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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電気かみそり
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20231128BHJP
   B26B 19/28 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
B26B19/38 L
B26B19/28 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022096712
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2018229219の分割
【原出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2022123046
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丹波地 明
(72)【発明者】
【氏名】中村 活二郎
(72)【発明者】
【氏名】小原 浩志
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敬介
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-091637(JP,U)
【文献】中国実用新案第202154760(CN,U)
【文献】中国実用新案第203029417(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00 - 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース(1)と、可動刃(4)を含む切断刃(3)と、電源投入用の電源スイッチ(10)と、可動刃(4)の駆動速度の操作用の変速スイッチ(13)とを備えており、切断刃(3)が上部に配置されている電気かみそりであって、
変速スイッチ(13)が、可動刃(4)を加速させるための加速スイッチ(13A)と、可動刃(4)を減速させるための減速スイッチ(13B)とで構成されており、
加速スイッチ(13A)の加速操作部(14A)の面積と減速スイッチ(13B)の減速操作部(14B)の面積が電源スイッチ(10)の電源操作部(11)の面積よりも大きく設定されており、
加速スイッチ(13A)の加速操作部(14A)および減速スイッチ(13B)の減速操作部(14B)の本体ケース(1)表面からの突出量が、電源スイッチ(10)の電源操作部(11)の本体ケース(1)表面からの突出量よりも大きく設定されていることを特徴とする電気かみそり。
【請求項2】
加速スイッチ(13A)の加速操作部(14A)が電源スイッチ(10)の電源操作部(11)よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。
【請求項3】
減速スイッチ(13B)の減速操作部(14B)が電源スイッチ(10)の電源操作部(11)よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電気かみそり。
【請求項4】
電源スイッチ(10)の電源操作部(11)の形状が円形であり、
加速スイッチ(13A)の加速操作部(14A)および減速スイッチ(13B)の減速操作部(14B)の形状が円形とは異なる形状を成していることを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの操作で切断刃の駆動速度を変更可能な電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気かみそりは例えば特許文献1に開示されている。同文献に記載の電気かみそりは、グリップを兼ねる縦長の本体ケースと、本体ケースの上部で支持されるかみそりヘッドとを備える。かみそりヘッドの上部には、固定刃(外刃)と可動刃(内刃)からなる切断刃が設けられており、可動刃は本体ケースに収容されたモーターで駆動される。モーターの駆動用の電源スイッチは、本体ケースの前面の略中央に配置されており、その直ぐ下方には、モーターの回転数設定手段としてのダイヤル型のボリュームが、回転数の表示部と並んで配置されている。電気かみそりの制御部は、ユーザーにより電源スイッチがオン操作されると、ボリュームで設定されている回転数でモーターを駆動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭63-203180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、切断刃の駆動速度の操作用の変速スイッチを備える電気かみそりにおいて、変速スイッチの操作時における電源スイッチの誤操作を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、本体ケース1と、可動刃4を含む切断刃3と、電源投入用の電源スイッチ10と、可動刃4の駆動速度の操作用の変速スイッチ13とを備えており、切断刃3が上部に配置されている電気かみそりである。変速スイッチ13が、可動刃4を加速させるための加速スイッチ13Aと、可動刃4を減速させるための減速スイッチ13Bとで構成されている。加速スイッチ13Aの加速操作部14Aの面積と減速スイッチ13Bの減速操作部14Bの面積が電源スイッチ10の電源操作部11の面積よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0006】
加速スイッチ13Aの加速操作部14Aが電源スイッチ10の電源操作部11よりも上方に配置されている。
【0007】
減速スイッチ13Bの減速操作部14Bが電源スイッチ10の電源操作部11よりも下方に配置されている。
【0008】
電源スイッチ10の電源操作部11の形状が円形であり、加速スイッチ13Aの加速操作部14Aおよび減速スイッチ13Bの減速操作部14Bの形状が円形とは異なる形状を成している。
【0009】
加速スイッチ13Aの加速操作部14Aおよび減速スイッチ13Bの減速操作部14Bの本体ケース1表面からの突出量が、電源スイッチ10の電源操作部11の本体ケース1表面からの突出量よりも大きく設定されている。
【発明の効果】
【0010】
変速スイッチ13が、可動刃4を加速させるための加速スイッチ13Aと、可動刃4を減速させるための減速スイッチ13Bとで構成されていることにより、可動刃4を加速または減速することができる。
【0011】
加速スイッチ13Aの加速操作部14Aの面積と減速スイッチ13Bの減速操作部14Bの面積が電源スイッチ10の電源操作部11の面積よりも大きく設定されている。一般に、ユーザーが電源スイッチ10を操作するのは、電気かみそりの使用の開始時と終了時の2回だけであるのに対し、加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bは電源スイッチ10以上の頻度で操作される傾向が強いことから、加速操作部14Aと減速操作部14Bの面積を大きく設定することにより、両操作部14A・14Bを操作し易くしてユーザーの利便性を向上させることができる。また、電源操作部11の面積を小さく設定すると、ユーザーが加速操作部14Aまたは減速操作部14Bを操作する際に、誤って電源操作部11に触れて電源が切れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1に係る電気かみそりの正面図である。
図2】電気かみそりの制御系のブロック図である。
図3】変速スイッチで検知される押圧力とモーターの目標回転数との関係を示すグラフである。
図4】第1の減速条件を示すフローチャートである。
図5】第2の減速条件を示すフローチャートである。
図6】第3の減速条件を示すフローチャートである。
図7】第4の減速条件を示すフローチャートである。
図8】押圧力と目標回転数の遷移の一例を示すタイミングチャートである。
図9】待機状態における制御手順を示すフローチャートである。
