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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】ドア制御システム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/40 20150101AFI20231128BHJP
   A61G 3/06 20060101ALI20231128BHJP
   E05F 15/611 20150101ALN20231128BHJP
【FI】
E05F15/40
A61G3/06 711
E05F15/611
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022011800
(22)【出願日】2022-01-28
(65)【公開番号】P2023110388
(43)【公開日】2023-08-09
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 真一
(72)【発明者】
【氏名】上倉 明
(72)【発明者】
【氏名】塚原 貴宗
(72)【発明者】
【氏名】阿部 和広
(72)【発明者】
【氏名】近藤 誠人
(72)【発明者】
【氏名】笠原 龍二
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-230442(JP,A)
【文献】特開2013-141856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 1/00- 5/14
E05B 77/00-85/28
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の開口部に設けられるドアと、
前記ドアを開閉させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記開口部から車外に配置可能なスロープと、
前記スロープを車室内に固定可能なスロープロックと、
を備え、
前記スロープは、前記スロープロックに保持されるストライカを備え、
前記スロープロックは、前記ストライカの保持状態と非保持状態とで前記制御部との接続状態を変更するスイッチを備え、
前記制御部は、前記接続状態が前記非保持状態に対応する場合に、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止し、
前記スイッチは、第一のスイッチ及び第二のスイッチを備え、
前記制御部は、前記第一のスイッチの前記接続状態と前記第二のスイッチの前記接続状態とが異なる場合には、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止する
ことを特徴とするドア制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一のスイッチの前記接続状態と前記第二のスイッチの前記接続状態とが異なる状態が所定時間継続した場合に、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止する
ことを特徴とする請求項1に記載のドア制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第一のスイッチの前記接続状態と前記第二のスイッチの前記接続状態とが異なる場合には、異常であると判定し、
前記第一のスイッチの前記接続状態と前記第二のスイッチの前記接続状態とが同じ場合には、正常であると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のドア制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第一のスイッチの前記接続状態と前記第二のスイッチの前記接続状態とが異なる状態が所定時間継続した場合に、異常であると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載のドア制御システム。
【請求項5】
車体の開口部に設けられるドアと、
前記ドアを開閉させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記開口部から車外に配置可能なスロープと、
前記スロープを車室内に固定可能なスロープロックと、
を備え、
前記スロープは、前記スロープロックに保持されるストライカを備え、
前記スロープロックは、前記ストライカの保持状態と非保持状態とで前記制御部との接続状態を変更するスイッチを備え、
前記制御部は、
前記接続状態が前記非保持状態に対応する場合に、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止し、
前記スイッチは、ライトを介して前記制御部に接続されている
ことを特徴とするドア制御システム。
【請求項6】
車体の開口部に設けられるドアと、
前記ドアを開閉させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記開口部から車外に配置可能なスロープと、
前記スロープを車室内に固定可能なスロープロックと、
を備え、
前記スロープは、前記スロープロックに保持されるストライカを備え、
前記スロープロックは、前記ストライカの保持状態と非保持状態とで前記制御部との接続状態を変更するスイッチを備え、
