(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】植物抽出組成物を作製するための方法
(51)【国際特許分類】
C07C 67/56 20060101AFI20231128BHJP
B01D 15/36 20060101ALI20231128BHJP
B01D 15/16 20060101ALI20231128BHJP
C07C 69/732 20060101ALI20231128BHJP
A23L 33/105 20160101ALN20231128BHJP
A23L 2/52 20060101ALN20231128BHJP
【FI】
C07C67/56
B01D15/36
B01D15/16
C07C69/732
A23L33/105
A23L2/52
(21)【出願番号】P 2021558658
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(86)【国際出願番号】 US2020026885
(87)【国際公開番号】W WO2020210161
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-01-28
(32)【優先日】2019-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】デーリング、スカイ
(72)【発明者】
【氏名】ガスパード、ダン エス.
(72)【発明者】
【氏名】モーテンソン、クリストファー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ザース、アダム ティー.
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-069324(JP,A)
【文献】特開2009-201473(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109212122(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105440091(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102617667(CN,A)
【文献】特開昭55-111768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カフェオイルキナ組成物を作製するための方法であって、
i)イエルバマテ(yerba mate)バイオマスまたはステビアバイオマスを第1の水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
ii)陰イオン交換固定相に前記初期抽出物を載せることと、
iii)10~50体積%の(C1-C4)アルカノールを含む第1の水性溶出組成物で前記固定相を溶出させて、第1の溶出液を得ることと、および
iv)60~80体積%の(C1-C4)アルカノールを含む第2の水性溶出組成物で前記固定相を溶出させて、カフェオイルキナ組成物を得ることと、を含み、
前記カフェオイルキナ組成物が、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及び前述のものの塩のうちの1つ以上を含み;
前記カフェオイルキナ組成物が、カフェオイルキナ組成物の乾燥重量に基づいて1重量%未満のカフェインまたはルチンを含み、カフェオイルキナ組成物はステップ(iv)後に脱色又は脱塩するステップなく80%を超える430nmでの透過率%を有する、方法。
【請求項2】
載せる前に、前記初期抽出物から固体を除去することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
載せる前に、濾過することによって、前記初期抽出物から固体を除去することを更に含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
モノカフェオイルキナ酸が、3-O-カフェオイルキナ酸、4-O-カフェオイルキナ酸、及び5-O-カフェオイルキナ酸のうちの1つ以上を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ジカフェオイルキナ酸が、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの1つ以上を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記固定相が、弱陰イオン交換固定相である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の水性組成物が、前記バイオマスと接触させる前に50~70℃に加熱される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記初期抽出物が、20~25℃で前記固定相と接触する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記初期抽出物が、1時間当たり1~2ベッド体積で前記固定相と接触する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記初期抽出物が、樹脂1リットル当たり最大40gのカフェオイルキナ組成物の比で前記固定相と接触する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の水性溶出組成物が、20~30体積%の(C1~C4)アルカノールを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
(C1~C4)アルカノールが、エタノールである、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記固定相が、少なくとも3ベッド体積の前記第1の水性溶出組成物で溶出される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記固定相が、20~25℃で前記第1の水性溶出組成物で溶出される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記固定相が、1時間当たり1~2ベッド体積の速度で、前記第1の水性溶出組成物で溶出される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の水性溶出組成物が、60~80体積%のエタノールを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の水性溶出組成物が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムからなる群から選択される塩を1~10%含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の水性溶出組成物が、0.5~1.0%のリン酸、塩酸、硫酸、酢酸、またはギ酸で酸性化される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記固定相が、少なくとも2ベッド体積の前記第2の水性溶出組成物で溶出される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の水性溶出組成物が、前記固定相を溶出させる前に40~50℃に加熱される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記カフェオイルキナ組成物が、0.01:1~1:1、0.1:1~0.5:1、1:1~10:1、3:1~10:1、3:1~5:1、又は3:2~4:1の、ジカフェオイルキナ酸及びその塩に対するモノカフェオイルキナ酸及びその塩の質量比を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
脱色するステップを更に含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
脱塩するステップを更に含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記カフェオイルキナ組成物を疎水性樹脂固定相に載せて、前記カフェオイルキナ組成物を脱塩することを更に含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の溶出液を乾燥させること、前記カフェオイルキナ組成物を乾燥させること、又は前記第1の溶出液およびカフェオイルキナ組成物を乾燥させることを更に含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記バイオマスが、イエルバマテ又はステビアである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記固定相が、弱陰イオン交換固定相である、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記バイオマスが、イエルバマテであり、前記第2の水性溶出組成物が、70%(v/v)のエタノール及び0.75%(w/v)のリン酸を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の溶出液が、ステビオール配糖体を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記バイオマスが、ステビアであり、前記第2の水性溶出組成物が、70%(v/v)のエタノール及び0.75%(w/v)のリン酸を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
イエルバ
マテバイオマスからカフェオイルキナ組成物を単離するための方法であって、
i)イエルバマテバイオマスを第1の水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
ii)弱陰イオン交換固定相に前記初期抽出物を載せることと
、
iii)10~50体積%のエタノールを含む水性エタノール組成物で前記弱陰イオン交換固定相を溶出させて、第1の溶出液を得ることと、および
iv)60~80体積%のエタノールを含む水性エタノール組成物で前記固定相を溶出させて、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及び前述のものの塩のうちの1つ以上を含み、カフェオイルキナ組成物の乾燥重量に基づいて1重量%未満のカフェインまたはルチンを含むカフェオイルキナ組成物を得ることと、を含み、カフェオイルキナ組成物はステップ(
iv)後に脱色又は脱塩するステップなく80%を超える430nmでの透過率%を有する方法。
【請求項32】
ステビアバイオマスからステビオール配糖体組成物及びカフェオイルキナ組成物を単離するための方法であって、
i)ステビアバイオマスを第1の水性組成物と接触させて、初期ステビア抽出物を得ることと、
ii)弱陰イオン交換固定相に前記初期ステビア抽出物を載せることと
、
iii)10%~50体積%のエタノールを含む水性エタノール組成物で前記弱陰イオン交換固定相を溶出させて、ステビオール配糖体組成物を含む第1の溶出液を得ることと、および
iv)60%~80体積%のエタノールを含む水性エタノール組成物で前記固定相を溶出させて、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及び前述のものの塩のうちの1つ以上を含み、カフェオイルキナ組成物の乾燥重量に基づいて1重量%未満のカフェインまたはルチンを含むカフェオイルキナ組成物を得ることと、を含み、
前記カフェオイルキナ組成物が、ステップ(iv)後に脱色又は脱塩するステップなく80%を超える430nmでの透過率%を有する、方法。
【請求項33】
カフェオイルキナ組成物が、前記モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及び前述のものの塩のうちの1つ以上を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中3重量%未満の合計のマロン酸塩、マロン酸、シュウ酸塩、シュウ酸、乳酸塩、乳酸、コハク酸塩、コハク酸、リンゴ酸塩、リンゴ酸、クエン酸塩、及びクエン酸を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.5重量%未満の合計の酒石酸塩、酒石酸、ピルビン酸塩、ピルビン酸、フマル酸塩、フマル酸、アスコルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸、酢酸塩、及び酢酸を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中1重量%未満の合計の硫酸塩、硫酸、リン酸塩、リン酸、硝酸塩、硝酸、亜硝酸塩、亜硝酸、塩化物、塩酸、アンモニア、及びアンモニウムを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、組成物中5重量%未満の合計のフラボノイド、イソフラボノイド、及びネオフラボノイドを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記フラボノイド、イソフラボノイド及びネオフラバノイドが、ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、フィセチン、ガランギン、イソラムネチン、パキポドール、ラムナジン、ピラノフラボノール、フラノフラボノール、ルテオリン、アピゲニン、タンゲリチン(tangeritin)、タキシフォリン、ジヒドロケルセチン、ジヒドロケンフェロール、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ゲニステイン、ダイゼイン及びグリシテイニン(glyciteinin)からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中5重量%未満の合計のヘスペリジン、ナリンギン、ルチン、クエルシトリン、ルテオリン配糖体、及びケルセチン-キシロシドを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中5重量%未満の合計のシアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、及びペツニジンを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中1重量%未満の合計のタンニン及びタンニン酸を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.1重量%未満の合計のアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中1重量%未満の合計のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中1重量%未満の合計の単糖類、二糖類、多糖類、グルコース、フルクトース、スクロース、ガラクトース、リボース、トレハロース、トレハルロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、イソマルツロース、マンノース、タガトース、アラビノース、ラムノース、キシロース、デキストロース、エリトロース、トレオース、マルトトリオース、及びパノセイン(panosein)を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中1重量%未満の合計の糖アルコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、イソマルト、及びイノシトールを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、1重量%未満の合計の食物繊維、アカシア(アラビア)ガム、寒天、アルギン-アルギン酸塩、アラビノキシラン、ベータ-グルカン、ベータマンナン、カラギーナンガム、イナゴマメ又はロカストビーンガム、フェヌグリークガム、ガラクトマンナン、ゲランガム、グルコマンナン又はコンニャクガム、グアーガム、ヘミセルロース、イヌリン、カラヤガム、ペクチン、ポリデキストロース、サイリウムハスク粘液、難消化性デンプン、タラガム、トラガカントガム、キサンタンガム、セルロース、キチン、及びキトサニン(chitosanin)を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.1重量%未満の合計のクロロフィル、フラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、及びトリゴネリンを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中1重量%未満の合計のカフェインを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項49】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中1重量%未満の合計のルチンを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.5重量%未満の合計のグリコシル化ウルソール酸及びグリコシル化オレアノール酸を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.5重量%未満の合計の揮発性有機化合物、テルペン、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニアール、アルファ-イオノン、ベータ-イオノン、エポキシ-イオノン、リモネン、リナロール、リナロール酸化物、ネロール、及びダマセノンを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項52】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.5重量%未満の合計の脂肪酸酸化生成物、デカノン、デセナール、ノネナール、オクテナール、ヘプテナール、ヘキセナール、ペンテナール、ペンテノール、ペンテノン、ヘキセノン、ヒドロキシノネナール、及びマロンジアルデヒドを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項53】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.01重量%未満の合計の多環芳香族炭化水素(PAH)を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
前記多環芳香族炭化水素(PAH)が、アセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(ghi)ペリレン、ベンゾ(k)フルオランテン、クリセン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ(1,2,3-cd)ピレン、ナフタレン、フェナントレン、及びピレンからなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
多環芳香族炭化水素(PAH)が、0.01重量%未満まで除去される、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記多環芳香族炭化水素(PAH)が、アセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(ghi)ペリレン、ベンゾ(k)フルオランテン、クリセン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ(1,2,3-cd)ピレン、ナフタレン、フェナントレン、及びピレンからなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
乾燥時の前記カフェオイルキナ組成物が、前記組成物中0.5重量%未満の合計の脂肪酸酸化生成物、デカノン、デセナール、ノネナール、オクテナール、ヘプテナール、ヘキセナール、ペンテナール、ペンテノール、ペンテノン、ヘキセノン、ヒドロキシノネナール、及びマロンジアルデヒドを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項58】
430nmでの透過率%が80%超であるように、色が除去される、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
b値が脱色及び/又は脱塩するステップなくCIE L*a*b*色空間上で4未満であるように、色が除去される、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
430nmでの透過率%が80%超であるように、色が除去される、請求項1~22および26~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
b値が脱色及び/又は脱塩するステップなくCIE L*a*b*色空間上で4未満であるように、色が除去される、請求項1、2、3および26~57のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年4月6日に出願され「Stevia Processing」と題された米国特許出願第62/830,448号、2019年4月10日に出願され「Methods For Making Botanical Extract Composition」と題された米国特許出願第62/832,273号、2019年4月4日に出願され「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題され、米国特許出願公開第2019/0223481号として2019年7月25日に公開された、米国特許出願第16/373,206号、2018年10月5日に出願され「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された国際出願PCT/US2018/054691号、2017年10月6日に出願され「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された米国特許仮出願第62/569,279号、2018年5月25日に出願され「Methods for Making Yerba Mate Extract Composition」と題された米国特許仮出願第62/676,722号、2018年10月5日に出願され「Methods for Making Yerba Mate Extract Composition」と題された国際出願PCT/US2018/054688号、2019年4月4日に出願され「Methods for Making Yerba Mate Extract Composition」と題され、米国特許出願公開第2019/0231834号として2019年8月1日に公開された、米国特許出願第16/374,894号の利益を主張する。これらの出願の各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
モノカフェオイルキナ酸(例えば、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、及びクリプトクロロゲン酸)、及びジカフェオイルキナ酸(例えば、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸)、並びにそれらの塩を含む組成物は、様々な植物源から調製され得る。モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩を含む組成物は、例えば有益な感覚特性を含む有益な特性を提供するために食用材料に組み込まれ得る。しかしながら、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩を含む組成物の植物調製物は、これらの植物調製物の使用を限定する異味又は他の望ましくない特性を有する化合物を含み得る。
【0003】
モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含む組成物の有益な特性のため、例えば、イエルバマテ(yerba mate)、ステビア、及びグローブアーティチョークから植物バイオマスなどの植物バイオマスからこれらの化合物を抽出するための方法における関心が、存在する。これらの化合物は、以下のモノカフェオイルキナ酸(例えば、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、及びクリプトクロロゲン酸)、及びジカフェオイルキナ酸(例えば、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸)、並びにそれらの塩を含むが、これらに限定されない。
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【0004】
化合物は、各々、高純度で単離され得る(例えば、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、及び99%超、又は約50%~約99%、約60%~約90%、約80%~約95%、若しくは約70%~約99%以上)。更に、本明細書に記載される方法によって得られたモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物が、それらが単離される植物バイオマスに対して実質的に同じ重量量及び/又は実質的に同じ重量比のモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩を含み得るように、本明細書に記載される方法は、目的の化合物を単離するための能力を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面は、一般に、限定の手段によらないが、例の手段によって、本明細書で考察される様々な実施形態を例示する。
【0006】
【
図1】
図1は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例のフロー図である。
【0007】
【
図2】
図2は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の別の例のフロー図である。
【0008】
【
図3】
図3は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例のフロー図である。
【0009】
【
図4A】
図4Aは、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の別の例のフロー図である。
【0010】
【
図4B】
図4Bは、イエルバマテバイオマスから、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の別の例のフロー図である。
【0011】
【
図4C】
図4Cは、イエルバマテバイオマスから、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の別の例のフロー図である。
【0012】
【
図5】
図5は、初期イエルバマテ抽出物のUHPLC-UVクロマトグラムであり、濃縮物は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上で調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することに続いて、かつ乾燥後に、本明細書に記載されるステップ(a)~(h)に記載されるプロセスに続いて得られ、「DCQA」は、「ジカフェオイルキナ酸」を指す。
【
図6】
図6は、初期イエルバマテ抽出物のUHPLC-UVクロマトグラムであり、濃縮物は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上で調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することに続いて、かつ乾燥後に、本明細書に記載されるステップ(a)~(h)に記載されるプロセスに続いて得られ、「DCQA」は、「ジカフェオイルキナ酸」を指す。
【
図7】
図7は、初期イエルバマテ抽出物のUHPLC-UVクロマトグラムであり、濃縮物は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上で調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することに続いて、かつ乾燥後に、本明細書に記載されるステップ(a)~(h)に記載されるプロセスに続いて得られ、「DCQA」は、「ジカフェオイルキナ酸」を指す。
【0013】
【
図8】
図8は、それぞれ、
図5~
