(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】ナノリットル領域の計量された量を弾道的に分配するための液体計量装置、液体計量方法及び当該方法のためのピペットチップ
(51)【国際特許分類】
B01L 3/02 20060101AFI20231128BHJP
G01F 13/00 20060101ALI20231128BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20231128BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
B01L3/02 D
G01F13/00 321M
G01N1/00 101K
G01N35/10 D
(21)【出願番号】P 2021531861
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019083280
(87)【国際公開番号】W WO2020114954
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】102018131088.9
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501401397
【氏名又は名称】ハミルトン・ボナドゥーツ・アーゲー
(73)【特許権者】
【識別番号】521240594
【氏名又は名称】バイオフルイディクス・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イェルク・ポーツェルト
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・エルンスト
(72)【発明者】
【氏名】ニルス・ラス
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015009695(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0171854(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0203322(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0288117(US,A1)
【文献】特開平06-126198(JP,A)
【文献】特表2012-500116(JP,A)
【文献】特表2007-502399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/00-02
B01L 3/02
B29C 53/00
C12M 1/00
G01F 13/00
G01N 1/00、35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.3nlから900nlの計量体積範囲における、計量液体の個別に計量された量を、計量液体ストックから弾道的に分配するための方法であって、以下のステップ:
仮想のチップ軸(S)に沿って延在するピペットチップ(42;42’)を供給するステップであって、前記ピペットチップは、分注装置(60)に連結するための、前記チップ軸(S)に関して軸方向の長手方向端部(54;54’)に構成された連結構造(56;56’)と、計量された量を分配するための、前記連結構造(56;56’)から軸方向に間隔を置いて構成された計量開口部(50;50’)と、計量液体ストックを受容するための、前記連結構造(56;56’)と前記計量開口部(50;50’)との間に位置する貯蔵空間(62;62’)と、を有しているステップと、
前記計量液体ストックを前記貯蔵空間(62;62’)に受容するステップと、
互いに間隔を置いて配置された前記貯蔵空間(62;62’)の内壁面部分が、前記チップ軸(S)に直交する接近成分を有して接近しながら、前記貯蔵空間(62;62’)の部分(64;64’)を変形し、これによって、前記ピペットチップ(42;42’)の変形部分(64;64’)を形成するステップ
であって、前記変形は塑性変形成分を有しているステップと、
前記変形部分(64;64’)が形成されており、互いに向かい合う前記内壁面部分の間に計量液体が受容されている間に
、前記変形部分(64;64’)の作動変形をもたらすために、前記変形部分(64;64’)に衝撃的なパルスを伝達し、これによって、前記計量液体の計量された量を前記計量開口部(50;50’)を通じて放出するステップであって、パルス伝達の時間は、前記変形部分(64;64’)の変形の時間に比べると短いステップと
を含んでいる方法。
【請求項2】
衝撃的なパルス伝達が、
前記塑性変形成分による前記変形部分(64;64’)の形成のための、前記貯蔵空間の部分の変形を越えた、前記変形部分(64;64’)
の、前記作動変形としての、さらなる変形を有しており、前記変形部分(64;64’)のさらなる変形の時間は、前記変形部分(64;64’)を形成するための変形の時間と比較して短いことを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記作動変形は専ら弾性変形であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法を実施するために構成された、0.3nlから900nlの計量体積範囲における、計量液体の個別に計量された量を、計量液体ストックから弾道的に分配するための液体計量装置(10)であって
、
前記液体計量装置(10)は、
少なくとも液体計量装置(10)の計量準備のできた動作位置において、仮想の受容軸(A)に沿って延在する、ピペットチップ(42;42’)の部分を受容するように構成された受容空間(40)を画定するピペットチップ受容装置(14)と、
前記ピペットチップ受容装置(14)に対して可動であり、前記受容空間(40)からより引込んだ準備位置と、前記受容空間(40)内により突出した作動位置との間で変位可能である作動プランジャ(26)と、
前記作動プランジャ(26)と運動を伝達するように連結され、前記作動プランジャ(26)を衝撃によって少なくとも前記準備位置から前記作動位置に変位させるように構成された変位駆動部(30)と、
前記変位駆動部(30)の動作を制御するために、前記変位駆動部(30)と信号を伝達するように接続された制御装置(28)と
を含んでいる液体計量装置(10)において、
前記液体計量装置(10)が、第1の変形構造(46)及び第2の変形構造(48)を有しており、前記第1の変形構造(46)及び前記第2の変形構造(48)は、前記第1の変形構造(46)及び前記第2の変形構造(48)の間で、前記受容空間(40)の軸方向の長手方向領域を、変形領域(44)として画定しており、前記変形領域内では、前記第1の変形構造(46)及び前記第2の変形構造(48)が、互いに対して接近することが可能であり、かつ、互いから離れることが可能であり、前記作動プランジャ(26)は、前記作動プランジャの作動位置において、前記受容空間(40)の前記変形領域(44)に存在
しており、
前記第1の変形構造(46)及び前記第2の変形構造(48)が、互いに対して相対的に、互いからより離れた装着位置であって、前記ピペットチップ受容装置(14)が前記ピペットチップ受容装置(14)へ前記ピペットチップ(42;42’)を受容するように、又は/及び、前記ピペットチップ(42;42’)を前記ピペットチップ受容装置(14)から取り出すように構成されている装着位置と、互いにより接近した変形位置であって、前記受容空間(40)に受容された前記ピペットチップ(42;42’)の前記変形領域(44)に位置する部分が、変形が塑性変形成分を有するように、前記第1の変形構造(46)及び前記第2の変形構造(48)によって変形している変形位置との間で移動可能であり、前記制御装置(30)は、前記作動プランジャ(26)を、作動変形をもたらすために、前記第1の変形構造(46)及び前記第2の変形構造(48)が前記変形位置に存在する場合にのみ、前記準備位置から前記作動位置に変位すべく駆動するように構成されていることを特徴とする液体計量装置(10)。
【請求項5】
前記液体計量装置(10)が、前記変形領域(44)において、前記ピペットチップ(42;42’)の前記受容空間(40)に受容された部分を、変形時間を超えて変形するように構成されており、前記変形時間は、前記作動プランジャ(26)の前記準備位置から前記作動位置への変位運動が継続する変位時間と比較して長いことを特徴とする、請求項
4に記載の液体計量装置(10)。
【請求項6】
前記作動プランジャ(26)が、前記第1の変形構造(46)の少なくとも一部で
あることを特徴とする、請求項
4又は5に記載の液体計量装置(10)。
【請求項7】
前記作動プランジャ(26)が、前記第1の変形構造(46)であることを特徴とする、請求項6に記載の液体計量装置(10)。
【請求項8】
前記第2の変形構造(48)が、前記受容空間(40)を限定する壁部分(48a、48b)を含んでいる、請求項
4から
7のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項9】
前記ピペットチップ受容装置(14)が、前記作動プランジャ(26)のより近くに位置す
る第1の装置部分(16)と、前記作動プランジャ(26)からより離れた第2の装置部分(18)とを有しており、前記第2の装置部分(18)は、前記第1の装置部分(16)から離れることが可能であり、かつ、前記第1の装置部分(16)に接近することが可能であることを特徴とする、請求項
4から
8のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項10】
前記第1の装置部分(16)が、前記作動プランジャ(26)によって貫通されるか、又は、貫通可能であることを特徴とする、請求項9に記載の液体計量装置(10)。
【請求項11】
前記第2の変形構造(48)が、前記第2の装置部分(18)に形成されていることを特徴とする、請求項
