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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】同行移動体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231128BHJP
【FI】
G05D1/02 K
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020567703
(86)(22)【出願日】2019-01-22
(86)【国際出願番号】 JP2019001861
(87)【国際公開番号】W WO2020152777
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-04-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川合 徹
(72)【発明者】
【氏名】向井 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 寛人
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-211704(JP,A)
【文献】特開2007-213367(JP,A)
【文献】特開2004-299025(JP,A)
【文献】特開2007-229814(JP,A)
【文献】特開2006-134221(JP,A)
【文献】特開2009-259023(JP,A)
【文献】特開2016-101774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進部を有して、使用者に同行する同行移動体であって、
前記使用者の移動状況を認識する移動状況認識部と、
前記使用者の移動状況に基づいて、第1所定時間後の前記使用者の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記予測位置から指定方向に指定距離だけ離れた位置である目標同行位置に向かって、前記推進部により前記同行移動体を移動させる同行制御を実行する同行制御部と、
前記使用者による変更指示に応じて、前記使用者の前記予測位置に対する前記目標同行位置の方向と距離をそれぞれ示す前記指定方向と前記指定距離の一方又は両方を変更する同行条件変更部と、
前記使用者の挙動を認識する挙動認識部と、を備え、
前記同行条件変更部は、前記同行制御部により前記同行制御が実行されている間、前記挙動認識部により前記使用者の第1所定挙動が認識されたときに、前記第1所定挙動に対応した前記変更指示を認識し、前記挙動認識部により前記使用者の前記第1所定挙動とは異なる第2所定挙動が認識されたとき、又は音声認識部により前記使用者の所定音声が認識されたときに、前記使用者による前記変更指示の受付を禁止する同行条件変更禁止モードから、前記使用者による前記変更指示の受付を許可する同行条件変更許可モードに切り替える
同行移動体。
【請求項2】
前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により、前記第1所定挙動として、前記使用者が腕を前記指定方向から他の方向にスイングするジェスチャーが認識されたときに、前記変更指示として、前記指定方向を前記他の方向に変更する指示を受付ける
請求項1に記載の同行移動体。
【請求項3】
前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により、前記第1所定挙動として、前記使用者が指の本数を示すジャスチャーが認識されたときに、前記変更指示として、前記指定距離を前記指の本数に応じて変更する指示を受付ける
請求項1又は請求項2に記載の同行移動体。
【請求項4】
前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により第2所定挙動が認識されたときに、前記変更指示の受付を禁止する同行条件変更禁止モードから、前記変更指示の受付を許可する同行条件変更許可モードに切り替える
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の同行移動体。
【請求項5】
前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により、前記第2所定挙動として、前記使用者が視線を第2所定時間以上所定位置に向けていることが認識されたときに、前記同行条件変更禁止モードから前記同行条件変更許可モードに切り替える
請求項4に記載の同行移動体。
【請求項6】
音声認識部を備え、
前記同行条件変更部は、前記音声認識部により所定音声が認識されたときに、前記変更指示の受付を禁止する同行条件変更禁止モードから、前記変更指示の受付を許可する同行条件変更許可モードに切り替える
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の同行移動体。
【請求項7】
前記同行制御部は、前記同行条件変更部により前記指定方向と前記指定距離の一方又は両方が変更されたときに、変更された前記指定方向と前記指定距離の一方又は両方に応じた位置に前記同行移動体を移動させる変更対応移動を実行し、その後、前記使用者の移動に応じて前記同行制御により前記同行移動体を移動させる
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の同行移動体。
【請求項8】
撮影方向の変更が可能なカメラを備え、
前記同行制御部は、前記同行条件変更部により前記指定方向が変更されて、前記変更対応移動により前記同行移動体を移動させるときに、前記カメラを前記使用者に向けながら、前記同行移動体を移動させる
請求項7に記載の同行移動体。
【請求項9】
前記同行移動体の進行方向に存在する障害物を検出する障害物検出部を備え、
前記同行制御部は、前記障害物検出部により検出された障害物との接触を回避するための処理を実行する
請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の同行移動体。
【請求項10】
前記同行条件変更部は、同行条件の変更要求がなされたと判断したときに、その後の前記同行移動体の動かし方を、使用者へ報知する
請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の同行移動体。
【請求項11】
前記同行制御部は、前記同行条件変更部による前記指定方向と前記指定距離の一方又は両方を変更する同行条件の変更後において、前記使用者が移動して、前記使用者と前記同行移動体との距離が指定距離以上になったときに、前記同行制御を再開する
