(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】インテリジェント自動音声応答(IVR)ナビゲータ
(51)【国際特許分類】
H04M 3/50 20060101AFI20231128BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20231128BHJP
【FI】
H04M3/50 A
G06N20/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021107345
(22)【出願日】2021-06-29
【審査請求日】2021-08-31
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521212339
【氏名又は名称】アバイア マネジメント エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド チャベス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エー. ヤング
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0314225(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0166071(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0125460(US,A1)
【文献】特表2008-507187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G10L15/00-17/26
G16Z99/00
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトセンターのセルフサービスシステムと、インテリジェントIVRナビゲータを使用して、対話する方法であって、
顧客から1つまたは複数の入力を受信することであって、前記1つまたは複数の入力は、前記顧客の不在時に、前記顧客に代わって
インテリジェントIVRナビゲータを使用して、前記セルフサービスシステム
との間で実行
される所望の動作を定義する、受信することと、
前記顧客に代わって実行する前記所望の動作をメモリに格納することと、
前記セルフサービスシステムの連絡先情報を取得することと、
前記連絡先情報を使用し、前記セルフサービスシステムとの通信セッションを自動的に確立することと、
前記セルフサービスシステムからプロンプトを受信することと、
前記プロンプトを受信することに応じて、メモリにアクセスすることと、
前記プロンプトへの応答として前記所望の動作を実行することであって、前記通信セッションの間かつ前記顧客の代わりに前記顧客の不在時に、前記所望の動作は実行される、実行することと、
前記セルフサービスシステムから第2のプロンプトを受信することと、
前記第2のプロンプトが前記顧客からの入力を必要とすることを判断することと、
前記顧客に前記通信セッションへのアクセスと共に前記第2のプロンプトを記述する情報を提供することであって、これにより前記顧客が前記第2のプロンプトに応答することを可能にする、提供することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記通信セッションをサポートしている通信チャネルに顧客通信デバイスを参加させることにより、前記顧客と前記通信セッションとを接続すること、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロンプトに応じて実行された前記所望の動作の精度についてのフィードバックを前記顧客から受信することと、
前記顧客からの前記フィードバックを用いて、人工知能(AI)コンポーネントを訓練することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記顧客からの前記フィードバックは、異なるコンタクトセンターの異なるセルフサービスシステムと対話するために、前記AIコンポーネントによって使用されるモデルを更新するための入力として提供される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コンタクトセンターから1つまたは複数のIVR訓練データセットを取得することであって、前記1つまたは複数のIVR訓練データセットはIVRテンプレートデータセット、IVRメニューフローデータセット、またはIVR入力データセットを含み、
前記1つまたは複数のIVR訓練データセットを使用し、前記セルフサービスシステムと対話するために前記AIコンポーネントを最初に訓練することと、
をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記セルフサービスシステムは自動音声応答(IVR)システムを備え、前記所望の動作は前記IVRシステムに入力を提供することにより実行され、前記入力は二重トーン多重周波数(DTMF)入力および音声入力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記セルフサービスシステムはチャットボットを備え、前記プロンプトに応じて前記チャットボットにテキストベースのメッセージを提供することにより、前記所望の動作が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサと、
データおよびプロセッサ実行可能命令を格納するコンピュータメモリであって、前記プロセッサ実行可能命令
は、前記プロセッサ
が
顧客から1つまたは複数の入力を受信することであって、前記1つまたは複数の入力は、前記顧客の不在時に、
前記顧客に代わってインテリジェントIVRナビゲータを使用して、
前記セルフサービスシステム
との間で実行
される所望の動作を定義する、受信することと、
前記顧客に代わって実行する前記所望の動作を格納することと、
前記セルフサービスシステムの連絡先情報を取得することと、
前記連絡先情報を使用し、前記セルフサービスシステムとの通信セッションを自動的に確立することと、
前記通信セッションの間、前記セルフサービスシステムからプロンプトを受信することと、
前記プロンプトへの応答として前記所望の動作を実行することであって、前記通信セッションの間かつ前記顧客の代わりに前記顧客の不在時に、前記所望の動作は実行される、実行することと、
前記セルフサービスシステムから第2のプロンプトを受信することと、
前記第2のプロンプトが前記顧客からの入力を必要とすることを判断することと、
前記顧客に前記通信セッションへのアクセスと共に前記第2のプロンプトを記述する情報を提供することであって、これにより前記顧客が前記第2のプロンプトに応答することを可能にする、提供することと、
を可能にするコンピュータメモリと、を備えるシステム。
【請求項9】
プロセッサ実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
顧客から1つまたは複数の入力を受信する命令であって、前記1つまたは複数の入力は、前記顧客の不在時に、
前記顧客に代わってインテリジェントIVRナビゲータを使用して、
前記セルフサービスシステム
との間で実行
される所望の動作を定義する、受信する命令と、
前記セルフサービスシステムの連絡先情報を取得する命令と、
前記連絡先情報を使用し、前記セルフサービスシステムとの通信セッションを自動的に確立する命令と、
前記通信セッションの間、前記セルフサービスシステムからプロンプトを受信する命令と、
前記プロンプトへの応答として前記所望の動作を実行する命令であって、前記通信セッションの間かつ前記顧客の代わりに前記顧客の不在時に、前記所望の動作は実行される、実行される命令と、
前記セルフサービスシステムから第2のプロンプトを受信する命令と、
前記第2のプロンプトが前記顧客からの入力を必要とすることを判断する命令と、
前記顧客に前記通信セッションへのアクセスと共に前記第2のプロンプトを記述する情報を提供する命令であって、これにより前記顧客が前記第2のプロンプトに応答することを可能にする、命令と、
を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に通信方法に関し、特に、自動応答システムとの対話を容易にするために使用される通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客とコンタクトセンターとの間の対話は、顧客にとって過度の時間を消費する可能性がある。顧客は通常、コンタクトセンターの自動音声応答(IVR)メニューシステムを操作し、実際のエージェントと話すためにキューで待機する必要がある。IVRにナビゲートすることおよび実際のエージェントを待つことに費やす時間は、顧客にとって大きなフラストレーションとなる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載される本開示の実施形態は、上述の最初のナビゲーション段階を自動化する能力を提供することによって、顧客体験を根本的に改善する。インテリジェントIVRナビゲータは、自動的に、かつ顧客の入力なしに、顧客の代わりに所望の対話を実行すること、または、エージェントが対話できるようになった時点で顧客を関与させることのいずれかを行うことができる。
【0004】
インテリジェントIVRナビゲータは、自動化技術を利用して、エンドユーザの代わりにコンタクトセンターとの幅広い対話を実行するように設計され得る。これにより、エンドユーザは、エージェントのキューで長時間待機するためだけに複雑なIVRメニューをナビゲートする時間を費やす必要がなくなるため、時間を大幅に節約し、潜在的な問題を回避できる。ここで説明するインテリジェントIVRナビゲータを使用すると、エンドユーザの顧客体験が大幅に向上し、個々人が他のより生産的な作業に時間を費やすことができる。
【0005】
インテリジェントIVRナビゲータは、自動化技術を使用して顧客に代わって消費者対企業間(C2B)対話を使用することにより、消費者(例えば、「顧客」)の時間と労力を大幅に節約することを目的としている。市場には自動化されたパーソナルアシスタント機能が豊富に存在するが、提案されたインテリジェントIVRナビゲータは、顧客とコンタクトセンターIVRシステム間の対話のインテリジェント自動化を特に対象としている。本開示の実施形態は、人工知能(AI)技術を利用して、IVRメニュー構造を動的に解釈し、顧客に代わってリアルタイムでIVRメニューとインテリジェントに対話する。また、IVRメニュー構造を企業が安全に事前に公開できるようにすることで、インテリジェントIVRナビゲータが事前にメニュー構造を取り込むこともできる。
【0006】
本開示の一実施形態は、パーソナルアシスタントエンティティの一部としてインテリジェントIVRナビゲータ配置を利用することができる。パーソナルアシスタントエンティティは、指示を受け取るために顧客と最初に対話するように構成される。次に、インテリジェントIVRナビゲータを使用して、顧客に代わって選択したコンタクトセンターIVRシステムと対話する。例示的であるが限定的ではないユースケースでは、コンタクトセンターのIVRをインテリジェントに走査し、(顧客の代わりに)列に並んで待ち、顧客のためにコールバック時間を確立するパーソナルアシスタントに顧客は頼る。このようにして、顧客はIVRシステムをナビゲートしてから列に並んで待つのに必要な時間を節約できる。インテリジェントIVRナビゲータは、AIコンポーネントを利用するように設定できる。NLP(自然言語処理)および(ニューラルネットワークベースの)ディープラーニング技術は、高度なIVRナビゲータを使用してコンタクトセンター(例えば、IVRソリューション、チャットボットなど)の自動システムとシームレスかつインテリジェントに対話できるAIコンポーネントの例である。NLP技術を使用すると、インテリジェントIVRナビゲータと相手方との間で複数の通信方式(例えば、音声、テキストなど)を使用できる。ディープラーニングモデルは、コンタクトセンター環境内で発生する可能性のある複雑なC2B対話のコンテキストを解釈し、自動化された意思決定のレベルを向上させるために使用できる。
