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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】導光板及びこれを用いた発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20231128BHJP
   B60Q 3/14 20170101ALI20231128BHJP
   B60Q 3/64 20170101ALI20231128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231128BHJP
【FI】
F21V8/00 310
B60Q3/14
B60Q3/64
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021101564
(22)【出願日】2021-06-18
(65)【公開番号】P2023000628
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】片山 康雄
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-066399(JP,A)
【文献】特開2020-013707(JP,A)
【文献】特開2020-155265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
B60Q 3/14
B60Q 3/64
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が入射する入光面と、
前記入光面と対向するとともに前記入光面から入射した前記光を出射する出光面と、
前記入光面から入射した前記光を前記出光面に導く平板状の導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、前記入光面から前記出光面に向かうに従って板幅方向外側に拡がる拡幅部を有し、
前記導光部材の前記出光面側における前記出光面と平行な断面において、前記導光部材は、板幅方向両端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚い導光板。
【請求項2】
前記拡幅部の側面には凹凸形状が設けられている請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
拡散材が全体にわたって設けられている請求項1又は2に記載の導光板。
【請求項4】
前記導光部材の前記出光面側端部は、前記光が出射される方向に向かって凸となる形状を有している請求項1からのいずれか一項に記載の導光板。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載の導光板と、
前記導光板の前記入光面に対向する位置に設けられ、前記入光面へ前記光を出射する光源と、
を備える発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導光板及びこれを用いた発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、インジケータ装置や照明装置は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、ランプ等を用いた光源と、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等を用いた導光板とから構成されている。光源から出射された光を導光板の入光面から入射させて、この光を導光板内に導いて出光面から外部に出射させることで、照光表示用や照明用として用いられる。
【0003】
この種のインジケータ装置として、例えば特許文献1には、AV機器等の電子機器に用いられるインジケータ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-223196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、図7を示し、導光部材の出光面側における板厚を板幅方向で一定とした導光板において発生する課題について説明する。図7は参考例としての導光板を示す斜視図である。
【0006】
図7に示す導光板111は、光が入射する入光面112と、入光面112と対向するとともに入光面112から入射した光を出射する出光面113と、入光面112から入射した光を出光面113に導く平板状の導光部材114と、を備えている。
【0007】
導光部材114は、入光部115と、拡幅部116と、出光部117と、を備えている。入光部115には入光面112が形成され、出光部117には出光面113が形成される。拡幅部116では、入光面112から出光面113に向かうに従って導光部材114の板幅が板幅方向外側に拡がっている。出光部117には、光が出射される方向に向かって凸となる形状(凸部118)が設けられており、出光面113は凸部118における光が出射される側に形成されている。導光部材114の出光面113側における板厚は板幅方向で一定とされている。
【0008】
