(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 9/028 20060101AFI20231128BHJP
H01G 9/00 20060101ALI20231128BHJP
H01G 9/15 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H01G9/028 G
H01G9/00 290H
H01G9/15
H01G9/028 F
(21)【出願番号】P 2020167248
(22)【出願日】2020-10-01
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】大橋 赳太
(72)【発明者】
【氏名】多田 勝
(72)【発明者】
【氏名】峯村 英利
(72)【発明者】
【氏名】森石 亮治
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-021453(JP,A)
【文献】特開2017-017182(JP,A)
【文献】特開2018-164024(JP,A)
【文献】特開2018-164009(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103617(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/028
H01G 9/00
H01G 9/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体酸化皮膜を有する陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置されたセパレータと、前記誘電体酸化皮膜上に形成された導電性高分子層とを有する固体電解コンデンであり、
ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種に亜リン酸および/または亜リン酸塩を含ませた保護層が、前記導電性高分子層の上に形成され、
前記保護層は、亜リン酸および/または亜リン酸塩を0.25wt%以上2.0wt%以下含有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項2】
前記ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびエチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項3】
誘電体酸化皮膜を有する陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置されたセパレータとを有する固体電解コンデンサの製造方法であり、
前記誘電体酸化皮膜の上に導電性高分子層を形成する第1工程と、
前記第1工程後、導電性高分子層が形成された陽極を、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種と、亜リン酸および/または亜リン酸塩とを含む液に浸した後、乾燥させ保護層を形成する第2工程とを備え、
前記第2工程で用いられる前記液は、亜リン酸および/またはその塩を0.25wt%以上2.0wt%以下含有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解コンデンサとして、誘電体酸化皮膜を有する陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に配置されたセパレータとを有するコンデンサ素子を備えた固体電解コンデンサが知られている。特許文献1には、コンデンサ素子に、電解質として、少なくとも1回、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸を基本組成とするポリマー分散体溶液を含浸および乾燥させることにより、導電性高分子層が形成された固体電解コンデンサが記載されている。この導電性高分子層には、亜リン酸塩またはその塩が含有されている。この導電性高分子層により、特許文献1に記載の固体電解コンデンサは、漏れ電流(L.C.)低減効果を有しつつ、低い等価直列抵抗(E.S.R.)を維持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、固体電解コンデンサには、漏れ電流低減効果を有することに加え、従来のコンデンサより高い耐湿性が求められている。高い耐湿性とは、例えば、高湿度環境下で低い等価直列抵抗を維持できることである。
【0005】