図10】待機状態とロック状態について説明するためのタイミングチャートである。
図11】実施例2に係る電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図12】実施例3に係る電気かみそりの要部の正面図である。
図13】同電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図14】実施例3の変形例に係る電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図15】実施例4に係る電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図16】実施例4の変形例に係る電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図17】実施例5に係る電気かみそりの正面図である。
図18】実施例6に係る電気かみそりの正面図である。
図19】実施例7に係る電気かみそりの変速スイッチの断面図である。
図20】実施例8に係る電気かみそりの変速スイッチの断面図である。
図21】実施例9に係る電気かみそりにおける押圧力と目標回転数の関係を示すグラフである。
図22】同電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図23】実施例10に係る電気かみそりについて説明するためのタイミンチャートである。
図24】実施例11に係る電気かみそりの要部の正面図である。
図25】同電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図26】実施例12に係る電気かみそりの要部の正面図である。
図27】実施例13に係る電気かみそりの正面図である。
図28】実施例14に係る電気かみそりの要部の正面図である。
図29】実施例15(本発明)に係る電気かみそりの要部の正面図である。
図30図29におけるA-A線断面図である。
図31】実施例16(本発明)に係る電気かみそりの要部の正面図である。
図32図31におけるB-B線断面図である。
図33】同電気かみそりの表示部の態様に係る説明図である。
図34】同電気かみそりについて説明するためのタイミングチャートである。
図35】同電気かみそりについて説明するための別のタイミングチャートである。
図36】実施例16の第1の変形例の表示部の態様に係る説明図である。
図37】実施例16の第2の変形例に係る電気かみそりの要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1) 図1から図10は、ロータリー式の電気かみそりに関する実施例を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図1に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。同図において電気かみそりは、グリップを兼ねる縦長の本体ケース1と、本体ケース1の上部で支持されるかみそりヘッド2とを備える。かみそりヘッド2は、本体ケース1に対して上下動可能であり、さらに前後方向と左右方向に傾動可能である。かみそりヘッド2の上部には切断刃3が配置されており、該切断刃3は、水平軸まわりに回転する内刃(可動刃)4と、内刃4に外接する網目状の外刃5とで構成される。内刃4は、本体ケース1の上部に収容された減速機付きのモーター6で駆動される。本体ケース1の下部には、モーター6の駆動源である二次電池7が、縦長の制御基板8とともに収容されている。
【0014】
本体ケース1の下半部(上下中心よりも下方)には電源投入用の電源スイッチ10が配置されている。電源スイッチ10は、本体ケース1の前壁に設けられた電源操作部11と、制御基板8の前面に実装されて電源操作部11の内面側に位置するスイッチ素子12とで構成される。ユーザーは、電源操作部11を介してスイッチ素子12を押圧操作して、モーター6を駆動状態と停止状態の間で切り換えることができる。一方、本体ケース1の上半部(上下中心よりも上方)には、モーター6の回転数(内刃4の駆動速度)の操作用の変速スイッチ13が配置されている。変速スイッチ13は、本体ケース1の前壁に設けられた変速操作部14と、変速操作部14の内面側に配置されたピエゾ式の圧力センサ15とで構成される。圧力センサ15は、変速操作部14の表面に付与される押圧力Pの大きさを無段階に検知することができ、不図示のリード線で制御基板8に接続されている。
【0015】
後述する電気かみそりの制御部20は、変速スイッチ13(圧力センサ15)が検知する押圧力Pの大きさに応じて、モーター6の回転数を無段階に制御するとともに、該回転数を電源スイッチ10の下方の表示部16に表示する。表示部16は、制御基板8の前面に実装された上下に並ぶ5個のLED(光源)17と、本体ケース1の前壁に設けられて各LED17に正対する縦長の透光窓18とで構成されており、ユーザーは透光窓18を介して各LED17の発光を視認することができる。表示部16は、点灯するLED17の選択や個数によって、モーター6の回転数や二次電池7の残量などを表示する。
【0016】
本実施例に係る電気かみそりでは、その左右中心を通る一つの仮想鉛直面V上に、切断刃3と変速スイッチ13と電源スイッチ10と表示部16が上から記載順に配置されており、上下方向における切断刃3と変速スイッチ13の距離D1よりも、変速スイッチ13と電源スイッチ10の距離D2が長く設定されている。本体ケース1における変速スイッチ13と電源スイッチ10の間には、内凹み状の括れ部からなるグリップ部1aが形成されており、ユーザーが通常の方法でグリップ部1aを握ると、その手の親指の指先の近傍に変速スイッチ13が位置する。そのためユーザーは、変速スイッチ13を親指でスムーズに操作することができる。また、電源スイッチ10と変速スイッチ13がグリップ部1aの上下に分かれて位置していると、ユーザーが一方のスイッチ10・13を操作するときに、当該スイッチ10・13を操作する指で誤って他方のスイッチ10・13を操作してしまう不都合を確実に防止できる。
【0017】
図2に示すように制御部20は、モーター6を駆動制御するモーター駆動制御手段21と、モーター6を流れる負荷電流Lを検出するモーター負荷検出手段22と、モーター6の実際の回転数(実回転数F)を検出するモーター速度検出手段23と、表示部16の各LED17を制御する表示制御手段24などで構成される。モーター駆動制御手段21は、モーター6の目標回転数Rを設定する速度設定部26と、目標回転数Rに応じてモーター6に印加する電圧を制御する電圧制御部27とを備える。
【0018】
モーター速度検出手段23は、電圧制御部27によりモーター6に印加される電圧と、モーター負荷検出手段22で検出される負荷電流Lとを入力因子として、モーター6の実回転数Fを推定する。なお、モーター速度検出手段23をエンコーダなどで構成して、モーター6の実回転数Fを直接的に検出することも可能である。表示制御手段24は、速度設定部26で設定されるモーター6の目標回転数Rを表示部16に表示させる。なお、目標回転数Rに代えて、モーター速度検出手段23で検出される実回転数Fを表示部16に表示させてもよい。
【0019】
電気かみそりのオフ状態においてユーザーが電源スイッチ10を押圧操作、すなわちオン操作すると、速度設定部26はモーター6の目標回転数Rを所定の基準回転数R0に設定し、電圧制御部27は基準回転数R0に応じた電圧をモーター6に印加する。これによりモーター6が駆動を開始する。モーター6の駆動状態において、ユーザーが変速スイッチ13を押圧操作すると、速度設定部26は変速スイッチ13で検知される押圧力Pの大きさに応じて目標回転数Rを変更し、電圧制御部27は変更後の目標回転数Rに応じた電圧をモーター6に印加する。
【0020】
変速スイッチ13で検知される押圧力Pと、速度設定部26が設定するモーター6の目標回転数Rとの関係を図3に示す。押圧力Pに関しては所定の上限押圧力P1が予め設定されており、目標回転数Rに関しても上記の基準回転数R0に加えて所定の最大回転数R1(R0<R1)が予め設定されている。押圧力Pがゼロのときの目標回転数Rは基準回転数R0に設定され、押圧力Pが増加するにつれて目標回転数Rも上昇し、押圧力Pが上限押圧力P1以上になると目標回転数Rは一律に最大回転数R1に設定される。
