(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】多孔質膜を含むフィルタバッグ
(51)【国際特許分類】
B01D 46/02 20060101AFI20231128BHJP
B01D 61/00 20060101ALI20231128BHJP
B01D 71/32 20060101ALI20231128BHJP
B01D 71/48 20060101ALI20231128BHJP
B01D 69/00 20060101ALI20231128BHJP
B01D 69/02 20060101ALI20231128BHJP
B01D 69/10 20060101ALI20231128BHJP
B01D 69/12 20060101ALI20231128BHJP
B01D 63/06 20060101ALI20231128BHJP
B01D 65/02 20060101ALI20231128BHJP
B01D 46/04 20060101ALI20231128BHJP
B01D 39/08 20060101ALI20231128BHJP
B01D 39/20 20060101ALI20231128BHJP
B01D 39/16 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
B01D46/02 Z
B01D61/00
B01D71/32
B01D71/48
B01D69/00
B01D69/02
B01D69/10
B01D69/12
B01D63/06
B01D65/02 530
B01D46/04 104
B01D46/04 102
B01D39/08 Z
B01D39/20 B
B01D39/16 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022011852
(22)【出願日】2022-01-28
(62)【分割の表示】P 2020526325の分割
【原出願日】2017-11-13
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ ロメール
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-127413(JP,A)
【文献】特開平03-068409(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0146493(US,A1)
【文献】特開2000-176226(JP,A)
【文献】特開2006-136779(JP,A)
【文献】特開2009-022858(JP,A)
【文献】特表2002-520134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/54
B01D 53/22,61/00-71/82
B01D 39/00-41/04
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、ろ材と、前記ガス流に曝される上流表面を有する多孔質膜と、第二の層とを含むフィルタバッグを含んでなり、前記第二の層は前記ろ材と前記多孔質膜の間に配置されており、前記多孔質膜は0.09MPa以上のバブルポイント(キャピラリーフローポロメーターCFP-1500を用い、シルウィックオイルでテスト面積2.84cm
2の膜の細孔を満たして測定)を有し、前記多孔質膜は、粒子を保持しながらISO試験法(11057:2011)で測定した際に初期サイクルと最終サイクルとの間での差圧上昇が0.1MPa未満であり、かつ、前記フィルタアセンブリはクリーニング可能である、フィルタアセンブリ。
【請求項2】
前記ろ材は、織フェルト、不織フェルト又はガラス繊維材料を含む、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
前記多孔質膜は、前記上流表面上で前記粒子を収集する構造を有する
、請求項1又は2記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記多孔質膜は、収集された粒子を前記多孔質膜の前記上流表面から解放するためのクリーニングプロセスの応力によって引き起こされる構造的破損に耐えることができる、請求項3記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記多孔質膜はフルオロポリマー膜又はポリエステル膜を含む、請求項1~4のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
前記多孔質膜は175N/m以上の横断方向における強度を有する、請求項1~5のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項7】
前記多孔質膜は4.5gsm以下の面積あたりの質量比を有する、請求項1~6のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項8】
前記多孔質膜は1.36kg以下のボールバースト強度を有する、請求項1~7のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項9】
前記多孔質膜は1.27cm(0.5インチ)水ゲージで少なくとも304.8L/m・m
2(1cfm/ft
2)の透過性を有する、請求項1~8のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項10】
前記多孔質膜は5~50μmの厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項11】
前記第二の層は1.27cm(0.5インチ)水ゲージで3048L/m・m
2(10cfm/ft
2)の透過性を有する、請求項1~10のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項12】
前記第二の層及び前記多孔質膜は一緒にラミネート化されてラミネートを形成する、請求項1~11のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項13】
前記第二の層は織布テキスタイル、不織布テキスタイル又は膜を含む、請求項1~12のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項14】
前記第二の層は前記ろ材にラミネート化されている、請求項1~13のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項15】
前記多孔質膜は前記ガス流から0.07μmより大きい直径を有する粒子のうちの97%を超える粒子を収集する、請求項1~14のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項16】
前記フィルタアセンブリはパルスジェット、リバースエア又はシェーカクリーニング技術によってクリーニングされる、請求項1~15のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項17】
入口及び出口を有するハウジング、
前記入口と前記出口との間の前記ハウジング内に配置されたチューブシート、及び
前記チューブシートに取り付けられた請求項1~15のいずれか1項記載の1つ以上のフィルタアセンブリ、
を含んでなる、バッグハウスフィルタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、一般に、多孔質膜を含むフィルタバッグに関する。特に、多孔質膜は、ろ材に取り付けられるか、又は、ろ材に取り付けられた第二の層とラミネート化されることができる。多孔質膜はクリーニングサイクルで発生する応力に耐える耐久性がある。
【背景技術】
【0002】
背景
ガス流からの粒子の除去は様々な産業分野において長い間行われてきた。ガス流から粒子などをろ過するための従来の手段としては、限定するわけではないが、フィルタバッグ、フィルタチューブ、フィルタカートリッジ及びフィルタパネルが挙げられる。これらのフィルタ要素は、典型的には、そのような粒子をろ過するために、しばしばフィルタバッグハウスと呼ばれるろ過システムに向けられる。そのようなろ過システムは、システム操作の要件に応じて、クリーニング可能であることも又はクリーニング不可能のいずれであることもできる。
【0003】
産業上の流体流からの粒子状物質の分離は、しばしば、ラミネートフィルタを使用して達成される。これらのテキスタイルベースのラミネートフィルタは、流体流から粒子を除去する。フィルタ上の粒子の蓄積によって引き起こされる、テキスタイルを通過する流れに対する抵抗又は圧力低下が有意になると、フィルタをクリーニングし、粒子をフィルタから除去しなければならない。
【0004】
