(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】仲介装置及びそれを用いた仲介方法
(51)【国際特許分類】
B25J 3/00 20060101AFI20231128BHJP
B25J 13/02 20060101ALI20231128BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231128BHJP
【FI】
B25J3/00 Z
B25J13/02
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022105505
(22)【出願日】2022-06-30
(62)【分割の表示】P 2020535924の分割
【原出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2018151917
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019105749
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019105750
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康彦
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 繁次
(72)【発明者】
【氏名】丸山 佳彦
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/140011(WO,A1)
【文献】特開2014-014900(JP,A)
【文献】国際公開第2009/011380(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/033359(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
G06Q 10/00 ~ 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遠隔作業者が操作する複数の操作端末と1以上のロボット保有者が保有する複数のロボットとにデータ通信可能なネットワークを介して接続された、仲介者が有する仲介装置であって、
前記仲介装置は、
前記複数のロボットから、当該複数のロボットを操作して複数の作業を行う遠隔作業者の募集を受信し、当該仲介装置を有する前記仲介者の前記ネットワーク上のサイトに前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集を掲示し、前記操作端末から、前記サイトを介して、前記操作端末の遠隔作業者が前記複数の募集の中から決定した前記募集に対する応募を受信する受付部と、
受信した前記応募の応募要項が前記募集の募集要項に適合した場合、前記募集に対応する前記ロボット及び前記応募に対応する前記操作端末を、選択ロボット及び選択操作端末として選択する接続選択部と、
前記選択操作端末によって前記選択ロボットを操作することが可能なように、前記選択操作端末を前記選択ロボットに接続する接続部と、
前記選択操作端末によって前記選択ロボットを操作して作業を行なった遠隔作業者を評価する仕事評価部と、を備える、仲介装置。
【請求項2】
前記仲介装置は、メモリを有し、
前記接続選択部は、前記遠隔作業者に対して行った前記評価を、前記選択操作端末に付与された操作端末IDに関連付けて前記メモリに記憶する、請求項1に記載の仲介装置。
【請求項3】
前記接続選択部は、前記遠隔作業者に対して行った前記評価を、前記遠隔作業者が操作した前記選択操作端末に通知する、請求項1又は2に記載の仲介装置。
【請求項4】
前記仕事評価部は、前記遠隔作業者に対して行った前記評価を用いて、前記遠隔作業者にランクを付け、前記ランクに応じて、前記遠隔作業者に作業上のステータスを付与する、請求項1乃至3のいずれかに記載の仲介装置。
【請求項5】
前記募集要項には、作業に必要な前記ステータスが含まれる、請求項4に記載の仲介装置。
【請求項6】
前記ステータスが付与された前記遠隔作業者の前記操作端末から、前記サイトを介して、前記操作端末の遠隔作業者が前記複数の募集の中から決定した前記募集に対する応募を受信した場合、前記接続選択部は、前記遠隔作業者に付与された前記ステータスを用いて、受信した前記応募の応募要項が前記募集の募集要項に適合するか否かを判定する、請求項4又は5に記載の仲介装置。
【請求項7】
前記仕事評価部は、前記遠隔作業者に対して行った前記評価を用いて、前記遠隔作業者にランクを付け、前記ランクに応じて、前記遠隔作業者の報酬を決定する、請求項1乃至6のいずれかに記載の仲介装置。
【請求項8】
前記仕事評価部は、前記選択操作端末によって前記選択ロボットを操作して作業を行なった遠隔作業者を、前記遠隔作業者の就労時間、前記作業の出来高、及び前記作業の難度に基づいて評価する、請求項1乃至7のいずれかに記載の仲介装置。
【請求項9】
複数の遠隔作業者が操作する複数の操作端末と1以上のロボット保有者が保有する複数のロボットとにデータ通信可能なネットワークを介して接続された、仲介者が有する仲介装置であって、
前記仲介装置は、
前記複数のロボットから、当該複数のロボットを操作して複数の作業を行う遠隔作業者に対する募集要項を受信し、前記複数の操作端末から、当該複数の操作端末を操作する前記複数の遠隔作業者の就労要項を受信する受付部と、
前記複数の募集要項と前記複数の就労要項とを対比し、互いに相手の要項に適合する募集要項及び就労要項にそれぞれ対応する複数の前記ロボット及び複数の前記操作端末を、それぞれ、1以上の選択ロボット及び1以上の選択操作端末として選択する接続選択部と、
前記1以上の選択操作端末によって前記1以上の選択ロボットを操作することが可能なように、前記1以上の選択操作端末を前記1以上の選択ロボットに接続する接続部と、
前記選択操作端末によって前記選択ロボットを操作して作業を行なった遠隔作業者を評価する仕事評価部と、を備える、仲介装置。
【請求項10】
複数の遠隔作業者が操作する複数の操作端末と1以上のロボット保有者が保有する複数のロボットとにデータ通信可能なネットワークを介して接続された、仲介者が有する仲介装置を用いた仲介方法であって、
前記仲介方法は、
前記仲介装置によって、前記複数のロボットから、当該複数のロボットを操作して複数の作業を行う遠隔作業者の募集を受信する工程と、
前記仲介装置によって、当該仲介装置を有する前記仲介者の前記ネットワーク上のサイトに前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集を掲示する工程と、且つ、
前記仲介装置によって、前記操作端末から、前記サイトを介して、前記操作端末の遠隔作業者が前記複数の募集の中から決定した前記募集に対する応募を受信する工程と、
前記仲介装置によって、受信した前記応募の応募要項が前記募集の募集要項に適合した場合、前記募集に対応する前記ロボット及び前記応募に対応する前記操作端末を、選択ロボット及び選択操作端末として選択する工程と、
前記仲介装置によって、前記選択操作端末によって前記選択ロボットを操作することが可能なように、前記選択操作端末を前記選択ロボットに接続する工程と、
前記仲介装置によって、前記選択操作端末により前記選択ロボットを操作して作業を行なった遠隔作業者を評価する工程と、を含む、仲介方法。
【請求項11】
複数の遠隔作業者が操作する複数の操作端末と1以上のロボット保有者が保有する複数のロボットとにデータ通信可能なネットワークを介して接続された、仲介者が有する仲介装置を用いた仲介方法であって、
前記仲介方法は、
前記仲介装置によって、前記複数のロボットから、当該複数のロボットを操作して複数の作業を行う遠隔作業者に対する募集要項を受信する工程と、
前記仲介装置によって、前記複数の操作端末から、当該複数の操作端末を操作する前記複数の遠隔作業者の就労要項を受信する工程と、
前記仲介装置によって、前記複数の
募集要項と前記複数の
就労要項とを対比し、互いに相手の要項に適合する募集要項及び就労要項にそれぞれ対応する1以上の前記ロボット及び1以上の前記操作端末を、それぞれ、1以上の選択ロボット及び1以上の選択操作端末として選択する工程と、
前記仲介装置によって、前記1以上の選択操作端末によって前記1以上の選択ロボットを操作することが可能なように、前記1以上の選択操作端末を前記1以上の選択ロボットに接続するよう工程と、
前記仲介装置によって、前記選択操作端末により前記選択ロボットを操作して作業を行なった遠隔作業者を評価する工程と、を含む、仲介方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仲介装置及びそれを用いた仲介方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遠隔操作されるロボットが知られている。例えば、特許文献1に記載された遠隔マニピュレータシステムでは、ロボットマニピュレータが遠隔制御ステーションのオペレーターによって、操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記遠隔操作ロボットを含むロボットは、社会において、あまり広く利用されていない。従って、遠隔操作ロボットの利用拡大を図る必要がある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることが可能な仲介装置及びこれを用いた仲介方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を鋭意検討した。その結果、以下の知見を得た。
【0007】
遠隔操作ロボットの利用拡大を図るためには、ロボットの適用分野を拡大するだけではなく、社会における製造業に携わる人々以外のより多くの人々がロボットに触れる機会を増やす施策が必要である。
【0008】
社会には、やむを得ない事情(子育て、介護、病気、障害、体力の衰え等)で、就労していない人々(以下、特定未就労者と呼ぶ)がいる。その中には、例えば、ゲームにおけるゲームコントローラの操作に関して格別に優れたスキルを持ったゲーマー(game player)が存在するように、ロボット操作に関して格別に優れたスキルを持った人が存在すると想定される。
【0009】
そこで、本発明者等は、彼らがロボットに触れる機会を作り、彼らに社会貢献をさせることを想到した。
【0010】
具体的には、例えば、彼らが、自宅にいながら、ゲームコントローラでインターネットを介して産業用ロボットを操作し、その対価として労働賃金を得る。一般的に、産業用ロボットの操作器は、高機能で且つ高価なコミュニケータであり、一般人が入手できない。一方、ゲームコントローラは、キー操作による相対的に低機能の操作器であり、一般人が数万円程度で入手できる。しかも、ゲームコントローラのキー操作による操作信号を産業用ロボットの動作指令に変換してやれば、ゲームコントローラの操作者がその信号変換に合わせてロボットを上手く操作してくれる。
【0011】
このような働き方のシステム(以下、ロボット作業就労システムと称する)によれば、特定未就労者を実社会に貢献させることができる。しかも、特定未就労者が家庭にいて収入を得ることができる。一方、ゲーマーの人口は製造業の人口の数倍であると言われる。従って、このロボット作業就労システムによれば、ロボットメーカーが意図する遠隔操作型ロボットの社会的インフラを構築することができる。
【0012】
さらに、特定未就労者がゲーマーである場合、その熱気、スキルを利用して、ロボットによる作業の生産性を著しく向上させることができる。換言すると、ゲームに熱中する人達をロボットの世界に参加させ、且つ彼らを熱中するよう動機付けし、それによって、ロボットを動かすスキルを著しく向上させることができる。
【0013】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る仲介装置は、複数の遠隔作業者が操作する複数の操作端末と1以上のロボット保有者が保有する複数のロボットとにデータ通信可能なネットワークを介して接続された、仲介者が有する仲介装置であって、前記仲介装置は、前記複数のロボットから、当該複数のロボットを操作して複数の作業を行う遠隔作業者の募集を受信し、当該仲介装置を有する前記仲介者の前記ネットワーク上のサイトに前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集を掲示し、且つ、前記複数の遠隔作業者が、前記複数の操作端末から前記サイトにアクセスして前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集に対し複数の応募をした場合、この複数の応募に基づいて、1以上の前記ロボット及び1以上の前記操作端末を、1以上の選択ロボット及び1以上の選択操作端末として選択し、且つ、前記1以上の選択操作端末によって前記1以上の選択ロボットを操作することが可能なように、前記1以上の選択操作端末を前記1以上の選択ロボットに接続するよう構成されている。