請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の同行移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者に同行して移動する同行移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者に同行して移動する同行移動体として、例えば、特許文献1には、スーパーマーケット等の店舗において、使用者による商品の購入を支援するために、使用者に追従して走行する機能を備えた店舗ロボットが記載されている。特許文献1に記載された店舗ロボットは、画像センサーにより使用者を撮影して、店舗ロボットからの使用者の距離を算出する。そして、店舗ロボットと使用者との距離が一定に保たれるように、移動機構により車輪を駆動制御して、店舗ロボットを使用者に追従させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-155039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の同行移動体は、使用者との距離を一定に維持して使用者に同行する。しかしながら、同行移動体との適切な距離感は、使用者毎に異なる場合がある。また、使用者の移動パターンや、同行移動体に実行させる作業の内容によって、使用者が、使用者と同行移動体との距離や、使用者に対する同行移動体の方向を変更することを希望する場合もあると考えられる。そして、使用者による同行移動体の利用を中断することのないよう、このような同行条件の変更は、同行移動体の移動状況に速やかに反映されることが望ましい。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、使用者の指示による同行条件の変更を、移動状況に速やかに反映させることができる同行移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための構成として、推進部を有して、使用者に同行する同行移動体であって、前記使用者の移動状況を認識する移動状況認識部と、前記使用者の移動状況に基づいて、第1所定時間後の前記使用者の予測位置を算出する予測位置算出部と、前記予測位置から指定方向に指定距離だけ離れた位置である目標同行位置に向かって、前記推進部により前記同行移動体を移動させる同行制御を実行する同行制御部と、前記使用者による変更指示に応じて、前記使用者の前記予測位置に対する前記目標同行位置の方向と距離をそれぞれ示す前記指定方向と前記指定距離の一方又は両方を変更する同行条件変更部と、前記使用者の挙動を認識する挙動認識部と、を備え、前記同行条件変更部は、前記同行制御部により前記同行制御が実行されている間、前記挙動認識部により前記使用者の第1所定挙動が認識されたときに、前記第1所定挙動に対応した前記変更指示を認識し、前記挙動認識部により前記使用者の前記第1所定挙動とは異なる第2所定挙動が認識されたとき、又は音声認識部により前記使用者の所定音声が認識されたときに、前記使用者による前記変更指示の受付を禁止する同行条件変更禁止モードから、前記使用者による前記変更指示の受付を許可する同行条件変更許可モードに切り替える同行移動体が挙げられる。
【0006】
上記同行移動体において、前記使用者の挙動を認識する挙動認識部を備え、前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により第1所定挙動が認識されたときに、前記第1所定挙動に対応した前記変更指示を認識する構成としてもよい。
【0007】
上記同行移動体において、前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により、前記第1所定挙動として、前記使用者が腕を前記指定方向から他の方向にスイングするジェスチャーが認識されたときに、前記変更指示として、前記指定方向を前記他の方向に変更する指示を受付ける構成としてもよい。
【0008】
上記同行移動体において、前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により、前記第1所定挙動として、前記使用者が指の本数を示すジスチャーが認識されたときに、前記変更指示として、前記指定距離を前記指の本数に応じて変更する指示を受付ける構成としてもよい。
【0009】
上記同行移動体において、前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により第2所定挙動が認識されたときに、前記変更指示の受付を禁止する同行条件変更禁止モードから、前記変更指示の受付を許可する同行条件変更許可モードに切り替える構成としてもよい。
【0010】
上記同行移動体において、前記同行条件変更部は、前記挙動認識部により、前記第2所定挙動として、前記使用者が視線を第2所定時間以上所定位置に向けていることが認識されたときに、前記同行条件変更禁止モードから前記同行条件変更許可モードに切り替える構成としてもよい。
【0011】
上記同行移動体において、音声認識部を備え、前記同行条件変更部は、前記音声認識部により所定音声が認識されたときに、前記変更指示の受付を禁止する同行条件変更禁止モードから、前記変更指示の受付を許可する同行条件変更許可モードに切り替える構成としてもよい。
【0012】
上記同行移動体において、前記同行制御部は、前記同行条件変更部により前記同行条件が変更されたときに、変更された前記同行条件に応じた位置に前記同行移動体を移動させる変更対応移動を実行し、その後、前記使用者の移動に応じて前記同行制御により前記同行移動体を移動させる構成としてもよい。
【0013】
上記同行移動体において、撮影方向の変更が可能なカメラを備え、前記同行制御部は、前記同行条件変更部により前記指定方向が変更されて、前記変更対応移動により前記同行移動体を移動させるときに、前記カメラを前記使用者に向けながら、前記同行移動体を移動させる構成としてもよい。
【0014】
上記同行移動体において、前記同行移動体の進行方向に存在する障害物を検出する障害物検出部を備え、前記同行制御部は、前記障害物検出部により検出された障害物との接触を回避するための処理を実行する構成としてもよい。
上記同行移動体において、前記同行条件変更部は、同行条件の変更要求がなされたと判断したときに、その後の前記同行移動体の動かし方を、使用者へ報知する構成としてもよい。
上記同行移動体において、前記同行制御部は、前記同行条件変更部による前記指定方向と前記指定距離の一方又は両方を変更する同行条件の変更後において、前記使用者が移動して、前記使用者と前記同行移動体との距離が指定距離以上になったときに、前記同行制御を再開する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
上記同行移動体によれば、同行条件変更部により、使用者による変更指示に応じて、同行移動体を使用者に同行させる際の指定方向と指定距離の一方又は両方が変更される。そして、同行制御部による同行制御により、予測位置算出部により算出された所定時間後の使用者の予測位置から、指定方向に指定距離だけ離れた目標同行位置に向かって、同行移動体が移動する。これにより、使用者の指示に応じて同行移動体の同行条件である指定方向又は指定距離が変更されたときに、変更された同行条件を同行移動体の移動状況に速やかに反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態の同行移動体であるショッピングカートの利用形態を示した説明図である。
図2図2は、ショッピングカートの構成図である。
図3図3は、ショッピングカートの作動フローチャートである。
図4図4は、初期案内画面の説明図である。
図5図5は、選択材料リストの作成処理のフローチャートである。
図6図6は、購入材料選択画面の説明図である。
図7図7は、選択材料リストの説明図である。
図8図8は、買物経路の探索処理のフローチャートである。
図9図9は、選択材料の陳列位置の説明図である。
図10図10は、買物経路の案内処理のフローチャートである。
図11図11は、購入経路の案内画面の説明図である。
図12図12は、使用者が直進する状況で、ショッピングカートが使用者の前方に同行する態様の説明図である。
図13図13は、購入品リストの説明図である。
図14図14は、使用者が急旋回する状況で、ショッピングカートが使用者を追い越す態様の説明図である。
図15図15は、使用者がその場で旋回した場合に、ショッピングカートが使用者の周囲を移動する態様の説明図である。
図16図16は、同行条件の変更処理のフローチャートである。
図17図17は、腕をスイングするジャスチャーにより、同行条件の指定方向を変更する態様の説明図である。
図18図18は、指の本数を示すジェスチャーにより、同行条件の指定距離を変更する態様の説明図である。
図19図19は、購入品のカード決済依頼処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[1.ショッピングカートの利用形態]
