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特許7391798マルチバンド無線チャンネルにおけるライセンスフィードバックを使用したアンライセンス帯域通信のための認知イネーブラを実現する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】マルチバンド無線チャンネルにおけるライセンスフィードバックを使用したアンライセンス帯域通信のための認知イネーブラを実現する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/16 20230101AFI20231128BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20231128BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20231128BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20231128BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W48/18 113
H04W88/06
H04W24/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020143136
(22)【出願日】2020-08-27
(62)【分割の表示】P 2018153353の分割
【原出願日】2014-09-26
(65)【公開番号】P2020205607
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】13186351.6
(32)【優先日】2013-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】110003993
【氏名又は名称】弁理士法人野口新生特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100205981
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】ベンカックマル・ベンカタスブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ハウシュタイン
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-530216(JP,A)
【文献】特開2006-186992(JP,A)
【文献】特表2013-501402(JP,A)
【文献】特許第7139187(JP,B2)
【文献】特表2013-515436(JP,A)
【文献】特開2007-214920(JP,A)
【文献】特開2010-219791(JP,A)
【文献】特開2005-354181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/16
H04W 48/18
H04W 88/06
H04W 24/10
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを送信するための装置(200)とデータを受信するための装置(100)を備えたシステムであって、
前記データを受信するための装置(100)はユーザ端末によって実装され、
前記データを送信するための装置(200)は、
アンライセンススペクトル帯域にある第1チャネルで第1の伝達によりデータを送信するデータ送信機(210)と、
ライセンススペクトル帯域にある第2チャネルで第2の伝達により送信情報を受信する送信情報受信機(220)と、を備え、
前記第2チャネルが前記第1チャネルとは異なり、
前記データを受信するための装置(100)は、
前記第1チャネルで前記データを送信するための装置(200)からデータを受信するデータ受信機(110)と、
前記データを送信するための装置(200)に対して、前記データを送信するための装置(200)を構成するための制御情報を含む送信情報を、前記第2チャネルで送信する送信情報送信機(120)と、を備えており、
前記データを受信するための装置(100)は、前記データを送信するための装置(200)へ、自身の送信情報を送信する他の装置と同時に、自身の送信情報を送信するように構成されており、
前記データを受信するための装置(100)の前記送信情報送信機(120)は、前記第2チャネル内の前記送信情報として、前記データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号を送信するように構成されており、
前記データを送信するための装置(200)の前記送信情報受信機(220)は、前記第2チャネル内の前記送信情報として、データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号を受信するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記アンライセンススペクトル帯域はISMスペクトル帯域である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ライセンススペクトル帯域はUMTS帯域である請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ライセンススペクトル帯域はLTE帯域である請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