クリーニングの方法によってフィルタバッグのタイプを特徴付けることは、工業用ろ過市場において一般的である。最も一般的なタイプのクリーニング技術は、リバースエア、シェーカ及びパルスジェットである。リバースエア及びシェーカ技術は、低エネルギークリーニング技術と考えられる。
【0005】
リバースエアろ過技術において、粒子はバッグの内部に集まる。クリーニング中に、空気の穏やかなバックウォッシュによりバッグを崩潰し、バッグからダストケークが破砕され、バッグの底からホッパーに排出される。
【0006】
シェーカ機構はまた、バッグの内側に集まるダストケークをクリーニングする。バッグの上部は振動するアームに取り付けられており、バッグ内に正弦波を作り、ダストケークを取り除く。
【0007】
パルスジェットろ過において、粒子はバッグの外側に捕獲される。パルスジェットクリーニング技術は、フィルタバッグ又はチューブの内部の上部に入る圧縮空気の短いパルスを使用する。このクリーニングパルスのエネルギーによってバッグが膨張し、ダストケークがノックオフされる。バッグは、典型的に、ケージサポートにパチンとはじき返され、すぐにサービスに戻り、粒子を収集する。
【0008】
3つのクリーニング技術のうち、パルスジェットがろ材上に最も応力を与える。しかしながら、近年、産業プロセスエンジニアは、以下の理由により、ダスト回収用途にパルスジェットバッグハウスを益々選択している。
1.下記理由により、ユニットサイズがより小さい(時にシェーカ及びリバースエアろ過のサイズの1/2又は1/4)
(A)体積空気量/布面積比がより高い(媒体を通過する操作速度がより速い)、及び
(B)オンラインクリーニングによりユニットを所望の流量で設計できるため、オフラインクリーニングを可能にするための追加のろ材領域は必要ない。
2.最小数の可動部品。
3.交換するバッグの数が比較的少ない。
【0009】
パルスジェットバッグハウスにおいて、バッグが崩壊しないように、内側に金属ケージが付いたバッグハウスにバッグは挿入される。ダストを含む汚染空気は、バッグの外側でバッグハウスに入り、ダストは表面に蓄積する。クリーニングされた空気は、バッグを介してバッグハウスの外に移動する。バッグの外側に十分な量のダストが堆積すると、バッグを通過する空気の量が減少し、パルスジェットバッグハウスは高圧空気のパルスをバッグを通して後方に送る。蓄積されたダストは、高圧空気と後方パルスによって引き起こされるバッグ内の移動の組み合わせにより、バッグから強制的に排出されてバッグハウスの下部に収集する。このクリーニングプロセスは、バッグを通る十分な空気流を維持するために、1時間に複数回行うことがある。
【0010】
上述のバッグ内の動きは、バッグに応力を与える高圧空気の結果である。
【0011】
米国特許第6,110,243号明細書は、金属、プラスチックなどの支持ケージなどの支持体構造と、バッキング材料又は層のない延伸PTFE膜のろ材とを含むフィルタバッグアセンブリを対象とする。記載されているように、フィルタバッグアセンブリは、支持体又はケージの外面上に適合する支持体カバー又はケージカバーをさらに含み、ろ材とケージとの接触を防止する。
【0012】
フィルタバッグアセンブリには、耐久性を改善するという継続的な問題が存在する。したがって、上記の制限の1つ以上を克服することを対象とした改良されたフィルタバッグアセンブリを提供することが有利であることは明らかである。
【発明の概要】
【0013】
幾つかの例示的な実施形態の簡単な要約
本発明の1つの実施形態によれば、ガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、ろ材と、前記ガス流に曝される上流表面及び前記ろ材に隣接する下流表面を有する多孔質膜とを含むフィルタバッグ、を含んでなり、前記多孔質膜は0.06MPa以上、例えば0.09MPa以上のバブルポイントを有し、前記多孔質膜は100N/m以上、例えば175N/m以上である横断方向における強度を有し、さらに前記フィルタアセンブリはクリーニング可能である、そのようなフィルタアセンブリが提供される。1つの実施形態において、多孔質膜は、収集された粒子を多孔質膜の上流表面から解放するために、クリーニングプロセス、例えば、振とう又は脈動の応力によって引き起こされる構造的破損に耐えることができる。多孔質膜は、上流側の表面に粒子を集める構造を有する。さらに、多孔質膜は、ガス流から0.07ミクロンより大きい直径を有する粒子のうちの97%超の粒子を収集することができる。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、ガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、ろ材と、ガス流に暴露される上流表面を有する多孔質膜と、第二の層とを含むフィルタバッグ、を含んでなり、前記第二の層は前記ろ材と前記多孔質膜との間に配置され、前記多孔質膜は0.06MPa以上、例えば0.09MPa以上のバブルポイントを有し、さらに前記フィルタアセンブリはクリーニング可能である、そのようなフィルタセンブリが提供される。第二の層に隣接する多孔質膜は50N/m以上、例えば100N/m以上又は175N/m以上であることができる横断方向における強度を有する。1つの実施形態において、第二の層は、織布テキスタイル、不織布テキスタイル又は膜を含む。第二の層は犠牲層として機能し、ろ材又はクリーニングプロセスの応力からの多孔質膜への損傷を防ぐ。1つの実施形態において、第二の層は、0.5インチ水ゲージで10cfm/ft2の透過性を有する。第二の層を多孔質膜にラミネート化してラミネートを形成することができる。あるいは、第二の層はろ材にラミネート化してもよい。
【0015】
1つの実施形態において、多孔質膜はフルオロポリマー膜又はポリエステル膜を含む。高いバブルポイント及び/又は高い横断強度に加えて、多孔質膜は以下の特徴のうちの1つ以上を有することができる。多孔質膜は、面積あたりの質量比が4.5gsm以下であることができる。多孔質膜はまた、1.36kg以下のボールバースト強度を有することができる。さらに、多孔質膜は、0.5インチ水ゲージで1cfm/ft2の透過性を有することができる。さらに、多孔質膜は5~50ミクロンの厚さを有する。
【0016】
1つの実施形態において、ろ材は、織フェルト、不織フェルト又はガラス繊維材料を含む。バッグのタイプによって、ろ材に隣接する支持体副次構造が存在する場合がある。
【0017】
別の実施形態において、入口及び出口を有するハウジング、前記入口と前記出口との間で前記ハウジング内に配置されたチューブシート、及び、前記チューブシートに取り付けられた1つ以上のフィルタバッグアセンブリを含んでなるバッグハウスフィルタシステムが提供される。ここでは、前記フィルタバッグアセンブリがそれぞれ、ろ材と、ガス流に曝される上流表面及び前記ろ材に隣接する下流表面を有する多孔質膜とを含むフィルタバッグを含んでなり、前記多孔質膜は0.06MPa以上、例えば0.09MPa以上のバブルポイントをて有し、そして前記多孔質膜は100N/m以上、例えば175N/m以上の横断方向における強度を有する。
【0018】
さらに別の実施形態において、入口及び出口を有するハウジング、前記入口と前記出口との間で前記ハウジング内に配置されたチューブシート、及び、前記チューブシートに取り付けられた1つ以上のフィルタバッグアセンブリを含んでなるバッグハウスフィルタシステムが提供される。ここでは、前記フィルタバッグアセンブリがそれぞれ、ろ材と、ガス流に曝される上流表面を有する多孔質膜と、第二の層とを含むフィルタバッグを含んでなり、前記第二の層は前記ろ材と前記多孔質膜との間に配置され、そして前記多孔質膜は0.06MPa以上、例えば0.09MPa以上のバブルポイントを有する。
【0019】
これら及び他の実施形態は、それらの利点及び特徴の多くとともに、以下の記載及び添付の図面と併せてより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面の簡単な説明
本発明は、添付の非限定的な図を考慮してよりよく理解されるであろう。
【0021】
【
図1】
図1は、横断方向の膜強度が低いために構造的欠陥を有する膜のSEM画像である。
【0022】
【
図2】
図2は本明細書に開示される実施形態によるバッグハウスの概略図を示す。
【0023】
【
図3】
図3は本明細書に開示される実施形態による、ろ材に隣接する多孔質膜を備えたフィルタバッグの切取斜視図を示す。
【0024】
【
図4】
図4は本明細書に開示される実施形態による、ろ材に隣接する多孔質膜を備えたフィルタバッグを有するフィルタアセンブリの斜視図を示す。
【0025】
【
図5】
図5は本明細書に開示される実施形態による、ろ材に隣接するラミネートを備えたフィルタバッグを有する別のフィルタアセンブリの斜視図を示す。
【0026】
【
図6】
図6は、比較例と比較した、ろ材に隣接する多孔質膜の差圧上昇のグラフである。
【0027】
【
図7】
