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特許7392063電力管理サーバ、電力管理システム及び電力管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電力管理サーバ、電力管理システム及び電力管理方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20231128BHJP
   H01M 8/043 20160101ALI20231128BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20231128BHJP
   H01M 8/04225 20160101ALI20231128BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20231128BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20231128BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20231128BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20231128BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20231128BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231128BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20231128BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/043
H01M8/04694
H01M8/04225
H01M8/04302
H01M8/0432
H01M8/04228
H01M8/04303
H01M8/04313
H02J3/38 170
H02J13/00 311R
H02J13/00 301A
H02J3/46
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022128475
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2020527504の分割
【原出願日】2019-06-24
(65)【公開番号】P2022160677
(43)【公開日】2022-10-19
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2018121627
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】寺井 良太
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2016/021179(JP,A1)
【文献】特開2017-085891(JP,A)
【文献】特開2015-126564(JP,A)
【文献】特開2018-055896(JP,A)
【文献】特開2017-127086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
H02J 3/00-5/00
13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々発電部を有する複数の燃料電池システムを制御する電力管理サーバであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信する受信処理と、
前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記複数の燃料電池システムのうち、前記動作状態が停止中状態又は停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が起動中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わない制御処理と、を実行する電力管理サーバ。
【請求項2】
前記制御処理は、前記制御対象期間において、前記複数の燃料電池システムのうち、前記動作状態が前記起動中状態である2つ以上の燃料電池システムの中で、前記発電部の温度が閾値よりも低い燃料電池システムよりも優先して、前記発電部の温度が前記閾値以上である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御する処理を含む、請求項1に記載の電力管理サーバ。
【請求項3】
各々発電部を有する複数の燃料電池システムを制御する電力管理サーバであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信する受信処理と、
前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記複数の燃料電池システムのうち、前記動作状態が停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が停止中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わない制御処理と、を実行する電力管理サーバ。
【請求項4】
