IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファナック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ファン制御装置および設定方法 図1
  • 特許-ファン制御装置および設定方法 図2
  • 特許-ファン制御装置および設定方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】ファン制御装置および設定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20231128BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H05K7/20 J
G06F1/20 B
G06F1/20 D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022503609
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2021006648
(87)【国際公開番号】W WO2021172277
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2020030233
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】金 光秀
(72)【発明者】
【氏名】松平 哲郎
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-139318(JP,A)
【文献】特開2013-29915(JP,A)
【文献】特開2006-18491(JP,A)
【文献】特開2015-220317(JP,A)
【文献】特開2011-66366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G06F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入出力ポート(18)を有し、複数の前記入出力ポートの少なくとも1つに接続されているファン(FN)を制御するファン制御装置(10)であって、
前記入出力ポートに接続されている前記ファンの個数および種類を取得する取得部(24)と、
前記ファンの個数および種類を示すファン構成パターンが複数記憶される記憶部(14)と、
前記記憶部に記憶された複数の前記ファン構成パターンのうち、前記取得部が取得した前記ファンの個数および種類と合致する前記ファン構成パターンを特定する特定部(26)と、
前記特定部が特定した前記ファン構成パターンに対応付けられた、前記ファンを回転させるときの回転速度の閾値を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンに設定する設定部(28)と、
を備える、ファン制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファン制御装置であって、
前記特定部が前記ファン構成パターンを特定できない場合、前記ファンの個数および種類の少なくとも一方が異常であることを通知する第1通知部(30A)を備える、ファン制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のファン制御装置であって、
前記閾値は、前記ファンの種類ごとに規定されている、ファン制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のファン制御装置であって、
前記ファンを駆動する駆動電流を複数の前記入出力ポートの各々に出力するファン駆動部(20)と、
複数の前記入出力ポートの各々から入力される信号に基づいて、前記回転速度を検出する検出部(22)と、
を備え、
前記取得部は、前記検出部が検出した検出数を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンの個数として取得し、前記検出部が検出した前記回転速度に基づいて、前記入出力ポートに接続されている前記ファンの種類を取得する、ファン制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載のファン制御装置であって、
前記取得部は、前記ファンの定格回転速度と前記ファンの種類とが対応付けられたテーブルを用いて、前記検出部が検出した前記回転速度との差が許容誤差範囲となる前記定格回転速度を特定し、特定した前記定格回転速度に対応付けられた前記ファンの種類を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンの種類として取得する、ファン制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載のファン制御装置であって、
前記差が前記許容誤差範囲となる前記定格回転速度を特定できなかった場合、規定の前記ファン以外が前記入出力ポートに接続されていることを通知する第2通知部(30B)を備える、ファン制御装置。
【請求項7】
複数の入出力ポートを有し、複数の前記入出力ポートの少なくとも1つに接続されているファンを制御するファン制御装置が前記ファンを回転させるときの回転速度の閾値を設定する設定方法であって、