図7は、比較例と比較した、ろ材に隣接する多孔質膜の差圧上昇のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されている場合があり、その点で、描かれている図面は限定として解釈されるべきでないことにも留意されたい。
【0029】
本明細書に記載される様々な実施形態は、ろ材と、緻密な微細構造を有する隣接する耐久性多孔質膜とを含むフィルタバッグであって、改善されたクリーニング性を提供するフィルタバッグに関する。本発明の目的のために、0.06MPa以上のバブルポイントは、緻密な微細構造を示す。緻密な微細構造の問題は、これらの膜がフィルタバッグに有害である圧力降下の有意な増加をもたらすとことが予想されることである。さらに薄い及び/又は軽量の膜もまた、圧力低下が有意に増加すると予想され、これはフィルタバッグに有害である。1つの実施形態において、多孔質膜は、横断方向に高い強度を有する薄くて緻密な膜を含む。別の実施形態において、多孔質膜は、膜などの第二の層にラミネート化される。実施形態は、横断方向に高強度を有する薄い及び/又は軽量の膜を使用することによって、又は第二の層に薄い及び/又は軽量の膜をラミネート化することによって圧力降下問題に関連する問題を克服し、フィルタバッグの耐久性及びクリーニング性を改善する。本明細書に記載のフィルタバッグは、排気ガス流などのガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリで使用することができる。1つの実施形態において、高効率の集塵フィルタバッグを提供することができる。
【0030】
操作中、フィルタバッグは上流表面上に粒子を収集し、そして収集された粒子は、クリーニングにより、操作中に数回除去される。フィルタアセンブリは、フィルタバッグにダストケークとして収集された粒子をリバースエア、シェーカ及びパルスジェットなどのクリーニング技術を使用して除去することでクリーニングできる。1つの実施形態において、ソニックホーンを介した音響クリーニングを、これらのクリーニング技術と組み合わせて使用することができる。クリーニング操作で使用されるソニックホーンは、低周波数、高デシベルの音響エネルギーを生成し、最大150dBの強度で60~250Hzの範囲の音を生成する。
【0031】
本発明の実施形態は、耐久性を高めながら透過性を達成するという利点を提供する。膜が軽くなり及び/又は薄くなると、膜は製造プロセス及びクリーニングプロセス中に損傷を受けやすくなる。製造プロセス中の亀裂、引き裂き又は破裂の形の構造的損傷は不便であり、費用がかかるが、使用前に膜を交換することができる。いったん使用すると、膜に構造的な損傷があると、フィルタバッグの寿命が短くなり、耐久性に有意な問題が生じる。
【0032】
さらに、本発明のさらなる実施形態は、多孔質膜の犠牲層として作用する第二の層を提供する。これにより、本明細書に記載の薄くて緻密な膜を、摩耗性トポロジーを有するろ材を備えたフィルタバッグにおいて、又は、フィルタバッグに応力をかけるクリーニング技術で使用することができる。
【0033】
本明細書に記載されているフィルタバッグは、汚染物質の制御又は生成物捕獲が必要な多種多様な用途で使用することができる。これには、発電所、製鉄所、化学製造者、及び高い粒子収集効率が望まれるその他の産業会社が挙げられる。本発明による例示的な実施形態は、セメントバッグハウスで使用されるフィルタバッグである。セメントバッグハウスは、しばしば、摩耗性トポロジーを有するろ材を使用する。
【0034】
摩耗性トポロジーは、非平滑表面を作り出す縁、点又は輪郭を有するろ材の表面を指す。この非平滑表面は、隣接する膜を摩耗、引き裂き、破裂、裂傷又は他の方法で損傷する可能性がある。膜が損傷すると、フィルタバッグは粒子除去の効率を失う。
【0035】
ダストケークを除去するためのクリーニング中に生じる応力のために、膜が損傷することもある。ろ材が平滑な表面を有するときでさえ、クリーニング中の脈動により、摩耗性応力などの追加の応力が発生することがある。クリーニング中に、支持体副次構造及び/又はろ材に対するフィルタバッグの繰り返しの膨張及び収縮は、膜に損傷を与える可能性がある。損傷によって引き起こされる問題を克服するために、本発明の1つの実施形態は、100N/m以上、例えば、120N/m以上、150N/m以上、175N/m以上又は200N/mである横断方向強度を有する膜を使用する。横断方向強度は、ダイFを使用して、ASTM法D412-06a(2006)を使用して決定することができる。横断方向強度は、フィルタバッグの周囲の方向などのフィルタバッグに対して横断方向における強度を指す。図示のように、横断方向は矢印(t)で示されている。横断方向は、フィルタバッグの長さに対して非平行であるフィルタバッグの周囲幅の方向であることができ、幾つかの実施形態において、フィルタバッグの長さに対して垂直であることができる。1つの実施形態において、この横断方向強度特性は、弾力性がありかつ耐久性がある外側に面する膜を有するフィルタバッグを提供するのに役立つ。ろ材に隣接する、100N/m未満の横断方向強度を備えた膜は、フィルタバッグに応力がかかると、構造的な破損を被る。
図1に示されるように、横断方向tにおいて94.5N/mの強度を有する膜1は、
図1の膜にける横断方向強度がないために目に見える破裂2を被った。これは、膜1の耐久性が低く、破裂がフィルタバッグの寿命を短くしたことを示している。
【0036】
フィルタバッグ
【0037】
本明細書に記載されるフィルタバッグは、高い空気流及び良好なダストケーク解放を提供する膜を含む。これにより、フィルタバッグを簡単にクリーニングすることができると同時に、フィルタバッグに関連する圧力降下を低減することができる。膜はろ材にラミネート化又は接着のいずれかでろ材に取り付けることができ、又は膜は第二の層に隣接して、ろ材に取り付けられるラミネートを形成することができる。フィルタバッグは、操作及びクリーニング技術に応じて、様々な形状及び特徴を有することができる。1つの実施形態において、パルスジェットクリーニング用のフィルタバッグは、一端にカフを、他端に開口部を有することができ、それは、フィルタバッグが支持体副次構造を少なくとも部分的に取り囲むことを可能にする。設計に関係なく、横断方向強度が高い多孔質膜を有するフィルタバッグはフィルタバッグの耐久性を高めるのに役立ち、これにより、粒子状物質の排出量が減少し、排出基準に準拠する。
【0038】
典型的なバッグハウスにおいて、各フィルタバッグは、0.3m~10mの長さ及び5cm~30cmの内径を有することができる。フィルタバッグは、フィルタバッグがバッグハウスに取り付けられるか、支持体副次構造の上に取り付けられるか、又は、支持体副次構造に取り付けられることを可能にする寸法を有することができる。これらの寸法は、本発明の目的のために必ずしも限定的ではなく、本明細書に開示される実施形態は、多種多様なバッグハウスで使用されうることを理解されたい。
【0039】
1つの実施形態において、フィルタバッグにプリーツを付けることができる。プリーツ付きフィルタバッグは、ろ材の深さを増加させ、流れの中のより少ない粒子にろ材を曝すことができる。
【0040】
ここで
図2を参照すると、パルスジェットクリーニングシーケンスを有するバッグハウスは示されている。ホッパー20の内部には、粒子を含んだガス流21は入口22でホッパーに入り、横断方向(t)に高強度を有する多孔質膜を含むフィルタバッグ23を通って通過する。フィルタバッグは、ろ材に取り付けられた多孔質膜、又はろ材に取り付けられた多孔質膜を含むラミネートを含むことができる。ホッパー20内のチューブシート25は、ガス流がフィルタバッグ23を迂回するのを防止する。フィルタバッグ23は、(フィルタバッグ23の下に示される)内部支持ケージ26によって開いたままにされる。ガス流は、フィルタバッグ23を通り、バッグ出口29を通過した後に、出口27でクリーンエアコンパートメントを出る。操作中、粒子は図の左側のバッグに示されるように、多孔質膜の外側にダストケーク28を形成する。ダストケーク28を除去するためにクリーニングする際、パルスパイプ30から空気がフィルタバッグに入る。この空気のパルス32がフィルタバッグを膨張させ、ダストケークを緩め、それにより粒子31をホッパー20の底部に収集する。
図2の右側のバッグに見られるように、パルスジェットはフィルタバッグを膨張させる。フィルタバッグの膨張と収縮が繰り返されると、摩耗が引き起こされる。他のクリーニング技術もフィルタバッグに応力を与えることを理解されたい。本明細書に記載されているフィルタバッグの利点は、多孔質膜が緻密な微細構造を有し、横断方向のより高い強度を有し、それにより耐久性を向上させ、クリーニングサイクル中の応力によって引き起こされる構造的破損を低減することである。
【0041】
多孔質膜
【0042】