前記受信処理は、前記複数の燃料電池システムのそれぞれの停止回数を示す情報要素を含むメッセージを受信する処理を含み、
前記制御処理は、前記制御対象期間において、前記動作状態が前記停止中状態又は前記停止動作中状態である2つ以上の燃料電池システムの中から、前記停止回数に基づいて、前記VPPの分散電源として制御する燃料電池システムを決定する処理を含む、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電力管理サーバ。
【請求項5】
前記受信処理は、前記燃料電池システムの停止種別を示す情報要素を含むメッセージを受信する処理を含み、
前記制御処理は、前記停止回数及び前記停止種別に基づいて前記燃料電池システムを決定する処理を含む、請求項4に記載の電力管理サーバ。
【請求項6】
各々発電部を有する複数の燃料電池システムと、
前記複数の燃料電池システムを制御する電力管理サーバとを備え、
前記電力管理サーバは、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信する受信処理と、
前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記複数の燃料電池システムのうち、前記動作状態が停止中状態又は停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が起動中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わない制御処理と、を実行する、電力管理システム。
【請求項7】
各々発電部を有する複数の燃料電池システムと、
前記複数の燃料電池システムを制御する電力管理サーバとを備え、
前記電力管理サーバは、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信する受信処理と、
前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記複数の燃料電池システムのうち、前記動作状態が停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が停止中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わない制御処理と、を実行する、電力管理システム。
【請求項8】
各々発電部を有する複数の燃料電池システムを電力管理サーバが制御する電力管理方法であって、
前記電力管理サーバが、前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信するステップと、
前記電力管理サーバが、前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記動作状態が停止中状態又は停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が起動中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わないステップとを備える、電力管理方法。
【請求項9】
各々発電部を有する複数の燃料電池システムを電力管理サーバが制御する電力管理方法であって、
前記電力管理サーバが、前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信するステップと、
前記電力管理サーバが、前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記動作状態が停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が停止中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わないステップとを備える、電力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理サーバ、電力管理システム及び電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の電力需給バランスを維持するために、蓄電装置を分散電源として用いる技術(例えば、VPP(Virtual Power Plant)が知られている(例えば、特許文献1、2)。さらには、VPPなどで用いる分散電源として、燃料電池システムを用いることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-182399号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴に係る電力管理サーバは、各々発電部を有する複数の燃料電池システムを制御する。前記電力管理サーバは、少なくとも1つのプロセッサを備える。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信する受信処理と、前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記複数の燃料電池システムのうち、前記動作状態が停止中状態又は停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が起動中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わない制御処理と、を実行する。
【0005】
