(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】歩行型作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 71/02 20060101AFI20231128BHJP
B60K 20/00 20060101ALI20231128BHJP
F16H 63/34 20060101ALI20231128BHJP
B60K 20/02 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
A01B71/02 P
B60K20/00 G
F16H63/34
B60K20/02 E
(21)【出願番号】P 2020171146
(22)【出願日】2020-10-09
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 恵一
(72)【発明者】
【氏名】森脇 稔仁
(72)【発明者】
【氏名】増田 繁
(72)【発明者】
【氏名】岡部 直宗
(72)【発明者】
【氏名】平田 智也
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-67125(JP,A)
【文献】特開昭61-271127(JP,A)
【文献】特開2002-166740(JP,A)
【文献】米国特許第4244427(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 71/02
A01B 33/02
B60K 20/02
F16H 63/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速操作が可能な変速操作具と、
第一の作業位置と、前記第一の作業位置から反転した第二の作業位置と、の間で回動可能なハンドルと、
前記ハンドルと連動して回動可能なカム部と、
前記カム部に追従して移動することで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制するけん制部と、
前記けん制部の可動方向と平行に配置され、前記けん制部を前記カム部に向かう方向に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材とは別に設けられ、前記けん制部が前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制している状態において、前記けん制部が前記カム部から離間する方向へ移動する際の移動経路上に位置することで、前記けん制部が前記カム部から離間する方向へ移動するのを規制する移動規制部と、
を具備する歩行型作業機。
【請求項2】
前記付勢部材は、
前記カム部の回動軸線方向視において、前記カム部と重複するように配置される、
請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記移動規制部は、
前記カム部と一体的に回動可能に設けられている、
請求項1又は請求項2に記載の歩行型作業機。
【請求項4】
前記変速操作具の変速操作をガイドするガイド溝が形成されたガイド板をさらに具備し、
前記けん制部は、
前記ガイド板に沿って移動して前記ガイド溝の一部分を塞ぐことで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の歩行型作業機。
【請求項5】
前記ガイド溝は、
前記けん制部の可動方向と平行な方向に長く延びる長手状に形成される、
請求項4に記載の歩行型作業機。
【請求項6】
前記けん制部を、当該けん制部の可動方向に沿って案内する案内部をさらに具備し、
前記案内部は、
前記カム部の回動軸線方向視において、前記カム部と重複するように配置される、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の歩行型作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルの向きを反転させることが可能な歩行型作業機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンドルの向きを反転させることが可能な歩行型作業機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、正ハンドル位置と逆ハンドル位置の間で回転可能なハンドルを具備する歩行型作業機が開示されている。特許文献1に記載の技術では、ハンドルが逆ハンドル位置に支持されているときには、歩行型作業機が作業者に接近する方向に走行する速度を低速のみ選択することができるように、変速操作がけん制される。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載の歩行型作業機は、変速操作をけん制(規制)するための走行変速規制部材を具備している。作業者は、ハンドルの位置に応じて走行変速規制部材を所定の方向へ移動させる。