本発明の目的は、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来のコンデンサより耐湿性が高い固体電解コンデンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置されたセパレータと、前記誘電体酸化皮膜上に形成された導電性高分子層とを有する固体電解コンデンサであり、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種に亜リン酸および/または亜リン酸塩を含ませた保護層が前記導電性高分子層の上に形成され、前記保護層は、亜リン酸および/または亜リン酸塩を0.25wt%以上2.0wt%以下含有する。
【0007】
本発明によると、導電性高分子層の上に、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種を含む保護層が形成されている。この保護層に、亜リン酸および/または亜リン酸塩が含まれている。
保護層に亜リン酸および/または亜リン酸塩が含まれていることにより、漏れ電流低減効果が得られる。
【0008】
また、高湿度環境下では、コンデンサの外部から内部へ水分が流入しやすい。本発明者らの知見から、従来の、亜リン酸またはその塩が含有された導電性高分子層を有する固体電解コンデンサでは、コンデンサの外部から流入した水分が導電性高分子層に吸湿されやすいことがわかった。水分が導電性高分子層に吸湿された場合、導電性高分子層の導電性が低下することによって、等価直列抵抗が高くなるおそれがある。
本発明によると、外部から流入した水分が、導電性高分子層上の保護層に含まれる亜リン酸および/またはその塩に優先的に吸湿されることにより、水分が導電性高分子層に吸湿されにくいと考えられる。これにより、高湿度環境下で導電性高分子層の導電性が低下しにくいため、高湿度環境下で、低い等価直列抵抗が維持できることがわかった。
【0009】
上記より、本発明の固体電解コンデンサによると、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来のコンデンサより耐湿性が高い。
【0010】
上記固体電解コンデンサにおいて、前記ポリアルキレングリコールおよび/またはポリアルキレングリコールの誘導体は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体、および、これらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ポリアルキレングリコールおよび/またはポリアルキレングリコールの誘導体として、入手しやすい上記化合物ならびに/もしくはポリグリセリンおよび/またはポリグリセリンの誘導体を使用することによって、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来のコンデンサより耐湿性が高い固体電解コンデンサとなる。
【0011】
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜を有する陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置されたセパレータとを有する固体電解コンデンサの製造方法であり、前記誘電体酸化皮膜の上に導電性高分子層を形成する第1工程と、前記第1工程後、導電性高分子層が形成された陽極を、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種と、亜リン酸および/または亜リン酸塩とを含む液に浸した後、乾燥させ保護層を形成する第2工程とを備え、前記第2工程で用いられる前記液は、亜リン酸および/またはその塩を0.25wt%以上2.0wt%以下含有する。
【0012】
上記方法により、導電性高分子層上に、亜リン酸および/またはその塩を含む保護層が形成される。この保護層を有する固体電解コンデンサは、上述したように、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来のコンデンサより耐湿性が高いコンデンサである。
したがって、上記方法により、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来のコンデンサより耐湿性が高い固体電解コンデンサが得られる。
【0013】
上記方法において、前記ポリアルキレングリコールおよび/またはポリアルキレングリコールの誘導体は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体、およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ポリアルキレングリコールおよび/またはポリアルキレングリコールの誘導体として、入手しやすい上記化合物ならびに/もしくはポリグリセリンおよび/またはポリグリセリンの誘導体を使用することによって、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来のコンデンサより耐湿性が高い固体電解コンデンサが得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来のコンデンサより耐湿性が高い固体電解コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの要部切断正面図である。
