(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】収納容器を移送するロボット
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231128BHJP
B61B 3/02 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B61B3/02 Z
(21)【出願番号】P 2022062439
(22)【出願日】2022-04-04
(62)【分割の表示】P 2020190730の分割
【原出願日】2015-06-16
【審査請求日】2022-04-04
(32)【優先日】2014-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホグナラン,イングヴァル
(72)【発明者】
【氏名】フェルトハイム,イーヴァル
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム,トロン
(72)【発明者】
【氏名】ベッケン,ボルゲ
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/167907(WO,A1)
【文献】実開昭49-083778(JP,U)
【文献】実公昭46-014471(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B61B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納システム(3)から収納容器(2)を持ち上げるための遠隔操作式車両アセンブリ(1)であって、前記車両アセンブリは、
前記収納システム(3)内に収納された収納容器(2)を受容するための空洞(7)を有する車両本体(4)と、
前記収納容器(2)を上昇させ前記空洞(7)内に入れるための車両リフト装置(9、9a)であって、前記車両リフト装置(9、9a)は、前記車両本体(4)に接続されており、前記車両リフト装置(9、9a)は、直流モータである車両リフト装置モータ(9a)を有する、車両リフト装置(9、9a)と、
変位用モータ(25)を備える変位機構(23~28)であって、前記変位用モータ(25)は、第1の組の車両転動手段(10)及び第2の組の車両転動手段(11)のうちのいずれか一方を、使用中に前記第1又は第2の車両転動手段(10、11)が下方の前記収納システム(3)から離間して配置される変位状態と、使用中に前記第1又は第2の車両転動手段(10、11)が下方の前記収納システム(3)に接触する非変位状態との間で変位させるために必要な動力を提供するように構成されている、変位機構(23~28)と、
前記変位機構(23~28)に結合された駆動手段であって、前記駆動手段は、前記車両本体(4)に接続され、使用中に前記収納システム内での第1のX方向に沿った前記車両アセンブリ(1)の移動を可能にする前記第1の組の車両転動手段(10)と、前記車両本体(4)に接続され、使用中に前記収納システム内での第2のY方向に沿った前記車両アセンブリ(1)の移動を可能にする前記第2の組の車両転動手段(11)とを備え、前記第2のY方向は、前記第1のX方向に垂直であり、専用モータ(20、21)が、前記車両アセンブリ(1)を前記第1のX又は第2のY方向に駆動するための動力を提供する、駆動手段と
を備え、
前記車両アセンブリ(1)は、
前記変位用モータ(25)が、前記空洞(7)の上方の横方向平面に位置し、前記横方向平面が、前記第1のX及び第2のY方向により設定される平面に平行に配置される任意の平面として規定され、垂直方向即ちZ方向が、前記横方向平面に垂直な方向として規定され、前記変位用モータ(25)が、前記変位機構(23~28)の残りの要素により前記第1又は第2の組の車両転動手段(10、11)に作用する垂直方向の圧力へ変換される動力を生成するように構成されることを特徴とする、車両アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記車両アセンブリを前記収納システム(3)のX方向及びY方向に駆動するための前記駆動手段の駆動モータ(20、21)は、直流モータ(20、21)である、請求項1に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記変位用モータ(25)から対応する車両転動手段(10、11)への力の伝達が、前記変位状態と前記非変位状態の機械的交替を可能にするように構成される少なくとも1つのレバーアーム(23)により実行される、請求項1又は2に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記車両転動手段(10、11)のうちの少なくとも一方は、
前記車両本体(4)の互いに対向する側壁に配置されている第1の部分(10a)及び第2の部分(10b)と、
前記空洞(7)より上方で前記第1の部分(10a)及び前記第2の部分(10b)を強固に相互接続する垂直変位可能なバー(22)と
を備える、請求項1~3のいずれかに記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記変位機構(23~28)は、前記変位用モータ(25)の動作の間に前記垂直変位可能なバー(22)に当接するように構成されている少なくとも1つのレバーアーム(23)を備える、請求項4に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのレバーアーム(23)は、少なくとも部分的に、前記垂直変位可能なバー(22)の下に配置されている、請求項5に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記車両転動手段(10、11)のうちの少なくとも一方は、
