(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】ドラム洗濯機及びそのスプレーシステム
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
D06F39/08 331
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022082461
(22)【出願日】2022-05-19
(62)【分割の表示】P 2020557185の分割
【原出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】201810336205.5
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810336209.3
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810336221.4
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517417854
【氏名又は名称】青島海爾▲滾▼筒洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER DRUM WASHING MACHINE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District,Qingdao,Shandong 266101,China
(73)【特許権者】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ、ペイシー
(72)【発明者】
【氏名】シュ、シェン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、チーチアン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、シンユー
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-170693(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01788138(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングに固定設置される外筒と、前記外筒に回動可能に設置される内筒と、前記ハウジングと前記外筒との間に接続される窓パッキンと、を備えるドラム洗濯機用のスプレーシステムであって、
前記スプレーシステムは、循環ポンプ、出水管、及び前記外筒の先端に設置される環状凹漕が含まれ、
前記窓パッキンは遮蔽部があり、前記遮蔽部は前記環状凹漕と環状水道を形成し、前記遮蔽部に噴射口が設けられて、
前記循環ポンプは、給水口が前記外筒内に通じ、出水口が前記出水管を介して前記環状水道に連通し、
作業時に、前記循環ポンプは前記外筒における洗浄水を前記環状水道にポンプ輸送し、前記洗浄水が前記噴射口により前記内筒に噴射される、ドラム洗濯機用のスプレーシステム。
【請求項2】
前記環状凹漕と前記出水管とは、接続構造を介して連通され、もしくは前記環状凹漕は、前記出水管に直接連通され、もしくは前記環状凹漕は、前記出水管と一体に成形される、請求項1に記載のドラム洗濯機用のスプレーシステム。
【請求項3】
前記噴射口は、前記遮蔽部上におけるスリット構造であり、及び/又は
前記噴射口は、前記環状水道に入られる洗浄水を斜めに前記内筒に噴射するためのガイド構造を有する、請求項1に記載のドラム洗濯機用のスプレーシステム。
【請求項4】
前記遮蔽部には等間隔又は非等間隔で複数のスリット構造を設置する、
もしくは前記遮蔽部の円周に沿って端と端が連通されたスリット構造を1つ設置する、請求項3に記載のドラム洗濯機用のスプレーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭電器の分野に関するもので、具体的にはドラム洗濯機及びそのスプレーシステムが提供される。
【背景技術】
【0002】
現在のドラム洗濯機はヨーロッパで発祥したものであり、外から内まで主に、ハウジング、外筒、及び内筒を備える。ドラム洗濯機の作動方式は、たたき棒で衣類を叩く原理と似ている。作業時に、内筒が駆動モーターに駆動されて回動する。内筒が回動することに伴い、衣類はドラム中で連続的に持ち上げられて落とされ、再び持ち上げられて落とされ、繰り返し運動を行うことになる。洗剤と水の共同作用で、衣類がきれいに洗浄される。
【0003】
水流による衣類への洗い流しや濯ぎの効果を向上するために、一部のドラム洗濯機には、さらに循環スプレー装置が設けられる。例えば、公開番号CN102482834Bの特許文献に開示されているドラム式洗濯機では、その中に、一端が水槽(外筒)の底端に通じ、他端が水槽開口の周縁に設置される複数の噴出口に通じる循環経路が設けられる。循環経路は、水槽の底端から前記複数の噴出口に洗浄水を供給し、さらにドラム(内筒)に噴出することにより、衣類を循環して洗い流すことができる。
【0004】