【
図2】
図1に示すコンデンサ素子の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
固体電解コンデンサ1は、
図1に示すように、外装ケース2と、外装ケース2に収容されたコンデンサ素子3と、外装ケース2の開口を封止した封口体4とを備えている。
【0018】
コンデンサ素子3は、
図2に示すように、陽極11と、陰極12と、陽極11および陰極12の間に配置されたセパレータ13とを有する。陽極11および陰極12はセパレータ13を介して円筒形に巻回され、外周面に貼り付けられたテープ14により巻止めされている。
【0019】
陽極11および陰極12にはそれぞれ図示しないリードタブが接続されている。陽極11は、リードタブを介して、リード端子21に接続されている。陰極12は、リードタブを介して、リード端子22に接続されている。リード端子21およびリード端子22は、それぞれ、
図1に示すように、封口体4に形成された孔31および孔32を通って外部に引き出されている。
【0020】
陽極11は、表面に誘電体である誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属である。弁作用金属として、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブおよびチタンから構成される群より選択される少なくとも1つが挙げられる。誘電体酸化皮膜は、例えば、弁作用金属の箔の表面をエッチング処理により粗面化した後、化成処理を施すことによって形成される。
【0021】
陰極12は、弁作用金属を用いて形成されている。陰極12として、例えば、弁作用金属箔の表面をエッチング処理により粗面化した箔、または、粗面化後、化成処理を施した箔が使用される。陰極12として、エッチング処理を施さないプレーン箔を使用してもよい。陰極12として、前記粗面化箔もしくはプレーン箔の表面に、チタン、ニッケル、チタン炭化物、ニッケル炭化物、チタン窒化物、ニッケル窒化物、チタン炭窒化物およびニッケル炭窒化物からなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属薄膜が形成されたコーティング箔を使用してもよい。また、陰極12として、粗面化箔もしくはプレーン箔の表面にカーボン薄膜が形成されたコーティング箔を使用してもよい。
【0022】
セパレータ13の材質は特に限定されない。セパレータ13として、例えば、セルロースを主体とするものを使用してもよい。
【0023】
陽極11の誘電体酸化皮膜の上に、導電性を有する導電性高分子層が形成されている。導電性高分子は、特に限定されない。導電性高分子には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンまたはそれらの誘導体が用いられる。導電性高分子として、一般的に、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が用いられる。ドーパントとして、一般的に、p-トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等が用いられる。また、導電性高分子層の形成方法は、特に限定されない。導電性高分子層の形成方法には、例えば、導電性高分子を溶媒に分散させたポリマー分散体溶液や導電性高分子を溶媒に溶解させた導電性高分子溶液に、陽極11を浸漬または含浸した後、溶媒を除去して形成する方法や、陽極11の誘電体酸化皮膜上に化学重合や電解重合によって形成する方法が用いられる。
【0024】
導電性高分子層の上に、保護層が形成されている。この保護層は、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種に亜リン酸(H3PO3)および/または亜リン酸塩を含ませた層である。保護層は、セパレータの上にも形成されていてよい。保護層は、セパレータ内にも形成されていてよい。保護層は、陽極の上にも形成されていてよい。保護層は、陰極の上にも形成されていてよい。
【0025】
上記ポリアルキレングリコールは、アルコールにアルキレンオキサイドが付加重合したものである。しかし、上記ポリアルキレングリコールとして、多価アルコールを共重合または重合したものを使用してもよい。ここでの多価アルコールは、2つ以上のヒドロキシ基を有し、且つ、2つ以上のヒドロキシ基がそれぞれ異なる炭素に結合したものである。多価アルコールを共重合または重合したものとして、例えば、2価アルコールを共重合または重合したもの、3価アルコールを共重合または重合したもの、2価アルコールおよび3価アルコールを共重合したものが挙げられる。
