(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】哺乳動物細胞における薬物リガンドの誘導による導入遺伝子の発現に対する感受性が増強されたキメラ転写因子バリアント
(51)【国際特許分類】
C12N 15/67 20060101AFI20231128BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20231128BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20231128BHJP
A61K 31/138 20060101ALI20231128BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20231128BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20231128BHJP
C07K 14/47 20060101ALN20231128BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20231128BHJP
C12N 5/10 20060101ALN20231128BHJP
C12N 5/0783 20100101ALN20231128BHJP
A61P 31/12 20060101ALN20231128BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20231128BHJP
【FI】
C12N15/67 Z
A61K35/12
A61K35/17
A61K31/138
C07K19/00
C12N15/62 Z ZNA
C07K14/47
C12N15/12
C12N5/10
C12N5/0783
A61P31/12
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2022096360
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2019551508の分割
【原出願日】2017-12-11
【審査請求日】2022-07-13
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515045617
【氏名又は名称】シアトル チルドレンズ ホスピタル (ディービーエイ シアトル チルドレンズ リサーチ インスティテュート)
【住所又は居所原語表記】1900 Ninth Ave. Seattle, WA 98101 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,マイケル,シー.
(72)【発明者】
【氏名】ウーイ,トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ジア
【審査官】西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-500563(JP,A)
【文献】国際公開第2015/157432(WO,A1)
【文献】特表2007-535906(JP,A)
【文献】Yang, X.-D. et al.,Functional interplay between acetylation and methylation of the RelA subunit of NF-kappaB,Mol. Cell. Biol.,2010年,Vol. 30,pp. 2170-2180
【文献】Chen, L.-F. et al.,NF-kappaB RelA phosphorylation regulates RelA acetylation,Mol. Cell. Biol.,2005年,Vol. 25,pp. 7966-7975
【文献】Roscilli, G. et al.,Long-term and tight control of gene expression in mouse skeletal muscle by a new hybrid human transcription factor,Mol. Ther.,2002年,Vol. 6,pp. 653-663
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 1/00-19/00
A61K 35/00-35/768
A61K 38/00-39/58
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞においてポリヌクレオチドの発現を
インビトロで誘導する方法であって、
(a)(i)薬剤によって誘導可能な第1のプロモーターを含み、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸、および(ii)前記第1のプロモーターの転写活性化因子であって、配列番号1~11および121のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含む細胞を準備すること、
(b)前記細胞に、タモキシフェン、タモキシフェンの代謝産物、タモキシフェンの類似体、タモキシフェンの塩、タモキシフェンの水和物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラント、エストロゲン類似体およびCMP8から選択される前記薬剤を接触させること、ならびに
(c)前記細胞に、ホルボール-12-ミリスチン酸-13-酢酸(PMA)、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせから選択される刺激物質を接触させることを含む、方法。
【請求項2】
10nM未満の濃度の前記薬剤によって、前記ポリヌクレオチドの発現が誘導される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記転写活性化因子が、配列番号1~3、8~11および121のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記転写活性化因子が、配列番号2、3、8~11および121のいずれかに示されるアミノ酸配列含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記転写活性化因子が、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記転写活性化因子が、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のプロモーターが、配列番号23に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のプロモーターが、構成的プロモーターである、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の核酸が、第1のベクターに含まれ、および/または前記第2の核酸が、第2のベクターに含まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体およびマイクロRNAから選択されるペイロードをコードする、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
さらに(d)前記細胞に、抗CD3抗体
および抗CD28抗
体から選択される活性化刺激物質を接触させることを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記細胞が、T細胞、T細胞前駆細胞および造血幹細胞から選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記細胞が、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
エクスビボで実施される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
インビボにおいて治療用ポリヌクレオチドの発現を誘導可能に使用するためのシステムであって、
(a)(i)薬剤によって誘導可能な第1のプロモーターを含み、前記治療用ポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸、および(ii)前記第1のプロモーターの転写活性化因子であって、配列番号1~11および121のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含む細胞、
(b)タモキシフェン、タモキシフェンの代謝産物、タモキシフェンの類似体、タモキシフェンの塩、タモキシフェンの水和物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラント、エストロゲン類似体およびCMP8から選択される薬剤、ならびに
(c)ホルボール-12-ミリスチン酸-13-酢酸(PMA)、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせから選択される刺激物質を含む、システム。
【請求項16】
前記治療用ポリヌクレオチドが、サイトカイン、キメラ抗原受容体、ケモカイン受容体、キメラケモカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチドまたはマイクロRNAをコードする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記薬剤および刺激物質が、前記細胞を含む対象に投与される、請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
前記細胞が、T細胞、T細胞前駆細胞および造血幹細胞から選択される、請求項15~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記細胞が、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記細胞が、ヒト細胞である、請求項15~19のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願の参照による引用
本出願は、2016年12月12日に出願された米国仮特許出願第62/433,183号に基づく優先権を主張するものである。この出願に開示されている内容は、参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される。
【0002】
配列、配列表またはコンピュータープログラムにより作成した配列に関する情報
本願は電子形式の配列表とともに出願されたものである。この配列表は、SCRI.118WO.txtのファイル名で2017年12月6日に作成された297kbのファイルとして提供されたものである。この電子形式の配列表に記載された情報は、参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される。
【0003】
細胞(たとえば哺乳動物細胞)において薬物の制御による導入遺伝子の発現を促進する遺伝子システムに関する実施形態を開示する。また、本開示は、哺乳動物細胞などの遺伝子組み換え細胞における導入遺伝子の発現の制御に有用な野生型HEA3キメラ転写因子バリアントおよび野生型HEA4キメラ転写因子バリアントの特定に関する。
【背景技術】
【0004】
遺伝子移入によりヒトTリンパ球を遺伝子組換えすることによって、腫瘍細胞上に発現される表面分子に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現させることができる。この目的に有用な遺伝子導入法としては、キメラ抗原受容体をコードするウイルスベクターを使用した様々な種類のウイルス形質導入法が挙げられる。キメラ抗原受容体を発現した細胞を患者に養子移入することにより、がんおよび感染症を治療することができる。キメラ抗原受容体は合成受容体である。このような合成受容体は、細胞外リガンド結合ドメインを含み、該細胞外リガンド結合ドメインとしては、たとえば、細胞内シグナル伝達部分(CD3ζ単独、または1種以上の共刺激ドメインと組み合わせられたCD3ζ)に連結されたモノクローナル抗体一本鎖可変断片(scFv)が挙げられる。キメラ受容体の設計に関する研究は、正常組織に対して重大な毒性を引き起こすことなく、悪性細胞を標的とすることが可能なscFvおよびその他のリガンド結合因子を決定すること、およびT細胞のエフェクター機能を活性化することが可能な、細胞内シグナル伝達モジュールの最適な構成を決定することに焦点が当てられている。キメラ抗原受容体の発現を促進する別の遺伝子システムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、細胞において薬物の制御による導入遺伝子の発現を促進する遺伝子システムに関する。一実施形態において、制御された導入遺伝子の発現は細胞を標的とし、たとえば、養子免疫療法における使用を目的として設計されたリンパ球(好ましくはヒトリンパ球)を標的とする。このシステムは、キメラ抗原受容体(CAR)をリダイレクトした養子療法を使用するため、安全性が厳密に保たれており、さらに、インビボでのCARの発現を臨床医がリアルタイムで制御することを可能にするという治療目的を損なうことがない。薬物応答性に基づいてCARの発現の転写制御が可能となるようにベクターを遺伝子組換えし、臨床医により処方された薬物で刺激することによって、インビボでCARの活性およびその他の細胞メディエーターの活性を「オン」または「オフ」に切り替えることができ、その結果、臨床的に許容可能な薬物動態、組織分布、および細胞外間隙とリンパ球の細胞質の間での分配を達成することができる。ベクタープラットフォームとしては、アデノウイルスやレンチウイルスの遺伝子に加えて、ミニサークルまたはpiggyBacトランスポゾンをコードする遺伝子も挙げることができる。本明細書において提供する遺伝子システムは、薬物で制御される導入遺伝子の発現を提供し、薬物の非存在下で導入遺伝子を機能的に「オフ」の状態とし、かつ薬物の存在下で導入遺伝子を機能的に「オン」の状態とすることができる。
【0006】
このようなアプローチの1つにおいて、タモキシフェンという薬物が利用される。タモキシフェンは、エストロゲンのアンタゴニスト/部分アゴニストであり、FDA認可薬物として市販されている。タモキシフェンは経口投与され、長期間にわたって連日投与することができる。タモキシフェンは、安全性が証明されており、薬物動態プロファイルが好適であり、組織分布が良好であり、細胞外間隙と細胞質の間での分配係数が低い。また、本明細書に記載のアプローチにおいて有用な他の薬物は、安全性が証明されていること、薬物動態プロファイルが好適であること、組織分布が良好であること、細胞外間隙と細胞質の間での分配係数が低いこと、および/または毒性が低いことを目安に選択することができる。
【0007】
しかしながら、タモキシフェンは、たとえば、白内障、生理不順、便秘、下痢、浮腫(むくみ)、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐、体重減少などのいくつかの副作用を呈することがある。したがって、一部の患者では、低い血漿中タモキシフェン濃度において、キメラ抗原受容体を発現する遺伝子を「オン」の状態にする必要がある。
【0008】
本開示の一態様は、転写因子の特性を制御するために転写活性化因子に加えることができる変更に関し、たとえば、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン内の1個以上のアミノ酸に変更を加えることによって、前記転写因子のエストロゲン類似体に対する親和性を向上させることができ、かつp65トランス活性化ドメイン内および/またはRelA(p65)トランス活性化ドメイン内の1個以上のアミノ酸に変更を加えることによって薬物に応答した転写活性を向上させることができるが、これらに限定されない。RelA内の変異は、薬物に応答した転写活性を向上させるが、薬物と受容体の結合には影響を及ぼさない。薬物と受容体の結合は、ER-LBD内の変異の影響のみを受ける。いくつかの実施形態において、本発明のシステムは合成転写制御因子を使用し、該合成転写制御因子が、タモキシフェンの存在下において導入遺伝子の上流の合成プロモーターに結合し、発現を誘導する。このタモキシフェン制御性転写因子(「TamR-tf」あるいは「HEA3/HEA4転写因子」とも呼ばれる)は、ヒト由来サブユニットを含むキメラ転写因子であり、肝細胞核因子1-α(HNF-1α)のN末端DNA結合ドメインが、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来のタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインにインフレームで融合されており、このタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインがさらにNF-κBのp65活性化ドメイン(p65)に融合されている。HEA4は、ヒト由来サブユニットを含むキメラ転写因子であり、肝細胞核因子1-α(HNF-1α)のN末端DNA結合ドメインが、3個の点突然変異(G400V、M543A、L544A)を含むエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来タモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインにインフレームで融合されており、このタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインがさらにNF-κBのp65活性化ドメイン(p65)に融合されており、前記点突然変異は、エストラジオールとの結合を阻害するが、タモキシフェン代謝産物やその他のエストロゲン類似体との結合を可能とするものである。代表的なアミノ酸配列を配列番号1に示す(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号1は、ER-LBD内に1個の点突然変異を含み、この点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、タモキシフェン代謝産物である4-OHT、フルベストラントおよびその他のエストロゲン類似体に対するナノレベルでの特異性を付与する。エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来の前記タモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインは、TamR-tfの282~595番目のアミノ酸からなる配列であり、521番目に変異(G521R)を有し、薬物と受容体の結合に影響を与える。NF-κBのp65活性化ドメイン(p65)は、配列番号1の596~862番目のアミノ酸からなる配列である(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。
【0009】
タモキシフェンの非存在下では、細胞質内の熱ショックタンパク質90(HSP90)がタモキシフェン結合活性部位に結合することによって、TamR-tfが核内から排除されるため、導入遺伝子の発現は「オフ」の状態となる。細胞質内にナノモル濃度のタモキシフェンが存在すると、ER-LBDへの結合に対してHSP90と活発に競合することによってこれを阻害し、TamR-tfの核内への転座が生じる。核内への転座が起こると、TamR-tfは、自体の特異的結合部位である合成プロモーター(たとえば、配列番号23(tagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaagagctcagggtatataatg)に示される核酸配列からなる7xHBD/mE1B)と結合することが容易となる。タモキシフェンの存在下では、TamR-tfが7xHBD/mE1Bプロモーターに結合することによって導入遺伝子の発現が「オン」の状態になる。いくつかの実施形態において、この転写制御因子は、導入遺伝子の発現を様々なレベルで制御できるように改変することができる。TamR-tfのリガンド結合ドメイン内のアミノ酸を置換することによって、タモキシフェンおよびその代謝産物に対する選択的応答が可能となり、薬物と受容体の結合に影響を与えることができる。4-ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)は、TamR-tf活性に関して薬理学的活性が最も高い代謝物であり、内因性エストロゲンと相互作用を起こさない。
【0010】
いくつかの実施形態において、野生型HEA3バリアントおよび野生型HEA4バリアントは、ヒトエストロゲン受容体リガンド結合ドメインが置換されていることから、薬物に対する感受性が増強されていることが特定されている。RelA(p65)トランス活性化ドメインにおける変異は、薬物または薬物リガンドに応答した転写活性を増強させる。いくつかの実施形態において、このような高親和性形態は、4-OHTおよびその他のエストロゲン類似体(たとえばフルベストラント)に対する選択的結合性を付与することができるように、ヒトエストロゲン受容体においてアミノ酸置換を行うことによって作製される。このような変更は、たとえば、リン酸化模倣およびアセチル化模倣としての機能を果たすことが可能な、HEA3 RelAドメインおよびHEA4 RelAドメインにおけるアミノ酸置換と組み合わせた場合、このアミノ酸置換と協調して、薬物活性化因子に応答した導入遺伝子の発現を向上させることができる。また、リガンドの非存在下における「オフ」状態のストリンジェンシーに悪影響を与えることなく、活性化作用を持つエストロゲン類似体薬物の投与に対する導入遺伝子発現の感受性およびその発現量を劇的に向上させることが可能な、3個すべての修飾を有するバリアントの好ましい一形態も本明細書において述べる。別の一態様では、HEA3は、RelA内の変異ではなく、ER-LBD内における変異(L384M、M421G、G521R)を有しているため、薬物であるCMP8に対して応答性を備える。RelAにおける変異は、薬物に対する特異性に影響を及ぼさない場合がある。また、RelAにおける変異によって、転写活性が向上する場合がある。転写活性が向上したこのようなHEA3キメラ転写因子およびHEA4キメラ転写因子を利用することによって、無毒な低用量のタモキシフェン、フルベストラントまたはCMP8で容易に到達可能な体内薬物濃度に応答できるように、この制御システムを改変することができる。
【0011】
第1の態様において、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、ポリペプチドスペーサー、好ましくは最適化されたスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子と比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1個の変異によって、薬物と受容体の結合が影響を受ける。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、野生型HEA3を使用したシステムと比較して所定の濃度における転写発現を増強させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。いくつかの実施形態において、前記無毒な薬物用量において、野生型HEA3キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して薬物副作用が低減、排除または予防される。いくつかの実施形態において、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。いくつかの実施形態において、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、EF1αpである。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。いくつかの実施形態において、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。いくつかの実施形態において、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。いくつかの実施形態において、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子よりも高くなる。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。いくつかの実施形態において、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。いくつかの実施形態において、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。いくつかの実施形態において、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、または標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。いくつかの実施形態において、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、および/またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
【0012】
第2の態様において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量の前記薬物に応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3と比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3キメラ転写因子または前記HEA4キメラ転写因子は、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3および/または配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22および/または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子よりも高くなる。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。いくつかの実施形態において、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。いくつかの実施形態において、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。いくつかの実施形態において、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。いくつかの実施形態において、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。いくつかの実施形態において、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。いくつかの実施形態において、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0013】
第3の態様において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムの第1の核酸および/または第2の核酸によってコードされるキメラ受容体ポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、ポリペプチドスペーサー、好ましくは最適化されたスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22および/または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17および/または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、または標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0014】
第4の態様において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17および/または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞などの哺乳動物細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0015】
第5の態様において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を薬学的に許容される賦形剤中に含む組成物を提供する。また、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む、哺乳動物細胞などの宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞はT細胞前駆細胞である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該細胞はT細胞前駆細胞であり、これは造血幹細胞であってもよい。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である宿主細胞を含み、さらに、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である別の宿主細胞を含む。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球であるか、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である宿主細胞と、T細胞前駆細胞または造血幹細胞である別の宿主細胞とを含む。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0016】
第6の態様において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞をインビトロで作製する方法を提供する。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、または標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞などの哺乳動物細胞である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である宿主細胞を含み、さらに、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である別の宿主細胞を含む。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球であるか、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である宿主細胞と、T細胞前駆細胞または造血幹細胞である別の宿主細胞とを含む。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞をインビトロで作製する前記方法は、a)本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを提供すること;およびb)単離されたTリンパ球集団に前記システムを導入し、各Tリンパ球集団をインビトロで増殖させることを含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記Tリンパ球は増殖培養されたものであり、前記方法は、抗CD3および/または抗CD28と少なくとも1種の恒常性サイトカインとの存在下において、細胞移入としての使用に十分な数に達するまで前記Tリンパ球を培養することをさらに含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記単離されたTリンパ球集団はT細胞前駆細胞を含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記リンパ球はCD8+またはCD4+である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0017】
第7の態様において、疾患の治療、抑制または緩和を必要とする対象において疾患を治療、抑制または緩和する方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞、または本発明の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与することを含む。前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を、薬学的に許容される賦形剤中に含む。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞はT細胞前駆細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である宿主細胞を含み、さらに、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である別の宿主細胞を含む。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球であるか、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である宿主細胞と、T細胞前駆細胞または造血幹細胞である別の宿主細胞とを含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記疾患は、がんまたはウイルス疾患である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記対象は、抗がん療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記対象は、抗ウイルス療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、該方法は、前記疾患の抑制を測定または評価することをさらに含む。
前記方法の実施形態のいくつかにおいて、該方法は、本明細書において提供される実施形態のいずれか1つに記載の細胞、または本明細書において提供される実施形態のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品の投与前、投与中または投与後に、別の抗がん療法または抗ウイルス療法を前記対象に提供することをさらに含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記細胞または前記少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品は、養子細胞移入によって前記対象に投与する。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、別の形態の抗がん療法または抗ウイルス療法で前記対象を処置した後に、前記宿主細胞、または前記少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与する。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、該方法は、がんまたはウイルス感染症の治療のために、前記宿主細胞または前記組成物中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物を投与することをさらに含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、フルベストラントおよび/もしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記タモキシフェンは、10mg/回、11mg/回、12mg/回、13mg/回、14mg/回、15mg/回、16mg/回、17mg/回、18mg/回、19mg/回もしくは20mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記フルベストラントは、250mg/回、300mg/回、350mg/回、400mg/回、450mg/回もしくは500mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記CMP8は、血清中の薬物濃度が30nM、40nMもしくは50nMまたはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度となる用量範囲で投与される。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記がんは、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記固形腫瘍は、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0018】
第8の態様において、疾患の治療、抑制または緩和を必要とする対象において疾患を治療、抑制または緩和する方法を提供する。該方法は、本明細書において提供される実施形態のいずれか1つに記載の、哺乳動物細胞などの宿主細胞、または本明細書において提供される実施形態のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を、薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞はT細胞前駆細胞である。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該細胞はT細胞前駆細胞であり、これは造血幹細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である宿主細胞を含み、さらに、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である別の宿主細胞を含む。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球であるか、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である宿主細胞と、T細胞前駆細胞または造血幹細胞である別の宿主細胞とを含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記疾患は、がんまたはウイルス疾患である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記対象は、抗がん療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記対象は、抗ウイルス療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である。
前記方法の実施形態のいくつかにおいて、該方法は、前記疾患の抑制を測定または評価することをさらに含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、該方法は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる細胞、または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品の投与前、投与中または投与後に、別の抗がん療法または抗ウイルス療法を前記対象に提供することをさらに含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる細胞、または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品は、養子細胞移入によって前記対象に投与する。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞、または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品は、別の形態の抗がん療法または抗ウイルス療法で前記対象を処置した後に該対象に投与する。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、該方法は、がんまたはウイルス感染症の治療のために、前記宿主細胞または前記組成物中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物を投与することをさらに含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、フルベストラントおよび/もしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記タモキシフェンは、10mg/回、11mg/回、12mg/回、13mg/回、14mg/回、15mg/回、16mg/回、17mg/回、18mg/回、19mg/回もしくは20mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記フルベストラントは、250mg/回、300mg/回、350mg/回、400mg/回、450mg/回もしくは500mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記CMP8は、血清中の薬物濃度が30nM、40nMもしくは50nMまたはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度となる用量範囲で投与される。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記がんは、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記固形腫瘍は、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0019】
第9の態様において、がんまたはウイルス感染症の治療のための、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる哺乳動物細胞などの宿主細胞または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品と該宿主細胞中または該組成物中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物との組み合わせの使用を提供する。いくつかの実施形態において、前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を、薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、哺乳動物細胞などの該宿主細胞はT細胞前駆細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である宿主細胞を含み、さらに、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である別の宿主細胞を含む。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球であるか、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である宿主細胞と、T細胞前駆細胞または造血幹細胞である別の宿主細胞とを含む。前記使用の実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、フルベストラントおよび/もしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記使用の実施形態のいくつかにおいて、前記タモキシフェンは、10mg/回、11mg/回、12mg/回、13mg/回、14mg/回、15mg/回、16mg/回、17mg/回、18mg/回、19mg/回もしくは20mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。前記使用の実施形態のいくつかにおいて、前記フルベストラントは、250mg/回、300mg/回、350mg/回、400mg/回、450mg/回もしくは500mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。前記使用の実施形態のいくつかにおいて、前記CMP8は、血清中の薬物濃度が30nM、40nMもしくは50nMまたはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度となる用量範囲で投与される。前記使用の実施形態のいくつかにおいて、前記がんは、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である。前記使用の実施形態のいくつかにおいて、前記固形腫瘍は、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0020】
第10の態様において、がんまたはウイルス感染症を有する対象において細胞免疫療法を行う方法を提供する。該方法は、本明細書において提供される実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞、または本明細書において提供される実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与すること、および前記組成物中または前記宿主細胞中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物を投与することを含む。前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を、薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞はT細胞前駆細胞である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該細胞はT細胞前駆細胞であり、これは造血幹細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である宿主細胞を含み、さらに、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である別の宿主細胞を含む。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球であるか、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である宿主細胞と、T細胞前駆細胞または造血幹細胞である別の宿主細胞とを含む。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記がんは、固形腫瘍および血液悪性腫瘍から選択される。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記固形腫瘍は、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【0021】
第11の態様において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品の、医薬品としての使用を提供する。前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を、薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ以上を含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つ以上によってコードされる。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とする。
T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を増強させる少なくとも1個の変異を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能な前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書に記載のシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。哺乳動物細胞などの前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞はT細胞前駆細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。前記宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である宿主細胞を含み、さらに、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である別の宿主細胞を含む。前記組成物の実施形態のいくつかにおいて、該組成物は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球であるか、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である宿主細胞と、T細胞前駆細胞または造血幹細胞である別の宿主細胞とを含む。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A-1F】HEA3の(低親和性)単一変異RelAバリアントとHEA4の(高親和性)単一変異RelAバリアントを示し、これらのバリアントを細胞に形質導入し、4-OHTを投与した場合の応答を示す。薬物により構成的発現を誘導可能な転写因子と、(
図1A)HEA3単一変異RelAバリアントまたは(
図1B)HEA4単一変異RelAバリアント(RelAタンパク質ドメイン上の位置でS536EまたはK310Qであり、これらは、HEA3およびHEA4においてS846EおよびK621Qにそれぞれ相当する)と、ZsGreen蛍光レポーターとが組み込まれたデュアルパッケージングレンチウイルス構築物の概要を図に示す。500nM 4-OHTの存在下において24時間培養した後の、(
図1C)HEA3 RelAバリアントまたは(
図1D)HEA4 RelAバリアントを発現するJurkat細胞におけるZsGreenレポーターの発現を示す。(
図1E)HEA3 RelAバリアント発現Jurkat細胞または(
図1F)HEA4 RelAバリアント発現Jurkat細胞におけるEGFRt+ZsGreen+細胞の割合(%)およびZsGreen蛍光強度の中央値として、4-OHTに対する用量反応性を示す。
【0023】
【
図2A-2E】HEA4(高親和性)二重変異RelAバリアントおよびCMP8応答性HEA3 RelAバリアントを示し、これらのバリアントを細胞に形質導入し、4-OHTまたはCMP8を投与した場合の応答を示す。薬物により構成的発現を誘導可能な転写因子と、(
図2A)HEA4二重変異RelAバリアント(RelAタンパク質ドメイン上の位置でS536E/K310Qであり、これらは、HEA3およびHEA4においてS846EおよびK621Qにそれぞれ相当する)または(
図2B)CMP8応答性HEA3単一変異RelAバリアント(S563E)と、ZsGreen蛍光レポーターとが組み込まれたデュアルパッケージングレンチウイルス構築物の概要を図に示す。500nM 4-OHTまたは500nM CMP8の存在下において24時間培養した後の、(
図2C)HEA4二重変異RelAバリアントまたは(
図2D)CMP8応答性HEA3 RelAバリアントを発現するJurkat細胞におけるZsGreenレポーターの発現を示す。(
図2E)HEA4二重変異RelAバリアント発現Jurkat細胞または(
図2F)CMP8応答性HEA3単一変異RelAバリアント発現Jurkat細胞におけるEGFRt+ZsGreen+細胞の割合(%)およびZsGreen蛍光強度の中央値として、4-OHTおよびCMP8に対する用量反応性を示す。
【0024】
【
図3A-3C】薬物により制御される転写因子(HEA4(p65/S536E/K310Q))と誘導型蛍光レポーターeGFP:fflucをコードするデュアルパッケージングレンチウイルス構築物を細胞に形質導入した結果を示す。
図3Aは、薬物により制御される転写因子(HEA4(p65/S536E/K310Q))と誘導型蛍光レポーターeGFP:fflucをコードするデュアルパッケージングレンチウイルス構築物をCD4 T細胞およびCD8 T細胞に形質導入したことを示す。形質導入したCD4 T細胞およびCD8 T細胞を精製して増殖させた後、抗p65抗体を用いてウエスタンブロットを行い(
図3B)、キメラ転写因子の発現を確認した。(
図3C)フローサイトメトリーによって、ソーティングした細胞におけるEGFRtの発現を確認し、リガンドを誘導しない条件下でeGFPの発現漏れを調べた。
【0025】
【
図4A-4B】薬物により制御される転写因子(HEA4(p65/S536E/K310Q))と誘導型蛍光レポーターeGFP:fflucをコードするデュアルパッケージングレンチウイルス構築物を示し、このレンチウイルス構築物を細胞に形質導入した結果を示す。(
図4A)薬物により制御される転写因子(HEA4(p65/S536E/K310Q))と誘導型蛍光レポーターeGFP:fflucをコードするデュアルパッケージングレンチウイルス構築物をCD4 T細胞およびCD8 T細胞に形質導入したことを示す。形質導入CD4 T細胞および形質導入CD8 T細胞を精製し増殖させた後、(
図4B)0nM、30nMまたは500nMの4-OHTを添加して、抗CD3/抗CD28マイクロビーズ(ビーズ:細胞=2:1)またはPMA(2μM)/イオノマイシン(20ng/mL)の存在下または非存在下において、これらのT細胞を24時間インキュベートした。次いで、eGFPの発現をフローサイトメトリーで定量した。
【0026】
【
図5A-5E】薬物により制御される転写因子(HEA4(p65/S536E/K310Q))と誘導型蛍光レポーターeGFP:fflucをコードするデュアルパッケージングレンチウイルス構築物を示し、このレンチウイルス構築物を細胞に形質導入した結果を示す。(
図5A)薬物により制御される転写因子(HEA4(p65/S536E/K310Q))と誘導型蛍光レポーターeGFP:fflucをコードするデュアルパッケージングレンチウイルス構築物をCD4 T細胞およびCD8 T細胞に形質導入したことを示す。形質導入CD4 T細胞および形質導入CD8 T細胞を精製し増殖させた後、濃度を漸増しながら4-OHTを添加して、抗CD3/抗CD28マイクロビーズ(ビーズ:細胞=2:1)またはPMA(2μM)/イオノマイシン(20ng/mL)の存在下または非存在下において、これらのT細胞を24時間インキュベートした。eGFPの発現をフローサイトメトリーで定量した。4-OHTで24時間処理した後の、(
図5B)EGFRt+eGFP+CD4 T細胞および(
図5C)EGFRt+eGFP+CD8 T細胞の割合(%)ならびに(
図5D)CD4 T細胞および(
図5E)CD8 T細胞におけるeGFP発現のMFIを示す。
【0027】
【
図6A-6D】レンチウイルス構築物で形質導入した細胞の結果を示す。薬物により制御される転写因子(HEA4(p65/S536E/K310Q))と、切断可能な2Aリンカーを介してHer2tGに連結された誘導型の(
図6A)キメラサイトカイン受容体(CCR(CD122))または(
図6B)サバイビンとをコードするデュアルパッケージングレンチウイルス構築物を感染させてJurkat細胞を形質導入した。500nM 4-OHTで24時間処理した後の(
図6C)CCR(CD122)および(
図6D)サバイビンの発現を、Her2tGのアップレギュレーションにより調べた。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明において、各用語は本明細書において一般的な通常の意味を有する。当業者であれば、本明細書全体を通して使用されている各用語を理解できるであろう。
【0029】
本明細書において「約」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、測定値について述べる場合に使用してもよく、所定値から±20%または±10%の変動、より好ましくは±5%の変動、さらにより好ましくは±1%の変動、さらにより好ましくは±0.1%の変動を意味してもよい。
【0030】
本明細書において「抗原」すなわち「Ag」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、免疫応答を惹起する分子が挙げられるが、これに限定されない。この免疫応答は、抗体産生もしくは特定の免疫担当細胞の活性化、またはこれらの両方に関与していてもよい。組換え技術により抗原を作製、合成および産生できること、または生体試料から抗原を得ることができることは容易に理解される。このような生体試料として、組織試料、腫瘍試料、細胞または体液(たとえば血液、血漿または腹水)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において提供されるシステムの実施形態のいくつかにおいて、キメラ抗原受容体によって認識されるリガンドは、免疫応答を惹起することができる抗原である。
【0031】
本明細書において「抗腫瘍効果」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、転移巣の減少、余命の延長、またはがん状態と関連した様々な生理学的症状の減少によって示される生物学的効果が挙げられるが、これらに限定されない。また、「抗腫瘍効果」は再発の減少または再発までの時間の延長によって示すこともできる。
【0032】
本明細書において「キメラ受容体」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、前記疾患または障害に関連する分子と結合する抗体配列またはその他のタンパク質配列のリガンド結合ドメインが、スペーサードメインを介して、T細胞受容体またはその他の受容体の1つ以上の細胞内シグナル伝達ドメイン(たとえば共刺激ドメイン)に連結された合成設計受容体が挙げられるが、これに限定されない。キメラ受容体は、人工T細胞受容体、キメラT細胞受容体、キメラ免疫受容体、およびキメラ抗原受容体(CAR)とも呼ぶことができる。このようなCARは、免疫受容体を発現する細胞に任意の特異性を移植することができる遺伝子組換え受容体である。研究者によっては、キメラ抗原受容体(CAR)は、抗体または抗体断片、スペーサー、シグナル伝達ドメインおよび膜貫通領域を含むものであると理解されている。本明細書に記載のCARは、様々な構成要素またはドメイン(たとえばエピトープ結合領域(たとえば抗体断片、scFvまたはそれらの一部)、スペーサー、膜貫通ドメインおよび/またはシグナル伝達ドメインなど)が遺伝子組換えされており、この遺伝子組換えによって驚くべき効果が得られたことから、各エレメントに注目した場合、本明細書全体においてCARの構成要素をそれぞれ別個のものとして明確に区別できることが多い。CARに含まれる様々なエレメントは様々なバリエーションを有することから、たとえば、このようなバリエーションによって、特定のエピトープまたは抗原に対する結合親和性が増強される。
【0033】