公開番号CN102482834Bの特許文献に開示されているドラム式洗濯機は、衣類に対して強力な洗濯能力を有するが、複数の噴出口が設けられる水槽は、構造が複雑であり、生産コストが比較的高い。
【0005】
したがって、上記の問題を解決するために、本分野では新しいドラム洗濯機が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
態様1において、
【0007】
従来技術における上記課題を解決するために、すなわち、従来の循環スプレー機能を有するドラム洗濯機のスプレー装置は取付構造が複雑であり、生産コストが比較的高い問題を解決するために、本発明は外から内まで順に設置されるハウジング、外筒、及び内筒が備えられるドラム洗濯機用のスプレーシステムが提供され、前記スプレーシステムは、循環ポンプ、出水管、及び環状遮水構造が含まれ、前記環状遮水構造は、前記外筒の内壁と前記内筒の外壁との間に設置されることにより、前記外筒口の周縁と前記環状遮水構造との間に噴射口を有する環状水道が形成されるようになり、前記循環ポンプは、給水口が前記外筒内に通じ、出水口が前記出水管を介して前記環状水道に連通し、作業時に、前記循環ポンプは前記外筒における洗浄水を前記環状水道にポンプ輸送し、前記洗浄水が前記噴射口により前記内筒に噴射される。
【0008】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記環状遮水構造は、前記外筒の内壁に設置される環状リブである。
【0009】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記環状遮水構造は、前記内筒の外壁に設置される環状リブである。
【0010】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記環状遮水構造は、前記外筒の内壁に設置される環状リブと、前記内筒の外壁に設置される環状リブとを含む。
【0011】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口には、前記環状水道に入られる洗浄水を環状の滝の水流の形で前記内筒に噴射するための導流構造が設けられる。
【0012】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記導流構造は、前記外筒口の周縁に設置される。
【0013】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記ドラム洗濯機のハウジング口と外筒口との間には、窓パッキンが設けられており、前記導流構造は、前記窓パッキンに設置される。
【0014】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記循環ポンプの出水口は、さらに前記ドラム洗濯機の排水管に連通され、前記出水管には、前記出水管を選択的に開くまたは閉じるための第1の遮断弁が配置され、前記排水管には、前記排水管を選択的に開くまたは閉じるための第2の遮断弁が配置される。
【0015】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記スプレーシステムは、さらに三方弁を含み、前記循環ポンプの出水口は、前記三方弁により前記出水管又は前記排水管に選択的に連通される。
【0016】
本発明は、さらに洗濯機本体が備えられるドラム洗濯機が提供され、前記ドラム洗濯機は、さらに前記スプレーシステムを備える。
【0017】
本発明の技術案では、外筒の内壁及び/又は内筒の外壁に環状遮水構造を設置することにより、外筒口の周縁とこの環状遮水構造との間に環状水道が形成され、構造が簡単であり、循環水路を個別に設置する必要がなく、洗濯機の製造コストが大幅に削減される。そして、本発明によって形成される環状水道自体は、噴射口付きで、洗浄水を噴射するよう噴射装置を個別に設置する必要がない。なお、好ましい例として、本発明に係る噴射口には、環状の滝の水流の噴射効果を達成するよう導流構造が設けられており、この噴射効果は、衣類を迅速に通過することにより、濯ぎ速度を大幅に向上できる。
【0018】
態様2において、
【0019】
従来技術における上記課題を解決するために、すなわち、従来の循環スプレー機能を有するドラム洗濯機のスプレー装置は取付構造が複雑であり、生産コストが比較的高い問題を解決するために、本発明はハウジングと、前記ハウジングに固定設置される外筒と、前記外筒に回動可能に設置される内筒と、前記ハウジングと前記外筒との間に接続される窓パッキンと、を備えるドラム洗濯機用のスプレーシステムが提供され、前記スプレーシステムは、循環ポンプ、出水管、及び前記外筒の先端に設置される環状凹漕が含まれ、前記窓パッキンは、前記環状凹漕と環状水道が形成されるとともにその上に噴射口が設けられる遮蔽部を有し、前記循環ポンプは、給水口が前記外筒内に通じ、出水口が前記出水管を介して前記環状水道に連通し、作業時に、前記循環ポンプは前記外筒における洗浄水を前記環状水道にポンプ輸送し、前記洗浄水が前記噴射口により前記内筒に噴射される。