前記制御部は、前記接続状態が前記非保持状態に対応する場合に、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止し、
前記スロープロックは、
前記ストライカを保持可能なスロープ保持部を有する本体部と、
前記本体部に回動可能に取り付けられるラッチと、
を備え、
前記ラッチは、前記スロープ保持部を開閉可能な爪部と、前記スイッチを押圧可能な押圧部と、を備え、
前記押圧部は、前記爪部が前記スロープ保持部を開放した状態で、前記スイッチを押圧する
ことを特徴とするドア制御システム。
【請求項7】
前記ラッチの前記押圧部は、非磁性材料で形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載のドア制御システム。
【請求項8】
車体の開口部に設けられるドアと、
前記ドアを開閉させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記開口部から車外に配置可能なスロープと、
前記スロープを車室内に固定可能なスロープロックと、
を備え、
前記スロープは、前記スロープロックに保持されるストライカを備え、
前記スロープロックは、前記ストライカの保持状態と非保持状態とで前記制御部との接続状態を変更するスイッチを備え、
前記制御部は、前記接続状態が前記非保持状態に対応する場合に、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止し、
前記スロープロックは、
前記ストライカを保持可能なスロープ保持部を有する本体部と、
前記本体部に回動可能に取り付けられるラッチと、
前記本体部に回動可能に取り付けられており、前記ラッチの回動範囲を規制するラチェットと、
を備え、
前記ラッチは、前記スロープ保持部を開閉可能な爪部を備え、
前記ラチェットは、前記スイッチを押圧可能な押圧部を備え、
前記ラチェットは、前記爪部が前記スロープ保持部を閉鎖した状態で、前記爪部が前記スロープ保持部を開放する方向へ前記ラッチが回動することを規制し、
前記押圧部は、前記爪部が前記スロープ保持部を開放した状態で、前記スイッチを押圧する
ことを特徴とするドア制御システム。
【請求項9】
前記ラチェットの前記押圧部は、非磁性材料で形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載のドア制御システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記接続状態が前記保持状態に対応する場合に、前記駆動部による前記ドアの閉動作を許可する
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のドア制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロープを有する車両のドアを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車椅子をドアから乗降させる車両として、特許文献1には、リフト装置及び当該リフト装置に車椅子を固定する車椅子固定装置を備える車両が記載されている。特許文献1の車両において、リフト装置及び車椅子装置は、ドアが開いている状態で動作可能に構成されている。かかる車両において、車椅子の乗降中にドアが閉操作された場合には、車椅子及び/又はリフト装置がドアに挟み込まれるおそれがある。
【0003】
また、特許文献2には、ドアの閉動作中にカメラの撮像結果に基づいてドアによる挟み込みを検知した場合に、ドアの閉動作を中止する車両が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-61047号公報
【文献】特開2005-90082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献2に記載の技術を、スロープを介して積載物を乗降させる車両に適用することが考えられる。しかし、スロープ上を通過中の積載物(例えば、車椅子、荷物等)は、閉動作中のドアを回避することが困難であり、挟み込み防止機能が遅れたり作動しなかったりする場合には、ドアが積載物と干渉するおそれがある。
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ドアとスロープ上を通過中の積載物との干渉を防止することが可能なドア制御システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するために、本発明のドア制御システムは、車体の開口部に設けられるドアと、前記ドアを開閉させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、前記開口部から車外に配置可能なスロープと、前記スロープを車室内に固定可能なスロープロックと、を備え、前記スロープは、前記スロープロックに保持されるストライカを備え、前記スロープロックは、前記ストライカの保持状態と非保持状態とで前記制御部との接続状態を変更するスイッチを備え、前記制御部は、前記接続状態が前記非保持状態に対応する場合に、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止し、前記スイッチは、第一のスイッチ及び第二のスイッチを備え、前記制御部は、前記第一のスイッチの前記接続状態と前記第二のスイッチの前記接続状態とが異なる場合には、前記駆動部による前記ドアの閉動作を禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ドアとスロープ上を通過中の積載物との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一の実施形態に係るドア制御システムが適用された車両を模式的に示す側面図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係るドア制御システムのストライカ及びスロープロックを模式的に示す背面図である。
