(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】除草性組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 43/58 20060101AFI20231128BHJP
A01N 43/36 20060101ALI20231128BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20231128BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20231128BHJP
A01M 21/04 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
A01N43/58 B
A01N43/36 C
A01N43/40 101M
A01P13/00
A01M21/04 C
(21)【出願番号】P 2021531939
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2019082827
(87)【国際公開番号】W WO2020114869
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519295993
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100196405
【氏名又は名称】小松 邦光
(72)【発明者】
【氏名】リング ケネス ブルース
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ クリストファー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シャナハン スティーヴン エドワード
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/065311(WO,A1)
【文献】特開2010-235591(JP,A)
【文献】特表2017-522318(JP,A)
【文献】特開2009-067739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01M
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)式(I)
【化1】
の化合物、又はその塩若しくはN-オキシド、
(式中、
R
1は、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6アルコキシ、C
1~C
2アルコキシ-C
1~C
2アルキル、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4ハロアルキル、シアノ-C
1~C
4アルキル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル及びC
2~C
4ハロアルキニルからなる群から選択され;
R
2は、水素、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、-S(O)
mC
1~C
6アルキル、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ジアルキルアミノ、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル及びC
2~C
6ハロアルキニルからなる群から選択され;
Gは、水素、又はC(O)R
3であり;
R
3は、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6アルキル-S-、-NR
4R
5、及び1個若しくは複数のR
6で任意に置換されているフェニルからなる群から選択され;
R
4及びR
5は、C
1~C
6アルキル及びC
1~C
6アルコキシからなる群から独立に選択されるか、又はR
4及びR
5は一緒に、モルホリニル環を形成することができ;
R
6は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ及びC
1~C
3ハロアルコキシからなる群から選択され、
X及びYは、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、又はハロゲンであり;
Dは、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の単環式ヘテロアリール環であり、ここで、Dが置換されているとき、これは、少なくとも1個の環炭素原子上においてR
8で、及び/又は環窒素原子上においてR
9で置換されており;
各R
8は、独立に、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、C
1~C
6アルキル-S(O)
m-、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ジアルキルアミノ、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル及びC
2~C
6ハロアルキニルであり;
mは、0、1、若しくは2の整数であり;
各R
9は、独立に、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6アルコキシ、C
1~C
2アルコキシ-C
1~C
2アルキル、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル又はC
2~C
4ハロアルキニルであり;或いは、
Dは、置換若しくは非置換のフェニル環(Dp)
【化2】
であり、式中、
pは、分子の残りへの(Dp)の付着点を示し;
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5は、水素、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、又はハロゲンからそれぞれ独立に選択され;
Wは、
【化3】
であり、式中、
「a」は、フェニル-ピリダジノン/フェニル-ピリダジンジオン部分への付着点を示し、
「b」は、環Dへの付着点を示し、
R
10、R
12、R
14及びR
15は、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであるか;又はR
10及びR
12は、それらが接合している炭素原子と一緒に、C
3~C
6炭素環式環を形成し;
R
11及びR
13は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであり、ただし、R
11又はR
13の1つが、ハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであるとき、他方は、水素である);
並びに
(B)1種若しくは複数の式(II)
【化4】
(式中、
R
B11は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル又はC
4~C
8シクロアルキルであり;
R
B6は、H、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6アルコキシであり;
Q
B1は、フェニル、チエニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ナフチル、ナフタレニル、ベンゾフラニル、フラニル、ベンゾチオフェニル、及びピラゾリルからなる群から選択される任意に置換されている環系であり、ここで、置換されているときは、前記環系は、1~3個のR
B4で置換されており;
Q
B2は、フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ピリジノン、チアダゾリル、チアゾリル、及びオキサゾリルからなる群から選択される任意に置換されている環系であり、ここで、置換されているときは、前記環系は、1~3個のR
B5で置換されており;
各R
B4は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルキル、シアノ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、SF
5、NHR
B8、1~3個のR
B7で任意に置換されているフェニル、又は1~3個のR
B7で任意に置換されているピラゾリルであり;
各R
B5は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、又はC
1~C
6アルキルスルホニルであり;
各R
B7は、独立に、C
1~C
6アルキル、ハロゲン、又はC
1~C
6ハロアルキルであり;
R
B8は、C
1~C
4アルコキシカルボニルである);
の化合物、又はそのN-オキシド、若しくは塩の形態
を含む組成物。
【請求項2】
Wが、W1であり、R
10、R
11、R
12、及びR
13のそれぞれが、水素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Wが、W2であり、R
14及びR
15のそれぞれが、水素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
Wが、cis
【化5】
又はtrans
【化6】
である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
成分(A)が、以下の表
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
において定義するような1.001、1.002、1.012、1.018、1.024、1.042、1.048、1.054、1.060、1.066、1.089、1.095、1.125、及び1.149からなる群から選択される式(I)の化合物又はその塩若しくはN-オキシドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
成分(B)が、以下の表
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
において定義するような2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、及び2.18からなる化合物の群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
以下の表
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
において定義するような組成物1~組成物252からなる群から選択され、ここで、化合物1.001、1.002、1.012、1.018、1.024、1.042、1.048、1.054、1.060、1.066、1.089、1.095、1.125、及び1.149は、請求項5に定義されており、化合物2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、及び2.18は、請求項6に定義されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
成分(A)と成分(B)の質量比が、0.01:1~100:1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
成分(A)と成分(B)の質量比が、0.05:1~20:1である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
成分(A)と成分(B)の質量比が、0.1:1~20:1である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
農業的に許容される配合アジュバントを追加で含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の除草性組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の追加の有害生物防除剤をさらに含む、請求項11に記載の除草性組成物。
【請求項13】
前記追加の有害生物防除剤が、除草剤または除草剤緩和剤である、請求項12に記載の除草性組成物。
【請求項14】
望まれない植物の成長を防除する方法であって、(A)請求項1~5のいずれか一項に定義されている式(I)の化合物、及び(B)請求項1又は請求項6に定義されている式(II)の化合物を、前記望まれない植物又はその生息地に適用することを含む、方法。
【請求項15】
式(I)及び式(II)の化合物が、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の形態で適用される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な除草性組成物、植物の防除又は植物の成長の阻害におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
除草性のピリダジノンが、国際公開第2009/086041号から公知である。さらに、除草性の5/6員ヘテロシクリル置換ピリダジノンが、国際公開第2011/045271号から公知である。一方、国際公開第2013/160126号には、除草活性を示すインドリル-ピリダジノン誘導体が記載されている。
【0003】
式
【化1】
の除草性ピロリジノン誘導体は、国際公開第2015/084796号に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特に、また下で記載する式(II)の除草性ピロリジノン誘導体と組み合わせた、下で定義するような式(I)の置換フェニル-ピリダジン-ジオン及び置換フェニル-ピリダジノン誘導体が、驚くほど良好な除草性活性を示すという知見に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、したがって、本発明は、
(A)式(I)
【化2】
の化合物、又はその塩若しくはN-オキシド、
(式中、
R
1は、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6アルコキシ、C
1~C
2アルコキシ-C
1~C
2アルキル、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4ハロアルキル、シアノ-C
1~C
4アルキル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル及びC
2~C
4ハロアルキニルからなる群から選択され;
R
2は、水素、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、-S(O)
mC
1~C
6アルキル、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ジアルキルアミノ、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル及びC
2~C
6ハロアルキニルからなる群から選択され;
Gは、水素、又はC(O)R
3であり;
R
3は、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6アルキル-S-、-NR
4R