前記車両本体(4)の互いに対向する側壁に配置されている第1の部分(10a)及び第2の部分(10b)と、
前記空洞(7)より上方の横方向平面で前記第1の部分(10a)及び前記第2の部分(10b)を強固に相互接続する垂直変位可能なバー(22)と
を備え、
前記第1及び第2の部分(10a、10b)のうちの少なくとも一方は、上部回転ユニット(30)及び下部回転ユニット(31)を更に備え、前記上部及び下部回転ユニット(30、31)は、前記ユニット(30、31)の同時回転を可能にするコード(32)により相互接続されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の車両アセンブリ(1)。
【請求項8】
容器(2)の収納のための収納システム(3)であって、
請求項1~7のいずれかに記載の遠隔操作式車両アセンブリ(1)と、
複数の交差する支持レール(13)を備える車両支持部(14)と、
前記車両支持部(14)を支持する容器収納構造(15)と
を備え、
前記構造(15)は、複数の柱状収納部(8、8a、8b)を備え、
各柱状収納部(8、8a、8b)は、垂直に重ねられた収納容器(2)を収容するように配置される、収納システム(3)。
【請求項9】
収納システム(3)上で操作される時に遠隔操作式車両アセンブリ(1)の方向を変化させる方法であって、前記車両アセンブリ(1)は、
前記収納システム(3)内に収納された収納容器(2)を受容するための空洞(7)を有する車両本体(4)と、
前記収納容器(2)を上昇させ前記空洞(7)内に入れるための車両リフト装置(9、9a)であって、前記車両リフト装置(9、9a)は、前記車両本体(4)に接続されており、前記車両リフト装置は、直流モータ(9a)である車両リフト装置モータを有する、車両リフト装置(9、9a)と、
変位用モータ(25)を備える変位機構(23、24、25、26)と、
駆動手段と
を備え、
前記駆動手段は、
前記車両本体(4)に接続され、使用中に前記収納システム(3)内での第1のX方向に沿った前記車両アセンブリ(1)の移動を可能にする第1の組の車両転動手段(10)と、前記車両本体(4)に接続され、使用中に前記収納システム(3)内での第2のY方向に沿った前記車両アセンブリ(1)の移動を可能にする第2の組の車両転動手段(11)とを備え、前記第2のY方向は、前記第1のX方向に垂直であり、
前記方法は、
前記変位用モータ(25)を操作することにより少なくとも1つのレバーアーム(23)を回転させるステップであって、前記変位用モータ(25)は、前記空洞(7)の上方の横方向平面に位置する、ステップと、
回転する前記レバーアーム(23)により、下方の任意の収納システム(3)から離間するように垂直方向に圧力をかけることにより前記第1の組の車両転動手段(10)及び前記第2の組の車両転動手段(11)のうちの一方を垂直に変位させるステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記遠隔操作式車両アセンブリ(1)は、請求項1~7のいずれか1項に記載されるものである、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前文に規定された収納システムから収納容器を持ち上げる遠隔操作式車両アセンブリ、容器の収納のための収納システム及び車両の方向を変える方法に関する。
【背景技術】
【0002】
収納システムから収納容器を持ち上げる遠隔操作式車両が知られている。関連する従来技術の収納システムの詳細な説明はWO98/49075に提示され、そのような収納システムに適した従来技術の車両の詳細はノルウェー国特許第317366号に開示される。そのような従来技術の収納システムは、ある高さまで互いに上下に積み上げられた収納容器を含む3次元の収納グリッドを備える。収納グリッドは通常上部レールにより相互接続されたアルミの柱として構築され、多数の遠隔操作の車両即ちロボットがこれらのレールの上を横方向に移動するために配置される。各々のロボットは収納グリッド内に収納された容器を持ち上げ、運搬して配置するリフトと、ロボットに組み込まれたモータへ電力を供給するための充電式バッテリを備える。ロボットは通常無線リンクを介して制御システムと通信し、必要な場合、通常は夜に、充電所で再充電される。
【0003】
従来技術の収納システムの例が
図1に示される。収納システム3は、専用の支持レール13上で移動し、容器収納グリッド15内で収納柱8から収納容器2を受け取るように構成される複数の車両即ちロボット1を含む。従来技術の収納システム3は専用の容器リフト装置50も含んでもよく、後者は収納システム3の上部水平面においてロボット1から収納容器2を受け取り、収納容器2を搬送ステーション即ちポート60まで垂直方向下方へ運ぶように配置される。
【0004】
しかし、この知られたシステムでは各々の車両アセンブリは2つの収納柱に対応する下方の収納システムの断面を覆っており、よって同時に操作できる車両の最大数を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって本発明の目的は、収納容器の成功した取扱いの間に同時に操作できる車両の数の著しい増加を可能にする車両アセンブリ、収納システム及びそのような車両アセンブリを操作する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は独立請求項において述べられ且つ特徴付けられ、一方従属請求項は本発明の他の特徴を記載する。