ポリアルキレングリコールは、アルコールに2種以上のアルキレンオキサイドが付加重合したものでもよい。アルキレンオキサイドの水素は、ヒドロキシ基等の置換基に置換されていてもよい。ポリアルキレングリコールとして、2種以上の多価アルコールが共重合したものを使用してもよい。ポリアルキレングリコールとして、1種の多価アルコールが重合したものを使用してもよい。
ポリアルキレングリコールの炭素数は、特に限定されない。ポリアルキレングリコールに、1種または2種以上のオキシアルキレン基が含まれていてもよい。このオキシアルキレン基の水素は、ヒドロキシ基等の置換基に置換されていてもよい。ポリアルキレングリコールに、アルキレン基が含まれていてもよい。このアルキレン基の水素は、ヒドロキシ基等の置換基に置換されていてもよい。
ポリアルキレングリコールの数平均分子量は400~4000が好ましい。ポリアルキレングリコールは、特定の化合物に限定されない。
【0026】
ポリアルキレングリコールの誘導体とは、例えば、ポリアルキレングリコールの2つの末端の水酸基の一方または両方が、エーテル化、エステル化、ハロゲン化、アミノ化、カルボニル化したものである。ポリアルキレングリコールの誘導体とは、例えば、ポリアルキレングリコールの2つの末端の一方または両方に、アミノ基、カルボキシル基などの官能基を有する化合物である。
【0027】
ポリグリセリンは、グリコールが重合したものである。ポリグリセリンの炭素数は、特に限定されない。ポリグリセリンの数平均分子量は400~4000が好ましい。ポリグリセリンは、特定の化合物に限定されない。
【0028】
ポリグリセリンの誘導体とは、例えば、ポリグリセリンの3つの末端の水酸基の2つの末端の水酸基の一方または両方が、エーテル化、エステル化、ハロゲン化、アミノ化、カルボニル化したものである。ポリグリセリンの誘導体とは、例えば、ポリグリセリンの2つの末端の一方または両方に、アミノ基、カルボキシル基などの官能基を有する化合物である。
【0029】
保護層に、1種または2種以上のポリアルキレングリコールおよび/またはポリグリセリンが含まれていてもよい。保護層に、1種または2種以上のポリアルキレングリコールおよび/またはポリグリセリンの誘導体が含まれていてもよい。保護層に、1種または2種以上のポリアルキレングリコールおよび/またはポリグリセリンと1種または2種以上のポリアルキレングリコールおよび/またはポリグリセリンの誘導体とが含まれていてもよい。ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールの誘導体、ポリグリセリンおよびポリグリセリンの誘導体の少なくとも1種が含まれていることにより、誘電体酸化皮膜の自己修復性能を補助する効果、高容量化、耐電圧向上等を期待することができる。
【0030】
ポリアルキレングリコールおよび/またはその誘導体は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、および、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体、および、これらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0031】
「保護層に亜リン酸および/またはその塩が含まれている」とは、保護層に亜リン酸が含まれていてもよく、保護層に1種または2種以上の亜リン酸塩が含まれていてもよく、保護層に亜リン酸と1種または2種以上の亜リン酸塩とが含まれていてもよい。
【0032】
保護層に、亜リン酸および/またはその塩が0.25wt%以上2.0wt%以下含有されている。言い換えると、保護層100wt%に対し、亜リン酸および/またはその塩の総含有量が0.25wt%以上2.0wt%以下である。
【0033】
なお、保護層に、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールの誘導体、ポリグリセリン、ポリグリセリンの誘導体、亜リン酸および亜リン酸塩以外の成分が含まれていてもよい。例えば、保護層に、他の添加剤が含まれていてもよい。保護層に、他の有機溶媒が含まれていてもよい。
【0034】
上述した電解コンデンサ1は、例えば以下の方法によって作製される。
所定の幅に切断された陽極11および陰極12に(
図2参照)、外部引き出し電極用のリードタブを接続する。リードタブが接続された陽極11および陰極12を、セパレータ13を介して巻回することにより、コンデンサ素子3となる本体部を作製する。陽極11は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属である。
【0035】
陽極11および陰極12を巻回したものの切り口やこの作製時に欠損した誘電体酸化皮膜を修復するため、陽極11および陰極12を巻回したものを化成処理する。化成処理は、化成液中で電圧を印加することによって行われる。化成処理に使用される化成液として、例えば、アジピン酸およびアジピン酸塩の少なくとも一方を含む水溶液が挙げられる。