1つの実施形態において、フィルタバッグを含むガス流から粒子をろ過するためのクリーニング可能なフィルタバッグアセンブリは提供される。フィルタバッグは、ガス流に曝される上流表面を有する多孔質膜と、該多孔質膜に取り付けられたろ材とを含む。1つの実施形態において、多孔質膜は0.06MPa以上、例えば0.1MPa以上又は0.5MPa以上のバブルポイントを有する。1つの実施形態において、多孔質膜は100N/m以上、例えば150N/m以上、175N/m以上、又は200N/m以上である横断方向における強度を有する。
【0043】
本明細書に記載されるフィルタバッグに使用される多孔質膜は、本明細書に記載されるより高い性能を達成するために特に有利な幾つかの特徴を有する。膜は微細な粒子を捕獲することができ、ろ過効率が向上し、ケークの解放が増加し、使用中の通気能力が増加することができる。1つの実施形態において、多孔質膜は、0.07ミクロンより大きい直径を有するガス流中の粒子の97%超を収集する。さらなる実施形態において、多孔質膜は、0.07ミクロンより大きい直径を有するガス流中の粒子の99%超を収集する。多孔質膜をろ材に取り付けると、フィルタバッグの収集効率が高くなる。
【0044】
多孔質膜は、フルオロポリマー又はポリエステル材料を含むことができる。適切なフルオロポリマー膜は、PTFEを延伸させて延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を形成することを含む、多くの異なる方法によって調製されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。他の適切なフルオロポリマーは、ポリフッ化ビニリデン(「PVDF」)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(「FEP」)、テトラフルオロエチレン-(ペルフルオロアルキル)ビニルエーテルコポリマー(「PFA」)などを含むことができる。
【0045】
膜は、微細なダストなどの粒子を保持しながら、空気又は液体のいずれかの流体の通過を可能にする孔を有する。膜の多孔質の性質は、ISO試験法に関して記載された、0.7MPa未満、例えば、0.5MPa未満又は0.1MPa未満の差圧上昇を維持する。
【0046】
1つの実施形態において、多孔質膜は0.06MPa以上、例えば0.1MPa以上又は0.5MPa以上のバブルポイントを有する緻密な微細構造を有するePTFE膜である。範囲に関して、バブルポイントは0.06~1MPa、例えば0.06~0.7MPa、又は0.07~0.5MPaである。ePTFE膜はまた、0.7ミクロン以下、例えば、0.5ミクロン以下の平均孔径を有することができる。
【0047】
ePTFE膜は、細孔を形成する複数のノード及び/又は複数のフィブリルの構造を有することができる。幾つかの実施形態において、ePTFE膜は実質的にフィブリル化され、幾つかのノードを含む。PTFEの使用は良好な耐熱性及び化学的不活性を提供する。多孔質ePTFEは、強度及び安定性を高め、パルスジェットクリーニングによって発生する応力に耐える高い横断強度を有する。膜にかかるこれらの応力には2つのタイプがある。1つはパルスジェットクリーニング中の突然の膨張が原因である。もう1つは、支持体副次構造に対するバッグの突然の崩潰が原因である。応力は、数年になる可能性があるフィルタバッグの寿命にわたって繰り返し発生される。フィルタバッグの幾つかの用途によっては、毎年の操作で100万回を超えるパルスサイクルがあり得る。
【0048】
本明細書で使用される膜は、0.06MPa以上のバブルポイント及び100N/m以上の横断強度を有し、それにより、亀裂、引き裂き又は破裂などの構造的破損に耐え、空気流の印加時に、収集された粒子を上流表面から解放する。ePTFE膜では、押出PTFEテープを二軸延伸することにより、高い横断強度を得ることができる。
【0049】
横断方向における膜の強度は構造的破損を防止するのに十分に高くてよいが、横方向における強度の増加は必要とされない。横方向はフィルタバッグの長さに沿って延び、横断方向に対して角度が付けられているか又は垂直である。1つの実施形態において、横方向強度は、100N/m未満、例えば、75N/m未満又は50N/m未満である。横方向強度はより高くてよいが、フィルタバッグに必ずしも利点を与えない。
【0050】
多孔質ePTFE膜の使用は、良好な空気ろ過に適した、より高い空気流量、すなわち高い透過性を提供する。膜は多孔性であり、0.5インチ水ゲージで少なくとも1cfm/ft2、例えば0.5インチ水ゲージで少なくとも5cfm/ft2、又は0.5インチ水ゲージで少なくとも10cfm/ft2の空気透過性を有する。低い空気透過性は以前に液体流と共に使用されていたが、本発明の発明者は、低い空気透過性の膜が、より高いバブルポイントを有するフィルタバッグにおいて使用されうることを見出した。
【0051】
軽量の膜は、空気流を維持し、フィルタバッグの全体の質量を減らすことができる。したがって、1つの実施形態において、4.5gsm以下、例えば4gsm以下、3gsm以下又は1gsm以下の面積あたりの質量比を有する膜が提供される。なお、膜は、0.5gsm~4.5gsm、例えば、0.5gsm~4gsm、又は0.5~3gsmの面積あたりの質量比の範囲を有することができる。面積あたりの質量比が5gsmを超える膜は重く、透過性が低下して空気流が低下する傾向がある。
【0052】
より薄い膜は一般に軽量であり、良好な通気性を有する。1つの実施形態において、膜は5~50ミクロン、例えば、5~30ミクロン又は10~30ミクロンの厚さを有する。幾つかの実施形態において、膜を層状にして、所望の厚さを達成することができる。
【0053】
本発明の膜は高い横断強度を有するが、膜は、1.36kg以下、例えば1.26kg以下又は1.16kg以下のボールバーストを有する。ボールバーストを減少させることにより、バブルポイントが0.06MPaを超える膜は、圧力差の上昇がより低い空気流を維持することができる。さらに、膜はろ材に取り付けられているため、横断方向強度が高く、ボールバーストが低いことが望ましい。
【0054】
1つの実施形態において、支持体副次構造と、該支持体副次構造を少なくとも部分的に取り囲むフィルタバッグとを含むガス流から粒子をろ過するためのクリーニング可能なフィルタバッグアセンブリは提供され、前記フィルタバッグは、ガス流に曝される上流表面を有する多孔質膜と、該多孔質膜に取り付けられたろ材とを含む。多孔質膜は、100N/m以上の横断方向における強度、及び、以下の特性のうちの少なくとも2つを有する:0.5インチ水ゲージで少なくとも1cfm/ft2の通気性、0.06MPa以上のバブルポイント、4.5gsm以下の面積あたりの質量比、5~50ミクロンの厚さ及び1.36kg以下のボールバースト。さらなる実施形態において、多孔質膜は、0.06MPa以上のバブルポイント及び100N/m以上である横断方向における強度、及び、以下の特性のうちの少なくとも1つを有する:0.5インチ水ゲージで少なくとも1cfm/ft2の通気性、4.5gsm以下の面積あたりの質量比、5~50ミクロンの厚さ及び1.36kg以下のボールバースト。
【0055】
ろ材
【0056】
膜は、ラミネート化、溶接、縫製、鋲留め、クランプ締め又は他の適切な取り付け手段を使用してろ材に取り付けられることができる。1つの実施形態において、膜は、接着剤の連続層又はドット及びグリッドの不連続接着剤を使用してろ材に接着される。一般的な接着剤は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)コポリマーなどのフッ素化ポリマー接着剤であり、通常、ろ材の上面にPTFE分散液又はFEP水性分散液をトランスファーコーティングすることにより、ろ材にコーティングされる。他の有用な接着剤としては、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロプロピレンコポリマー、ポリビニリデンジフルオリドなどが挙げられる。別の実施形態において、ろ材のコーティングされた側への多孔質ePTFE膜のラミネート化は、ろ材のコーティングされた側に膜を置くこと及び軽い圧力で接着剤の融点以上に加熱することによって行われる。他の実施形態において、ろ材は、PTFE又は熱可塑性材料を含むことができ、さらなる接着剤を必要とすることなく膜に溶融されることができる。
【0057】
バッグハウスにおいて、ろ材は劣化することなく高温に耐えることができるべきである。ろ材は、膜を接着又はラミネート化できるバッカー材料である。ガス流の化学物質及び/又は湿分含有量、その温度及びその他の条件に応じて、フィルタバッグは、ガラス繊維、ポリエステル、綿、ナイロン又はその他の材料から構成されることができる。PTFE、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、アラミド又はポリイミドから作られたフェルト及び繊維もろ材として使用することができる。グラス繊維とPTFEなどのファイバーとフィラメントの混合もろ材として使用できる。400℃を超える高温用途では、織ったPTFE、グラス繊維又はポリイミドをろ材として使用できる。