この走行変速規制部材によって、変速操作を行うための操作具の移動がけん制され、高速への変速操作が不能となる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ハンドルの位置に応じて作業者自身が走行変速規制部材を操作する必要があり、歩行型作業機の操作が煩雑である点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ハンドルの回動に伴って、変速操作具が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる歩行型作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、変速操作が可能な変速操作具と、第一の作業位置と、前記第一の作業位置から反転した第二の作業位置と、の間で回動可能なハンドルと、前記ハンドルと連動して回動可能なカム部と、前記カム部に追従して移動することで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制するけん制部と、前記けん制部の可動方向と平行に配置され、前記けん制部を前記カム部に向かう方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材とは別に設けられ、前記けん制部が前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制している状態において、前記けん制部が前記カム部から離間する方向へ移動する際の移動経路上に位置することで、前記けん制部が前記カム部から離間する方向へ移動するのを規制する移動規制部と、を具備するものである。
【0011】
請求項2においては、前記付勢部材は、前記カム部の回動軸線方向視において、前記カム部と重複するように配置されるものである。
【0013】
請求項3においては、前記移動規制部は、前記カム部と一体的に回動可能に設けられているものである。
【0016】
請求項4においては、前記変速操作具の変速操作をガイドするガイド溝が形成されたガイド板をさらに具備し、前記けん制部は、前記ガイド板に沿って移動して前記ガイド溝の一部分を塞ぐことで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。
【0017】
請求項5においては、前記ガイド溝は、前記けん制部の可動方向と平行な方向に長く延びる長手状に形成されるものである。
【0018】
請求項6においては、前記けん制部を、当該けん制部の可動方向に沿って案内する案内部をさらに具備し、前記案内部は、前記カム部の回動軸線方向視において、前記カム部と重複するように配置されるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
請求項1においては、ハンドルの回動に伴って、変速操作具が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる。また、付勢部材をけん制部の可動方向と平行に配置することで、部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。また、けん制部によるけん制が意図せず解除されるのを防止することができる。
【0022】
請求項2においては、各部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0024】
請求項3においては、構成を簡素化することができる。
【0027】
請求項4においては、ガイド溝を塞ぐことで、変速操作具の変速操作がけん制されていることを作業者に認識させ易くすることができる。
【0028】
請求項5においては、けん制部の可動方向を、ガイド溝の長手方向と平行にすることで、部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0029】
請求項6においては、部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態に係る歩行型作業機の全体的な構成を示した側面図。
【
図3】ハンドル支持台、ハンドル、変速操作機構及びけん制機構を示した斜視図。
【
図4】
図3において、ガイドプレートを分解した状態を示した斜視図。
【
図5】変速操作機構及びけん制機構を示した斜視図。
【
図6】(a)ガイドプレート、及び正ハンドル位置における変速段を示した図。(b)ガイドプレート、及び逆ハンドル位置における変速段を示した図。
【
図8】正ハンドル位置におけるハンドル支持台、変速操作機構及びけん制機構を示した平面図。
【
図9】正ハンドル位置におけるカム部及び移動規制部を示した平面図。
【
図10】ハンドル支持台、変速操作機構及びけん制機構を示した底面図。
【
図12】正ハンドル位置におけるけん制プレート及びガイドプレートを示した平面図。
【
図13】カム部及び移動規制部が回動する様子を示した平面図。
【
図14】逆ハンドル位置におけるハンドル支持台、変速操作機構及びけん制機構を示した平面図。
【
図15】逆ハンドル位置におけるカム部及び移動規制部を示した平面図。
【
図16】逆ハンドル位置におけるけん制プレート及びガイドプレートを示した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0032】
以下では、
図1及び
図2を用いて本発明の一実施形態に係る歩行型作業機1の全体構成について説明する。
【0033】