図7に示されるUHPLC-UVクロマトグラフについてのピーク名、保持時間、及び相対面積パーセントデータを表形式で示す表である。
図8は、初期イエルバマテ抽出物についてのデータの表である。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で49.7%の純度である。
図9は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上で調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することに続いて得られた濃縮物についてのデータの表である。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で87.1%の純度である。
図10は、本明細書に記載されるステップ(a)~(h)に記載されるプロセスに続く乾燥後のデータであり、「DCQA」は、「ジカフェオイルキナ酸」を指す。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で93.2%の純度である。
【
図9】
図9は、それぞれ、
図5~
図7に示されるUHPLC-UVクロマトグラフについてのピーク名、保持時間、及び相対面積パーセントデータを表形式で示す表である。
図8は、初期イエルバマテ抽出物についてのデータの表である。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で49.7%の純度である。
図9は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上で調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することに続いて得られた濃縮物についてのデータの表である。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で87.1%の純度である。
図10は、本明細書に記載されるステップ(a)~(h)に記載されるプロセスに続く乾燥後のデータであり、「DCQA」は、「ジカフェオイルキナ酸」を指す。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で93.2%の純度である。
【
図10】
図10は、それぞれ、
図5~
図7に示されるUHPLC-UVクロマトグラフについてのピーク名、保持時間、及び相対面積パーセントデータを表形式で示す表である。
図8は、初期イエルバマテ抽出物についてのデータの表である。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で49.7%の純度である。
図9は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上で調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することに続いて得られた濃縮物についてのデータの表である。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で87.1%の純度である。
図10は、本明細書に記載されるステップ(a)~(h)に記載されるプロセスに続く乾燥後のデータであり、「DCQA」は、「ジカフェオイルキナ酸」を指す。標的化合物の合計は、210nmでのUV吸光度で93.2%の純度である。
【0014】
【
図11】
図11は、ステビアバイオマスの調製を示す。負荷フロースルー中、洗浄(第1の溶出)、第2の溶出、及びカラム再生における、初期抽出物中のステビオール配糖体及びカフェオイルキナ酸の量が、示される。
【0015】
本明細書及び図面における参照文字の繰り返し使用は、数字が図ごとに100増加したとしても、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すように意図される(例えば、
図1における乾燥操作120は、それぞれ、
図2~4における乾燥操作220、320、及び420と類似しているか、又は同じである)。本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれる多くの他の修正及び例は当業者によって考案され得ることを、理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、開示される主題のある特定の実施形態が詳細に参照され、その例は、添付の図面に部分的に例示される。開示される主題は、列挙される請求項と共に説明されるが、例示される主題は、当該請求項を開示される主題に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0017】
本開示は、一般に、植物バイオマスから、モノカフェオイルキナ酸(例えば、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、及びクリプトクロロゲン酸)、及びジカフェオイルキナ酸(例えば、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸)、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製する方法に関する。モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸は弱酸とみなされ得るため、それらは、各々、それらの共役酸形態、共役塩基形態(例えば、それらの塩形態)、及び化合物の画分(例えば、モル画分)が共役酸形態で存在し、別の画分が共役塩基形態で存在する、混合した共役酸-共役塩基形態のうちの少なくとも1つで存在できる。モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸についての共役酸形態対共役塩基形態の画分は、各化合物のpKa及び組成物のpHを含む様々な因子に依存することになる。
【0018】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸の塩の例は、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸の四級アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、及びカルシウム塩などを含むが、これらに限定されない。
モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩を含む組成物の例示的な植物源
【0019】
モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含む組成物は、植物は、例えば、植物の葉及び茎を含むがこれらに限定されない植物源から調製及び/又は単離され得る。表1は、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含有する可能性がある植物源の例であり、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含む組成物を調製するためにバイオマスとして用いられ得る植物の属を提供する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0020】
いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含む組成物は、表1に定められるものなどの植物源から単離され得る。モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含む組成物からの商業的に有用な植物源の例は、単離され得、イエルバマテ(Ilex paraguariensis)、ステビア、コーヒー、茶、チコリ、及びグローブアーティチョークを含み得る。いくつかの植物源は、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上について富化されるそれらの塩を含む組成物を生成し得る。例えば、イエルバマテ植物から単離されたモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含む組成物は、ジカフェオイルキナ酸について富化され得る。他の態様では、ジカフェオイルキナ酸について富化されるイエルバマテ植物から単離されたモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩を含む組成物は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、又は50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、又は90%以上の、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。
【0021】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例であって、方法が、
(a)イエルバマテバイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(b)初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
(c)第2の初期抽出物の体積を水性組成物で調整して、調整された第2の初期抽出物を得ることと、
(d)イオン交換クロマトグラフィー固定相上で、調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
(e)イオン交換クロマトグラフィー固定相を溶出させて、溶媒を含む第1の溶出液を得ることと、
(f)溶媒を除去して、濃縮物を形成することと、
(g)濃縮物を濾液及び残余分のうちの少なくとも1つに対して脱色及び脱塩することのうちの少なくとも1つと、を含む、例。
【0022】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例であって、方法が、
(a)イエルバマテバイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(b)初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
(c)第2の初期抽出物の体積を水性組成物で調整して、調整された第2の初期抽出物を得ることと、
(d)イオン交換クロマトグラフィー固定相上で、調整された初期抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
(e)イオン交換固定相を溶出させて、溶媒を含む第1の溶出液を得ることと、
(f)溶媒を除去して、濃縮物を形成することと、
(g)濃縮物を脱色及び脱塩することのうちの少なくとも1つを行って、濾液及び残余分のうちの少なくとも1つを得ることと、
(h)濾液及び残余分のうちの少なくとも1つを乾燥させて、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることと、を含む、例。
【0023】
本明細書に記載される方法のステップ(a)は、イエルバマテバイオマスを水性組成物と接触させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩(例えば、四級アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、及びカルシウム塩)のうちの少なくとも1つを含む初期抽出物を得ることを伴う。
【0024】
水性組成物は、水を含み得るが、有機溶媒などのいずれの共溶媒も含有し得ない。しかし、水性組成物は、水に加えて共溶媒を含み得る。好適な共溶媒は、(C1~C4)アルカノール及び(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒を含む。(C1~C4)アルカノールによって、式(C1~C4)アルキル-OHのアルコールが意味され、「アルキル」は、結果として得られる(C1~C4)アルカノールが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソプロパノール、イソ-ブタノール、sec-ブタノール、及びt-ブタノールであるように、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、イソ-ブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルなどの1~4個の炭素原子を有する直鎖及び分岐状アルキル基を指す。(C1~C4)アルカノール又は(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒の割合は、水性組成物が、最大約30体積%、最大約40体積%、最大約50体積%、最大約60体積%、最大約70体積%、最大約80体積%、最大約90体積%、若しくは最大100体積%の有機溶媒を含み得、水性組成物が100体積%の有機溶媒を含む場合を除き、残部は水であるか、又は約30体積%~約100体積%、約50体積%~約100体積%、約60体積%~約90体積%、約30体積%~約60体積%、約40体積%~約60体積%、約30体積%~約50体積%、約40体積%~約50体積%、若しくは約50体積%であり得、残部は水であるように、任意の好適な割合であり得る。
【0025】
いくつかの例では、水性組成物は、リン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、酢酸塩などを含むがこれらに限定されない、任意の好適な緩衝系で緩衝され得る。緩衝液は、1~1000mMの陰イオンの範囲にあり得る。代替的には、塩酸、硫酸、硝酸などでpH5~6に酸性化された水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。代替的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの水酸化物でpH7~11に塩基性にされた純水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。更に他の例では、水性組成物の浸透ポテンシャルの平衡を保つ助けとなり得る好適な非イオン性溶質を添加することが、好適であり得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「イエルバマテバイオマス」は、一般に、イエルバマテ植物の葉、茎(stalk)、茎(stem)、頂部、根などを含む、Ilex paraguariensisなどのイエルバマテ植物の任意かつすべての部分を指す。イエルバマテバイオマスは、例えば、水性組成物との接触前かつ/又は接触中にイエルバマテバイオマスを切断することにより結果として得られる粉砕された形態におけるものを含む任意の好適な形態にあり得る。例えば、イエルバマテバイオマスは好適な容器において粉砕され得、水性組成物は粉砕されたイエルバマテバイオマスに添加され、したがって、イエルバマテバイオマスを「接触させる」ことができる。次いで、粉砕されたイエルバマテバイオマスは、好適な容器内で任意選択的に更に粉砕され得る。又は、イエルバマテバイオマスは、水性組成物が添加される好適な容器に配置され、したがって、イエルバマテバイオマスを「接触させる」ことができ、結果として得られる組成物は、粉砕され得る。
【0027】
イエルバマテバイオマスは、とりわけ、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの抽出を最大化するために、接触前かつ/又は接触中に、撹拌、超音波処理、又は他の方法で振盪され得る。
【0028】
初期抽出物は、粉砕されたイエルバマテ植物の葉、茎、頂部、根などが本明細書に記載される方法のステップ(b)において除去されるなどの、現状又はバルク固体又は存在する植物固体で、ステップ(c)へと遂行され得る。ステップ(b)が行われる際、第2の初期抽出物を得る。
【0029】
バルク固体は、遠心分離、浮遊物除去(skimming)、又は濾過を含む、任意の好適な方法によって除去され得る。例えば、初期抽出物は、フィルタが、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0030】
本明細書に記載される方法のステップ(c)は、初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積を、それぞれ、第1の水性組成物又は第2の水性組成物で調整して、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を得ることを伴う。第1及び第2の水性組成物は、異なり得るか、又は同じであり得る。調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物は、この時点で濾過され得るか、又は現状でステップ(d)へと遂行され得る。初期抽出物又は第2の初期抽出物は、フィルタが、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0031】
初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積は、とりわけ、調整されていない初期抽出物又は調整されていない第2の初期抽出物に対して、本明細書に記載される方法のステップ(d)で使用されるイオン交換クロマトグラフィーカラムに対する、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの結合を増加させるために、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を得るために十分な量の水性組成物(例えば、水)で調整され得る。
【0032】
初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積は、とりわけ、初期抽出物又は第2の初期抽出物に存在する際、有機溶媒の量を調整するように調整され得る。初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積は、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物が、約60体積%未満、約50体積%未満、約40体積%未満、約30体積%未満、約20体積%未満、約10%体積%未満、約5体積%未満、約1体積%未満、若しくは更には約0体積%の有機溶媒を含み、残部が水であるか、又は約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、若しくは約35体積%の有機溶媒を含み、残部は水であるように、調整され得る。
【0033】
本明細書に記載される方法のステップ(d)は、イオン交換固定相(例えば、弱陰イオン交換固定相)上で、調整された初期抽出物又は第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することを伴う。クロマトグラフィー処理は、バッチモードにおけるものを含むか、又はカラムを使用する、任意の好適な方法で実行され得る。クロマトグラフィー処理は、溶出液(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物)として水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)を用いて実行され得、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを弱イオン交換クロマトグラフィーカラムに吸着されるようにし、一方で、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、及びルチン(ルトシド、ケルセチン-3-O-ルチノシド、及びソホリンとしても知られる)
【化2】
並びにそれらの異性体を含む他の化合物を溶出させる。本明細書に記載される方法のステップ(d)は、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つの濃度を、1質量%未満、0.5質量%未満、0.1質量%未満、0.05質量%未満、0.01質量%未満、又は0.001質量%未満の濃度まで減少し得る。したがって、本開示は、0.1質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つを含む、イエルバマテ抽出物を企図する。本開示は、0.5質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの各々1つと、組み合わせて約1質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体と、を含む、イエルバマテ抽出物も企図する。本開示は、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つを効果的に含まない(例えば、カフェインを含まず、クエルシトリンを含まず、アストラガリンを含まず、アビクラリンを含まず、ソフォリコシドを含まず、ルチンを含まず、ルチン異性体を含まない、かつ/又はカフェイン、ルチン、及びルチン異性体を含まない)イエルバマテ抽出物も企図する。
【0034】
イオン交換固定相は、非限定的であり、任意の好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相であり得る。好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相の例は、ANX-SEPHAROSE(登録商標)高速流動樹脂、DEAE SEPHAROSE(登録商標)、DEAE SEPHADEX(登録商標)A25樹脂、AMBERLITE(登録商標)(FPA 53、FPA 55、CG-50タイプI、IRC-50、IRC-50S、及びIRP-64)、DIAION WA10、及びDOWEX(登録商標)CCR-3を含む。
【0035】
イオン交換クロマトグラフィー固定相は、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理前に、任意選択的に、水性組成物(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物などの水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)でプレコンディショニングされ得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムは、約2BV/hの流速で、約2以上のベッド体積(BV)でプレコンディショニングされ得る。
【0036】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意選択的に、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpH(例えば、樹脂/固定相のpH)が、約10未満、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下のpH、又は約2~約10、約3~約8、約5~約9、約2~約6、約3~約4、若しくは約3~約6のpHであるように、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意の好適な酸(例えば、塩酸)を用いてクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に、カラムが任意選択的に(C1~C4)を含む水性組成物でプレコンディショニングされる前又は後に、調整され得る。
【0037】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHのプレコンディショニング及び/又は調整後、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物は、2BV/h(1時間当たりのベッド体積)を超える任意の速度でカラム上に負荷され得る。調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を負荷した後、カラムは、約2BV/hの速度などの任意の好適な速度で、(C1~C4)アルカノールを含む任意の好適な体積の水性組成物(例えば、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV又は少なくとも約4BVの水性組成物)を用いて洗浄され得る。(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積は、とりわけ、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体を含有するため、廃棄され得る。
【0038】
本明細書に記載される方法のステップ(e)は、吸着されたモノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムから溶出させて、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液を得ることを伴う。溶出させることは、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つをカラムから溶出させるのに好適な任意の条件下で実行される。
【0039】
モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるのに好適な条件の例は、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなど)を含む任意の好適な体積の溶液でカラムを溶出させることを含む。塩を含む溶液の例は、(C1~C4)アルカノール(例えば、約10体積%~約60体積%、約20体積%~約50体積%、約30体積%~約55体積%、約40体積%~約60体積%、又は約50体積%の(C1~C4)アルカノールを含む、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV又は少なくとも約4BVの水性組成物)を含む水性組成物に溶解した少なくとも1つの塩(例えば、約5重量%~約25重量%、約15重量%~約20重量%又は約5重量%~約10重量%の塩)を含む溶液を含む。
【0040】
カラムからモノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるための好適な条件の別の例は、酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、ギ酸など)を含む任意の好適な体積の溶液でカラムを溶出させることを含む。酸を含む溶液の例は、塩酸などを含む溶液、及び任意選択的に、約10体積%~約60体積%、約20体積%~約50体積%、約30体積%~約55体積%、約40体積%~約60体積%、又は約50体積%の(C1~C4)アルカノール)を含む水性組成物を含む酸溶液を含む。
【0041】
溶出させるステップから収集された、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液は、収集され、その後、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物を提供するための任意の好適な手段による、溶媒を除去すること(例えば、水及び(C1~C4)アルカノールを除去するための)によって濃縮され得る。溶媒除去は、不活性雰囲気下(例えば、窒素ガス雰囲気下)で達成され得る。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、不活性雰囲気下で溶媒除去を実行することは、イエルバマテバイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質の形成を低減できることが、考えられる。
【0042】
モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液は、溶媒を含む。溶媒は、乾燥するまでステップ(f)において除去され得るか、又は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が溶媒として残って(例えば、溶出液の元の全体積の約50%、約40%、約30%、約20%、約10%又は約5%)、濃縮物を形成する点まで除去され得るが、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を構成する成分の比は、吸着されたカフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるために使用された(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を構成する成分の比とは異なっていても異なっていなくてもよい。代替的には、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液中の溶媒は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が残る点まで除去され得、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物は、約10体積%未満、約5体積%未満、約2体積%未満又は約1体積%未満の(C1~C4)アルカノールを含む。