【0058】
市販のPTFE布帛は、PTFE繊維の支持されたニードルフェルトである。これらのフェルトは、通常、650~900g/m2の質量であり、マルチフィラメントの織スクリム(130~210g/m2)で補強されうる。スクリム要素は、任意のポリテトラフルオロエチレンから作ることができるが、好ましくは、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンである。フェルトはステープル繊維(通常は6.7デニール/フィラメント、又は7.4dtex/フィラメント)から構成され、長さが5~20cmである。
【0059】
1つの実施形態において、ろ材の下流側で水銀を捕捉するための不織布ポリプロピレン材料又は吸着剤成分のラップなどの、ろ材に追加されたさらなる層が存在することができる。別の実施形態において、ろ材は、NOx、NH3、CO、ダイオキシン、フラン又はオゾンなどの汚染物質を転化するための1つ以上の触媒を含むことができる。触媒は、TiO2、V2O3、WO3、MnO2、Pt又はAl2O3などの活性材料を含むことができる。触媒を使用すると、ダイオキシン、フラン、NOx、COなどの汚染物質を流体流から効果的に除去することができる。
【0060】
図3は、シェーカ機構(図示せず)に取り付けられたフィルタバッグ102を含むフィルタアセンブリ100である。例示の目的で、フィルタバッグ102の層は切取図になっている。フィルタバッグ102は、一端にキャップ116を有し、反対側の端部に開口部108を有し、清浄化された空気が通過して出ていくことができる。フィルタアセンブリ100は、フィルタアセンブリ100をシェーカ機構(図示せず)に取り付けるためのワイヤ118を含む。フィルタバッグ102は、本明細書に記載のとおりの多孔質膜120を含み、該多孔質膜は接着層124を使用してろ材122に取り付けられている。接着層124は、連続層又は不連続層を形成する接着剤のグリッド、ライン又はパターンであることができる。多孔質膜120は、バブルポイントが0.06MPa以上であり、横断方向(t)における強度が100N/m以上である。
図3に示すように、多孔質膜120は、ろ材122の内面に示されている。
【0061】
支持体副次構造
【0062】
本発明のフィルタ要素で使用されうる支持体副次構造は、フィルタアセンブリの構成、ろ過される材料のタイプ、フィルタアセンブリが組み込まれたろ過システム、クリーニング機構などを含む、幾つかの条件に応じて大きく変化することができる。例えば、本出願での使用に適した支持体構造としては、金属、プラスチック及び織布又は不織布形態を含む天然繊維、例えば、スパンボンドポリエステル又は不織布アラミドフェルト材料などの材料から製造できるケージ、リング又はブレースが挙げられる。1つの実施形態において、支持体副次構造は金属又はプラスチックメッシュであることができる。ワイヤ支持体ケージも支持体副次構造として使用できる。他の実施形態において、支持体副次構造は、剛性自立インサートであることができる。
【0063】
1つの実施形態において、支持体副次構造は、1つの単一部品として構成され得るか、又は、複数の部品から組み立てることができるケージを備える。ケージは、ケージとろ材との間にバリアを提供するためにカバーを有することができる。カバーは、ろ材と支持体副次構造との間の接触を減らすことができる。
【0064】
図4は、金属ケージとして示される支持体副次構造104の周りに取り付けられたフィルタバッグ102を含むフィルタアセンブリ100である。例示の目的で、フィルタバッグ102の層は引き下げられているが、これらの層は支持体副次構造104を覆っていることを理解されたい。
図3に示されているように、支持体副次構造104は、パルスジェットクリーニングに使用されるワイヤケージである。フィルタバッグ102は、一端にカフ部分106を有し、反対側の端部に開口部108を有し、クリーニングされた空気が通過して出ていくのを可能にする。フィルタアセンブリ100は、バッグをチューブシートに取り付けるための保持部分110を含む。他の実施形態において、フィルタアセンブリは、フィルタアセンブリ100をバッグハウス内に固定するためのフック又は他のファスナを有することができる。フィルタバッグ102は、本明細書に記載のように多孔質膜120を含み、該多孔質膜は接着剤層124を使用してろ材122に取り付けられている。
図4に示される多孔質膜120は、バブルポイントが0.06MPa以上であり、横断方向(t)における強度が100N/m以上である。
【0065】
犠牲材料
【0066】
多孔質媒体は、
図4ではろ材に直接取り付けられているように示されているが、他の実施形態において、ろ材と多孔質膜との間に配置された犠牲材料が存在することができる。この犠牲材料は、ろ材の摩耗性トポロジーが多孔質膜に構造的破損を引き起こすのを防止する。犠牲材料は、粒子収集の損失を引き起こすことなく多孔質媒体を保護する。1つの実施形態において、支持体副次構造、及び、膜と犠牲材料を含む第二の層とのラミネートを含む支持体副次構造を少なくとも部分的に取り囲むフィルタバッグを含む、ガス流から粒子をろ過するためのクリーニング可能なフィルタバッグアセンブリが提供される。ラミネートは、ガス流に曝される多孔質膜の上流表面を含むことができ、一方、第二の層は、ろ材に取り付けられる。
【0067】
第二の層は、膜をろ材に接着させるための平滑な表面を作り出すための犠牲材料を含むことができる。ろ材の表面粗さのために、直接取り付けると、ろ材は膜に穴を開けることがある。1つの実施形態において、第二の層は、膜とろ材との間にバリアを提供することにより、この発生を低減する。第二の層は、多孔質膜に損傷を与えることなく、ろ材によって穴が開けられることがある。穴開けは、組み立て中又はクリーニング中に発生することがある。したがって、多孔質膜はその粒子保持性を保持し、耐久性を損なう構造上の問題を被ることなく操作し続ける。
【0068】
この実施形態において、第二の層に取り付けられた多孔質膜は、50N/m以上、例えば60N/m以上又は100N/m以上である横断方向における強度を有する。この実施形態において、多孔質膜は、多孔質膜とろ材との間に第二の層が存在するために、ろ材に取り付けられた多孔質膜を使用する実施形態と比較して、比較的に低い横断強度を有することができる。さらに、多孔膜をラミネートとして用いるときに、多孔質膜のバブルポイントは0.06MPa以上、例えば、0.2MPa以上又は0.5MPa以上である。
【0069】
第二の層は、織布テキスタイル、不織布テキスタイル又は膜であることができる。1つの実施形態において、フルオロポリマー膜又はポリエステル膜などの膜を第二の層として使用することができる。第二の層に適した膜は、1フレイジャー以上、例えば5フレイジャー以上の透過性を有する多孔質であることができる。多孔質膜にラミネート化するときに、ラミネートは2フレイジャー以上の透過性を有することができる。第二の膜の層のサイズ及び質量は犠牲材料に応じて変化しうる。1つの実施形態において、第二の膜の層は、0.25~50gsmの面積あたりの質量比を有する。
【0070】
他の実施形態において、犠牲層は、限定するわけではないが、綿などのセルロース繊維、麻又は他の天然繊維、ガラス繊維を含む無機繊維、炭素繊維、又は、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン又は他の従来の繊維又はポリマー材料などの有機繊維及びそれらの混合物を含む、様々な従来の繊維から形成することができる。
【0071】
ラミネート中の犠牲材料は、織布又は不織布であることができる。織布バッグにおいて、典型的には、繊維は典型的な織形式で繊維の絡み合いメッシュに加工される。不織布は、典型的には、特定の配向ではなく繊維を緩く加工し、次いで繊維をフィルタ布に結合することによって作製される。第二の層を構築する1つの様式は、基材としてフェルト媒体を使用することである。フェルトは、別個の天然繊維又は合成繊維を層状に置き、当業者に知られている一般に入手可能なフェルト結合技術を使用して繊維をフェルト層に圧縮することによって作製された圧縮多孔質不織布である。
【0072】
図5に示されるフィルタアセンブリ100は、多孔質膜120と、犠牲材料を含む第二の層132とを含むラミネート130を含む。フィルタバッグ102は、金属ケージとして示される支持体副次構造104の周りに取り付けられる。
図4と同様に、例示の目的で、フィルタバッグ102及びラミネート130の層は引き下げられているが、これらの層が支持体副次構造104を覆っていることを理解されたい。
