーザの歩数情報及び予め記憶した前記ユーザの健康情報に対応するリスクを算出し、
認知症に罹患するリスクを示す指標画像を算出した前記リスクに対応する位置に配置したスライダーバーと、前記ユーザの歩数情報とを前記タッチスクリーンに表示し、
前記タッチスクリーンに対するタッチ操作に応じて前記指標画像を移動し、
移動した前記指標画像の位置が示す認知症に罹患するリスク及び前記ユーザの健康情報に対応する歩数情報を前記対応関係にしたがって算出し、
算出した前記歩数情報を前記タッチスクリーンに表示する、
情報処理方法。
【請求項5】
タッチスクリーンを備える情報処理装置に、
歩数情報、健康情報及び認知症に罹患するリスクとの対応関係にしたがって、取得したユーザの歩数情報及び予め記憶した前記ユーザの健康情報に対応するリスクを算出させ、
認知症に罹患するリスクを示す指標画像を算出した前記リスクに対応する位置に配置したスライダーバーと、前記ユーザの歩数情報とを前記タッチスクリーンに表示させ、
前記タッチスクリーンに対するタッチ操作に応じて前記指標画像を移動させ、
移動した前記指標画像の位置が示す認知症に罹患するリスク及び前記ユーザの健康情報に対応する歩数情報を前記対応関係にしたがって算出させ、
算出した前記歩数情報を前記タッチスクリーンに表示させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運動習慣等を基に、認知症の発生リスクを知らせる技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-191722号公報
【文献】国際公開第2018/100797号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、現在の運動習慣や当該運動習慣を基に判定した認知症に罹患するリスクはユーザに通知されるものの、このようなリスクをどの程度低減するためにどの程度運動習慣を改善すればよいかが理解しやすく表示されるものではなかった。そのため、認知症に罹患するリスクについてユーザが所望する程度低減するには、どの程度の運動習慣の改善を行えばよいかユーザには理解しにくかった。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、認知症に罹患するリスクをユーザが所望する程度低減するのに要する運動習慣の改善を理解しやすくユーザに伝えることができる携帯端末、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような携帯端末によって例示される。本携帯端末は、タッチスクリーンと、タッチスクリーンを制御するプロセッサと、を備える。そして、本携帯端末のプロセッサは、歩数情報、健康情報及び認知症に罹患するリスクとの対応関係にしたがって、取得したユーザの歩数情報及び予め記憶したユーザの健康情報に対応するリスクを算出し、認知症に罹患するリスクを示す指標画像を算出したリスクに対応する位置に配置したスライダーバーと、ユーザの歩数情報とをタッチスクリーンに表示し、タッチスクリーンに対するタッチ操作に応じて前記指標画像を移動し、移動した指標画像の位置が示す認知症に罹患するリスク及びユーザの健康情報に対応する歩数情報を対応関係にしたがって算出し、算出した歩数情報をタッチスクリーンに表示する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術は、認知症に罹患するリスクをユーザが所望する程度低減するのに要する運動習慣の改善を理解しやすくユーザに伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るスマートフォンの外観の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るスマートフォンの処理ブロックの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態において、登録部によってディスプレイに表示される一連の受付画面を例示する第1の図である。
【
図5】
図5は、実施形態において、登録部によってディスプレイに表示される一連の受付画面を例示する第2の図である。
【
図6】
図6は、実施形態において、登録部によってディスプレイに表示される一連の受付画面を例示する第3の図である。
【
図7】
図7は、実施形態において、登録部によってディスプレイに表示される一連の受付画面を例示する第4の図である。
【
図8】
図8は、実施形態においてユーザ情報データベースに記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態において歩数データベースに記憶される時間別歩数管理テーブルの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態において歩数データベースに記憶される日別歩数管理テーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態において、リスク表示部によって表示されるリスク表示画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態におけるリスク表示画面において、スライダーを移動させた状態を例示する第1の図である。