【0007】
AIコンポーネント(例えば、ディープラーニングのモデル)の訓練は、さまざまな異なる方法を使用して実行できる。代表的な方法は、IVRプラットフォーム、訓練されるモデル、およびモデルへの入力としての3つの訓練データセットを使用することを含み得る。モデルの初期訓練後に、追加のテストデータセットを使用することもできる。第1の訓練データセット(例えば、IVRテンプレート)は、企業がコンタクトセンターへのセルフサービスフロントエンドとして日常的に使用するタイプの異なるマルチレベルIVRメニューを含むことができる。第2の訓練データセット(例えば、IVRメニューフロー)は、IVRシステムとのセルフサービス対話中に発信者によって遭遇されるIVRメニュー状態のシーケンスを含むことができる。第3の訓練データセット(例えば、IVR入力)は、各セルフサービス対話を進めるためにIVRシステムに供給される選択データを含むことができる。その後、IVR入力データを二重トーン多重周波数(DTMF)エントリおよび/または音声の形でインテリジェントIVRナビゲータに送信することにより、個別の訓練シーケンスを実行できる。エージェントの対話は、訓練プロセス中にIVRナビゲーション試行の相対的な成功に関するフィードバックを提供するために使用することもできる。モデルは、顧客から直接得たフィードバックに基づいて、生成中(例えば、インテリジェントIVRナビゲータの使用中)に継続的な訓練を受けます。インテリジェントIVRナビゲータの継続的な訓練は、さまざまな点でインテリジェントIVRナビゲータのパフォーマンスを向上させるために使用できる。例えば、複数の顧客がインテリジェントIVRナビゲータを使用して単一のエンティティ(例えば、一般的なIVRシステム)との取引を実行している場合は、それらの取引の結果を使用して、そのエンティティおよびエンティティのIVRシステムに関連付けられている訓練データを更新できる。あるいは、またはそれに加えて、インテリジェントIVRナビゲータを使用した顧客との対話を使用して、他の顧客に対するインテリジェントIVRナビゲータのパフォーマンスを向上させることができる。つまり、インテリジェントIVRナビゲータは、ある顧客との対話によって、他の顧客のために訓練することができる。代替的または追加的に、インテリジェントIVRナビゲータと1つのエンティティのIVRシステムとの間の対話を使用して、インテリジェントIVRナビゲータを訓練し、他のエンティティの他のIVRシステムとより効率的に対話することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、インテリジェントIVRナビゲータは、顧客およびその通信デバイスと直接対話するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、インテリジェントIVRナビゲータを顧客のパーソナルアシスタント(例えば、Siri、Alexaなど)とプログラムで連結することも可能であり、これは、顧客が使用および設定するパーソナルアシスタントが、顧客に代わって、かつ顧客がパーソナルアシスタントで定義したプリファレンスに基づいて、インテリジェントIVRナビゲータと連結するようにさらに設定されることを意味する。
【0009】
本開示の実施形態は、モバイルネットワークコアまたはクラウドインフラストラクチャ内でのインテリジェントIVRナビゲータの配備を意図している。顧客は、モバイルブラウザからのウェブリンクを使用するか、モバイルデバイスにインストールされているモバイルアプリケーションを使用して、モバイルデバイスからサービスを呼び出すことができる。インテリジェントIVRナビゲータが提供するサービスを使用することで、一般的なC2Bの対話中に発生する時間とユーザの手間が軽減され、顧客体験が向上することが期待される。
【0010】
したがって、顧客に代わってリアルタイムで自動的にナビゲート/横断し、コンタクトセンター自動化システム(例えば、IVRシステム、チャットボットなど)とインテリジェントに対話する能力を備えたインテリジェントIVRナビゲータを提供することが、本開示の一態様である。
【0011】
インテリジェントIVRナビゲータが以前の顧客の行動から学習し、それによって顧客のプロファイルを継続的に改善/個人化することを可能にすることは、本開示の別の側面である。したがって、顧客に対する本開示の意思決定の有効性は継続的に改善される。
【0012】
非限定的な使用例は、提案されたインテリジェントIVRナビゲータの機能をさらに理解するのに役立つ。この特定の使用例では、顧客はインテリジェントIVRナビゲータを介してカスタマサービス/製品サポートを求めることができる。顧客(ボブ)が、新しいホームエレクトロニクスウィジェット(XYZ)のサポートを受けるために、企業(ABC社)に連絡を取りたいと考えている。ボブは以前にインテリジェントIVRナビゲータに登録していたため、ボブはスマートフォンのモバイルブラウザを使用してインテリジェントIVRナビゲータにアクセスする。インテリジェントIVRナビゲータはウェブアプリケーションとして使用できるため、インテリジェントIVRナビゲータへのアクセスはボブのモバイルブラウザを介して提供される。
【0013】
インテリジェントIVRナビゲータは、ボブに要求の説明をテキストで入力するか、または要求を口頭で伝えるように促し(prompt)得る。ボブの要求の性質に応じて、コールバックが必要な場合の優先連絡時間を指定するようにボブは促される。催促に応じて、ボブは、彼の新しいウィジェットXYZが彼の自宅のWi-Fiに接続しないので、ABC社のサポートを受けたいと述べる。また、ボブは、必要であれば、その日の午後2時以降のコールバック時間でも構わないと述べる。ボブは要求を送信し、前の作業アクティビティに戻る。インテリジェントIVRナビゲータは、ABC社のIVRメニュー構造に関するインテリジェントIVRナビゲータの既存の知識に基づいて、インテリジェントIVRナビゲータからボブにオプションを提示することがある。特に、インテリジェントIVRナビゲータは、インテリジェントIVRナビゲータが遭遇するIVRメニューオプションに対応するオプションのリストをモバイルブラウザからボブに提示することがある。このようなオプションには、製品名オプション、製品シリアル番号オプション、トラブルの説明などを含み得る。
【0014】
インテリジェントIVRナビゲータは、要求とボブの定義した追加パラメータを受信すると、ABC社のウェブサイトから(あるいは、ボブが以前にABC社と対話したことがある場合には、ボブのプロフィールから)カスタマーサポートの電話番号を取得する。カスタマーサポートの電話番号が取得されると、インテリジェントIVRナビゲータはABC社カスタマーサポートの連絡先番号へのコールを開始する。インテリジェントIVRナビゲータには、IVRメニューオプションのリストを表示される。インテリジェントIVRナビゲータは、ボブの前回の入力に基づいて「カスタマーサービス」のオプションを選択し、IVRメニューから「家庭用品」や「庭用家具」ではなく「家電」を選択する。IVRメニューの次の段階では、インテリジェントIVRナビゲータがさまざまな製品名/タイプの長いリストからウィジェットXYZを選択する。インテリジェントIVRナビゲータは、「ハードウェアの問題」、「ソフトウェアの問題」、または「設定の問題」ではなく、「ネットワーク接続の問題」を選択する。
【0015】
次に、インテリジェントIVRナビゲータには、カスタマーサービス担当者を待つ間の待機処理が表示される。一定の時間が経過すると(例えば、10分経過後)、コンタクトセンターのアナウンスにより、期待される待機時間が45分になった場合にコールバックが必要かどうかが尋ねられる。繰り返しになるが、インテリジェントIVRナビゲータは、ボブの以前の入力に基づいてコールバックオプションを選択し、ボブが最初に指定した日時(例えば、午後2時)を指定できる。その時間が使用できない場合、インテリジェントIVRナビゲータは、携帯電話に通知を送信して代替時間をボブに要求するか、またはインテリジェントIVRナビゲータがボブの予定表を代替時間についてチェックする。その後、コールバックに代替時間が指定される。代替コールバック時間を決定するオプションは、ボブの個人プロファイル内で定義することができる。
【0016】
インテリジェントIVRナビゲータは、ボブへのコールバックを要求した後、ABC社とのコールを切断し、ボブにメッセージ(例えば、SMSメッセージまたは電子メールメッセージ)を送信し得る。このメッセージは、指定された時刻(例えば、午後2時または代替の時間)にボブがABC社のカスタマーサービスから電話を受けることを示し得る。その後、ボブはその日の指定された時刻にABC社カスタマーサービスから電話を受ける。
【0017】
本明細書で使用される場合、AIモデルは、ニューラルネットワーク、ディープラーニングシステム、自然言語処理システム、または任意の他のタイプのAIコンポーネントにおいて使用可能であり、1つ以上のデータセットによって訓練されたデータセットに対応し得る。AIモデルは、自動応答システム(例えば、IVRシステム、カスタマーサービスチャットボットなど)の動作を記述することができる。AIモデルは、モデルデータファイルまたはAIコンポーネント内で使用可能な任意の他のデータ構造として格納することができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、語句「少なくとも1つ」、「1つ以上」、「または」、および「および/または」は、操作において論理積および論理和の両方である開放式である。例えば、「A、B、Cの少なくとも1つ」、「A、BまたはCの少なくとも1つ」、「A、B、Cの1つ以上」、「A、B、またはCの1つ以上」、「A、Bおよび/またはC」、「A、B、またはC」という表現は、それぞれ、A単独、B単独、C単独、AとBの併用、AとCの併用、BとCの併用、AとBとCの併用を意味する。
【0019】
用語「a」または「an」エンティティは、そのエンティティの1つ以上を指す。このように、用語「a」(または「an」)、「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書において交換可能に使用することができる。また、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、互換的に使用することができることに留意されたい。
【0020】
用語「自動」およびその変形は、本明細書で使用される場合、プロセスまたは操作が実行されるときに、物質的な人間の入力なしで行われる任意のプロセスまたは操作を指す。しかし、プロセスまたは操作の実行前に入力を受取った場合には、プロセスまたは操作の実行が物質的または非物質的な人間の入力を使用する場合であっても、プロセスまたは操作を自動化することができる。そのようなインプットが工程または作業の実施方法に影響を与える場合、人間のインプットは物質的なものとみなされる。プロセスまたは運転の実施に同意する人的インプットは、「物質的」とはみなされない。