歩行型作業機1は、主としてミッションケース2、車輪3、エンジン支持フレーム4、エンジン5、燃料タンク6、支持部材7、ベルトカバー8、ハンドル支持台20、ハンドル30、変速操作機構40及びけん制機構50等を具備する。
【0034】
ミッションケース2は、変速段(複数段の前後進)の切り換えを行うことが可能な変速機構を収容している。ミッションケース2の左右には、車軸を介して左右一対の車輪3が設けられている。ミッションケース2の前部にはエンジン支持フレーム4が固定されている。エンジン支持フレーム4には、エンジン5及び燃料タンク6が搭載されている。燃料タンク6の上面には、燃料を給油するための円筒状の給油口6aが形成されている。給油口6aは、ミッションケース2に固定された支持部材7(
図3参照)に形成された貫通孔7aに下方から挿通され、支持部材7から上方に突出するように配置されている。
【0035】
エンジン5及びミッションケース2の左側方には、ベルトカバー8が設けられている。ベルトカバー8の内側には、エンジン5の動力をミッションケース2に伝達するための伝動機構(不図示)が収容されている。当該伝動機構には動力の伝達の可否を切り換える主クラッチが設けられている。
【0036】
ミッションケース2の上部には、ハンドル支持台20が設けられている。ハンドル支持台20には、ハンドル30が回動可能となるように設けられている。ハンドル30は、略垂直方向の軸線回りに回動することができる。これによってハンドル30の回動位置を、後方に向けられた正ハンドル位置(
図1に実線で示した位置)と、正ハンドル位置から反転されて前方に向けられた逆ハンドル位置(
図1に二点鎖線で示した位置)と、に切り換えることができる。
【0037】
ハンドル30を正ハンドル位置に設定した状態では、作業者は歩行型作業機1の後方に立って、歩行型作業機1を操作しながら各種作業(以下では便宜上、この状態での作業を「正位置作業」と称する)を行う。またハンドル30を逆ハンドル位置に設定した状態では、作業者は歩行型作業機1の前方に立って、歩行型作業機1を操作しながら各種作業(以下では便宜上、この状態での作業を「逆位置作業」と称する)を行う。
【0038】
ハンドル30の左側方には、変速機構の変速段を切り換える操作を行うための変速操作機構40が設けられている。変速操作機構40による変速操作は、後述するけん制機構50(
図4参照)によって適宜けん制される。
【0039】
次に、変速操作機構40による変速操作のけん制に関する構成(具体的には、
図2及び
図3等に示すハンドル支持台20、ハンドル30、変速操作機構40及びけん制機構50)について、詳細に説明する。
【0040】
図3及び
図4に示すハンドル支持台20は、ハンドル30を回動可能に支持するものである。ハンドル支持台20は、主として支持台本体21、支点軸22及びステー23を具備する。
【0041】
図4及び
図5に示す支持台本体21は、ハンドル支持台20の主要な構造体を形成する部分である。支持台本体21は、上面、及び上面の両端から下方に延びる一対の側面を有する正面視略U字状に形成される。支持台本体21の上面の左前部には、当該上面を上下に貫通する長孔21aが形成される(
図8等参照)。長孔21aは、前後方向に延びるように形成される。
【0042】
支点軸22は、後述するハンドル30やカム部51等の回動支点となる部分である。支点軸22は、略円筒状に形成される。支点軸22は、軸線(後述するハンドル30等の回動軸線)を上下方向に向けて配置される。支点軸22は、支持台本体21の上面の略中央部分に固定される。支点軸22は、支持台本体21の上面から上方に突出するように配置される。
【0043】
図5に示すステー23は、後述する支持軸53を支持する部分である。ステー23は、前後一対の面(前面及び後面)、及び前後一対の面の右端部同士を接続する側面を有する平面視略U字状に形成される。ステー23は、支持台本体21の内側(上面の下方、かつ一対の側面の間)に配置される。ステー23は、支持台本体21の左側面及び上面に固定される。
【0044】
図1から
図3に示すハンドル30は、歩行型作業機1を操縦する際に作業者が把持する部分である。ハンドル30は、主としてハンドル本体31、ハンドル基部32及び回動連結部33を具備する。
【0045】
図1及び
図2に示すハンドル本体31は、ハンドル30のうち先端側を形成する部分である。ハンドル本体31には、作業者が把持可能なグリップや各種の操作具等が設けられる。ハンドル本体31は、後述するハンドル基部32に固定される。
【0046】
図1から
図3に示すハンドル基部32は、ハンドル30のうち基端側を形成する部分である。ハンドル基部32は、複数の板状部材を組み合わせた中空の箱状に形成される。
【0047】
図3及び
図4に示す回動連結部33は、ハンドル支持台20に連結される部分である。回動連結部33は、略円筒状に形成される。回動連結部33は、軸線を上下方向に向けて配置される。回動連結部33には、ハンドル支持台20の支点軸22が相対回動可能となるように挿通される。これによってハンドル30は、支点軸22の軸線回りに回動することができる。
【0048】
図1から
図3に示す変速操作機構40は、ミッションケース2に収容された変速機構の変速段を切り換える(変速する)ためのものである。変速操作機構40は、ハンドル30の回動連結部33の左側に配置される。変速操作機構40は、主として変速操作具41、リンク機構42、ガイド棒43及びガイドプレート44を具備する。