8を引用する場合の請求項
9又は10に記載の液体計量装置(10)。
【請求項12】
前記液体計量装置(10)が、前記第2の装置部分(18)と連結された移動駆動部(24)を有しており、前記移動駆動部によって、前記第2の装置部分(18)は、前記第1の装置部分(16)からはより離れて位置する開放位置と、前記第1の装置部分(16)により接近した閉鎖位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項
8から11のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項13】
前記第2の装置部分(18)が、前記第2の装置部分の
位置の一つにおいて
、プリテンションを加えられていることを特徴とする、請求項
12に記載の液体計量装置(10)。
【請求項14】
前記第2の装置部分(18)が、閉鎖位置において、プリテンションを加えられていることを特徴とする、請求項13に記載の液体計量装置(10)。
【請求項15】
前記作動プランジャ(26)が、前記作動プランジャの
位置の一つにおいて
、プリストレスを加えられていることを特徴とする、請求項
4から
14のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項16】
前記作動プランジャ(26)が、準備位置において、プリストレスを加えられていることを特徴とする、請求項15に記載の液体計量装置(10)。
【請求項17】
前記作動プランジャ(26)の前記作動位置が、機械的なストッパによっ
て決定されていることを特徴とする、請求項
4から
16のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項18】
前記機械的なストッパは、前記作動プランジャ(26)の変位軌道(V)に沿って調整可能であることを特徴とする、請求項17に記載の液体計量装置(10)。
【請求項19】
前記作動プランジャ(26)が、前記作動プランジャの準備位置と作動位置との間で、変位軌道(V)に沿って変位可能であり、前記変位軌道は、仮想の前記受容軸(A)と、70°から110°の範囲の角
度を形成していることを特徴とする、請求項
4から
18のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項20】
前記変位軌道(V)は、前記仮想の前記受容軸(A)と直角を形成していることを特徴とする、請求項19に記載の液体計量装置(10)。
【請求項21】
前記ピペットチップ受容装置(14)が、前記作動プランジャ(26)のより近くに位置する第1の装置部分(16)と、前記作動プランジャ(26)からより離れた第2の装置部分(18)とを有しており、前記第2の装置部分(18)は、前記第1の装置部分(16)から離れることが可能であり、かつ、前記第1の装置部分(16)に接近することが可能であり、前記第1の装置部分(16)と前記第2の装置部分(18)とが、移動軌道(B)に沿って互いに接近可能であり、前記移動軌
道(B)は、仮想の前記受容軸(A)と、70°から110°の範囲の角
度を形成していることを特徴とする、請求項
4から
20のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項22】
前記移動軌道(B)は、仮想の前記受容軸(A)と直角を形成していることを特徴とする、請求項21に記載の液体計量装置(10)。
【請求項23】
前記変位軌道(V)と前記移動軌道(B)とが、少なくとも部分的に
、互いに対して平行であることを特徴とする、請求項
19又は20を引用する場合の請求項21又は22に記載の液体計量装置(10)。
【請求項24】
前記変位軌道(V)と前記移動軌道(B)とが、完全に、互いに対して平行であることを特徴とする、請求項23に記載の液体計量装置(10)。
【請求項25】
分注装置(60)のピペット管(58)に連結するように構成された連結構造(56;56’)を備えた連結長手方向端部(54;54’)と、前記連結長手方向端部(54;54’)とは反対側の、個別に計量された量を分配可能である計量開口部(50;50’)を備えた計量長手方向端部(52;52’)と、を有するピペットチップ(42;42’)であって、前記連結長手方向端部(54;54’)と前記計量長手方向端部(52;52’)との間に、貯蔵空間(2;62’)を有しており、前記貯蔵空間内には、前記計量液体ストックが受容可能であるピペットチップ(42;42’)、をさらに含んでいることを特徴とする、請求項
4から
24のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項26】
前記ピペットチップ(42;42’)が、前記ピペットチップの連結長手方向端部(54;54’)と前記ピペットチップの計量長手方向端部(52;52’)との間を、仮想のチップ軸(S)に沿って延在しており、前記ピペットチップ(42;42’)が前記受容空間(40)に受容された状態では、前記ピペットチップ(42;42’)、特に前記ピペットチップの貯蔵空間(62;62’)は、前記チップ軸(S)に関して軸方向に、両側において、前記変形領域(44)から突出していることを特徴とする、請求項
25に記載の液体計量装置(10)。
【請求項27】
前記変形領域(44)が、前記連結長手方向端部(54;54’)よりも前記計量長手方向端部(52;52’)の近くに位置して
いることを特徴とする、請求項
26に記載の液体計量装置(10)。
【請求項28】
前記変形領域(44)は、完全に、前記ピペットチップ(42;42’)の軸方向延在領域の、前記計量長手方向端部(52;52’)を始点とする半分の内に位置していることを特徴とする、請求項27に記載の液体計量装置(10)。
【請求項29】
前記ピペットチップ(42;42’)が、前記受容空間(40)に受容された状態において、前記ピペットチップ(42;42’)の内部の隙間を越えて互いに向かい合
う2つの内壁面部分を備えた、前記変形領域(44)に位置する変形部分(64;64’)を有していることを特徴とする、請求項
25から
28のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)。
【請求項30】
互いに向かい合う2つの前記内壁面部分は、平らで、又は/及び、平行であることを特徴とする、請求項29に記載の液体計量装置(10)。
【請求項31】
前記
作動プランジャ(26)が、前記作動位置において、前記ピペットチップ(42;42’)の前記変形部分(64;64’)に接触することを特徴とする、請求項
29又は30に記載の液体計量装置(10)。
【請求項32】
仮想の管軌道(K)に沿って延在するピペット管(58)を有する分注装置(60)であって、前記ピペット管は、少なくとも部分的に、計量液体とは異なる作動流体によって満たされており、前記ピペット管の開放された長手方向端部において、前記長手方向端部にピペットチップ(42;42’)を一時的かつ解除可能に連結するための連結部(70)を有しており、さらに、
前記ピペット管(58)内の作動流体の圧力を変更するように構成された圧力変更装置(74)と、
前記ピペット管(58)内の作動流体の圧力を検出するように構成され、配置された圧力センサ(72)と、
前記圧力変更装置(74)の動作を制御するために、信号を伝達するように、前記圧力センサ(72)とも前記圧力変更装置(74)とも接続されており、前記圧力変更装置(74)の動作を、少なくとも前記圧力センサ(72)によって検出された現在の作動流体圧力に従って制御するように構成された分注制御装置(80)と、
請求項
4から
31のいずれか一項に記載された液体計量装置(10)であって、前記ピペット管(58)から離れるように延長したと想定される管軌道(K)が、仮想の受容軸(A)と平行又は同一線上にある液体計量装置(10)と
を有している分注装置(60)。
【請求項33】
前記液体計量装置(10)は請求項25に記載された特徴を含んでおり、前記ピペットチップ(42;42’)が、前記ピペットチップの連結構造(56;56’)で、前記ピペット管(58)の前記連結部に連結されている、又は、連結可能であり、さらに、前記分注制御装置(80)が、前記圧力変更装置(74)の動作を、少なくとも前記圧力センサ(72)によって検出された現在の作動流体圧力に従っ
て制御するように構成されていることを特徴とする、請求項
32に記載の分注装置(60)。
【請求項34】
前記分注制御装置(80)が、前記圧力変更装置(74)の動作を、少なくとも1つの所定の目標作動流体圧力値を考慮して制御するように構成されていることを特徴とする、請求項33に記載の分注装置(60)。
【請求項35】
請求項
4から
31のいずれか一項に記載の液体計量装置(10)において用いるためのピペットチップ(42;42’)であって、仮想のチップ軸(S)に沿って延在しており、
分注装置(60)のピペット管(58)と連結するように構成された連結構造(56;56’)を有する連結長手方向端部(54;54’)と、
計量開口部(50;50’)を有し、前記チップ軸(S)に関して、前記連結長手方向端部(54;54’)から軸方向に離れて位置する計量長手方向端部(52;52’)であって、前記計量開口部を通って、個別に計量された量が、前記ピペットチップ(42;42’)に受容された計量液体ストックから分配可能である計量長手方向端部(52;52’)と、
前記計量液体ストックを受容可能である、前記連結長手方向端部(54;54’)と前記計量長手方向端部(52;52’)との間にある貯蔵空間(62;62’)と
を有しているピペットチップ(42;42’)において、
前記計量開口部(50;50’)と前記連結構造(56;56’)との間に位置する部分は、変形部分(64;64’)として、前記ピペットチップ(42;42’)の内部の隙間を越えて互いに向かい合う2つの内壁面部分を有しており、前記隙間は、前記チップ軸(S)に直交する第1の延在方向(E)において、向かい合う前記内壁面部分に対して平行に、前記チップ軸(S)にも前記第1の延在方向(E)にも直交する第2の延在方向(E2)におけるよりも、少なくとも5