【0020】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記環状凹漕と前記出水管とは、接続構造を介して連通され、もしくは前記環状凹漕は、前記出水管に直接連通される。
【0021】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記環状凹漕は、前記出水管と一体に成形される。
【0022】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記遮蔽部上におけるスリット構造である。
【0023】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記環状水道に入られる洗浄水を斜めに前記内筒に噴射するためのガイド構造を有する。
【0024】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記環状水道に入られる洗浄水を均一した環状水カーテンに形成した後に前記内筒に噴射するための噴射部材を有する。
【0025】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記循環ポンプの出水口は、さらに前記ドラム洗濯機の排水管に連通され、前記出水管には、前記出水管を選択的に開くまたは閉じるための第1の遮断弁が配置され、前記排水管には、前記排水管を選択的に開くまたは閉じるための第2の遮断弁が配置される。
【0026】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記スプレーシステムは、さらに三方弁を含み、前記循環ポンプの出水口は、前記三方弁により前記出水管又は前記排水管に選択的に連通される。
【0027】
本発明は、さらに洗濯機本体が備えられるドラム洗濯機が提供され、前記ドラム洗濯機は、さらに前記スプレーシステムを備える。
【0028】
本発明の技術案では、窓パッキンの遮蔽部と外筒の先端における環状凹漕によって環状水道を形成するとともに、遮蔽部上において直接噴射口を開設することは、構造が簡単であり、従来のドラム洗濯機の構造に対する変更が比較的小さく、且つスプレー装置を個別に設置する必要がなく、洗濯機の製造コストが大幅に削減される。なお、好ましい例として、本発明に係る噴射口には、環状の滝の水流の噴射効果を達成するようガイド構造又は噴射部材が設けられており、この噴射効果は、衣類を迅速に通過することにより、濯ぎ速度を大幅に向上できる。
【0029】
態様3において、
【0030】
従来技術における上記の問題を解決するために、すなわち、従来の循環スプレー機能を有するドラム洗濯機のスプレー装置は取付構造が複雑であり、生産コストが比較的高い問題を解決するために、本発明は外から内まで順に設置されるハウジング、外筒、及び内筒が備えられるドラム洗濯機用のスプレーシステムが提供され、前記スプレーシステムは、循環ポンプ、出水管、前記外筒の先端に設置される環状凹漕、及び密封蓋板が含まれ、前記密封蓋板と前記環状凹漕とは、噴射口が設置される環状水道が形成され、前記循環ポンプは、給水口が前記外筒内に通じ、出水口が前記出水管を介して前記環状水道に連通し、作業時に、前記洗浄水が前記噴射口により前記内筒に噴射されるように、前記循環ポンプは前記外筒における洗浄水を前記環状水道にポンプ輸送する。
【0031】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記環状凹漕と前記出水管とは、接続構造を介して連通され、もしくは前記環状凹漕は、前記出水管に直接連通され、もしくは前記環状凹漕と前記出水管とは一体に成形される。
【0032】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記密封蓋板上に開設されるスリット構造である。
【0033】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記環状凹漕の内側に開設されるスリット構造である。
【0034】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記密封蓋板と前記環状凹漕との間に形成されるスリット構造である。
【0035】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記環状水道に入られる洗浄水を斜めに前記内筒に噴射するためのガイド構造を有する。
【0036】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記噴射口は、前記環状チャンバーに入られる洗浄水を均一した環状水カーテンに形成した後に前記内筒に噴射するための噴射部材を有する。
【0037】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記循環ポンプの出水口は、さらに前記ドラム洗濯機の排水管に連通され、前記出水管には、前記出水管を選択的に開くまたは閉じるための第1の遮断弁が配置され、前記排水管には、前記排水管を選択的に開くまたは閉じるための第2の遮断弁が配置される。
【0038】