【0049】
変速操作具41は、変速操作を行うためのものである。変速操作具41は、長手状に形成される。変速操作具41の一端部(先端部)には、作業者が把持するためのグリップが設けられる。変速操作具41の他端部(基端部)は、後述するリンク機構42に連結される。
【0050】
図3及び
図4に示すリンク機構42は、変速操作具41の操作に応じて変速機構の変速段を切り換えるものである。リンク機構42は、主としてボス部42a、副変速リンク部42b及び主変速リンク部42cを具備する。
【0051】
ボス部42aは、変速操作具41が連結される部分である。ボス部42aは、略円筒状に形成される。ボス部42aは、軸線を略上下方向に向けて配置される。ボス部42aには、変速操作具41の一端部が挿通される。
【0052】
副変速リンク部42bは、変速機構(特に副変速機構)の変速段を切り換えるものである。副変速リンク部42bは、ボス部42aの下部に固定される。副変速リンク部42bは、適宜のリンク機構(不図示)を介してミッションケース2に収容された副変速機構に連結される。変速操作具41が操作されると、副変速リンク部42bを介して副変速機構の変速段が切り換えられる。
【0053】
主変速リンク部42cは、変速機構(特に主変速機構)の変速段を切り換えるものである。主変速リンク部42cは、ボス部42aの前部に連結される。主変速リンク部42cは、適宜のリンク機構(不図示)を介してミッションケース2に収容された主変速機構に連結される。変速操作具41が操作されると、主変速リンク部42cを介して主変速機構の変速段が切り換えられる。
【0054】
ガイド棒43は、後述するガイドプレート44と共に、変速操作具41の操作方向を案内するものである。ガイド棒43は、略円柱状に形成される。ガイド棒43は、軸線を上下方向に向けて配置される。ガイド棒43は、主変速リンク部42cの上部に固定される。ガイド棒43は、主変速リンク部42cから上方に突出するように配置される。
【0055】
ガイドプレート44は、ガイド棒43を案内するものである。ガイドプレート44は、板状の部材により形成される。ガイドプレート44は、板面を上下に向けた状態で配置される。ガイドプレート44は、支持台本体21の左側面に固定される。ガイドプレート44には、ガイド溝Gが形成される。
【0056】
図6に示すガイド溝Gは、ガイド棒43を案内するためのものである。ガイド溝Gは、ガイドプレート44を上下に貫通するように形成される。ガイド溝Gは、全体的に前後方向に長く延びるような形状(長手状)に形成される。以下、ガイド溝Gの形状についてより詳細に説明する。
【0057】
ガイド溝Gは、主として縦溝GV、第一横溝GS1、第二横溝GS2、第三横溝GS3、第四横溝GS4及び第五横溝GS5を具備する。
【0058】
縦溝GVは、前後方向に長く延びる略直線状の部分である。第一横溝GS1、第二横溝GS2、第三横溝GS3、第四横溝GS4及び第五横溝GS5(以下、「第一横溝GS1等」と総称する)は、それぞれ左右方向に長く延びる略直線状の部分である。第一横溝GS1等の左右方向の長さは、縦溝GVの前後方向の長さよりも短く形成される。第一横溝GS1等は、縦溝GVの前端から後端に向かって略等間隔に並ぶように形成される。第一横溝GS1等は、それぞれ縦溝GVから左右に延びるように形成される。
【0059】
図4に示すように、ガイドプレート44のガイド溝Gには、ガイド棒43が挿通される。これによってガイド棒43は、ガイド溝Gによって移動可能な方向が規制され、ガイド溝Gの形状に沿って移動するように案内される。すなわち、変速操作具41による変速操作(操作方向)が、ガイド溝Gによって案内される。
【0060】
また
図6に示すように、ガイド溝Gは、歩行型作業機1の各変速段に対応した形状となるように形成されている。具体的には、変速機構がいずれかの変速段に切り換えられた場合、ガイド棒43が第一横溝GS1等の左右両端部のいずれかに位置するように設定されている。
【0061】
図6では、第一横溝GS1等の各端部に、それぞれ対応する変速段をアルファベットと数字を用いて示している。なお
図6(a)は、ハンドル30が正ハンドル位置に向けられた場合(正位置作業を行う場合)における変速段を示している。また
図6(b)は、ハンドル30が逆ハンドル位置に向けられた場合(逆位置作業を行う場合)における変速段を示している。なお、
図6では、作業者が向く方向を白抜き矢印で示している。
【0062】
変速段を示すアルファベットの「F」は、作業者が前進する方向の変速段であることを示している。また、変速段を示すアルファベットの「R」は、作業者が後進する方向の変速段であることを示している。また変速段を示す数字が大きいほど、歩行型作業機1の速度が大きいことを示している。
【0063】
図6に示すように、ハンドル30が正ハンドル位置に向けられた状態(
図6(a)参照)と、ハンドル30が逆ハンドル位置に向けられた状態(
図6(b)参照)とでは、共通の変速機構を使用する関係上、作業者を基準とした歩行型作業機1の進行方向が前後逆転することになる。例えば、ハンドル30が正ハンドル位置に向けられた状態(
図6(a)参照)において、第一横溝GS1の左端部は前進の最高速「F6」に相当するのに対して、ハンドル30が逆ハンドル位置に向けられた状態(