図1を参照して、本実施形態における同行移動体の利用形態について説明する。本実施形態の同行移動体はショッピングカート1であり、店舗200において、買物客である使用者Uに同行して店舗200内を自走して移動し、使用者Uの買物をサポートする。
【0018】
ショッピングカート1は、商品を収容するかご5、走行ユニット10、全方位カメラ20、ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)21、前方カメラ22、スピーカー23、マイク24、タッチパネル25、カードリーダ26、通信ユニット27、及び制御ユニット30を備えている。
【0019】
ここで、全方位カメラ20、ライダー21、及び前方カメラ22は、ショッピングカート1に対する使用者Uの方角と距離、及びショッピングカート1の前方に存在する障害物を常時観測するために設けられている。このような常時観測を行うための別構成として、例えば、以下の(a)~(c)の構成を採用することが可能である。
(a)全方位カメラ20を、動力付き首振り機構により撮影方向を変更して使用者Uを追尾するカメラ(首振りカメラ)で代替する。
(b)(a)の首振りカメラを複眼カメラとして測距を可能とすることにより、ライダー21を不要とする。
(c)全方位カメラ20を複眼カメラで構成することにより、ライダー21を不要とする。
【0020】
走行ユニット10は、左駆動輪12と右駆動輪15とを有して、ショッピングカート1を自走させる。走行ユニット10は、本発明の推進ユニットに相当する。全方位カメラ20は、ショッピングカート1の周囲360度の範囲を撮影する。ライダー21は、ショッピングカート1の周囲360度の範囲を走査して、周囲の物体の位置(ショッピングカート1を基準とした物体の方向とショッピングカート1から物体までの距離)を検出する。これにより、全方位カメラ20により使用者Uを認識しつつ、ライダー21により使用者Uの方角と距離を常時特定することができる。
【0021】
前方カメラ22はショッピングカート1の前方(進行方向)を撮影する。なお、前方カメラ22の機能を、全方位カメラ20によって代替してもよい。スピーカー23は、使用者Uに対する音声ガイダンス等を出力する。マイク24は、使用者Uによる音声指示等を入力する。タッチパネル25は、液晶表示器等のフラットタイプの表示器の表面にタッチスイッチを配置して構成され、使用者Uによるタッチ位置を検出すると共に、種々の画面を表示する。
【0022】
カードリーダ26は、使用者Uが所持する店舗200の会員カード81に記録された情報を読み取る。本実施形態の会員カード81は、クレジットカードの機能を有している。通信ユニット27は、店舗200に備えられた店舗管理システム210、及び使用者Uが所持するスマートフォン等の通信端末80との間で、無線による通信を行う。制御ユニット30は、ショッピングカート1の全体的な作動を制御し、店舗200に備えられた店舗管理システム210との間で、通信ユニット27を介して通信を行うことにより、種々の情報を取得する。
【0023】
店舗管理システム210は、通信ネットワーク500を介して、店舗グループサーバー400、スマートホームサーバー410、料理レシピサーバー420、及びカード会社サーバー430との間で通信を行う。店舗管理システム210は、店舗200で販売されている商品の価格を記録した商品DB(data base)211を備えている。店舗グループサーバー400は、店舗200を運営する小売業者が展開する各店舗の情報を記録した店舗DB(data base)401と、各店舗を利用する会員の情報を記録した会員DB402とを備えている。会員DB402には、各店舗の会員登録を行った使用者のプロフィールと使用者に対して発行された会員ID(identification)が記録されている。
【0024】
スマートホームサーバー410は、使用者Uの自宅300に設置されたスマートホームユニット310から送信される食材在庫データStk_datを受信して、在庫DB411に記録する。スマートホームユニット310は、使用者Uの自宅300に置かれた冷蔵庫301、及び図示しない収容棚等に収容されている食材の在庫状況を、図示しないカメラによる画像認識によって認識し、食材在庫データStk_datを生成する。なお、スマートホームユニット310と使用者Uが所持する通信端末80との間で通信を行い、使用者Uが通信端末80を操作して食材の在庫状況を入力することにより、通信端末80からスマートホームユニット310に、食材の在庫状況を送信するようにしてもよい。
【0025】
スマートホームサーバー410は、使用者Uの自宅300における食材の在庫を示す食材在庫データStk_datを、使用者Uの会員IDと対応付けて、在庫DB411に記録する。スマートホームサーバー410は、他の使用者についても、その使用者の自宅における食材の在庫状況を示す食材在庫データStk_datを、その使用者の会員IDと対応付けて、在庫DB411に記録する。
【0026】
スマートホームサーバー410は、店舗管理システム210から、会員IDを指定した在庫状況の送信要求を受信したときに、指定された会員IDに対応付けて在庫DB411に記録された食材在庫データStk_datを、店舗管理システム210に送信する。料理レシピサーバー420は、各種料理のレシピデータを記録した料理レシピDB421を備えており、店舗管理システム210から要求された料理のレシピ情報を、店舗管理システム210に送信する。
【0027】
カード会社サーバー430は、クレジットカードによる代金支払いの決済サービスの提供業者により運用され、クレジットカード会員の信用情報を、クレジットカード会員に対して発行した識別情報であるクレジットカード番号と対応させて記録した信用DB431を備えている。カード会社サーバー430は、端末装置の機能を有している。ショッピングカート1の制御ユニット30は、使用者Uが、クレジットカードによる代金の支払いを選択したときに、会員カード81のクレジットカード番号をカードリーダ26により読み取る。
【0028】
そして、制御ユニット30は、クレジットカード番号と支払い金額を示す決済依頼情報をカード会社サーバー430に送信する。カード会社サーバー430は、決済依頼情報に応じて、会員カード81による購入商品の支払い処理を行う。制御ユニット30からカード会社サーバー430への決済依頼情報の送信は、店舗管理システム210を介して行ってもよく、制御ユニット30から店舗管理システム210に直接送信するようにしてもよい。
【0029】
[2.ショッピングカートの構成]
図2図4を参照して、ショッピングカート1の構成について説明する。図2を参照して、制御ユニット30は、タッチパネル25、全方位カメラ20、ライダー21、前方カメラ22、スピーカー23、マイク24、カードリーダ26、通信ユニット27、及び走行ユニット10と接続されている。
【0030】
走行ユニット10は、左駆動輪12を駆動する左モータ11、左モータ11が第1規定角度回転する毎に1つのパルス信号を出力する左エンコーダ13、右駆動輪15を駆動する右モータ14、右モータ14が第2規定角度回転する毎に1つのパルス信号を出力する右エンコーダ16、及びショッピングカート1の角速度を検出するジャイロセンサ17を備えている。走行ユニット10は、左駆動輪12と右駆動輪15の回転速度を同じにすることで、ショッピングカート1を直進させ、左駆動輪12と右駆動輪15の回転速度や回転方向を異ならせることによって、ショッピングカート1を旋回させる。
【0031】
制御ユニット30は、CPU(Central Processing Unit)40、メモリ70等により構成された電子回路ユニットである。メモリ70には、ショッピングカート1の制御用プログラム71、店舗200のフロアレイアウトの情報を含むフロアレイアウトデータ72、後述するショッピングカート1の同行条件の情報を含む同行条件データ73、及び後述する購入品リストの情報を含む購入品リストデータ74が保存されている。