【0021】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の有形記憶媒体および/または伝送媒体を指す。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性媒体は、例えば、NVRAM、磁気ディスクまたは光ディスクを含む。揮発性メディアには、メインメモリなどのダイナミックメモリが含まれる。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、光磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH-EPROM、メモリカードのような固体媒体、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、後述する搬送波、またはコンピュータが読み取ることができる任意の他の媒体を含む。電子メールまたはその他の自己完結型情報アーカイブまたはアーカイブセットへのデジタルファイル添付は、有形記憶媒体に相当する配布媒体と考えられる。コンピュータ可読媒体がデータベースとして構成される場合、データベースは、リレーショナル、階層、オブジェクト指向などの任意のタイプのデータベースであってもよいことを理解されたい。したがって、本開示は、有形の記憶媒体または配布媒体と、従来技術で認識された同等物および後継の媒体とを含み、その中に本開示のソフトウェア実装が格納されると考えられる。
【0022】
「コンピュータ可読信号」媒体は、例えばベースバンドで、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれた伝搬データ信号を含むことができる。このような伝播された信号は、電磁、光学、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、種々の形態のいずれかをとることができる。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用されるプログラムを通信、伝播、または輸送することができる任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってよい。コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体、または上記の任意の適切な組み合わせを使用して送信することができる。
【0023】
用語「決定する」、「計算する(calculate)」、および「計算する(compute)」、ならびに本明細書で使用されるその変形は、互換的に使用され、任意のタイプの方法論、プロセス、数学的演算または技術を含む。
【0024】
本契約中で使用される「手段」という用語は、米国特許法第112条第6項にしたがって、その可能な限り広範な解釈が与えられるものと理解されるものとする。したがって、「手段」という用語を含むクレームは、本明細書に記載するすべての構造、材料または行為、およびそれらのすべての均等物を包含するものとする。更に、構造、材料または行為およびそれらの均等物は、開示の要約、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約およびクレーム自体に記載された全てのものを含まなければならない。
【0025】
本開示の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、これらの態様はすべて本明細書では一般に「回路」、「モジュール」または「システム」と呼ぶことができる。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0026】
さらに別の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路素子、ASICまたは他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ディスクリート素子回路などのハードワイヤード電子または論理回路、PLD、PLA、FPGA、PALなどのプログラマブル論理デバイスまたはゲートアレイ、専用コンピュータ、任意の比較可能な手段などと併せて実施することができる。一般に、本明細書に示される方法を実施することができる任意の装置または手段を使用して、本開示の様々な態様を実施することができる。開示された実施形態、構成、および態様に使用できる例示的なハードウェアは、コンピュータ、ハンドヘルド装置、電話(携帯電話、インターネット対応、デジタル、アナログ、ハイブリッドなど)、および当技術分野で公知の他のハードウェアを含み、これらの装置のいくつかは、プロセッサ(例えば、単一または複数のマイクロプロセッサ)、メモリ、不揮発性記憶装置、入力装置、および出力装置を含む。さらに、限定されるものではないが、分散処理またはコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、または仮想マシン処理を含む代替のソフトウェア実装も、本明細書に記載する方法を実装するように構築することができる。
【0027】
ここに記載されるプロセッサの例としては、4G LTEインテグレーションおよび64ビットコンピューティングを用いたQualcomm Snapdragon(登録商標)800および801、Qualcomm Snapdragon 610および615、Apple A7 64ビットアーキテクチャプロセッサ、Apple M7 モーションコプロセッサ、Samsung Exynos(登録商標)シリーズ、Intel Coreプロセッサファミリ、Intel Xenonプロセッサファミリ、Intel Atomプロセッサファミリ、Intel Itaniumプロセッサファミリ、Intel Core i5-4670Kおよびi7-4770K 22nm Haswell、Intel Core i5-3570K 22nm Ivy Bridge、AMD FXプロセッサファミリ、AMD FX-4300、FX-6300、およびFX-8350 32nm Vishera、AMD Kaveriプロセッサ、Texas Instruments Jacinto C6000 自動車インフォテインメントプロセッサ、Texas Instruments OMAP 自動車グレードのモバイルプロセッサ、ARM Cortex-Mプロセッサ、ARM Cortex-AおよびARM926EJ-Sプロセッサ、が含まれるが、これらに限定されない。その他の業界同等のプロセッサ、および既知または将来開発される任意の標準、命令セット、ライブラリ、および/またはアーキテクチャを使用して計算機能を実行することができる。
【0028】
さらに別の実施形態では、開示された方法は、様々なコンピュータまたはワークステーションプラットフォーム上で使用することができるポータブルソースコードを提供するオブジェクトまたはオブジェクト指向ソフトウェア開発環境を使用するソフトウェアと共に容易に実施することができる。代替的に、開示されたシステムは、標準論理回路またはVLSI設計を使用して、部分的または完全にハードウェアで実施されてもよい。本開示にしたがってシステムを実施するためにソフトウェアまたはハードウェアが使用されるかどうかは、システムの速度および/または効率要件、特定の機能、および使用される特定のソフトウェアまたはハードウェアシステムまたはマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータシステムに依存する。
【0029】
さらに別の実施形態では、開示された方法は、コントローラおよびメモリ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサなどの協力を得てプログラムされた汎用コンピュータ上で実行され、記憶媒体上に記憶され得るソフトウェアで部分的に実施され得る。これらの例では、本開示のシステムおよび方法は、アプレット、JAVA(登録商標)またはCGIスクリプトなどのパーソナルコンピュータに埋め込まれたプログラムとして、サーバまたはコンピュータワークステーションに常駐するリソースとして、専用の測定システム、システムコンポーネントなどに埋め込まれたルーチンとして実装することができる。システムはまた、システムおよび/または方法をソフトウェアおよび/またはハードウェアシステムに物理的に組み込むことによって実施することもできる。
【0030】
本明細書に記載または請求される方法は、有限であり、1つ以上の定義された出力を提供するために固定された入力セットで動作する従来の実行可能命令セットを用いて実行することができる。代替的または追加的に、本明細書に記載または請求される方法は、AI、機械学習、ニューラルネットワークなどを用いて実行され得る。換言すれば、システムまたはコンタクトセンターは、有限命令セットおよび/または人工知能ベースのモデル/ニューラルネットワークを含み、本明細書に記載されるステップの一部または全部を実行することが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による通信システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるインテリジェントIVRナビゲータを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるインテリジェントIVRナビゲータの追加の詳細を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、インテリジェントIVRナビゲータのAIコンポーネントを初期化および訓練する方法を示すフロー図である。
【
図5】
図5は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるインテリジェントIVRナビゲータの操作方法を示すフロー図である。
【
図6】
図6は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるユーザがインテリジェントIVRナビゲータにおいてIVRプリファレンスを定義し、利用することを可能にする方法を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるインテリジェントIVRナビゲータの別の操作方法を示すフロー図である。
【
図8】
図8は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるインテリジェントIVRナビゲータが新しいIVRシステムと対話することを可能にする方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の説明では、説明の目的のために、本明細書に開示される様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、本開示の様々な実施形態は、これらの特定の詳細のいくつかなしに実施することができることは明らかであろう。以下の説明は、例示的な実施形態のみを提供し、開示の範囲または適用可能性を制限することを意図しない。さらに、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、前述の説明では、多くの既知の構造およびデバイスを省略している。この省略は、クレームの範囲の限定として解釈されるべきではない。むしろ、例示的な実施形態の以下の説明は、例示的な実施形態を実施するための実施可能な説明を当業者に提供する。しかしながら、本開示は、本明細書に記載された特定の詳細を超える様々な方法で実施することができることを理解されたい。
【0033】
本明細書に示される例示的な態様、実施形態、および/または構成は、システムの様々なコンポーネントを連結して示すが、システムの特定のコンポーネントは、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはインターネットなどの分散ネットワークの遠隔部分に、または専用システム内に、遠隔的に配置することができる。したがって、システムの構成要素は、アナログおよび/またはデジタル通信ネットワーク、パケット交換ネットワーク、または回路交換ネットワークなどの、分散ネットワークの特定のノード上の1つ以上の装置に結合され、または連結され得ることが理解されるべきである。以下の説明から、計算効率の理由から、システムのコンポーネントは、システムの動作に影響を与えることなく、コンポーネントの分散ネットワーク内の任意の位置に配置することができることが理解されよう。