データを送信するための装置(200)により、アンライセンススペクトル帯域にある第1チャネルで第1の伝達によりデータを送信するステップと、
データを受信するための装置(100)により前記データを送信するための装置(200)からのデータを前記第1チャネルで受信するステップであって、前記データを受信するための装置(100)はユーザ端末によって実装され、受信するステップと、
前記データを受信するための装置(100)によりライセンススペクトル帯域にある第2チャネルで送信情報を送信するステップと、を含み、
前記第2チャネルは前記第1チャネルとは異なり、
前記データを送信するための装置(200)は前記第2チャネルで前記送信情報を受信し、
前記送信情報は前記データを送信するための装置(200)を構成するための制御情報であり、
前記データを受信するための装置(100)は、前記データを送信するための装置(200)へ、自身の送信情報を送信する他の装置と同時に、自身の送信情報を送信し、
前記データを受信するための装置(100)の送信情報送信機(120)は、前記第2チャネル内の前記送信情報として、前記データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号を送信し、
前記データを送信するための装置(200)の送信情報受信機(220)は、前記第2チャネル内の前記送信情報として、データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号を受信する、方法。
【請求項6】
コンピュータ又は信号プロセッサ上で実行されるときに請求項5に記載の方法を実施するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンライセンス帯域通信に関し、特に、マルチバンド無線チャンネルにおけるライセンスフィードバックを使用したアンライセンス帯域通信のための認知イネーブラを実現する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンライセンス帯域通信はますます重要になってきている。アンライセンス帯域通信の例は、「アンライセンス全米情報インフラストラクチャ」(U-NII)帯域と呼ばれるアンライセンス帯域において動作可能なワイヤレスネットワーク、例えば商用ワイヤレスネットワークである。
【0003】
アンライセンス帯域におけるワイヤレスネットワーキングの一般的な標準例は、ワイヤレスLAN-Wi-Fi, IEEE 802.11 (a/b/g/h/j/n)である。現在、欧州における動作帯域は、2.412GHz~2.472GHz、5.24GHz~5.680GHzである。これらの現行のワイヤレスLAN(ローカルエリアネットワーク)規格は、時分割複信(TDD)において動作する。
【0004】
しかしながら、将来において、何らかのライセンス帯域さえ、二次的なオペレータによって一時的にアクセスされ、それらの帯域が物理層において実質的にアンライセンスになる可能性がある。
【0005】
効率的なリンク動作を可能にするために、物理層(PHY層)は、チャネル状態情報を受信機から送信機に転送する必要がある。
【0006】
時分割複信(TDD)アンライセンス帯域のチャネル状態情報は、相反原理によって推定でき、この事例においては、チャネルフィードバックは黙示的に搬送される。しかしながら、この情報の信頼性は、ほぼ間違いなく不明確である。
【0007】
そうでない場合、明示的なフィードバック情報は、送信機に対する送信機からの要求を受けた受信機によるものであり、タイムスロットが送信機によって取得される必要がある。
【0008】
他方、マルチユーザMIMO(MIMO=多入力多出力)のような強化物理層は、多くのワイヤレスシステムに対して既に実装されており、アンライセンス帯域通信に利用することができる。この目的のために、マルチユーザMIMOのチャネル品質又はプレコーディング情報を、短期間内に複数のデバイスから作成しなければならない。
【0009】
現在、ワイヤレスLANのようなアンライセンス帯域におけるMAC(媒体アクセス制御)動作について、送信要求(RTS)信号及び送信可(CTS)信号による衝突回避メカニズムが、それぞれ受信機及び送信機によって送信される。パケット肯定応答(ACK)が、データペイロードと時間分割方式でアンライセンス帯域において送信される。加えて、デバイスは、ACK及びHARQ(ハイブリッド自動反復要求)パケットのような重要な情報を送信するために使用される媒体を確保するために、ネットワーク割り当てベクトル(NAV)を送信することができる。
【0010】
欠点は、例えば、アンライセンス帯域においては別の予期せぬワイヤレスリンクのデータ送信が、進行中のワイヤレスリンクの制御シグナリングに不利に干渉する可能性があることである。その上、この干渉を抑制するために、チャネル競合が制御パケットにも必要とされる。さらに、各デバイスからのチャネル品質も、時間的に別個に行われる必要があり、マルチユーザMIMO通信に関する問題が悪化する。その上、たとえチャネル品質が搬送される場合であっても、これは送信機において高い信頼性をもって受信されなければならない。さらに複雑なことに、チャネルが競合しながら利用されるときは、送信機が、与えられた時間でいずれか一方(すなわち、制御、データ又はチャネル品質のいずれか)しか送信することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、改善された通信概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、請求項1による装置、請求項8による装置、請求項15によるシステム、請求項18による方法、請求項19による方法、請求項20による方法、及び、請求項21によるコンピュータプログラムによって解決される。
