(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
H01L21/306 E
(21)【出願番号】P 2022112822
(22)【出願日】2022-07-14
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0102996
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イ ムヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン インリュ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨンジュ
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-010033(JP,A)
【文献】特表2014-510417(JP,A)
【文献】特開平10-064877(JP,A)
【文献】特開2020-004817(JP,A)
【文献】特開2012-119528(JP,A)
【文献】特開平08-031794(JP,A)
【文献】特開平01-140631(JP,A)
【文献】特開2013-041923(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0012028(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の工程で引き出される処理溶液を収容するためのドレンボックス
であって、前記処理溶液はシリカを含有するリン酸溶液である、前記ドレンボックスと、
前記ドレンボックスから前記処理溶液を外部に排出するためのドレンラインと、
前記ドレンボックスに流入される空気を遮断するか、および/または前記ドレンボックス内の湿度を調節するべく、前記ドレンボックス内に気体および/または液体を提供するための少なくとも1つの噴射部材と、
を備えている
基板処理装置であって、
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記気体が供給される第1の経路および前記液体が供給される第2の経路を連結するか、前記第1の経路および前記第2の経路のいずれか1つを遮断するための三方弁を備えていることを特徴とする、
基板処理装置。
【請求項2】
前記基板処理装置は、前記ドレンボックスの上部に一定の間隔で配列される複数の噴射部材を備えており、
前記複数の噴射部材は、前記ドレンボックスの下方に向けて、前記ドレンボックス内に前記気体および/または前記液体を均一に噴射することを特徴とする、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
所定の工程で引き出される処理溶液を収容するためのドレンボックスであって、前記処理溶液はシリカを含有するリン酸溶液である、前記ドレンボックスと、
前記ドレンボックスから前記処理溶液を外部に排出するためのドレンラインと、
前記ドレンボックスに流入される空気を遮断するか、および/または前記ドレンボックス内の湿度を調節するべく、前記ドレンボックス内に気体および/または液体を提供するための少なくとも1つの噴射部材と、
を備えている基板処理装置であって、
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記所定の工程が中断されるか、前記ドレンボックスおよび前記ドレンラインから前記処理溶液が全体として排出されたとき、前記ドレンボックス内に前記気体を供給し、
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記所定の工程が再開されるとき、前記ドレンボックス内に前記気体と前記液体とを供給することを特徴とする、
基板処理装置。
【請求項4】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記気体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部圧力が所定の圧力範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節するための第1の調整部材を備えていることを特徴とする、
請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1の調整部材は、前記ドレンボックスの前記内部圧力が所定の圧力最大値よりも大きいとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内への前記気体の供給を中断することを特徴とする、
請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1の調整部材は、前記ドレンラインを通じて前記ドレンボックス内に前記空気が流入されるとき、前記ドレンボックスの前記内部圧力が前記空気の圧力よりも大きくなるように、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節することを特徴とする、
請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記液体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部湿度が所定の湿度範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記液体の量を調整するための第2の調整部材を備えていることを特徴とする、
請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記気体
は窒素ガ
スを含んでおり、
前記液体は、脱イオン水、