【0034】
本開示の実施形態は、インテリジェントIVRナビゲータがコンタクトセンターの自動化されたリソースを用いて顧客に代わって動作することを可能にするためのシステムおよび方法を提供する。インテリジェントIVRナビゲータが対話する自動化リソースは、IVRシステム、チャットボット、またはコンタクトセンターが顧客に提供する任意の数の他の自動化/セルフサービスシステムを含み得る。様々な実施形態は、コンタクトセンターのIVRシステムと対話するインテリジェントIVRナビゲータに関連して説明されるが、本開示の実施形態は、そのように限定されないことを理解されたい。代わりに、インテリジェントIVRナビゲータは、コンタクトセンターによって提供される非音声システムと対話するように設定できる。特定の非限定的な例として、インテリジェントIVRナビゲータは、本開示の範囲から逸脱することなく、顧客に代わってチャットボットと対話するように構成され得る。
【0035】
本開示の実施形態の様々な追加の詳細を、図面を参照して以下に説明する。フローチャートは、事象の特定のシーケンスに関連して議論および図示されるが、このシーケンスに対する変更、追加、および省略は、開示された実施形態、構成、および態様の動作に実質的に影響を与えることなく起こり得ることを理解されたい。
【0036】
最初に
図1を参照すると、本開示の少なくともいくつかの実施形態にしたがって、通信システム100が説明される。通信システム100は、コンタクトセンター108およびそのリソースを複数の顧客通信デバイス112と相互接続する通信ネットワーク104を含むように示されている。名前が示すように、顧客通信デバイス112は、顧客116によって所有および/または操作され得る。コンタクトセンター108の単一の例が
図1に示されているが、システム100は、任意の数のコンタクトセンター108を含むことができ、各コンタクトセンター108は、様々な方法で顧客116にサービスを提供するように構成され得ることが理解されるべきである。例えば、一部のコンタクトセンター108は、IVRシステム132を介して顧客116にセルフサービス機能を提供してもよく、一方、他のコンタクトセンター108は、IVRシステム132およびチャットボットを介して顧客116にセルフサービス機能を提供してもよい。単一のコンタクトセンター108の図示は、説明を容易にするためであり、本明細書に記載される実施形態を限定するものと解釈されるべきではない。
【0037】
顧客116は、顧客通信デバイス112と対話してコンタクトセンター108のリソースと通信するユーザまたは人に相当し得る。具体的には、コンタクトセンター108は、顧客116に提示され、顧客116による使用のために維持される1つまたは複数の通信チャネルを介して顧客との対話を容易にする多数のリソースを含むことができる。
図1に示すように、顧客116は、1つまたは複数の顧客通信デバイス112を利用して、コンタクトセンター108と対話することができる。さらに、本開示の実施形態は、顧客116が複数の異なる顧客通信デバイス112を使用して、単一の通信チャネルを介して通信することを意図している。非限定的な例として、顧客116は、ウェブベースのポータルにログインするか、または特定のチャットチャネルで自分自身を認証し、次にウェブベースのポータルまたはチャットチャネルを利用して、顧客通信デバイス112のいずれかと通信することができる。顧客通信デバイス112は、インテリジェントIVRナビゲータ176と対話するために顧客116によって用いられ得る。インテリジェントIVRナビゲータ176との対話に基づいて、顧客116は、インテリジェントIVRナビゲータ176を呼び出して、顧客116に代わってコンタクトセンター108と対話することができる。いくつかの実施形態では、インテリジェントIVRナビゲータ176は、単一の顧客116の代わりに多数の異なるコンタクトセンター108と対話するように構成されてもよい。代替的または追加的に、インテリジェントIVRナビゲータ176は、複数の異なる顧客116の代わりに、1つまたは複数のコンタクトセンター108と対話するように構成されてもよい。
【0038】
顧客通信デバイス112は、コンピューティングデバイス、パーソナル通信デバイス、ポータブル通信デバイス、ラップトップ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、および/またはオペレーティングシステム、ウェブブラウザなどを実行することができる他の任意のデバイスに相当し得る。例えば、顧客通信デバイス112は、Microsoft Corp.のWindows(登録商標)および/またはApple Corp.のMacintosh(登録商標)オペレーティングシステムの種々のバージョン、LINUX(登録商標)または他のUNIX(登録商標)様オペレーティングシステムのいずれかの市販のUNIX、iOS、Android(登録商標)などを動作させるように構成することができる。これらの顧客通信デバイス112はまた、例えば、データベースクライアントおよび/またはサーバアプリケーション、ウェブブラウザアプリケーション、チャットアプリケーション、ソーシャルメディアアプリケーション、通話アプリケーションなどの種々のアプリケーションのいずれかを有してもよい。顧客通信デバイス112は、代替的にまたは追加的に、通信ネットワーク104を介して通信し、および/またはウェブページまたは他のタイプの電子文書を表示およびナビゲートすることができる、シンクライアントコンピュータ、インターネット対応携帯電話、および/またはパーソナルデジタルアシスタントなどの他の電子装置であってもよい。
【0039】
通信ネットワーク104は、SIP、TCP/IP、SNA、IPX、AppleTalkなどを含むがこれらに限定されない種々の市販のプロトコルのいずれかを使用してデータ通信をサポートすることができる、当業者によく知られた任意のタイプのネットワークとすることができる。単なる例として、通信ネットワーク104は、イーサネットネットワーク、トークンリングネットワークおよび/または同様のもの;広域ネットワーク;仮想プライベートネットワーク(「VPN」)を含むがこれに限定されない仮想ネットワーク;インターネット;イントラネット;エクストラネット;公衆交換電話網(「PSTN」);赤外線ネットワーク;ワイヤレスネットワーク(例えば、IEEE802.9プロトコルスイート、IEEE802.11プロトコルスイート、当技術分野で公知のBluetooth(登録商標)プロトコル、および/または任意の他の無線プロトコルのいずれかの下で動作するネットワーク);および/またはこれらのネットワークおよび/またはその他のネットワークの任意の組み合わせのものなどのLANに相当し得る。
【0040】
コンタクトセンター108は、コンタクトセンターエージェント172、チャットボット、またはIVRシステム132が、顧客通信デバイス112とコンタクトセンター108との間に確立された通信チャネルを介して顧客116と対話することを可能にする1つ以上のコンピューティングデバイスを含むように示されている。特に、コンタクトセンター108は、ネットワーク境界デバイス120と、コンタクトセンター108の機能を可能にする多数のサーバ124、128、132とを含むように示されている。ネットワーク境界デバイス120は、コンタクトセンター108のための情報セキュリティを確立し維持する1つまたは複数の装置に相当し得る。ネットワーク境界デバイス120は、いくつかの実施形態では、セッションボーダーコントローラ(SBC)、ファイアウォール、ネットワークアドレストランスレータ(NAT)装置、プロトコルコンバータ、またはそれらの組合せを含むことができる。通信ネットワーク104は、コンタクトセンター108のオペレータの観点から信頼されていない可能性があるため、一部の実施形態では、ネットワーク境界デバイス120は、セキュリティポリシーまたは規則を実施するように構成されてもよい。通信、メッセージ、パケットなどがネットワーク境界デバイス120で受信されると、ネットワーク境界デバイス120の構成要素は、受信された通信、メッセージ、パケットなどを分析して、受信された通信、メッセージ、パケットなどの内容がコンタクトセンター108の他の構成要素に安全に渡され得るかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク境界デバイス120を安全に通過するすべてのコンテンツは、さらなる分析および処理(例えば、特定の会話に含めるため、特定のコンタクトセンターエージェント172に割り当てる/転送するため、IVRシステム132に転送するため、特定のチャットボットに転送するためなどである)のために、通信サーバ128またはルーティングエンジン124に転送されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、コンタクトセンター108の各サーバは、コンタクトセンター108の支援機能に特有の特定のタスクまたはタスクのセットを実行するように構成されてもよい。例えば、ルーティングエンジン124は、ネットワーク境界デバイス120からメッセージを受信し、コンタクトセンター108内でメッセージのルーティング決定を行うように構成されたサーバまたはサーバのセットに相当し得る。通信サーバ128は、顧客116とコンタクトセンター108との間の通信チャネルを確立し維持するように構成された単一のサーバまたは一組のサーバに相当し得る。いくつかの実施形態では、ルーティングエンジン124および通信サーバ128は、適切なエージェント172またはエージェント172のセットが、コンタクトセンター108の顧客116によって開始されたサービス/アドレス指定するコンタクトの目的のために、特定の通信チャネルに割り当てられることを確実にするために協働してもよい。代替的または追加的に、ルーティングエンジン124および通信サーバ128は、顧客通信デバイス112をコンタクトセンター108のIVRシステム132と協働して接続するように構成されてもよい。顧客通信デバイス112をIVRシステム132に接続することによって、顧客116は、IVRシステム132と対話し、必ずしも人間エージェント172を含まないセルフサービス動作を実行することができる。ルーティングエンジン124および通信サーバ128は、同様の方法で、インテリジェントIVRナビゲータ176をIVRシステム132に接続するように構成することもできる。図示していないが、コンタクトセンター108は、顧客通信デバイス112および/またはインテリジェントIVRナビゲータ176に接続可能なチャットボットを含むこともできる。
【0042】
具体的には、限定されるものではないが、ルーティングエンジン124は、エージェント172または自動化システム(例えば、IVRシステム132またはチャットボット)が、顧客116の質問に答える目的で、および/または顧客116にサービスを提供する目的で、特定の通信チャネルに割り当てられるべきかどうかを決定するように構成されてもよい。同様に、ルーティングエンジン124は、インテリジェントIVRナビゲータ176をエージェント172または自動化システムに割り当てるべきであることを決定するように構成することができる。適切な場合には、ルーティングエンジン124は、エージェントの通信デバイス168に適切なシグナリングを提供することができ、これにより、エージェントの通信デバイス168は、顧客116が通信している通信チャネルに接続することができ、エージェント172は、顧客通信デバイス112によって送信され、最終的に適切な通信チャネルに割り当てられてポストされるメッセージを見ることができる。代替的または追加的に、ルーティングエンジン124は、適切なシグナリングを通信サーバ128に提供して、コンタクトセンター108の自動化システムと顧客通信デバイス112またはインテリジェントIVRナビゲータ176との間の通信パスを確立/ネゴシエートしてもよい。より具体的には、通信サーバ128は、顧客通信デバイス112に提示され、顧客116が所望に応じてコンタクトセンター108にチャットメッセージを送信することを可能にするデジタルチャット通信チャネルを確立し、維持することができる。代替的にまたは追加的に、本明細書にさらに詳細に記載されるように、ルーティングエンジン124は、自動化システム(例えば、IVRシステム132またはチャットボット)を通信チャネルに接続して、インテリジェントIVRナビゲータ176と対話することによって顧客116のニーズにサービスを提供することができる。