5、及び1個若しくは複数のR
6で任意選択で置換されているフェニルからなる群から選択され;
R
4及びR
5は、C
1~C
6アルキル及びC
1~C
6アルコキシからなる群から独立に選択されるか、又はR
4及びR
5は一緒に、モルホリニル環を形成することができ;
R
6は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ及びC
1~C
3ハロアルコキシからなる群から選択され、
X及びYは、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、又はハロゲンであり;
Dは、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の単環式ヘテロアリール環であり、ここで、Dが置換されているとき、これは、少なくとも1個の環炭素原子上においてR
8で、及び/又は環窒素原子上においてR
9で置換されており、
各R
8は、独立に、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、C
1~C
6アルキル-S(O)
m-、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ジアルキルアミノ、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル及びC
2~C
6ハロアルキニルであり;
mは、0、1、若しくは2の整数であり;
各R
9は、独立に、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6アルコキシ、C
1~C
2アルコキシ-C
1~C
2アルキル、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル又はC
2~C
4ハロアルキニルであり;
或いはDは、置換若しくは非置換のフェニル環(Dp)
【化3】
であり、式中、
pは、分子の残りへの(Dp)の付着点を示し;
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5は、水素、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、又はハロゲンからそれぞれ独立に選択され;
Wは、
【化4】
であり、式中、
「a」は、フェニル-ピリダジノン/フェニル-ピリダジンジオン部分への付着点を示し、
「b」は、環Dへの付着点を示し、
R
10、R
12、R
14及びR
15は、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであるか;又はR
10及びR
12は、それらが接合している炭素原子と一緒に、C
3~C
6炭素環式環を形成し;
R
11及びR
13は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであり、ただし、R
11又はR
13の1つが、ハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであるとき、他方は、水素である);
並びに
(B)1種若しくは複数の式(II)
【化5】
の化合物
(式中、
R
B11は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル又はC
4~C
8シクロアルキルであり;
R
B6は、H、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6アルコキシであり;
Q
B1は、フェニル、チエニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ナフチル、ナフタレニル、ベンゾフラニル、フラニル、ベンゾチオフェニル、及びピラゾリルからなる群から選択される任意選択で置換されている環系であり、ここで、置換されているとき、前記環系は、1~3個のR
B4で置換されており;
Q
B2は、フェニル、ピリジニル、ベンゾジオキソリル、ピリジノン、チアダゾリル(thiadazolyl)、チアゾリル、及びオキサゾリルからなる群から選択される任意選択で置換されている環系であり、ここで、置換されているとき、前記環系は、1~3個のR
B5で置換されており;
各R
B4は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルキル、シアノ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、SF
5、NHR
B8、1~3個のR
B7で任意選択で置換されているフェニル、又は1~3個のR
B7で任意選択で置換されているピラゾリルであり;
各R
B5は、独立に、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、又はC
1~C
6アルキルスルホニルであり;
各R
B7は、独立に、C
1~C
6アルキル、ハロゲン、又はC
1~C
6ハロアルキルであり;
R
B8は、C
1~C
4アルコキシカルボニルである);
又はそのN-オキシド、若しくは塩の形態
を含む組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
第2の態様において、本発明は、除草剤としての本発明の組成物の使用を提供する。
【0007】
第3の態様において、本発明は、植物又は植物の生息地に除草有効量の本発明の組成物を施用することを含む、植物を防除する方法を提供する。
【0008】
第4の態様において、本発明は、植物又はその生息地に除草有効量の本発明の組成物を施用することを含む、植物の成長を阻害する方法を提供する。
【0009】
第5の態様において、本発明は、雑草若しくは雑草の生息地に、又は有用な植物若しくは有用な植物の生息地に除草有効量の本発明の組成物を施用することを含む、有用な植物の作物中の雑草を防除する方法を提供する。
【0010】
第6の態様において、本発明は、有用な植物若しくはその生息地に、又は栽培のエリアに除草有効量の本発明の組成物を施用することを含む、有用な植物の作物中の草及び/又は雑草を選択的に防除する方法を提供する。
【0011】
有効成分が合わさるとき、任意の所与の有効成分の組合せについての予想される活性(E)は、いわゆる、Colby式に従い、下記のように計算することができる(Colby, S.R., Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination, Weeds, Vol. 15, pages 20-22; 1967):
ppm=1リットル当たりの有効成分(a.i.)のミリグラム
X=p ppmの有効成分を使用した第1の有効成分による作用%
Y=q ppmの有効成分を使用した第2の有効成分による作用%。
【0012】
Colbyによれば、p+q ppmの有効成分を使用した有効成分A+Bの予想される作用を、下記の式
【数1】
によって表す。
【0013】
実際に観察される作用(O)が予想される作用Eより大きい場合、組合せの作用は超相加的であり、すなわち、相乗効果が存在する。数学用語では、相乗作用は、(O-E)の差異についての正の値に対応する。活性(予想される活性)の純粋に補完的付加の場合、前記差異(O-E)は、0である。前記差異(O-E)の負の値は、予想される活性と比較した活性の喪失を示す。
【0014】
式(I)及び式(II)の化合物は、式(I)の化合物に関して本明細書において示すように、及び式(II)の化合物について国際公開第2015/084796号において示すように、両方とも有効な除草性化合物である。したがって、本発明の組合せは、それらの相加的活性を利用し、特定の実施形態は、相乗効果を示し得る。有効成分の組合せの作用が、個々の構成要素の作用の合計より大きいときはいつでも、これが起こる。
【0015】
さらに、除草性活性に関する実際の相乗作用に加えて、本発明による組成物はまた、さらなる驚くべき有利な特性を示し得る。このような有利な特性の例は、出芽、作物収率、より発達した根系、分げつの増加、植物の高さの増加、より大きな葉身、死んだ根出葉がより少ないこと、より強い分げつ、より緑色の葉色、より少ない肥料を必要とすること、より少ない種子を必要とすること、より多い有効分げつ、より早い開花、早い穀物の成熟、より少ない植物転倒(倒伏)、芽の成長の増加、植物の活力の改善、及び早い発芽を含めた、有用な植物の改善された特徴を含む。
【0016】
さらに、本発明の組成物は、化合物A単独の効果と比較したとき、増加した作物耐性を示し得ることがまた可能である。有効成分の組合せの作用が、有効成分単独の1つの作用より、有用な作物に対してより有害でないとき、これが起こる。
【0017】
式(I)及び/又は(II)の化合物は、不斉中心を含有してもよく、したがって、単一の鏡像異性体、任意の割合の鏡像異性体の対として存在してもよく、または、2つ以上の不斉中心が存在する場合、考えられる全ての比率のジアステレオ異性体を含む。典型的に、鏡像異性体の1つが、他の可能な鏡像異性体と比較して向上した生物学的活性を有する。
【0018】
同様に、二置換アルケンがある場合、これらは、E体もしくはZ体でまたは任意の割合の両方の混合物として存在してもよい。
【0019】
さらに、式(I)の化合物は、別の互変異性体と平衡状態にあり得る。例えば、式(I-i)の化合物、すなわち、式(I)(式中、R
2が水素であり、Gが水素である)の化合物は、少なくとも3つの互変異性体として描かれ得る:
【化6】
【0020】
式(I)及び/又は式(II)の化合物の全ての互変異性形態(単一の互変異性体又はこれらの混合物)、ラセミ混合物及び単一の異性体を、本発明の組成物に組み込んでもよく、このように、本発明の範囲内に入り得ることを認識されたい。
【0021】
下記の用語は、式(I)及び式(II)の化合物に適用可能である。
【0022】
各アルキル部分は、単独でまたはより大きい基(アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルなど)の一部として、直鎖状または分枝鎖状であり得る。典型的に、アルキルは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、またはn-ヘキシルである。アルキル基は、一般に、C1~C6アルキル基(既により狭く定義されている場合を除く)であるが、好ましくは、C1~C4アルキルまたはC1~C3アルキル基であり、より好ましくは、C1C2アルキル基(メチルなど)である。
【0023】
アルケニルおよびアルキニル部分は、直鎖状または分枝鎖状の形態であり得、アルケニル部分は、必要に応じて、(E)-または(Z)-立体配置のいずれかのものであり得る。アルケニルまたはアルキニル部分は、典型的に、C2~C4アルケニルまたはC2~C4アルキニル、より詳細には、ビニル、アリル、エチニル、プロパルギルまたはプロパ-1-イニルである。アルケニルおよびアルキニル部分は、任意の組合せで1つまたは複数の二重および/または三重結合を含有し得るが;好ましくは、1つのみの二重結合(アルケニルの場合)または1つのみの三重結合(アルキニルの場合)を含有する。
【0024】
好ましくは、シクロアルキルという用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを指す。
【0025】
本明細書の文脈において、「アリール」という用語は、好ましくは、フェニルを意味する。本明細書において使用される際の「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する芳香族環系を意味し、単環からなる。好ましくは、単環は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含有するであろう。典型的に、「ヘテロアリール」は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3トリアゾリル、1,2,4トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4オキサジアゾリル、1,3,4オキサジアゾリル、1,2,5オキサジアゾリル、1,2,3チアジアゾリル、1,2,4チアジアゾリル、1,3,4チアジアゾリル、1,2,5チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3トリアジニル、1,2,4トリアジニル、または1,3,5トリアジニルである。
【0026】
ヘテロシクリル基および複素環(単独でまたはヘテロシクリル-アルキル-などのより大きい基の一部として)は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する環系であり、単環式または二環式形態であり得る。好ましくは、ヘテロシクリル基は、好ましくは、窒素、酸素および硫黄から選択される2個以下のヘテロ原子を含有するであろう。複素環式基の例としては、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニルおよび7-オキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルが挙げられる。ヘテロ原子として単一の酸素原子を含有するヘテロシクリル基が最も好ましい。ヘテロシクリル基は、好ましくは、3員~8員、より好ましくは、3員~6員環である。
【0027】
ハロゲン(またはハロ)は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を包含する。これに対応じて、同じことが、ハロアルキルまたはハロフェニルなどの他の定義の文脈におけるハロゲンに当てはまる。
【0028】
1~6個の炭素原子の鎖長を有するハロアルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロエチルおよび2,2,2-トリクロロエチル、ヘプタフルオロ-n-プロピルおよびパーフルオロ-n-ヘキシルである。
【0029】
アルコキシ基は、好ましくは、1~6個の炭素原子の鎖長を有する。アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシまたはtert-ブトキシまたはペンチルオキシまたはヘキシルオキシ異性体、好ましくは、メトキシおよびエトキシである。2つのアルコキシ置換基が同じ炭素原子上に存在し得ることも理解されるべきである。
【0030】
ハロアルコキシは、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシまたは2,2,2-トリクロロエトキシ、好ましくは、ジフルオロメトキシ、2-クロロエトキシまたはトリフルオロメトキシである。
【0031】
C1~C6アルキル-S-(アルキルチオ)は、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオまたはtert-ブチルチオ、好ましくは、メチルチオまたはエチルチオである。
【0032】
C1~C6アルキル-S(O)-(アルキルスルフィニル)は、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニルまたはtert-ブチルスルフィニル、好ましくは、メチルスルフィニルまたはエチルスルフィニルである。
【0033】
C1~C6アルキル-S(O)2-(アルキルスルホニル)は、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニルまたはtert-ブチルスルホニル、好ましくは、メチルスルホニルまたはエチルスルホニルである。