前記リン酸溶液、フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいることを特徴とする、
請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
所定の工程で引き出される処理溶液をドレンボックスに収容する段階
であって、前記処理溶液はシリカを含有するリン酸溶液である、前記収容する段階と、
前記処理溶液を、前記ドレンボックスからドレンラインを通じて外部に排出する段階と、
前記ドレンボックスに流入される空気を遮断するか、および/または前記ドレンボックス内の湿度を調節するべく、少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に気体および/または液体を提供する段階と、
を備えてい
る基板処理方法
であって、
前記所定の工程が中断されるか、前記ドレンボックスおよび前記ドレンラインから前記処理溶液が全体として排出されたとき、前記気体が前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供され、
前記所定の工程が再開されるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記気体と前記液体とが提供されることを特徴とする、
基板処理方法。
【請求項10】
前記気体および/または前記液体は、前記ドレンボックスの上部に一定の間隔で配列される複数の噴射部材から、前記ドレンボックスの下方に向けて均一に噴射されることを特徴とする、
請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記基板処理方法はさらに、
前記ドレンボックスの内部圧力を測定する段階と、
前記ドレンボックスの前記内部圧力が所定の圧力範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供される前記気体の量を調整する段階と、
前記ドレンボックスの前記内部圧力が所定の圧力最大値よりも大きいとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内への前記気体の供給を中断する段階と、
前記ドレンラインから前記ドレンボックス内に前記空気が流入されるとき、前記ドレンボックスの前記内部圧力が、前記空気の圧力より大きくなるように、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供される前記気体の量を調整する段階と、
を備えていることを特徴とする、請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記基板処理方法はさらに、
前記ドレンボックスの内部湿度を測定する段階と、
前記ドレンボックスの前記内部湿度が所定の湿度範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供される前記液体の量を調整する段階と、を備えていることを特徴とする、請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記気体
は窒素ガ
スを含んでおり、
前記液体は、脱イオン水、
前記リン酸溶液、フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいることを特徴とする、
請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項14】
シリカを含有するリン酸溶液を含んでいるエッチング溶液を用いることで行われるエッチング工程で引き出される前記エッチング溶液を収容するためのドレンボックスと、
前記ドレンボックスから前記エッチング溶液を外部に排出させるためのドレンラインと、
前記リン酸溶液内の前記シリカと空気との間の接触を遮断するか、および/または前記ドレンボックス内の湿度を調整するための、少なくとも1つの噴射部材と、を備えている基板処理装置であって、
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記シリカによって引き起こされる析出物の形成を抑制するべく、前記ドレンボックス内
に窒素を含んでいる気体、および/または脱イオン水、
前記リン酸溶液、フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいる液体を、前記ドレンボックスに提供
し、
前記少なくとも1つの噴射部材は、所定の工程が中断されるか、前記ドレンボックスおよび前記ドレンラインから前記エッチング溶液が全体として排出されたとき、前記ドレンボックス内に前記気体を供給し、
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記所定の工程が再開されるとき、前記ドレンボックス内に前記気体と前記液体とを供給することを特徴とする、
基板処理装置。
【請求項15】
前記基板処理装置は、前記ドレンボックスの上部に一定の間隔で配列される複数の噴射部材を備えており、
前記噴射部材は、前記ドレンボックスの下方に向けて、前記ドレンボックス内に前記気体および/または前記液体を均一に噴射することを特徴とする、
請求項
14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記気体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部圧力が所定の圧力範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節するための第1の調整部材を備えており、
前記第1の調整部材は、前記ドレンボックスの前記内部圧力が所定の圧力最大値よりも大きいとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内への前記気体の供給を中断し、