導光板111の入光面112に対向する位置には、入光面112へ光を出射する光源102が設けられている。光源102は、入光面112の幅方向中央に位置するように配置されている。光源102から出射された光は、入光面112から導光板111に入射し、導光部材114内部を伝播した後、出光面113から外部に出射される。
【0009】
このとき、導光部材114の出光面113側においては、導光板111の板幅方向中央部には十分に光源102からの光が導かれる一方、導光板111の板幅方向端部には光源102からの光を十分に導くことが困難だった。その結果、出光面113の中央部は光りやすい一方で、端部は光りにくいことから、板幅方向全体として均一な明るさとすることができず、光ムラが生じてしまうという問題があった。
【0010】
特許文献1では、導光板の光源付近の箇所に光を反射させるための三角状凹部を設けているが、上記の導光部材114の出光面113側における光ムラについては十分には考慮されていなかった。
【0011】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、光ムラを防止することができ、見映えが向上する導光板及びこれを用いた発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本開示の導光板は、光が入射する入光面と、前記入光面と対向するとともに前記入光面から入射した前記光を出射する出光面と、前記入光面から入射した前記光を前記出光面に導く平板状の導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記入光面から前記出光面に向かうに従って板幅方向外側に拡がる拡幅部を有し、前記導光部材の前記出光面側における前記出光面と平行な断面において、前記導光部材は、板幅方向両端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚い。
【発明の効果】
【0013】
本開示の導光板においては、導光部材の出光面側における出光面と平行な断面において、導光部材は、少なくとも入光面から遠い側における板幅方向一端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚くなっている。従って、導光板の板幅方向の端部(特に、入光面から遠い側の端部)にまで十分に光を導くことができる。これにより、導光部材の出光面側における板厚を板幅方向で一定としていた場合に比べ、板幅方向全体としてより均一な明るさとすることができ、光ムラを防止することができる。これにより、見映えが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の第1実施形態に係る発光装置を示す斜視図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る導光板を示す斜視図である。
図3】本開示の第1実施形態に係る導光板を示す縦断面図である。
図4】本開示の参考例としての第2実施形態に係る導光板を示す斜視図である。
図5】本開示の第3実施形態に係る導光板を示す縦断面図である。
図6】本開示の第3実施形態に係る導光板を示す上面図である。
図7】参考例としての導光板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本開示に係る導光板及びこれを用いた発光装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態では、発光装置として車内用空調装置の操作スイッチに適用した場合を一例として説明するが、本開示はこれに限定されない。
【0016】
〔第1実施形態〕
以下、本開示の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る発光装置1としての車両用空調装置の操作スイッチを示す斜視図である。この操作スイッチは、車両の空調機器の温度や風量の調節等に使用される。
発光装置(操作スイッチ)1は、筐体3と、導光板11と、筐体3内部に設けられた図1中不図示の光源とを備える。導光板11は、光を出射する出光面13が筐体3の前面(意匠面)と面一になるように配置されている。この操作スイッチ1においては、図1中不図示の光源より光が出射され、出射された光は導光板11を通過し、出光面13から外部に出射される。このように、操作スイッチ1は、夜間であっても操作スイッチ1の場所が分かるように構成されている。
【0017】
次に、本実施形態に係る導光板11について図2,3を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る導光板を示す斜視図であり、図3図2の導光板のA-A断面図である。切断面A-Aは、導光板11の幅方向中央を通る中心線Oを含む鉛直面である。導光板11は、光が入射する入光面12と、入光面12と対向するとともに入光面12から入射した光を出射する出光面13と、入光面12から入射した光を出光面13に導く平板状の導光部材14と、を備えている。入光面12と出光面13とは平行とされている。導光部材14は、可視光を透過する材料が用いられ、例えばアクリル(PMMA;Polymethyl methacrylate)製とすることができる。
【0018】