前記スプレーシステムの好ましい実施形態では、前記スプレーシステムは、さらに三方弁を含み、前記循環ポンプの出水口は、前記三方弁により前記出水管又は前記排水管に選択的に連通される。
【0039】
本発明は、さらに洗濯機本体が備えられるドラム洗濯機が提供され、前記ドラム洗濯機は、さらに前記スプレーシステムを備える。
【0040】
本発明の技術案では、密封蓋板と外筒の先端における環状凹漕によって環状水道を形成するとともに、密封蓋板又は環状凹漕の内側壁に直接噴射口を開設することは、構造が簡単であり、従来のドラム洗濯機の構造に対する変更が比較的小さく、且つスプレー装置を個別に設置する必要がなく、洗濯機の製造コストが大幅に削減される。なお、好ましい例として、本発明に係る噴射口には、環状の滝の水流の噴射効果を達成するようガイド構造又は噴射部材が設けられており、この噴射効果は、衣類を迅速に通過することにより、濯ぎ速度を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0042】
【
図1】本発明の態様1におけるドラム洗濯機の実施例1の断面図である。
【
図3】本発明の態様1におけるドラム洗濯機の実施例2の断面図である。
【
図5】本発明の態様1におけるドラム洗濯機の実施例3の断面図である。
【
図7】本発明の態様2におけるドラム洗濯機の断面図である。
【
図9】本発明の態様3におけるドラム洗濯機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
当業者は、本実施形態が本発明の技術的原理を説明するためだけに使用され、本発明の保護範囲を制限するためのものではないと理解すべきである。例えば、本発明は、平らな構造を有する噴射孔で説明されているが、本発明の噴射孔はまた、他の任意の構造や形の噴射孔であってもいい。当業者は、具体的な用途に適応するために必要に応じてそれを調整することができ、調整された技術案は、依然として本発明の保護範囲に属する。
【0044】
なお、本発明の説明において、特に明確な規定や限定がない限り、用語「取付」、「連通」、「接続」は広義的に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても良いし、取り外し可能に接続しても良いし、一体的に接続しても良い。機械的な接続であっても良いし、電気的な接続であっても良い。直接に接続しても良いし、中間媒体を介して間接に接続しても良いし、2つの素子の内部における連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上述の用語が本発明における具体的な意味を理解できる。
【0045】
態様1において、
【0046】
図1を参照して、
図1は本発明のドラム洗濯機の実施例1の断面図である。
図1に示すように、本発明のドラム洗濯機は、主にハウジング1、外筒2、内筒3、扉体4、窓パッキン5、排水ポンプ6、及び排水管7が備えられる。その中、外筒2はハウジング1内に固定設置され、内筒3は外筒2に回動可能に設置され、窓パッキン5はハウジング1と外筒2との間に設置される。排水ポンプ6と排水管7はいずれもハウジング1内に設置され、且つ排水ポンプ6は、給水口が外筒2の内側底部に通じ、出水口が排水管7の一端に接続され、排水管7の他端は外部に通じる。排水ポンプ6は、排水管7を介して外筒2内の洗浄水を排出できる。
【0047】
また、当業者は、排水管7のすべての部分が外筒2の内側底端よりも低い場合、当業者はまた、必要に応じて排水ポンプ6を省略して排水ポンプ6を遮断弁に置き換え得ると理解できる。ドラム洗濯機が排水する必要があるときは、この遮断弁を開き、外筒2における洗浄水を自重の作用で排水管7から自動的に排出させる。
【0048】
引き続き
図1を参照すると、ハウジング1の先端(
図1においてハウジング1の左側)にはハウジング口(図示せず)が設けられ、外筒2の先端(
図1において外筒2の左側)には外筒口(図示せず)が設けられ、内筒3の先端(
図1において内筒3の左側)には内筒口(図示せず)が設けられる。窓パッキン5は、一端が外筒口の周縁に密封接続され、他端が内筒口の周縁に密封接続される。扉体4はハウジング1に枢動可能に設置され、そして扉体4を閉じると、前記ハウジング口を閉鎖して外筒2における洗浄水がハウジング口から溢れるのを防ぐことができる。
【0049】
図1に示すように、本発明に係るドラム洗濯機は、主に循環ポンプ8、出水管9、及び環状遮水構造が含まれるスプレーシステムをさらに備え、この環状遮水構造は、外筒2の内壁と内筒の外壁との間に設置されることにより(
図1に示される環状リブ101)、外筒口の周縁21と環状リブ101との間に噴射口102を有する環状水道10が形成されるようになる。その中、循環ポンプ8はハウジング1内に設置されるとともに、ハウジング1に固定接続されることが好ましい。または、当業者は、必要に応じて、循環ポンプ8を外筒1に固定接続させることもできる。循環ポンプ8の給水口は、外筒2の内部に通じ、好ましくは、給水管を介して外筒2の底端に接続される。または、当業者は、必要に応じて、この給水管が外筒2内の液面より下にあることが保証される場合、給水管を外筒2の任意の位置に接続させることもできる。循環ポンプ8の出水口は出水管9を介して環状水道10に連通される。本発明に係るスプレーシステムが作業時に、