図6(b)参照)においては、第一横溝GS1の左端部は後進の最高速「R6」に相当することになる。
【0064】
図3から
図5に示すけん制機構50は、変速操作具41による所定の変速段への変速操作をけん制(規制)するものである。けん制機構50は、主としてカム部51、移動規制部52、支持軸53、けん制部54及び付勢部材55を具備する。
【0065】
図4、
図7及び
図8に示すカム部51は、後述するけん制部54をハンドル30の位置に応じて移動させるためのものである。カム部51は、板面を上下方向に向けた平板状に形成される。カム部51は、ハンドル30の回動連結部33の下部に固定される。カム部51の側面(カム部51の回動軸線を基準とする径方向外側端面)には、けん制部54と当接するカム面51aが形成される。以下、カム面51aの形状について説明する。
【0066】
図9に示すように、カム面51aは、回動連結部33の軸線を中心とする周方向の所定の範囲に亘って形成される。カム面51aは、主に第一弧状部C1、直線状部C2及び第二弧状部C3を具備する。
【0067】
第一弧状部C1及び第二弧状部C3は、回動連結部33の軸線を中心とする弧状に形成された部分である。第二弧状部C3の半径は、第一弧状部C1の半径よりも小さくなるように形成される。直線状部C2は、第一弧状部C1と第二弧状部C3とを接続する直線状に形成された部分である。第一弧状部C1、直線状部C2及び第二弧状部C3は、カム部51の周方向に順に連続するように形成される。
【0068】
図7から
図9に示す移動規制部52は、後述するけん制部54の意図しない移動(カム部51から離間する方向への移動)を規制するものである。移動規制部52は、板状の部材を平面視略U字状に屈曲させて形成される。移動規制部52は、カム部51の上面に固定される。具体的には、移動規制部52の両端部は、カム部51の上面に適宜の方法(例えば、溶接等)により固定される。これによって移動規制部52は、カム部51と一体的に回動することができる。移動規制部52の中途部は、平面視(
図9参照)において、カム部51のカム面51aよりも外側に膨らむように配置される。これによって移動規制部52は、平面視において、カム面51aのうち直線状部C2から第二弧状部C3に亘る部分を外側から囲むように配置される。移動規制部52には、開口部52aが形成される。
【0069】
図7に示す開口部52aは、カム面51aに追従するけん制部54(後述する当接部54b)が通過可能となるように形成された部分である。開口部52aは、移動規制部52の下端部の一部(平面視においてカム面51aの直線状部C2と重複する部分の近傍)を上方に切り欠くように形成される。
【0070】
図5、
図10及び
図11に示す支持軸53は、後述するけん制部54を支持するものである。支持軸53は、略円柱状に形成される。支持軸53は、軸線を前後方向に向けて配置される。支持軸53は、ハンドル支持台20のステー23の前後一対の面に挿通される。これによって支持軸53は、ステー23に対して前後に移動することができる。支持軸53は、カム部51の下方(平面視及び底面視においてカム部51と重複する位置)に配置される。
【0071】
図5、
図8、
図10及び
図11に示すけん制部54は、ガイドプレート44のガイド溝Gを塞ぐことで、変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。けん制部54は、主として円筒固定部54a、当接部54b及びけん制プレート54cを具備する。
【0072】
円筒固定部54aは、支持軸53に対して固定される部分である。円筒固定部54aは、略円筒状に形成される。円筒固定部54aは、ステー23の前方において、支持軸53に挿通される。円筒固定部54aの前後に適宜の係止部材(例えば、止め輪等)が設けられることで、円筒固定部54aは支持軸53に対して相対移動不能となるように固定される。
【0073】
当接部54bは、カム部51のカム面51aに対して当接する部分である。当接部54bは、略円柱状に形成される。当接部54bは、軸線を上下方向に向けて配置される。当接部54bは、円筒固定部54aの上部に固定される。これによって当接部54bは、円筒固定部54aから上方に向かって突出するように配置される。当接部54bの上部は支持台本体21に形成された長孔21aに挿通される。これによって当接部54bの上端部は、支持台本体21の上面から上方に突出するように配置される。また当接部54bは、長孔21aによって前後方向への移動範囲が規制される。
【0074】
けん制プレート54cは、ガイドプレート44のガイド溝Gを塞ぐ部分である。けん制プレート54cは、板状の部材を適宜屈曲させて形成される。けん制プレート54cは、円筒固定部54aに固定される。けん制プレート54cは、円筒固定部54aから左方に延出するように形成される。けん制プレート54cは、支持台本体21の前方を通って、支持台本体21の内側から外側(左側方)に亘るように配置される。けん制プレート54cの左部(支持台本体21の外側に位置する部分)は、ガイドプレート44のすぐ下方に配置される。
図12に示すように、けん制プレート54cの左部には、第一けん制部54d、接続部54e及び第二けん制部54fが形成されている。
【0075】
第一けん制部54dは、左右に延びるように形成される部分である。第一けん制部54dの左右幅は、ガイドプレート44のガイド溝Gの左右幅よりも大きく形成される。