倍大きい内径を有していることを特徴とするピペットチップ(42;42’)。
【請求項36】
前記チップ軸(S)に沿った前記隙間の寸法が、前記第1の延在方向(E1)に沿った前記隙間の最大内径の少なくとも0.5倍であることを特徴とする、請求項
35に記載のピペットチップ(42;42’)。
【請求項37】
前記チップ軸(S)に沿った前記隙間の寸法が、前記ピペットチップ(42;42’)の軸方向長さの0.8倍よりも大きくはな
いことを特徴とする、請求項
35又は
36に記載のピペットチップ(42;42’)。
【請求項38】
前記ピペットチップ(42;42’)が、前記変形部分(64;64’)の少なくとも1つの面に、回転対称の本体部分
を有していることを特徴とする、請求項
35から
37のいずれか一項に記載のピペットチップ(42;42’)。
【請求項39】
前記ピペットチップ(42;42’)が、前記変形部分(64;64’)の各側に配置された一つの回転対称の本体部分(66、68;66’、68’)を有していることを特徴とする、請求項38に記載のピペットチップ(42;42’)。
【請求項40】
前記変形部分(64;64’)が、前記第1の延在方向(E1)に沿って
、前記チップ軸(S)に関して軸方向において接続している前記ピペットチップ(42;42’)の本体部分から、径方向に突
出していることを特徴とする、請求項
35から
39のいずれか一項に記載のピペットチップ(42;42’)。
【請求項41】
前記チップ軸(S)に関して軸方向において前記変形部分(64;64’)に接続された前記ピペットチップ(42;42’)の本体部分が、前記変形部分(64;64’)から、前記第2の延在方向(E2)に沿って径方向に突
出していることを特徴とする、請求項
35から
40のいずれか一項に記載のピペットチップ(42;42’)。
【請求項42】
各側で前記変形部分(64;64’)を軸方向に接続する2つの前記本体部分のいずれも、前記変形部分(64;64’)から、前記第2の延在方向(E2)に沿って突出していることを特徴とする、請求項41に記載のピペットチップ(42;42’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、0.3nlから900nlの計量体積範囲における、計量液体の個別に計量された量を、計量液体ストックから弾道的に分配するための液体計量装置に関するものであり、当該液体計量装置は、
-少なくとも液体計量装置の計量準備のできた動作位置において、仮想の受容軸に沿って延在する、ピペットチップの部分を受容するように構成された受容空間を画定するピペットチップ受容装置、
-ピペットチップ受容装置に対して可動であり、受容空間からより引込んだ準備位置と受容空間内により突出した作動位置との間で変位可能である作動プランジャ、
-作動プランジャと運動を伝達するように連結され、作動プランジャを衝撃によって少なくとも準備位置から作動位置に変位させるように構成された変位駆動部、及び、
-変位駆動部の動作を制御するために、変位駆動部と信号を伝達するように接続された制御装置
を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
このような液体計量装置は、特許文献1から知られている。特許文献1は、特に当該液体計量装置のために構成された、ホース又は管の部分を備えたピペットチップを、その計量長手方向端部において、ピペットチップ受容装置内に受容することを開示している。計量長手方向端部は、計量開口部を有しており、当該計量開口部を通じて、計量された計量液体が分配される。
【0003】
作動プランジャを通じて、ピペットチップの特にこのために構成されたホース又は管の部分に及ぼされる短い機械的パルスを用いて、nl領域の個別の計量液体の量が、ホース又は管の部分から放出され得る。ホース又は管の部分は、好ましくは、ホース又は管の軸に沿って、大きさ及び形状において略一定な横断面を有している。機械的パルスの伝達によってそれぞれ放出される計量された量は、計量液滴として、自由飛行を行うので、本明細書では、計量された量の分配は、「弾道的」と表される。
【0004】
ピペットチップの他方の長手方向端部において、ピペットチップは、連結構造を有しており、当該連結構造は、分注装置のピペット管と連結するように構成されている。従って、最後に挙げた長手方向端部は、以下において「連結長手方向端部」と表される。
【0005】
仮想のチップ軸に沿って延在する既知のピペットチップは、チップ軸に関して軸方向において、連結長手方向端部と計量長手方向端部に近いホース又は管の部分との間に、貯蔵空間を有しており、当該貯蔵空間には、計量液体ストックが受容されていてよい。
【0006】
既知の液体計量装置は、計量液体の非圧縮性を利用している。作動プランジャを用いて、計量長手方向端部に近いホース又は管の部分に、時間的に非常に短い機械的衝撃を加えることによって、計量液体で満たされたホース又は管の部分に機械的パルスが伝達される。ホース又は管の部分に存在する計量液体の非圧縮性ゆえに、当該部分への機械的パルスによって、圧力パルスが計量液体に誘導され、圧力パルスは、計量開口部の領域において、液滴の放出をもたらす。
【0007】
機械的パルスによって計量液体に誘導された圧縮波は、計量液体内で2つの相反する方向において、チップ軸に沿って広がる。連結長手方向端部の方を示す軸方向において、ホース又は管の部分の上方には、貯蔵空間に受容された計量液体ストックがとどまっており、計量液体ストックは、ホース又は管の部分に受容されたより少量の計量液体と比較すると、大きな慣性質量を意味する。従って、機械的及び流体力学的抵抗が最小の点である計量開口部における機械的パルスは、個別に計量された量の分離をもたらし、計量された量は、軸方向においてピペットチップから離れる。
【0008】
機械的パルスの時間的長さの変更によって、及び、作動プランジャの作動位置の変位によって、ホース又は管の部分内の計量液体に機械的パルスが伝達される際に計量開口部を通って分配される計量された量が、意図的に変更される。
【0009】
既知の液体計量装置の欠点は、特別に構成されたピペットチップを用いるという必要性にある。すなわち、その開放された計量開口部と貯蔵空間との間に、上述の、略一定の小さい横断面を備えたホース又は管の部分を有するピペットである。
【0010】
加えて、ホース又は管の部分への機械的パルスの伝達を利用したnl領域の液体の計量のさらなる技術的背景については、特許文献2が参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】国際公開第2006/076957号パンフレット
【文献】国際公開第2005/016534号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の先行技術に関する説明に従って、本発明の課題は、冒頭に挙げた流体計量装置を改善し、それによって、当該流体計量装置が、特に液体計量装置での使用のために構成されている必要のない市販のピペットチップを用いて動作可能になるような技術的教示を記載することにある。特に、本発明によって提供される技術的教示は、市販のピペットチップの使用を可能にすべきものであり、当該ピペットチップの計量開口部は、一定の、ホース又は管の部分以外のピペットチップの残りの横断面と比較して小さい、0.075mm2から0.75mm2までの範囲の横断面面積を有する横断面と、2mmより大きい長さとを備えたホース又は管の部分の自由端には位置していない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従来の市販のピペットチップは、一般的に、その連結長手方向端部から、又は、計量長手方向端部よりも連結長手方向端部に近い位置から、そのチップ軸に沿って、計量開口部まで連続的に先細になっている。この先細になる部分は、多くの場合、円錐形に形成されている。このような従来のピペットチップは、その軸方向延在部分に沿って、異なる円錐角を備えた領域を有し得る。
【0014】
従来の市販のピペットチップは、計量長手方向端部において、短いシリンダ形のフランジを有していてよく、当該フランジは、計量長手方向端部と連結長手方向端部との間で先細になっている領域と、計量開口部との間に形成されている。しかしながら、当該フランジは、2mmより大きい長さを有しておらず、従って、機械的パルスの伝達には適していない。しかしながら、好ましくは、従来のピペットチップは、直接、計量開口部まで先細になっている。
【0015】
装置の態様に係る本発明は、冒頭に挙げた種類の液体計量装置によって、上述の課題を解決する。当該液体計量装置は、第1及び第2の変形構造を有しており、第1及び第2の変形構造は、第1及び第2の変形構造の間で、仮想の受容軸に沿って延在する受容空間の軸方向の長手方向領域を、変形領域として画定しており、当該変形領域内では、第1及び第2の変形構造が、受容空間に受容されたピペットチップの変形のために、互いに対して接近することが可能であり、かつ、互いから離れることが可能である。作動プランジャは、その作動位置において、受容空間の変形領域に存在している。
【0016】
本発明の基本的な理念は、個別に計量された量の分配のために、構造的に機械的パルスを伝達するように構成された部分を有さない従来のピペットチップの軸方向部分を、変形部分としての液体計量装置の両方の変形構造を通じて、このように変形したピペットチップの部分が、作動プランジャを用いた機械的パルスの伝達によるナノリットル領域の計量体積の計量のために用いられ得るように変形させることにある。
【0017】
元々任意に形成かつ構成されたピペットチップは、このように、所定の時間的長さにわたる、第1の変形構造と第2の変形構造との互いに対する相対的な接近を用いた変形によって、少なくとも部分的に、作動プランジャが衝撃によって、機械的パルスをピペットチップの変形部分に伝達することが可能であり、これによって、既知の方法で、個別に計量された量を、ピペットチップの計量液体ストックから、その計量開口部を通じて放出することができるような形状に変形され得る。