本明細書において「一本鎖可変断片(scFv)」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、10~25個のアミノ酸からなる短いリンカーペプチドで連結された免疫グロブリンの重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)を含んでいてもよい融合タンパク質が挙げられるが、これに限定されない。リンカーは、通常、柔軟性を持つようにグリシンに富んでいるとともに、溶解性を持つようにセリンまたはトレオニンに富んでおり、VHのN末端とVLのC末端を連結することができ、あるいは、VHのC末端とVLのN末端を連結することができる。scFvは、定常領域が除去されており、リンカーが導入されているにも関わらず、元の免疫グロブリンの特異性が保持されている。scFvは抗原に特異的である場合がある。本明細書において「抗原」または「Ag」は、免疫応答を惹起する分子を指す。この免疫応答は、抗体産生もしくは特定の免疫担当細胞の活性化、またはこれらの両方に関与していてもよい。抗原は、組換え技術により作製、合成および産生することができ、あるいは生体試料から得ることもできる。このような生体試料として、組織試料、腫瘍試料、細胞または体液(たとえば血液、血漿または腹水)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において提供されるCARの実施形態のいくつかにおいて、該CARは、抗体断片、scFvまたはこれらの一部、たとえばCDRドメインを含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。この特定のscFvは、huCD19 scFv(G01S)と呼ばれ、配列番号40によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaggtgcagctggtcgaatccggaggaggactggtccagcccggccggagcctgagactgagctgtgccgcttccggattcacttttgacgattacgcaatgcattgggtgaggcaggcccctggcaaggggctggaatgggtctccggaatctcttggaacagtgggcgcattggatatgccgattctgtgaagggccgattcactatctctcgggacaacgctaaaaatagtctgtttctgcagatgaattccctgcgcgccgaggataccgccgtgtactattgcgcccgagaccagggctaccactactatgatagcgccgaacatgcattcgacatttggggacagggaactgtggtcaccgtgagctccggaggaggaggaagcggaggaggagggtccggaggcgggggatcacagagcgcactgacccagccacggagcgtgagcggatttcctgggcagtctgtcaccattagttgcacaggcaccacatcagacgatgtgagctggtaccagcagcacccagggaaggctccccagctgatgctgtatgacgtgtccaaaagaccttctggcgtcccacataggtttagtggaagccggagcggccgggcagccagtctgatcatttcagggctgcagacagaggacgaagctgattatttctgttctagttacgcaggcagatataactctgtgctgtttggcgggggaacaaagctgactgtcctg)。いくつかの実施形態において、前記CARはscFvを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0034】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、CD20(CD20(Leu16))の核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号44に示される配列によってコードされる(atggagacagacacactcctgctatgggtgctgctgctctgggttccaggttccacaggtgacattgtgctgacccaatctccagctatcctgtctgcatctccaggggagaaggtcacaatgacttgcagggccagctcaagtgtaaattacatggactggtaccagaagaagccaggatcctcccccaaaccctggatttatgccacatccaacctggcttctggagtccctgctcgcttcagtggcagtgggtctgggacctcttactctctcacaatcagcagagtggaggctgaagatgctgccacttattactgccagcagtggagttttaatccacccacgttcggaggggggaccaagctggaaataaaaggcagtactagcggtggtggctccgggggcggttccggtgggggcggcagcagcgaggtgcagctgcagcagtctggggctgagctggtgaagcctggggcctcagtgaagatgtcctgcaaggcttctggctacacatttaccagttacaatatgcactgggtaaagcagacacctggacagggcctggaatggattggagctatttatccaggaaatggtgatacttcctacaatcagaagttcaaaggcaaggccacattgactgcagacaaatcctccagcacagcctacatgcagctcagcagcctgacatctgaggactctgcggactattactgtgcaagatctaattattacggtagtagctactggttcttcgatgtctggggcgcagggaccacggtcaccgtctcctca)。いくつかの実施形態において、前記CD20(Leu16)scFvは、配列番号45に示されるアミノ酸配列を含む(METDTLLLWVLLLWVPGSTGDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGSTSGGGSGGGSGGGGSSEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号45のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0036】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、CD22(m971)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD22に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号46に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtacagctgcagcagtcaggtccaggactggtgaagccctcgcagaccctctcactcacctgtgccatctccggggacagtgtctctagcaacagtgctgcttggaactggatcaggcagtccccatcgagaggccttgagtggctgggaaggacatactacaggtccaagtggtataatgattatgcagtatctgtgaaaagtcgaataaccatcaacccagacacatccaagaaccagttctccctgcagctgaactctgtgactcccgaggacacggctgtgtattactgtgcaagagaagtgactggggatctcgaggatgcttttgatatctggggccaagggacaatggtcaccgtctcctcaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagtctccatcgtccctgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcacttgccgggcaagccagaccatttggagctacttaaattggtatcagcagagaccagggaaagcccctaacctcctgatctatgctgcatccagtttgcaaagtggggtcccatcaaggttcagtggcaggggatctgggacagatttcactctcaccatcagcagtctgcaagctgaagattttgcaacttactactgtcaacagagttacagtatccctcagacttttggccaggggaccaagctggagatcaaacgaact)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、CD22(m971)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号47に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAREVTGDLEDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQTIWSYLNWYQQRPGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGRGSGTDFTLTISSLQAEDFATYYCQQSYSIPQTFGQGTKLEIKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号47のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。B7-H3受容体は、様々ながん細胞上に発現されることが知られている。このようながん細胞として、胃がん細胞、卵巣がん細胞および/または非小細胞肺がん細胞が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、前記CARは、がんおよび/または炎症の治療または緩和において使用される。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号48に示される配列によってコードされる(atgctgcgtcggcggggcagccctggcatgggtgtgcatgtgggtgcagccctgggagcactgtggttctgcctcacaggagccctggaggtccaggtccctgaagacccagtggtggcactggtgggcaccgatgccaccctgtgctgctccttctcccctgagcctggcttcagcctggcacagctcaacctcatctggcagctgacagataccaaacagctggtgcacagctttgctgagggccaggaccagggcagcgcctatgccaaccgcacggccctcttcccggacctgctggcacagggcaacgcatccctgaggctgcagcgcgtgcgtgtggcggacgagggcagcttcacctgcttcgtgagcatccgggatttcggcagcgctgccgtcagcctgcaggtggccgctccctactcgaagcccagcatgaccctggagcccaacaaggacctgcggccaggggacacggtgaccatcacgtgctccagctaccagggctaccctgaggctgaggtgttctggcaggatgggcagggtgtgcccctgactggcaacgtgaccacgtcgcagatggccaacgagcagggcttgtttgatgtgcacagcatcctgcgggtggtgctgggtgcaaatggcacctacagctgcctggtgcgcaaccccgtgctgcagcaggatgcgcacagctctgtcaccatcacagggcagcctatgacattccccccagaggccctgtgggtgaccgtggggctgtctgtctgtctcattgcactgctggtggccctggctttcgtgtgctggagaaagatcaaacagagctgtgaggaggagaatgcaggagctgaggaccaggatggggagggagaaggctccaagacagccctgcagcctctgaaacactctgacagcaaagaagatgatggacaagaaatagcc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号49に示されるアミノ酸配列を含む(MLRRRGSPGMGVHVGAALGALWFCLTGALEVQVPEDPVVALVGTDATLCCSFSPEPGFSLAQLNLIWQLTDTKQLVHSFAEGQDQGSAYANRTALFPDLLAQGNASLRLQRVRVADEGSFTCFVSIRDFGSAAVSLQVAAPYSKPSMTLEPNKDLRPGDTVTITCSSYQGYPEAEVFWQDGQGVPLTGNVTTSQMANEQGLFDVHSILRVVLGANGTYSCLVRNPVLQQDAHSSVTITGQPMTFPPEALWVTVGLSVCLIALLVALAFVCWRKIKQSCEEENAGAEDQDGEGEGSKTALQPLKHSDSKEDDGQEIA)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号49のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0038】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0039】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号54に示される核酸配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccacaccctgctttcctgctgatccctgatgtgcagctgcaggaatcaggcccaagcctggtcaaaccctcccagtctctgagtctgacctgtacagtgactgggtactccatcacatctgatttcgcatggaactggattaggcagtttccaggcaataagctggagtggatgggctacatctcatatagcgggaacactcgctataatcccagtctgaaatcacggatcagcattactagagacaccagcaagaaccagttctttctgcagctgaattccgtgaccattgaggataccgccacatactattgcgtcacagctggcagaggctttccatactggggacagggcacactggtgactgtcagcgccggctccacctctgggagtggaaaacctggctccggggaaggatctacaaagggagacatcctgatgactcagtccccaagctccatgtcagtgagcctgggcgacaccgtctctattacatgtcactctagtcaggatatcaacagtaatattggctggctgcagcagcgacccggcaagtctttcaaagggctgatctatcatggaactaacctggacgatgaagtgcctagcagattttccggctctgggagtggagctgattacagtctgaccatttcaagcctggagtcagaagacttcgcagattactattgcgtccagtatgcccagttcccctggacttttggcgggggaaccaagctggagatcaaacgg)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号55に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVQLQESGPSLVKPSQSLSLTCTVTGYSITSDFAWNWIRQFPGNKLEWMGYISYSGNTRYNPSLKSRISITRDTSKNQFFLQLNSVTIEDTATYYCVTAGRGFPYWGQGTLVTVSAGSTSGSGKPGSGEGSTKGDILMTQSPSSMSVSLGDTVSITCHSSQDINSNIGWLQQRPGKSFKGLIYHGTNLDDEVPSRFSGSGSGADYSLTISSLESEDFADYYCVQYAQFPWTFGGGTKLEIKR)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号55のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0041】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgttggagtctgggggaggcttggtacagcctggggggtccctgagactctcctgtgcagcctctggattcacctttagcagctataccatgtcttgggtgcgacaggcccctggacaagcgcttgagtggatgggaaccattagtagtcgtggtacttacacctactatccagacagtgtgaagggccgattcaccatctccagagacaacgccaagaactcactgtatctgcaaatgaacagcctgagagccgaggacacggctgtgtattactgtgcgagagaagctatctttactcactggggccgtggcaccctggtcaccgtctcctcaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgacatccagttgacccagtctccatcctccctgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcacttgcaaggcgagtcaggacattaataactatcacagctggtaccagcagaaacctggccaggctcccaggctcctcatctatcgtgcaaacagattggtcgatggggtcccagacaggttcagtggcagcgggtatggaacagattttaccctcacaattaataacatagaatctgaggatgctgcatattacttctgtctgaaatataatgtgtttccgtacacgttcggccaagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号57に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYTMSWVRQAPGQALEWMGTISSRGTYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREAIFTHWGRGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDINNYHSWYQQKPGQAPRLLIYRANRLVDGVPDRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCLKYNVFPYTFGQGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号57のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0042】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgttggagtctgggggaggcttggtacagcctggggggtccctgagactctcctgtgcagcctctggattcacctttagcagctataccatgtcttgggtgcgacaggcccctggacaagcgcttgagtggatgggaaccattagtagtggtggtacttacacctactatccagacagtgtgaagggccgattcaccatctccagagacaacgccaagaactcactgtatctgcaaatgaacagcctgagagccgaggacacggctgtgtattactgtgcgagagaagctatctttacttactggggccgtggcaccctggtcaccgtctcctcaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgacatccagttgacccagtctccatcctccctgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcacttgcaaggcgagtcaggacattaataactatttaagctggtaccagcagaaacctggccaggctcccaggctcctcatctatcgtgcaaacagattggtagatggggtcccagacaggttcagtggcagcgggtatggaacagattttaccctcacaattaataacatagaatctgaggatgctgcatattacttctgtctgaaatatgatgtgtttccgtacacgttcggccaagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号59に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYTMSWVRQAPGQALEWMGTISSGGTYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREAIFTYWGRGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDINNYLSWYQQKPGQAPRLLIYRANRLVDGVPDRFSGSGYGTDFTLTINNIESEDAAYYFCLKYDVFPYTFGQGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号59のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaagcgtgctgacacagcctagctccgtgtctgccgcccctggccagaaagtgaccatcagctgtagcggcagcaccagcaacatcggcaacaactacgtgtcctggtatcagcagcaccccggcaaggcccccaagctgatgatctacgacgtgtccaagcggcccagcggcgtgcccgatagattttccggcagcaagagcggcaacagcgccagcctggatatcagcggcctgcagtctgaggacgaggccgactactattgcgccgcctgggacgatagcctgagcgagttcctgtttggcaccggcaccaagctgacagtgctgggcggaggcggaggatctggcggcggaggaagtggcggagggggatctcaggtgcagctggtggaaagcggcggcaacctggtgcagcctggcggatctctgagactgagctgtgccgccagcggcttcaccttcggcagcttcagcatgagctgggtgcgccaggctcctgggggaggactggaatgggtggcaggactgagcgccagaagcagcctgacccactacgccgatagcgtgaagggccggttcaccatcagccgggacaacgccaagaacagcgtgtacctgcagatgaacagcctgcgggtggaagataccgccgtgtactactgcgccagacggtcctacgacagcagcggctactggggccacttctacagctacatggacgtgtggggccagggcaccctcgtgacagtgtct)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号61に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPSVLTQPSSVSAAPGQKVTISCSGSTSNIGNNYVSWYQQHPGKAPKLMIYDVSKRPSGVPDRFSGSKSGNSASLDISGLQSEDEADYYCAAWDDSLSEFLFGTGTKLTVLGGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVESGGNLVQPGGSLRLSCAASGFTFGSFSMSWVRQAPGGGLEWVAGLSARSSLTHYADSVKGRFTISRDNAKNSVYLQMNSLRVEDTAVYYCARRSYDSSGYWGHFYSYMDVWGQGTLVTVS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号61のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0044】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、GD2(hu3F8)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号62に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaagcatcgtgatgacccagacccccaagttcctgctggtgagcgccggcgacagggtgaccatcacctgcaaggccagccagagcgtgagcaacgacgtgacctggtaccagcagaaggccggccagagccccaagctgctgatctacagcgccagcaacaggtacagcggcgtgcccgacaggttcaccggcagcggctacggcaccgccttcaccttcaccatcagcaccgtgcaggccgaggacctggccgtgtacttctgccagcaggactacagcagcttcggcggcggcaccaagctggagatcaagagg)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、GD2(hu3F8)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号63に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPSIVMTQTPKFLLVSAGDRVTITCKASQSVSNDVTWYQQKAGQSPKLLIYSASNRYSGVPDRFTGSGYGTAFTFTISTVQAEDLAVYFCQQDYSSFGGGTKLEIKR)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号63のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0045】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、Her2(ハーセプチン)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号64に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatatccagatgacccagtccccgagctccctgtccgcctctgtgggcgatagggtcaccatcacctgccgtgccagtcaggatgtgaatactgctgtagcctggtatcaacagaaaccaggaaaagctccgaaactactgatttactcggcatccttcctctactctggagtcccttctcgcttctctggttccagatctgggacggatttcactctgaccatcagcagtctgcagccggaagacttcgcaacttattactgtcagcaacattatactactcctcccacgttcggacagggtaccaaggtggagatcaaaggcagtactagcggcggtggctccgggggcggatccggtgggggcggcagcagcgaggttcagctggtggagtctggcggtggcctggtgcagccagggggctcactccgtttgtcctgtgcagcttctggcttcaacattaaagacacctatatacactgggtgcgtcaggccccgggtaagggcctggaatgggttgcaaggatttatcctacgaatggttatactagatatgccgatagcgtcaagggccgtttcactataagcgcagacacatccaaaaacacagcctacctgcagatgaacagcctgcgtgctgaggacactgccgtctattattgttctagatggggaggggacggcttctatgctatggactactggggtcaaggaaccctggtcaccgtctcgagt)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、Her2(ハーセプチン)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号65に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVNTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSRSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQHYTTPPTFGQGTKVEIKGSTSGGGSGGGSGGGGSSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFNIKDTYIHWVRQAPGKGLEWVARIYPTNGYTRYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCSRWGGDGFYAMDYWGQGTLVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号65のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0046】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13R2a(hu08)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号66に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtccccctcttctctgtctgcctctgtgggcgacagagtgaccatcacctgtaaggccagtcaggatgtaggtactgctgtagcctggtatcagcagaagcctggcaaggctcccaagctgctgatctactcggcatcctaccggtccactggcgtgccttccagattctccggctctggctctggcaccgatttcaccctgaccatctcctccctccagcctgaggatttcgccacctactactgccagcaccattatagtgctccgtggacgtttggcggcggaacaaaggtggagatcaagggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaggtgcagctggtggagtctggcggcggactggtgcagcctggcggctctctgagactgtcttgtgccgcctccggcttcaccttcagtaggaatggcatgtcttgggtgaggcaggcccctggcaagggcctggagtgggtggccaccgttagtagtggtggtagttacatctactatgcagacagtgtgaaggggcggttcaccatctccagggacaacgccaagaactccctgtacctccagatgaactccctgagggccgaggataccgccgtgtactactgtgc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号67に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYC)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号67のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0047】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaggtgcagctggtggagtctggcggcggactggtgcagcctggcggctctctgagactgtcttgtgccgcctccggcttcaccttcagtaggaatggcatgtcttgggtgaggcaggcccctggcaagggcctggagtgggtggccaccgttagtagtggtggtagttacatctactatgcagacagtgtgaaggggcggttcaccatctccagggacaacgccaagaactccctgtacctccagatgaactccctgagggccgaggataccgccgtgtactactgtgccagacaagggactacggcactagctacgaggttcttcgatgtctggggccagggcaccctggtgaccgtgtcctctggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgacatccagatgacccagtccccctcttctctgtctgcctctgtgggcgacagagtgaccatcacctgtaaggccagtcaggatgtaggtactgctgtagcctggtatcagcagaagcctggcaaggctcccaagctgctgatctactcggcatcctaccggtccactggcgtgccttccagattctccggctctggctctggcaccgatttcaccctgaccatctcctccctccagcctgaggatttcgccacctactactgccagcaccattatagtgctccgtggacgtttggcggcggaacaaaggtggagatcaaggaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0049】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0050】
いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0051】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0052】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0053】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca)。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0054】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0055】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる(メソテリン(P4)scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtacagctgcagcagtcaggtccaggactcgtgacgccctcgcagaccctctcactcacctgtgccatctccggggacagtgtctctagcaacagtgctacttggaactggatcaggcagtccccatcgagaggccttgagtggctgggaaggacatactacaggtccaagtggtataacgactatgcagtatctgtgaaaagtcgaatgagcatcaacccagacacatccaagaaccagttctccctgcagctgaactctgtgactcccgaggacacggctgtgtattactgtgcaagaggaatgatgacttactattacggtatggacgtctggggccaagggaccacggtcaccgtctcctcaggaattctaggatcc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号85に示されるアミノ酸配列を含む(メソテリン(P4)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVTPSQTLSLTCAISGDSVSSNSATWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRMSINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCARGMMTYYYGMDVWGQGTTVTVSSGILGS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号85のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0056】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる(VAR2CSA(ID1-DBL2Xb)scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaagtctcacgaatgggtataagtgcgacaaatgcaaatcaggcacatcccggtccaaaaaaaaatggatctggaaaaagagcagcgggaatgaggagggcctgcaggaagaatacgctaacacaatcggactgccccctcgaactcaatctctgtaccttgggaacttgcctaaactggaaaacgtctgtgaagacgtcaaggacataaacttcgatacgaaagagaagttcctggctggatgccttatcgtgagctttcacgagggaaagaatctgaagaaaaggtacccacagaataaaaactctggcaataaagagaatttgtgcaaggccctggagtactcttttgcggactatggcgatctcataaagggcacaagcatctgggataatgagtataccaaggatctggagctgaatctgcagaataactttgggaaattgtttgggaagtatattaaaaaaaataataccgccgagcaggacacatcctactcttccctcgacgagctgcgggagtcatggtggaacaccaacaaaaagtatatctggacggcaatgaaacatggcgcggaaatgaatatcaccacttgtaatgcagacggctctgtcaccgggtccggttcttcttgcgatgatataccaaccatcgatttgattccgcagtatctgagatttctccaagagtgggtggaaaatttttgcgagcagaggcaagctaaggtcaaggacgtgatcaccaattgtaaaagttgcaaagaatcagggaacaagtgcaaaaccgagtgtaagacgaagtgcaaggacgaatgcgagaaatataaaaaattcatcgaggcttgtggaacagccgggggtgggattgggaccgcaggcagcccatggagcaagcggtgggaccaaatctataaacgatacagcaagcacatcgaagatgccaagcggaaccgcaaagctggcacaaaaaactgtgggactagcagcacgactaatgccgcggcaagcactgatgaaaataaatgcgtgcaaagtgacatcgactctttcttcaaacacctgatcgatatcggtcttactacgccaagcagctacctcagtaatgttctggatgataatatttgtggggcggacaaagcaccttggactacctacaccacctataccacaacagagaagtgtaataaagagagagacaaatcaaagtctcagagctctgatacactggtcgttgtgaatgtgccaagccctttggggaatacgccctacagatataaatac)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む(VAR2CSA(ID1-DBL2Xb)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPSLTNGYKCDKCKSGTSRSKKKWIWKKSSGNEEGLQEEYANTIGLPPRTQSLYLGNLPKLENVCEDVKDINFDTKEKFLAGCLIVSFHEGKNLKKRYPQNKNSGNKENLCKALEYSFADYGDLIKGTSIWDNEYTKDLELNLQNNFGKLFGKYIKKNNTAEQDTSYSSLDELRESWWNTNKKYIWTAMKHGAEMNITTCNADGSVTGSGSSCDDIPTIDLIPQYLRFLQEWVENFCEQRQAKVKDVITNCKSCKESGNKCKTECKTKCKDECEKYKKFIEACGTAGGGIGTAGSPWSKRWDQIYKRYSKHIEDAKRNRKAGTKNCGTSSTTNAAASTDENKCVQSDIDSFFKHLIDIGLTTPSSYLSNVLDDNICGADKAPWTTYTTYTTTEKCNKERDKSKSQSSDTLVVVNVPSPLGNTPYRYKY)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0057】
「スペーサー」は「リンカー」とも呼ばれ、この用語は、本明細書において一般的な通常の意味を有し、たとえば、軽鎖と重鎖の間に位置する残基が挙げられるが、これに限定されない。スペーサーは10~20アミノ酸長であってもよい(たとえば、少なくとも10アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20アミノ酸長もしくはこれら以上、またはこれらの長さのいずれか2つによって定義される範囲内の長さであってもよい)。柔軟なスペーサーは、scFvドメインを様々な方向に向けさせることができるため、抗原結合特異性を最適化することができる。scFvドメインよりも前にシグナルペプチドを配置することができ、これによって、産生されたタンパク質を小胞体へと誘導して表面発現させ、この結果、切断を起こすことができる。また、柔軟なスペーサーは、scFvドメインを様々な方向に向けさせることができることから、抗原への結合を容易にすることができる。scFvドメインの特異的結合を可能とする良好なスペーサーは、経験則に基づいて決定することができ、scFvの抗原認識ドメインに左右される。いくつかの実施形態において、リンカーは、標的細胞に対するscFvドメインの結合が向上するように最適化されたスペーサー長を有しており、これによって細胞傷害性が増強されうる。いくつかの実施形態において、scFvドメインと膜貫通ドメインの間のリンカーすなわちスペーサーの長さは、25~55アミノ酸長であってもよい(たとえば、25アミノ酸長、26アミノ酸長、27アミノ酸長、28アミノ酸長、29アミノ酸長、30アミノ酸長、31アミノ酸長、32アミノ酸長、33アミノ酸長、34アミノ酸長、35アミノ酸長、36アミノ酸長、37アミノ酸長、38アミノ酸長、39アミノ酸長、40アミノ酸長、41アミノ酸長、42アミノ酸長、43アミノ酸長、44アミノ酸長、45アミノ酸長、46アミノ酸長、47アミノ酸長、48アミノ酸長、49アミノ酸長、50アミノ酸長、51アミノ酸長、52アミノ酸長、53アミノ酸長、54アミノ酸長もしくは55アミノ酸長、もしくはこれら以上、またはこれらの長さのいずれか2つによって定義される範囲内の長さであってもよい)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる(IgG4-CH2(L235D、N297Q)のヌクレオチド配列:gcccccgagttcgacggcggacccagcgtgttcctgttcccccccaagcccaaggacaccctgatgatcagccggacccccgaggtgacctgcgtggtggtggacgtgagccaggaagatcccgaggtccagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcccagagaggaacagttccagagcacctaccgggtggtgtctgtgctgaccgtgctgcaccaggactggctgaacggcaaagaatacaagtgcaaggtgtccaacaagggcctgcccagcagcatcgaaaagaccatcagcaaggccaag)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号105に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4-CH2(L235D、N297Q)のアミノ酸配列:APEFDGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAK)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号105のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号106に示される核酸配列によってコードされる(IgG4-CH3のヌクレオチド配列:ggccagcctcgcgagccccaggtgtacaccctgcctccctcccaggaagagatgaccaagaaccaggtgtccctgacctgcctggtgaagggcttctaccccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaacggccagcctgagaacaactacaagaccacccctcccgtgctggacagcgacggcagcttcttcctgtacagccggctgaccgtggacaagagccggtggcaggaaggcaacgtctttagctgcagcgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagagcctgagcctgtccctgggcaag)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号107に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4 CH3のアミノ酸配列:GQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号107のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号108に示される核酸配列によってコードされる(CD8ヒンジ/膜貫通ドメインのヌクレオチド配列:gaatctaagtacggaccggccaagcctaccaccacccctgcccctagacctccaacacccgccccaacaatcgccagccagcctctgtctctgaggcccgaggcttgtagaccagctgctggcggagccgtgcacaccagaggactggatttcgcctgcgacatctacatctgggcccctctggccggcacatgtggcgtgctgctgctgagcctcgtgatcacc)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号109に示されるアミノ酸配列を含む(CD8ヒンジ/膜貫通ドメインのアミノ酸配列:ESKYGPAKPTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVIT)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号109のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0058】
本明細書において「膜貫通ドメイン」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、タンパク質の膜貫通領域が挙げられるが、これに限定されない。膜貫通ドメインは、単一のαヘリックス、膜貫通型βバレル、βヘリックスまたはその他の構造であってもよい。本発明の実施形態のいくつかにおいて、前記膜貫通ドメインはCD28tmを含む。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、配列番号110に示される配列によってコードされる(CD28の膜貫通ドメインのヌクレオチド配列:atgttctgggtgctggtggtggtcggaggcgtgctggcctgctacagcctgctggtcaccgtggccttcatcatcttttgggtg)。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、配列番号111に示されるアミノ酸配列を含む(CD28の膜貫通ドメインのアミノ酸配列:MFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWV)。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、配列番号111のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、配列番号112に示される配列によってコードされる(CD8ヒンジ/膜貫通ドメインのヌクレオチド配列:gaatctaagtacggaccggccaagcctaccaccacccctgcccctagacctccaacacccgccccaacaatcgccagccagcctctgtctctgaggcccgaggcttgtagaccagctgctggcggagccgtgcacaccagaggactggatttcgcctgcgacatctacatctgggcccctctggccggcacatgtggcgtgctgctgctgagcctcgtgatcacc)。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、配列番号113に示されるアミノ酸配列を含む(CD8ヒンジ/膜貫通ドメインのアミノ酸配列:ESKYGPAKPTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVIT)。いくつかの実施形態において、前記膜貫通ドメインは、配列番号113のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0059】
本明細書において「キメラサイトカイン受容体」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ケモカインまたはその一部のアミノ酸配列を有し、別のタンパク質と融合されたタンパク質が挙げられるが、これに限定されない。
【0060】
本明細書において「細胞内シグナル伝達ドメイン」または「共刺激ドメイン」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、TCR/CD3複合体のCD3ζ鎖などによって提供される一次シグナルに加えて、活性化、増殖、分化、サイトカイン分泌などの(ただしこれらに限定されない)T細胞応答を媒介するシグナルをT細胞に提供するシグナル伝達部分が挙げられるが、これに限定されない。共刺激ドメインとして、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3などの分子全体、またはCD83と特異的に結合するリガンド全体、またはこれらの一部が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、共刺激ドメインは、他の細胞内メディエーターと相互作用することによって、活性化、増殖、分化、サイトカイン分泌などの細胞応答を媒介する細胞内シグナル伝達ドメインである。本明細書に記載のシグナル伝達ドメインの実施形態のいくつかにおいて、該シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞内ドメイン、CD28細胞内ドメイン、および/または4-1BBを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号114に示される核酸配列によってコードされる(CD3ζのヌクレオチド配列:cgggtgaagttcagcagaagcgccgacgcccctgcctaccagcagggccagaatcagctgtacaacgagctgaacctgggcagaagggaagagtacgacgtcctggataagcggagaggccgggaccctgagatgggcggcaagcctcggcggaagaacccccaggaaggcctgtataacgaactgcagaaagacaagatggccgaggcctacagcgagatcggcatgaagggcgagcggaggcggggcaagggccacgacggcctgtatcagggcctgtccaccgccaccaaggatacctacgacgccctgcacatgcaggccctgcccccaagg)。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号115に示されるアミノ酸配列を含む(CD3ζのアミノ酸配列:RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR)。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号115のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号116に示される核酸配列によってコードされる(4-1BBのヌクレオチド配列:aaacggggcagaaagaaactcctgtatatattcaaacaaccatttatgagaccagtacaaactactcaagaggaagatggctgtagctgccgatttccagaagaagaagaaggaggatgtgaactg)。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号117に示されるアミノ酸配列を含む(4-1BBのアミノ酸配列:KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL)。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号117のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号118に示される配列によってコードされる(CD28の細胞内ドメインのヌクレオチド配列:cgcagcaagcggagcagaggcggccacagcgactacatgaacatgacccctagacggcctggccccaccagaaagcactaccagccctacgcccctccccgggactttgccgcctacagaagc)。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号119に示されるアミノ酸配列を含む(CD28の細胞内ドメインのアミノ酸配列:RSKRSRGGHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS)。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号119のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0061】
本明細書において「核酸」または「核酸分子」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により得られる断片、ならびにライゲーション、切断、エンドヌクレアーゼ作用およびエキソヌクレアーゼ作用のいずれかにより得られる断片などが挙げられるが、これらに限定されない。核酸分子は、天然のヌクレオチドモノマー(DNA、RNAなど)、または天然のヌクレオチドの類似体(たとえば、天然のヌクレオチドのエナンチオマー)からなるモノマー、またはこれらの組み合わせから構成されていてもよい。修飾ヌクレオチドは、糖部分および/またはピリミジン塩基部分もしくはプリン塩基部分に修飾を有していてもよい。糖部分の修飾としては、たとえば、ハロゲン、アルキル基、アミンおよびアジド基による1つ以上のヒドロキシル基の置換が挙げられ、糖部分はエーテル化またはエステル化されていてもよい。さらに、糖部分全体が、立体構造的に類似の構造や電子的に類似の構造と置換されていてもよく、このような構造として、たとえば、アザ糖および炭素環式糖類似体が挙げられる。修飾塩基部分としては、アルキル化プリン、アルキル化ピリミジン、アシル化プリン、アシル化ピリミジン、およびその他の公知の複素環置換基が挙げられる。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合またはこれと似た結合により連結することができる。ホスホジエステル結合と似た結合としては、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロセレノエート結合、ホスホロジセレノエート結合、ホスホロアニロチオエート(phosphoroanilothioate)結合、ホスホロアニリデート(phosphoranilidate)結合、ホスホロアミデート結合などが挙げられる。「核酸分子」は、いわゆる「ペプチド核酸」も包含し、これは、ポリアミド主鎖に付加された天然の核酸塩基または修飾核酸塩基を含む。核酸は、一本鎖であってもよく、二本鎖であってもよい。
【0062】
本明細書において「DNAスペーサー」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ヌクレオチドを含むスペーサーが挙げられるが、これに限定されない。DNAスペーサーは、たとえば、プロモーターと、該プロモーターの制御下にある発現対象の遺伝子の間に位置していてもよい。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。本明細書において「コードする」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、遺伝子、cDNA、mRNAなどのポリヌクレオチド中の特定のヌクレオチド配列が、所定のアミノ酸配列などの別の巨大分子を合成するためのテンプレートとして機能する特性が挙げられるが、これに限定されない。したがって、特定の遺伝子に対応するmRNAが転写および翻訳されて、細胞またはその他の生物系においてタンパク質が産生された場合、その遺伝子はこのタンパク質をコードすると言える。「ポリペプチドをコードする核酸配列」としては、同じアミノ酸配列をコードするあらゆる縮重ヌクレオチド配列が含まれる。
【0063】
「サバイビン」は、baculoviral inhibitor of apoptosis repeat-containing 5(BIRC5)としても知られている。本明細書において「サバイビン」という用語は、一般的な通常の意味を有し、アポトーシスファミリー阻害薬のメンバーであるタンパク質が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0064】
本明細書において「条件的」または「誘導可能」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、誘導因子の存在下で遺伝子を発現させるが、誘導因子の非存在下では実質的に遺伝子を発現させないプロモーターなどの核酸構築物が挙げられるが、これに限定されない。
【0065】
本明細書において「構成的」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、継続的に産生されるポリペプチドを構成的に発現させるプロモーターなどの核酸構築物が挙げられるが、これに限定されない。
【0066】
本明細書において「特異的」または「特異性」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、結合パートナーに対するリガンドの特性、またはリガンドに対する結合パートナーの特性を指してもよく、たとえば、相補的形状、静電結合に関与する特異性および疎水性結合に関与する特異性が挙げられるが、これらに限定されない。結合に関与する特異性としては、立体特異性、領域選択性、および化学選択性が挙げられる。いくつかの実施形態において、キメラ抗原受容体をコードする核酸を作製する方法であって、所望または選択されたリガンドに特異的に結合するキメラ抗原受容体をコードする核酸を作製する方法を提供する。
【0067】
本明細書において「TamR-tf」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、タモキシフェンにより制御される転写因子が挙げられるが、これに限定されない。タモキシフェンより制御される転写因子しては、野生型HEA3、野生型HEA4、変異型HEA3、変異型HEA4および/またはRelAバリアントを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0068】
本明細書において「HEA3」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ヒト由来サブユニットを含むキメラ転写因子であって、肝細胞核因子1-α(HNF-1α)のN末端DNA結合ドメインが、1個のアミノ酸置換(G521R)を含むエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来タモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインにインフレームで融合され、このタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインがさらにNF-κBのp65活性化ドメイン(p65)に融合されており、前記アミノ酸置換が、エストラジオールの結合を抑制するが、エストロゲン類似体に対してはナノモルレベルでの感受性を付与することを特徴とするキメラ転写因子が挙げられるが、これに限定されない。
【0069】
HEA3は、Roscilliら(Molecular Therapy, Vol. 6, Issue 5,pp. 653-663 (2002))によって、新規な4-ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)依存性制御因子として報告されており、マウス骨格筋において遺伝子発現を長期にわたって制御することが示されている(Roscilli et al.;参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0070】
本明細書において「HEA4」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ヒト由来サブユニットを含むキメラ転写因子であって、肝細胞核因子1-α(HNF-1α)のN末端DNA結合ドメインが、3個のアミノ酸置換(G400V、M543A、L544A)を含むエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来タモキシフェン特異的リガンド結合ドメインにインフレームで融合され、このタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインがさらにNF-κBのp65活性化ドメイン(p65)に融合されており、前記アミノ酸置換が、エストラジオールの結合を抑制するが、エストロゲン類似体に対してはナノモルレベルでの感受性を付与することを特徴とするキメラ転写因子が挙げられるが、これに限定されない。
【0071】
本明細書において「制御」または「調節」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、生物学的プロセスを制御すること、または生物学的プロセス、生物学的経路、細胞プロセスもしくは細胞経路を改変もしくは制御することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書において「細胞傷害性Tリンパ球」(CTL)という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、表面上にCD8を発現するTリンパ球(たとえばCD8+T細胞)が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、そのような細胞は、抗原を経験したことのある「メモリー」T細胞(TM細胞)であることが好ましい。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される実施形態によるシステムを含む宿主細胞はCTL細胞である。
【0073】
本明細書において「セントラルメモリー」T細胞(または「TCM」)という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、抗原を経験したCTLであり、ナイーブ細胞と比較して、その表面上にCD62L、CCR-7、および/またはCD45ROを発現するが、CD45RAは発現していないか、CD45RAの発現が低下しているCTLが挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、セントラルメモリー細胞は、ナイーブ細胞と比較して、CD62L、CCR7、CD28、CD127、CD45RO、および/またはCD95の発現が陽性であるが、CD54RAの発現が低下していることがある。本明細書において「エフェクターメモリー」T細胞(または「TEM」)は、抗原を経験したT細胞であり、セントラルメモリー細胞と比較して、その表面上にCD62Lを発現していないか、CD62Lの発現が低下しており、ナイーブ細胞と比較して、CD45RAを発現していないか、CD45RAの発現が低下しているT細胞を指す。いくつかの実施形態において、エフェクターメモリー細胞は、ナイーブ細胞またはセントラルメモリー細胞と比較して、CD62Lおよび/またはCCR7の発現が陰性であり、CD28および/またはCD45RAの発現が陽性または陰性である。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される実施形態によるシステムを含む宿主細胞はTCM細胞である。本明細書において提供される宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞はセントラルメモリーT細胞である。
【0074】
本明細書において「ナイーブ」T細胞という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、抗原を経験していないTリンパ球であり、セントラルメモリー細胞またはエフェクターメモリー細胞と比較して、CD62Lおよび/またはCD45RAを発現しており、CD45ROを発現していないTリンパ球が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、ナイーブCD8+Tリンパ球は、ナイーブT細胞の表現型マーカーの発現によって特徴付けられ、ナイーブT細胞の表現型マーカーとしては、CD62L、CCR7、CD28、CD127、および/またはCD45RAが挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される実施形態によるシステムを含む宿主細胞はナイーブT細胞である。
【0075】
本明細書において「エフェクター」T細胞または「TE」T細胞という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、抗原を経験した細胞傷害性Tリンパ球であり、セントラルメモリー細胞またはナイーブT細胞と比較して、CD62L、CCR7、および/もしくはCD28を発現していないか、またはCD62L、CCR7、および/もしくはCD28の発現が低下しており、かつグランザイムB陽性および/またはパーフォリンが陽性であるTリンパ球が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される実施形態によるシステムを含む宿主細胞はエフェクターT細胞である。
【0076】
本明細書において「濃縮された」および「除去された」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、混合物中の特定の種類の細胞の量を指す場合に使用され、「濃縮される」種類の細胞の数を増加させる方法もしくは工程、または「除去する」細胞の数を減少させる方法もしくは工程で処理された細胞混合物が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、濃縮工程で処理する細胞の由来に応じ、混合物または組成物中において「濃縮された」細胞が(細胞数)全体の60%、70%、80%、90%、95%、99%もしくはそれ以上を占めていてもよく、かつ/または「除去された」細胞が(細胞数)全体の40%、30%、20%、10%、5%、1%もしくはそれ以下を占めていてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞をインビトロで作製する方法を提供する。このインビトロにおける方法は、a)本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを提供すること;およびb)単離されたTリンパ球集団に前記システムを導入し、各Tリンパ球集団をインビトロで増殖させることを含む。各Tリンパ球集団を増殖させるこの方法は、Tリンパ球集団を濃縮する方法である。
【0077】
本明細書において「エピトープ」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、抗体、T細胞および/またはB細胞を含む免疫系によって認識される抗原または分子の一部が挙げられるが、これらに限定されない。エピトープは、通常、少なくとも7個のアミノ酸を有し、線状であってもよく、高次構造を有していてもよい。本発明の実施形態のいくつかにおいて、抗体またはリガンド結合ドメインは、特定のエピトープに結合するように最適化することができる。当業者であれば、結合を最適化する技術を容易に理解できるであろう。たとえば、リガンド結合モチーフは、結合親和性および/またはエピトープの認識が向上するように、点突然変異によって最適化することができる。
【0078】
本明細書において「単離された」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ポリペプチドまたは核酸が本来存在する環境にある他の成分から同定、分離かつ/または回収された様々なポリペプチドまたは核酸が挙げられるが、これらに限定されない。単離されたポリペプチドまたは核酸は、これらが本来関連する他の成分を全く含まないことが好ましい。単離されたポリペプチドまたは核酸が本来存在する環境にある不純物は、通常、該ポリペプチドまたは核酸の診断用途または治療用途を妨害する物質であり、たとえば、酵素、ホルモンおよびその他のタンパク質性の溶質または非タンパク質性の溶質が挙げられる。「単離された」という用語は、細胞の亜集団の単離について述べる場合にも使用することができ、たとえば、特定の用途のための細胞を作製する方法におけるCD4+Tリンパ球亜集団および/またはCD8+Tリンパ球亜集団の単離について述べる場合にも使用することができる。
【0079】
本明細書において「細胞内シグナル伝達ドメイン」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、リンパ球を活性化する分子(本明細書ではキメラ受容体分子)の1つ以上のドメイン全体またはその一部が挙げられるが、これらに限定されない。このような分子の細胞内ドメインは、細胞メディエーターと相互作用することによってシグナルを媒介し、増殖、分化、活性化、およびその他のエフェクター機能をもたらす。いくつかの実施形態において、このような分子として、CD28、CD3、もしくは4-1BBの全体もしくはその一部、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0080】
本明細書において「リガンド」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、別の物質と特異的に結合して複合体を形成する物質が挙げられるが、これに限定されない。リガンドとしては、抗原上のエピトープ、受容体に結合する分子、基質、阻害物質、ホルモン、および/または活性化物質が挙げられる。本明細書において「リガンド結合ドメイン」は、リガンドに結合する物質またはその一部を指す。リガンド結合ドメインとしては、抗体の抗原結合部分、受容体の細胞外ドメイン、および/または酵素の活性部位が挙げられる。本明細書において「作動可能に連結される」は、制御配列と異種核酸配列の間の機能的な連結を指し、これによって該異種核酸配列の発現が可能となる。たとえば、第1の核酸配列と第2の核酸配列が、機能的に関連して配置されている場合、該第1の核酸配列と該第2の核酸配列は、作動可能に連結されていると言える。たとえば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合、該プロモーターは該コード配列に作動可能に連結されていると言える。通常、作動可能に連結されるDNA配列は連続しており、2つのタンパク質のコード領域を連結することが必要とされる場合、これらは同じリーディングフレーム内に存在する。
【0081】
本明細書において「腫瘍特異的分子」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、腫瘍によって発現され、腫瘍に典型的な抗原、タンパク質または分子が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、またはこれらの組み合わせである。
【0082】
本明細書において「ウイルス分子」または「ウイルス特異的分子」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ウイルスのRNAもしくはDNAによってコードされるタンパク質、またはウイルス感染に応答して細胞によって発現される分子が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。
【0083】