【0034】
本明細書において記述したように、本発明の組成物は、(A)式(I)の化合物及び(B)式(II)の化合物を含む。式(I)の化合物に関するより詳細を、下記で提供する。
【0035】
基Q
【化7】
は、本明細書においてピリダジンジオン/ピリダジノン部分と呼ばれ、式中、Bが、分子の残りの部分(すなわち、任意選択的に置換されるフェニルW-D部分)に対する結合点を示す。
【0036】
本発明は、式(I)の化合物が、アミン(例えばアンモニア、ジメチルアミンおよびトリエチルアミン)、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩基または第四級アンモニウム塩基とともに形成し得る農学的に許容できる塩の使用も含む。塩形成剤として使用されるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシドおよび炭酸水素塩および炭酸塩の中でも、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物および炭酸塩が強調されるが、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物および炭酸塩が特に強調される。対応するトリメチルスルホニウム塩も使用され得る。本発明において使用するための式(I)の化合物は、塩形成の際に形成され得る水和物も含む。本発明に関して用語「式(I)の化合物」が使用される場合、これは、前記化合物の任意の適切な栽培学的に許容される塩及び/又は水和物を等しく指すことを当業者は容易に認識する。
【0037】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、W、D、Dp、G、X、Y、Z、およびmの好ましい値は、以下に記載されるとおりであり、本発明において使用するための式(I)の化合物は、前記値の任意の組合せを含み得る。当業者は、実施形態の任意の規定の組の値が、組合せが互いに矛盾しない場合、実施形態の任意の他の組の値と組み合わされ得ることを理解するであろう。
【0038】
好ましくは、R1が、メチル、エチル、プロピル(特に、n-またはc-プロピル)、プロパルギルまたはC1ハロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R1が、メチル、エチル、シクロプロピル、プロパルギルまたはC1フルオロアルキルである。さらにより好ましくは、R1が、メチル、エチル、シクロプロピルまたはプロパルギルである。
【0039】
好ましくは、R2が、水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3アルコキシ-C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニルおよびC2~C6ハロアルキニルからなる群から選択される。より好ましくは、R2が、メチル、エチル、シクロプロピル、トリフルオロメチルおよびメトキシメチル、さらにより好ましくは、シクロプロピル、トリフルオロメチルまたはメチル、最も好ましくは、シクロプロピルまたはメチルからなる群から選択される。本発明の実施形態の1つの組において、R2が水素である。実施形態のさらなる組において、R2がシクロプロピルであり、実施形態の第3の組において、R2がメチルであり、実施形態の第4の組において、R2がトリフルオロメチルである。
【0040】
本明細書に記載されるように、Gが、水素または-C(O)-R3であってもよく、R3が、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6アルキル-S-、C1~C6アルコキシ、-NR4R5および1つまたは複数のR6で任意選択的に置換されるフェニルからなる群から選択される。本明細書に定義されるように、R4およびR5が、独立して、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ-からなる群から選択され;またはそれらは、一緒になって、モルホリニル環を形成することができる。好ましくは、R4およびR5がそれぞれ、独立して、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシおよびプロポキシからなる群から選択される。R6が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシおよびC1~C3ハロアルコキシからなる群から選択される。
【0041】
好ましくは、R3は、C1~C4アルキル、C2~C3アルケニル、C2~C3アルキニル、-C1~C3アルコキシ、又は-NR4R5であり、ここで、R4及びR5は一緒に、モルホリニル環を形成する。より好ましくは、R3は、イソプロピル、t-ブチル、メチル、エチル、プロパルギル又はメトキシである。
【0042】
実施形態の1つのセットでは、Gは、水素又は-C(O)-R3であり、ここで、R3は、C1~C4アルキル、C2~C3アルケニル、C2~C3アルキニル又は-C1~C3アルコキシである。実施形態のさらなるセットでは、Gは、水素又は-C(O)-R3であり、ここで、R3は、イソプロピル、t-ブチル、メチル、エチル、プロパルギル又はメトキシである。しかし、Gが、水素、又は-C(O)-R3であり、ここで、R3が、イソプロピルであることが特に好ましい。
【0043】
Xが、好ましくは、水素、ハロゲン、またはC1ハロアルキル、より好ましくは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはC1フルオロアルキル、さらにより好ましくは、水素、フルオロ、クロロまたはトリフルオロメチルである。実施形態の1つの組において、Xが、ピリダジノン/ピリダジン-ジオン部分(基Q)に対してオルトであるのが好ましい。Xが、フルオロ、クロロまたはC1-ハロアルキル(特に、C1フルオロアルキル)であり、ピリダジノン/ピリダジン-ジオン部分(基Q)に対してオルトであるのが特に好ましい。
【0044】
Yが、好ましくは、水素、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、またはハロゲンである。より好ましくは、Yが、水素、クロロ、フルオロ、またはブロモである。
【0045】
実施形態の1つの組において、Yが、W-D部分に対してオルトであるのが好ましい。実施形態のさらなる組において、Yが、ピリダジノン/ピリダジン-ジオン部分(基Q)に対してパラである。
【0046】
Yが、W-D部分に対してオルトであり、ハロゲン、特に、クロロまたはフルオロ;より好ましくは、クロロであるのが特に好ましい。
【0047】
本明細書に記載のように、Dは、置換若しくは非置換のフェニル環(Dp)であるか、又は酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の5員若しくは6員の単環式ヘテロアリール環であり、ここで、Dが、置換ヘテロアリール環であるとき、これは、少なくとも1個の環炭素原子上においてR8で、及び/又は環窒素原子上においてR9で置換されている。Dが、置換若しくは非置換の5員若しくは6員の単環式ヘテロアリール環である場合、これは好ましくは、置換(本明細書に記載のような)若しくは非置換のフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3トリアゾリル、1,2,4トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4オキサジアゾリル、1,3,4オキサジアゾリル、1,2,5オキサジアゾリル、1,2,3チアジアゾリル、1,2,4チアジアゾリル、1,3,4チアジアゾリル、1,2,5チアジアゾリル、ピリジル、ピリドニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3トリアジニル、1,2,4トリアジニル、又は1,3,5トリアジニル環である。
【0048】
より好ましくは、このような実施形態では、Dは、置換(本明細書に記載のような)若しくは非置換のピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリドニル、ピリミジニル、ピリダジニル、又はピラジニル環である。
【0049】
なおより好ましくは、このような実施形態では、Dは、置換(本明細書に記載のような)若しくは非置換のオキサゾリル、チアゾリル、又はピリジル環である。ある特定の実施形態では、Dは、置換若しくは非置換のピリジル環、又は置換若しくは非置換のチアゾリル環である。
【0050】
好ましくは、各R8は、独立に、オキソ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1~C4アルコキシ、又はC1~C4アルキルチオであり、より好ましくは、各R8は、独立に、ハロゲン、又はC1~C4ハロアルキルである。
【0051】
好ましくは、各R9は、独立に、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、ヒドロキシル、C1~C4アルコキシ、又はC1~C4アルキルチオである。
【0052】
Dが上記のような置換若しくは非置換の5員若しくは6員の単環式ヘテロアリール環である特定の実施形態では、Dは、4-クロロ-3-ピリジル、4-トリフルオロメチルピリジル、3-ピリジル、及び2-クロロ-チアゾ-5-イルからなる群から選択される。
【0053】
しかし、上記で記述したように、Dは、代わりに、置換若しくは非置換のフェニル環(Dp)
【化8】
であり得、式中、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5は、水素、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、又はハロゲンからそれぞれ独立に選択され、pは、分子の残りへの付着点である。
【0054】
好ましくは、Z1、Z2、Z3、Z4、及びZ5は、水素、シアノ、ハロゲン(特に、クロロ又はフルオロ)、メチル、メトキシ、及びトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される。
【0055】
実施形態の1つのセットでは、Z1、Z2、Z4、及びZ5のそれぞれは、水素であり、Z3は、水素ではない。好ましくは、実施形態のこのセットでは、Z3は、ハロゲン、より好ましくは、クロロである。
【0056】
実施形態のさらなるセットでは、Z1、Z4及びZ5のそれぞれは、水素であり、Z2及びZ3は、水素ではない。実施形態のこのセットでは、Z2及びZ3が、それぞれ独立に、ハロゲンであることが特に好ましく、Z2及びZ3が、両方ともクロロであることがより好ましい。
【0057】
実施形態の1つの特に好ましいセットでは、Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5は全て、水素を担持する。
【0058】
さらなる実施形態では、DがDpである場合、Dpは、4-クロロ-フェニル、4-トリフルオロメチル-フェニル、4-シアノフェニル、4-フルオロ-フェニル、3,4-ジ-フルオロ-フェニル、2-トリフルオロメチル-フェニル及び4-トリルからなる群から選択される。
【0059】
Wは、分子の残りに(すなわち、フェニル-ピリダジノン/フェニル-ピリダジンジオン部分に)環Dを連結するリンカー部分として作用する。式(I)の化合物(ここで、リンカーは、W1である)は、除草性であり、一方、式(I)の化合物(ここで、リンカーは、W2である)は、除草性であるだけでなく、W1リンカーを担持する式(I)の化合物の生成における有用な中間体であり得る。このように、実施形態の1つのセットでは、Wは、W1であり、一方、実施形態の第2のセットでは、Wは、W2である。
【0060】
Wの具体例は、-CH
2-CH
2-、及び-CH=CH-、cis
【化9】
及びtrans
【化10】
を含む。好ましい実施形態では、Wは、-CH
2-CH
2-、又は-CH=CH-である。
【0061】
好ましくは、R10、R11、R12及びR13は、水素又はC1~C3アルキルからそれぞれ独立に選択される。実施形態の1つのセットでは、R10、R11、R12、及びR13は、全て水素である。
【0062】
好ましくは、R14及びR15は、水素又はC1~C3アルキルからそれぞれ独立に選択される。実施形態の1つのセットでは、R14及びR15は、両方とも水素である。
【0063】
下記の表1は、本発明の組成物中の(A)中の構成要素として使用するための、式(I)の化合物の308の具体例を提供する。
【0064】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【0065】
本発明において使用するための特に好ましい式(I)の化合物は、本明細書に記載のような化合物1.001、1.002、1.012、1.018、1.024、1,042、1.048、1.054、1.060、1.066、1.089、1.095、1.125、及び1.149である。
【0066】
式(I)の化合物は、下記のスキームによって調製し得、ここで、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、W、D、Dp、G、X、Y、Z、及びmは、(他に明確に記述しない限り)本明細書の上に記載されている定義を有する。
【0067】
本発明の特定の化合物(I-ii)は、反応スキーム1において示すように化合物(2)から調製し得る。化合物(I-ii)は、式(I)の化合物であり、ここで、Wは、-CH2-CH2-である。
【0068】
反応スキーム1
【化11】
化合物(I-ii)は、適切な溶媒[例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、酢酸又は酢酸エチル]中、適切な触媒[例えば、Pd/C、Pd/CaCO
3又はスポンジニッケル]の存在下で、-10~80℃の温度にて、水素ガスによる化合物(2)の接触水素化によって調製し得る。
【0069】
化合物(2)は、記載されている鈴木プロトコル又はHeckプロトコルによって、反応スキーム2において示すように化合物(3)及び化合物(4)から調製し得る。鈴木プロトコルを用いるとき、化合物(4)は、有機ホウ素化合物、例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム塩である。Heckプロトコルを用いるとき、化合物(4)は、スチレンである。
【0070】
反応スキーム2
【化12】
鈴木プロトコル
化合物(2)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、適切な溶媒中、10~150℃の温度にて、化合物(3)及び化合物(4)の処理によって調製し得る。適切な塩基の例は、炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びフッ化カリウムである。適切な触媒の例は、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl
2(dppf)・DCM]、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4]、並びに酢酸パラジウム(II)及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系である。適切な溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(4)は市販されているか[例えば、trans-2-フェニルビニルボロン酸、trans-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)ビニルボロン酸及びtrans-2-(4-クロロフェニル)ビニルボロン酸]、又は公知の方法によって作製することができる。鈴木プロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(3)の例は、イソブチリルエステル(3-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0071】
鈴木プロトコルの条件は、エステル基を切断する傾向があり、その結果、反応スキーム2はまた、出発材料(3)がエステル部分を含有する[Gがアシル基であるように]が、生成物(2)がエステル部分を含有しない[Gが水素であるように]反応について説明し得ることを当業者は認識する。
【0072】
Heckプロトコル
化合物(2)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、10~150℃の温度にて、化合物(3)及び化合物(4)の処理によって調製し得る。さらなる溶媒は、任意選択で含まれてもよい。適切な塩基の例は、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンである。適切な触媒の例は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、酢酸パラジウム(II)及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系、並びにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの混合物からin situで形成される触媒系である。任意選択のさらなる溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(4)は市販されているか[例えば、2-(トリフルオロメチル)-5-ビニル-ピリジン、4-フルオロスチレン、4-シアノスチレン及び4-トリフルオロメチルスチレン]、又は公知の方法によって作製することができる。Heckプロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(3)の例は、イソブチリルエステル(3-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0073】
化合物(3-i)は、反応スキーム3において示すように化合物(5)から調製し得る。
【0074】
反応スキーム3
【化13】
化合物(3-i)は、適切な溶媒[例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル又はトルエン]中、適切な塩基[例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジン]の存在下で、-10~60℃の温度にて、化合物(5)及び塩化イソブチリルの処理によって調製し得る。触媒[例えば、4-(ジメチルアミノ)ピリジン]は、任意選択で含まれてもよい。
【0075】
化合物(5)は、溶媒[例えば、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド又はトルエン]中、50~200℃の温度にて、化合物(6)を塩基(例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムヘキサメチルジシラジド又はリチウムヘキサメチルジシラジド)と共に加熱することによって、反応スキーム4において示すように化合物(6)から調製し得る。従来の加熱又はマイクロ波加熱を使用し得る。
【0076】
反応スキーム4
【化14】
化合物(6)は、反応スキーム5において示すようにフェニル酢酸(7)から調製し得る。
【0077】
反応スキーム5
【化15】
反応スキーム5に関して、ヒドラジン(8)の一例は、メチルヒドラジンであり、ケトエステル(10)の一例は、ピルビン酸エチルである。ヒドラゾン(9)の一例は、国際公開第2016/008816号に記載されている方法によって調製したエチル(2E/Z)-2-(メチルヒドラゾノ)プロパノエートである。フェニル酢酸(7)の一例は、反応スキーム10によって合成し得る(2-ブロモ-6-フルオロ-フェニル)酢酸である。フェニル酢酸(7)のさらなる例は、反応スキーム11によって合成し得る(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸である。
【0078】
本発明の特定の化合物(I-iii)は、反応スキーム6において示すように化合物(11)から、又は反応スキーム12において示すように化合物(I-iv)から調製し得る。化合物(I-iii)は、式(I)の化合物であり、ここで、Wは、-CH2-CH2-であり、Gは、水素である。
【0079】
反応スキーム6
【化16】
化合物(I-iii)は、溶媒[例えば、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド又はトルエン]中、50~200℃の温度にて、化合物(11)を塩基(例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムヘキサメチルジシラジド又はリチウムヘキサメチルジシラジド)と共に加熱することによって調製し得る。従来の加熱又はマイクロ波加熱を使用し得る。
【0080】
反応スキーム7
【化17】
化合物(11)は、上記の反応スキーム7において示すように化合物(12)から調製し得る。
【0081】
化合物(12)は、反応スキーム8において示すように化合物(13)から調製することができる。多くの化合物(13)が市販されている[例えば、メチル2-フェニルアセテート及びメチル2-(2-フルオロフェニル)アセテート]。
【0082】
反応スキーム8
【化18】
反応スキーム8に関して、ホスホラン(15)は、反応スキーム9によって作製することができる。
【0083】
反応スキーム9
【化19】
反応スキーム9に関して、適切な塩基の例は、水素化ナトリウム、ナトリウムヘキサメチルジシラジド及びカリウムtert-ブトキシドである。化合物(16)は、求電子試薬であり、ここで、LGは、脱離基[例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、トシレート又はメシレート]である。多くの化合物(16)が市販されている[例えば、4-クロロベンジルブロミド又は2-クロロ-5-クロロメチルチアゾール]。
【0084】
反応スキーム10
【化20】
反応スキーム10に関して、(2-ブロモ-6-フルオロ-フェニル)酢酸エチルエステルは、Lundgren et al. JACS 2016, 138, 13826-13829に記載されるように調製し得る。
【0085】
反応スキーム11
【化21】
反応スキーム11に関して、2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼンは、市販されている。
【0086】
反応スキーム12
【化22】
化合物(I-iii)は、水及びアルコール溶媒[例えば、メタノール又はエタノール]の混合物中、0℃~100℃の温度にて、化合物(I-iv)を金属水酸化物[例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は水酸化カリウム]で処理することによって調製し得る。化合物(I-iv)は、式(I)の化合物であり、ここで、Wは、-CH
2-CH
2-であり、Gは、C(O)R
3である。
【0087】
本発明の組成物はまた、構成要素(B)として、上で定義したような式(II)の化合物を含む。式(II)の化合物についての好ましい置換基は、下記の通りである。
【0088】
好ましくは、RB11は、H、C1~C6アルキル又はC1~C6ハロアルキル、より好ましくは、メチル、エチル又はCHF2、より好ましくはまた、H又はメチルである。
【0089】
好ましくは、RB6は、Hである。
【0090】
好ましくは、QB1は、フェニル環又はピリジニル環であり、これらのそれぞれは、1~3個のR4で任意選択で置換されている。好ましくは、QB1は、1~2個のRB4で置換されているフェニル環である。
【0091】
好ましくは、QB2は、任意選択で1~3個のRB5で置換されているフェニル環である。より好ましくは、QB1は、1~3個のRB5で置換されているフェニルである。
【0092】
好ましくは、各RB4は、独立に、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ、又はC1~C3ハロアルコキシ;より好ましくは、クロロ、フルオロ、ブロモ、C1~C2ハロアルキル、C1~C2ハロアルコキシ、又はC1~C2アルコキシである。
【0093】
好ましくは、各RB5は、独立に、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ、又はC1~C3ハロアルコキシ;より好ましくは、クロロ、フルオロ、ブロモ、C1~C2ハロアルキル、C1~C2ハロアルコキシ、又はC1~C2アルコキシ;より好ましくはまた、フルオロである。
【0094】
本発明の組成物中の構成要素Bとして使用するための特に好ましい式(II)の化合物を、表2において下記で示す。
【0095】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0096】
一実施形態では、Bは、化合物2.1である。
【0097】
一実施形態では、Bは、化合物2.2である。
【0098】
一実施形態では、Bは、化合物2.3である。
【0099】
一実施形態では、Bは、化合物2.4である。
【0100】
一実施形態では、Bは、化合物2.5である。
【0101】
一実施形態では、Bは、化合物2.6である。
【0102】
一実施形態では、Bは、化合物2.7である。
【0103】
一実施形態では、Bは、化合物2.8である。
【0104】
一実施形態では、Bは、化合物2.9である。
【0105】
一実施形態では、Bは、化合物2.10である。
【0106】
一実施形態では、Bは、化合物2.11である。
【0107】
一実施形態では、Bは、化合物2.12である。
【0108】
一実施形態では、Bは、化合物2.13である。
【0109】
一実施形態では、Bは、化合物2.14である。
【0110】
一実施形態では、Bは、化合物2.15である。
【0111】
一実施形態では、Bは、化合物2.16である。
【0112】
一実施形態では、Bは、化合物2.17である。
【0113】
一実施形態では、Bは、化合物2.18である。
【0114】
本明細書に記載のような式(II)の化合物は、国際公開第2015/084796号及び国際公開第2016/094117号に記載されているように作製し得る。
【0115】
好ましい本発明の組成物は、
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.1;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.2;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.3;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.4;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.5;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.6;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.7;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.8;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.9;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.10;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.11;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.12;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.13;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.14;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.15;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.16;
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.17;並びに
(A)として、表1からの化合物1.001~1.308のいずれか1つ、及び(B)として、化合物2.18
を含むものからなる群から選択される。
【0116】
本文献を通して、表現「組成物」は、例えば、単一の「調合済みの」形態における、単一の有効成分構成要素の別々の配合物から構成される合わせた噴霧混合物、例えば、「タンクミックス」における、及び逐次の様式で、すなわち、適度に短期、例えば、数時間又は数日で代わる代わる施用するときの単一の有効成分の合わせた使用における、構成要素(A)及び(B)の様々な混合物又は組合せを表す。構成要素(A)及び(B)を施用する順序は、本発明が機能するために必須ではない。
【0117】
用語「除草剤」は、本明細書において使用する場合、植物の成長を防除又は修正する化合物を意味する。用語「除草有効量」は、植物の成長に対して防除又は修正効果を生じさせることができる、このような化合物又はこのような化合物の組合せの量を意味する。防除又は修正効果は、自然な成り行きからの全ての逸脱、例えば、死滅、遅延、葉枯れ、白皮症、矮化などを含む。
【0118】
用語「生息地」は、本明細書において使用する場合、その中若しくはその上で植物が成長するか、又は栽培植物の種子がまかれるか、又は種子が土壌中に置かれるフィールドを意味する。これは、土壌、種子、及び苗木、並びに確立した植生を含む。
【0119】
用語「植物」は、種子、苗木、若木、根、塊茎、茎、柄、葉、及び果物を含めた植物の全ての物理的部分を指す。
【0120】
用語「植物繁殖材料」は、植物の全ての生殖部分、例えば、種子、又は植物の成長部分、例えば、切り枝及び塊茎を示す。これは、厳密に言えば、種子、並びに根、果物、塊茎、球根、根茎、及び植物の部分を含む。
【0121】
用語「毒性緩和剤」は、本明細書において使用する場合、除草剤と組み合わせて使用されるとき、非標的生物に対する除草剤の望ましくない効果を低減させる化学物質を意味し、例えば、毒性緩和剤は、除草剤による損傷から作物を保護するが、除草剤が雑草を死滅させることを防止しない。
【0122】