【0015】
ここで、「1以上のロボット保有者が保有する複数のロボット」は、「1つのロボット保有者」が複数のロボットを保有する場合と、「複数のロボット保有者」のそれぞれが1つのロボットを保有する場合とを含む。「前記1以上の選択操作端末によって前記1以上の選択ロボットを操作することが可能なように、前記1以上の選択操作端末を前記1以上の選択ロボットに接続する」とは、1以上の選択操作端末と1以上の選択ロボットとが仲介装置を介してデータ通信することが可能な状態を確立し、且つ、必要に応じて選択操作端末の操作キーの操作信号を選択ロボットの動作指令に変換することを意味する。
【0016】
また、「ロボット」は、産業用ロボット及びサービスロボットの少なくともいずれかであり、娯楽用のロボットではない。特定未就労者に社会貢献をさせることが本発明の目的の1つであるからである。なお、「ロボット」から医療用ロボットを除外してもよい。医療用ロボットを操作するためには、医療に関する資格、専門知識等が要求される場合があるからである。
【0017】
この構成によれば、操作端末(及び遠隔作業者)を、ロボットを普及させるインフラとして利用することができ、且つ、遠隔作業者に操作端末を操作して報酬を得る機会を提供することができる。その結果、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることができる。
【0018】
前記仲介装置は、前記複数の作業の形態に応じて、前記1以上の選択操作端末と前記1以上の選択ロボットとを、1対1、n(nは2以上の自然数):1、1対m(mは2以上の自然数)、及びn対mの少なくともいずれかの関係で接続するよう構成されていてもよい。
【0019】
この構成によれば、ロボットについて多様な作業のさせ方を可能にできる。
【0020】
前記仲介装置は、前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集の要項に応じて、1つの前記募集に対して、前記応募の受信の順又は複数の前記応募のうちからの選抜により、前記1以上の選択操作端末及び前記1以上の選択ロボットを決定するよう構成されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、ロボット保有者に、即時の遠隔作業者の確保、技能レベルの高い遠隔作業者の確保、当該作業のオークション等によるコスト低減等の、遠隔作業者確保における選択肢を提供できる。
【0022】
前記仲介装置は、前記1以上の選択操作端末と前記1以上の選択ロボットとを、それぞれの選択ロボットに対応する募集に提示された作業の実施時期に応じて、即時に又は未来の時刻において接続するように構成されていてもよい。
【0023】
この構成によれば、遠隔作業者は、作業の実施時期を選択することにより、働きたい時間に働くことができる。
【0024】
前記仲介装置は、前記1以上の選択操作端末と前記1以上の選択ロボットとの接続を、前記1以上の選択操作端末からの通知に応じて切断するように構成されていてもよい。
【0025】
この構成によれば、遠隔作業者は、仲介装置に通知することにより、抜けたい時に作業から抜けることができる。
【0026】
前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集のそれぞれの要項が、前記複数の作業のそれぞれの内容、前記複数の作業のそれぞれに必要な技能のレベル、及び前記複数の作業のそれぞれに対する報酬に関する情報を含んでいてもよい。
【0027】
この構成によれば、遠隔作業者が、作業を適切に選択することができる。
【0028】
前記仲介装置は、前記募集に関連するロボットのタイプに関する情報を当該ロボットから受信し、且つ前記応募に関連する操作端末のタイプに関する情報を当該操作端末から受信するように構成されていてもよい。
【0029】
この構成によれば、仲介装置が、ロボットのタイプ(型名)及び操作端末のタイプ(型名)に応じて、操作端末の操作信号をロボットの操作信号に変換することができる。
【0030】
前記複数の操作端末が、ゲーム機、ゲームコントローラ、ロボット専用の遠隔操作器、携帯情報端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、及びタブレットの少なくともいずれかであってもよい。
【0031】
この構成によれば、操作端末が、ロボット専用の遠隔操作器以外の既存の操作端末である場合には、操作端末をロボット普及のインフラとして有効に利用できる。一方、操作端末が、ロボット専用の遠隔操作器である場合には、操作信号の変換が不要であるので、操作効率のよい操作端末を提供できる。
【0032】
前記仲介装置は、前記複数の作業に必要な資格に関する制度、又は前記複数の作業を行う遠隔作業者をランク付けするランキング制度を管理するよう構成されていてもよい。
【0033】
この構成によれば、遠隔作業者の競争意欲を引き出すことができる。
【0034】
前記仲介装置は、前記資格を取得するための教習会を運営するよう構成されていてもよい。
【0035】
この構成によれば、遠隔作業者に能力向上の機会を提供できる。
【0036】
前記仲介装置は、前記ロボットを上手く操作するためのトレーニング又はシミュレーションを行うよう構成されていてもよい。
【0037】
この構成によれば、ロボットを上手く操作できるように、遠隔作業者をトレーニングすることができ、又は遠隔作業者がシミュレーションすることができる。
【0038】
前記仲介装置は、前記複数の遠隔作業者が集えるイベントを運営するよう構成されていてもよい。
【0039】
この構成によれば、操作端末でロボットを遠隔操作するシステムを社会に広く認知させることができる。
【0040】
前記複数のロボットの各ロボットは、個別動作指令を含む動作指令に従って動作するよう構成されており、前記複数の操作端末の各操作端末は、操作キーを備えており、前記仲介装置は、前記1以上の選択操作端末及び前記1以上の選択ロボットのうちの互いに接続された選択操作端末及び選択ロボットについて、前記選択操作端末から前記操作キーに対応する操作信号を受け取ると、当該操作信号を前記個別動作指令に変換し、当該個別動作指令を前記選択ロボットに送るよう構成されていてもよい。
【0041】
この構成によれば、仲介装置が、操作端末の操作キーに対応する操作信号を受け取ると、当該操作信号を選択ロボットの動作指令における個別動作指令に変換し、当該個別動作指令を選択ロボットに送るので、選択操作端末の操作キーを操作することによって、ネットワーク及び仲介装置を介して、ロボットを操作することができる。これにより、ロボット作業就労システムを機能させることができ、ひいては、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることができる。
【0042】
前記動作指令は、1以上の前記個別動作指令を含み、前記操作端末は、複数の前記操作キーを備えており、前記仲介装置は、前記複数の操作キーに対応する1以上の前記操作信号を受け取ると、当該1以上の前記操作信号を1以上の前記個別動作指令に変換し、当該1以上の前記個別動作指令を前記ロボットに送るよう構成されていてもよい。
【0043】
この構成によれば、複数の操作キーに対応する1以上の操作信号を1以上の個別動作指令に変換することができる。
【0044】
前記複数の操作キーは、操作対象を移動させる移動キーと、多目的に使用される機能キーとを含み、前記動作指令は、前記個別動作指令として、前記各ロボットの手首部の位置を指示する位置指令と前記各ロボットの手首部に装着されるエンドエフェクタの動作を制御するエンドエフェクタ動作指令とを含み、前記仲介装置は、前記移動キーに対応する操作信号を前記位置指令に変換し、且つ前記機能キーに対応する操作信号を前記エンドエフェクタ動作指令に変換するよう構成されていてもよい。
【0045】
この構成によれば、各ロボットの手首部の位置を示す位置指令が、これと似たように操作対象を移動すべき方向に移動させる移動キーの操作信号に対応するので、操作端末の操作者が違和感をあまり覚えることなく、各ロボットを操作することができる。
【0046】
前記仲介装置が前記選択操作端末から操作キー変更通知を受け取ると、前記仲介装置が前記操作キー変更通知に応じて、前記1以上の前記操作信号から変換すべき前記1以上の前記個別動作指令を変更するよう構成されていてもよい。
【0047】
この構成によれば、選択操作端末の操作者が操作キーを操作しやすいように、1以上の前記操作信号から変換すべき1以上の前記個別動作指令を変更することができる。
【0048】
前記仲介装置は、前記1以上の前記個別動作指令の数に対して前記選択操作端末の前記複数の操作キーの数が不足する場合、前記複数の操作キーのうちの1以上の操作キーの所定の態様の操作に対応する操作信号のそれぞれを前記1以上の前記個別動作指令に変換するよう構成されていてもよい。
【0049】
この構成によれば、個別動作指令の数に対して操作端末の操作キーの数が不足する場合でも操作信号を個別動作指令に変換することができる。
【0050】
前記仲介装置は、前記1以上の前記操作信号の少なくともいずれかを、前記選択ロボットに複数の動作をさせる複数の前記個別動作指令に変換するよう構成されていてもよい。
【0051】
この構成によれば、1以上の個別動作指令によってロボットに複数の動作をさせるコマンドを生成することができる。このようなコマンドして、ロボットにワークを持ち上げて所定の場所に位置させる「ピックアンドプレイス」コマンド、ロボットに塗装ガンを所定位置に移動させて塗装ガンに塗料を噴出させるコマンド等が例示される。
【0052】
前記仲介装置は、前記複数の操作信号の少なくともいずれかを、前記選択ロボットに複数の動作をさせる1つの前記個別動作指令に変換するよう構成されていてもよい。
【0053】
この構成によれば、1つの個別動作指令によって選択ロボットに複数の動作をさせるコマンドを生成することができる。このようなコマンドして、選択ロボットに、嵌合突部を有するワークを、嵌合孔を有するワークの上方に位置させ後下降させて嵌合孔に嵌合させるコマンド等が例示される。
【0054】
前記仲介装置は、前記1以上の前記操作信号の少なくともいずれかを、前記選択ロボットの制御モードを切り替える前記個別動作信号に変換するよう構成されていてもよい。
【0055】
この構成によれば、操作端末の操作キーを操作することによって選択ロボットの制御モードを切り替えることができる。
【0056】
前記仲介装置は、前記複数の操作キーをどのように前記1以上の前記個別動作指令に対応させて前記複数の操作キーに対応する前記1以上の前記操作信号を前記1以上の前記個別動作指令へ変換するかを表す操作キー割り当てを決定するように前記選択操作端末に要求し、前記選択操作端末によって決定された前記操作キー割り当てに応じて、前記1以上の前記操作信号を前記1以上の前記個別動作指令に変換するよう構成されていてもよい。
【0057】
この構成によれば、操作信号を動作指令に変換する前に、予め、選択操作端末の操作者に、自分が操作しやすいように、操作キー割り当てを決めさせることができる。
【0058】
前記仲介装置は、前記選択操作端末及び前記選択ロボットから受け取ったそれぞれの型名に基づいて、前記操作信号から前記動作指令への変換を行うよう構成されていてもよい。
【0059】
この構成によれば、前記選択操作端末及び前記選択ロボットの型名に基づいて、双方に適した操作信号から動作指令への変換を行うことができる。
【0060】
前記仲介装置は、前記各操作端末の型名及び前記各選択ロボットの型名に応じた信号変換のパターンを記憶しており、前記選択操作端末の型名及び前記選択ロボットの型名に対応するパターンを適用して信号変換を行うよう構成されていてもよい。
【0061】
この構成によれば、簡単な構成で双方に適した操作信号から動作指令への変換を行うことができる。
【0062】
本発明の他の態様(aspect)に係る仲介装置は、複数の遠隔作業者が操作する複数の操作端末と複数のロボット保有者が保有する複数のロボットとにデータ通信可能なネットワークを介して接続された、仲介者が有する仲介装置であって、前記仲介装置は、前記複数のロボットから、当該複数のロボットを操作して複数の作業を行う遠隔作業者に対する募集要項を受信し、前記複数の操作端末から、当該複数の操作端末を操作する前記複数の遠隔作業者の就労要項を受信し、前記複数の採用条件と前記複数の作業条件とを対比し、互いに相手の要項に適合する募集要項及び就労要項にそれぞれ対応する1以上の前記ロボット及び1以上の前記操作端末を、それぞれ、1以上の選択ロボット及び1以上の選択操作端末として選択し、且つ、前記1以上の選択操作端末によって前記1以上の選択ロボットを操作することが可能なように、前記1以上の選択操作端末を前記1以上の選択ロボットに接続するよう構成されている。