前記入出力ポートに接続されている前記ファンの個数および種類を取得する取得ステップと、
前記ファンの個数および種類を示す複数のファン構成パターンのうち、前記取得ステップで取得された前記ファンの個数および種類と合致する前記ファン構成パターンを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された前記ファン構成パターンに対応付けられた前記閾値を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンに設定する設定ステップと、
を含む、設定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の設定方法であって、
前記特定ステップで前記ファン構成パターンが特定できない場合、前記ファンの個数および種類の少なくとも一方が異常であることを通知する第1通知ステップを含む、設定方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の設定方法であって、
前記閾値は、前記ファンの種類ごとに規定されている、設定方法。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか1項に記載の設定方法であって、
前記ファンを駆動する駆動電流を前記入出力ポートの各々に出力する出力ステップと、
複数の前記入出力ポートの各々から入力される信号に基づいて、前記回転速度を検出する検出ステップと、
を含み、
前記取得ステップは、前記検出ステップで検出された検出数を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンの個数として取得し、前記検出ステップで検出された前記回転速度に基づいて、前記入出力ポートに接続されている前記ファンの種類を取得する、設定方法。
【請求項11】
請求項10に記載の設定方法であって、
前記取得ステップは、前記ファンの定格回転速度と前記ファンの種類とが対応付けられたテーブルを用いて、前記検出ステップで検出された前記回転速度との差が許容誤差範囲となる前記定格回転速度を特定し、特定した前記定格回転速度に対応付けられた前記ファンの種類を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンの種類として取得する、設定方法。
【請求項12】
請求項11に記載の設定方法であって、
前記差が前記許容誤差範囲となる前記定格回転速度を特定できなかった場合、規定の前記ファン以外が前記入出力ポートに接続されていることを通知する第2通知ステップを含む、設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の入出力ポートを有し、複数の入出力ポートの少なくとも1つに接続されているファンを制御するファン制御装置および設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平6-244577号公報では、複数の入出力ポートを有し、当該入出力ポートに接続されている3つのファンを制御するファン制御装置が開示されている。このファン制御装置は、複数のファンを個別に回転制御する機能と、入出力ポートに接続されているファンの個数を認識する機能と、入出力ポートに接続されているファン異常回転かどうかを個別に判定する機能とを備えている。
【発明の概要】
【0003】
ところで、入出力ポートに接続されているファン構成パターンが変更される場合がある。例えば、4つの入出力ポートのうちの2つに接続されていた「X」種類のファンが、4つの入出力ポートの各々に対して「Y」種類のファンに交換される場合がある。この場合、ファンの個数および種類が変わるため、ファン構成パターンが変更される前にファンを制御していたときの回転速度の閾値と、ファン構成パターンが変更された後にファンを制御していたときの回転速度の閾値とが変わることになる。
【0004】
特開平6-244577号公報のファン制御装置は、複数のファンを個別に回転制御するが、当該回転制御の具体的な内容を途中で変更することができない。このため、ファン構成パターンが変更された場合には、ファンを適切に制御できなくなることが懸念される。
【0005】
そこで、本発明は、ファン構成パターンが変更されてもファンを適切に制御し得るファン制御装置および設定方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の第1の態様は、
複数の入出力ポートを有し、複数の前記入出力ポートの少なくとも1つに接続されているファンを制御するファン制御装置であって、
前記入出力ポートに接続されている前記ファンの個数および種類を取得する取得部と、
前記ファンの個数および種類を示すファン構成パターンが複数記憶される記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数の前記ファン構成パターンのうち、前記取得部が取得した前記ファンの個数および種類と合致する前記ファン構成パターンを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記ファン構成パターンに対応付けられた、前記ファンを回転させるときの回転速度の閾値を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンに設定する設定部と、