【0032】
CPU40は、メモリ70に保存された制御用プログラム71を読み込んで実行することにより、ジョブ情報受付部41、在庫情報取得部42、候補材料認識部43、選択材料決定部44、経路探索部45、案内部46、現在位置認識部47、及び同行条件取得部48として機能する。さらに、CPU40は、挙動認識部49、音声認識部50、同行条件変更部51、移動状況認識部52、予測位置算出部53、同行制御部54、旋回角度認識部55、障害物検出部56、収容物識別部57、価格報知部58、及び決済依頼部59として機能する。
【0033】
ジョブ情報受付部41は、使用者によるタッチパネル25の操作に応じて、店舗200が販売する商品を用いるジョブを受付ける。本実施形態では、店舗200は食品を販売する店舗であるため、ジョブ情報受付部41は、料理のジョブを受付ける。例えば、店舗200がホームセンターのように、DIY(do-it-yourself)材料を扱う店舗であるときには、ジョブ情報受付部41は、工作品の製作、家屋の修繕等のジョブを受付ける。
【0034】
在庫情報取得部42は、店舗管理システム210を介して、スマートホームサーバー410から、使用者Uの自宅300における食材の在庫情報を取得する。候補材料認識部43は、ジョブ情報受付部41により、料理のジョブが受付けられたときに、店舗管理システム210を介して料理レシピサーバー420にアクセスし、受け付けられた料理のレシピ情報を取得する。そして、候補材料認識部43は、レシピ情報に基づいて、料理に必要な候補材料を抽出する。
【0035】
なお、ジョブ情報受付部41が、使用者Uが選択した料理の情報を店舗管理システム210を介して料理レシピサーバー420に送信し、料理レシピサーバー420が、料理に必要な候補材料を抽出して、候補材料を示す候補材料情報をショッピングカート1に送信する構成としてもよい。この構成による場合、候補材料認識部43は、候補材料情報から、料理に必要な候補材料を認識する。
【0036】
選択材料決定部44は、使用者によるタッチパネル25の操作に応じて、候補材料認識部43により認識された候補材料の全部又は一部を、購入対象とする選択材料として決定する。経路探索部45は、フロアレイアウトデータ72を参照して、店舗200における選択材料の配置場所を通る経路を探索して、最適な買物経路を決定する。なお、フロアレイアウト情報を、店舗管理システム210、或いは店舗グループサーバー400から取得するようにしてもよい。案内部46は、経路探索部45により決定された買物経路をタッチパネル25に表示すると共に、買物経路に沿ってショッピングカート1を移動させて、使用者Uに買物経路を案内する。
【0037】
現在位置認識部47は、左エンコーダ13から出力されるパルス信号、及び右エンコーダから出力されるパルス信号を計数して、店舗200内の基準位置からのショッピングカート1の移動量を算出する。店舗200内の基準位置は、例えば、ショッピングカート置き場に設定される。また、現在位置認識部47は、ジャイロセンサ17の検出信号により、ショッピングカート1の移動方向を認識する。そして、現在位置認識部47は、ショッピングカート1の基準位置からの移動距離と移動方向に基づいて、店舗200におけるショッピングカート1の現在位置を検出する。なお、全方位カメラ20或いは前方カメラ22による店舗200内の撮影画像に基づいて、ショッピングカート1の現在位置の検出値を修正してもよい。
【0038】
また、店舗に所定間隔で配置されたビーコンから送信される信号をショッピングカート1で受信することにより、現在位置認識部47がショッピングカート1の現在位置を認識する構成としてもよい。或いは、店舗に配置されたカメラによる撮影画像から、店舗管理システム210又は店舗グループサーバー400がショッピングカート1の現在位置を検出して、現在位置を示す現在位置情報をショッピングカート1に送信し、この現在位置情報から、現在位置認識部47がショッピングカート1の現在位置を認識する構成としてもよい。
【0039】
同行条件取得部48は、メモリ70に保存された同行条件データ73を参照して、ショッピングカート1が使用者Uに同行して移動する際の同行条件の初期値を取得する。本実施形態では、同行条件として、使用者Uに対するショッピングカート1の方向(前方、後方、右横、左横、右斜め前、左斜め前、右斜め後、左斜め後ろ等、本発明の指定方向に相当する)と、使用者Uとショッピングカートとの距離(本発明の指定距離に相当する)が指定されている。以下では、同行条件により設定されている方向を指定方向と称し、同行条件により設定されている距離を指定距離と称する。なお、店舗管理システム210、或いは店舗グループサーバー400から、同行条件の初期値を取得するようにしてもよい。
【0040】
挙動認識部49は、全方位カメラ20による使用者Uの撮影画像に基づいて、使用者Uの挙動を認識する。音声認識部50は、マイク24により集音された使用者Uの音声を認識する。同行条件変更部51は、挙動認識部49により同行条件の変更を指示するジェスチャー或いは使用者Uの視線の変化が認識されたとき、及び音声認識部50により同行条件の変更を指示する音声が認識されたときに、認識結果に応じて同行条件(指定方向と指定距離の一方又は両方)を変更する。
【0041】
移動状況認識部52は、全方位カメラ20による使用者Uの撮影画像、及びライダー21により検出される使用者Uの位置に基づいて、使用者Uの移動状況を認識する。予測位置算出部53には、移動状況認識部52により認識される使用者Uの移動状況に基づいて、第1所定時間後の使用者Uの予測位置を算出する。同行制御部54は、予測位置算出部53により算出された使用者Uの予測位置から、同行条件により設定されている指定方向に指定横行だけ離れた位置を目標同行位置として、ショッピングカート1を目標同行位置まで走行させることにより、ショッピングカート1を使用者Uに同行させる同行制御を実行する。
【0042】
このように、使用者Uの移動状況に応じた目標同行位置を設定して、ショッピングカート1を走行させることにより、使用者Uの移動に対するショッピングカート1の追従性を高めることができる。
【0043】
旋回角度認識部55は、移動状況認識部52により認識される使用者Uの移動状況に基づいて、使用者Uの旋回角度を認識する。障害物検出部56は、前方カメラ22による撮影画像、及びライダー21による物体の検出位置に基づいて、ショッピングカート1の進行方向に存在する障害物を検出する。
【0044】
収容物識別部57は、全方位カメラ20による撮影画像に基づいて、かご5に物品(本実施形態では商品)が収容されたことを認識する。さらに、収容物識別部57は、かご5に収容された商品の画像を解析することにより、或いは商品に付されたバーコード等の識別コードを画像から読み取ることにより、商品を識別する。価格報知部58は、収容物識別部57により識別された商品を示す情報(名称、識別コード等)を、店舗管理システム210に送信して、商品の価格を問い合わせる。この問い合わせに応じて、店舗管理システム210は、商品DB211を参照して商品の価格を取得し、商品の価格を示す価格情報を制御ユニット30に送信する。価格報知部58は、価格情報から商品の価格を認識して、タッチパネル25に表示する。
【0045】
決済依頼部59は、使用者Uが、例えばタッチパネル25に表示された「決済ボタン」(図示省略)にタッチしてカード支払の指示をしたときに、使用者Uが所持する会員カードのクレジットカード番号を、カードリーダ26により読み取る。そして、決済依頼部59はクレジットカード番号と、価格報知部58により認識された商品の価格の合計金額とを含む決済依頼情報をカード会社サーバー430に送信して、カード決済を依頼する。なお、ショッピングカート1に現金の挿入口を設けて、現金払いが可能な構成としてもよい。
【0046】