【0018】
本発明の液体計量装置は、上述の先行技術に係る液体計量装置とは、第1及び第2の変形構造によって、決定的に異なっているので、液体計量装置の定義のためには、さしあたり、ピペットチップ受容装置内に、ピペットチップが実際に受容されているか、又は、ピペットチップ受容装置は、ピペットチップの受容のためだけに構成されているかどうかは重要ではない。
【0019】
作動プランジャは、その作動位置において、受容されたピペットチップの変形をもたらす受容空間の変形領域内に存在しており、これによって、作動プランジャが、計量された量を分離させる機械的パルスを、当該変形領域において、ピペットチップ受容装置に受容されたピペットチップに伝達することが可能であり、ピペットチップが、作動プランジャからピペットチップの変形部分への機械的パルスの伝達によって、ナノリットル領域の計量される量が計量可能であるように変形される、又は、変形可能であることが保証される。
【0020】
液体計量装置の容易な操作と、特に、未使用の、従って変形していないピペットチップの、ピペットチップ受容装置への容易な装着とを可能にするために、本発明の好ましいさらなる発展形態によると、第1及び第2の変形構造が、互いに対して相対的に、互いからより離れた装着位置であって、ピペットチップ受容装置がピペットチップ受容装置へピペットチップを受容するように、又は/及び、ピペットチップをピペットチップ受容装置から取り出すように構成されている装着位置と、互いにより接近した変形位置であって、受容空間に受容されたピペットチップの変形領域に位置する部分が、第1及び第2の変形構造によって変形している変形位置との間で移動可能であることが規定されている。
【0021】
一般的に仮想のチップ軸に沿って、その連結長手方向端部とその計量長手方向端部との間に延在している、変形しない従来のピペットチップは、計量される量と比較して大きい、その貯蔵空間内の計量液体の量の望ましくない高い内部摩擦ゆえに、外から伝達される機械的パルスによるナノリットル領域の計量される量の計量を許容しない。このような液体の計量は、むしろ、チップ軸に直交する少なくとも1つの空間方向において、約1mm以下の小さい内径を有する液体空間によって可能になるので、機械的に外から誘導された圧縮波は、このような狭い計量液体領域において、ピペットチップのチップ軸に沿って広がることが可能であり、計量開口部に近いメニスカスに到達した際に、供給された計量液体ストックから液滴を放出する。
【0022】
第1及び第2の変形構造の内径は、変形位置において、受容軸に直交する少なくとも1つの空間方向で、好ましくは変形領域において、仮想の受容軸に対して軸方向で、変形領域の両側に位置する受容空間の受容領域におけるよりも小さい。これによって、変形領域は、残りの受容領域から区別可能であり、変形領域として認識可能である。従って、変形領域は、受容軸に直交する少なくとも1つの空間方向において、受容空間のボトルネックを形成する。
【0023】
ピペットチップ受容装置にピペットチップが装着されている場合、仮想のチップ軸と仮想の受容軸とは、平行であるか、好ましくは同一線上にある。
【0024】
上述の理由から、機械的パルスによってもたらされる弾道的な分配は、受容空間に受容されたピペットチップが、変形構造によって、変形領域において、上述の狭い液体空間に変形している場合、すなわち、従って、第1及び第2の変形構造がその互いに接近した変形位置に存在する場合にのみ、特に良好に機能するので、好ましくは、制御装置は、作動プランジャを、第1及び第2の変形構造が変形位置に存在する場合にのみ、準備位置から作動位置に変位すべく駆動するように構成されている。
【0025】
上述したように、まず第1及び第2の変形構造の接近する相対運動の間に、変形領域は受容空間内で、受容空間に受容されたピペットチップの部分が、作動プランジャを用いた機械的パルスの外からの伝達によってナノリットル領域の計量液体の計量を可能にする形状を有するように、変化する。従って、受容空間内の両方の変形構造によってもたらされる形状変化は、計量を準備するピペットチップの変形である。従って、好ましくは、液体計量装置は、変形領域において、ピペットチップの受容空間に受容された部分を、作動プランジャの準備位置から作動位置への変位運動が継続している変位時間と比較して長い変形時間を超えて変形するように構成されている。ここで議論されている液体計量装置は、作動プランジャが複数回連続して変形領域における衝撃によって作動位置に変位するアリコート動作も可能であるので、第1及び第2の変形構造の変形位置への配置によって決定される変形時間は、少なくとも数秒を超え、好ましくは少なくとも1分を超えて持続する一方で、作動プランジャの準備位置から作動位置への変位に要する時間は、1秒より短く、好ましくは0.25秒より短く、特に好ましくは0.05秒より短い。従って、好ましくは、変形時間は、変位時間の少なくとも3倍、特に好ましくは少なくとも30倍は長い。
【0026】
好ましくは、作動プランジャは、準備位置から作動位置に変位するだけではなく、折り返して作動位置から再び準備位置に変位するので、作動プランジャは、作動位置に留まるのではなく、作動位置は単に、作動プランジャの作動変位が逆転する死点に過ぎない。
【0027】
制御装置又は/及び変位駆動部は、このために、作動プランジャが準備位置に戻り始める前に、作動プランジャを、所定の、又は、予め決定可能である時間にわたって、作動位置に保持するように構成されていてよい。
【0028】
液体計量装置は、入力装置/出力装置を有していてよく、これによって、データが液体計量装置に伝達されるか、若しくは、手動で入力されるか、又は、液体計量装置から呼び出され、出力される。当該データは、例えば、上述の作動プランジャの作動位置における保持時間、又は、計量の1つ若しくは複数の動作パラメータである。
【0029】
基本的に、作動プランジャは、第1及び第2の変形構造とは別に設けられていてよく、これによって、特に、小さい質量を有する作動プランジャの形成と、それに続く作動プランジャの短時間での高い変位速度への加速とが容易になる。
【0030】
作動プランジャは、第1及び第2の変形構造によって画定された受容空間の変形領域において、力を伝達するように作用すべきであるので、作動プランジャが、第1の変形構造の少なくとも一部であると好ましい。なぜなら、第1の変形構造は、いずれにしてもすでに変形領域に配置されているからである。好ましくは、作動プランジャは、液体計量装置の形成に必要な部材数を減少させるために、第1の変形構造である。従って、作動プランジャは、まず、受容空間に受容されたピペットチップの変形に用いられた後、第1及び第2の変形構造が変形位置にある場合には、第2の変形構造に対して、衝撃によって、作動位置に変位可能である。作動プランジャが変形位置において第2の変形構造に対してとる位置は、好ましくは準備位置である。
【0031】
基本的に、作動プランジャは、第1の変形運動において、受容空間に受容されたピペットチップを変形するように動くことができるので、ピペットチップは、依然として受容空間から引込んだ出発位置からその準備位置への作動プランジャの移動によって変形する。準備位置に到達した後、作動プランジャは、計量された量の弾道的分配のために、衝撃によって作動位置に変位し得る。しかしながら、好ましくは、作動プランジャは、準備位置と作動位置との間でのみ変位可能である。
【0032】
ピペットチップを可能な限り確実に、明確な方向付けをもって、受容空間に受容することができるように、好ましくは受容軸に直交する方向において作動プランジャに向かい合う第2の変形構造が、受容空間を限定する壁部分を含んでいると規定してよい。第1及び第2の変形構造が、互いに対して、装着位置から変形位置に移動する場合、当該壁部分には、ピペットチップの外壁部分が当接していてよく、例えば形状に合わせて接していてよい。
【0033】
ピペットチップ受容装置の受容空間に、ピペットチップを可能な限り確実かつ明確に固定するために、ピペットチップ受容装置は、作動プランジャのより近くに位置する第1の装置部分と、作動プランジャからより離れた第2の装置部分とを有し得る。第1の装置部分、又は、第2の装置部分も、作動プランジャに対して付加的に、受容空間に受容されたピペットチップの変形をもたらすことが可能であり、これによって例えば、チップ軸に沿ったピペットチップの局所的な流れ抵抗が増大する。このために、第1又は/及び第2の装置部分は、作動プランジャとは受容軸に関して軸方向において間隔を置いて、狭窄部分を有することが可能であり、当該狭窄部分では、受容空間は、少なくとも変形位置において、狭窄部分の軸方向の直接両側よりも小さい横断面面積を有している。つまり、上述の第1の変形構造は、作動プランジャも、狭窄部分を有する装置部分、好ましくは第1の装置部分も含み得る。
【0034】
容易に実現可能かつ維持可能な運動学を供給するために、第1の装置部分は、液体計量装置の装置フレームに対して一定の場所に、すなわちフレームに固定して配置されていてよい。第1及び第2の装置構造が、互いに対して、装着位置と変形位置との間で移動するために、有利には、第2の装置部分が、フレームに固定された第1の装置部分から離れることが可能であり、かつ、第1の装置部分に接近することが可能であれば十分である。作動プランジャは、その準備位置において、好ましくは同様にフレームに固定されている。従って、変形運動は、第2の装置部分によってのみ実施され、作動変位は、作動プランジャによってのみ実施される。
【0035】
この際、可能な限り少ない設置空間需要を有する、空間的にコンパクトなピペットチップ受容装置は、第1の装置部分が作動プランジャによって貫通されているか、又は、貫通可能であることによって得られる。第2の変形構造は、有利には、第2の装置部分に構成されていてよい。
【0036】
基本的に、両方の変形構造は、その装着位置とその変形位置との間を、手動で移動可能であり、液体計量装置は、好ましくは案内構造を有しており、当該案内構造は、両方の装置構造を、互いに対して、装着位置と変形位置との間で移動させる。