第2の特徴に係る電力管理システムは、各々発電部を有する複数の燃料電池システムと、前記複数の燃料電池システムを制御する電力管理サーバとを備える。前記電力管理サーバは、少なくとも1つのプロセッサを備える。前記プロセッサは、前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信する受信処理と、前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記複数の燃料電池システムのうち、前記動作状態が停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が停止中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わない制御処理と、を実行する。
【0006】
第3の特徴に係る電力管理方法は、各々発電部を有する複数の燃料電池システムを電力管理サーバが制御することを含む。前記複数の燃料電池システムを制御することは、前記電力管理サーバが、前記複数の燃料電池システムの各々の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信することと、前記電力管理サーバが、前記複数の燃料電池システムをVPP(Virtual Power Plant)のために制御する期間であって電力需給バランスの逼迫に対応するための制御対象期間において、前記動作状態が停止動作中状態である燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が停止中状態である燃料電池システムを、前記VPPの分散電源として制御し、前記制御対象期間外において当該制御を行わないこととを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る電力管理システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る燃料電池システム310を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る貯湯タンク160を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る電力管理サーバ200を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報要素を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る電力管理方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
背景技術に言及される燃料電池システムとしては、停止中状態から発電中状態に遷移するまでの起動中状態が長い燃料電池システムも考えられる。このような背景下において、発明者等は、鋭意検討の結果、燃料電池システムをVPPの分散電源と用いる場合には、蓄電装置とは異なる制御が必要であることを見出した。
【0009】
そこで、本開示は、燃料電池システムを適切に制御することを可能とする電力管理サーバ、電力管理システム及び電力管理方法を提供する。
【0010】
一実施形態に係る電力管理サーバは、発電部を有する燃料電池システムを制御する。前記電力管理サーバは、少なくとも1つのプロセッサを有する。前記プロセッサは、前記燃料電池システムの動作状態を示す情報要素を含むメッセージを受信する受信処理と、前記燃料電池システムを制御する制御対象期間において、前記動作状態が起動中状態、停止中状態及び停止動作中状態である前記燃料電池システムよりも優先して、前記動作状態が発電中状態である前記燃料電池システムを制御する制御処理とを実行する。
【0011】
これにより、燃料電池システムを適切に制御することを可能とする電力管理サーバ、電力管理システム及び電力管理方法を提供できる。
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0013】
但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれている場合があることは勿論である。
【0014】
[実施形態]
(電力管理システム)
以下において、実施形態に係る電力管理システムについて説明する。図1に示すように、電力管理システム100は、電力管理サーバ200と、施設300とを有する。図1では、施設300として、施設300A~施設300Cが例示されている。
【0015】
各施設300は、電力系統110に接続される。以下において、電力系統110から施設300への電力の流れを潮流と称し、施設300から電力系統110への電力の流れを逆潮流と称する。
【0016】
電力管理サーバ200及び施設300は、ネットワーク120に接続されている。ネットワーク120は、電力管理サーバ200と施設300との間の回線を提供すればよい。例えば、ネットワーク120は、インターネットであってもよい。ネットワーク120は、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線であってもよい。
【0017】
電力管理サーバ200は、例えば、発電事業者、送配電事業者、小売事業者、リソースアグリゲータなどの電力事業者によって管理されるサーバである。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに対して電力系統110の電力管理を請け負う電力事業者である。電力系統110の電力管理は、電力系統110の電力管理などを含む。電力管理サーバ200の詳細については後述する(図4を参照)。