【0021】
基準回転数R0と最大回転数R1に関しては、後述する第1から第4の減速条件が設定されており、同条件のうち少なくとも1つを満たした場合に、基準回転数R0より低い減速基準回転数R0’(R0>R0’)と、最大回転数R1より低い減速最大回転数R1’(R1>R1’)が代用される。本実施例では両回転数R0・R1の下げ幅rを同一に設定したが(R0-r=R0’,R1-r=R1’)、両回転数R0・R1の下げ幅rは異なる値であってもよく、また、最大回転数R1は維持したまま基準回転数R0のみを引き下げるようにしてもよい。
【0022】
第1の減速条件は、モーター6に掛かる負荷に関する。具体的には、図4のフローチャートに示すように、モーター負荷検出手段22で検出される負荷電流Lが所定の標準電流L1に達すると(ステップS11でYES)、速度設定部26はユーザーがひげ剃りを開始したとみなして、負荷電流Lの監視を開始する。標準電流L1は、モーター6が無負荷状態(ひげ剃りが行われておらず内刃4が空回りする状態)で駆動するときの負荷電流Lの値すなわち下限電流L0(低負荷値に相当)よりも大きく設定される(L1>L0)。その後、負荷電流Lが下限電流L0まで低下すると(ステップS12でYES)、速度設定部26はひげ剃りが概ね終了したとみなして、基準回転数R0と最大回転数R1をそれぞれ低下させる(ステップS13)。
【0023】
第2の減速条件は、モーター6が起動してからの経過時間Taに関する。具体的には、図5のフローチャートに示すように、モーター6の起動と同時に速度設定部26のタイマー(図示せず)が経過時間Taの計時を開始し(ステップS21)、経過時間Taが所定の標準所要時間T1(例えば3分)に達すると(ステップS22でYES)、速度設定部26はひげ剃りが概ね終了したとみなして、基準回転数R0と最大回転数R1をそれぞれ低下させる(ステップS23)。
【0024】
第3の減速条件は、モーター6の目標回転数Rが基準回転数R0を上回る時間、すなわち高速回転時間に関する。具体的には、図6のフローチャートに示すように、変速スイッチ13が押圧力Pを検知して目標回転数Rが基準回転数R0を上回ると(ステップS31でYES)、速度設定部26のタイマー(図示せず)が経過時間Tbと累計高速時間Tc(高速回転時間の累計)の計時を開始する(ステップS32)。経過時間Tbに対する累計高速時間Tcの割合が所定の標準高速率sまで低下すると(ステップS33でYES)、速度設定部26は、ユーザーが変速操作部14を押圧する頻度が下がった、つまりひげ剃りが概ね終了したとみなして、基準回転数R0と最大回転数R1をそれぞれ低下させる(ステップS34)。
【0025】
第4の減速条件は、モーター6の加速に要する応答時間Tdに関する。変速スイッチ13で検知される押圧力Pが増加することに伴い、速度設定部26が目標回転数Rを上昇させ、電圧制御部27がモーター6に印加する電圧(デューティー比)を上昇させてから、モーター6の実回転数Fが目標回転数Rに達するまでには、短時間ではあるがタイムラグが存在しており、このタイムラグのことを応答時間Tdという。モーター6に掛かる負荷すなわちユーザーのひげが少なくなるほど応答時間Tdは短くなるから、この応答時間Tdに基づきひげの残量を推定することができる。
【0026】
具体的には、図7のフローチャートに示すように、現在の目標回転数Rと直前の目標回転数Rbの差が規定値dより大きくなると(ステップS41でYES)、速度設定部26のタイマー(図示せず)が応答時間Tdの計時を開始する(ステップS42)。その後、モーター速度検出手段23で検出される実回転数Fが目標回転数Rの近傍まで上昇すると(ステップS43でYES)、応答時間Tdの計時を終了し、これを標準応答時間T2と比較する(ステップS44)。ここで、応答時間Tdが標準応答時間T2より短い場合は(ステップS44でYES)、ひげ剃りが概ね終了したとみなして、基準回転数R0と最大回転数R1をそれぞれ低下させる(ステップS45)。逆に、応答時間Tdが標準応答時間T2以上であれば(ステップS44でNO)、まだユーザーのひげが残っているとみなして、基準回転数R0と最大回転数R1を低下させずにステップS41へ戻る。なお標準応答時間T2は、目標回転数Rの上昇分(R-Rb)により変動する変数であり、該上昇分が大きいほど標準応答時間T2は長く設定される。
【0027】
図8のタイミングチャートは、モーター6の目標回転数Rの変化の一例を示したものである。最初の時点t1では、電源スイッチ10がオン操作されて、速度設定部26が目標回転数Rを基準回転数R0に設定している。次の時点t2では、変速スイッチ13で検知される押圧力Pの増加が始まっており、これ以降は押圧力Pが増加するにつれて目標回転数Rも上昇している。次の時点t3では、ユーザーが変速操作部14から指を離したことにより、変速スイッチ13で検知される押圧力Pがゼロとなり、目標回転数Rが基準回転数R0に低下している。
【0028】
次の時点t4では、いずれかの減速条件を満たしたことに伴って、基準回転数R0と最大回転数R1に代えて減速基準回転数R0’と減速最大回転数R1’の使用が開始されており、速度設定部26は目標回転数Rを減速基準回転数R0’に低下させている。次の時点t5~t6では、減速基準回転数R0’と減速最大回転数R1’の間で、押圧力Pの大きさに応じた目標回転数Rが設定されている。最後の時点t7では、電源スイッチ10がオフ操作されて、目標回転数Rがゼロに設定されている。目標回転数Rがゼロになると、電圧制御部27による電圧の印加が中断されて、モーター6が停止する。
【0029】
本実施例に係る電気かみそりは、電源スイッチ10がオフ操作されると、所定の待機時間T3にわたる待機状態に移行する。具体的には、図9のフローチャートに示すように、電源スイッチ10がオフ操作されると(ステップS51でYES)、モーター6を停止させて(ステップS52)待機状態に移行し、モーター駆動制御手段21のタイマー(図示せず)が経過時間Teの計時を開始する(ステップS53)。経過時間Teが待機時間T3に達するまでは、電源スイッチ10がオン操作された場合(ステップS55でYES)だけでなく、変速スイッチ13が押圧力Pを検知した場合(ステップS54でYES)にも、モーター駆動制御手段21はモーター6を起動させる(ステップS56)。待機時間T3の経過後(ステップS57でYES)は、電源スイッチ10がオン操作された場合(ステップS58でYES)に限りモーター6を起動させる(ステップS56)。
【0030】
また電気かみそりは、モーター6の停止状態において所定のロック操作が行われると、電源スイッチ10のオン操作が無効となるロック状態に移行するとともに、ロック状態において所定のアンロック操作が行われると、ロック状態が解除されるように構成されている。ロック操作は変速スイッチ13の長押し操作とダブルクリック操作のうち少なくとも1つであり、アンロック操作は、変速スイッチ13の長押し操作とダブルクリック操作、および、電源スイッチ10の長押し操作のうち少なくとも1つである。電源スイッチ10と変速スイッチ13のどちらか一方のアンロック操作でロック状態が解除されるように設定してもよく、また、両スイッチ10・13がアンロック操作されて初めてロック状態が解除されるように設定してもよい。
【0031】
図10のタイミングチャートにおける最初の時点t11では、電源スイッチ10がオフ操作されて、モーター6が停止するとともに待機状態に移行している。次の時点t12では、時点t11から待機時間T3が経過する前に変速スイッチ13が押圧操作されて、モーター6が再起動している(t12-t11<T3)。次の時点t13では、時点t11と同様に電源スイッチ10がオフ操作されて、モーター6が停止して待機状態に移行しており、次の時点t14では、電源スイッチ10と変速スイッチ13が操作されることなく待機時間T3が経過している(t14-t13=T3)。次の時点t15では、時点t12と同様に変速スイッチ13が押圧操作されているが、待機時間T3の経過後であるためモーター6は起動していない。
【0032】