図3】本発明の第一及び第二の実施形態に係るドア制御システムを模式的に示すブロック図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係るスロープロックを模式的に示す側面図である。
図5】本発明の第一の実施形態に係るスロープロックの内部構造を模式的に示す側面図であり、ストライカ保持状態を示す図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係るスロープロックの内部構造を模式的に示す側面図であり、ストライカ非保持状態を示す図である。
図7】本発明の第二の実施形態に係るスロープロックの内部構造を模式的に示す側面図であり、ストライカ保持状態を示す図である。
図8】本発明の第二の実施形態に係るスロープロックの内部構造を模式的に示す側面図であり、ストライカ非保持状態を示す図である。
図9】本発明の第三の実施形態に係るドア制御システムを模式的に示すブロック図である。
図10】本発明の第三の実施形態に係るスロープロックの内部構造を模式的に示す側面図であり、ストライカ保持状態を示す図である。
図11】本発明の第三の実施形態に係るスロープロックの内部構造を模式的に示す側面図であり、ストライカ非保持状態を示す図である。
図12】本発明の第三の実施形態に係るスロープロックの内部構造を模式的に示す側面図であり、ストライカ保持状態においてラチェットを係合解除した状態を示す図である。
図13】本発明の第三の実施形態に係るドア制御システムによる故障判定手法を説明するための表である。
図14】本発明の第三の実施形態に係るドア制御システムによるドア開閉制御手法を説明するための表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照図面において、「前後」は、車両の進行方向における前後方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)をそれぞれ示している。また、以下の説明において、ストライカ及びスロープロックに関しては、左右一対に設けられたストライカ及びスロープロックの一方(左側)を取り上げて説明する。
【0011】
<第一の実施形態>
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係るドア制御システム1Aが適用された車両2は、車体2aの後面2bに形成された開口部2cを開閉可能なドア3と、開口部2cを介して車体2aの床面2dと地面Gとの間に架設可能なスロープ4と、を備える。かかる車両2は、スロープ4を介して積載物(例えば、車椅子C、荷物等)を乗降させることができる。
【0012】
ドア3は、開口部2cの上縁部を軸として左右軸周りに回動可能に設けられている。スロープ4は、床面2dの後端部(開口部2cの下縁部近傍)を軸として左右軸周りに回動可能に設けられている。スロープ4は、スライド又は折り畳み可能に連結された複数の板部4aを備える。スロープ4は、複数の板部4aが互いに重ねられた状態で、車室内に起立した姿勢で格納される。また、スロープ4は、複数の板部4aが互いに引き出された状態で、車外に展開される。スロープ4は、車幅方向両端部に設けられた一対のストライカ4bを備える。ストライカ4bは、スロープ4が起立した姿勢において、平面視でU字形状を呈し、U字の両端部においてスロープ4の板部4aの縁部に連結されている。
【0013】
<ドア制御システム>
【0014】
図3に示すように、本発明の第一の実施形態に係るドア制御システム1Aは、ドア3と、駆動部5と、電動ウインチ装置6と、リモコン装置7と、制御部8Aと、ライトLと、スロープロック9A(図4参照)と、を備える。
【0015】
<駆動部>
駆動部5は、ドア3を軸周りに回動させることによって開閉させるモータである。
【0016】
<電動ウインチ装置>
電動ウインチ装置6は、ベルト6aと、ベルト6aの基端部側が固定されるドラムと、ドラムを回動させるモータと、を備える。電動ウインチ装置6は、モータがドラムを回転させることによって、ベルト6aをドラムに巻き取ったり、ドラムからの引出を許容したりする。電動ウインチ装置6は、ベルト6aの先端部に設けられたフック6b(図1参照)を積載物(例えば、車椅子C)に係止させた状態で、ベルト6aを巻き取ったり引き出させたりすることによって、積載物がスロープ4上を通って車両2へ乗降することをアシストする。
【0017】
<リモコン装置>
リモコン装置7は、利用者によって携行され、ドア3を開閉させるための信号、及び、電動ウインチ装置6のモータを作動させるための信号を制御部8Aへ送信するための装置である。リモコン装置7は、利用者によって操作可能な操作部(ボタン等)と、操作部の操作結果を制御部8Aへ送信するリモコン制御部と、を備える。
【0018】
<制御部>