【
図13】
図13は、実施形態におけるリスク表示画面において、スライダーを移動させた状態を例示する第2の図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係るスマートフォンの処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。実施形態に係る携帯端末は、例えば、タッチスクリーンと、タッチスクリーンを制御するプロセッサと、を備える。そして、本携帯端末のプロセッサは、例えば、以下の処理を実行する。
・歩数情報、健康情報及び認知症に罹患するリスクとの対応関係にしたがって、取得したユーザの歩数情報及び予め記憶したユーザの健康情報に対応するリスクを算出する。
・認知症に罹患するリスクを示す指標画像を算出したリスクに対応する位置に配置したスライダーバーと、ユーザの歩数情報とを前記タッチスクリーンに表示する。
・タッチスクリーンに対するタッチ操作に応じて指標画像を移動する。
・移動した指標画像の位置が示す認知症に罹患するリスク及びユーザの健康情報に対応する歩数情報を上記した対応関係にしたがって算出する。
・算出した歩数情報をタッチスクリーンに表示する。
【0010】
歩数情報としては、例えば、所定期間中の1日当たりの平均歩数や所定期間中における累積歩数であってもよい。健康情報としては、ユーザの年齢、性別、病歴及び運動習慣を挙げることができる。認知症に罹患するリスクは、このような歩数情報や健康情報と概ね対応関係にある。本携帯端末のプロセッサは、このような対応関係にしたがって、取得したユーザの歩数情報及び予め記憶したユーザの健康情報に対応するリスクをスライダーバーに配置した指標画像の位置によって示すことができる。そのため、本携帯端末は、認知症に罹患するリスクを指標画像の位置によって直感的にユーザに伝えることができる。
【0011】
そして、本携帯端末のプロセッサは、タッチ操作に応じて移動された指標画像が示すリスクに対応する歩数情報を上記した対応関係にしたがって算出し、タッチスクリーンに表示することができる。そのため、本携帯端末は、タッチ操作による指標画像の移動という直感的な操作によって、ユーザが所望する程度のリスク低減幅の指定を受け付けることができる。そして、本携帯端末は、このような直感的な操作によって、ユーザが所望する程度低減させた認知症に罹患するリスクに対応する歩数情報を表示することで、認知症に罹
患するリスク低減に要する運動習慣の改善をユーザに伝えることができる。また、1日当たりの平均歩数に例示される歩数情報はユーザにとって具体的で理解しやすいため、運動習慣の改善につながりやすいとも考えられる。
【0012】
さらに、本携帯端末のプロセッサは、指標画像の位置が示すリスクを示す数値を指標画像上に表示させてもよい。本携帯端末は、このような特徴を備えることで、認知症に罹患するリスクを具体的な数値としてもユーザに伝えることができる。
【0013】
さらに、指標画像の位置が示すリスクから所定値だけリスクを低減させる歩数情報を算出し、算出したリスクを低減させる歩数情報を上記所定値とともにタッチスクリーンに表示させてもよい。本携帯端末は、このような特徴を備えることで、認知症に罹患するリスクを低減させるための具体的な情報をユーザに伝えることができる。
【0014】
以上説明した技術は、情報処理方法及び情報処理プログラムとして把握することも可能である。
【0015】
以下、図面を参照して上記携帯端末をスマートフォンに適用した実施形態についてさらに説明する。
図1は、実施形態に係るスマートフォンの外観の一例を示す図である。
図1は、スマートフォン100の一方から見た外観(前面側の外観とする)を例示する。スマートフォン100は、板状の筐体110を有する。
図1で紙面に向かって上側が筐体110の上側であり、紙面に向かって下側が筐体110の下側であると仮定する。以下、本明細書において、筐体110の上下方向をY方向、Y方向と直交する筐体110の幅方向をX方向とも称する。
【0016】
スマートフォン100は、可搬型の情報処理装置である。筐体110の前面にはスピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113及びタッチパネル114が設けられる。タッチパネル114は、ディスプレイ113に重畳して設けられる。タッチパネル114は、ディスプレイ113の全面を覆うように設けられることが好ましい。スピーカー111は、例えば、ディスプレイ113のX方向の中央上方に設けられる。マイクロフォン112は、例えば、ディスプレイ113のX方向の中央下方に設けられる。
【0017】
図2は、実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。スマートフォン100は、Central Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113、タッチパネル114及び加速度センサ115を備える。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113、タッチパネル114及び加速度センサ115は、接続バスによって相互に接続される。
【0018】