前記第1の調整部材は、前記ドレンラインから前記ドレンボックス内に前記空気が流入されるとき、前記ドレンボックスの前記内部圧力が前記空気の圧力よりも大きくなるように、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節することを特徴とする、
請求項
14に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記液体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部湿度が所定の湿度範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記液体の量を調整するための第2の調整部材を備えていることを特徴とする、
請求項
14に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。より詳しくは、本発明は、シリカを含有するリン酸溶液を含んでいるエッチング溶液を用いるエッチング工程を行うことができる基板処理装置、および該当基板処理装置を用いる基板処理方法に関する。本出願は2021年8月5日に大韓民国特許庁に出願された韓国特許出願第10-2021-0102996号を優先権として伴う出願である。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置の製造工程において、基板上に回路パターンを形成するべく、前記基板上に形成された層をエッチングするための工程が伴うことがある。前記基板上に窒化物層が形成される場合、シリカを含有するリン酸溶液がエッチング溶液として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0077654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記シリカを含有するリン酸溶液を用いることで前記窒化物層をエッチングする場合、シリカに起因する析出物が、基板処理装置内に発生することがある。特に、前記析出物は、前記基板処理装置のドレンボックス内に主に形成される。前記ドレンボックス内に形成された前記析出物は、前記ドレンボックスから、様々な溶液が流れる前記基板処理装置のラインおよびバルブへ移動し、よって、前記ラインと前記バルブとが前記析出物によって閉塞されるか損傷することがある。
【0005】
本発明の目的は、ドレンボックスおよびドレンライン内において、処理溶液からの析出物の形成を効率よく抑制することができる基板処理装置を提供することである。
本発明の他の目的は、ドレンボックスおよびドレンライン内において、処理溶液からの析出物の形成を効率よく抑制することができる基板処理方法を提供することである。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、ドレンボックスおよびドレンライン内において、シリカと空気との接触による析出物の形成を効率よく抑制することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一様態によると基板処理装置は、所定の工程で引き出される処理溶液を収容するためのドレンボックスと、前記ドレンボックスから前記処理溶液を外部に排出するためのドレンラインと、前記ドレンボックスに流入される空気を遮断するか、および/または前記ドレンボックス内の湿度を調節するべく、前記ドレンボックス内に気体および/または液体を提供するための少なくとも1つの噴射部材と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
前記基板処理装置は、前記ドレンボックスの上部に一定の間隔で配列される複数の噴射部材を備えている。前記複数の噴射部材は、前記ドレンボックスの下方に向けて、前記ドレンボックス内に前記気体および/または前記液体を均一に噴射する。
【0009】
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記気体が供給される第1の経路および前記液体が供給される第2の経路を連結するか、前記第1の経路および前記第2の経路のいずれか1つを遮断するための三方弁を備えている。
【0010】
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記所定の工程が中断されるか、前記ドレンボックスおよび前記ドレンラインから前記溶液が全体として排出されたとき、前記ドレンボックス内に前記気体を供給する。また、前記少なくとも1つの噴射部材は、前記所定の工程が再開されるとき、前記ドレンボックス内に前記気体と前記液体とを供給する。
【0011】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記気体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部圧力が所定の圧力範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節するための第1の調整部材を備えている。
【0012】
前記第1の調整部材は、前記ドレンボックスの前記内部圧力が前記所定の圧力最大値よりも大きいとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内への前記気体の供給を中断する。
【0013】
前記第1の調整部材は、前記ドレンラインを通じて前記ドレンボックス内に前記空気が流入されるとき、前記ドレンボックスの内部圧力が前記空気の圧力よりも大きくなるように、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節する。
