IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 麦得科科技有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図1A
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図1B
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図2
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図3
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図4
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図5
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図6A
  • 特許-拡大被写界深度を有する眼用レンズ 図6B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】拡大被写界深度を有する眼用レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20231128BHJP
   A61F 2/16 20060101ALN20231128BHJP
【FI】
G02C7/04
A61F2/16
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022005524
(22)【出願日】2022-01-18
(65)【公開番号】P2023026996
(43)【公開日】2023-03-01
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】202110936281.1
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522023738
【氏名又は名称】麦得科科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】魏欣
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-528451(JP,A)
【文献】特表2020-528578(JP,A)
【文献】特表2019-508130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡大被写界深度を有する眼用レンズであって、光軸を中心として互いに対向する第1面及び第2面を有する光学ユニットを備え、前記第1面と前記第2面のうちの少なくとも一方の面は、基礎的なベクトル高さプロファイルと特徴的なベクトル高さプロファイルとが重ねられて限定されているとともに、
前記光軸から第1の径方向境界へ延伸している第1エリアと、
前記第1の径方向境界から第2の径方向境界へ延伸している第2エリアと、
前記第2の径方向境界から前記光学ユニットのエッジへ延伸している第3エリアと、を含み、
前記第1エリアが自由曲面エリアであり、且つ、前記第2エリアが位相転移エリアであり
前記第2エリアは、少なくとも1つの段差部を含み、
前記第2エリアに対応する前記特徴的なベクトル高さプロファイルにおいて、各段差部のベクトル高さが前記光軸から離れる径方向に沿って高くなっており、
前記第1エリアは、前記光軸から離れる径方向に沿って、内側領域、中間領域、および、外側領域を順次に含み、
前記第1エリアに対応する前記特徴的なベクトル高さプロファイルにおいて、
前記内側領域の特徴的なベクトル高さが一定なものであり、前記中間領域の特徴的なベクトル高さが前記内側領域から離れる径方向に沿って、べき級数的に増加しており、前記外側領域の特徴的なベクトル高さが線形的に増加している、眼用レンズ。
【請求項2】
前記少なくとも一方の面は、
【数1】


で限定されており、
ただし、
【数2】


が前記少なくとも一方の面のベクトル高さプロファイルを示し、
【数3】


が前記基礎的なベクトル高さプロファイルを示し、
【数4】


が前記特徴的なベクトル高さプロファイルを示し、rが前記光軸までの径方向距離を示し、ここで、
【数5】



【数6】



ただし、cが前記少なくとも一方の面の基礎的な曲率を示し、kが円錐定数を示し、aとaがそれぞれ、4次の係数と6次の係数を示し、Z112(r)、Z114(r)、Z116(r)がそれぞれ、前記第1エリア、前記第2エリア、前記第3エリアに対応する前記特徴的なベクトル高さプロファイルを示し、r112、r114、rozがそれぞれ、前記第1の径方向境界、前記第2の径方向境界、および、前記光学ユニットのエッジから前記光軸までの径方向距離を示す、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項3】