図1における矢印に示すように、循環ポンプ8は外筒2における洗浄水を環状水道10にポンプ輸送し、環状水道10に入られる洗浄水が噴射口102により内筒3に噴射される。内筒3が高速で作動している時、噴射口102から噴出される水流は、衣類を迅速に通過するとともに、遠心力と重力の作用で外筒2に入ることができる。
【0050】
図2を参照して、
図2は、
図1におけるA部分の拡大図である。
図2に示すように、本実施例では、環状リブ101は外筒2の内壁に設置される。こうすると、外筒口の周縁21と環状リブ101との間に環状水道10が形成されるとともに、外筒口の周縁21と内筒口との間に噴射口102が形成される。当業者は、洗濯機の実際の用途に応じて環状リブ101の具体的な位置を設置でき、例えば、環状リブ101は、形成される環状水道10の内径を小さくするように、外筒口に近づける周縁21に設置され、又は形成される環状水道10の内径を大きくするように、外筒口から離れる周縁21に設置される。
【0051】
好ましくは、噴射口102には、環状水道10に入られる洗浄水を環状の滝の水流の形で内筒3に噴射するための導流構造103が設けられる。例として、この導流構造103は、外筒口の周縁21に設置されてもよいし(
図2に示すものは、すなわち導流構造103が外筒口の周縁21に設置される場合である)、窓パッキン5に設置されてもよい。換言すれば、この導流構造103が環状水道10から流れ出る洗浄水をガイドする目的を達成できる限り、当業者は、この導流構造103の位置を柔軟に設置できる。
【0052】
上記の実施例に加えて、
図3~
図6はまた、本発明の他の実施例を示している。
【0053】
図3と
図4を参照して、
図3は本発明のドラム洗濯機の実施例2の断面図であり、
図4は
図3におけるA部分の拡大図である。この実施例では、実施例1との区別は、環状リブ10が内筒3の外壁に設置されることである。
【0054】
図5と
図6を参照して、
図5は本発明のドラム洗濯機の実施例3の断面図であり、
図6は
図5におけるA部分の拡大図である。この実施例では、実施例1との区別は、内筒3の外壁と外筒2の内壁には、いずれも環状リブ10が設置されていることである。
【0055】
なお、本発明の環状遮水構造は、環状リブを例として説明しているが、当業者は、実際の設計の必要に応じて、環状遮水構造を、例えば、シート状、円筒状、中空構造などの他の形の構造に設計してもよいし、それに加えて環状遮水構造を異形リング(例えば、環状遮水構造と外筒口の周縁との間の距離が変化する傾向があり、すなわち、形成される環状水道10が複数の異なる内径を有する)に設置してもよいし、これらはいずれも本発明の保護範囲から逸脱しない。
【0056】
なお、本発明の排水ポンプ6及び/又は循環ポンプ8は、例えば、ギアポンプ、翼ポンプ、蠕動ポンプ、遠心ポンプなどのような任意の実現可能なポンプであってもよい。
【0057】
当業者は、本発明の他の実現可能な実施形態では、排水ポンプ6と循環ポンプ8が、1つのポンプに置き換えられ得ると理解できる。例1として、排水ポンプ6を省略して、循環ポンプ8の出水口をそれぞれ出水管9と排水管7に連通させるとともに、出水管9には、それを選択的に開くまたは閉じるための第1の遮断弁が配置され、排水管7には、それを選択的に開くまたは閉じるための第2の遮断弁が配置される。ドラム洗濯機がスプレー作業を実行すると、第1の遮断弁が開き、第2の遮断弁が閉じるようになり、ドラム洗濯機が排水作業を実行すると、第1の遮断弁が閉じ、第2の遮断弁が開くようになる。例2として、排水ポンプ6を省略するとともに、循環ポンプ8の出水口が三方弁により出水管9又は排水管7に選択的に連通されるように、循環ポンプ8の出水口に1つの三方弁を配置する。また、当業者は必要に応じて、三方弁が循環ポンプ8と出水管9との連通、及び循環ポンプ8と排水管7との連通を同時に遮断できるようにしてもよい。
【0058】
以上のように、本発明は、外筒2の内壁及び/又は内筒3の外壁に環状リブ101を設置することにより、外筒口の周縁21とこの環状リブ101との間に環状水道が形成され、構造が簡単であり、循環水路を個別に設置する必要がなく、洗濯機の製造コストが大幅に削減される。そして、本発明によって形成される環状水道10自体は、噴射口102付きで、洗浄水を噴射するよう噴射装置を個別に設置する必要がない。なお、好ましい例として、本発明に係る噴射口102には、環状の滝の水流の噴射効果を達成するよう導流構造103が設けられており、この噴射効果は、衣類を迅速に通過することにより、濯ぎ速度を大幅に向上できる。
【0059】
なお、本発明は、さらに洗濯機本体と、上記のドラム洗濯機用のスプレーシステムと、を備えるドラム洗濯機が提供される。このドラム洗濯機の具体的な実施形態については、上記の説明を参照でき、ここでは説明を省略する。
【0060】
態様2において、
【0061】