図4と同様に、一端にカフ部分106が示され、反対側の端に開口部108があり、クリーニングされた空気がフィルタバッグ102を通過しそして出ていくことができる。フィルタアセンブリ100は、バッグハウスをチューブシートに取り付けるための保持部分110を有する。他の実施形態において、フィルタアセンブリ100は、バッグハウス内にフィルタアセンブリ100を固定するためのフック又は他のファスナを有することができる。フィルタバッグ102は、接着剤層124を使用してろ材122に取り付けられたラミネート130を含む。ラミネートは、上述のように、多孔質膜120である上流表面と第二の材料132である下流表面を有する。
図5において、第二の材料132は膜である。多孔質膜120は、ラミネートとして形成されたときに、バブルポイントが0.06以上である。1つの実施形態において、多孔質膜120はまた、50N/m以上、例えば100N/m以上又は175N/m以上の横断方向(t)における強度を有することができる。
【0073】
シームシーリングテープ
【0074】
フィルタバッグは、シームによって接合された少なくとも2つの隣接する縁部分と、延伸フルオロポリマーの層と、シームに接着してそれをシールするための材料とを含むシームテープとを含むことができる。シームテープは、多孔質膜の上流表面及び/又はろ材の下流表面上のシームの上に配置されうる。
【0075】
1つの実施形態において、シームシーリングテープは、米国特許第8,790,432号明細書に記載されているように、室温で約1,950psiを超える横断方向マトリックス弾性率及び0.6未満のエンタルピー比を有する延伸フルオロポリマーを含むことができ、その全内容及び開示を参照により本明細書に取り込む。
【0076】
ろ材のシートを接合するシームは、縫製又は熱溶接などの従来の方法によって形成することができる。ろ材部分を接合してフィルタのシームを形成するために使用されるスレッドの材料、サイズ及び性質は、ろ材、フィルタを形成するために使用できる他の材料、及びフィルタの最終的な用途に依存する。フィルタバッグのシームが縫われる方法は様々であることができる。例えば、シームは、フェルドシーム(felled seam)であることができ、そのシームは、シームを縫う前に、ろ材の縁の間に挿入されたバインダストリップで直線縫いされうるか、又は、シームはオーバースティッチされうる。
【0077】
本発明によって提供されるフィルタバッグは様々な適切な最終用途を有する。特に、フィルタバッグは、塗料及びコーティング、特に水性塗料及びプライマー、化学物質、石油化学製品、水、水溶液及び懸濁液などをろ過するために使用されうる。本発明のフィルタバッグは、鉱物、化学物質、金属及びエネルギーの生産において使用されうる。最も具体的には、高い横断強度を備えた膜を有するフィルタバッグを使用して、セメント工場で使用されるバッグハウス内の粒子ダスト排出物をろ過及び収集することができる。フィルタバッグの有用性はこれらの用途に限定されるものではなく、従来のフィルタバッグのほとんどの用途を含む。
【実施例】
【0078】
本発明は、以下の非限定的な実施例及び試験結果を考慮してよりよく理解されるであろう。
【0079】
試験方法
特定の方法及び装置が以下に記載されているが、当業者によって適切であると決定された任意の方法又は装置が利用されうることが理解されるべきである。
【0080】
横断強度
【0081】
横断方向における強度は、ダイFを使用して、ASTM法D412-06a(2006)の試験方法に従って決定される。一定の伸び率(CRE)制御が可能な万能試験機は、ドッグボーン又はダンベルのような形をしている膜を試験するために使用される。横断強度を測定するために、ダンベル型のサンプルをグリップに配置する。グリップの分離速度は500~50mm/分である。機械が分離力を加え始め、破壊時の力は記録される。
【0082】
空気透過性-フレイジャー数の決定
【0083】
材料の空気透過性は、ASTM D 737-75「テキスタイル布の空気透過性の標準試験方法」と題された試験方法に従って決定される。具体的には、空気流を測定するために、約6平方インチ(3871平方mm)(2.75インチ(70mm)の直径)の円形領域を提供するガスケット付きフランジ付き治具にテストサンプルをクランプ固定することにより、空気透過性を測定した。サンプル治具の上流側は、乾燥圧縮空気の供給源に沿って流量計に接続されていた。サンプル治具の下流側は大気に開放されていた。
【0084】
試験は、サンプルの上流側に0.5インチ水ゲージの圧力を加え、インライン流量計(ボールフロート回転計)を通過する空気の流量を記録することによって行われた。
【0085】
結果は、0.5インチ水ゲージでのサンプルの立方フィート/分/平方フィートでの空気流であるフレイジャー数で報告される。
【0086】
バブルポイント試験
【0087】
延伸多孔質PTFEの表面自由エネルギーよりも小さい表面自由エネルギーを有する液体は、差圧を適用することにより、構造から強制的に外に出すことができる。このクリアリングは、最大の通路から最初に行われる。次いで、通路は作成され、そこを通過してバルク空気流が発生する。空気流は、サンプルの上で液層を通過する小さな気泡の安定した流れとして現れる。最初のバルク空気流が発生する圧力はバブルポイントと呼ばれ、テスト流体の表面張力及び最大開口部のサイズに依存する。バブルポイントは、膜の構造の相対的な尺度として使用でき、しばしば、ろ過効率などの幾つかの他のタイプの性能基準と相関している。
【0088】
バブルポイントは、Porous Materials Inc.製のキャピラリーフローポロメーター、CFP-1500により決定した。テストされる膜の細孔を満たすための湿潤流体としてシルウィックオイルを使用した。シルウィックオイルの表面張力は20.1ダイン/cmである。膜のテスト面積は2.84cm2である。サンプルテスト膜の下に金属支持体を配置して、膜が変形するのを防止する。
【0089】
バブルポイントは、湿潤流体を試験試料の最大の細孔から移動させ、多孔質媒体を覆う湿潤流体の層を介したバブルの上昇によって検出可能なバブルの最初の連続的な流れを作り出すために必要な空気の圧力である。この測定により、最大細孔径の評価値が得られる。
【0090】
面積あたりの質量
【0091】
サンプルの面積あたりの質量は以下の方法により測定した。クリッカープレスを使用して、面積2.03in2のD412Fダイ(ドッグボーン型)を使用した膜の4つのサンプルに穴を開ける。これらの4つの穴開けされたサンプルのそれぞれの質量を測定してグラム単位で記録する。
【0092】
各サンプルの質量を以下の方法でg/m2の単位で質量/面積に変換する。質量/面積(g/m2)=[ダイD412Fから打ち抜かれた膜サンプルの質量(g)×39.372]÷2.03であり、質量/面積(g/m2)=ダイD412Fから打ち抜かれた膜サンプルの質量(g)×763.5に簡略化される。平均値は、膜の質量/面積としてg/m2の単位で報告される。
【0093】
圧力降下
【0094】
圧力降下の変化は、方法ISO 11057(初版;2011年5月15日)を使用して測定される。残留圧力降下は、パルス後4秒で取得される。老化試験方法において、サイクル1及びサイクル2500後の残留圧力降下が採用される。dP上昇は、サイクル2500とサイクル1との間での残留圧力降下の差:dPRise=ResdPCycle2500-ResdPCycle1として規定される。圧力降下の上昇が小さいほど、高いクリーニング性のフィルタアセンブリを示す。
【0095】
粒子捕捉
【0096】
粒子を捕捉する際のろ過効率は、自動フィルタ試験機モデル3160(TSI)を使用して決定される。測定のための流量は32L/分である。3160は、15~800nmの範囲で最大20の異なる単分散粒子サイズでフィルタに負荷させる。各粒子サイズの透過値を計算する。テストの最後に、モデル3160は透過対粒子サイズの曲線を生成し、最も透過する粒子サイズ(MPPS)を含むテスト結果の概要を生成する。
【0097】
ボールバースト強度
【0098】
この試験は、破壊時の最大負荷を決定することにより、媒体のサンプルの相対強度を測定する。媒体は、2つのプレートの間にクランプされている間に、直径1インチ(2.54cm)のボールで負荷される。シャンティヨン、力ゲージ/ボールバーストテストを使用した。
【0099】
媒体は測定デバイスにぴんと張られて配置され、ウェブを持ち上げてバーストプローブのボールと接触させることにより圧力が加えられる。破壊時の圧力は記録される。
【0100】
例
【0101】
例1
2.2gsmの質量対面積比、2.6cfm/ft2/分の透過性及び0.09MPaのバブルポイントを有する延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を、接着剤を使用せずにPTFEフェルトに接着した。表1は、パルスジェットクリーニング技術を使用して耐久性及びクリーニング性を報告している。表1に示すように、例1は、ある程度の損傷を伴う許容可能な耐久性及び優れたクリーニング性を示している。
【0102】
例2
【0103】