【0014】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記液体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部湿度が所定の湿度範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記液体の量を調整するための第2の調整部材を備えている。
【0015】
前記気体は、空気、窒素ガス、またはこれらの混合物を含んでいる。前記液体は、脱イオン水、リン酸溶液、フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいる。
本発明の他の様態によると基板処理方法は、所定の工程で引き出される処理溶液をドレンボックスに収容する段階と、前記処理溶液を、前記ドレンボックスからドレンラインを通じて外部に排出する段階と、前記ドレンボックスに流入される空気を遮断するか、および/または前記ドレンボックス内の湿度を調節するべく、少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に気体および/または液体を提供する段階と、を備えていることを特徴とする。
【0016】
前記気体および/または前記液体は、前記ドレンボックスの上部に一定の間隔で配列される複数の噴射部材から、前記ドレンボックスの下方に向けて、均一に噴射される。
前記所定の工程が中断されるか、前記ドレンボックスおよび前記ドレンラインから前記処理溶液が全体として排出されたとき、前記気体が前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供される。前記所定の工程が再開されるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に、前記気体と前記液体とが提供される。
【0017】
前記基板処理方法はさらに、前記ドレンボックスの内部圧力を測定する段階と、前記ドレンボックスの前記内部圧力が所定の圧力範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供される前記気体の量を調整する段階と、前記ドレンボックスの前記内部圧力が所定の圧力最大値よりも大きいとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内への前記気体の供給を中断する段階と、前記ドレンラインから前記ドレンボックス内に前記空気が流入されるとき、前記ドレンボックスの前記内部圧力が前記空気の圧力よりも大きくなるように、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供される前記気体の量を調整する段階と、を備えている。
【0018】
前記基板処理方法はさらに、前記ドレンボックスの内部湿度を測定する段階と、前記ドレンボックスの前記内部湿度が所定の湿度範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に提供される前記液体の量を調整する段階と、を備えている。
【0019】
前記気体は、空気、窒素ガス、またはこれらの混合物を含んでいる。前記液体は、脱イオン水、リン酸溶液、フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいる。
本発明のさらに他の様態によると、シリカを含有するリン酸溶液を含んでいるエッチング溶液を用いることで行われるエッチング工程で引き出される前記エッチング溶液を収容するためのドレンボックスと、前記ドレンボックスから前記エッチング溶液を外部に排出させるためのドレンラインと、前記リン酸溶液内のシリカと空気との間の接触を遮断するか、および/または前記ドレンボックス内の湿度を調整するための少なくとも1つの噴射部材と、を備えている基板処理装置が提供される。前記少なくとも1つの噴射部材は、前記シリカによって引き起こされる析出物の形成を抑制するべく、前記ドレンボックス内に、空気、窒素、またはこれらの混合物を含んでいる気体、および/または脱イオン水、リン酸溶液、フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいる液体を、前記ドレンボックスに提供することを特徴とする。
【0020】
前記基板処理装置は、前記ドレンボックスの上部に一定の間隔で配列される複数の噴射部材を備えている。前記噴射部材は、前記ドレンボックスの下方に向けて、前記ドレンボックス内に前記気体および/または前記液体を均一に噴射する。
【0021】
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記所定の工程が中断されるか、前記ドレンボックスおよび前記ドレンラインから前記溶液が全体として排出されたとき、前記ドレンボックス内に前記気体を供給する。前記少なくとも1つの噴射部材は、前記所定の工程が再開されるとき、前記ドレンボックス内に前記気体と前記液体とを供給する。
【0022】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記気体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部圧力が所定の圧力範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節するための第1の調整部材を備えている。前記第1の調整部材は、前記ドレンボックスの前記内部圧力が前記所定の圧力最大値よりも大きいとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内への前記気体の供給を中断する。前記第1の調整部材は、前記ドレンラインから前記ドレンボックス内に前記空気が流入されるとき、前記ドレンボックスの内部圧力が前記空気の圧力よりも大きくなるように、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記気体の量を調節する。
【0023】