本明細書に記載のキメラ受容体ポリペプチド配列における「アミノ酸配列同一性(%)」は、リガンド結合ドメイン、スペーサー、膜貫通ドメイン、および/またはリンパ球活性化ドメインの候補配列中のアミノ酸残基が、それぞれの参照配列中のアミノ酸残基と一致しているパーセンテージとして定義される。このアミノ酸配列同一性は、配列同一性(%)の最大値を算出するため、配列をアラインし、必要に応じてギャップを挿入した後に算出されたものであり、保存的置換は配列同一性の一部として考慮していない。アミノ酸配列同一性(%)を決定するためのアラインメントは、当技術分野の範囲に含まれる様々な方法で行うことができ、たとえば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2、Megalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの一般公開されているコンピュータソフトウェアを使用して行うことができる。当業者であれば、アラインメントを測定するのに適切なパラメータを決定することができ、このようなパラメータとしては、比較される複数の配列の全長にわたってアラインメントを最大とするのに必要な任意のアルゴリズムが挙げられる。たとえば、WU-BLAST-2コンピュータープログラム[Altschul et al., Methods in Enzymology, 266:460-480 (1996)(参照により本明細書に援用される)]を用いてアミノ酸配列同一性(%)を算出するには、いくつかの検索パラメータを用いるが、それらのほとんどはデフォルト値に設定されている。デフォルト値に設定されないパラメータ(すなわち調整可能なパラメータ)は、overlap span=1、overlap fraction=0.125、word threshold (T) =11およびscoring matrix=BLOSUM62に設定される。アミノ酸配列同一性(%)は、(a)参照キメラ受容体配列のポリペプチドアミノ酸配列のすべてまたは各配列と比較対象の目的のアミノ酸配列との間で一致したアミノ酸残基の数をWU-BLAST-2で決定し、次いで(b)目的のポリペプチドのアミノ酸残基の総数で割ることによって決定される。いくつかの実施形態において、アミノ酸の配列同一性(%)または核酸の配列同一性(%)は、コンピュータソフトウェアによって決定される。
【0084】
「実質的に精製された」は、目的の分子以外の他の分子や他の細胞が全体の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ以下しか存在しないことを指す。また、「実質的に精製された細胞」は、天然の状態において通常関連する他の種類の細胞から分離された細胞を指す。場合によっては、実質的に精製された細胞の集団は、均質な細胞集団を指す。
【0085】
正常細胞上の腫瘍抗原またはその他の分子の存在について述べる際に使用される「実質的に存在しない」という用語は、腫瘍抗原またはその他の分子を有する正常細胞のパーセンテージおよび/または正常細胞上の腫瘍抗原の密度を指す。いくつかの実施形態において、「実質的に存在しない」は、腫瘍抗原またはその他の分子が、腫瘍細胞またはその他の病変細胞と比較して、正常細胞の50%未満にしか見られず、かつ/または正常細胞上のその密度が50%未満であることを意味する。
【0086】
本明細書において「T細胞」または「Tリンパ球」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、任意の哺乳動物から得られたT細胞が挙げられ、サル、イヌおよび/またはヒトなどの霊長類から得られたT細胞であることが好ましいが、これらに限定されない。本明細書において提供される宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞はT細胞であり、該T細胞はレシピエント対象と同種(同種であるが異なるドナーに由来するもの)である。いくつかの実施形態においては、前記T細胞は自己由来である(ドナーとレシピエントは同じである)。いくつかの実施形態において、前記T細胞は同系である(ドナーとレシピエントは異なるが、一卵性双生児である)。
【0087】
本明細書において「ベクター」または「構築物」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、様々な制御因子を含む細胞中に異種核酸を導入して、該細胞において該異種核酸を発現させるために使用される核酸が挙げられるが、これに限定されない。ベクターとしては、プラスミド、ミニサークル、酵母、トランスポゾンおよびウイルスゲノムが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、前記ベクターは、プラスミド、ミニサークル、酵母、トランスポゾン、またはウイルスゲノムである。いくつかの実施形態において、前記トランスポゾンは、PiggyBacトランスポゾンである。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸および/または第2の核酸は、ベクターに組み込まれている。いくつかの実施形態において、前記ベクターはウイルスベクターである。
【0088】
本明細書において「導入遺伝子」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ある生物から別の生物に自然に移入された遺伝子もしくは遺伝物質、または遺伝子工学的手法によって、ある生物から別の生物に移入された遺伝子または遺伝物質が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、細胞において導入遺伝子の発現を誘導可能な方法であって、
a)導入遺伝子をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする方法を提供する。
いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、T細胞を調節するタンパク質をコードする。
【0089】
ウイルスベクターを使用して、遺伝物質を細胞内に送達することができる。ベクターの送達は、形質導入によって行うことができ、この技術は当業者に公知である。本発明の実施形態のいくつかにおいて、核酸を細胞に導入するために使用されるベクターは、アデノウイルス系ベクターまたはレンチウイルス系ベクターである。
【0090】
本明細書において「ミニサークル」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、原核生物のベクター部分から切り出された環状の小さなプラスミド誘導体が挙げられるが、これに限定されない。ミニサークルは、発現ベクターとして機能することができ、哺乳動物細胞を遺伝子操作するための遺伝子導入担体として使用されている。ミニサークルは、細菌性DNA配列を含んでいないことから、異物として認識される可能性が少なく、破壊されにくいという利点を有する。したがって、一般的な導入遺伝子の送達方法では、外来DNAを含むプラスミドが使用される。ミニサークルのサイズが小さいほどクローニング能力が向上し、ミニサークルを細胞に送達することが容易になる。本発明をなんら限定するものではないが、ミニサークルの作製は2工程で行うことができ、元となるプラスミド(真核生物由来のインサートを含む細菌性プラスミド)を大腸菌において作製する工程と、この工程の終了後、該大腸菌内において部位特異的リコンビナーゼを誘導する工程とを含んでいてもよい。これらの工程の後、前記インサートの両端に位置する2つのリコンビナーゼ標的配列を利用して、原核生物ベクターに由来する部分を切り取り、得られたミニサークル(レシピエント細胞を非常に有効に遺伝子組換えできる媒体)およびミニプラスミドをキャピラリーゲル電気泳動(CGE)により回収する。
【0091】
精製されたミニサークルは、トランスフェクション、エレクトロポレーションまたは当業者に知られているその他の方法により、レシピエント細胞に移入可能である。従来のミニサークルは複製起点を欠いているため、標的細胞内で自己複製できず、コードされた遺伝子は細胞が分裂すると消失する(このことは、持続性発現を必要とする用途であるか、あるいは一過性発現を必要とする用途であるかによって、有利とも不利ともなりうる)。いくつかの実施形態においては、遺伝子に核酸を安定に挿入するための遺伝子送達ポリヌクレオチドであって、該遺伝子送達ポリヌクレオチド内において、挿入される核酸が逆方向末端反復遺伝子配列に挟まれていること、および該遺伝子送達ポリヌクレオチドが選択可能であることを特徴とする遺伝子送達ポリヌクレオチドを使用する。いくつかの実施形態においては、前記遺伝子送達ポリヌクレオチドはミニサークルである。
【0092】
Sleeping Beauty(SB)やPiggyBacなどのトランスポゾンシステムを含むプラスミドは、ウイルスを使用せずに遺伝子をT細胞に安定に導入するためアプローチを提供する。近年、PiggyBacシステムを使用して複数のトランスポゾンを送達することによって、複数の目的の導入遺伝子を発現する安定にトランスフェクトされた哺乳動物細胞が作製された。哺乳動物細胞における使用を当初の目的としてIvicsおよび共同研究者らによって再び使われ始めたSBシステムは、T細胞免疫療法の臨床試験において遺伝子送達法として使用されてきた。SBを使用した遺伝子組み込みは、転写単位およびそれらの制御配列に対する選択性が、γ-レトロウイルスやレンチウイルスベクターよりも弱く、したがって、これらのウイルスよりも安全であると考えられる。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、Sleeping Beautyシステムを含むミニサークルによる遺伝子組換えが想定される。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、PiggyBacシステムを含むミニサークルによる遺伝子組換えが想定される。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、Sleeping Beautyシステムを含むミニサークルによる遺伝子組換えが想定される。
【0093】
本明細書において「アポトーシス」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、多細胞生物において起こりうるプログラム細胞死(PCD)のプロセスが挙げられるが、これに限定されない。生化学的事象によって、特徴的な細胞変化(形態変化)および細胞死が引き起こされる。このような変化としては、ブレブ形成、細胞収縮、核断片化、クロマチン凝集、および染色体のDNA断片化が挙げられる。アポトーシスにおいては、細胞がストレスに反応して細胞内アポトーシスシグナル伝達を開始し、これによって細胞の自殺が引き起こされる。グルココルチコイドの核受容体への結合、熱、放射線、栄養不足、ウイルス感染、低酸素状態、および、たとえば細胞膜の損傷などによる細胞内カルシウム濃度の増加はいずれも細胞に損傷を与え、細胞内アポトーシスシグナルの放出を誘起しうる。ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼなどの細胞内成分のいくつかもアポトーシスの制御を補助しうる。
【0094】
酵素によって細胞死が実際に起こるには、アポトーシスシグナルの誘導によって制御タンパク質がアポトーシス経路を開始する必要がある。アポトーシスシグナルは、このようなプロセスにより細胞死を引き起こすが、細胞死が必要でなくなった場合は、このプロセスは停止する。アポトーシスにはいくつかのタンパク質が関与しているが、主に2種の制御方法が同定されている。一つは、ミトコンドリアの機能を標的とする方法であり、もう一つは、アダプタータンパク質を介してアポトーシス機構にアポトーシスシグナルを直接的に伝達する方法である。いくつかの毒素研究において、アポトーシスを開始させるための別の外因性経路が同定されており、薬物の活性により細胞内カルシウム濃度を増加させることによって、カルシウム結合プロテアーゼであるカルパインを介してアポトーシスが起こる。
【0095】
アポトーシスは、様々な因子によって制御されうる。これらの因子として、IL-2を発現可能な遺伝子、IL-7を発現可能な遺伝子、IL-15を発現可能な遺伝子、ケモカイン受容体を発現可能な遺伝子、Bcl2を発現可能な遺伝子、CA-Aktを発現可能な遺伝子、dn-TGFβRIIIを発現可能な遺伝子、dn-SHP1/2を発現可能な遺伝子、および/またはPD-1 CD28キメラを発現可能な遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。IL-15は、T細胞およびナチュラルキラー細胞の活性化および増殖を制御する。齧歯類のリンパ球において、IL-15は、アポトーシスの阻害因子であるBCL2L1/BCL-X(L)を誘導することによって、アポトーシスを抑制することが示された。同様に、セリアック病患者において、IL-15はBcl-2および/またはBCL-xLを誘導することによって、Tリンパ球のアポトーシスを抑制する。ヒトではBCL2遺伝子によってコードされるBcl-2(B細胞リンパ腫2)は、制御タンパク質であるBcl-2ファミリーのメンバーとして最初に見出されたタンパク質であり、Bcl-2ファミリーは、細胞死(アポトーシス)の誘導(プロアポトーシス)または抑制(抗アポトーシス)によって細胞死(アポトーシス)を制御する。特に、Bcl-2は重要な抗アポトーシスタンパク質として考えられており、がん遺伝子として分類されている。Aktとしても知られているプロテインキナーゼB(PKB)は、グルコース代謝、アポトーシス、細胞増殖、転写、細胞遊走などの様々な細胞プロセスにおいて重要な役割を果たしているセリン/トレオニン特異的プロテインキナーゼである。
いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムであって、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量の前記薬物に応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とするシステムを提供する。
いくつかの実施形態において、アポトーシスの制御またはチェックポイントシグナル伝達の制御を担う前記ポリペプチドは、IL-2、IL-7、IL-15、ケモカイン受容体、Bcl2、CA-Akt、dn-TGFβRIII、dn-SHP1/2またはPD-1-CD28キメラを含む。
【0096】
本明細書において「チェックポイントシグナル伝達」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、特定の移行点における細胞周期の遮断、および/または細胞周期イベントが正確な順序で起こるようにするための各周期における監視が挙げられるが、これらに限定されない。チェックポイントシグナル伝達は、活性化することもできる。たとえば、チェックポイントシグナル伝達はDNAの損傷によって誘導され、その損傷が修復されるまで細胞周期は進行しない(ただし、チェックポイントシグナル伝達の機能はこれに限定されない)。「細胞周期チェックポイント」は、真核細胞において細胞を適切に分裂させる制御機構である。それぞれの細胞周期では細胞の状態が評価され、各チェックポイントにおいて細胞周期が停止されうるが、細胞の状態が良好である場合は細胞周期が次々に進行する。現在、3種のチェックポイントが知られており、制限チェックポイントまたは開始チェックポイントとしても知られているG1チェックポイント;G2/Mチェックポイント;およびスピンドルチェックポイントとしても知られている中期チェックポイントがある。ストレスを受けた後に細胞周期の移行を制限し、かつ/または細胞死を誘導する生化学的経路は、細胞周期チェックポイントとして知られている。これらのチェックポイントは、DNAの複製、修復、および分裂の正確性を維持する。チェックポイントシグナル伝達を制御することができるポリペプチドとしては、p53、p107、p130、および転写抑制因子Rbが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において提供されるシステムの実施形態のいくつかにおいて、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記ポリペプチドは、p53、p107、p130または転写抑制因子Rbを含む。
【0097】
本明細書において「負のチェックポイント制御因子」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、腫瘍を効果的に攻撃するT細胞応答を制限することができる因子が挙げられるが、これに限定されない。「負のチェックポイント制御因子」は、「負のチェックポイントシグナル伝達」とも呼ばれる。いくつかの実施形態において、導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記ポリペプチドは、PD-1、VISTA、LAG-3またはTIM3を含む負のチェックポイント制御因子である。いくつかの実施形態において、前記システムは、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であるか、または野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上している。
【0098】
別の例においては、シグナル伝達経路の上流において増殖抑制刺激を媒介する細胞周期阻害因子であるCip/Kipファミリーに属するサイクリン-CDK阻害因子p21Cip1、p27Kip1およびp57Kip2が、細胞周期の制御以外の機能も備えた多機能タンパク質として見出されている。Cip/Kipタンパク質は、細胞周期の制御に加えて、アポトーシス、転写制御、細胞の運命決定、細胞遊走、および細胞骨格動態において重要な役割を果たしうる。複雑なリン酸化ネットワークがCip/Kipタンパク質の細胞内局在、タンパク質-タンパク相互作用および安定性を様々に変化させることによって、Cip/Kipタンパク質の機能を調節している。このような機能は、胚発生から腫瘍抑制にまで及ぶプロセスにおいて、正常細胞の維持および組織のホメオスタシスの維持に不可欠である。いくつかの実施形態において、導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムの実施形態のいくつかにおいて、前記ポリペプチドはチェックポイントシグナル伝達を調節する。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記ポリペプチドは、負のチェックポイント制御因子を抑制する。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。
【0099】
本明細書において「T細胞前駆細胞」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、胸腺へと遊走して、T細胞前駆細胞となることができ、T細胞受容体を発現していないリンパ球前駆細胞が挙げられるが、これに限定されない。すべてのT細胞は、骨髄中の造血幹細胞に由来する。造血幹細胞由来の造血前駆細胞(リンパ球系前駆細胞)は胸腺に移行し、細胞分裂により増殖し、未熟な胸腺細胞の大集団を作り出す。最も初期の胸腺細胞はCD4もCD8も発現せず、したがって、ダブルネガティブ(CD4-CD8-)細胞に分類される。これらは成長により発達し、ダブルポジティブ胸腺細胞(CD4+CD8+)となり、最終的にシングルポジティブ(CD4+CD8-またはCD4-CD8+)胸腺細胞に成熟して、その後、胸腺から末梢組織に放出される。
【0100】
胸腺細胞の約98%は、胸腺での発達過程においてポジティブ選択およびネガティブ選択により選抜されずに死滅し、残りの2%が生存して胸腺を去り、成熟した免疫担当T細胞になる。
【0101】
T細胞前駆細胞は、ダブルネガティブ(DN)段階においては主に機能的β鎖を産生し、ダブルポジティブ(DP)段階では主に機能的α鎖を産生し、その結果、最終的に機能性αβ T細胞受容体を産生する。4つのDN段階(DN1、DN2、DN3およびDN4)を経て胸腺細胞が発達するに従って、T細胞はインバリアントα鎖を発現するが、β鎖の遺伝子は再編成される。再編成されたβ鎖がインバリアントα鎖と対を為すことに成功した場合、β鎖の再編成を止めるシグナルが産生され(さらに、もう一方のアレルが抑制され)、細胞の増殖が起こる。これらのシグナルが産生されるには、この前駆TCRが細胞表面上に発現されていなければならないが、これらのシグナル自体は前駆TCRに結合するリガンドに依存する。このように発達した胸腺細胞はその後、CD4およびCD8の両方を発現し、α鎖が選択されるダブルポジティブ(DP)段階を経る。再編成β鎖がシグナル伝達を全くもたらさない場合(たとえば、インバリアントα鎖との対合ができなかった結果)、この細胞は無視され(シグナル伝達を受けることなく)、死滅すると考えられている。
【0102】
本明細書において「造血幹細胞」または「HSC」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、マクロファージ、単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球/血小板、樹状細胞、リンパ系細胞(たとえば、T細胞、B細胞、NK細胞など)などの骨髄系細胞に分化することができる前駆細胞が挙げられるが、これらに限定されない。HSCは3種の幹細胞が存在する異種細胞集団であり、これらの幹細胞は血液中のリンパ系子孫細胞と骨髄系子孫細胞との比率(L/M)により区別される。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む宿主細胞を提供する。本明細書において提供される宿主細胞の実施形態のいくつかにおいて、該宿主細胞は造血幹細胞である。
【0103】
本開示は、導入遺伝子の発現のための誘導可能な因子、および導入遺伝子の発現のための構成的因子を有するシステムを提供する。このシステムは、形質導入された細胞に機能的特性を付与するための1つ以上の導入遺伝子の発現が制御されるように調整することができる。
【0104】
T細胞(CAR-T)養子療法(キメラ抗原受容体を発現するT細胞)は、臨床試験において強力な抗腫瘍活性が示されているものの、顕著な毒性も認められている。たとえば、移植細胞により誘導されたサイトカインストーム(サイトカイン放出症候群)、腫瘍崩壊症候群(TLS)、および慢性的なB細胞の減少が起こることがあり、これらはいずれも構成的に発現されたCARが非制御下にその機能を発揮していることに起因する。そのような毒性によって、患者の一部では、CAR-T細胞を用いた養子療法の適用範囲が制限されることがある。導入遺伝子により改変した養子T細胞免疫療法を用いた臨床試験では、導入遺伝子を構成的に発現することができるT細胞が検討されており、このような導入遺伝子は常に「オン」の状態であり、導入遺伝子に関連する副作用の大部分に寄与している。たとえば、自殺遺伝子を使用したCAR-T細胞の排除などによるCAR-T細胞の排除方法によって、そのような毒性を低減することができるが、このアプローチは、抗腫瘍活性が十分に発揮される前にこれを低減させてしまう恐れがあり、治療有効性にもかなりの影響を与えうる。
【0105】
小分子により導入遺伝子の発現を制御する現在の技術は、マクロライド系抗生物質、エクジソン、ラパマイシン類似体などの様々な薬物による効果に依存するものである。しかし、このような薬物は、毒性のオフターゲット効果、望ましくない生体内分布および薬物動態プロファイル、狭い作動域、ならびに/またはFDA認可の市販医薬品であることによる入手制限などによって使用が制限されうる。さらに、このようなシステムの多くは、異種部分から構築されたキメラ転写制御因子を使用するため、このシステムをヒトの治療に使用すると、免疫性の合併症が引き起こされる。
【0106】
小分子によって制御される導入遺伝子の発現は、生体臨床医学、特にCAR T細胞免疫療法において非常に需要の高い技術である。これと競合するシステムでは、一般に、異種ドメインから構成されたキメラ転写因子と現在FDA未認可の誘導薬物が使用されている。
【0107】
したがって、キメラ抗原受容体の発現を誘導する薬物の有害な副作用を最小限に抑えつつ、インビボにおける生存および有効性が向上された細胞集団および治療活性に重要なキメラ受容体の発現を制御する方法を特定することが必要とされている。さらに、治療活性の向上、インビボでの生存および/もしくは有効性の向上、ならびに/または有害な副作用の最小化を目的として、細胞療法において使用される細胞を調節するための発現システムおよび方法も必要とされており、この発現システムおよび方法は、たとえば、前記細胞において発現されるCARなどの組換え抗原受容体および/またはその他の分子の発現を調節するための発現システムおよび方法であってもよい。本明細書では、驚くべきことに、有害な副作用を最小限に抑えることができ、かつインビボにおいて生存および治療有効性を向上させることができる方法について述べる。
【0108】
いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターの制御下にある導入遺伝子を提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体(CAR)をコードする。前記誘導型プロモーターは、細胞においてCARの発現を停止させること、および時間が経過してから(たとえば再発した場合などに)該細胞を再活性化することを可能とする能力を提供する。また、CAR T細胞において発現のオンとオフを周期的に切り替えることによって、T細胞受容体の持続的な刺激による疲弊および/またはアナジーを最小限に抑えることができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、遺伝子は、前記誘導型プロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態において、前記遺伝子はキメラサイトカイン受容体をコードする。
【0110】
さらに、ベクターを設計することによって、形質導入細胞の1つ以上の機能持性を増強することができるさらなる導入遺伝子を導入することができ、これによって、形質導入細胞の抗腫瘍作用、生存および増殖などを増強することができる。いくつかの実施形態において、この導入遺伝子は誘導型プロモーターの制御下にある。このような導入遺伝子としては、生存および増殖を促進する遺伝子、アポトーシスを阻害する遺伝子、ならびにチェックポイントシグナル伝達を制御する遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。このような遺伝子として、IL-2をコードする遺伝子、IL-15をコードする遺伝子、ケモカイン受容体をコードする遺伝子、Bcl2をコードする遺伝子、CA-Aktをコードする遺伝子、dn-TGFβRIIIをコードする遺伝子、dn-SHP1/2をコードする遺伝子、および/またはPD-1-CD28キメラをコードする遺伝子が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、IL-2をコードする遺伝子、IL-7をコードする遺伝子、IL-15をコードする遺伝子、ケモカイン受容体をコードする遺伝子、Bcl2をコードする遺伝子、キメラサイトカイン受容体をコードする遺伝子、CA-Aktをコードする遺伝子、dn-TGFβRIIIをコードする遺伝子、dn-SHP1/2をコードする遺伝子、および/またはPD-1-CD28キメラをコードする遺伝子である。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記遺伝子は、負のチェックポイント制御因子を抑制するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。いくつかの実施形態において、前記遺伝子は、前記誘導型プロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号88に示される核酸配列を含む(CCR(CD122)のヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagattgtgatattgaaggtaaagatggcaaacaatatgagagtgttctaatggtcagcatcgatcaattattggacagcatgaaagaaattggtagcaattgcctgaataatgaatttaacttttttaaaagacatatctgtgatgctaataaggaaggtatgtttttattccgtgctgctcgcaagttgaggcaatttcttaaaatgaatagcactggtgattttgatctccacttattaaaagtttcagaaggcacaacaatactgttgaactgcactggccaggttaaaggaagaaaaccagctgccctgggtgaagcccaaccaacaaagagtttggaagaaaataaatctttaaaggaacagaaaaaactgaatgacttgtgtttcctaaagagactattacaagagataaaaacttgttggaataaaattttgatgggcactaaagaacacggaggcggtgggagcggaggcggtgggagcatgacaattctaggtacaacttttggcatggttttttctttacttcaagtcgtttctggagaaagtggctatgctcaaaatggagacttggaagatgcagaactggatgactactcattctcatgctatagccagttggaagtgaatggatcgcagcactcactgacctgtgcttttgaggacccagatgtcaacatcaccaatctggaatttgaaatatgtggggccctcgtggaggtaaagtgcctgaatttcaggaaactacaagagatatatttcatcgagacaaagaaattcttactgattggaaagagcaatatatgtgtgaaggttggagaaaagagtctaacctgcaaaaaaatagacctaaccactatagttaaacctgaggctccttttgacctgagtgtcatctatcgggaaggagccaatgactttgtggtgacatttaatacatcacacttgcaaaagaagtatgtaaaagttttaatgcacgatgtagcttaccgccaggaaaaggatgaaaacaaatggacgcatgtgaatttatccagcacaaaactgacactcctgcagagaaagctccaaccggcagcaatgtatgagattaaagttcgatccatccctgatcactattttaaaggcttctggagtgaatggagtccaagttattacttcagaactccagagatcaataatagctcaggggagatggatcctatcttactaaccatcagcattttgagttttttctctgtcgctctgttggtcatcttggcctgtgtgttatggaactgcaggaacaccgggccatggctgaagaaggtcctgaagtgtaacaccccagacccctcgaagttcttttcccagctgagctcagagcatggaggagacgtccagaagtggctctcttcgcccttcccctcatcgtccttcagccctggcggcctggcacctgagatctcgccactagaagtgctggagagggacaaggtgacgcagctgctcctgcagcaggacaaggtgcctgagcccgcatccttaagcagcaaccactcgctgaccagctgcttcaccaaccagggttacttcttcttccacctcccggatgccttggagatagaggcctgccaggtgtactttacttacgacccctactcagaggaagaccctgatgagggtgtggccggggcacccacagggtcttccccccaacccctgcagcctctgtcaggggaggacgacgcctactgcaccttcccctccagggatgacctgctgctcttctcccccagtctcctcggtggccccagccccccaagcactgcccctgggggcagtggggccggtgaagagaggatgcccccttctttgcaagaaagagtccccagagactgggacccccagcccctggggcctcccaccccaggagtcccagacctggtggattttcagccaccccctgagctggtgctgcgagaggctggggaggaggtccctgacgctggccccagggagggagtcagtttcccctggtccaggcctcctgggcagggggagttcagggcccttaatgctcgcctgcccctgaacactgatgcctacttgtccctccaagaactccagggtcaggacccaactcacttggtg)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号89に示されるアミノ酸配列をコードする(CCR(CD122)のアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDCDIEGKDGKQYESVLMVSIDQLLDSMKEIGSNCLNNEFNFFKRHICDANKEGMFLFRAARKLRQFLKMNSTGDFDLHLLKVSEGTTILLNCTGQVKGRKPAALGEAQPTKSLEENKSLKEQKKLNDLCFLKRLLQEIKTCWNKILMGTKEHGGGGSGGGGSMTILGTTFGMVFSLLQVVSGESGYAQNGDLEDAELDDYSFSCYSQLEVNGSQHSLTCAFEDPDVNITNLEFEICGALVEVKCLNFRKLQEIYFIETKKFLLIGKSNICVKVGEKSLTCKKIDLTTIVKPEAPFDLSVIYREGANDFVVTFNTSHLQKKYVKVLMHDVAYRQEKDENKWTHVNLSSTKLTLLQRKLQPAAMYEIKVRSIPDHYFKGFWSEWSPSYYFRTPEINNSSGEMDPILLTISILSFFSVALLVILACVLWNCRNTGPWLKKVLKCNTPDPSKFFSQLSSEHGGDVQKWLSSPFPSSSFSPGGLAPEISPLEVLERDKVTQLLLQQDKVPEPASLSSNHSLTSCFTNQGYFFFHLPDALEIEACQVYFTYDPYSEEDPDEGVAGAPTGSSPQPLQPLSGEDDAYCTFPSRDDLLLFSPSLLGGPSPPSTAPGGSGAGEERMPPSLQERVPRDWDPQPLGPPTPGVPDLVDFQPPPELVLREAGEEVPDAGPREGVSFPWSRPPGQGEFRALNARLPLNTDAYLSLQELQGQDPTHLV)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号89のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0111】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号90に示される核酸配列を含む(PD1ECD-IFNαのヌクレオチド配列:atgcagatccctcaggccccttggcctgtcgtgtgggctgtgctgcagctgggatggcggcctggctggtttctggacagccccgacagaccctggaacccccctacattttcccctgccctgctggtcgtgaccgagggcgacaatgccaccttcacctgtagcttcagcaacaccagcgagagcttcgtgctgaactggtacagaatgagccccagcaaccagaccgacaagctggccgccttccccgaggatagatctcagcccggccaggactgccggttcagagtgacccagctgcccaacggccgggacttccacatgtctgtcgtgcgggccagacggaacgacagcggcacatatctgtgcggcgccatcagcctggcccccaaggcccagatcaaagagagcctgagagccgagctgagagtgaccgagagaagggccgaagtgcctaccgcccaccctagcccatctccaagacctgccggccagttccagacactcgtgggcggaggatgcgacctgcctcagacacacagcctgggcagcagacggaccctgatgctgctggcccagatgcggaagatcagcctgttcagctgcctgaaggaccggcacgacttcggcttccctcaggaagagttcggcaaccagtttcagaaggccgagacaatccccgtgctgcacgagatgatccagcagatcttcaacctgttctccaccaaggacagcagcgccgcctgggacgagacactgctggacaagttctacaccgagctgtaccagcagctgaatgacctggaagcctgcgtgatccagggcgtgggcgtgacagagacacccctgatgaaggaagatagcatcctggccgtgcgcaagtacttccagcggatcaccctgtacctgaaagagaagaagtacagcccctgcgcctgggaggtcgtgcgcgccgagatcatgagaagcttcagcctgagcaccaacctgcaggaaagcctgcggagcaaagaa)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号91に示されるアミノ酸配列をコードする(PD1ECD-IFNαのアミノ酸配列:MQIPQAPWPVVWAVLQLGWRPGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNTSESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQLPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLRAELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQTLVGGGCDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRKISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDLEACVIQGVGVTETPLMKEDSILAVRKYFQRITLYLKEKKYSPCAWEVVRAEIMRSFSLSTNLQESLRSKE)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号91のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0112】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号92に示される核酸配列を含む(STAT5aのヌクレオチド配列:atggcgggctggatccaggcccagcagctgcagggagacgcgctgcgccagatgcaggtgctgtacggccagcacttccccatcgaggtccggcactacttggcccagtggattgagagccagccatgggatgccattgacttggacaatccccaggacagagcccaagccacccagctcctggagggcctggtgcaggagctgcagaagaaggcggagcaccaggtgggggaagatgggtttttactgaagatcaagctggggcactacgccacgcagctccagaaaacatatgaccgctgccccctggagctggtccgctgcatccggcacattctgtacaatgaacagaggctggtccgagaagccaacaattgcagctctccggctgggatcctggttgacgccatgtcccagaagcaccttcagatcaaccagacatttgaggagctgcgactggtcacgcaggacacagagaatgagctgaagaaactgcagcagactcaggagtacttcatcatccagtaccaggagagcctgaggatccaagctcagtttgcccagctggcccagctgagcccccaggagcgtctgagccgggagacggccctccagcagaagcaggtgtctctggaggcctggttgcagcgtgaggcacagacactgcagcagtaccgcgtggagctggccgagaagcaccagaagaccctgcagctgctgcggaagcagcagaccatcatcctggatgacgagctgatccagtggaagcggcggcagcagctggccgggaacggcgggccccccgagggcagcctggacgtgctacagtcctggtgtgagaagttggccgagatcatctggcagaaccggcagcagatccgcagggctgagcacctctgccagcagctgcccatccccggcccagtggaggagatgctggccgaggtcaacgccaccatcacggacattatctcagccctggtgaccagcacattcatcattgagaagcagcctcctcaggtcctgaagacccagaccaagtttgcagccaccgtacgcctgctggtgggcgggaagctgaacgtgcacatgaatcccccccaggtgaaggccaccatcatcagtgagcagcaggccaagtctctgcttaaaaatgagaacacccgcaacgagtgcagtggtgagatcctgaacaactgctgcgtgatggagtaccaccaagccacgggcaccctcagtgcccacttcaggaacatgtcactgaagaggatcaagcgtgctgaccggcggggtgcagagtccgtgacagaggagaagttcacagtcctgtttgagtctcagttcagtgttggcagcaatgagcttgtgttccaggtgaagactctgtccctacctgtggttgtcatcgtccacggcagccaggaccacaatgccacggctactgtgctgtgggacaatgcctttgctgagccgggcagggtgccatttgccgtgcctgacaaagtgctgtggccgcagctgtgtgaggcgctcaacatgaaattcaaggccgaagtgcagagcaaccggggcctgaccaaggagaacctcgtgttcctggcgcagaaactgttcaacaacagcagcagccacctggaggactacagtggcctgtccgtgtcctggtcccagttcaacagggagaacttgccgggctggaactacaccttctggcagtggtttgacggggtgatggaggtgttgaagaagcaccacaagccccactggaatgatggggccatcctaggttttgtgaataagcaacaggcccacgacctgctcatcaacaagcccgacgggaccttcttgttgcgctttagtgactcagaaatcgggggcatcaccatcgcctggaagtttgattccccggaacgcaacctgtggaacctgaaaccattcaccacgcgggatttctccatcaggtccctggctgaccggctgggggacctgagctatctcatctatgtgtttcctgaccgccccaaggatgaggtcttctccaagtactacactcctgtgctggctaaagctgttgatggatatgtgaaaccacagatcaagcaagtggtccctgagtttgtgaatgcatctgcagatgctgggggcagcagcgccacgtacatggaccaggccccctccccagctgtgtgcccccaggctccctataacatgtacccacagaaccctgaccatgtactcgatcaggatggagaattcgacctggatgagaccatggatgtggccaggcacgtggaggaactcttacgccgaccaatggacagtcttgactcccgcctctcgccccctgccggtcttttcacctctgccagaggctccctctca)。
【0113】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号93に示されるアミノ酸配列をコードする(STAT5aのアミノ酸配列:MAGWIQAQQLQGDALRQMQVLYGQHFPIEVRHYLAQWIESQPWDAIDLDNPQDRAQATQLLEGLVQELQKKAEHQVGEDGFLLKIKLGHYATQLQKTYDRCPLELVRCIRHILYNEQRLVREANNCSSPAGILVDAMSQKHLQINQTFEELRLVTQDTENELKKLQQTQEYFIIQYQESLRIQAQFAQLAQLSPQERLSRETALQQKQVSLEAWLQREAQTLQQYRVELAEKHQKTLQLLRKQQTIILDDELIQWKRRQQLAGNGGPPEGSLDVLQSWCEKLAEIIWQNRQQIRRAEHLCQQLPIPGPVEEMLAEVNATITDIISALVTSTFIIEKQPPQVLKTQTKFAATVRLLVGGKLNVHMNPPQVKATIISEQQAKSLLKNENTRNECSGEILNNCCVMEYHQATGTLSAHFRNMSLKRIKRADRRGAESVTEEKFTVLFESQFSVGSNELVFQVKTLSLPVVVIVHGSQDHNATATVLWDNAFAEPGRVPFAVPDKVLWPQLCEALNMKFKAEVQSNRGLTKENLVFLAQKLFNNSSSHLEDYSGLSVSWSQFNRENLPGWNYTFWQWFDGVMEVLKKHHKPHWNDGAILGFVNKQQAHDLLINKPDGTFLLRFSDSEIGGITIAWKFDSPERNLWNLKPFTTRDFSIRSLADRLGDLSYLIYVFPDRPKDEVFSKYYTPVLAKAVDGYVKPQIKQVVPEFVNASADAGGSSATYMDQAPSPAVCPQAPYNMYPQNPDHVLDQDGEFDLDETMDVARHVEELLRRPMDSLDSRLSPPAGLFTSARGSLS)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号93のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0114】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号94に示される核酸配列を含む(構成的に活性なSTAT5aのヌクレオチド配列:atggcgggctggatccaggcccagcagctgcagggagacgcgctgcgccagatgcaggtgctgtacggccagcacttccccatcgaggtccggcactacttggcccagtggattgagagccagccatgggatgccattgacttggacaatccccaggacagagcccaagccacccagctcctggagggcctggtgcaggagctgcagaagaaggcggagcaccaggtgggggaagatgggtttttactgaagatcaagctggggcactacgccacgcagctccagaaaacatatgaccgctgccccctggagctggtccgctgcatccggcacattctgtacaatgaacagaggctggtccgagaagccaacaattgcagctctccggctgggatcctggttgacgccatgtcccagaagcaccttcagatcaaccagacatttgaggagctgcgactggtcacgcaggacacagagaatgagctgaagaaactgcagcagactcaggagtacttcatcatccagtaccaggagagcctgaggatccaagctcagtttgcccagctggcccagctgagcccccaggagcgtctgagccgggagacggccctccagcagaagcaggtgtctctggaggcctggttgcagcgtgaggcacagacactgcagcagtaccgcgtggagctggccgagaagcaccagaagaccctgcagctgctgcggaagcagcagaccatcatcctggatgacgagctgatccagtggaagcggcggcagcagctggccgggaacggcgggccccccgagggcagcctggacgtgctacagtcctggtgtgagaagttggccgagatcatctggcagaaccggcagcagatccgcagggctgagcgcctctgccagcagctgcccatccccggcccagtggaggagatgctggccgaggtcaacgccaccatcacggacattatctcagccctggtgaccagcacattcatcattgagaagcagcctcctcaggtcctgaagacccagaccaagtttgcagccaccgtacgcctgctggtgggcgggaagctgaacgtgcacatgaatcccccccaggtgaaggccaccatcatcagtgagcagcaggccaagtctctgcttaaaaatgagaacacccgcaacgagtgcagtggtgagatcctgaacaactgctgcgtgatggagtaccaccaagccacgggcaccctcagtgcccacttcaggaacatgtcactgaagaggatcaagcgtgctgaccggcggggtgcagagtccgtgacagaggagaagttcacagtcctgtttgagtctcagttcagtgttggcagcaatgagcttgtgttccaggtgaagactctgtccctacctgtggttgtcatcgtccacggcagccaggaccacaatgccacggctactgtgctgtgggacaatgcctttgctgagccgggcagggtgccatttgccgtgcctgacaaagtgctgtggccgcagctgtgtgaggcgctcaacatgaaattcaaggccgaagtgcagagcaaccggggcctgaccaaggagaacctcgtgttcctggcgcagaaactgttcaacaacagcagcagccacctggaggactacagtggcctgtccgtgtcctggtcccagttcaacagggagaacttgccgggctggaactacaccttctggcagtggtttgacggggtgatggaggtgttgaagaagcaccacaagccccactggaatgatggggccatcctaggttttgtgaataagcaacaggcccacgacctgctcatcaacaagcccgacgggaccttcttgttgcgctttagtgactcagaaatcgggggcatcaccatcgcctggaagtttgattccccggaacgcaacctgtggaacctgaaaccattcaccacgcgggatttctccatcaggtccctggctgaccggctgggggacctgagctatctcatctatgtgtttcctgaccgccccaaggatgaggtcttctccaagtactacactcctgtgctggctaaagctgttgatggatatgtgaaaccacagatcaagcaagtggtccctgagtttgtgaatgcatttgcagatgctgggggcagcagcgccacgtacatggaccaggccccctccccagctgtgtgcccccaggctccctataacatgtacccacagaaccctgaccatgtactcgatcaggatggagaattcgacctggatgagaccatggatgtggccaggcacgtggaggaactcttacgccgaccaatggacagtcttgactcccgcctctcgccccctgccggtcttttcacctctgccagaggctccctctca)。
【0115】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号95に示されるアミノ酸配列をコードする(構成的に活性なSTAT5aのアミノ酸配列:MAGWIQAQQLQGDALRQMQVLYGQHFPIEVRHYLAQWIESQPWDAIDLDNPQDRAQATQLLEGLVQELQKKAEHQVGEDGFLLKIKLGHYATQLQKTYDRCPLELVRCIRHILYNEQRLVREANNCSSPAGILVDAMSQKHLQINQTFEELRLVTQDTENELKKLQQTQEYFIIQYQESLRIQAQFAQLAQLSPQERLSRETALQQKQVSLEAWLQREAQTLQQYRVELAEKHQKTLQLLRKQQTIILDDELIQWKRRQQLAGNGGPPEGSLDVLQSWCEKLAEIIWQNRQQIRRAERLCQQLPIPGPVEEMLAEVNATITDIISALVTSTFIIEKQPPQVLKTQTKFAATVRLLVGGKLNVHMNPPQVKATIISEQQAKSLLKNENTRNECSGEILNNCCVMEYHQATGTLSAHFRNMSLKRIKRADRRGAESVTEEKFTVLFESQFSVGSNELVFQVKTLSLPVVVIVHGSQDHNATATVLWDNAFAEPGRVPFAVPDKVLWPQLCEALNMKFKAEVQSNRGLTKENLVFLAQKLFNNSSSHLEDYSGLSVSWSQFNRENLPGWNYTFWQWFDGVMEVLKKHHKPHWNDGAILGFVNKQQAHDLLINKPDGTFLLRFSDSEIGGITIAWKFDSPERNLWNLKPFTTRDFSIRSLADRLGDLSYLIYVFPDRPKDEVFSKYYTPVLAKAVDGYVKPQIKQVVPEFVNAFADAGGSSATYMDQAPSPAVCPQAPYNMYPQNPDHVLDQDGEFDLDETMDVARHVEELLRRPMDSLDSRLSPPAGLFTSARGSLS)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号95のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0116】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号96に示される核酸配列を含む(ドミナントネガティブTGFbRIIのヌクレオチド配列:atgggtcgggggctgctcaggggcctgtggccgctgcacatcgtcctgtggacgcgtatcgccagcacgatcccaccgcacgttcagaagtcggttaataacgacatgatagtcactgacaacaacggtgcagtcaagtttccacaactgtgtaaattttgtgatgtgagattttccacctgtgacaaccagaaatcctgcatgagcaactgcagcatcacctccatctgtgagaagccacaggaagtctgtgtggctgtatggagaaagaatgacgagaacataacactagagacagtttgccatgaccccaagctcccctaccatgactttattctggaagatgctgcttctccaaagtgcattatgaaggaaaaaaaaaagcctggtgagactttcttcatgtgttcctgtagctctgatgagtgcaatgacaacatcatcttctcagaagaatataacaccagcaatcctgacttgttgctagtcatatttcaagtgacaggcatcagcctcctgccaccactgggagttgccatatctgtcatcatcatcttctactgctaccgcgttaaccggcagcagaagctgagttcaacctgggaaaccggcaagacgcggaagctcatggagttcagcgagcactgtgccatcatcctggaagatgaccgctctgacatcagctccacgtgtgccaacaacatcaaccacaacacagagctgctgcccattgagctggacaccctggtggggaaaggtcgctttgctgaggtctataaggccaagctgaagcagaacacttcagagcagtttgagacagtggcagtcaagatcttt)。
【0117】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号97に示されるアミノ酸配列をコードする(ドミナントネガティブTGFbRIIのアミノ酸配列:MGRGLLRGLWPLHIVLWTRIASTIPPHVQKSVNNDMIVTDNNGAVKFPQLCKFCDVRFSTCDNQKSCMSNCSITSICEKPQEVCVAVWRKNDENITLETVCHDPKLPYHDFILEDAASPKCIMKEKKKPGETFFMCSCSSDECNDNIIFSEEYNTSNPDLLLVIFQVTGISLLPPLGVAISVIIIFYCYRVNRQQKLSSTWETGKTRKLMEFSEHCAIILEDDRSDISSTCANNINHNTELLPIELDTLVGKGRFAEVYKAKLKQNTSEQFETVAVKIF)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号97のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0118】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号98に示される核酸配列を含む(ドミナントネガティブSHP1のヌクレオチド配列:atggtgaggtggtttcaccgagacctcagtgggctggatgcagagaccctgctcaagggccgaggtgtccacggtagcttcctggctcggcccagtcgcaagaaccagggtgacttctcgctctccgtcagggtgggggatcaggtgacccatattcggatccagaactcaggggatttctatgacctgtatggaggggagaagtttgcgactctgacagagctggtggagtactacactcagcagcagggtgtcctgcaggaccgcgacggcaccatcatccacctcaagtacccgctgaactgctccgatcccactagtgagaggtggtaccatggccacatgtctggcgggcaggcagagacgctgctgcaggccaagggcgagccctggacgtttcttgtgcgtgagagcctcagccagcctggagacttcgtgctttctgtgctcagtgaccagcccaaggctggcccaggctccccgctcagggtcacccacatcaaggtcatgtgcgagggtggacgctacacagtgggtggtttggagaccttcgacagcctcacggacctggtggagcatttcaagaagacggggattgaggaggcctcaggcgcctttgtctacctgcggcagccgtactatgccacgagggtgaatgcggctgacattgagaaccgagtgttggaactgaacaagaagcaggagtccgaggatacagccaaggctggcttctgggaggagtttgagagtttgcagaagcaggaggtgaagaacttgcaccagcgtctggaagggcagcggccagagaacaagggcaagaaccgctacaagaacattctcccctttgaccacagccgagtgatcctgcagggacgggacagtaacatccccgggtccgactacatcaatgccaactacatcaagaaccagctgctaggccctgatgagaacgctaagacctacatcgccagccagggctgtctggaggccacggtcaatgacttctggcagatggcgtggcaggagaacagccgtgtcatcgtcatgaccacccgagaggtggagaaaggccggaacaaatgcgtcccatactggcccgaggtgggcatgcagcgtgcttatgggccctactctgtgaccaactgcggggagcatgacacaaccgaatacaaactccgtaccttacaggtctccccgctggacaatggagacctgattcgggagatctggcattaccagtacctgagctggcccgaccatggggtccccagtgagcctgggggtgtcctcagcttcctggaccagatcaaccagcggcaggaaagtctgcctcacgcagggcccatcatcgtgcactccagcgccggcatcggccgcacaggcaccatcattgtcatcgacatgctcatggagaacatctccaccaagggcctggactgtgacattgacatccagaagaccatccagatggtgcgggcgcagcgctcgggcatggtgcagacggaggcgcagtacaagttcatctacgtggccatcgcccagttcattgaaaccactaagaagaagctggaggtcctgcagtcgcagaagggccaggagtcggagtacgggaacatcacctatcccccagccatgaagaatgcccatgccaaggcctcccgcacctcgtccaaacacaaggaggatgtgtatgagaacctgcacactaagaacaagagggaggagaaagtgaagaagcagcggtcagcagacaaggagaagagcaagggttccctcaagaggaagtga)。
【0119】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号99に示されるアミノ酸配列をコードする(ドミナントネガティブSHP1のアミノ酸配列:MVRWFHRDLSGLDAETLLKGRGVHGSFLARPSRKNQGDFSLSVRVGDQVTHIRIQNSGDFYDLYGGEKFATLTELVEYYTQQQGVLQDRDGTIIHLKYPLNCSDPTSERWYHGHMSGGQAETLLQAKGEPWTFLVRESLSQPGDFVLSVLSDQPKAGPGSPLRVTHIKVMCEGGRYTVGGLETFDSLTDLVEHFKKTGIEEASGAFVYLRQPYYATRVNAADIENRVLELNKKQESEDTAKAGFWEEFESLQKQEVKNLHQRLEGQRPENKGKNRYKNILPFDHSRVILQGRDSNIPGSDYINANYIKNQLLGPDENAKTYIASQGCLEATVNDFWQMAWQENSRVIVMTTREVEKGRNKCVPYWPEVGMQRAYGPYSVTNCGEHDTTEYKLRTLQVSPLDNGDLIREIWHYQYLSWPDHGVPSEPGGVLSFLDQINQRQESLPHAGPIIVHSSAGIGRTGTIIVIDMLMENISTKGLDCDIDIQKTIQMVRAQRSGMVQTEAQYKFIYVAIAQFIETTKKKLEVLQSQKGQESEYGNITYPPAMKNAHAKASRTSSKHKEDVYENLHTKNKREEKVKKQRSADKEKSKGSLKRK)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号99のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0120】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号100に示される核酸配列を含む(PD1TM-MyD88のヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggcggaggagtgggagtcgtgggcggactgctgggatctctggtgctgctcgtgtgggtgctggccgtgattggcggaggaatggctgctggcggacctggcgctggatctgctgctcctgtgtctagcaccagcagcctgcctctggccgccctgaatatgagagtgcggcggagactgagcctgttcctgaacgtgcggacacaggtggccgccgattggacagctctggccgaggaaatggacttcgagtacctggaaatccggcagctggaaacccaggccgaccctacaggacgcctgctggatgcttggcagggcagaccaggcgcttctgtggggagactgctggaactgctgaccaagctgggccgggacgacgtgctgctggaactgggccctagcatcgaagaggactgccagaagtacatcctgaagcagcagcaggaagaggccgagaagcctctgcaggtggcagccgtggatagcagcgtgccaagaacagctgagctggccggaatcaccaccctggacgatcctctgggccacatgcccgagagattcgacgccttcatctgctactgccccagcgacatccagttcgtgcaggaaatgatcagacagctggaacagaccaactaccggctgaagctgtgcgtgtccgaccgggatgtgctgcctggcacctgtgtgtggtctatcgccagcgagctgatcgagaagcggtgcagacggatggtcgtggtggtgtccgacgactacctgcagtccaaagagtgcgacttccagaccaagttcgccctgagcctgagccctggcgcccaccagaagagactgatccccatcaagtacaaggccatgaagaaagagttccccagcatcctgcggttcatcaccgtgtgcgactacaccaacccctgcaccaagtcctggttctggaccagactggccaaggccctgtctctgcct)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記遺伝子は、配列番号101に示されるアミノ酸配列をコードする(PD1TM-MyD88のアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGGGVGVVGGLLGSLVLLVWVLAVIGGGMAAGGPGAGSAAPVSSTSSLPLAALNMRVRRRLSLFLNVRTQVAADWTALAEEMDFEYLEIRQLETQADPTGRLLDAWQGRPGASVGRLLELLTKLGRDDVLLELGPSIEEDCQKYILKQQQEEAEKPLQVAAVDSSVPRTAELAGITTLDDPLGHMPERFDAFICYCPSDIQFVQEMIRQLEQTNYRLKLCVSDRDVLPGTCVWSIASELIEKRCRRMVVVVSDDYLQSKECDFQTKFALSLSPGAHQKRLIPIKYKAMKKEFPSILRFITVCDYTNPCTKSWFWTRLAKALSL)。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記配列は、配列番号101のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
【0121】