【0036】
続いて、導電性高分子層を形成するため、例えば、陽極11および陰極12を巻回したものを、導電性高分子を含む液に浸した後、乾燥させる。これにより、誘電体酸化皮膜の上に導電性高分子層が形成される(第1工程)。
例えば、導電性高分子を含む液として、PEDOT/PSSを含むポリマー分散体溶液を使用してもよい。PEDOT/PSSとは、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)からなる複合物を水に分散させたものである。この場合、陽極11および陰極12を巻回したものを、PEDOT/PSSを含むポリマー分散体溶液に少なくとも1回浸漬または含浸させた後、乾燥させることによって溶媒を除去する。これにより、誘電体酸化皮膜の上に導電性高分子層(PEDOT/PSS層)が形成される。
【0037】
次に(第1工程後)、陽極11および陰極12を巻回したものを、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種と、亜リン酸および/またはその塩とを含む液に浸した後、乾燥(吸湿等による水分を除去)させ保護層を形成する(第2工程)。この液は、亜リン酸および/またはその塩を0.25wt%以上2.0wt%以下含有する。これにより、導電性高分子層の上に、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種に亜リン酸および/または亜リン酸塩を含ませた保護層が形成される。これによりコンデンサ素子3が得られる。得られたコンデンサ素子3を外装ケース2に収容する。
【0038】
本発明者らの研究から、以下の知見が得られた。
【0039】
本実施形態の固体電解コンデンサによると、導電性高分子層の上に、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種を含む保護層が形成されている。この保護層に、亜リン酸および/または亜リン酸塩が含まれている。
保護層に亜リン酸および/または亜リン酸塩が含まれていることにより、漏れ電流低減効果が得られることがわかった。このことから、本実施形態の固体電解コンデンサ1は、誘電体酸化皮膜修復性能を有することがわかった。
【0040】
従来の固体電解コンデンサには、亜リン酸またはその塩を含む導電性高分子層が形成されている。導電性高分子層の上に、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、およびそれらの誘導体の少なくとも1種を含む保護層が形成されていない。高湿度環境下では、コンデンサの外部から内部へ水分が流入しやすい。従来のコンデンサを高湿度環境下で使用した場合、コンデンサの外部から流入した水分が導電性高分子層内の亜リン酸にトラップされることにより、導電性高分子層に水分が吸湿されやすいことがわかった。水分が導電性高分子層に吸湿された場合、導電性高分子層の導電性が低下することにより、等価直列抵抗が高くなるおそれがある。
また、従来の固体電解コンデンサの製造方法ではポリマー分散体溶液に亜リン酸が混合されているため、ポリマー分散体溶液の吸湿性が高まり、ポリマー分散体溶液の粘度が時間の経過と共に増加することにより、粗面化された陽極の細孔にポリマー分散体溶液が入りにくくなって、コンデンサ素子内に保持される導電性高分子の量が減少するため、コンデンサの特性(例えば、容量、等価直列抵抗、信頼性)が低下するおそれがある。
【0041】
本実施形態の固体電解コンデンサによると、外部から流入した水分が、導電性高分子層上の保護層に含まれる亜リン酸および/またはその塩に優先的に吸湿されるため、水分が導電性高分子層に吸湿されにくいと考えられる。これにより、高湿度環境下で導電性高分子層の導電性が低下しにくいため、高湿度環境下で、低い等価直列抵抗を維持できることがわかった。そのため、従来の亜リン酸を含む導電性高分子層が形成された固体電解コンデンサより耐湿性が高い。
また、固体電解コンデンサを作製するとき、導電性高分子層を形成するため、陽極11および陰極12を巻回したものを、導電性高分子を含む液に浸すが、この導電性高分子を含む液に、水分を吸湿しやすい亜リン酸およびその塩が含まれていない。そのため、導電性高分子を含む液の粘度が増加しにくい。これにより、陽極11等に保持される導電性高分子の量が減少しにくい。コンデンサ素子3内には、長期に亘って、導電性高分子が保持される。そのため、コンデンサの特性(例えば、容量、等価直列抵抗、信頼性)が低下しにくい。
【0042】
上記より、本実施形態の固体電解コンデンサ1によると、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来の亜リン酸を含む導電性高分子層が形成された固体電解コンデンサより耐湿性が高い。また、本実施形態の固体電解コンデンサの製造方法によると、漏れ電流低減効果を有しつつ、従来の亜リン酸を含む導電性高分子層が形成された固体電解コンデンサより耐湿性が高い固体電解コンデンサ1が得られる。