前記基板処理装置はさらに、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に前記液体が供給される間に、前記ドレンボックスの内部湿度が所定の湿度範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材から前記ドレンボックス内に供給される前記液体の量を調整するための第2の調整部材を備えている。
【発明の効果】
【0024】
本発明に一実施例によると、前記少なくとも1つの噴射部材を備えている前記基板処理装置は、前記気体の供給によって、外部からの空気流入を遮断することができるので、前記処理溶液と、前記空気に含有されている酸素との間の反応による前記析出物の形成を抑制することができる。また、前記少なくとも1つの噴射部材を備えている前記基板処理装置は、前記液体の供給によって、湿度を一定に維持することができるので、相対的に低い湿度による前記析出物の形成を抑制することができる。これによって、前記析出物のために、前記処理溶液が流れる前記基板処理装置のラインおよび/またはバルブが閉塞されるか、損傷することを防止することができる。
【0025】
但し、本発明の効果が上述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想および領域から逸脱しない範囲で様々に拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を説明するための概略的な断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による基板処理装置の噴射部材を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施例を説明する。本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるところ、実施例を本文で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、乃至代替物を備えていることと理解すべきである。各図面の説明において、同一の図面符号を同一の構成要素について付している。第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明することに使われるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使われる。本出願で使用された用語は、単に、特定の実施例を説明するべく使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明らかに異なることを意味しない限り、複数の表現を備えている。本出願において、「備えている」、「有する」、または「含む」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、パーツ、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、パーツ、またはこれらを組み合わせたものの存在、または付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0028】
異なって定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、一般的に理解されることと同一の意味を有している。一般的に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味に一致する意味を有することと解析されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味として解析されない。
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施例をより詳細に説明する。添付の図面において、同一の構成要素に対しては、同一の図面符号を付し、同一の構成要素に関する重複した説明は、省略する。
【0030】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を説明するための概略的な断面図である。
図2は、本発明の一実施例による基板処理装置の噴射部材を説明するための概略的な断面図である。
【0031】
図1に示しているように、一実施例による基板処理装置100は、半導体装置、ディスプレイ装置などのような集積回路装置を製造するための工程に適用される。例えば、前記基板処理装置100は、洗浄溶液またはエッチング溶液などのような処理溶液を用いることで、基板を処理するための洗浄工程またはエッチング工程のような所定の工程を行う。
【0032】
一実施例において、前記基板処理装置100は、シリカを含有するリン酸溶液を含んでいるエッチング溶液を用いることで、基板上に形成された窒化物層をエッチングするためのエッチング工程を行う。または、前記基板処理装置100は、脱イオン水を含んでいる洗浄溶液を用いることで、前記基板を洗浄するための洗浄工程を行う。
【0033】
前記基板処理装置100は、通常、前記エッチング工程または前記洗浄工程のような所定の工程が内部で行われる工程室と、前記工程室内に、前記エッチング溶液または前記洗浄溶液のような処理溶液を供給するべく、供給ラインおよび供給バルブを備えている供給部材と、前記工程室内の工程条件を制御するための真空部材などとを備えている。この場合、前記基板処理装置100を用いることで、前記所定の工程を行う間に、前記工程室および/または前記供給部材から前記処理溶液が引き出される。
【0034】
前記工程室および/または前記供給部材から引き出される前記処理溶液を処理するべく、前記基板処理装置100は、ドレンボックス11、ドレンライン13、少なくとも1つの噴射部材15、第1の調整部材17、および第2の調整部材19などを備えている。
【0035】