前記第1エリアは、前記光軸から離れる径方向に沿って、内側領域、中間領域、および、外側領域を順次に含み、且つ、
【数7】



ただし、r120とr122がそれぞれ、前記内側領域と前記中間領域の外周境界の各々の、前記光軸までの径方向距離を示し、k122_4、k122_3、k122_2、k122_1、k122_0がそれぞれ、前記中間領域に対応する前記特徴的なベクトル高さプロファイルの多項式係数を示し、k124_1とk124_0がそれぞれ、前記外側領域に対応する前記特徴的なベクトル高さプロファイルの線形係数を示し、ここで、k122_0とk124_0により、Z112(r)の連続性が確保される、請求項2に記載の眼用レンズ。
【請求項4】
120が0.15mm~0.35mmの範囲内にあり、
122が0.85mm~1.15mmの範囲内にあり、且つ、
112が1.2mm~1.5mmの範囲内にある、請求項3に記載の眼用レンズ。
【請求項5】
前記中間領域において発生する屈折力が0Dよりも大きくて1Dよりも小さいものであり、
前記外側領域において発生する屈折力が-0.5Dよりも大きくて+0.5Dよりも小さいものである、請求項3に記載の眼用レンズ。
【請求項6】
【数8】



ただし、k112_nが前記第1エリアに対応する前記特徴的なベクトル高さプロファイルの多項式係数を示し、Nが前記第1エリアの前記特徴的なベクトル高さプロファイルを実現するために必要な多項式の項の数を示す、請求項に記載の眼用レンズ。



【請求項7】
前記第2エリアは、少なくとも1つの段差部を含み、且つ、
【数9】



ただし、Z114_i(r)がi番目の段差部に対応する特徴的なベクトル高さプロファイルを示し、hが前記i番目の段差部の外周境界と内周境界との特徴的なベクトル高さの差を示し、rが前記i番目の段差部の内周境界から前記光軸までの径方向距離を示し、zが前記i番目の段差部の内周境界の特徴的ベクトル高さを示す、請求項2に記載の眼用レンズ。
【請求項8】
と前記第1エリアは、前記第1の径方向境界での特徴的なベクトル高さが基本的に同じである、請求項に記載の眼用レンズ。
【請求項9】
前記第2エリアは、1~4個の段差部を含む、請求項に記載の眼用レンズ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの段差部は、0.1mm~0.3mmの範囲内の径方向幅、および、0.1波長~0.5波長の範囲内の高さをそれぞれ、有し、且つ、前記第2の径方向境界から前記光軸までの径方向距離が1.5mm~2.0mmの範囲内にある、請求項に記載の眼用レンズ。
【請求項11】
前記第3エリアに対応する前記特徴的なベクトル高さプロファイルは基本的に一定なものである、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項12】
【数10】



ただし、Cが定数を示す、請求項2に記載の眼用レンズ。
【請求項13】
Cと前記第2エリアは、前記第2の径方向境界での特徴的なベクトル高さが基本的に同じである、請求項12に記載の眼用レンズ。
【請求項14】
前記光学ユニットのエッジから前記光軸までの径方向距離は、2.5mm~4.0mmの範囲内にある、請求項1に記載の眼用レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、視力矯正技術に関し、更に具体的に、拡大被写界深度を有する眼用レンズに関する。
【発明の詳細な説明】
【0002】
〔背景技術〕
老眼(老視、遠視、Presbyopia)は、眼の調節特性に対して影響を与える疾患である。物体が正常に機能する若い眼に近づくと、眼の水晶体は、毛様体筋収縮や小帯弛緩の効果により、形状が変化可能となり、それにより、その屈折力や近距離合焦能力も向上した。このような調節により、近方の物体と遠方の物体との間における眼の合焦および再合焦が可能となる。
【0003】
老眼は、一般的に加齢に伴って生じる症状であり、調節による自然の漸進性の喪失に関係するものである。老眼の場合、通常、異なる距離をもつ物体に対する再合焦を迅速かつ容易に行うことができない。老眼の症状は、45歳以降、顕著に表れることが一般的である。65歳になると、水晶体は、ほぼ全ての弾性力を失ったものとなり、形状が変化する能力も限られている。
【0004】
眼の調節能力の低下に伴い、加齢に起因して、水晶体が混濁されてしまい、白内障が形成される可能性もある。白内障は、水晶体の硬い中心核内、水晶体の柔らかい周辺皮質部分内、あるいは、水晶体の後部に形成され得る。白内障の治療は、混濁した天然水晶体を、人工水晶体(IOL)に交換することによって行われてもよい。
【0005】