【0063】
この構成によれば、操作端末(及び遠隔作業者)を、ロボットを普及させるインフラとして利用することができ、且つ、遠隔作業者に操作端末を操作して報酬を得る機会を提供することができる。その結果、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることができる。
【0064】
本発明のさらなる他の態様(aspect)に係る仲介方法は、複数の遠隔作業者が操作する複数の操作端末と複数のロボット保有者が保有する複数のロボットとにデータ通信可能なネットワークを介して接続された、仲介者が有する仲介装置を用いた仲介方法であって、前記仲介方法は、前記仲介装置によって、前記複数のロボットから、当該複数のロボットを操作して複数の作業を行う遠隔作業者の募集を受信する工程と、前記仲介装置によって、当該仲介装置を有する前記仲介者の前記ネットワーク上のサイトに前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集を掲示する工程と、且つ、前記複数の遠隔作業者が、前記複数の操作端末から前記サイトにアクセスして前記複数の作業を行う遠隔作業者の募集に対し複数の応募をした場合、前記仲介装置によって、この複数の応募に基づいて、1以上の前記ロボット及び1以上の前記操作端末を、1以上の選択ロボット及び1以上の選択操作端末として選択する工程と、前記仲介装置によって、前記1以上の選択操作端末によって前記1以上の選択ロボットを操作することが可能なように、前記1以上の選択操作端末を前記1以上の選択ロボットに接続する工程と、を含む。
【0065】
この構成によれば、操作端末(及び遠隔作業者)を、ロボットを普及させるインフラとして利用することができ、且つ、遠隔作業者に操作端末を操作して報酬を得る機会を提供することができる。その結果、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることができる。
【0066】
前記複数のロボットの各ロボットは、個別動作指令を含む動作指令に従って動作するよう構成されており、前記複数の操作端末の各操作端末は、操作キーを備えており、且つ、前記仲介方法は、前記1以上の選択操作端末及び前記1以上の選択ロボットのうちの互いに接続された選択操作端末及び選択ロボットについて、前記仲介装置が前記選択操作端末から前記操作キーに対応する操作信号を受け取ると、前記仲介装置によって、当該操作信号を前記個別動作指令に変換し、当該個別動作指令を前記選択ロボットに送る工程を含んでいてもよい。
【0067】
この構成によれば、ロボット作業就労システムを機能させることができ、ひいては、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることができる。
【発明の効果】
【0068】
本発明は、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることが可能な仲介装置及びこれを用いた仲介方法を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1に係る仲介装置が用いられるロボット作業就労システムの構成の一例を模式的に示す模式図である。
【
図2】
図2は、
図1の仲介装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1の操作端末の構成一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、操作端末としてのゲーム機のゲームコントローラの構成の一例を示す外観図である。
【
図5】
図5は、
図1のロボットの構成の一例を模式的に示す模式図である。
【
図6】
図6は、ロボットの制御系統の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示されるメニュー画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される募集画面の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される募集の検索画面の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される応募画面の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、接続部の接続態様の一例を模式的に示す模式図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態2の仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される募集画面の一例を示す模式図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態2の仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される就労画面の一例を示す模式図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態3における操作端末としてのゲーム機のゲームコントローラの構成の一例を示す外観図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態3におけるロボットの構成の一例を模式的に示す模式図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態3におけるロボットの制御系統の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図21】
図21は、ロボット操作器のキーの種類を示す表である。
【
図22】
図22は、各軸モードにおけるロボットの動作指令に対するゲームコントローラの操作キーの割り当てを示す表である。
【
図23】
図23は、ワールドモードにおける単独キー操作の場合のロボットの動作指令に対するゲームコントローラの操作キーの割り当てを示す表である。
【
図24】
図24は、ワールドモードにおける複数キー同時操作の場合のロボットの動作指令に対するゲームコントローラの操作キーの割り当てを示す表である。
【
図25】
図25は、ツールモードにおけるロボットの動作指令に対するゲームコントローラの操作キーの割り当てを示す表である。
【
図26】
図26は、仲介装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0071】
(実施形態1)
[ロボット作業就労システムの概要]
図1は、本発明の実施形態1に係る仲介装置が用いられるロボット作業就労システム1の構成の一例を模式的に示す模式図である。
【0072】
図1を参照すると、ロボット作業就労システム1は、データ通信可能なネットワーク4を介して互いに接続された仲介装置2、複数の操作端末3、及び複数のロボット5を含む。
【0073】
以下、ロボット作業就労システム1の概要を説明する。
【0074】
<ロボット作業就労システム1>
ロボット作業就労システム1は、特定未就労者を実社会に貢献させるとともに特定未就労者が家庭にいて収入を得ることを可能にする働き方のシステムである一方、遠隔操作型ロボットの社会的インフラを構築することを可能にするロボット遠隔操作システムでもある。
【0075】
<ネットワーク4>
ネットワーク4は、データ通信可能なネットワークであればよい。ネットワーク4として、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が例示される。
【0076】
<仲介装置2>
仲介装置2は、仲介者が保有する。この仲介者は、ロボット保有者によるロボット5を遠隔操作して作業を行う作業者(以下、遠隔作業者という)の求人と、操作端末3の操作者のロボット5による作業への就労希望とをコーディネートするコーディネーターである。
【0077】
具体的には、この仲介者は、仲介装置2によってネットワーク4上にロボット作業就労サイトを開設することにより、このコーディネートを行う。
【0078】
仲介者として、ロボットメーカー、ネットショップの運営者、人材派遣会社等が例示される。仲介装置2は、サーバで構成される。ここで、「仲介装置2を保有する」とは、仲介装置2を所有する形態、仲介装置2を借りる形態の双方を含む。
【0079】
<ロボット5>
本発明における「ロボット」(ロボット5)は、産業用ロボット及びサービスロボットの少なくともいずれかであり、娯楽用のロボットではない。特定未就労者に社会貢献をさせることが本発明の目的の1つであるからである。
【0080】
産業用ロボットとして、垂直多関節型ロボット、水平多関節型ロボット、パラレルリンク型ロボット、直角座標型ロボット、極座標型ロボット等が例示される。
【0081】
サービスロボットとして、レスキューロボット、清掃ロボット、壁面作業ロボット、警備ロボット、案内ロボット、車椅子ロボット、すしロボット、介護ロボット、ドローンロボット、医療用ロボット等が例示される。なお、本発明における「ロボット」(ロボット5)から医療用ロボットを除外してもよい。医療用ロボットを操作するためには、医療に関する資格、専門知識等が要求される場合があるからである。
【0082】
娯楽用のロボットとして、ゲーム用のロボット、おもちゃのロボット、ペットロボット等が例示される。ゲーム用のロボットとして、対戦ゲーム用のロボット、カーレースゲーム用のレーシングカーロボット、UFOキャッチャ等が例示される。
【0083】
ロボット5は、ここでは、仲介装置2の介在により操作端末3によって遠隔操作される。
【0084】
<操作端末3>
操作端末3は、ネットワークに接続可能な情報端末で構成される。具体的には、操作端末3として、ゲーム機、ゲームコントローラ、ロボット専用の遠隔操作器、携帯情報端末(PDA(Personal Data Assistant))、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、及びタブレットが例示される。操作端末3が、ロボット専用の遠隔操作器以外の既存の操作端末である場合には、操作端末3をロボット普及のインフラとして有効に利用できる。一方、操作端末3が、ロボット専用の遠隔操作器である場合には、操作信号の変換が不要であるので、操作効率のよい操作端末3を提供できる。
【0085】
「操作端末3を遠隔作業者が操作する形態」は、遠隔作業者が操作端末3を所有する形態、遠隔作業者が操作端末3を借りる形態、及び、遠隔作業者が、他者の操作端末3を操作する形態(例えば、遠隔作業者がゲームセンターのゲーム機を操作する形態)を含む。
【0086】
「遠隔作業者」は、特に限定されない。遠隔作業者は、特定未就労者の他、一般人であってもよい。遠隔作業者は、特定のロボット作業に就労する場合、特定の資格(例えば、介護士、看護師等)を有していてもよい。
【0087】
[ロボット作業就労システムの各要素の構成]
以下、ロボット作業就労システム1を構成する各要素の構成を詳細に説明する。
【0088】
<仲介装置2>
図2は、
図1の仲介装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図2において、矢印は、情報(データ、信号、指令、通知等)の流れを表す。
【0089】
図2を参照すると、仲介装置2は、サーバで構成される。具体的には、仲介装置2は、通信器11と、情報処理器12とを備える。
【0090】
通信器11は、データ通信可能なものであればよい。
【0091】
情報処理器12は、通信分配部13、受付部14、接続選択部15、接続部16、仕事評価部17、精算部18、トレーニング部19、教習部20、イベント部21、ロボット登録部22、操作端末登録部23、及び仕事データ記憶部24を備える。
【0092】
図1及び
図2を参照すると、情報処理器12は、例えば、プロセッサPとメモリMとを有する演算器CLで構成される。通信分配部13~イベント部21の各部は、この演算器CLのメモリMに格納された所定のプログラムをプロセッサPが実行することによって実現される機能ブロックである。また、ロボット登録部22、操作端末登録部23、及び仕事データ記憶部24は、上記演算器のメモリMによって構成される。この演算器CLは、具体的には、例えば、コンピュータ、パーソナルコンピュータ、マイクロコントローラ、MPU、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLC(Programmable Logic Controller)等で構成される。情報処理器12は、集中制御を行う単独の演算器CLで構成されてもよく、分散制御を行う複数の演算器CLで構成されてもよい。