【0076】
接続部54eは、第一けん制部54dと後述する第二けん制部54fとを接続する部分である。接続部54eは、第一けん制部54dの左端部から後方に向かって延びるように形成される。接続部54eは、平面視においてガイド溝Gよりも左側に位置するように形成される。
【0077】
第二けん制部54fは、左右に延びるように形成される部分である。第二けん制部54fは、接続部54eの後端部から右方に向かって延びるように形成される。第二けん制部54fの右端部は、平面視において縦溝GVのすぐ手前(すぐ左方)に位置するように形成される。このように第二けん制部54fは、第一けん制部54dとの間に前後に所定の間隔を空けるように形成される。
【0078】
このように構成されたけん制部54は、支持軸53と一体的に前後に移動することができる。すなわちけん制部54は、ガイドプレート44に沿って、当該ガイドプレート44の板面と略平行に移動することができる。
【0079】
図5、
図10及び
図11に示す付勢部材55は、けん制部54をカム部51に向かう方向に付勢するものである。付勢部材55は、圧縮コイルばねによって形成される。付勢部材55は、長手方向(軸線方向)を前後方向に向けて配置される。付勢部材55は、ステー23の内側(前後一対の面の間)において、支持軸53に挿通される。付勢部材55は、ステー23の前面と、支持軸53に固定されたワッシャ53aとの間に圧縮された状態で配置される。これによって付勢部材55は、支持軸53を後方に向かって常時付勢することができる。付勢部材55は、カム部51の下方(平面視及び底面視においてカム部51と重複する位置)に配置される。
【0080】
以下では、上述の如く構成された歩行型作業機1において、変速操作具41の変速操作がけん制される様子について説明する。
【0081】
まず、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態について説明する。
【0082】
ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態では、
図8及び
図9に示すように、カム面51aのうち第一弧状部C1が前方を向くように配置される。この状態では、けん制部54の当接部54bは、第一弧状部C1に前方から当接する。
【0083】
この状態では、当接部54bは付勢部材55の付勢力により後方(カム部51側)に向かって付勢されているが、第一弧状部C1と当接しているため後方に移動することはできない。このため、当接部54bは長孔21aの前端部に位置した状態で保持される。
【0084】
この状態では、
図12に示すように、けん制プレート54cによってガイド溝Gの一部が下方から塞がれる。具体的には、けん制プレート54cの第二けん制部54fが、第二横溝GS2の左端部を下方から塞ぐように配置される。これによって、変速操作機構40のガイド棒43は第二横溝GS2の左端部へと移動することができなくなるため、当該部分に対応する変速段「R4」への変速操作がけん制される。すなわち、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態(作業者が歩行型作業機1の後方に立って作業を行う状態)では、後進方向への高速の変速段「R4」への変速操作がけん制される。このように、後進方向へ高速で移動する変速段(使用することが想定されない変速段)への変速操作を予めけん制することで、作業性を向上させることができる。
【0085】
次に、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられる際の様子について説明する。
【0086】
ハンドル30を正ハンドル位置から逆ハンドル位置に切り換える場合、ハンドル30は、支点軸22を中心として平面視反時計回りに回動される。ハンドル30が回動すると、
図13に示すように、カム部51はハンドル30と一体的に回動する。
【0087】
カム部51が回動すると、後方に向かって付勢されている当接部54bは、カム面51aに追従するように移動する。具体的には、カム部51が回動すると、当接部54bはカム面51aに対して相対的に摺動し、第一弧状部C1、直線状部C2及び第二弧状部C3に順に当接する。この際、第二弧状部C3は第一弧状部C1に比べて半径が小さいため、カム部51の回動に伴って当接部54bは後方へと移動することになる。すなわち、ハンドル30が正ハンドル位置から逆ハンドル位置に切り換えられると、けん制部54が自動的に後方へと移動する。
【0088】
なお、当接部54bが直線状部C2に対して摺動する際には、平面視において当接部54bが移動規制部52を横切るように移動することになる。この際、当接部54bは移動規制部52の下端部に形成された開口部52a(
図7等参照)を通過するため、当接部54bと移動規制部52とが干渉することはなく、当該移動規制部52によってカム部51の回動が阻害されることはない。
【0089】
次に、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられた状態について説明する。
【0090】
ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられている状態では、