単焦点IOLは、通常、遠方焦点とされる一距離に対する視力矯正のみを提供するためのものである。最適なIOLの移植によっても、屈折力の精度は限られ、不適切なIOLによる屈折力では、手術後に、患者の場合、屈折異常が残る。そのため、IOL移植を受けた患者は、良好な遠見視力をもつために、依然として、眼鏡を着用する必要がある。少なくとも、単焦点IOLが一距離に対する視力治療のみを提供するためのものであって、通常、遠見視力を矯正するために用いられるものなので、良好な近見視力(偶には、中間視力)を達成させるために、眼鏡が必要とされることが一般的である。「近見視力」という技術用語は、通常、眼から約1~2フィートの距離を置く場合の視力を指す。「遠見視力」という技術用語は、通常、眼から少なくとも約6フィートの距離又は更に大きな距離を置く場合の視力を指す。「中間視力」という技術用語は、通常、眼から約2~5フィートの距離を置く場合の視力を指す。
【0006】
単焦点IOLに関連付けられた限界に対処するために、様々な試みがなされてきた。例えば、原則として、1つの近方焦点と1つの遠方焦点という2焦点を提供し、選択的に、中間焦点をある程度提供することもできる、多焦点IOLが既に提案されている。そのような多焦点又は二焦点IOLは、2つの距離に対する良好な視力を提供するためのものであって、屈折型IOLと回折型多焦点IOLの両方を含むものである。幾つかの実例では、2つの距離に対する視力を矯正するための多焦点IOLでは、約3.0又は4.0D(ディオプター)の追加屈折力が与えられる。
【0007】
例えば、多焦点IOLは、回折光学面によって、光エネルギーの一部を異なる焦点距離へ導くことができ、それにより、患者が遠方の物体と近方の物体をはっきりと見ることが可能となる。多焦点眼用レンズ(コンタクトレンズなどを含む)は、天然水晶体を除去することなく老眼を治療するために用いられることも提案されている。
【0008】
多焦点眼用レンズは、多くの患者の視力の質が改善したが、更に改良すべきところがある。例えば、IOLの移植を受けた患者の一部は、例えば、グレア又はハローのような不良な視覚効果(グレアファントム)が生じることがある。例を挙げると、遠位点光源からの光は、二焦点IOLの遠方焦点によって網膜上に結像されると、IOLの近方焦点が、遠方焦点によって形成された画像にデフォーカス画像を同時に重ね合わせる。このデフォーカス画像は、合焦画像を囲む光リングの形態で示されることが可能となり、ハローと呼ばれる。
【0009】
拡大被写界深度を有する眼用レンズは、特定の患者のために、一定の距離範囲に対する良好な視力を与えるとともに、視覚障害を低減又は排除することができる。例えば、拡大被写界深度(EDOF)IOLは、異なる光学技術(例えば、位相シフトまたは回折)が用いられたことで、患者のために、光学被写界深度を拡大した効果をもたらす。しかしながら、従来のEDOF IOLは、単焦点IOLと比べて、遠見視力の矯正について、特に、視覚干渉の面では、まだ改善の余地がある。
【0010】
〔発明の概要〕
本開示は、従来技術に存在する上記又は他の技術的課題を少なくとも解決するために、コンタクトレンズ、角膜インレー又はカバー、又は例えば有水晶体眼(phakic)IOLや背負型(piggyback)IOL(すなわち、IOLがあった眼に更に移植されるIOL)を含む人工水晶体(IOL)のような、改良された拡大被写界深度を有する眼用レンズを提供することを目的としている。
【0011】
本開示の一態様では、拡大被写界深度を有する眼用レンズであって、光軸を中心として互いに対向する第1面及び第2面を有する光学ユニットを備え、前記第1面と前記第2面のうちの少なくとも一方の面は、基礎的なベクトル高さプロファイルと特徴的なベクトル高さプロファイルとが重ねられて限定されているとともに、前記光軸から第1の径方向境界へ延伸している第1エリアと、前記第1の径方向境界から第2の径方向境界へ延伸している第2エリアと、前記第2の径方向境界から前記光学ユニットのエッジへ延伸している第3エリアと、を含み、前記第1エリアが自由曲面エリアとして設計され、且つ、前記第2エリアが位相転移エリアとして設計されている、眼用レンズを提供する。
【0012】
理解すべきなのは、上記説明は、本願の技術案をより明瞭に理解してもらい、それにより、明細書の内容を基にして実施可能となるように、本願を概略的に記述したものに過ぎない。また、本願発明の上記目的及び他の目的、特徴、メリットをさらに明確で分かりやすくするために、以下は、特に、本願発明の具体的な実施の形態を詳しく説明する。
【0013】
〔図面の簡単な説明〕
本開示及びそのメリットを更に完全に理解してもらうために、以下は、添付図面を参照しながら、説明する。これらの添付図面において、同一の添付図面符号は同一の構成要件を示すものである。ここで、
図1Aは、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズを模式的に示す断面図である。
【0014】
図1Bは、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズを模式的に示す平面図である。
【0015】
図2は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第1エリアの特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図である。