【0013】
データを受信するための装置が提供される。
【0014】
装置は、データを受信するためのデータ受信機を備え、データは第1チャネルにおいて第1の伝達により送信される。
【0015】
さらに、装置は、第2チャネルにおいて第2の伝達により送信情報を送信するための送信情報送信機を備える。送信情報は第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は送信情報は第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。
【0016】
第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0017】
一実施形態において、第1チャネルは、アンライセンススペクトル帯域内に位置してもよく、第2チャネルは、ライセンススペクトル帯域内に位置する。
【0018】
一実施形態によれば、アンライセンススペクトル帯域は、ISMスペクトル帯域であってもよい。ライセンススペクトル帯域は、LTE帯域、UMTS帯域又はGPRS帯域であってもよい。
【0019】
一実施形態において、送信情報送信機は、第2チャネル内の送信情報として、データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号、又はさらなるデータが送信されるべきであることを示す送信要求(RTS)信号を送信するように構成されている。
【0020】
さらに、データを送信するための装置が提供される。
【0021】
装置は、第1チャネルにおいて第1の伝達によりデータを送信するためのデータ送信機を備える。
【0022】
さらに、装置は、第2の伝達によって第2チャネルにおいて送信情報を受信するための送信情報受信機を備える。送信情報は第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は送信情報は第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。
【0023】
第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0024】
一実施形態によれば、第1チャネルはアンライセンススペクトル帯域内に位置してもよく、第2チャネルはライセンススペクトル帯域内に位置する。
【0025】
一実施形態において、アンライセンススペクトル帯域は、ISMスペクトル帯域であってもよい。ライセンススペクトル帯域は、LTE帯域、UMTS帯域又はGPRS帯域であってもよい。
【0026】
一実施形態によれば、送信情報受信機は、第2チャネル内の送信情報として、データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号、又はさらなるデータが送信されるべきであることを示す送信可(RTS)信号を受信するように構成されてもよい。
【0027】
さらに、システムが提供される。そのシステムは、データを送信するための一実施形態による装置と、データを受信するための一実施形態による装置とを備える。
【0028】
データを送信するための装置のデータ送信機は、第1チャネルにおいて第1の伝達によりデータを送信するように構成されている。データを受信するための装置のデータ受信機は、データを受信するように構成されている。データを受信するための装置の送信情報送信機は、第2チャネルにおいて第2の伝達により送信情報を送信するように構成されており、送信情報は第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は送信情報は第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。データを送信するための装置の送信情報受信機は、送信情報を受信するように構成されている。
【0029】
第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0030】
一実施形態によれば、システムは、データを受信するための装置を第1の端末として備えてもよい。システムは、データを受信するための別の装置を第2の端末としてさらに備えてもよい。第1の端末の送信情報送信機は、第2チャネルにおいて第1の伝達情報を送信するように構成されてもよい。第2の端末の送信情報送信機は、第2チャネルにおいて第2の伝達情報を送信するように構成されてもよい。したがって、第1の伝達情報及び第2の伝達情報は同じチャネル、すなわち、第2チャネルにおいて送信される。
【0031】
一実施形態において、システムは、データを受信するためのさらなる装置を第3の端末としてさらに備えてもよい。第1の端末の送信情報送信機は、第2チャネルにおいて第1の伝達情報を送信するように構成される。第3の端末の送信情報送信機は、第1チャネル及び第2チャネルとは異なる第3のチャネルにおいて第3の送信情報を送信するように構成される。
【0032】
さらに、データを受信するための方法が提供される。その方法は、
- データを受信するステップであって、そのデータは、第1チャネルにおいて第1の伝達により送信されるステップと、
- 第2チャネルにおいて第2の伝達により送信情報を送信するステップと、を含む。
【0033】