【0043】
カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物を形成するための、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液から溶媒を除去するための好適な条件は、溶出液の表面上に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を吹き込むことを含む。溶出液は、窒素ガスを吹き込む間に加熱され得るか、又は室温(例えば、25℃)であり得る。溶出液中の溶媒を除去するための他の条件は、溶出液を含む容器に真空を適用することを含む。真空は、室温で、又は容器を加熱しながら、溶出液と共に適用され得る。溶出液中の溶媒を除去するための更に他の条件は、溶出液を薄膜蒸発器又は撹拌された撹拌薄膜蒸発器に通して流すことを含む。
【0044】
濃縮物のpHは、pH調整された濃縮物を得るためにこの時点で調整され得るが、この時点でpHを調整することは、任意選択的である。例えば、濃縮物のpHは、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つが分解から保護されるpHに調整され得る。好適なpHは、約2~約6、約2~約5、約2~約4、約3~約5のpH又は約3.5のpHなどの、約6未満、約5未満、約4未満、約3未満又は約2未満のpHを含む。濃縮物のpHは、任意の好適な酸又は塩基を使用することによって調整され得る。酸が使用される際、酸は、塩酸などであり得る。
【0045】
濃縮物又はpH調整された濃縮物は、本明細書に記載される方法若しくは除去するステップ(f)において現状で扱われ得るか、又は濾過され得る。濃縮物又はpH調整された濃縮物は、任意の好適なフィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを使用して濾過され得る。いくつかの例では、pH調整された濃縮物は、濃縮物又はpH調整された濃縮物の体積に応じて、例えば、0.2μmの孔径を有するポリエーテルスルホン(PES)フィルタ、又はプリーツ(平膜、真空濾過)若しくはプリーツPES膜などの高分子膜を通して濾過され得る。
【0046】
モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物は、それが、pH調整されるか、濾過されるか、又はpH調整及び濾過の両方を行われるかに関わらず、乾燥するステップ(h)へと直接移され得るか、又は高度に着色し得る濃縮物のステップ(g)において脱塩/脱色すること(脱塩に続いて脱色すること、脱色に続いて脱塩すること、脱色するが脱塩しないこと、又は脱塩するが脱色しないことを含むいずれかの順序で)に提供され得る。脱塩/脱色することは、不活性雰囲気下(例えば、窒素ガス雰囲気下)で達成され得る。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、不活性雰囲気下で1つ以上のステップを実行することは、イエルバマテバイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質の形成を低減できることが、考えられる。
【0047】
濃縮物は、それが、pH調整されるか、濾過されるか、又はpH調整及び濾過の両方を行われるかに関わらず、限外濾過(例えば、分子量カットオフ膜、サイズ排除クロマトグラフィー又はゲル透過を通じて濾過すること)を含む任意の好適な手段によって脱色され得る。脱色することから濾液を得る。限外濾過は、とりわけ、高度に着色し得る濃縮物の脱色を達成する。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、限外濾過は、イエルバマテバイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質を除去することが、考えられる。
【0048】
脱色することからの濾液は、乾燥するステップ(h)へと扱われるか、又はステップ(g)で脱塩され得る。代替的には、濃縮物は、pH調整されるか、濾過されるか、又はpH調整及び濾過の両方を行わるかに関わらず、第1の脱色なしに脱塩され得る。それにもかかわらず、脱塩することは、ナノ濾過膜及び疎水性樹脂を使用して達成され得る。当業者は、ナノ濾過膜及び疎水性樹脂を使用する際に、透過液を廃棄し残余分を維持することを、認識するであろう。一実施例では、脱塩は、約20体積%未満の(C1~C4)アルカノールを含むpH調整された濃縮物(例えば、約2未満pHを有する酸性化された濃縮物)を負荷するであろう疎水性樹脂(例えば、SEPABEADS(商標)SP70などの多孔性ポリジビニルベンゼン/エチルビニルベンゼンマトリックス)を使用して達成され得る。次いで、樹脂は、希釈アルコール(例えば、残部が約2未満のpHを有する水である、約10体積%未満の(C1~C4)アルカノール)を用いて洗浄され、次いで、約70体積%の(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物で水中に溶出されて、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む脱塩された第2の溶出液を得る。
【0049】
脱塩することがステップ(g)において脱色することに先行する場合、脱塩するステップからの透過液中の溶媒は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が溶媒として残って(例えば、溶出液の元の全体積の約50%、約40%、約30%、約20%、約10%又は約5%)、第1の脱塩濃縮物を形成する点まで除去され得る。代替的には、脱塩することからの透過液中の溶媒は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が残る点まで除去されて、第2の脱塩濃縮物を得ることができ、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物は、約10体積%未満、約5体積%未満、約2体積%未満又は約1体積%未満の(C1~C4)アルカノールを含む。第1の脱塩濃縮物は、第1の脱塩濃縮物が約10体積%未満、約5体積%未満、約2体積%未満又は約1体積%未満の(C1~C4)アルカノールも有するように、第2の脱塩濃縮物の属性も有し得る。
【0050】
カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1/第2の脱塩濃縮物を形成するための、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む透過液から溶媒を除去するための好適な条件は、溶出液の表面上に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を吹き込むことを含む。透過液は、窒素ガスを吹き込む間に加熱され得るか、又は室温(例えば、25℃)であり得る。溶出液中の溶媒を除去するための他の条件は、透過液を含む容器に真空を適用することを含む。真空は、室温で、又は容器を加熱しながら、透過液と共に適用され得る。透過液中の溶媒を除去するための更に他の条件は、透過液を薄膜蒸発器又は撹拌された撹拌薄膜蒸発器に通して流すことを含む。
【0051】
別の実施例では、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物は濾紙を通して濾過されて、第1の濾液を得ることができ、第1の濾液は限外濾過されて、第2の濾液を得、第2の濾液はナノ濾過膜を使用してナノ濾過されて、第1の残余分を得るか、又は第2の濾液は疎水性樹脂を通して溶出されて、脱塩された第2の溶出液を得る。別の実施例では、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物は濾紙を通して濾過されて、第1の濾液を得ることができ、第1の濾液はナノ濾過膜を使用してナノ濾過されて、第3の残余分を得るか、又は第1の濾液は疎水性樹脂を通して溶出されて、脱塩された第2の溶出液を得、第3の残余分又は脱塩された第2の溶出液は限外濾過されて、第3の濾液を得る。
【0052】
本明細書で言及されるように、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液は、濃縮乾固され得るか、又は(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が残る点まで濃縮され得る。溶出液が濃縮乾固される場合、乾燥材料は、例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を使用して再構成され得る。次いで、再構成された材料は、本明細書に記載されるように、とりわけ、脱塩及び脱色のうちの少なくとも1つを行うために濾過され得る。
【0053】
本明細書に記載される方法は、第1の残余分、脱塩された第2の溶出液又は第3の濾液を乾燥させて、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることを伴うステップ(h)を含み得る。第1の残余分、脱塩された第2の溶出液又は第3の濾液は、凍結乾燥又は噴霧乾燥によるものを含む任意の好適な様式で乾燥され得る。
【0054】
図1~
図4は、例示的な植物源としてイエルバマテ及びステビアを使用するプロセスを定める。
図1は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法100のフロー図である。操作102では、イエルバマテバイオマスは、好適な容器(例えば、ガラス瓶)中に50%のエタノール/水を含む水性組成物と1時間接触されて(1.5Lの溶媒中300gのイエルバマテバイオマス)、初期抽出物を得る。操作104では、初期抽出物は、例えば、Whatman 54低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して濾過される。操作106では、濾過された初期抽出物の体積は、水性組成物、この場合は水で調整されて、より低い割合のエタノール、この場合は35体積%のエタノールを含有する調整され濾過された初期抽出物を得る。操作108では、調整された濾過初期抽出物は、例えば、Whatman 44低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して再濾過され得る。操作110では、調整され濾過された初期抽出物は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上でクロマトグラフィー処理される。例えば、AMBERLITE(登録商標)FPA 53樹脂は、ガラス製のカラムに充填される。樹脂は、35%のエタノール(2BV/hで2BV)でプレコンディショニングされる。調整された濾過初期抽出物は、樹脂上に負荷され(2BV/h)、負荷透過液を廃棄する。樹脂は、35%のエタノール(2BV/hで4BV)を用いて洗浄され、洗浄透過液を廃棄する。カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つは、50%のエタノール/水、10%のFCC塩化ナトリウム(4BV、0.5BV/h)で溶出され、透過液は維持される。カラム/樹脂は、任意選択的に、水(4BV、2BV/h)で再生され得る。操作112では、溶出液/透過液は濃縮されて、濃縮物を形成する。この場合、窒素ガスを、体積体積が溶出液/透過液の初期体積のおよそ3分の1になり、かつ/又はエタノールが溶出液/透過液中で1%未満になるまで、溶出液/透過液の上部の上に2日間吹き込み、したがって、濃縮物を得た。操作114では、濃縮物は、およそ3.5のpHに酸性化され、次いで、ブフナー漏斗上のWhatman 44濾紙を通して、続いて0.2μmのポリエーテルスルホン(PES)フィルタによって濾過される。操作116では、濾過濃縮物は、分子量カットオフ膜(MWCO;例えば、3kDa TURBOCLEAN(登録商標)NP010などの10kDA超の分子量を有する材料を除去するMWCO膜)を使用して、とりわけ、濾過濃縮物を脱色し透過液を得るために脱色される。操作118では、透過液はナノ濾過膜(例えば、TRISEP(登録商標)XN45膜)を通して濾過され、その後、残余分は操作120で乾燥されて、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得る。
【0055】
図2は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法200のフロー図である。操作202では、イエルバマテバイオマスは、好適な容器(例えば、ガラス瓶)中に50%のエタノール/水を含む水性組成物と1時間接触されて(1.5Lの溶媒中300gのイエルバマテバイオマス)、初期抽出物を得る。操作204では、初期抽出物は、例えば、Whatman 54低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して濾過される。操作206では、濾過された初期抽出物の体積は、水性組成物、この場合は水で調整されて、より低い割合のエタノール、この場合は35体積%のエタノールを含有する調整され濾過された初期抽出物を得る。操作208では、調整された濾過初期抽出物は、例えば、Whatman 44低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して再濾過され得る。操作210では、調整され濾過された初期抽出物は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上でクロマトグラフィー処理される。例えば、AMBERLITE(登録商標)FPA 53樹脂は、ガラス製のカラムに充填される。樹脂は、35%のエタノール(2BV/hで2BV)でプレコンディショニングされる。調整された濾過初期抽出物は、樹脂上に負荷され(2BV/h)、負荷透過液を廃棄する。樹脂は、35%のエタノール(2BV/hで4BV)を用いて洗浄され、洗浄透過液を廃棄する。カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つは、50%のエタノール/水、10%のFCC塩化ナトリウム(4BV、0.5BV/h)で溶出され、透過液は維持される。カラム/樹脂は、任意選択的に、水(4BV、2BV/h)で再生され得る。操作212では、溶出液/透過液は濃縮されて、濃縮物を形成し、体積は溶出液/透過液の初期体積のおよそ3分の1であり、かつ/又はエタノールは溶出液/透過液中で1%未満であり、したがって、濃縮物を得る。操作214では、濃縮物は、およそ1のpHに酸性化され、次いで、ブフナー漏斗上のWhatman 44濾紙を通して、続いて0.2μmのポリエーテルスルホン(PES)フィルタによって濾過される。操作218では、濃縮物は、疎水性樹脂(例えば、SEPABEADS(商標)SP70などの多孔性ポリジビニルベンゼン/エチルビニルベンゼンマトリックス)を使用して脱塩され、残余分中の溶媒は、操作217で除去される。操作216では、脱塩濃縮物は、分子量カットオフ膜(MWCO;例えば、3kDa TURBOCLEAN(登録商標)NP010などの10kDA超の分子量を有する材料を除去するMWCO膜)を使用して、とりわけ、濾過濃縮物を脱色し透過液を得るために脱色され、その後、操作220で乾燥されて、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得る。
【0056】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の別の例であって、方法が、
(i)イエルバマテバイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(ii)初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
(iii)第2の初期抽出物を酸性化された酢酸エチルと接触させて、酸性酢酸エチル抽出物を得ることと、
(iv)酸性酢酸エチル抽出物を中和して、中和酢酸エチル及び水性抽出物を得ることと、
(v)水性抽出物を脱色して、脱色された水性抽出物を得ることと、
(vi)脱色された水性抽出物を乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることと、を含む、例。
【0057】
ステップ(i)、(ii)、及び(vi)は、ステップ(a)、(b)、及び(h)について本明細書に記載されるように実行される。ステップ(v)は、ステップ(v)が、分子量カットオフ膜を通して濾過することを含む限外濾過、サイズ排除クロマトグラフィー、及びゲル透過などの脱色プロセスのみを伴うことを除いて、濾過ステップ(g)と類似している。したがって、ステップ(a)、(b)、(g)、及び(h)に関する開示は、ステップ(i)、(ii)、(v)、及び(vi)に適用される。
【0058】
本明細書に記載される方法のステップ(i)は、イエルバマテバイオマスを水性組成物と接触させて、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む初期抽出物を得ることを伴う。
【0059】
水性組成物は、水を含み得るが、有機溶媒などのいずれの共溶媒も含有し得ない。しかし、水性組成物は、水に加えて共溶媒を含み得る。好適な共溶媒は、(C1~C4)アルカノール及び(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒を含む。(C1~C4)アルカノール又は(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒の割合は、水性組成物が、最大約30体積%、最大約40体積%、最大約50体積%若しくは最大約60体積%の有機溶媒を含み得、残部は水であるか、又は、約30体積%~約60体積%、約40体積%~約60体積%、約30体積%~約50体積%、約40体積%~約50体積%、若しくは約50体積%の有機溶媒を含み得、残部は水であるような、任意の好適な割合である。
【0060】
いくつかの例では、水性組成物は、リン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、酢酸塩などを含むがこれらに限定されない、任意の好適な緩衝系で緩衝され得る。緩衝液は、1~1000mMの陰イオンの範囲にあり得る。代替的には、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などでpH5~6に酸性化された水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。代替的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの水酸化物でpH7~11に塩基性にされた純水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。更に他の例では、水性組成物の浸透ポテンシャルの平衡を保つ助けとなり得る好適な非イオン性溶質を添加することが、好適であり得る。
【0061】
イエルバマテバイオマスは、とりわけ、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの抽出を最大化するために、ステップ(i)の接触前かつ/又は接触中に、撹拌、超音波処理、又は他の方法で振盪され得る。
【0062】
初期抽出物は、粉砕されたイエルバマテ植物の葉、茎、頂部、根などが本明細書に記載される方法のステップ(ii)において除去されるなどの、現状又はバルク固体又は存在する植物固体で、ステップ(iii)へと遂行され得る。ステップ(ii)が行われる際、第2の初期抽出物を得る。
【0063】
バルク固体は、遠心分離、浮遊物除去、又は濾過を含む、任意の好適な方法によって除去され得る。例えば、初期抽出物は、フィルタが、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0064】
ステップ(iii)を実施する前に、任意選択的に、初期又は第2の初期抽出物のpHを好適な酸で調整できる。(例えば、塩酸など)又は好適な塩基(例えば、水酸化ナトリウム)を、約4~約7のpH。次いで、pH調整された初期又は第2の初期抽出物は、本明細書に記載されるように予め酸性化されていない酢酸エチルで抽出される。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、初期又は第2の初期抽出物のpHが約4~約7に調整される際、水層に目的の化合物(例えば、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩)を維持しながら、ある特定の不純物を酢酸エチル中に抽出することは可能であることが、考えられる。
【0065】
本明細書に記載される方法のステップ(iii)は、第1又は第2の初期抽出物を酸性化された酢酸エチルと接触させて、酸性酢酸エチル抽出物を得ることを伴う。酸性化された酢酸エチルは、塩酸、硫酸、及び氷酢酸(例えば、0.01~1%体積/体積)を含む任意の好適な酸を添加することによるものを含む、任意の好適な様式で調製され得る。酸性酢酸エチル抽出物は、水を用いて洗浄される(例えば、1:1体積/体積の水で3回)。これらの条件下では、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つは、実質的にそれらの共役酸形態にあり、酸性酢酸エチル抽出物が水で洗浄される際に形成する酸性酢酸エチル層内に実質的に存在することになる。水層は廃棄され、酸性酢酸エチル抽出物はステップ(iv)に進められる。
【0066】
本明細書に記載される方法のステップ(iii)は、本明細書に記載されるように予め酸性化されていない酢酸エチルを使用することによるが、代わりに、初期又は第2の初期抽出物のpHを好適な酸で調整することによるものを含む、他の好適な方法で行われ得る。(例えば、塩酸など)、次いで、予め酸性化されていない酢酸エチルでpH調整された初期又は第2の初期抽出物を抽出する。初期抽出物又は第2の初期抽出物のpHを調整するために使用される酸に関わらず、初期抽出物又は第2の初期抽出物のpHは、約4以下、3以下、約2以下、又は約1以下に調整される。水層は廃棄され、生じる酸性酢酸エチル抽出物はステップ(iv)に進められる。
【0067】
本明細書に記載される方法のステップ(iv)は、酸性酢酸エチル抽出物を中和して、中和酢酸エチル及び水性抽出物を得ることを含む。このことは、酸性酢酸エチル抽出物を、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、及びそれらの組み合わせなどの好適な塩基を含む水で洗浄すること(例えば、1:1体積/体積の水で3回)を含む、任意の好適な方法で達成される。これらの条件下では、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つは、実質的にそれらの共役塩基形態にあり、酸性酢酸エチル抽出物が好適な塩基を含む水で洗浄される際に形成する水層内に実質的に存在することになる。
【0068】
ステップ(iv)に対する代替的な任意選択的ステップ(iv-a)では、ステップ(iii)から生じる酸性酢酸エチル抽出物は、任意選択的に、除去され、更に乾燥するまで除去され得る。残る任意の固体は、pH中性水(例えば、脱イオン水)で再構成され得、次いで、水のpHは約3~約7に調整されるか、又は残る固体は、約3~約7のpHを有する水で再構成されるかのいずれかであり得る。
【0069】
次いで、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む水性抽出物は、それらがステップ(iv)又はステップ(iv-a)から生じるかどうかに関わらず、ステップ(v)に提供されて、とりわけ、高度に着色し得る水性抽出物の脱色を達成することができる。脱色は、限外濾過(例えば、分子量カットオフ膜、サイズ排除クロマトグラフィー、又はゲル浸透を通して濾過すること)を含む任意の好適な手段によって達成され得る。脱色することから濾液を得る。限外濾過は、とりわけ、高度に着色し得る濃縮物の脱色を達成する。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、限外濾過は、イエルバマテバイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質を除去することが、考えられる。
【0070】
ステップ(i)~(vi)(代替的な任意選択的ステップ(iv-a)を含むを含む本明細書に記載される方法に対する改変の別の例は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法を含み、方法は、
イエルバマテバイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
第2の初期抽出物のpHを約4~約7のpHに調整して、第1のpH調整された第2の初期抽出物を得ることと、
第1のpH調整された第2の初期抽出物を酢酸エチルと接触させて、第1の酢酸エチル抽出物及び第2の水性抽出物を得ることと、
第2の水性抽出物のpHを2未満のpHに調整して、pH調整された第2の水性抽出物を得ることと、
pH調整された第2の水性抽出物を酢酸エチルと接触させて、第2の酢酸エチル抽出物を得ることと、
第2の酢酸エチル抽出物から酢酸エチルを除去して、精製組成物を得ることと、
粗組成物を水で再構成して、第3の水性抽出物を得ることと、
第3の水性抽出物を脱色して、脱色された水性抽出物を得ることと、を含む。
【0071】
「精製組成物」は、目的の化合物(例えば、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つ)を含み、「精製組成物」は、初期抽出物及び第2の初期抽出物にある特定の不純物を含有しないが、イエルバマテバイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するかのいずれかであり、脱色するステップで除去される、高度に着色した高分子物質を含有するという点で、少なくとも初期抽出物及び第2の初期抽出物に対して精製される。
【0072】
ステップ(i)~(vi)(代替的な任意選択的ステップ(iv-a)を含むを含む本明細書に記載される方法に対する改変の更に別の例は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法を含み、方法は、
イエルバマテバイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
第2の初期抽出物のpHを約2未満のpHに調整して、第2のpH調整された第2の初期抽出物を得ることと、
第2のpH調整された第2の初期抽出物を酢酸エチルと接触させて、第3の酢酸エチル抽出物を得ることと、
第3の酢酸エチル抽出物を中和して、第1の中和酢酸エチル抽出物及び第3の水性抽出物を得ることと、
第3の水性抽出物を脱色して、脱色された水性抽出物を得ることと、を含む。
【0073】
本明細書に記載される方法は、脱色された水性抽出物を乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることを伴うステップ(vi)を含み得る。第1若しくは第2の残余分又は第3の濾液は、凍結乾燥又は噴霧乾燥によるものを含む任意の好適な様式で乾燥され得る。
【0074】
図3は、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法300のフロー図である。操作302では、イエルバマテバイオマスは、好適な容器(例えば、ガラス瓶)中に50%のエタノール/水を含む水性組成物と1時間接触されて(1.5Lの溶媒中300gのイエルバマテバイオマス)、初期抽出物を得る。操作304では、初期抽出物は、とりわけ、例えば、イエルバマテバイオマスから固体を除去するために、例えば、Whatman 54低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して、濾過される。操作304からの濾液は、酸性化された酢酸エチル抽出を用いて、操作306で抽出される。酸性化された酢酸エチル中へのカフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの抽出に続いて、酸性化された酢酸エチルは、操作308において水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの好適な塩基を含む水で洗浄されて、中和された酢酸エチル及び水性抽出物を得る。これらの条件下では、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つは、実質的にそれらの共役塩基形態にあり、酸性酢酸エチル抽出物が好適な塩基を含む水で洗浄される際に形成する水層内に実質的に存在することになる。操作310では、水層は濾過されて、濾液を得る。操作316では、濾液は、3kDa分子量カットオフ膜(TURBOCLEAN(登録商標)NP010;6回の透析濾過)を使用して脱色されて、とりわけ、水性抽出物を脱色し、それによって、脱色された水性抽出物を得る。操作320では、脱色された水性抽出物は、乾燥されて、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの組成物を得る。