次の時点t16ではロック操作(変速スイッチ13の長押し操作)が開始されており、次の時点t17では、長押し時間が規定時間に達してロック状態に移行している。次の時点t18では、電源スイッチ10が短く押されているが、ロック状態であるためモーター6は起動していない。次の時点t19ではアンロック操作(電源スイッチ10の長押し操作)が開始されており、次の時点t20では、長押し時間が規定時間に達してロック状態が解除されている。次の時点t21では、電源スイッチ10がオン操作されてモーター6が起動している。このように、電源スイッチ10の長押し操作でロック状態を解除できるようにしていると、ユーザーは電源スイッチ10から指を移動させること無く、ロック解除から電源投入までの一連の操作をスムーズに行える。なお、時点t20のアンロック操作の完了と同時にモーター6が起動するように設定することもできる。
【0033】
(実施例2) 図11に示す実施例は、ユーザーが電源スイッチ10をオン操作しただけではモーター6は起動せず、その後に変速スイッチ13を押圧操作して初めてモーター6が起動するようにした点で、先の実施例1と異なる。同図のタイミングチャートに示すように、電源スイッチ10がオン操作されると(時点t31)、モーター6は起動せずに電源がオフ状態からオン状態に切り換わる。電源がオン状態に切り換わったことは、例えば表示部16を点灯させてユーザーに報知することができる。本実施例において電源のオン状態とは、変速スイッチ13の押圧操作によりモーター6の起動が可能なスタンバイ状態のことであり、電源のオフ状態とは、変速スイッチ13を押圧操作してもモーター6の起動が不可能な休止状態のことである。
【0034】
次の時点t32では、変速スイッチ13の押圧操作が開始されて、モーター6が基準回転数R0を目標回転数Rとして起動している。この時点t32から、押圧力Pがゼロになる時点t33にかけては、押圧力Pの大きさに応じた目標回転数Rが、基準回転数R0と最大回転数R1の間で設定されている。次の時点t34では、電源スイッチ10がオフ操作されて、電源がオフ状態に切り換わっている。電源がオフ状態に切り換わったことは、例えば表示部16を消灯させてユーザーに報知することができる。最後の時点t35では変速スイッチ13が押圧操作されているが、電源はオフ状態であるためモーター6は起動していない。他は実施例1と同じであるので、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
【0035】
なお、本実施例に係る電源スイッチ10は、人体の接触を検知する静電容量式のタッチセンサで構成することができる。タッチセンサからなる電源スイッチ10が本体ケース1の表面、特にグリップ部1aに設けられていると、ユーザーが本体ケース1を握るだけで電源がオン状態に切り換わるので、ユーザーは電源スイッチ10を意識的に操作する必要が無い。ユーザーが本体ケース1を握った状態(電源スイッチ10に触れた状態)で変速スイッチ13を押圧操作すると、モーター6が起動する。
【0036】
(実施例3) 図12および図13に示す実施例は、モーター6の目標回転数Rを基準回転数R0に戻すための初期化スイッチ30を備える点で、先の実施例1と異なる。初期化スイッチ30は、本体ケース1の前壁に設けられた初期化操作部31と、初期化操作部31の内面側に位置するスイッチ素子32とで構成されて、変速スイッチ13の直ぐ下方に配置されている。スイッチ素子32は不図示のリード線で制御基板8に接続されており、ユーザーは初期化操作部31を介してスイッチ素子32を押圧操作することができる。
【0037】
先の実施例1では、変速スイッチ13で検知される押圧力Pが減少すると、モーター6も減速するように制御されていたが、本実施例では押圧力Pが減少しても、モーター6は押圧力Pの減少前の回転数に維持される。つまり、ユーザーが変速スイッチ13から指を離した後も、モーター6は指が離れ始める直前の回転数に維持される。ユーザーは、初期化スイッチ30を押圧操作することにより、モーター6の回転数を元の基準回転数R0に戻すことができる。
【0038】
図13のタイミングチャートの最初の時点t41では、電源スイッチ10がオン操作されて、目標回転数Rが基準回転数R0に設定されている。次の時点t42では、変速スイッチ13で検知される押圧力Pの増加が始まっており、これ以降は押圧力Pが増加するにつれて目標回転数Rも上昇している。ここまでは先の実施例1と同じであるが、押圧力Pがピークに達した時点t43から次の時点t44にかけては、押圧力Pが減少してゼロになっても、目標回転数Rは低下することなく時点t43の値に維持されている。時点t44以降は押圧力Pが再び増加しており、押圧力Pが時点t43と同じ水準に達した時点t45以降は、押圧力Pが増加するにつれて目標回転数Rも上昇している。押圧力Pがピークに達した時点t46以降は、押圧力Pが減少しても目標回転数Rは低下することなく時点t46の値に維持されている。次の時点t47では初期化スイッチ30が押圧操作されて、目標回転数Rが基準回転数R0に復帰している。
【0039】
本実施例の変形例を図14のタイミングチャートに示す。この変形例では、変速スイッチ13が初期化スイッチ30を兼ねるようにした。つまり、変速スイッチ13の押圧操作が開始された時点で、モーター6の目標回転数Rが基準回転数R0でない場合は、目標回転数Rを基準回転数R0に戻すようにした(時点t44)。時点t44~t46にかけては、変速スイッチ13で検知される押圧力Pが増加するにつれて、目標回転数Rが再び上昇している。次の時点t47では、変速スイッチ13が素早くクリックされたことに伴い、目標回転数Rが基準回転数R0に復帰している。
【0040】
(実施例4) 図15に示す実施例は、変速スイッチ13の長押し時間に基づいてモーター6の回転数を制御する点で、先の実施例3と異なる。同図のタイミングチャートの最初の時点t51では、電源スイッチ10がオン操作されて、目標回転数Rが基準回転数R0に設定されている。次の時点t52~t53にかけては、ユーザーにより変速スイッチ13が押圧操作されて、同スイッチ13が押圧力Pを検知しており、この間に目標回転数Rは徐々に上昇している。目標回転数Rの上昇ペースは押圧力Pの大きさに関係無く一定である。時点t53を過ぎて押圧力Pがゼロになっても、目標回転数Rは低下することなく時点t53の値に維持されている。次の時点t54~t55にかけては、変速イッチ13が押圧力Pを再び検知しており、この間に目標回転数Rは先と同じペースでさらに上昇している。押圧力Pがゼロになった時点t55以降も目標回転数Rは維持されるが、次の時点t56では初期化スイッチ30が押圧操作されて、目標回転数Rが基準回転数R0に復帰している。
【0041】
本実施例の変形例を図16のタイミングチャートに示す。この変形例では、変速スイッチ13が初期化スイッチ30を兼ねるようにした。つまり、変速スイッチ13の押圧操作が開始された時点で、モーター6の目標回転数Rが基準回転数R0でない場合は、目標回転数Rを基準回転数R0に戻すようにした(時点t54)。時点t54~t55にかけては、目標回転数Rは一定のペースで再び上昇している。次の時点t56では、変速スイッチ13が素早くクリックされたことに伴い、目標回転数Rが基準回転数R0に復帰している。
【0042】
(実施例5) 図17に示す実施例は、内凹み状の括れ部からなるグリップ部1aに変速スイッチ13を配置する点で、先の実施例1と異なる。変速スイッチ13は、グリップ部1aの左右それぞれに配置されており、各変速操作部14の内側に圧力センサ15が配置されている。本実施例によれば、ユーザーはグリップ部1a(変速スイッチ13)を握る力の強さを調節することにより、指先の移動の手間を伴うことなくモーター6を変速させることが可能となり、電気かみそりの使い勝手が向上する。
【0043】
(実施例6) 図18に示す実施例は、グリップ部1aとその下側に連続する外凸状の膨出部1bとに跨って変速スイッチ13を配置する点で、先の実施例5と異なる。本実施例によれば、先の実施例5と同様の作用効果を得ることができ、加えて、仮にユーザーが膨出部1bを握ってひげ剃りを行う場合でも、指先の移動の手間を伴うことなくモーター6を変速させることが可能となり、より多様なニーズに応えることができる。