【0018】
ここで、電力管理サーバ200は、施設300に設けられるEMS320に対して、施設300に設けられる分散電源に対する制御を指示する制御メッセージを送信してもよい。例えば、電力管理サーバ200は、潮流の制御を要求する潮流制御メッセージ(例えば、DR;Demand Response)を送信してもよい。電力管理サーバ200は、逆潮流の制御を要求する逆潮流制御メッセージを送信してもよい。電力管理サーバ200は、分散電源の動作状態を制御する電源制御メッセージを送信してもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、絶対値(例えば、○○kW)で表されてもよく、相対値(例えば、○○%)で表されてもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、2以上のレベルで表されてもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、現在の電力需給バランスによって定められる電力料金(RTP;Real Time Pricing)によって表されてもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、過去の電力需給バランスによって定められる電力料金(TOU;Time Of Use)によって表されてもよい。
【0019】
施設300は、燃料電池システム310及びEMS320を有する。燃料電池システム310は、ガスなどの燃料を用いて発電を行う設備を含む。燃料電池システム310の詳細については後述する(図2を参照)。EMS320は、施設300に設けられる設備を制御する設備(Energy Management System)である。
【0020】
施設300は、電力を消費する負荷設備を有していてもよい。負荷設備は、例えば、空調設備、照明設備、AV(Audio Visual)設備などである。施設300は、燃料電池システム310以外の分散電源を有していてもよい。分散電源は、例えば、太陽光、風力又は地熱などの自然エネルギーを利用して発電を行う設備を含んでもよい。分散電源は、蓄電池設備を含んでもよい。
【0021】
実施形態において、電力管理サーバ200とEMS320との間の通信は、第1プロトコルに従って行われてもよい。一方で、EMS320と燃料電池システム310との間の通信は、第1プロトコルとは異なる第2プロトコルに従って行われてもよい。例えば、第1プロトコルとしては、Open ADR(Automated Demand Response)に準拠するプロトコル、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。例えば、第2プロトコルは、ECHONET Lite(登録商標。以下同じ)に準拠するプロトコル、SEP(Smart Energy Profile)2.0、KNX、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。なお、第1プロトコルと第2プロトコルは異なっていればよく、例えば、両方が独自の専用プロトコルであっても異なる規則で作られたプロトコルであればよい。
【0022】
(燃料電池システム)
以下において、実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。図2は、実施形態に係る燃料電池システム310を示す図である。燃料電池システム310は、少なくとも燃料電池設備150を含む。燃料電池システム310は、貯湯タンク160と併設されている。ここでは、燃料電池システム310は、燃料電池設備150を含み、貯湯タンク160と併設されるコジェネレーションシステムであるものとして説明を続ける。
【0023】
燃料電池設備150は、ガスなどの燃料を用いて発電を行う設備である。具体的には、図2に示すように、燃料電池設備150は、燃料電池151と、PCS152と、ブロワ153と、脱硫器154と、着火ヒータ155と、ラジエータ156と、制御基板157と、熱交換出口158Aと、熱交換入口158Bとを有する。
【0024】
燃料電池151は、燃料を用いて発電を行う設備である。具体的には、燃料電池151は、改質器151Aと、セルスタック151Bとを有する。
【0025】
改質器151Aは、後述する脱硫器154によって付臭剤が除去された燃料から改質ガスを生成する。改質ガスは、水素及び一酸化炭素によって構成されるガスである。
【0026】
セルスタック151Bは、後述するブロワ153から供給される空気(酸素)と改質ガスとの化学反応によって発電する。具体的には、セルスタック151Bは、複数のセルがスタックされた構造を有する。各セルは、燃料極と空気極との間に電解質が挟み込まれた構造を有する。燃料極には、改質ガス(水素)が供給され、空気極には、空気(酸素)が供給される。電解質において改質ガス(水素)及び空気(酸素)の化学反応が生じて、電力(DC電力)及び熱が生成される。
【0027】
PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する設備(Power Conditioning System)である。
【0028】
ブロワ153は、燃料電池151(セルスタック151B)に空気を供給する。ブロワ153は、例えば、ファンによって構成される。ブロワ153は、セルスタック151Bの温度が許容温度の上限を超えないようにセルスタック151Bを冷却する。
【0029】