送信情報は第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は送信情報は第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0034】
さらに、データを送信するための方法が提供される。方法は、
- データを送信するステップであって、そのデータは、第1チャネルにおいて第1の伝達により送信されるステップと、
- 第2チャネルにおいて第2の伝達により送信情報を受信するステップと、を含む。
【0035】
送信情報は、第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は、送信情報は、第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0036】
さらに、方法が提供される。方法は、
- 第1チャネルにおいて第1の伝達によりデータを送信するステップと、
- データを受信するステップと、
- 第2チャネルにおいて第2の伝達により送信情報を送信するステップであって、送信情報が第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は送信情報が第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報であるステップと、
- 送信情報を受信するステップと、を含む。
【0037】
第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0038】
さらに、コンピュータ又は信号プロセッサ上で実行されるときに、上述した方法を実施するためのコンピュータプログラムが提供される。
【0039】
実施形態は、コグニティブ無線設定においてマルチバンド端末をサポートする無線アーキテクチャのための通信プロトコルを提供する。マルチバンド無線端末は、通信のために同時に複数の帯域上で送信及び受信することができるものである。そうするために、デバイスは、アンライセンス帯域で、かつ時分割複信(TDD)において動作可能ないくつかの複数の帯域と、ライセンス帯域であり、かつ周波数分割複信(FDD)において動作可能ないくつかの他の帯域と、にアクセスすることができる。デバイスは、スペクトルのホワイトスペース、例えば、デジタル分配帯域に基づいてオーバーレイとしてライセンススペクトルにアクセスしていてもよい。
【0040】
実施形態は、このアンライセンス帯域及びライセンス帯域の二重の通信シナリオを利用するためのプロトコルソリューションを提供する。例えば、実施形態は、アンライセンス帯域の無線リソースをより良好に管理するための制御シグナリングの高信頼の送信のための概念を提供する。さらに、実施形態は、アンライセンス帯域の高信頼のチャネル品質フィードバックのための概念を提供する。そのため、そのフィードバックは、干渉の影響をより受けにくく、同時に、より高速のチャネル更新をもたらすことが可能である。さらに、実施形態は、パケット再送メカニズム(例えば、ACK、NACK、HARQ)における効率を改善するための概念を提供する。
【0041】
実施形態は、アンライセンス帯域端末の物理(PHY)及び媒体アクセス制御(MAC)に関する。ほとんどのワイヤレスネットワークにおいて、通常、MAC層の役割は、複数の端末が与えられた周波数帯域設定にアクセスしようとするときに、ワイヤレスリソースをより良好に利用することであり、一方で、PHYは送信可能性に適合することができる。
【0042】
しかしながら、アンライセンス帯域におけるMACの動作は特に困難となり得る。なぜなら、アンライセンス帯域端末を組織化するためのフレームワークをリアルタイムで実現することは困難な可能性があるからである。実施形態は、そのようなフレームワークを展開するための基礎としての役割を果たすことができる通信方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】一実施形態によるデータを受信するための装置の図である。
図2】一実施形態によるデータを送信するための装置の図である。
図3】一実施形態によるシステムの図である。
図4】一実施形態によるTDDアンライセンス帯域のためのマルチバンド無線におけるFDDフィードバック方法を示す図である。
図5】セルラ基地局を介した2つのワイヤレスLANネットワークの間の協調を示す無線ネットワークを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下において、本発明の実施形態を、図面を参照してより詳細に説明する。
【0045】
図2は、一実施形態によるデータを送信するための装置200を示す。
【0046】
装置200は、データを送信するためのデータ送信機210を備える。データ送信機210は、第1チャネルにおいて第1の伝達によりデータを送信するように構成されている。
【0047】
さらに、装置200は、送信情報を受信するための送信情報受信機220を備える。送信情報は、第2チャネルにおいて第2の伝達により送信される。送信情報は第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は送信情報は第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。
【0048】
第2チャネルは第1チャネルとは異なる。言い換えれば、第1の伝達において送信されるデータは、送信情報が受信されるチャネルとは異なるチャネルにおいて送信される。
【0049】