本開示は、第1の核酸および第2の核酸を含むシステム、ならびにこれらの核酸を含むベクターおよび宿主細胞を提供する。第1の核酸および第2の核酸はそれぞれいくつかのモジュール部分を含み、これらのモジュール部分は切断して別のモジュール部分と置換することができ、このようにして特定の標的細胞に対して前記システムをカスタマイズすることができる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、必要に応じて遺伝子(たとえばキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド)の発現のオンとオフを切り替えて発現制御を行う誘導型プロモーターを含み、前記システムは、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であるか、または野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上している。別の実施形態において、第2の核酸は、転写活性化因子を発現させるための構成的プロモーターを含む。いくつかの実施形態において、前記遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、前記遺伝子は、(単一のプラスミドによってコードされた)キメラ抗原受容体および転写活性化因子をコードする。
【0122】
誘導システム
本開示は、哺乳動物細胞などの細胞における導入遺伝子の発現制御に有用なシステムを提供する。このような導入遺伝子としては、T細胞受容体をコードする遺伝子、親和性成熟を経たT細胞受容体をコードする遺伝子、キメラ抗原受容体をコードする遺伝子、ケモカイン受容体をコードする遺伝子、キメラケモカイン受容体をコードする遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、アポトーシスを抑制する遺伝子、および/またはチェックポイントシグナル伝達を調節する遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記ポリペプチドは、負のチェックポイント制御因子を抑制する。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、前記核酸の構成要素を容易に置換できる様々なモジュール部分を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、該システムは、哺乳動物細胞などの細胞において導入遺伝子の発現を制御することができ、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であるか、または野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上している。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、T細胞受容体、親和性成熟を経たT細胞受容体、キメラ抗原受容体、ケモカイン受容体、キメラケモカイン受容体、サイトカイン、アポトーシスを制御する遺伝子、および/またはチェックポイントシグナル伝達を調節する遺伝子をコードする。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記遺伝子は、負のチェックポイント制御因子を抑制するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。
いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムであって、
第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とするシステムを提供する。
いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導型プロモーターである。
【0124】
いくつかの実施形態において、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドは、腫瘍特異的抗原を標的分子とするリガンド結合ドメインをコードするポリヌクレオチド、最適化されていてもよいポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、本明細書で述べるように、発現ベクターは第1の核酸および/または第2の核酸を含む。前記キメラ受容体をコードする核酸全体またはその一部によってコードされるポリペプチドはいずれも本発明に包含される。
【0125】
別の実施形態において、第1の核酸は、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含み、該第1核酸は、細胞の生存および増殖を促進する遺伝子、アポトーシスを制御する遺伝子、ならびに/またはチェックポイントシグナル伝達を調節する遺伝子をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。このような遺伝子として、IL-2をコードする遺伝子、IL-7をコードする遺伝子、IL-15をコードする遺伝子、ケモカイン受容体をコードする遺伝子、キメラケモカイン受容体をコードする遺伝子、Bcl2をコードする遺伝子、CA-Aktをコードする遺伝子、dn-TGFβRIIIをコードする遺伝子、dn-SHP1/2をコードする遺伝子および/またはPD-1-CD28キメラをコードする遺伝子が挙げられる。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記遺伝子は、負のチェックポイント制御因子を抑制するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。
【0127】
誘導型プロモーター
本発明のシステムは、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含む第1の核酸を含む。誘導型プロモーターを利用することによって、導入遺伝子の発現のオンとオフとを切り替えることができ、その結果、毒性による副作用を回避することができ、かつ/または寛解期には細胞を休止させることができる。誘導型プロモーターを利用したシステムは、T細胞の機能を向上させる遺伝子を「オン」の状態にすることにより抗腫瘍作用を向上させることを別の目的とする。誘導型プロモーターを利用したシステムはいくつか知られているが、このようなシステムは、毒性のオフターゲット効果、望ましくない生体内分布および薬物動態プロファイル、狭い作動域、ならびに/またはFDA認可の市販医薬品であることによる入手制限によって限定的にしか臨床適用できない。さらに、このようなシステムの多くは、異種部分から構築されたキメラ転写制御因子を使用しているため、このシステムをヒトの治療に使用すると、免疫性の合併症が引き起こされる。
いくつかの実施形態において、第1の核酸は、第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結されており、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、ならびに
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすることを特徴とする。
【0128】
いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは、薬物によって誘導することができる。前記薬物は、安全性が証明されていること、薬物動態プロファイルが好適であること、組織分布が良好であること、細胞外間隙と細胞質の間の分配係数が低いこと、免疫原性が低いこと、毒性が低いこと、および/またはリンパ球における発現性が高いことを目安に選択される。特定の一実施形態において、選択される薬物は、FDAに認可されており、導入遺伝子をリンパ球において発現することができ、望ましくない他の遺伝子の発現を活性化させず、かつ、異種部分を含有しないプロモーターを誘導することができる。いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターは、薬物と相互作用する転写活性化因子によって活性化される。前記転写活性化因子は、薬物の存在下において活性化されるか、あるいは薬物の存在下において、誘導型プロモーターに結合し、これを活性化することができる。
【0129】
別の薬物の具体例として、転写活性化因子のエストロゲン受容体リガンド結合ドメインに結合する薬物が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記薬物としては、タモキシフェン、その代謝産物および類似体、ならびにそれらの薬学的に許容される塩および/または水和物もしくは溶媒和物が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記薬物として、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8が挙げられる。
【0130】
本明細書に記載のアプローチのいくつかにおいて有用なタモキシフェン(CAS RN:10540-29-1)は、2-(4-((1Z)-1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシ)-N,N-ジメチル-エタンアミン、または(Z)-2-(p-(1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシ)-N,N-ジメチルアミン(IUPAC)としても知られており、分子式はC26H29NOで示され、その分子量(M.W.)は371.52g/molである。タモキシフェンは、組織特異的活性を有する選択的エストロゲン受容体モジュレーターである。タモキシフェンは、乳房組織において抗エストロゲン薬(阻害薬)として作用するが、子宮内膜においては、コレステロールの代謝、骨密度、および細胞増殖を促進するエストロゲン(刺激薬)として作用する。タモキシフェンは、薬学的に許容される塩として経口投与されることが多い。たとえば、タモキシフェンクエン酸塩(RN 54965-24-1、M.W.563.643)は、転移性乳がんの治療に適応されており、乳房切除および腋窩リンパ節郭清ならびに乳房への放射線照射を行った女性の乳がんの治療において補助薬として使用されている。また、タモキシフェンクエン酸塩は、乳がんを発症する危険性の高い女性における乳がん罹患率の低減にも適応されている。
【0131】
本明細書に記載のアプローチのいくつかにおいて有用な、ラット、マウス、およびヒトの乳がん患者におけるタモキシフェンの代謝産物として、Robinson et al. (Metabolites, pharmacodynamics, and pharmacokinetics of tamoxifen in rats and mice compared to the breast cancer patient. Drug Metab Dispos January 1991 19:36-43;この文献はその全体が参照によって本明細書に援用される)に開示されているものが挙げられ、主なものとして、N-デスメチルタモキシフェン(RN 31750-48-8、M.W.357.494)および4-ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)(RN 68392-35-8、M.W.387.52、アフィモキシフェン)が挙げられる。本明細書に記載のアプローチのいくつかにおいて有用な、チトクロムP-450による分解によって得られる別の代謝産物として、Crewe et al.(Metabolism of Tamoxifen by recombinant human cytochrome P-450 enzymes: Formation of the 4-hydroxy, 4'-hydroxy and N-desmethyl metabolites and isomerization of trans-4-hydroxytamoxifen, Drug Metab Dispos, 30(8): 869-874, 2002, FIG. 1;この文献は参照によりその全体が本明細書に援用される)に開示されているcis-4-ヒドロキシタモキシフェン(RN 174592、M.W.387.52;アフィモキシフェン、E異性体)、および4’-ヒドロキシタモキシフェン((Z)-4-(1-(4-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)フェニル)-1-フェニルブタ-1-エン-2-イル)フェノール)が挙げられる。
【0132】
本明細書に記載のアプローチのいくつかにおいて有用な、タモキシフェンとの類似の構造を有する化合物としては、cis-タモキシフェン(RN 13002-65-8、M.W. 371.521)、4-メチルタモキシフェン(RN 73717-95-5、M.W. 385.548)、N-デスメチルタモキシフェン(RN 31750-48-8、M.W. 357.494)、(Z)-デスエチルメチルタモキシフェン(RN 15917-50-7、M.W. 357.494)、(E)-デスエチルメチルタモキシフェン(RN 31750-45-5、M.W. 357.494)、トランス-4-ヒドロキシタモキシフェン(RN 68047-06-3、M.W. 387.52)、アフィモキシフェン(RN 68392-35-8、M.W. 387.52、4-ヒドロキシタモキシフェン)、アフィモキシフェン、E異性体(RN 174592-47-3、M.W. 387.52)、4-クロロタモキシフェン(RN 77588-46-6、M.W. 405.966)、4-フルオロタモキシフェン(RN 73617-96-6、M.W. 389.511)、トレミフェン(RN 89778-26-7、M.W. 405.966)、デスエチルタモキシフェン(RN 19957-51-8、M.W. 343.47)、(E)-デスエチルタモキシフェン(RN 97151-10-5、M.W. 343.47)、(Z)-デスエチルタモキシフェン(RN 97151-11-6、M.W. 343.47)、ミプロキシフェン(RN 129612-87-9、M.W. 429.6)、2-(p-(β-エチル-α-フェニルスチリル)フェノキシ)トリエチルアミン(RN 749-86-0、M.W. 399.575)、ドロロキシフェン(RN 82413-20-5、M.W. 387.52)、4-ヨード-タモキシフェン(RN 116057-68-2、M.W. 497.413)、ジヒドロタモキシフェン(RN 109640-20-2、M.W. 373.537)、(E)-N,N-ジメチル-2-(4-(1-(2-メチルフェニル)-2-フェニル-1-ブテニル)フェノキシ)エタンアミン(RN 97150-96-4、M.W. 385.548)、および4-ヒドロキシトレミフェン(RN 110503-62-3、M.W. 421.965);ならびに/またはこれらの薬学的に許容される塩および/もしくは水和物もしくは溶媒和物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
本明細書に記載のアプローチのいくつかにおいて有用な、タモキシフェンのクエン酸塩、またはタモキシフェンと類似の構造を有する化合物のクエン酸塩としては、たとえば、タモキシフェンクエン酸塩(RN 54965-24-1、M.W. 563.64)、2-(p-(1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシ)-N,N-ジメチルエチルアミンクエン酸塩(RN 7244-97-5、563.64)、(E)-タモキシフェンクエン酸塩(RN 76487-65-5、M.W. 563.64)、トレミフェンクエン酸塩(RN 89778-27-8、M.W. 598.088)、ドロロキシフェンクエン酸塩(RN 97752-20-0、M.W. 579.64)、2-(p-(1,2-ビス(p-メトキシフェニル)-1-ブテニル)フェノキシ)トリエチルアミンクエン酸塩(RN 42920-39-8、M.W. 651.748)、2-(4-(1,2-ジフェニルエテニル)フェノキシ)-N,N-ジエチル-エタンアミン2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸塩(RN 40297-42-5、M.W. 563.643)、2-(p-(α-フェニルスチリル)フェノキシ)トリエチルアミンクエン酸塩(RN 102433-95-4、M.W. 563.64)、2-(p-(2-(p-メトキシフェニル)-1-フェニル-1-ブテニル)フェノキシ)トリエチルアミンクエン酸塩(1:1)(RN 42824-34-0、M.W. 637.72)、2-(p-(1-(p-メトキシフェニル)-2-フェニルプロペニル)フェノキシ)トリエチルアミンクエン酸塩(RN 13554-24-0、M.W. 607.696)、2-(p-(α-(p-メトキシフェニル)スチリル)フェノキシ)トリエチルアミンクエン酸塩一水和物(RN 13542-71-7、M.W. 593.669)、2-(p-(p-メトキシ-α-フェニルフェネチル)フェノキシ)トリエチルアミンクエン酸塩(RN 16421-72-0、M.W. 595.685)、α-(p-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)-β-エチル-p-メトキシ-α-フェニルフェネチルアルコールクエン酸塩(1:1)(RN 35263-93-5、M.W. 639.737)、1-(p-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)-2-(p-メトキシフェニル)-1-フェニルエタノールクエン酸塩(M.W. 611.68)、α-p-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)-β-エチル-α-(p-ヒドロキシフェニル)-p-メトキシフェネチルアルコールクエン酸塩(RN 35263-96-8、M.W. 655.737)、および/または2-(p-(p-メトキシ-α-メチルフェネチル)フェノキシ)-トリエチルアミンクエン酸塩(RN 15624-34-7、M.W. 533.614)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
いくつかの実施形態において、発現の誘導に有効な前記薬物の量は、導入遺伝子の発現量が、発現が誘導されていない場合の発現量および/または基底レベルの発現量を上回るような量である。いくつかの実施形態において、前記薬物の有効量は、該薬物の公知の投与量および薬物動態プロファイルを利用することによって容易に決定することができる。本明細書において提供されるシステムにおいて、該システムは、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能である。
【0135】
いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターは、基底レベルでの活性が低い。レンチウイルスベクターを用いる場合、発現が誘導されていない細胞における基底レベルでの活性は、細胞において遺伝子の発現が誘導された場合の20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%もしくはこれ以下、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の基底活性レベルである。基底レベルでの活性は、フローサイトメトリーを用いて、導入遺伝子(たとえばマーカー遺伝子)の発現量を誘導因子(たとえば薬物)の非存在下において測定することによって決定することができる。
【0136】
いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターが発現されると、発現が誘導されていない場合や基底レベルでの活性と比べて高い活性を誘導することができる。いくつかの実施形態において、発現が誘導された場合の活性レベルは、発現が誘導されていない場合の2倍、4倍、6倍、8倍、10倍またはそれ以上である。いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターの制御下にある導入遺伝子は、トランス活性化因子の非存在下において、10日未満、8日未満、6日未満、4日未満、2日未満または1日未満でオフの状態となるが、0日ではオフの状態とはならない。
【0137】
いくつかの実施形態において、基底レベルでの活性が低く、高レベルの発現が誘導され、かつ/または短期間でオンとオフとを切り替えることができるように、誘導型プロモーターを設計かつ/または遺伝子操作してもよい。いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターは、7xHBD/mE1bプロモーターである。前記プロモーターの代表的な配列を配列番号23に示す(配列番号23:tagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaagagctcagggtatataatg)。たとえば、7xHBD/mE1bプロモーターにおいて、転写活性化因子の結合を増強する変異を導入することができる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。
【0138】
いくつかの実施形態において、前記システムは合成転写活性化因子を使用し、該合成転写活性化因子は、前記薬物(たとえばタモキシフェン)の存在下において、導入遺伝子の上流の合成プロモーターに結合し、発現を誘導する。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子はHEA3である。代表的なアミノ酸配列を配列番号1に示す(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号1をコードする核酸配列を含む核酸を含む。前記エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来の前記タモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインは、前記TamR-tfの282~595番目のアミノ酸からなる配列であり、521番目に変異を有する。NF-κBのp65活性化ドメイン(p65またはTAD)は、596~862番目のアミノ酸からなる配列である。配列番号1は、ER-LBD内に1個の点突然変異を含み、この点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、4-OHT、フルベストラントおよびその他のエストロゲン類似体に対するナノレベルでの特異性を付与する。
【0139】
いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、タモキシフェン代謝産物である4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントおよびその他のエストロゲン類似体に対するナノレベルでの特異性を付与する少なくとも1個の点突然変異を含む。いくつかの実施形態において、前記1個の点突然変異は、野生型HEA3配列の521番目に位置する。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸配列は、配列番号1で示される配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号1は、ER-LBD内に1個の点突然変異を含み、この点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、4-OHT、フルベストラントおよびその他のエストロゲン類似体に対するナノレベルでの特異性を付与する。
【0140】
いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、転写活性を向上させる少なくとも1個の点突然変異をp65ドメイン内に含む。いくつかの実施形態において、この点突然変異は、野生型HEA3配列の846番目に位置する(RelAタンパク質の536番目に位置し、これはHEA3の846番目に相当する)。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸配列は、配列番号2で示される配列を含む(配列番号2:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号2をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号2は、HEA3のp65ドメイン内に、転写活性を向上させる点突然変異を含み、この配列をHEA3(p65/S536E)と呼ぶ。RelAタンパク質におけるp65/S536Eの位置は、野生型HEA3および野生型HEA4の846番目に相当する。
【0141】
いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、転写活性を向上させる少なくとも1個の点突然変異をp65ドメイン内に含む。いくつかの実施形態において、この点突然変異は、野生型のHEA3配列の621番目に位置する(これはWT RelAタンパク質の310番目である)。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸配列は、配列番号3で示される配列を含む(配列番号3:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号3をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号3は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(K310Q(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/K310Q)と呼ぶ。K310Qは、RelAの310番目に相当する。したがって、この位置は、WT HEA3およびWT HEA4の621番目に相当する。
【0142】
いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、CMP8および4-ヒドロキシタモキシフェンに対するナノレベルでの感受性を付与する少なくとも3個の点突然変異をエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン内に含む。いくつかの実施形態において、これらの点突然変異は、野生型HEA3配列の384番目、421番目および521番目に位置する。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸配列は、配列番号8で示される配列を含む(配列番号8:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号8をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号8は、3個の点突然変異(L384M、M421G、G521R)をER-LBD内に含むHEA3配列を含み、これらの点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、CMP8および4-ヒドロキシタモキシフェンに対するナノレベルでの感受性を付与する。この配列をCMP8-HEA3と呼ぶ。
【0143】
いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、CMP8応答性HEA3転写因子である。いくつかの実施形態において、前記CMP8応答性HEA3転写因子は、転写活性を向上させる少なくとも1個の点突然変異をp65ドメイン内に含む。いくつかの実施形態において、この点突然変異は、前記CMP8応答性HEA3配列の846番目に位置する(RelAタンパク質の536番目に位置し、これはHEA3の846番目に相当する)。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸配列は、配列番号9で示される配列を含む(配列番号9:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号9をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号9は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(S536E)をp65ドメイン内に含むCMP8-HEA3配列である。この配列をCMP8-HEA3(p65/S536E(RelAタンパク質上の位置);これはHEA3の846番目に相当する)と呼ぶ。
【0144】
いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、CMP8応答性HEA3転写因子である。いくつかの実施形態において、前記CMP8応答性HEA3転写因子は、転写活性を向上させる少なくとも1個の点突然変異をp65ドメイン内に含む。いくつかの実施形態において、この点突然変異は、RelAタンパク質配列の310番目に位置し、これは、野生型HEA3タンパク質および野生型HEA4タンパク質の621番目に相当する。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸配列は、配列番号10で示される配列を含む(配列番号10:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号10をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号10は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(K310Q(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むCMP8-HEA3配列である。この配列をCMP8-HEA3(p65/K310Q)と呼ぶ。RelAタンパク質の310番目は、野生型HEA3および野生型HEA4の621番目に相当する。
【0145】
いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、CMP8応答性HEA3転写因子である。いくつかの実施形態において、前記CMP8応答性HEA3転写因子は、転写活性を向上させる少なくとも2個の点突然変異をp65ドメイン内に含む。いくつかの実施形態において、この点突然変異は、野生型HEA3配列の621番目に位置する(RelAタンパク質における310番目は、野生型HEA3の621番目に相当する)。いくつかの実施形態において、前記アミノ酸配列は、配列番号11で示される配列を含む(配列番号11:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号11をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号11は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536EはRelAタンパク質における位置であり、これらは、HEA3およびHEA4において621番目(RelAタンパク質のK310A)および846番目(RelAタンパク質のS536E)に相当する)をp65ドメイン内に含むCMP8-HEA3配列を含む。この配列をCMP8-HEA3(p65/S536E/K310Q(RelAタンパク質上の位置)(これらは、HEA3およびHEA4において621番目および846番目に相当する))と呼ぶ。
【0146】
いくつかの実施形態において、前記システムは合成転写活性化因子を使用し、該合成転写活性化因子は、前記薬物の存在下において、導入遺伝子の上流の合成プロモーターに結合し、発現を誘導する。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子はHEA4である。HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびp65ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、HNF1α DNA結合ドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、HEA4は、少なくとも3個の点突然変異をER-LBD内に含み、これらの点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、野生型のHEA3と比較して、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントおよびエストロゲン類似体に対してより高い感受性を付与する。いくつかの実施形態において、これら3個の点突然変異は、HEA4転写因子において400番目、543番目および544番目に位置する。いくつかの実施形態において、前記少なくとも3個の変異を含むHEA4のアミノ酸配列は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号4:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号4をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号4は、3個の点突然変異(G400V、M543A、L544A)をER-LBD内に含む野生型HEA4配列を含み、これらの点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、野生型のHEA3と比較して、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントおよびエストロゲン類似体に対してより高い感受性を付与する。
【0147】
いくつかの実施形態において、前記HEA4転写因子は、少なくとも1個の点突然変異を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1個の変異は、p65ドメイン内にあり、転写活性を向上させる。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1個の変異は、野生型HEA4転写因子の846番目に位置する。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1個の変異を含むHEA4のアミノ酸配列は、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号5:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号5をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号5は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(S536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA4配列を含む。この配列をHEA4(p65/S536E)と呼ぶ。前記変異S536Eは、WT RelAの536番目の変異に相当する。この位置は、HEA3の846番目に相当する。前記変異K310Qは、WT RelAの310番目の変異に相当する。この位置は、HEA3の621番目に相当する。
【0148】
いくつかの実施形態において、前記HEA4転写因子は、少なくとも1個の点突然変異を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1個の変異は、p65ドメイン内にあり、転写活性を向上させる。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1個の変異は、HEA4転写因子の621番目に位置する。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1個の変異を含むHEA4のアミノ酸配列は、配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号6:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号6をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号6は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(K310Q(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA4配列を含む。この配列をHEA4(p65/K310Q)と呼ぶ。K310Qは、RelAにおける位置であり、これは、WT HEA4の621番目に相当する。
【0149】
いくつかの実施形態において、前記HEA4転写因子は、少なくとも2個の点突然変異を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも2個の変異は、p65ドメイン内にあり、転写活性を向上させる。いくつかの実施形態において、前記少なくとも2個の変異は、HEA4転写因子の846番目と621番目に位置する。いくつかの実施形態において、前記少なくとも2個の変異を含むHEA4のアミノ酸配列は、配列番号7に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号7:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。いくつかの実施形態は、配列番号7をコードする核酸配列を含む核酸を含む。配列番号7は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA4配列を含む。この配列をHEA4(p65/S536E/K310Q(RelAタンパク質上の位置))と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA4において621番目に相当し、S536Eは、HEA4において846番目に相当する。
【0150】
別のキメラ転写因子も本明細書において想定される。いくつかの実施形態において、前記HEA4転写因子は、HNF1αと、HEA4に含まれるものと同じものであるER-LBDと、p65活性化ドメインのヌクレオチド配列の代わりにVP64活性化ドメインとを含み(本明細書においてHEA4(VP64)と呼ぶ)、このHEA4(VP64)は、配列番号24によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccgtgaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagggaatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgaggctgccgatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggacgctctggacgacttcgaccttgacatgttgggttccgacgcgctggatgattttgatttggacatgctgggaagcgacgcactggatgactttgatctcgatatgctcggctctgacgcattggacgacttcgacttggatatgctgggttct;HEA4(VP64))。いくつかの実施形態において、HEA4(VP64)は、配列番号25に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGS)。いくつかの実施形態は、配列番号25に示されるアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ転写因子はHEA4(VP64)であり、配列番号24によってコードされる。いくつかの実施形態において、HEA4(VP64)は、配列番号25に示されるアミノ酸配列を含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、別のHEA4は、HNF1αと、HEA4に含まれるものと同じものであるER-LBDと、p65活性化ドメインの代わりにHSF1活性化ドメインとを含む。HEA4(HSF-1)は、HNF1αと、HEA4に含まれるものと同じものであるER-LBDと、p65活性化ドメインの代わりにHSF1活性化ドメインとを含み、このHEA4(HSF-1)は、配列番号26によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccgtgaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagggaatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgaggctgccgatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggaaaagtgcctcagcgtagcctgcctggacaagaatgagctcagtgaccacttggatgctatggactccaacctggataacctgcagaccatgctgagcagccacggcttcagcgtggacaccagtgccctgctggacctgttcagcccctcggtgaccgtgcccgacatgagcctgcctgaccttgacagcagcctggccagtatccaagagctcctgtctccccaggagccccccaggcctcccgaggcagagaacagcagcccggattcagggaagcagctggtgcactacacagcgcagccgctgttcctgctggaccccggctccgtggacaccgggagcaacgacctgccggtgctgtttgagctgggagagggctcctacttctccgaaggggacggcttcgccgaggaccccaccatctccctgctgacaggctcggagcctcccaaagccaaggaccccactgtctcc)。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ転写因子はHEA4(HSF-1)であり、配列番号26によってコードされる。本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ転写因子はHEA4(HSF-1)であり、配列番号27に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEKCLSVACLDKNELSDHLDAMDSNLDNLQTMLSSHGFSVDTSALLDLFSPSVTVPDMSLPDLDSSLASIQELLSPQEPPRPPEAENSSPDSGKQLVHYTAQPLFLLDPGSVDTGSNDLPVLFELGEGSYFSEGDGFAEDPTISLLTGSEPPKAKDPTVS)。いくつかの実施形態は、配列番号27をコードする核酸配列を含む核酸を含む。
【0152】
本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ転写因子はHEA4(Arnt)である。HEA4(Arnt)は、HNF1αと、HEA4に含まれるものと同じものであるER-LBDと、p65活性化ドメインのアミノ酸配列の代わりにArnt活性化ドメインを含む。いくつかの実施形態において、HEA4(Arnt)は、配列番号28に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccgtgaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagggaatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgaggctgccgatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtgcctgaggtcttccaggagatgctgtccatgctgggagatcagagcaacagctacaacaatgaagaattccctgatctaactatgtttccccccttttcagaa)。いくつかの実施形態において、HEA4(Arnt)は、配列番号29に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVPEVFQEMLSMLGDQSNSYNNEEFPDLTMFPPFSE)。いくつかの実施形態は、配列番号29をコードする核酸配列を含む核酸を含む。
【0153】
本明細書において「選択マーカーカセット」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、人為的な選択を行うための特性を付与する「選択マーカー」をコードする遺伝子であり、ベクターまたは細胞に導入されるものについて述べるために使用してもよい。選択マーカーカセットは、スクリーニング可能なマーカーであってもよく、このような選択マーカーカセットを使用することによって、研究者が望ましい細胞と望ましくない細胞とを区別すること、または特定の種類の細胞を濃縮することが可能となる。いくつかの実施形態において、遺伝子送達ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態において、前記遺伝子送達ポリヌクレオチドは選択マーカーカセットを含む。本明細書に記載の選択マーカーカセットは、目的のタンパク質を有するタンパク質または細胞を選択または追跡するために使用されるタンパク質(選択マーカー)をコードする。本明細書に記載の実施形態において、本明細書で提供される融合タンパク質は、フローサイトメトリーなどの実験において選択することができるマーカー配列を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、前記マーカーはHer2tGタンパク質である。
【0154】
いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号30に示されるEGFRtのヌクレオチド配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacgcaaagtgtgtaacggaataggtattggtgaatttaaagactcactctccataaatgctacgaatattaaacacttcaaaaactgcacctccatcagtggcgatctccacatcctgccggtggcatttaggggtgactccttcacacatactcctcctctggatccacaggaactggatattctgaaaaccgtaaaggaaatcacagggtttttgctgattcaggcttggcctgaaaacaggacggacctccatgcctttgagaacctagaaatcatacgcggcaggaccaagcaacatggtcagttttctcttgcagtcgtcagcctgaacataacatccttgggattacgctccctcaaggagataagtgatggagatgtgataatttcaggaaacaaaaatttgtgctatgcaaatacaataaactggaaaaaactgtttgggacctccggtcagaaaaccaaaattataagcaacagaggtgaaaacagctgcaaggccacaggccaggtctgccatgccttgtgctcccccgagggctgctggggcccggagcccagggactgcgtctcttgccggaatgtcagccgaggcagggaatgcgtggacaagtgcaaccttctggagggtgagccaagggagtttgtggagaactctgagtgcatacagtgccacccagagtgcctgcctcaggccatgaacatcacctgcacaggacggggaccagacaactgtatccagtgtgcccactacattgacggcccccactgcgtcaagacctgcccggcaggagtcatgggagaaaacaacaccctggtctggaagtacgcagacgccggccatgtgtgccacctgtgccatccaaactgcacctacggatgcactgggccaggtcttgaaggctgtccaacgaatgggcctaagatcccgtccatcgccactgggatggtgggggccctcctcttgctgctggtggtggccctggggatcggcctcttcatgtga)。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号31に示されるEGFRtのアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPRKVCNGIGIGEFKDSLSINATNIKHFKNCTSISGDLHILPVAFRGDSFTHTPPLDPQELDILKTVKEITGFLLIQAWPENRTDLHAFENLEIIRGRTKQHGQFSLAVVSLNITSLGLRSLKEISDGDVIISGNKNLCYANTINWKKLFGTSGQKTKIISNRGENSCKATGQVCHALCSPEGCWGPEPRDCVSCRNVSRGRECVDKCNLLEGEPREFVENSECIQCHPECLPQAMNITCTGRGPDNCIQCAHYIDGPHCVKTCPAGVMGENNTLVWKYADAGHVCHLCHPNCTYGCTGPGLEGCPTNGPKIPSIATGMVGALLLLLVVALGIGLFM)。いくつかの実施形態は、配列番号31をコードする核酸配列を含む核酸を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号32に示されるHer2tのヌクレオチド配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccatgccaccctgagtgtcagccccagaatggctcagtgacctgttttggaccggaggctgaccagtgtgtggcctgtgcccactataaggaccctcccttctgcgtggcccgctgccccagcggtgtgaaacctgacctctcctacatgcccatctggaagtttccagatgaggagggcgcatgccagccttgccccatcaactgcacccactcctgtgtggacctggatgacaagggctgccccgccgagcagagagccagccctctgacgtccatcatctctgcggtggttggcattctgctggtcgtggtcttgggggtggtctttgggatcctcatctga)。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号33に示されるHer2tのアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPCHPECQPQNGSVTCFGPEADQCVACAHYKDPPFCVARCPSGVKPDLSYMPIWKFPDEEGACQPCPINCTHSCVDLDDKGCPAEQRASPLTSIISAVVGILLVVVLGVVFGILI)。いくつかの実施形態は、配列番号33をコードする核酸配列を含む核酸を含む。
【0156】
いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号34に示されるHer2tGのヌクレオチド配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccatgccaccctgagtgtcagccccagaatggctcagtgacctgttttggaccggaggctgaccagtgtgtggcctgtgcccactataaggaccctcccttctgcgtggcccgctgccccagcggtgtgaaacctgacctctcctacatgcccatctggaagtttccagatgaggagggcgcatgccagccttgccccatcaactgcacccactcctgtgtggacctggatgacaagggctgccccgccgagcagagagccagcccgttaacgggtggaggcagcggaggtggctccatcatctctgcggtggttggcattctgctggtcgtggtcttgggggtggtctttgggatcctcatctga)。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号35に示されるHer2tGのアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPCHPECQPQNGSVTCFGPEADQCVACAHYKDPPFCVARCPSGVKPDLSYMPIWKFPDEEGACQPCPINCTHSCVDLDDKGCPAEQRASPLTGGGSGGGSIISAVVGILLVVVLGVVFGILI)。いくつかの実施形態は、配列番号35をコードする核酸配列を含む核酸を含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号36に示されるCD19tのヌクレオチド配列によってコードされる(atgccacctcctcgcctcctcttcttcctcctcttcctcacccccatggaagtcaggcccgaggaacctctagtggtgaaggtggaagagggagataacgctgtgctgcagtgcctcaaggggacctcagatggccccactcagcagctgacctggtctcgggagtccccgcttaaacccttcttaaaactcagcctggggctgccaggcctgggaatccacatgaggcccctggccatctggcttttcatcttcaacgtctctcaacagatggggggcttctacctgtgccagccggggcccccctctgagaaggcctggcagcctggctggacagtcaatgtggagggcagcggggagctgttccggtggaatgtttcggacctaggtggcctgggctgtggcctgaagaacaggtcctcagagggccccagctccccttccgggaagctcatgagccccaagctgtatgtgtgggccaaagaccgccctgagatctgggagggagagcctccgtgtgtcccaccgagggacagcctgaaccagagcctcagccaggacctcaccatggcccctggctccacactctggctgtcctgtggggtaccccctgactctgtgtccaggggccccctctcctggacccatgtgcaccccaaggggcctaagtcattgctgagcctagagctgaaggacgatcgcccggccagagatatgtgggtaatggagacgggtctgttgttgccccgggccacagctcaagacgctggaaagtattattgtcaccgtggcaacctgaccatgtcattccacctggagatcactgctcggccagtactatggcactggctgctgaggactggtggctggaaggtctcagctgtgactttggcttatctgatcttctgcctgtgttcccttgtgggcattcttcatcttcaaagagccctggtcctgaggaggaaaagataa)。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号37に示されるCD19tのアミノ酸配列を含む(MPPPRLLFFLLFLTPMEVRPEEPLVVKVEEGDNAVLQCLKGTSDGPTQQLTWSRESPLKPFLKLSLGLPGLGIHMRPLAIWLFIFNVSQQMGGFYLCQPGPPSEKAWQPGWTVNVEGSGELFRWNVSDLGGLGCGLKNRSSEGPSSPSGKLMSPKLYVWAKDRPEIWEGEPPCVPPRDSLNQSLSQDLTMAPGSTLWLSCGVPPDSVSRGPLSWTHVHPKGPKSLLSLELKDDRPARDMWVMETGLLLPRATAQDAGKYYCHRGNLTMSFHLEITARPVLWHWLLRTGGWKVSAVTLAYLIFCLCSLVGILHLQRALVLRRKR)。いくつかの実施形態は、配列番号37をコードする核酸配列を含む核酸を含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号38に示されるDHFRdmのヌクレオチド配列によってコードされる(atggttggttcgctaaactgcatcgtcgctgtgtcccagaacatgggcatcggcaagaacggggacttcccctggccaccgctcaggaatgaatccagatatttccagagaatgaccacaacctcttcagtagaaggtaaacagaatctggtgattatgggtaagaagacctggttctccattcctgagaagaatcgacctttaaagggtagaattaatttagttctcagcagagaactcaaggaacctccacaaggagctcattttctttccagaagtctagatgatgccttaaaacttactgaacaaccagaattagcaaataaagtagacatggtctggatagttggtggcagttctgtttataaggaagccatgaatcacccaggccatcttaaactatttgtgacaaggatcatgcaagactttgaaagtgacacgttttttccagaaattgatttggagaaatataaacttctgccagaatacccaggtgttctctctgatgtccaggaggagaaaggcattaagtacaaatttgaagtatatgagaagaatgat)。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは、配列番号39に示されるDHFRdmのアミノ酸配列を含む(VGSLNCIVAVSQNMGIGKNGDFPWPPLRNESRYFQRMTTTSSVEGKQNLVIMGKKTWFSIPEKNRPLKGRINLVLSRELKEPPQGAHFLSRSLDDALKLTEQPELANKVDMVWIVGGSSVYKEAMNHPGHLKLFVTRIMQDFESDTFFPEIDLEKYKLLPEYPGVLSDVQEEKGIKYKFEVYEKND)。いくつかの実施形態は、配列番号39をコードする核酸配列を含む核酸を含む。
【0159】
いくつかの実施形態において、キメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムであって、
a)第1のポリヌクレオチド、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターをコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導できること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とするシステムを提供する。
いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/またはその代謝産物である。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導型プロモーターである。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは配列番号23の核酸配列を含む(配列番号23:tagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaatagttaataatctacaagagctcagggtatataatg)。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、EF1αpである。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10または配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。いくつかの実施形態において、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。いくつかの実施形態において、前記ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、第1の核酸および第2の核酸はベクターを含む。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、選択マーカーをコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、第2の核酸は、選択マーカーをコードする核酸をさらに含む。
いくつかの実施形態において、発現を誘導可能なシステムであって、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていることを特徴とするシステムを提供する。
いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも3個の変異を含み、該HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、前記薬物リガンドに応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。ER-LBDに含まれる変異は、薬物と受容体の結合に影響を与える。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、HNF1α DNA結合ドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含み、該HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、HNF1α DNA結合ドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、HEA3と比較して薬物に対する感受性を向上させる3個の変異をER-LBD内に含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号1は、ER-LBD内に1個の点突然変異を含み、この点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、4-OHT、フルベストラントおよびその他のエストロゲン類似体に対するナノレベルでの特異性を付与する。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号2:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。配列番号2は、HEA3のp65ドメイン内に、転写活性を向上させる点突然変異を含み、この配列をHEA3と呼ぶ(p65/S536E(RelAタンパク質上の位置))。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号3:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号3は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(K310Q(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/K310Q)と呼ぶ。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される少なくとも1つ以上の核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号8に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号8:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号8は、3個の点突然変異(L384M、M421G、G521R)をER-LBD内に含むHEA3配列を含み、これらの点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、CMP8および4-ヒドロキシタモキシフェンに対するナノレベルでの感受性を付与する。この配列をCMP8-HEA3と呼ぶ。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号9:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。配列番号9は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(S536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むCMP8-HEA3配列である。この配列をCMP8-HEA3(p65/S536E(RelAタンパク質上の位置))と呼ぶ。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号10:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号10は、転写活性を向上させる1個の点突然変異(K310Q(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むCMP8-HEA3配列である。この配列をCMP8-HEA3(p65/K310Q(RelAタンパク質上の位置))と呼ぶ。
いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む(配列番号11:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWMEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGGVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。配列番号11は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むCMP8-HEA3配列を含む。この配列をCMP8-HEA3(p65/S536E/K310Q(RelAタンパク質上の位置))と呼ぶ。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記ポリペプチドは、負のチェックポイント制御因子を抑制する。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導型プロモーターである。いくつかの実施形態において、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは抗体断片であり、好ましくはその結合断片である。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。いくつかの実施形態において、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、前記システムは合成転写活性化因子を使用し、該合成転写活性化因子は、薬物の存在下において、導入遺伝子の上流の合成プロモーターに結合し、発現を誘導する。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子はHEA3である。いくつかの実施形態において、前記薬物はタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。