導光部材14は、入光部15と、拡幅部16と、出光部17と、を備えている。入光部15には入光面12が形成され、出光部17には出光面13が形成される。拡幅部16は入光部15と出光部17との間に形成されている。拡幅部16では、入光面12から出光面13に向かうに従って導光部材14の板幅が板幅方向外側(板幅方向両側)に漸次拡がっている。また、拡幅部16の板厚は、板幅方向中央部では一定である一方、板幅方向両端部では、入光面12から出光面13に向かうに従って板厚方向両側に漸次厚くなるように構成されている。
【0019】
出光部17には、光が出射される方向に向かって凸となる形状(凸部18)が設けられており、出光面13は凸部18における光が出射される側に形成されている。拡幅部16と凸部18とは、傾斜接続部19により接続されている。傾斜接続部19の側端部は拡幅部16と接続されている。傾斜接続部19の側端部の板厚は、出光面13と平行な断面において、板幅方向中央部から板幅方向両端側にかけて漸次厚くなっている。傾斜接続部19は、凸部18側に向かうにつれて板幅を板幅方向内側に狭めつつ板厚を薄くしながら傾斜している。出光部17は、凸部18及び傾斜接続部19により構成される。
導光板11は、切断面A-A(中心線Oを含む鉛直面)について対称とされた形状とされている。
【0020】
上記の構成により、導光部材14の出光面13側における板厚は、出光面13と平行な断面において、板幅方向両端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚くなっている。具体的には、板幅方向両端側の板厚は板幅方向中央部の板厚よりも厚くなっている。なお、導光部材14の出光面13側とは、導光部材14のうち入光面12よりも出光面13に近い側のことである。
【0021】
導光板11の入光面12に対向する位置には、入光面12へ光を出射する光源2が設けられている。光源2は、入光面12の幅方向中央に位置するように、具体的には中心線O上に配置されている。光源2から出射された光は、入光面12から導光板11に入射し、導光部材14内部を伝播した後、出光面13から外部に出射される。光源2としては、主にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が用いられる。
【0022】
図3に示すように、導光板11においては、入光面12における板厚と出光面13における板厚とは同じとされている。傾斜接続部19は導光部材14の上下面より突出して形成されており、図3においては、傾斜接続部19の板厚は他の部分よりも厚くされている。
【0023】
導光部材14には、光源2から出射された光の拡散をさらに促進させることを目的として、光を乱反射させる拡散材を添加してもよい。拡散材は、導光部材14の全体にわたって分散させて設けられていてもよい。拡散材としては、ビーズを挙げることができる。ビーズの粒径としては約10μm程度、ビーズの材質としては例えばシリコン樹脂製とすることができる。
【0024】
なお、出光部17の板幅方向両端側でより光を拡散させることを目的として、導光部材14の板幅方向両端側に板幅方向中央側よりも多くなるように(中央側よりも両端側の方が拡散材の密度が大きくなるように)拡散材を設けてもよい。この場合、導光部材14は、拡散材の粒子密度が小さい中央側樹脂と拡散材の粒子密度が高い外側樹脂とを二色で成形することで成形できる。
【0025】
拡幅部16の側面(板幅方向外側を向いた側面)20(図2参照)には凹凸形状が設けられていてもよい。凹凸形状としては、例えば鋸刃状の形状(ギザギザ形状)や小さな凹凸が一面に広がるような形状(ザラザラ形状)が挙げられる。
【0026】
以上説明した本実施形態に係る導光板11が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態に係る導光板11においては、導光部材14の出光面13側における出光面13と平行な断面において、導光部材14は、板幅方向両端側の板厚が他の部分の板厚(例えば板幅方向中央部)よりも厚くなっている。従って、導光板11の板幅方向の端部にまで十分に光を導くことができる。これにより、導光部材14の出光面13側における板厚を板幅方向で一定としていた場合に比べ、板幅方向全体としてより均一な明るさとすることができ、光ムラを防止することができる。これにより、見映えが向上する。
特に、板幅方向一端側のみを他の部分よりも厚くしている場合に比べ、導光部材14の両端部に十分に光を導くことができる。これにより、光ムラをより確実に防止することができる。
【0027】
拡幅部16の側面20に凹凸形状が設けられていれば、入光面から入射した光を側面20で乱反射させて出光面13に導くことができる。従って、乱反射を促進させることができる。
【0028】
拡散材が全体にわたって設けられていれば、乱反射を促進させることができるため、導光板11の出光面13からより均一に光を出光することができる。
【0029】
本実施形態の発光装置1であれば、上述の導光板11を備えているため、出光面13から光をムラなく出射することができる。
【0030】
〔第2実施形態〕
以下、本開示の参考例としての第2実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態の基本構成は、導光部材14の代わりに、出光面13側において板幅方向一端側の板厚のみが他の部分の板厚よりも厚い導光部材34が用いられている点が第1実施形態とは異なっている。より具体的には、本実施形態の導光板31は、第1実施形態の導光板11を切断面A-Aに沿って半分にした形状となっている。その他の構成要素については上述した第1実施形態と基本的に同様である。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複するものについては説明を省略する。