【0075】
図4Aは、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法400のフロー図である。操作402では、イエルバマテバイオマスは、好適な容器(例えば、ガラス瓶)中に50%のエタノール/水を含む水性組成物と1時間接触されて(1.5Lの溶媒中300gのイエルバマテバイオマス)、初期抽出物を得る。操作404では、初期抽出物は、とりわけ、例えば、イエルバマテバイオマスから固体を除去するために、例えば、Whatman 54低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して、濾過される。操作404からの濾液は約4~約7にpH調整され、濾液は酢酸エチルで操作408において抽出され、一方で、目的の化合物は水層中に残る。操作406では、水層のpHは2未満に調整され、水層は酢酸エチルで抽出される。酢酸エチル中へのカフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つの抽出に続いて、酢酸エチルは、操作407において乾燥するまで除去されて、固体を得る。固体は水で再構成され、水のpHは約3~約7に調整される。これらの条件下では、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つは、実質的にそれらの共役塩基形態にあり、水に溶解することになる。操作410では、水層は濾過されて、濾液を得る。操作416では、濾液は、3kDa分子量カットオフ膜(TURBOCLEAN(登録商標)NP010;6回の透析濾過)を使用して脱色されて、とりわけ、水性抽出物を脱色し、それによって、脱色された水性抽出物を得る。操作420では、脱色された水性抽出物は、乾燥されて、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの組成物を得る。
【0076】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例であって、方法が、
(AA)植物バイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(BB)初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
(CC)第2の初期抽出物の体積を水性組成物で調整して、調整された第2の初期抽出物を得ることと、
(DD)イオン交換クロマトグラフィー固定相上で、調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
(EE)イオン交換クロマトグラフィー固定相を溶出させて、溶媒を含む第1の溶出液を得ることと、
(FF)溶媒を除去して、濃縮物を形成することと、
(GG)濃縮物を濾液及び残余分のうちの少なくとも1つに対して脱色及び脱塩することのうちの少なくとも1つと、を含む、例。
【0077】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例であって、方法が、
(AA)植物バイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(BB)初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
(CC)第2の初期抽出物の体積を水性組成物で調整して、調整された第2の初期抽出物を得ることと、
(DD)イオン交換クロマトグラフィー固定相上で、調整された初期抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
(EE)イオン交換固定相を溶出させて、溶媒を含む第1の溶出液を得ることと、
(FF)溶媒を除去して、濃縮物を形成することと、
(GG)濃縮物を脱色及び脱塩することのうちの少なくとも1つを行って、濾液及び残余分のうちの少なくとも1つを得ることと、
(HH)濾液及び残余分のうちの少なくとも1つを乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることと、を含む、例。
【0078】
本明細書に記載される方法のステップ(AA)は、植物バイオマスを水性組成物と接触させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩(例えば、四級アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、及びカルシウム塩)のうちの少なくとも1つを含む初期抽出物を得ることを伴う。
【0079】
水性組成物は、水を含み得るが、有機溶媒などのいずれの共溶媒も含有し得ない。しかし、水性組成物は、水に加えて共溶媒を含み得る。好適な共溶媒は、(C1~C4)アルカノール及び(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒を含む。(C1~C4)アルカノールによって、式(C1~C4)アルキル-OHのアルコールが意味され、「アルキル」は、結果として得られる(C1~C4)アルカノールが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソプロパノール、イソ-ブタノール、sec-ブタノール、及びt-ブタノールであるように、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、イソ-ブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルなどの1~4個の炭素原子を有する直鎖及び分岐状アルキル基を指す。(C1~C4)アルカノール又は(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒の割合は、水性組成物が、最大約30体積%、最大約40体積%、最大約50体積%、最大約60体積%、最大約70体積%、最大約80体積%、最大約90体積%、若しくは最大100体積%の有機溶媒を含み得、水性組成物が100体積%の有機溶媒を含む場合を除き、残部は水であるか、又は約30体積%~約100体積%、約50体積%~約100体積%、約60体積%~約90体積%、約30体積%~約60体積%、約40体積%~約60体積%、約30体積%~約50体積%、約40体積%~約50体積%、若しくは約50体積%であり得、残部は水であるように、任意の好適な割合であり得る。
【0080】
いくつかの例では、水性組成物は、リン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、酢酸塩などを含むがこれらに限定されない、任意の好適な緩衝系で緩衝され得る。緩衝液は、1~1000mMの陰イオンの範囲にあり得る。代替的には、塩酸、硫酸、硝酸などでpH5~6に酸性化された水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。代替的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの水酸化物でpH7~11に塩基性にされた純水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。更に他の例では、水性組成物の浸透ポテンシャルの平衡を保つ助けとなり得る好適な非イオン性溶質を添加することが、好適であり得る。
【0081】
本明細書で使用される場合、用語「植物バイオマス」は、一般に、植物源の葉、茎(stalk)、茎(stem)、頂部、根などを含む、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの1つ以上を含む植物源の任意かつすべての部分を指す。植物バイオマスは、例えば、水性組成物との接触前かつ/又は接触中に植物バイオマスを切断することにより結果として得られる粉砕された形態におけるものを含む任意の好適な形態にあり得る。例えば、植物バイオマスは好適な容器において粉砕され得、水性組成物は粉砕された植物バイオマスに添加され、したがって、植物バイオマスを「接触させる」ことができる。次いで、粉砕された植物バイオマスは、好適な容器内で任意選択的に更に粉砕され得る。又は、植物バイオマスは、水性組成物が添加される好適な容器に配置され、したがって、植物バイオマスを「接触させる」ことができ、結果として得られる組成物は、粉砕され得る。
【0082】
植物バイオマスは、とりわけ、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの抽出を最大化するために、接触前かつ/又は接触中に、撹拌、超音波処理、又は他の方法で振盪され得る。
【0083】
初期抽出物は、粉砕された植物学的植物の葉、茎、頂部、根などが本明細書に記載される方法のステップ(BB)において除去されるなどの、現状又はバルク固体又は存在する植物固体で、ステップ(CC)へと遂行され得る。ステップ(BB)が行われる際、第2の初期抽出物を得る。
【0084】
バルク固体は、遠心分離、浮遊物除去、又は濾過を含む、任意の好適な方法によって除去され得る。例えば、初期抽出物は、フィルタが、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0085】
本明細書に記載される方法のステップ(CC)は、初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積を、それぞれ、第1の水性組成物又は第2の水性組成物で調整して、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を得ることを伴う。第1及び第2の水性組成物は、異なり得るか、又は同じであり得る。調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物は、この時点で濾過され得るか、又は現状でステップ(DD)を通じて行われ得る。初期抽出物又は第2の初期抽出物は、フィルタが、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0086】
初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積は、とりわけ、調整されていない初期抽出物又は調整されていない第2の初期抽出物に対して、本明細書に記載される方法のステップ(DD)で使用されるイオン交換クロマトグラフィーカラムに対する、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの結合を増加させるために、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を得るために十分な量の水性組成物(例えば、水)で調整され得る。
【0087】
初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積は、とりわけ、初期抽出物又は第2の初期抽出物に存在する際、有機溶媒の量を調整するように調整され得る。初期抽出物又は第2の初期抽出物の体積は、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物が、約60体積%未満、約50体積%未満、約40体積%未満、約30体積%未満、約20体積%未満、約10%体積%未満、約5体積%未満、約1体積%未満、若しくは更には約0体積%の有機溶媒を含み、残部が水であるか、又は約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、若しくは約35体積%の有機溶媒を含み、残部は水であるように、調整され得る。
【0088】
本明細書に記載される方法のステップ(DD)は、イオン交換固定相(例えば、弱陰イオン交換固定相)上で、調整された初期抽出物又は第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することを伴う。クロマトグラフィー処理は、バッチモードにおけるものを含むか、又はカラムを使用する、任意の好適な方法で実行され得る。クロマトグラフィー処理は、溶出液(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物)として水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)を用いて実行され得、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを弱イオン交換クロマトグラフィーカラムに吸着されるようにし、一方で、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、及びルチン(ルトシド、ケルセチン-3-O-ルチノシド、及びソホリンとしても知られる)
【化3】
並びにそれらの異性体を含む他の化合物を溶出させる。本明細書に記載される方法のステップ(DD)は、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つの濃度を、1質量%未満、0.5質量%未満、0.1質量%未満、0.05質量%未満、0.01質量%未満、又は0.001質量%未満の濃度まで減少し得る。したがって、本開示は、0.1質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つを含む、植物抽出物を企図する。本開示は、0.5質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの各々1つと、組み合わせて約1質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体と、を含む、植物抽出物も企図する。本開示は、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つを効果的に含まない(例えば、カフェインを含まず、クエルシトリンを含まず、アストラガリンを含まず、アビクラリンを含まず、ソフォリコシドを含まず、ルチンを含まず、ルチン異性体を含まない、かつ/又はカフェイン、ルチン、及びルチン異性体を含まない)植物抽出物も企図する。
【0089】
イオン交換固定相は、非限定的であり、任意の好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相であり得る。好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相の例は、ANX-SEPHAROSE(登録商標)高速流動樹脂、DEAE SEPHAROSE(登録商標)、DEAE SEPHADEX(登録商標)A25樹脂、AMBERLITE(登録商標)(FPA 53、FPA 55、CG-50タイプI、IRC-50、IRC-50S、及びIRP-64)、DIAION WA10、及びDOWEX(登録商標)CCR-3を含む。
【0090】
イオン交換クロマトグラフィー固定相は、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理前に、任意選択的に、水性組成物(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物などの水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)でプレコンディショニングされ得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムは、約2BV/hの流速で、約2以上のベッド体積(BV)でプレコンディショニングされ得る。
【0091】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意選択的に、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpH(例えば、樹脂/固定相のpH)が、約10未満、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下のpH、又は約2~約10、約3~約8、約5~約9、約2~約6、約3~約4、若しくは約3~約6のpHであるように、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意の好適な酸(例えば、塩酸)を用いてクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に、カラムが任意選択的に(C1~C4)を含む水性組成物でプレコンディショニングされる前又は後に、調整され得る。
【0092】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHのプレコンディショニング及び/又は調整後、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物は、2BV/h(1時間当たりのベッド体積)を超える任意の速度でカラム上に負荷され得る。調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を負荷した後、カラムは、約2BV/hの速度などの任意の好適な速度で、(C1~C4)アルカノールを含む任意の好適な体積の水性組成物(例えば、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV又は少なくとも約4BVの水性組成物)で洗浄され得る。(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積は、とりわけ、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体を含有するため、廃棄され得る。
【0093】
本明細書に記載される方法のステップ(EE)は、吸着されたモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムから溶出させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液を得ることを伴う。溶出させることは、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つをカラムから溶出させるのに好適な任意の条件下で実行される。
【0094】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるのに好適な条件の例は、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなど)を含む任意の好適な体積の溶液でカラムを溶出させることを含む。塩を含む溶液の例は、(C1~C4)アルカノール(例えば、約10体積%~約60体積%、約20体積%~約50体積%、約30体積%~約55体積%、約40体積%~約60体積%、又は約50体積%の(C1~C4)アルカノールを含む、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV又は少なくとも約4BVの水性組成物)を含む水性組成物に溶解した少なくとも1つの塩(例えば、約5重量%~約25重量%、約15重量%~約20重量%又は約5重量%~約10重量%の塩)を含む溶液を含む。
【0095】
カラムからモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるための好適な条件の別の例は、酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、ギ酸など)を含む任意の好適な体積の溶液でカラムを溶出させることを含む。酸を含む溶液の例は、塩酸などを含む溶液、及び任意選択的に、約10体積%~約60体積%、約20体積%~約50体積%、約30体積%~約55体積%、約40体積%~約60体積%、又は約50体積%の(C1~C4)アルカノール)を含む水性組成物を含む酸溶液を含む。
【0096】
溶出させるステップから収集された、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液は、収集され、その後、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物を提供するための任意の好適な手段による、溶媒を除去すること(例えば、水及び(C1~C4)アルカノールを除去するための)によって濃縮され得る。溶媒除去は、不活性雰囲気下(例えば、窒素ガス雰囲気下)で達成され得る。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、不活性雰囲気下で溶媒除去を実行することは、植物バイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質の形成を低減できることが、考えられる。
【0097】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液は、溶媒を含む。溶媒は、乾燥するまでステップ(FF)において除去され得るか、又は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が溶媒として残って(例えば、溶出液の元の全体積の約50%、約40%、約30%、約20%、約10%又は約5%)、濃縮物を形成する点まで除去され得るが、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を構成する成分の比率は、吸着されたモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるために使用された(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を構成する成分の比とは異なっていても異なっていなくてもよい。代替的には、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液中の溶媒は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が残る点まで除去され得、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物は、約10体積%未満、約5体積%未満、約2体積%未満又は約1体積%未満の(C1~C4)アルカノールを含む。
【0098】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物を形成するための、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液から溶媒を除去するための好適な条件は、溶出液の表面上に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を吹き込むことを含む。溶出液は、窒素ガスを吹き込む間に加熱され得るか、又は室温(例えば、25℃)であり得る。溶出液中の溶媒を除去するための他の条件は、溶出液を含む容器に真空を適用することを含む。真空は、室温で、又は容器を加熱しながら、溶出液と共に適用され得る。溶出液中の溶媒を除去するための更に他の条件は、溶出液を薄膜蒸発器又は撹拌された撹拌薄膜蒸発器に通して流すことを含む。
【0099】
濃縮物のpHは、pH調整された濃縮物を得るためにこの時点で調整され得るが、この時点でpHを調整することは、任意選択的である。例えば、濃縮物のpHは、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つが分解から保護されるpHに調整され得る。好適なpHは、約2~約6、約2~約5、約2~約4、約3~約5のpH又は約3.5のpHなどの、約6未満、約5未満、約4未満、約3未満又は約2未満のpHを含む。濃縮物のpHは、任意の好適な酸又は塩基を使用することによって調整され得る。酸が使用される際、酸は、塩酸などであり得る。
【0100】
濃縮物又はpH調整された濃縮物は、本明細書に記載される方法若しくは除去するステップ(FF)において現状で扱われ得るか、又は濾過され得る。濃縮物又はpH調整された濃縮物は、任意の好適なフィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを使用して濾過され得る。いくつかの例では、pH調整された濃縮物は、濃縮物又はpH調整された濃縮物の体積に応じて、例えば、0.2μmの孔径を有するポリエーテルスルホン(PES)フィルタ、又はプリーツ(平膜、真空濾過)若しくはプリーツPES膜などの高分子膜を通して濾過され得る。
【0101】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物は、それが、pH調整されるか、濾過されるか、又はpH調整及び濾過の両方を行われるかに関わらず、乾燥するステップ(HH)へと直接移され得るか、又は高度に着色し得る濃縮物のステップ(GG)において脱塩/脱色すること(脱塩に続いて脱色すること、脱色に続いて脱塩すること、脱色するが脱塩しないこと、又は脱塩するが脱色しないことを含むいずれかの順序で)に提供され得る。脱塩/脱色することは、不活性雰囲気下(例えば、窒素ガス雰囲気下)で達成され得る。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、不活性雰囲気下で1つ以上のステップを実行することは、植物バイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質の形成を低減できることが、考えられる。
【0102】
濃縮物は、それが、pH調整されるか、濾過されるか、又はpH調整及び濾過の両方を行われるかに関わらず、限外濾過(例えば、分子量カットオフ膜、サイズ排除クロマトグラフィー又はゲル透過を通じて濾過すること)を含む任意の好適な手段によって脱色され得る。脱色することから濾液を得る。限外濾過は、とりわけ、高度に着色し得る濃縮物の脱色を達成する。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、限外濾過は、植物バイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質を除去することが、考えられる。
【0103】
脱色することからの濾液は、乾燥するステップ(HH)へと扱われるか、又はステップ(GG)で脱塩され得る。代替的には、濃縮物は、pH調整されるか、濾過されるか、又はpH調整及び濾過の両方を行わるかに関わらず、第1の脱色なしに脱塩され得る。それにもかかわらず、脱塩することは、ナノ濾過膜及び疎水性樹脂を使用して達成され得る。当業者は、ナノ濾過膜及び疎水性樹脂を使用する際に、透過液を廃棄し残余分を維持することを、認識するであろう。一実施例では、脱塩は、約20体積%未満の(C1~C4)アルカノールを含むpH調整された濃縮物(例えば、約2未満pHを有する酸性化された濃縮物)を負荷するであろう疎水性樹脂(例えば、SEPABEADS(商標)SP70などの多孔性ポリジビニルベンゼン/エチルビニルベンゼンマトリックス)を使用して達成され得る。次いで、樹脂は、希釈アルコール(例えば、残部が約2未満のpHを有する水である、約10体積%未満の(C1~C4)アルカノール)で洗浄され、次いで、約70体積%の(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物で水中に溶出されて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む脱塩された第2の溶出液を得る。
【0104】
脱塩することがステップ(GG)において脱色することに先行する場合、脱塩するステップからの透過液中の溶媒は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が溶媒として残って(例えば、溶出液の元の全体積の約50%、約40%、約30%、約20%、約10%又は約5%)、第1の脱塩濃縮物を形成する点まで除去され得る。代替的には、脱塩することからの透過液中の溶媒は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が残る点まで除去されて、第2の脱塩濃縮物を得ることができ、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物は、約10体積%未満、約5体積%未満、約2体積%未満又は約1体積%未満の(C1~C4)アルカノールを含む。第1の脱塩濃縮物は、第1の脱塩濃縮物が約10体積%未満、約5体積%未満、約2体積%未満又は約1体積%未満の(C1~C4)アルカノールも有するように、第2の脱塩濃縮物の属性も有し得る。