【0160】
転写因子の特性を向上させるために、前記転写活性化因子にさらに変更を加えてもよく、たとえば、前記エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン内の1個以上のアミノ酸に変更を加えてもよく、かつ/または前記p65トランス活性化ドメイン内の1個以上のアミノ酸に変更を加えてもよいが、変更はこれらに限定されない。前記エストロゲン受容体の結合ドメインのアミノ酸に変更を加えることによって、前記転写活性化因子に対する前記薬物の結合の特異性と感受性をさらに高めることができる。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、少なくとも3個の点突然変異を含む。たとえば、400番目、543番目および544番目のアミノ酸に変異を導入することができる。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4は、配列番号4に示される配列を含む(配列番号4:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号4は、3個の点突然変異(G400V、M543A、L544A)をER-LBD内に含む野生型HEA4配列を含み、これらの点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、野生型のHEA3と比較して、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントおよびエストロゲン類似体に対してより高い感受性を付与する。配列に変更が加えられた前記転写活性化因子は、野生型HEA3と比較して、タモキシフェンまたは4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントおよびエストロゲン類似体に対する親和性が増加している。前記p65トランス活性化ドメイン内のアミノ酸に変更を加えると、形質導入された細胞を活性化させることなく、導入遺伝子の発現を増加させることができる(配列番号5および配列番号6)。
【0161】
タモキシフェンの非存在下では、細胞質内の熱ショックタンパク質90(HSP90)がタモキシフェン結合活性部位に結合することによって、TamR-tfが核内から排除されるため、導入遺伝子の発現は「オフ」の状態となる。細胞質内にナノモル濃度のタモキシフェンが存在すると、ER-LBDへの結合に対してHSP90と活発に競合してこれを阻害し、TamR-tfの核内への転座が生じる。核内への転座が起こると、TamR-tfは、自体の特異的結合部位である合成プロモーターと結合することが容易となる。タモキシフェンの存在下では、TamR-tfが7xHBD/mE1Bプロモーターに結合することによって導入遺伝子の発現が「オン」の状態になる。いくつかの実施形態において、この転写制御因子は、導入遺伝子の発現を様々なレベルで制御できるように改変することができる。TamR-tf(HEA3)のリガンド結合ドメイン内のアミノ酸を置換することによって、タモキシフェンおよびその代謝産物に対する選択的応答が可能となる。4-ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)は、TamR-tf(HEA3)活性に関して薬理学的活性が最も高い代謝物であり、内在性エストロゲンと相互作用を起こさない。
【0162】
いくつかの実施形態において、導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムであって、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とするシステムを提供する。
いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、選択的かつ高い感受性で薬物リガンドへの結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、HNF1α DNA結合ドメインをさらに含む。ER-LBDに含まれる変異は、薬物と受容体の結合に影響を与える。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、選択的かつ高い感受性で薬物リガンドへの結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、HNF1α DNA結合ドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、HEA3と比較して薬物に対する感受性を向上させる3個の変異をER-LBD内に含む。ER-LBDに含まれる変異は、薬物と受容体の結合に影響を与える。いくつかの実施形態において、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3転写因子は、配列番号12に示される核酸配列によってコードされる(配列番号12:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattcaagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttctccagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号13に示される核酸配列によってコードされる(配列番号13:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattcaagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcc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いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号19に示される核酸配列によってコードされる(配列番号19:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggatggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcggcgtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattcaagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttctccagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号20に示される核酸配列によってコードされる(配列番号20:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggatggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcggcgtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattcaagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacga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いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号22に示される核酸配列によってコードされる(配列番号22:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggatggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcggcgtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示される少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15に示される核酸配列によってコードされる(配列番号15:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccgtgaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagggaatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgaggctgccgatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattcaagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttctccagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号16に示される核酸配列によってコードされる(配列番号16:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccgtgaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagggaatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgaggctgccgatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattcaagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。
いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号17に示される核酸配列によってコードされる(配列番号17:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccgtgaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagggaatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgaggctgccgatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttctccagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。
いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号18に示される核酸配列によってコードされる(配列番号18:atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccgtgaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagggaatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgaggctgccgatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。
【0163】
いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターは、レンチウイルス構築物および/またはリンパ球において機能する。
【0164】
キメラ抗原受容体
哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能な、薬物リガンドに対する感受性が向上したシステムであって、
薬物により誘導可能な第1のプロモーター;
第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とするシステムを提供する。
別の実施形態において、キメラ抗原受容体をコードする別のポリヌクレオチドは、構成的プロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。
【0165】
リガンド結合ドメイン
いくつかの実施形態において、前記キメラ受容体の核酸配列は、リガンド結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍、ウイルス分子、または標的細胞集団もしくは選択された細胞集団に発現されるその他の分子に特異的に結合し、ヒト化されていてもよい。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインとしては、受容体またはその一部、小さいペプチド、ペプチドミメティック、基質、およびサイトカインなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、抗体またはその断片であり、その結合断片であることが好ましく、これらはヒト化されていてもよい。抗体または抗体断片をコードする核酸配列は容易に決定することができる。特定の実施形態において、前記ポリヌクレオチドは、CD19に特異的に結合するscFvをコードする。別の特定の実施形態において、前記ポリヌクレオチドは、HER2、CE7、hB7H3、またはEGFRに特異的に結合する一本鎖Fvをコードし、前記ポリヌクレオチドはヒト化された該一本鎖Fvをコードしてもよい。これらの抗体およびその結合ドメインの配列は、当業者に知られており、当業者によって容易に決定される。いくつかの実施形態において、前記ポリヌクレオチドは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する単一のscFvをコードする。
【0166】
腫瘍抗原は、免疫応答を誘導する腫瘍細胞によって産生されるタンパク質である。本発明のリガンド結合ドメインは、治療されるがんの種類に応じて選択され、腫瘍抗原またはその他の腫瘍細胞表面分子を標的とすることができる。対象から得られた腫瘍試料は、特定のバイオマーカーまたは細胞表面マーカーの存在について特性評価することができる。たとえば、対象から得られた乳がん細胞は、Her2Neu、エストロゲン受容体および/またはプロゲステロン受容体のそれぞれについて陽性または陰性であり得る。個々の対象の腫瘍細胞上に見出される腫瘍抗原または細胞表面分子が選択される。腫瘍抗原および細胞表面分子は、当技術分野においてよく知られており、たとえば、癌胎児性抗原(CEA)、前立腺特異抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、CE7、hB7H3、ROR1、メソテリン、c-Met、GD-2および/またはMAGE A3 TCRが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記腫瘍抗原または前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、および/またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、標的分子は、腫瘍細胞上に存在する細胞表面分子であり、正常組織上に実質的に存在しないか、または重要でない正常組織にその発現が制限されている。
【0167】
いくつかの実施形態において、前記標的は、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、GD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAである。
【0168】
一実施形態において、腫瘍上の前記標的分子は、悪性腫瘍と関連する1つ以上のエピトープを含む。悪性腫瘍は、T細胞受容体またはキメラ受容体によって認識される標的抗原として機能することができるタンパク質を多数発現している。その他の標的分子としては、細胞の形質転換に関連する分子群に属するものが挙げられ、たとえばがん遺伝子HER-2/Neu/ErbB2が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記腫瘍抗原は、同じ種類の組織に由来する対照細胞と比較して、腫瘍細胞上に選択的に発現または過剰発現される。別の実施形態において、前記腫瘍抗原は細胞表面ポリペプチドである。
【0169】
キメラ受容体の標的となりうる腫瘍細胞表面分子が特定された後、この標的分子のエピトープを選択し、その特性を評価する。腫瘍細胞表面分子に特異的に結合する抗体は、モノクローナル抗体を得る方法、ファージディスプレイ法、ヒト抗体もしくはヒト化抗体を作製する方法、またはヒト抗体を産生するように遺伝子組換えされたトランスジェニック動物もしくはトランスジェニック植物を用いる方法を使用して作製することができる。部分的に合成した抗体または全合成抗体のファージディスプレイライブラリが入手可能であり、このライブラリから、標的分子に結合することができる抗体またはその断片をスクリーニングすることができる。ヒト抗体のファージディスプレイライブラリも入手可能である。いくつかの実施形態において、抗体は、腫瘍細胞表面分子に特異的に結合し、ウシ血清アルブミンやその他の無関係な抗原などの非特異的成分とは交差反応を起こさない。前記抗体をコードするアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列が特定された後、これらの配列を単離し、かつ/または配列決定することができる。
【0170】
抗体または抗原結合断片としては抗体全体またはその一部が挙げられ、該抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、合成抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、および線状抗体が挙げられる。本明細書において「抗体断片」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、全長抗体の一部、好ましくは全長抗体の抗原結合領域または可変領域を指すために使用してもよく、これらの抗体断片は容易に作製することができる。抗体断片としては、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片およびFv断片;diabody;線状抗体;一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記抗体断片は、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片もしくはFv断片;diabody;線状抗体;一本鎖抗体分子;または抗体断片から形成された多重特異性抗体である。前記抗体または抗体断片はいずれもヒト化することができ、本明細書に記載の組成物および方法とともに使用することができる。
【0171】
いくつかの実施形態において、特定の腫瘍細胞表面分子に結合する様々な抗体を多数単離することができ、これらの特性を評価することができる。いくつかの実施形態において、前記抗体は、標的分子のエピトープに対する特異性に基づいて特性が評価される。また、場合によっては、エピトープに対する抗体の親和性に基づいて、同じエピトープに結合する抗体を選択することができる。いくつかの実施形態において、抗体は少なくとも1mMの親和性を有し、50nM未満の親和性を有することが好ましい。いくつかの実施形態において、前記抗体は、50nM、100nM、200nM、300nM、400nM、500nM、1μM、100μM、200μM、300μM、400μM、500μM、600μM、700μM、800μM、900μM、もしくは1mMの親和性を有するか、またはこれらの値のいずれか2つによって定義される範囲内の親和性を有する。いくつかの実施形態において、別の抗体よりもエピトープに対する親和性が高い抗体が選択される。たとえば、同じエピトープに結合する対照の抗体よりも、親和性が少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、もしくは少なくとも50倍高い抗体、または対照の抗体よりも、これらの値のいずれか2つによって定義される範囲内の倍率分だけ親和性が高い抗体が選択される。
【0172】
いくつかの実施形態において、標的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CE7、hB7H3、EGFR、CD123、CS-1、ROR1、メソテリン、Her2、c-Met、PSMA、GD-2、MAGE A3 TCR、またはこれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、これらの標的分子に特異的な前記抗体またはその結合断片は、ヒト化されている。
【0173】
特定の実施形態において、前記標的抗原は、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EphA2、IL13Ra2、oaGD2、GD2、CD33、メソテリン、ROR-1および/またはVAR2CSAである。CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EphA2、IL13Ra2、oaGD2、GD2、CD33、メソテリン、ROR-1および/またはVAR2CSAのそれぞれに特異的な抗体は当業者に多数知られており、その配列、エピトープ結合性および親和性は容易に評価することができる。また、本開示は、抗CD19 scFv、抗CD20 scFv、抗CD22 scFv、抗EGFRvIII scFv、抗EphA2 scFv、抗IL13Ra2 scFv、抗oaGD2 scFv、抗GD2 scFv、抗CD33 scFv、抗メソテリン scFv、抗ROR-1 scFvおよび/または抗VAR2CSA scFvの可変領域と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列同一性を有する可変領域を包含する。
【0174】
本明細書において「ヒト化抗体」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、ヒトにおいて天然に産生される抗体バリアントとの類似性が高まるように改変されたタンパク質配列を含む非ヒト種由来抗体を指すために使用してもよい。ヒトに投与する目的で構築されたモノクローナル抗体(たとえば、抗がん薬として構築された抗体)を「ヒト化」してもよい。非ヒト免疫系(たとえばマウスの免疫系)を利用して特定の抗体を構築する方法では、抗体をヒト化することが望ましい場合がある。このような方法で作製された抗体のタンパク質配列は、ヒトにおいて天然に産生される同種抗体のタンパク質配列とは部分的に異なるため、ヒト患者に投与した場合に免疫原性を発揮する可能性がある。ヒト化抗体は、ヒト抗体に対するタンパク質配列の類似性がキメラ抗体よりも高められており、かつキメラ抗体が含むことのできる非ヒトタンパク質配列よりも長い非ヒトタンパク質配列を含むことができるという点でキメラ抗体とは異なる。ヒト化抗体の誘導体は、ヒト化抗体に由来する抗体または配列のセグメントであってもよい。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、ヒト化抗体またはその一部を含む。いくつかの実施形態において、前記リガンド結合ドメインは、scFvを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはヒト化されたscFvである。
【0175】
いくつかの実施形態において、前記scFvは、CD19、CD22、CD20、B7H3受容体、L1CAM、EGFR、EGFRVIII、EphA2、FITC(E2)、GD2、Her2、IL13R2a(hu08)VlVh、IL13Ra2、IL13Ra2、oaGD2、ROR1、CD33、メソテリンおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。
【0176】
いくつかの実施形態において、異種生物(たとえば齧歯類)に由来するモノクローナル抗体の免疫原性を低減するために、抗体をヒト化することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその断片とヒト免疫系との相互作用を向上させるために、ヒト化を行うことが望ましい場合がある。ハイブリドーマ技術の発展に伴って開発された異種抗体の多くはヒトに対して免疫原性が高いため、臨床適用が制限される場合があり、これは特に、繰り返し投与を行う必要がある場合に顕著である。さらに、このような異種抗体は体内循環から速やかに排除される可能性があるとともに、全身性の炎症作用を引き起こす恐れもある。したがって、いくつかの実施形態において、これらの状況を回避するためにヒト化を行うことが望ましい。抗体をヒト化する技術は当業者に知られている。
【0177】
いくつかの実施形態において、リガンド結合ドメインをコードするポリヌクレオチドは、スペーサー領域をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、リガンド結合ドメインをコードする前記ポリヌクレオチドは、そのコード配列の5’末端および/または3’末端に1つ以上の制限酵素部位をさらに有していてもよく、これによって、該ポリヌクレオチドを切断して、別の抗原に対するリガンド結合ドメインをコードする別のポリヌクレオチドまたは別の結合特性を有するリガンド結合ドメインをコードする別のポリヌクレオチドと置換することが容易となる。たとえば、制限部位NheIをリーダー配列の上流にコードし、かつヒンジ領域内の3’末端にRsrIIを配置することよって、キメラ受容体ベクター内に所望のscFvをサブクローニングすることが可能となる。いくつかの実施形態において、前記ポリヌクレオチドは、哺乳類細胞(たとえばヒト細胞)における発現のためにコドン最適化されている。所望のベクターの制限部位へのサブクローニングは、当業者によく知られている技術の1つである。
【0178】
いくつかの実施形態において、リガンド結合ドメインをコードする前記ポリヌクレオチドは、シグナルペプチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドは、顆粒球コロニー刺激因子のシグナルペプチドである。CD8αなどの他のシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを利用することもできる。いくつかの実施形態において、前記ポリヌクレオチドはCD8αをコードする。
【0179】
いくつかの実施形態において、リガンド結合ドメインをコードする前記ポリヌクレオチドは、プロモーターに作動可能に連結されている。哺乳類細胞(たとえばヒト細胞)において前記キメラ抗原受容体の発現を可能とするプロモーターが選択される。特定の一実施形態において、前記プロモーターは誘導型プロモーターである。
【0180】
スペーサー
いくつかの実施形態において、前記キメラ受容体の核酸は、スペーサー領域をコードするポリヌクレオチドを含む。通常、スペーサー領域は、前記キメラ受容体のリガンド結合ドメインと膜貫通ドメインの間に位置する。いくつかの実施形態において、スペーサー領域は、前記リガンド結合ドメインに柔軟性を持たせ、かつリンパ球において高レベル発現を可能とする。たとえば、229アミノ酸長のスペーサードメインを有するCD19特異的キメラ受容体の抗腫瘍活性は、改変IgG4ヒンジのみからなる短いスペーサー領域を有するCD19特異的キメラ受容体の抗腫瘍活性よりも低かった。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
【0181】
いくつかの実施形態において、スペーサー領域は、少なくとも10~229アミノ酸長、10~200アミノ酸長、10~175アミノ酸長、10~150アミノ酸長、10~125アミノ酸長、10~100アミノ酸長、10~75アミノ酸長、10~50アミノ酸長、10~40アミノ酸長、10~30アミノ酸長、10~20アミノ酸長、もしくは10~15アミノ酸長であるか、またはこれらの長さのいずれか2つによって定義される範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、スペーサー領域は、1アミノ酸長または2アミノ酸長よりも長く、かつ12アミノ酸長以下、119アミノ酸長以下、または229アミノ酸長以下である。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
【0182】
いくつかの実施形態において、前記スペーサー領域は、免疫グロブリン分子のヒンジ領域に由来する。いくつかの実施形態において、スペーサー領域は、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3、またはヒトIgG4に由来するヒンジ領域全体またはその一部を含み、1個以上のアミノ酸置換を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、前記ヒンジ領域の一部は、重鎖可変領域とコアとの間に存在するアッパーヒンジ領域のアミノ酸配列と、ポリプロリン領域を含むコアヒンジ領域のアミノ酸配列とを含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
【0183】
いくつかの実施形態において、短いスペーサー領域は、12個以下のアミノ酸を有し、かつIgG4のヒンジ領域配列の全体もしくはその一部またはそのバリアントを含む。中程度の長さのスペーサー領域は、119個以下のアミノ酸を有し、かつIgG4のヒンジ領域配列の全体もしくはその一部またはそのバリアントと、CH3領域の全体もしくはその一部またはそのバリアントとを含む。長いスペーサーは、1個~229個のアミノ酸を有し、かつIgG4のヒンジ領域配列の全体もしくはその一部またはそのバリアントと、CH2領域の全体もしくはその一部またはそのバリアントと、CH3領域の全体もしくはその一部またはそのバリアントとを含む。いくつかの実施形態において、短いスペーサー領域は、1アミノ酸長、2アミノ酸長、3アミノ酸長、4アミノ酸長、5アミノ酸長、6アミノ酸長、7アミノ酸長、8アミノ酸長、9アミノ酸長、10アミノ酸長、11アミノ酸長もしくは12アミノ酸長、またはこれらのアミノ酸長のいずれか2つによって定義される範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、中程度の長さのスペーサー領域は、13アミノ酸長、20アミノ酸長、30アミノ酸長、40アミノ酸長、50アミノ酸長、60アミノ酸長、70アミノ酸長、80アミノ酸長、90アミノ酸長、100アミノ酸長、110アミノ酸長もしくは119アミノ酸長、またはこれらのアミノ酸長のいずれか2つによって定義される範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態において、スペーサー領域は、120アミノ酸長、130アミノ酸長、140アミノ酸長、150アミノ酸長、160アミノ酸長、170アミノ酸長、180アミノ酸長、190アミノ酸長、200アミノ酸長、210アミノ酸長もしくは219アミノ酸長、またはこれらのアミノ酸長のいずれか2つによって定義される範囲内の長さを有する。
【0184】
スペーサー領域をコードするポリヌクレオチドは、アミノ酸配列に基づいて合成法または組換え法により容易に作製することができる。いくつかの実施形態において、スペーサー領域をコードするポリヌクレオチドは、膜貫通領域をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、スペーサー領域をコードする前記ポリヌクレオチドは、そのコード配列の5’末端および/または3’末端に1つ以上の制限酵素部位をさらに有していてもよく、これによって、該ポリヌクレオチドを切断して、別のスペーサー領域をコードする別のポリヌクレオチドと置換することが容易となる。いくつかの実施形態において、前記スペーサー領域をコードする前記ポリヌクレオチドは、哺乳類細胞(たとえばヒト細胞)における発現のためにコドン最適化されている。
【0185】
一実施形態において、前記スペーサー領域は、IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4に由来するヒンジ領域配列もしくはその一部、IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4に由来するヒンジ領域配列とCH2領域の全体もしくはその一部もしくはそのバリアントとの組み合わせ、IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4に由来するヒンジ領域配列とCH3領域の全体もしくはその一部もしくはそのバリアントとの組み合わせ、またはIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4に由来するヒンジ領域配列とCH2領域の全体もしくはその一部もしくはそのバリアントおよび/もしくはCH3領域の全体もしくはその一部もしくはそのバリアントとの組み合わせである。いくつかの実施形態において、短いスペーサー領域は、1アミノ酸長もしくは2アミノ酸長を超え、かつ12アミノ酸長以下の改変IgG4ヒンジ配列であり;中程度の長さの配列は、1アミノ酸長もしくは2アミノ酸長を超え、かつ119アミノ酸長以下の、CH3配列を含むIgG4ヒンジ配列であり;または1アミノ酸長もしくは2アミノ酸長を超え、かつ229アミノ酸長以下の、CH2領域およびCH3領域を含むIgG4ヒンジ配列である。
【0186】
膜貫通ドメイン
いくつかの実施形態において、前記キメラ受容体の核酸配列は、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドを含む。該膜貫通ドメインは、前記キメラ受容体を膜につなぎ止める役割を果たす。
【0187】
一実施形態において、前記キメラ受容体のドメインのうちの1つと天然の状態で会合する膜貫通ドメインが使用される。場合によっては、前記キメラ受容体のドメインが、同じまたは異なる表面膜タンパク質に由来する膜貫通ドメインに結合することを回避できるような膜貫通ドメインを選択してもよく、あるいはこのような回避が可能なアミノ酸置換によって膜貫通ドメインを改変してもよく、これによって、前記受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えることができる。
【0188】
前記膜貫通ドメインは、天然由来のものであってもよく、合成されたものであってもよい。天然由来のものである場合、前記膜貫通ドメインは、膜結合型タンパク質に由来するものであってもよく、膜貫通型タンパク質に由来するものであってもよい。
【0189】
いくつかの実施形態において、膜貫通領域は、T細胞受容体のα鎖、β鎖もしくはζ鎖、CD28、CD3、CD45、CD4、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137および/またはCD154の膜貫通領域を少なくとも含む。
【0190】
膜貫通ドメインは、合成されたものであってもよく、天然の膜貫通ドメインのバリアントであってもよい。いくつかの実施形態において、合成膜貫通ドメインまたは膜貫通ドメインのバリアントは、主として疎水性残基、たとえば、ロイシンおよびバリンを含む。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインは、配列番号110~113に示される膜貫通ドメインと少なくとも80%、85%、90%、95%もしくは100%のアミノ酸配列同一性、またはこれらの値のいずれか2つにより定義される範囲内のアミノ酸配列同一性を有してもいてもよい。膜貫通ドメインのバリアントは、Kyte Doolittle法により算出された疎水性スコアが少なくとも50であることが好ましい。
【0191】
膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、合成法または組換え法により容易に作製することができる。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチドは、細胞内シグナル伝達領域をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインをコードする前記ポリヌクレオチドは、そのコード配列の5’末端および/または3’末端に1つ以上の制限酵素部位をさらに有していてもよく、これによって、膜貫通ドメインをコードする該ポリヌクレオチドを切断して、別の膜貫通ドメインをコードする別のポリヌクレオチドと置換することが容易となる。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインをコードする前記ポリヌクレオチドは、哺乳動物細胞(たとえばヒト細胞)における発現のためにコドン最適化されている。
【0192】
細胞内シグナル伝達ドメイン
いくつかの実施形態において、前記キメラ受容体の核酸は、細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドを含む。該細胞内シグナル伝達ドメインが存在することによって、前記キメラ受容体を発現する形質導入細胞が腫瘍細胞上に発現されたリガンドに結合すると、該形質導入細胞の1つの機能が活性化される。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、1つ以上の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、前記形質導入細胞の少なくとも1つの機能を活性化する細胞内シグナル伝達ドメインの一部および/またはそのバリアントである。
【0193】
本開示のキメラ受容体に用いられる細胞内シグナル伝達ドメインとしては、CD3ζ鎖の細胞内配列、および/またはキメラ受容体が結合するとこれと協同してシグナル伝達を開始する補助受容体の細胞内配列、これらの配列の任意の誘導体またはバリアント、ならびに同じ機能を有する任意の合成配列が挙げられる。T細胞の活性化は、2種類の細胞内シグナル伝達配列によって媒介されると考えられている。一つは、抗原依存性一次活性化を開始して、T細胞受容体様シグナルを提供する細胞内シグナル伝達配列(一次細胞内シグナル伝達配列)であり、もう一つは、抗原非依存性に二次シグナルまたは共刺激シグナルを提供する細胞内シグナル伝達配列(二次細胞内シグナル伝達配列)である。刺激性に作用する一次細胞内シグナル伝達配列は、受容体チロシン活性化モチーフすなわちITAMとして知られるシグナル伝達モチーフを含んでいてもよい。本明細書に記載の実施形態との使用に適した、一次細胞内シグナル伝達配列を含むITAMとしては、CD3ζ、FcRγ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD79a、CD79b、および/またはCD66dに由来するものが挙げられる。
【0194】
好ましい一実施形態において、前記キメラ受容体の前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζシグナル伝達ドメインを単独で含むように、あるいはCD3ζシグナル伝達ドメインと1種以上の所望のその他の細胞内ドメインとを含むように設計することができる。たとえば、前記キメラ受容体の前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζ鎖と共刺激シグナル伝達領域を含んでいてもよい。
【0195】
前記共刺激シグナル伝達領域は、共刺激分子の前記細胞内ドメインを含むキメラ受容体の一部を指す。共刺激分子は、抗原に対するリンパ球の応答に必要とされる抗原受容体やそのリガンド以外の細胞表面分子である。本明細書に記載の実施形態における使用に適したそのような分子としては、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびζ鎖関連プロテインキナーゼ(ZAP70)、ならびに/またはCD83と特異的に結合するリガンドが挙げられる。
【0196】
前記キメラ受容体に含まれる複数の細胞内シグナル伝達配列は、ランダムな順序または所定の順序で互いに連結されていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの細胞内シグナル伝達配列は、短いオリゴペプチドリンカーまたは短いポリペプチドリンカーによって連結されていてもよく、これらのリンカーは2~10アミノ酸長であることが好ましく、たとえば、2アミノ酸長、3アミノ酸長、4アミノ酸長、5アミノ酸長、6アミノ酸長、7アミノ酸長、8アミノ酸長、9アミノ酸長または10アミノ酸長である。一実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζのシグナル伝達ドメインの全体もしくはその一部またはそのバリアントと、CD28のシグナル伝達ドメインの全体もしくはその一部またはそのバリアントとを含む。別の一実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζのシグナル伝達ドメインの全体もしくはその一部またはそのバリアントと、4-1BBのシグナル伝達ドメインの全体もしくはその一部またはそのバリアントとを含む。さらに別の一実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζのシグナル伝達ドメインの全体もしくはその一部またはそのバリアントと、CD28のシグナル伝達ドメインの全体もしくは一部またはそのバリアントと、4-1BBのシグナル伝達ドメインの全体もしくはその一部またはそのバリアントとを含む。特定の一実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインのアミノ酸配列は、CD3ζのバリアントと4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインの一部とを含む。
【0197】
一実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドは、CD3ζドメインの一部に連結された4-1BBの細胞内ドメインを含む。別の一実施形態において、4-1BB細胞内ドメインおよびCD28細胞内ドメインは、CD3ζドメインの一部に連結されている。
【0198】
いくつかの実施形態において、前記細胞内ドメインは、配列番号114に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記細胞内ドメインは、配列番号116に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記細胞内ドメインは、配列番号118に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記細胞内ドメインは、配列番号115に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内ドメインは、配列番号117に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内ドメインは、配列番号119に示されるアミノ酸配列を含む。
【0199】
細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドは、アミノ酸配列に基づいて合成法または組換え法により容易に作製することができる。いくつかの実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメインをコードする前記ポリヌクレオチドは、そのコード配列の5’末端および/または3’末端に1つ以上の制限酵素部位をさらに有していてもよく、これによって、細胞内シグナル伝達ドメインをコードする該ポリヌクレオチドを切断して、別の細胞内シグナル伝達ドメインをコードする別のポリヌクレオチドと置換することが容易となる。いくつかの実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメインをコードする前記ポリヌクレオチドは、哺乳類細胞における発現のためにコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、前記哺乳類細胞はヒト細胞である。
【0200】
マーカー配列
いくつかの実施形態において、前記システムは、誘導型プロモーターの制御下に1種以上のマーカー配列をさらに含む。マーカー配列によって、形質導入細胞の選択および/または形質導入細胞の特定が可能となる。いくつかの実施形態において、前記マーカー配列を使用して、形質導入細胞の選択および/または形質導入細胞の特定を行う。いくつかの実施形態において、前記マーカー配列は、リンカー配列をコードするポリヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、前記リンカー配列は切断可能なリンカー配列である。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、たとえばT2A、P2A、F2Aなどの2Aリンカーである。いくつかの実施形態において、前記リンカーは切断可能なT2Aリンカーである。
【0201】
複数種のマーカー配列を使用することができる。通常、マーカー配列は、形質導入細胞の選択および/または検出を可能にする機能特性を有する。いくつかの実施形態において、前記マーカー配列は、ヒトリンパ球の形質導入に適合している。いくつかの実施形態において、前記マーカー配列は、形質導入細胞の選択および/または検出を可能にする。
【0202】
前記ポジティブ選択マーカーは、宿主細胞に導入される遺伝子であって、導入された該遺伝子を持つ宿主細胞のポジティブ選択を可能にする表現型を優位に発現する遺伝子であってもよい。このようなタイプの遺伝子は当技術分野において公知であり、具体的には、ハイグロマイシンBに対する耐性を付与するハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子(hph)、抗生物質であるG418に対する耐性をコードするTn5由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neoまたはaph)、メトトレキサートに対する耐性を付与する、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子の二重変異体(DHFR dm)などが挙げられる。形質導入細胞は、これらの薬剤の存在下での培養において生存することができ、次いで選択される。
【0203】
一実施形態において、第1の核酸は、マーカー配列をコードするポリヌクレオチドをさらに含む。別の一実施形態において、前記マーカー配列は、末端切断型上皮成長因子受容体(EGFRt)である。いくつかの実施形態において、前記マーカー配列は末端切断型Her2配列(Her2t)である。本開示で示した実施形態において使用することができる選択マーカー配列を以下に示す。
選択マーカー配列
EGFRtヌクレオチド配列:
Atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacgcaaagtgtgtaacggaataggtattggtgaatttaaagactcactctccataaatgctacgaatattaaacacttcaaaaactgcacctccatcagtggcgatctccacatcctgccggtggcatttaggggtgactccttcacacatactcctcctctggatccacaggaactggatattctgaaaaccgtaaaggaaatcacagggtttttgctgattcaggcttggcctgaaaacaggacggacctccatgcctttgagaacctagaaatcatacgcggcaggaccaagcaacatggtcagttttctcttgcagtcgtcagcctgaacataacatccttgggattacgctccctcaaggagataagtgatggagatgtgataatttcaggaaacaaaaatttgtgctatgcaaatacaataaactggaaaaaactgtttgggacctccggtcagaaaaccaaaattataagcaacagaggtgaaaacagctgcaaggccacaggccaggtctgccatgccttgtgctcccccgagggctgctggggcccggagcccagggactgcgtctcttgccggaatgtcagccgaggcagggaatgcgtggacaagtgcaaccttctggagggtgagccaagggagtttgtggagaactctgagtgcatacagtgccacccagagtgcctgcctcaggccatgaacatcacctgcacaggacggggaccagacaactgtatccagtgtgcccactacattgacggcccccactgcgtcaagacctgcccggcaggagtcatgggagaaaacaacaccctggtctggaagtacgcagacgccggccatgtgtgccacctgtgccatccaaactgcacctacggatgcactgggccaggtcttgaaggctgtccaacgaatgggcctaagatcccgtccatcgccactgggatggtgggggccctcctcttgctgctggtggtggccctggggatcggcctcttcatgtga(配列番号30);
EGFRtアミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPRKVCNGIGIGEFKDSLSINATNIKHFKNCTSISGDLHILPVAFRGDSFTHTPPLDPQELDILKTVKEITGFLLIQAWPENRTDLHAFENLEIIRGRTKQHGQFSLAVVSLNITSLGLRSLKEISDGDVIISGNKNLCYANTINWKKLFGTSGQKTKIISNRGENSCKATGQVCHALCSPEGCWGPEPRDCVSCRNVSRGRECVDKCNLLEGEPREFVENSECIQCHPECLPQAMNITCTGRGPDNCIQCAHYIDGPHCVKTCPAGVMGENNTLVWKYADAGHVCHLCHPNCTYGCTGPGLEGCPTNGPKIPSIATGMVGALLLLLVVALGIGLFM(配列番号31);
Her2tヌクレオチド配列:
Atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccatgccaccctgagtgtcagccccagaatggctcagtgacctgttttggaccggaggctgaccagtgtgtggcctgtgcccactataaggaccctcccttctgcgtggcccgctgccccagcggtgtgaaacctgacctctcctacatgcccatctggaagtttccagatgaggagggcgcatgccagccttgccccatcaactgcacccactcctgtgtggacctggatgacaagggctgccccgccgagcagagagccagccctctgacgtccatcatctctgcggtggttggcattctgctggtcgtggtcttgggggtggtctttgggatcctcatctga(配列番号32);
Her2tアミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPCHPECQPQNGSVTCFGPEADQCVACAHYKDPPFCVARCPSGVKPDLSYMPIWKFPDEEGACQPCPINCTHSCVDLDDKGCPAEQRASPLTSIISAVVGILLVVVLGVVFGILI(配列番号33);
Her2tGヌクレオチド配列:
Atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccatgccaccctgagtgtcagccccagaatggctcagtgacctgttttggaccggaggctgaccagtgtgtggcctgtgcccactataaggaccctcccttctgcgtggcccgctgccccagcggtgtgaaacctgacctctcctacatgcccatctggaagtttccagatgaggagggcgcatgccagccttgccccatcaactgcacccactcctgtgtggacctggatgacaagggctgccccgccgagcagagagccagcccgttaacgggtggaggcagcggaggtggctccatcatctctgcggtggttggcattctgctggtcgtggtcttgggggtggtctttgggatcctcatctga(配列番号34);
Her2tGアミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPCHPECQPQNGSVTCFGPEADQCVACAHYKDPPFCVARCPSGVKPDLSYMPIWKFPDEEGACQPCPINCTHSCVDLDDKGCPAEQRASPLTGGGSGGGSIISAVVGILLVVVLGVVFGILI(配列番号35);
CD19tヌクレオチド配列:
Atgccacctcctcgcctcctcttcttcctcctcttcctcacccccatggaagtcaggcccgaggaacctctagtggtgaaggtggaagagggagataacgctgtgctgcagtgcctcaaggggacctcagatggccccactcagcagctgacctggtctcgggagtccccgcttaaacccttcttaaaactcagcctggggctgccaggcctgggaatccacatgaggcccctggccatctggcttttcatcttcaacgtctctcaacagatggggggcttctacctgtgccagccggggcccccctctgagaaggcctggcagcctggctggacagtcaatgtggagggcagcggggagctgttccggtggaatgtttcggacctaggtggcctgggctgtggcctgaagaacaggtcctcagagggccccagctccccttccgggaagctcatgagccccaagctgtatgtgtgggccaaagaccgccctgagatctgggagggagagcctccgtgtgtcccaccgagggacagcctgaaccagagcctcagccaggacctcaccatggcccctggctccacactctggctgtcctgtggggtaccccctgactctgtgtccaggggccccctctcctggacccatgtgcaccccaaggggcctaagtcattgctgagcctagagctgaaggacgatcgcccggccagagatatgtgggtaatggagacgggtctgttgttgccccgggccacagctcaagacgctggaaagtattattgtcaccgtggcaacctgaccatgtcattccacctggagatcactgctcggccagtactatggcactggctgctgaggactggtggctggaaggtctcagctgtgactttggcttatctgatcttctgcctgtgttcccttgtgggcattcttcatcttcaaagagccctggtcctgaggaggaaaagataa(配列番号36);
CD19tアミノ酸配列:
MPPPRLLFFLLFLTPMEVRPEEPLVVKVEEGDNAVLQCLKGTSDGPTQQLTWSRESPLKPFLKLSLGLPGLGIHMRPLAIWLFIFNVSQQMGGFYLCQPGPPSEKAWQPGWTVNVEGSGELFRWNVSDLGGLGCGLKNRSSEGPSSPSGKLMSPKLYVWAKDRPEIWEGEPPCVPPRDSLNQSLSQDLTMAPGSTLWLSCGVPPDSVSRGPLSWTHVHPKGPKSLLSLELKDDRPARDMWVMETGLLLPRATAQDAGKYYCHRGNLTMSFHLEITARPVLWHWLLRTGGWKVSAVTLAYLIFCLCSLVGILHLQRALVLRRKR(配列番号37);
DHFRdmヌクレオチド配列:
Atggttggttcgctaaactgcatcgtcgctgtgtcccagaacatgggcatcggcaagaacggggacttcccctggccaccgctcaggaatgaatccagatatttccagagaatgaccacaacctcttcagtagaaggtaaacagaatctggtgattatgggtaagaagacctggttctccattcctgagaagaatcgacctttaaagggtagaattaatttagttctcagcagagaactcaaggaacctccacaaggagctcattttctttccagaagtctagatgatgccttaaaacttactgaacaaccagaattagcaaataaagtagacatggtctggatagttggtggcagttctgtttataaggaagccatgaatcacccaggccatcttaaactatttgtgacaaggatcatgcaagactttgaaagtgacacgttttttccagaaattgatttggagaaatataaacttctgccagaatacccaggtgttctctctgatgtccaggaggagaaaggcattaagtacaaatttgaagtatatgagaagaatgat(配列番号38);および
DHFRdmアミノ酸配列:
VGSLNCIVAVSQNMGIGKNGDFPWPPLRNESRYFQRMTTTSSVEGKQNLVIMGKKTWFSIPEKNRPLKGRINLVLSRELKEPPQGAHFLSRSLDDALKLTEQPELANKVDMVWIVGGSSVYKEAMNHPGHLKLFVTRIMQDFESDTFFPEIDLEKYKLLPEYPGVLSDVQEEKGIKYKFEVYEKND(配列番号39)。
DNAスペーサー配列:
Gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc(配列番号120)。
このDNAスペーサー配列は、7xHBD/mE1B_DNAスペーサーと呼んでもよい。
【0204】
いくつかの実施形態において、46塩基対のDNAスペーサー配列は、7xHBD/mE1Bプロモーターと誘導型導入遺伝子の間に位置していてもよい。配列番号120を含むDNAスペーサーによって、導入遺伝子の発現が向上する。本発明の実施形態のいくつかにおいて、プロモーターと導入遺伝子の間にDNAスペーサーを含むベクター構築物は、同じプロモーターと同じ導入遺伝子の間にDNAスペーサーを有していないベクターよりも導入遺伝子の転写が増加することが示された。本発明の実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、同じプロモーターと同じ導入遺伝子の間にDNAスペーサーを有していないベクターよりも導入遺伝子の発現が向上していた。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、mE1Bプロモーターと導入遺伝子の間に位置する。
【0205】
いくつかの実施形態において、前記マーカー配列をコードする前記ポリヌクレオチドは、リンカー配列をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、たとえばT2A、P2A、E2A、F2Aなどの2Aリンカーである。
【0206】
マーカー配列をコードするポリヌクレオチドは、そのアミノ酸配列に基づいて合成法または組換え法により容易に作製することができる。いくつかの実施形態において、マーカー配列をコードするポリヌクレオチドは、細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、マーカー配列をコードする前記ポリヌクレオチドは、そのコード配列の5’末端および/または3’末端に1つ以上の制限酵素部位をさらに有していてもよく、これによって、マーカー配列をコードする該ポリヌクレオチドを切断して、別のマーカー配列をコードする別のポリヌクレオチドと置換することが容易となる。いくつかの実施形態において、マーカー配列をコードする前記ポリヌクレオチドは、哺乳動物細胞における発現、好ましくはヒト細胞における発現のためにコドン最適化されている。
【0207】
いくつかの実施形態において、2種以上のマーカー配列を用いることができる。いくつかの実施形態において、第1のマーカー配列は、構成的プロモーターの制御下にあり、形質導入された細胞が導入遺伝子を発現していることの指標となる。別の実施形態において、第2のマーカー配列は、誘導型プロモーターの制御下にあり、導入遺伝子の発現が誘導されたことの指標となる。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある前記マーカーを使用して、誘導型プロモーターの制御下におけるマーカー配列の発現が他の細胞よりも低い細胞を選択することによって、非誘導状態での発現量または基底レベルでの発現量が他の細胞よりも大幅に低い細胞を選択し、選択した細胞を増殖させてさらなる用途に使用することができる。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、T細胞を調節するタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。
【0208】
誘導型プロモーターの制御下のその他の遺伝子部分
いくつかの実施形態において、第1の核酸は、誘導型プロモーターの制御下に、生存および増殖を促進する遺伝子、アポトーシスを阻害する遺伝子、および/または負のチェックポイントシグナル伝達を抑制する遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を含む。このような遺伝子として、IL-2をコードする遺伝子、IL-7をコードする遺伝子、IL-15をコードする遺伝子、ケモカイン受容体をコードする遺伝子、Bcl2をコードする遺伝子、CA-Aktをコードする遺伝子、dn-TGFβRIIIをコードする遺伝子、dn-SHP1/2をコードする遺伝子、PD-1-IFNαキメラをコードする遺伝子および/またはPD-1-CD28キメラをコードする遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子も、本明細書に記載の誘導型プロモーターの制御下に置かれる。いくつかの実施形態において、前記遺伝子は、IL-2、IL-7、IL-15、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、Bcl2、CA-Akt、dn-TGFβRII、dn-SHP1/2、PD-1-IFNαキメラおよび/またはPD-1-CD28キメラをコードする。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記遺伝子は、負のチェックポイント制御因子を抑制するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。
【0209】
いくつかの実施形態において、第1の核酸は、サイトカイン、ケモカイン受容体またはキメラサイトカイン受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された第1の誘導型プロモーターを含む。走化性サイトカインとも呼ばれるケモカインは、リンパ球の交通を制御する構造的に関連したタンパク質の一群である。いくつかの実施形態において、前記ケモカインは恒常性ケモカインまたは炎症性ケモカインである。ケモカイン受容体としては、CCR2、CCR7またはCCR15が挙げられる。サイトカインとしては、IL-2、IL-12、IL-7および/またはIl-15などのインターロイキン、インターフェロン-δなどのインターフェロン、腫瘍壊死因子、およびTLR4アゴニストが挙げられる。キメラサイトカイン受容体として、CCR(CD122)を挙げることができる。いくつかの実施形態において、前記ケモカイン受容体は、CCR2、CCR7、および/またはCCR15を含む。いくつかの実施形態において、前記ケモカイン受容体は、CCR2、CCR7またはCCR15を含む。いくつかの実施形態において、前記サイトカインはインターロイキンを含み、該インターロイキンは、IL-2、IL-12およびIL-7および/もしくはIL-15、またはインターフェロンであり、該インターフェロンは、インターフェロン-δ、腫瘍壊死因子またはTLR4アゴニストを含む。
【0210】
いくつかの実施形態において、第1の核酸は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに連結された第1の誘導型プロモーターを含む。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0211】
いくつかの実施形態において、第1の核酸は、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに連結された第1の誘導型プロモーターを含む。このような遺伝子としては、dn-TGFβRII、dn-SHP1/2、PD-1-IFNαキメラおよび/またはPD-1-CD28キメラが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、dn-TGFβRII、dn-SHP1/2、PD-1-IFNαキメラおよび/またはPD-1-CD28キメラである。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節する前記ポリペプチドは、負のチェックポイント制御因子を抑制する。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。
【0212】
誘導型プロモーターの制御下に置かれる核酸の数は特に限定されず、このような核酸として、キメラ抗原受容体をコードする核酸、マーカー配列をコードする核酸、サイトカインをコードする核酸、ケモカインをコードする核酸、アポトーシスの阻害因子をコードする核酸、および/または負のチェックポイントシグナル伝達の阻害因子をコードする核酸が挙げられる。いくつかの実施形態において、十分な発現量で各核酸を発現させるために、1つ以上の誘導型プロモーターを使用することができる。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下にある遺伝子(たとえばサイトカイン)と、構成的プロモーターの制御下にあるキメラ抗原受容体を含む構築物とを使用して別の構築物を作製することができる。このようにして作製された構築物は、たとえばキメラ抗原受容体を発現するリンパ球などの形質導入された細胞の生存と増殖の向上に有用である。
【0213】
本明細書において提供されるシステムにおいて、該システムは、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能である。
【0214】
いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。
【0215】
構成的プロモーター系