本発明による組成物を使用することができる有用な植物の作物は、多年生及び一年生作物、例えば、液果植物、例えば、ブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー及びイチゴ;穀類、例えば、オオムギ、トウモロコシ(モロコシ)、キビ、カラスムギ、イネ、ライムギ、ソルガム、ライコムギ及びコムギ;繊維植物、例えば、ワタ、アマ、アサ、ジュート及びサイザル;畑作物、例えば、糖及び飼料用ビート、コーヒー、ホップ、マスタード、アブラナ(キャノーラ)、ポピー、サトウキビ、ヒマワリ、茶及びタバコ;果樹、例えば、リンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、サクランボ、柑橘類、ネクタリン、モモ、セイヨウナシ及びプラム;イネ科植物、例えば、バミューダグラス、イチゴツナギ、ベントグラス、センティピードグラス、ウシノケグサ、ドクムギ、イヌシバ及びノシバ;ハーブ、例えば、バジル、ルリジサ、チャイブ、コリアンダー、ラベンダー、ラベージ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ及びタイム;マメ科植物、例えば、マメ、レンズマメ、エンドウマメ及びダイズ;ナッツ、例えば、アーモンド、カシュー、ラッカセイ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン、ピスタチオ及びクルミ;ヤシ、例えば、油ヤシ;観賞植物、例えば、花、低木及び樹木;他の樹木、例えば、カカオ、ココナツ、オリーブ及びゴム;野菜、例えば、アスパラガス、ナス、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、キュウリ、ニンニク、レタス、マロー、メロン、オクラ、タマネギ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ダイオウ、ホウレンソウ及びトマト;並びにつる植物、例えば、ブドウを含む。
【0123】
作物は、自然に発生したものであるか、育種の従来の方法によって得られるか、又は遺伝子工学によって得られるものであると理解される。これらは、いわゆる、出力形質(例えば、改善された保存安定性、より高い栄養価及び改善されたフレーバー)を含有する作物を含む。
【0124】
作物は、ブロモキシニルのような除草剤または除草剤の種類(例えばALS-、EPSPS-、GS-、HPPD-およびPPO-阻害剤)に対する耐性を与えられた作物も含むことが理解されるべきである。従来の品種改良方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックス(imazamox)に対する耐性を与えられた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏キャノーラである。遺伝子組み換え方法によって除草剤に対する耐性を与えられた作物の例としては、例えば、RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)の商標名で市販されているグリホサート耐性およびグルホシネート耐性トウモロコシ種が挙げられる。
【0125】
作物はまた、有害な昆虫に対して自然に抵抗性であるか、又は抵抗性とされているものであると理解される。これは、例えば、毒素を生み出す細菌から公知であるものなどの、例えば、1種若しくは複数の選択的に作用する毒素を合成することができる、組換えDNA技術の使用によって形質転換された植物を含む。発現することができる毒素の例は、δ-内毒素、植物性殺虫性タンパク質(Vip)、線虫にコロニーを作る細菌の殺虫性タンパク質、並びにサソリ、蛛形類動物、ハチ及び真菌によって産生される毒素を含む。
【0126】
バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現するように改変された作物の一例は、Bt maize KnockOut(登録商標)(Syngenta Seeds)である。殺虫剤抵抗性をコードし、このように、複数の毒素を発現する複数の遺伝子を含む作物の一例は、VipCot(登録商標)(Syngenta Seeds)である。作物又はその種子材料はまた、複数のタイプの有害生物に対して抵抗性であり得る(いわゆる、遺伝子改変によって生じたときのスタック(stacked)・トランスジェニック事象)。例えば、植物は、殺虫性タンパク質を発現する能力を有することができる一方で、同時に除草剤耐性である。例えば、Herculex I(登録商標)(Dow AgroSciences、Pioneer Hi-Bred International)。
【0127】
本発明の組成物を典型的には使用して、多種多様の単子葉及び双子葉の雑草種を防除することができる。典型的には防除することができる単子葉種の例は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、ブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、ウスゲケイヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ホソムギ(Lolium perenne)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、キビ(Panicum miliaceum)、スズメノカタビラ(Poa annua)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)及びソルガム(Sorghum bicolor)を含む。防除することができる双子葉種の例は、イチビ(Abutilon theophrasti)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、シロザ(Chenopodium album)、ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla)、ヤエムグラ(Galium aparine)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、ホウキギ(Kochia scoparia)、ソバカズラ(Polygonum Convolvulus)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、ノガラシ(Sinapis arvensis)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、ハコベ(Stellaria media)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)及びオナモミ(Xanthium strumarium))を含む。
【0128】
本発明の全ての態様において、任意の特定の実施形態では、例えば、防除され、且つ/又は成長阻害される雑草は、1種若しくは複数の他の除草剤、例えば、HPPD阻害剤除草剤、例えば、メソトリオン、PSII阻害剤除草剤、例えば、アトラジン、又はEPSPS阻害剤、例えば、グリフォセートに対して耐性又は抵抗性である単子葉若しくは双子葉の雑草でよい。このような雑草には、これらに限定されないが、抵抗性アマランサス属(Amaranthus)バイオタイプが含まれる。
【0129】
本発明の組成物はまた、除草剤[典型的には、式(I)及び式(II)の除草剤と異なる]、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、成長調節剤、化学不妊化剤、信号化学物質、忌避物質、誘引物質、フェロモン、摂食刺激物質、又は多構成要素の殺有害生物剤を形成し、さらにより広範なスペクトルの農業保護を与える他の生物学的活性化合物を含めた、1種若しくは複数のさらなる殺有害生物剤と混合することができる。
【0130】
同様に、本発明の組成物(前のパラグラフに記載されているような1種若しくは複数のさらなる殺有害生物剤を含むものを含む)は、1種若しくは複数の毒性緩和剤をさらに含むことができる。特に、下記の毒性緩和剤が、特に好ましい:AD67(MON4660)、ベノキサコール、クロキントセットメキシル、シオメトリニル、シプロスルファミド、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトラート(dietholate)、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、フリラゾム(furilazome)、イソオキサジフェン-エチル、メフェンピル-ジエチル、メフェナート(mephenate)、オキサベトリニル、ナフタル酸無水物(CAS RN81-84-5)、TI-35、N-イソプロピル-4-(2-メトキシ-ベンゾイルスルファモイル)-ベンズアミド(CAS RN221668-34-4)及びN-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド。このような毒性緩和剤はまた、例えば、The Pesticide Manual, 15th Ed. (BCPC), 2009に記述されているように、エステル又は塩の形態で使用し得る。このように、クロキントセットメキシルへの言及はまた、国際公開第02/34048号において開示されているような、クロキントセットに、及びそのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、スルホニウム塩又はホスホニウム塩に適用され、フェンクロラゾール-エチルへの言及はまた、フェンクロラゾールなどに適用される。
【0131】
一般に、式(I)の化合物と式(II)の化合物の(重量による)混合比は、0.01:1~100:1、より好ましくは、0.05:1~20:1、さらにより好ましくは、0.1:1~20:1、最も好ましくは、0.2:1~20:1、例えば、0.3125:1、0.625:1、1.25:1、2.5:1、5:1、10:1及び20:1である。
【0132】
施用される本発明による組成物の量は、様々な要因、例えば、用いる化合物;処理の対象、例えば、植物、土壌若しくは種子;処理のタイプ、例えば、噴霧、散布若しくは種子粉衣;処理の目的、例えば、予防的又は治療的;防除される真菌のタイプ又は施用時間によって決まる。
【0133】
有用な植物に施用されるとき、構成要素(A)は典型的には、50~2000g a.i./haの構成要素(B)に関連して、50~2000g a.i./ha、特に、100~1000g a.i./ha、より特定すると、300~500g a.i./ha、例えば、300、350、400、450又は500g a.i./haの割合で典型的には施用される。
【0134】
農業慣行において、本発明による組成物の施用割合は、望ましい効果のタイプによって決まり、典型的には、1ヘクタール当たり100~4000gの総組成物の範囲である。
【0135】
本発明の化合物は、作物の植え付けの前若しくは後、雑草が出芽する前(出芽前施用)若しくは雑草が出芽した後(出芽後施用)に施用することができる。
【0136】
毒性緩和剤が本発明の混合物と合わさる場合、式(I)の化合物と毒性緩和剤の混合比は、100:1~1:10、特に、20:1~1:1であることが好ましい。
【0137】
毒性緩和剤及び本発明の組成物は、同時に施用することが可能である。例えば、毒性緩和剤及び本発明の組成物は、生息地に出芽前に施用してもよいか、又は作物に出芽後に施用してもよい。毒性緩和剤及び本発明の組成物は、逐次的に施用することもまた可能である。例えば、毒性緩和剤は、種子処理として種子をまく前に施用してもよく、本発明の組成物は、生息地に出芽前に施用してもよいか、又は作物に出芽後に施用してもよい。
【0138】
本発明の組成物は、下記で記述した配合物中で有利に使用することができる(この場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と式(II)の化合物のそれぞれの混合物、又は、毒性緩和剤がまた使用されるとき、式(I)の化合物と式(II)の化合物のそれぞれの混合物、及び毒性緩和剤に関する)。
【0139】
本発明の組成物の個々の構成要素は、生成されるときに技術的有効成分として利用し得る。しかし、より典型的には、本発明による組成物は、配合アジュバント、例えば、担体、溶媒及び表面活性物質を使用して様々な方法で配合し得る。配合物は、様々な物理的形態、例えば、散布剤、ゲル、水和剤、水分散性粒剤、水分散性錠剤、発泡性ペレット、乳化性濃縮物(emulsifiable concentrate)、マイクロ乳化性濃縮物(microemulsifiable concentrate)、水中油型エマルジョン、油フロアブル、水性分散液、油性分散液、サスポエマルション、カプセル懸濁剤、乳化可能な粒剤、可溶性液体、水溶性濃縮物(担体として水又は水混和性有機溶媒を有する)、含浸したポリマーフィルムの形態、又は例えば、the Manual on Development and Use of FAO and WHO Specifications for Pesticides, United Nations, First Edition, Second Revision (2010)から公知の他の形態でよい。このような配合物は、直接的に使用するか、又は使用前に希釈することができる。希釈は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒で行うことができる。
【0140】
配合物は、微粉化した固体、粒剤、溶液、分散物又はエマルジョンの形態で組成物を得るために、例えば、有効成分と配合アジュバントとを混合することによって調製することができる。有効成分はまた、他のアジュバント、例えば、微粉化した固体、鉱油、野菜若しくは動物起源の油、変性した野菜若しくは動物起源の油、有機溶媒、水、表面活性物質又はこれらの組合せと共に配合することができる。
【0141】
有効成分はまた、微細マイクロカプセル中に含有することができる。マイクロカプセルは、多孔性担体中に有効成分を含有する。これは、有効成分が制御された量で環境中へと放出されることを可能とする(例えば、持続放出)。マイクロカプセルは通常、0.1~500ミクロンの直径を有する。これらは、カプセル重量の約25~95重量%の量で有効成分を含有する。有効成分は、一体化した固体の形態、固体若しくは液体分散物中の細かい粒子の形態、又は適切な溶液の形態でよい。封入膜は、例えば、天然若しくは合成ゴム、セルロース、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン又は化学修飾されたポリマー及びデンプンキサンテート又は当業者には公知の他のポリマーを含むことができる。代わりに、微細マイクロカプセルを形成させることができ、ここでは、有効成分はベース物質の固体マトリックス中の微粉化した粒子の形態で含有されるが、マイクロカプセルはそれら自体はカプセル化されていない。
【0142】