【0016】
図3は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第2エリアの特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図である。
【0017】
図4は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第3エリアの特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図である。
【0018】
図5は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第1面の波面収差を模式的に示す曲線図である。
【0019】
図6Aは、本開示の実施例に係る眼用レンズと比較例としての一般的な眼用レンズの各々のMTF(変調伝送関数)を示す測定曲線図である。
【0020】
図6Bは、本開示の実施例に係る眼用レンズと比較例としての一般的な眼用レンズの、図6Aに示す実験中に切り出された実際な結像図を示す。
【0021】
当業者であれば理解できるように、以下の添付図面は説明するためのものに過ぎない。これらの添付図面は、本開示の範囲を何らかの方式で規制することを意図したものではない。
【0022】
〔具体的な実施の形態〕
理解すべきなのは、本開示では、添付図面及び説明が簡素化され、本開示を明確に理解してもらうための助かりとなる構成部分について例を挙げながら説明するが、また、明瞭化や簡潔化の目的で、典型的な眼用レンズにおいてよく見られる他の構成部分が示されていない。そのため、当業界における一般的な技術者であれば分かるように、他の構成部分は、本開示の実施中に、選択可能なもの、及び/又は、必要なものとして見なされる。このような構成部分は、当業界において公知されたものであり、且つ、本開示がより良く理解されるには不利なものとして見なされる懸念があるので、本開示では、このような構成部分に対する説明が省略される。本開示は、当業者が既に把握している構成部分に対する全ての変更や変化をカバーすることを意図している。
【0023】
従来の被写界深度を拡大する技術(例えば、上述したEDOF IOL)では、多焦点IOLと同程度の明らかな分級現象が生じることなく、遠見視力から中間視力の範囲に対応する連続的で細長い焦点を生成することにより、患者に対して遠距離から中間距離までの連続的な視力矯正を提供する。周知された被写界深度を拡大する技術は、下記2種類の技術に分けられる。1つの種類では、多焦点技術と同様に回折技術が用いられ、その原理や欠点も多焦点矯正技術に類似するものである。もう1つの種類では、位相シフト(Phase Shift)技術が用いられるとともに、下記2つの欠点がある。1)位相シフト技術が用いられるが、しかし、明らかなエリアが少なくとも2つあり、それぞれのエリアでは、2つの全く異なる基礎的なプロファイル(例えば、ベクトル高さプロファイル)を有し、エネルギーが連続的に分布しているが、依然として最適化を要する程度のものであり、且つ小さなアパーチャを介して遠方を見るとき、患者に対する視力矯正は依然として、要求を満足できない状態となり、単焦点IOLによる遠方視力の矯正効果と比べて、一定の差がある。 2)位相シフト領域が光学中心に近いので、大きなアパーチャがある場合、当該技術に基づくIOLは、単焦点IOLと更に類似したものとなり、中間視力に対する矯正能力が低下し、被写界深度を拡大する効果が得られない。
【0024】
従来の被写界深度を拡大する技術(例えば、EDOF IOL)と比べて、本開示の改良された拡大被写界深度を有する眼用レンズでは、特有の自由曲面(freeform)が用いられ、位相転移(phasetransition)技術を組み合わせることで、遠見視力から中間視力までの範囲に対応する連続的で細長い焦点を作り、自由曲面のパラメータを合理的に設定することにより、従来技術に存在する両エリアにおける基礎的なプロファイルが異なるという問題を克服し、また、位相シフトの技術よりも自由度が高い位相転移の技術により、相対位置や振幅を設定することで、患者に対する異なるアパーチャでの中間距離・遠距離への視力矯正が確保されるとともに、患者の遠見視力に用いられる光エネルギーの分布も最適化される。そのため、本開示の眼用レンズによれば、患者は、中間距離から遠距離までの視力矯正を連続的に受けることが可能となりつつ、その遠見視力が最適化され、視覚干渉が無くなり、その遠見視力の矯正が従来の単焦点眼用レンズ(例えば、IOL)と等価するものとなる。本開示の実施の形態では、異なる光学アパーチャにおいて、遠距離から中間距離までの範囲に対応する光エネルギーを更に合理的に分布し、エネルギー分布の連続性が確保されるとともに、遠距離における肝心な周波数バンドのエネルギー分布が最適化され、補強される。
【0025】