制御ユニット30は、図3に示したフローチャートによる一連の処理を実行して、使用者Uによる店舗200での買物を支援する。制御ユニット30のジョブ情報受付部41は、図3のステップ1で、使用者Uによるショッピングカート1の利用開始操作を認識したときに、図4に示した初期案内画面100を、タッチパネル25に表示する。図4を参照して、初期案内画面100には、店舗200の売り場配置を示すフロアレイアウト101、及びショッピングカート1の利用の開始及び終了を指示するON/OFFボタン102が表示される。
【0047】
さらに、初期案内画面100には、料理に応じた食材検索メニューの利用を指示するための料理選択ボタン103、使用者Uがかご5に入れた商品を一覧表示する購入品リストの表示を指示するための購入品リストボタン104、及び特売情報の表示を指示するための特売情報ボタン105が表示される。
【0048】
また、ジョブ情報受付部41は、全方位カメラ20による撮影画像から、ショッピングカート1の後方に位置する使用者Uの画像部分を認識する。そして、ジョブ情報受付部41は、使用者Uの画像部分から、使用者Uの特定情報(使用者Uの顔、体形、服装等の特徴を示す情報)を抽出して、メモリ70に保存する。挙動認識部49及び移動状況認識部52は、メモリ70に保存された使用者Uの特定情報を用いて、全方位カメラ20の撮像画像から使用者Uの画像部分を特定して抽出し、使用者Uの挙動或いは移動状況を認識する。
【0049】
制御ユニット30は、料理選択ボタン103のタッチ操作を検知したときに、ステップS100に処理を進めて、「選択食材リストの作成」の処理を実行する。「選択食材リストの作成」の処理により、制御ユニット30は、料理に使用する食材のうち、今回購入する食材をリストアップした選択食材リスト(後述する図7参照)を作成する。次のステップS200で、制御ユニット30は、「買物経路の探索」の処理を実行する。「買物経路の探索」の処理により、制御ユニット30は、選択材料リストにリストアップされた選択食材の陳列場所までの経路である買物経路(後述する図11参照)を探索する。
【0050】
続くステップS300で、制御ユニット30は、「買物経路の案内」の処理を実行する。「買物経路の案内」の処理により、制御ユニット30は、買物経路に従ってショッピングカート1を走行させることにより、使用者Uを選択材料の陳列場所まで案内しつつ、同行制御によりショッピングカート1を使用者Uに同行して移動させる。次のステップS400で、制御ユニット30は、「クレジットカードによる決済依頼」の処理を実行する。「クレジットカードによる決済依頼」の処理により、制御ユニット30は、使用者Uによるカード決済の操作指示に応じて、ショッピングカート1のかご5に収容された商品の代金支払いのカード決済を依頼する。
【0051】
以下、「選択材料リストの作成」、「買物経路の探索」、「買物経路の案内」、及び「クレジットカードによる決済依頼」の各処理の詳細について説明する。
【0052】
[3.選択材料リストの作成]
図5に示したフローチャートに従って、「選択材料リストの作成」の処理について説明する。ジョブ情報受付部41は、図5のステップS101で、料理の選択画面をタッチパネル25に表示する。そして、使用者Uによる料理のジョブの選択操作があったときに、ジョブ情報受付部41は、ステップS103に処理を進める。以下では、使用者Uがポークカレーの料理を選択した場合について説明する。
【0053】
ステップS103で、候補材料認識部43は、店舗管理システム210を介して料理レシピサーバー420にアクセスし、ポークカレーのレシピを取得する。そして、候補材料認識部43は、取得したレシピを参照して、ポークカレーの料理に必要な候補材料を抽出する。次のステップS104で、在庫情報取得部42は、店舗管理システム210を介して、スマートホームサーバー410にアクセスする。そして、在庫情報取得部42は、在庫DB411に記録された使用者Uの自宅300についての食材在庫データStk_datを取得する。
【0054】
続くステップS105~S107は、選択材料決定部44による処理である。選択材料決定部44は、ステップS105で、候補材料認識部43により抽出された候補材料、及び食材在庫データStk_datに基づいて、図6に示した購入材料選択画面110を、タッチパネル25に表示する。
【0055】
図6に示したように、購入材料選択画面110には、料理名111、候補材料リスト112、及び選択決定ボタン113が表示される。候補材料リスト112には、候補材料名112a、各候補材料の必要量112b、各候補材料の自宅在庫112c、及び各候補材料の選択チェック欄112dが表示される。使用者Uは、購入材料選択画面110を見て、自宅の在庫を考慮しつつ、候補材料の中から、今回購入する材料を選択することができる。使用者Uは、購入を希望する候補材料の選択チェック欄112dをタッチ操作することにより、購入する食材である選択材料を指定する。
【0056】
次のステップS106とS107のループにより、選択材料決定部44は、ステップS107で選択決定ボタン83がタッチ操作されるまで、ステップS106で、使用者Uの選択操作に応じて選択材料を追加する。そして、選択材料決定部44は、ステップS107で選択決定ボタン113がタッチ操作されたときに、ステップS108に処理を進めて、図7に示した選択材料リスト120を作成する。
【0057】
[4.買物経路の探索]
図8に示したフローチャートに従って、「買物経路の探索」の処理について説明する。経路探索部45は、図8のステップS201で、フロアレイアウトデータ72に記録された店舗200のフロアレイアウトを参照して、選択材料リスト120にリストアップされた選択材料の陳列位置(所在位置)を抽出する。図9に示したように、選択材料の陳列位置は、店舗200のフロアの2次元座標により特定される。図9に示した例では、例えば、豚肉の陳列場所は(xa,ya)となっている。
【0058】
続くステップS202で、経路探索部45は、現在位置認識部47により検出されるショッピングカート1の現在位置を起点として、選択材料の陳列位置を通る経路を探索する。そして、経路探索部45は、走行距離が最短となる経路を買物経路として決定する。なお、選択材料の種類を考慮して、買物経路を決定してもよい。例えば、選択材料に冷蔵及び冷凍が不要な第1食材と、冷蔵又は冷凍が必要な第2食材が含まれる場合に、第1食材の所在場所に先に到着し、その後に第2食材の所在場所に到着するように、買物経路を決定してもよい。
【0059】
[5.買物経路の案内]
図10に示したフローチャートに従って、「買物経路の案内」の処理について説明する。図10のステップS301で、案内部46は、図11に示した買物経路案内画面140を、タッチパネル25に表示して、買物経路の案内を開始する。買物経路案内画面140には、店舗200のフロアレイアウト141が表示され、フロアレイアウト141には、買物経路Rsが示されている。
【0060】
買物経路Rsは、ショッピングカート1の現在位置Psであるカート置場→野菜コーナーAのじゃがいもの陳列位置であるP1→野菜コーナーAの玉ねぎの陳列位置であるP2→精肉コーナーFの豚肉の陳列位置であるP3→日配品コーナーEのバターの陳列位置であるP4の順に走行する経路となっている。
【0061】
案内部46は、フロアレイアウト141に買物経路Rsを示すと共に、走行ユニット10の左モータ11及び右モータ14の作動を制御して、ショッピングカート1を買物経路に沿って走行させることにより、使用者Uに買物経路を案内する。なお、買物経路の案内を終了した後、案内部46により、使用者Uがレジで料金を支払う場合はレジまでの経路を案内し、使用者Uが後述するカード決済による支払いを終了している場合は出入口までの経路を案内するようにしてもよい。
【0062】
買物経路案内画面140には、フロアレイアウト141の他に、購入品リストボタン142と、特売情報ボタン143とが表示される。購入品リストボタン142が操作されたときに、価格報知部58により、図13に示した購入品リスト画面160がタッチパネル25に表示される。特売情報ボタン143が操作されたときに、案内部46は、店舗200における特売品情報をタッチパネル25に表示する。