図7に示すように、本発明のドラム洗濯機は、主にハウジング1、外筒2、内筒3、扉体4、窓パッキン5、排水ポンプ6、及び排水管7が備えられる。その中、外筒2はハウジング1内に固定設置され、内筒3は外筒2に回動可能に設置され、窓パッキン5はハウジング1と外筒2との間に設置される。排水ポンプ6と排水管7はいずれもハウジング1内に設置され、且つ排水ポンプ6は、給水口が外筒2の内側底部に通じ、出水口が排水管7の一端に接続され、排水管7の他端は外部に通じる。排水ポンプ6は、排水管7を介して外筒2内の洗浄水を排出できる。
【0062】
また、当業者は、排水管7のすべての部分が外筒2の内側底端よりも低い場合、当業者はまた、必要に応じて排水ポンプ6を省略して排水ポンプ6を遮断弁に置き換え得ると理解できる。ドラム洗濯機が排水する必要があるときは、この遮断弁を開き、外筒2における洗浄水を自重の作用で排水管7から自動的に排出させる。
【0063】
引き続き
図7を参照すると、ハウジング1の先端(
図7においてハウジング1の左側)にはハウジング口(図示せず)が設けられ、外筒2の先端(
図7において外筒2の左側)には外筒口(図示せず)が設けられ、内筒3の先端(
図7において内筒3の左側)には内筒口(図示せず)が設けられる。窓パッキン5は、一端が外筒口の周縁に密封接続され、他端が内筒口の周縁に密封接続される。扉体4はハウジング1に枢動可能に設置され、そして扉体4を閉じると、前記ハウジング口を閉鎖して外筒2における洗浄水がハウジング口から溢れるのを防ぐことができる。
【0064】
図7及び
図8に示すように、
図8は、
図7におけるA部分の拡大図である。本発明に係るドラム洗濯機は、主に循環ポンプ8、出水管9、及び外筒の先端21に設置される環状凹漕22が含まれるスプレーシステムをさらに備える。その中、窓パッキン5は遮蔽部51を有し、遮蔽部51と環状凹漕22とは環状水道10が形成される(すなわち、遮蔽部51は、環状凹溝22の開口のところを覆うことにより、閉鎖した環状水道10が形成される)とともに、遮蔽部51には噴射口511が設けられている。循環ポンプ8はハウジング1内に設置されるとともに、ハウジング1に固定接続されることが好ましい。または、当業者は、必要に応じて、循環ポンプ8を外筒1に固定接続させることもできる。循環ポンプ8の給水口は、外筒2の内部に通じ、好ましくは、給水管を介して外筒2の底端に接続される。または、当業者は、必要に応じて、この給水管が外筒2内の液面より下にあることが保証される場合、給水管を外筒2の任意の位置に接続させることもできる。循環ポンプ8の出水口は出水管9を介して環状水道10に連通される。本発明に係るスプレーシステムが作業時に、
図7における矢印に示すように、循環ポンプ8は外筒2における洗浄水を環状水道10にポンプ輸送し、環状水道10に入られる洗浄水が噴射口511により内筒3に噴射される。内筒3が高速で作動している時、噴射口511から噴出される水流は、衣類を迅速に通過するとともに、遠心力と重力の作用で外筒2に入ることができる。
【0065】
例として、本発明の環状凹漕22と出水管9とは、接続構造(例えば、接続ホース、接続硬管など)を介して連通されてもよく、直接連通されてもよく(すなわち、接続構造を使用せずに、出水管9を直接環状凹漕22に連通させる)、環状凹漕22と出水管9とは、一体に成形されてもよい。当業者は、実際の設計の必要に応じて適当な接続方式を柔軟に選択でき、循環ポンプ8が出水管9を介して洗浄水を環状凹漕22内にポンプ輸送できればよい。
【0066】
引き続き
図8を参照すると、噴射口511は、遮蔽部51上におけるスリット構造である。環状水道10は、遮蔽部51と環状凹溝22とで形成され、この環状水道10の噴射口511は、遮蔽部51上におけるスリット構造であるので、当業者は、実際の設計の必要に応じて、遮蔽部51上に、等間隔又は非等間隔で複数のスリット構造を設置してもよく、あるいは、1つの環状のスリット構造を設置(すなわち、遮蔽部51の円周に沿って端と端が連通されたスリット構造を1つ開設)してもよく、これにより、環状水カーテンのスプレー効果が実現される。
【0067】
例として、噴射口511は、環状水道10に入られる洗浄水を斜めに内筒3に噴射するためのガイド構造(例えば、噴射口511を斜面状に設置する)を有する。加えて、噴射口511は、さらに環状水道10に入られる洗浄水を均一した環状水カーテンに形成した後に内筒3に噴射するための噴射部材を有してもよい。この噴射部材は、環状水道10に入られる洗浄水が均一した環状水カーテンに形成された後に内筒3に噴射されることを満足するために、噴射口511の形状や大きさに従って合理的に設計できることは、当業者には容易に理解される。
【0068】
なお、本発明の排水ポンプ6及び/又は循環ポンプ8は、例えば、ギアポンプ、翼ポンプ、蠕動ポンプ、遠心ポンプなどのような任意の実現可能なポンプであってもよい。
【0069】