【0093】
以下、これらの要素を順に詳しく説明する。
【0094】
{通信器11}
通信器11は、ネットワーク4を介して、操作端末3及びロボット5とデータ通信を行う。具体的には、通信器11は、通信分配部13からの情報を通信データに変換し、この変換した通信データを操作端末3又はロボット5に送信する。また、通信器11は、操作端末3又はロボット5からの通信データを元の情報に変換し、この変換した情報を通信分配部13に送る。
【0095】
{通信分配部13}
通信分配部13は、受付部14からの各種情報、接続部16からの動作指令、及び精算部18からの清算通知を通信器11に送る。
【0096】
通信分配部13は、通信器11からの各種情報を受付部14に送り、通信器11からの操作信号を接続部16に送る。
【0097】
{受付部14}
受付部14は、以下の処理を行う。
【0098】
受付部14は、ロボット5からの遠隔作業者の募集(
図8参照)を受け付け、これを接続選択部15に送り、その採否をロボット5に通知する。受付部14は、操作端末3からの遠隔作業者の応募(
図10参照)を受け付け、これを接続選択部15に送り、その結果(遠隔作業者の採否)を操作端末3に通知する。なお、遠隔作業者が採用された場合、採用通知を募集元のロボット5に通知する。
【0099】
受付部14は、操作端末3からのトレーニングの申し込みを受け付け、これをトレーニング部19に送る。
【0100】
受付部14は、操作端末3からの教習の申し込みを受け付け、これを教習部20に送る。
【0101】
受付部14は、操作端末3からのイベントの申し込みを受け付け、これをイベント部21に送る。
【0102】
{接続選択部15}
*接続選択*
接続選択部15は、受付部14から送られた募集の募集要項が適切である(各項目の記載に不備がない)場合、当該募集を採用し、採用通知を受付部14に送る。受付部14は、通信分配部13及び通信器11を介して、当該採用通知を、募集を申し込んだロボット5に送信する。そして、接続選択部15は、このロボット5にロボットIDを付与し、当該ロボットID及び募集要項を、互いに関連付けて(対応させて)ロボット登録部22に登録する(格納する)。なお、既にロボットIDが付与されている場合、そのロボットIDが用いられる。ロボット5は、当該ロボット5から送信された通信データの送信元識別情報から特定される。ロボット5の登録は、募集した作業が終了したら抹消してもよいし、所定期間維持してもよい。
【0103】
また、接続選択部15は、受付部14から送られた応募の応募要項を、応募対象の募集の募集要項と対比し、応募要項が募集要項に適合するか否か判定する。適合しない場合、不採用通知を受付部14に送る。受付部14は、通信分配部13及び通信器11を介して、当該不採用通知を、応募した操作端末3に送信する。
【0104】
一方、適合する場合、採用通知を受付部14に送る。受付部14は、通信分配部13及び通信器11を介して、当該採用通知を、応募した操作端末3及び募集元のロボッット5に送信する。そして、接続選択部15は、この操作端末3に操作端末IDを付与し、当該操作端末ID及び応募要項を、互いに関連付けて(対応させて)操作端末登録部23に登録する(格納する)。なお、既に操作端末IDが付与されている場合、その操作端末IDが用いられる。操作端末3は、当該操作端末3から送信された通信データの送信元識別情報から特定される。操作端末3の登録は、募集した作業が終了したら抹消してもよいし、所定期間維持してもよい。
【0105】
接続選択部15は、この操作端末3及びロボット5を、選択操作端末及び選択ロボットとして、それぞれの操作端末ID及びロボットIDと一緒に接続部16に通知する。この際、作業形態(人(操作端末)とロボットとの比)も通知する。
【0106】
なお、以下では、選択操作端末3と選択ロボット5とを接続することを「端末-ロボット間を接続する」と略記し、選択操作端末3と選択ロボット5との接続を切断することを「端末-ロボット間を切断する」と略記する場合がある。
【0107】
*仕事実績の蓄積*
接続選択部15は、個々の選択操作端末3について、ロボット5の作業の実施期間の間、1日の作業の開始及び終了に対応する端末-ロボット間の接続及び切断の通知を接続部16から逐一受け取る。そして、これに基づいて、選択操作端末3の遠隔作業者の1日毎及びトータルの就労時間を算出する。また、接続選択部15は、接続部16から、1日の作業の出来高(製品数、作業量、工数等)を受け取る。そして、これに基づいて、選択操作端末3の遠隔作業者のトータルの作業の出来高を算出する。そして、これらの就労時間、作業の出来高、及び当該作業の難度を、操作端末IDと関連付けて、操作端末登録部23に記憶させる。
【0108】
接続選択部15は、これらの就労時間、作業の出来高、及び作業の難度を仕事評価部17に通知し、就労時間を精算部18に通知する。
【0109】
接続選択部15は、個々の操作端末3について、それぞれの遠隔作業者の評価を仕事評価部17から受け取る。接続選択部15は、この評価を操作端末IDと関連付けて、操作端末登録部23に記憶させるとともに、受付部14、通信分配部13及び通信器11を介して、個々の操作端末3に通知する。また、接続選択部15は、この評価を上述の応募要項が募集要項に適合するか否かの判定に利用する。
【0110】
接続選択部15は、トレーニング部19から、トレーニング又はシミュレーションの結果に基づく遠隔作業者のスキルを受け取り、これを、この評価を操作端末IDと関連付けて、操作端末登録部23に記憶させる。また、接続選択部15は、この評価を上述の応募要項が募集要項に適合するか否かの判定に利用する。
【0111】
{接続部16}
*構成*
図12は、
図2の接続部16の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図12を参照すると、接続部16は、操作信号変換部301と、端末側データ授受部302と、ロボット側データ授受部303と、制御部304とを備える。
【0112】
操作信号変換部301は、所定数の個別操作信号変換部C1~Cnを備える。端末側データ授受部302は、所定数の個別端末側データ授受部O1~Onを備える。ロボット側データ授受部303は、所定数の個別ロボット側データ授受部R1~Rnを備える。従って、接続部16は、最大、n台の選択操作端末3とn台の選択ロボット5とをパラレルに(同時に)接続することができる。
【0113】
個別端末側データ授受部O1~Onは、個別操作信号変換部C1~Cnの操作端末3に対するデータの授受部として機能する。個別端末側データ授受部O1~Onは、通信分配部13を介して操作端末3から送られたデータを個別操作信号変換部C1~Cnへ渡し(通過させ)、個別操作信号変換部C1~Cnからのデータを操作端末3に送る(通過させる)。
【0114】
個別ロボット側データ授受部R1~Rnは、個別操作信号変換部C1~Cnのロボット5に対するデータの授受部として機能する。個別ロボット側データ授受部R1~Rnは、通信分配部13を介してロボット5から送られたデータを個別操作信号変換部C1~Cnへ渡し(通過させ)、個別操作信号変換部C1~Cnからのデータをロボット5へ送る(通過させる)。
【0115】
個別操作信号変換部C1~Cnは、個別端末側データ授受部O1~Onからの操作信号を動作指令に変換し、個別ロボット側データ授受部R1~Rnに送る。個別ロボット側データ授受部R1~Rnは、この動作指令をロボット5へ送る(通過させる)。個別操作信号変換部C1~Cnは、操作信号以外のデータを通過させる。また、操作信号であっても、操作端末3がロボット5専用の遠隔操作器である場合は、当該操作信号をそのまま通過させる。従って、後述する、ロボット5から送出された作業映像データは、個別ロボット側データ授受部R1~Rn、個別操作信号変換部C1~Cn、及び個別端末側データ授受部O1~Onを経由して、操作端末3に届く。
【0116】
制御部304は、選択操作端末3の操作端末ID及び選択ロボット5のロボットIDと作業形態とを受け取ると、作業形態に応じて、操作端末ID及びロボットIDを、それぞれ、個別端末側データ授受部O1~On及び個別ロボット側データ授受部R1~Rnに割り当てる(関連付ける)。これにより、選択操作端末3と選択ロボット5とが接続される。すなわち、選択操作端末3と選択ロボット5とが接続部16(仲介装置2)を介してデータ通信することが可能な状態が確立される。一方、制御部304が操作端末ID及びロボットIDの個別端末側データ授受部O1~On及び個別ロボット側データ授受部R1~Rnへの割り当てを解除すると選択操作端末3と選択ロボット5との接続が切断される。
【0117】
ここで、操作端末3と選択ロボット5とが選択操作端末3と選択ロボット5として登録された後の作業の実施方法の一例について説明する。操作端末3と選択ロボット5とが選択操作端末3と選択ロボット5として登録されと、登録された旨の通知が選択操作端末3及び選択ロボット5に送られる。この際、ロボット作業実施用の専用サイトのURLが一緒に通知される。この専用サイトは仲介装置2によってネットワーク4上で運用され、この専用サイトから仲介装置2の接続部16にアクセスすることができるようになっている。選択操作端末3及び選択ロボット5はそれぞれこの専用サイトにアクセスし、そこからログイン及びログアウトすることによって、ロボット作業を実施する。このログインの際には、操作端末ID又はロボットIDを用いた認証が行われる。
【0118】
制御部304は、選択ロボット5の作業の実施期間の間、以下の通知を選択操作端末3及び選択ロボット5から受け取る。作業開始の際には、選択ロボット5から、準備完了(動作可能)の通知を受け取り、また、選択操作端末3から、作業開始の通知を受け取る。これらの両方の通知を受け取ると、選択操作端末3及び選択ロボット5について、端末-ロボット間を接続する。作業終了の際には、選択ロボット5から、作業終了の通知を受け取り、また、選択操作端末3から、作業終了の通知を受け取る。これらの両方の通知を受け取ると、選択操作端末3及び選択ロボット5について、端末-ロボット間を切断する。また、制御部304は、操作端末3から離脱通知を受け取ると、これをロボット5に転送し、端末-ロボット間を切断する。これにより、遠隔操作者は、ロボット5の作業から離脱することができる。
【0119】
制御部304は、個々の選択操作端末3について、これらの端末-ロボット間の接続及切断を、逐一、接続選択部15に通知する。また、制御部304は、選択ロボット5から1日の作業の出来高(製品数、作業量、工数等)を受け取り、これを接続選択部15に通知する。
【0120】
また、後述するように、制御部304は、トレーニング部19及びイベント部21から、特定の操作端末3とロボット5とを接続する指令を受けると、当該特定の操作端末3とロボット5とを接続し、当該特定の操作端末3とロボット5との接続を切断する指令を受けると、当該特定の操作端末3とロボット5との接続を切断する。
【0121】
*接続態様*
図13は、接続部16の接続態様の一例を模式的に示す模式図である。
【0122】
図13(a)を参照すると、操作端末3とロボット5との比が1:1である場合、1つの個別端末側データ授受部(例えばO1)と、1つの個別操作信号変換部(例えばC1)と、1つの個別ロボット側データ授受部(例えばR1)と、が互いに関連付けられる。この場合、1つの個別端末側データ授受部O1が受けた1台の操作端末3の操作信号を、1つの個別操作信号変換部C1が1台のロボット5の動作指令に変換し、この動作指令を1つの個別ロボット側データ授受部R1が当該1台のロボット5に送出する。
【0123】
図13(b)を参照すると、操作端末3とロボット5との比が2:1である場合、2つの個別端末側データ授受部(例えばO1,O2)と、2つの個別操作信号変換部(例えばC1,C2)と、1つの個別ロボット側データ授受部(例えばR1)と、が互いに関連付けられる。この場合、2つの個別端末側データ授受部O1,2がそれぞれ受けた2台の操作端末3の操作信号を、2つの個別操作信号変換部C1,C2が1台のロボット5の動作指令に変換し、この動作指令を1つの個別ロボット側データ授受部R1が当該1台のロボット5に送出する。このような作業形態として、ロボット5が双腕ロボットであり、左右の腕を2人の遠隔作業者がそれぞれの操作端末3によって操作する形態が例示される。
【0124】