【0063】
使用者Uが特売品情報の表示画面で特売品を選択した場合、選択材料決定部44は、選択された特売品を選択材料リスト120に追加する。そして、経路探索部45は、経路を再探索して、選択された特売品の陳列場所を通る買物経路を決定する。
【0064】
続くステップS302~S309のループは、ショッピングカート1を買物経路に沿って走行させて買物経路を使用者Uに案内する際に、ショッピングカート1を使用者Uに同行させる同行制御を行うための処理である。ステップS302で、同行制御部54は、挙動認識部49により認識される使用者Uの挙動に応じて、ステップS302~S309のループの処理によってショッピングカート1を移動させる際のサンプリング周期Tsを決定する。
【0065】
続くステップS303で、同行制御部54は、Tsの経過を待ってステップS304以降の処理を実行するため、Tsを変更することによって、ステップS302~S309のループによる処理の実行間隔を変更することができる。
【0066】
具体的には、同行制御部54は、挙動認識部49により以下の(1)~(3)のうちのいずれかの挙動が認識されたときに、サンプリング周期Tsを初期値よりも短くする。
(1)使用者Uが、進行方向を第1所定角度以上変更した。
(2)使用者Uが、頭又は体の向きを第2所定角度以上変更した。
(3)使用者Uが、視線の向きを第3所定角度以上変更した。
第1所定角度~第3所定角度は、例えば90度に設定される。第1所定角度~第3所定角度は、同じ角度に設定してもよく、異なる角度に設定してもよい。
【0067】
上記(1)~(3)の挙動が認識されたときには、使用者Uの進行方向が急変した、或いは使用者Uの進行方向が急変する可能性が高い。そこで、同行制御部54は、サンプリング周期Tsを初期値よりも短くすることにより、使用者Uの進行方向の急変に対するショッピングカート1の応答性を高めて、ショッピングカート1の同行が遅れることを防止している。
【0068】
続くステップS304で、同行制御部54は、同行条件データ73に記録された同行条件の初期値を取得する。同行条件の初期値としては、例えば指定方向が前方、指定距離が30cmに設定される。後述するように、使用者Uは、同行条件を随時変更することができる。
【0069】
次のステップS305で、移動状況認識部52は、全方位カメラ20による使用者Uの撮影画像、及びライダー21による使用者Uの検出位置に基づいて、使用者Uの移動方向及び移動速度を認識する。また、ステップS306で、予測位置算出部53は、移動状況認識部52により認識された使用者Uの移動方向及び移動速度に応じて、次のTs経過時の使用者Uの予測位置を算出する。
【0070】
続くステップS307で、同行制御部54は、予測位置算出部53により算出された使用者Uの予測位置から、指定方向に指定距離だけ離れた目標同行位置を算出する。ここで、図12は、使用者Uが直進している状況で、目標同行位置を算出する例を示している。図12では、使用者Uの現在位置をPu11(x1,y1)で示し、ショッピングカート1の現在位置をPc11で示し、Ts後の使用者Uの予測位置をPu12(x2,y2)で示している。
【0071】
Pu11(x1,y1)で移動状況認識部52により認識された使用者Uの移動方向がDr1、移動速度がV1である場合、予測位置算出部53は、以下の式(1)、式(2)により、予測位置Pu12(x2,y2)を算出する。
x2=x1+V1_x × Ts ・・・・・(1)
y2=y1+V1_y × Ts ・・・・・(2)
但し、V1_x:Dr1方向の速度V1のx成分、V1_y:Dr1方向の速度V1のy成分。
【0072】
同行制御部54は、同行制御部54は、予測位置Pu12(x2,y2)から指定方向(ここでは、使用者Uの前方)に、指定距離L1だけ離れた位置Pc12を、目標同行位置として算出する。そして、ステップS308で、同行制御部54は、Tsが経過した時にショッピングカート1が目標同行位置に到達するように、ショッピングカート1を走行させる。
【0073】
障害物検出部56は、同行制御部54がショッピングカート1を走行させているときに、前方カメラ22による撮影画像及びライダー21による物体の検出位置に基づいて、ショッピングカート1の前方に存在する障害物を検出する。そして、障害物検出部56により障害物が検出された場合、同行制御部54は、障害物との接触を回避するための処理を行う。障害物との接触を回避するための処理としては、障害物を避けるようにショッピングカート1の進行方向を変える、ショッピングカート1を停止させて障害物の存在を使用者に報知し、使用者に進行方向の変更を促す、等の処理を行うことができる。
【0074】
ここで、案内部46は、使用者Uが買物経路から所定距離以上外れたときには、買物経路に戻ることを促す画面をタッチパネル25に表示する、或いは買物経路に戻ることを促す音声ガイダンスをスピーカー23から出力する報知を行う。また、案内部46が、買物経路を再検索するようにしてもよい。
【0075】
次のステップS309で、案内部46は、現在位置認識部47により検出されるショッピングカート1の現在位置に基づいて、ショッピングカート1が選択材料の陳列場所に到着したか否かを判断する。そして、案内部46は、ショッピングカート1が選択材料の陳列場所に到着したときはステップS310に処理を進めて、ショッピングカート1の走行を停止する。一方、ショッピングカート1が選択材料の陳列場所に到着していないときには、案内部46は、ステップS302に処理を進める。
【0076】
ステップS311で、収容物識別部57は、全方位カメラ20による撮影画像に基づいて、選択材料がかご5に収容されたことを認識したときに、ステップS312に処理を進める。なお、ステップS309で、案内部46によりショッピングカート1が選択材料の陳列場所に到着したと判断されたとき、或いはステップS311で、収容物識別部57により選択材料がかご5に収容されたことが認識されたときに、到着した陳列場所に陳列された選択材料又はかご5に収容された選択材料の表示を、買物経路案内画面140から消すようにしてもよい。
【0077】
ステップS312で、価格報知部58は、かご5に追加して収容された商品の価格を、店舗管理システム210との通信によって取得して、タッチパネル25に表示する。また、価格報知部58は、追加してかご5に収容された商品の価格を、図13に示した購入品リスト162に追加して、メモリ70に保存された購入品リストデータ74(図2参照)を更新する。
【0078】
図13は、購入品リストボタン104(図参照)の操作に応じてタッチパネル25に表示される購入品リスト画面160を示している。購入品リスト画面160には、購入品リスト162の他に、料理名及び分量161と、カード決済を指示するためのカード決済ボタン163とが表示される。価格報知部58は、選択材料リスト120にリストアップされた材料以外の商品についても、収容物識別部57によりかご5に収容されたことが認識されたときに、商品の価格を取得して購入品リスト162に追加して、購入品リストデータ74を更新する。
【0079】
続くステップS313で、案内部46は、次に向かう陳列場所があるか否かを判断する。そして、案内部46は、次に向かう陳列場所がないときは、ステップS314に処理を進めて「買物経路の案内」の処理を終了する。一方、次に向かう陳列場所があるときには、案内部46は、ステップS320に処理を進め、次の陳列場所への案内を開始してステップS302に処理を進める。これにより、停止状態で待機していたショッピングカート1が走行を再開する。
【0080】
[6.使用者が急旋回した場合の同行制御]