【0105】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1/第2の脱塩濃縮物を形成するための、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む透過液から溶媒を除去するための好適な条件は、溶出液の表面上に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を吹き込むことを含む。透過液は、窒素ガスを吹き込む間に加熱され得るか、又は室温(例えば、25℃)であり得る。溶出液中の溶媒を除去するための他の条件は、透過液を含む容器に真空を適用することを含む。真空は、室温で、又は容器を加熱しながら、透過液と共に適用され得る。透過液中の溶媒を除去するための更に他の条件は、透過液を薄膜蒸発器又は撹拌された撹拌薄膜蒸発器に通して流すことを含む。
【0106】
別の実施例では、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物は濾紙を通して濾過されて、第1の濾液を得ることができ、第1の濾液は限外濾過されて、第2の濾液を得、第2の濾液はナノ濾過膜を使用してナノ濾過されて、第1の残余分を得るか、又は第2の濾液は疎水性樹脂を通して溶出されて、脱塩された第2の溶出液を得る。別の実施例では、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物は濾紙を通して濾過されて、第1の濾液を得ることができ、第1の濾液はナノ濾過膜を使用してナノ濾過されて、第3の残余分を得るか、又は第1の濾液は疎水性樹脂を通して溶出されて、脱塩された第2の溶出液を得、第3の残余分又は脱塩された第2の溶出液は限外濾過されて、第3の濾液を得る。
【0107】
本明細書で言及されるように、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液は、濃縮乾固され得るか、又は(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が残る点まで濃縮され得る。溶出液が濃縮乾固される場合、乾燥材料は、例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を使用して再構成され得る。次いで、再構成された材料は、本明細書に記載されるように、とりわけ、脱塩及び脱色のうちの少なくとも1つを行うために濾過され得る。
【0108】
本明細書に記載される方法は、第1の残余分、脱塩された第2の溶出液又は第3の濾液を乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることを伴うステップ(HH)を含み得る。第1の残余分、脱塩された第2の溶出液又は第3の濾液は、凍結乾燥又は噴霧乾燥によるものを含む任意の好適な様式で乾燥され得る。
【0109】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の別の例であって、方法が、
(1)植物バイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(2)初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
(3)第2の初期抽出物を酸性化された酢酸エチルと接触させて、酸性酢酸エチル抽出物を得ることと、
(4)酸性酢酸エチル抽出物を中和して、中和酢酸エチル及び水性抽出物を得ることと、
(5)水性抽出物を脱色して、脱色された水性抽出物を得ることと、
(6)脱色された水性抽出物を乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることと、を含む、例。
【0110】
ステップ(1)、(2)、及び(6)は、ステップ(AA)、(BB)、及び(HH)について本明細書に記載されるように実行される。ステップ(5)は、ステップ(5)が、分子量カットオフ膜を通して濾過することを含む限外濾過、サイズ排除クロマトグラフィー、及びゲル透過などの脱色プロセスのみを伴うことを除いて、濾過ステップ(GG)と類似している。したがって、ステップ(AA)、B(B)、(GG)、及び(HH)に関する開示は、ステップ(1)、(2)、(5)、及び(6)に適用される。
【0111】
本明細書に記載される方法のステップ(1)は、植物バイオマスを水性組成物と接触させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む初期抽出物を得ることを伴う。
【0112】
水性組成物は、水を含み得るが、有機溶媒などのいずれの共溶媒も含有し得ない。しかし、水性組成物は、水に加えて共溶媒を含み得る。好適な共溶媒は、(C1~C4)アルカノール及び(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒を含む。(C1~C4)アルカノール又は(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒の割合は、水性組成物が、最大約30体積%、最大約40体積%、最大約50体積%若しくは最大約60体積%の有機溶媒を含み得、残部は水であるか、又は、約30体積%~約60体積%、約40体積%~約60体積%、約30体積%~約50体積%、約40体積%~約50体積%、若しくは約50体積%の有機溶媒を含み得、残部は水であるような、任意の好適な割合である。
【0113】
いくつかの例では、水性組成物は、リン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、酢酸塩などを含むがこれらに限定されない、任意の好適な緩衝系で緩衝され得る。緩衝液は、1~1000mMの陰イオンの範囲にあり得る。代替的には、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などでpH5~6に酸性化された水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。代替的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの水酸化物でpH7~11に塩基性にされた純水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。更に他の例では、水性組成物の浸透ポテンシャルの平衡を保つ助けとなり得る好適な非イオン性溶質を添加することが、好適であり得る。
【0114】
植物バイオマスは、とりわけ、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの抽出を最大化するために、ステップ(1)の接触前かつ/又は接触中に、撹拌、超音波処理、又は他の方法で振盪され得る。
【0115】
初期抽出物は、粉砕された植物の葉、茎、頂部、根などが本明細書に記載される方法のステップ(2)において除去されるなどの、現状又はバルク固体又は存在する植物固体で、ステップ(3)へと遂行され得る。ステップ(2)が行われる際、第2の初期抽出物を得る。
【0116】
バルク固体は、遠心分離、浮遊物除去、又は濾過を含む、任意の好適な方法によって除去され得る。例えば、初期抽出物は、フィルタが、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0117】
ステップ(3)を実施する前に、任意選択的に、初期又は第2の初期抽出物のpHを好適な酸で調整できる。(例えば、塩酸など)又は好適な塩基(例えば、水酸化ナトリウム)を、約4~約7のpH。次いで、pH調整された初期又は第2の初期抽出物は、本明細書に記載されるように予め酸性化されていない酢酸エチルで抽出される。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、初期又は第2の初期抽出物のpHが約4~約7に調整される際、水層に目的の化合物(例えば、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩)を維持しながら、ある特定の不純物を酢酸エチル中に抽出することは可能であることが、考えられる。
【0118】
本明細書に記載される方法のステップ(3)は、第1又は第2の初期抽出物を酸性化された酢酸エチルと接触させて、酸性酢酸エチル抽出物を得ることを伴う。酸性化された酢酸エチルは、塩酸、硫酸、及び氷酢酸(例えば、0.01~1%体積/体積)を含む任意の好適な酸を添加することによるものを含む、任意の好適な様式で調製され得る。酸性酢酸エチル抽出物は、水で洗浄される(例えば、1:1体積/体積の水で3回)。これらの条件下では、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つは、実質的にそれらの共役酸形態にあり、酸性酢酸エチル抽出物が水で洗浄される際に形成する酸性酢酸エチル層内に実質的に存在することになる。水層は廃棄され、酸性酢酸エチル抽出物はステップ(4)に進められる。
【0119】
本明細書に記載される方法のステップ(3)は、本明細書に記載されるように予め酸性化されていない酢酸エチルを使用することによるが、代わりに、初期又は第2の初期抽出物のpHを好適な酸で調整することによるものを含む、他の好適な方法で行われ得る。(例えば、塩酸など)、次いで、予め酸性化されていない酢酸エチルでpH調整された初期又は第2の初期抽出物を抽出する。初期抽出物又は第2の初期抽出物のpHを調整するために使用される酸に関わらず、初期抽出物又は第2の初期抽出物のpHは、約4以下、3以下、約2以下、又は約1以下に調整される。水層は廃棄され、生じる酸性酢酸エチル抽出物はステップ(4)に進められる。
【0120】
本明細書に記載される方法のステップ(4)は、酸性酢酸エチル抽出物を中和して、中和酢酸エチル及び水性抽出物を得ることを含む。このことは、酸性酢酸エチル抽出物を、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、及びそれらの組み合わせなどの好適な塩基を含む水で洗浄すること(例えば、1:1体積/体積の水で3回)を含む、任意の好適な方法で達成される。これらの条件下では、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの少なくとも1つは、実質的にそれらの共役塩基形態にあり、酸性酢酸エチル抽出物が好適な塩基を含む水で洗浄される際に形成する水層内に実質的に存在することになる。
【0121】
ステップ(4)に対する代替的な任意選択的ステップ(4-a)では、ステップ(3)から生じる酸性酢酸エチル抽出物は、任意選択的に、除去され、更に乾燥するまで除去され得る。残る任意の固体は、pH中性水(例えば、脱イオン水)で再構成され得、次いで、水のpHは約3~約7に調整されるか、又は残る固体は、約3~約7のpHを有する水で再構成されるかのいずれかであり得る。
【0122】
次いで、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む水性抽出物は、それらがステップ(4)又はステップ(4-a)から生じるかどうかに関わらず、ステップ(5)に提供されて、とりわけ、高度に着色され得る水性抽出物の脱色を達成することができる。脱色は、限外濾過(例えば、分子量カットオフ膜、サイズ排除クロマトグラフィー、又はゲル浸透を通して濾過すること)を含む任意の好適な手段によって達成され得る。脱色することから濾液を得る。限外濾過は、とりわけ、高度に着色し得る濃縮物の脱色を達成する。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、限外濾過は、植物バイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質を除去することが、考えられる。
【0123】
ステップ(1)~(6)(代替的な任意選択的ステップ(4-a)を含むを含む本明細書に記載される方法に対する改変の別の例は、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法を含み、方法は、
植物バイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
第2の初期抽出物のpHを約4~約7のpHに調整して、第1のpH調整された第2の初期抽出物を得ることと、
第1のpH調整された第2の初期抽出物を酢酸エチルと接触させて、第1の酢酸エチル抽出物及び第2の水性抽出物を得ることと、
第2の水性抽出物のpHを2未満のpHに調整して、pH調整された第2の水性抽出物を得ることと、
pH調整された第2の水性抽出物を酢酸エチルと接触させて、第2の酢酸エチル抽出物を得ることと、
第2の酢酸エチル抽出物から酢酸エチルを除去して、精製組成物を得ることと、
粗組成物を水で再構成して、第3の水性抽出物を得ることと、
第3の水性抽出物を脱色して、脱色された水性抽出物を得ることと、を含む。
【0124】
「精製組成物」は、目的の化合物(例えば、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つ)を含み、「精製組成物」は、初期抽出物及び第2の初期抽出物にある特定の不純物を含有しないが、植物バイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するかのいずれかであり、脱色するステップで除去される、高度に着色した高分子物質を含有するという点で、少なくとも初期抽出物及び第2の初期抽出物に対して精製される。
【0125】
ステップ(1)~(6)(代替的な任意選択的ステップ(4-a)を含むを含む本明細書に記載される方法に対する改変の更に別の例は、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法を含み、方法は、
植物バイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
初期抽出物から固体を除去して、第2の初期抽出物を得ることと、
第2の初期抽出物のpHを約2未満のpHに調整して、第2のpH調整された第2の初期抽出物を得ることと、
第2のpH調整された第2の初期抽出物を酢酸エチルと接触させて、第3の酢酸エチル抽出物を得ることと、
第3の酢酸エチル抽出物を中和して、第1の中和酢酸エチル抽出物及び第3の水性抽出物を得ることと、
第3の水性抽出物を脱色して、脱色された水性抽出物を得ることと、を含む。
【0126】
本明細書に記載される方法は、脱色された水性抽出物を乾燥させて、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることを伴うステップ(6)を含み得る。第1若しくは第2の残余分又は第3の濾液は、凍結乾燥又は噴霧乾燥によるものを含む任意の好適な様式で乾燥され得る。
【0127】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例であって、方法が、
(A1)植物バイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(A2)初期抽出物の体積を調整して、第2の初期抽出物を得ることと、
(A3)第2の初期抽出物を酢酸エチルと接触させて、水性画分を得ることと、
(A4)水性画分を酸性化させ、酢酸エチルと接触して、酢酸エチル画分を得ることと、
(A5)酢酸エチル画分を乾燥及び再構成して、脱色された画分を得ることと、
(A6)イオン交換クロマトグラフィー固定相上で、脱色された画分をクロマトグラフィー処理することと、
(A7)イオン交換クロマトグラフィー固定相を溶出させて、溶媒を含む第1の溶出液を得ることと、
(A8)溶媒を除去して、濃縮物を形成することと、
(A9)濃縮物を脱塩して、脱塩濃縮物を形成することと、
(A10)脱塩濃縮物を乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることと、を含む、例。
【0128】
本明細書に記載される方法のステップ(A1)は、植物バイオマスを水性組成物と接触させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩(例えば、四級アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、及びカルシウム塩)のうちの少なくとも1つを含む初期抽出物を得ることを伴う。
【0129】
水性組成物は、水を含み得るが、有機溶媒などのいずれの共溶媒も含有し得ない。しかし、水性組成物は、水に加えて共溶媒を含み得る。好適な共溶媒は、(C1~C4)アルカノール及び(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒を含む。(C1~C4)アルカノールによって、式(C1~C4)アルキル-OHのアルコールが意味され、「アルキル」は、結果として得られる(C1~C4)アルカノールが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソプロパノール、イソ-ブタノール、sec-ブタノール、及びt-ブタノールであるように、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、イソ-ブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルなどの1~4個の炭素原子を有する直鎖及び分岐状アルキル基を指す。(C1~C4)アルカノール又は(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒の割合は、水性組成物が、最大約30体積%、最大約40体積%、最大約50体積%、最大約60体積%、最大約70体積%、最大約80体積%、最大約90体積%、若しくは最大100体積%の有機溶媒を含み得、水性組成物が100体積%の有機溶媒を含む場合を除き、残部は水であるか、又は約30体積%~約100体積%、約50体積%~約100体積%、約60体積%~約90体積%、約30体積%~約60体積%、約40体積%~約60体積%、約30体積%~約50体積%、約40体積%~約50体積%、若しくは約50体積%であり得、残部は水であるように、任意の好適な割合であり得る。
【0130】
いくつかの例では、水性組成物は、リン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、酢酸塩などを含むがこれらに限定されない、任意の好適な緩衝系で緩衝され得る。緩衝液は、1~1000mMの陰イオンの範囲にあり得る。代替的には、塩酸、硫酸、硝酸などでpH5~6に酸性化された水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。代替的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの水酸化物でpH7~11に塩基性にされた純水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。更に他の例では、水性組成物の浸透ポテンシャルの平衡を保つ助けとなり得る好適な非イオン性溶質を添加することが、好適であり得る。
【0131】
本明細書で使用される場合、用語「植物バイオマス」は、一般に、植物源の葉、茎(stalk)、茎(stem)、頂部、根などを含む、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの1つ以上を含む植物源の任意かつすべての部分を指す。植物バイオマスは、例えば、水性組成物との接触前かつ/又は接触中に植物バイオマスを切断することにより結果として得られる粉砕された形態におけるものを含む任意の好適な形態にあり得る。例えば、植物バイオマスは好適な容器において粉砕され得、水性組成物は粉砕された植物バイオマスに添加され、したがって、植物バイオマスを「接触させる」ことができる。次いで、粉砕された植物バイオマスは、好適な容器内で任意選択的に更に粉砕され得る。又は、植物バイオマスは、水性組成物が添加される好適な容器に配置され、したがって、植物バイオマスを「接触させる」ことができ、結果として得られる組成物は、粉砕され得る。
【0132】
植物バイオマスは、とりわけ、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの抽出を最大化するために、接触前かつ/又は接触中に、撹拌、超音波処理、又は他の方法で振盪され得る。
【0133】
初期抽出物は、粉砕された植物学的植物の葉、茎、頂部、根などが本明細書に記載される方法のステップ(A1)において除去されるなどの、現状又はバルク固体又は存在する植物固体で、ステップ(B1)へと遂行され得る。
【0134】
バルク固体は、遠心分離、浮遊物除去、又は濾過を含む、任意の好適な方法によって除去され得る。例えば、初期抽出物は、フィルタが、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0135】
本明細書に記載される方法のステップ(A2)は、それぞれ、初期抽出物の体積を第1の水性組成物で調整して、第2の初期抽出物を得ることを伴う。第2の初期抽出物は、この時点で濾過され得るか、又は現状でステップ(C3)へと遂行され得る。第2の初期抽出物は、フィルタが、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0136】
初期抽出物の体積は、とりわけ、第2の初期抽出物に存在する際、有機溶媒の量を調整するように調整され得る。初期抽出物の体積は、第2の初期抽出物が、約60体積%未満、約50体積%未満、約40体積%未満、約30体積%未満、約20体積%未満、約10%体積%未満、約5体積%未満、約1体積%未満、若しくは更には約0体積%の有機溶媒を含み、残部が水であるか、又は約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、若しくは約35体積%の有機溶媒を含み、残部は水であるように、調整され得る。
【0137】
本明細書に記載される方法のステップ(A3)は、第2の初期抽出物を酢酸エチルと接触させて、水性画分を得ることを伴う。第2の初期抽出物は、等量の水、続いて、等量の酢酸エチルで希釈され、振盪され、結果として得られる水性画分は、保持される。
【0138】
本明細書に記載される方法のステップ(A4)は、水性画分を酸性化させ、酢酸エチルと接触して、酢酸エチル画分を得ることを伴う。水性分画は酸性化され、等量の酢酸エチルは、添加され、振盪され、酢酸エチル画分は保持され、第2の水性画分は廃棄される。任意選択的に、第2の水性画分は、保持され、酢酸エチルで2回抽出されて、第2の酢酸エチル画分を得ることもできる。
【0139】
本明細書に記載される方法のステップ(A5)は、酢酸エチル画分を乾燥及び再構成して、脱色された画分を得ることを伴う。保持された酢酸エチル画分(及び第2の酢酸エチル画分)は、乾燥されて溶媒を除去し、次いで、水で再構成されて、脱色した画分を得る。
【0140】
本明細書に記載される方法のステップ(A6)は、イオン交換固定相(例えば、弱陰イオン交換固定相)上の脱色された画分をクロマトグラフィー処理することを伴う。クロマトグラフィー処理は、バッチモードにおけるものを含むか、又はカラムを使用する、任意の好適な方法で実行され得る。クロマトグラフィー処理は、溶出液(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物)として水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)を用いて実行され得、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを弱イオン交換クロマトグラフィーカラムに吸着されるようにし、一方で、他の化合物を溶出させる。
【0141】
イオン交換固定相は、非限定的であり、任意の好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相であり得る。好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相の例は、ANX-SEPHAROSE(登録商標)高速流動樹脂、DEAE SEPHAROSE(登録商標)、DEAE SEPHADEX(登録商標)A25樹脂、AMBERLITE(登録商標)(FPA 53、FPA 55、CG-50タイプI、IRC-50、IRC-50S、及びIRP-64)、DIAION WA10、及びDOWEX(登録商標)CCR-3を含む。
【0142】
イオン交換クロマトグラフィー固定相は、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理前に、任意選択的に、水性組成物(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物などの水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)でプレコンディショニングされ得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムは、約2BV/hの流速で、約2以上のベッド体積(BV)でプレコンディショニングされ得る。
【0143】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意選択的に、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpH(例えば、樹脂/固定相のpH)が、約10未満、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下のpH、又は約2~約10、約3~約8、約5~約9、約2~約6、約3~約4、若しくは約3~約6のpHであるように、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意の好適な酸(例えば、塩酸)を用いてクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に、カラムが任意選択的に(C1~C4)を含む水性組成物でプレコンディショニングされる前又は後に、調整され得る。
【0144】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHのプレコンディショニング及び/又は調整後、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物は、2BV/h(1時間当たりのベッド体積)を超える任意の速度でカラム上に負荷され得る。調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を負荷した後、カラムは、約2BV/hの速度などの任意の好適な速度で、(C1~C4)アルカノールを含む任意の好適な体積の水性組成物(例えば、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV又は少なくとも約4BVの水性組成物)で洗浄され得る。(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積は、とりわけ、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体を含有するため、廃棄され得る。
【0145】
本明細書に記載される方法のステップ(A7)は、吸着されたモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムから溶出させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液を得ることを伴う。溶出させることは、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つをカラムから溶出させるのに好適な任意の条件下で実行される。
【0146】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるのに好適な条件の例は、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなど)を含む任意の好適な体積の溶液でカラムを溶出させることを含む。塩を含む溶液の例は、(C1~C4)アルカノール(例えば、約10体積%~約60体積%、約20体積%~約50体積%、約30体積%~約55体積%、約40体積%~約60体積%、又は約50体積%の(C1~C4)アルカノールを含む、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV又は少なくとも約4BVの水性組成物)を含む水性組成物に溶解した少なくとも1つの塩(例えば、約5重量%~約25重量%、約15重量%~約20重量%又は約5重量%~約10重量%の塩)を含む溶液を含む。
【0147】
カラムからモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるための好適な条件の別の例は、酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、ギ酸など)を含む任意の好適な体積の溶液でカラムを溶出させることを含む。酸を含む溶液の例は、塩酸などを含む溶液、及び任意選択的に、約10体積%~約60体積%、約20体積%~約50体積%、約30体積%~約55体積%、約40体積%~約60体積%、又は約50体積%の(C1~C4)アルカノール)を含む水性組成物を含む酸溶液を含む。