特に、本発明は収納システムから収納容器を持ち上げるのに適した遠隔操作される車両アセンブリに関する。車両アセンブリは収納システム内に収納される収納容器を受容するのに適した空洞を有する車両本体と、少なくとも間接的に車両本体に接続され、収納容器を上昇させて空洞内に入れるのに適した車両リフト装置と、変位機構と、変位機構に結合された駆動手段とを含む。変位機構は、第1の組の車両転動手段と第2の組の車両転動手段の1つ又は両方を、関連する車両転動手段が、使用中に下方の収納システムから離れて配置される変位状態と、関連する車両転動手段が、使用中に下方の収納システムと接触する非変位状態との間で変位させるために必要な力を少なくとも提供するように構成される、変位用モータを特に含む。駆動手段は更に、車両本体に接続され、使用中に収納システム内で第1の方向(X)に沿った車両の移動を可能にする第1の組の車両転動手段と、車両本体に接続され、使用中に収納システム内で、第1の方向(X)に垂直な第2の方向(Y)に沿った車両の移動を可能にする第2の組の車両転動手段を含む。X又はY方向に車両アセンブリを駆動するのに必要な力を提供するモータは1つ又は複数の専用モータ及び/又は変位用モータであってもよい。車両アセンブリは更に、変位用モータが空洞より上方の横方向平面に位置し、更に変位機構の残りの要素により第1の組の車両転動手段(10)又は第2の組の車両転動手段(11)に作用する垂直方向の圧力へ変換される力を生成するように構成されると特徴付けられる。以下、横方向平面は第1の方向(X)及び第2の方向(Y)により設定される平面に平行に配置される任意の平面として規定される。更に、垂直方向即ちZ方向は横方向平面に垂直な方向として規定される。空洞の画定は、専用のプレート及び/又は変位機構及び駆動手段を構成する周囲の要素により設定され得る。
【0007】
有利な実施形態では、変位用モータから対応する車両転動手段への動力又は力の伝達が、変位状態と非変位状態の機械的交替を可能にするように構成される少なくとも1つのレバーアームにより実行される。
【0008】
他の有利な実施形態では、車両転動手段のうちの少なくとも一方は、車両本体における、互いに対向する側壁に配置された第1の部分及び第2の部分と、空洞より上方で、又は車両本体の少なくとも上半部において第1の部分と第2の部分を強固に相互接続する垂直変位可能なバーとを含む。バーは有利には上述の横方向平面に平行に配置されてもよい。
【0009】
他の有利な実施形態では、変位機構は、変位用モータの動作の間に垂直変位可能なバーに当接するように構成された少なくとも1つのレバーアームを含む。少なくとも1つのレバーアームは、少なくとも部分的に垂直変位可能なバーの下、側方又は空洞より上方に配置されてもよい。レバーアームがバーに当接する領域は好ましくはアームの長手方向の中間点又はその近くである。「少なくとも部分的に下」という用語は、下方の任意の収納システムに関してバーの下に位置する当接点となるレバーアームの配置を意味する。有利には少なくとも1つのレバーアームは車両本体の上半部に配置され得る。更に、それらは空洞より上方若しくは空洞の側面に沿って、又はその両方に配置されてもよい。
【0010】
他の有利な実施形態では、各々のレバーアームの2つの端部は、変位用モータの動作の間に車両転動手段への垂直方向の圧力が形成されるレバーアームの衝撃領域の横方向の各側に配置され、よって車両転動手段の制御された変位を達成する。
【0011】
他の有利な実施形態では、各々のレバーアームの第1の端部は、例えば回転可能なボルトのような車両本体の上部内の第1の回転可能な装置に接続され、よってレバーアームの支点を規定し、各々のレバーアームの第2の端部は少なくとも間接的に変位用モータに接続され、レバーアームの第1の端部における支点を中心とした回転を可能にする。この回転は車両転動手段の望ましい垂直変位を生じさせる。
【0012】
他の有利な実施形態では、変位機構は更に、例えば細長いフック等の少なくとも1つのロック手段を含み、各々のロック手段は、第2の端部又はその近くにおいて対応するレバーアームと、車両本体の上半部に位置する第2の回転可能な装置と、に回動可能に接続され、ロック手段及び第2の回転可能な装置は相互接続されて、変位用モータにより実行される所定角度の回転の後で解放可能なブロックを可能にする。
【0013】
他の有利な実施形態では、ロック手段の少なくとも1つは、接続されたロック手段の回転動作を実行する変位用モータの回転子に接続され、よって下方の任意の収納システムに対する第1の組の車両転動手段及び第2の組の車両転動手段のうちの少なくとも一方の望ましい垂直変位を生じさせる。
【0014】
他の有利な実施形態では、車両アセンブリは空洞より上方の横方向平面に位置する少なくとも1つの駆動モータを更に含み、駆動モータは、第1の方向(X)及び第2の方向(Y)により設定された下方の任意の収納システムの横方向平面に沿って第1の組の車両転動手段及び第2の組の車両転動手段のうちの少なくとも一方を駆動するために配置される。車両アセンブリの方向の転換は好ましくは離散的であり、即ち90°の転回を構成する。
【0015】
他の有利な実施形態では、車両転動手段のうちの少なくとも一方は車両本体における、互いに対向する側壁に配置された第1の部分及び第2の部分と、空洞より上方の横方向平面で第1の部分と第2の部分を強固に相互接続する垂直変位可能なバーとを含み、第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも一方は更に上部回転ユニットと下部回転ユニットを含み、上部回転ユニット及び下部回転ユニットは両ユニットの同時回転を可能にすることにより相互接続される。上部回転ユニット及び下部回転ユニットのうちの少なくとも一方はホイール、ベルト等であってもよい。更に、コードは同時回転を可能にする任意の細長い物体であってもよい。下部回転ユニットは使用中に下方の収納システムに少なくとも間接的に接触するように構成される。下部回転ユニットは有利には使用中、即ち車両アセンブリが非変位状態に設定された時に下方の収納システムと解放可能な接触を生じるように構成される横方向に離間した2つのホイールを含んでもよい。