当業者は、本発明の他の実現可能な実施形態では、排水ポンプ6と循環ポンプ8が、1つのポンプに置き換えられ得ると理解できる。例1として、排水ポンプ6を省略して、循環ポンプ8の出水口をそれぞれ出水管9と排水管7に連通させるとともに、出水管9には、それを選択的に開くまたは閉じるための第1の遮断弁が配置され、排水管7には、それを選択的に開くまたは閉じるための第2の遮断弁が配置される。ドラム洗濯機がスプレー作業を実行すると、第1の遮断弁が開き、第2の遮断弁が閉じるようになり、ドラム洗濯機が排水作業を実行すると、第1の遮断弁が閉じ、第2の遮断弁が開くようになる。例2として、排水ポンプ6を省略するとともに、循環ポンプ8の出水口が三方弁により出水管9又は排水管7に選択的に連通されるように、循環ポンプ8の出水口に1つの三方弁を配置する。また、当業者は必要に応じて、三方弁が循環ポンプ8と出水管9との連通、及び循環ポンプ8と排水管7との連通を同時に遮断できるようにしてもよい。
【0070】
以上のように、本発明は、窓パッキン5の遮蔽部51と外筒の先端21における環状凹漕22によって環状水道10を形成するとともに、遮蔽部51上において直接噴射口511を開設することは、構造が簡単であり、従来のドラム洗濯機の構造に対する変更が比較的小さく、且つスプレー装置を個別に設置する必要がなく、洗濯機の製造コストが大幅に削減される。なお、好ましい例として、本発明に係る噴射口511には、環状の滝の水流の噴射効果を達成するようガイド構造又は噴射部材が設けられており、この噴射効果は、衣類を迅速に通過することにより、濯ぎ速度を大幅に向上できる。
【0071】
なお、本発明は、さらに洗濯機本体と、上記のドラム洗濯機用のスプレーシステムと、を備えるドラム洗濯機が提供される。このドラム洗濯機の具体的な実施形態については、上記の説明を参照でき、ここでは説明を省略する。
【0072】
態様3において、
【0073】
図9に示すように、本発明のドラム洗濯機は、主にハウジング1、外筒2、内筒3、扉体4、窓パッキン5、排水ポンプ6、及び排水管7が備えられる。その中、外筒2はハウジング1内に固定設置され、内筒3は外筒2に回動可能に設置され、窓パッキン5はハウジング1と外筒2との間に設置される。排水ポンプ6と排水管7はいずれもハウジング1内に設置され、且つ排水ポンプ6は、給水口が外筒2の内側底部に通じ、出水口が排水管7の一端に接続され、排水管7の他端は外部に通じる。排水ポンプ6は、排水管7を介して外筒2内の洗浄水を排出できる。
【0074】
また、当業者は、排水管7のすべての部分が外筒2の内側底端よりも低い場合、当業者はまた、必要に応じて排水ポンプ6を省略して排水ポンプ6を遮断弁に置き換え得ると理解できる。ドラム洗濯機が排水する必要があるときは、この遮断弁を開き、外筒2における洗浄水を自身の重力の作用で排水管7から自動的に排出させる。
【0075】
引き続き
図9を参照すると、ハウジング1の先端(
図9においてハウジング1の左側)にはハウジング口(図示せず)が設けられ、外筒2の先端(
図9において外筒2の左側)には外筒口(図示せず)が設けられ、内筒3の先端(
図9において内筒3の左側)には内筒口(図示せず)が設けられる。窓パッキン5は、一端が外筒口の周縁に密封接続され、他端が内筒口の周縁に密封接続される。扉体4はハウジング1に枢動可能に設置され、そして扉体4を閉じると、前記ハウジング口を閉鎖して外筒2における洗浄水がハウジング口から溢れるのを防ぐことができる。
【0076】
図9~
図11に示すように、
図10は、
図9におけるA部分の拡大図であり、
図11は、
図9におけるB部分の拡大図である。本発明に係るドラム洗濯機は、主に循環ポンプ8、出水管9、外筒の先端21に設置される環状凹漕22、及び密封蓋板23が含まれるスプレーシステムをさらに備える。密封蓋板23と環状凹漕22とは環状水道が形成される(すなわち、密封蓋板23は、環状凹溝22の開口のところを覆うことにより、閉鎖した環状水道10が形成される)とともに、形成される環状水道には噴射口101が設けられている。循環ポンプ8はハウジング1内に設置されるとともに、ハウジング1に固定接続されることが好ましい。または、当業者は、必要に応じて、循環ポンプ8を外筒1に固定接続させることもできる。循環ポンプ8の給水口は、外筒2の内部に通じ、好ましくは、給水管を介して外筒2の底端に接続される。または、当業者は、必要に応じて、この給水管が外筒2内の液面より下にあることが保証される場合、給水管を外筒2の任意の位置に接続させることもできる。循環ポンプ8の出水口は出水管9を介して環状水道10に連通される。本発明に係るスプレーシステムが作業時に、
図9における矢印に示すように、循環ポンプ8は外筒2における洗浄水を環状水道10にポンプ輸送し、環状水道10に入られる洗浄水が噴射口101により内筒3に噴射される。内筒3が高速で作動している時、噴射口101から噴出される水流は、衣類を迅速に通過するとともに、遠心力と重力の作用で外筒2に入ることができる。
【0077】
例として、本発明の環状凹漕22と出水管9とは、接続構造(例えば、接続ホース、接続硬管など)を介して連通されてもよく、直接連通されてもよく(すなわち、接続構造を使用せずに、出水管9を直接環状凹漕22に連通させる)、環状凹漕22と出水管9とは、一体に成形されてもよい。当業者は、実際の設計の必要に応じて適当な接続方式を柔軟に選択でき、循環ポンプ8が出水管9を介して洗浄水を環状凹漕22内にポンプ輸送できればよい。
【0078】
引き続き
図10及び
図11を参照すると、例として、噴射口101は、密封蓋板23上におけるスリット構造であってもよく、
図10及び