CPU101は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサに限定されるわけではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われてもよい。
【0019】
また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にア
ナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。
【0020】
CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。スマートフォン100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、スマートフォン100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、スマートフォン100が読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0022】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0023】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。
【0024】
通信部104は、例えば、情報処理装置を通信可能に接続するコンピュータネットワークとのインターフェースである。通信部104は、コンピュータネットワークを介して外部の装置と通信を行う。
【0025】
スピーカー111は、音を出力する音源である。スピーカー111は、スマートフォン100を用いた通話において、通話相手の音声等の音を出力する。マイクロフォン112は、通話や動画の音声取得に用いられるマイクロフォンである。
【0026】
ディスプレイ113は、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを表示する。ディスプレイ113は、例えば、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルである。
【0027】
タッチパネル114は、ユーザの指等によるタッチ操作を検知する。タッチパネル114がタッチ操作を検知する方式に限定は無い。タッチパネル114がタッチ操作を検知する方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式等を挙げることができる。スマートフォン100は、ディスプレイ113にタッチパネル114が重畳して設けられることで、直感的な操作環境をユーザに提供することができる。ディスプレイ1
13及びタッチパネル114は、「タッチスクリーン」の一例である。
【0028】
加速度センサ115は、スマートフォン100に生じた加速度を検出する。加速度センサ115は、例えば、X方向、Y方向、Z方向の夫々における加速度を検知可能な3軸の加速度センサである。なお、加速度センサ115はX軸、Y軸及びZ軸のうちのいずれかの1軸における加速度を検知するものであってもよいが、3軸の加速度センサである方が精度を高める面で好ましい。
【0029】
<スマートフォン100の処理ブロック>
図3は、実施形態に係るスマートフォンの処理ブロックの一例を示す図である。スマートフォン100は、登録部11、歩数算出部12、リスク算出部13、リスク表示部14、歩数データベース15及びユーザ情報データベース16を備える。なお、図中において、データベースは「DB」と記載されている。スマートフォン100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記スマートフォン100の、登録部11、歩数算出部12、リスク算出部13、リスク表示部14、歩数データベース15及びユーザ情報データベース16等の各部としての処理を実行する。
【0030】
登録部11は、ユーザの健康情報の登録を受け付ける。登録部11は、例えば、健康情報の登録を受け付ける受付画面をディスプレイ113に表示させる。そして、登録部11は、当該受付画面を介して入力された健康情報をユーザ情報データベース16に登録する。本実施形態では、登録部11は、例えば、年齢、性別、過去の病歴、運動習慣の夫々を示す情報を健康情報として取得する。
【0031】
図4から
図7は、実施形態において、登録部によってディスプレイに表示される一連の受付画面を例示する図である。一連の入力画面は、
図4に例示される年齢入力画面21、
図5に例示される性別選択画面22、
図6に例示される病歴入力画面23及び
図7に例示される運動習慣入力画面24を含む。
【0032】
図4は、実施形態において、年齢の入力を受け付ける年齢入力画面の一例を示す図である。年齢入力画面21は、年齢入力欄211及びボタン212を含む。年齢入力欄211は、年齢の入力を受け付ける。登録部11は、年齢入力欄211に年齢が入力された状態でボタン212へのタッチ操作を検知すると、年齢入力欄211に入力された年齢をユーザ情報データベース16に登録するとともに、ディスプレイ113に表示させる画面を性別選択画面22に遷移させる。
【0033】