図13(c)を参照すると、操作端末3とロボット5との比が1:2である場合、1つの個別端末側データ授受部(例えばO1)と、1つの個別操作信号変換部(例えばC1)と、2つの個別ロボット側データ授受部(例えばR1,R2)と、が互いに関連付けられる。この場合、1つの個別端末側データ授受部O1が受けた1台の操作端末3の操作信号を、1つの個別操作信号変換部C1が2台のロボット5それぞれの動作指令に変換し、この2つの動作指令を2つの個別ロボット側データ授受部R1,R2が、それぞれ、当該2台のロボット5に送出する。このような作業形態として、バッチ作業において相前後する2つの工程を、1人の遠隔作業者が操作端末3によって2台のロボット5を操作しながら順に遂行する形態が例示される。この場合、2台のロボット5の動作指令が、それぞれ、操作端末3の複数の操作キー(操作信号)に、割り当てられる。
【0125】
図13(d)を参照すると、操作端末3とロボット5との比が2:3である場合、2つの個別端末側データ授受部(例えばO1,O2)と、2つの個別操作信号変換部(例えばC1、C2)と、3つの個別ロボット側データ授受部(例えばR1,R2,R3)とが、互いに関連付けられる。この場合、第1の個別端末側データ授受部O1が受けた第1の操作端末3の操作信号を、第の個別操作信号変換部C1が第1のロボット5の動作指令に変換する。また、第2の個別端末側データ授受部O2が受けた第2の操作端末3の操作信号を、第2の個別操作信号変換部C2が第2及び第3のロボット5それぞれの動作指令に変換し、この2つの動作指令を第2及び第3の個別ロボット側データ授受部R2,R3が、それぞれ、第2及び第3のロボット5に送出する。
【0126】
このような作業形態として、第1乃至第3のロボット5が協調動作して所定の作業を遂行する場合において、一方の遠隔作業者がその操作端末3によって第1のロボット5を操作し、他方の遠隔作業者がその操作端末3によって第2のロボット5及び第2のロボット5を操作する形態が例示される。この場合、第1及び第2のロボット5の動作指令が、それぞれ、他方の遠隔作業者の操作端末3の複数の操作キー(操作信号)に、割り当てられる。
【0127】
操作端末3の数が3以上の場合及びロボット5の数が4以上の場合も上記と同様である。
【0128】
*操作信号の変換*
次に、操作端末3の操作信号からロボット5の動作指令への変換について説明する。
【0129】
操作信号から動作指令への変換は、以下の手順によって、必ず行うことができる。
【0130】
第1に、ロボット5の動作指令に操作端末3の操作信号を割り当てる。換言すると、ロボット5の動作指令に操作端末3の操作キーを割り当てる。第2に、割り当てた操作信号に基づいて当該操作信号に対応する動作指令を生成する。第3に、動作指令の数に対して操作信号の数が不足する場合、残った(余った)動作指令に対して所定の複数の操作信号の組み合わせを割り当てる。換言すると、残った動作指令に対して、同時押しされる所定の複数の操作キーの組み合わせを割り当てる。
【0131】
接続部16は、よく知られた型名の多数の操作端末3の操作信号(操作キー)及びよく知られた型名の多数のロボット5の動作指令について、操作信号から動作指令への変換手法をパターン化してこれを記憶している。一方、選択操作端末3の型名は既知であり(
図10参照)、また、選択ロボット5の型名は、別途、選択ロボット5から通知される。従って、接続部16は、選択操作端末3の型名及び選択ロボット5の型名に該当する操作信号から動作指令への変換手法を用いることによって、操作信号を動作指令に変換することができる。
【0132】
{仕事評価部17}
仕事評価部17は、就労時間、作業の出来高、及び作業難度を接続選択部15から受け取る。仕事評価部17は、例えば、トータルの作業の出来高をトータルの就労時間で割って単位時間当たりの作業の出来高を算出し、これに当該作業の難度を示す係数を掛けて、該当する操作端末3の遠隔作業者の能力(スキル)を示す能力指数を算出する。
【0133】
仕事評価部17は、この能力指数を個々の遠隔作業者の絶対能力として評価する。
【0134】
また、仕事評価部17は、全ての遠隔作業者の能力指数における個々の遠隔作業者の能力指数の順位を算出し、この順位を、個々の遠隔作業者の相対的能力として評価する。
【0135】
仕事評価部17は、例えば、絶対能力及び相対能力について、個々の遠隔作業者をランク付けし、且つ、ランクに応じて、作業上のステータスを付与する。このステータスとして、例えば、ランクに応じて、技能レベル及び資格を付与する。ここでは、技能レベルとして、絶対能力のランクの高い順にA~Eのレベルが付与され、資格として、相対能力のランクの高い順に1級~5級の資格が付与される。また、ステータスとして、マスター等の称号、職位等を付与してもよい。また、仕事評価部17は、ランクに応じて、遠隔作業者の報酬(時間単価、ボーナス等)を定めてもよい。これらの遠隔作業者の待遇は、ロボット5の保有者の合意に基づいて、定められる。
【0136】
仕事評価部17は、これらの評価を、操作端末IDと関連付けて仕事データ記憶部24に記憶し、且つ、接続選択部15に通知する。
【0137】
この仕事評価により、遠隔作業者の競争意欲を引き出すことができる。
【0138】
{精算部18}
精算部18は、接続選択部15から受け取った就労時間に基づいて、操作端末3の遠隔作業者に対する報酬金額を算出し、これを通信分配部13及び通信器11を介して、操作端末3に通知する。そして、精算部18は、所定の清算方法によって、当該遠隔作業者に当該報酬を支払う。所定の清算方法として、指定銀行口座への振り込み、指定のクレジット会社を利用した精算等が例示される。
【0139】
{トレーニング部19}
トレーニング部19は、受付部14からトレーニングの申し込みを受け取ると、操作端末3の遠隔作業者をトレーニングする。このトレーニングとして、ロボット5を用いたトレーニング、ゲームを用いたトレーニング等が例示される。ロボット5を用いたトレーニングでは、例えば、ロボット5の操作方法、ロボット5による作業の仕方、等が訓練される。
【0140】
また、トレーニング部19は、遠隔作業者に、トレーニングの代わりに、ロボット5のシミュレーションを提供してもよい。このシミュレーションとして、ロボット5を用いたシミュレーション、ゲームを用いたシミュレーション等が例示される。ロボット5を用いたシミュレーションでは、例えば、ロボット5の操作方法、ロボット5による作業の仕方、等が模擬される。
【0141】
トレーニング又はシミュレーションにロボット5を利用する場合、トレーニング部19は、トレーニング又はシミュレーションの開始及び終了に応じて、申し込んだ操作端末3と利用するロボット5とを接続し及びその接続を切断するよう、接続部16に通知する。これにより、当該操作端末3と当該ロボット5とが接続されてトレーニング又はシミュレーションが行われ、且つトレーニング又はシミュレーションが終了するその接続が切断される。
【0142】
トレーニング部19は、トレーニング又はシミュレーションの結果に基づいて、遠隔作業者の能力(スキル)を評価し、この評価に応じて、上述の技能レベル(絶対評価)及び資格(相対評価)を付与する。トレーニング部19は、この評価(技能レベル、資格を含む)を接続選択部15に通知するとともに、通信分配部13及び通信器11を介して、当該操作端末3に通知する。
【0143】
このトレーニング又はシミュレーションによれば、ロボット5の作業に就労する遠隔操作業者のスキルを一定レベル以上に維持することができる。また、ロボット作業就労システム1を利用して就労したことがない人が、作業に必要な技能レベル及び資格を取得して、ロボット作業就労システム1を利用できるようにすることができる。
【0144】
{教習部20}
教習部20は、申し込んだ操作端末3の遠隔作業者に、上述の資格を得るための教習を実施する。具体的には、教習部20は、資格を得るために仕組み(例えば、作業実績に応じて資格が付与されること、トレーニング又はシミュレーションによって資格を得ることができること等)、ロボット5に関する基礎知識、作業に関する基礎知識等の説明を行う。
【0145】
この教習により、遠隔作業者に「技能レベル」及び「資格」を取得する機会を与えるとともに能力向上の機会を与えることができる。
【0146】
{イベント部21}
イベント部21は、遠隔操作者が集え、且つ、ロボット5を社会に広めることが可能なイベントを実施する。例えば、イベント部21は、産業用ロボット5を用いた競技を実施する。この競技は、例えば、実際の作業(塗装、組み立て、ピッキング等)を如何に早く、又は、如何に品質良く遂行するかを競う。そして、この映像を、インターネットを通じて、世界に配信する。
【0147】
この場合、イベント部21は、競技の開始及び終了に応じて、申し込んだ操作端末3と利用するロボット5とを接続し及びその接続を切断するよう、接続部16に通知する。これにより、当該操作端末3と当該ロボット5とが接続されて競技が行われ、且つ競技が終わるとその接続が切断される。
【0148】
このイベントにより、操作端末3でロボット5を遠隔操作するシステム1を社会に広く認知させることができ、ひいては、ロボット5の利用拡大を図ることができる。
【0149】
<操作端末3>
図3は、
図1の操作端末3の構成一例を示す機能ブロック図である。
図3を参照すると、操作端末3は、本体部30と操作部33とを備える。本体部30は、通信部31と、処理部32と、表示部34とを備える。通信部31は、ネットワーク4を介して、仲介装置2とデータ通信を行う。具体的には、通信部31は、処理部32からの情報を通信データに変換し、この変換した通信データを仲介装置2に送信する。また、通信部31は、仲介装置2からの通信データを元の情報に変換し、この変換した情報を処理部32に送る。
処理部32は、ここでは、操作部33の操作キーの操作によって発生した操作信号を、通信部31を介して仲介装置2に送る。また、処理部32は、通信部31を介して、仲介装置2から受け取ったロボット5の作業映像を表示部34に表示する。また、処理部32は、操作部33の操作キーの適宜な操作に応じて、仲介装置2と各種の通信を行う。
【0150】
操作部33は、複数の操作キーが操作されると、その操作に応じた操作信号を発生する。ここでは、操作端末3がゲーム機である場合について説明する。
【0151】
図4は、操作端末3としてのゲーム機のゲームコントローラ33の構成の一例を示す外観図である。
【0152】
図4を参照すると、ゲームコントローラ33は略逆U字形をしている。遠隔作業者は、両翼部のハンドル101L,101Rを左右両手で把持して操作する。ゲームコントローラ33の左右上面には、操作キー群110、十字キー120、及びアナログスティックキー112,122が設けられており、ゲームコントローラ33の右前面にはR1キー111、左前面にはL1キー121がそれぞれ設けられている。操作キー群110及びアナログスティックキー112は遠隔作業者の右手親指で操作され、十字キー120及びアナログスティックキー122は遠隔作業者の左手親指で操作される。また、R1キー111及びL1キー121は、それぞれ遠隔作業者の右手人指し指及び左手人指し指で操作される。ゲームコントローラ33は、さらに操作キー群110と十字キー120との間にタッチパッド130を備えている。
【0153】
本実施形態では、仲介装置2の接続部16によって、例えば、以下のように、ロボット5の動作指令に対し操作信号(操作キー)が割り当てられる。
【0154】
図4及び
図5を参照すると、ここでは、例えば、ロボット5の位置指令に、十字キー120の操作信号及びアナログスティックキー122の操作信号が割り当てられる。そして、ロボット5のエンドエフェクタ51eの各種動作指令に、操作キー群110が割り当てられる。また、ロボット5に複数の動作を行わせるためのコマンドに、R1キー111及びL1キー121のそれぞれの操作信号が割り当てられる。
【0155】
これにより、遠隔作業者がゲームコントローラ33を用いてロボット5を操作することができる。そして、このゲームコントローラ33によれば、遠隔作業者がゲーマーである場合には、使い慣れているので、高度なスキルを発揮してロボット5を上手く操作することができる。
【0156】
<ロボット5>
図5は、
図1のロボット5の構成の一例を模式的に示す模式図である。
図5を参照すると、ロボット5は、ロボット本体51と、ロボットコントローラ52と、撮像器としてのカメラCAと、を備える。
【0157】
ロボット本体51は、例えば、垂直多関節型ロボットであり、基台51aと、下アーム51bと、上アーム51cと、手首51dと、手首51dの先端に装着されたエンドエフェクタ51eとを含む。エンドエフェクタ51eは、ここでは塗装ガンである。
【0158】
ここでは、ロボット5の作業は、作業対象53を塗装することである。作業対象は、支持台55上に載置されたパネル54である。ロボット5は、遠隔作業者によって操作されて、塗装ガン51eを移動させながら塗料を噴出してパネル54を塗装する。カメラCAは、このロボット5による作業の様子を撮像し、この撮像した作業映像をロボットコントローラ52に送る。
【0159】