【0044】
(実施例7) 図19に示す実施例は、変速スイッチ13の圧力センサ15を可変抵抗式の変位センサで構成する点で、先の実施例1と異なる。ここでの圧力センサ15は、本体ケース1の内面に固定された検知部33と、変速操作部14の内端部に固定された被検知部34とで構成される。変速操作部14は、本体ケース1の外方(前方)へ向かってばね35で突出付勢されており、ユーザーが変速操作部14を本体ケース1の内方へ押し込むと、検知部33に対する被検知部34の相対位置が変化する。検知部33は、被検知部34の相対位置に対応した抵抗値での出力電圧に基づいて、該相対位置を無段階で検知することができ、これに基づき変速操作部14の表面に付与される押圧力Pを無段階で検知することができる。そして制御部20は、検知部33すなわち圧力センサ15で検知される押圧力Pの大きさに応じて、モーター6の回転数を無段階に制御することができる。なお、圧力センサ15として利用可能な変位センサは可変抵抗式に限られず、光学式や静電容量式といった種々のものを用いてもよい。後述する実施例12においても同様である。
【0045】
(実施例8) 図20に示す実施例は、変速スイッチ13の圧力センサ15を近接スイッチで構成する点で、先の実施例7と異なる。ここでの圧力センサ15は、本体ケース1の内面に固定された複数個(本実施例では3個)の検知部37と、変速操作部14の内端部に固定された1個の被検知部38とで構成される。被検知部38は例えば永久磁石であり、検知部37は磁力に反応するリードスイッチである。変速操作部14の表面に押圧力Pが付与されない常態においては、変速操作部14はばね35から外向きの付勢力を受けて、本体ケース1から最も突出する突出端に位置しており、このときの被検知部38よりも内方に、3個の検知部37が変速操作部14の変位方向に沿って配置されている。
【0046】
ユーザーが変速操作部14を本体ケース1の内方へ押し込むと、被検知部38が変速操作部14と一体に内方へ移動して、いずれかの検知部37により検知される。変速操作部14の表面に付与される押圧力Pが「弱」相当のときは、本体ケース1の表面に近い手前側の検知部37が被検知部38を検知し、押圧力Pが「中」相当のときは、中央の検知部37が被検知部38を検知し、押圧力Pが「強」相当のときは、奥側の検知部37が被検知部38を検知する。つまり、ここでの圧力センサ15は、変速操作部14の表面に付与される押圧力Pの大きさを3段階で検知することができ、制御部20もモーター6の回転数を3段階に制御することができる。
【0047】
(実施例9) 図21および図22に示す実施例は、変速スイッチ13で検知される押圧力Pに関して所定の下限押圧力P0を設定する点で、先の実施例1と異なる(下限押圧力P0<上限押圧力P1)。実施例1では、変速スイッチ13が僅かでも押圧力Pを検知すると、モーター6の目標回転数Rを基準回転数R0から上昇させていたが、本実施例では図21に示すように、押圧力Pが下限押圧力P0以下であれば、目標回転数Rを加速させることなく基準回転数R0に維持する。そして、押圧力Pが下限押圧力P0を超えると、押圧力Pが増加するにつれて目標回転数Rを上昇させる。押圧力Pが上限押圧力P1以上になると目標回転数Rを一律に最大回転数R1とする点は、実施例1と同様である。本実施例に係る下限押圧力P0はいわゆる遊びとして機能し、ユーザーが変速操作部14に無意識に軽く触れた場合などに、ユーザーの意図しない変速制御が行われることを防止する。
【0048】
図22のタイミングチャートの最初の時点t61では、電源スイッチ10がオン操作されて、モーター6の目標回転数Rが基準回転数R0に設定されている。変速スイッチ13で検知される押圧力Pが上昇を開始する時点t62から、押圧力Pが下限押圧力P0に達する時点t63までは、目標回転数Rは基準回転数R0に維持されており、時点t63を過ぎて押圧力Pが下限押圧力P0を超えてから、目標回転数Rは上昇を開始している。時点t63から次の時点t64までは、基準回転数R0と最大回転数R1の間で、押圧力Pの大きさに応じた目標回転数Rが設定されており、押圧力Pが下限押圧力P0まで低下した時点t64以降は、目標回転数Rは一律に基準回転数R0に設定されている。
【0049】
(実施例10) 図23に示す実施例は、変速スイッチ13の長押し時間に基づいてモーター6の回転数を制御する点で、先の実施例9と異なる。変速スイッチ13で検知される押圧力Pが上昇を開始する時点t71から、押圧力Pが下限押圧力P0に達する時点t72までは、目標回転数Rは基準回転数R0に維持されている。時点t72を過ぎて押圧力Pが下限押圧力P0を超えてから、目標回転数Rは上昇を開始し、次の時点t73まで押圧力Pの大きさに関係無く一定のペースで徐々に上昇している。時点t73を過ぎて押圧力Pがゼロになっても、目標回転数Rは低下することなく時点t73の値に維持されている。次の時点t74では、変速スイッチ13が再び押圧力Pを検知して、目標回転数Rが基準回転数R0に戻されている。つまり本実施例では、先に説明した実施例4の変形例と同様に、変速スイッチ13が初期化スイッチ30を兼ねている。押圧力Pが再び下限押圧力P0に達した時点t75~t76にかけては、目標回転数Rは一定のペースで再び上昇している。
【0050】
実施例9および実施例10に係る電気かみそりは、以下の形態で実施することができる(変速スイッチ13の位置は電気かみそりの前面上部に限られず、前面下部や側面などであってもよい)。
【0051】
可動刃4を含む切断刃3と、電源投入用の電源スイッチ10と、可動刃4の駆動速度の操作用の変速スイッチ13とを備えており、
変速スイッチ13は、表面に露出する変速操作部14と、変速操作部14の表面に付与される押圧力Pを検知する圧力センサ15とを含み、
所定の下限押圧力P0を超える押圧力Pが圧力センサ15で検知されて初めて、可動刃4の変速制御が開始される電気かみそり。
【0052】
所定の下限押圧力P0を超える押圧力Pが変速スイッチ13の圧力センサ15で検知されて初めて、可動刃4の変速制御が開始されるようにしていると、ユーザーが変速操作部14に無意識に軽く触れた場合などに、ユーザーの意図しない変速制御が行われることを防止して、電気かみそりの使い勝手を向上させることができる。
【0053】
圧力センサ15で検知される押圧力Pが下限押圧力P0を超えている間に可動刃4が一定のペースで加速される電気かみそり。
【0054】
押圧力Pが下限押圧力P0を超えている間に可動刃4が一定のペースで加速されるようにしていると、握力が比較的弱いユーザーであっても、下限押圧力P0を超える最低限の押圧力Pを加え続けるだけで、可動刃4を容易に加速させることができる。
【0055】
圧力センサ15で検知される押圧力Pが下限押圧力P0を超えて増加するにつれて可動刃4が加速される電気かみそり。
【0056】
押圧力Pが下限押圧力P0を超えて増加するにつれて可動刃4が加速されるようにしていると、ユーザーは変速操作部14に比較的大きな押圧力Pを加えることにより、可動刃4を一気に加速させることができ、特に可動刃4の高速駆動を好むユーザーにとって使い勝手の良い電気かみそりを得ることができる。
【0057】
圧力センサ15で検知される押圧力Pの減少後も可動刃4が減少前の駆動速度に維持される電気かみそり。
【0058】
押圧力Pの減少後も可動刃4が減少前の駆動速度に維持されるようにしていると、ユーザーは可動刃4を所望の駆動速度まで加速させた後は、変速操作部14から手や指を離しても、可動刃4を加速状態に維持することができる。速度維持のために同じ大きさの押圧力Pを加え続けるという負担を無くして、ユーザーにとってより使い易い電気かみそりを得ることができる。
【0059】
変速スイッチ13と対になる初期化スイッチ30を備えており、
可動刃4の駆動速度が所定の基準速度とは異なる状態で初期化スイッチ30が操作されると、該駆動速度が基準速度に設定される電気かみそり。
【0060】
可動刃4の駆動速度の初期化スイッチ30を設けると、ユーザーは可動刃4をワンタッチで基準速度に戻すことができ、利便性が向上する。
【0061】
変速スイッチ13が初期化スイッチ30を兼ねており、