【0043】
通信サーバ128は、同期または非同期にかかわらず、任意の数の通信プロトコルまたはアプリケーションをサポートするように構成されてもよいことを理解されたい。通信サーバ128によってサポートされ得る通信プロトコルまたはアプリケーションの非限定的な例は、セッション開始プロトコル(SIP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、HTTPセキュア(HTTPS)、伝送制御プロトコル(TCP)、Java、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットリレーチャット(IRC)、Webアプリケーションメッセージング(WAMP)、SOAP、MIME、リアルタイムメッセージングプロトコル(RTP)、Webリアルタイム通信(WebRTC)、WebGL、XMPP、Skypeプロトコル、AIM、Microsoft通知プロトコル、電子メールなどを含む。テキストベースの通信をサポートすることに加えて、通信サーバ128は、音声通信、ビデオ通信などの非テキストベースの通信をサポートするように構成することもできる。
【0044】
インテリジェントIVRナビゲータ176は、IVRシステム132と対話することに加えて、通信サーバ128と通信することを必要とする場合があるので、インテリジェントIVRナビゲータ176は、通信サーバ128によってサポートされる通信プロトコルのいずれかまたはすべてをサポートするように構成することができる。換言すれば、インテリジェントIVRナビゲータ176は、テキストベース、音声ベース、またはビデオベースの通信プロトコルを使用して動作するように構成することができる。
【0045】
コンタクトセンター108内に提供され得る別のサーバまたはサーバのセットは、顧客116のセルフサービスオプションの一部としてIVRシステム132を提供するように構成され得る。IVRシステム132は、顧客116にIVR経験を提供するために、1つまたは複数のサーバとして構成することができる。いくつかの実施形態では、IVRシステム132は、プロセッサ136、ネットワークインターフェイス140、およびメモリ144を含むことができる。メモリ144は、IVR機能を実行するための命令と、IVR機能を提供するためのデータとを記憶するように構成することができる。図示していないが、メモリ144は、テキストベースの顧客116のセルフサービスオプションをサポートするために、チャットボットおよび他のコンポーネントを格納することもできる。
【0046】
特定の構成要素は、IVRシステム132内に含まれるものとして示されているが、このような構成要素は、コンタクトセンター108内の任意の他のサーバまたはサーバのセット内に設けることができることを理解されたい。例えば、IVRシステム132の構成要素は、ルーティングエンジン124および/または通信サーバ128内に設けられてもよく、その逆も可能である。さらに、本開示の実施形態は、ルーティングエンジン124、通信サーバ128、およびIVRシステム132のすべての機能を備えた単一のサーバを意図している。
【0047】
プロセッサ136は、1つまたは多数のコンピュータ処理装置に相当し得る。プロセッサの非限定的な例は、マイクロプロセッサ、集積回路(IC)チップ、一般処理ユニット(GPU)、中央処理ユニット(CPU)などを含む。ここに記載されるプロセッサ136の例としては、4G LTEインテグレーションおよび64ビットコンピューティングを用いたQualcomm Snapdragon(登録商標)800および801、Qualcomm Snapdragon 610および615、Apple A7 64ビットアーキテクチャプロセッサ、Apple M7 モーションコプロセッサ、Samsung Exynos(登録商標)シリーズ、Intel Coreプロセッサファミリ、Intel Xenonプロセッサファミリ、Intel Atomプロセッサファミリ、Intel Itaniumプロセッサファミリ、Intel Core i5-4670Kおよびi7-4770K 22nm Haswell、Intel Core i5-3570K 22nm Ivy Bridge、AMD FXプロセッサファミリ、AMD FX-4300、FX-6300、およびFX-8350 32nm Vishera、AMD Kaveriプロセッサ、Texas Instruments Jacinto C6000 自動車インフォテインメントプロセッサ、Texas Instruments OMAP 自動車グレードのモバイルプロセッサ、ARM Cortex-Mプロセッサ、ARM Cortex-AおよびARM926EJ-Sプロセッサ、が含まれるが、これらに限定されない。その他の業界同等のプロセッサ、および既知または将来開発される任意の標準、命令セット、ライブラリ、および/またはアーキテクチャを使用して計算機能を実行することができる。
【0048】
ネットワークインターフェイス140は、IVRシステム132がコンタクトセンター108内の他のマシンと通信すること、および/または通信ネットワーク104に接続された他のマシンと通信することを可能にするように構成されてもよい。ネットワークインターフェイス140は、モデム、ネットワークカード(無線または有線)、赤外線通信装置などを含むが、これらに限定されない。
【0049】
メモリ144は、1つまたは複数のコンピュータメモリデバイスを含むことができる。メモリ144は、プロセッサ136によって実行可能であり、本明細書に記載するIVRシステム132の機能を最終的に提供するプログラム命令を格納するように構成することができる。メモリ144はまた、メモリ144に格納された命令によって呼び出すことができる、または使用可能なデータまたは情報を格納するように構成されてもよい。メモリ144は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、リードオンリーメモリ(ROM)デバイス、フラッシュメモリデバイス、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、固体記憶装置、コアメモリ、バッファメモリデバイス、それらの組み合わせなどを含むことができる。メモリ144は、いくつかの実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に対応し、メモリ144は、IVRシステム132の内部にあるように示されているが、メモリ144は、IVRシステム132の外部にあるメモリデバイス、データベース、または機器に対応してもよいことを理解されたい。
【0050】
例示的には、メモリ144は、プロセッサ136によって実行されるIVRロジック160を格納するように示されている。IVRロジック160は、顧客116および/またはインテリジェントIVRナビゲータ176にIVR経験を提供する一部として、IVRメニュー構造148、IVRプロンプト152、および入力処理156にアクセスすることができる。IVRロジック160は、顧客116の入力またはインテリジェントIVRナビゲータ176の入力に基づいて予め記録されたIVRプロンプト152を提供する実行可能命令(例えば、IVRアプリケーション)に相当し得る。いくつかの実施形態では、IVRロジック160は、入力処理156を利用して、顧客通信デバイス112またはインテリジェントIVRナビゲータ176から受信した入力を解釈することができる。非限定的な例として、そのような入力は、DTMF入力、音声入力、またはそれらの組み合わせを含み得る。IVRロジック160は、任意のタイプのコンピューティング言語またはスクリプト(例えば、voice Extensible Markup Language(VoiceXML)、Hypertext Markup Language(HTML)など)を利用して、顧客116またはインテリジェントIVRナビゲータ176から受信した入力に応答してIVRシステム132が取るべき次のアクションを決定することができる。
【0051】
受信された入力に基づいて、IVRロジック160は、IVRメニュー構造148を走査して、顧客116またはインテリジェントIVRナビゲータ176に追加のオプションを提供することができる。顧客116またはインテリジェントIVRナビゲータ176に提供される追加オプションは、IVRプロンプト152から取得することができる。顧客116またはインテリジェントIVRナビゲータ176から追加の応答が受信されると、IVRロジック160は、入力処理156で追加の入力の処理を続行し、追加のアクションを決定することができ、追加のアクションには、IVRメニュー構造148のさらなるトラバース、人間エージェント172と顧客116またはインテリジェントIVRナビゲータ176との接続、顧客116へのコールバックのスケジューリングなどが含まれる。入力または応答が顧客116またはインテリジェントIVRナビゲータ176から受信されると、応答につながる応答およびプロンプトも応答ストレージ164のメモリ位置に格納することができる。応答ストレージ164内に記憶された応答は、後に、インテリジェントIVRナビゲータ176におけるAIモデルの訓練の一部として、また、インテリジェントIVRナビゲータ176の動作を一般的に改善するために、インテリジェントIVRナビゲータ176に提供することができる。換言すれば、応答ストレージ164に格納された応答は、インテリジェントIVRナビゲータ176の動作および動作を訓練するのに役立つフィードバックまたは訓練データセットとして提供することができる。
【0052】
図示されていないが、チャットボットエンジンは、IVRシステム132に加えて、またはその代わりに提供されてもよい。チャットボットエンジンは、プロセッサ実行可能命令(例えば、定義された入力、変数、および出力を有する有限命令セット)のセットに相当し得る。一部の実施形態では、チャットボットエンジンは、プロセッサ136によって実行されるコンタクトセンター108の人工知能(AI)コンポーネントに対応してもよい。チャットボットエンジンは、いくつかの実施形態では、人工ニューラルネットワークの形態をとることができる1つ以上の会話モデルを利用して、通信サーバ128によってサポートされる通信チャネルを介して顧客116またはインテリジェントIVRナビゲータ176によって送信されるメッセージを認識し、応答することができる。
【0053】
インテリジェントIVRナビゲータ176とその機能の詳細を
図2および3を参照して説明する。上述のように、インテリジェントIVRナビゲータ176は、機械学習を利用して、インテリジェントIVRナビゲータ176の動作を最初に訓練するための訓練データにアクセスすることができる。インテリジェントIVRナビゲータ176は、フィードバックに基づくさらなる対話から学習するように設定することもでき、フィードバックは、自動化された方法(例えば、再帰学習ニューラルネットワークを介して)および/または人間が提供する方法(例えば、人間のエージェント172、顧客116等によって、インテリジェントIVRナビゲータ176によって準備された特定の応答が特定のシナリオに適切であったことを確認または拒否する)で提供することができる。
【0054】