【0037】
液体計量装置は、その生産性を高めるために、移動駆動部を有することが可能であり、当該移動駆動部は、両方の変形構造を、互いに対して、少なくとも1つの方向において装着位置と変形位置との間で移動するように駆動し、好ましくは、両方の方向に駆動する。上述したように、好ましくは、第2の変形構造のみが移動駆動部と連結されている。ピペットチップ受容装置が、上述した第2の装置部分を有している場合、液体計量装置は、好ましくは、第2の装置部分と連結された移動駆動部を有しており、当該移動駆動部によって、第2の装置部分は、第1の装置部分からはより離れて位置する開放位置と、第1の装置部分により接近した閉鎖位置との間で移動可能である。第2の変形構造が、第2の装置部分に構成されている場合、好ましくは第1及び第2の変形構造は、第2の装置部分が開放位置にあるのであれば、互いに対して装着位置にあり、第2の装置部分が閉鎖位置にあるのであれば、変形位置にある。
【0038】
移動駆動部が、受容空間の変形領域におけるピペットチップの変形時間の全体にわたって、給電されなければならないか、又は、一般的にエネルギーを供給されなければならないということを防止するために、第2の装置部分がその位置においてプリテンションを加えられていると規定してもよい。好ましくは、第2の装置部分は、閉鎖位置に至るようにプリテンションを加えられているので、プリテンションを加えるプリテンション装置、例えば機械的又は/及び空気圧式又は/及び油圧式バネアセンブリは、変形力も供給し、当該変形力によって、受容空間に受容されたピペットチップは、部分的に変形する。移動駆動部は、第2の装置部分を開放位置に、又は、第1及び第2の変形構造を互いに対して装着位置に移動させるために、短時間のみエネルギーを供給されればよい。
【0039】
同様に、作動プランジャは、プリストレス装置によって、例えばやはり機械的又は/及び空気圧式又は/及び油圧式バネアセンブリによって、その位置の1つにおいてプリストレスを加えられてよい。好ましくは、作動プランジャは、準備位置に至るようにプリストレスを加えられているので、作動プランジャは、変位駆動部を通じて、衝撃によってプリストレス装置のプリストレス力に反して、作動位置へと変位すればよいだけであり、作動位置に到達した後は、変位駆動部のスイッチオフによって、即座に再び準備位置へと戻される。こうして、特に短い変位時間と、特に、作動プランジャの作動位置での特に短い滞留時間とが得られる。
【0040】
作動プランジャから受容空間に受容されたピペットチップの変形部分に、可能な限り正確にパルスを伝達するために、作動プランジャの作動位置は、機械的なストッパによって決定されていてよい。好ましくは、ストッパは、液体計量装置が異なる計量液体に、又は/及び、異なる計量される量に適応するために、作動プランジャの変位軌道に沿って変位可能である。従って、作動プランジャの変位軌道も可変であってよい。
【0041】
作動プランジャからピペットチップの変形部分への特に効果的なパルス伝達は、作動プランジャが、その準備位置とその作動位置との間で変位軌道に沿って変位可能であり、当該変位軌道が仮想の受容軸と、70°から110°の範囲の角度を形成する場合に得られる。好ましくは、形成される角度は直角であり、従って、作動プランジャは、受容軸に対して少なくとも平行か、又は、同一線上にさえあるチップ軸に可能な限り直交して、ピペットチップの変形部分に衝突することができる。
【0042】
受容空間に受容されたピペットチップの変形に関して、利用可能な変形力を可能な限り効果的に利用するために、本発明の好ましいさらなる発展形態によると、第1及び第2の装置部分は移動軌道に沿って互いに接近可能であり、当該移動軌道は、仮想の受容軸と、70°から110°の範囲の角度を形成している。やはり、当該角度は、受容軸又はチップ軸に沿って作用する変形成分を有利に回避するために、好ましくは直角である。
【0043】
従って、変位軌道と移動軌道とは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、2つの互いに対して平行な面又は共通の面に位置している。この際、液体計量装置の可動部材が内部で移動する細長い動作空間を有する、有利には細長い液体計量装置は、変位軌道と移動軌道とが互いに対して平行である場合に得られる。
【0044】
上記では、ピペットチップとの変形をもたらす相互作用を有する液体計量装置の説明を容易にするために、液体計量装置は、交換可能なピペットチップ無しに定義されており、ピペットチップは言及されているのみではあるものの、液体計量装置がピペットチップを含むことを排除すべきではない。このようなピペットチップは、分注装置のピペット管に連結するように構成された連結構造を備えた連結長手方向端部と、連結長手方向端部とは反対側の、個別に計量された量を分配可能である計量開口部を備えた計量長手方向端部と、を有している。ピペットチップは、さらに、連結長手方向端部と計量長手方向端部との間に、貯蔵空間を有しており、当該貯蔵空間内には、計量液体ストックが受容可能である。液体計量装置のピペットチップの態様の有利なさらなる発展形態に関しては、加えて、従来のピペットチップに関するこれまでの記述が当てはまる。
【0045】
上述したように、ピペットチップは、その連結長手方向端部とその計量長手方向端部との間を、仮想のチップ軸に沿って延在している。ピペットチップが受容空間に受容された状態では、ピペットチップは、チップ軸に関して軸方向に、好ましくは両側において、変形領域から突出している。これは、チップ軸に沿って、実際に第1及び第2の変形構造によって変形したピペットチップの変形部分に、両側で、変形していないピペットチップの部分が接続していることを意味している。当該部分は、好ましくは少なくとも部分的に、回転対称軸であるチップ軸と回転対称である。分注装置のピペット管への連結に必要な連結構造が、変形構造によって変形することを回避するために、好ましくは、貯蔵空間は、変形領域から、軸方向において両側に突出している。
【0046】
作動プランジャから、変形したピペットチップの計量液体に誘導される圧縮波は、作動プランジャと受容空間の変形領域に配置されたピペットチップの変形部分との衝突位置から、多方面に伝播する。伝播経路に沿って、圧縮波は、計量液体内の内部摩擦によって減衰する。作動プランジャを用いて、可能な限り確実かつ再現可能に、ナノリットル領域の所望の計量される量の弾道的な分配をもたらすことを可能にするためには、変形領域が、連結長手方向端部よりも計量長手方向端部の近くに位置していると有利である。この場合、圧縮波は、可能な限り減衰せずに、計量液体の計量開口部に近いメニスカスに到達する。好ましくは、変形領域は、完全に、ピペットチップの軸方向延在領域の、計量長手方向端部を始点とする半分の内に位置している。
【0047】
ピペットチップは、ピペットチップが受容空間に受容された状態、すなわち第1及び第2の変形構造が変形位置にある状態において、受容空間の変形領域に位置する、ピペットチップの内部の隙間を越えて互いに向かい合う2つの内壁面部分を備えた変形部分を有している。変形構造によってピペットチップに形成される隙間は、チップ軸に直交する方向において、少なくとも20μm、好ましくは少なくとも50μm、及び、特に好ましくは少なくとも70μmの隙間幅を有している。同様に、当該隙間幅は、900μmより大きくはなく、好ましくは500μmより大きくはなく、及び、特に好ましくは200μmより大きくはない。実験では、100μmの隙間幅が特に有利であることが証明された。上述の寸法境界内でのこのような隙間は、略全ての計量液体に関して、さらに上述の必要な狭い計量液体領域を形成し、当該計量液体領域では、作動プランジャを用いた機械的パルスの伝達によって、圧縮波が誘導可能であり、当該圧縮波は、計量長手方向端部において、所望の少ない計量される量の放出をもたらす。
【0048】
隙間の具体的な形状と、隙間を形成するピペットチップの内壁とは、基本的に、上述の寸法の範囲内で任意に選択され得るものの、隙間幅に沿って互いに向かい合う内壁面は、高い精度及び繰り返し精度を有する計量結果を得るためには、特にアリコートの場合、好ましくは平らであるか、又は/及び、互いに対して平行である。
【0049】
機械的パルスを作動プランジャから変形部分へ、かつ、変形部分からピペットチップ内の計量液体へと、より確実に伝達するために、作動プランジャは、作動位置において、ピペットチップの変形部分に接触する。作動プランジャは、作動位置に到達する前にすでに変形部分に接触することが可能であり、従って、作動プランジャは、変形部分の接触から作動位置の到達まで、短時間で変形する。変形構造による変形部分の変形よりも時間的にははるかに短い時間に及ぶこの作動変形は、最後に挙げた、計量を準備する変形に加えて、短時間、例えば2桁又は3桁の小さい方のミリ秒領域の時間で行われる。
【0050】
作動変形は、好ましくは、専ら弾性的な変形である。計量を準備する変形は、その作動変形と比較して高い変形度及び長い変形時間ゆえに、好ましくは塑性変形成分を有している。
【0051】
冒頭に挙げた課題は、本発明のさらなる態様によると、仮想の管軌道に沿って延在するピペット管を有する分注装置によっても解決され、当該ピペット管は、少なくとも部分的に、計量液体とは異なる作動流体によって満たされており、その開放された長手方向端部において、長手方向端部にピペットチップを一時的かつ解除可能に連結するための連結部を有しており、当該分注装置はさらに、
-ピペット管内の作動流体の圧力を変更するように構成された圧力変更装置、
-ピペット管内の作動流体の圧力を検出するように構成され、配置された圧力センサ、
-圧力変更装置の動作を制御するために、信号を伝達するように、圧力センサとも圧力変更装置とも接続されており、圧力変更装置の動作を、少なくとも圧力センサによって検出された現在の作動流体圧力に従って制御するように構成された分注制御装置、及び、
-先行する請求項のいずれか一項に記載された液体計量装置であって、ピペット管から離れるように延長したと想定される管軌道が、受容軸と平行又は同一線上にある液体計量装置、