脱硫器154は、外部から供給される燃料に含まれる付臭剤を除去する。燃料は、都市ガスであってもよく、プロパンガスであってもよい。
【0030】
着火ヒータ155は、セルスタック151Bで化学反応しなかった燃料(以下、未反応燃料)に着火し、セルスタック151Bの温度を高温に維持するヒータである。すなわち、着火ヒータ155は、セルスタック151Bを構成する各セルの開口から漏れる未反応燃料に着火する。着火ヒータ155は、未反応燃料が燃焼していないケース(例えば、燃料電池設備150の起動時)において、未反応燃料に着火すればよいことに留意すべきである。そして、未反応ガスの燃焼が開始した後においては、セルスタック151Bから僅かずつ溢れ出る未反応燃料が燃焼し続けることによって、セルスタック151Bの温度が高温に維持される。
【0031】
ラジエータ156は、セルスタック151Bの温度が許容温度の上限を超えないようにセルスタック151Bを冷却してもよい。貯湯タンク160から燃料電池設備150に流れる水(復路)の温度が許容温度の上限を超えないように水(復路)を冷却してもよい。
【0032】
制御基板157は、燃料電池151、PCS152、ブロワ153、脱硫器154、着火ヒータ155及び制御基板157を制御する回路を搭載する基板である。
【0033】
熱交換出口158Aは、貯湯タンク160への水(水(往路)とも称する)を導く口である。熱交換出口158Aは、後述する還流管161と接続される。
【0034】
熱交換入口158Bは、貯湯タンク160からの水(水(復路)とも称する)を導く口である。熱交換入口158Bは、後述する還流管162と接続される。
【0035】
改質器151A、ブロワ153、脱硫器154、着火ヒータ155及び制御基板157は、セルスタック151Bの動作を補助する補機の一例である。また、PCS152の一部を補機として扱ってもよい。
【0036】
燃料電池システム310の動作状態は、発電中状態、停止中状態、起動中状態、停止動作中状態、アイドル中状態などを含む。例えば、動作状態は、ECHONET Liteにおいて発電動作状態と称されてもよい。
【0037】
発電中状態は、燃料電池151による発電が行われている状態である。起動中状態は、停止中状態から発電中状態に至る状態である。停止中状態は、燃料電池151の動作が停止している状態である。停止動作中状態は、発電中状態から停止中状態に至る状態である。アイドル中状態は、燃料電池システム310から電力が出力されていないが、セルスタック151Bの温度が所定温度に維持される状態である。所定温度は、発電中状態におけるセルスタック151Bの発電温度(例えば、650℃~1000℃)と同程度であってもよい。所定温度は、発電温度よりも低い温度(例えば、450℃~600℃)であってもよい。アイドル中状態において、補機の電力は、燃料電池151から出力される電力によって賄われてもよい。アイドル中状態において、補機の電力は、他の分散電源(例えば、自然エネルギーを利用して発電を行う設備又は蓄電池設備)から供給される電力によって賄われてもよい。アイドル中状態において、補機の電力は、電力系統110から供給される電力によって賄われてもよい。
【0038】
図2に示す例では、制御基板157は、燃料電池設備150に設けられる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。燃料電池システム310は、ユーザ操作を受け付けるリモートコントローラを含み、制御基板157は、リモートコントローラに設けられてもよい。或いは、制御基板157が有する機能は、燃料電池設備150に設けられる基板及びリモートコントローラの双方によって実現されてもよい。
【0039】
貯湯タンク160は、図2及び図3に示すように、還流管161及び還流管162によって燃料電池設備150と連結される。還流管161は、燃料電池設備150の排熱によって温められる水(往路)の流路を形成する。還流管161は、貯湯タンク160から燃料電池設備150に供給される水(復路)の流路を形成する。貯湯タンク160は、給湯口163及び給水口164を有する。給湯口163は、貯湯タンク160から湯を取り出すための口である。給水口164は、貯湯タンク160に水を供給するための口である。給湯口163から湯が取り出された場合に、給水口164から水が供給される。
【0040】
例えば、図3に示すように、貯湯タンク160の上部には、還流管161及び給湯口163が設けられている。貯湯タンク160の上部には、比較的に高温の水が貯留される。一方で、貯湯タンク160の下部には、還流管162及び給水口164が設けられている。貯湯タンク160の下部には、比較的に低温の水が貯留される。
【0041】
実施形態において、燃料電池設備150の制御基板157は、通信モジュールを有する。制御基板157は、電力管理サーバ200にメッセージを送信する通信部を構成する。制御基板157は、EMS320を経由してメッセージを電力管理サーバ200に送信してもよい。制御基板157は、燃料電池システム310の動作状態を示す情報要素を含むメッセージを送信する。制御基板157は、貯湯タンク160と通信を行う機能を有していてもよい。制御基板157は、貯湯タンク160の湯量又は湯温を示す情報要素を含むメッセージを貯湯タンク160から受信してもよい。制御基板157は、貯湯タンク160と通信を行う機能を有していなくてもよい。
【0042】
(電力管理サーバ)
以下において、実施形態に係る電力管理サーバについて説明する。図4に示すように、電力管理サーバ200は、管理部210と、通信部220と、制御部230とを有する。電力管理サーバ200は、VTN(Virtual Top Node)の一例である。