インテリジェントIVRナビゲータ176は、1つまたは多数のサーバによって提供されてもよく、サーバは、プロセッサ204、ネットワークインターフェイス208、およびメモリ212を含んでもよい。プロセッサ204は、プロセッサ136と同様または同一であってもよい。ネットワークインターフェイス208は、ネットワークインターフェイス140と類似していても、同一であってもよい。メモリ212は、メモリ144と同様または同一であってもよい。上述のように、インテリジェントIVRナビゲータ176は、複数の異なるエンティティによって所有され、動作される複数の異なるコンタクトセンター108と対話するように構成されてもよい。しかしながら、インテリジェントIVRナビゲータ176は、コンタクトセンター108のみとの自動化された対話を可能にする目的で、コンタクトセンター108内に提供され得ることを理解されたい。
【0055】
インテリジェントIVRナビゲータ176は、顧客116に代わってコンタクトセンター108の自動化システムでアクションを実行するように構成することができ、それらの対話が起こる間、顧客116からの入力を必要としないので、インテリジェントIVRナビゲータ176は、ユーザインターフェイス228およびIVRインターフェイス232を提供することができる。ユーザインターフェイス228は、顧客116にインテリジェントIVRナビゲータ176へのアクセスを提供し、顧客116にインテリジェントIVRナビゲータ176を操作するためのオプションを提示し、必要に応じて顧客116にメッセージ/通知を提供するように構成することができる。換言すれば、ユーザインターフェイス228は、顧客通信デバイス112との対話を介してインテリジェントIVRナビゲータ176を顧客116に提示する役割を担うことができる。逆に、IVRインターフェイス232は、IVRシステム132から情報を検索し、IVRシステム132に入力を提供し、IVRシステム132から訓練データを検索し、インテリジェントIVRナビゲータ176とコンタクトセンター108の自動化サービスとの間のその他の対話を管理するように構成することができる。
【0056】
インターフェイスに加えて、メモリ212は、プロセッサ204によって実行可能であり得るAIコンポーネント216を格納するように構成されてもよい。例示的なAIコンポーネント216は、自然言語処理220コンポーネントおよびディープラーニングシステム224を含むように示されている。AIコンポーネント216の一部または全部は、本明細書に記載するインテリジェントIVRナビゲータ176の機能を実行するように構成されたニューラルネットワークまたはニューラルネットワークの集合として提供されてもよい。主にAIコンポーネント216として説明されるが、自然言語処理220および/またはディープラーニングシステム224の特定の態様は、実行可能な命令として提供されてもよいことを理解されたい。代替的または追加的に、インテリジェントIVRナビゲータ176の他の機能は、AIコンポーネント216として提供されるのではなく、実行可能命令として提供されてもよい。しかしながら、AIコンポーネント216を利用することにより、インテリジェントIVRナビゲータ176は、他のコンタクトセンター108との対話を改善する目的で、1つのコンタクトセンター108との動作および対話から学習することができる。同様に、AIコンポーネント216は、顧客116との対話に関して訓練され、その機能が改善されてもよく、そのような改善は、ある顧客116に対して、他の顧客116との以前の対話に基づいて行われてもよい。
【0057】
図3に示すように、AIコンポーネント216は、訓練データ取得304を介して訓練データを受信するように構成することができる。訓練データ取得304で受信される訓練データは、IVRテンプレート308、IVRメニューフロー312、およびIVR入力316を含むことができる。訓練データ取得304で受け取った訓練データの一部または全部は、(例えば、特定のコンタクトセンターで動作するようにインテリジェントIVRナビゲータ176を訓練する一環として)特定のコンタクトセンターから受け取ることができる。例えば、IVRテンプレート308は、特定のコンタクトセンター108のIVRシステム132に対するIVRメニュー構造148を記述する訓練データセットに相当し得る。IVRテンプレート308は、コンタクトセンターを管理するエンティティによって日常的に使用されるタイプの異なるマルチレベルIVRメニューの記述を含むことができる。IVRメニューフロー312は、顧客116がIVRシステム132にコールすることによって遭遇するIVRメニュー状態のシーケンスを含むことができる。IVRメニューフロー312は、IVRメニュー構造146内の特定のステージまたは状態におけるIVRプロンプト152のマッピングを含むことができる。IVR入力316は、顧客116によってIVRシステム132に供給されるデータの選択を含み、各セルフサービス対話を進めることができる。このようにして、IVR入力316は、入力処理156によって処理され得る任意の入力にマッピングされ得る。いくつかの実施形態では、IVR入力316は、IVRシステム132によって受け入れ可能な入力の記述を含むことができ、音声またはテキスト入力だけでなくDTMF入力の両方を含むことができる。
【0058】
訓練データは、顧客116に代わってIVRシステム132と対話するための1以上のAIモデルを含むAIコンポーネント216を最初に訓練するために使用することができる。上述のように、インテリジェントIVRナビゲータ176は、IVRシステム132と対話するためのIVRインターフェイス232と、顧客通信デバイス112を介して顧客116と対話するためのユーザインターフェイス228とを含むことができ、これらはユーザデバイス112とも呼ばれる。
【0059】
IVRインターフェイス232は、コンタクトセンター108に公開され、AIコンポーネント216とIVRシステム132との間のマシン間通信を促進する1つ以上のアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を含むことができる。特に、IVRインターフェイス232は、IVRシステム132に、AIコンポーネント216がデータを理解し処理できるように、特定のフォーマットでデータを提供するよう要求することができる。同様に、IVRインターフェイス232は、IVRシステム132が理解できるフォーマットでIVRシステム132にデータ出力を提供することができる。いくつかの実施形態では、IVRインターフェイス232は、DTMF発生器、テキスト通信アプリケーションなどを含むことができる。AIコンポーネント216は、IVRシステム132と通信するために、IVRインターフェイス232から入力を受信し、IVRインターフェイス232に出力を提供するように構成することができる。
【0060】
ユーザインターフェイス228は、顧客通信デバイス112を介して顧客116との通信を容易にする1つまたは複数の異なるインターフェイスを含むことができる。ユーザインターフェイス228は、移動通信装置に移動インターフェイスを提供するように構成することができる(例えば、顧客通信デバイス112のオペレーティングシステムのために特別に作られたアプリケーション)。代替的または追加的に、ユーザインターフェイス228は、1つ以上のウェブページまたはHTML文書を顧客通信デバイス112に提供し、ウェブページまたはHTML文書を介して顧客116から入力を受け取るように構成されたウェブサーバを含んでもよい。代替的または追加的に、ユーザインターフェイス228は、顧客116の代わりに動作するパーソナルアシスタント(例えば、Siri、Alexaなど)と接続するように構成されてもよい。パーソナルアシスタントは、顧客通信デバイス112内に提供されてもよいが、顧客116によってパーソナルアシスタントに提供されるコマンドに基づいてインテリジェントIVRナビゲータ176と対話するように構成されてもよい。このようにして、ユーザインターフェイス228は、顧客116のための人間対機械インターフェイスを提供することに加えて、1つ以上の異なるタイプのパーソナルアシスタント(例えば、APIなどを提供することによって)と特異的に接続するように構成することができる。
【0061】
初期訓練に加えて、AIコンポーネント216は、動作中(例えば、インテリジェントIVRナビゲータ176が顧客116の代わりにコンタクトセンター108と対話している実行時)に訓練されるように構成することもできる。AIコンポーネント216のリアルタイム訓練は、インテリジェントIVRナビゲータ176が顧客116を満足させるために特定のタスクを実行したかどうかを記述する、ユーザインターフェイス228で受信された顧客116の入力を利用することによって達成され得る。AIコンポーネント216の継続的な学習をさらに容易にするために、インテリジェントIVRナビゲータ176は、応答/アクションデータベース324内の履歴応答およびIVRアクション、ならびに顧客アクションデータベース320内の履歴顧客アクションを格納するように構成されてもよい。応答/アクションデータベース324は、インテリジェントIVRナビゲータ176が1つまたは多くの異なるコンタクトセンター108との対話を記述する情報を記憶することができる。顧客アクションデータベース320は、顧客116との対話を記述する情報、ならびにインテリジェントIVRナビゲータ176の性能に関する顧客116のフィードバックを記憶するように構成することができる。両方のデータベース324からの情報は、AIコンポーネント216の動作を訓練し、AIコンポーネント216によって使用されるAIモデルを常に更新するのに役立つ追加の訓練データとして使用することができる。例えば、インテリジェントIVRナビゲータ176が特定のコンタクトセンター108の特定のIVRシステム132と対話を続けているとき、そのような対話の詳細およびそれらの対話に対する顧客の116応答を使用して、AIコンポーネント216が同じIVRシステム132と対話するように、および/または異なるエンティティによって動作する他のコンタクトセンター108の他のIVRシステム132と異なる方法で対話するように、さらに訓練することができる。このようにして、インテリジェントIVRナビゲータ176は、あるコンタクトセンター108との対話からの訓練データを、別の異なるコンタクトセンター108との対話に使用されるAIモデルに適用することができる。
【0062】
次に
図4~8を参照すると、本開示の少なくともいくつかの実施形態にしたがって、システム100およびその中で説明される構成要素を作動させる様々な方法が説明される。様々な方法は、特定の要素または要素のセットを参照して説明することができるが、本開示の実施形態は、そのように限定されないことを理解されたい。特に、本明細書に図示または記載された任意の要素または要素のセットは、様々な方法に関連して記載されたステップの一部または全部を実行するように構成されてもよい。さらに、いずれかの特定の方法に関連して記載された操作の順序は、その方法をその特定の操作の順序に限定すると解釈されるべきではない。むしろ、任意の方法の工程は、任意の順序で実施することができ、本明細書に記載の任意の他の方法からの工程と組み合わせることができることを理解されたい。
【0063】
最初に
図4を参照すると、本開示の少なくともいくつかの実施形態にしたがって、インテリジェントIVRナビゲータ176のAIコンポーネント216を初期化および訓練する方法が説明される。本方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176がAIコンポーネント216への入力として訓練データセットを受け取ることから始まる(ステップ404)。訓練データセットは、IVRテンプレート308、IVRメニューフロー312、および/またはIVR入力316の形式で受信することができ、訓練データ取得304で受信することができる。訓練データセットは、特定のコンタクトセンター108の特定のIVRシステム132について受信されてもよく、または多数の異なるコンタクトセンター108間で共通のより一般的なIVRシステム132について受信されてもよい。
【0064】