制御部8Aは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力回路等によって構成されている。制御部8Aは、機能部として、ドア制御部8aと、ウインチ制御部8bと、を備える。ドア制御部8aは、リモコン装置7によって送信された操作結果を受信し、受信された操作結果に基づいて、駆動部5を制御してドア3を開閉させる。ドア制御部8aは、スロープロック9Aによるスロープ4(ストライカ4b)の保持状態に対応するスイッチの接続状態に基づいて、駆動部5によるドア3の閉動作を許可したり禁止したりする。なお、ドア3は、駆動部5による閉動作が禁止された状態であっても、手動による閉動作が可能に構成されている。ウインチ制御部8bは、リモコン装置7によって送信された操作結果を受信し、受信された操作結果に基づいてモータを駆動させることによって、ベルト6aをドラムに巻き取ったりドラムから引き出させたりする。
【0019】
<ライト>
ライトLは、後記するスロープロック9Aに設けられるスイッチ70Aと制御部8Aとを繋ぐ導線に配置されている。ライトLは、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、スイッチ70Aが押圧状態(接続状態)の場合に点灯し、スイッチ70Aが非押圧状態(切断状態)の場合に消灯する。ライトLは、例えば内装部材2e(図2参照)に設置可能である。
【0020】
<スロープロック>
図2に示すように、スロープロック9Aは、車体2aの後面2bの開口部2c近傍に設けられており、起立して格納された状態のスロープ4を保持するための装置である。スロープロック9Aは、車両2の内装材2eに覆われている。内装材2eの後面には、ストライカ4bが通過可能な孔部2fが形成されており、内装材2eの上面には、レバー50が挿通される孔部2gが形成されている。
【0021】
図4から図6に示すように、スロープロック9Aは、当該スロープロック9Aの本体部を構成する第一のプレート10及び第二のプレート20と、第一のプレート及び第二のプレート20に対して回動可能に設けられるラッチ30Aと、を備える。また、スロープロック9Aは、ラッチ30Aの回動範囲を規制する機構として、ラチェット40と、レバー50と、引張バネ60と、を備える。また、スロープロック9Aは、ラッチ30Aによって押圧可能なスイッチ70Aを備える。また、スロープロック9Aは、ホルダ90と、クッション100と、を備える。なお、図5及び図6において、ホルダ90及びクッション100は省略されている。
【0022】
≪第一のプレート及び第二のプレート≫
第一のプレート10は、前後方向及び上下方向に延在する金属製又は樹脂製の板状部材である。第二のプレート20は、第一のプレート10の車幅方向外側に設けられており、前後方向及び上下方向に延在する金属製の板状部材である。第一のプレート10及び第二のプレート20は、これらの上端部及び下端部において、図示しないボルト等によって車体2aに固定されている。第二のプレート20の前端部は、第一のプレート10の前端部よりも前方に突出している。第一のプレート10及び第二のプレート20の後端部における高さ方向中間部には、それぞれ、前方へ窪む溝部11,21が形成されている。かかる溝部11,21は、当該溝部11,21に挿通されたストライカ4bを保持するスロープ保持部である。
【0023】
≪ラッチ≫
ラッチ30Aは、第一のプレート10及び第二のプレート20の間に回動可能に設けられる金属製の板状部材(例えば、鋼板製の長板状部材)である。ラッチ30Aは、中央部31と、第一の爪部32と、押圧部33Aと、第二の爪部34と、を一体に備える。
【0024】
中央部31は、車室側から見て略円形状を呈する部位であって、第一のプレート10及び第二のプレート20に対して、車幅方向に延びる軸X1周りに回動可能に取り付けられている。軸X1は、溝部11,21の前下方に位置する。
【0025】
第一の爪部32は、中央部31から径方向外方(後方)に突出する部位であって、車室側から見て時計回り方向に延設されている。第一の爪部32は、溝部11,21の開口部を塞ぐことが可能な位置に形成されている。第一の爪部32と中央部31との間に形成される溝部は、ストライカ4bが挿通可能な寸法に設定されている。
【0026】
押圧部33Aは、中央部31から径方向外方(前方)に突出する部位である。押圧部33Aは、スイッチ70Aを押圧可能な位置に形成されている。本実施形態において、押圧部33Aは、軸X1を挟んで第一の爪部32の略反対側に形成されている。
【0027】
第二の爪部34は、中央部31から径方向外方(上方)に突出する部位である。第二の爪部34は、ラチェット40と係合可能な位置に形成されている。本実施形態において、第二の爪部34は、第一の爪部32及び押圧部33Aの周方向中間部に形成されている。
【0028】
すなわち、中央部31の径方向外端部には、車室側から見て後端部から反時計回りに、第一の爪部32、押圧部33A及び第二の爪部34がこの順に形成されている。
【0029】
ラッチ30Aは、金属製部材であるとともに少なくともスイッチ70Aと接触する部位である押圧部33Aが非磁性材料である樹脂によって被覆されている。
【0030】
≪ラチェット≫