【0043】
なお、保護層に亜リン酸および/または亜リン酸塩が過剰に含まれる場合、コンデンサ内部へ水分が流入しやすい高湿度環境下では、亜リン酸の解離が進むことにより、コンデンサ内のpHが大きく低下すると考えられる。これにより、陰極11および/または陽極12(
図2参照)に接続されたリードタブが腐食しやすくなる。リードタブの腐食により、リードタブ、リードタブと陽極11との接続部分、リードタブと陰極12との接続部分、リードタブとリード端子21との接続部分、および、リードタブとリード端子22との接続部分等(
図1、2参照)の抵抗が増加することにより、コンデンサの等価直列抵抗が増加する。また、リードタブの腐食が進行することにより、リード端子21、22に欠損が生じることにより、コンデンサの電気特性が低下するおそれがある。
本願発明者らは、保護層において亜リン酸および/または亜リン酸塩の総含有量が0.25wt%以上2.0wt%以下である場合、高湿度環境下でリードタブの腐食を抑制できること、また、これにより、高湿度環境下で低い等価直列抵抗を維持できるという知見が得られた。
【実施例】
【0044】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
【0045】
[従来例]
(コンデンサの作製)
所定の幅に切断された陽極箔および陰極箔に外部引き出し電極用のアルミリードタブを接続した。陽極箔は、弁作用金属であるアルミニウム箔の表面にエッチング処理を施すことよって粗面化した後、化成処理を施すことによって誘電体酸化皮膜が形成されたものである。陰極箔は、アルミニウム箔の表面にエッチング処理を施したものである。陽極アルミ箔および陰極アルミ箔を、セルロースを主体とした電解紙(セパレータ)を介して巻回した。
【0046】
陽極箔および陰極箔を巻回したものの切り口やリードタブの取り付け部に欠損した誘電体酸化皮膜を修復するため、化成処理を行った。化成処理は、陽極箔および陰極箔を巻回したものを化成液に浸した状態で、誘電体酸化皮膜の化成電圧値に近似した電圧を印加することにより行った。化成液として、アジピン酸アンモニウム濃度が2wt%のアジピン酸アンモニウム水溶液を使用した。
【0047】
次に、導電性高分子層を形成するため、90kPaに減圧した環境下で、陽極箔および陰極箔を巻回したものを、亜リン酸を1.0wt%含み、PEDOT/PSSを2.0wt%含む水分散溶液(ポリマー分散体溶液)に30分間含浸させた後、恒温槽で、160℃下で30分間乾燥した。この含浸および乾燥を2回繰り返すことにより、導電性高分子層を形成した。これにより、コンデンサ素子を得た。
【0048】
得られたコンデンサ素子をアルミニウム製の外装ケース内に収容した後、外装ケースの開口の周縁をカーリング加工した。150℃に設定された恒温槽内で、外装ケースに収容されたコンデンサ素子に定格電圧80WVを印加し、エージング処理を施すことにより、固体電解コンデンサを作製した。本実験で作成した固体電解コンデンサは、定格電圧80WV、定格静電容量27μFおよび製品サイズφ8×10L(mm)の製品である。
【0049】
[比較例1]
導電性高分子層を形成するためのポリマー分散体溶液として、亜リン酸を含まないポリマー分散体溶液を使用した。ポリマー分散体溶液は、PEDOT/PSSを2.0wt%含む。
陽極箔および陰極箔を巻回し化成処理したものに導電性高分子層を形成した後、90kPaに減圧した環境下で、ポリエチレングルコール(PEG400)を30分間含浸させた後、恒温槽で、85℃下で30分間乾燥させた。「PEG400」とは、数平均分子量が400のポリエチレングリコールである。これにより、導電性高分子層の上にポリエチレングリコールを含む層を形成した。
上記以外は、従来例と同様に固体電解コンデンサを作製した。
【0050】
[実施例1~7、比較例2,3]
導電性高分子層を形成するためのポリマー分散体溶液として、亜リン酸を含まないポリマー分散体溶液を使用した。このポリマー分散体溶液は、PEDOT/PSSを2.0wt%含む。
陽極箔および陰極箔を巻回し化成処理したものに導電性高分子層を形成した後、90kPaに減圧した環境下で、表1に示す亜リン酸を0.25wt%~10.0wt%溶解させたポリエチレングルコール(PEG400)、ポリエチレングリコール(PEG600)、ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン#500)またはポリプロピレングルコール(PPG400)の溶液を、30分間含浸させた後、恒温槽で、85℃下で30分間乾燥させた。これにより、導電性高分子層の上にポリエチレングリコール、ポリグリセリンまたはポリプロピレングリコールを含む層を形成した。
上記以外は、従来例と同様に固体電解コンデンサを作製した。
【0051】
[比較例4]