図5は、実施形態において、性別の指定を受け付ける性別選択画面の一例を示す図である。性別選択画面22は、性別の選択を受け付けるラジオボタン群221とボタン222を含む。登録部11は、ラジオボタン群221のいずれかのラジオボタンが選択された状態でボタン222へのタッチ操作を検知すると、選択された性別をユーザ情報データベース16に登録するとともに、ディスプレイ113に表示させる画面を病歴入力画面23に遷移させる。
【0034】
図6は、実施形態において、病歴の入力を受け付ける病歴入力画面の一例を示す図である。病歴入力画面23は、病歴1記入欄231、病歴2記入欄232及びボタン233を含む。登録部11は、病歴1記入欄231及び病歴2記入欄232の少なくとも一方に文字が入力された状態でボタン233へのタッチ操作を検知すると、入力された文字列を病歴としてユーザ情報データベース16に登録するとともに、ディスプレイ113に表示させる画面を運動習慣入力画面24に遷移させる。
【0035】
図7は、実施形態において、運動習慣の入力を受け付ける運動習慣入力画面の一例を示す図である。運動習慣入力画面24は、運動習慣の有無の選択を受け付けるラジオボタン群241及びボタン242を含む。登録部11は、ラジオボタン群241のいずれかのラジオボタンが選択された状態でボタン242へのタッチ操作を検知すると、選択された運動習慣に対する回答をユーザ情報データベース16に登録し、健康情報の登録を完了させる。
【0036】
図8は、実施形態においてユーザ情報データベースに記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。ユーザ情報テーブル161は、「チェック項目」及び「入力値」の各項目を対応付けるテーブルである。「チェック項目」には、一連の受付画面の夫々でユーザに確認する健康情報を示す情報が格納される。「入力値」には、一連の受付画面の夫々で入力された値が格納される。
【0037】
図3に戻り、歩数算出部12は、加速度センサ115からによって検知される加速度を基に、スマートフォン100を所持して歩くユーザの歩数を算出する。歩数算出部12は、算出した歩数を歩数データベース15に登録する。
【0038】
図9は、実施形態において歩数データベースに記憶される時間別歩数管理テーブルの一例を示す図である。時間別歩数管理テーブル151は、「時間帯」及び「歩数」の各項目を対応付けるテーブルである。「時間帯」には、時間帯を示す情報が格納される。「歩数」には、対応付けられた「時間帯」において歩数算出部12が算出した歩数が格納される。
図9の例では、歩数算出部12は、1時間毎の歩数を時間帯と対応付けて時間別歩数管理テーブル151に記憶させる。なお、
図9では、時間帯を1時間毎に区切っているが、各時間帯は1時間未満であってもよいし、1時間より長くてもよい。歩数算出部12は、時間別歩数管理テーブル151に1日分の歩数を格納すると、記憶させた1日分の歩数を集計し、集計した歩数を日別歩数管理テーブル152に格納する。
【0039】
図10は、実施形態において歩数データベースに記憶される日別歩数管理テーブルの一例を示す図である。日別歩数管理テーブル152は、「日」及び「歩数」の各項目を対応付けるテーブルである。「日」には、日付を示す情報が格納される。「歩数」には、対応付けられた「日」において歩数算出部12によって集計された歩数が格納される。
【0040】
リスク算出部13は、ユーザ情報データベース16に登録された健康情報及び歩数データベース15の日別歩数管理テーブル152に格納された歩数に基づいて、ユーザが認知症に罹患するリスクを算出する。リスク算出部13が健康情報及び歩数に基づいて認知症に罹患するリスクを算出するアルゴリズムに限定は無く、公知の様々なアルゴリズムを採用可能である。リスク算出部13は、例えば、ユーザ情報データベース16に登録された健康情報の夫々、直近1か月における1日当たりの平均歩数及び認知症に罹患するリスクを対応付ける対応関係によって算出してもよい。このような対応関係は、数式やテーブルによって実現することができる。以下、本明細書において、このような対応関係をリスク対応関係とも称する。直近1か月における1日当たりの平均歩数は、「歩数情報」の一例である。
【0041】
リスク算出部13は、上記したリスク対応関係を用いる場合、歩数データベース15に登録された歩数を基に、直近1か月における1日当たりの平均歩数を算出する。そして、リスク算出部13は、リスク対応関係にしたがって、ユーザ情報データベース16に登録された健康情報の夫々と算出した平均歩数に対応する、ユーザが認知症に罹患するリスクを算出できる。
【0042】
リスク表示部14は、リスク算出部13によって算出されたリスクをディスプレイ11
3に表示する。
図11は、実施形態において、リスク表示部によって表示されるリスク表示画面の一例を示す図である。リスク表示画面31は、スライダーバー311、歩数表示領域312及びアドバイス表示領域313を含む。
【0043】
スライダーバー311は、スライド軸311a及びスライダー311bを含む。スライド軸311aは、一端が認知症に罹患するリスク0%を示し、他端が認知症に罹患するリスク100%を示す軸である。スライダー311bは、スライド軸311aの一点を示すことで、ユーザが認知症に罹患するリスクを示す指標である。スライダー311bには、