例1と同様にフィルタを調製した。表1はePTFE膜の特性を示す。表1に示すように、例1は、ある程度の損傷を伴う許容可能な耐久性及び優れたクリーニング性を示している。
【0104】
比較例A
【0105】
例1と同様にフィルタを調製したが、表1に示すように、横断強度がより低いePTFE膜である。横断強度がより低いために、比較例Aは、表1に報告されているように、損傷を受け、耐久性が限られている。
【0106】
比較例B
【0107】
例1と同様にフィルタを調製したが、表1に示すように、0.013MPaのより低いバブルポイントにより示される、より開放された微細構造を有するePTFE膜である。開放された構造のために、比較例Bは、表1で報告されているように、不十分なクリーニング性を有し、したがって、圧力降下が増加している。
【表1】
【0108】
差圧の上昇を例1又は2と比較例A又はBとの間で比較し、
図6に示す。緻密な微細構造及び高い横断方向強度を有する単層膜は、100Pa(例1)及び92Pa(例2)の差圧上昇により、有意な改善を示している。対照的に、損傷を有する比較例Aは、93Paの差圧上昇を有し、一方、比較例Bは、良好な耐久性を有するが、148Paの差圧上昇を有した。
【0109】
例3及び例4
【0110】
上層(上流に面する)として多孔質膜を含み、ろ材に隣接する犠牲層(下層)を含むラミネートである。各層の質量/面積比及び透過性を表2に報告する。これらの例のろ材は22オンスの織ガラス繊維であり、PTFE分散液コーティングを使用してラミネートを接着した。多孔質膜の横断強度は、50N/mより大きかった。表2は、パルスジェットクリーニング技術を使用した耐久性及びクリーニング性を報告している。例3及び4はどちらも優れた耐久性及びクリーニング性を示す。
【表2】
【0111】
図7は、例3におけるラミネートについての差圧上昇を示すグラフで120Paであり、例4については42Paである。これは従来のフィルタを超える有意な改善である。
【0112】
本発明は、明確化及び理解の目的で詳細に記載されてきた。しかしながら、当業者は、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることを理解するであろう。
【0113】
上述の記載において、説明の目的で、本発明の様々な実施形態の理解を提供するために多くの詳細が述べられてきた。しかしながら、特定の実施形態は、これらの詳細の一部なしで、又は追加の詳細を用いて実施されうることが当業者に明らかであろう。
【0114】
幾つかの実施形態を開示してきたが、実施形態の主旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造及び均等形態が使用されうることが当業者によって認識されるであろう。さらに、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、多くの周知の方法及び要素は記載されていない。したがって、上記の記載は本発明又は特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0115】
値の範囲が提供される場合に、文脈が明確に他のことを指示しない限り、その範囲の上限と下限の間の各介在値が、下限の単位の最小部分まで具体的に開示されるものと理解される。任意の記載された値又は記載された範囲内の記載されていない介在値及びその記載された範囲内の他の記載された値又は介在する値の間のより狭い範囲は包含される。それらのより小さな範囲の上限と下限は、独立して、その範囲に含まれ又は除外されることができ、いずれかの限度がより小さな範囲に含まれ、両方の限度がより小さな範囲に含まれず、又は両方の限度がより小さな範囲に含まれる各範囲も本開示内に含まれ、記載された範囲内の具体的に除外された制限を受ける。記載された範囲が1つ又は両方の限度を含む場合に、含まれた限度のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0116】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるときに、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。また、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(including)」及び「含む(includes)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるときに、記載されている特徴部、整数、構成要素又は工程の存在を特定することを意図しているが、1つ以上の他の特徴部、整数、構成要素、工程、行為又は群の存在又は追加を排除するものではない。
【0117】
以下では、本開示の理解を容易にするために、さらなる例を記載する。
【0118】
E1.ガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、ろ材と、ガス流に曝される上流表面及び前記ろ材に隣接する下流表面を有する多孔質膜とを含むフィルタバッグ、を含んでなり、前記多孔質膜は0.06MPa以上のバブルポイントを有し、前記多孔質膜は100N/m以上である横断方向における強度を有し、かつ、前記フィルタアセンブリはクリーニング可能である、フィルタアセンブリ。
【0119】
E2.前記ろ材は、織フェルト、不織フェルト又はガラス繊維材料を含む、例E1記載のフィルタアセンブリ。
【0120】
E3.前記多孔質膜は、前記上流表面上で前記粒子を収集する構造を有する。例E1又はE2のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0121】
E4.前記多孔質膜は、収集された粒子を前記多孔質膜の前記上流表面から解放するためのクリーニングプロセスの応力によって引き起こされる構造的破損に耐えることができる、例E3記載のフィルタアセンブリ。
【0122】
E5.前記多孔質膜はフルオロポリマー膜又はポリエステル膜を含む、例E1~E4のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0123】
E6.前記多孔質膜は175N/m以上の横断方向における強度を有する、例E1~E5のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0124】
E7.前記多孔質膜は4.5gsm以下の面積あたりの質量比を有する、例E1~E6のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0125】
E8.前記多孔質膜は1.36kg以下のボールバースト強度を有する、例E1~E7のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0126】
E9.前記多孔質膜は0.5インチ水ゲージで1cfm/ft2の透過性を有する、例E1~E8のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0127】
E10.前記多孔質膜は5~50ミクロンの厚さを有する、例E1~E9のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0128】
E11.前記多孔質膜は0.09MPa以上のバブルポイントを有する、例E1~E10のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0129】
E12.前記多孔質膜は0.07ミクロンより大きい直径を有する粒子のうちの97%を超える粒子を前記ガス流から収集する、例E1~E11のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0130】
E13.入口及び出口を有するハウジング、前記入口と前記出口の間でハウジング内に配置されたチューブシート、及び、前記チューブシートに取り付けられた例E1~E12のいずれか1項記載の1つ以上のフィルタバッグアセンブリを含んでなる、バッグハウスフィルタシステム。
【0131】
E14.ガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、ろ材と、ガス流に曝される上流表面を有する多孔質膜と、第二の層とを含むフィルタバッグを含んでなり、前記第二の層は前記ろ材と前記多孔質膜の間に配置されており、前記多孔質膜は0.06MPa以上のバブルポイントを有し、かつ、前記フィルタアセンブリはクリーニング可能である、フィルタアセンブリ。
【0132】
E15.前記多孔質膜は0.09MPa以上のバブルポイントを有する、例E14記載のフィルタアセンブリ。
【0133】
E16.前記第二の層は0.5インチ水ゲージで10cfm/ft2の透過性を有する、例E14又はE15のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0134】