【0043】
管理部210は、不揮発性メモリ又は/及びHDDなどの記憶媒体によって構成されている。管理部210は、電力管理サーバ200によって管理される施設300に関するデータを記憶する。電力管理サーバ200によって管理される施設300は、電力事業者と契約を有する施設300であってもよい。例えば、施設300に関するデータは、電力系統110から施設300に供給される需要電力であってもよい。施設300に関するデータは、施設300に設けられる燃料電池システム310の種別、施設300に設けられる燃料電池システム310のスペックなどであってもよい。スペックは、燃料電池システム310の定格発電電力(W)などであってもよい。さらに、施設300に関するデータは、貯湯タンク160の容量を含んでもよい。
【0044】
通信部220は、通信モジュールによって構成されている。通信部220は、ネットワーク120を介してEMS320と通信を行う。通信部220は、上述したように、第1プロトコルに従って通信を行う。例えば、通信部220は、第1プロトコルに従って第1メッセージをEMS320に送信する。通信部220は、第1プロトコルに従って第1メッセージ応答をEMS320から受信する。ここで、通信部220は、発電量データをEMS320から受信する。通信部220は、発電量データを定期的にEMS320から受信してもよい。
【0045】
実施形態において、通信部220は、動作状態を示す情報要素を含むメッセージを燃料電池システム310から受信する。通信部220は、EMS320を介して動作状態を示す情報要素を含むメッセージを燃料電池システム310から受信してもよい。
【0046】
図5に示すように、動作状態を示す情報要素は、発電中状態、停止中状態、起動中状態、停止動作中状態及びアイドル中状態のいずれかを示す情報要素である。各動作状態の詳細については上述した通りである。
【0047】
制御部230は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)などによって構成されている。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサによって構成されていてもよい。制御部230は、電力管理サーバ200に設けられる各構成を制御する。例えば、制御部230は、制御メッセージの送信によって、施設300に設けられるEMS320に対して、施設300に設けられる燃料電池システム310に対する制御を指示する。制御メッセージは、上述したように、潮流制御メッセージであってもよく、逆潮流制御メッセージであってもよく、電源制御メッセージであってもよい。
【0048】
実施形態において、第1に、制御部230は、燃料電池システム310を制御する制御対象期間において、動作状態が起動中状態、停止中状態及び停止動作中状態である燃料電池システム310よりも優先して、動作状態が発電中状態である燃料電池システム310を制御する。
【0049】
ここで、制御対象期間は、電力系統110の電力需給バランスの逼迫などの要因から、施設300の電力需要を減少する必要がある期間である。制御対象期間は、VPPで制御される期間であってもよい。制御対象期間は、DRで制御される期間であってもよい。
【0050】
第2に、制御部230は、制御対象期間において、動作状態が停止中状態及び停止動作中状態である燃料電池システム310よりも優先して、動作状態が起動中状態である燃料電池システム310を制御してもよい。このようなケースにおいて、制御部230は、制御対象期間において、動作状態が起動中状態である燃料電池システム310の中で、発電部(ここでは、セルスタック151B)の温度が閾値よりも低い燃料電池システム310よりも優先して、発電部の温度が閾値以上である燃料電池システム310を制御してもよい。これにより、制御部230は、同じ起動中状態にある複数の燃料電池システム310を比較した場合に、より早く発電中状態に到達できる燃料電池システム310から優先して、制御することができる。
【0051】
第3に、制御部230は、制御対象期間において、動作状態が停止動作中状態である燃料電池システム310よりも優先して、動作状態が停止中状態である燃料電池システム310を制御してもよい。
【0052】
上述したように、出力電力を増大すべき燃料電池システム310の優先順位は、発電中状態、起動中状態、停止中状態、停止動作中状態の順で定められる。
【0053】
ここでは、動作状態として、発電中状態、停止中状態、起動中状態及び停止動作中状態の4つの状態について例示しているが、実施形態はこれに限定されるものではない。上述したように、動作状態は、上述した4つの状態に加えて、アイドル中状態を含んでもよい。このようなケースにおいては、アイドル中状態の燃料電池システム310の優先順位は、発電中状態の燃料電池システム310の優先順位と同様に扱われてもよい。アイドル中状態の燃料電池システム310の優先順位は、発電中状態の燃料電池システム310の優先順位よりも低くてもよい。アイドル中状態の燃料電池システム310の優先順位は、起動中状態の燃料電池システム310の優先順位よりも高くてもよい。
【0054】
(電力管理方法)
以下において、実施形態に係る電力管理方法について説明する。図6では、電力系統110の電力需給バランスの逼迫などの要因から、燃料電池システム310の出力電力を増大するニーズがあるケースが想定されている。図6では、1つの燃料電池システム310が例示されているが、図1に示すように、2以上の燃料電池システム310が存在している。