図14、及び図15を参照して、同行制御部54が同行制御を実行しているときに、使用者Uが急旋回した場合の制御について説明する。図14は使用者Uが移動しながら旋回する例を示し、図15は使用者Uが移動せずにその場で旋回する例を示している。
【0081】
図14は、ショッピングカート1を使用者Uの前方に同行させる同行制御が実行されている状況で、使用者Uが現在位置Pu21から経路Ru2によりPu22まで旋回して移動する場合を示している。この場合、ショッピングカート1を最短の経路Rc2で走行させて使用者Uの前方に回り込ませると、ショッピングカート1が使用者Uを追い越す際に、ショッピングカート1が使用者Uに接触するおそれがある。
【0082】
そこで、旋回角度認識部55は、移動状況認識部52により認識される使用者Uの移動状況に基づいて、使用者Uの旋回角度αを認識する。そして、同行制御部54は、使用者Uの旋回角度αが第4所定角度(例えば90度)以上であるときには、使用者Uとショッピングカート1との距離が所定距離W以上に維持される経路Rc3により、ショッピングカート1を使用者Uの前方の位置Pc23まで回り込ませる。なお、所定距離Wを、旋回角度αに応じて、例えば、旋回角度αが大きいほど所定距離Wを長く設定するようにしてもよい。
【0083】
さらに、同行制御部54は、ショッピングカート1が使用者Uを追い越す位置Pc22の付近で、ショッピングカート1が使用者Uと並行して移動する状態を第2所定時間維持した後に、ショッピングカート1の走行速度を漸増させる制御を行う。これにより、使用者Uによるショッピングカート1の接近の認識が、容易になるようにしている。また、使用者Uの旋回角度αが大きいほど、ショッピングカート1の移動速度を速く設定して、ショッピングカートを速やかに使用者Uの前方に移動させるようにしてもよい。
【0084】
また、ショッピングカート1が全方位カメラ20ではなく、所定範囲を撮影するカメラの取付け部を回転させて撮影方向を変更する構成とした場合には、ショッピングカート1が使用者Uを追い越す間、カメラを使用者に向けて使用者の位置を確実に確認するようにしてもよい。
【0085】
次に、図15は、使用者Uがその場で旋回して、Cd31→Cd32→Cd33と向きを変えた場合を示している。この場合も、旋回角度認識部55により認識される使用者Uの旋回角度が、判定角度以上となる。そのため、上述したように、同行制御部54は、使用者Uとショッピングカート1との距離が所定距離以上に維持される経路Rc4により、ショッピングカート1を走行させる。図15では、同行制御部54が、経路Rc4を、使用者Uの位置Pu31を中心とした円弧に設定した例を示している。
【0086】
なお、使用者Uがその場で旋回した時に、直ちにショッピングカート1の走行を開始させずに、所定時間が経過したタイミングでショッピングカート1の走行を開始させるようにしてもよい。これにより、使用者Uのちょっとした旋回動作に対応して、ショッピングカート1が使用者Uの周囲を頻繁に動き回ることを抑制することができる。
【0087】
[7.同行条件の変更]
図16に示したフローチャートに従って、「同行条件の変更」の処理について説明する。同行条件変更部51は、図16に示したフローチャートによる処理を実行することによって、同行制御部54により同行制御が実行されている間、使用者Uの指示に応じて同行条件の指定方向及び指定距離を変更する。
【0088】
図16のステップS330で、同行条件変更部51は、使用者Uによる同行条件の変更要求がなされたか否かを判断する。同行条件変更部51は、以下の変更要求条件1~3のいずれかが成立したときに、同行条件の変更要求がなされたと判断して、ステップS331に処理を進める。
変更要求条件1: 挙動認識部49が、全方位カメラ20の撮影画像から、使用者Uが手の平を振る等のジェスチャー(本発明の第2所定挙動に相当する)を認識した。
変更要求条件2: 音声認識部50が、マイク24の集音信号から、使用者による「同行条件を変更したい」等の音声(本発明の所定音声に相当する)を認識した。
変更要求条件3: 挙動認識部49が、全方位カメラ20の撮影画像から、使用者Uが全方位カメラ20に一定時間(本発明の第2所定時間に相当する)以上視線を向けた(本発明の第2所定挙動に相当する)ことを認識した。全方位カメラ20の位置は、本発明の所定位置に相当する。
ここで、同行条件変更部51が、同行条件の変更要求がなされたと判断したときに、その後のショッピングカート1の動かし方(例えばジャスチャーによる作動指示のやり方)を、タッチパネル25への表示或いはスピーカー23からの音声ガイダンスの出力によって報知するようにしてもよい。
【0089】
ステップS331で、同行条件変更部51は、使用者Uによる同行条件の変更指示の受付を禁止する同行条件変更禁止モードから、使用者Uによる同行条件の変更指示の受付を許可する同行条件変更許可モードに切り替える。このように、モード切替の処理を行うことにより、使用者Uが無意識に行った挙動について、同行条件変更部51が、同行条件の変更指示と誤認識することを防止することができる。
【0090】
続くステップS332~S334のループの処理により、ステップS332で、挙動認識部49が全方位カメラ20による使用者Uの撮影画像に基づいて、使用者Uによるジャスチャーの有無を繰り返し検知する。また、ステップS333で、挙動認識部49が、全方位カメラ20による使用者Uの撮影画像に基づいて、使用者Uの視線方向の変化を繰り返し検知する。さらに、ステップS334で、音声認識部50が、使用者Uの音声を繰り返し検知する。
【0091】
挙動認識部49は、ステップS332で、使用者Uのジェスチャーを検知したときにステップS340に処理を進め、ジャスチャーが「腕のスイング」であるか否かを判断する。そして、挙動認識部49は、ジェスチャーが「腕のスイング」であったときはステップS342に処理を進め、ジェスチャーが「腕のスイング」でなかったときにはステップS341に処理を進める。ステップS342で、同行条件変更部51は、スイング方向に応じて指定方向を変更し、ステップS341に処理を進める。「腕のスイング」のジェスチャーは、本発明の第1所定挙動に相当する。
【0092】
ここで、図17は、使用者Uによる「腕のスイング」のジェスチャーにより、同行条件の指定方向を変更する例を示している。図17のCd41は、指定方向が前方であって、使用者Uの前方をショッピングカート1が同行している状態で、使用者Uが、前方の陳列棚201に陳列された商品を購入するために、ショッピングカート1を右横にずらす状況を示している。Cd41で、使用者Uは、右腕を前方から右横のDr4の方向にスイングさせて、右横方向へのショッピングカート1の移動を指示している。
【0093】
この場合、同行条件変更部51は、同行条件の指定方向を前方から右側方に変更する。そして、同行制御部54は、ショッピングカート1を、現在位置Pc41からDr4の方向の位置Pc42に向かって走行させる変更対応移動を実行する。これにより、Cd42で示したように、ショッピングカート1が使用者Uの右横に移動し、使用者Uは、陳列棚201に近づいて商品を手に取ることができる。その後、使用者Uが移動して、使用者Uとショッピングカート1との距離が指定距離以上になったときに、同行制御を再開する。
【0094】
また、挙動認識部49は、ステップS341で、使用者Uのジェスチャーが「指の本数指示」であるか否かを判断する。そして、挙動認識部49は、ジェスチャーが「指の本数指示」であったときはステップS343に処理を進め、ジェスチャーが「指の本数指示」でなかったときにはステップS331に処理を進める。同行条件変更部51は、ステップS343で、ジャスチャーにより示された指の本数に応じて、同行条件の指定距離を変更する。「指の本数指示」のジェスチャーは、本発明の第1所定挙動に相当する。
【0095】