一実施例において、前記ドレンボックス11は、前記工程室内で行われる前記所定の工程間に引き出される前記処理溶液を収容する。よって、前記ドレンボックス11は、前記工程室および/または前記供給部材から抜き取られる前記処理溶液を収容する収容空間を備えている。また、前記ドレンボックス11は、前記工程室および前記供給部材に連通する連結ラインおよびバルブを備える連結部材21を備えている。他の実施例において、前記連結部材21は、複数の連結ライン、および前記複数の連結ラインにそれぞれ提供される複数のバルブを備えている。
【0036】
前記工程室および/または前記供給部材から引き出される前記処理溶液は、前記ドレンライン13を通じて前記ドレンボックス11から外部に排出される。一実施例において、前記ドレンライン13は、前記引き出された処理溶液が外部に容易に流れるフローラインの構造を有する。
【0037】
一実施例によると、前記基板処理装置100を用いることで、前記基板に対して、所定の工程(例えば、前記エッチング工程または洗浄工程)を行う間に、前記処理溶液(例えば、前記エッチング溶液または洗浄溶液)は、前記工程室および/または前記供給部材から前記ドレンボックス11内に引き出される。以後に、前記引き出された処理溶液は、前記ドレンライン13を通じて前記ドレンボックス11から外部に排出される。ここで、前記引き出された処理溶液の容易な流れを考えて、前記連結部材21は、前記ドレンボックス11の上部に連結されるとともに、前記ドレンライン13は、前記ドレンボックス11の下部に連結される。
【0038】
前記処理溶液が空気に接触すると、前記処理溶液内に析出物が形成される。特に、前記ドレンライン13が外部に露出されると、前記ドレンライン13内で、前記処理溶液が前記空気に接触することができるので、これによって、前記ドレンライン13内に前記析出物が形成される。この場合、前記析出物は、前記ドレンボックス11内に移動し得るので、前記析出物によって、前記連結部材21が閉塞されるか、損傷することがある。一実施例において、前記シリカを含有する前記リン酸溶液を含んでいる前記エッチング溶液を用いることで、前記エッチング工程を行う間に、前記シリカが前記空気とで容易に反応し得るので、前記ドレンライン13および前記ドレンボックス11内に、前記析出物がより深刻に形成され得る。また、前記ドレンボックス11内で水分が蒸発するので、前記ドレンボックス11が相対的に低い内部湿度を有し、その結果として、前記ドレンボックス11内に前記析出物が生成され得る。前述した問題点を考えて、前記基板処理装置100は、前記処理溶液を引き出す間に、前記処理溶液と前記空気との間の接触を遮断することができるべく、前記ドレンボックス11の前記内部湿度を、所定の湿度範囲内に維持することができる。
【0039】
図1および
図2に示しているように、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に流入する空気を遮断するべく、前記ドレンボックス11内に気体を提供する。また、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11の内部湿度を前記所定の湿度範囲内に維持するべく、前記ドレンボックス11内に液体を提供する。
【0040】
一実施例において、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に、前記気体および前記液体を独立して供給することができる。また、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に、前記気体と前記液体とを提供することができる。ここで、前記ミスト状の液体が、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に噴射される。
【0041】
前記少なくとも1つの噴射部材は、前記気体が供給される第1の経路、および前記液体が供給される第2の経路を連結するか、前記第1の経路および前記第2の経路のいずれか1つを遮断可能な三方弁を備えている。換言すると、前記少なくとも1つの噴射部材15が、前記ドレンボックス11内に前記気体と前記液体とを提供する場合、前記三方弁は、前記第1の経路を前記第2の経路に連結することができる。また、前記少なくとも1つの噴射部材15が、前記ドレンボックス11内に前記気体または前記液体を提供する場合、前記三方弁は、前記第1の経路または前記第2の経路を遮断することができる。
【0042】
一実施例において、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11の上に配置される。前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンライン13が位置する前記ドレンボックス11の下方に向けて、前記気体および/または前記液体を噴射する。他の実施例において、前記基板処理装置100は、前記ドレンボックス11の上部に、実質的に一定の間隔で配列される複数の噴射部材15を備えている。前記複数の噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に、前記気体および/または前記液体を均一に噴射することができる。
【0043】
一実施例によると、前記工程室および/または前記供給部材から前記処理溶液を引き出す間に、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に、前記気体および/または前記液体を選択的に提供することができる。また、前記所定の工程が行われていないか、前記処理溶液が前記ドレンボックス11および前記ドレンライン13から全体として引き出されるときには、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に前記気体を供給する。さらに、前記基板処理装置100によって前記所定の工程が中断され、後に再開されるときには、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に、前記気体と前記液体とを提供することができる。