別の実施形態において、本発明のシステムは、転写活性化因子に連結された構成的プロモーターまたは第2の誘導型プロモーターを含む第2の核酸を含む。別の実施形態において、本発明のシステムは、転写活性化因子に連結されたプロモーターを含む第2の核酸を含む。いくつかの実施形態において、前記プロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導型プロモーターである。いくつかの実施形態において、構成的プロモーターとしては、EF1αプロモーター、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、およびクレアチンキナーゼプロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態において、CMVプロモーターなどのウイルスプロモーターは除外される。いくつかの実施形態において、前記構成的プロモーターは、マーカーまたは本明細書に記載のキメラ抗原受容体をコードする1つ以上ポリヌクレオチドに連結されていてもよい。
【0216】
構成的プロモーター
構成的プロモーターは、自体の制御下で遺伝子の連続的な発現を可能とする。いくつかの実施形態において、構成的プロモーターは、レンチウイルス構築物および/またはリンパ球において遺伝子の発現を可能とするプロモーターである。いくつかの実施形態において、構成的プロモーターは、植物やウイルスなどの異種生物に由来するものではない。
【0217】
特定の一実施形態において、構成的プロモーターとして、EF1αプロモーター、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、および/またはクレアチンキナーゼプロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態において、CMVプロモーターなどのウイルスプロモーターは除外される。
【0218】
転写活性化因子
いくつかの実施形態において、前記構成的プロモーターは、転写活性化因子に作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、誘導因子(たとえば薬物)の存在下で、誘導型プロモーターを活性化する。
【0219】
いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターは、転写活性化因子の存在下で誘導される。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は薬物の存在下で誘導型プロモーターに選択的に結合する。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子はTamR-tf(HEA3またはHEA4)である。転写活性化因子の改変は、前記薬物、前記プロモーターまたはこれらの両方に対する該転写活性化因子の結合力に影響を与えうるアミノ酸配列において行うことができる。たとえば、ERリガンド結合ドメインの結合性は、転写活性化因子に対する薬物の結合に影響を及ぼすと考えられる。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。
【0220】
いくつかの実施形態において、前記システムは合成転写活性化因子を使用し、該合成転写活性化因子は、前記薬物(たとえばタモキシフェン)の存在下において、導入遺伝子の上流の合成プロモーターに結合し、発現を誘導する。いくつかの実施形態において、前記合成転写活性化因子は、野生型「TamR-tf」HEA3転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記合成転写活性化因子は、野生型「TamR-tf」HEA4転写因子のバリアントである。代表的なアミノ酸配列を配列番号1に示す(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。前記エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来の前記タモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインは、前記HEA3の282~595番目のアミノ酸からなる配列であり、521番目に変異を有する(配列番号1:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。NF-κBのp65活性化ドメイン(p65またはTAD)は、596~862番目のアミノ酸からなる配列である。配列番号1は、ER-LBD内に1個の点突然変異を含み、この点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、4-OHT、フルベストラントおよびその他のエストロゲン類似体に対するナノレベルでの特異性を付与する。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。
【0221】
転写因子の特性を向上させるために、前記転写活性化因子にさらに変更を加えてもよく、たとえば、前記エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン内の1個以上のアミノ酸に変更を加えてもよく、かつ/または前記p65トランス活性化ドメイン内の1個以上のアミノ酸に変更を加えてもよいが、変更はこれらに限定されない。前記エストロゲン受容体の結合ドメインのアミノ酸に変更を加えることによって、前記転写活性化因子に対する前記薬物の結合の特異性と感受性をさらに高めることができる。変異は、たとえば、配列番号4の400番目のアミノ酸、543番目のアミノ酸および544番目のアミノ酸に導入される。(配列番号4:MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPVKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEAADAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFKSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFSSIADMDFSALLSQISS)。配列番号4は、3個の点突然変異(G400V、M543A、L544A)をER-LBD内に含む野生型HEA4配列を含み、これらの点突然変異は、内因性エストロゲンへの結合を抑制するが、野生型のHEA3と比較して、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントおよびエストロゲン類似体に対してより高い感受性を付与する。改変された配列を有する前記転写活性化因子は、タモキシフェンまたは4-OHTに対する親和性が増加している。前記p65トランス活性化ドメイン内のアミノ酸に変更を加えると、形質導入された細胞を活性化させることなく、導入遺伝子の発現を増加させることができる。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、T細胞を調節するタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。
【0222】
マーカー
いくつかの実施形態において、前記構成的プロモーターは、マーカーポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。このようなマーカーポリペプチドは本明細書に記載されており、EGFRt、Her2tおよび/またはDHFRdmが挙げられる。
【0223】
いくつかの実施形態において、前記マーカーは、配列番号30、32、34、36または38に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記マーカーは、配列番号31、33、35、37または39に示されるアミノ酸配列を含む。
【0224】
キメラ抗原受容体
いくつかの実施形態において、前記構成的プロモーターは、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、リガンドに特異的なリガンド結合ドメイン、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドを含み、前記リガンドは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現されているその他の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導することができる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。
【0225】
ベクター
形質導入および導入遺伝子の発現を効率的に行うことができる様々なベクターの組み合わせを構築することができる。いくつかの実施形態において、前記ベクターはデュアルパッケージングウイルスベクターまたは単一の(オールインワン)ウイルスベクターである。別の実施形態において、前記ベクターとして、ウイルスベクターとプラスミドベクターの組み合わせが挙げられる。別のウイルスベクターとしては、フォーミーウイルスベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、およびレンチウイルスベクターが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ベクターは、レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、前記ベクターは、フォーミーウイルスベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、またはレンチウイルスベクターである。
【0226】
いくつかの実施形態において、プラスミドベクターまたはウイルスベクターは、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含む第1の核酸を含む。いくつかの実施形態において、プラスミドベクターまたはウイルスベクターは、細胞の生存または増殖を向上させる遺伝子、アポトーシスを制御する遺伝子、および/またはチェックポイントシグナル伝達を調節する遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含む第1の核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節することによって、負のチェックポイント制御因子が抑制される。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。前記ポリヌクレオチドは、サイトカイン、キメラサイトカイン受容体またはケモカイン受容体をコードする。いくつかの実施形態において、プラスミドベクターまたはウイルスベクターは、マーカー配列をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含む第1の核酸を含む。いくつかの実施形態において、前記マーカー配列は、ヒトリンパ球の形質導入に適合している。いくつかの実施形態において、前記マーカー配列は、形質導入細胞の選択および/または検出を可能にする。いくつかの実施形態において、前記マーカーは遺伝子であり、該遺伝子として、具体的には、ハイグロマイシンBに対する耐性を付与するハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子(hph)、抗生物質であるG418に対する耐性をコードするTn5由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neoまたはaph)、メトトレキサートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子の変異体(DHFRdm)、ピューロマイシンに対する耐性を付与するpac遺伝子、ゼオシンを不活化するSh ble遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子(ADA)、および/または多剤耐性(MDR)遺伝子などが挙げられる。第1の核酸は、いずれも誘導型プロモーターの制御下にある様々なポリヌクレオチド配列を多数含むことができる。たとえば、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドは、マーカーポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および/またはサイトカインもしくはケモカイン受容体をコードするポリヌクレオチドに連結することができる。いくつかの実施形態において、遺伝子は、前記誘導型プロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態において、前記遺伝子はキメラサイトカイン受容体をコードする。
【0227】
いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、薬物に結合して誘導型プロモーターの発現を活性化する転写活性化因子をコードする核酸配列に連結された構成的プロモーターを含む第2の核酸を含む。いくつかの実施形態において、構成的プロモーターを有するレンチウイルスベクターは、マーカー遺伝子、PiggyBacトランスポゼース、および/またはキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドを含む核酸配列をさらに含んでいてもよい。この核酸の各構成要素は、T2A自己切断配列などの配列を介して互いに隔てられていてもよい。いくつかの実施形態において、前記核酸の各構成要素は、自己切断配列を介して互いに隔てられている。いくつかの実施形態において、前記自己切断配列は2Aリンカーである。いくつかの実施形態において、前記リンカーは、T2A、P2A、E2AまたはF2Aである。
【0228】
別の実施形態において、異種(前記ベクター、たとえばレンチウイルスベクターに対して異種)の核酸配列は、ベクター中にパッケージされうる他の遺伝子部分の量によって制限される。いくつかの実施形態において、構築物は、前記ウイルスベクターに対して異種の遺伝子を少なくとも2つ含む。いくつかの実施形態において、前記構築物に含まれる、前記ウイルスベクターに対して異種の遺伝子は4つ以下である。前記ウイルスベクター中にパッケージすることが可能な、該ベクターに対して異種の遺伝子の数は、1種以上の導入遺伝子の発現を検出すること、および細胞の少なくとも10%に形質導入することが可能であり、かつ/または細胞の少なくとも10%において該導入遺伝子の発現が検出可能なベクター構築物を選択することによって決定することができる。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、T細胞を調節するタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。
【0229】
いくつかの実施形態において、レンチウイルスはデュアルパッケージングされたウイルスである。デュアルパッケージングされたウイルスは、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された誘導型プロモーターを含む少なくとも1つの条件的構築物を含む。この条件的構築物は、マーカー遺伝子、サイトカインをコードする核酸、キメラサイトカイン受容体をコードする核酸、およびケモカイン受容体をコードする核酸を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、デュアルパッケージングされたレンチウイルスは、構成的プロモーターを含む構成的構築物を含む。一実施形態において、前記構成的構築物は、誘導型プロモーターの転写活性化因子に連結された構成的プロモーターを含む。いくつかの実施形態において、前記構成的構築物は、マーカー遺伝子、および/またはサイトカインもしくはケモカインをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。2つの構築物を含むシステムの実施形態のいくつかにおいて、各構築物は、別々のウイルスベクターにパッケージされおり、これらのウイルスベクターを混合して使用することによって細胞集団に形質導入することができる。
【0230】
構成的構築物および条件的構築物がいずれもマーカー遺伝子を含んでいる場合、各構築物中のマーカー遺伝子は同じものまたは互いに異なるものである。いくつかの実施形態において、構成的構築物および条件的構築物がいずれも、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドを含んでいる場合、該キメラ抗原受容体は、同じ抗原を標的とするが、異なるリガンド結合ドメインを含んでいてもよく、あるいは、同じ抗原を標的とするが、エピトープは異なっていてもよく、あるいは異なる抗原を標的としてもよい。
【0231】
いくつかの実施形態において、前記ベクターはミニサークルである。ミニサークルは、細菌プラスミドのDNA骨格を含んでいない環状の発現カセットとして作製されたエピソーマルDNAベクターである。ミニサークルは分子サイズが小さいため、より効率的な形質移入が可能であり、さらに、数日間しか機能しない標準的なプラスミドベクターと比較して数週間にわたる持続発現が可能である。いくつかの実施形態において、ミニサークルは、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された、薬物によって誘導可能なプロモーターを含んでいる。いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターは、ケモカイン受容体、マーカー遺伝子および/またはサイトカインに連結することができる。1つ以上のミニサークルを使用することができる。いくつかの実施形態において、ミニサークルは、第1のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含み、別のミニサークルは、第1のキメラ抗原受容体とは異なる第2のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含み、かつ/または、さらに別のミニサークルは、ケモカイン受容体、キメラ抗原受容体およびマーカー遺伝子をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含む。これらの構築物の各構成要素は、自己切断T2A配列をコードする核酸などの核酸を介して隔てられている。いくつかの実施形態において、前記構築物の各構成要素は、自己切断T2A配列をコードする核酸などの核酸を介して隔てられている。いくつかの実施形態において、各ミニサークルに含まれているキメラ抗原受容体は互いに異なるものであり、たとえば、スペーサーの長さ、スペーサーの配列、細胞内シグナル伝達ドメイン、および/またはマーカー配列が異なっているが、相違点はこれらに限定されない。前記ミニサークルベクターは、前記誘導型プロモーターの転写活性化因子をコードする構成的レンチウイルスベクターとともに使用することができる。いくつかの実施形態において、前記ミニサークルベクターは、前記誘導型プロモーターの転写活性化因子をコードする構成的レンチウイルスベクターとともに使用する。本明細書において提供されるシステムにおいて、該システムは、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能である。
【0232】
いくつかの実施形態において、前記ベクターは、PiggyBacトランスポゾンである。PiggyBac(PB)トランスポゾンは、「カット&ペースト」機構を介してベクターと染色体との間を効率的に転移する転移性遺伝因子である。転移に際して、PBトランスポゼースは、トランスポゾンベクターの両端に位置するトランスポゾン特異的逆方向末端反復配列(ITR)を認識し、ITRに挟まれた配列を元の部位から効率的に移動させて染色体のTTAA部位に効率的に組み込む。PiggyBacトランスポゾンシステムの強力な活性によって、PBベクターの2つのITRに挟まれた目的の遺伝子を標的ゲノムへと容易に移動させることができる。
【0233】
いくつかの実施形態において、PBは、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された、薬物によって誘導可能なプロモーターを含んでいる。いくつかの実施形態において、前記誘導型プロモーターは、ケモカイン受容体、マーカー遺伝子および/またはサイトカインに連結することができる。1つ以上のPBトランスポゾンを使用することができる。いくつかの実施形態において、PBは、第1のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含み、別のPBは、第1のキメラ抗原受容体とは異なる第2のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含み、かつ/または、さらに別のPBは、ケモカイン受容体、キメラ抗原受容体およびマーカー遺伝子をコードするポリヌクレオチドに連結された誘導型プロモーターを含む。これらの構築物の各構成要素は、自己切断T2A配列をコードする核酸などの核酸を介して隔てられている。いくつかの実施形態において、各PBに含まれているキメラ抗原受容体は互いに異なるものであり、たとえば、スペーサーの長さ、スペーサーの配列、細胞内シグナル伝達ドメイン、および/またはマーカー配列が異なっているが、相違点はこれらに限定されない。前記PBは、前記誘導型プロモーターの転写活性化因子をコードする構成的レンチウイルスベクター、および構成的プロモーターに連結されたPiggyBacトランスポゼースを含む構成的ベクターとともに使用することができる。
【0234】
いくつかの実施形態は、
キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
誘導可能なプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2の構成的または誘導型プロモーターを含む第2の核酸に関し、
第1の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
前記キメラ抗原受容体が、リガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現されるその他の分子であること、ならびに
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導することができることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、第1の核酸と第2の核酸は、単一のレンチウイルスベクターに組み込まれている。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。いくつかの実施形態において、第1の核酸はマーカー遺伝子をさらに含む。いくつかの実施形態において、第2の核酸は、第1のキメラ抗原受容体とは異なる第2のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドをさらに含む。第1のキメラ抗原受容体と第2のキメラ抗原受容体は互いに異なるものであってもよく、リガンド結合ドメイン、標的抗原、標的抗原のエピトープ、スペーサードメインの長さ、スペーサードメインの配列(短い配列、中程度の配列または長い配列)、および細胞内シグナル伝達ドメインが異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、単一のレンチウイルス構築物において第1の核酸と第2の核酸は、ゲノムのインスレーターの核酸配列を介して隔てられていてもよく、該インスレーターは、たとえば、ウニのインスレーターのクロマチンドメインであってもよい。別の実施形態において、第1の核酸の前記誘導型プロモーターは、第2の核酸の前記構成的プロモーターとは逆向きである。これらのベクターのうち1種以上を組み合わせて使用することによって、標的細胞の形質導入を行い、キメラ抗原受容体の発現を誘導することができる。
【0235】
宿主細胞および組成物:Tリンパ球集団
本明細書に記載の組成物は、本明細書に記載のベクターおよび/または構築物を含む遺伝子組換え宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、CD4+Tリンパ球および/またはCD8+Tリンパ球である。
【0236】
Tリンパ球は、公知の技術によって回収することができ、フローサイトメトリーおよび/または免疫磁気選択のような、抗体との親和性結合などの公知の技術によって濃縮または除去することができる。濃縮工程および/または除去工程を行った後、当業者であれば容易に理解できる公知の技術またはその変法によって所望のTリンパ球をインビトロで増殖させることができる。いくつかの実施形態において、前記T細胞は患者から得られた自己T細胞である。
【0237】
たとえば、所望のT細胞集団またはT細胞亜集団は、増殖前のTリンパ球集団をインビトロの培地に添加し、次いで、非分裂末梢血単核細胞(PBMC)などのフィーダー細胞を該培地に添加し(たとえば、添加後の細胞集団において、増殖培養開始時の最初の集団中の各Tリンパ球1個あたり、少なくとも5個、10個、20個、または40個またはそれ以上のPBMCフィーダー細胞が含まれるような比率になるようにフィーダー細胞を加える)、該培地を(たとえばT細胞数を十分に増加させることができる時間にわたって)インキュベートすることによって増殖させることができる。前記非分裂フィーダー細胞は、γ線が照射されたPBMCフィーダー細胞を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、細胞分裂を防ぐため、3000~3600radのγ線を前記PBMCに照射する。いくつかの実施形態において、前記PBMCの細胞分裂を防ぐため、3000rad、3100rad、3200rad、3300rad、3400rad、3500rad、もしくは3600radのγ線、またはこれらのエンドポイント値のいずれか2つの間の任意の放射線値のγ線を前記PBMCに照射する。T細胞またはフィーダー細胞を培地に添加する順序は必要に応じて入れ替えてもよい。通常、Tリンパ球の増殖に適した温度などの条件下で培養物をインキュベートすることができる。ヒトTリンパ球を増殖させるための温度は、たとえば、通常、少なくとも25℃であり、少なくとも30℃が好ましく、37℃がより好ましい。いくつかの実施形態において、ヒトTリンパ球を増殖させるための温度は、22℃、24℃、26℃、28℃、30℃、32℃、34℃、36℃、もしくは37℃、またはこれらのエンドポイント値のいずれか2つによって定義される範囲内のその他の温度である。
【0238】
増殖させたTリンパ球としては、ヒト腫瘍または病原体上に存在する抗原に特異的であってもよいCD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)およびCD4+ヘルパーTリンパ球が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記細胞としてはT細胞前駆細胞が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記細胞は造血幹細胞である。
【0239】
いくつかの実施形態において、前記増殖方法は、EBVで形質転換された非分裂リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダー細胞として加えることをさらに含んでいてもよい。6000~10,000radのγ線をLCLに照射してもよい。いくつかの実施形態において、6000rad、6500rad、7000rad、7500rad、8000rad、8500rad、9000rad、9500rad、もしくは10,000radのγ線、またはこれらのエンドポイント値のいずれか2つによって定義される範囲内の任意の放射線量のγ線を前記LCLに照射する。前記LCLフィーダー細胞は任意の適切な量で提供することができ、たとえば、LCLフィーダー細胞と増殖開始時のTリンパ球の比率は少なくとも10:1であってもよい。
【0240】
いくつかの実施形態において、前記増殖方法は、(たとえば、少なくとも0.5ng/mlの濃度で)抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を培地に加えることをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、前記増殖方法は、IL-2、IL-7および/またはIL-15を培地に加えることをさらに含んでもよい(IL-2の濃度は、たとえば、少なくとも10単位/mlである)。
【0241】
Tリンパ球を単離し、増殖を行う前または増殖を行った後に、細胞傷害性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ球をそれぞれ、ナイーブT細胞亜集団、メモリーT細胞亜集団、およびエフェクターT細胞亜集団にソーティングすることができる。
【0242】
CD8+細胞は、標準的な方法を使用して得ることができる。いくつかの実施形態において、CD8+細胞は、ナイーブCD8+細胞、セントラルメモリーCD8+細胞およびエフェクターメモリーCD8+細胞のそれぞれに関連する細胞表面抗原を特定することによって、これらのCD8+細胞にさらにソーティングされる。いくつかの実施形態において、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球由来のCD62L+サブセットおよびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、抗CD8抗体および抗CD62L抗体で染色した後に、CD62L-CD8+画分およびCD62L+CD8+画分にソーティングされる。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーTCMの表現型マーカーの発現は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127を含み、グランザイムBは陰性であるか、低発現を示す。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+および/またはCD8+のT細胞である。いくつかの実施形態において、エフェクターTEは、CD62L、CCR7、CD28、および/またはCD127が陰性であり、グランザイムBおよび/またはパーフォリンが陽性である。いくつかの実施形態において、ナイーブCD8+Tリンパ球は、ナイーブT細胞の表現型マーカーの発現によって特徴付けられ、ナイーブT細胞の表現型マーカーとしては、CD62L、CCR7、CD28、CD3、CD127および/またはCD45RAが挙げられる。
【0243】
CD4+ヘルパーT細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を特定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞にソーティングされる。CD4+リンパ球は、標準的な方法によって得ることができる。いくつかの実施形態において、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+および/またはCD4+のT細胞である。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーCD4+細胞は、CD62L+および/またはCD45RO+である。いくつかの実施形態において、エフェクターCD4+細胞は、CD62L-および/またはCD45RO-である。
【0244】
細胞または細胞集団が特定の細胞表面マーカーについて陽性であるかどうかは、該表面マーカーに特異的な抗体およびアイソタイプを一致させたコントロール抗体による染色を使用したフローサイトメトリーによって判定することができる。細胞集団において特定のマーカーが陰性であることは、アイソタイプコントロールと比べて特異的抗体で強く染まる細胞集団が存在しないことを指し、陽性は、アイソタイプコントロールよりも特異的抗体で均一に染まる細胞集団が存在することを指す。いくつかの実施形態において、1種以上のマーカーの発現の減少は、対照の細胞集団と比較して、平均蛍光強度の低下が1 log10であること、および/またはマーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも20%に低下すること、細胞全体の少なくとも25%に低下すること、細胞全体の少なくとも30%に低下すること、細胞全体の少なくとも35%に低下すること、細胞全体の少なくとも40%に低下すること、細胞全体の少なくとも45%に低下すること、細胞全体の少なくとも50%に低下すること、細胞全体の少なくとも55%に低下すること、細胞全体の少なくとも60%に低下すること、細胞全体の少なくとも65%に低下すること、細胞全体の少なくとも70%に低下すること、細胞全体の少なくとも75%に低下すること、細胞全体の少なくとも80%に低下すること、細胞全体の少なくとも85%に低下すること、細胞全体の少なくとも90%に低下すること、細胞全体の少なくとも95%に低下すること、もしくは細胞全体の少なくとも100%に低下すること、もしくは20~100%の範囲の任意のパーセンテージに低下することを指す。いくつかの実施形態において、細胞集団が1種以上のマーカーについて陽性であることは、対照の細胞集団と比較して、マーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも50%であること、細胞全体の少なくとも55%であること、細胞全体の少なくとも60%であること、細胞全体の少なくとも65%であること、細胞全体の少なくとも70%であること、細胞全体の少なくとも75%であること、細胞全体の少なくとも80%であること、細胞全体の少なくとも85%であること、細胞全体の少なくとも90%であること、細胞全体の少なくとも95%であること、もしくは細胞全体の少なくとも100%であること、または50~100%の範囲の任意のパーセンテージであることを指す。
【0245】
細胞または細胞集団が特定の細胞表面マーカーについて陽性であるかどうかは、該表面マーカーに特異的な抗体およびアイソタイプを一致させたコントロール抗体による染色を使用したフローサイトメトリーによって判定することができる。細胞集団において特定のマーカーが陰性であることは、アイソタイプコントロールと比べて特異的抗体で強く染まる細胞集団が存在しないことを指し、陽性は、アイソタイプコントロールよりも特異的抗体で均一に染まる細胞集団が存在することを指す。いくつかの実施形態において、1種以上のマーカーの発現の減少は、対照の細胞集団と比較して、平均蛍光強度の低下が1 log10であること、および/またはマーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも20%に低下すること、細胞全体の少なくとも25%に低下すること、細胞全体の少なくとも30%に低下すること、細胞全体の少なくとも35%に低下すること、細胞全体の少なくとも40%に低下すること、細胞全体の少なくとも45%に低下すること、細胞全体の少なくとも50%に低下すること、細胞全体の少なくとも55%に低下すること、細胞全体の少なくとも60%に低下すること、細胞全体の少なくとも65%に低下すること、細胞全体の少なくとも70%に低下すること、細胞全体の少なくとも75%に低下すること、細胞全体の少なくとも80%に低下すること、細胞全体の少なくとも85%に低下すること、細胞全体の少なくとも90%に低下すること、細胞全体の少なくとも95%に低下すること、もしくは細胞全体の少なくとも100%に低下すること、もしくは20~100%の範囲の任意のパーセンテージに低下することを指す。いくつかの実施形態において、1種以上のマーカーの発現の増加は、蛍光強度の平均値もしくは中央値が増加すること、および/または細胞集団において1つのマーカーまたは任意のマーカーが陽性である細胞の数が増加することを指し、たとえば、対照の細胞集団と比較して、特定の細胞集団におけるマーカーを発現する細胞のパーセンテージが細胞全体の少なくとも50%であること、細胞全体の少なくとも55%であること、細胞全体の少なくとも60%であること、細胞全体の少なくとも65%であること、細胞全体の少なくとも70%であること、細胞全体の少なくとも75%であること、細胞全体の少なくとも80%であること、細胞全体の少なくとも85%であること、細胞全体の少なくとも90%であること、細胞全体の少なくとも95%であること、もしくは細胞全体の少なくとも100%であること、または50~100%の範囲の任意のパーセンテージであることを指す。
【0246】
いくつかの実施形態において、抗原特異的なCD4+集団およびCD8+集団は、ナイーブTリンパ球または抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって得ることができる。たとえば、サイトメガロウイルス抗原に対して特異的なT細胞株またはT細胞クローンは、サイトメガロウイルスに感染した対象からT細胞を単離し、インビトロにおいてサイトメガロウイルス抗原で該細胞を刺激することによって作製することができる。ナイーブT細胞を使用することもできる。T細胞応答を誘導するための標的として使用するための、腫瘍細胞に由来する抗原の数は特に限定されない。いくつかの実施形態において、本発明の養子細胞免疫療法用組成物は、固形腫瘍、血液悪性腫瘍、乳がん、または黒色腫を含む疾患または障害の治療に有用である。
【0247】
Tリンパ球集団の改変
いくつかの実施形態において、本開示による免疫療法に使用するための前記T細胞に機能性遺伝子を導入することが望ましい場合がある。たとえば、単一の遺伝子または複数の遺伝子をT細胞に導入することによって、体内に移入されたT細胞の生存および/または機能を向上させることができ、それによって治療法の有効性を改善することができる。あるいは、単一または複数の遺伝子をT細胞に導入することによって、インビボで生存および/または遊走するT細胞を選択および/または評価することが可能な遺伝子マーカーを提供することができる。あるいは、単一または複数の遺伝子をT細胞に導入することによって、たとえば、T細胞において前記導入遺伝子の発現を制御することができ、それによって免疫療法の安全性を改善することができる。これらは、本開示を踏まえ、当業者であれば容易に理解できる公知の技術に従って行うことができる。
【0248】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の、薬物で誘導可能なキメラ受容体をコードするベクターを使用してT細胞を改変する。いくつかの実施形態において、薬物で誘導可能な導入遺伝子をコードするベクターを使用してT細胞を改変する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、T細胞を調節するタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下でキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターで細胞を改変する。別の実施形態において、誘導型プロモーターの制御下に、サイトカイン、キメラサイトカイン受容体、ケモカイン受容体、アポトーシスを制御する遺伝子、またはチェックポイントシグナル伝達を調節する遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含むベクターで細胞を改変する。いくつかの実施形態において、前記T細胞は、処置を受けるべき対象から得られ、別の実施形態においては、前記リンパ球は同種ヒトドナー、好ましくは健常ヒトドナーから得られる。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節することによって、負のチェックポイント制御因子を抑制する。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。
【0249】
キメラ受容体は、たとえば抗体分子などに由来する抗原結合断片または抗体可変ドメインを利用することによって、任意の細胞表面マーカーに対する特異性を持つように構築することができる。前記抗原結合分子は、1種以上の細胞シグナル伝達モジュールに連結することができる。いくつかの実施形態において、前記細胞シグナル伝達モジュールとしては、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/またはCD28膜貫通ドメインが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、キメラ受容体は、EGFRtなどの形質導入マーカーをさらに含んでいてもよい。
【0250】
いくつかの実施形態において、CD4+Tリンパ球集団および/またはCD8+Tリンパ球集団のそれぞれに導入されるキメラ受容体は、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。いくつかの実施形態において、これらの細胞集団のそれぞれに導入されるキメラ受容体のリガンド結合ドメインは、腫瘍細胞上または感染細胞上の同じリガンドに特異的に結合するか、または異なる抗原もしくは異なるエピトープに特異的に結合する。前記細胞シグナル伝達モジュールもそれぞれ異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞傷害性T細胞の前記細胞内シグナル伝達ドメインと、前記CD4+ヘルパーT細胞の前記細胞内シグナル伝達ドメインは同一のものである。別の実施形態では、前記CD8+細胞傷害性T細胞の前記細胞内シグナル伝達ドメインと、前記CD4+ヘルパーT細胞の前記細胞内シグナル伝達ドメインは異なるものである。
【0251】
いくつかの実施形態において、本明細書に述べるように、CD4 Tリンパ球またはCD8 Tリンパ球はそれぞれ、形質導入を行う前に、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、エフェクターメモリー細胞またはエフェクター細胞にソーティングすることができる。いくつかの実施形態において、CD4 Tリンパ球またはCD8 Tリンパ球はそれぞれ、形質導入を行った後に、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、エフェクターメモリー細胞またはエフェクター細胞にソーティングすることができる。
【0252】
本明細書で述べるように、いくつかの実施形態において、ナイーブCD4+細胞は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+および/またはCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーCD4+細胞は、CD62L陽性および/またはCD45RO陽性である。いくつかの実施形態において、エフェクターCD4+細胞は、CD62L陰性および/またはCD45RO陽性である。これらの集団はそれぞれ独立してキメラ受容体で改変することができる。
【0253】
いくつかの実施形態において、本明細書で述べるように、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球由来のCD62L+サブセットおよびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、抗CD8抗体および抗CD62L抗体で染色した後に、CD62L-CD8+画分およびCD62L+CD8+画分にソーティングされる。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーT細胞(TCM)の表現型マーカーの発現は、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127を含み、グランザイムBは陰性であるか、低発現を示す。いくつかの実施形態において、セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+および/またはCD8+のT細胞である。いくつかの実施形態において、エフェクターT細胞(TE)は、CD62L、CCR7、CD28、および/またはCD127が陰性であり、グランザイムBおよび/またはパーフォリンは陽性である。いくつかの実施形態において、ナイーブCD8+Tリンパ球は、CD8+、CD62L+、CD45RO+、CCR7+、CD28+、CD127+、および/またはCD45RO+によって特徴付けられる。これらの集団はそれぞれ独立してキメラ受容体で改変することができる。
【0254】
遺伝子送達のための組換え感染性ウイルス粒子を利用した様々な形質導入技術が開発されてきた。このような形質導入技術は、現時点において、本発明のTリンパ球を形質導入するためのアプローチとして好ましい。この形質導入技術に通常使用されるウイルスベクターとしては、シミアンウイルス40、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レンチウイルスベクター、および/またはレトロウイルスに由来するウイルスベクターが挙げられる。このように、遺伝子導入方法および発現方法としては様々なものが存在するが、このような方法は、哺乳動物細胞に遺伝物質を導入して発現させることを本質的な機能とする。前記形質導入技術のいくつかは、造血細胞またはリンパ球に形質導入することを目的として使用され、このような形質導入技術としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、組換えアデノウイルスによる感染、アデノ随伴ウイルスによる感染、およびレトロウイルスベクターによる感染が挙げられる。初代Tリンパ球の形質導入は、エレクトロポレーションおよびレトロウイルスまたはレンチウイルスの感染によって成功を収めている。
【0255】
レトロウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターを使用することによって、真核細胞への遺伝子導入を非常に効率的に行うことができる。さらに、レトロウイルスまたはレンチウイルスの組み込みは制御下で行うことができ、細胞1個あたり1コピーまたは数コピーの新しい遺伝情報を安定して組み込むことができる。
【0256】
刺激因子(たとえばリンホカインまたはサイトカイン)の過剰発現は、治療を受ける個体に対して毒性がある場合がある。したがって、本発明のT細胞に、インビボでのネガティブ選択に対する感受性を付与する遺伝子セグメントも本発明の範囲に含まれる。本明細書において「ネガティブ選択」という用語は、一般的な通常の意味を有し、たとえば、インビボにおける個体の状態を変化させることによって該個体に注入した細胞を排除することを指すために使用してもよい。ネガティブ選択が可能な表現型は、投与される薬剤(たとえば化合物)に対する感受性を付与する遺伝子を挿入することによって発現される。ネガティブ選択可能な遺伝子は当技術分野において知られており、たとえば、ガンシクロビルに対する感受性を付与する単純ヘルペスウイルスI型チミジンキナーゼ(HSV-I TK)遺伝子、細胞由来ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子、細胞由来アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)遺伝子、および細菌シトシンデアミナーゼなどが挙げられる。
【0257】
いくつかの実施形態において、ネガティブ選択可能な表現型を有する細胞をインビトロで選択することを可能とするポジティブマーカーをT細胞に導入すると有用な場合がある。前記ポジティブ選択マーカーは、宿主細胞に導入される遺伝子であって、導入された該遺伝子を持つ宿主細胞のポジティブ選択を可能にする表現型を優位に発現する遺伝子であってもよい。このようなタイプの遺伝子は当技術分野において公知であり、具体的には、ハイグロマイシンBに対する耐性を付与するハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子(hph)、抗生物質であるG418に対する耐性をコードするTn5由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neoまたはaph)、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子の二重変異体(DHFRdm)、アデノシンデアミナーゼ遺伝子(ADA)、および/または多剤耐性(MDR)遺伝子などが挙げられる。
【0258】
Tリンパ球に形質を導入するために、当技術分野において公知の様々な方法を使用することができる。いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターを用いて形質導入を行う。
【0259】
いくつかの実施形態において、キメラ受容体をコードする発現ベクターを使用して、CD4+細胞およびCD8+細胞をそれぞれ別々に改変し、定義された集団を形成させることができる。いくつかの実施形態において、これらの細胞は、構成的プロモーターの制御下でポリヌクレオチドを含むベクター、および誘導型プロモーターの制御下でサイトカインまたはケモカイン受容体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを使用して別々に改変することができる。
【0260】
いくつかの実施形態において、前記細胞は、前述したように、さらに、ナイーブ細胞亜集団、セントラルメモリー細胞亜集団、およびエフェクター細胞亜集団のそれぞれに固有の細胞表面抗原でソーティングすることによって、これらの亜集団にソーティングされる。また、CD4+細胞集団およびCD8+細胞集団は、サイトカインプロファイルまたは増殖活動に基づいて選択することができる。たとえば、抗原で刺激した後の、IL-2、IL-4、IL-10、TNFα、および/またはIFNγなどのサイトカインの産生が、偽形質導入細胞や形質導入CD8+細胞よりも増強されているCD4+Tリンパ球を選択することができる。別の実施形態において、IL-2および/またはTNFαの産生が増強されたナイーブCD4+T細胞またはセントラルメモリーCD4+T細胞が選択される。同様に、偽形質導入CD8+細胞よりもIFNγの産生が増強されたCD8+細胞が選択される。
【0261】
いくつかの実施形態において、抗原を有する細胞に対して細胞傷害性を示すCD4+細胞およびCD8+細胞が選択される。いくつかの実施形態において、CD4+細胞は、CD8+細胞よりも低い細胞傷害性を示すと予想される。好ましい一実施形態において、特定の種類のがんについて確立された動物モデルを使用して、インビボにおいて腫瘍細胞を殺傷する能力を発揮する形質導入リンパ球(たとえばCD8+セントラルメモリー細胞)が選択される。
【0262】
さらに別の実施形態において、特定の種類のがんについて確立された動物モデルを使用して、インビボにおいて持続可能な形質導入キメラ受容体発現T細胞が選択される。いくつかの実施形態において、短いスペーサー領域を有する形質導入キメラ受容体CD8+セントラルメモリー細胞は、動物モデルに導入後、3日間以上、10日間以上、20日間以上、30日間以上、40日間以上、または50日間以上にわたってインビボで持続可能であったことが示された。
【0263】
本開示は、本発明の組成物においてCD4+T細胞とCD8+T細胞の組み合わせを使用することを包含する。一実施形態において、キメラ受容体が形質導入されたCD4+細胞の組み合わせは、同じリガンドに特異的である形質導入キメラ受容体発現CD8+細胞と組み合わせてもよく、あるいは異なる腫瘍リガンドに特異的であるCD8+T細胞と組み合わせてもよい。別の実施形態において、キメラ受容体が形質導入されたCD8+細胞は、腫瘍上に発現された別のリガンドに特異的なキメラ受容体形質導入CD4+細胞と組み合わせる。さらに別の実施形態において、キメラ受容体で改変されたCD4+細胞とキメラ受容体で改変されたCD8+細胞とを組み合わせる。いくつかの実施形態において、CD8+細胞とCD4+細胞は、様々な比率で組み合わせることができ、たとえば、CD8+とCD4+を1:1の比率で組み合わせることができ、CD8+とCD4+を10:1の比率で組み合わせることができ、CD8+とCD4+を100:1の比率で組み合わせることができ、またはこれらの比率のいずれかによって定義される範囲内の比率でCD8+とCD4+とを組み合わせることができる。いくつかの実施形態において、組み合わせた細胞集団は、インビトロおよび/またはインビボにおいて細胞増殖を試験し、細胞の増殖が得られる細胞比率を選択する。
【0264】
キメラ受容体を有する細胞を得るための形質導入を行った後および/またはキメラ受容体を有する細胞を選択した後、得られた各細胞集団は、ヒト対象への少なくとも1回の注入に十分な数に達するまでインビトロにおいて増殖させることが好ましく、少なくとも1回の注入に十分な細胞数としては、通常、約104個/kg~109個/kgが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記形質導入細胞は、抗原を有する細胞、抗CD3、抗CD28、およびIL-2、IL-7、IL-15もしくはIL-21、またはそれらの任意の組み合わせの存在下で培養される。
【0265】
いくつかの実施形態において、インビトロまたはインビボにおいてサイトカイン刺激、抗原または腫瘍標的に応答して増殖するCD4+細胞およびCD8+細胞が選択される。たとえば、抗CD3および/または抗CD28で刺激した際に、活発に増殖する形質導入CD4+細胞または形質導入CD8+細胞が選択される。いくつかの実施形態において、誘導型プロモーターの制御下および導入遺伝子の誘導因子(たとえば薬物)の存在下において形質導入細胞を刺激すると、導入遺伝子の発現が増強される。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、T細胞を調節するタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。
【0266】
CD4+細胞の亜集団とCD8+細胞の亜集団とを組み合わせてもよい。特定の一実施形態において、改変されたナイーブCD4+細胞または改変されたセントラルメモリーCD4+細胞と、改変されたセントラルメモリーCD8+T細胞とを組み合わせることによって、抗原を有する細胞(たとえば腫瘍細胞)に対して相乗的な細胞傷害作用を提供する。
【0267】
組成物
本発明の開示は、本明細書に記載の遺伝子組換えTリンパ球製剤を含む養子細胞免疫療法用組成物を提供する。いくつかの実施形態において、前記Tリンパ球製剤は、キメラ受容体を有するCD4+T細胞を含み、該キメラ受容体は、本明細書で述べるように、薬物によって誘導可能なプロモーターの制御下に、前記疾患または障害に関連するリガンドに特異的な細胞外抗体可変ドメイン、スペーサー領域、膜貫通ドメイン、およびT細胞受容体またはその他の受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。別の実施形態において、養子細胞免疫療法用組成物は、キメラ受容体により改変された腫瘍特異的CD8+細胞傷害性Tリンパ球製剤をさらに含み、該細胞傷害性Tリンパ球製剤は、細胞性免疫応答を提供し、キメラ受容体を有するCD8+T細胞を含み、該キメラ受容体は、本明細書で述べるように、薬物によって誘導可能なプロモーターの制御下に、前記疾患または障害に関連するリガンドに特異的な細胞外一本鎖抗体、スペーサー領域、膜貫通ドメイン、およびT細胞受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、本開示の、前記キメラ受容体により改変されたT細胞集団は、インビボにおいて少なくとも3日以上にわたって持続することができる。別の一実施形態において、各細胞集団は互いに組み合わせて、あるいは別の種類の細胞と組み合わせることによって組成物を提供することができる。いくつかの実施形態において、前記T細胞集団は、T細胞の機能を調節する遺伝子を発現することができる。いくつかの実施形態において、前記遺伝子は、サイトカイン、ケモカイン受容体、およびT細胞の機能を調節することができるタンパク質をコードする。
【0268】
いくつかの実施形態において、前記ヘルパーCD4+Tリンパ球は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞またはバルクCD4+T細胞である。いくつかの実施形態において、前記ヘルパーCD4+リンパ球は、ナイーブCD4+T細胞であり、該ナイーブCD4+T細胞は、CD45RO-T細胞、CD45RA+T細胞、および/またはCD62L+CD4+T細胞を含む。
【0269】
いくつかの実施形態において、前記細胞傷害性CD8+Tリンパ球は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞および/またはバルクCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞傷害性CD8+Tリンパ球は、セントラルメモリーT細胞であり、該セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+T細胞、CD62L+T細胞および/またはCD8+T細胞を含む。さらに別の実施形態において、前記細胞傷害性CD8+Tリンパ球はセントラルメモリーT細胞であり、前記CD4+ヘルパーTリンパ球はナイーブCD4+T細胞またはセントラルメモリーCD4+T細胞である。
【0270】
いくつかの実施形態において、前記組成物はT細胞前駆細胞を含む。いくつかの実施形態において、前記組成物は造血幹細胞を含む。いくつかの実施形態において、前記組成物は、第1の宿主細胞と第2の宿主細胞とを含み、該第1の宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球であり、前記第2の宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。
【0271】
方法
本開示は、養子免疫療法用組成物の製造方法、および疾患または障害を有する対象において細胞免疫療法を行うための、該組成物の使用、または疾患または障害を有する対象において組成物を使用して細胞免疫療法を行う方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記組成物の製造方法は、改変されたナイーブCD4+Tヘルパー細胞またはセントラルメモリーCD4+Tヘルパー細胞を得ることを含み、該改変されたヘルパーTリンパ球製剤が、キメラ受容体を有するCD4+T細胞を含み、該キメラ受容体が、本明細書で述べるように、誘導型プロモーターの制御下に、腫瘍細胞の表面分子に特異的なリガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むことを特徴とする。別の実施形態において、CD4+細胞は、誘導型プロモーターの制御下にサイトカイン受容体またはケモカイン受容体を有する。CD4+細胞は、誘導型プロモーターの制御下にその他の遺伝子(アポトーシスを制御する遺伝子、細胞外環境を変更する遺伝子など)をさらに有していてもよい。
【0272】
別の一実施形態において、前記方法は、改変されたCD8+セントラルメモリーT細胞を得ることをさらに含み、該改変されたセントラルメモリーCD8 Tリンパ球製剤は、キメラ受容体を有するCD8+細胞を含み、該キメラ受容体は、本明細書で述べるように、誘導型プロモーターの制御下に、リガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを含み、該リガンド結合ドメインがリガンドに特異的であること、前記リガンドが、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、または標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子であること、ならびに前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導することができることを特徴とする。別の実施形態では、CD8+細胞は、誘導型プロモーターの制御下にサイトカイン受容体またはケモカイン受容体を有する。
【0273】
前記改変されたCD4+T細胞および前記改変されたCD8+細胞傷害性T細胞において、薬物によって誘導可能なプロモーターは、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。いくつかの実施形態において、特定の細胞集団において、キメラ抗原受容体に連結されたプロモーターは構成的プロモーターであり、別の集団において、キメラ抗原受容体に連結されたプロモーターは誘導型プロモーターである。たとえば、改変されたCD4+T細胞は、構成的プロモーターの制御下に、腫瘍細胞の表面分子に特異的なリガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ受容体を有し、これに対して、CD8+細胞傷害性T細胞集団中に含まれるCD8+細胞は、誘導型プロモーターの制御下に、腫瘍細胞の表面分子に特異的なリガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ受容体を有する。いくつかの実施形態において、構成的プロモーターまたは誘導型プロモーターによって制御される遺伝子は、サイトカインをコードする遺伝子、ケモカイン受容体をコードする遺伝子およびアポトーシス制御因子をコードする遺伝子である。
【0274】
いくつかの実施形態において、キメラ抗原受容体をコードする前記ポリヌクレオチドは、CD4+細胞集団とCD8+細胞集団とで異なる。これらの2種の構築物の差異としては、抗原またはエピトープに対するリガンド結合ドメインの特異性または親和性、スペーサー領域の長さおよび配列、ならびに細胞内シグナル伝達部分が挙げられる。
【0275】
キメラ受容体で改変されたCD4+細胞およびCD8+細胞の調製は、本明細書において説明されている。抗原特異的Tリンパ球は、疾患または障害を有する患者から得ることができ、あるいはインビトロにおいて抗原の存在下でTリンパ球を刺激することによっても調製することができる。抗原特異性によって選択されなかったCD4+Tリンパ球亜集団および/またはCD8+Tリンパ球亜集団も、本明細書に記載の方法で単離することができ、前記製造方法に組み込むことができる。
【0276】
いくつかの実施形態において、このような細胞集団の組み合わせは、細胞表面マーカーの均一性について評価することができ、すなわち少なくとも2世代にわたる増殖において均一な細胞分化状態を有することができるかどうかを評価することができる。品質管理は、前記標的リガンドを発現する細胞株を、キメラ受容体により改変されたT細胞およびキメラ抗原受容体の発現を誘導する薬物とともに共培養し、該誘導因子の存在下において、当技術分野で公知の細胞傷害アッセイ、増殖アッセイ、またはサイトカイン産生アッセイを使用して、該キメラ受容体により改変されたT細胞が該細胞株を認識するかどうかを確認することによって実施することができる。前記キメラ受容体により改変されたT細胞の細胞分化状態および細胞表面マーカーは、フローサイトメトリーによって測定することができる。いくつかの実施形態において、前記CD8+細胞の前記マーカーおよび細胞分化状態は、CD3、CD8、CD62L、CD28、CD27、CD69、CD25、PD-1、CTLA-4、CD45ROおよび/またはCD45RAを含む。いくつかの実施形態において、前記CD4+細胞の前記マーカーおよび細胞分化状態は、CD3、CD4、CD62L、CD28、CD27、CD69、CD25、PD-1、CTLA-4、CD45ROおよび/またはCD45RAを含む。
【0277】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキメラ受容体により改変された前記T細胞は、インビボにおいて少なくとも3日間または少なくとも10日間にわたって持続することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキメラ受容体により改変された前記T細胞は、CFSE色素希釈による測定によれば、インビボにおいて少なくとも2世代または少なくとも3世代にわたって増殖することができる。前記キメラ受容体により改変されたT細胞の増殖および持続性は、前記疾患または障害の動物モデルに前記細胞を投与し、移入された細胞の持続能力および/または増殖能力を測定することによって決定することができる。別の実施形態において、増殖および活性化は、抗原を有する細胞を使用して複数回にわたって活性化することによって、インビトロで試験することができる。
【0278】
また、本開示は、疾患または障害を有する対象において細胞免疫療法を行う方法であって、薬物によって誘導可能なプロモーターの制御下において本明細書に記載のキメラ受容体を発現するリンパ球を含む組成物を投与すること、および前記薬物を投与することを含む方法を提供する。
【0279】
いくつかの実施形態において、前記薬物は、本明細書で述べるように、タモキシフェン、ならびにそのバリアント、誘導体、薬学的に許容される塩、溶媒和物および水和物である。いくつかの実施形態において、前記薬物は、前記組成物の投与前、投与と同時、または投与後の任意の時間点において送達される。
【0280】
いくつかの実施形態において、前記薬物は前記組成物とともに投与され、前記組成物による毒性が見られた場合、前記薬物の投与は毒性が低減するまで中止される。毒性による症状が軽減した後、前記薬物の投与を再開する。いくつかの実施形態において、毒性による症状が軽減した後に前記薬物の投与を再開してもよい。
【0281】
いくつかの実施形態において、前記薬物は前記組成物とともに投与されるが、対象において腫瘍体積の減少またはがん細胞数の減少が見られた場合は、前記遺伝子組換え細胞を休ませるのに適切な期間にわたって前記薬物の投与を中止し、前記遺伝子組換え細胞の活性が見られない場合は、がんは寛解しており、該遺伝子組換え細胞は必要とされない。
【0282】
別の実施形態において、本発明の方法は、
細胞性免疫応答を提供する遺伝子組換え細胞傷害性Tリンパ球製剤、および/または腫瘍の直接認識を誘導するとともに、前記遺伝子組換え細胞傷害性Tリンパ球製剤の、細胞性免疫応答を媒介する能力を向上させる遺伝子組換えヘルパーTリンパ球製剤を対象に投与すること、ならびに
誘導型プロモーターを誘導する薬物を投与することを含み、
前記細胞傷害性Tリンパ球製剤が、キメラ受容体を有するCD8+T細胞を含み、該キメラ受容体が、本明細書で述べるように、薬物によって誘導可能なプロモーターの制御下に、リガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを含むこと、
前記リガンド結合ドメインが、リガンドに特異的であること、
前記リガンドが、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現されるその他の分子であること、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導することができること、
前記ヘルパーTリンパ球製剤が、キメラ受容体を有するCD4+T細胞を含み、該キメラ受容体が、本明細書で述べるように、構成的プロモーターまたは薬物によって誘導可能なプロモーターの制御下に、リガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを含むこと、
前記リガンド結合ドメインが、リガンドに特異的であること、
前記リガンドが、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、または標的細胞集団に発現されるその他の分子であること、ならびに