ラチェット40は、第一のプレート10及び第二のプレート20の間に回動可能に設けられる金属製の板状部材(例えば、鋼板製の長板状部材)である。ラチェット40の後端部は、第一のプレート10及び第二のプレート20に対して、車幅方向に延びる軸X2周りに回動可能に取り付けられている。軸X2は、溝部11,21の上方に位置する。ラチェット40の下端部における前後方向中間部には、爪部41が形成されている。爪部41は、第二の爪部34に係合可能である。
【0031】
≪レバー≫
レバー50は、利用者による手動操作によってラチェット40を軸X2周りに回動させるための部材である。レバー50の下端部は、軸X3においてラチェット40の前端部に取り付けられている。
【0032】
≪スイッチ≫
スイッチ70Aは、第二のプレート20の前端部の下部に取り付けられている。スイッチ70Aは、スイッチ本体が内蔵される本体部71と、本体部71から進退可能に突出する接触子72と、本体部71から延設される板バネ部73と、を備える。スイッチ70Aは、第一の押圧部33Aが板バネ部73を介して接触子72を押圧可能な位置に設けられている。スイッチ70Aは、接触子72が押圧された押圧状態で接続状態となり、制御部8AへON信号を出力する。また、スイッチ70Aは、接触子72が押圧されていない非押圧状態で非接続(切断)状態となり、制御部8AへのON信号の出力を停止する。接触子72は、非押圧状態から押圧状態に移行した場合に、本体部71内に退縮してスイッチ本体を押圧して接続状態とする。接触子72は、押圧状態から非押圧状態に移行した場合に、バネ等の復元力によって進出して押圧される前に位置に戻る。これにより、スイッチ本体は、切断状態となる。
【0033】
≪ホルダ及びクッション≫
ホルダ90は、溝部11,21の前側において、第一のプレート10の車幅方向内側に取り付けられている樹脂製又は金属製の長板状部材である。クッション100は、ホルダ90の後端部の高さ方向中間部に取り付けられている樹脂製の部材である。クッション100の後端部は、溝部11,21の底部(前端部)に介在しており、ストライカ4bが溝部11,21の底部に直接接触することを防止する緩衝材である。
【0034】
<スロープロックの開放状態>
図6に示すように、スロープ4が展開されている状態では、スロープロック9Aは、ストライカ4bを保持していない。かかる状態において、第一の爪部32は、溝部11,21よりも下方に位置して溝部11,21の開口部を開放している。また、押圧部33Aは、スイッチ70Aから離間している。
【0035】
<スロープロックの閉鎖状態>
利用者による手動によってスロープ4が格納されると、ストライカ4bは、溝部11,21内に進入しつつ、ラッチ30Aの外周面を前方に押圧する。ラッチ30Aは、ストライカ4bの押圧によって、車室側から見て軸X1を中心とした時計回りに回動する。かかる回動により、ラッチ30Aは、第一の爪部32が溝部11,21の開口部を閉鎖し、押圧部33Aがスイッチ70Aを押圧した状態となる。また、ラッチ30Aは、第二の爪部34がラチェット40の爪部41と係合することによって、車室側から見て反時計回りの回動が規制された状態となる(図5参照)。
【0036】
<スロープロックの開放動作>
なお、利用者がレバー50を上方に引き上げると、ラチェット40が車室側から見て軸X2を中心とした反時計回りに回動し、ラチェット40の爪部41及びラッチ30Aの第二の爪部34の係合が解除される。かかる状態において、ラッチ30Aは、引張バネ60の復元力によって車室側から見て軸X1を中心とした反時計回りに回動する。かかる回動により、ラッチ30Aは、第一の爪部32が溝部11,21の開口部を開放し、押圧部33Aがスイッチ70Aから離間した状態となる(図6参照)。
【0037】
なお、スイッチ70Aは、スロープ4の格納状態で押圧状態(接続状態)となって制御部8AへON信号を出力する構成であってもよい。しかし、消費電力の観点から、スイッチ70Aは、比較的短時間のスロープ4の展開状態(展開動作中及び格納動作中の状態を含む)で押圧状態(接続状態)となって制御部8AへON信号を出力する前記構成の方が好ましい。
【0038】
本発明の第一の実施形態に係るドア制御システム1Aは、車体2の開口部2cに設けられるドア3と、前記ドア3を開閉させる駆動部5と、前記駆動部5を制御する制御部8Aと、前記開口部2cから車外に配置可能なスロープ4と、前記スロープ4を車室内に固定可能なスロープロック9Aと、を備え、前記スロープ4は、前記スロープロック9Aに保持されるストライカ4bを備え、前記スロープロック9Aは、前記ストライカ4bの保持状態と非保持状態とで前記制御部との接続状態を変更するスイッチ70Aを備え、前記制御部8Aは、前記接続状態が前記非保持状態に対応する場合に、前記駆動部5による前記ドア3の閉動作を禁止する。
したがって、ドア制御システム1Aは、スロープ4の使用時にドア3が閉まることを防止し、ドア3とスロープ4上を通過中の積載物との干渉を防止することができる。
【0039】
ドア制御システム1Aにおいて、前記制御部8Aは、前記接続状態が前記保持状態に対応する場合に、前記駆動部5による前記ドア3の閉動作を許可する。
したがって、ドア制御システム1Aは、スロープ4が格納された状態ではドア3の閉動作を実行することができる。
【0040】
ドア制御システム1Aにおいて、前記スイッチ70Aは、ライトLを介して前記制御部8Aに接続されている。
したがって、ドア制御システム1Aは、スロープ4の状態をライトLによって利用者に知らせることができるとともに、例えばスロープ4の状態とライトLの点灯/消灯状態が相違する場合には、当該ドア制御システム1Aの故障を利用者に知らせることができる。
【0041】