【0044】
一実施例において、前記少なくとも1つの噴射部材15は、窒素ガス、空気、または窒素ガスと空気との混合物を含んでいる前記気体のみを、前記ドレンボックス11内に噴射することができるので、前記少なくとも1つの噴射部材15が、前記ドレンボックス11の内部圧力を調節することができる。これによって、前記ドレンライン13によって、外部から前記ドレンボックス11内に流入される空気を遮断することで、前記リン酸溶液に含有されているシリカによって引き起こされる析出物の形成が抑制される。換言すると、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンライン13に向けて、前記ドレンボックス11内に前記気体を噴射することができ、これによって、前記ドレンライン13を通じて前記ドレンボックス11内に前記空気が流入されることを防止することができる。これによって、前記処理溶液と前記空気との間の接触を遮断することで、前記ドレンボックス11内に前記析出物が形成されることを抑制することができる。また、メインテナンスのために、相対的に長い時間の間、前記基板処理装置100が停止され、後に再度動作されるときに、前記少なくとも1つの噴射部材15が前記ドレンボックス11内に、脱イオン水、リン酸溶液、フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいる前記液体を噴射するか、前記気体と前記液体とを噴射することで、前記ドレンボックス11内に前記シリカによって引き起こされる残留析出物を除去することができる。
【0045】
一実施例において、前記少なくとも1つの噴射部材15は、前記ドレンボックス11内に、前記液体または前記気体を選択的に噴射することができるので、前記ドレンボックス11の内部湿度を、前記所定の湿度範囲内に維持することができる。これによって、前記少なくとも1つの噴射部材15によって、前記ドレンボックス11内の前記析出物の形成をより効率よく抑制することができる。
【0046】
上述したように、前記少なくとも1つの噴射部材15を備えている前記基板処理装置100は、前記気体の供給によって、外部からの空気流入を遮断することができるので、前記処理溶液と、前記空気に含有されている酸素との間の反応による前記析出物の形成を抑制することができる。また、前記少なくとも1つの噴射部材15を備えている前記基板処理装置100は、前記液体の供給によって、湿度を一定に維持することができるので、相対的に低い湿度による前記析出物の形成を抑制することができる。換言すると、前記基板処理装置100は、前記析出物が発生し得る条件を効率よく制御することができる。これによって、前記基板処理装置は、前記析出物のために、前記処理溶液が流れる前記基板処理装置のラインおよび/またはバルブが閉塞されるか、または損傷することを防止することができる。
【0047】
一実施例において、前記リン酸溶液、前記フッ酸溶液、またはこれらの混合物を含んでいる前記液体は、前記シリカに起因する前記析出物を溶解させる。そこで、前記基板処理装置100は、前記シリカを含有するリン酸溶液を、前記エッチング溶液として用いる前記エッチング工程に有利に適用可能である。
【0048】
前記少なくとも1つの噴射部材15が前記ドレンボックス11内に前記気体を提供する間、前記ドレンボックス11の内部圧力が相対的に低い場合、前記ドレンライン13を通じて前記ドレンボックス11内に流入される前記空気が十分遮断されないことがある。これに対して、前記ドレンボックス11の内部圧力が相対的に高い場合、前記ドレンボックス11および前記ドレンライン13が損傷することがある。よって、前記基板処理装置100は、前記ドレンボックス11の内部圧力を調節するべく、前記第1の調整部材17を備えている。
【0049】
再度、
図1を参照すると、前記第1の調整部材17は、前記少なくとも1つの噴射部材15によって提供される前記ドレンボックス11の内部圧力を測定および調節することができる。前記少なくとも1つの噴射部材15が前記ドレンボックス11内に前記気体を噴射する間に、前記ドレンボックス11の内部圧力が所定の圧力範囲からズレると、前記第1の調整部材17は、前記少なくとも1つの噴射部材15から供給される前記気体の量を調整することができる。一実施例において、前記第1の調整部材17は、前記ドレンボックス11に形成される圧力を測定するためのセンサ部材と、前記少なくとも1つの噴射部材15から噴射される前記気体の量を調節するための制御部材とを備えている。
【0050】
前記ドレンボックス11の内部圧力が所定の圧力最大値よりも大きいと、前記ドレンライン13が閉塞状態にあるので、前記第1の調整部材17は、前記少なくとも1つの噴射部材15からの前記気体の供給を中断することができる。この場合、前記少なくとも1つの噴射部材15からの前記気体の供給を中断するとともに、前記ドレンライン13および前記ドレンボックス11を点検する必要がある。前記ドレンボックス11の内部圧力が、前記ドレンライン13から前記ドレンボックス11内に流入される前記空気の圧力よりも実質的に大きくなるように、前記第1の調整部材17は、前記少なくとも1つの噴射部材15によって噴射される前記気体の量を調節することができる。
【0051】
他の実施例において、前記第1の調整部材17は、前記少なくとも1つの噴射部材15から供給される前記気体の量を調節するだけではなく、前記少なくとも1つの噴射部材15から、前記気体および前記液体が同時に前記ドレンボックス11内に提供されるときにも、前記ドレンボックス11の内部圧力が前記所定の圧力範囲内になるように、前記気体と前記液体との量を調節することができる。
【0052】