図11における噴射口101は、すなわち密封蓋板23上に開設されるスリット構造である。他の例として、図示していないが、噴射口101が環状凹溝22の内側に開設されるスリット構造であってもよいことは、当業者には容易に理解される。加えて、密封蓋板23を環状凹溝22の開口に覆うと、密封蓋板23と環状凹漕22との間にスリット構造を形成してこのスリット構造を噴射口101としてもよい。当業者は、実際の設計の必要に応じて、噴射口101を柔軟に設置でき、これらはいずれも本発明の保護範囲から逸脱しない。そして、環状水道10は、密封蓋板23と環状凹溝22とで形成され、噴射口101は、密封蓋板23又は環状凹漕22の内側に開設されるスリット構造であるので、当業者は、実際の設計の必要に応じて、密封蓋板23又は環状凹漕22の内側に、等間隔又は非等間隔で複数のスリット構造を設置してもよく、あるいは、1つの環状のスリット構造を設置(すなわち、密封蓋板23の円周又は環状凹漕22の内側の円周に沿って端と端が連通されたスリット構造を1つ開設)してもよく、これにより、環状水カーテンのスプレー効果が実現される。
【0079】
例として、噴射口101は、環状水道10に入られる洗浄水を斜めに内筒3に噴射するためのガイド構造(例えば、噴射口101を斜面状に設置する)を有する。加えて、噴射口101は、さらに環状水道10に入られる洗浄水を均一した環状水カーテンに形成した後に内筒3に噴射するための噴射部材を有してもよい。この噴射部材は、環状水道10に入られる洗浄水が均一した環状水カーテンに形成された後に内筒3に噴射されることを満足するために、噴射口101の形状や大きさに従って合理的に設計できることは、当業者には容易に理解される。
【0080】
なお、本発明の排水ポンプ6及び/又は循環ポンプ8は、例えば、ギアポンプ、翼ポンプ、蠕動ポンプ、遠心ポンプなどのような任意の実現可能なポンプであってもよい。
【0081】
当業者は、本発明の他の実現可能な実施形態では、排水ポンプ6と循環ポンプ8が、1つのポンプに置き換えられ得ると理解できる。例1として、排水ポンプ6を省略して、循環ポンプ8の出水口をそれぞれ出水管9と排水管7に連通させるとともに、出水管9には、それを選択的に開くまたは閉じるための第1の遮断弁が配置され、排水管7には、それを選択的に開くまたは閉じるための第2の遮断弁が配置される。ドラム洗濯機がスプレー作業を実行すると、第1の遮断弁が開き、第2の遮断弁が閉じるようになり、ドラム洗濯機が排水作業を実行すると、第1の遮断弁が閉じ、第2の遮断弁が開くようになる。例2として、排水ポンプ6を省略するとともに、循環ポンプ8の出水口が三方弁により出水管9又は排水管7に選択的に連通されるように、循環ポンプ8の出水口に1つの三方弁を配置する。また、当業者は必要に応じて、三方弁が循環ポンプ8と出水管9との連通、及び循環ポンプ8と排水管7との連通を同時に遮断できるようにしてもよい。
【0082】
以上のように、本発明は、密封蓋板23と外筒の先端21における環状凹漕22によって環状水道10を形成するとともに、密封蓋板23又は環状凹漕22の内側壁に直接噴射口101を開設することは、構造が簡単であり、従来のドラム洗濯機の構造に対する変更が比較的小さく、且つスプレー装置を個別に設置する必要がなく、洗濯機の製造コストが大幅に削減される。なお、好ましい例として、本発明に係る噴射口101には、環状の滝の水流の噴射効果を達成するようガイド構造又は噴射部材が設けられており、この噴射効果は、衣類を迅速に通過することにより、濯ぎ速度を大幅に向上できる。
【0083】
なお、本発明は、さらに洗濯機本体と、上記のドラム洗濯機用のスプレーシステムと、を備えるドラム洗濯機が提供される。このドラム洗濯機の具体的な実施形態については、上記の説明を参照でき、ここでは説明を省略する。
【0084】
これで、本発明の技術案を、図面に示された好ましい実施形態と合わせて説明したが、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは、当業者には容易に理解される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の技術案はいずれも、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
態様1における図面1~6の符号の説明
【0086】
1 ハウジング
2 外筒
21 外筒口の周縁
3 内筒
4 扉体
5 窓パッキン
6 排水ポンプ
7 排水管
8 循環ポンプ
9 出水管
10 環状水道
101 環状リブ
102 噴射口
103 導流構造
【0087】
態様2における図面7~8の符号の説明
【0088】
1 ハウジング
2 外筒
21 外筒の先端
22 環状凹漕
3 内筒
4 扉体
5 窓パッキン
51 遮蔽部
511 噴射口
6 排水ポンプ
7 排水管
8 循環ポンプ
9 出水管
10 環状水道
【0089】
態様3における図面9~11の符号の説明
【0090】
1 ハウジング
2 外筒
21 外筒の先端
22 環状凹漕
23 密封蓋板
3 内筒
4 扉体
5 窓パッキン
6 排水ポンプ
7 排水管
8 循環ポンプ
9 出水管
10 環状水道
101 噴射口