可動刃4の駆動速度が基準速度とは異なる状態で、変速スイッチ13が押圧力Pを検知しない状態から検知する状態に切り換わると、該駆動速度が基準速度に設定される電気かみそり。
【0062】
変速スイッチ13が初期化スイッチ30を兼ねていると、初期化スイッチ30を構成する専用の部品を不要として、その分だけコストを削減することができる。
【0063】
圧力センサ15で検知される押圧力Pが増加するにつれて可動刃4が加速され、押圧力Pが減少するにつれて可動刃4が減速される電気かみそり。
【0064】
押圧力Pが増加するにつれて可動刃4が加速され、押圧力Pが減少するにつれて可動刃4が減速されるようにしていると、ユーザーは変速操作部14に加える押圧力Pを増減させるだけで、可動刃4をタイムリーかつ意のままに変速させて、所望の駆動速度に調節することができる。比較的高速で駆動する可動刃4を少しだけ減速させる場合に、初期化スイッチ30を用いる先の実施形態では、駆動速度を一旦基準速度に戻してから、変速操作部14に再び押圧力Pを加える必要があるが、本実施形態では、押圧力Pを少し減少させるだけで、目的を即座に達成することができる。
【0065】
(実施例11) 図24および図25に示す実施例は、左右対称に配置した加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bで変速スイッチ13を構成する点で、先の実施例1と異なる。右側の加速スイッチ13Aは加速操作部14Aとスイッチ素子39Aからなり、左側の減速スイッチ13Bは減速操作部14Bとスイッチ素子39Bからなる。本実施例では、加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが押圧操作された回数または長押し時間に応じて、モーター6が加速または減速される。図25のタイミングチャートに示すように、時点t81から時点t82にかけては、加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが押圧操作(クリック)される毎に、モーター6が加速または減速されている。次の時点t83から時点t84にかけては、加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが長押し操作された時間の分だけ、モーター6が加速または減速されている。
【0066】
(実施例12) 図26に示す実施例は、変速スイッチ13が圧力センサ15に代えて可変抵抗式の変位センサ40を備える点で、先の実施例1と異なる。同じく変位センサを用いる先の実施例7では、被検知部34の前後方向の移動を検知部33で検知していたが、本実施例では被検知部42の左右方向の移動を検知部41で検知する。変速操作部14は左右方向に移動自在なスライドレバーからなり、その内面に被検知部42が固定されており、変速操作部14がスライド操作されると検知部41に対する被検知部42の相対位置が変化する。検知部41は、被検知部42の相対位置に対応した抵抗値での出力電圧に基づいて、該相対位置を無段階で検知することができ、これに応じて制御部20がモーター6の回転数を無段階に制御することができる。ユーザーは、変速操作部14を右側に移動させるほど、モーター6を加速させることができ、同操作部14を左側に移動させるほど、モーター6を減速させることができる。もちろん、変速操作部14のスライド方向とモーター6の回転数の関係は逆であってもよい。
【0067】
(実施例13) 図27に示す実施例は、変速スイッチ13を静電容量式のタッチセンサ13Cで構成する点などで、先の実施例1と異なる。タッチセンサ13Cは左右横長に形成されており、右半部と左半部がタップされたことを区別して認識できる。ユーザーは、タッチセンサ13Cの右半部をタップすると、その回数分だけモーター6を加速させることができ、タッチセンサ13Cの左半部をタップすると、その回数分だけモーター6を減速させることができる。もちろん、タッチセンサ13Cのタップ位置とモーター6の回転数の関係は逆であってもよい。なおタッチセンサ13Cは、タップ位置以外にフリックあるいはスワイプの方向を認識できるものであってもよく、この場合は該方向に基づいてモーター6を加速あるいは減速させることができる。
【0068】
また本実施例では、上記各実施例とは異なり、かみそりヘッド2が本体ケース1に対して移動不能に固定されている。電源操作部11は上下方向に移動自在なスライドレバーで構成されており、該スライドレバーのスライド操作により、スイッチ素子12が上側のオン位置と下側のオフ位置との間で切り換えられる。表示部16は左右一対の7セグメント表示部からなり、2桁の数字でモーター6の回転数(例えば最大回転数R1を100とした相対値)や二次電池7の残量(%)を表示する。
【0069】
(実施例14) 図28に示す実施例は、本体ケース1の上部に電源スイッチ10を配置する点と、同スイッチ10の周囲に配置したジョグダイヤル13Dで変速スイッチ13を構成する点で、先の実施例1と異なる。ユーザーは、ジョグダイヤル13Dを時計回りに回転させると、その回転角度の分だけモーター6を加速させることができ、ジョグダイヤル13Dを反時計回りに回転させると、その回転角度の分だけモーター6を減速させることができる。もちろん、ジョグダイヤル13Dの回転方向とモーター6の回転数の関係は逆であってもよい。
【0070】
(実施例15) 図29および図30に示す実施例は、かみそりヘッド2に冷却体47と発光部48を配置する点で、先の実施例1と異なる。冷却体47は、かみそりヘッド2の上面における切断刃3の左右両側に配置されたプレート体からなり、その内側には冷却体47を冷却するためのペルチェ素子49が内蔵されている。ひげ剃りを終えたユーザーは、必要に応じてペルチェ素子49に通電して冷却体47を押し当てることにより、ひげ剃り後の肌面を冷やしてケアすることができる。
【0071】
発光部48は、内刃4の下方に水平姿勢で収容された光源基板50と、光源基板50の上面に実装された複数個の光源51とで構成される。各光源51は多色発光型のLEDからなり、内刃4や外刃5にコーティングされた光触媒を励起させて、有機物の分解を促すことにより、有機物の腐敗に伴う異臭の発生を抑制する。また発光部48は、切断刃3やユーザーの肌面を照らす照明としても機能しており、その明るさ(点灯する光源51の個数)は3段階に調節可能である。
【0072】
先の実施例14と同様に、電源スイッチ10は本体ケース1の上部に配置されており、その左側には冷却スイッチ53が配置されている。ユーザーは、冷却スイッチ53の冷却操作部54を介してスイッチ素子55を押圧操作することにより、ペルチェ素子49への通電状態を切り換えることができる。また、電源スイッチ10の右側には調光スイッチ56が配置されている。ユーザーが調光スイッチ56の調光操作部57を介してスイッチ素子58を押圧操作する毎に、発光部48は消灯状態から強発光状態、中発光状態、弱発光状態の順に切り換わり、再び消灯状態に戻る。電源スイッチ10の上側には加速スイッチ13Aが配置されており、下側には減速スイッチ13Bが配置されているが、その機能は先の実施例11と同じであるため、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0073】
図29に示す正面視において、電源操作部11の周囲の各操作部14A・14B・54・57の面積(正面視の投影面積)は、電源操作部11の面積(同)よりも大きく設定されている。ここで、各操作部14A・14B・54・57の面積が大きいとは、4つの操作部14A・14B・54・57の面積の総和について言ったものではなく、操作部14A・14B・54・57のそれぞれの単体での面積が、電源操作部11の面積よりも大きいことを意味する。また、図30に示す側面視において、電源操作部11の周囲の各操作部14A・14B・54・57は、電源操作部11よりも本体ケース1の表面から突出している。一般に、ユーザーが電源操作部11を押圧操作するのは、電気かみそりの使用の開始時と終了時の2回だけであるのに対し、加速操作部14Aと減速操作部14Bなどは電源操作部11以上の頻度で操作される傾向が強いことから、これらの面積と突出寸法を大きく設定することにより、両操作部14A・14Bなどを操作し易くしてユーザーの利便性を向上させることができる。また、電源操作部11の面積と突出寸法を小さく設定すると、ユーザーが電源操作部11の周囲の各操作部14A・14B・54・57を操作する際に、誤って電源操作部11に触れて電源が切れることを抑制することができる。