本開示の実施の形態では、拡大された被写体深度と補強された視力とを有する、視力矯正(近視、遠視、乱視、白内障及び/または老視を含むが、これらに限らない)に用いられる眼用レンズを好都合に提供する。幾つかの実施の形態では、眼用レンズは、コンタクトレンズ、角膜インレー又はカバー、例えば有水晶体眼(phakic)IOLや背負型(piggyback)IOL(すなわち、IOLがあった眼に更に移植されるIOL)を含む人工水晶体(IOL)を含んでもよい。本開示の眼用レンズは、中年齢層の老眼と白内障を治療するために、特に効果がある。
【0026】
図1Aは、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズ100を模式的に示す断面図である。図1Bは、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズ100を模式的に示す平面図である。眼用レンズ100は、光学ユニット102を含んでもよい。光学ユニット102は、眼用レンズ100から受光した光線を透過(例えば、屈折)して、集束する。以下は、更に詳しく説明するが、光学ユニット102は、入射した光線を屈折して集束することで、被写体深度を拡大し、視力を改善するように設計された1つ又は複数の面の面プロファイルを含んでもよい。例えば、幾つかの実施の形態では、光学ユニット102の面プロファイルは、光学ユニット102が入射した光線を連続的に集束して被写体深度を拡大することを可能にさせるように設計されることができ、それにより、広い物体距離範囲内の物体の輻輳(例えば、少なくとも約0~約1.35Dの範囲内の輻輳)に対する高い視覚感度(例えば、20/25視力)が実現される。また、幾つかの実施の形態では、光学ユニット102の面プロファイルは、結像が基本的に同軸で行われるとともに、基本的に類似した大きさを有するように設計され、それにより、ゴースト画像の発生が低減される。
【0027】
図1A図1Bに示されるように、例示的な眼用レンズ100は、触覚部材100をさらに含んでもよい。幾つかの実施の形態では、眼用レンズ100を眼内に安定化させて眼に取り付けるための1つ又は複数の触覚部材110を含んでもよい。例えば、複数の触覚部材110は、眼に移植された場合、光学ユニット102を眼に固定させるように、光学ユニット102を囲むように設置される。幾つかの実施の形態では、触覚部材110は、光学ユニット102を眼内に安定化させるとともに、光学ユニット102の光軸を眼の中心光軸に沿って配置させるように設けられる。そのような実施の形態では、眼内の光学ユニット102の波面の安定性は、触覚部材110によって与えられてもよい。幾つかの実施例では、眼用レンズ100は、特に、触覚部材110が嚢の外に移植されるように設けられ、例えば、有水晶体眼IOLについて、天然水晶体の前方に移植されるように設計される。例えば、有水晶体眼IOLは、黒目と天然水晶体の間に移植されるように設けられてもよい。図中に、ウイング状を呈している2つの触覚部材110が示されているが、しかし、触覚部材110の形状、寸法、および、数は特に制限されていない。幾つかの実施の形態では、眼用レンズは、天然水晶体が除去された後、嚢の内に移植されるように設置される。そのような眼用レンズは、移植された後、嚢の内に安全的な構えや向きを与えることに適した形状、寸法、及び/又は数を有する触覚部材110を有してもよい。
【0028】
図1Bに示されるように、光学ユニット102は、互いに対向する第1面106及び第2面108を含む。例えば、第1面106と第2面108は、光軸104を中心とするとともに、両者のうちの一方が前面となり、他方が後面となる。
【0029】
幾つかの実施の形態では、第1面106は、光軸104から第1の径方向境界へ延伸している第1エリア112と、第1の径方向境界から第2の径方向境界へ延伸している第2エリア114と、第2の径方向境界から光学ユニット102のエッジへ延伸している第3エリア116と、を含む。第1エリア112は、自由曲面エリアとして設計され、第2エリア114は位相転移エリアとして設計され、第3エリア116は、周辺光学エリアとして設計される。第1面106の面プロファイルは、基礎的なベクトル高さプロファイルと特徴的なベクトル高さプロファイルとが重ねられて限定されている。例えば、基礎的なベクトル高さプロファイルは、球面又は非球面であってもよい。
【0030】
上記第1エリア112、第2エリア114、および、第3エリア116は、光学ユニット102の第1面106に位置するように図示され、又は、記述されているが、しかし、本開示では、第1エリア112、第2エリア114、および、第3エリア116が光学ユニット102の第2面108に付加的又は代替的に位置してもよく、それにより、類似した光波の位相変調作用を奏することも想定される。また、光学ユニット102は、眼用レンズの基準屈折力を特定するためのものであり、基準屈折力が通常、患者の遠見視力に対応しなければならない。しかし、場合によって、例えば、利き眼と利き眼でない眼の状況に応じて、基準屈折力に対して眼用レンズの付加屈折力を限定することで、両眼の全体視力を向上させることもできる。
【0031】