また、ドア制御システム1Aにおいて、前記スロープロック9Aは、前記ストライカを保持可能なスロープ保持部を有する本体部と、前記本体部に回動可能に取り付けられるラッチ30Aと、を備え、前記ラッチ30Aは、前記スロープ保持部を開閉可能な爪部と、前記スイッチ70Aを押圧可能な押圧部33Aと、を備え、前記押圧部33Aは、前記爪部が前記スロープ保持部を開放した状態で、前記スイッチ70Aを押圧する。
したがって、ドア制御システム1Aは、スロープ4の開閉情報を簡易な構造で制御部8Aへ伝達することができ、スロープ4の使用時にドア3が閉まることを防止することができる。
【0042】
前記ラッチ30Aの前記押圧部33Aは、非磁性材料で形成されている。
したがって、ドア制御システム1Aは、磁気によるスイッチの誤動作を防止することができる。
【0043】
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係るドア制御システムについて、第一の実施形態に係るドア制御システム1Aとの相違点を中心に説明する。図7及び図8に示すように、本発明の第二の実施形態に係るドア制御システム1Bにおけるスロープロック9Bは、ラッチ30A及びスイッチ70Aに代えて、ラッチ30B及びスイッチ70Bを備える。
【0044】
ラッチ30Bにおいて、押圧部33Aは省略されている。スイッチ70Bは、ラチェット40の前端部が板バネ部73を介して接触子72を押圧可能な位置に設けられている。図7に示すように、ストライカ4bの保持状態において、ラチェット40の前端部は、スイッチ70Bから離間する(押圧しない)。図8に示すように、ストライカ4bの非保持状態において、ラチェット40の前端部は、爪部41が第二の爪部34に乗り上げた状態となることによって、スイッチ70Bを押圧する。
【0045】
本実施形態において、ラチェット40は、金属製部材であるとともに少なくともスイッチ70Bと接触する部位である前端部(押圧部)が非磁性材料である樹脂によって被覆されている。
【0046】
なお、スイッチ70Bは、スロープ4の格納状態で押圧状態(接続状態)となって制御部8AへON信号を出力する構成であってもよい。しかし、消費電力の観点から、スイッチ70Bは、比較的短時間のスロープ4の展開状態(展開動作中及び格納動作中の状態を含む)で押圧状態(接続状態)となって制御部8AへON信号を出力する前記構成の方が好ましい。
【0047】
本発明の第二の実施形態に係るドア制御システム1Bにおいて、前記スロープロック9Bは、前記ストライカ4bを保持可能なスロープ保持部を有する本体部と、前記本体部に回動可能に取り付けられるラッチ30Bと、前記本体部に回動可能に取り付けられており、前記ラッチ30Bの回動範囲を規制するラチェット40と、を備え、前記ラッチ30Bは、前記スロープ保持部を開閉可能な爪部を備え、前記ラチェット40は、前記スイッチ70Bを押圧可能な押圧部(前端部)を備え、前記ラチェット40は、前記爪部が前記スロープ保持部を閉鎖した状態で、前記爪部が前記スロープ保持部を開放する方向へ前記ラッチ30Bが回動することを規制し、前記押圧部は、前記爪部が前記スロープ保持部を開放した状態で、前記スイッチ70Bを押圧する。
したがって、ドア制御システム1Bは、スロープ4の開閉情報を簡易な構造で制御部8Aへ伝達することができ、スロープ4の使用時にドア3が閉まることを防止することができる。
【0048】
前記ラチェット40の前記押圧部は、非磁性材料で形成されている。
したがって、ドア制御システム1Bは、磁気によるスイッチの誤動作を防止することができる。
【0049】
<第三の実施形態>
続いて、本発明の第三の実施形態に係るドア制御システムについて、第一の実施形態に係るドア制御システム1Aとの相違点を中心に説明する。図9に示すように、本発明の第三の実施形態に係るドア制御システム1Cは、制御部8A及びライトLに代えて、制御部8Cを備える。また、図10から図12に示すように、本発明の第三の実施形態に係るドア制御システム1Cは、ラッチ30A及びスイッチ70Aに代えて、ラッチ30C、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cを備える。
【0050】
≪ラッチ≫
ラッチ30Cは、(第一の)押圧部33Aに加えて、第二の押圧部33Cをさらに備える。第二の押圧部33Cは、中央部31から径方向外方(前方)に突出する部位である。第二の押圧部33Cは、第二のスイッチ80Cを押圧可能な位置に形成されている。本実施形態において、第二の押圧部33Cは、軸X1を挟んで第一の爪部32の略反対側であって、第一の押圧部33Aの上方に形成されている。
【0051】
ラッチ30Cは、金属製部材であるとともに少なくとも第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cと接触する部位である(第一の)押圧部33A及び第二の押圧部33Cが非磁性材料である樹脂によって被覆されている。
【0052】
≪第一のスイッチ≫
第一のスイッチ70Cは、第二のプレート20の前端部の下部に取り付けられている。第一のスイッチ70Cは、スイッチ本体が内蔵される本体部71と、本体部71から進退可能に突出する接触子72と、を備える。第一のスイッチ70Cは、第一の押圧部33Aが接触子72を押圧可能な位置に設けられている。
【0053】
≪第二のスイッチ≫