一実施形態によれば、第1チャネルは、アンライセンススペクトル帯域内に位置してもよく、第2チャネルは、ライセンススペクトル帯域内に位置する。言い換えれば、データはアンライセンススペクトル帯域において送信され、送信情報はライセンススペクトル帯域において送信される。
【0050】
一実施形態において、アンライセンススペクトル帯域は、ISMスペクトル帯域であってもよい。ライセンススペクトル帯域は、LTE(ロングタームエボリューション)帯域、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム)帯域又はGPRS(汎用パケット無線サービス)帯域であってもよい。
【0051】
送信情報はデータが送信された第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報であるか、又は、送信情報は第1の伝達に応じて決まる制御情報である。制御情報は、例えば、第2チャネル内の送信情報としての、データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号、又は、さらなるデータが送信されるべきであることを示す送信可(RTS)信号であってもよい。
【0052】
第1チャネルにおいて送信されるデータは、例えば、ユーザデータであってもよい。
【0053】
図1は、一実施形態によるデータを受信するための装置100を示す。
【0054】
装置100は、データを受信するためのデータ受信機110を備える。データは、第1チャネルにおいて第1の伝達により送信される。
【0055】
その上、装置100は、送信情報を送信するための送信情報送信機120を備える。送信情報送信機120は、第2の伝達によって第2チャネルにおいて送信情報を送信するように構成される。送信情報は、第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は、送信情報は、第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。
【0056】
第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0057】
一実施形態において、第1チャネルは、アンライセンススペクトル帯域内に位置してもよく、第2チャネルは、ライセンススペクトル帯域内に位置する。
【0058】
一実施形態によれば、アンライセンススペクトル帯域は、ISMスペクトル帯域であってもよい。ライセンススペクトル帯域は、LTE帯域、UMTS帯域又はGPRS帯域であってもよい。
【0059】
一実施形態において、送信情報送信機120は、第2チャネル内の送信情報として、データが受信されたことを示すパケット肯定応答(ACK)信号、又は、さらなるデータが送信されるべきであることを示す送信要求(RTS)信号を送信するように構成されている。
【0060】
図3は、一実施形態によるシステムを示す。
【0061】
システムは、データを送信するための一実施形態による装置200と、データを受信するための一実施形態による装置100とを備える。
【0062】
データを送信するための装置200のデータ送信機210は、第1チャネルにおいて第1の伝達によりデータを送信するように構成されている。データを受信するための装置100のデータ受信機110は、データを受信するように構成されている。
【0063】
データを受信するための装置100の送信情報送信機120は、第2チャネルにおいて第2の伝達により送信情報を送信するように構成されており、送信情報は第1の伝達に応じて決まる制御情報であるか、又は、送信情報は第1チャネルのチャネル品質を示すチャネル品質情報である。
【0064】
データを送信するための装置200の送信情報受信機220は、送信情報を受信するように構成されている。第2チャネルは第1チャネルとは異なる。
【0065】
一実施形態によれば、システムは、データを受信するための装置を第1の端末として備えてもよい。システムは、データを受信するための別の装置を第2の端末としてさらに備えてもよい。第1の端末の送信情報送信機は、第2チャネルにおいて第1の伝達情報を送信するように構成されてもよい。第2の端末の送信情報送信機は、第2チャネルにおいて第2の伝達情報を送信するように構成されてもよい。したがって、第1の伝達情報及び第2の伝達情報は同じチャネル、すなわち、第2チャネルにおいて送信される。
【0066】
一実施形態において、システムは、データを受信するためのさらなる装置を第3の端末としてさらに備えてもよい。第1の端末の送信情報送信機は、第2チャネルにおいて第1の伝達情報を送信するように構成される。第3の端末の送信情報送信機は、第1チャネル及び第2チャネルとは異なる第3のチャネルにおいて第3の送信情報を送信するように構成される。
【0067】
実施形態によれば、アンライセンススペクトル内の通信リンクに対応する制御信号(一種の送信情報)は、デバイスのベースバンド装置において分離され、特別にライセンスされている周波数を利用して異なる無線周波数チェーン(RFチェーン)内の異なる周波数帯域を介して送信される。現在ワイヤレスネットワークの広く使用されているアンライセンススペクトル帯域のいくつかは、ISM帯域2.4GHz、5.2GHz(ISM=産業、科学及び医療)であり、一方で、ライセンス帯域は、2.6GHz LTE帯域であり得る。ライセンス周波数の一部は、周知のセルラ帯域に属し得るか、又は、コグニティブデバイスによるオーバーレイホワイトスペースアクセスであり得る。
【0068】