特定の実施の形態として、第1面106の面プロファイルは、下式(1)で記述されてもよい。
【0032】
【数1】
【0033】
(1)
ただし、Z(r)が第1面106のベクトル高さプロファイルを示し、
【0034】
【数2】
【0035】
が基礎的なベクトル高さプロファイルを示し、
【0036】
【数3】
【0037】
が特徴的なベクトル高さプロファイルを示し、rが光軸104までの径方向距離を示す。
【0038】
【数4】
【0039】
【0040】
【数5】
【0041】
は、それぞれ、以下の式(2)と式(3)で記述されてもよい。
【0042】
【数6】
【0043】
(2)
【0044】
【数7】
【0045】
(3)
ただし、cが第1面106の基礎的な曲率を示し、kが円錐定数を示し、aとaがそれぞれ、4次の係数と6次の係数を示し、Z112(r)、Z114(r)、Z116(r)がそれぞれ、第1エリア112、第2エリア114、第3エリア116の各々を限定する特徴的なベクトル高さプロファイルを示し、r112、r114、rozがそれぞれ、第1の径方向境界、第2の径方向境界、および、光学ユニット102のエッジから光軸104までの径方向距離を示す。
【0046】
式(2)では、非球面の基礎的なベクトル高さプロファイルが全体的に記述されているが、しかし、k、a、aを全部、ゼロにすると、式(2)が球面を記述することが可能となる。
【0047】
幾つかの実施の形態では、自由曲面エリアである第1エリア112は、光軸104から離れる径方向に沿って、内側領域120、中間領域122、および、外側領域124を順次に含み、ここで、第1エリア112に対応する特徴的なベクトル高さプロファイル(即ち、基礎的なベクトル高さプロファイルによる貢献を除去した後)において、内側領域120のベクトル高さが一定なものであり、中間領域122のベクトル高さが内側領域120から離れる径方向に沿って、べき級数的に増加しており、外側領域124のベクトル高さが線形的に増加している。
【0048】
特定の実施の形態として、第1エリア112の特徴的なベクトル高さプロファイルに対応するZ112(r)は連続的な曲線を呈しているとともに、下式(4a)で示されてもよい。
【0049】
【数8】
【0050】
(4a)
ただし、r120とr122がそれぞれ、内側領域120と中間領域122の外周境界の各々の、光軸104までの径方向距離を示し、k122_4、k122_3、k122_2、k122_1、k122_0がそれぞれ、中間領域122に対応する特徴的なベクトル高さプロファイルの多項式係数を示し、k124_1とk124_0がそれぞれ、外側領域124に対応する特徴的なベクトル高さプロファイルの線形係数を示し、ここで、k122_0とk124_0により、Z112(r)の連続性が確保される。
【0051】
図2は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第1エリアの特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図であり、ここで、横軸が光軸104までの径方向距離を示し、縦軸が当該径方向距離での特徴的ベクトル高さ(即ち、基礎的なベクトル高さプロファイルによる貢献を除去した後のベクトル高さ)を示す。
【0052】
好ましくは、内側領域120の外周境界から光軸104までの径方向距離r120(例えば、境界半径)は0.15mm~0.35mmの範囲内にある。好ましくは、中間領域122の特徴的なベクトル高さがべき級数的に増加することによって発生する屈折力が0D(ディオプター)よりも大きくて1Dよりも小さいものであり、中間領域122の外周境界から光軸104までの径方向距離r122が0.85mm~1.15mmの範囲内にある。好ましくは、外側領域124の特徴的なベクトル高さが線形に増加することによって発生する屈折力が-0.5D(ディオプター)よりも大きくて+0.5Dよりも小さいものであり、外側領域124の外周境界から光軸104までの径方向距離r112が1.2mm~1.5mmの範囲内にある。
【0053】
代替可能又は選択可能な実施の形態として、第1エリア112の特徴的なベクトル高さプロファイルは、領域別(例えば、上述したような内側領域、中間領域、外側領域)に設けられたものではなく、上記要件を基本的に満足した場合、全体的に多項式近似を行うこと、又は、一定のキーノードによってスプライン曲線の形式で定義されてもよい。
【0054】
特定の実施の形態として、第1エリア112の特徴的なベクトル高さプロファイルに対応するZ112(r)は全体的に、下式(4b)で示されてもよい。
【0055】
【数9】
【0056】
(4b)
ただし、k112_nが第1エリア112の特徴的なベクトル高さプロファイルを限定する多項式係数を示し、Nが第1エリア112の特徴的なベクトル高さプロファイルを実現するために必要な多項式の項の数を示す。
【0057】