【0016】
1つの実施形態では、相互接続するコードは下部回転ユニット及び上部回転ユニットを包囲する。
他の実施形態では、相互接続するコードは上部回転ユニットを包囲するが下部回転ユニットの外側に配置される。後者の構成はその周りをコードが包囲する追加のホイールにより達成され得る。そのためコードと追加のホイールのアセンブリは例えば下部回転ユニットの各ホイールに隣接して配置される2つのより小さいホイールを使用することにより下部回転ユニットに安定した圧力を生成するように構成される必要があり、この場合コードはより大きなホイールと追加のホイールとの間で誘導される。この実施形態は、使用中に下部回転ユニットと下方の収納システムとのよりよい接触を確実にするので、より有利であると考えられる。
【0017】
他の有利な実施形態では、車両転動手段のうちの少なくとも一方は、車両本体における、互いに対向する側壁に配置され、第1の変位プレート及び第2の変位プレートに、それぞれ、強固に接続された第1の部分及び第2の部分と、空洞より上方の横方向平面で第1の変位プレート及び第2の変位プレートを強固に接続する垂直変位可能なバーとを含む。
【0018】
他の有利な実施形態では、車両転動手段の垂直変位及びリフト装置の動作に貢献する全ての要素は空洞より上方に配置され、車両アセンブリの横方向の移動に貢献する全ての要素は、空洞より上方に配置されるか若しくは動作の間に下方の収納システムに接触する車両転動手段の部分の空間分布により制限された容積内に配置されるか、又はそれらの組合せである。
【0019】
本発明は又、容器の収納に適した収納システムに関する。収納システムは上述の何れかの構成に記載された遠隔操作される車両アセンブリと、複数の交差する支持レールを含む車両支持部と、車両支持部を支持する容器収納構造とを含む。この構造は複数の収納柱を含み、各々の収納柱は収納容器の垂直な重なりを収容するように配置される。
【0020】
有利な実施形態では、複数の交差する支持レールは、第1の方向(X)に第1のXレール及び第2のXレールを含み、第2の方向(Y)に第3のYレール及び第4のYレールを含む2重トラックレールタイプである。
【0021】
他の有利な実施形態では、遠隔操作される車両アセンブリの横方向断面積は最大で容器収納構造内の収納柱の横方向断面積を占め、収納柱の横方向断面積は各方向における、1つの支持レールから最も近い平行な支持レールまでの距離により制限される横方向面積に対応し、その距離は各レールの中心線から計測される。
【0022】
本発明は又、遠隔操作式車両アセンブリが収納システム上で操作される時、遠隔操作式車両アセンブリの方向を変化させるのに適した方法に関する。車両アセンブリは、収納システム内の収納容器を受容するための空洞を有する車両本体と、車両本体に少なくとも間接的に接続され収納容器を上昇させて空洞内に入れるのに適した車両リフト装置と、変位機構とを含み、変位機構は、変位用モータと、駆動手段とを含み、駆動手段は、車両本体に接続され、使用中に収納システム内で第1の方向(X)に沿って車両の移動を可能にする第1の組の車両転動手段と、車両本体に接続され、使用中に収納システム内で、第1の方向(X)に垂直な第2の方向(Y)に沿って車両の移動を可能にする第2の組の車両転動手段とを含む。その方法は、
- 空洞の上部横方向平面の近く、又は空洞より上方に位置する変位用モータを操作することにより少なくとも1つのレバーアームを回転させるステップと、
- 回転するレバーアームにより、下方の任意の収納システムから離間して、車両転動手段に垂直方向に圧力をかけることにより第1の組の車両転動手段及び第2の組の車両転動手段のうちの一方を垂直に変位させるステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
有利な実施形態では、開示された方法で使用された遠隔操作の車両アセンブリは、上記の構成の何れかに記載された車両である。
以下の説明において、多数の具体的な詳細は特許請求された車両、システム及び方法の実施形態の徹底的な理解を提供するために導入される。しかし、当業者は、これらの実施形態が1つ又は複数の具体的な詳細無しでも、又は他の要素及びシステム等を有していても実行可能であると認識するであろう。他の例では、開示された実施形態の態様を曖昧にすることを避けるため公知の構造又は動作は図示されないか、又は詳細に説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】本発明の第1の実施形態による遠隔操作の車両の斜視図である。
【
図3】異なる角度から見た
図2の遠隔操作の車両の斜視図である。
【
図4】容器収納グリッド、車両支持部及び遠隔操作の車両を含む本発明の第1の実施形態による収納システムの一部の斜視図である。
【
図5】
図5(a)は本発明の第2の実施形態による遠隔操作の車両のある角度から見た斜視図であり、
図5(b)は本発明の第2の実施形態による遠隔操作の車両の別の角度から見た斜視図である。
【
図6】
図6(a)は
図5の遠隔操作の車両のある角度から見た斜視図であり、外側壁と上部蓋が除去されている。
図6(b)は
図5の遠隔操作の車両の別の角度から見た斜視図であり、外側壁と上部蓋が除去されている。
【
図7】
図7(a)は
図5から
図6による遠隔操作の車両の斜視図であり、ホイールの組の1つが操作(下降した)位置にある図である。
図7(b)は
図5から