図6は、ロボット5の制御系統の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6を参照すると、ロボットコントローラ52は、仲介装置2から送られる動作指令に従って、ロボット本体51及びエンドエフェクタ51eの動作を制御する。また、カメラCAからの作業映像を仲介装置2に送る。また、ロボットコントローラ52は、ネットワーク4を介して仲介装置2とデータ通信し必要に応じて、その通信内容を表示器56に表示する。仲介装置2とのデータ通信においては、必要に応じて、所定の操作者が図示しない入力装置を操作して、必要な処理(例えば、募集処理等)を行う。
【0160】
本発明においては、ロボットコントローラ52がデータ通信することを、ロボット5がデータ通信すると表現する。
【0161】
[ロボット作業就労システム1の動作]
次に、以上のように構成されたロボット作業就労システム1の動作を順に説明する。
【0162】
<募集>
図7は、仲介装置2によってロボット作業就労システムサイトに掲示されるメニュー画面の一例を示す模式図である。
図8は、仲介装置2によってロボット作業就労システムサイトに掲示される募集画面の一例を示す模式図である。
【0163】
図7を参照すると、仲介装置2の受付部14は、外部からアクセスされると、
図7に示すメニュー画面をアクセス元に表示する。ここでは、ロボット5がアクセスすると、ロボット5の表示器56にこのメニュー画面が表示される。ロボット5の所定の操作者が「募集」をクリックすると、
図8に示す募集画面が表示器56に表示される。
【0164】
図8において、番号1~13の項目が募集要項であり、「現在の倍率又は待機人数」は、募集が採用された後、募集を検索する際に表示される項目である。
【0165】
ロボット5の上記所定の操作者は、「募集者」の内容欄に、ロボット5の保有者の名称を記入し、「ロボットタイプ」の内容欄には、ロボット5のタイプを記入し、「作業形態」の内容欄に、操作者数(操作端末数)とロボット数との比を記入し、「作業時期」の内容欄に、作業の開始日及び終了日を記入し、「作業時間」の内容欄に、作業の開始時刻及び終了時刻を記入し、「自由離脱可否」の内容欄に、通知による作業の離脱を認めるか否かを記入し、「報酬」の内容欄に、1つの作業に対する支払金額を記入し、「技能レベル」の内容欄に、作業に必要とされる技能レベルを記入し、「資格」の内容欄に、作業に必要な資格を記入し、「募集人数」の内容欄に、作業の数、作業形態に応じた人数を記入し、「採用方法」の内容欄に、遠隔作業者の採用方法を記入し、「作業難度」の内容欄に、作業の難しさの程度を記入する。
【0166】
ここで、「ロボットタイプ」は、「多関節ロボット」、「パラレルリンクロボット」のように記入する。「作業の開始日」は、「即時開始」であってもよい。「採用方法」は、例えば、「応募順」、「適者選抜」、「オークション」等と記入する。「作業難度」は、例えば、「普通」、「難しい」、「易しい」等と記入する。難度をこれ以外の分類で表現してもよい。また、作業難度を適切に表すことが困難な場合は、これを省略してもよい。
【0167】
上記所定の操作者が記入を終えて、図示されない確定ボタンをクリックすると、仲介装置2の接続選択部15によって適否が判定される。
【0168】
不適である場合には、「不採用」の判定結果が表示される。この場合、上記所定の操作者は、募集の申し込みを再試行するか断念する。
【0169】
適切である場合には、募集が採用され、その旨が表示される。また、ロボットIDが表示され、ロボット5の募集手続が完了する。一方、仲介装置2は、この募集要項をロボッIDと関連つけてロボット登録部22に登録する。
【0170】
<応募及び端末-ロボット間の接続>
図9は、仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される募集の検索画面の一例を示す模式図である。
図10は、仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される応募画面の一例を示す模式図である。
【0171】
図7を参照すると、操作端末3がアクセスすると、操作端末3の表示部34にこのメニュー画面が表示される。遠隔作業者が「応募」をクリックすると、
図9に示す検索画面が表示部34に表示される。この検索画面は、募集要項の各項目に対応している。遠隔作業者は、各項目について、所望の内容を入力する。募集要項の項目以外の事項について検索したい場合は、キーワードで検索することができる。遠隔作業者が全ての検索項目を確定させて、「検索する」のキーをクリックすると、検索項目に適合する募集のリスト(不図示)が表示される。遠隔作業者は、このリストの個々の募集を適宜閲覧する。この場合、閲覧時に表示される募集要項には、
図8に示すように、「現在の倍率又は待機人数」が表示される。「現在の倍率」は、募集している作業の実施開始前における募集人数に対す応募者の人数の比率であり、「現在の待機人数」は、募集している作業が実施されている場合において就労を待機している人数である。遠隔作業者は、これらの表示を参考にする。「倍率」が低い又は「待機人数」が少ないほど、採用されやすいが、人気がないのかもしれないからである。
【0172】
遠隔作業者は、応募する募集を決めたら、図示されない「応募する」のキーをクリックする。すると、
図10に示す応募画面が表示部34に表示される。遠隔作業者は、応募要項の各項目に記入する。
【0173】
ここでは、例えば、遠隔作業者は、「応募者」の内容欄に、自身の氏名を記入し、「ロボットタイプ」の内容欄に、多関節ロボットと記入し、「作業内容」の内容欄に、「部品組付け」と記入し、「作業形態」の内容欄に、「操作者1:ロボット1」と記入し、「就労時期」の内容欄に、「即時開始」と記入し、「就労時間」の内容欄に、「開始14:00 終了16:00」と記入し、「自由離脱可否」の内容欄に、「可」と記入し、「報酬」の内容欄に、「1,000円」と記入し、「技能レベル」の内容欄に、「A」と記入し、「資格」の内容欄に、「1級」と記入し、「募集人数」の内容欄に、「100人」と記入し、「採用方法」の内容欄に、「応募順」と記入し、「作業難度」の内容欄に、「普通」と記入し、「操作器タイプ」の内容欄に、自身の操作端末の型名を記入し、「許容倍率又は待機人数」の内容欄に、「待機人数:1人」と記入する。
【0174】
遠隔作業者が、記入を終えて、図示されない確定ボタンをクリックすると、仲介装置2の接続選択部15が以下のように動作する。
【0175】
図11は、
図2の接続選択部15の動作の一例を示すフローチャートである。
【0176】
図11を参照すると、接続選択部15は、募集要項と応募要項とを対比する(ステップS1)。
【0177】
次いで、接続選択部15は、募集要項に応募要項が適合するか判定する(ステップS2)。ここで、この判定の一例を説明する。もちろん、他の判定方法を適用してもよい。
【0178】
図10に示す応募の対象である募集要項(図示せず)は、例えば、「ロボットタイプ」の内容欄に、「多関節ロボット」と記載入されており、「作業内容」の内容欄に、「部品組付け」又は「塗装」と記載さており、「作業形態」の内容欄に、「操作者1:ロボット1」と記入されており、「就労時期」の内容欄に、「即時開始」と記入されており、「作業時間」の内容欄に、「開始8:00 終了17:00」と記載されており、「自由離脱可否」の内容欄に、「可」と記載されており、「報酬」の内容欄に、「1,000円」と記載されており、「技能レベル」の内容欄に、「B」以上と記載されており、「資格」の内容欄に、「2級」以上と記載されており、「募集人数」の内容欄に、「1000人」と記載されており、「採用方法」の内容欄に、「応募順」と記載されており、「作業難度」の内容欄に、「易しい」と記載されている。
【0179】
また、接続選択部15は、「技能レベル」及び「資格」を判定する際に、応募要項に記入された「技能レベル」及び「資格」を、仕事評価部17又はトレーニング部19によって応募者に付与された「技能レベル」及び「資格」と対比し、両者が異なる場合には、後者によって、「技能レベル」及び「資格」の適否を判定する。作業に支障が生じないようにするためである。ここでは、例えば、応募要項に記入された「技能レベル」及び「資格」が、トレーニング部19によって応募者に付与された「技能レベル」及び「資格」と一致している。
【0180】
従って、この場合、募集要項に示された採用条件を、応募要項に示された就労条件が満たしている。そこで、接続選択部15は、応募要項が募集要項に適合すると判定する。
【0181】
なお、募集要項の作業時間に対する応募要項の就労時間の適否を判定する場合、ここでは、応募要項の就労時間が募集要項の作業時間の範囲内であれば適合すると判定した。しかし、この判定基準は、一例であり、他の判定基準を採用してもよい。例えば、応募要項の就労時間が募集要項の作業時間に一致する場合のみに適合すると判定してもよく、応募要項の就労時間が募集要項の作業時間より長い(所定時間外の就労を許容する)場合のみに適合すると判定してもよい。
【0182】
なお、適合しない場合には、「不採用」の判定結果が受付部14に通知され(ステップS5)、受付部14によって、表示部34に「不採用」が表示される。この場合、遠隔作業者は、応募を再試行するか断念する。
【0183】
上述のように、適合する場合は、遠隔作業者が採用され、その旨が表示部34に表示される。また、操作端末IDが表示され、操作端末3の応募手続が完了する。一方、接続選択部15は、操作端末3を選択操作端末として、この応募要項を操作端末Dと関連付けて操作端末登録部23に登録する。また、このロボット5を選択ロボット5として、ロボット登録部22に登録する(ステップS3)。
【0184】
ここで、接続選択部15は、募集した作業の実施開始時期が到来すると、選択操作端末3と選択ロボット5とを接続するのであるが、ここでは、作業の開始時期が「即時開始」であるので、上述した処理方法によって、この選択操作端末3と選択ロボット5とを接続する(ステップS4)。
【0185】
遠隔作業者は、ロボット5から送られて表示部34に表示される作業映像を見ながらゲームコントローラ33のキーを操作する。すると、このキー操作による操作信号が仲介装置2の接続部16で動作指令に変換され、ロボットコントローラ52がこの動作指令に従って、ロボット5の動作を制御する。
【0186】
これにより、遠隔作業者が、操作端末3によって、ロボット5を操作して作業を行うことができる。
【0187】
遠隔作業者の1日の就労の終了時刻になると、上述のように、接続部16が、選択操作端末3の端末-ロボット間の接続を切断する。
【0188】
なお、遠隔作業者の1日の就労の開始時刻には、接続部6が、上述のように、ロボット5及び操作端末3からの通知によって、選択操作端末3の端末-ロボット間を接続する。
【0189】
以降、このような端末-ロボット間の接続及び切断が繰り返される。
【0190】
また、ここでは、作業からの自由離脱が許容されるので、遠隔作業者は、作業から離脱したい場合、作業から離脱することを仲介装置2に通知する。すると、接続部16が、操作端末3の端末-ロボット間の接続を切断する。
【0191】
<仕事評価及び精算>
この遠隔作業者による仕事が上述のように、仕事評価部17によって評価され、且つ、精算部18によって精算されてその対価である報酬が支払われる。
【0192】
<トレーニング等>
遠隔作業者が操作端末3によって、ロボット作業就労サイトにアクセスすると、上述のように、
図7に示すメニュー画面が表示部34に表示される。遠隔作業者が、「トレーニング」をクリックすると、上述のように、トレーニング部19によるトレーナー又はシミュレーションを受けることができる。
【0193】
また、遠隔作業者が、「教習」をクリックすると、上述のように、教習部20による教習を受けることができる。
【0194】
また、遠隔作業者が、「イベント」をクリックすると、上述のように、イベント部21が主催するイベントに参加することができる。
【0195】
<認証>
ロボット5が、募集の申し込みをする場合、及び操作端末3が、応募、トレーニング、教習、又はイベントへの参加の申し込みをする場合は、上述のように、認証が要求されない。しかし、申し込みが済んだ手続きについて、次回以降の手続きを行うためにロボット作業就労サイトにアクセスした場合には、パスワード、ID等を用いた所定の認証が行われる。
【0196】
<自由就労>
実施形態1のロボット作業就労システム1は、自由就労ができることを特徴の1つとしている。
図14は、自由就労用の施策を示す表である。
【0197】
図14を参照すると、自由就労の施策として、第1に、
図8及び
図10に例示するように、ロボット5の保有者が許容する場合には、就労時間を指定することができる。これにより、働きたい人が、働きたいときに働くことできる。
【0198】
第2に、上述のように、操作端末3が仲介装置2に離脱通知を送ることによって、ロボット5の操作者(遠隔作業者)が作業から離脱することができる。これにより、働けないときには、働かなくて済む。