導電性高分子層を形成するためのポリマー分散体溶液として、亜リン酸を含まないポリマー分散体溶液を使用した。このポリマー分散体溶液は、PEDOT/PSSを2.0wt%含む。
陽極箔および陰極箔を巻回し化成処理したものに導電性高分子層を形成した後、亜リン酸を含む電解液を含浸させた。この電解液は、亜リン酸を0.5wt%、γ-ブチロラクトンを40wt%、エチレングリコールを50wt%、溶質としてフタル酸アミジン塩を9.5wt%含む。
上記以外は、従来例と同様にハイブリッド電解コンデンサを作製した。
【0052】
表1に、従来例、比較例1~4、実施例1~7のコンデンサ作製条件を示している。
【表1】
【0053】
(評価1)
従来例および実施例1のポリマー分散体溶液について、初期のポリマー分散体溶液の粘度と、35℃で、24時間経過後のポリマー分散体溶液の粘度を測定した。表2に結果を示している。
【表2】
【0054】
表2からわかるように、従来例では、ポリマー分散体溶液を35℃で24時間放置した後、ポリマー分散体溶液の粘度が大きく増加していたが、実施例1では、ポリマー分散体溶液を35℃で24時間放置した後、ポリマー分散体溶液の粘度があまり増加していなかった。
【0055】
実施例1では、従来例より、ポリマー分散体溶液の粘度増加を抑制できたことから、実施例1では、従来例より、コンデンサ素子内に長期間に亘って導電性高分子層を多く保持できると考えられる。そのため、実施例1では、従来例より、ポリマー分散体溶液のポットライフの改善を期待できる。
【0056】
上記より、実施例2~7の固体電解コンデンサでも、ポリマー分散体溶液のポットライフの改善を期待できると考えられる。
【0057】
(評価2)
従来例、比較例1~4、実施例1~7のコンデンサについて、先ず、20℃の温度環境下で、静電容量(Cap.)、tanδ(損失角の正接)、等価直列抵抗(E.S.R.)および漏れ電流(L.C.)を測定した。
その後、温度121℃、湿度100%の高温高湿度雰囲気としたオートクレーブ内で、従来例、比較例1~4、実施例1~7のコンデンサを500時間保持した後(オートクレーブ試験後)、各コンデンサの静電容量(Cap.)、tanδ(損失角の正接)、等価直列抵抗(E.S.R.)および漏れ電流(L.C.)を測定した。
表3に評価結果を示している。
【0058】
【0059】
〈漏れ電流(L.C.)〉
オートクレーブ試験後の従来例の漏れ電流(L.C.)と比較例1~3、実施例1~7とを比較した。
比較例2,3および実施例1~7の漏れ電流(L.C.)は、従来例の漏れ電流(L.C.)と同等であった。
従来例のコンデンサには、導電性高分子層に亜リン酸が含まれるが、比較例2,3および実施例1~7のコンデンサには、保護層に亜リン酸が含まれる。比較例2,3および実施例1~7のコンデンサは、従来例のコンデンサと同等の誘電体酸化皮膜修復性能を有することがわかった。
【0060】
なお、比較例1の漏れ電流(L.C.)は、従来例の漏れ電流(L.C.)より大きかった。比較例1のコンデンサには、導電性高分子層にも、その上の保護層にも、亜リン酸が含まれていない。これらの層に亜リン酸が含まれない比較例1では、従来例のコンデンサと同等の誘電体酸化皮膜修復性能が得られないことがわかった。
【0061】
比較例4には、コンデンサ素子に亜リン酸を含む電解液が含浸されている。比較例4の漏れ電流(L.C.)は、従来例の漏れ電流(L.C.)と同等であった。
【0062】
〈静電容量(Cap.)、損失角の正接(tanδ)、等価直列抵抗(E.S.R.)〉
オートクレーブ試験後の従来例の静電容量(Cap.)は低く、損失角の正接(tanδ)は大きく、かつ、等価直列抵抗(E.S.R.)は高い。従来例のコンデンサの特性がよくない理由として、以下の理由が考えられる。
オートクレーブ試験における高温高湿度雰囲気下では、コンデンサの外部から内部へ水分が流入しやすい。
従来例では、コンデンサの外部から流入した水分が導電性高分子層に含まれる亜リン酸にトラップされたことにより、導電性高分子層に水分が吸湿されたと推測される。これにより導電性高分子の特性が低下したため、コンデンサの特性が低下したと考えられる。
【0063】
一方、オートクレーブ試験後の実施例1~7の静電容量(Cap.)は、従来例の静電容量(Cap.)より高い。オートクレーブ試験後の実施例1~7の損失角の正接(tanδ)は、従来例の損失角の正接(tanδ)より小さい。オートクレーブ試験後の実施例1~7の等価直列抵抗(E.S.R.)は、従来例の等価直列抵抗(E.S.R.)より低い。
高温高湿環境下では、実施例1~7のコンデンサの特性は、従来例のコンデンサの特性より良いことがわかった。
実施例1~7では、コンデンサの外部から流入した水分が、保護層に含まれる亜リン酸に優先的に吸湿されたことにより、導電性高分子層への水分の吸湿が抑制されたと推測される。そのため、導電性高分子の導電性があまり低下していないと考えられる。これにより、コンデンサの特性低下が抑制されたと考えられる。