【0074】
なお、かみそりヘッド2に配置した発光部48は、発光色などに基づいて二次電池7の残量などをユーザーへ報知する機能を発揮することができる。この発光部48は、本体ケース1を握った状態のユーザーの視界に入りやすく、しかも、本体側の表示部16のように本体ケース1を握る手で隠れることも無いから、各種の情報をユーザーへ確実に報知することができる。
【0075】
(実施例16) 図31から図35に示す実施例は、減速機付きのモーター6をかみそりヘッド2に配置する点などで、先の実施例1と異なる。モーター6は、その出力軸61が右端側に位置する水平姿勢で配置されており、該出力軸61は内刃4の中心軸62と平行である。出力軸61と中心軸62の間には、プーリを介してタイミングベルト63が巻き掛けられており、同ベルト63を介してモーター6の回転動力が内刃4に伝動される。
【0076】
電源スイッチ10の上下には、先の実施例15と同様に加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bが配置されている。ただし、冷却スイッチ53と調光スイッチ56が無い分だけ、加速操作部14Aと減速操作部14Bはそれぞれ、電源操作部11の周縁に沿って左右に拡張されている。加速操作部14Aと減速操作部14Bのそれぞれの面積(正面視の投影面積)は、電源操作部11の面積(同)よりも大きく設定されており、また各操作部14A・14Bは電源操作部11よりも本体ケース1の表面から突出している(図32参照)。
【0077】
各スイッチ10・13A・13Bの下方の表示部16は、先の実施例13と同様に左右一対の7セグメント表示部からなり、モーター6の回転数と二次電池(電池)7の充電残量を数字等で表示する。図33に示すようにモーター6の回転数は、10000rpm(本実施例における基準回転数R0)を「0」とした相対値で表示され、回転数が300rpmだけ増減するごとに相対値は1だけ増減する。相対値の最大値は「5」であり、このときのモーター6の回転数は11500rpm(最大回転数R1)である。また、相対値の最小値は「-5」であり、このときのモーター6の回転数は8500rpm(最小回転数)である。二次電池7の充電残量(%)は、10%刻みの2桁の数字で表示される。ただし、充電残量が100%(FULL)のときは「FU」と表示され、充電残量が0%のときは「00」と表示される。
【0078】
図34のタイミングチャートにおける最初の時点t91では、電源スイッチ10がオフ操作されてモーター6が停止しており、次の時点t92では、電源スイッチ10がオン操作されてモーター6が起動している。本実施例では、モーター6が停止する直前の目標回転数Rが、制御部20の記憶部(図示せず)に保存(上書き)されるようになっており、次にモーター6が起動するときの目標回転数Rは、該記憶部に保存されている値に設定される。従って、時点t92におけるモーター6の目標回転数Rは、時点t91と同じ「1」(10300rpm)に設定されている。時点t92以降は、加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが押圧操作(クリック)される毎に、モーター6が相対値1すなわち300rpmずつ加速または減速されている。
【0079】
表示部16は、電源スイッチ10がオン操作された場合と、加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが押圧操作された場合に、モーター6の目標回転数Rの相対値を表示する。この回転数表示に関しては所定の回転数表示時間T4(例えば2秒間)が設定されており、スイッチ10・13A・13Bの直前の操作から同時間T4が経過すると、表示部16は回転数表示から二次電池7の充電残量表示へ移行する(時点t93参照)。表示部16が充電残量表示である間に加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが押圧操作されると、表示部16は再び回転数表示へ移行する(時点t94参照)。また、回転数表示時間T4の経過前であっても、回転数表示の間に電源スイッチ10がオフ操作されると、表示部16は回転数表示から充電残量表示へ移行する(時点t95参照)。この充電残量表示に関しても所定の残量表示時間T5(例えば4秒間)が設定されており、電源スイッチ10のオフ操作から同時間T5が経過すると表示部16は消灯する(時点t96参照)。
【0080】
なお、残量表示時間T5が適用されるのは、電源スイッチ10がオフ操作されて回転数表示から充電残量表示へ移行した場合、すなわちモーター6の停止中のみであり、回転数表示時間T4が経過して充電残量表示へ移行した場合、すなわちモーター6の駆動中は、残量表示時間T5の経過後も充電残量表示が継続される(図35のタイミングチャートにおいてt98-t97>T5)。また、同チャートの時点t99に示すように、表示部16が充電残量表示であるときに電源スイッチ10がオフ操作された場合は、表示部16は一時的に消灯した後、充電残量表示にて再点灯する。この再点灯から残量表示時間T5が経過すると、表示部16は完全に消灯する(時点t100参照)。
【0081】
本実施例の第1の変形例を図36に示す。この変形例では、表示部16を上側のレベル表示部65と下側の種別表示部66とで構成した。レベル表示部65は、上下に並ぶ11個のLEDで構成されており、LEDの列の両端と中央の左右それぞれに目盛が表示されている。左側の目盛は、モーター6の回転数の相対値が上から順に「5」(11500rpm)、「0」(10000rpm)、「-5」(8500rpm)であることを示しており、右側の目盛は、二次電池7の充電残量が上から順に100%、50%、0%であることを示している。種別表示部66は、上側の回転数ランプと下側の充電残量ランプとで構成されている。表示部16を制御する表示制御手段24は、レベル表示部65を構成するLEDのうちいずれか1つと、種別表示部66を構成するいずれか一方のランプとを点灯させて、その時点でのモーター6の回転数または二次電池7の充電残量をユーザーに知らせる。図36に例示された左側の表示部16は、モーター6の回転数の相対値が「2」(10600rpm)であることを表示しており、右側の表示部16は二次電池7の充電残量が40%であることを表示している。
【0082】
本実施例の第2の変形例を図37に示す。この変形例では、電源スイッチ10の上側の加速スイッチ13Aを、下側の減速スイッチ13Bよりも大きくした。より具体的には、加速操作部14Aの面積(正面視の投影面積)を、減速操作部14Bの面積(同)よりも大きく設定した。ただし、先の実施例16と同様に、減速操作部14Bの面積は電源操作部11の面積よりも十分に大きい。この変形例のように、加速スイッチ13Aを減速スイッチ13Bよりも大きく設定すると、加速スイッチ13Aがモーター6の加速用のスイッチであること、および、減速スイッチ13Bがモーター6の減速用のスイッチであることを、ユーザーに直感的に認識させることができる。
【0083】
実施例15および実施例16に係る電気かみそりは、以下の形態で実施することができる(加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bの位置は電気かみそりの前面上部に限られず、前面下部や側面などであってもよい)。
【0084】
可動刃4を含む切断刃3と、可動刃4を駆動させるモーター6と、電源投入用の電源スイッチ10と、モーター6を加速させるための加速スイッチ13Aと、モーター6を減速させるための減速スイッチ13Bとを備えており、
加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bが電源スイッチ10を挟んで対称に配置されている電気かみそり。
【0085】