【0055】
図6に示すように、ステップS11において、燃料電池システム310は、動作状態を示す情報要素を含むメッセージを電力管理サーバ200に送信する。燃料電池システム310は、動作状態を示す情報要素を含むメッセージを電力管理サーバ200に定期的に送信してもよい。情報要素は、図5で例示した通りである。
【0056】
ステップS12において、電力管理サーバ200は、動作状態を示す情報要素に基づいて、出力電力を増大すべき燃料電池システム310を選択する。例えば、電力管理サーバ200は、電力系統110の電力需給バランスの逼迫を解消するために必要な燃料電池システム310を優先順位に基づいて選択する。出力電力を増大すべき燃料電池システム310の優先順位は、発電中状態(アイドル中状態)、起動中状態、停止中状態、停止動作中状態の順で定められる。
【0057】
ステップS13において、電力管理サーバ200は、選択結果に基づいて、燃料電池システム310を制御するための制御メッセージを燃料電池システム310に送信する。例えば、電力管理サーバ200は、優先順位の高い燃料電池システム310の出力電力の増大を指示する制御メッセージを送信する。
【0058】
(作用及び効果)
実施形態では、電力管理サーバ200は、動作状態を示す情報要素に基づいて、出力電力を増大すべき燃料電池システム310を選択する。出力電力を増大すべき燃料電池システム310の優先順位は、発電中状態(アイドル中状態)、起動中状態、停止中状態、停止動作中状態の順で定められる。このような構成によれば、電力系統110の電力需給バランスの逼迫解消に速やかに寄与する燃料電池システム310を選択することができる。
【0059】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0060】
変更例1において、燃料電池システム310は、燃料電池システム310の停止回数を示す情報要素を含むメッセージを送信してもよい。燃料電池システム310は、燃料電池システム310の停止種別を示す情報要素を含むメッセージを送信してもよい。言い換えると、電力管理サーバ200は、燃料電池システム310の停止回数を示す情報要素を含むメッセージを燃料電池システム310から受信してもよい。電力管理サーバ200は、燃料電池システム310の停止種別を示す情報要素を含むメッセージを燃料電池システム310から受信してもよい。
【0061】
例えば、停止種別は、正常停止及び異常停止を含む。正常停止とは、燃料電池151による発電を停止するが、ブロワ153又はラジエータ156を停止せずに、ブロワ153又はラジエータ156を用いてセルスタック151Bの温度を下げながら、燃料電池システム310の動作を停止する動作である。一方で、異常停止は、燃料電池151による発電だけではなく、燃料電池システム310の全体の動作を停止する動作である。正常停止は、例えば、相対的に軽微な異常に応じて実行される動作、若しくは、燃料電池システム310の定期メンテナンスで実行される動作である。一方、異常停止は、例えば、相対的に重大な異常に応じて実行される動作、若しくは、正常停止を行えない状態で実行される動作である。
【0062】
さらに、燃料電池システム310の停止は、手動停止及び自動停止を含む。手動停止とは、ユーザ操作に起因する停止である。自動停止は、燃料電池システム310が有する停止機能に起因する停止である。自動停止は、ユーザ操作を要せずに、燃料電池システム310による自動的な停止である。手動停止は、上述した正常停止及び異常停止を含む。同様に、自動停止は、上述した正常停止及び異常停止を含む。さらに、燃料電池システム310の停止は、電力管理サーバ200から遠隔操作によって燃料電池システム310を停止する動作(すなわち、上述した遠隔停止)を含んでもよい。このような動作は、手動停止としてカウントされてもよく、自動停止としてカウントされてもよい。
【0063】
異常停止は、例えば、燃料電池システム310内のガスの濃度が所定範囲外となる事象に応じて実行される停止であってもよい。異常停止は、燃料電池システム310内のCOの濃度が上限閾値を超える事象に応じて実行される停止であってもよい。異常停止は、燃料電池システム310に設けられる部品(セルスタック、燃料触媒など)の温度が上限閾値を超える事象(高温異常)に応じて実行される停止であってもよい。ガスの濃度、COの濃度及び部品の温度は燃料電池システム310に設けられるセンサによって検出されてもよい。異常停止は、センサの検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよい。異常停止は、センサの検出結果のユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。さらに、異常停止は、例えば、燃料電池システム310に設けられる部品(例えば、センサ、ブロワ153、ラジエータ156など)の異常に応じて実行される停止であってもよい。異常停止は、部品の異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよい。異常停止は、部品の異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。
【0064】