この方法は、訓練データ取得304を介して受け取った訓練データセットを使用してAIコンポーネント216の初期訓練を開始することによって継続する(ステップ408)。初期訓練中に、AIコンポーネント216は、IVR入力データをAIコンポーネント216にDTMF、音声、および/またはテキストベースの入力の形式で送信することによって、別個の訓練シーケンスを実行することができる(ステップ412)。特に、初期訓練中にAIコンポーネントに提供される入力は、IVRシステム132への入力として通常使用されるフォーマットで提供され得る。
【0065】
AIコンポーネント216は、エージェント172の対話または受け取ったフィードバックに基づいて訓練され、その動作が検証され得る(ステップ416)。特に、IVRシステム132を配備するコンタクトセンター108の1以上のエージェント172は、AIコンポーネント216によるIVRシステム132の自動ナビゲーションの相対的な成功に関するフィードバックを提供することができる。このフィードバックは、インテリジェントIVRナビゲータ176およびそのAIコンポーネント216の特定のコンタクトセンター108に対する初期訓練を完了するために使用することができる。この方法は、顧客116から受け取ったフィードバックに基づいて、または顧客116の代わりにIVRシステム132と対話するためにインテリジェントIVRナビゲータ176を使用したユーザから受け取ったフィードバックに基づいて、生成中にAIコンポーネント216およびそのAIモデルをさらに訓練することによって継続してもよい(ステップ420)。
【0066】
AIコンポーネント216およびそのAIモデルは、継続的に更新または訓練されるので、特定のIVRシステム132と対話する目的でAIコンポーネント216によって使用されるモデルは、必要に応じて更新または置換され得る(ステップ424)。特に、インテリジェントIVRナビゲータ176の動作が許容可能な動作セットから逸脱することが判明した場合、またはインテリジェントIVRナビゲータ176の動作中に顧客116から所定のパーセンテージを超える否定的フィードバックが受信された場合は、AIコンポーネント216がコンタクトセンター108と対話するために使用する1つ以上のモデルを、新しいモデルに置き換えたり、新しい係数値で更新したりすることができる。
【0067】
ここで
図5を参照すると、本開示の少なくともいくつかの実施形態にしたがって、インテリジェントIVRナビゲータ176を操作する方法が説明される。この方法は、顧客116が、自分自身または顧客通信デバイス112のいずれかをインテリジェントIVRナビゲータ176に登録することから始まる(ステップ504)。登録は、顧客116がインテリジェントIVRナビゲータ176へのアクセスを購入するか、顧客通信デバイス112上にアプリケーションをダウンロードするか、またはインテリジェントIVRナビゲータ176に顧客116のためのプロファイルを構築させる何らかの他のタスクを実行することによって行われ得る。登録プロセスはまた、顧客116がインテリジェントIVRナビゲータ176の特定の所望の使用または動作を定義することを可能にしてもよい。具体的には、顧客116は、所望の使用を示す入力をインテリジェントIVRナビゲータ176に提供することができ、これには、顧客116がインテリジェントIVRナビゲータ176を使用してアクセスしたい1以上のコンタクトセンター108の識別、顧客116がインテリジェントIVRナビゲータ176を使用したいエンティティの識別、顧客116に関連付けられたコールバック番号、顧客116に到達するために使用できる他の通信メカニズムなどが含まれる(ステップ508)。
【0068】
登録中およびその後、インテリジェントIVRナビゲータ176は、顧客116に、顧客116が会社/エンティティを定義し、各会社のIVRシステム132で取るべきアクションを要求することを可能にするユーザインターフェイスを提示することができる (ステップ512)。例えば、顧客116は、インテリジェントIVRナビゲータ176がすべてのIVRシステム132に対して行うアクション、または特定のIVRシステム132若しくは特定のIVRシステム132を操作する会社に対して行う特定のアクションを定義することができる。アクションは、顧客116によって所望のサポートのタイプの定義、サポートがサービスまたは製品に関連するかどうか、サービスまたは製品の識別、サポートが現在所有されているサービスまたは製品に関連するかどうか、または所望のサービスまたは製品に関連するかどうか、顧客ロイヤルティ情報などを含み得る。いくつかの実施形態において、アクションのオプションは、インテリジェントIVRナビゲータ176がIVRシステム132に接触するときに遭遇するIVRメニュー構造148についてのインテリジェントIVRナビゲータ176の理解に基づいて顧客116に提供され得る。換言すれば、IVRシステム132が、IVRメニュー構造148の第1のノードにおいて3つのオプションを提示し、次いで3つの初期オプションの各々の下に4つのオプションを提示する場合、インテリジェントIVRナビゲータ176は、IVRメニュー構造148と整合するアクションオプションを顧客116に提供する。インテリジェントIVRナビゲータ176がIVRシステム132によって要求される入力を使用してIVRシステム132と対話する場合(例えば、DTMF、音声、テキストベースなど)であっても、顧客116にオプションを視覚的に提示することができる。
【0069】
顧客が所望のアクションを定義した後(ステップ516)、方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176が顧客116によって定義された会社の関連するカスタマーサポート電話番号を検索することを続けることができる(ステップ520)。次に、インテリジェントIVRナビゲータ176は、カスタマーサポート電話番号をダイヤルして、顧客116の代わりに会社のコンタクトセンター108へのコールを開始する(ステップ524)。通話は、顧客116が会社のための所望のアクションの登録および定義を完了した直後に開始されてもよく、またはインテリジェントIVRナビゲータ176は、カスタマーサポート電話番号を呼び出す前に、所定のまたは定義された時間待機するように構成されてもよい。インテリジェントIVRナビゲータ176がカスタマーサポート電話番号をダイヤルするのを待つ時間は、ステップ512において顧客116によって定義されてもよく、または他の入力に基づいてインテリジェントIVRナビゲータ176によってプログラム的に決定されてもよい。
【0070】
コールを開始した後、インテリジェントIVRナビゲータ176は、ステップ512で定義された顧客の116の要求されたアクションおよびIVRプリファレンスにしたがって、IVRシステム132のIVRメニューをナビゲートすることができる(ステップ528)。すなわち、インテリジェントIVRナビゲータ176は、カスタマーサポート電話番号をコールするインテリジェントIVRナビゲータ176より前にインテリジェントIVRナビゲータ176に提供された入力に基づいて、IVRシステム132およびIVRシステム132によって提示されたIVRメニューを横断するように構成される。
【0071】
次いで、この方法は、IVR対話の結果に関して顧客と通信するインテリジェントIVRナビゲータ176と、顧客116が会社との取引またはセルフサービスプロセスを完了するために必要とするあらゆる可能な追加ステップとを継続してもよい(ステップ532)。顧客116とインテリジェントIVRナビゲータ176との間の通信は、インテリジェントIVRナビゲータ176がIVRシステム132と通信している間、またはインテリジェントIVRナビゲータ176がIVRシステム132でハングアップした後に発生することがある。通信は、任意の通信チャネル(例えば、音声、ビデオ、テキスト、チャット、アプリケーションなど)を使用して行われてもよい。
【0072】
この方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176で顧客116からのフィードバックを受信することによってさらに継続することができ、このフィードバックは、IVR経験に対する顧客116の意見、およびインテリジェントIVRナビゲータ176が顧客116の好みにしたがって要求されたアクションを実行したかどうかを定義する(ステップ536)。顧客116のフィードバックを使用して、インテリジェントIVRナビゲータ176のAIコンポーネント216を継続的に更新または訓練することができる。接触したばかりの特定のIVRシステム132との対話を担当するAIコンポーネント216に訓練を適用してもよく、または特定のIVRシステム132との対話に使用されなかった他のAIコンポーネント216に訓練を適用してもよい(ステップ540)。
【0073】
ここで
図6を参照すると、顧客116がインテリジェントIVRナビゲータ176でIVRプリファレンスを定義し、利用することを可能にする方法が、本開示の少なくともいくつかの実施形態にしたがって説明される。この方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176が、顧客116にユーザインターフェイス228を提示し、顧客116が1つ以上のデフォルトIVRプリファレンスを定義または事前定義できるようにすることから始まる(ステップ604)。一例として、顧客116は、任意の数の異なるIVRシステム132に一般的に適用される1つ以上のアクションを定義することができる。このような動作の例には、顧客116がIVRシステム132からのコールバックを希望するかどうか、通信プリファレンス(例えば、利用可能/利用不可能の定義された時間、定義された通信チャネル、通知設定など)、顧客116のために特定の名前/エイリアスを利用するかどうか、言語プリファレンスなどが含まれる。
【0074】
ユーザインターフェイス228は、ウェブページを介して、顧客通信デバイス112上で動作するアプリケーションを介して、または顧客通信デバイス112の顧客116の好みおよび能力に適した任意の他の方法を介して、顧客116に提示することができる。方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176が、顧客からの1つ以上のデフォルトIVR設定を定義する入力を受信することに続く(ステップ608)。顧客から受け取った入力は、顧客116の他のプロファイル情報と共にメモリ212に格納することができる(ステップ612)。その後、インテリジェントIVRナビゲータ176が顧客116に代わってIVRシステム132と対話するために起動されると(ステップ616)、インテリジェントIVRナビゲータ176は、デフォルトのIVRプリファレンスにアクセスし、デフォルトのIVRプリファレンスとは異なる、またはデフォルトのIVRプリファレンスを補完する顧客116によって定義されたその他のプリファレンスまたはアクションと共にデフォルトのIVRプリファレンスを適用することができる(ステップ620)。顧客から1つ以上のデフォルトIVR設定と矛盾する追加のアクションを受信した場合、インテリジェントIVRナビゲータ176は、顧客116に矛盾を通知し、顧客116が矛盾を解決するために特定のIVR対話に対して所望のアクションを定義するように要求することができる。
【0075】
ここで
図7を参照すると、本開示の少なくともいくつかの実施形態にしたがって、インテリジェントIVRナビゲータ176を動作させる別の方法が説明される。この方法は、顧客116が所望の使用を示す入力をインテリジェントIVRナビゲータに提供すると、登録後に開始する。この入力には、顧客116がインテリジェントIVRナビゲータ176を使用してアクセスしたい1以上のコンタクトセンター108の識別、顧客116がインテリジェントIVRナビゲータ176を使用したいエンティティの識別、顧客116に関連付けられたコールバック番号、顧客116に到達するために使用できる他の通信メカニズムなどが含まれる(ステップ704)。