【0199】
第3に、ロボット5の保有者が希望する場合には、ロボット5の作業の実施時期における終了日が到来するまで、募集が継続される。
【0200】
第4に、募集画面(
図8)に、募集人数に対する応募人数の過不足が表示される。
【0201】
第3及び第4の施策により、自由就労を認めることによって作業が途切れるという負の側面を補うことができる。
【0202】
実際、ロボット5による作業には、途切れてもさほど支障を来さない作業が多数存在する。例えば、サブアッセンブリの組み立て等の簡単なバッチ作業等が該当する。
【0203】
また、ロボット作業就労システム1が広く認知されて募集数及び応募数が著しく増大すれば、自由就労を認めても、作業に必要な遠隔作業者を十分に確保することが可能になり、途切れることなく、作業を遂行することが可能になる。
【0204】
さらに、操作端末3を操作することによって仕事ができるので、働きたい人が、自分の生活のテリトリーで働くことができる。
【0205】
[効果]
以上の説明から明らかなように、実施形態1によれば、遠隔操作ロボット5の利用拡大を図ることができる。また、特定未就労者を実社会に貢献させることができる。しかも、特定未就労者が家庭にいて収入を得ることができる。
【0206】
(実施形態2)
図15は、本発明の実施形態2の仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される募集画面の一例を示す模式図である。
図16は、本発明の実施形態2の仲介装置によってロボット作業就労システムサイトに掲示される就労画面の一例を示す模式図である。
【0207】
実施形態2では、操作端末3による応募方法が実施形態1と異なっており、それ以外の構成は実施形態1と同じである。
【0208】
実施形態2では、募集要項は実施形態1の募集要項と同じである。但し、募集画面に「現在の倍率又は待機人数」が表示されない。
【0209】
操作端末3が応募するには、
図16に示す就労要項を操作端末3が仲介装置2に送る。就労要項の各項目は、実施形態1の応募要項(
図10参照)と同じである。但し、「許容倍率又は待機人数」の項目は存在しない。
【0210】
仲介装置2では、接続選択部15が、その時点で採用されている募集要項とその時点で採用されている就労要項とを対比し、互いに相手の要項に適合する募集要項及び就労要項にそれぞれ対応するロボット5及び操作端末3を、それぞれ、選択ロボット及び選択操作端末として選択する。
【0211】
これ以外の処理は実施形態1と同じである。
【0212】
このような実施形態2によれば、実施形態1と同様に、遠隔操作ロボット5の利用拡大を図ることができる。また、特定未就労者を実社会に貢献させることができる。しかも、特定未就労者が家庭にいて収入を得ることができる。
【0213】
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、実施形態1における操作端末3の操作信号からロボット5の動作指令への変換の詳細を例示する実施形態である。従って、実施形態3におけるロボット作業就労システム1の全体構成は実施形態1におけるロボット作業就労システム1の構成と同じである。
【0214】
以下では、操作端末3がゲーム機である場合について説明する。
【0215】
図17は、実施形態3における操作端末3としてのゲーム機のゲームコントローラ33の構成の一例を示す外観図である。
図17のゲームコントローラ33は、
図3のゲームコントローラ33と同じである。
図17では、ゲームコントローラ33の各操作キーに参照符号が付されていて、これらを説明することが可能になっている。
【0216】
図17を参照すると、ゲームコントローラ33の左右上面には、操作キー群110、十字キー120、右ジョイスティック112及び左ジョイスティック122が設けられており、ゲームコントローラ33の右前面には右コマンドキー111、左前面には左コマンドキー121がそれぞれ設けられている。操作キー群110は、第1多目的キー110a、第2多目的キー110b、第3多目的キー110c、及び第4多目的キー110dで構成される。
【0217】
操作キー群110および右ジョイスティック112は操作者の右手親指で操作され、十字キー120および左ジョイスティック122は操作者の左手親指で操作される。また、右コマンドキー111及び左コマンドキー121は、それぞれ操作者の右手人指し指及び左手人指し指で操作される。ゲームコントローラ33は、さらに操作キー群110と十字キー120との間にタッチパッド130を備えている。
【0218】
<ロボット5>
図18は、実施形態3におけるロボット5の構成の一例を模式的に示す模式図である。
図18のロボット5は、
図5のロボット5と同じである。
図18では、ロボット本体151の細部に参照符号が付されていて、ロボット本体151をより詳細に説明することが可能になっている。
【0219】
図18を参照すると、ロボット5は、ロボット本体151と、ロボットコントローラ52と、撮像器としてのカメラCAと、を備える。
【0220】
ロボット本体151は、例えば、垂直多関節型ロボットであり、基台151aと、旋回体151bと、下アーム151cと、上アーム151dと、手首151eと、手首151eの先端に装着されたエンドエフェクタ151fとを含む。エンドエフェクタ151fは、ここでは塗装ガンである。
【0221】
ここでは、ロボット5の作業は、作業対象53を塗装することである。作業対象53は、支持台55上に載置されたパネル54である。ロボット5は、遠隔作業者によって操作されて、塗装ガン151fを移動させながら塗料を噴出してパネル54を塗装する。カメラCAは、このロボット5による作業の様子を撮像し、この撮像した作業映像をロボットコントローラ52に送る。
【0222】
図19は、実施形態3におけるロボット5の制御系統の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図19を参照すると、ロボットコントローラ52は、仲介装置2から送られる動作指令(個別動作指令)に従って、ロボット本体151及びエンドエフェクタ151fの動作を制御する。また、カメラCAからの作業映像を仲介装置2に送る。また、ロボットコントローラ52は、ネットワーク4を介して仲介装置2とデータ通信し、必要に応じて、その通信内容を表示器56に表示する。仲介装置2とのデータ通信においては、必要に応じて、所定の操作者が図示しない入力装置を操作して、必要な処理(例えば、募集処理等)を行う。
【0223】
本発明においては、ロボットコントローラ52がデータ通信することを、ロボット5がデータ通信すると表現する。
【0224】
仲介装置2では、通信器11が、ネットワーク4を介して、操作端末3及びロボット5とデータ通信を行う。具体的には、通信器11は、通信分配部13からの情報を通信データに変換し、この変換した通信データを操作端末3又はロボット5に送信する。また、通信器11は、操作端末3又はロボット5からの通信データを元の情報に変換し、この変換した情報を通信分配部13に送る。
【0225】
通信分配部13は、通信器11からの操作信号の接続部16への分配及び接続部16からの動作指令の通信器11への送出を行う。
【0226】
接続部16においては、実施形態1で説明したように、操作信号変換部301、端末側データ授受部302、ロボット側データ授受部303、及び制御部304がそれぞれ所要の動作を分担して、操作信号から動作指令への変換を行うのであるが、以下では、説明を判り易くするために、操作信号から動作指令への変換の全ての動作を接続部16が行うものとして説明する。また、以下では、簡略化のため、「選択操作端末」を単に「操作端末」と呼び、「選択ロボット」を単に「ロボット」と呼ぶ。
【0227】
接続部16は、実施形態1で説明したように、通信器11及び通信分配部13を介して操作端末3から操作信号を受け取ると、これを動作指令に変換し、これを通信分配部13及び通信器11を介してロボット5に送る。なお、接続部16は、操作信号が変換する必要がないもの(例えば、操作端末3の操作部がロボット5の専用の操作器である場合における操作信号)である場合は変換しない。また、接続部16は、ロボット5からの作業映像を操作端末3に向けて通過させる。
【0228】
{操作信号の変換}
次に、操作端末3の操作信号からロボット5の動作指令への変換について説明する。実施形態1で説明したように、操作信号から動作指令への変換は、以下の手順によって、必ず行うことができる。
【0229】
第1に、ロボット5の動作指令に操作端末3の操作信号を割り当てる。換言すると、ロボット5の動作指令に操作端末3の操作キーを割り当てる。第2に、割り当てた操作信号に基づいて、当該操作信号に対応する動作指令を生成する。第3に、動作指令の数に対して操作信号の数が不足する場合、残った(余った)動作指令に対して所定の複数の操作信号の組み合わせを割り当てる。換言すると、残った動作指令に対して、同時押しされる所定の複数の操作キーの組み合わせを割り当てる。
【0230】
接続部16は、よく知られた型名の多数の操作端末3の操作信号(操作キー)及びよく知られた型名の多数のロボット5の動作指令について、操作信号から動作指令への変換手法をパターン化してこれを記憶している。一方、操作端末3の型名は別途操作端末から通知され、また、ロボット5の型名は、別途、ロボット5から通知される。従って、接続部16は、操作端末3の型名及びロボット5の型名に該当する操作信号から動作指令への変換手法を用いることによって、操作信号を動作指令に変換することができる。
【0231】
{操作キー割り当て}
次に、操作キー割り当てを説明する。操作キー割り当ては、操作端末3の複数の操作キーをどのようにロボット5の1以上の個別動作指令に対応させて、当該複数の操作キーに対応する1以上の操作信号を当該1以上の個別動作指令へ変換するかを表す。以下、操作端末3が
図17のゲームコントローラ33を備えるゲーム機である場合を説明する。
【0232】
*ゲームコントローラ33の操作キー*
図20は、ゲームコントローラ33のキーの種類を示す表である。
図17及び
図20を参照すると、ゲームコントローラ33の複数の操作キーは、主なゲームにおいて、以下の機能を有する。
【0233】
十字キー120は、操作対象を2軸方向に移動させる。左ジョイスティック122は、操作対象を二次元方向に移動させる。右ジョイスティック112は、ゲーム空間の視点を移動させる。第1多目的キー110aは、設定を承認する。第2多目的キー110bは、設定をキャンセルする。第3多目的キー110cは、対象をアタックする。第4多目的キー110dは、対象をアタックする。左コマンドキー121は、1つの操作で所定の複数の操作を実現する。右コマンドキー111は、1つの操作で所定の複数の操作を実現する。
【0234】
*ロボット操作器の操作キー*
まず、ロボット5の関節について説明する。
図18を参照すると、ロボット本体151は、基台51aに対し旋回体151bを旋回させる関節である第1軸JT1と、旋回体151bに対し下アーム151cを回転させる関節である第2軸JT2と、下アーム151cに対し上アーム151dを曲げる関節である第3軸JT3と、上アーム151dを捩じる関節である第4軸JT4と、上アーム151dに対し手首151eを曲げる関節である第5軸JT5と、手首151eに対しエンドエフェクタ151fを回転させる(捩じる)関節である第6軸JT6と、を有する。
【0235】
次に、ロボット操作器の操作キーを説明する。このロボット操作器は、ロボット5の動作指令の基礎となる操作信号を発生させる操作器として想定されているものである。ロボット5は、このロボット操作器を備えてもよく、備えなくてもよい。ロボット5が、このロボット操作器を備える場合は、ロボットコントローラ52が、ロボット操作器からの操作信号と仲介装置2からの動作指令とを切り替えてロボット5の動作制御に用いる。
【0236】
図21は、ロボット操作器のキーの種類を示す表である。
図18及び
図21を参照すると、ロボット操作器は、第1乃至第6軸キー、ロボット制御モード切替キー、ツール制御モード切替キー、ツールオンオフキー、及びツール操作キーを備える。
【0237】
これらの操作キーは、以下の機能を有する。
【0238】
第1軸キーは、各軸モードにおいてロボットの第1軸JT1を動かす。第1軸キーの操作信号に基づいて第1軸動作指令が生成される。
【0239】
第2軸キーは、各軸モードにおいてロボットの第2軸JT2を動かす。第2軸キーの操作信号に基づいて第2軸動作指令が生成される。
【0240】
第3軸キーは、各軸モードにおいてロボットの第3軸JT3を動かす。第3軸キーの操作信号に基づいて第3軸動作指令が生成される。
【0241】
第4軸キーは、各軸モードにおいてロボットの第4軸JT4を動かす。第4軸キーの操作信号に基づいて第4軸動作指令が生成される。
【0242】