一実施例において、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に前記液体が供給される間に、前記ドレンボックス11の内部湿度が相対的に低いと、前記ドレンボックス11および前記ドレンライン13内の前記析出物の形成を十分抑制することができない。また、前記ドレンボックス11の内部湿度が相対的に高いと、前記液体が消耗しすぎて製造コストを増加させる。これによって、前記基板処理装置100は、前記ドレンボックス11の内部湿度を測定し、調整するべく、前記第2の調整部材19を備えている。
【0053】
図1に示しているように、前記第2の調整部材19は、前記少なくとも1つの噴射部材15が前記ドレンボックス11内に前記液体を供給する間に、前記ドレンボックス11の内部湿度が所定の湿度範囲からズレるときには、前記少なくとも1つの噴射部材15から噴射される前記液体の量を調節することができる。
【0054】
一実施例において、前記第2の調整部材19は、前記ドレンボックス11の内部湿度(すなわち、前記処理溶液の濃度)を測定するための感知部材と、前記少なくとも1つの噴射部材15から供給される前記液体の量を調節するための制御部材とを備えている。
【0055】
他の実施例において、前記第2の調整部材19は、前記少なくとも1つの噴射部材15から供給される前記液体の量を調節するだけではなく、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記液体および前記気体が同時に前記ドレンボックス11内に供給されるときに、前記ドレンボックス11の内部湿度が前記所定の湿度範囲内になるように、前記気体と前記液体との量を調節することができる。
【0056】
一実施例による基板処理方法において、前記基板処理装置100を用いる前記所定の工程で、前記工程室および/または前記供給部材から前記処理溶液が引き出される。前記所定の工程で引き出された前記処理溶液は、前記ドレンボックス11内に収容可能であり、以後に前記ドレンボックス11から前記ドレンライン13を通じて外部に排出される。前記ドレンボックス11内に流入される空気を遮断するか、および/または前記ドレンボックス11内の湿度を調節するべく、少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に前記気体および/または前記液体が提供される。これによって、前記ドレンボックス11および前記ドレンライン13内に、前記処理溶液によって引き起こされる前記析出物の形成を抑制することができる。
【0057】
他の実施例において、前記気体および/または前記液体は、前記ドレンボックス11の上部に、実質的に一定の間隔で配列される複数の噴射部材15から、前記ドレンボックス11の下方に向けて、均一に噴射される。
【0058】
一実施例において、前記所定の工程が中断されるか、前記ドレンボックス11および前記ドレンライン13から前記処理溶液が全体として排出されたときには、前記気体が、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に提供される。また、前記所定の工程が再開されるときには、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に、前記気体と前記液体とが提供される。
【0059】
一実施例において、前記ドレンボックス11の前記内部圧力が測定され、以後に、前記ドレンボックス11の前記内部圧力が、前記所定の圧力範囲からズレるとき、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に提供される前記気体の量を調整することができる。この場合、前記ドレンボックスの前記内部圧力が所定の圧力最大値よりも実質的に大きいときには、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内への前記気体の供給を中断することができる。また、前記ドレンライン13から前記ドレンボックス11内に前記空気が流入されるとき、前記ドレンボックス11の前記内部圧力が前記空気の圧力よりも実質的に大きくなるように、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に提供される前記気体の量が調整される。他の実施例において、前記ドレンボックス11の前記内部圧力を調節するべく、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に提供される前記気体の量および前記液体の量を全て調節することができる。
【0060】
一実施例において、前記ドレンボックス11の前記内部湿度が測定可能であり、以後に、前記ドレンボックス11の前記内部湿度が、前記所定の湿度範囲からズレるときには、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に提供される前記液体の量が調整される。他の実施例において、前記ドレンボックス11の内部湿度を調節するべく、前記少なくとも1つの噴射部材15から前記ドレンボックス11内に提供される前記液体の量と前記気体の量とを調節することができる。
【0061】
一実施例によると、前記ドレンボックス11および前記ドレンライン13内において、前記処理溶液から由来する前記析出物の形成を効率よく抑制することができるとともに、前記ドレンライン13および前記ドレンボックス11による析出物の流入を遮断することができる。
【0062】
本発明の一実施例による揮発性基板処理装置および基板処理方法は、メモリ装置、不揮発性メモリ装置、システム半導体装置、イメージセンサ、有機発光表示装置などのような様々な装置の製造に有利に適用可能である。
【0063】
上述したところでは、本発明の一実施例を説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正および変更できることを理解するだろう。