E17.前記第二の層及び前記多孔質膜は一緒にラミネート化されてラミネートを形成する、例E14~E16のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0135】
E18.前記第二の層は織布テキスタイル、不織布テキスタイル又は膜を含む、例E14~E17のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0136】
E19.前記第二の層は前記ろ材にラミネート化されている、例E14~E18のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0137】
E20.前記ろ材は織フェルト、不織フェルト又はガラス繊維材料を含む、例E14~E19のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0138】
E21.前記多孔質膜は前記上流表面上の前記粒子を収集するための構造を有する、例E14~E20のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0139】
E22.前記多孔質膜は収集された粒子を前記多孔質膜の前記上流表面から解放するためのクリーニングプロセスの応力によって引き起こされる構造的破損に耐えることができる、例E21記載のフィルタアセンブリ。
【0140】
E23.前記多孔質膜はフルオロポリマー膜又はポリエステル膜を含む、例E14~E22のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0141】
E24.前記多孔質膜は50N/m以上の横断方向における強度を有する、例E14~E23のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0142】
E25.前記多孔質膜は100N/m以上の横断方向における強度を有する、例E14~E24のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0143】
E26.前記多孔質膜は175N/m以上の横断方向における強度を有する、例E14~E25のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0144】
E27.前記多孔質膜は4.5gsm以下の面積あたりの質量比を有する、例E14~E26のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0145】
E28.前記多孔質膜は1.36kg以下のボールバースト強度を有する、例E14~E27のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0146】
E29.前記多孔質膜は0.5インチ水ゲージで1cfm/ft2の透過性を有する、例E14~E28のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0147】
E30.前記多孔質膜は5~50ミクロンの厚さを有する、例E14~E29のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0148】
E31.前記多孔質膜は0.07ミクロンより大きい直径を有する粒子のうちの97%を超える粒子を前記ガス流から収集する、例E14~E30のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0149】
E32.パルスジェット、リバースエア又はシェーカクリーニング技術によってクリーニングされる、例E14~E31のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【0150】
E33.入口及び出口を有するハウジング、前記入口と前記出口との間の前記ハウジング内に配置されたチューブシート、及び、前記チューブシートに取り付けられた例E14~E32のいずれか1項記載の1つ以上のフィルタバッグアセンブリを含んでなる、バッグハウスフィルタシステム。以下、本発明の態様を列挙する。
(態様1)
ガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、ろ材と、前記ガス流に曝される上流表面及び前記ろ材に隣接する下流表面を有する多孔質膜とを含むフィルタバッグ、を含んでなり、前記多孔質膜は0.06MPa以上のバブルポイントを有し、前記多孔質膜は100N/m以上である横断方向における強度を有し、かつ、前記フィルタアセンブリはクリーニング可能である、フィルタアセンブリ。
(態様2)
ガス流から粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、ろ材と、前記ガス流に曝される上流表面を有する多孔質膜と、第二の層とを含むフィルタバッグを含んでなり、前記第二の層は前記ろ材と前記多孔質膜の間に配置されており、前記多孔質膜は0.06MPa以上のバブルポイントを有し、かつ、前記フィルタアセンブリはクリーニング可能である、フィルタアセンブリ。
(態様3)
前記ろ材は、織フェルト、不織フェルト又はガラス繊維材料を含む、態様1又は2のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様4)
前記多孔質膜は、前記上流表面上で前記粒子を収集する構造を有する。態様1~3のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様5)
前記多孔質膜は、収集された粒子を前記多孔質膜の前記上流表面から解放するためのクリーニングプロセスの応力によって引き起こされる構造的破損に耐えることができる、態様4記載のフィルタアセンブリ。
(態様6)
前記多孔質膜はフルオロポリマー膜又はポリエステル膜を含む、態様1~5のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様7)
前記多孔質膜は175N/m以上の横断方向における強度を有する、態様1~6のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様8)
前記多孔質膜は4.5gsm以下の面積あたりの質量比を有する、態様1~7のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様9)
前記多孔質膜は1.36kg以下のボールバースト強度を有する、態様1~8のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様10)
前記多孔質膜は0.5インチ水ゲージで1cfm/ft
2
の透過性を有する、態様1~9のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様11)
前記多孔質膜は5~50ミクロンの厚さを有する、態様1~10のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様12)
前記多孔質膜は0.09MPa以上のバブルポイントを有する、態様1~11のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様13)
前記第二の層は0.5インチ水ゲージで10cfm/ft
2
の透過性を有する、態様2~12のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様14)
前記第二の層及び前記多孔質膜は一緒にラミネート化されてラミネートを形成する、態様2~13のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様15)
前記第二の層は織布テキスタイル、不織布テキスタイル又は膜を含む、態様2~14のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様16)
前記第二の層は前記ろ材にラミネート化されている、態様2~15のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様17)
前記多孔質膜は前記ガス流から0.07ミクロンより大きい直径を有する粒子のうちの97%を超える粒子を収集する、態様1~16のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様18)
前記フィルタアセンブリはパルスジェット、リバースエア又はシェーカクリーニング技術によってクリーニングされる、態様1~17のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様19)
入口及び出口を有するハウジング、
前記入口と前記出口との間の前記ハウジング内に配置されたチューブシート、及び
前記チューブシートに取り付けられた態様1~17のいずれか1項記載の1つ以上のフィルタアセンブリ、
を含んでなる、バッグハウスフィルタシステム。