本発明による組成物の調製に適した配合アジュバントは、それ自体公知である。液体担体として、水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物性油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、ブチレンカーボネート、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、アビエチン酸ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール(diproxitol)、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、アルファ-ピネン、d-リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ-ブチロラクトン、グリセロール、酢酸グリセロール、二酢酸グリセロール、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキシド、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、酢酸オクチルアミン、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びより高い分子量のアルコール、例えば、アミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドンなどを使用し得る。
【0143】
適切な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、パイロフィライト粘土、シリカ、アタパルジャイト粘土、多孔質珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、綿実外皮、コムギ粉、ダイズ粉、軽石、木粉、粉砕したクルミ殻、リグニン及び同様の物質である。
【0144】
多数の表面活性物質は、固体及び液体配合物の両方、特に、使用前に担体で希釈することができるそれらの配合物中で有利に使用することができる。表面活性物質は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又はポリマーでよく、これらは乳化剤、湿潤剤若しくは懸濁化剤として、又は他の目的のために使用することができる。典型的な表面活性物質は、例えば、硫酸アルキルの塩、例えば、ジエタノールアンモニウムラウリルスルフェート;アルキルアリールスルホネートの塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール/アルキレンオキシド付加生成物、例えば、ノニルフェノールエトキシレート;アルコール/アルキレンオキシド付加生成物、例えば、トリデシルアルコールエトキシレート;セッケン、例えば、ステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホネートの塩、例えば、ナトリウムジブチルナフタレンスルホネート;スルホサクシネート塩のジアルキルエステル、例えば‘’ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えば、オレイン酸ソルビトール;第四級アミン、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ステアリン酸ポリエチレングリコール;酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマー;並びにモノ及びジアルキルリン酸エステルの塩;並びにまた、例えば、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual, MC Publishing Corp., Ridgewood New Jersey (1981)に記載されているさらなる物質を含む。
【0145】
殺有害生物性配合物中で使用することができるさらなるアジュバントは、結晶化阻害剤、粘度調節剤、懸濁化剤、染料、抗酸化剤、発泡剤、吸光剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和若しくはpH調節物質及び緩衝液、腐食防止剤、芳香剤、湿潤剤、吸収増強剤、微量栄養素、可塑剤、流動促進剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、不凍剤、殺菌薬、並びに液体及び固体肥料を含む。
【0146】
本発明による配合物は、野菜若しくは動物起源の油、鉱油、このような油のアルキルエステル、又はこのような油の混合物、及び油誘導体を含む添加物を含むことができる。本発明による組成物中の油添加物の量は一般に、施用される混合物をベースとして0.01~10%である。例えば、噴霧混合物を調製した後で、油添加物を望ましい濃度で噴霧タンクに加えることができる。好ましい油添加物は、鉱油又は野菜起源の油、例えば、ナタネ油、オリーブ油又はヒマワリ油、乳化植物性油、野菜起源の油のアルキルエステル、例えば、メチル誘導体、又は動物起源の油、例えば、魚油又は牛脂を含む。好ましい油添加物は、C8~C22脂肪酸のアルキルエステル、特に、C12~C18脂肪酸のメチル誘導体、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステル(それぞれ、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル及びオレイン酸メチル)を含む。多くの油誘導体は、the Compendium of Herbicide Adjuvants, 10th Edition, Southern Illinois University, 2010から公知である。
【0147】
配合物は一般に、0.1~99重量%、特に、0.1~95重量%の化合物(A)及び(B)と、好ましくは、0~25重量%の表面活性物質を含む1~99.9重量%の配合アジュバントとを含む。市販の製品は、好ましくは、濃縮物として配合し得る一方で、最終使用者は、希薄な配合物を通常用いる。
【0148】
施用の割合は広範な限度内で変化し、土壌の性質、施用の方法、作物植物、防除する有害生物、優勢な気候条件、並びに施用の方法、施用の時間及び標的作物によって左右される他の要因によって決まる。一般的ガイドラインとして、化合物は、1~2000l/ha、特に、10~1000l/haの割合で施用し得る。
【0149】
好ましい配合物は、下記の組成物(重量%)を有することができ、ここで、用語「有効成分」は、組成物中の全ての有効成分の組合せの総重量%を指す。
【0150】
乳化性濃縮物:
有効成分:1~95%、好ましくは、60~90%
表面活性剤:1~30%、好ましくは、5~20%
液体担体:1~80%、好ましくは、1~35%
【0151】
粉剤:
有効成分:0.1~10%、好ましくは、0.1~5%
固体担体:99.9~90%、好ましくは、99.9~99%
【0152】
懸濁液濃縮物:
有効成分:5~75%、好ましくは、10~50%
水:94~24%、好ましくは、88~30%
表面活性剤:1~40%、好ましくは、2~30%
【0153】
水和剤:
有効成分:0.5~90%、好ましくは、1~80%
表面活性剤:0.5~20%、好ましくは、1~15%
固体担体:5~95%、好ましくは、15~90%
【0154】
粒剤:
有効成分:0.1~30%、好ましくは、0.1~15%
固体担体:99.5~70%、好ましくは、97~85%
【0155】
下記の例は、本発明をさらに例示するが、限定しない。
【0156】
【0157】
組合せを、アジュバントと完全に混合し、混合物を、適切なミルにおいて完全に粉砕し、水和剤を得て、これを水で希釈して、望ましい濃度の懸濁液を得ることができる。
【0158】
【0159】
組合せを、アジュバントと完全に混合し、混合物を、適切なミルにおいて完全に粉砕し、粉末を得て、これを種子処理のために直接的に使用することができる。
【0160】
【0161】
植物保護において使用することができる任意の必要とされる希釈度のエマルジョンは、水による希釈によってこの濃縮物から得ることができる。
【0162】
【0163】
すぐに使える状態の粉剤は、組合せと担体とを混合し、混合物を適切なミルにおいて粉砕することによって得られる。このような粉末はまた、種子のための乾燥粉衣のために使用することができる。
【0164】
【0165】
組合せをアジュバントと共に混合及び粉砕し、混合物を水で湿らせる。混合物を押し出し、次いで、空気流中で乾燥させる。
【0166】
【0167】
微粉砕した組合せを、ミキサー中でポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに均一に加える。非粉末状のコーティングされた粒剤は、この様式で得られる。
【0168】
【0169】
微粉砕した組合せをアジュバントと密接に混合し、懸濁液濃縮物を得て、これから、水による希釈によって任意の望ましい希釈度の懸濁液を得ることができる。このような希釈を使用して、生きている植物及び植物繁殖材料は、噴霧、流し込み又は浸漬によって微生物による寄生に対して処理及び保護することができる。
【0170】
【0171】
微粉砕した組合せをアジュバントと密接に混合し、懸濁液濃縮物を得て、これから、水による希釈によって任意の望ましい希釈度の懸濁液を得ることができる。このような希釈を使用して、生きている植物及び植物繁殖材料は、噴霧、流し込み又は浸漬によって微生物による寄生に対して処理及び保護することができる。
【0172】
持続放出カプセル懸濁剤
28部の組合せを、2部の芳香族溶媒及び7部のジイソシアン酸トルエン/ポリメチレン-ポリフェニルイソシアネート混合物(8:1)と混合する。この混合物を、望ましい粒径が達成されるまで、1.2部のポリビニルアルコール、0.05部の消泡剤及び51.6部の水の混合物中で乳化する。このエマルジョンに、5.3部の水中の2.8部の1,6-ジアミノヘキサンの混合物を加える。重合反応が完了するまで混合物を撹拌する。得られたカプセル懸濁剤を、0.25部の増粘剤及び3部の分散化剤を加えることによって安定化する。カプセル懸濁剤配合物は、28%の有効成分を含有する。中位(medium)カプセル直径は、8~15ミクロンである。このように得られた配合物を、その目的のために適した装置において水性懸濁液として種子に施用する。
【0173】
本文献を通して、表現「組成物」は、例えば、単一の「調合済みの」形態における、単一の有効成分構成要素の別々の配合物から構成される合わせた噴霧混合物、例えば、「タンクミックス」における、及び逐次の様式で、すなわち、適度に短期、例えば、数時間又は数日で代わる代わる施用するときの単一の有効成分の合わせた使用における、構成要素(A)及び(B)の様々な混合物又は組合せを表す。構成要素(A)及び(B)を施用する順序は、本発明が機能するために必須ではない。
【0174】
用語「除草剤」は、本明細書において使用する場合、植物の成長を防除又は修正する化合物を意味する。用語「除草有効量」は、植物の成長に対して防除又は修正効果を生じさせることができる、このような化合物又はこのような化合物の組合せの量を意味する。防除又は修正効果は、自然な成り行きからの全ての逸脱、例えば、死滅、遅延、葉枯れ、白皮症、矮化などを含む。
【0175】
用語「生息地」は、本明細書において使用する場合、その中若しくはその上で植物が成長するか、又は栽培植物の種子がまかれるか、又は種子が土壌中に置かれるフィールドを意味する。これは、土壌、種子、及び苗木、並びに確立した植生を含む。
【0176】
用語「植物」は、種子、苗木、若木、根、塊茎、茎、柄、葉、及び果物を含めた植物の全ての物理的部分を指す。
【0177】
用語「植物繁殖材料」は、植物の全ての生殖部分、例えば、種子又は植物の成長部分、例えば、切り枝及び塊茎を示す。これは、厳密に言えば、種子、並びに根、果物、塊茎、球根、根茎、及び植物の部分を含む。
【0178】
用語「毒性緩和剤」は、本明細書において使用する場合、除草剤と組み合わせて使用されるとき、非標的生物に対する除草剤の望ましくない効果を低減させる化学物質を意味し、例えば、毒性緩和剤は、除草剤による損傷から作物を保護するが、除草剤が雑草を死滅させることを防止しない。
【0179】
本発明による組成物を使用することができる有用な植物の作物は、多年生及び一年生作物、例えば、液果植物、例えば、ブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー及びイチゴ;穀類、例えば、オオムギ、トウモロコシ(モロコシ)、キビ、カラスムギ、イネ、ライムギ、ソルガム、ライコムギ及びコムギ;繊維植物、例えば、ワタ、アマ、アサ、ジュート及びサイザル;畑作物、例えば、糖及び飼料用ビート、コーヒー、ホップ、マスタード、アブラナ(キャノーラ)、ポピー、サトウキビ、ヒマワリ、茶及びタバコ;果樹、例えば、リンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、サクランボ、柑橘類、ネクタリン、モモ、セイヨウナシ及びプラム;イネ科植物、例えば、バミューダグラス、イチゴツナギ、ベントグラス、センティピードグラス、ウシノケグサ、ドクムギ、イヌシバ及びノシバ;ハーブ、例えば、バジル、ルリジサ、チャイブ、コリアンダー、ラベンダー、ラベージ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ及びタイム;マメ科植物、例えば、マメ、レンズマメ、エンドウマメ及びダイズ;ナッツ、例えば、アーモンド、カシュー、ラッカセイ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン、ピスタチオ及びクルミ;ヤシ、例えば、油ヤシ;観賞植物、例えば、花、低木及び樹木;他の樹木、例えば、カカオ、ココナツ、オリーブ及びゴム;野菜、例えば、アスパラガス、ナス、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、キュウリ、ニンニク、レタス、マロー、メロン、オクラ、タマネギ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ダイオウ、ホウレンソウ及びトマト;並びにつる植物、例えば、ブドウを含む。
【0180】
作物は、自然に発生したものであるか、育種の従来の方法によって得られるか、又は遺伝子工学によって得られるものであると理解される。これらは、いわゆる、出力形質(例えば、改善された保存安定性、より高い栄養価及び改善されたフレーバー)を含有する作物を含む。
【0181】
作物は、除草剤、例えば、ブロモキシニル又は除草剤のクラス、例えば、ALS-、EPSPS-、GS-、HPPD-及びPPO-阻害剤に対して耐性とされたそれらの作物を含むとまた理解される。育種の従来の方法によって、イミダゾリノン、例えば、イマザモックスに対して耐性とされた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏セイヨウアブラナである。遺伝子工学法によって除草剤に対して耐性とされた作物の例は、例えば、商品名RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリフォセート及びグルホシネート抵抗性のトウモロコシ品種を含む。
【0182】
作物はまた、有害な昆虫に対して自然に抵抗性であるか、又は抵抗性とされているものであると理解される。これは、例えば、毒素を生み出す細菌から公知であるものなどの、例えば、1種若しくは複数の選択的に作用する毒素を合成することができる、組換えDNA技術の使用によって形質転換された植物を含む。発現することができる毒素の例は、δ-内毒素、植物性殺虫性タンパク質(Vip)、線虫にコロニーを作る細菌の殺虫性タンパク質、並びにサソリ、蛛形類動物、ハチ及び真菌によって産生される毒素を含む。
【0183】
バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現するように改変された作物の一例は、Bt maize KnockOut(登録商標)(Syngenta Seeds)である。殺虫剤抵抗性をコードし、このように、複数の毒素を発現する複数の遺伝子を含む作物の一例は、VipCot(登録商標)(Syngenta Seeds)である。作物又はその種子材料はまた、複数のタイプの有害生物に対して抵抗性であり得る(いわゆる、遺伝子改変によって生じたときのスタック・トランスジェニック事象)。例えば、植物は、殺虫性タンパク質を発現する能力を有することができる一方で、同時に除草剤耐性である。例えば、Herculex I(登録商標)(Dow AgroSciences、Pioneer Hi-Bred International)。
【0184】
本発明の組成物を典型的には使用して、多種多様の単子葉及び双子葉の雑草種を防除することができる。典型的には防除することができる単子葉種の例は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、ブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、ウスゲケイヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ホソムギ(Lolium perenne)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、キビ(Panicum miliaceum)、スズメノカタビラ(Poa annua)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)及びソルガム(Sorghum bicolor)を含む。防除することができる双子葉種の例は、イチビ(Abutilon theophrasti)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、シロザ(Chenopodium album)、ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla)、ヤエムグラ(Galium aparine)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、ホウキギ(Kochia scoparia)、ソバカズラ(Polygonum Convolvulus)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、ノガラシ(Sinapis arvensis)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、ハコベ(Stellaria media)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)及びオナモミ(Xanthium strumarium))を含む。
【0185】
本発明の全ての態様において、任意の特定の実施形態では、例えば、防除され、且つ/又は成長阻害される雑草は、1種若しくは複数の他の除草剤、例えば、HPPD阻害剤除草剤、例えば、メソトリオン、PSII阻害剤除草剤、例えば、アトラジン又はEPSPS阻害剤、例えば、グリフォセートに対して耐性又は抵抗性である単子葉若しくは双子葉の雑草でよい。このような雑草には、これらに限定されないが、抵抗性アマランサス属(Amaranthus)バイオタイプが含まれる。
【0186】
本発明の組成物はまた、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、成長調節剤、化学不妊化剤、信号化学物質、忌避物質、誘引物質、フェロモン、摂食刺激物質、又は多構成要素の殺有害生物剤を形成し、さらにより広範なスペクトルの農業保護を与える他の生物学的活性化合物を含めた、1種若しくは複数のさらなる殺有害生物剤と混合することができる。
【0187】
本発明の組成物は、上記の配合物中で有利に使用することができる(この場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と式(II)の化合物のそれぞれの混合物、又は毒性緩和剤がまた使用されるとき、式(I)の化合物と式(II)の化合物のそれぞれの混合物、及び毒性緩和剤に関する)。
【0188】
一般に、式(I)の化合物と式(II)の化合物の(重量による)混合比は、0.01:1~100:1、より好ましくは、0.05:1~20:1、さらにより好ましくは、0.1:1~20:1、最も好ましくは、0.2:1~20:1、例えば、1:4、0.3125:1、1:3、1:2、0.625:1、2:3、1:1、1.25:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、10:1及び20:1である。
【0189】
施用される本発明による組成物の量は、様々な要因、例えば、用いる化合物;処理の対象、例えば、植物、土壌若しくは種子;処理のタイプ、例えば、噴霧、散布若しくは種子粉衣;及び処理の目的、例えば、望まれない植物の選択的若しくは非選択的防除、及び/又は出芽前及び/若しくは出芽後雑草防除によって決まる。
【0190】
有用な植物、又はその生息地に施用されるとき、構成要素(A)は典型的には、50~2000g a.i./haの構成要素(B)に関連して、50~2000g a.i./ha、特に、100~1000g a.i./ha、より特定すると、300~500g a.i./ha、例えば、300、350、400、450又は500g a.i./haの割合で典型的には施用される。
【0191】
農業慣行において、本発明による組成物の施用割合は、望ましい効果のタイプによって決まり、典型的には、1ヘクタール当たり100~4000gの総組成物の範囲である。
【0192】
好ましくは、式(I)の化合物と毒性緩和剤の混合比は、100:1~1:10、特に、20:1~1:1である。
【0193】
本発明の化合物は、作物の植え付けの前若しくは後、雑草が出芽する前(出芽前施用)若しくは雑草が出芽した後(出芽後施用)に施用することができ、雑草へと出芽前に施用するとき特に有効である。
【0194】
毒性緩和剤及び本発明の組成物は、同時に施用することが可能である。例えば、毒性緩和剤及び本発明の組成物は、生息地に出芽前に施用してもよいか、又は作物に出芽後施用してもよい。毒性緩和剤及び本発明の組成物は、逐次的に施用することもまた可能である。例えば、毒性緩和剤は、種子処理として種子をまく前に施用してもよく、本発明の組成物は、生息地に出芽前に施用してもよいか、又は作物に出芽後に施用してもよい。
【0195】
本発明の特に好ましい組成物は、実施例において上で定義したような少なくとも1種の式(I)の化合物を含む。実施形態の1つのセットでは、本発明の組成物は、下記の表3において記載したようなA及びBを含む。
【0196】
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【表11-4】
【表11-5】
【表11-6】
【0197】
上記の表Xに記載されている組成物番号1~252のいずれか1つについてのA:Bの最も好ましい比の範囲は、0.2:1~20:1であり、且つ表Xに記載されている組成物番号1~252のそれぞれは、0.3125:1のA:Bの比、又は0.625:1のA:Bの比、又は1.25:1のA:Bの比、又は2.5:1のA:Bの比、又は5:1のA:Bの比、又は10:1のA:Bの比、又は20:1のA:Bの比で使用し得ることを当業者は認識する。
【0198】
ここで、本発明の様々な態様および実施形態が、例としてより詳細に例示される。本発明の範囲から逸脱せずに細部の変更を行うことができることが理解されよう。
【0199】
疑義を避けるために、文献参照、特許出願、又は特許が本出願の文章内に引用されている場合、前記引用の全文は参照により本明細書中に組み込まれている。
【実施例】
【0200】
式(I)の化合物についての調製例
実施例1 4-(3-クロロ-6-フルオロ-2-フェネチル-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オンの調製
【化23】
1.1 3-アリル-2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン
リチウムジイソプロピルアミドの溶液(テトラヒドロフラン中2M、3.6ml、7.2mmol)を、N
2下で-78℃に冷却した。2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン(1.0g、4.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液を、-78℃にて滴下で添加した。混合物を同じ温度にて45分間撹拌し、その後、臭化アリル(0.3ml、5.7mmol)で処理した。反応を-78℃にて2時間続け、次いで、室温に温めた。反応物を飽和NH
4Cl(水溶液)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機物を分離し、保持し、次いで、ブラインで洗浄した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、3-アリル-2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン(1.2g、100%)を油として得た。
【化24】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H:7.34-7.30(m,1H),7.01-6.96(m,1H),5.94-5.83(m,1H),5.10-5.00(m,2H),3.64-3.58(m,2H).
【0201】
1.2 2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸
2つ口フラスコ中の3-アリル-2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン(15.0g、60.1mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液を、-78℃に冷却した。1つの側管を、KIの水溶液を含有するトラップに連結した。出発材料が完全に消費されるまで(5時間)、オゾンを溶液に通して泡立たせた。空気を溶液に通して10分間泡立たせ、過剰なオゾンを除去した。硫化ジメチル(44ml、601mmol)を加え、混合物を室温に温めた。反応を室温にて16時間続けた。
【0202】
混合物をブライン(2×100mL)で洗浄し、有機層を保持した。有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)アセトアルデヒド(15.3g)を得て、これをそれ以上精製することなく次のステップのために使用した。
【0203】
粗2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)アセトアルデヒド(15.3g、60.8mmol)を、tert-ブタノール(92mL)及び水(46mL)の混合物に溶解し、次いで、0℃に冷却した。2-メチルブタ-2-エン(64.5mL、608mmol)、リン酸二水素ナトリウム(34.6g、243mmol)及び亜塩素酸ナトリウム(16.5g、163mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌し、次いで、ブライン(150mL)及び2Mの塩酸(150mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、メタ重亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)で洗浄し、次いで、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、淡黄色の固体を得た。粗固体を、水(100mL)及び2.0MのNaOH(30mL)の混合物に溶解した。水溶液を酢酸エチル(100mL)で洗浄し、有機物を廃棄した。濃塩酸(20mL)を加えることによって水層を酸性化し、白色の懸濁液の形成がもたらされた。混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸(8.0g、49%)を白色の固体として得た。
【化25】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ
H:12.79(br.s,1H),7.67-7.59(m,1H),7.39-7.31(m,1H),3.82(s,2H).
【0204】
1.3 2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-N-メチル-アセトヒドラジド
撹拌した2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸(2.0g、7.5mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液に0℃にて、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩[EDC・HCl](1.4g、9.0mmol)を加え、それに続いて、メチルヒドラジン(0.4ml、7.5mmol)を滴下で添加した。反応混合物の温度を0℃にて3時間維持した。次いで、反応物を水でクエンチし、ジクロロメタン中に抽出した。有機物を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させた。減圧下での濃縮によって、粗2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-N-メチル-アセトヒドラジド(1.8g、81%)を得て、これをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
【化26】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ
H:7.59(dd,J=8.9及び5.4,1H),7.30(t,J=8.9,1H),4.91(s,2H),4.10(br.s,2H),3.02(s,3H).
【0205】
1.4 2-{[2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-アセチル]-メチル-ヒドラゾノ}-プロピオン酸エチルエステル
撹拌した2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-N-メチル-アセトヒドラジド(1.8g、6.09mmol)のエタノール(5ml)溶液に、ピルビン酸エチル(0.7ml、6.7mmol)を滴下で添加した。反応物を80℃にて4時間加熱した。次いで、反応混合物を室温へと冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、所望の化合物2-{[2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-アセチル]-メチル-ヒドラゾノ}-プロピオン酸エチルエステル(1.8g、75%)をオフホワイト色の固体として得た。
【化27】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H:7.40-7.35(m,1H),7.04-6.98(m,1H),4.32(q,J=7.1,2H),4.24(s,2H),3.41(s,3H),2.32(s,3H),1.36(t,J=7.1,3H).