幾つかの実施の形態では、位相転移エリアである第2エリア114は、少なくとも1つの段差部を含み、第2エリア114の特徴的なベクトル高さプロファイル(即ち、基礎的なベクトル高さプロファイルによる貢献を除去した後)において、各段差部のベクトル高さが光軸104から離れる径方向に沿って高くなっている。
【0058】
特定の実施の形態として、第2エリア114の特徴的なベクトル高さプロファイルに対応するZ114(r)は下式(5)で示されてもよい。
【0059】
【数10】
【0060】
(5)
ただし、Z114_i(r)がi番目の段差部を限定する特徴的なベクトル高さプロファイルを示し、hがi番目の段差部の外周境界と内周境界との特徴的なベクトル高さの差を示し、rがi番目の段差部の内周境界から光軸104までの径方向距離を示し、zがi番目の段差部の内周境界の特徴的ベクトル高さを示す。ここで説明すべきなのは、rがr112に等しく、且つ、最後の段差部(即ち、iが最大となる最周辺段差部)にとって、ri+1がr114に等しいものである。好ましくは、第2エリア114の1番目の段差部(即ち、iが1である最内側の段差部)の内周境界と第1エリア112の間の連続性を確保するために、zが第1エリア112の第1の径方向境界での(即ち、光軸104との距離がr112である)特徴的なベクトル高さが基本的に同じである。
【0061】
図3は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第2エリア114の特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図であり、ここで、横軸が光軸104までの径方向距離を示し、縦軸が当該径方向距離での特徴的ベクトル高さ(即ち、基礎的なベクトル高さプロファイルによる貢献を除去した後のベクトル高さ)を示す。
【0062】
好ましくは、第2エリア114の段差部の数は1~4の範囲内にある。好ましくは、段差部の径方向幅(即ち、ri+1-r)は0.1mm~0.3mmの範囲内にあり、段の高さの光路差(即ち、h)は、設計された波長で、0.1波~0.5波の範囲内にある。好ましくは、第2径方向境界から光軸104までの径方向距離r114は1.5mm~2.0mmの範囲内にある。
【0063】
幾つかの実施の形態では、周辺光学エリアである第3エリア116の特徴的なベクトル高さプロファイルは基本的に一定なものである。
【0064】
特定の実施の形態として、第3エリア116の特徴的なベクトル高さプロファイルに対応するZ116(r)は下式(6)で示されてもよい。
【0065】
【数11】
【0066】
(6)
ただし、Cが定数を示す。
【0067】
一例として、Cが0であってもよい。別の一例として、第3エリア116のと第2エリア114の間の連続性を確保するために、Cが第2エリア114の第2の径方向境界での(即ち、光軸104との距離がr114である)特徴的なベクトル高さが基本的に同じであってもよい。
【0068】
図4は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第3エリア116の特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図であり、ここで、横軸が光軸104までの径方向距離を示し、縦軸が当該径方向距離での特徴的ベクトル高さ(即ち、基礎的なベクトル高さプロファイルによる貢献を除去した後のベクトル高さ)を示す。
【0069】
好ましくは、第3エリア116の外周境界、即ち、光学ユニット102のエッジから光軸104までの径方向距離r120は2.5mm~4.0mmの範囲内にある。
【0070】
本開示の改良された拡大被写界深度を有する眼用レンズでは、少なくとも一部の上記構成要件を有する光学ユニットによれば、空間内の光波の位相分布に遅延を発生させて、空間内に分布している光波のうちの異なる位相の各サブキャリアが干渉してしまい、遠距離から中間距離までの範囲に対応する光エネルギーを合理的に割り当てて被写体深度を拡張したという効果が得られる。
【0071】
以下は、本開示の具体的な実施例と比較例に対する性能比較を行う実験例を組合せながら、更に詳しく説明する。
【0072】
以下の表1に示すパラメータに基づいて、本開示の改良された拡大被写界深度を有する眼用レンズを設計して一実施例を準備する。ここで、以下の表1に示すパラメータに基づいて基礎的なベクトル高さプロファイルと特徴的なベクトル高さプロファイルとを重ねられた面が1つしかない。
【0073】
【表1】
【0074】
図5は、上記実施例に係る眼用レンズの眼球から瞳への平面上の波面収差を模式的に示す動径図である。
【0075】
比較例として準備している従来の単焦点眼用レンズは、上記実施例の眼用レンズと基本的に同じであり、相違点が、相応な一面には、特徴的なベクトル高さプロファイルが用いられず、実施例と同様な基礎的なベクトル高さプロファイル(即ち、レンズ材料の屈折率、roz、c、k、a、aなどのパラメータが同じであるもの)のみが用いられるという点だけである。
【0076】