図6による遠隔操作の車両の斜視図であり、ホイールの組の1つが非操作(上昇した)位置にある図である。
【
図8】
図8(a)は
図5から
図7による遠隔操作の車両の断面透視図であり、車両の組の1つが操作位置にある図である。
図8(b)は
図5から
図7による遠隔操作の車両の断面透視図であり、車両の組の1つが非操作位置にある図である。
【
図9】
図9(a)は
図5から
図8による遠隔操作の車両を下から見た図であり、
図9(b)は
図5から
図8による遠隔操作の車両を上から見た図である。
【
図10】
図10(a)は
図5から
図9による遠隔操作の車両の側面図であり、ケーシングを有する車両をx方向に沿って見た図である。
図10(b)は
図5から
図9による遠隔操作の車両の側面図であり、
図10(a)の車両のA-A断面に沿った断面図である。
図10(c)は
図5から
図9による遠隔操作の車両の側面図であり、y方向に沿った車両の一部透明な側面図である。
図10(d)は
図5から
図9による遠隔操作の車両の側面図であり、
図10(c)の車両のB-B断面に沿った断面図である。
【
図11】
図11(a)は
図5から
図10による遠隔操作の車両の斜視図であり、車両が展開された状態の図である。
図11(b)は
図5から
図10による遠隔操作の車両の斜視図であり、車両が非展開状態の図である。
【
図12】
図12(a)は収納システムの上部に配置された
図5から
図11による遠隔操作の車両の図であり、収納柱の上の5つの隣接する位置にある車両を示す斜視図である。
図12(b)は収納システムの上部に配置された
図5から
図11による遠隔操作の車両の図であり、収納柱の上の5つの隣接する位置にある車両を示す上面図である。
図12(c)は収納システムの上部に配置された
図5から
図11による遠隔操作の車両の図であり、
図12(a)及び12(b)の対応する側面図である。
図12(d)は収納システムの上部に配置された
図5から
図11による遠隔操作の車両の図であり、
図12(a)及び12(b)の対応する側面図である。
【
図13】
図13(a)は本発明の第3の実施形態による遠隔操作の車両のある角度から見た斜視図であり、
図13(b)は本発明の第3の実施形態による遠隔操作の車両の別の角度から見た斜視図である。
【
図14】
図14(a)は
図13による遠隔操作の車両の側面図であり、ケーシングを有する車両をx方向に沿って見た図である。
図14(b)は
図13による遠隔操作の車両の側面図であり、
図14(a)の車両のA-A断面に沿った断面図である。
図14(c)は
図13による遠隔操作の車両の側面図であり、y方向に沿った車両の側面図である。
図14(d)は
図13による遠隔操作の車両の側面図であり、
図14(c)の車両のB-B断面に沿った断面図である。
【
図16】
図16(a)は収納システムの上部に配置された
図13から
図15による遠隔操作の車両の図であり、y方向に沿って見た側面図である。
図16(b)は収納システムの上部に配置された
図13から
図15による遠隔操作の車両の図であり、x方向に沿って見た側面図である。
図16(c)は収納システムの上部に配置された
図13から
図15による遠隔操作の車両の図であり、収納柱のすぐ上に配置された車両を示す上面図である。
図16(d)は収納システムの上部に配置された
図13から
図15による遠隔操作の車両の図であり、2重レール構造の更なる詳細を示す。
図16(e)は収納システムの上部に配置された
図13から
図15による遠隔操作の車両の図であり、2重レール構造の更なる詳細を示す。
【
図17】実施形態の1つによる遠隔操作の車両の1つの側壁におけるホイール構造の主な略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、例えば上方、下方、横方向(換言すれば、水平方向)、垂直方向、X方向、Y方向、Z方向等の創造的なロボットの説明に使用される全ての関連する用語は、上述の従来技術の収納システムを参照システムとして使用して解釈されるべきである。また、ロボットは本明細書において、遠隔操作の車両の特定のタイプと考えられることに留意されたい。
【0026】
図2及び
図3は本発明の第1の実施形態によるロボット1の2つの異なる角度からの斜視図を提供し、ロボット1はその内部中央に配置された空洞7を呈する矩形の車両本体即ち骨組(換言すれば、枠体)4と、本体4の上部を覆う上部カバー72と、空洞7の内部に取り付けられた第1の組の4つのホイール10及び本体4の外部壁に取り付けられた第2の組の4つのホイール11とを備える。第1の組のホイール10及び第2の組のホイール11は互いに垂直方向である。明確にするため、矩形の車両本体4の主要な方向に沿って整列したX軸、Y軸及びZ軸を有するデカルト座標系が示される。空洞7のサイズは、少なくともロボット1により持ち上げられることを意図した最大の収納容器2、及び好ましくは車両リフト装置9(
図4)を含むようになされる。水平方向の領域、即ちX方向及びY方向に沿った領域は、従来技術の収納システムに対し、例えば下にある収納柱8aの水平方向の領域より少ないか、下にある収納柱(以下の更なる実施形態を参照)の水平方向の領域と正確に一致するか、一方向のみ(
図4のY方向)又は両方向において下にある収納柱8aの水平領域を越えて延伸する等の如何なるサイズでもよい。
【0027】
図4は収納システム3の一部を示し、ロボット1は支持している容器収納構造15内の収納柱8、8aの真上の車両支持部14上のリフト位置にある。車両リフト装置9は、柱8内の任意の収納容器2を引っ掛けて上昇させるために収納柱8、8a内の所定の距離を下降する。参照番号8a及び8bは、ロボット1の真下に位置する中央収納柱8aと、中央収納柱8aに隣接して位置する隣接収納柱8bとを指す。