を備える。
【0007】
本発明の第2の態様は、
複数の入出力ポートを有し、複数の前記入出力ポートの少なくとも1つに接続されているファンを制御するファン制御装置が前記ファンを回転させるときの回転速度の閾値を設定する設定方法であって、
前記入出力ポートに接続されている前記ファンの個数および種類を取得する取得ステップと、
前記ファンの個数および種類を示す複数のファン構成パターンのうち、前記取得ステップで取得された前記ファンの個数および種類と合致する前記ファン構成パターンを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された前記ファン構成パターンに対応付けられた前記閾値を、前記入出力ポートに接続されている前記ファンに設定する設定ステップと、
を含む。
【0008】
本発明の態様によれば、ファン構成パターンが変更されてもファンを適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態のファン制御装置の構成を示すブロック図である。
図2】テーブルの構成例を示す概念図である。
図3】設定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について、好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0011】
〔実施形態〕
図1は、本実施形態のファン制御装置10の構成を示すブロック図である。ファン制御装置10は、入力部12と、記憶部14と、プロセッサ16と、を備える。
【0012】
入力部12は、情報を入力するものである。入力部12として、マウス、キーボード、あるいは、タッチパネルなどが挙げられる。記憶部14は、情報を記憶するものである。記憶部14として、ハードディスク、あるいは、可搬型メモリなどが挙げられる。記憶部14には、ファンFNを回転させるときの回転速度の閾値を設定するための設定プログラムなどが記憶される。
【0013】
プロセッサ16は、情報を処理するものである。プロセッサ16として、CPU、あるいは、MPUなどが挙げられる。プロセッサ16は、複数の入出力ポート18を有する。複数の入出力ポート18には、定格回転速度で回転する少なくとも1つのファンFNが接続されている。なお、1つの入出力ポート18には1つのファンFNが接続可能である。本実施形態では、入出力ポート18の個数は4つであり、入出力ポート18に接続されているファンFNの個数は2つとする。
【0014】
プロセッサ16は、入力部12から、ファンFNを回転させるときの回転速度の閾値を設定する設定処理の開始指令が入力された場合、記憶部14に記憶された設定プログラムを実行する。この場合、プロセッサ16は、ファン駆動部20、検出部22、取得部24、特定部26、設定部28および通知部30として機能する。
【0015】
ファン駆動部20は、ファンFNを駆動するものである。ファン駆動部20は、定格回転速度で回転するように、複数の入出力ポート18の各々から、ファンFNを駆動する駆動電流を出力する。ここで、入出力ポート18にファンFNが接続されている場合、回転速度に応じた変化を有する信号がファンFNから出力され、当該ファンFNから出力された信号が入出力ポート18からプロセッサ16に入力される。一方、入出力ポート18にファンFNが接続されていない場合、回転速度に応じた変化を有していない信号がファンFNから出力され、当該ファンFNから出力された信号が入出力ポート18からプロセッサ16に入力される。
【0016】
検出部22は、複数の入出力ポート18の各々から入力される信号に基づいて、回転速度を検出するものである。検出部22は、入出力ポート18から入力される信号が回転速度に応じた変化を有する場合、当該変化から回転速度を検出する。一方、検出部22は、入出力ポート18から入力される信号が回転速度に応じた変化を有していない場合、回転速度を検出できない。
【0017】
取得部24は、入出力ポート18に接続されているファンFNの個数および種類を取得するものである。取得部24は、検出部22が検出した検出数を、入出力ポート18に接続されているファンFNの個数として取得する。本実施形態では、検出部22が検出した検出数は2つとなる。
【0018】
取得部24は、記憶部14に予め記憶されたテーブルを用いて、入出力ポート18に接続されているファンFNの種類を取得する。テーブルは、ファンFNの定格回転速度とファンFNの種類とが対応付けられている。取得部24は、テーブルを用いて、検出部22が検出した回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定し、特定した定格回転速度に対応付けられたファンFNの種類を、入出力ポート18に接続されているファンFNの種類として取得する。
【0019】
なお、検出部22が検出した回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度がテーブルにない場合、規定のファンFN以外が入出力ポート18に接続されていることになる。この場合、取得部24は、検出部22が検出した回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定できないため、入出力ポート18に接続されているファンFNの種類を取得できない。