【0148】
溶出させるステップから収集された、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液は、収集され、その後、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物を提供するための任意の好適な手段による、溶媒を除去すること(例えば、水及び(C1~C4)アルカノールを除去するための)によって濃縮され得る。溶媒除去は、不活性雰囲気下(例えば、窒素ガス雰囲気下)で達成され得る。任意の特定の理論に束縛されることを望まない一方で、不活性雰囲気下で溶媒除去を実行することは、植物バイオマス中に自然に存在するか、又は本明細書に記載されるステップのうちの1つ以上で形成するいずれかである、高度に着色した高分子物質の形成を低減できることが、考えられる。
【0149】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第1の溶出液は、溶媒を含む。溶媒は、乾燥するまでステップ(A8)において除去され得るか、又は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が溶媒として残って(例えば、溶出液の元の全体積の約50%、約40%、約30%、約20%、約10%又は約5%)、濃縮物を形成する点まで除去され得るが、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を構成する成分の比率は、吸着されたモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるために使用された(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物を構成する成分の比とは異なっていても異なっていなくてもよい。代替的には、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液中の溶媒は、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積が残る点まで除去され得、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物は、約10体積%未満、約5体積%未満、約2体積%未満又は約1体積%未満の(C1~C4)アルカノールを含む。
【0150】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物を形成するための、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む溶出液から溶媒を除去するための好適な条件は、溶出液の表面上に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を吹き込むことを含む。溶出液は、窒素ガスを吹き込む間に加熱され得るか、又は室温(例えば、25℃)であり得る。溶出液中の溶媒を除去するための他の条件は、溶出液を含む容器に真空を適用することを含む。真空は、室温で、又は容器を加熱しながら、溶出液と共に適用され得る。溶出液中の溶媒を除去するための更に他の条件は、溶出液を薄膜蒸発器又は撹拌された撹拌薄膜蒸発器に通して流すことを含む。
【0151】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物は、乾燥ステップ(A10)に直接移され得るか、又はステップ(A9)において脱塩するために提供され得る。
【0152】
脱色することからの濾液は、乾燥するステップ(A10)へと扱われるか、又はステップ(A9)で脱塩され得る。脱塩することは、疎水性樹脂を使用して達成され得る。一実施例では、脱塩することは、樹脂上に濃縮物を負荷する疎水性樹脂(例えば、Diaion SP70)を使用して達成され得る。次いで、樹脂は、希釈アルコール(例えば、残部が約2未満のpHを有する水である、約10体積%未満の(C1~C4)アルカノール)で洗浄され、次いで、約70体積%の(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物で水中に溶出されて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む脱塩された濃縮物を得る。
【0153】
本明細書に記載される方法は、脱塩濃縮物を乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を得ることを伴うステップ(A10)を含み得る。脱塩濃縮物は、凍結乾燥又は噴霧乾燥によるものを含む任意の好適な様式で乾燥され得る。
単一のクロマトグラフィー処理ステップ
【0154】
一態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法は、方法が、カフェイン、ルチン、ルチン異性体、及び例えば、以下の表2に列挙される化合物を含む下記のような他の異味化合物などの他の異味化合物の低減し好ましい含有量レベルで、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及び塩のうちの少なくとも1つの増加した量をもたらす場合、好ましい。一態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法は、方法が、カフェイン、ルチン、ルチン異性体、及び下記の表2におけるような他の異味化合物などの他の異味化合物の低減したレベルで、少なくとも1つのモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸及びそれらの塩の増加した量をもたらす場合、好ましい。一態様では、方法は、方法が異味化合物の許容可能に低減された含有量レベルを達成するようにステップの数を低減する場合、好ましい。一態様では、方法は、方法が、以下のそれぞれの許容可能なカットオフ値で下記の表2におけるような1つ以上の異味化合物を有する、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩の組成物を達成するようにステップの数を低減する場合、好ましい。例えば、生成される異味化合物の許容可能に低減された含有量レベルを達成するようにステップの数を低減するそのような方法は、許容可能な生成物を生成するのに必要とされるコスト及び/又は時間を低減するため、商業的に有利である。一態様では、生成された異味化合物の許容可能に低減された含有量レベルを達成するようにステップの数を低減する方法の例は、単一のクロマトグラフィー処理ステップを含む。例えば、生成された異味化合物の許容可能に低減された含有量レベルを達成するようにステップの数を低減する方法は、単一のクロマトグラフィー処理ステップを含み得、生成された異味化合物の許容可能に低減された含有量レベルを依然として達成しながら、脱色及び脱塩ステップを排除できる。生成された異味化合物の許容可能に低減された含有量レベルを達成するようにステップの数を低減しながら、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法の例は、
(B1)植物バイオマスを水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
(B2)任意選択的に、初期抽出物から固体を濾過/除去することと、
(B3)イオン交換クロマトグラフィー固定相上で初期抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
(B4)第1の溶出組成物で固定相を溶出させて、第1の溶出液を得ることと、
(B5)第2の溶出組成物で固定相を溶出させて、第2の溶出液を得ることと、
(B6)溶媒除去及び/又は乾燥と、を含む。
【0155】
本明細書に記載される方法のステップ(B1)は、植物バイオマスを水性組成物と接触させて、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩(例えば、四級アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、及びカルシウム塩)のうちの少なくとも1つを含む初期抽出物を得ることを伴う。
【0156】
水性組成物は、水を含み得、水に加えて共溶媒を含み得る。好適な共溶媒は、(C1~C4)アルカノール及び(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒を含む。(C1~C4)アルカノールによって、式(C1~C4)アルキル-OHのアルコールが意味され、「アルキル」は、結果として得られる(C1~C4)アルカノールが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソプロパノール、イソ-ブタノール、sec-ブタノール、及びt-ブタノールであるように、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、イソ-ブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルなどの1~4個の炭素原子を有する直鎖及び分岐状アルキル基を指す。(C1~C4)アルカノール又は(C1~C4)アルカノールの混合物などの有機溶媒の割合は、水性組成物が、最大約30体積%、最大約40体積%、最大約50体積%、最大約60体積%、最大約70体積%、最大約80体積%、最大約90体積%、若しくは最大100体積%の有機溶媒を含み得、水性組成物が100体積%の有機溶媒を含む場合を除き、残部は水であるか、又は約30体積%~約100体積%、約50体積%~約100体積%、約60体積%~約90体積%、約30体積%~約60体積%、約40体積%~約60体積%、約30体積%~約50体積%、約40体積%~約50体積%、若しくは約50体積%であり得、残部は水であるように、任意の好適な割合であり得る。
【0157】
いくつかの例では、水性組成物は、リン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、酢酸塩などを含むがこれらに限定されない、任意の好適な緩衝系で緩衝され得る。緩衝液は、1~1000mMの陰イオンの範囲にあり得る。代替的には、塩酸、硫酸、硝酸などでpH5~6に酸性化された水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。代替的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの水酸化物でpH7~11に塩基性にされた純水は、共溶媒の有無に関わらず水性組成物において有用であり得る。更に他の例では、水性組成物の浸透ポテンシャルの平衡を保つ助けとなり得る好適な非イオン性溶質を添加することが、好適であり得る。
【0158】
本明細書で使用される場合、用語「植物バイオマス」は、一般に、植物源の葉、茎(stalk)、茎(stem)、頂部、根などを含む、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの1つ以上を含む植物源(例えば、表1に列挙されるような植物源)の任意かつすべての部分を指す。植物バイオマスは、例えば、水性組成物との接触前かつ/又は接触中に植物バイオマスを切断することにより結果として得られる粉砕された形態におけるものを含む任意の好適な形態にあり得る。例えば、植物バイオマスは好適な容器において粉砕され得、水性組成物は粉砕された植物バイオマスに添加され、したがって、植物バイオマスを「接触させる」ことができる。次いで、粉砕された植物バイオマスは、好適な容器内で任意選択的に更に粉砕され得る。又は、植物バイオマスは、水性組成物が添加される好適な容器に配置され、したがって、植物バイオマスを「接触させる」ことができ、結果として得られる組成物は、粉砕され得る。
【0159】
植物バイオマスは、とりわけ、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つの抽出を最大化するために、接触前かつ/又は接触中に、撹拌、超音波処理、又は他の方法で振盪され得る。
【0160】
初期抽出物は、粉砕された植物学的植物の葉、茎、頂部、根などが本明細書に記載される方法のステップ(B2)において除去されるなどの、現状又はバルク固体又は存在する植物固体で、ステップ(B3)へと遂行され得る。ステップ(B2)が行われる際、1つのものは、第2の初期抽出物を得る。
【0161】
バルク固体は、遠心分離、浮遊物除去、又は濾過を含む、任意の好適な方法によって除去され得る。例えば、初期抽出物は、フィルタが、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを実質的に保持しない限り、紙フィルタ(例えば、Whatman 44又は54低灰濾紙などの低灰濾紙)、ナイロンフィルタ、ポリエーテルスルホンフィルタ、ガラス繊維フィルタ、珪藻土のパッドなどを含む任意の好適なフィルタを通じた重力濾過又は真空濾過を含む任意の好適な濾過方法を使用して濾過され得る。
【0162】
本明細書に記載される方法のステップ(B3)は、イオン交換固定相(例えば、弱陰イオン交換固定相)上で、初期抽出物又は第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することを伴う。クロマトグラフィー処理は、バッチモードにおけるものを含むか、又はカラムを使用する、任意の好適な方法で実行され得る。クロマトグラフィー処理は、溶出液(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物)として水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)を用いて実行され得、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを弱イオン交換クロマトグラフィーカラムに吸着されるようにし、一方で、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、及びルチン(ルトシド、ケルセチン-3-O-ルチノシド、及びソホリンとしても知られる)
【化4】
並びにそれらの異性体を含む他の化合物を溶出させる。
【0163】
本明細書に記載される方法のステップ(B3~B5)は、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つの濃度を、1質量%未満、0.5質量%未満、0.1質量%未満、0.05質量%未満、0.01質量%未満、又は0.001質量%未満の濃度まで減少し得る。したがって、本開示は、0.1質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つを含む、植物抽出物を企図する。本開示は、0.5質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの各々1つと、組み合わせて約1質量%未満の、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体と、を含む、植物抽出物も企図する。本開示は、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体のうちの少なくとも1つを効果的に含まない(例えば、カフェインを含まず、クエルシトリンを含まず、アストラガリンを含まず、アビクラリンを含まず、ソフォリコシドを含まず、ルチンを含まず、ルチン異性体を含まない、かつ/又はカフェイン、ルチン、及びルチン異性体を含まない)植物抽出物も企図する。
【0164】
本明細書に記載される方法のステップ(B3~B5)は、異味化合物のそれぞれの許容可能なカットオフ値未満で、下記の表2におけるような1つ以上の異味化合物を有する、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩の組成物を達成できる。
【0165】
イオン交換固定相は、非限定的であり、任意の好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相であり得る。好適なイオン交換クロマトグラフィー固定相の例は、ANX-SEPHAROSE(登録商標)高速流動樹脂、DEAE SEPHAROSE(登録商標)、DEAE SEPHADEX(登録商標)A25樹脂、AMBERLITE(登録商標)(FPA 53、FPA 55、CG-50タイプI、IRC-50、IRC-50S、及びIRP-64)、DIAION WA10、Sunresin T5、及びDOWEX(登録商標)CCR-3を含む。
【0166】
イオン交換クロマトグラフィー固定相は、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理前に、任意選択的に、水性組成物(例えば、約0体積%~約40体積%、約0体積%~約30体積%、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、水性組成物などの水性組成物(例えば、(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物)でプレコンディショニングされ得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムは、約2BV/hの流速で、約2以上のベッド体積(BV)でプレコンディショニングされ得る。
【0167】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意選択的に、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。例えば、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpH(例えば、樹脂/固定相のpH)が、約10未満、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下のpH、又は約2~約10、約3~約8、約5~約9、約2~約6、約3~約4、若しくは約3~約6のpHであるように、弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、任意の好適な酸(例えば、塩酸)を用いてクロマトグラフィー処理の前に調整され得る。弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHは、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物のクロマトグラフィー処理の前に、カラムが任意選択的に(C1~C4)を含む水性組成物でプレコンディショニングされる前又は後に、調整され得る。
【0168】
弱イオン交換クロマトグラフィーカラムのpHのプレコンディショニング及び/又は調整後、調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物は、2BV/h(1時間当たりのベッド体積)を超える任意の速度でカラム上に負荷され得る。調整された初期抽出物又は調整された第2の初期抽出物を負荷した後、カラムは、約2BV/hの速度などの任意の好適な速度で、(C1~C4)アルカノールを含む任意の好適な体積の水性組成物(例えば、約10体積%~約40体積%、約10体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約30体積%~約40体積%、又は約35体積%の(C1~C4)アルカノールを含み、残部が水である、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV又は少なくとも約4BVの水性組成物)で洗浄され得る。(C1~C4)アルカノールを含む水性組成物の体積は、とりわけ、カフェイン、クエルシトリン、ヒペロシド、アストラガリン、アビクラリン、ソフォリコシド、ルチン、及びルチン異性体を含有するため、廃棄され得る。
【0169】
本明細書に記載される方法のステップ(B4)は、第1の溶出組成物で固定相を溶出させて、第1の溶出液を得ることを伴う。この第1溶出は、イオン交換樹脂に結合した他の化合物を溶出させるが、カラムに吸着したモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させないことに好適な任意の条件下で実行される。
【0170】
これらの他の化合物をカラムから溶出させるのに好適な条件の例は、カラムを、約10体積%~約50体積%、約20体積%~約50体積%、又は約25体積%の(C1~C4)アルカノール(例えば、少なくとも約2BV、少なくとも約3BV、又は少なくとも約4BV)を含む、任意の好適な体積の第1の溶出液組成物でカラムを溶出させることを含む。好適な第1の溶出液組成物は、水中25%のエタノールを含む。第1の溶出液は、保持され得、所望の化合物を含有できる。例えば、この方法によって処理されたステビアバイオマスは、ステビオール配糖体を含む第1の溶出液を生成する。
【0171】
本明細書に記載される方法のステップ(B5)は、第2の溶出組成物で固定相を溶出させて、第2の溶出液を得ることを伴う。この第2の溶出させることは、カラムに吸着したモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるのに好適な任意の条件下で実行される。カラムからモノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを溶出させるための好適な条件の例は、好適な濃度(0.1~1.0%)の酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、ギ酸など)及び約50体積%~約80体積%、約60体積%~約80体積%、又は約70体積%の(C1~C4)アルカノール)を含む、任意の好適な体積の第2の溶出液組成物でカラムを溶出させることを含む。
【0172】
本明細書に記載される方法のステップ(B6)は、第2の溶出液を処理して、溶媒を除去し、かつ/又は組成物を乾燥させて、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを有する組成物を得ることを伴う。一態様では、溶媒除去は、不活性雰囲気下(例えば、窒素ガス雰囲気下)で達成され得る。
【0173】
モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む濃縮物を形成するための、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む第2の溶出液から溶媒を除去するための好適な条件は、溶出液の表面上に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を吹き込むことを含む。溶出液は、窒素ガスを吹き込む間に加熱され得るか、又は室温(例えば、25℃)であり得る。溶出液中の溶媒を除去するための他の条件は、溶出液を含む容器に真空を適用することを含む。真空は、室温で、又は容器を加熱しながら、溶出液と共に適用され得る。溶出液中の溶媒を除去するための更に他の条件は、溶出液を薄膜蒸発器又は撹拌された撹拌薄膜蒸発器に通して流すことを含む。本明細書に記載される方法は、凍結乾燥又は噴霧乾燥によるものを含む任意の好適な様式で乾燥することを含み得る。
【0174】
図4Bは、単一のクロマトグラフィー処理ステップを使用して、イエルバマテバイオマスから、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法500のフロー図である。操作502では、イエルバマテバイオマスは、熱交換器を介して70℃に加熱された脱イオン水と接触する。70℃に加熱され、イエルバマテバイオマスを充填されたステンレス鋼カラムの底部に、イエルバマテバイオマスの体積に基づいて1時間当たり2BVの流速で充填される、脱イオン水。初期抽出物は、ステンレス鋼カラムの上部から収集される。初期抽出物は、イエルバマテバイオマスの体積の10倍である体積を有する。初期抽出物の35mLの試料は、その後の分析のために収集される。初期抽出物は、4℃で保存される。
【0175】
操作510では、初期抽出物は、単一のクロマトグラフィー処理ステップで処理される。初期抽出物は、1時間当たり2BVの速度で、弱陰イオン交換固定相(Sunresin T5樹脂)に適用される。負荷される初期抽出物の全量は、樹脂1リットル当たり約40gのカフェオイルキナ酸及びその塩である。負荷フロースルーの35mLの試料は、分析のために収集される。
【0176】
次いで、固定相は、25℃で1時間当たり2BVの速度で、3ベッド体積の水中25%のエタノールを用いて洗浄される。洗浄フロースルーの35mLの試料は、分析のために収集される。
【0177】
次いで、固定相は、水中70%のエタノールと共に0.75重量%のリン酸を含む6ベッド体積の溶出組成物で溶出される。溶出組成物は、溶出前に熱交換器を介して50℃に加熱される。溶出組成物は、1時間当たり1BVで適用される。ベッド体積3、4、及び5が、プールされ、更に処理されるように、溶出液が収集される。ベッド体積1、2、及び6は、プールされ、同じプロセスによって再処理され得る。プールされたベッド体積3、4、及び5の35mLの試料は、分析のために収集される。
【0178】
操作520では、プールされた溶出液は、塩含有量について調整され、乾燥粉末に処理される。カフェオイルキナ酸及びその塩含有量は計算され、次いで、約70%のプールされた溶出液がカフェオイルキナ塩として存在するまで、水酸化ナトリウムが添加される。次いで、塩調整された試料は、蒸発器に供給され、40℃に加熱され、5~10%のDSの溶解固体含有量に達するまで、エタノール及び水を奪われる。次いで、組成物は、95%超のDSに乾燥され、微粉末に粉砕される。
【0179】
図4Cは、単一のクロマトグラフィー処理ステップを使用して、ステビアバイオマスから、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物を作製するための方法600のフロー図である。方法600はまた、ステビアバイオマスからステビオール配糖体組成物を単離できる。方法600はまた、単一バッチのステビアバイオマスから別個のステビオール配糖体組成物及び別個のカフェオイルキナ組成物を単離できる。操作602では、ステビアバイオマスは、熱交換器を介して70℃に加熱された脱イオン水と接触する。70℃に加熱され、ステビアバイオマスを充填されたステンレス鋼カラムの底部に、ステビアバイオマスの体積に基づいて1時間当たり2BVの流速で充填される、脱イオン水。初期抽出物は、ステンレス鋼カラムの上部から収集される。初期抽出物は、イエルバマテバイオマスの体積の10倍である体積を有する。初期抽出物の35mLの試料は、その後の分析のために収集される。初期抽出物は、4℃で保存される。
【0180】
操作610では、初期抽出物は、単一のクロマトグラフィー処理ステップで処理される。初期抽出物は、1時間当たり2BVの速度で、弱陰イオン交換固定相(Sunresin T5樹脂)に適用される。負荷される初期抽出物の全量は、樹脂1リットル当たり約40gのカフェオイルキナ酸及びその塩である。負荷フロースルーは、収集され、プールされ、ステビオール配糖体組成物を含有する。負荷フロースルーの35mLの試料は、分析のために収集される。
【0181】
次いで、固定相は、25℃で1時間当たり2BVの速度で、3ベッド体積の第1の溶出組成物(水中25%のエタノール)で溶出される。この第1の溶出液は、収集され、ステビオール配糖体を含有する。第1の溶出液の35mLの試料は、分析のために収集される。
【0182】
次いで、固定相は、水中70%のエタノールと共に0.75重量%のリン酸を含む6ベッド体積の第2の溶出組成物で溶出される。第2の溶出組成物は、溶出前に熱交換器を介して40℃に加熱される。溶出組成物は、1時間当たり1BVで適用される。ベッド体積3、4、及び5が、プールされ、更に処理されるように、溶出液が収集される。ベッド体積1、2、及び6は、プールされ、同じプロセスによって再処理され得る。プールされたベッド体積3、4、及び5の35mLの試料は、分析のために収集される。
【0183】
操作620では、プールされた第2の溶出液は、塩含有量について調整され、乾燥粉末に処理される。カフェオイルキナ酸及びその塩含有量は計算され、次いで、約70%の第2のプールされた溶出液がカフェオイルキナ塩として存在するまで、水酸化ナトリウムが添加される。次いで、塩調整された試料は、蒸発器に供給され、40℃に加熱され、5~10%のDSの溶解固体含有量に達するまで、エタノール及び水を奪われる。次いで、組成物は、95%超のDSに乾燥され、微粉末に粉砕され、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物が、得られる。同様に、負荷フロースルー及び第1の溶出液は、乾燥されて、ステビオール配糖体組成物を得ることができる。
モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩の組成物
【0184】
本明細書に記載される方法に従って調製されたモノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、イエルバマテバイオマスに対して実質的に同じ重量量並びに/又は実質的に同じ重量比のカフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩を含み得る。
【0185】
本明細書に記載される方法に従って調製されたモノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、約1:1~約10:1(例えば、約3:1~約10:1、約3:2~約4:1、又は約3:1~約5:1)の全ジカフェオイルキナ酸対全モノカフェオイルキナ酸の質量比を含み得る。本明細書に記載される方法に従って調製されたモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、約1:1~約0.01:1(例えば、約0.5:1~約0.1:1)の全ジカフェオイルキナ酸対全モノカフェオイルキナ酸の質量比を含み得る。
【0186】
本明細書に記載される方法に従って調製されたモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、それぞれ、約0.01(例えば、約0.005~約0.05)対約1(例えば、0.5~約1.5)対約1(例えば、0.5~約1.5)の、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸並びにそれらの塩のうちの各々1つの質量比を含み得る。
【0187】
一態様では、本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、好ましくは、好ましい含有量レベルを上回る異味化合物を含まない。表2は、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む乾燥組成物における、異味化合物、並びにそれぞれの異味化合物についての好ましい含有量レベルを示す。一態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、以下の表2に列挙されるように、開示されるカットオフ重量%を上回る化合物又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含まない。一態様では、ステップ(B1~B6)を含む方法によって調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩を含む組成物は、以下の表2に列挙されるように、開示されるカットオフ重量%を上回る化合物又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含まない。
【表2-1】
【表2-2】
【0188】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中3重量%未満の合計のマロン酸塩、マロン酸、シュウ酸塩、シュウ酸、乳酸塩、乳酸、コハク酸塩、コハク酸、リンゴ酸塩、リンゴ酸、クエン酸塩、及びクエン酸を含む。
【0189】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.5重量%未満の合計の酒石酸塩、酒石酸、ピルビン酸塩、ピルビン酸、フマル酸塩、フマル酸、アスコルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸、酢酸塩、及び酢酸を含む。
【0190】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中1重量%未満の合計の硫酸塩、硫酸、リン酸塩、リン酸、硝酸塩、硝酸、亜硝酸塩、亜硝酸、塩化物、塩酸、アンモニア、及びアンモニウムを含む。
【0191】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、5重量%未満の合計のフラボノイド、イソフラボノイド、及びネオフラボノイド(ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、フィセチン、ガランギン、イソラムネチン、パキポドール、ラムナジン、ピラノフラボノール、フラノフラボノール、ルテオリン、アピゲニン、タンゲリチン、タキシフォリン(又はジヒドロケルセチン)、ジヒドロケンフェロール、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイニン(glyciteinin)組成物を含む。
【0192】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中5重量%未満の合計のヘスペリジン、ナリンギン、ルチン、クエルシトリン、ルテオリン配糖体、及びケルセチン-キシロシドを含む。
【0193】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中5重量%未満の合計のシアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、及びペツニジンを含む。
【0194】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中1重量%未満の合計のタンニン及びタンニン酸を含む。
【0195】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.1重量%未満の合計のアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンを含む。
【0196】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中1重量%未満の合計のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドを含む。
【0197】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中1重量%未満の合計の単糖類、二糖類、多糖類、グルコース、フルクトース、スクロース、ガラクトース、リボース、トレハロース、トレハルロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、イソマルツロース、マンノース、タガトース、アラビノース、ラムノース、キシロース、デキストロース、エリトロース、トレオース、マルトトリオース、及びパノセイン(panosein)を含む。
【0198】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中1重量%未満の合計の糖アルコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、イソマルト、及びイノシトールを含む。
【0199】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、1重量%未満の合計の食物繊維、アカシア(アラビア)ガム、寒天、アルギン-アルギン酸塩、アラビノキシラン、ベータ-グルカン、ベータマンナン、カラギーナンガム、イナゴマメ又はロカストビーンガム、フェヌグリークガム、ガラクトマンナン、ゲランガム、グルコマンナン又はコンニャクガム、グアーガム、ヘミセルロース、イヌリン、カラヤガム、ペクチン、ポリデキストロース、サイリウムハスク粘液、難消化性デンプン、タラガム、トラガカントガム、キサンタンガム、セルロース、キチン、及びキトサニン(chitosanin)組成物を含む。
【0200】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.1重量%未満の合計のクロロフィル、フラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、及びトリゴネリンを含む。
【0201】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中1重量%未満のカフェインを含む。
【0202】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中1重量%未満のルチンを含む。
【0203】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.5重量%未満の合計のグリコシル化ウルソール酸及びグリコシル化オレアノール酸を含む。
【0204】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.5重量%未満の合計の揮発性有機化合物、テルペン、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニアール、アルファ-イオノン、ベータ-イオノン、エポキシ-イオノン、リモネン、リナロール、リナロール酸化物、ネロール、及びダマセノンを含む。
【0205】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.5重量%未満の合計の脂肪酸酸化生成物、デカノン、デセナール、ノネナール、オクテナール、ヘプテナール、ヘキセナール、ペンテナール、ペンテノール、ペンテノン、ヘキセノン、ヒドロキシノネナール、及びマロンジアルデヒドを含む。
【0206】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.01重量%未満の合計の多環芳香族炭化水素(PAH)(アセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(ghi)ペリレン、ベンゾ(k)フルオランテン、クリセン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ(1,2,3-cd)ピレン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、及び他のもの)を含む。
【0207】
一態様では、本明細書に記載される方法に従って、かつ乾燥時に調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、多環芳香族炭化水素(PAH)(アセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(ghi)ペリレン、ベンゾ(k)フルオランテン、クリセン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ(1,2,3-cd)ピレン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、及び他のもの)を、0.01重量%未満まで除去する。
【0208】
一態様では、乾燥時に本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、組成物中0.5重量%未満の合計の脂肪酸酸化生成物、ノネナール、ヘキセナール、ヒドロキシノネナール、及びマロンジアルデヒドを含む。
【0209】
一態様では、本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、430nmでの%透過率%が80%超であるように、色を除去する。
【0210】
一態様では、本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、b値がCIE L*a*b*色空間上で4未満であるように、色を除去する。
【0211】
一態様では、本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、脱色及び/又は脱塩するステップなく430nmでの透過率%が80%超であるように、色を除去する。
【0212】
一態様では、本明細書に記載される方法に従って調製されるモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、脱色及び/又は脱塩するステップなくb値がCIE L*a*b*色空間上で4未満であるように、色を除去する。
摂取可能な組成物
【0213】
本明細書に記載される方法に従って調製されたモノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む組成物は、飲料及び食品を含む任意の摂取可能な組成物に組み込まれ得る。
【0214】
例えば、摂取可能な組成物は、食用組成物又は非食用組成物であり得る。「食用組成物」によって、固体、ゲル、ペースト、泡状材料、半固体、液体、又はそれらの混合物を含む、ヒト又は動物によって食料として消費され得る任意の組成物が、意味される。「非食用組成物」によって、固体、ゲル、ペースト、泡状材料、半固体、液体、又はそれらの混合物を含む、食品としてではなくヒト又は動物によって消費又は使用されるように意図される任意の組成物が、意味される。非食用組成物は、治療目的のためにヒト又は動物によって使用されるように意図された非食用組成物を指す、医療組成物を含むが、これらに限定されない。「動物」によって、それは、例えば、農場動物及びペットなどの、任意の非ヒト動物を含む。
【0215】
範囲形式で表される値は、範囲の限度として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という記述は、別段示されない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、別段示されない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0216】
本文書では、用語「a」、「an」、又は「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、1つ以上のものを含むために使用される。用語「又は」は、別段示されない限り、非排他的な「又は」を指すために使用される。更に、本明細書で用いられ、別段定義されない表現又は用語は、説明のみを目的とするものであり、限定を目的とするものではないことを理解されたい。セクション見出しの任意の使用は、文書の読解を支援するように意図されており、限定として解釈されるべきではない。セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクション内に存在する場合もあり、当該セクション外に存在する場合もある。更に、本文書において参照されるすべての刊行物、特許、及び特許文書は、参照により個々に組み込まれるように、それらの全体の参照により本明細書に組み込まれる。この文書とこのように参照により組み込まれるそれらの文書との間で使用が一貫していない場合、組み込まれる参考文献における使用は、この文書のものを補足するものであると解釈されるべきである。相容れない矛盾の場合、この文書における使用を優先する。
【0217】
本明細書に記載される方法では、ステップは、時間的又は操作的な順序が明示的に列挙されている場合を除いて、本発明の原理から逸脱することなく任意の順序で行われ得る。更に、明示的な特許請求の範囲の文言がそれらは別個に実行され得ることを列挙しない限り、特定のステップが、並行して行われ得る。例えば、Xを行う請求されたステップ及びYを行う請求されたステップは、単一の操作内で同時に実施され得、結果として得られるプロセスは、請求されるプロセスの逐語的な範囲内に入ることになる。
【0218】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、例えば、指定の値の、又は範囲の指定の限度の10%以内、5%以内、又は1%以内の値又は範囲内のばらつきの程度を許容することができる。
【0219】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、又は少なくとも約99.999%若しくはそれ以上のような、大部分又はほとんどを指す。
【0220】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「ステビオール配糖体」への参照は、1つ以上のステビオール配糖体を意味する。
【実施例】
【0221】
以下の実施例は、本開示を例示するために提供されるが、その範囲を限定するように意図されない。すべての部及び百分率は、別段示されない限り、重量によるものである。
実施例1:
材料及び方法
【0222】
使用され得るイエルバマテバイオマスは、ECOTEAS(商標)Yerba Mate Unsmoked Leaf and Stem Traditional Cutとして販売される市販製品であり、北東アルゼンチンにおけるミシオネス州において栽培されたイエルバマテ茶である。バイオマスは、既に粉砕されて得られる。粉砕したイエルバマテバイオマス(300g)の一部を、ガラス瓶中の50%のエタノール/水(1.5L)に懸濁させ、1時間振盪した。振盪後、結果として得られる混合物を、Whatman 54低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して濾過した。濾過した材料を、水を使用して35%のエタノールに希釈した。希釈すると、いくつかの望ましくない物質は、35体積%のエタノールで可溶性でないため、沈殿する。したがって、希釈した材料を、Whatman 44低灰濾紙をガラス製の4Lの枝付きフラスコに入れたセラミックブフナー漏斗を使用して再濾過した。
【0223】
ガラスカラム中のAMBERLITE(登録商標)FPA 53樹脂を、塩酸水溶液で樹脂を処理して樹脂中のアミンをプロトン化することによって、イオン交換クロマトグラフィーのために調製した。次いで、塩化物を、およそ10BVの水を用いてpHが4超になるまで洗い流す。次いで、樹脂を、負荷前に水中35%のエタノール(2BV/hで2BV)を用いてプレコンディショニングする。再濾過した材料を、樹脂上に負荷した。負荷透過液を、廃棄した。次いで、樹脂を、水中35%のエタノール(2BV/hで4BV)を用いて洗浄した。透過液を、廃棄した。次いで、樹脂を、10%のFCC塩化ナトリウム(4BV、0.5BV/h)を含む水中50%のエタノールを用いて溶出させた。この最後の透過液を次のステップ移し、体積が初期体積の約1/3となり、かつ/又はエタノール濃度が溶液の1%未満になるまで、溶媒を、透過液の上部に2日間窒素ガスを吹き込むことによってゆっくりと除去した。高温、高酸素含有量、及び/又は光への高い曝露が目的の化合物を分解できるため、温度を、周囲(約25℃)温度以下に維持した。このようなケアが取られない場合、化合物は重合して、高度に着色した疎水性ポリマーを形成することになり、それらの最も大きなもののうちのいくつかは水に不溶性である。
【0224】
濃縮した材料を、ブフナー漏斗上のWhatman 44濾紙を通して濾過し、続いて0.2μmのポリエーテルスルホンフィルタを通して濾過した。濾過した材料を、3kDa分子量カットオフ膜TURBOCLEAN(登録商標)NP010を使用し、透過液を維持して脱色したが、GE Osmonic Sepa CF TF(薄膜)UF GK膜を使用できる。脱色した材料は、経時的に分解/重合することになり、酸化プロセスに起因して分解でき、このことは、系内に色を再導入することになる。したがって、1~2日以内などの脱色のすぐ後に脱塩及び乾燥することが、賢明である。次いで、脱色した材料を、TRISEP(登録商標)XN45ナノ濾過膜を通して濾過して、脱塩した。脱塩した材料を、LABCONCO(商標)FAST-FREEZE(商標)600mLフラスコを使用して凍結乾燥した。
【0225】
凍結乾燥した材料を、C18に基づく逆相カラムを使用するUHPLC-UV分析を使用して特徴付けた。移動相Aは、水中0.025%のTFAからなり、移動相Bはアセトニトリルである。5%Bでの初期保持後、化合物を、0.4 mL/分の流速で1.2~15分の5%B~25%Bの勾配によって上昇した温度で溶出させる。次いで、カラムを、100%のアセトニトリルを用いて洗浄し、再平衡化する。UV検出器を、210及び324nmでデータを記録するように設定する。
【0226】
図5~
図7は、初期イエルバマテ抽出物のUHPLC-UVクロマトグラムであり、濃縮物は、イオン交換クロマトグラフィー固定相上で調整された第2の初期抽出物をクロマトグラフィー処理することに続いて、かつ乾燥後に、ステップ(a)~(h)に記載されるプロセスに続いて得られ、「DCQA」は、「ジカフェオイルキナ酸」を指す。
図5は、初期イエルバマテ抽出物が、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、カフェ酸、並びに3,4-DCQA及び3,5-DCQAを含むジカフェオイルキナ酸の様々な異性体を含む、目的の化合物に加えて、カフェイン並びにルチンを含有することを示す。本明細書に記載されるように、かつ
図6に示されるように、クロマトグラフィー処理は、初期のイエルバマテ抽出物中に存在する大量のカフェイン及びルチンを除去する。
図5に提示される、カフェインに対応するおよそ5.67分の保持時間での、かつルチンに対応するおよそ9.36分でのピークは、
図6に存在しない。同じことが、
図7に当てはまる。ネオクロロゲン酸、クロロゲン酸、カフェ酸、クリプトクロロゲン酸、及びジカフェオイルキナ酸の様々な異性体についてのピークの相対強度は存続し、したがって、本明細書に記載される方法を使用して得られた組成物が、イエルバマテバイオマスに対して、実質的に同じ重量量又は実質的に同じ重量比の、カフェ酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩を含むという事実に信用を与える。
【0227】
図8~
図10は、それぞれ、
図5~
図7に示されるUHPLC-UVクロマトグラフについてのピーク名、保持時間、及び相対面積パーセントデータを表形式で示す表である。
実施例2:
ステビア抽出
【0228】
ステビアバイオマスを使用して、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含むカフェインキナ酸(CQA)組成物を調製した。ステビアバイオマスを、乾燥ステビア葉の形態で得た。乾燥ステビア葉バイオマスを、50%のエタノール(v/v)を使用して超純水中で1時間の接触時間抽出して、初期抽出物を得た。初期抽出物の全質量は、ステビア葉バイオマスの質量の10倍であった。初期抽出物を、20μmのフィルタで濾過し、保持した固体を、ステビア葉バイオマスの量の約5倍である量の50%のエタノール抽出組成物を用いて洗浄した。
【0229】
初期抽出物は、顕著なクロロフィル及び他の疎水性成分を含有した。酢酸エチル抽出を行って、クロロフィル及び他の疎水性成分の濃度を低減した。初期抽出物をガラス容器に移し、等量の超純水、続いて同じ体積の酢酸エチルを添加した。ガラス容器を振盪し、液相を分離させた。酢酸エチルを除去し、追加の体積の酢酸エチルを添加した。ガラス容器を再度振盪し、液相を分離させた。酢酸エチルを除去し、残りの水性画分を保持した。残りの水性画分をH2SO4で酸性化して、カフェオイルキナを塩形態から酸形態に変換した。別の体積の酢酸エチルを添加し、容器を振盪し、液相を分離させた。ここで、カフェオイルキナが酢酸エチル画分に存在するため、この第1の酢酸エチル画分を、保持し、更に処理した。任意に、酢酸エチル抽出の第2のラウンドは、第1の酢酸エチル画分と組み合わされ得る第2の酢酸エチル画分を得るために、CQAの収率を増加できる。酢酸エチル画分を窒素下で24時間超乾燥させ、化合物を水中で再構成して、再構成画分を得た。
イオン交換クロマトグラフィー
【0230】
弱陰イオン交換樹脂、Dowex 66は、イオン交換固定相として機能した。樹脂を、カラム中に充填し、使用前に以下の様式で再生した:樹脂を水に懸濁させてスラリーを形成し、スラリーを、ベッド体積が所望の量に達するまでカラムに負荷した。樹脂内の潜在的な空隙を除去し、チャネリングを防止するために、2ベッド体積の脱イオン水を、1時間当たり4ベッド体積の速度で底部から上部へと流した。ベッド体積の4倍に等しい水中7%のHCl及び50%のエタノール(v/v)の溶液を、調製し、上部から底部までカラム中にポンプ注入した。その後、カラムの廃液が4超のpHに達するまで、カラムを、1時間当たり4ベッド体積の速度で脱イオン水ですすいだ。
【0231】
再構成画分を調製されたイオン交換カラム上に負荷し、カラムを洗浄した。カラムを、1時間当たり2ベッド体積の速度で25℃で負荷した。次いで、カラムを、25℃の温度及び1時間当たり2ベッド体積の速度で、水中50%のエタノール(v/v)の3ベッド体積溶液を用いて洗浄した。
【0232】
樹脂を、高濃度の塩を含有する溶媒溶液を使用して溶出させた。50%のエタノール(v/v)及び10%(w/v)の塩化ナトリウムを含有する溶出組成物を使用して、樹脂を溶出させた。樹脂を、1時間当たり2ベッド体積の速度で、4ベッド体積の溶出組成物溶液を用いて溶出させた。溶出液を、収集した。次いで、樹脂を、上記のHCl/エタノール法を使用して再生した。
蒸発及び樹脂を脱塩
【0233】
溶出液を窒素ガスを用いて蒸発させて、有機溶媒を除去した。疎水性樹脂、Diaion SP70を、充填し、使用前に95%のエタノール(v/v)を用いて洗浄した。次いで、疎水性樹脂を、1時間当たり4ベッド体積の速度で4ベッド体積の水を用いて洗浄した。溶出液を疎水性樹脂上に負荷し、1時間当たり2ベッド体積の流速で0.1%のHClを含有する、2ベッド体積の水中10%のエタノール(v/v)を用いて洗浄した。疎水性樹脂を、1時間当たり2ベッド体積で、2ベッド体積の純水を用いて洗浄した。疎水性樹脂を、4ベッド体積の水中70%のエタノール(v/v)で溶出させ、脱塩した溶出液を窒素下で乾燥させて、エタノールを除去して、脱塩画分を得た。脱塩画分を水酸化ナトリウムで調整し、pHが3.0超であるが4.0未満になるまで(約50%~80%の塩画分に対応する)水酸化ナトリウムで調整して、カフェオイルキナ(CQA)組成物を得た。カフェオイルキナ(CQA)組成物を、ドライアイス/イソプロパノール浴中で急速凍結し、凍結乾燥して、最終粉末を得た。
実施例3:
イエルバマテ抽出
【0234】
単一のクロマトグラフィー処理ステップを使用し、イエルバマテバイオマスを使用して、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含むカフェインキナ酸(CQA)組成物を調製した。イエルバマテバイオマスを、乾燥したイエルバマテルースリーフ(loose leaf)茶の形態で得た。ステンレス鋼カラムに、イエルバマテバイオマスを充填した。熱交換器を介して70℃に加熱した脱イオン水を、ステンレス鋼カラムの底部に適用した。加熱した脱イオン水を、イエルバマテバイオマスの体積に基づいて1時間当たり2BVの流速で適用した。初期抽出物を、ステンレス鋼カラムの上部から収集した。初期抽出物は、イエルバマテバイオマスの体積の10倍である体積を有した。初期抽出物の35mLの試料を、その後の分析のために収集した。初期抽出物を、4℃で保存した。
【0235】
弱陰イオン交換樹脂、Sunresin T5は、固定相として機能し、使用前にカラム中に充填され再生された。樹脂を脱イオン水中に懸濁して、スラリーを形成し、次いで、ベッド体積が所望の量に達するまでカラム中に負荷した。樹脂内の潜在的な空隙を除去し、チャネリングを防止するために、2ベッド体積の脱イオン水を、1時間当たり4ベッド体積の速度で底部から上部へと流した。ベッド体積の4倍に等しい水中15%のHCl(w/w)及び50%のエタノール(v/v)の46.7%(v/v)の溶液を、調製し、カラムの上部ポートでカラムに適用した。その後、カラムの廃液が4超のpHに達するまで、カラムを、1時間当たり4ベッド体積の速度で脱イオン水ですすいだ。追加の脱イオン水を、1時間当たり8ベッド体積の増加した流速でカラムに流して、カラムを更に充填した。
【0236】
初期抽出物を、単一のクロマトグラフィー処理ステップで処理した。初期抽出物を、1時間当たり2BVの速度で充填されたカラムに適用した。負荷される初期抽出物の全量は、樹脂1リットル当たり約33gのカフェオイルキナ酸及びその塩であった。負荷フロースルーの35mLの試料を、分析のために収集した。
【0237】
次いで、固定相を、25℃で1時間当たり2BVの速度で、3ベッド体積の水中25%のエタノールを用いて洗浄した。負荷フロースルーの35mLの試料を、分析のために収集した。
【0238】
次いで、カラムを、70%のエタノール(v/v)及び0.88%(v/v)の85重量%のリン酸を含有する6ベッド体積の溶出組成物を用いて溶出させた。溶出組成物を、溶出前に熱交換器を介して50℃に加熱した。溶出組成物を、1時間当たり1BVで適用した。ベッド体積3、4、及び5が、プールされ、更に処理されるように、溶出液を収集した。ベッド体積1、2、及び6は、プールされ、再処理され得る。プールされたベッド体積3、4、及び5の35mLの試料を、分析のために収集した。次いで、樹脂を、上記の方法を使用して再生した。
pH調整及び乾燥
【0239】