図11に例示されるように、ユーザが認知症に罹患するリスクを示す数値が表示されてもよい。スライダーバー311は、「スライダー」の一例である。スライダー311bは、「指標画像」の一例である。
【0044】
スライド軸311aは、所定の長さに設定される。スライド軸311aに対するスライダー311bの位置p
xは、スライド軸311aの長さb、認知症に罹患するリスクPとすると、例えば、以下の式(1)によって決定することができる。位置p
xは、例えば、スライド軸311aの一端(リスク0%の位置)からのピクセル数である。スライド軸311aの長さbは、例えば、スライド軸311aの一端(リスク0%の位置)から他端(リスク100%の位置)までのピクセル数である。
【数1】
【0045】
歩数表示領域312には、リスク算出部13が算出した1日あたりの平均歩数が表示される。歩数表示領域312には、
図11に例示するように、歩数を算出した日を測定日として表示してもよい。
【0046】
認知症に罹患するリスクは、例えば、ユーザ情報データベース16に登録された健康情報に変化が無い場合、所定期間における平均歩数が少ないほど高まると考えられる。また、平均歩数はユーザにとっても理解しやすい指標であると考えられる。そこで、リスク表示部14は、認知症に罹患するリスクを確率(100分率)で表示するとともに、歩数表示領域312において平均歩数を表示する。
【0047】
アドバイス表示領域313には、認知症に罹患するリスクを低減させるためのアドバイスが表示される。アドバイス表示領域313には、例えば、現在のリスクから10%低減させるための1日あたりの平均歩数が表示される。このような平均歩数は、例えば、上記で説明したリスク対応関係を用いて算出可能である。
【0048】
スライダーバー311のスライダー311bは、タッチ操作に応じてスライド軸311aに沿って移動可能である。
図12及び
図13は、実施形態におけるリスク表示画面において、スライダーを移動させた状態を例示する図である。
図12は、リスクを増加させる方向にスライダー311bを移動させた状態を例示する。また、
図13は、リスクを減少させる方向にスライダー311bを移動させた状態を例示する。また、上記で説明した
図11は、スライダー311bを移動させていない状態を例示しているといえる。
【0049】
図12では、
図11に例示されるリスク「25%」からリスクが増大する方向にスライダー311bが移動されている。リスク表示部14は、移動後のスライダー311bの位置p
xに対応するリスクPを、例えば、以下の式(2)によって算出する。
【数2】
【0050】
リスク表示部14は、式(2)によって算出した認知症に罹患するリスクをスライダー311bに表示する。
図12では、算出したリスクが「50%」である状態が例示されている。さらに、リスク表示部14は、算出したリスクに対応する平均歩数の算出をリスク算出部13に実行させる。
【0051】
リスク算出部13は、例えば、ユーザ情報データベース16に登録された健康情報の夫々と移動後のスライダー311bが示す認知症に罹患するリスクを上記で説明したリスク対応関係にしたがって、リスクに対応する平均歩数を算出することができる。リスク算出部13は、算出した平均歩数をリスク表示部14に渡す。リスク表示部14は、リスク算出部13から受け取った平均歩数を歩数表示領域312に表示すればよい。
【0052】
なお、スライダー311bを認知症に罹患するリスクを増大させればさせるほど平均歩数は減少するため、算出した平均歩数が「0」になることがある。このような場合、リスク表示部14は、平均歩数が「0」になる位置よりもリスクが増大する方向にスライダー311bが移動しないように制限してもよい。
【0053】
リスク表示部14は、さらに、アドバイス表示領域313に表示させるアドバイスを、移動後のスライダー311bが示す認知症に罹患するリスクに応じて更新してもよい。このようなリスク表示部14及びリスク算出部13による処理の結果、
図12に例示されるように、リスク表示画面31が更新される。
【0054】
図13では、
図11に例示されるリスク「25%」からリスクが減少する方向にスライダー311bが移動されている。スライダー311bが移動される場合も、
図12を基に説明したリスクを増大させる方向にスライダー311bを移動させた場合と同様に、平均歩数の算出やリスク表示画面31の更新が行われる。
【0055】
<スマートフォン100の処理フロー>
図14は、実施形態に係るスマートフォンの処理フローの一例を示す図である。なお、スマートフォン100を所持して歩くユーザの歩数は歩数算出部12によって算出され、算出された歩数が歩数データベース15に蓄積されているものとする。以下、
図14を参照して、スマートフォン100の処理フローの一例について説明する。
【0056】
T1では、登録部11は、
図4から
図7によって例示した一連の受付画面をディスプレイ113に表示させ、健康情報の登録を受け付ける。登録部11は、受け付けた健康情報をユーザ情報データベース16に登録する。
【0057】
T2では、リスク算出部13は、歩数データベース15を参照して、直近1か月における1日当たりの平均歩数を算出する。
【0058】