なお、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0031】
図4は本実施形態の導光板31を示す斜視図である。本実施形態の導光部材34は、入光部15と、拡幅部36と、出光部37と、を備えている。拡幅部36は入光部15と出光部37との間に形成されている。拡幅部36では、入光面12から出光面13に向かうに従って、導光部材34の板幅が片側(入光面12から遠い側)のみ板幅方向外側に漸次拡がっている。また、拡幅部36の板厚は、片側(入光面12から遠い側)の板幅方向端部では、入光面12から出光面13に向かうに従って板厚方向両側に漸次厚くなる一方、もう片側(入光面12に近い側)の板幅方向端部では一定となるよう構成されている。
【0032】
拡幅部36と凸部18とは、傾斜接続部39により接続されている。傾斜接続部39の側端部は拡幅部36と接続されている。傾斜接続部39の側端部の板厚は、出光面13と平行な断面において、片側(入光面12から遠い側)の板幅方向端部がもう片側(入光面12に近い側)の板幅方向端部から漸次厚くなっている。傾斜接続部39は、凸部18側に向かうにつれて板幅を片側(入光面12から遠い側)のみ板幅方向内側に狭めつつ板厚を薄くしながら傾斜している。出光部37は、凸部18及び傾斜接続部39により構成される。
【0033】
上記の構成により、導光部材34の出光面13側における板厚は、出光面13と平行な断面において、少なくとも入光面12から遠い側における板幅方向一端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚くなっている。具体的には、板幅方向一端側(入光面12から遠い側)の板厚が板幅方向他端側(入光面12に近い側)の板厚よりも厚くなっている。
【0034】
以上説明した本実施形態に係る導光板31が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態に係る導光板31においては、導光部材34の出光面13側における出光面13と平行な断面において、導光部材は、入光面12から遠い側における板幅方向一端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚くなっている。従って、導光板31の板幅方向の端部(特に、入光面12から遠い側の端部)にまで十分に光を導くことができる。これにより、導光部材34の出光面13側における板厚を板幅方向で一定としていた場合に比べ、板幅方向全体としてより均一な明るさとすることができ、光ムラを防止することができる。これにより、見映えが向上する。
【0035】
〔第3実施形態〕
以下、本開示の第3実施形態について、図5,6を用いて説明する。
本実施形態の基本構成は、導光部材14の代わりに、拡幅部56の板幅方向の板厚が一部を除いて一定となっている導光部材54が用いられている点、及び導光部材54の出光面13側に凹部61が形成されている点が第1実施形態とは異なっている。その他の構成要素については上述した第1実施形態と基本的に同様である。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複するものについては説明を省略する。
なお、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0036】
図5は本実施形態の導光板51を示す縦断面図であり、図6のB-B断面図である。切断面B-Bは、導光板51の幅方向中央を通る中心線Oを含む鉛直面である。図6は本実施形態に係る導光板51を示す上面図である。図6に示されるように、本実施形態の導光部材54は、入光部15と、拡幅部56と、出光部57と、を備えている。拡幅部56は入光部15と出光部57との間に形成されている。拡幅部56では、入光面12から出光面13に向かうに従って、導光部材54の板幅が板幅方向外側(板幅方向両側)に拡がっている。なお、拡幅部56の板厚は、入光面12から出光面13に向かうに従って一部を除いて一定となるよう構成されている。
【0037】
拡幅部56と凸部18とは、傾斜接続部59により接続されている。傾斜接続部59の側端部は拡幅部56と接続されており、側端部の板厚は板幅方向において一定とされている。傾斜接続部59は、凸部18側に向かうにつれて板幅を板幅方向内側に狭めつつ板厚を薄くしながら傾斜している。
【0038】
図6に示すように、拡幅部56における導光部材54の出光面13側には、板幅方向中央部に上面視矩形状の凹部61が形成されている。図5に示すように、導光部材54の下面にも、上面の凹部61と対応する位置に凹部61が形成されている。導光部材54の上下面に形成された凹部61により、導光部材54は、出光面13と平行かつ凹部61を含む断面において、板幅方向両端側の板厚が他の部分(板幅方向中央部)の板厚よりも厚くされている。
【0039】
なお、導光板51においても、入光面12における板厚と出光面13における板厚とは同じとされている。
【0040】