したがって、実施形態は、以下のような効率的な動作を可能にする、すなわち、RTS/CTSメカニズムに基づいてTDD/アンライセンスモードでデータ送信が継続している間、フィードバックと制御データが、周波数分割多重化モードでライセンスチャネルを介して同時になされる。フィードバック及び制御データは、チャネル品質、チャネル割り当て情報及びRTS/CTSシグナリング自体を搬送するものである。例えば、フィードバック及び制御データは送信情報である。
【0069】
複数のライセンス及びアンライセンス帯域の同時動作をサポートするデバイスハードウェアにより、WLANアクセスポイント及び受信機での複数の周波数帯域の送信及び受信が可能になると想定できる。そのような通信概念は下記の図面において示されており、ダウンリンク制御及びアップリンク制御が、対になったライセンススペクトルを使用してFDMAにおいて実施され、一方でデータ通信はアンライセンス帯域において行われる。
【0070】
現行の技術水準において、MACプロトコルは、アンライセンス帯域における媒体アクセスについて、競合ベースのメカニズムに依拠する。競合ベースのメカニズムにおいて、目的は、送信帯域幅を同時に一者のユーザ及びアクセスポイントに割り当てることである。多くのユーザを有するワイヤレスLANネットワークは一般的に、RTS及びCTSシグナリングとともに、キャリア検知メカニズムを利用する。
【0071】
現行の技術水準のメカニズムには、ワイヤレスLANアクセスポイントが一度に一者のユーザにしか送信しないという欠点があり、さらに、2つの近接するアクセスポイントが周波数帯域を再使用することができないという欠点がある。例えば、2つの隣接するアクセスポイントが手動でチャネル11に設定されたとすると、先着順の原則に基づいて一時点に2つのうちの一方しか、アクセスを得られないことになる。
【0072】
アンライセンス帯域における媒体アクセスのために競合ベースのメカニズムに依拠する現行の技術水準のMACプロトコルの制約を克服するために、提案されているプロトコル内で、実施形態は、WLAN端末及びアクセスポイントの両方からの帯域外シグナリング(ライセンス帯域における)を通じてチャネル品質フィードバックを提供する。
【0073】
図4は、一実施形態によるTDDアンライセンス帯域のためのマルチバンド無線におけるFDDフィードバック方法を示す図である。
【0074】
実施形態によれば、例えば、図4の実施形態によれば、チャネルフィードバックが提供される。
【0075】
実施形態は、既存及び将来のアンライセンススペクトルにおけるマルチユーザダウンリンク送信を可能にする。ここで、マルチユーザ送信とは、所与のOFDMシンボル(OFDM=直交周波数分割多重化)で複数のユーザに同時に送信することによる、OFDMA(直交周波数分割多元接続)の概念を指す。
【0076】
図4はこの可能性を示しており、ユーザ1及び2が同時にダウンリンクデータを受信することができる。
【0077】
図4において、データは(ユーザ)端末1及び(ユーザ)端末2について、第1チャネルにおいて送信される。
【0078】
一方、送信情報(制御及びチャネルフィードバック)は、(ユーザ)端末1及び(ユーザ)端末2について、第2チャネルにおいて送信される。ユーザ端末1及びユーザ端末2について、送信情報は同じ第2チャネルにおいて送信される。
【0079】
しかしながら、端末3及び端末4の送信情報は、異なる第3のチャネルにおいて送信される。
【0080】
同じライセンスフィードバックメカニズムも、アンライセンス帯域においてユーザ1、2及びユーザ端末3、4に対しマルチユーザMIMOを実行するために利用され得る。
【0081】
このライセンスフィードバックプロトコルのさらなる利点は、たとえ何らかの他の近傍の送信機が進行中のデータ送信に干渉する可能性があったとしても、干渉レベルやチャネル品質の情報に基づき、通信を維持することができることである。この干渉レベル及びチャネル品質の情報は、ライセンススペクトルを使用して高い信頼性をもって伝達される。
【0082】
したがって、隣接するアクセスポイントが干渉し得るとしても、周波数帯域の部分帯域上でサポート可能な変調及び符号化に関する情報が、それらの関連するアクセスポイントに確実に通される。
【0083】
図5は、セルラ基地局を介した2つのワイヤレスLANネットワークの間の協調を示す無線ネットワークを示す。破線は、アンライセンス帯域で送信されるべきデータに対するフィードバック及び制御シグナリングのためのライセンススペクトル上での通信を表す。実線は、アンライセンス帯域上で送信されるデータを示す。
【0084】
図5において、ネットワークコントローラ、アクセスポイント(AP1、AP2)及びユーザ端末(ユーザ端末1、ユーザ端末2)が示されている。それらの各々は、例えば、上述したようなデータを受信するための装置、又は、上述したようなデータを送信するための装置として実装されてもよい。
【0085】
図面に示すような構成の新たな特徴の1つは、例えば、多くのデバイスが、ライセンス周波数チャネルを介して同時にそれぞれのアクセスポイント(AP1、AP2)にフィードバックを通信することである。例えば、ネットワークコントローラは干渉されることなくそれらの周波数も読み取ることができるため、アクセスポイントにとって利用可能なだけでなく近傍のネットワークコントローラにとっても利用可能なフィードバックを搬送することによる、この手法に対するさらなる改良が示されている。ネットワークコントローラは翻って、前述した同じライセンス帯域上で通信することによってアクセスポイント間のコーディネータとしての役割を果たすことができる。
【0086】
ライセンス帯域でワイヤレスLAN機器から送信されるフィードバックや制御データは、以下のうちの1つ又は複数を含む。