第5軸キーは、各軸モードにおいてロボットの第5軸JT5を動かす。第5軸キーの操作信号に基づいて第5軸動作指令が生成される。
【0243】
第6軸キーは、各軸モードにおいてロボットの第6軸JT6を動かす。第6軸キーの操作信号に基づいて第6軸動作指令が生成される。
【0244】
ロボット制御モード切替キーは、ロボットの制御モードを、各軸モード、ワールドモード、及びツールモードの間で切り替える。ロボット制御モード切替キーの操作信号に基づいてロボット制御モード切替指令が生成される。
【0245】
ツール制御モード切替キーは、ツール(ここではエンドエフェクタ151f)の制御モードを切り替える。ツール制御モード切替キーの操作信号に基づいてツール制御モード切替指令が生成される。
【0246】
ツールオンオフキーは、ツールをオンオフする。ツールオンオフキーの操作信号に基づいてツールオンオフ指令が生成される。
ツール操作キーは、ツールを操作する。ツール操作キーの操作信号に基づいてツール動作指令が生成される。
【0247】
*操作キー割り当て*
次に、操作キー割り当てについて説明する。
【0248】
図22は、各軸モードにおけるロボット5の動作指令に対するゲームコントローラ33の操作キーの割り当てを示す表である。各軸モードでは、ロボット5の本体151を、各軸JT1~JT6毎に動作させることによって、ロボット5の本体151の全体を細かく動作させることができる。
【0249】
図17及び
図22を参照すると、第1軸動作指令及び第2軸動作指令に対して十字キー120が割り当てられる。この場合、十字キー120の左右方向の操作に第1軸動作指令が対応し、十字キー120の前後方向の操作に第2軸動作指令が対応する。
【0250】
第3軸動作指令及び第4軸動作指令に対して左ジョイスティック122が割り当てられる。この場合、左ジョイスティック122の左右方向の操作に第3軸動作指令が対応し、左ジョイスティック122の前後方向の操作に第4軸動作指令が対応する。
【0251】
第5軸動作指令及び第6軸動作指令に対して右ジョイスティック112が割り当てられる。この場合、右ジョイスティック112の左右方向の操作に第5軸動作指令が対応し、右ジョイスティック112の前後方向の操作に第6軸動作指令が対応する。
【0252】
ロボット制御モード切替指令に対して第1多目的キー110aが割り当てられる。
【0253】
ツール制御モード切替指令に対して第2多目的キー110bが割り当てられる。
【0254】
ツールオンオフ指令に対して第3多目的キー110cが割り当てられ、ツール動作指令に対して第4多目的キー110dが割り当てられる。
【0255】
左コマンドキー121及び右コマンドキー111には割り当てが設定されない。
【0256】
図23は、ワールドモードにおける単独キー操作の場合のロボット5の動作指令に対するゲームコントローラ33の操作キーの割り当てを示す表である。ワールドモードでは、手首151eの位置を指令することによって、手首151eが指令された位置に位置するようにロボット本体151を動作させることができる。
【0257】
図17及び
図23を参照すると、X軸位置指令及びY軸位置指令に対して十字キー120が割り当てられる。この場合、十字キー120の左右方向の操作にX軸位置指令が対応し、十字キー120の前後方向の操作にY軸位置指令が対応する。
【0258】
X軸回転指令及びY軸回転指令に対して左ジョイスティック122が割り当てられる。この場合、左ジョイスティック122の左右方向の操作にX軸回転指令が対応し、左ジョイスティック122の前後方向の操作にY軸回転令が対応する。
【0259】
Z軸回転指令に対して右ジョイスティック112が割り当てられる。この場合、右ジョイスティック112の前後方向の操作にZ軸回転指令が対応する。
【0260】
これ以外の操作キー割り当ては、各軸モードと同じである。
【0261】
図24は、ワールドモードにおける複数キー同時操作の場合のロボット5の動作指令に対するゲームコントローラ33の操作キーの割り当てを示す表である。
【0262】
図17及び
図24を参照すると、第1コマンドに対して第1多目的キー110a及び第2多目的キー110bが割り当てられる。第1コマンドは、1回目の操作でツールをX軸方向へ自動移動させ、且つ2回目の操作でツールを停止させる。
【0263】
第2コマンドに対して第3多目的キー110c及び第4多目的キー110dが割り当てられる。第2コマンドは、1回目の操作でツールをY軸方向へ自動移動させ、且つ2回目の操作でツールを停止させる。
【0264】
第3コマンドに対して左コマンドキー121及び右コマンドキー111が割り当てられる。第3コマンドは、1回目の操作でツールをZ軸方向へ自動移動させ、且つ2回目の操作でツールを停止させる。
【0265】
十字キー120、左ジョイスティック122、及び右ジョイスティック112には割り当てが設定されない。
【0266】
この操作キー割り当てによれば、これらの割り当てによって設定された複数の操作キーを同時押しすることによって、第1~第3コマンドによって、2回の操作でツールをX軸、Y軸、又はZ軸に自由な距離移動させることができる。
【0267】
図25は、ツールモードにおけるロボット5の動作指令に対するゲームコントローラ33の操作キーの割り当てを示す表である。
【0268】
図17及び
図25を参照すると、O軸位置指令及びA軸位置指令に対して十字キー120が割り当てられる。この場合、十字キー120の左右方向の操作にO軸位置指令が対応し、十字キー120の前後方向の操作にA軸位置指令が対応する。
【0269】
T軸位置指令に対して左ジョイスティック122が割り当てられる。この場合、左ジョイスティック122の前後方向の操作にT軸位置指令が対応する。
【0270】
O軸位置指令、T軸位置指令、及びA軸位置指令は、ツールの姿勢を指示する個別動作指令である。従って、ツールモードでは、ツール(ここではエンドエフェクタ151f)のみを動作させることによって、ツールを正確に動作させることができる。
【0271】
右ジョイスティック112、左コマンドキー121、及び右コマンドキー111には割り当てが設定されない。これ以外の操作キー割り当ては各軸モードと同じである。
【0272】
このように操作キー割り当てを行うことにより、遠隔作業者は、ゲームコントローラ33の操作キーを操作することによって、ロボット5の本体151及びエンドエフェクタ151fを自由に操作することができる。
【0273】
ここでは、特に、以下の点が重要である。
【0274】
ロボット5の各軸JT1~JY6の動作及び手首151eの位置、及びツール(エンドエフェクタ151f)の姿勢を指令する個別動作指令が、操作端末3の操作部(ゲームコントローラ)33のこれと似たように操作対象を移動すべき方向に移動させる十字キー120、左ジョイスティック122、及び右ジョイスティック112の操作信号に対応するので、操作端末3の操作者(遠隔作業者)が違和感をあまり覚えることなく、ロボット5を操作することができる。
【0275】
第1多目的キー110aと第2多目的キー110bとが、1つの第1コマンドに対して割り当てられ、第3多目的キー110cと第4多目的キー110dとが、1つの第2コマンドに対して割り当てられ、左コマンドキー121と右コマンドキー111とが、1つの第3コマンドに対して割り当てられているので、動作指令の数に対して操作端末の操作キーの数が不足する場合でも、操作信号の動作指令への変換を行うことができる。
【0276】
第1~第3コマンドを生成しているので、ロボット5に複数の動作をさせることができる。ここでは、例えば、第1多目的キー110aと第2多目的キー110b操作キーの2回の同時押し操作で、塗装ガン151fをX軸方向に所望の距離だけ移動させて停止させることができる。なお、この他、例えば、エンドエフェクタ151fが把持器である場合、第1コマンドを、ロボット5に、嵌合突部を有するワークを、嵌合孔を有するワークの上方に位置させた後下降させて嵌合孔に嵌合させるコマンドにしてもよい。
【0277】
第1多目的キー110aがロボット制御モード切替指令に対して割り当てられているので、操作端末3の操作キーを操作することによってロボット5の制御モードを切り替えることができる。
【0278】
第2多目的キー110bがツール制御モード切替指令に対して割り当てられているので、操作端末3の操作キーを操作することによってツール(エンドエフェクタ151f)の制御モードを切り替えることができる。
【0279】
なお、例えば、操作端末3の1つの操作キーを所定の態様で操作する(例えば、複数回押しする、長押しと短押しとを組み合わせる等)ことによって発生する操作信号をロボット5の個別動作指令に変換するようにしてもよい。これによれば、個別動作指令の数に対して操作端末3の操作キーの数が不足する場合でも操作信号を個別動作指令に変換することができる。
【0280】
また、第1乃至第3コマンドを、ロボット5にワークを持ち上げて所定の場所に位置させる「ピックアンドプレイス」コマンド、ロボット5に塗装ガンを所定位置に移動させて塗装ガンに塗料を噴出させるコマンドとしてもよい。この場合、ロボット5の位置指令で所定場所又は所定位置を指示し、エンドエフェクタ動作指令で、把持器又は塗装ガンの所要の動作を指令すればよい。
【0281】
[動作]
次に以上のように構成された仲介装置2の動作を説明する。
図26は、仲介装置2の動作を示すフローチャートである。
【0282】
図26を参照すると、仲介装置2の接続部16は、まず、操作端末3に操作キー割り当ての選択(決定)を要求する(ステップS1)。この場合、接続部16は、例えば、予め作成した
図22~
図25に示す操作キー割り当てを提示し、修正点のみを操作端末3に決めさせる。このようにすると、操作端末3の操作者(遠隔作業者)が操作キーを操作しやすいように、操作信号から変換すべき個別動作指令を変更することができる。
【0283】
次いで、接続部16は、操作キー選択がされるのを待機し(ステップS2でNO)、操作キーが選択されたら(ステップS2でYES)、操作器キーを割り当てる操作端末3によって選択された操作キー割り当てに応じて、操作信号を個別動作指令に変換させる(操作キーを割り当てる)(ステップS3)。
【0284】
次いで、ロボット5に作業を待機させる(ステップS4)。
【0285】
次いで、接続部16は、作業開始を待機する(ステップS5でNO)。そして、作業が開始されたら(ステップS5でYES)、操作端末3にからの操作信号を個別動作指令に変換し、これをロボット5に送る(ステップS6)。
【0286】
次いで、接続部16は、作業が終了すると(ステップS7でYES)、操作信号の個別動作指令への変換を終了する(ステップS8)。
【0287】
なお、接続部16は、作業時間外において、操作端末3から操作キー変更通知を受け取ると、接続部16が、操作キー変更通知に応じて、1以上の操作信号から変換すべき1以上の個別動作指令を変更するよう構成されていてもよい。
【0288】
このような実施形態1によれば、接続部16が、操作端末3の複数の操作キーに対応する1以上の操作信号を受け取ると、当該1以上の操作信号をロボット5の動作指令における1以上の個別動作指令に変換し、当該1以上の個別動作指令をロボット5に送るので、操作端末3の操作キーを操作することによって、ネットワーク4及び仲介装置2を介して、ロボット5を操作することができる。これにより、ロボット作業就労システム1を機能させることができ、ひいては、遠隔操作ロボット5の利用拡大を図ることができる。
【0289】
(その他の実施形態)
実施形態3において、実施形態1に代えて実施形態2を、上記のように修正してもよい。
【0290】
上記説明から、当業者にとっては、多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0291】
本発明仲介装置及びこれを用いた仲介方法は、遠隔操作ロボットの利用拡大を図ることが可能な仲介装置及びこれを用いた仲介方法として有用である。
【符号の説明】
【0292】
1 ロボット作業就労システム
2 仲介装置
3 操作端末
4 ネットワーク
5 ロボット
11 通信器
12 情報処理器
13 通信分配部
14 受付部
15 接続選択部
16 接続部
17 仕事評価部
18 清算部
19 トレーニング部
20 教習部
21 イベント部
22 ロボット登録部
23 操作端末登録部
30 本体部
31 通信部
32 処理部
33 操作部
34 表示部
51 ロボット本体
52 ロボットコントローラ
56 表示器
110 操作キー群
111 右コマンドキー
112 右ジョイスティック
120 十字キー
121 左コマンドキー
122 左ジョイスティック
151 ロボット本体
301 接続部
302 端末側データ授受部
303 ロボット側データ授受部
CA カメラ
CL 演算器
M メモリ
P プロセッサ
JT1~JT6 第1乃至第6軸