プールした溶出液を、塩含有量について調整し、乾燥粉末に処理した。カフェオイルキナ酸及びその塩含有量を計算し、次いで、約70%のプールされた溶出液がカフェオイルキナ酸として存在するまで、水酸化ナトリウムを添加した。次いで、塩調整された試料を、蒸発器に供給し、40℃に加熱し、5~10%のDSの溶解固体含有量が達成されるまで、エタノール及び水を奪った。次いで、組成物を、95%超のDSに乾燥し、微粉末に粉砕した。
実施例4:
ステビア抽出
【0240】
単一のクロマトグラフィー処理ステップを使用し、ステビアバイオマスを使用して、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含むカフェインキナ酸(CQA)組成物を調製した。ステビアバイオマスを、乾燥したステビア葉(Stevia One,Peru)の形態で得た。ステンレス鋼カラムに、ステビア葉バイオマスを充填した。熱交換器を介して70℃に加熱した脱イオン水を、ステンレス鋼カラムの底部に適用した。加熱した脱イオン水を、ステビア葉バイオマスの体積に基づいて1時間当たり2BVの流速で適用した。初期抽出物を、ステンレス鋼カラムの上部から収集した。初期抽出物は、ステビア葉バイオマスの体積の10倍である体積を有した。初期抽出物の35mLの試料を、その後の分析のために収集した。初期抽出物を、4℃で保存した。
【0241】
弱陰イオン交換樹脂、Sunresin T5は、固定相として機能し、使用前にカラム中に充填され再生された。樹脂を脱イオン水中に懸濁して、スラリーを形成し、次いで、ベッド体積が所望の量に達するまでカラム中に負荷した。樹脂内の潜在的な空隙を除去し、チャネリングを防止するために、2ベッド体積の脱イオン水を、1時間当たり4ベッド体積の速度で底部から上部へと流した。ベッド体積の4倍に等しい水中15%のHCl(w/w)及び50%のエタノール(v/v)の46.7%(v/v)の溶液を、調製し、カラムの上部ポートでカラムに適用した。その後、カラムの廃液が4超のpHに達するまで、カラムを、1時間当たり4ベッド体積の速度で脱イオン水ですすいだ。追加の脱イオン水を、1時間当たり8ベッド体積の増加した流速でカラムに流して、カラムを更に充填した。
【0242】
初期抽出物を、単一のクロマトグラフィー処理ステップで処理した。初期抽出物を、1時間当たり2BVの速度で充填されたカラムに適用した。負荷される初期抽出物の全量は、樹脂1リットル当たり約33gのカフェオイルキナ酸及びその塩であった。負荷フロースルーの35mLの試料を、分析のために収集した。
【0243】
次いで、カラムを、25℃で1時間当たり2BVの速度で、3ベッド体積の水中25%のエタノールを用いて洗浄した。負荷フロースルーの35mLの試料を、分析のために収集した。
【0244】
次いで、カラムを、70%のエタノール(v/v)及び0.88%(v/v)の85重量%のリン酸を含有する6ベッド体積の溶出組成物を用いて溶出させた。溶出組成物を、溶出前に熱交換器を介して40℃に加熱した。溶出組成物を、1時間当たり1BVで適用した。ベッド体積3、4、及び5が、プールされ、更に処理されるように、溶出液を収集した。ベッド体積1、2、及び6は、プールされ、再処理され得る。プールされたベッド体積3、4、及び5の35mLの試料を、分析のために収集した。次いで、樹脂を、上記の方法を使用して再生した。
pH調整及び乾燥
【0245】
プールした溶出液を、塩含有量について調整し、乾燥粉末に処理した。カフェオイルキナ酸及びその塩含有量を計算し、次いで、約70%のプールされた溶出液がカフェオイルキナ酸として存在するまで、水酸化ナトリウムを添加した。次いで、塩調整された試料を、蒸発器に供給し、40℃に加熱し、5~10%のDSの溶解固体含有量が達成されるまで、エタノール及び水を奪った。次いで、組成物を、95%超のDSに乾燥し、微粉末に粉砕した。
【0246】
処理中に収集した試料を、UHPLC-UV分析のために提供した。合計6つのカフェオイルキナ酸(caffeoylquinic acid、CQA)及び7つのステビオール配糖体(steviol glycoside、SG)を定量した。結果は、CQAがこの処理方法を使用してSGから単離されることができることを示した(
図11を参照されたい)。SGの大部分は、負荷フロースルー及びエタノール洗浄ステップ(それぞれ、87%及び11%の合計)に含まれた。このことは、単置換CQA(mono-substituted CQA、MCQA)の80%及び二置換CQA(di-substituted CQA、DCQA)の89%が溶出流出液内に含有されたCQAとは対照的であった。イオン交換カラム上に負荷された初期抽出物は、4:1比のSG対CQA(21.5gのSG、4.9gのCQA)を含有したが、溶出溶出液は、1:38比のSG対CQA(0.1gのSG、3.8gのCQA)を含有した。これらの結果は、単一のクロマトグラフィー処理方法が、二重精製スキームを提供して、単一バッチのステビア葉バイオマスからCQA及びSGの両方を同時に単離するために使用され得ることを示す。
実施例5:
【0247】
上記の方法によって調整されたモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩を含む組成物を分析して、組成物中に残る色を評価した。4つのロットを、イエルバマテバイオマスを使用して調製し、色について分析した。初期抽出物の試料も、分析した。4つのロットをHunterLab Vista分光光度計で分析して、各ロットのL a*b*値を記録した。この器具が利用できない場合、分光光度計が、430nmでの試料の透過率を測定するために使用され得る。
【0248】
簡潔に述べると、1%(wt/wt)氷酢酸の溶液を、超純水中で約4のpHに調製した。各ロットからのアリコートを使用して、1%(重量/重量)の氷酢酸溶液中の個々の試験試料を調製した。試験試料を、1.0mg/mLの全モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩の最終濃度に調製した。対照試料を、1%(重量/重量)の氷酢酸溶液のみを用いて調製した。各試験試料のL a*b*値を、HunterLab Vista分光光度計を使用して測定した。許容可能なカットオフ値は、b*値について3.5未満(又は430nmで85%超の透過率)であった。
【0249】
ロット1、2、及び4を、イオン交換クロマトグラフィーを用いて調製し、疎水性カラムで脱塩し、膜濾過で脱色した。ロット3を、ステップ(B1~B6)及び実施例3における上記の方法で調製した。初期抽出物を有する試料は、参照として機能した。試験試料及び対照についてのb*値が、以下の表3に示される。
【表3】
【0250】
ロット1、2、及び4は、3.5のカットオフ値未満のb*値によって証明されるように、色の許容可能な除去を示した。ロット3は、2.87のb*値(3.5カットオフ値未満)による証拠としての、色の許容可能な除去を示した。したがって、驚くべきことに、ステップ(B1~B6)及び実施例3における上記の方法に対応する試料は、単一のクロマトグラフィー処理ステップのみが使用され、別個の脱塩及び脱色ステップが使用されなかったとしても、色の許容可能な除去を示した。
実施例6:
【0251】
上記の方法によって調製されたモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩を含む組成物を分析して、多環芳香族炭化水素の存在を評価した。蛍光検出を用いた液体クロマトグラフィーを利用して、多環芳香族炭化水素の存在を分析した。方法は、飲料水中のPAH含有量の分析のためのEPA法610において報告されたものと同様であった。試料を、アセトニトリル中に抽出し、0.2μmのPTFEフィルタを通して濾過し、更なる洗浄なく注入した。原材料及び最終生成物を、全CQA含有量がそれらの間で同等であるように調製した。追加の試料を、アセトニトリル希釈剤のみを含有する同じ方法で調製した。表4における結果は、初期葉に存在する蛍光材料が、ブランクに匹敵するように最終生成物から完全に除去されることを示す。
【表4】
実施例7:
【0252】
上記の方法によって調製されたモノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩を含む組成物を分析して、サポニンの存在を評価した。以下の表5は、アッセイされたサポニン化合物及びそれらの対応する質量を示す。
【表5】
【0253】
組成物を、ステップ(B1~B6)及び実施例3における上記の方法を使用して、イエルバマテバイオマスから調製した。アリコートを、プロセス全体を通して採取した。以下の表6に記載される試料を、55%メタノール/水における希釈によって調製した。試料を、高解像度Orbitrap質量分析計に注入し、70,000質量分解能でフルスキャンデータを収集した。サポニンの正確な質量を抽出し、面積カウントが表6に報告される。
【表6】
【0254】
本発明は以下の実施形態を提供し、その付番は重要度のレベルを指定するものとして解釈されない。
実施形態
1. カフェオイルキナ組成物を作製するための方法であって、
バイオマスを第1の水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
イオン交換固定相上で初期抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
第1の水性溶出組成物で固定相を溶出させて、第1の溶出液を得ることと、
第2の水性溶出組成物で固定相を溶出させて、第2の溶出液を得ることと、を含み、
第2の溶出液が、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及び前述のものの塩のうちの1つ以上を含む、方法。
2. バイオマスが、イエルバマテ、ステビア、及びグローブアーティチョークからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
3. バイオマスが、粉砕される、実施形態1に記載の方法。
4. クロマトグラフィー処理前に初期抽出物から固体を除去することを更に含む、実施形態1に記載の方法。
5. クロマトグラフィー処理前に初期抽出物を濾過することを更に含む、実施形態1に記載の方法。
6. モノカフェオイルキナ酸が、3-O-カフェオイルキナ酸、4-O-カフェオイルキナ酸、及び5-O-カフェオイルキナ酸のうちの1つ以上を含む、実施形態1に記載の方法。
7. ジカフェオイルキナ酸が、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの1つ以上を含む、実施形態1に記載の方法。
8. 固定相が、弱陰イオン交換固定相である、実施形態1に記載の方法。
9. 第1の水性組成物が水である、実施形態1に記載の方法。
10. 第1の水性組成物が、バイオマスと接触する前に50~70℃に加熱される、実施形態1に記載の方法。
11. 初期抽出物が、20~25℃で固定相と接触する、実施形態1に記載の方法。
12. 初期抽出物が、1時間当たり1~2ベッド体積で固定相と接触する、実施形態1に記載の方法。
13. 初期抽出物が、樹脂1リットル当たり最大40gのカフェオイルキナ組成物の比で固定相と接触する、実施形態1に記載の方法。
14. 初期抽出物が、固定相と接触し、固定相が、第1の水性組成物で洗浄されて、第1の洗浄組成物を得る、実施形態1に記載の方法。
15. 第1の水性溶出組成物が、1~40%の(C1~C4)アルカノールを含む、実施形態1に記載の方法。
16. 第1の水性溶出組成物が、20~30%の(C1~C4)アルカノールを含む、実施形態1に記載の方法。
17. (C1~C4)アルカノールが、エタノールである、実施形態1に記載の方法。
18. 第1の水性溶出組成物が、25%のエタノールを含む、実施形態1に記載の方法。
19. 固定相が、少なくとも3ベッド体積の第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態1に記載の方法。
20. 固定相が、20~25℃で第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態1に記載の方法。
21. 固定相が、1時間当たり1~2ベッド体積の速度で、第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態1に記載の方法。
22. 第2の水性溶出組成物が、50~80%の(C1~C4)アルカノールを含む、実施形態1に記載の方法。
23. 第2の水性溶出組成物が、50~80%のエタノールを含む、実施形態1に記載の方法。
24. 第2の水性溶出組成物が、70%のエタノールを含む、実施形態1に記載の方法。
25. 第2の水性溶出組成物が、1~10%の塩を含む、実施形態1に記載の方法。
26. 第2の水性溶出組成物が、塩化ナトリウムを含む、実施形態1に記載の方法。
27. 第2の水性溶出組成物が、酸性化される、実施形態1に記載の方法。
28. 第2の水性溶出組成物が、リン酸で酸性化される、実施形態1に記載の方法。
29. 第2の水性溶出組成物が、0.5~1.0%のリン酸で酸性化される、実施形態1に記載の方法。
30. 固定相が、少なくとも2ベッド体積の第2の水性溶出組成物で溶出される、実施形態1に記載の方法。
31. 固定相が、1時間当たり1ベッド体積の速度で、第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態1に記載の方法。
32. 第2の水性溶出組成物が、固定相を溶出させる前に40~50℃に加熱される、実施形態1に記載の方法。
33. 第2の溶出液が、約0.01対約1対約1の、モノカフェオイルキナ酸及びその塩対ジカフェオイルキナ酸及びその塩の質量比を有する、実施形態1に記載の方法。
34. 脱色するステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
35. 脱塩するステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
36. 第2の溶出液を疎水性樹脂固定相でクロマトグラフィー処理して、第2の溶出液を脱塩することを更に含む、実施形態1に記載の方法。
37. 第1の溶出液を乾燥させるステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
38. 第2の溶出液を乾燥させるステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
39. バイオマスがイエルバマテである、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
40. 固定相が、弱陰イオン交換固定相である、実施形態39に記載の方法。
41. 第1の水性溶出組成物が、25%のエタノールを含む、実施形態39に記載の方法。
42. 固定相が、25℃で第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態39に記載の方法。
43. 固定相が、1時間当たり2ベッド体積の速度で、第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態39に記載の方法。
44. 第2の水性溶出組成物が、70%(v/v)のエタノール及び0.75%(w/v)のリン酸を含む、実施形態39に記載の方法。
45. 固定相が、1時間当たり1ベッド体積の速度で、第2の水性溶出組成物で溶出される、実施形態39に記載の方法。
46. バイオマスが、ステビアである、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
47. 固定相が、弱陰イオン交換固定相である、実施形態46に記載の方法。
48. 第1の水性溶出組成物が、25%のエタノールを含む、実施形態46に記載の方法。
49. 固定相が、25℃で第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態46に記載の方法。
50. 固定相が、1時間当たり2ベッド体積の速度で、第1の水性溶出組成物で溶出される、実施形態46に記載の方法。
51. 初期抽出物が、固定相と接触し、固定相が、第1の水性組成物で洗浄されて、ステビオール配糖体を含む第1の洗浄組成物を得る、実施形態46に記載の方法。
52. 第1の溶出液が、ステビオール配糖体を含む、実施形態46に記載の方法。
53. 第2の水性溶出組成物が、70%(v/v)のエタノール及び0.88%(w/v)の85重量%のリン酸を含む、実施形態46に記載の方法。
54. 実施形態46に記載の方法、第2の水性溶出組成物70%(v/v)のエタノール及び0.75%(w/v)のリン酸
55. 固定相が、1時間当たり1ベッド体積の速度で第2の水性溶出組成物で溶出される、実施形態47に記載の方法。
56. イエルババイオマスからカフェオイルキナ組成物を単離するための方法であって、
イエルバマテバイオマスを第1の水性組成物と接触させて、初期抽出物を得ることと、
弱陰イオン交換固定相上で初期抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
固定相を第1の水性組成物を用いて洗浄することと、
水性25%のエタノール組成物で弱陰イオン交換固定相を溶出させて、第1の溶出液を得ることと、
水性酸性化70%のエタノール組成物で固定相を溶出させて、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及び前述のものの塩のうちの1つ以上を含む第2の溶出液を得ることと、を含む、方法。
57. ステビアバイオマスからステビオール配糖体組成物及びカフェオイルキナ組成物を単離するための方法であって、
ステビアバイオマスを第1の水性組成物と接触させて、初期ステビア抽出物を得ることと、
弱陰イオン交換固定相上で初期ステビア抽出物をクロマトグラフィー処理することと、
固定相を第1の水性組成物を用いて洗浄して、ステビオール配糖体組成物を含む洗浄溶液を得ることと、
水性25%のエタノール組成物で弱陰イオン交換固定相を溶出させて、ステビオール配糖体を含む第1の溶出液を得ることと、
水性酸性化70%のエタノール組成物で固定相を溶出させて、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及び前述のものの塩のうちの1つ以上を含む第2の溶出液を得ることと、を含む、方法。
58. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中3重量%未満の合計のマロン酸塩、マロン酸、シュウ酸塩、シュウ酸、乳酸塩、乳酸、コハク酸塩、コハク酸、リンゴ酸塩、リンゴ酸、クエン酸塩、及びクエン酸を含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
59. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.5重量%未満の合計の酒石酸塩、酒石酸、ピルビン酸塩、ピルビン酸、フマル酸塩、フマル酸、アスコルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸、酢酸塩、及び酢酸を含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
60. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中1重量%未満の合計の硫酸塩、硫酸、リン酸塩、リン酸、硝酸塩、硝酸、亜硝酸塩、亜硝酸、塩化物、塩酸、アンモニア、及びアンモニウムを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
61. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、5重量%未満の合計のフラボノイド、イソフラボノイド、及びネオフラボノイド(ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、フィセチン、ガランギン、イソラムネチン、パキポドール、ラムナジン、ピラノフラボノール、フラノフラボノール、ルテオリン、アピゲニン、タンゲリチン、タキシフォリン(又はジヒドロケルセチン)、ジヒドロケンフェロール、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイニン組成物を含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
62. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中5重量%未満の合計のヘスペリジン、ナリンギン、ルチン、クエルシトリン、ルテオリン配糖体、及びケルセチン-キシロシドを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
63. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中5重量%未満の合計のシアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、及びペツニジンを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
64. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中1重量%未満の合計のタンニン及びタンニン酸を含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
65. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.1重量%未満の合計のアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
66. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中1重量%未満の合計のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
67. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中1重量%未満の合計の単糖類、二糖類、多糖類、グルコース、フルクトース、スクロース、ガラクトース、リボース、トレハロース、トレハルロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、イソマルツロース、マンノース、タガトース、アラビノース、ラムノース、キシロース、デキストロース、エリトロース、トレオース、マルトトリオース、及びパノセインを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
68. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中1重量%未満の合計の糖アルコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、イソマルト、及びイノシトールを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
69. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、1重量%未満の合計の食物繊維、アカシア(アラビア)ガム、寒天、アルギン-アルギン酸塩、アラビノキシラン、ベータ-グルカン、ベータマンナン、カラギーナンガム、イナゴマメ又はロカストビーンガム、フェヌグリークガム、ガラクトマンナン、ゲランガム、グルコマンナン又はコンニャクガム、グアーガム、ヘミセルロース、イヌリン、カラヤガム、ペクチン、ポリデキストロース、サイリウムハスク粘液、難消化性デンプン、タラガム、トラガカントガム、キサンタンガム、セルロース、キチン、及びキトサニン組成物を含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
70. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.1重量%未満の合計のクロロフィル、フラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、及びトリゴネリンを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
71. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中1重量%未満の合計のカフェインを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
72. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中1重量%未満の合計のルチンを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
73. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.5重量%未満の合計のグリコシル化ウルソール酸及びグリコシル化オレアノール酸を含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
74. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.5重量%未満の合計の揮発性有機化合物、テルペン、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニアール、アルファ-イオノン、ベータ-イオノン、エポキシ-イオノン、リモネン、リナロール、リナロール酸化物、ネロール、及びダマセノンを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
75. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.5重量%未満の合計の脂肪酸酸化生成物、デカノン、デセナール、ノネナール、オクテナール、ヘプテナール、ヘキセナール、ペンテナール、ペンテノール、ペンテノン、ヘキセノン、ヒドロキシノネナール、及びマロンジアルデヒドを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
76. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.01重量%未満の合計のアセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(ghi)ペリレン、ベンゾ(k)フルオランテン、クリセン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ(1,2,3-cd)ピレン、ナフタレン、フェナントレン、及びピレンなど多環芳香族炭化水素(PAH)を含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
77. 多環芳香族炭化水素(PAH)(アセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(ghi)ペリレン、ベンゾ(k)フルオランテン、クリセン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ(1,2,3-cd)ピレン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、及び他のもの)が、0.01重量%未満まで除去される、実施形態1に記載の方法。
78. 乾燥時のカフェオイルキナ組成物が、組成物中0.5重量%未満の合計の脂肪酸酸化生成物、デカノン、デセナール、ノネナール、オクテナール、ヘプテナール、ヘキセナール、ペンテナール、ペンテノール、ペンテノン、ヘキセノン、ヒドロキシノネナール、及びマロンジアルデヒドを含む、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
79. 430nmでの透過率%が80%超であるように、色が除去される、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
80. b値がCIE L*a*b*色空間上で4未満であるように、色が除去される、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
81. 430nmでの透過率%が脱色及び/又は脱塩するステップなく80%超であるように、色が除去される、実施形態1~33及び37~57のいずれか1つに記載の方法。
82. b値が脱色及び/又は脱塩するステップなくCIE L*a*b*色空間上で4未満であるように、色が除去される、実施形態1~33及び37~57のいずれか一項に記載の方法
83. 実施形態1~82のいずれか一項に記載の方法によって作製される、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む、組成物。
84. 実施形態83に記載の組成物を含む、摂取可能な組成物。
85. 摂取可能な組成物が、飲料又は食品である、実施形態84に記載の摂取可能な組成物。