ここで、図18は、使用者Uによる「指の本数指示」のジェスチャーにより、同行条件の指定距離を変更する例を示している。同行条件変更部51は、使用者Uが示した指の本数が1本→2本→3本→4本→5本と増えるに従って、指定距離をW1→W2→W3→W4→W5(W1<W2<W3<W4<W5)と増加させて変更する。同行条件変更部51は、同行条件を変更した場合に、変更後の同行条件により同行条件データ73(図2参照)を更新する。
【0096】
なお、使用者Uによる「あっちに行け(指を向こう側(使用者Uから離れる側)に振り払う動作)」や、「こっちに来い(指を手前側(使用者Uに近づく側)に引き寄せる動作)」のジェスチャーにより、同行条件の指定距離を変更するようにしてもよい。
【0097】
音声認識部50は、ステップS332で、使用者Uの音声を検知したときにステップS360に処理を進め、音声による指定方向又は指定距離の変更を認識したか否かを判断する。そして、音声認識部50は、音声による指定方向又は指定距離の変更を認識したときはステップS361に処理を進め、音声による指定方向又は指定距離の変更を認識しなかったときにはステップS333に処理を進める。
【0098】
ステップS361で、同行条件変更部51は、使用者Uの音声による指定方向の変更指示を認識したときは、変更指示に応じて同行条件の指定方向を変更する。また、同行条件変更部51は、使用者Uの音声による指定距離の変更指示を認識したときには、変更指示に応じて同行条件の指定距離を変更する。そして、同行条件変更部51は、変更後の同行条件により同行条件データ73(図2参照)を更新する。
【0099】
ステップS343で同行条件変更部51により指定距離が変更された場合、ステップS350で同行条件変更部51により指定方向が変更された場合、及びステップS361で同行条件変更部51により指定方向又は指定距離が変更された場合にも、同行制御部54は、変更された同行条件に応じた位置にショッピングカート1を移動させる変更対応移動を実行する。
【0100】
[8.クレジットカードによる決済依頼]
図19に示したフローチャートに従って、「クレジットカードによる決済依頼」の処理について説明する。図19のステップS401で、決済依頼部59は、図13に示した購入品リスト画面160のカード決済ボタン163が操作されたときに、ステップS402に処理を進めて、クレジットカードの読込みを促す画面を、タッチパネル25に表示する。
【0101】
続くステップS403で、使用者Uによるクレジット機能付きの会員カード81のカードリーダ26への読込み操作があったときに、決済依頼部59は、ステップS404に処理を進める。ステップS404で、決済依頼部59は、カードリーダ26によって読み込まれたクレジットカード番号を取得する。
【0102】
続くステップS405で、決済依頼部59は、購入品リストデータ74に記録された購入品リスト162(図13参照)を参照して、合計購入金額を取得する。次のステップS406で、クレジットカード番号と合計購入金額を含む決済依頼情報を、店舗管理システム210を介してカード会社サーバー430に送信し、カード決済を依頼する。決済依頼情報を受信したカード会社サーバー430により、代金支払いのカード決済処理が実行される。
【0103】
[9.他の実施形態]
上記実施形態では、使用者Uが所持するクレジット機能付きの会員カード81により、商品の購入代金の支払いをカード決済により行う例を示した。他の実施形態として、クレジットカードではなく、料金支払サービスの提供業者が発行した使用者Uに固有のQRコード(登録商標)等の識別コードを用いて、支払いの決済を行うようにしてもよい。この場合、使用者Uは、所持する通信端末80の表示部に識別コードを表示させて、全方位カメラ20或いは別途設けられたカメラにより読み取らせる。
【0104】
そして、決済依頼部59は、読み取った識別コードと合計購入金額を含む決済依頼情報を、店舗管理システム210を介して料金支払サービスの提供業者が運用するサーバーに送信することによって、支払い決済を依頼する。
【0105】
上記実施形態では、同行移動体として、床面を走行するショッピングカート1を示したが、ドローンのように浮揚して空中を移動しながら使用者に同行する構成としてもよい。この場合は、走行ユニット10に代えて、回転翼等の飛行用の推進部を備える構成となる。
【0106】
上記実施形態では、ショッピングカート1の制御ユニット30は、店舗管理システム210の商品DB211にアクセスして商品の価格を取得したが、商品の価格情報を予め制御ユニット30に保存するようにしてもよい。また、制御ユニット30は、店舗グループサーバー400の店舗DB401にアクセスして店舗のフロアレイアウトを取得したが、フロアレイアウトの情報を予め制御ユニット30に保存してもよい。また、制御ユニット30は、料理レシピサーバー420の料理レシピDB421にアクセスして、料理のレシピを取得したが、料理レシピDB421に記録された料理レシピのうち、選択頻度が高い料理レシピについては、制御ユニット30に保存しておくようにしてもよい。
【0107】
上記実施形態では、ジョブ情報受付部41が、料理のジョブ情報を受付ける例を示したが、ジョブ情報はこれに限られない。例えば、工作品の作成、家屋の修繕等のDIY(do-it-yourself)のジョブ情報であってもよい。DIYのジョブである場合は、DIYの作業で使用される候補材料として、木材、塗料、ネジ等が抽出される。
【0108】
上記実施形態では、同行移動体として、使用者Uによる材料の購入をサポートするショッピングカート1を示したが、購入ではなく、例えば、工作品の材料を、倉庫でピックアップする用途に使用されるカート等にも、本発明の適用が可能である。また、材料の取得を伴わずに、サービスの提供を受ける場所への経路案内を行う案内ロボット等についても、本発明の適用が可能である。
【0109】
上記実施形態では、同行移動体として、使用者による材料の取得を支援するショッピングカート1を示したが、本発明の同行移動体は、芝刈り機や除雪機等の作業機であってもよい。同行移動体が作業機である場合、使用者は、作業の内容や状況に応じて、使用者Uと作業機との指定距離、及び使用者に対する作業機の指定方向を変更して、効率良く作業を進めることができる。
【0110】
上記実施形態では、案内部46は、使用者Uに対する候補材料を取得するための案内として、選択材料の陳列までの経路案内を行ったが、経路案内を行わずに候補材料のリストをタッチパネル25に表示する構成としてもよい。この構成による場合、使用者Uは、同行するショッピングカート1のタッチパネル25に表示される候補材料のリストを確認しながら、買い忘れがないように買物をすることができる。
【0111】
なお、図2は、本願発明の理解を容易にするために、制御ユニット30の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、制御ユニット30の構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1…ショッピングカート(同行移動体)、10…走行ユニット(推進部)、20…全方位カメラ、21…ライダー、22…前方カメラ、25…タッチパネル、26…カードリーダ、27…通信ユニット、30…制御ユニット、40…CPU、41…ジョブ受付部、42…在庫情報取得部、43…候補材料認識部、44…選択材料決定部、45…経路探索部、46…案内部、47…現在位置認識部、48…同行条件取得部、49…挙動認識部、50…音声認識部、51…同行条件変更部、52…移動状況認識部、53…予測位置算出部、54…同行制御部、55…旋回角度認識部、56…障害物検出部、57…収容物識別部、58…価格報知部、59…決済依頼部、70…メモリ、80…通信端末、81…会員カード、200…店舗、210…店舗管理システム、300…(使用者の)自宅、400…店舗グループサーバー、410…スマートホームサーバー、420…料理レシピサーバー、430…カード会社サーバー、500…通信ネットワーク。
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