【0028】
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)及び
図6(b)は本発明の第2の実施形態による創造的なロボット1を示す。
図6において、側壁及び上部カバー72は特にホイール変位機構23から28及び駆動手段10、11に関連する全ての関連要素をよりよく図示するために省かれる。デカルト座標系(X、Y、Z)が明確にするため追加された。
図2及び
図3に示される第1の実施形態のように駆動手段10、11は、それぞれ、X方向とY方向においてロボット1を収納システム3の上部に沿って移動するように構成された第1の組の車両転動手段10と第2の組の車両転動手段11を備える。それぞれの組10、11は、少なくとも1つの組10、11が垂直に配置され得る対向する骨組4の側壁に沿って配置された、2つのホイール部分10a、10bから成る。
【0029】
図6に示されるように、ホイール部分10a、10bは更に骨組4の上部4uに配置されたマスターホイール30と骨組4の下端の2つの角部の各々に、又はその近くに配置された2つのスレーブホイール31a、31bとを備える。スレーブホイール31a、31bは使用中に下にある収納システム3に直接又は間接的に接触する従来の駆動ホイールを構成する。4つのホイール部分の各々の3つのホイール30、31a、31bは少なくとも一部が巻かれたベルト又はコード32により相互接続され、マスターホイール30が1つ又は複数の駆動ユニット20、21により動作状態に設定される時スレーブホイール31a、31bの各々の同時回転を確実にする。
【0030】
ロボット1の方向転換の間に収納システム3からスレーブホイール31、31a、31bを上昇させるために、1つ又は複数の垂直変位可能なバー22が空洞7より上方に取り付けられ、骨組4の対向する側壁に沿って、即ちy方向に沿って配置された第1の変位プレート34a及び第2の変位プレート34bを相互接続する。変位プレート34a、34bの各々は、マスターホイール30、スレーブホイール31及びベルトが車両転動手段10aの第1の部分を構成するx-z平面において、マスターホイール30、スレーブホイール31及びベルト32を堅く接続する。よってこの特定の構成により、バー22の任意の変位が接続された駆動手段10をしっかりと変位させることになる。
図6は、第1の組の車両転動手段10のみがバー22により変位可能である構成を示す。しかし、本発明の主要な目的から逸脱せずに第1の組の車両転動手段10の代わりに、又はそれに追加して第2の組の車両転動手段11が変位され得る代替の構成も可能であることが当業者には明らかである。
【0031】
バー22の変位は、変位用モータ25、25aにより作動される上方の圧力を実行するように構成されたレバーアーム23により達成され得、これによりバー22が垂直に押圧される。変位の間の高い予測可能性を確実にするため、バー22は、幅がバー22の直径より僅かに大きく且つ長さが全体の変位長さ(Δz)(
図7)と等しいか僅かに長い、適切なスロット33内に配置されて誘導され得る。レバーアーム23の端部は、バー22の横方向の一方の側に位置する回転可能なボルト26に取り付けられ、よって支点26を規定する。支点26とバー22の水平方向の距離は例えばレバーアーム23の長さの半分であってもよい。
【0032】
レバーアーム23の回転機構は、支点26に対するバー22の横方向の反対側に位置してもよい。この特定の実施形態は
図5から
図8に示される。
図6及び
図7を参照し、回転機構は、回転子25aを有する変位用モータ25(例えば直流モータ)と、回転子25aに取り付けられたレバーアームホイール28と、一端がレバーアームホイール28に取り付け可能であり、他端が支点26と反対のレバーアーム23の端部に取り付けられたロックアーム27とを備える。ロックアーム27はレバーアーム23が上部位置、即ちバー22が最上部位置に押し上げられた位置へ回転される時レバーアームホイール28を少なくとも部分的に包囲し、よって、変位用モータ25の制御された操作によらないレバーアーム23の如何なる垂直の移動をも阻止するように構成される。
図7(b)及び
図8(b)はロックアーム27が上部位置にある状態を示す。
【0033】
代替的に、レバーアーム23の回転は支点26に配置された変位用モータにより操作されてもよい。
更に他の構成では、レバーアーム23の回転は、支点26及びレバーアーム23の反対の端部又はその近くの両方に適切な変位用モータを配置することにより操作されてもよい。
【0034】
図7(a)、
図8(a)と
図7(b)、
図8(b)は各々が非変位状態と変位状態にあるマスターホイール30とスレーブホイール31を有するロボット1を示す。図において、Δzは成功したホイール変位の後の駆動手段10の変位長さを意味する。点線が実際のホイール位置をよりよく示すために追加され、
図7の上部ペア線はマスターホイール30の位置の変化を示し、
図7の2本の下部ペア線は2つのスレーブホイール31の対応する位置の変化を示す。
【0035】
図9(a)及び
図9(b)は下方及び上方それぞれから見た内部を露出したロボット1を示す。回転子25aを有する上述の変位用モータ25が左下側に示される。ロボットをX及びY方向に駆動する駆動モータ20、21は左上側と右下側それぞれに示され、車両リフト装置モータ9aは右上側に示される。モータ9a、20、21のうちの少なくとも1つは好ましくは直流モータである。駆動モータ20、21の各々はドライブシャフト35、36を作動させ、ドライブシャフト35、36の端部は再び対向するマスターホイール30に接続され、よってベルト32を介してスレーブホイール31への回転力の伝達を提供する。
【0036】
図10から