【0206】
1.5 4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
2-{[2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-アセチル]-メチル-ヒドラゾノ}-プロピオン酸エチルエステル(500mg、1.27mmol)をアセトニトリル(2.5ml)に溶解し、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン[DBU](0.47ml、3.2mmol)で処理した。マイクロ波照射を1時間使用して混合物を125℃へと加熱した。次いで、反応混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を水に溶解し、2Nの塩酸でpH1へと酸性化した。混合物をDCMで抽出し、有機物を分離し、ブライン溶液で洗浄した。有機溶液をNa
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗製物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(340mg、77.1%)をオフホワイト色の固体として得た。
【化28】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ
H:11.01(s,1H),7.77-7.73(m,1H),7.39(t,J=8.7,1H),3.58(s,3H),2.24(s,3H).
【0207】
1.6 [5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
撹拌した4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.4g、4.02mmol)のジクロロメタン(32ml)溶液に、室温にてトリエチルアミン(1.1ml、8.06mmol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン[DMAP](49mg、0.40mmol)及び塩化イソブチリル(0.6ml、4.83mmol)を加えた。
【0208】
完了したと判断すると、反応物をジクロロメタン及び水で希釈した。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗製物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、[5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(1.47g、87%)を得た。
【化29】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H:7.51-7.47(m,1H),7.10-7.05(m,1H),3.82(s,3H),2.60-2.55(m,1H),2.25(s,3H),1.02-0.98(m,6H).
【0209】
1.7 4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-スチリル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
固体K2CO3(298mg、2.16mmol)、trans-2-フェニルビニルボロン酸(213mg、1.43mmol)及びPdCl2(dppf)・DCM(118mg、0.143mmol)を、アルゴン雰囲気下に置いた。[5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(250mg、0.72mmol)の1,4-ジオキサン(4ml)溶液を加え、混合物を95℃にて18時間撹拌した。
【0210】
反応混合物を減圧下で直接蒸発させ、残渣を得て、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-スチリル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(160mg、72%)を得た。
【化30】
1H NMR(DMSO-d6)δ
H:10.8(s,1H),7.62(m,1H),7.37-7.24(m,6H),6.94(d,J=16.5,1H),6.57(d,J=16.5,1H),6.53(s,3H),2.18(s,3H).
【0211】
1.8 4-(3-クロロ-6-フルオロ-2-フェネチル-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
テトラヒドロフラン(10ml)中の4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-スチリル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(200mg、0.54mmol)及びPd/C(40mg)の撹拌した混合物を、バルーン圧力下で21時間、水素で処理した。
【0212】
触媒を濾過によって除去し、反応溶液を蒸発乾固した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、4-(3-クロロ-6-フルオロ-2-フェネチル-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(110mg、55%)を白色の固体として得た。
【化31】
1H NMR(DMSO-d6)δ
H:10.85(s,1H),7.57-7.53(m,1H),7.27-7.15(m,4H),7.0(d,J=7.2,2H),3.60(s,3H),2.73-2.50(m,4H),2.25(s,3H).
【0213】
実施例2 4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オンの調製
【化32】
2.1 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(4-フルオロフェニル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
[5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(0.50g、1.20mmol、1.0当量)[実施例1に記載されているように調製]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(27mg、0.030mmol、0.025当量)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(35mg、0.12mmol、0.1当量)の混合物を、脱気したトリエチルアミン(12mL)で処理した。1-フルオロ-4-ビニル-ベンゼン(0.43mL、0.44g、3.59mmol、3.0当量)を加え、混合物を95℃へと18.5時間加熱した。
【0214】
加熱を停止し、LC/MS分析によって、標的スチルベンへの高い変換が示された。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、celiteを通して濾過し、さらなるジクロロメタンで洗浄した。液状物を濃縮乾固した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソヘキサン)によって部分的に精製し、所望のスチルベン[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(4-フルオロフェニル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(0.36g、0.774mmol、65%収率)を無色のガムとして得た。
【化33】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H=7.45-7.41(m,1H),7.35-7.30(m,2H),7.04-6.98(m,3H),6.93(d,1H),6.61(d,1H),3.71(s,3H),2.64(sept,1H),2.23(s,3H),1.09(dd,6H).
【0215】
2.2 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(4-フルオロフェニル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(130mg、0.283mmol)を、テトラヒドロフラン(3mL)中で5%Pd/C触媒(60mg)上で3バールのH2にて接触水素化に供した。
【0216】
1.5時間後、LC/MSは、完全な反応を示した。反応混合物をceliteのパッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。液状物を真空中で濃縮し、粗残渣を得た。
【0217】
残渣をシリカ中に吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソヘキサン)によって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(85mg、65%収率)を無色のガムとして得た。
【化34】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H=7.42(dd,1H),7.11-7.06(m,2H),6.99(t,1H),6.97-6.90(m,2H),3.84(s,3H),2.86-2.68(m,4H),2.55(sept,1H),2.26(s,3H),0.98(dd,6H).
【0218】
2.3 4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(108mg、0.234mmol、1.0当量)を、エタノール(7.5mL)に溶解した。混合物を、水酸化リチウム(17mg、0.703mmol、3.0当量)の水(2.5mL)溶液で処理した。反応物を室温にて2時間撹拌した。
【0219】
LC/MSは、完全な変換を示した。反応混合物を真空中で濃縮し、エタノールを除去した。残存する水溶液を1MのHCl(30mL)で酸性化し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。
【0220】
フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソヘキサン)による精製によって、4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(83mg、91%収率)を白色の固体として得た。
【化35】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H=7.44(dd,1H),7.01-6.88(m,5H),5.91(br s,1H),3.73(s,3H),2.81-2.65(m 4H),2.30(s,3H).
【0221】
実施例3 4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オンの調製
【化36】
3.1 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
トリエチルアミン(12mL)に、2分間窒素を散布した。次いで、これを、[5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(1.65g、3.95mmol、1.0当量)[実施例1に記載されているように調製]、Pd
2(dba)
3(90mg、0.099mmol、0.025当量)及びトリtert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(115mg、0.40mmol、0.1当量)の混合物に加えた。2-(トリフルオロメチル)-5-ビニル-ピリジン(1.71g、9.88mmol、2.5当量)を加え、混合物を95℃にて6時間加熱した。
【0222】
混合物を室温へと冷却し、次いで、ジクロロメタン(20mL)で希釈した。混合物を塩酸(20mL、2.0M)で洗浄した。有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(1.41g、2.76mmol、70%収率)をオレンジ色の油として得た。
【化37】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δH:8.65(d,J=1.6,1H),7.87(dd,J=8.2及び2.1,1H),7.64(d,J=8.2,1H),7.47(dd,J=8.9及び5.0,1H),7.17(d,J=16.5,1H),7.08(t,J=8.7,1H),6.75(d,J=16.5,1H),3.71(s,3H),2.66(spt,J=7.0,1H),2.24(s,3H),1.11(d,J=7.0,3H),1.08(d,J=7.1,3H).
【0223】
3.2 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
テトラヒドロフラン(12mL)を、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(1.2g、2.4mmol、1.0当量)及び活性炭触媒上の10%パラジウム(0.25g)の混合物に窒素雰囲気下にて加えた。混合物を、4バールの水素で16時間水素化に供した。
【0224】
混合物をceliteを通して濾過し、さらなるテトラヒドロフランで洗浄し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(1.1g、91%収率)を無色の油として得た。
【化38】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δH:8.53(d,J=1.2,1H),7.69-7.63(m,1H),7.62-7.55(m,1H),7.44(dd,J=8.8及び5.1,1H),7.02(t,J=8.6,1H),3.86(s,3H),3.10-2.98(m,1H),2.97-2.81(m,2H),2.76-2.64(m,1H),2.55(spt,J=7.0,1H),2.26(s,3H),0.99(d,J=7.0,3H),0.95(d,J=7.0,3H).
【0225】
3.3 4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
水酸化リチウム(0.13g、5.3mmol、3.0当量)を、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(0.90g、1.8mmol、1.0当量)のエタノール(13mL)及び水(4.4mL)の混合物の溶液に加えた。混合物を室温にて2日間撹拌した。
【0226】
混合物を真空中で濃縮した。混合物を塩酸(6.0mL、2.0M)の添加によってpH1に酸性化し、沈殿物の形成がもたらされた。固体を濾過によって単離し、ジクロロメタン(40mL)に再溶解した。ジクロロメタン溶液をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製によって、不純な表題化合物を白色の泡として得た。材料を逆相カラムクロマトグラフィーによってさらに精製し、4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(0.232g、0.525mmol、30%収率)を白色の泡として得た。
【化39】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δH:8.30(s,1H),7.54(d,J=1.2,2H),7.37(dd,J=8.8及び5.1,1H),6.95(t,J=8.5,1H),3.69(s,3H),2.92-2.65(m,4H),2.28(s,3H).
【0227】
化合物1.001、1.002、1.012、1.018、1.024、1.042、1.048、1.054、1.060、1.066、1.089、1.095、1.125及び1.149は、上で記載したような一般的方法を使用して調製した。下記の表4は、これらの化合物の構造及びNMR特性決定データを示す。
【0228】
【0229】
式(I)の化合物についての生物学的有効性
B1 出芽後の有効性-試験1
種々の試験種の種子を、ポット中の標準的な土壌に播種する:-イヌホオズキ(Solanum nigrum)(SOLNI)、アオゲイトウ(Amaranthus retoflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)(ALOMY)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)。温室における制御された条件(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)下での栽培から8日後(出芽後)、0.5%のTween 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、CAS RN 9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の技術的な有効成分の製剤に由来する散布水溶液を植物に散布する。化合物を、250g/haで施用する。次に、試験植物を、温室における制御された条件(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)下で温室において成長させ、1日2回水をやる。13日後、植物に生じたダメージのパーセンテージについて試験を評価する。生物学的活性が、5段階評価で評価される(5=80~100%;4=60~79%;3=40~59%;2=20~39%;1=0~19%)。結果は下記の表5に示す。表中の空試験値は、化合物を該当する種について試験しなかったことを示す。
【0230】
【0231】
B2 出芽後の有効性-試験2
種々の試験種の種子(表B1を参照されたい)を、ポット中の標準的な土壌に播種した。制御条件下にてガラス温室において12日間の栽培の後(出芽後)(24/18℃又は20/16℃、昼間/夜間;16時間の照明;65%の湿度)、IF50に溶解した工業用有効成分(組成について表B2を参照されたい)の配合物に由来する噴霧水溶液を植物に噴霧し、アジュバント(Genapol XO80)を0.2%v/vの割合で噴霧溶液に加えた。
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施用の後、試験植物を(上記のような)制御条件下にてガラス温室において成長させ、1日2回水をやった。除草性活性を、施用15日後に0~100スケールで評価した。結果(ここで、0=試験植物に対して損傷なし、及び100=試験植物の全死滅である)を、表6~9において下記で示す。
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