第二のスイッチ80Cは、第二のプレート20の前端部の上部に取り付けられている。第二のスイッチ80Cは、スイッチ本体が内蔵される本体部81と、本体部81から進退可能に突出する接触子82と、を備える。第二のスイッチ80Cは、第二の押圧部33Cが接触子82を押圧可能な位置に設けられている。第二のスイッチ80Cは、接触子82が押圧された押圧状態で接続状態となり、制御部8CへON信号を出力する。また、第二のスイッチ80Cは、接触子82が押圧されていない非押圧状態で非接続(切断)状態となり、制御部8CへのON信号の出力を停止する。接触子82は、非押圧状態から押圧状態に移行した場合に、本体部81内に退縮してスイッチを押圧して接続状態とする。接触子82は、押圧状態から非押圧状態に移行した場合に、バネ等の復元力によって進出して押圧される前に位置に戻る。これにより、スイッチ本体は、切断状態となる。
【0054】
<スロープロックの開放状態>
図11に示すように、スロープ4が展開されている状態では、スロープロック9Cは、ストライカ4bを保持していない。かかる状態において、第一の爪部32は、溝部11,21よりも下方に位置して溝部11,21の開口部を開放している。また、第一の押圧部33Aは、第一のスイッチ70Cを押圧しており、第二の押圧部33Cは、第二のスイッチ80Cを押圧している。
【0055】
<スロープロックの閉鎖状態>
利用者による手動によってスロープ4が格納されると、ストライカ4bは、溝部11,21内に進入しつつ、ラッチ30Cの外周面を前方に押圧する。ラッチ30Cは、ストライカ4bの押圧によって、車室側から見て軸X1を中心とした時計回りに回動する。かかる回動により、ラッチ30Cは、第一の爪部32が溝部11,21の開口部を閉鎖し、第一の押圧部33Aが第一のスイッチ70Cから離間し、第二の押圧部33Cが第二のスイッチ80Cから離間した状態となる。また、ラッチ30Cは、第二の爪部34がラチェット40の爪部41と係合することによって、車室側から見て反時計回りの回動が規制された状態となる(図10参照)。
【0056】
<スロープロックの開放動作>
図12に示すように、利用者がレバー50を上方に引き上げると、ラチェット40が車室側から見て軸X2を中心とした反時計回りに回動し、ラチェット40の爪部41及びラッチ30Cの第二の爪部34の係合が解除される。かかる状態において、ラッチ30Cは、引張バネ60の復元力によって車室側から見て軸X1を中心とした反時計回りに回動する。かかる回動により、ラッチ30Cは、第一の爪部32が溝部11,21の開口部を開放し、第一の押圧部33Aが第一のスイッチ70Cを押圧し、第二の押圧部33Cが第二のスイッチ80Cを押圧した状態となる(図11参照)。
【0057】
なお、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cは、ドア3の閉状態で押圧状態(接続状態)となって制御部8CへON信号を出力する構成であってもよい。しかし、消費電力の観点から、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cは、比較的短時間のドア3の開状態で押圧状態(接続状態)となって制御部8CへON信号を出力する前記構成の方が好ましい。
【0058】
<システムの故障判定手法>
図9に示すように、制御部8Cは、機能部として、判定部8cをさらに備える。判定部8cは、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cの接続状態に基づいて、スロープ4の状態(格納/展開)を判定するとともに、ドア制御システム1Cにおける故障の有無を判定し、判定部8cをドア制御部8aへ出力する。判定部8cは、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cがともに非押圧状態(切断状態)である場合に、スロープ4が格納状態であると判定する。また、判定部8cは、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cがともに押圧状態(接続状態)である場合に、スロープ4が展開状態(展開動作中及び格納動作中の状態を含む)であると判定する。また、判定部8cは、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cの接続状態が同じである場合には、ドア制御システム1Cに故障は発生していない(正常)と判定し、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cの異なる状態が所定時間(例えば、1分間)継続した場合には、ドア制御システム1Cに故障が発生している(異常)と判定する。
【0059】
図13(a)に示すように、スロープ4が展開された状態から、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80CがOFFからONに切り替わった場合には、判定部8cは、ドア制御システム1Cは正常であると判定する。
【0060】
一方、図13(b)(c)に示すように、スロープ4が展開された状態から、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cの一方がOFFからONに切り替わったにも関わらず他方がOFFのままである状態が所定時間継続した場合には、判定部8cは、ドア制御システム1Cは異常であると判定する。
【0061】