を有している。
【0052】
当該分注装置は、上述の説明に従って構成された液体計量装置を含んでおり、ピペットチップは、その連結構造で、ピペット管の連結部に連結されているか、又は、連結可能であり、さらに、分注制御装置は、圧力変更装置の動作を、少なくとも圧力センサによって検出された現在の作動流体圧力に従って、好ましくは少なくとも1つの所定の目標作動流体圧力値を考慮して制御するように構成されている。このようにして、特に確実で、長く持続もし、かつ、数多くのアリコート周期を含むアリコート動作が維持され得る。なぜなら、分注制御装置は、機械的パルスの伝達による圧力変更装置の対応する作動によって、変形部分から離れた計量液体を、連結構造と変形部分との間に軸方向に位置する計量液体ストックから、変形部分内にまで追跡できるからである。
【0053】
上述の課題は、本発明のさらなる態様によると、さらに、上述したように構成された液体計量装置において使用するためのピペットチップによって解決され、当該ピペットチップは、仮想のチップ軸に沿って延在しており、
-分注装置のピペット管と連結するように構成された連結構造を有する連結長手方向端部と、
-計量開口部を有し、チップ軸に関して、連結長手方向端部から軸方向に離れて位置する計量長手方向端部であって、計量開口部を通って、個別に計量された量が、ピペットチップに受容された計量液体ストックから分配可能である計量長手方向端部と、
-計量液体ストックを受容可能である、連結長手方向端部と計量長手方向端部との間にある貯蔵空間と、
を有している。
【0054】
計量開口部と連結構造との間に位置するピペットチップの部分は、変形部分として、ピペットチップの内部の隙間を越えて互いに向かい合う2つの内壁面部分を有しており、隙間は、チップ軸に直交する第1のより大きな延在方向において、向かい合う内壁面部分に対して平行に、チップ軸にも第1の延在方向にも直交する第2のより小さな延在方向におけるよりも、少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍、特に好ましくは少なくとも50倍大きい内径を有している。このようなピペットチップは、記載された液体計量装置において用いられるように構成されており、変形部分がすでにピペットチップ受容装置の受容空間に受容される前にピペットチップ上に構成されているかどうか、又は、当該変形部分が第1及び第2の変形構造を用いた変形によって初めて形成されるかどうかとは無関係である。
【0055】
ピペットチップの変形部分に形成された隙間が、作動プランジャによって誘導される圧縮波を、計量開口部に近い計量液体メニスカスにおいて、ナノリットル領域の計量された量の弾道的分配まで伝達できるように、チップ軸に沿った隙間の寸法が、その第1の延在方向に沿った最大内径の少なくとも0.5倍であると有利である。
【0056】
同様に、機能性を確保し、特にピペットチップの分注装置のピペット管への連結可能性を確保するためには、チップ軸に沿った隙間の寸法は、ピペットチップの軸方向長さの0.8倍を超えない、好ましくは0.5倍を超えない、特に好ましくは3分の1を超えない方がよい。このように、連結構造は、変形部分から十分に離れて位置していてよく、これによって、望ましくないことに共に変形するということはなくなる。
【0057】
ピペットチップは、上述したように、好ましくは変形部分の少なくとも1つの(チップ軸に関して)軸方向の面に、回転対称の本体部分を、好ましくは変形部分の軸方向両側にそれぞれ回転対称の本体部分を有している。この際、変形部分は、機械的パルスを伝達し、結果として生じる圧縮波を変形部分内の計量液体へ導入するために十分な大きさを有するために、第1の延在方向に沿って、少なくとも1つの、チップ軸に関して軸方向の、変形部分に接続するピペットチップの本体部分から、径方向に突出し得る。対称性の理由から、変形部分は、好ましくは2つの相反する径方向のいずれにおいても、軸方向で変形部分に接続する本体部分から径方向に突出している。
【0058】
上述したように、変形部分に形成された隙間は、好ましくは薄く、ミリメートルよりも小さい隙間幅を有している。従って、チップ軸に関して軸方向において変形部分に接続されたピペットチップの本体部分は、変形部分から、第2の延在方向に沿って径方向に突出し得る。好ましくは、軸方向において変形部分の両側で変形部分に接続された2つの本体部分のいずれも、変形部分から、第2の延在方向に沿って径方向に突出している。
【0059】
上述の課題は、本発明に係る方法の態様によると、計量液体の個別に計量される量を、計量液体ストックから0.3nlから900nlの計量体積範囲で、弾道的に分配するための方法によっても解決され、当該方法は、以下のステップ:
-仮想のチップ軸に沿って延在するピペットチップを供給するステップであって、当該ピペットチップは、分注装置に連結するための、チップ軸に関して軸方向の長手方向端部に構成された連結構造と、計量された量を分配するための、連結構造から軸方向に間隔を置いて構成された計量開口部と、計量液体ストックを受容するための、連結構造と計量開口部との間に位置する貯蔵空間と、を有しているステップ、
-計量液体ストックを貯蔵空間に受容するステップ、
-互いに間隔を置いて配置された貯蔵空間の内壁面部分が、チップ軸に直交する接近成分を有して接近しながら、貯蔵空間の部分を変形し、これによって、ピペットチップの変形部分を形成するステップ、
-変形部分が形成されており、互いに向かい合う内壁面部分の間に計量液体が受容されている間に、変形部分に衝撃的なパルスを伝達し、これによって、計量液体の計量された量を計量開口部を通じて放出するステップであって、パルス伝達の時間は、変形部分の変形の時間に比べると短いステップ、
を含んでいる。
【0060】
この際、衝撃的なパルス伝達を行うステップは、第1及び第2の変形構造による変形部分の形成のための、貯蔵空間の部分の計量を準備する変形を越えた、変形部分のさらなる変形を有しており、変形部分のさらなる変形の時間は、変形部分を形成するための計量を準備する変形の時間の3分の1よりも長くはなく、好ましくは10分の1よりも長くはない。
【0061】
本発明に係る当該方法は、当該方法が好ましくは実施される本発明に係る液体計量装置の上記の説明において、記載された。
【0062】
最小の計量体積での実施形態において、0.3nlから5nlまでの計量される量が、繰り返し計量され得る。例えばピペットチップの変形部分における隙間の大きさが、いくらか大きい寸法になると、5nlから20nlの範囲の計量される量が、正確に繰り返して計量され得る。液体計量装置の次のより堅固な実施形態は、20nlから70nlまでの範囲における計量された量を正確に分配することができる。同様に、液体計量装置で、70nlから500nlの範囲の計量された量を、個々の液滴として正確に分配することが可能である。同様に、500nlから900nlまでの範囲の量を正確に分配することは可能ではあるが、計量された液体の量のうちに、主液滴と主液滴から分離した付随液滴とが形成されるリスクが増大し、これはつねに受容できるものではない。
【0063】
以下に、本発明を添付の図面を用いて詳細に説明する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本発明に係るピペットチップを有する液体計量装置の実施形態を示す側面図であり、液体計量装置の第1及び第2の装置部分が、分解図において装置の本体とは離れて示されており、ピペットチップは、分注装置のピペット管に連結されている図である。
【
図2】
図1に係る実施形態を、分注装置は伴わずに斜視図で示した図である。
【
図3】
図1に係る実施形態を示す図であり、やはり分注装置は伴わず、変形位置における第1及び第2の装置構造を共に示した図である。
【
図4】
図1から
図3において用いられた第1及び第2の装置部分を、動作中は互いに向かい合っている面の斜視図で示した図である。
【
図5A】従来の変形していないピペットチップを示す図である。
【
図5B】第1及び第2の変形構造によって変形した状態における、
図5Aに係るピペットチップの側面図である。
【
図5C】
図5Aに係るピペットチップを変形した形状で、変形部分の前面図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1及び
図3において、本発明に係る液体計量装置の実施形態は、全体として参照符号10で表されている。液体計量装置10は、動作中は通常一定の場所に、例えばフレームに固定されたハウジング12を含んでおり、ハウジング12には、ピペットチップ受容装置14が設けられている。
【0066】
図示された実施例において、ピペットチップ受容装置14は、一般的にハウジング又はフレームに固定された第1の装置部分16と、第1の装置部分16に対して可動な第2の装置部分18と、を含んでいる。
【0067】
第2の装置部分19の動きは、例えば第1の装置部分16を貫通する2つの平行な案内ロッド20及び22等の案内手段によって誘導されている。第2の装置部分18は、
図1の投影面に対して平行な移動軌道Bに沿って、第1の装置部分16からより離れた開放位置(例えば
図1及び
図2を参照)と、第1の装置部分16により接近した閉鎖位置(
図3を参照)との間を移動することができる。
【0068】
第2の装置部分18を少なくとも開放位置から閉鎖位置へと移動させる移動駆動部24として、液体計量装置10は、2つの手動で操作可能なネジ24a及び24bを有している。ネジ24a及び24bを用いて、第2の装置部分18を所定の力で、閉鎖位置に至るまで第1の装置部分16に接近させることが可能である。反対の回転方向においては、少なくとも第2の装置部分18の、移動軌道Bに沿って第1の装置部分16から離れる方向での可動性が生じる。従って、第2の装置部分18の閉鎖位置から開放位置への移動は、操作者による第2の装置部分18での手動の操作を用いて行われ得る。
【0069】