T3では、リスク算出部13は、リスク対応関係にしたがって、T1で登録された健康情報及びT2で算出された平均歩数に対応する、認知症に罹患するリスクを算出する。
【0059】
T4では、リスク表示部14は、T2で算出された平均歩数と、T3で算出したリスクに対応する位置にスライダー311bを配置したスライダーバー311とを含むリスク表示画面31をディスプレイ113に表示させる。そして、タッチ操作に応じてスライダー
311bが移動された場合(T5でYES)、処理はT6に進められる。また、スライダー311bが移動されていない場合(T5でNO)、T5の処理が繰り返される。
【0060】
T6では、リスク表示部14は、移動されたスライダー311bが示す、認知症に罹患するリスクを取得する。
【0061】
T7では、リスク算出部13は、T6で取得された認知症に罹患するリスクに対応する平均歩数を算出する。
【0062】
T8では、リスク表示部14は、T7で取得した平均歩数をディスプレイ113に表示させる。
【0063】
<実施形態の作用効果>
本実施形態において、スマートフォン100は、ユーザ情報データベース16に登録された健康情報及び歩数算出部12によって算出された歩数に基づいて算出された平均歩数に応じた認知症に罹患するリスクを算出する。そして、スマートフォン100は、算出したリスクと平均歩数とを基にリスク表示画面31をディスプレイ113に表示させる。リスク表示画面31では、認知症に罹患するリスクがスライダーバー311上のスライダー311bの位置という直感的に理解しやすい指標によって示される。さらに、リスク表示画面31にはユーザの平均歩数も表示されるため、スマートフォン100は、現状の平均歩数における認知症に罹患するリスクを直感的にユーザに伝えることができる。
【0064】
本実施形態において、スマートフォン100は、タッチ操作に応じてスライダー311bが移動されると、移動後のスライダー311bが示すリスクを取得する。そして、スマートフォン100は、取得したリスクに対応する平均歩数を算出し、算出した平均歩数を含むリスク表示画面31をディスプレイ113に表示させる。例えば、認知症のリスクを低減する方向にスライダー311bが移動された場合、スマートフォン100は、このようなリスク低減を実現する平均歩数をリスク表示画面31に表示することで、ユーザに伝えることができる。すなわち、スマートフォン100は、スライダー311bの移動という直感的な操作に応じて、スライダー311bが示すリスクを実現するための平均歩数をユーザに伝えることができる。
【0065】
本実施形態において、スマートフォン100は、アドバイス表示領域313において、認知症に罹患するリスクを低減させるためのアドバイスが表示される。本実施形態におけるアドバイスでは、認知症に罹患するリスクを10%低減させるための1日あたりの平均歩数が表示される。すなわち、スマートフォン100は、スライダー311bに対する移動を行わなくとも、所定値(ここでは、10%)だけリスクを低減させるための平均歩数をユーザに伝えることができる。
【0066】
<変形例>
実施形態では、認知症に罹患するリスクの算出に直近1か月における1日当たりの平均歩数が採用されたが、認知症に罹患するリスクの算出に採用する歩数は、このような平均歩数に限定されない。歩数は、例えば、直近1か月における累積歩数であってもよいし、直近1週間における1日当たりの平均歩数であってもよいし、直近1か月における累積歩数であってもよい。
【0067】
実施形態では、スライド軸311aの上側にスライダー311bが配置された。しかしながら、スライダー311bの位置はこのような位置に限定されるわけではなく、スライド軸311aと重畳するように配置されてもよいし、スライド軸311aの下側に配置されてもよい。
【0068】
実施形態では、アドバイス表示領域313において、認知症に罹患するリスクを10%低減させるための1日あたりの平均歩数が表示されたが、このような低減させる幅が10%に限定されるわけではない。認知症に罹患するリスクを低減させる幅は、現状のリスクに応じて変動してもよい。認知症に罹患するリスクを低減させる幅は、例えば、現状のリスクが高ければ高いほど、大きい値としてもよい。
【0069】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0070】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0071】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0072】
100:スマートフォン
101:CPU
102:主記憶部
103:補助記憶部
104:通信部
11:登録部
110:筐体
111:スピーカー
112:マイクロフォン
113:ディスプレイ
114:タッチパネル
115:加速度センサ
12:歩数算出部
13:リスク算出部
14:リスク表示部
15:歩数データベース
151:時間別歩数管理テーブル
152:日別歩数管理テーブル
16:ユーザ情報データベース
161:ユーザ情報テーブル
21:年齢入力画面
22:性別選択画面
23:病歴入力画面
24:運動習慣入力画面
31:リスク表示画面
311:スライダーバー
311a:スライド軸
311b:スライダー
312:歩数表示領域
313:アドバイス表示領域