【0076】
インテリジェントIVRナビゲータ176は、顧客116に、顧客116が会社/エンティティを定義し、各会社のIVRシステム132で取るべきアクションを要求することを可能にするユーザインターフェイスを提示することができる(ステップ708)。例えば、顧客116は、インテリジェントIVRナビゲータ176がコンタクトセンター108の全ての自動化されたセルフサービスシステムでとるべきアクション、または特定のセルフサービスシステムを操作する特定のセルフサービスシステム若しくは会社でとるべき特定のアクションを定義することができる。アクションは、顧客116によって望まれるサポートのタイプの定義、サポートがサービスまたは製品に関連するかどうか、サービスまたは製品の識別、サポートが現在所有されているサービスまたは製品に関連するかどうか、または所望のサービスまたは製品に関連するかどうか、顧客ロイヤルティ情報などを含むことができる。いくつかの実施形態では、IVRメニュー構造148に関するインテリジェントIVRナビゲータ176の理解、またはコンタクトセンター108のセルフサービスシステムとの対話中に遭遇するステップに基づいて、アクションのオプションを顧客116に提供することができる。換言すれば、セルフサービスシステムが、特定のオプションセットを横断するチャットボットを含むことが知られている場合、インテリジェントIVRナビゲータ176は、特定のオプションセットに整合するアクションオプションを顧客116に提供する。インテリジェントIVRナビゲータ176がセルフサービスシステムに必要な入力を使用してセルフサービスシステムと対話する場合(例えば、非同期通信チャネルを介してチャットボットと対話するためのテキストベースの入力)であっても、オプションを視覚的に顧客116に提示することができる。
【0077】
顧客が所望のアクションを定義した後(ステップ712)、方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176が顧客116によって定義された会社の関連するアドレス、ウェブアドレス、SMS番号、または連絡先情報を検索することを続けることができる(ステップ716)。次に、インテリジェントIVRナビゲータ176は、アドレスまたは定義された場所を使用して、顧客116に代わって企業のコンタクトセンター108とのコンタクトを開始する(ステップ720)。連絡は、顧客116が会社のために所望のアクションを定義した直後に開始されてもよく、またはインテリジェントIVRナビゲータ176は、会社に連絡する前に所定の時間または定義された時間待機するように構成されてもよい。インテリジェントIVRナビゲータ176が会社への連絡を待つ時間は、ステップ712で顧客116によって定義されてもよく、または他の入力に基づいてインテリジェントIVRナビゲータ176によってプログラム的に決定されてもよい。
【0078】
連絡を開始した後、インテリジェントIVRナビゲータ176は、ステップ712で定義された顧客116からの要求されたアクションおよびプリファレンスにしたがって、企業のセルフサービスシステム(例えば、チャットボット)と自動的に対話することができる(ステップ724)。すなわち、インテリジェントIVRナビゲータ176は、セルフサービスシステムからメッセージを受信し、顧客116からの入力を必ずしも必要とせずに、顧客116の代わりにそれらのメッセージに自動的に応答するように構成される。
【0079】
次いで、本方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176がセルフサービスシステムとの対話があるレベルの顧客116の注意を必要とすることを決定し続ける(ステップ728)。例えば、インテリジェントIVRナビゲータ176は、セルフサービスシステムとの会話が止まったと判断してもよく、または、セルフサービスシステムが混乱していると判断してもよく、または、インテリジェントIVRナビゲータ176によって提供される入力に応答して同じメッセージを繰り返し提供してもよい。例えば、インテリジェントIVRナビゲータ176は、チャットボットが論理ループに陥っているか、またはインテリジェントIVRナビゲータ176によって送信されたメッセージに意味のある応答をすることができないことを認識するように訓練され得る。会話が止まると、インテリジェントIVRナビゲータ176は、対話および顧客116からの注意の必要性を顧客に通知することができる(ステップ732)。次いで、顧客116をセルフサービスシステムに直接接続し、それによって顧客116がセルフサービスシステムと対話することを可能にし、会話中にインテリジェントIVRナビゲータ176が中断した箇所をピックアップする(ステップ736)。いくつかの実施形態では、顧客116は、インテリジェントIVRナビゲータ176とコンタクトセンター108のセルフサービスシステムとの間の会話に参加することができる(例えば、会話の追加参加者として追加される)。いくつかの実施形態では、インテリジェントIVRナビゲータ176とコンタクトセンター108の間の以前の会話を参照しながら、インテリジェントIVRナビゲータ176とセルフサービスシステムの間で交わされた最後のいくつかのメッセージが、顧客116とコンタクトセンター108の間で会話に参加するか、または新しい会話を開始するためのリンクまたは指示とともに、顧客に提供され得る。
【0080】
この方法は、さらに、インテリジェントIVRナビゲータ176で顧客116からフィードバックを受信することによって継続することができ、このフィードバックは、経験に対する顧客116の意見、およびインテリジェントIVRナビゲータ176が顧客116の好みにしたがって要求されたアクションを実行したかどうかを定義する(ステップ740)。顧客116のフィードバックを使用して、インテリジェントIVRナビゲータ176のAIコンポーネント216を継続的に更新または訓練することができる。訓練は、接触されたばかりの特定のセルフサービスシステムとの対話を担当するAIコンポーネント216に適用されてもよく、または特定のセルフサービスシステムとの対話に使用されなかった他のAIコンポーネント216に適用されてもよい(ステップ744)。
【0081】
ここで
図8を参照すると、本開示の少なくともいくつかの実施形態にしたがって、インテリジェントIVRナビゲータ176が新しいIVRシステム132と対話することを可能にする方法が説明される。この方法は、新会社のコンタクトセンター108とインテリジェントIVRナビゲータ176との間にセキュアな接続(例えば、通信チャネル)を確立することから始まる(ステップ804)。セキュア通信チャネルは、コンタクトセンター108によって用いられ、インテリジェントIVRナビゲータ176とIVRメニュー構造148を共有し得る(ステップ808)。また、コンタクトセンター108は、IVRプロンプト152、入力処理156、およびIVRロジック160など、IVRシステム132と対話するために使用される他の情報を提供してもよい。
さらに、履歴応答164がコンタクトセンター108によって記憶されている場合、IVRシステム132と対話する顧客116の履歴応答164もインテリジェントIVRナビゲータ176に提供され得る。
【0082】
その後、インテリジェントIVRナビゲータ176でコンタクトセンター108から受信された情報を使用して、IVRシステム132に対する特定のIVRメニュー構造148に基づいて、インテリジェントIVRナビゲータ176を最初に訓練するために必要な様々なIVR訓練データセットを同化または構築することができる(ステップ812)。訓練データセットは、IVRテンプレート308、IVRメニューフロー312、および/またはIVR入力316を含むことができる。
【0083】
この方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176が、IVR訓練データセットを用いて、そのAIコンポーネント216の1つ以上(場合によっては1つ以上のAIモデル)を訓練することを続ける(ステップ816)。いくつかの実施形態では、インテリジェントIVRナビゲータ176は、別の異なるIVRシステム132と対話するために使用されるAIコンポーネント216のコピーを取得するように構成することができる。AIコンポーネント216は、そこから除去されたノードの1つ以上の層を有することができ、次いで、修正されたAIコンポーネント216は、新しい訓練データセットで訓練されることができる。このようにして、実績のあるAIコンポーネント216を新しいIVRシステム132と共に使用するために活用することができるが、AIコンポーネント216の訓練は、新しいIVRシステム132に特に適合させることができる。
【0084】
インテリジェントIVRナビゲータ176が新しいIVRシステム132をサポートするように更新された後(例えば、AIコンポーネント216は、IVRシステム132上で訓練されている)、方法は、インテリジェントIVRナビゲータ176がメニューを更新し続けることにより、新しいIVRシステム132および新しいIVRシステム132を提供する会社に対してサービスを提供できることを示すことができる(ステップ820)。
【0085】
本開示は、様々な態様、実施形態、および/または構成において、様々な態様、実施形態、構成実施形態、サブコンビネーション、および/またはそれらのサブセットを含む、実質的に本明細書に示され説明される構成要素、方法、プロセス、システム、および/または装置を含む。当業者は、本開示を理解した後に、開示された態様、実施形態、および/または構成をどのように作成および使用するかを理解するであろう。本開示は、様々な態様、実施形態、および/または構成において、本明細書に図示および/または説明されていない項目がない場合、または本明細書の様々な態様、実施形態、および/または構成において、例えば、性能を向上させ、容易さを達成し、および/または実装コストを低減するために、以前の装置またはプロセスにおいて使用されていた可能性がある項目がない場合を含めて、装置およびプロセスを提供することを含む。
【0086】
前述の説明は、説明および説明の目的で提示されている。上記は、本明細書に開示された形態に開示を限定することを意図するものではない。例えば、前述の詳細な説明では、本開示の種々の特徴は、本開示を簡素化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、および/または構成にグループ化される。本開示の態様、実施形態、および/または構成の特徴は、上述のもの以外の代替の態様、実施形態、および/または構成で組み合わせることができる。この開示方法は、請求項が各請求項に明示的に記載されている以上の特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の態様は、先に開示された単一の態様、実施形態、および/または構成の全ての特徴よりも少ないものにある。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書に組み込まれており、各特許請求の範囲は、本開示の別個の好ましい実施形態として独立している。
【0087】
さらに、説明は、1つ以上の態様、実施形態および/または構成および特定の変形および修正の説明を含んでいるが、他の変形、組み合わせおよび修正は、例えば、本開示を理解した後の当業者の技術および知識の範囲内であり得るように、本開示の範囲内である。特許請求の範囲に記載されているものに対して代替的な、交換可能なおよび/または同等の構造、機能、範囲またはステップを含む代替的な態様、実施形態および/または構成を、そのような代替的な、交換可能なおよび/または同等の構造、機能、範囲またはステップが本明細書に開示されているか否かを問わず、かつ、特許可能な主題を公的に専売する意図を持たずに、許容される範囲内で含む権利を取得することが意図されている。