しかしながら、平均的な当業者にとっては容易に明らかであることに、単に例として示した移動駆動部24のネジ24a及び24bの代わりに、移動駆動部24は、サーボアクチュエータを有することが可能であり、サーボアクチュエータは、移動軌道Bに沿って第2の装置部分18と共に移動するために連結されていてよい。例えば、移動駆動部24は、空気圧又は油圧で動作可能な移動駆動部であってよく、当該移動駆動部の1つ又は複数のピストンロッドは、共に移動するために第2の装置部分18に連結されていてよい。代替的に、例示されたネジ24a及び24bの機能原則を得るために、移動駆動部24は、電動機の移動駆動部、例えばスピンドルドライブであってよい。このために、スピンドルドライブのネジ棒は、第2の装置部分18を移動軌道Bに対して平行に貫通する開口部の雌ネジとネジ係合していてよく、これによって、第2の装置部分18はいわばナットとして作用し、少なくとも1つのネジ棒のネジ棒長手方向軸に沿った回転の際に、ネジ棒において用いられるネジの回転数及びピッチに応じて、移動軌道Bに沿って動かされる。
【0070】
上述の運動学とは異なり、第2の装置部分18に加えて、第1の装置部分16も、移動軌道Bに沿って移動するように移動駆動部によって駆動され得るが、これは、設けるべき移動駆動部の数を増加させるに過ぎず、それに伴う効果は特筆すべきほどは得られない可能性がある。
【0071】
代替的に、第2の装置部分18が、ハウジング又はフレームに固定されていてもよく、第1の装置部分16のみが、移動駆動部によって移動軌道Bに沿って変位可能であってもよい。
【0072】
第1の装置部分16及び第2の装置部分18のさらなる機能及び作用に関しては、以下において、
図4に関連してさらに詳細に言及する。しかしながら、まず、液体計量装置10の機能に関して、さらに言及すべきである。
【0073】
液体計量装置10は、作動プランジャ26を有しており、作動プランジャ26は、変位軌道Vに沿って、よりハウジング12内に引込んだ準備位置と、よりハウジング12から引き出された作動位置との間を変位可能である。変位軌道V及び移動軌道Bは、好ましくは同一線上にあるか、又は、少なくとも平行である。
【0074】
作動プランジャ26の上述の両方の動作位置の間における作動プランジャ26の行程は、第1の装置部分16及び第2の装置部分18の、その動作位置である開放位置及び閉鎖位置の間における移動軌道Bに沿った相対的な移動経路よりも著しく小さい。第1の装置部分16及び第2の装置部分18の相対的な移動経路が、少なくとも1桁のミリメートル領域である一方で、作動プランジャ26の上述の動作位置である準備位置及び作動位置の間における作動プランジャ26の行程は、通常、50μmよりも小さく、好ましくは40μmよりも小さく、特に好ましくは36μmよりも小さい。作動プランジャの行程に関する記載と、第1の装置部分16又は第2の装置部分18の相対的な移動経路に関する記載とは、
図1から
図3に示された本発明の例示的な実施形態にだけではなく、本発明に係る液体計量装置にも、極めて一般的に有効である。作動プランジャの行程は、装置部分16及び18の動作位置の間における装置部分16及び18の移動経路よりも、好ましくはつねに小さく、例えば少なくとも係数5の分は小さい。
【0075】
作動プランジャ26の移動の制御のために、液体計量装置10は、見やすくするために
図1及び
図3においてのみ破線でハウジング12内に示されている制御装置28を有している。制御装置28は、例えば圧電アクチュエータの形状を有する変位駆動部30と、導線32を通じて、信号を伝達できるように接続されている。
【0076】
接続ソケット34a及び34bを通じて、エネルギー、図示された例では電気エネルギーが接続ソケット34aを通じて、データが、図示された例ではRJ45ソケットの形状の接続ソケット34bを通じて、ハウジング12の内部に伝達され得る。当該エネルギーは、駆動エネルギーとして、制御装置28によって、導線32を通じて、変位駆動部30の圧電アクチュエータに供給され得る。変位駆動部30の給電によって、作動プランジャ26は、作動プランジャ26を戻そうとするバネ36のプリテンションを加えているプリストレスに反して(
図3を参照)、ハウジング12から作動位置へと変位し得る。変位駆動部30の圧電アクチュエータへの電流供給の中断の際、作動プランジャ26は、コイルバネ36によるプリストレスを用いて、即座に、ハウジング12内により大きく進入した準備位置に変位する。
【0077】
位置決めピン36a及び36bによって、ハウジング12は、フレームに対して、又は/及び、
図1に示した分注装置60に対して、空間的に方向付けられ得る。
【0078】
圧電アクチュエータの代わりに、変位駆動部30は、電磁石を含むことが可能であり、電磁石は、作動プランジャ26を変位させる磁界を、給電された場合には形成し、給電されない場合には形成しない。電磁変位力の場合は、作動プランジャ26は、永久磁石又は軟磁性アンカーを含むことが可能であり、永久磁石又は軟磁性アンカーは、電磁変位駆動部によってその給電状態に応じて形成される磁界を通して、変位軌道Vに沿って、永久磁石又は軟磁性アンカーを支持する作動プランジャ26と共に変位可能である。
【0079】
作動プランジャ26は、図示された実施例では、第1の装置部分16を貫通するリセス38内に突出しており、作動プランジャ26の準備位置においても作動位置においても、リセス38を貫通している。
【0080】
ここで、液体計量装置10がどのように機能するかをより良く理解するために、
図4に示した装置部分である第1の装置部分16と第2の装置部分18とについて、詳細に説明する。
【0081】
両方の装置部分16及び18の互いに向かい合う面16a及び18aは、両方の装置部分16及び18が移動軌道Bに沿って、その互いに接近し合う閉鎖位置にある場合に、両方の装置部分16及び18の間に、ピペットチップ42の少なくとも軸方向部分が受容され得る受容空間40が画定されているような輪郭を有している。受容空間40は、受容空間40に受容されたピペットチップ42の仮想のチップ軸Sに一致する仮想の受容軸Aに沿って延在している。この際、装置部分16及び18は、その閉鎖位置にある。
【0082】
作動プランジャ26と、作動プランジャによって貫通される第1の装置部分16と、第2の装置部分18とは、変形構造を有しており、当該変形構造は、ピペットチップ受容装置14において、変形領域44を画定しており、変形領域44において、第1の装置部分16及び第2の装置部分18が閉鎖位置にある場合、受容空間40に受容された従来のピペットチップ42は部分的に、機械的に変形する。
【0083】
上記の変形構造は、ハウジング12により近い第1の変形構造46と、第2の装置部分18に形成された第2の変形構造48とを含んでいる。
【0084】
第1の変形構造46は、作動プランジャ26の、第2の装置部分18の方向を向いた端面46a(
図1を参照)を含んでおり、かつ、受容軸Aに沿って貫通開口部38から間隔を置いて、第1の装置部分16に設けられた狭窄部分46bを含んでいる。
【0085】
第2の変形構造48は、第2の装置部分18に、略平らで、移動軌道Bに直交する面48aと、段部分48bとを含んでおり、段部分48bによって、変形領域44における、装置部分16及び18の互いに向かい合っている面16a及び18aの間の内径は、段階的に先細になっている。段部分48bは、代替的に、全体又は部分が、斜面によって形成されていてもよい。
【0086】
変形構造46が、作動プランジャ26及び第1の装置部分16に形成されており、変形構造48が、第2の装置部分18に形成されており、最終的に作動プランジャ26は、少なくとも第1の装置部分16及び第2の装置部分18がその閉鎖位置に存在するまで、その準備位置に留まるので、第1の装置部分16及び第2の装置部分18が閉鎖位置にあり、作動プランジャ26が準備位置にある場合、変形構造46及び48は、受容されたピペットチップ42を変形する変形位置にある。さらに、変形構造46及び48は、第1の装置部分16及び第2の装置部分18が開放位置にある場合、ピペットチップ42のピペットチップ受容装置14への受容又はピペットチップ受容装置14からの取り出しを容易にする装着位置にある。装置部分16及び18と比較すると、作動プランジャ26の行程の値は著しく小さいので、作動プランジャ26の位置は問題にはならない。しかしながら、作動プランジャ26は準備位置にある。なぜなら、制御装置28は、装置部分16及び18が閉鎖位置にある場合にのみ、作動プランジャ26を作動位置に変位させるように構成されているからである。
【0087】
作動プランジャ26は、その作動位置において、受容空間40内に、特に受容空間40の変形領域44内に、その準備位置におけるよりも大きく突出している。
【0088】
動作中、作動プランジャ26の端面46aと、第2の装置部分18の面48aとは、互いに向かい合っており、略平らな隙間を画定しており、当該隙間は、図示された例では一定の、移動軌道Bに沿って測定されるべき隙間の大きさを、作動プランジャ26の端面46aによって画定される隙間面全体にわたって有している。実際には、作動プランジャ26の端面46a又は/及び第2の変形構造48の面48aは、平らな形状とは異なる輪郭を有していてよい。しかしながら、製造技術的には、上述の部材に平らな面を形成する方が容易である。
【0089】
狭窄部分46bは、受容空間40に受容されたピペットチップ42の、貫通開口部38のピペットチップ42の計量開口部50からより離れた側における圧縮をもたらすべきである。この圧縮によって、ピペットチップ42の内部における内径は減少し、これによって、ピペットチップ42内の計量液体の流れ抵抗は、変形領域44を始点として、計量開口部50から離れる方向において増大する。これによって、作動プランジャ26が、2桁又は3桁の小さい方のミリ秒領域の時間の、短い機械的パルスを機械的に、ピペットチップ受容装置14の変形領域44内のピペットチップ42の変形した部分に及ぼす場合、これによってピペットチップ42の計量液体に誘導される圧縮波は、計量開口部50を通じた計量液滴の放出をもたらすのであって、例えば計量開口部50から離れて、計量開口部50に向かって円錐形に先細になっているピペットチップ42の、より大きな横断面へと向かう液体の移動をもたらすのではないということが確実化されるべきである。