加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bが電源スイッチ10を挟んで対称に配置されている電気かみそりによれば、各スイッチ10・13A・13Bを1個所に集約させて、その使い勝手を向上させることができる。
【0086】
電源スイッチ10の上側に加速スイッチ13Aが配置され、電源スイッチ10の下側に減速スイッチ13Bが配置されている電気かみそり。
【0087】
電源スイッチ10の上側に加速スイッチ13Aを配置し、電源スイッチ10の下側に減速スイッチ13Bを配置すると、ユーザーは加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bの機能を直感的に理解して、モーター6を意のままに変速させることができる。
【0088】
電源スイッチ10の電源操作部11と、加速スイッチ13Aの加速操作部14Aと、減速スイッチ13Bの減速操作部14Bとに正対する正面視において、加速操作部14Aと減速操作部14Bの面積が電源操作部11の面積よりも大きく設定されている電気かみそり。
【0089】
正面視における加速スイッチ13Aの加速操作部14Aの面積と、減速スイッチ13Bの減速操作部14Bの面積とを、電源スイッチ10の電源操作部11の面積よりも大きく設定することができる。一般に、ユーザーが電源スイッチ10を操作するのは、電気かみそりの使用の開始時と終了時の2回だけであるのに対し、加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bは電源スイッチ10以上の頻度で操作される傾向が強いことから、加速操作部14Aと減速操作部14Bの面積を大きく設定することにより、両操作部14A・14Bを操作し易くしてユーザーの利便性を向上させることができる。また、電源操作部11の面積を小さく設定すると、ユーザーが加速操作部14Aまたは減速操作部14Bを操作する際に、誤って電源操作部11に触れて電源が切れることを抑制することができる。
【0090】
加速スイッチ13Aの加速操作部14Aおよび減速スイッチ13Bの減速操作部14Bが、電源スイッチ10の電源操作部11よりも本体ケース1の表面から大きく突出している電気かみそり。
【0091】
加速スイッチ13Aの加速操作部14Aおよび減速スイッチ13Bの減速操作部14Bを、電源スイッチ10の電源操作部11よりも本体ケース1の表面から大きく突出させることができる。上述のように、加速スイッチ13Aと減速スイッチ13Bは電源スイッチ10以上の頻度で操作される傾向が強いことから、加速操作部14Aと減速操作部14Bを大きく突出させることにより、両操作部14A・14Bを操作し易くしてユーザーの利便性を向上させることができる。また、電源操作部11の突出寸法を小さく設定すると、ユーザーが加速操作部14Aまたは減速操作部14Bを操作する際に、誤って電源操作部11に触れて電源が切れることを抑制することができる。
【0092】
モーター6に駆動電力を供給する電池7と、モーター6の回転数および電池7の残量を択一的に表示する表示部16とを備えており、
電源スイッチ10がオン操作されると、モーター6が所定の回転数で起動するとともに該回転数が表示部16に表示され、
当該回転数が表示されてから所定の回転数表示時間T4が経過すると、表示部16が電池7の残量表示へ移行する電気かみそり。
【0093】
電源スイッチ10がオン操作されると、モーター6が所定の回転数で起動するとともに該回転数が表示部16に表示される電気かみそりによれば、ユーザーはモーター6の起動時の正確な回転数を容易に知ることができる。当該回転数を知ったユーザーは、必要に応じて加速スイッチ13Aあるいは減速スイッチ13Bを操作することにより、モーター6を所望の回転数へ容易かつ確実に調整することができる。また、所定の回転数表示時間T4の経過後に、表示部16が電池7の残量表示へ移行するようにしていると、ユーザーは特別な操作を行わなくても電池7の残量を知ることが可能になり、利便性が向上する。
【0094】
表示部16が電池7の残量を表示する状態で加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが操作されると、モーター6が変速されるとともに表示部16がモーター6の回転数表示へ移行する電気かみそり。
【0095】
表示部16が電池7の残量を表示する状態で加速スイッチ13Aまたは減速スイッチ13Bが操作されると、モーター6が変速されるとともに表示部16がモーター6の回転数表示へ移行する電気かみそりによれば、ユーザーはモーター6の変速後の正確な回転数を容易に知ることができる。つまりユーザーは、表示部16に表示される回転数に基づき、更なる加速操作または減速操作の要否を判断して、モーター6を確実に所望の回転数に調整することができる。
【0096】
表示部16がモーター6の回転数を表示する状態で電源スイッチ10がオフ操作されると、表示部16が電池7の残量表示へ移行する電気かみそり。
【0097】
表示部16がモーター6の回転数を表示する状態で電源スイッチ10がオフ操作されると、表示部16が電池7の残量表示へ移行する電気かみそりによれば、その使用の終了後の電池7の残量を、ユーザーに対して確実に知らせることができる。電池7の残量を知ったユーザーは、必要に応じて次回の使用時までに電池7の充電などの措置を執ることができる。
【0098】
表示部16が電池7の残量表示へ移行してから所定の残量表示時間T5が経過すると、表示部16が消灯する電気かみそり。
【0099】
表示部16が電池7の残量表示へ移行してから所定の残量表示時間T5の経過後に表示部16を消灯させると、消費電力の削減に寄与することができる。
【0100】
表示部16が電池7の残量を表示する状態で電源スイッチ10がオフ操作されると、表示部16は一時的に消灯した後、電池7の残量を再び表示する電気かみそり。
【0101】
表示部16が電池7の残量を表示する状態で電源スイッチ10がオフ操作されると、表示部16は一時的に消灯した後、電池7の残量を再び表示する形態を採ることができる。電気かみそりの使用の終了後も電池7の残量を表示することにより、該残量をユーザーに対して確実に知らせることができる。電池7の残量を知ったユーザーは、必要に応じて次回の使用時までに電池7の充電などの措置を執ることができる。
【0102】
表示部16が電池7の残量を再び表示してから所定の残量表示時間T5が経過すると、表示部16が消灯する電気かみそり。
【0103】
表示部16が電池7の残量を再び表示してから所定の残量表示時間T5の経過後に表示部16を消灯させると、消費電力の削減に寄与することができる。
【0104】
上記の各実施例では、変速スイッチ13を本体ケース1に配置したが、同スイッチ13はかみそりヘッド2に配置することもできる。モーター6には、上記の各実施例に係る回転式のモーターに加えて、往復式のリニアモーターも含まれる。本発明は、上記の各実施例に係るロータリー式の電気かみそり以外に、往復駆動式の切断刃を備える電気かみそりや、内刃(可動刃)のみからなる切断刃を備える電気かみそり、あるいは、本体ケース1の上部に切断刃3が設けられている電気かみそり(かみそりヘッド2を備えない電気かみそり)などにも適用することができる。さらに、本発明の電気かみそりには、外刃と内刃で主にひげを切断するシェーバーに加えて、櫛状の固定刃と櫛状の可動刃で主に髪を切断する電気式のバリカンも含まれる。特許請求の範囲の請求項1以下の技術思想に関して、変速スイッチ13(加速スイッチ13A・減速スイッチ13B)の位置は電気かみそりの前面上部に限られず、前面下部や側面などであってもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 本体ケース
1a グリップ部
1b 膨出部
2 かみそりヘッド
3 切断刃
4 可動刃(内刃)
5 外刃
6 モーター
10 電源スイッチ
11 電源操作部
12 スイッチ素子
13 変速スイッチ
13A 加速スイッチ
13B 減速スイッチ
14 変速操作部
14A 加速操作部
14B 減速操作部
15 圧力センサ
16 表示部
17 光源(LED)
18 透光窓
P 押圧力
R0 基準回転数
R1 最大回転数
図1
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