正常停止は、異常停止以外の停止である。正常停止は、例えば、燃料電池システム310に設けられる部品(セルスタックなど)の温度が下限閾値を下回る事象(低温異常)に応じて実行される停止であってもよい。部品の温度は燃料電池システム310に設けられるセンサによって検出されてもよい。正常停止は、センサの検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよい。正常停止は、センサの検出結果のユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。さらに、正常停止は、通信異常に応じて実行される停止であってもよい。通信異常は、PCS152、制御基板157及びリモートコントローラなどのように、燃料電池システム310に設けられる部品の間の通信異常であってもよい。通信異常は、燃料電池システム310とEMS320との間の通信異常であってもよい。通信異常は、通信できない状態が所定時間以上に亘って継続する異常であってもよい。正常停止は、通信異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよい。正常停止は、通信異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。正常停止は、電力系統110の異常に応じて実行される停止であってもよい。電力系統110の異常は、停電であってもよく、系統電圧及び系統周波数の異常であってもよい。正常停止は、電力系統110の異常の検出結果によって燃料電池システム310が自動的に停止する自動停止でもよい。正常停止は、電力系統110の異常の検出結果をユーザに通知することによって燃料電池システム310がユーザ操作で停止する手動停止でもよい。
【0065】
停止回数は、正常停止の回数であってもよく、異常停止の回数であってもよく、正常停止及び異常停止の合計回数であってもよい。さらに、停止回数は、自動停止及び手動停止を区別可能な回数であってもよい。
【0066】
このようなケースにおいて、電力管理サーバ200は、制御対象期間において、動作状態が停止中状態及び停止動作中状態である燃料電池システムについて、停止回数に基づいて燃料電池システムを制御してもよい。例えば、電力管理サーバ200は、停止回数が所定閾値以上である燃料電池システム310よりも優先して、停止回数が所定閾値よりも少ない燃料電池システムを制御してもよい。
【0067】
さらに、電力管理サーバ200は、停止回数及び停止種別に基づいて燃料電池システムを制御してもよい。例えば、電力管理サーバ200は、異常停止の停止回数が所定閾値以上である燃料電池システム310よりも優先して、異常停止の停止回数が所定閾値よりも少ない燃料電池システムを制御してもよい。さらに、電力管理サーバ200は、異常停止の停止回数が所定閾値以上である燃料電池システム310の中から、正常停止の停止回数が所定閾値以上である燃料電池システム310よりも優先して、正常停止の停止回数が所定閾値よりも少ない燃料電池システムを制御してもよい。
【0068】
(作用及び効果)
実施形態では、電力管理サーバ200は、停止回数(及び停止種別)を示す情報要素に基づいて、出力電力を増大すべき燃料電池システム310を選択する。このような構成によれば、停止回数の上限が燃料電池システム310に定められているケースを想定した場合に、停止回数が上限に達する可能性を軽減しながら、出力電力を増大すべき燃料電池システム310を適切に選択することができる。
【0069】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0070】
実施形態では、燃料電池システム310が発電部の昇温によって発電を行うタイプであるケースを想定して、発電部の温度が閾値よりも低い燃料電池システム310よりも優先して、発電部の温度が閾値以上である燃料電池システム310が制御される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。燃料電池システム310が発電部の降温によって発電を行うタイプである場合には、発電部の温度が閾値よりも高い燃料電池システム310よりも優先して、発電部の温度が閾値未満である燃料電池システム310が制御されてもよい。
【0071】
実施形態では、管理部210が電力管理サーバ200に設けられるが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、管理部210は、ネットワーク120を介して電力管理サーバ200と接続されるサーバに設けられてもよい。
【0072】
燃料電池設備150は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)である。但し、燃料電池設備150は、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0073】
実施形態では、第1プロトコルがOpen ADR2.0に準拠するプロトコルであり、第2プロトコルがECHONET Liteに準拠するプロトコルであるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。第1プロトコルは、電力管理サーバ200とEMS320との間の通信で用いるプロトコルとして規格化されたプロトコルであればよい。第2プロトコルは、施設300で用いるプロトコルとして規格化されたプロトコルであればよい。
【0074】
本願は、日本国特許出願第2018-121627号(2018年6月27日出願)の優先権を主張し、その内容のすべてが本願明細書に組み込まれている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6