【0090】
従来のピペットチップ42は、変形していない初期状態では、ナノリットル領域の計量される量は計量不可能であるいわゆる「空気置換方式」で計量液体を計量するように構成されているに過ぎないにも関わらず、液体計量装置10を用いて、有利に、従来のピペットチップ42を、ナノリットル領域の計量される量の計量液体を計量するために用いることが可能である。
図1及び
図2及び
図5Aには、従来のピペットチップ42が、ピペットチップ42の部分がピペットチップ受容装置14の受容空間40に受容される前、かつ、装置部分16及び18が閉鎖位置に変位する前の、変形していない状態において示されている。このような従来のピペットチップ42は、その計量長手方向端部52に計量開口部50を有しており、その反対側の連結長手方向端部54には、
図1に示された分注装置60のピペット管58に連結するための連結構造56を有している。
【0091】
ピペットチップ42を中央で貫通すると想定される仮想のチップ軸Sに沿って延在するピペットチップ42は、連結長手方向端部54と計量長手方向端部52との間に貯蔵空間62を有しており、貯蔵空間62には、例えば計量開口部50を通じた吸引によって、計量液体ストックが受容可能である。
【0092】
これまでに言及された第1の装置部分16内の狭窄部分46bは、装置部分16及び18の閉鎖位置において、貯蔵空間62内の、連結長手方向端部54に向かう方向において、作動プランジャ26と面48aとの間に形成された隙間から突出するピペットチップ42の部分に狭窄を形成する。
【0093】
ピペットチップ42が受容空間40に受容されており、装置部分16及び18が閉鎖位置にある場合、ピペットチップ受容装置14及び作動プランジャ26の変形領域44は、ピペットチップ42の変形部分64として表わされる。
【0094】
ピペットチップ42は、好ましくは、変形していない状態において、その回転対称軸であるチップ軸Sに関して、回転対称に構成されている。
【0095】
ピペットチップ42の変形部分64のみが変形構造46及び48によって変形するので、変形部分64の軸方向において両側には、依然としてピペットチップ42の回転対称の本体部分66又は68が存在している。これらの回転対称の本体部分66及び68は、変形部分64に軸方向において直に隣接するピペットチップ42の変形していない部分である。
【0096】
図5B及び
図5Cは、わずかに異なって変形したピペットチップ42及び42’を、変位軌道Vに沿って見た場合(
図5C)と、変位軌道Vにも受容軸Aにも直交するように見た場合(
図5B)とで示している。
【0097】
図5Bに係るピペットチップ42と比較して、
図5Cにおいて、ピペットチップ42’のわずかに異なる変形が認識されるように、これらの図面は、異なるピペットチップ42及び42’を示している。従って、
図5Cに係るピペットチップ42’の同じ部分及び機能的に同じ部分には、残りの図面のピペットチップ42におけるものと同じ参照符号を、アポストロフィを加えて用いる。以下において、
図5Cの実施形態を、
図5Bの実施形態とは異なる点に限って説明する。その他の点については、
図5Cの実施形態42’を説明するためにも、
図5Bの実施形態に関する説明が参照される。
【0098】
図5Cにおいて認識されることに、変形部分64’は、チップ軸Sに直交する第1の延在方向E1において、チップ軸Sにも第1の延在方向E1にも直交する第2の延在方向E2におけるよりもはるかに大きな寸法を有している。これは、ピペットチップ42の変形部分64にも有効である。第1の延在方向E1における変形部分64又は64’の寸法は、好ましくは、第2の延在方向E2における寸法よりも少なくとも5倍は大きい。
【0099】
第1の延在方向E1において、変形部分64又は64’は、チップ軸Sに関して径方向に、変形部分64又は64’の両側で軸方向において直接接続された変形していない両方の本体部分66及び68又は66’及び68’から突出している。
【0100】
同様に、ピペットチップ42又は42’は、変形部分64又は64’内で、径方向において大きく変形しており、その結果、軸方向において変形部分64又は64’に隣接する変形していない本体部分66及び68は、第2の延在方向E2に沿って、変形部分64又は64’から径方向において突出している。
【0101】
ピペットチップ受容装置14に受容されたピペットチップ42を見てみると、第2の延在方向E2は、移動軌道Bに対しても変位軌道Vに対しても平行に延在している。第1の延在方向E1は、第2の延在方向E2にも、チップ軸S又は受容軸Aにも直交して延在している。
【0102】
ピペットチップ42又は42’の内部には、変形部分64又は64’によって、隙間が形成されており、当該隙間は、ピペットチップ42又は42’の壁厚の分だけ、変形部分64又は64’において、延在方向E1及びE2に沿って、変形部分64又は64’自体よりも小さい寸法を有している。
【0103】
変形部分64は、変形部分64を形成している平らかつ平行な面46a及び48aに基づいて、少なくともその外側面に、2つの互いに平行かつ平らな面部分64a及び64bを有している。
【0104】
内部に変形部分64又は64’によって形成される隙間は、同様に平らな、又は/及び、互いに平行な内側面部分によって形成されていてよい。これは特に、ピペットチップ42又は42’の壁厚が、その軸方向の延在部分に沿って、又は、少なくとも貯蔵空間62又は62’に沿って一定である場合に可能である。
【0105】
好ましくは、ピペットチップ42又は42’の内部で、変形部分64又は64’に形成された隙間は、第2の延在方向において、約100μmの内径を有している。この値は、例として挙げたものに過ぎない。これに対して、第1の延在方向E1において、隙間は、5mm以上の内径を有し得る。
【0106】
ピペットチップ42又は42’の図示された実施形態では、変形スペース64又は64’は、チップ軸Sに沿って、最大の寸法を有するように構成されている。これは、変形部分64又は64’によって形成された隙間にも当てはまる。当該隙間は、チップ軸Sに沿って、例えば第1の延在方向E1に沿った長さの少なくとも2倍の長さを有するように構成されていてよい。
【0107】
ピペットチップ42又は42’の変形部分64又は64’は、作動プランジャ26が、短い衝撃的な機械的パルスを、ピペットチップ42又は42’に受容された計量液体に伝達する作動部分であり、これによって、ナノリットル領域の計量された量が、計量開口部50又は50’を通じて弾道的に放出されるので、変形部分64又は64’は、好ましくは、連結構造56又は56’よりも計量開口部50又は50’の近くに位置している。
【0108】
好ましくは、変形部分64又は64’は、完全に、計量開口部50を始点とするピペットチップ42の軸方向延在部分の半分の内に形成されている。
【0109】
いずれにしても、ピペットチップ42又は42’は、一度使用したら汚染を回避するために廃棄されるディスポーザルのピペットチップなので、動作中における変形構造46及び48によるピペットチップ42又は42’の持続的な部分的変形は些細なものである。
【0110】
液体計量装置10は、例えば変位駆動部30が制御装置28によってパルス状に動作させられることによって、アリコートに極めて適している。
【0111】
ナノリットル領域の計量液体の量を計量することは、
図1に例示的かつ概略的に示した分注装置60によって支援され得る。このために、分注装置60は、そのピペット管58で、
図1では示唆されたのみの連結部70を通じて、ピペットチップ42の連結構造56と連結され得る。ピペット管58内には、作動流体としてガスが存在しており、ガスの圧力は、圧力センサ72によって検出可能である。
【0112】
ピペット管58内の作動流体の圧力は、それ自体知られている方法で、圧力変更装置74によって変更可能であり、圧力変更装置74は、例えば管軸Kに沿って変位可能にピペット管58内に受容されたピペットピストン76を含み得る。
【0113】
圧力変更装置74は、ピペットピストン76を越えて、変位駆動部78を有していてよく、変位駆動部78によって、ピペットピストン76は、管軌道Kに沿ってピペット管58内を変位可能であり、従って、ピペット管58内の作動流体の圧力は可変である。圧力センサ72ともピペットピストン76の変位駆動部78とも信号を伝達できるように接続されている分注制御装置80は、圧力センサ72によって測定された現在の作動流体圧力に応じて、及び、必要に応じてさらに、分注制御装置80の記憶装置に保存された目標の作動流体圧力に応じて、変位駆動部78の対応する作動によって、ピペットピストン76の変位をもたらすことができる。
【0114】
分注制御装置80は、液体計量装置10の制御装置28と、信号を伝達できるように接続されていてよい。
【符号の説明】
【0115】
10 液体計量装置
12 ハウジング
14 ピペットチップ受容装置
16 第1の装置部分
16a 面
18 第2の装置部分
18a 面
19 第2の装置部分
20、22 案内ロッド
24 移動駆動部
24a、24b ネジ
26 作動プランジャ
28 制御装置
30 変位駆動部
32 導線
34a、34b 接続ソケット
36 バネ、コイルバネ
36a、36b 位置決めピン
38 リセス、貫通開口部
40 受容空間
42、42’ ピペットチップ
44 変形領域
46 第1の変形構造
46a 端面
46b 狭窄部分
48 第2の変形構造
48a 面
48b 段部分
50、50’ 計量開口部
52 計量長手方向端部
54 連結長手方向端部
56、56’ 連結構造
58 ピペット管
60 分注装置
62、62’ 貯蔵空間
64、64’ 変形部分
64a、64b 面部分
66、68、66’、68’ 本体部分
70 連結部
72 圧力センサ
74 圧力変更装置
76 ピペットピストン
78 変位駆動部
80 分注制御装置
A 受容軸
B 移動軌道
E1 第1の延在方向
E2 第2の延在方向
K 管軌道、管軸
S チップ軸
V 変位軌道