【0087】
制御:RTS/CTSシグナリング、ユーザ認証メカニズム(例えば、認証及びキー合意プロトコル)、アプリケーション層関連情報(セグメント祠、サービスの優先度)、サービス品質属性、端末同期関連情報。
【0088】
フィードバック:量子化又は完全チャネル情報、変調及び符号化値、ACK/NACKフィードバック、符号化データパケットの周期的冗長検査(CRC)、ハイブリッド自動反復要求(H-ARQ)のパリティビット、パケット期限タイムスタンプ。
【0089】
記載されている実施形態は、大きな利点を提供する。例えば、データのACK/NACKの衝突が回避される。その上、周波数部分帯域におけるチャネル品質のフィードバックが、アクセスポイントにおけるアンライセンス帯域内でのマルチユーザスケジューリング及びマルチユーザMIMOを可能にする。さらに、ライセンス帯域における干渉協調のために、フィードバック及び制御データの信頼性が改善される。その上、フィードバックデータ送信用の無干渉ライセンスチャネルで、より高いスペクトル効率が使用される。
【0090】
いくつかの態様を装置の側面で説明してきたが、これらの態様は対応する方法の説明をも表すことは明らかであり、ブロック又はデバイスが、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法ステップの側面で説明されている態様も、対応するブロックもしくは項目又は対応する装置の特徴の説明を表す。
【0091】
本発明の分解された信号は、デジタル記憶媒体に記憶することができ、又は、インターネットのような、ワイヤレス送信媒体又は有線送信媒体のような送信媒体上で送信することができる。
【0092】
特定の実施要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェアにおいて実装することができる。実施態様は、それぞれの方法が実施されるように、プログラム可能コンピュータシステムと協働する(又は協働可能である)電子可読制御信号を記憶されている、デジタル記憶媒体、例えば、フロッピーディスク、DVD、CD、ROM、PROM、及びEPROM、EEPROM又はフラッシュメモリを使用して実施することができる。
【0093】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書において説明されている方法の1つが実施されるように、プログラム可能コンピュータシステムと協働可能である、電子可読制御信号を有する持続性データキャリアを含む。
【0094】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で作動するとき方法の1つを実施するように動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリア上に記憶されてもよい。
【0095】
他の実施形態は、機械可読キャリア上に記憶されている、本明細書において説明されている方法の1つを実施するためのコンピュータプログラムを含む。
【0096】
言い換えれば、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で作動するとき、本明細書において説明されている方法の1つを実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0097】
それゆえ、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書において説明されている方法の1つを実施するためのコンピュータプログラムを記録したデータキャリア(又はデジタル記憶媒体、又はコンピュータ可読媒体)である。
【0098】
それゆえ、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書において説明されている方法の1つを実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号シーケンスである。データストリーム又は信号シーケンスは、例えば、データ通信接続を介して、例えば、インターネットを介して転送されるように構成されてもよい。
【0099】
さらなる実施形態は、本明細書において説明されている方法の1つを実施するように構成され又は適合されている処理手段、例えば、コンピュータ又はプログラム可能論理デバイスを含む。
【0100】
さらなる実施形態は、本明細書において説明されている方法の1つを実施するためのコンピュータプログラムをインストールされているコンピュータを含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、本明細書において説明されている方法の機能のいくつか又はすべてを実施するために、プログラム可能論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書において説明されている方法の1つを実施するためにマイクロプロセッサと協働することができる。一般的に、方法は好ましくは、任意のハードウェア装置によって実施されてもよい。
【0102】
上述した実施形態は、本発明の原理の例示にすぎない。本明細書において説明されている構成及び詳細の修正及び変形が当業者には明らかになることが理解される。それゆえ、本明細書における実施形態の記述及び説明として提示されている特定の詳細ではなく、添付の特許請求項の範囲のみによって限定されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5