本開示の実施例における拡大被写界深度を有する眼用レンズは、比較例としての従来の単焦点眼用レンズに対して、性能上の改良がなされたかを確認するために、異なる物体の輻輳に応じて、MTF(変調伝送関数)テストをそれぞれ、行い、結像図が得られ、その結果は、図6A図6Bに示された通りである。
【0077】
図6Aでは、横軸はディオプターを単位とした物体の輻輳を示し、即ち、物体距離の逆数を示す。例えば、0Dが無限遠の物体距離に対応し、1Dが1mの物体距離に対応し、1.5Dが約0.67mの物体距離に対応する。図6Aでは、縦軸は相応な物体の輻輳に対して測定されたMTF値を示し、当該値が高ければ高いほど、結像の質が高くなることが説明される。図6Aから分かるように、所定のMTF閾値を基にして、本開示の実施例における眼用レンズを用いて1.35Dもの被写体深度を取得したが、比較例における従来の眼用レンズを用いて約0.85Dの被写体深度しか取得しなかった。これにより、比較例における従来の眼用レンズと比べて、本開示の実施例における眼用レンズによる被写体深度が著しく約58%増長した。図6Bでは、視力表における20/30(~0.6)に対応するサイズのアルファベットE(左向きに開口したもの)が用いられる。図6Bから分かるように、本開示の実施例における眼用レンズを用いて得られた結像図では、1.35Dの物体の輻輳においても、アルファベットEの開口の向きを識別することができるが、しかし、比較例における従来の眼用レンズを用いて得られた結像図では、0.75D以上の物体の輻輳においては、アルファベットEの開口の向きを識別できなくなる。そのため、比較例における眼用レンズと比べて、本開示の実施例における眼用レンズによれば、患者の被写体深度を拡大しただけではなく、遠距離(例えば、0D)を見ても、結像の質、特に、解像度とコントラストの面では明らかな差がない。
【0078】
本文で使用される用語の「約」と「基本的に」は、前記量に等しい、又は、接近した量を示すものである(例えば、依然として、所望の機能を実行し、又は、所望の結果を実現させる量)。例えば、特に説明される場合を除き、用語の「約」と「基本的に」は、前記量の10%以内(例えば、10%高くなり、又は、10%低くなる)、5%以内(例えば、5%高くなり、又は、5%低くなる)、1%以内(例えば、1%高くなり、又は、1%低くなる)、0.1%以内(例えば、0.1%高くなり、又は、0.1%低くなる)、又は、0.01%以内(例えば、0.01%高くなり、又は、0.01%低くなる)量を示すことができる。
【0079】
本文では、本開示の種々の実施の形態が既に説明されている。具体的な実施例を参照しながら、本開示を説明してきたが、本明細書は、本開示を説明するためのものに過ぎず、本開示を制限するものではない。本開示の基本的な思想及び範囲から逸脱しない限り、当業者は、様々の修正や応用を想到できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
本開示及びそのメリットを更に完全に理解してもらうために、以下は、添付図面を参照しながら、説明する。これらの添付図面において、同一の添付図面符号は同一の構成要件を示すものである。ここで、
図1A図1Aは、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズを模式的に示す断面図である。
図1B図1Bは、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズを模式的に示す平面図である。
図2図2は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第1エリアの特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図である。
図3図3は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第2エリアの特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図である。
図4図4は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第3エリアの特徴的なベクトル高さプロファイルを模式的に示す曲線図である。
図5図5は、本開示の幾つかの実施の形態に係る眼用レンズの光学ユニットにおける第1面の波面収差を模式的に示す曲線図である。
図6A図6Aは、本開示の実施例に係る眼用レンズと比較例としての一般的な眼用レンズの各々のMTF(変調伝送関数)を示す測定曲線図である。
図6B図6Bは、本開示の実施例に係る眼用レンズと比較例としての一般的な眼用レンズの、図6Aに示す実験中に切り出された実際な結像図を示す。
【0081】
当業者であれば理解できるように、以下の添付図面は説明するためのものに過ぎない。これらの添付図面は、本開示の範囲を何らかの方式で規制することを意図したものではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B