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導することができることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、前記薬物の投与は、前記組成物または前記宿主細胞の投与後に行い、前記組成物または前記宿主細胞の投与から1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週間、4週間もしくは2ヶ月が経過した後、またはこれらの時間点のいずれか2つの間にある任意の時間が経過した後に行う。前記方法の実施形態のいくつかにおいて、前記システムは、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能である。
【0283】
別の実施形態において、本発明の方法は、
細胞性免疫応答を提供する遺伝子組換え細胞傷害性Tリンパ球製剤、および/または腫瘍の直接認識を誘導するとともに、前記遺伝子組換え細胞傷害性Tリンパ球製剤の、細胞性免疫応答を媒介する能力を向上させる遺伝子組換えヘルパーTリンパ球製剤を対象に投与すること、ならびに
誘導型プロモーターを誘導する薬物を投与することを含み、
前記細胞傷害性Tリンパ球製剤が、キメラ受容体を有するCD8+T細胞を含み、該キメラ受容体が、本明細書で述べるように、構成的プロモーターの制御下に、腫瘍細胞の表面分子に特異的なリガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むこと、ならびに
前記ヘルパーTリンパ球製剤が、キメラ受容体を有するCD4+T細胞を含み、該キメラ受容体が、本明細書で述べるように、構成的プロモーターまたは薬物によって誘導可能なプロモーターの制御下に、腫瘍細胞の表面分子に特異的なリガンド結合ドメイン、スペーサードメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むことを特徴とする。
いくつかの実施形態において、前記腫瘍特異的分子は、腫瘍の表面分子である。
【0284】
別の実施形態において、本発明の方法は、
細胞性免疫応答を提供する遺伝子組換え細胞傷害性Tリンパ球製剤、および/または腫瘍の直接認識を誘導するとともに、前記遺伝子組換え細胞傷害性Tリンパ球製剤の、細胞性免疫応答を媒介する能力を向上させる遺伝子組換えヘルパーTリンパ球製剤を対象に投与すること、ならびに
誘導型プロモーターを誘導する薬物を投与することを含み、
前記細胞傷害性Tリンパ球製剤がCD8+T細胞を含み、該CD8+T細胞が、本明細書で述べるように、誘導型プロモーターの制御下において、サイトカイン、ケモカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、および/またはチェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチドを発現すること、ならびに
前記ヘルパーTリンパ球製剤がCD4+T細胞を含み、該CD4+T細胞が、本明細書で述べるように、構成的プロモーターまたは薬物によって誘導可能なプロモーターの制御下において、サイトカイン、ケモカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、および/またはチェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチドを発現することを特徴とする。
いくつかの実施形態において、1つ以上の前記細胞集団は、構成的プロモーターの制御下でキメラ抗原受容体を発現する。いくつかの実施形態において、チェックポイントシグナル伝達を調節することによって、負のチェックポイント制御因子を抑制する。いくつかの実施形態において、前記負のチェックポイント制御因子は、PD-1、VISTA、LAG-3および/またはTIM3を含む。
【0285】
発現の誘導に有効な薬物の量は、本明細書に記載の形質導入細胞の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%もしくは少なくとも100%においてキメラ抗原受容体を誘導することができる薬物量、またはこれらのパーセント値のいずれかで定義される範囲内の任意の数の形質導入細胞においてキメラ抗原受容体を誘導することができる薬物量である。本明細書において提供される方法において、前記システムは、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能である。
【0286】
別の一実施形態は、疾患または障害を有する対象において細胞免疫療法を行う方法であって、前記対象の生体試料を分析して、前記疾患または障害に関連する標的分子の存在を検出すること、本明細書に記載の養子免疫療法用組成物を投与すること、および前記誘導型プロモーターを誘導する薬物を投与することを含み、前記キメラ受容体が、前記標的分子に特異的に結合することを特徴とする方法に関する。
【0287】
本明細書に記載の実施形態に従って治療が可能な対象は、通常、ヒトまたはその他の霊長類である対象であり、たとえば、獣医学の対象となるサルおよび類人猿である。対象は雄性でも雌性でもよく、任意の適切な年齢であってもよく、たとえば、幼児、幼年者、若年者、成人、および高齢者の対象が挙げられる。
【0288】
本発明の方法は、たとえば、血液悪性腫瘍、黒色腫、乳がん、脳腫瘍、その他の上皮悪性腫瘍または固形腫瘍の治療または抑制に有用である。いくつかの実施形態において、これらの疾患または障害と関連する分子は、オーファンチロシンキナーゼ受容体ROR1、Her2、EGFR、CE7、hB7H3、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEA、またはB型肝炎表面抗原である。
【0289】
本明細書に記載の方法を用いて処置することができる対象としては、がんを有すると特定または選択された対象が挙げられ、該がんとしては、大腸がん、肺がん、肝臓がん、乳がん、腎臓がん、前立腺がん、卵巣がん、皮膚がん(黒色腫を含む)、骨がん、および脳腫瘍などが挙げられるが、これらに限定されない。がん患者の特定および/または選択は、臨床的評価または診断的評価によって行うことができる。いくつかの実施形態において、本発明の実施形態が適用される腫瘍関連抗原または腫瘍関連分子は、黒色腫、乳がん、脳腫瘍、扁平上皮腫、大腸がん、白血病、骨髄腫、および/または前立腺がんに関連する抗原である。別の実施形態において、前記腫瘍関連分子は、遺伝子組換えキメラ受容体を発現する遺伝子組換えT細胞で標的化することができる。前記がんとしては、B細胞リンパ腫、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、および/または白血病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0290】
前述のように製造された細胞は、本発明の開示を踏まえ、当業者であれば容易に理解できる公知の技術またはその変法に従って、養子免疫療法のための方法および組成物において使用することができる。
【0291】
いくつかの実施形態において、前記細胞の製剤化は、まず該細胞を培地から回収し、次いで該細胞を洗浄し、投与に適した培地および容器システム(「薬学的に許容され得る」担体)中において該細胞を治療有効量まで濃縮することによって行われる。適切な注入用培地は、任意の等張性培地製剤であってもよく、典型的には、生理食塩水、Normosol R(アボット)もしくはPlasma-Lyte A(バクスター)、5%デキストロース水溶液、または乳酸リンゲル液を使用することができる。前記注入用培地には、ヒト血清アルブミン、ウシ胎児血清、またはその他のヒト血清成分を添加してもよい。
【0292】
いくつかの実施形態において、組成物中の細胞の治療有効量または抑制有効量は、形質導入されたCD4細胞もしくはCD8細胞の量、または少なくとも2つの細胞サブセット(たとえば、CD8+セントラルメモリーT細胞の1つのサブセットとCD4+ヘルパーT細胞の1つのサブセット)の量を指す。より典型的には、102個を超えかつ106個以下、108個以下または109個以下の細胞であり、たとえば108個または109個の細胞であってもよく、1010個を超える数の細胞であってもよい。細胞の数は、前記組成物の最終的な用途や、該組成物に含まれる細胞の種類などによって決定される。たとえば、特定の抗原に特異的な細胞が所望される場合、前記集団を占める該細胞の割合は70%を超え、通常、80%を超え、85%を超え、あるいは前記集団全体の90~95%を占める。本明細書に記載の使用において、前記細胞製剤の量は通常1L以下であり、500ml以下であってもよく、さらには250ml以下もしくは100ml以下であってもよく、これらの量のいずれか2つによって定義される範囲内の量であってもよい。したがって、前記所望の細胞の密度は、通常、104個/mlよりも大きく、通常107個/mlよりも大きく、通常108個/ml以上である。臨床的意義のあるこのような数の免疫細胞は、複数回の注入に分割して投与してもよく、その累積投与量は106個、107個、108個、108個、109個、1010個、もしくは1011個、もしくはこれらの細胞数以上、またはこれらのエンドポイントのいずれか2つで定義される範囲内の任意の細胞数に相当する。
【0293】
いくつかの実施形態において、本発明のリンパ球は、個体に免疫を付与するために使用することができる。本明細書において「免疫」という用語は、一般的な通常の意味を有し、病原体の感染もしくは腫瘍に対する応答、またはリンパ球反応の標的となる応答に伴う1つ以上の身体症状を軽減することを意味するために使用してもよい。前記細胞の投与量は、通常、病原体に対する免疫を備える正常個体の体内に存在する細胞数の範囲内である。したがって、細胞は、通常、注入によって投与され、1回の注入あたり2個以上から少なくとも106個~3×1010個までの範囲の数の細胞が投与され、少なくとも107個~109個の細胞を注入することが好ましい。前記T細胞は、単回の注入によって、または特定の期間における複数回の注入によって投与することができる。しかしながら、個体によって反応性が異なると予想されるため、注入する細胞の種類および細胞の量、ならびに注入の回数、および複数回の注入を実施する期間は主治医によって決定され、日常的な検査によっても決定することができる。十分な量のTリンパ球(細胞傷害性Tリンパ球および/またはヘルパーTリンパ球を含む)の作製は、本明細書に例示したような、本発明による迅速な増殖方法を用いて容易に行うことができる。
【0294】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、特定または選択された対象(たとえば、黒色腫、乳がん、脳腫瘍、扁平上皮腫、大腸がん、白血病、骨髄腫、および/もしくは前立腺がんを有することが特定または選択された対象)に静脈内投与、腹腔内投与、腫瘍内投与、骨髄内投与、リンパ節内投与、かつ/または脳脊髄液内投与される。いくつかの実施形態において、キメラ受容体により遺伝子組換えされた前記組成物は、腫瘍部位に送達される。あるいは、本明細書に記載の組成物は、本発明の細胞を腫瘍または免疫コンパートメントに標的化させるとともに、肺などの部位を避けることが可能な化合物と組み合わせることができる。
【0295】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、化学療法剤および/または免疫抑制剤とともに投与される。別の一実施形態においては、まず、本発明の免疫細胞以外の免疫細胞を抑制または殺傷する化学療法剤を患者に投与してから、本明細書に記載の組成物を投与する。場合によっては、化学療法を完全に省いてもよい。
【0296】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、腫瘍量が減少するまで、本明細書に記載の改変T細胞と前記誘導因子(たとえば誘導を行うことの可能な薬物)とを組み合わせて投与することを含む。腫瘍量が減少すれば、誘導薬物の投与を中止して、キメラ抗原受容体の発現をオフに切り換え、キメラ抗原受容体を発現するT細胞の数を減少させてもよい。別の実施形態において、腫瘍増殖の再発または増強が生じた場合に、別の時間点において前記誘導薬物を投与して、キメラ抗原受容体の発現をオンに切り換えてもよい。
【0297】
別の実施形態において、前記細胞の持続的な刺激によるアナジーまたは応答不能状態を回避するため、前記誘導薬物を数日間、数週間または数ケ月間にわたって投与してから、数日間、数週間、または数ケ月間にわたって投与を中止し、その後、数日間、数週間、または数ケ月間にわたって再投与することによって、前記キメラ抗原受容体の発現を周期的に切り替えてもよい。
【0298】
さらなる実施形態
いくつかの実施形態において、導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。いくつかの実施形態において、アポトーシスを制御する前記ポリペプチドはサバイビンである。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む。
前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、導入遺伝子をコードすること、
前記導入遺伝子が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
また、前記システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08) VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0299】
いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。いくつかの実施形態において、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。いくつかの実施形態において、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。いくつかの実施形態において、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。いくつかの実施形態において、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。いくつかの実施形態において、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。いくつかの実施形態において、第2のプロモーターは、EF1αpである。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。いくつかの実施形態において、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。いくつかの実施形態において、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。いくつかの実施形態において、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。いくつかの実施形態において、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。いくつかの実施形態において、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
【0300】
いくつかの実施形態において、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。
いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12) scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。いくつかの実施形態において、細胞において導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0301】
いくつかの実施形態において、本発明の実施形態のいずれか1つに記載のシステムの第1の核酸または本発明の実施形態のいずれか1つに記載のシステムの第2の核酸によってコードされるキメラ受容体ポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6) VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0302】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む、哺乳動物細胞などの宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞において導入遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)導入遺伝子をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0303】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を薬学的に許容される賦形剤中に含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されていてもよいポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞および別の宿主細胞であり、該別の宿主細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞または造血幹細胞と、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞から選択されるCD4+T細胞である宿主細胞とである。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0304】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞をインビトロで作製する方法を提供する。該方法は、a)本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを提供すること;およびb)単離されたTリンパ球集団に前記システムを導入し、各Tリンパ球集団をインビトロで増殖させることを含む。いくつかの実施形態において、前記Tリンパ球は増殖培養されたものであり、前記方法は、抗CD3および/または抗CD28と少なくとも1種の恒常性サイトカインとの存在下において、細胞移入としての使用に十分な数に達するまで前記Tリンパ球を培養することをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記単離されたTリンパ球集団はT細胞前駆細胞を含む。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記リンパ球はCD8+またはCD4+である。
いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0305】
いくつかの実施形態において、疾患の治療、抑制または緩和を必要とする対象において疾患を治療、抑制または緩和する方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞、または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。
いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。
いくつかの実施形態において、前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞および別の宿主細胞であり、該別の宿主細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞または造血幹細胞と、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞から選択されるCD4+T細胞である宿主細胞とである。いくつかの実施形態において、前記疾患は、がんまたはウイルス疾患である。いくつかの実施形態において、前記対象は、抗がん療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である。いくつかの実施形態において、前記対象は、抗ウイルス療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である。いくつかの実施形態において、前記方法は、前記疾患の抑制を測定または評価することをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記方法は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる細胞、または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品の投与前、投与中または投与後に、別の抗がん療法または抗ウイルス療法を前記対象に提供することをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの細胞、または前記実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品は、養子細胞移入によって前記対象に投与する。いくつかの実施形態において、前記実施形態のいずれか1つによる宿主細胞、または前記実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品は、別の形態の抗がん療法または抗ウイルス療法で前記対象を処置した後に該対象に投与する。いくつかの実施形態において、該方法は、がんまたはウイルス感染症の治療のために、前記宿主細胞または前記組成物中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、フルベストラントおよび/もしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。いくつかの実施形態において、前記タモキシフェンは、10mg/回、11mg/回、12mg/回、13mg/回、14mg/回、15mg/回、16mg/回、17mg/回、18mg/回、19mg/回もしくは20mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。いくつかの実施形態において、前記フルベストラントは、250mg/回、300mg/回、350mg/回、400mg/回、450mg/回もしくは500mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。いくつかの実施形態において、前記CMP8は、血清中の薬物濃度が30nM、40nMもしくは50nMまたはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度となる用量範囲で投与される。いくつかの実施形態において、前記がんは、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態において、前記固形腫瘍は、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。
いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0306】
いくつかの実施形態において、がんまたはウイルス感染症の治療のための、前記実施形態のいずれか1つによる哺乳動物細胞などの宿主細胞または前記実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品と該宿主細胞(たとえば哺乳動物細胞)中または該組成物中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物との組み合わせの使用を提供する。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されていてもよいポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。
いくつかの実施形態において、前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、好ましくは哺乳動物細胞である前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞および別の宿主細胞であり、該別の宿主細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞または造血幹細胞と、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞から選択されるCD4+T細胞である宿主細胞とである。いくつかの実施形態において、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、フルベストラントおよび/もしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。いくつかの実施形態において、前記タモキシフェンは、10mg/回、11mg/回、12mg/回、13mg/回、14mg/回、15mg/回、16mg/回、17mg/回、18mg/回、19mg/回もしくは20mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。いくつかの実施形態において、前記フルベストラントは、250mg/回、300mg/回、350mg/回、400mg/回、450mg/回もしくは500mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される。いくつかの実施形態において、前記CMP8は、血清中の薬物濃度が30nM、40nMもしくは50nMまたはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度となる用量範囲で投与される。いくつかの実施形態において、前記がんは、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態において、前記固形腫瘍は、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列)(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。
いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0307】
いくつかの実施形態において、がんまたはウイルス感染症を有する対象において細胞免疫療法を行う方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞(たとえば哺乳動物細胞)または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与すること、および前記組成物中または前記宿主細胞(たとえば哺乳動物細胞)中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物を投与することを含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。
いくつかの実施形態において、前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる、哺乳動物細胞などの宿主細胞を薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、結合断片などの抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞および別の宿主細胞であり、該別の宿主細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞または造血幹細胞と、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞から選択されるCD4+T細胞である宿主細胞とである。いくつかの実施形態においては、前記がんは、固形腫瘍および血液悪性腫瘍から選択される。いくつかの実施形態において、前記固形腫瘍は、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。
この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【0308】
いくつかの実施形態において、医薬品としての、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞(たとえば哺乳動物細胞など)または本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品の使用を提供する。いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞などの前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、哺乳動物細胞などの細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCまたはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。
いくつかの実施形態において、前記組成物は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる宿主細胞を薬学的に許容される賦形剤中に含む。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによるシステムを含む。いくつかの実施形態において、前記システムは、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは配列番号23に示される核酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記シグナル伝達ドメインは、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、誘導型プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは構成的プロモーターである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2のプロモーターは、EF1αpである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーはEGFRtおよび/またはHER2tである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記選択マーカーは薬物耐性を付与する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記自己切断ペプチドは、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体よりも増強されるように最適化されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。
いくつかの実施形態において、前記システムは、T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムである。該システムは、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とする。
前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写活性化因子は、HEA3またはHEA4である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、野生型HEA3転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、野生型HEA4転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインは、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA4は、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインは、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントは、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA3転写因子のバリアントは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記野生型HEA4転写因子のバリアントは、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記転写制御因子は、前記薬物に対する選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含むHEA3キメラ転写因子のバリアントである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記薬物は、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現量は、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記キメラ抗原受容体の発現は、0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって誘導される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記副作用は、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第2の核酸は、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されたポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記リガンド結合ドメインは、腫瘍特異的分子、ウイルス分子、または標的細胞集団に発現される別の分子であり、前記リガンドは、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のプロモーターは、第2のプロモーターとは逆向きである。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは抗体断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは一本鎖可変断片である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記腫瘍特異的分子は、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルス特異的分子は、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記リガンド結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサーは、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーは、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記DNAスペーサーは、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1の核酸は第1のベクターをさらに含み、第2の核酸は第2のベクターをさらに含む。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、第1のベクターおよび第2のベクターは、単一のウイルスベクターにパッケージされている。前記システムの実施形態のいくつかにおいて、前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞はT細胞前駆細胞である。いくつかの実施形態において、前記T細胞前駆細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記宿主細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞および別の宿主細胞であり、該別の宿主細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記組成物は宿主細胞を含み、該宿主細胞は、T細胞前駆細胞または造血幹細胞と、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球、またはナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞から選択されるCD4+T細胞である宿主細胞とである。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、scFVを含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、huCD19 scFv(G01S)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGYHYYDSAEHAFDIWGQGTVVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSALTQPRSVSGFPGQSVTISCTGTTSDDVSWYQQHPGKAPQLMLYDVSKRPSGVPHRFSGSRSGRAASLIISGLQTEDEADYFCSSYAGRYNSVLFGGGTKLTVL)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、muCD19(FMC63)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD19に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号42に示される配列によってコードされる(Atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatccccgacatccagatgacccagaccacctccagcctgagcgccagcctgggcgaccgggtgaccatcagctgccgggccagccaggacatcagcaagtacctgaactggtatcagcagaagcccgacggcaccgtcaagctgctgatctaccacaccagccggctgcacagcggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaccgactacagcctgaccatctccaacctggaacaggaagatatcgccacctacttttgccagcagggcaacacactgccctacacctttggcggcggaacaaagctggaaatcaccggcagcacctccggcagcggcaagcctggcagcggcgagggcagcaccaagggcgaggtgaagctgcaggaaagcggccctggcctggtggcccccagccagagcctgagcgtgacctgcaccgtgagcggcgtgagcctgcccgactacggcgtgagctggatccggcagccccccaggaagggcctggaatggctgggcgtgatctggggcagcgagaccacctactacaacagcgccctgaagagccggctgaccatcatcaaggacaacagcaagagccaggtgttcctgaagatgaacagcctgcagaccgacgacaccgccatctactactgcgccaagcactactactacggcggcagctacgccatggactactggggccagggcaccagcgtgaccgtgagcagc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7H3(hBRCA84D)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、B7-H3受容体に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAMのCE7エピトープに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号50に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggtgcagctgcagcagcctggcgccgagctggtgaagccaggcgccagcgtgaagctgtcctgcaaggccagcggctacaccttcaccggctactggatgcactgggtgaagcagagacccggccacggcctggaatggatcggcgagatcaaccccagcaacggccggaccaactacaacgagcggttcaagagcaaggccaccctgaccgtggacaagagcagcaccaccgccttcatgcagctgtccggcctgaccagcgaggacagcgccgtgtacttctgcgccagggactactacggcaccagctacaacttcgactactggggccagggcaccacactgaccgtgagcagcggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgacatccagatgacccagagcagcagcagcttcagcgtgagcctgggcgaccgggtgaccatcacctgtaaggccaacgaggacatcaacaaccggctggcctggtatcagcagacccccggcaacagccccaggctgctgatcagcggcgccaccaacctggtgaccggcgtgcccagccggtttagcggcagcggctccggcaaggactacaccctgaccatcacaagcctgcaggccgaggacttcgccacctactactgccagcagtactggtccacccccttcaccttcggcagcggcaccgagctggaaatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、L1CAM(CE7)scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQPGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTGYWMHWVKQRPGHGLEWIGEINPSNGRTNYNERFKSKATLTVDKSSTTAFMQLSGLTSEDSAVYFCARDYYGTSYNFDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSSSSFSVSLGDRVTITCKANEDINNRLAWYQQTPGNSPRLLISGATNLVTGVPSRFSGSGSGKDYTLTITSLQAEDFATYYCQQYWSTPFTFGSGTELEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR(セツキシマブ)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号52に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggtgcagctgaaacagagcggcccgggcctggtgcagccgagccagagcctgagcattacctgcaccgtgagcggctttagcctgaccaactatggcgtgcattgggtgcgccagagcccgggcaaaggcctggaatggctgggcgtgatttggagcggcggcaacaccgattataacaccccgtttaccagccgcctgagcattaacaaagataacagcaaaagccaggtgttttttaaaatgaacagcctgcagagcaacgataccgcgatttattattgcgcgcgcgcgctgacctattatgattatgaatttgcgtattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcgcgggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcggcggcggcggcagcgatattctgctgacccagagcccggtgattctgagcgtgagcccgggcgaacgcgtgagctttagctgccgcgcgagccagagcattggcaccaacattcattggtatcagcagcgcaccaacggcagcccgcgcctgctgattaaatatgcgagcgaaagcattagcggcattccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgagcattaacagcgtggaaagcgaagatattgcggattattattgccagcagaacaacaactggccgaccacctttggcgcgggcaccaaactggaactgaaacgcacc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFR scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRT)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号53のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EGFRVIII(806)scFvのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvはEGFRに特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EphA2(2A4)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号56に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、EpHA2(4H5)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号58に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、FITC(E2)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号60に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu08)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号68に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2 hu08 VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRNGMSWVRQAPGKGLEWVATVSSGGSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARQGTTALATRFFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRSTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHHYSAPWTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号69のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号70に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaaggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号71のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号72に示される核酸配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagaagtgcagctggtggaaagcggcggcggcctggtgcagccgggcggcagcctgcgcctgagctgcgcggcgagcggctttacctttaccaaatatggcgtgcattgggtgcgccaggcgccgggcaaaggcctggaatgggtggcggtgaaatgggcgggcggcagcaccgattataacagcgcgctgatgagccgctttaccattagccgcgataacgcgaaaaacagcctgtatctgcagatgaacagcctgcgcgcggaagataccgcggtgtattattgcgcgcgcgatcatcgcgatgcgatggattattggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcggtggtggtggttctggcggcggcggctccggtggtggtggttctgatattcagatgacccagagcccgagcagcctgagcgcgagcgtgggcgatcgcgtgaccattacctgcaccgcgagcctgagcgtgagcagcacctatctgcattggtatcagcagaaaccgggcaaagcgccgaaactgctgatttatagcaccagcaacctggcgagcggcgtgccgagccgctttagcggcagcggcagcggcaccgattttaccctgaccattagcagcctgcagccggaagattttgcgacctattattgccatcagtatcatcgcagcccgctgacctttggcggcggcaccaaagtggaaattaaagaatctaagta)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、IL13Ra2(hu07)VhVl scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTKYGVHWVRQAPGKGLEWVAVKWAGGSTDYNSALMSRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDHRDAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCTASLSVSSTYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYHRSPLTFGGGTKVEIKESK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号73のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号74に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccaggccctgtgcctccctctacagccctcaggtacctcattgaggagctggtcaacatcacccagaaccagaaggctccgctctgcaatggcagcatggtatggagcatcaacctgacagctggcatgtactgtgcagccctggaatccctgatcaacgtgtcaggctgcagtgccatcgagaagacccagaggatgctgagcggattctgcccgcacaaggtctcagctgggcagttttccagcttgcatgtccgagacaccaaaatcgaggtggcccagtttgtaaaggacctgctcttacatttaaagaaactttttcgcgagggacggttcaa)。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、抗IL13Ra2(IL13 zetakine)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはその一部もしくはscFvは、配列番号75に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPGPVPPSTALRYLIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRF)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号75のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号76に示される配列によってコードされる(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagatgttgtgatgacccaaactccactctccctgcctgtcagtcttggagatcaagcctcaatctcttgcagatctagtcagagccttctaaaaaataatggaaacacctttttacattggtacctgcagaagtcaggccagtctccaaagctccttatctacaaagtttccaaccgactttctggggtcccagacaggttcagtggcagtggatcagggacatatttcacactcaagatcagcagagtggaggctgaggatctgggagtttatttctgctctcaaagtacacatattccgtacacattcggaggggggaccaagctcgagctgaaacgaggcggagggggctctggcggcggaggatctgggggagggggcagcgaggtgaaactggtggagtctggaggaggcttggtgctgcctggggattctctgagactctcctgtgcaacttctgagttcaccttcactgattactacatgacttgggtccgccagcctccaagaaaggcacttgagtggttgggttttattagaaacagagctaatggttacacaacagagtacaatccatctgtgaagggtcggttcaccatttccagagataattcccaaagcatcctctatcttcaaatgaacaccctgagaactgaggacagtgccacttattactgtgcaagagtctctaactgggcctttgactactggggccaaggcaccactctcacagtctcctca)。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、oaGD2(8B6)VlVh scFvのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77に示されるアミノ酸配列を含む(MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLKNNGNTFLHWYLQKSGQSPKLLIYKVSNRLSGVPDRFSGSGSGTYFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHIPYTFGGGTKLELKRGGGGSGGGGSGGGGSEVKLVESGGGLVLPGDSLRLSCATSEFTFTDYYMTWVRQPPRKALEWLGFIRNRANGYTTEYNPSVKGRFTISRDNSQSILYLQMNTLRTEDSATYYCARVSNWAFDYWGQGTTLTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号77のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、ROR1(R12)scFvのヌクレオチド配列によってコードされる。
いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号78に示される配列によってコードされる(atgctgctgctggtgacaagcctgctgctgtgcgagctgccccaccccgcctttctgctgatcccccaggaacagctcgtcgaaagcggcggcagactggtgacacctggcggcagcctgaccctgagctgcaaggccagcggcttcgacttcagcgcctactacatgagctgggtccgccaggcccctggcaagggactggaatggatcgccaccatctaccccagcagcggcaagacctactacgccacctgggtgaacggacggttcaccatctccagcgacaacgcccagaacaccgtggacctgcagatgaacagcctgacagccgccgaccgggccacctacttttgcgccagagacagctacgccgacgacggcgccctgttcaacatctggggccctggcaccctggtgacaatctctagcggcggaggcggatctggtggcggaggaagtggcggcggaggatctgagctggtgctgacccagagcccctctgtgtctgctgccctgggaagccctgccaagatcacctgtaccctgagcagcgcccacaagaccgacaccatcgactggtatcagcagctgcagggcgaggcccccagatacctgatgcaggtgcagagcgacggcagctacaccaagaggccaggcgtgcccgaccggttcagcggatctagctctggcgccgaccgctacctgatcatccccagcgtgcaggccgatgacgaggccgattactactgtggcgccgactacatcggcggctacgtgttcggcggaggcacccagctgaccgtgaccggc)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79に示されるアミノ酸配列を含む(ROR1(R12)scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQEQLVESGGRLVTPGGSLTLSCKASGFDFSAYYMSWVRQAPGKGLEWIATIYPSSGKTYYATWVNGRFTISSDNAQNTVDLQMNSLTAADRATYFCARDSYADDGALFNIWGPGTLVTISSGGGGSGGGGSGGGGSELVLTQSPSVSAALGSPAKITCTLSSAHKTDTIDWYQQLQGEAPRYLMQVQSDGSYTKRPGVPDRFSGSSSGADRYLIIPSVQADDEADYYCGADYIGGYVFGGGTQLTVTG)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号79のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号80に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのヌクレオチド配列(atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccacaggttcagctggtgcagtctggagctgaggtgaagaagcctggggcctcagtgaaggtctcctgcaaggcttctggttacacctttaccaattatgatataaattgggtgagacaggcccctggacaagggcttgagtggattggatggatttatcctggagatggtagtaccaaatataatgagaaattcaaggccaaggctaccctgacagctgacacatccaccagcacagcctacatggagctgaggagcctgagatctgatgacacagctgtgtattactgtgcttctggatatgaagatgctatggactactgggggcaagggaccacagtcacagtctcctca))。いくつかの実施形態において、前記scFvはCD33に特異的である。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VhVl scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQAPGQGLEWIGWIYPGDGSTKYNEKFKAKATLTADTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCASGYEDAMDYWGQGTTVTVSS)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号81のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号82に示される配列によってコードされる(CD33(h2H12)VlVh scFvのヌクレオチド配列:atgcttctcctggtgacaagccttctgctctgtgagttaccacacccagcattcctcctgatcccagacatccagatgacccagtctccatcctcactgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcaattgtaaggctagtcaggacattaatagctatttgagctggtttcagcagaaaccagggaaagcccctaagaccctgatctatagagcaaatagattggtagatggggtcccatcaaggttctctggcagtggatctgggcaagattatactctcaccatcagcagcctgcagcctgaagattttgcaacttattactgcttgcagtatgatgagtttcctctcacatttggaggagggaccaaggtggagatcaaa)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83に示されるアミノ酸配列を含む(CD33(h2H12)VlVh scFvのアミノ酸配列:MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQSPSSLSASVGDRVTINCKASQDINSYLSWFQQKPGKAPKTLIYRANRLVDGVPSRFSGSGSGQDYTLTISSLQPEDFATYYCLQYDEFPLTFGGGTKVEIK)。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号84に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号86に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記scFvは、配列番号87に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号102に示される核酸配列によってコードされる(IgG4ヒンジのヌクレオチド配列:gagagcaagtacggaccgccctgccccccttgccct)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103に示されるアミノ酸配列を含む(IgG4ヒンジのアミノ酸配列:ESKYGPPCPPCP)。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号103のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号104に示される核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、HEA3は2個のアミノ酸変異を含み、該HEA3の配列は、配列番号122に示される配列によってコードされる(atggtgtccaagctgtcccagctgcagacagaactgctggcagcactgctggaaagcggcctgagcaaagaggccctgattcaggcactcggcgaacctggaccttatctgctcgctggcgaaggccctctggataagggcgagagctgtggcggaggaagaggagagctggccgagctgcctaacggcctgggcgagacaagaggcagcgaggacgagacagacgacgacggcgaggacttcaccccccccatcctgaaagagctggaaaacctgagccccgaggaagccgcccaccagaaagccgtggtggagacactgctgcaggaagatccctggcgggtcgccaagatggtcaagagctacctgcagcagcacaacatcccccagcgggaggtggtggacaccaccggcctgaaccagagccacctgagccagcacctgaacaagggcacccccatgaaaacccagaagagagccgccctgtacacttggtacgtgcggaagcagagagaggtggcccagcagtttacacacgccggccagggcggcctgatcgaggaacctaccggcgacgagctgcccaccaagaagggcagacggaaccggtttaagtggggccctgcatctcagcagatcctgttccaggcctacgagcggcagaagaaccccagcaaagaggaacgggagacactggtggaagagtgcaaccgggccgagtgcatccagagaggcgtgagcccttctcaggctcagggcctcggcagcaatctggtcaccgaagtgcgggtgtacaattggttcgccaaccggcggaaagaggaagccttccggcacaagctgtctgctggcgatatgagagccgccaacctgtggcccagccccctgatgatcaagcggagcaagaagaacagcctggccctgagcctgaccgccgatcagatggtgtccgctctgctggacgccgagccccctatcctgtacagcgagtacgaccccaccagacccttcagcgaggccagcatgatgggcctgctgaccaacctggccgaccgggagctggtgcacatgatcaactgggccaagcgggtgcccggcttcgtggacctgaccctgcacgaccaggtccacctgctggaatgtgcctggctggaaatcctgatgatcggcctcgtgtggagaagcatggaacaccccggcaagctgctgttcgcccccaacctgctcctggaccggaaccagggaaagtgcgtggagggcatggtggagatcttcgacatgctgctggccacctccagccggttccggatgatgaacctgcagggcgaggaattcgtgtgcctgaagtccatcatcctgctgaacagcggcgtgtacaccttcctgtcatccaccctgaagtccctggaagagaaggaccacatccaccgggtgctggacaagatcaccgacaccctgatccacctgatggccaaggctggcctgacactccagcagcagcaccagagactggcccagctgctgctgatcctgagccacatccggcacatgagcaacaagcggatggaacacctgtacagcatgaagtgcaagaacgtggtgcccctgtacgacctgctgctcgagatgctggatgcccacagactgcacgcccctacaagcagaggcggagccagcgtggaggaaaccgaccagtctcacctggccaccgccggcagcacaagcagccacagcctgcagaagtactacatcaccggcgaggccgagggattccctgccaccgtggagttccagtacctgcccgacaccgacgaccggcaccggatcgaggaaaagcggaagcggacctacgagacattccagagcatcatgaagaagtcccccttcagcggccccaccgatcccagacccccccctagaagaatcgccgtgcccagcagatctagcgccagcgtgcccaagcctgccccccagccctaccctttcaccagcagcctgagcaccatcaactacgacgagttccctaccatggtgttccccagcggccagatctctcaggcctctgctctggcacctgctccacctcaggtgctgcctcaggcccctgctccagccccagcccctgccatggtgtctgcactggcccaggctccagctcctgtgcctgtgctggcccctggacctcctcaggctgtggcccctcctgcccctaaacctacccaggccggggagggaacactgtctgaggccctgctgcagctccagttcgacgacgaggatctgggagcactgctgggcaatagcaccgaccccgccgtgtttaccgacctggcctccgtggacaacagcgagttccagcagctcctcaaccagggcatccctgtcgccccacacaccaccgagcccatgctgatggaataccccgaggccatcaccagactggtcacaggcgcccagaggcctccagatccagcaccagctccactgggagcccctggcctgcctaatgggctgctgtctggcgacgaggacttcgagagcattgccgacatggacttcagcgccctgctgtcccagatcagcagc)。いくつかの実施形態において、前記HEA3は、配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む(MVSKLSQLQTELLAALLESGLSKEALIQALGEPGPYLLAGEGPLDKGESCGGGRGELAELPNGLGETRGSEDETDDDGEDFTPPILKELENLSPEEAAHQKAVVETLLQEDPWRVAKMVKSYLQQHNIPQREVVDTTGLNQSHLSQHLNKGTPMKTQKRAALYTWYVRKQREVAQQFTHAGQGGLIEEPTGDELPTKKGRRNRFKWGPASQQILFQAYERQKNPSKEERETLVEECNRAECIQRGVSPSQAQGLGSNLVTEVRVYNWFANRRKEEAFRHKLSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKRMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATVEFQYLPDTDDRHRIEEKRKRTYETFQSIMKKSPFSGPTDPRPPPRRIAVPSRSSASVPKPAPQPYPFTSSLSTINYDEFPTMVFPSGQISQASALAPAPPQVLPQAPAPAPAPAMVSALAQAPAPVPVLAPGPPQAVAPPAPKPTQAGEGTLSEALLQLQFDDEDLGALLGNSTDPAVFTDLASVDNSEFQQLLNQGIPVAPHTTEPMLMEYPEAITRLVTGAQRPPDPAPAPLGAPGLPNGLLSGDEDFESIADMDFSALLSQISS)。この配列は、転写活性を向上させる2個の点突然変異(K310QおよびS536E(RelAタンパク質上の位置))をp65ドメイン内に含むHEA3配列を含む。この配列をHEA3(p65/S536E/K310Q)と呼ぶ。RelA上のK310Qは、HEA3において621番目に相当し、S536Eは、HEA3において846番目に相当する。いくつかの実施形態において、細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムを提供する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子は、アポトーシスを制御するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、Bcl2および/またはCA-Aktが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドはBcl2またはCA-Aktである。いくつかの実施形態において、アポトーシスを抑制する遺伝子として、たとえば、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、サバイビン、Bcl2、CA-Aktおよび/またはドミナントネガティブ(dn)カスパーゼ3である。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号124に示される配列によってコードされる(Atgggtgccccgacgttgccccctgcctggcagccctttctcaaggaccaccgcatctctacattcaagaactggcccttcttggagggctgcgcctgcaccccggagcggatggccgaggctggcttcatccactgccccactgagaacgagccagacttggcccagtgtttcttctgcttcaaggagctggaaggctgggagccagatgacgaccccatagaggaacataaaaagcattcgtccggttgcgctttcctttctgtcaagaagcagtttgaagaattaacccttggtgaatttttgaaactggacagagaaagagccaagaacaaaattgcaaaggaaaccaacaataagaagaaagaatttgaggaaactgtgaagaaagtgcgccgtgccatcgagcagctggctgcaatggat)。いくつかの実施形態において、サバイビンは、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む(MGAPTLPPAWQPFLKDHRISTFKNWPFLEGCACTPERMAEAGFIHCPTENEPDLAQCFFCFKELEGWEPDDDPIEEHKKHSSGCAFLSVKKQFEELTLGEFLKLDRERAKNKIAKETNNKKKEFEETVKKVRRAIEQLAAMD)。