凹部61は、図5に示すように周囲の部分に対して段状に凹んだ凹部に限られず、周囲の部分に対して斜面状に漸次傾斜して形成された凹部であってもよい。
【0041】
以上説明した本実施形態に係る導光板51が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態に係る導光板51においては、拡幅部56における導光部材54の出光面13側に凹部61が形成されている。従って、導光部材54は、出光面13と平行かつ凹部61を含む断面において、板幅方向両端側の板厚が板幅方向中央部よりも厚くなっている。これにより、導光部材54の出光面13側における板幅方向中央部の導光性の良い部分の板厚が、板幅方向両端部よりも薄くなるため、出光面13に板幅方向全体としてより均一に光を導くことができる。これにより、凹部61を形成しなかった場合に比べ、板幅方向全体としてより均一な明るさとすることができ、光ムラを防止することができる。これにより、見映えが向上する。
【0042】
なお、以上に説明した第3実施形態では、拡幅部56の板幅方向の板厚が、凹部61が形成されていない部分で一定となっている導光部材54を用いた場合を一例として説明したが、これに限定されない。具体的には、導光部材54の代わりに第1実施形態の導光部材14を用い、導光部材14に上記の凹部61を形成する態様としてもよい。
【0043】
また、以上に説明した各実施形態では、導光板を車内用空調装置の操作スイッチ(車載用スイッチ)に適用した場合を一例として説明したが、これに限られず、線状に照らす用途に用いられる発光装置であれば、特に限定されない。
【0044】
以上説明した各実施形態に記載の導光板(11,31,51)は、例えば以下のように把握される。
【0045】
本開示の導光板は、光が入射する入光面(12)と、入光面と対向するとともに入光面から入射した光を出射する出光面(13)と、入光面から入射した光を出光面に導く平板状の導光部材(14,34,54)と、を備え、導光部材は、入光面から出光面に向かうに従って板幅方向外側に拡がる拡幅部(16,36,56)を有し、導光部材の出光面側における出光面と平行な断面において、導光部材は、少なくとも入光面から遠い側における板幅方向一端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚い。
【0046】
本開示の導光板においては、導光部材の出光面側における出光面と平行な断面において、導光部材は、少なくとも入光面から遠い側における板幅方向一端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚くなっている。従って、導光板の板幅方向の端部(特に、入光面から遠い側の端部)にまで十分に光を導くことができる。これにより、導光部材の出光面側における板厚を板幅方向で一定としていた場合に比べ、板幅方向全体としてより均一な明るさとすることができ、光ムラを防止することができる。これにより、見映えが向上する。
【0047】
本開示の導光板は、導光部材の出光面側における出光面と平行な断面において、導光部材は、板幅方向両端側の板厚が他の部分の板厚よりも厚くてもよい。
【0048】
導光部材の出光面側において板幅方向両端側の板厚が他の部分の板厚(例えば板幅方向中央部)よりも厚くなるように構成すれば、板幅方向一端側のみが他の部分よりも厚くなっている場合に比べ、導光部材の両端部に十分に光を導くことができる。これにより、光ムラをより確実に防止することができる。
【0049】
本開示の導光板は、拡幅部の側面には凹凸形状が設けられていてもよい。
【0050】
拡幅部の側面に凹凸形状が設けられていれば、入光面から入射した光を側面で乱反射させて出光面に導くことができる。従って、乱反射を促進させることができる。
【0051】
本開示の導光板は、拡散材が全体にわたって設けられていてもよい。
【0052】
拡散材が全体にわたって設けられていれば、乱反射を促進させることができるため、導光板の出光面からより均一に光を出光することができる。なお、拡散材としては、例えばシリコン樹脂製のビーズ等を挙げることができる。
【0053】
本開示の導光板は、導光部材の出光面側端部は、光が出射される方向に向かって凸となる形状を有していてもよい。
【0054】
導光部材の出光面側端部が、光が出射される方向に向かって凸となる形状を有していれば、例えば車載用スイッチ等に適用した際に、出光面をスイッチの意匠面と面一にすることができる。これにより、スイッチの美観を向上することができる。
【0055】
本開示の発光装置(1)は、上述の導光板と、導光板の入光面に対向する位置に設けられ、入光面へ光を出射する光源(2)と、を備える。
【0056】
このような発光装置であれば、上述の導光板を備えているため、出光面から光をムラなく出射することができる。従って、本開示の発光装置は、例えば車載用スイッチ等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 発光装置(操作スイッチ)
2 光源
3 筐体
11,31,51 導光板
12 入光面
13 出光面
14,34,54 導光部材
15 入光部
16,36,56 拡幅部
17,37,57 出光部
18 凸部
19、39,59 傾斜接続部
20 側面
61 凹部
O 中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7