図11は第2の実施形態による車両の他の図示を示す。
上部カバー72(着脱不可能又は着脱可能)及びX、Y方向の全ての側面をカバーする車両本体4を有する車両が、x方向及びy方向のそれぞれに沿って見た
図10(a)及び
図10(b)に示される。
【0037】
図10(c)の部分的に透明な図において、収納容器2は完全に空洞7内に配置されて示され得る。
図10(b)及び
図10(d)は
図10(a)のA-A断面に沿った断面図と、
図10(c)のB-B断面に沿った断面図であり、車両1の内部要素を明らかにする。
図10(b)を参照し、マスターホイール30を含む車両本体/骨組4の上部4uから、スレーブホイール31、31a、31b(
図11)を含む車両1の下端まで延伸する第2の変位プレート34bが示される。
【0038】
車両リフト装置9は、車両リフト装置モータ9aと、リフト装置プレートの下に位置して下にある容器2を把持するリフトグリップ9bと、容器2の持ち上げの間にリフト装置9を正確な水平位置に調節するためのガイドピン9cと、骨組4の上部4uからリフト装置9の水平延伸プレートまでの懸架接続を確立する複数の第1のリフト装置バー9d(
図15(b))と、両方の車両リフト装置モータ9aと回転接続する1つ又は複数の第2のリフト装置バー9e(
図15(b))と、各第1のリフト装置バー9dの1つ又は両方の端部とリフト装置ベルト9g(
図15(b))に取り付けられて第1のリフト装置バー9dと第2のリフト装置バー9eの回転接続を可能にするリフト装置滑車9f(
図15(a))を含む。
【0039】
図10(b)は更に駆動モータ20(1つ又は両方のマスターホイール30のX方向への回転のため)及び駆動モータ21(1つ又は両方のマスターホイール30のY方向への回転のため)に駆動可能に接続されたドライブシャフト35、36を示す。前に言及したように、マスターホイール30の回転は対応するスレーブホイール10、31、11の対応する回転を生じさせる。レバーアーム23は下方位置、即ち第1の組の車両転動手段10が下にあるレール13に接触する位置に示される。
図10(d)は駆動モータ20、21、支点26を中心にレバーアーム23を回転させる回転子25aを有する変位用モータ25、及び、車両装置9を上昇/下降させるのに必要な力を提供する車両リフト装置モータ9aの横方向位置を示す。
【0040】
図11(a)及び
図11(b)のそれぞれに示される展開図及び非展開図は、
図10に開示された要素に加え、マスターホイール30、スレーブホイール31及び包囲ベルト32の、X方向とY方向両方の位置を示す。
【0041】
創造的な遠隔操作の車両1は、上述の車両支持部14の一部を構成する2重トラックレール13に配置されて
図12(a)から
図12(d)に示される。
図12(a)、
図12(c)及び
図12(d)において、車両1は5つの異なる柱8a、8bの真上に位置して示される。点線で描かれた車両1は最初の柱8aに隣接する柱8bの上の可能な車両位置を示す。
図12にはっきりと示されるように創造的な車両1の横方向断面積は、正確に、下にある柱8、8a、8bの1つの横方向断面積を占める、即ちX方向とY方向の両方の2重のトラックレール13の中間部内にある。車両1の横方向断面積はもちろん柱8の横方向断面積より小さくても大きくてもよい。しかし、2重のトラックレール13、13aから13d(
図16(d)を参照)の使用と組み合わされた収納システム3内の単一のセルを覆う断面積を有する車両1は、車両1の4つの側面全てにおける通過/横断を可能にし、同時に高度な安定性を保持するという利点を有する。
【0042】
本発明による第3の実施形態は
図13から
図16に示され、
図13(a)及び
図13(b)は創造的な車両1を示し、車両1は上部カバー72(着脱不可能又は着脱可能)、X、Y方向の全ての側面をカバーする車両本体/骨組4、第1の組の車両転動手段10、10a、31a、31b及び第2の組の車両転動手段11を備える。又、
図13(b)は空洞7の一部及びリフトグリップ9b及びガイドピン9cを有するリフト装置9の一部も示す。
【0043】
図14(a)及び
図14(c)は
図13に示す第3の実施形態の車両のx方向とy方向のそれぞれに沿って見た側面図を示す。
図14(a)のA-A断面と
図14(c)のB-B断面に沿った断面図が
図14(b)及び
図14(d)にそれぞれ示され、車両1の内部要素を明らかにする。
図10(b)に示される第2の実施形態に関し、第2の変位プレート34bが車両本体4の上部4uから、スレーブホイール31、31a、31b(
図15)を含む車両1の下端まで延伸する。車両リフト装置モータ9a、リフトグリップ9b及びガイドピン9cを有するリフト装置9に加えて、
図14(b)はリフト装置9を上昇及び下降させるのに使用されるリフト装置滑車9fとリフト装置ベルト9gも示す。第2の実施形態に関して、また、
図15(a)及び
図15(b)の展開図及び非展開図のそれぞれに最もよく見られるように、複数の第1のリフト装置バー9dがリフト装置滑車9fの各々に接続され、これらのバー9dはy方向に沿った車両1の上部4uの2つの側面を接続している。更に、
図15(a)に見られるように、リフト装置ベルト9gは滑車9b及びバー9dを1つ又は複数の第2のリフト装置バー9eへ接続し、第2のリフト装置バー9eは再び車両リフト装置モータ9aと回転接続する。それゆえ、第2のリフト装置バー9eの回転はリフト装置ベルト9gを介して第1のリフト装置バー9dと滑車9fの回転を生じさせ、その結果リフト装置9、9b、9cの望ましい上昇/下降をもたらす。下降された/上昇された部分と第1のリフト装置バー9dを接続するベルトは図示されない。
【0044】
方向転換のためにレール13へ下降/レール13から上昇されるように構成された第1の組のホイール10は共に共通の枠に取り付けられる。