【実施例】
【0309】
デュアルパッケージングされたレンチウイルスベクターの構築および調製
薬物で構成的発現を誘導可能な転写因子をコードする誘導型レンチウイルスベクターを構築した。具体的には、HEA3の単一変異RelAバリアントをコードする構築物、HEA4の単一変異RelAバリアントをコードする構築物、およびHEA4の二重変異RelAバリアントをコードする構築物(配列番号12~21)、ならびに野生型HEA3をコードする構築物、野生型HEA4をコードする構築物、およびZsGreen蛍光レポーターをコードする構築物を得た。
【0310】
7xHBD/mE1B-ZsGreen-epHIV7をコードする条件的レンチウイルスベクターを構築した。合成プロモーター7xHBD/mE1Bは、ヒトアルブミンプロモーターからクローニングされた肝細胞核因子1-α(HNF1α)の最小結合部位7個と、E1BのTATAボックスとを組み合わせることによって構築した。このように構成したベクターを使用することによって、タモキシフェンの存在下においてのみ、HEA3またはHEA4が7xHBD/mE1Bプロモーターに結合することによって導入遺伝子の発現が「オン」の状態となる。
【0311】
前記転写制御因子HEA3は、ヒト由来サブユニットを含むキメラ転写因子であり、肝細胞核因子1-α(HNF-1α)のN末端DNA結合ドメインが、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来のタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインにインフレームで融合されており、このタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインがさらにNF-κβのp65活性化ドメイン(p65)に融合されている。タモキシフェンの非存在下では、細胞質内の熱ショックタンパク質90(HSP90)がタモキシフェン結合活性部位に結合することによって、HEA3が核内から排除されるため、導入遺伝子の発現は「オフ」の状態となる。細胞質内にナノモル濃度のタモキシフェンが存在すると、ER-LBDへの結合に対してHSP90と活発に競合することによってこれを阻害し、HEA3の核内への転座が生じる。核内への転座が起こると、HEA3は、自体の特異的結合部位である合成プロモーターと結合することが容易となる。タモキシフェンの存在下におけるHEA3に対する転写応答性は、HEA3応答性合成プロモーター(7xHBD/mE1B)の後ろに導入遺伝子が配置された場合に達成される。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。
【0312】
前記転写制御因子HEA4は、ヒト由来サブユニットを含むキメラ転写因子であり、肝細胞核因子1-α(HNF-1α)のN末端DNA結合ドメインが、エストラジオールに対する感受性を欠失させる3個のアミノ酸置換を含むエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来タモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインにインフレームで融合されており、このタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインがさらにNF-κβのp65活性化ドメイン(p65)に融合されている。転写活性を向上させるため、p65活性化ドメインに単一変異または二重変異を導入した。タモキシフェンの非存在下では、細胞質内の熱ショックタンパク質90(HSP90)がタモキシフェン結合活性部位に結合することによって、HEA4が核内から排除されるため、導入遺伝子の発現は「オフ」の状態となる。細胞質内にナノモル濃度のタモキシフェンが存在すると、ER-LBDへの結合に対してHSP90と活発に競合することによってこれを阻害し、HEA4の核内への転座が生じる。核内への転座が起こると、HEA4は、自体の特異的結合部位である合成プロモーターと結合することが容易となる。タモキシフェンの存在下におけるHEA4に対する転写応答性は、 HEA4応答性合成プロモーター(7xHBD/mE1B)の後ろに導入遺伝子が配置された場合に達成される。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。
【0313】
合成プロモーター7xHBD/mE1Bは、ヒトアルブミンプロモーターからクローニングされた肝細胞核因子-1(HNF-1α)の最小結合部位7個と、mE1BプロモーターのTATAボックスとで構成される。このように構成したベクターを使用することによって、タモキシフェンの存在下においてのみ、HEA3またはHEA4が7xHBD/mE1Bプロモーターに結合することによって導入遺伝子の発現が「オン」の状態となる。いくつかの実施形態において、DNAスペーサーは、前記誘導型プロモーターと前記導入遺伝子の間に位置する。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含む(配列番号120:gctagcgtttaaacttaagcttggtaccgagctcggatccgccacc)。いくつかの実施形態において、前記DNAスペーサーは、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、前記導入遺伝子はキメラ抗原受容体をコードする。
【0314】
前記キメラ転写因子をコードする核酸配列は、構成的プロモーターであるEF1αの制御下に配置して構築した。前記キメラ転写因子をコードする核酸配列を、自己切断配列T2Aをコードする配列およびマーカー配列EGFRtをコードする配列に連結し、epHIV7.2レンチウイルス骨格にクローニングした。
【0315】
構成的キメラ転写因子と誘導型7xHBD/mE1B-ZsGreenを組み込んだレンチウイルスは、Lipofectamine 2000(ライフテクノロジーズ)を使用して、パッケージングベクターpCHGP-2、pCMV-Rev2およびpCMV-Gとともに1:2(HEA3またはHEA4:7xHBD/mE1B)のモル比で293T細胞にコトランスフェクトすることによって作製した。トランスフェクションの16時間後に培地を交換し、72時間後にウイルスを回収した。4℃、24,500rpmで1時間34分遠心分離してウイルスを濃縮した。
【0316】
タモキシフェンで誘導した場合にZsGreenを発現するJurkat細胞株の作製
1μg/mL硫酸プロタミン(Seattle Children’s Hospital Pharmacy)を添加したレンチウイルス上清(MOI≧3)を感染させてJurkat細胞を形質導入した。形質導入したJurkat細胞を、10%FBSおよび2mM L-グルタミンを添加したRPMI中で増殖させた。形質導入の10~30日後に、ビオチン標識セツキシマブおよび抗ビオチン磁気マイクロビーズ(ミルテニー)を使用して、EGFRt+細胞を濃縮した。細胞アッセイに使用するまで、10%FBSおよび2mM L-グルタミンを添加したRPMI中で細胞を維持培養した。
【0317】
薬物により構成的発現を誘導可能な転写因子が組み込まれたデュアルパッケージングレンチウイルス構築物の概要
HEA3の単一変異RelAバリアント(
図1A)またはHEA4の単一変異RelAバリアント(
図1B)(S536EまたはK310QまたはWT[野生型])とZsGreen蛍光レポーターベクターを発現するJurkat細胞を構築した。
【0318】
HEA3単一変異RelAバリアントおよびHEA4単一変異RelAバリアントの「オン」状態および「オフ」状態の特性評価
5.0×10
5個/mLのJurkat細胞を500nM 4-OHTの存在下または非存在下で播種した。24時間後、細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%NaN
3を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色し、パラホルムアルデヒド含有PBS中で固定した。EGFRtおよびZsGreenレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。500nM 4-OHTの存在下において24時間培養した後の、HEA3単一変異RelAバリアント(
図1C)またはHEA4単一変異RelAバリアント(
図1D)(S536EまたはK310Q)を発現するJurkat細胞におけるZsGreenレポーターの発現を示す。
【0319】
HEA3単一変異RelAバリアントおよびHEA4単一変異RelAバリアントの4-OHTに対する用量反応性の特性評価
【0320】
HEA3単一変異RelAバリアント(
図1A)またはHEA4単一変異RelAバリアント(
図1B)(S536EまたはK310QまたはWT[野生型])とZsGreen蛍光レポーターベクターを発現するJurkat細胞5.0×10
5個/mLを播種し、用量を漸増しながら4-OHTを添加した。24時間後、細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色し、パラホルムアルデヒド含有PBS中で固定した。EGFRtおよびZsGreenレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。HEA3 RelAバリアント発現Jurkat細胞(
図1E)またはHEA4 RelAバリアント発現Jurkat細胞(
図1F)におけるEGFRt+ZsGreen+細胞の割合(%)およびZsGreen蛍光強度の中央値として、4-OHTに対する用量反応性を示す。
【0321】
薬物により構成的発現を誘導可能な転写因子が組み込まれたデュアルパッケージングレンチウイルス構築物の概要
HEA4二重変異RelA(S536E/K310Q)バリアント(
図2A)またはCMP8応答性HEA3単一変異RelA(S536E)バリアント(
図2B)とZsGreen蛍光レポーターベクターを発現するJurkat細胞を構築した。
【0322】
HEA4二重変異RelAバリアントおよびCMP8応答性HEA3単一変異RelAバリアントの「オン」状態および「オフ」状態の特性評価
【0323】
5.0×10
5個/mLのJurkat細胞を500nMの4-OHT(
図2C)またはCMP8(
図2D)の存在下または非存在下で播種した。24時間後、細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色し、パラホルムアルデヒド含有PBS中で固定した。EGFRtおよびZsGreenレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。500nM 4-OHTまたは500nM CMP8の存在下において24時間培養した後の、HEA4二重変異RelA(S536E/K310Q)バリアント(
図2C)またはCMP8応答性HEA3単一変異RelA(S536E)バリアント(
図2D)を発現するJurkat細胞におけるZsGreenレポーターの発現を示す。
【0324】
HEA4二重変異RelAバリアントおよびCMP8応答性HEA3単一変異RelAバリアントの4-OHTに対する用量反応性の特性評価
HEA4二重変異RelAバリアント(S536E/K310Q)(
図2A)またはCMP8応答性HEA3単一変異RelAバリアント(
図2B)とZsGreen蛍光レポーターベクターを発現するJurkat細胞5.0×10
5個/mLを播種し、用量を漸増しながら4-OHTまたはCMP8を添加した。24時間後、細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色し、パラホルムアルデヒド含有PBS中で固定した。EGFRtおよびZsGreenレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。HEA4二重変異RelA(S536E/K310Q)バリアント発現Jurkat細胞(
図2E)またはCMP8応答性HEA3単一変異RelA(S536E)バリアント発現Jurkat細胞(
図2F)におけるEGFRt+ZsGreen+細胞の割合(%)およびZsGreen蛍光強度の中央値として、4-OHTに対する用量反応性を示す。
【0325】
DNAスペーサーを含むレンチウイルスベクター
HEA4二重変異RelA(S536E/K310Q)バリアントまたはCMP8応答性HEA3単一変異RelA(S536E)バリアントとZsGreen蛍光レポーターベクターを発現するJurkat細胞を構築した。発現量を比較するため、プロモーターと導入遺伝子の間にDNAスペーサーを含むHEA4二重変異RelA(S536E/K310Q)バリアントとZsGreen蛍光レポーターベクターを発現するJurkat細胞、およびプロモーターと導入遺伝子の間にDNAスペーサーを含むCMP8応答性HEA3単一変異RelA(S536E)バリアントとZsGreen蛍光レポーターベクターを発現するJurkat細胞を構築した。
【0326】
5.0×10
5個/mLのJurkat細胞を500nMの4-OHT(
図2C)またはCMP8の存在下または非存在下で播種した。24時間後、細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色し、パラホルムアルデヒド含有PBS中で固定した。EGFRtおよびZsGreenレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。500nM 4-OHTまたは500nM CMP8の存在下で24時間培養した後の、HEA4二重変異RelA(S536E/K310Q)バリアントまたはCMP8応答性HEA3単一変異RelA(S536E)バリアントを発現するJurkat細胞におけるZsGreenレポーターの発現と、500nM 4-OHTまたは500nM CMP8の存在下で24時間培養した後の、DNAスペーサーを有するHEA4二重変異RelA(S536E/K310Q)バリアントまたはDNAスペーサーを有するCMP8応答性HEA3単一変異RelA(S536E)バリアントを発現するJurkat細胞におけるZsGreenレポーターの発現とを比較した。導入遺伝子の発現は、プロモーターと導入遺伝子の間にDNAスペーサーを有していないベクターよりも1.5~2.0倍高くなることが予測される。また、発現量は導入遺伝子にも左右される。前記DNAスペーサーは、配列番号120に示される配列を含むものであった。
【0327】
さらなる方法
デュアルパッケージングされたレンチウイルスベクターの構築および調製
薬物で構成的発現を誘導可能な転写因子をコードする誘導型レンチウイルスベクターを構築した。この構築物は、HEA4(p65/S536E/K310Q)二重変異RelAバリアント(配列番号7)とeGFP:fflucレポーターをコードするものであった。場合によっては、HEA4(p65/S536E/K310Q)二重変異RelAバリアントと、サバイビンまたはCCR(CD122)とをコードする構築物が構築される。
【0328】
条件的レンチウイルスベクター(7xHBD/mE1B_eGFP:ffluc_epHIV7.2、7xHBD/mE1B_サバイビン-T2A-Her2tG_epHIV7.2および7xHBD/mE1B_CCR(CD122)-T2A-Her2tG_epHIV7.2)を構築した。合成プロモーター7xHBD/mE1Bは、ヒトアルブミンプロモーターからクローニングした肝細胞核因子1-α(HNF-1α)の最小結合部位7個と、E1BのTATAボックスとを組み合わせることによって構築した。このように構成されたベクターを使用することによって、タモキシフェンの存在下においてのみ、HEA3またはHEA4が7xHBD/mE1Bプロモーターに結合することによって導入遺伝子の発現が「オン」の状態となる。
【0329】
前記転写制御因子HEA4(p65/S536E/K310Q)は、ヒト由来サブユニットを含むキメラ転写因子であり、肝細胞核因子1-α(HNF-1α)のN末端DNA結合ドメインが、エストラジオールに対する感受性を欠失させる3個のアミノ酸置換を含むエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)由来タモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインにインフレームで融合されており、このタモキシフェン特異的変異リガンド結合ドメインがさらにNF-κβのp65活性化ドメイン(p65)に融合されている。転写活性を向上させるため、2個の変異(S536E/K310Q)をp65活性化ドメインに導入した。タモキシフェンの非存在下では、細胞質内の熱ショックタンパク質90(HSP90)がタモキシフェン結合活性部位に結合することによって、HEA4(p65/S536E/K310Q)が核内から排除されるため、導入遺伝子の発現は「オフ」の状態となる。細胞質内にナノモル濃度のタモキシフェンが存在すると、ER-LBDへの結合に対してHSP90と活発に競合することによってこれを阻害し、HEA4(p65/S536E/K310Q)の核内への転座が生じる。核内への転座が起こると、HEA4(p65/S536E/K310Q)は、自体の特異的結合部位である合成プロモーターと結合することが容易となる。タモキシフェンの存在下におけるHEA4(p65/S536E/K310Q)に対する転写応答性は、HEA4(p65/S536E/K310Q)応答性合成プロモーター(7xHBD/mE1B)の後ろに導入遺伝子が配置された場合に達成される。合成プロモーター7xHBD/mE1Bは、ヒトアルブミンプロモーターからクローニングした肝細胞核因子1-α(HNF-1α)の最小結合部位7個と、E1BプロモーターのTATAボックスとで構成される。このように構成されたベクターを使用することによって、タモキシフェンの存在下においてのみ、HEA4(p65/S536E/K310Q)が7xHBD/mE1Bプロモーターに結合することによって導入遺伝子の発現が「オン」の状態となる。
【0330】
前記キメラ転写因子をコードする核酸配列は、構成的プロモーターであるEF1αの制御下に配置して構築した。前記キメラ転写因子をコードする核酸配列を、自己切断配列T2Aをコードする配列およびマーカー配列EGFRtをコードする配列に連結し、epHIV7.2レンチウイルス骨格にクローニングした。
【0331】
サバイビンまたはCCR(CD122)をコードする核酸配列を、自己切断配列T2Aをコードする配列およびマーカー配列Her2tGをコードする配列に連結し、epHIV7.2レンチウイルス骨格にクローニングした。
【0332】
前記構成的キメラ転写因子と誘導型7xHBD/mE1B_eGFP:ffluc(
図3A、
図4A、
図5A)、誘導型7xHBD/mE1B_サバイビン-T2A-Her2tG(
図6A)または誘導型7xHBD/mE1B_CCR(CD122)-T2A-Her2tG(
図6B)を組み込んだレンチウイルスは、Lipofectamine 2000(ライフテクノロジーズ)を使用して、パッケージベクターpCHGP-2、pCMV-Rev2およびpCMV-Gとともに1:2(HEA4(p65/S536E/K310Q):7xHBD/mE1B)のモル比で293T細胞にコトランスフェクトすることによって作製した。トランスフェクションの16時間後に培地を交換し、72時間後にウイルスを回収した。4℃、24,500rpmで1時間34分遠心分離してウイルスを濃縮した。
【0333】
タモキシフェンで誘導した場合にeGFP:fflucを発現するCD4+T細胞およびCD8+T細胞の作製
CD4マイクロビーズおよびCD8マイクロビーズ(ミルテニー)を使用して、PBMCからヒトCD4+T細胞およびヒトCD8+T細胞を単離した。単離したCD4+T細胞およびCD8+T細胞は、実験全体を通して別々に培養した。Dynabeads Human T-Activator CD3/CD28 for T Cell Expansion(ライフテクノロジーズ)を使用して、単離直後のCD4+T細胞およびCD8+T細胞を、ビーズ:細胞=1:1の比率で刺激した。CD4+T細胞は、10%FBS、2mM L-グルタミン、IL-7(5ng/mL)およびIL-15(0.5ng/mL)を添加したRPMI中で培養した。CD8+T細胞は、10%FBS、2mM L-グルタミン、IL-2(50U/mL)およびIL-15(0.5ng/mL)を添加したRPMI中で培養した。単離の2日後、1μg/mL硫酸プロタミン(Seattle Children's Hospital Pharmacy)を添加したレンチウイルス上清(MOI=1.0)を感染させてCD4+T細胞およびCD8+T細胞を形質導入した。形質導入の10~15日後に、ビオチン標識セツキシマブおよび抗ビオチン磁気マイクロビーズ(ミルテニー)を使用して、EGFRt+細胞を濃縮した。培養を開始してから21日後に、Rapid Expansion Protocolを使用して、放射線照射したTM-LCLおよびPBMCならびに抗CD3(OKT3)抗体(30ng/mL)とともにT細胞を播種して14日間増殖させた。場合によっては、Rapid Expansion Protocolを使用して、2回目の増殖培養としてT細胞をさらに14日間培養した。
【0334】
薬物により構成的発現を誘導可能な転写因子が組み込まれたデュアルパッケージングレンチウイルス構築物の概要
HEA4(p65/S536E/K310)(
図3A、
図4Aおよび
図5A)とeGFP:fflucレポーターを発現するCD4+T細胞およびCD8+T細胞を構築した。
【0335】
薬物により誘導可能な転写因子の発現のウエスタンブロットによる確認
5.0×10
6個の形質導入CD8+T細胞およびmock形質導入CD8+T細胞を回収した。プロテアーゼ阻害剤を添加したRIPAバッファーを使用して細胞を溶解した。タンパク質10μgをNuPAGE 4-12% Bis-Trisゲル上で泳動し、ニトロセルロース膜に転写した。膜を室温で1時間ブロッキングし、ウサギ抗p65抗体(Cell Signaling)を用いて4℃で一晩かけて検出を行った。膜を洗浄し、ヤギ抗ウサギIR Dye 800 CW(LiCor)を用いて検出を行った。膜を洗浄し、Li-Cor Odyssey CLXスキャナーを使用して画像化し、HEA4(p65/S536E/K310Q)の発現を確認した(
図3B)。
【0336】
薬物により誘導可能な転写因子の発現およびeGFPバックグラウンドレベルのフローサイトメトリーによる確認
1.0×10
6個の形質導入CD8+T細胞およびmock形質導入CD8+T細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%NaN
3を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色し、パラホルムアルデヒド含有PBS中で固定した。EGFRtおよびeGFPレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した(
図3C)。
【0337】
CD4+T細胞およびCD8+T細胞におけるHEA4(p65/S536E/K310Q)二重変異RelAバリアントの「オン」状態および「オフ」状態の特性評価
1.0×10
5個の形質導入CD4+T細胞および形質導入CD8+T細胞ならびにmock形質導入CD4+T細胞およびmock形質導入CD8+T細胞を播種し、0~500nMの4-OHTの存在下または非存在下において、Dynabeads(ビーズ:細胞=2:1)もしくはPMA(2μM)/イオノマイシン(20ng/mL)を添加して、または添加せずに24時間培養した。細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%NaN
3を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色した。パラホルムアルデヒド含有PBS中で細胞を固定した。EGFRtおよびeGFPレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。0nM、30nMまたは500nMの4-OHTの存在下で24時間の培養後の、HEA4(S536E/K310Q)バリアント(
図4B)を発現するCD4+T細胞およびCD8+T細胞におけるeGFPレポーターの発現を示す。
【0338】
CD4+T細胞およびCD8+T細胞におけるHEA4(p65/S536E/K310Q)二重変異RelAバリアントの4-OHTに対する用量反応性
1.0×10
5個の形質導入CD4+T細胞および形質導入CD8+T細胞またはmockコントロールCD4+T細胞およびmockコントロールCD8+T細胞を播種し、0~500nMの4-OHTの存在下または非存在下において、Dynabeads(ビーズ:細胞=2:1)もしくはPMA(2μM)/イオノマイシン(20ng/mL)を添加して、または添加せずに24時間培養した。細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%NaN
3を含むHBSS中においてビオチン標識セツキシマブおよびストレプトアビジン-APCで細胞を染色した。パラホルムアルデヒド含有PBS中で細胞を固定した。EGFRtおよびeGFPレポーターの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。0~500nMの4-OHTの存在下で24時間培養した後のEGFRt+eGFP+CD4+T細胞(
図5B)およびEGFRt+eGFP+CD8+T細胞(
図5C)の割合(%)ならびにeGFP蛍光強度の中央値(
図5Dおよび
図5E)を示す。
【0339】
薬物により構成的発現を誘導可能な転写因子が組み込まれたデュアルパッケージングレンチウイルス構築物の概要
HEA4(p65/S536E/K310)と誘導型7xHBD/mE1B_サバイビン-T2A-Her2tG(
図6A)または誘導型7xHBD/mE1B_CCR(CD122)-T2A-Her2tG(
図6B)とを発現するJurkat細胞を構築した。
【0340】
タモキシフェンで誘導した場合にサバイビンまたはCCR(CD122)を発現するJurkat細胞株の作製
1.0μg/mL硫酸プロタミン(Seattle Children's Hospital Pharmacy)を添加したレンチウイルス上清(MOI≧3.0)を感染させてJurkat細胞を形質導入した。形質導入したJurkat細胞を、10%FBSおよび2mM L-グルタミンを添加したRPMI中で培養した。
【0341】
Jurkat細胞におけるHEA4(p65/S536E/K310Q)二重変異RelAバリアントと誘導型サバイビンまたはCCR(CD122)の「オン」状態への切り替え
5.0×10
5個/mLのJurkat細胞を播種し、500nM 4-OHTの存在下または非存在下で24時間培養した。細胞を回収し、2%FBSおよび0.1%NaN
3を含むHBSS中においてセツキシマブ-APCおよびストレプトアビジン-PEで細胞を染色した。パラホルムアルデヒド含有PBS中で細胞を固定した。EGFRtおよびHer2tGの発現をMACSQuant(ミルテニー)で測定した。FlowJoバージョン10を使用してデータを解析した。500nM 4-OHTの存在下において24時間培養した後の、HEA4(S536E/K310Q)二重変異RelAバリアントと誘導型サバイビン(
図6C)または誘導型CCR(CD122)(
図6D)を発現するJurkat細胞におけるHer2tGの発現を示す。
【0342】
特定の実施形態を参照しながら本発明について上述してきた。しかし、前述の実施形態以外のその他の実施形態も、本発明の範囲内において等しく可能である。上述したものと異なる工程を本発明の範囲内で提供してもよい。本発明の様々な特徴および工程を、上述したもの以外の組み合わせで組み合わせてもよい。本発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定される。
【0343】
本明細書で使用されている複数形および/または単数形の用語は、当業者であれば、本明細書の記載および/または用途に適するように、複数形の用語を単数のものとして、かつ/または単数形の用語を複数のものとして解釈することができる。本発明を明確なものとするために、様々な単数形/複数形の用語が意図的に使い分けられている。
【0344】
当業者であれば、本明細書に記載の用語、特に添付の請求項(たとえば添付の請求項の本体部)に記載の用語は、通常、「オープンエンドな」用語であることを理解できるであろう(たとえば、「含んでいる(including)」という用語は、「含んでいるが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(include)」という用語は「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである)。
【0345】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ形式で記載されている場合、当業者であれば、マーカッシュ形式で記載された各メンバーまたはそれらからなるサブグループについても記載されていると理解できるであろう。
【0346】
第1の態様から第11の態様において述べた実施形態の特徴はいずれも、本明細書で述べたあらゆる態様および実施形態に適用可能である。さらに、第1の態様から第11の態様において述べた実施形態の特徴はいずれも、その一部または全体がそれぞれ独立して、本明細書に記載のその他の実施形態とどのようにでも組み合わせることができ、たとえば、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の実施形態の全体またはその一部を組み合わせてもよい。さらに、第1の態様から第11の態様において述べた実施形態の特徴はいずれも、その他の態様または実施形態において任意の特徴として採用してもよい。例示的な様々な実施形態および実施例に関して様々な特徴、態様および機能を述べてきたが、個々の実施形態で述べた様々な特徴、態様および機能は、それらが記載された特定の実施形態における適用に限定されず、また、具体的な実施形態が記載されているかどうか、具体的な特徴が本発明の実施形態の一部として提示されているかどうかにかかわらず、個々の実施形態に記載した様々な特徴、態様および機能は、本願の別の実施形態の1つ以上に適用するために、単独で使用してもよく、様々に組み合わせて使用してもよい。したがって、本発明の範囲は、前述した例示的な実施形態によって限定されるものではない。
【0347】
本明細書において参照された文献は、本明細書の一部を構成するものとしてその全体が援用される。参照によって援用された文献、特許または特許出願が本明細書の開示内容と矛盾する場合、このような矛盾事項よりも本明細書の記載が採用および/または優先される。参照によって援用された文献、特許または特許出願が本明細書の開示内容と矛盾する場合、このような矛盾事項よりも本明細書の記載が採用および/または優先される。
【0348】
本発明は、以下の発明を含む。
[1]細胞においてキメラ抗原受容体の発現を誘導可能なシステムであって、
a)第1のポリヌクレオチド、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチドおよび第4のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;ならびに
b)薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードする核酸に作動可能に連結された第2のプロモーターを含む第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、キメラ抗原受容体をコードすること、
前記キメラ抗原受容体が、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、および標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子からなる群から選択されるリガンドに特異的なリガンド結合ドメインを含むこと、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導すること、
第2のポリヌクレオチドが、スペーサー、好ましくは最適化されたポリペプチドスペーサーをコードすること、
第3のポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインをコードすること、
第4のポリヌクレオチドが、細胞内シグナル伝達ドメインをコードすること、ならびに
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で誘導可能であること、
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とするシステム。
[2]前記転写活性化因子がHEA3またはHEA4である、[1]に記載のシステム。
[3]前記HEA3が、野生型HEA3転写因子のバリアントである、[2]に記載のシステム。
[4]前記HEA4が、野生型HEA4転写因子のバリアントである、[2]に記載のシステム。
[5]前記HEA3が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインが、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む、[2]または[3]に記載のシステム。
[6]前記HEA3が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインが、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む、[2]または[3]に記載のシステム。
[7]前記HEA4が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインが、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む、[2]または[4]に記載のシステム。
[8]前記HEA4が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインが、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む、[2]、[4]または[7]に記載のシステム。
[9]前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントが、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む、[2]~[8]のいずれか1つに記載のシステム。
[10]前記野生型HEA3転写因子のバリアントが、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む、[2]、[3]、[5]、[6]および[9]のいずれか1つに記載のシステム。
[11]前記野生型HEA3転写因子のバリアントが、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる、[2]、[3]、[5]、[6]、[9]および[10]のいずれか1つに記載のシステム。
[12]前記野生型HEA4転写因子のバリアントが、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む、[2]、[4]および[7]~[9]のいずれか1つに記載のシステム。
[13]前記野生型HEA4転写因子のバリアントが、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる、[2]、[4]、[7]~[9]および[12]のいずれか1つに記載のシステム。
[14]前記薬物が、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である、[1]~[13]のいずれか1つに記載のシステム。
[15]第1のプロモーターが、配列番号23に示される核酸配列を含む、[1]~[14]のいずれか1つに記載のシステム。
[16]たとえば、少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、前記キメラ抗原受容体の発現が、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる、[1]~[15]のいずれか1つに記載のシステム。
[17]0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって、前記キメラ抗原受容体の発現が誘導される、[1]~[16]のいずれか1つに記載のシステム。
[18]野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される、[17]に記載のシステム。
[19]前記副作用が、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である、[18]に記載のシステム。
[20]前記シグナル伝達ドメインが、CD28ドメイン、4-1BBドメインおよび/またはCD3ζドメインを含む、[1]~[19]のいずれか1つに記載のシステム。
[21]第2のプロモーターが誘導型プロモーターである、[1]~[20]のいずれか1つに記載のシステム。
[22]第2のプロモーターが構成的プロモーターである、[1]~[20]のいずれか1つに記載のシステム。
[23]第2のプロモーターがEF1αpである、[22]に記載のシステム。
[24]前記転写活性化因子が、配列番号1~11に示されるアミノ酸配列および配列番号121に示されるアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む、[1]~[23]のいずれか1つに記載のシステム。
[25]前記転写活性化因子が、配列番号12~22に示される核酸配列および配列番号122に示される核酸配列のうちの少なくとも1つによってコードされる、[1]~[24]のいずれか1つに記載のシステム。
[26]第1の核酸が第1のベクターをさらに含み、第2の核酸が第2のベクターをさらに含む、[1]~[25]のいずれか1つに記載のシステム。
[27]第1のベクターと第2のベクターが、単一のウイルスベクターにパッケージされている、[26]に記載のシステム。
[28]前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである、[27]に記載のシステム。
[29]第1の核酸が、選択マーカーをコードする第5のポリヌクレオチドをさらに含む、[1]~[28]のいずれか1つに記載のシステム。
[30]第2の核酸が、選択マーカーをコードする第6のポリヌクレオチドをさらに含む、[1]~[29]のいずれか1つに記載のシステム。
[31]前記選択マーカーが、EGFRtおよび/またはHER2tである、[29]または[30]に記載のシステム。
[32]前記選択マーカーが薬物耐性を付与する、[29]または[30]に記載のシステム。
[33]第1の核酸が、自己切断ペプチドをコードする第7のポリヌクレオチドをさらに含む、[1]~[32]のいずれか1つに記載のシステム。
[34]前記自己切断ペプチドが、P2Aペプチド、T2Aペプチド、E2AペプチドまたはF2Aペプチドを含む、[33]に記載のシステム。
[35]前記リガンドに応答したT細胞の増殖および/またはサイトカインの産生が対照のキメラ受容体と比べて増強されるように前記スペーサーが最適化されている、[1]~[34]のいずれか1つに記載のシステム。
[36]第1の核酸が、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーが、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、[1]~[35]のいずれか1つに記載のシステム。
[37]前記DNAスペーサーが、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する、[36]に記載のシステム。
[38]前記DNAスペーサーが、配列番号120に示される配列を含む、[36]または[37]に記載のシステム。
[39]前記DNAスペーサーが、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む、[36]または[37]に記載のシステム。
[40]前記DNAスペーサーが、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる、[36]~[39]のいずれか1つに記載のシステム。
[41]T細胞の機能を制御する遺伝子の発現を誘導可能なシステムであって、
a)第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1の核酸;および
b)第3の核酸に作動可能に連結された第2の核酸を含み、
第1の核酸が、薬物により誘導可能な第1のプロモーターを含むこと、
第1のポリヌクレオチドが、サイトカイン、ケモカイン受容体、キメラサイトカイン受容体、アポトーシスを制御するポリペプチド、細胞外環境を調節するポリペプチド、チェックポイントシグナル伝達を調節するポリペプチド、増殖を制御するマイクロRNA産物、生存を制御するマイクロRNA産物、または細胞溶解能を制御するマイクロRNA産物をコードすること、
第2の核酸が、第2のプロモーターを含むこと、
第3の核酸が、薬物によって誘導可能な第1のプロモーターの転写活性化因子をコードすること、および
前記システムが、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子を利用した類似のシステムよりも少ない薬物量で応答するように構成されていること、または
前記システムが、野生型HEA3を利用したシステムと比較して、所定の薬物濃度における転写発現が向上していることを特徴とするシステム。
[42]前記転写活性化因子がHEA3またはHEA4である、[41]に記載のシステム。
[43]前記HEA3が、野生型HEA3転写因子のバリアントである、[42]に記載のシステム。
[44]前記HEA4が、野生型HEA4転写因子のバリアントである、[42]に記載のシステム。
[45]前記HEA3が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインが、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む、[42]または[43]に記載のシステム。
[46]前記HEA3が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインが、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む、[42]または[43]に記載のシステム。
[47]前記HEA4が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該エストロゲン受容体リガンド結合ドメインが、薬物リガンドへの選択的結合を可能とする少なくとも1個の変異を含む、[42]または[44]に記載のシステム。
[48]前記HEA4が、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER-LBD)およびRelA(p65)トランス活性化ドメインを含み、該RelA(p65)トランス活性化ドメインが、薬物に応答した転写活性を向上させる少なくとも1個の変異を含む、[42]または[44]に記載のシステム。
[49]前記HEA3キメラ転写因子のバリアントまたは前記HEA4キメラ転写因子のバリアントが、薬物リガンドに応答した転写活性を向上させるp65リン酸化模倣アミノ酸置換および/またはp65アセチル化模倣アミノ酸置換を含む、[42]~[48]のいずれか1つに記載のシステム。
[50]前記野生型HEA3転写因子のバリアントが、配列番号1~3、配列番号8~11および/または配列番号121に示されるアミノ酸配列を含む、[42]、[43]、[45]、[46]または[49]のいずれか1つに記載のシステム。
[51]前記野生型HEA3転写因子のバリアントが、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号122に示される核酸配列によってコードされる、[42]、[43]、[45]、[46]、[49]または[50]に記載のシステム。
[52]前記野生型HEA4転写因子のバリアントが、配列番号4~7に示されるアミノ酸配列を含む、[42]および[47]~[49]のいずれか1つに記載のシステム。
[53]前記野生型HEA4転写因子のバリアントが、配列番号15、配列番号16、配列番号17または配列番号18に示される核酸配列によってコードされる、[42]、[47]~[49]および[52]のいずれか1つに記載のシステム。
[54]前記転写制御因子が、HEA3キメラ転写因子のバリアントであり、該バリアントが、薬物への選択的結合を可能とするアミノ酸置換を含む、[2]~[3]、[5]、[6]、[9]~[11]、[14]~[40]、[42]、[43]、[45]、[46]および[49]~[51]のいずれか1つに記載のシステム。
[55]前記薬物が、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、4-ヒドロキシタモキシフェン、フルベストラントもしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である、[41]~[54]のいずれか1つに記載のシステム。
[56]少なくとも4nM、6nM、8nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、200nM、300nM、400nMもしくは500nMの薬物濃度、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度の前記薬物の誘導によって、前記キメラ抗原受容体の発現量が、野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子よりも高くなる、[41]~[54]のいずれか1つに記載のシステム。
[57]0nMを超え10nM未満の無毒な薬物用量の前記薬物によって、前記キメラ抗原受容体の発現が誘導される、[41]~[56]のいずれか1つに記載のシステム。
[58]野生型HEA3キメラ転写因子または野生型HEA4キメラ転写因子の発現を誘導するための用量と比較して、前記無毒な薬物用量において薬物副作用が低減、排除または予防される、[57]に記載のシステム。
[59]前記副作用が、白内障、便秘、下痢、浮腫、疲労、体液貯留、紅潮、頭痛、ほてり、高血圧、筋肉痛、悪心、息切れ、嘔吐または体重減少である、[58]に記載のシステム。
[60]第2の核酸が、リガンド結合ドメインを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、最適化されていてもよいポリペプチドスペーサーをコードするポリヌクレオチド、膜貫通ドメインをコードするポリヌクレオチド、および細胞内シグナル伝達ドメインをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、
前記リガンド結合ドメインが、腫瘍特異的分子、ウイルス特異的分子、または標的細胞集団に発現されるその他の選択された分子であり、
前記リガンドが、リンパ球による認識、調節、抑制および/または排除を誘導する、
[1]~[59]のいずれか1つに記載のシステム。
[61]アポトーシスを制御する前記ポリペプチドがサバイビンである、[41]~[60]のいずれか1つに記載のシステム。
[62]前記サバイビンが、配列番号124に示される配列によってコードされる、[61]に記載のシステム。
[63]前記サバイビンが、配列番号123に示されるアミノ酸配列を含む、[61]または[62]に記載のシステム。
[64]第1のプロモーターが、第2のプロモーターとは逆向きである、[1]~[63]のいずれか1つに記載のシステム。
[65]前記リガンド結合ドメインが、結合性断片などの抗体断片である、[1]~[64]のいずれか1つに記載のシステム。
[66]前記リガンド結合ドメインが一本鎖可変断片である、[65]に記載のシステム。
[67]前記腫瘍特異的分子が、CD19、CD20、CD22、CD23、CD123、CS-1、ROR1、CE7、EGFR、hB7H3、メソテリン、c-Met、PSMA、Her2、GD-2、MAGE A3 TCR、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、[1]~[41]および[63]~[66]のいずれか1つに記載のシステム。
[68]前記ウイルス特異的分子が、HIVエンベロープタンパク質、HIVエンベロープタンパク質複合体、C型肝炎ウイルスNS3タンパク質、Hbc抗原タンパク質、HIV-1 GP120タンパク質、またはエプスタイン・バーウイルス早期抗原タンパク質である、[1]~[41]および[63]~[66]のいずれか1つに記載のシステム。
[69]前記リガンド結合ドメインが、CD19、CD20、CD22、EGFRvIII、EGFR、EphA2、IL13Ra2、L1CAM、oaGD2、Her2、B7H3、CD33、メソテリン、ROR-1、FITCおよび/またはVAR2CSAに特異的に結合する、[65]または[66]に記載のシステム。
[70]前記スペーサーが、IgG4、IgG4-CH2(L235D、N297Q)またはIgG4-CH3を含む、[1]~[69]のいずれか1つに記載のシステム。
[71]第1の核酸が、DNAスペーサーをさらに含み、該DNAスペーサーが、第1のプロモーターに作動可能に連結されており、かつ前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、[41]~[70]のいずれか1つに記載のシステム。
[72]前記DNAスペーサーが、第1のプロモーターと、前記キメラ抗原受容体をコードする第1のポリヌクレオチドとの間に位置する、[71]に記載のシステム。
[73]前記DNAスペーサーが、配列番号120に示される配列を含む、[71]または[72]に記載のシステム。
[74]前記DNAスペーサーが、配列番号120と95%、90%、85%もしくは80%の配列同一性またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の配列同一性(%)を有する配列を含む、[71]~[73]のいずれか1つに記載のシステム。
[75]前記DNAスペーサーが、前記キメラ抗原受容体の遺伝子発現を向上させる、[72]~[74]のいずれか1つに記載のシステム。
[76]第1の核酸が第1のベクターをさらに含み、第2の核酸が第2のベクターをさらに含む、[41]~[75]のいずれか1つに記載のシステム。
[77]第1のベクターと第2のベクターが、単一のウイルスベクターにパッケージされている、[76]に記載のシステム。
[78]前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルスまたはレンチウイルスである、[77]に記載のシステム。
[79][1]~[35]および[54]~[68]のいずれか1つに記載のシステムに含まれる第1の核酸、または[41]~[78]のいずれか1つに記載のシステムに含まれる第2の核酸によってコードされるキメラ受容体ポリペプチド。
[80][1]~[78]のいずれか1つに記載のシステムを含む、哺乳動物細胞などの宿主細胞。
[81]T細胞前駆細胞である、[80]に記載の宿主細胞。
[82]前記T細胞前駆細胞が造血幹細胞である、[81]に記載の宿主細胞。
[83]ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択される細胞傷害性CD8+Tリンパ球である、[80]に記載の宿主細胞。
[84]ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるヘルパーCD4+Tリンパ球である、[80]に記載の宿主細胞。
[85][80]~[84]のいずれか1つに記載の宿主細胞を薬学的に許容される賦形剤中に含む組成物。
[86][81]に記載の宿主細胞と[82]に記載の宿主細胞とを含む、[85]に記載の組成物。
[87][81]または[82]に記載の宿主細胞と[83]または[84]に記載の宿主細胞とを含む、[85]に記載の組成物。
[88][80]~[84]のいずれか1つに記載の宿主細胞をインビトロで作製する方法であって、
a)[1]~[78]のいずれか1つに記載のシステムを提供すること;および
b)単離されたTリンパ球集団に前記システムを導入し、各Tリンパ球集団をインビトロで増殖させること
を含む方法。
[89]前記Tリンパ球が増殖培養されたものであり、抗CD3および/または抗CD28と少なくとも1種の恒常性サイトカインとの存在下において、細胞移入としての使用に十分な数に達するまで前記Tリンパ球を培養することをさらに含む、[88]に記載の方法。
[90]前記単離されたTリンパ球集団がT細胞前駆細胞を含む、[88]または[89]に記載の方法。
[91]前記T細胞前駆細胞が造血幹細胞である、[90]に記載の方法。
[92]前記リンパ球が、CD8+またはCD4+である、[88]~[91]のいずれか1つに記載の方法。
[93]疾患の治療、抑制または緩和を必要とする対象において疾患を治療、抑制または緩和する方法であって、
[80]~[84]のいずれか1つに記載の宿主細胞、好ましくは哺乳動物宿主細胞、または[85]~[87]のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与することを含む方法。
[94]前記疾患が、がんまたはウイルス疾患である、[93]に記載の方法。
[95]前記対象が、抗がん療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である、[93]または[94]に記載の方法。
[96]前記対象が、抗ウイルス療法を受けるべき対象として特定または選択された対象である、[93]~[95]のいずれか1つに記載の方法。
[97]前記疾患の抑制を測定または評価することをさらに含む、[93]~[96]のいずれか1つに記載の方法。
[98][80]~[84]のいずれか1つに記載の細胞、または[85]~[87]のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品の投与前、投与中または投与後に、別の抗がん療法または抗ウイルス療法を前記対象に提供することをさらに含む、[93]~[97]のいずれか1つに記載の方法。
[99][80]~[84]のいずれか1つに記載の細胞、または[85]~[87]のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を養子細胞移入によって前記対象に投与する、[93]~[98]のいずれか1つに記載の方法。
[100]別の形態の抗がん療法または抗ウイルス療法で前記対象を処置した後に、[80]~[84]のいずれか1つに記載の宿主細胞、または[85]~[87]のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を該対象に投与する、[93]~[99]のいずれか1つに記載の方法。
[101]哺乳動物細胞などの宿主細胞において導入遺伝子の発現を誘導する薬物、またはがんもしくはウイルス感染症の治療用組成物を投与することをさらに含む、[93]~[100]のいずれか1つに記載の方法。
[102]前記薬物が、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、フルベストラントおよび/もしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である、[101]に記載の方法。
[103]前記タモキシフェンが、10mg/回、11mg/回、12mg/回、13mg/回、14mg/回、15mg/回、16mg/回、17mg/回、18mg/回、19mg/回もしくは20mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される、[102]に記載の方法。
[104]前記フルベストラントが、250mg/回、300mg/回、350mg/回、400mg/回、450mg/回もしくは500mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される、[102]に記載の方法。
[105]血清中の薬物濃度が30nM、40nMもしくは50nMまたはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度となる用量範囲で前記CMP8が投与される、[102]に記載の方法。
[106]前記がんが、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である、[94]~[105]のいずれか1つに記載の方法。
[107]前記固形腫瘍が、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される、[106]に記載の方法。
[108]がんまたはウイルス感染症の治療のための、[80]~[84]のいずれか1つに記載の宿主細胞または[85]~[88]のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品と該宿主細胞中または該組成物中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物との組み合わせの使用。
[109]前記薬物が、タモキシフェンおよび/もしくはその代謝産物、フルベストラントおよび/もしくはその他のエストロゲン類似体、またはCMP8である、[108]に記載の使用。
[110]前記タモキシフェンが、10mg/回、11mg/回、12mg/回、13mg/回、14mg/回、15mg/回、16mg/回、17mg/回、18mg/回、19mg/回もしくは20mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される、[109]に記載の使用。
[111]前記フルベストラントが、250mg/回、300mg/回、350mg/回、400mg/回、450mg/回もしくは500mg/回の用量範囲、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の用量で投与される、[109]に記載の使用。
[112]血清中の薬物濃度が30nM、40nMもしくは50nMまたはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の濃度となる用量範囲で前記CMP8が投与される、[109]に記載の使用。
[113]前記がんが、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である、[108]~[112]のいずれか1つに記載の使用。
[114]前記固形腫瘍が、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される、[113]に記載の使用。
[115]がんまたはウイルス感染症を有する対象において細胞免疫療法を行う方法であって、
[80]~[84]のいずれか1つに記載の宿主細胞または[85]~[87]のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品を前記対象に投与すること、および
前記組成物中または前記宿主細胞中の導入遺伝子の発現を誘導する薬物を投与すること
を含む方法。
[116]前記がんが、固形腫瘍および血液悪性腫瘍から選択される、[115]に記載の方法。
[117]前記固形腫瘍が、乳がん、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がんおよび卵巣がんからなる群から選択される、[116]に記載の方法。
[118][80]~[84]のいずれか1つに記載の宿主細胞または[85]~[87]のいずれか1つに記載の少なくとも1種の組成物もしくは組み合わせ製品の、医薬品としての使用。
【配列表】