図14及び
図15に示すように、カム面51aのうち第二弧状部C3が前方を向くように配置される。この状態では、けん制部54の当接部54bは、第二弧状部C3に前方から当接する。
【0091】
この状態では、当接部54b(ひいては、けん制部54)は、ハンドル30が正ハンドル位置にある場合(
図8等参照)に比べて後方(長孔21aの後端部)に位置している。
【0092】
この状態では、
図16に示すように、けん制プレート54cによってガイド溝Gの一部が下方から塞がれる。具体的には、けん制プレート54cの第二けん制部54fが、第三横溝GS3の左端部を下方から塞ぐように配置される。これによって、変速操作機構40のガイド棒43は第三横溝GS3の左端部へと移動することができなくなるため、当該部分に対応する変速段「R4」への変速操作がけん制される。
【0093】
また、けん制プレート54cの第一けん制部54dが、第一横溝GS1を下方から塞ぐように配置される。これによって、変速操作機構40のガイド棒43は第一横溝GS1へと移動することができなくなるため、当該部分に対応する変速段「R5」及び「R6」への変速操作がけん制される。
【0094】
すなわち、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられている状態(作業者が歩行型作業機1の前方に立って作業を行う状態)では、後進方向への高速の変速段「R4」、「R5」及び「R6」への変速操作がけん制される。このように、後進方向へ高速で移動する変速段(使用することが想定されない変速段)への変速操作を予めけん制することで、作業性を向上させることができる。
【0095】
また、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられている状態では、
図14及び
図15に示すように、移動規制部52が当接部54bを前方から囲むように配置される。この状態では、当接部54bがカム部51から離間する方向(前方)へ移動するのを、移動規制部52によって規制することができる。これによって、けん制部54が意図せず前方へと移動し、変速操作のけん制が解除されるのを防止することができる。また
図14及び
図15に示す状態からさらにカム部51(ハンドル30)が反時計回り方向に回動すると、当接部54bが移動規制部52と当接し、カム部51の回動が規制される。このように、移動規制部52は、カム部51(ハンドル30)の過剰な回動を規制することもできる。
【0096】
なお、上述の場合とは逆に、ハンドル30が逆ハンドル位置から正ハンドル位置に切り換えられると、けん制部54は自動的に前方へと移動し、再び第二横溝GS2(変速段「R4」)をけん制する(
図12参照)。このようにけん制機構50は、ハンドル30の回動に伴って、変速操作具41による所定の変速段(具体的には、後進方向へ高速で移動する変速段)への変速操作を自動的にけん制することができる。
【0097】
以上の如く、本実施形態に係る歩行型作業機1は、
変速操作が可能な変速操作具41と、
正ハンドル位置(第一の作業位置)と、前記正ハンドル位置から反転した逆ハンドル位置(第二の作業位置)と、の間で回動可能なハンドル30と、
前記ハンドル30と連動して回動可能なカム部51と、
前記カム部51に追従して移動することで、前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するけん制部54と、
を具備するものである。
このように構成することにより、ハンドル30の回動に伴って、変速操作具41が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる。これによって、作業性を向上させることができる。また上記構成によって、けん制のための構成を簡素化することができる。
【0098】
また、歩行型作業機1は、
前記けん制部54の可動方向と平行に配置され、前記けん制部54を前記カム部51に向かう方向に付勢する付勢部材55をさらに具備するものである。
このように構成することにより、付勢部材55をけん制部54の可動方向と平行に配置することで、部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0099】
また、前記付勢部材55は、
前記カム部51の回動軸線方向視(平面視及び底面視)において、前記カム部51と重複するように配置されるものである。
このように構成することにより、各部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0100】
また、歩行型作業機1は、
前記けん制部54が前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制している状態において、前記けん制部54が前記カム部51から離間する方向へ移動するのを規制する移動規制部52をさらに具備するものである。
このように構成することにより、けん制部54によるけん制が意図せず解除されるのを防止することができる。
【0101】
また、前記移動規制部52は、
前記カム部51と一体的に回動可能に設けられている。
このように構成することにより、構成を簡素化することができる。
【0102】
また、前記カム部51は、