【0020】
特定部26は、入出力ポート18に接続されているファン構成パターンを特定するものである。図2に示すように、記憶部14には、ファンFNの個数および種類を示すファン構成パターンが予め記憶される。図2の例では、ファン構成パターン「1」は、「A」の種類のファンFNが2つであることを示している。ファン構成パターン「2」は、「A」の種類のファンFNが2つ、かつ、「B」の種類のファンFNが2つであることを示している。ファン構成パターン「3」は、「B」の種類のファンFNが4つであることを示している。
【0021】
各々のファン構成パターンには、当該ファン構成パターンにおけるファンFNの種類ごとに、ファンFNを回転させるときの回転速度の閾値が対応付けられる。閾値は、上限値であってもよく、下限値であってもよく、上限値および下限値の双方であってもよい。図2の例では、ファン構成パターン「1」には、「A」の種類のファンFNに「○○○rpm」の下限値が対応付けられる。ファン構成パターン「2」には、「A」の種類のファンFNに「△△△rpm」の下限値が対応付けられ、「B」の種類のファンFNに「×××rpm」の下限値が対応付けられる。ファン構成パターン「3」には、「B」の種類のファンFNに「□□□rpm」の下限値が対応付けられる。
【0022】
なお、図2の例では、ファンFNを回転させるときの回転速度の下限値と、ファンFNの個数および種類とが同じテーブルとなっているが、同じテーブルでなくてもよい。また、ファン構成パターン「2」の「B」の種類のファンFNに対応付けられる「×××rpm」の下限値と、ファン構成パターン「3」の「B」の種類のファンFNに対応付けられる「□□□rpm」の下限値とは異なっているが、同じであってもよい。
【0023】
特定部26は、記憶部14に記憶された複数のファン構成パターンのうち、取得部24が取得したファンFNの個数および種類と合致するファン構成パターンを特定する。なお、取得部24が取得したファンFNの個数および種類と合致するファン構成パターンがない場合、規定のファン構成パターン以外が採用されていることになる。つまり、ファンFNの個数および種類の少なくとも一方が異常である。この場合、特定部26は、取得部24が取得したファンFNの個数および種類と合致するファン構成パターンを特定できない。
【0024】
なお、本実施形態では、入出力ポート18に接続されているファンFNの個数は2つであるため、図2の例では、ファン構成パターン「1」が、取得部24が取得したファンFNの個数および種類と合致するファン構成パターンの候補である。
【0025】
設定部28は、特定部26が特定したファン構成パターンに対応付けられた、ファンFNを回転させるときの回転速度の閾値を、入出力ポート18に接続されているファンFNに設定するものである。設定部28は、取得部24の取得結果に基づいて、入出力ポート18に接続されているファンFNを認識し、認識したファンFNに対して、特定部26が特定したファン構成パターンに対応付けられた閾値を設定する。なお、閾値が設定された場合、ファン駆動部20は、ファンFNを回転させるときの回転速度の閾値を設定する設定処理以外の通常の処理では、設定された閾値に基づいて、ファンFNを駆動する。すなわち、閾値が上限値の場合、ファン駆動部20は、設定された上限値を上回らないように、ファンFNを駆動する駆動電流を出力する。また、閾値が下限値の場合、ファン駆動部20は、設定された下限値を下回らないように、ファンFNを駆動する駆動電流を出力する。また、閾値が上限値および下限値の場合、ファン駆動部20は、上限値と下限値との範囲内になるように、ファンFNを駆動する駆動電流を出力する。
【0026】
通知部30は、異常を通知するものである。表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つがファン制御装置10に備えられている場合、通知部30は、表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つを用いて、異常を通知してもよい。また、表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つを備えた外部装置がファン制御装置10に接続される場合、通知部30は、その外部装置に作動信号を送信することで、異常を通知してもよい。
【0027】
通知部30は、第1通知部30A、第2通知部30Bおよび第3通知部30Cを有する。第1通知部30Aは、特定部26がファン構成パターンを特定できない場合に、ファンFNの個数および種類の少なくとも一方が異常であることを通知する。第2通知部30Bは、検出部22が検出した回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定できなかった場合に、規定のファンFN以外が入出力ポート18に接続されていることを通知する。第3通知部30Cは、検出部22が回転速度を検出できない場合に、入出力ポート18にファンFNが未接続である、もしくは、入出力ポート18に接続されているファンFNが故障していることを通知する。
【0028】