図15(a)及び
図15(b)においてこの枠は第1の変位プレート34aと第2の変位プレート34bに対応する。第2の実施形態及び第3の実施形態の両方においてこの共通の枠は変位可能なバー22に強固に固定され、よって前に記載したようにレバーアーム23を回動することにより垂直の変位を可能にする。共通の枠は有利には、垂直の変位を容易にするために下端に位置するガイド手段/ホイールを備え得る。しかし、第2の実施形態と対照的に、第3の実施形態は第1の組のホイール10及び/又は第2の組のホイール11に回転力を実行するために如何なるマスターホイール30の使用も必要としない。駆動手段10、11は、例えばホイール10、11の各々の中にローター磁石を設置することにより、又は骨組4の上部4uに位置する駆動モータから駆動手段10、11へ延伸する別個のベルト/チェーンを設置することにより、又はそれらの組合せによる駆動手段内で一体化された1つ又は複数のモータの使用により水平方向(X、Y)の駆動力が得られ得る。
【0045】
第3の実施形態による車両1が、車両支持部14の少なくとも一部を構成する2重のトラックレール13に配置されて
図16(a)から
図16(e)に示される。
図16(a)、
図16(b)及び
図16(c)において、車両1は中央柱8aの真上に位置して示される。第2の実施形態にあるように、車両1の横方向断面積は正確に、又はほぼ正確に下にある柱8、8a、8bの横方向断面積を占める。横方向断面積はもちろん柱8の横方向断面積より小さくても大きくてもよい。しかし、2重のトラックレール16(c)から16(e)の使用と組み合わされた収納システム内の単一のセルを覆う断面積を有する車両1は、車両1の4つの側面全てにおける通過/横断を可能にし、同時に高度な安定性を保持するという利点を有する。
図16(d)及び
図16(e)は2重のトラックレール13の更なる詳細を示し、
図16(d)はX方向に沿った向きの第1のXレール13a及び第2のXレール13bと、Y方向に沿った向きの第3のYレール及び第4のYレールを備えるそのような2重トラックレール13の交差部の上面図を示し、
図16(e)はY方向に沿った向きの2重のトラックレール13の一部の斜視側面図を示す。
【0046】
図5から
図12においてマスターホイール30とスレーブホイール31を相互接続するベルト32が示され、全てのホイール30、31を完全に包囲する。この構成は実行しやすく費用効率が高い。しかし、ベルト32はスレーブホイール31a、31bの回転点と下にある収納システム3との間に位置するため、下方の力は、例えば車両1の加速/減速の間の力学的な力により弱められ得る。この可能性のある減退を少なくとも緩和するため、代替の駆動手段構成が提案され、例えば2つの補助ホイールのような1つ又は複数のより小さい補助ホイール37が、スレーブホイール31a、31bの少なくともいくつか、好ましくは全てに隣接して配置され、ベルト32がスレーブホイール31a、31bと補助ホイール37との間で誘導される。
図17に示されるこの代替の構成は、下方に作用する圧力が動作の間に弱まるリスクの望ましい減少、よってスレーブホイール31a、31bと下にある収納システム3との間のより予測可能な接触力を確実にする。
【0047】
車両/ロボット1の全ての動作は無線通信手段及び遠隔制御ユニットにより制御される。これは車両の移動の制御、車両1、車両リフト装置9の方向転換、及び車両位置の任意の登録を含む。
【0048】
前述の説明において、本発明によるアセンブリの様々な態様が例示的な実施形態を参照して記載された。説明の目的のため、特定の数、システム及び構成が装置及びその機能の徹底的な理解を提供するために述べられた。しかし、この説明は制限された意味で解釈されることを意図しない。当業者に明らかであり開示された発明主題が関係する、装置の他の実施形態を含む例示的な実施形態の様々な修正及び変形が本発明の範囲内であると見なされる。
【符号の説明】
【0049】
1 遠隔操作の車両アセンブリ/ロボット
2 収納容器
3 収納システム
4 車両本体/骨組
4u 車両本体の上半部
7 空洞
8 収納柱
9 車両リフト装置
9a 車両リフト装置モータ
9b リフトグリップ
9c ガイドピン
9d 第1のリフト装置バー
9e 第2のリフト装置バー
9f リフト装置滑車
9g リフト装置ベルト
10 第1の組の車両転動手段/駆動手段
10a 車両転動手段の第1の部分
10b 車両転動手段の第2の部分
11 第2の組の車両転動手段/駆動手段
13 支持レール
13a 第1のXレール
13b 第2のXレール
13c 第1のYレール
13d 第2のYレール
14 車両支持部
15 容器収納構造/容器収納グリッド
19 回路基板/管理システム/電池管理システム
20 X方向に車両を駆動する駆動モータ
21 Y方向に車両を駆動する駆動モータ
22 変位可能なバー
23 レバーアーム
25 変位用モータ
25a 変位用モータの回転子
26 第1の回転可能な装置/回転可能なボルト/支点
27 ロック手段/ロックアーム
28 第2の回転可能な装置/レバーアームホイール
30 上部回転ユニット/マスターホイール
31 下部回転ユニット/スレーブホイール
31a 水平方向に離間したホイール/第1のスレーブホイール
31b 水平方向に離間したホイール/第2のスレーブホイール
32 コード/ロープ/ベルト
33 スロット
34a 第1の変位プレート
34b 第2の変位プレート
35 ドライブシャフト、X方向
36 ドライブシャフト、Y方向
37 補助ホイール
50 容器リフト装置
60 搬送ステーション/ポート
72 上部カバー
73 包囲カバー
75 無線通信手段/コントロールパネル
Δz 変位長さ