当該カム部51の回動軸線を基準とする径方向外側端面に形成され、前記けん制部54を案内するカム面51aを具備し、
前記けん制部54は、
前記カム面51aに当接しながら追従する当接部54bを具備し、
前記移動規制部52は、
前記カム部51の回動軸線方向視において、前記カム面51aに当接した前記当接部54bを囲むように形成されている。
このように構成することにより、構成を簡素化することができる。
【0103】
また、前記移動規制部52は、
前記カム面51aに追従する前記当接部54bが通過可能な開口部52aを具備するものである。
このように構成することにより、移動規制部52を設けながらも、移動規制部52と当接部54bとの干渉を避けることができる。
【0104】
また、歩行型作業機1は、
前記変速操作具41の変速操作をガイドするガイド溝Gが形成されたガイドプレート44(ガイド板)をさらに具備し、
前記けん制部54は、
前記ガイドプレート44に沿って移動して前記ガイド溝Gの一部分を塞ぐことで、前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。
このように構成することにより、ガイド溝Gを塞ぐことで、変速操作具41の変速操作がけん制されていることを作業者に認識させ易くすることができる。
【0105】
また、前記ガイド溝は、
前記けん制部54の可動方向(前後方向)と平行な方向に長く延びる長手状に形成されるものである。
このように構成することにより、けん制部54の可動方向を、ガイド溝Gの長手方向と平行にすることで、部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0106】
また、歩行型作業機1は、
前記けん制部54を、当該けん制部54の可動方向に沿って案内する支持軸53(案内部)をさらに具備し、
前記支持軸53は、
前記カム部51の回動軸線方向視において、前記カム部51と重複するように配置されるものである。
このように構成することにより、部材の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0107】
なお、本実施形態に係る正ハンドル位置及び逆ハンドル位置は、それぞれ本発明に係る第一の作業位置及び第二の作業位置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る支持軸53は、本発明に係る案内部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るガイドプレート44は、本発明に係るガイド板の実施の一形態である。
【0108】
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0109】
例えば、本実施形態で示したけん制機構50がけん制する変速段は一例であり、任意の変速段をけん制するように適宜設定することが可能である。
【0110】
また、本実施形態では、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられた場合と、逆ハンドル位置に切り換えられた場合のそれぞれにおいて、けん制機構50によって所定の変速段をけん制する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、ハンドル30が正ハンドル位置又は逆ハンドル位置のいずれか一方に切り換えられた場合にのみ、所定の変速段をけん制する構成とすることも可能である。
【0111】
また、本実施形態で例示したガイド溝Gの形状は一例であり、本発明はこれに限るものではない。ガイド溝Gの形状は、例えば略直線状や、H字状に形成することも可能である。なおこの場合、ガイド溝Gの長手方向と、けん制機構50の支持軸53や付勢部材55の長手方向が、略平行になるように配置することが望ましい。例えば、ガイド溝Gを略直線状に形成した場合には、ガイド溝Gが延びる方向と、支持軸53等が略平行になるように配置することが望ましい。
【0112】
また、本実施形態でしめしたガイド溝Gと変速段の位置関係は一例であり、任意に設定することができる。
【0113】
また、本実施形態では、けん制部54によってガイド溝Gを塞ぐ(ガイド棒43の移動を規制する)ことで、変速操作具41の変速操作をけん制する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ガイド棒43に限らず、変速操作具41と連動して動く部材(例えば、変速操作具41自身や、リンク機構42等)の移動を規制することで、変速操作具41の変速操作をけん制することも可能である。
【0114】
また、本実施形態では、けん制部54が前後に移動することでガイド溝Gを塞ぐ例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、けん制部54は任意の方向に移動する構成とすることが可能である。例えば、けん制部54が左右方向に移動してガイド溝Gを塞ぐ構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 歩行型作業機
30 ハンドル
40 変速操作機構
41 変速操作具
44 ガイド板
50 けん制機構
51 カム部
51a カム面
52 移動規制部
52a 開口部
53 支持軸
54 けん制部
54b 当接部
55 付勢部材
G ガイド溝