また、図13(d)に示すように、スロープ4が格納された状態から、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80CがONからOFFに切り替わった場合には、判定部8cは、ドア制御システム1Cは正常であると判定する。
【0062】
一方、図13(e)(f)に示すように、スロープ4が格納された状態から、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cの一方がONからOFFに切り替わったにも関わらず他方がONのままである状態が所定時間継続した場合には、判定部8cは、ドア制御システム1Cは異常であると判定する。
【0063】
<ドア閉動作の禁止制御手法>
図14に示すように、スロープ4が格納状態であるとともに判定部8cの判定結果が正常である場合には、ドア制御部8aは、ドア3が停止した状態における駆動部5によるドア3の開閉動作を許可し、ドア3が駆動部5によって開閉されている最中のドア3の開閉動作を継続する。また、スロープ4が格納状態であるとともに判定部8cの判定結果が異常である場合には、ドア制御部8aは、ドア3が停止した状態における駆動部5によるドア3の開閉動作を禁止し、ドア3が駆動部5によって開閉されている最中のドア3の開閉動作を停止する。
【0064】
スロープ4の展開中に行われた判定部8cの判定結果が正常である場合には、ドア制御部8aは、ドア3が停止した状態からの駆動部5によるドア3の開閉動作を禁止し、ドア3が駆動部5によって開閉されている最中のドア3の開動作を継続して閉動作を停止する。
【0065】
スロープ4が展開状態であるとともに判定部8cの判定結果が正常である場合には、ドア制御部8aは、ドア3が停止した状態からの駆動部5によるドア3の開閉動作を禁止し、ドア3が駆動部5によって開閉されている最中のドア3の開動作を継続して閉動作を停止する。
また、スロープ4が展開状態であるとともに判定部8cの判定結果が異常である場合には、ドア制御部8aは、ドア3が停止した状態からの駆動部5によるドア3の開閉動作を禁止し、ドア3が駆動部5によって開閉されている最中のドア3の開閉動作を停止する。
【0066】
スロープ4の格納中に行われた判定部8cの判定結果が正常である場合には、ドア制御部8aは、ドア3が停止した状態からの駆動部5によるドア3の開閉動作を禁止し、ドア3が駆動部5によって開閉されている最中のドア3の開動作を継続して閉動作を停止する。
【0067】
本発明の第三の実施形態に係るドア制御システム1Cにおいて、前記スイッチは、第一のスイッチ70C及び第二のスイッチ80Cを備え、前記制御部8Cは、前記第一のスイッチ70Cの前記接続状態と前記第二のスイッチ80Cの前記接続状態とが異なる場合には、前記駆動部5による前記ドア3の閉動作を禁止する。
したがって、ドア制御システム1Cは、2つのスイッチの接続状態が異なる場合にドア3の閉動作を禁止することによって、ドア3の誤動作を防止することができる。
【0068】
また、ドア制御システム1Cにおいて、前記制御部8Cは、前記第一のスイッチ70Cの前記接続状態と前記第二のスイッチ80Cの前記接続状態とが異なる状態が所定時間継続した場合に、前記駆動部による前記ドア3の閉動作を禁止する。
したがって、ドア制御システム1Cは、2つのスイッチの接続状態所定時間が異なる場合にドア3の閉動作を禁止することによって、ドア3の誤動作を防止することができる。
【0069】
また、ドア制御システム1Cにおいて、前記制御部8Cは、前記第一のスイッチ70Cの前記接続状態と前記第二のスイッチ80Cの前記接続状態とが異なる場合には、異常であると判定し、前記第一のスイッチ70Cの前記接続状態と前記第二のスイッチ80Cの前記接続状態とが同じ場合には、正常であると判定する。
したがって、ドア制御システム1Cは、2つのスイッチの接続状態に基づいて故障を判定し、故障時にドア3の閉動作を禁止することによって、ドア3の誤動作を防止することができる。
【0070】
また、ドア制御システム1Cにおいて、前記制御部8Cは、前記第一のスイッチ70Cの前記接続状態と前記第二のスイッチ80Cの前記接続状態とが異なる状態が所定時間継続した場合に、異常であると判定する。
したがって、ドア制御システム1Cは、2つのスイッチの接続状態が所定時間異なる場合に故障であると判定することによって、短時間のみ接続状態が異なる場合に故障判定するという誤判定を防止することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、第一の実施形態に係るラッチ30A、第二の実施形態に係るラチェット40及び第三の実施形態に係るラッチ30Cは、それぞれ、全体的に非磁性材料によって形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1A,1B,1C ドア制御システム
2 車両
2c 開口部
3 ドア
4 スロープ
4b ストライカ
5 駆動部
7 リモコン装置
8A,8C 制御部
9A,9B,9C スロープロック
10 第一のプレート(本体部)
11 溝部(スロープ保持部)
20 第二のプレート(本体部)
21 溝部(スロープ保持部)
30A,30B,30C ラッチ
32 第一の爪部(爪部)
33A 押圧部(第一の押圧部)
33C 第二の押圧部
40 ラチェット(押圧部)
70A,70B スイッチ
70C 第一のスイッチ
80C 第二のスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14