【0064】
なお、オートクレーブ試験後の比較例1の静電容量(Cap.)、損失角の正接(tanδ)および等価直列抵抗(E.S.R.)は、オートクレーブ試験後の従来例の静電容量(Cap.)、損失角の正接(tanδ)および等価直列抵抗(E.S.R.)より良い結果であった。しかし、比較例1の結果は、実施例1~7の静電容量(Cap.)、損失角の正接(tanδ)および等価直列抵抗(E.S.R.)ほど良い結果ではなかった。比較例1のコンデンサには、実施例1~7のように、導電性高分子層の上に保護層が形成されているが、保護層に亜リン酸が含まれていないため、実施例1~7と同等の効果が得られなかったと推測される。
【0065】
なお、オートクレーブ試験後の比較例2,3の静電容量(Cap.)は、従来例の静電容量(Cap.)より低い。オートクレーブ試験後の比較例2,3の損失角の正接(tanδ)は、従来例の損失角の正接(tanδ)より大きい。オートクレーブ試験後の比較例2,3の等価直列抵抗(E.S.R.)は、従来例の等価直列抵抗(E.S.R.)より高い。
比較例2,3のコンデンサには、実施例1~7のように、導電性高分子層の上に亜リン酸を含む保護層が形成されている。しかし、比較例2,3のコンデンサの特性は、従来例のコンデンサの特性より悪かった。
表1からわかるように、比較例2,3の亜リン酸含有量は、実施例1~7より亜リン酸含有量が多い。亜リン酸含有量が過剰な場合、水分が流入しやすい高温高湿環境下では、亜リン酸の解離が進みやすいと考えられる。亜リン酸の解離が進んだことにより、電解コンデンサ内のpHが大きく低下したことで、陰極および/または陽極に接続されたリードタブが腐食したと推測される。これが原因で、コンデンサの特性が低下したと考えられる。
【0066】
オートクレーブ試験後の比較例4の静電容量(Cap.)、損失角の正接(tanδ)および等価直列抵抗(E.S.R.)は、従来例の静電容量(Cap.)、損失角の正接(tanδ)および等価直列抵抗(E.S.R.)より良くなかった。
比較例4のコンデンサ素子には、亜リン酸を含む電解液が含浸されている。電解液に含まれる溶質(フタル酸アミジン塩)の電気分解が進んだことにより、電解コンデンサ内のpHが大きく低下したと考えられる。これにより、陰極および/または陽極に接続されたリードタブが腐食したため、コンデンサの特性が低下したと考えられる。
【0067】
上記より、固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層の上に、亜リン酸および/または亜リン酸塩を含む保護層が形成され、かつ、保護層における亜リン酸および/または亜リン酸塩の総含有量が0.25wt%以上2.0wt%以下である場合、従来の固体電解コンデンサと同等の漏れ電流低減効果を有しつつ、従来の固体電解コンデンサより耐湿性を高めることができることが分かった。
【0068】
上記実験では、ポリアルキレングリコールとして、ポリエチレングリコールおよびポリプロキレングリコールのいずれかを使用した場合とポリグリセリンを使用した場合について説明した。しかし、他のポリアルキレングリコールおよびポリグリセリンを使用した場合も、上記と同様な効果が得られる。ポリアルキレングリコールの誘導体および/またはポリグリセリンの誘導体を使用した場合も、上記と同様な効果が得られる。ポリアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールの誘導体、またはポリグリセリンおよびポリグリセリンの誘導体を使用した場合も、上記と同様な効果が得られる。また、2種以上のポリアルキレングリコール、2種以上のポリアルキレングリコールの誘導体、2種以上のポリグリセリン、2種以上のポリグリセリンの誘導体、または、1種以上のポリアルキレングリコール、1種以上のポリアルキレングリコールの誘導体、1種以上のポリグリセリンおよび1種以上のポリグリセリンの誘導体からなる群から選択される少なくとも2種の組み合わせを使用した場合も、上記と同様な効果が得られる。
【0069】
上記実験では、亜リン酸を使用したが、亜リン酸塩を使用した場合も、上記と同様な効果が得られる。また、亜リン酸と1種または2種以上の亜リン酸塩を使用した場合も、上記と同様な効果が得られる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について実施例に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0071】
例えば、上記実験では、定格電圧80WV、定格静電容量27μFおよび製品サイズφ8×10L(mm)の固体電解コンデンサを作製したが、本発明の固体電解コンデンサの定格電圧、定格静電容量および製品サイズは上記に限られない。
【符号の説明】
【0072】
1 固体電解コンデンサ
2 外装ケース
3 コンデンサ素子
4 封口体
11 陽極
12 陰極
21,22 リード端子