次に、ファンFNを回転させるときの回転速度の閾値を設定する設定方法に関し、図3を用いて、ファン制御装置10の設定処理の手順を説明する。
【0029】
ステップS1において、ファン駆動部20は、定格回転速度で回転するように、1つの入出力ポート18に駆動電流を出力する。ファン駆動部20が駆動電流を出力すると、設定処理はステップS2に移行する。
【0030】
ステップS2において、検出部22は、ステップS1で駆動電流が出力された入出力ポート18から入力される信号に基づいて、回転速度を検出する。ここで、検出部22が回転速度を検出できなかった場合、設定処理はステップS3に移行する。一方、検出部22が回転速度を検出できた場合、設定処理はステップS4に移行する。
【0031】
ステップS3において、通知部30(第3通知部30C)は、入出力ポート18にファンFNが未接続である、もしくは、入出力ポート18に接続されているファンFNが故障していることを通知する。通知部30(第3通知部30C)が通知すると、設定処理はステップS7に移行する。
【0032】
ステップS4において、取得部24は、検出部22の検出数をファンFNの個数として示す値を、1つインクリメントする。取得部24がインクリメントすると、設定処理はステップS5に移行する。
【0033】
ステップS5において、取得部24は、テーブルを用いて、ステップS2で検出された回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定する。ここで、取得部24が定格回転速度を特定できなかった場合、設定処理はステップS6に移行する。一方、取得部24は、定格回転速度を特定できた場合、特定した定格回転速度に対応付けられたファンFNの種類を、入出力ポート18に接続されているファンFNの種類として取得する。取得部24がファンFNの種類を取得すると、設定処理はステップS7に移行する。
【0034】
ステップS6において、通知部30(第2通知部30B)は、規定のファンFN以外が入出力ポート18に接続されていることを通知する。通知部30(第2通知部30B)が通知すると、設定処理はステップS7に移行する。
【0035】
ステップS7において、ファン駆動部20は、全ての入出力ポート18に駆動電流を出力し終えたか否かを判定する。ここで、ファン駆動部20が全ての入出力ポート18から駆動電流を出力し終えていない場合、設定処理はステップS1に戻る。一方、ファン駆動部20が全ての入出力ポート18から駆動電流を出力し終えた場合、設定処理はステップS8に移行する。
【0036】
ステップS8において、特定部26は、記憶部14に記憶された複数のファン構成パターンのうち、ステップS4で取得されたファンFNの個数およびステップS5で取得されたファンFNの種類と合致するファン構成パターンを特定する。ここで、特定部26がファン構成パターンを特定できた場合、設定処理はステップS9に移行する。一方、特定部26がファン構成パターンを特定できなかった場合、設定処理はステップS10に移行する。
【0037】
ステップS9において、設定部28は、ステップS8で特定されたファン構成パターンに対応付けられた閾値を、入出力ポート18に接続されているファン駆動部20に設定する。設定部28が閾値を設定すると、設定処理は終了する。
【0038】
ステップS10において、通知部30(第1通知部30A)は、ファンFNの個数および種類の少なくとも一方が異常であることを通知する。通知部30(第1通知部30A)が通知すると、設定処理は終了する。
【0039】
〔変形例〕
取得部24が入出力ポート18に接続されているファンFNの個数および種類を取得する手法は、上記の実施形態に限定されない。例えば、取得部24は、入力部12から入力されたファンFNの個数および種類を、入出力ポート18に接続されているファンFNの個数および種類として取得してもよい。なお、取得部24が入力部12から入力されたファンFNの個数および種類を、入出力ポート18に接続されているファンFNの個数および種類として取得する場合、ファン駆動部20および検出部22は省かれてもよい。この場合、取得部24は、入出力ポート18に接続されているファンFNの個数および種類を入力するための入力画面を表示部に表示させてもよい。
【0040】
〔発明〕
上記の実施形態および変形例から把握し得る発明として、第1の発明および第2の発明を以下に記載する。
【0041】
(第1の発明)
第1の発明は、複数の入出力ポート(18)を有し、複数の入出力ポート(18)の少なくとも1つに接続されているファン(FN)を制御するファン制御装置(10)である。ファン制御装置(10)は、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の個数および種類を取得する取得部(24)と、ファン(FN)の個数および種類を示すファン構成パターンが複数記憶される記憶部(14)と、記憶部(14)に記憶された複数のファン構成パターンのうち、取得部(24)が取得したファン(FN)の個数および種類と合致するファン構成パターンを特定する特定部(26)と、特定部(26)が特定したファン構成パターンに対応付けられた、ファン(FN)を回転させるときの回転速度の閾値を、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)に設定する設定部(28)と、を備える。これにより、ファン構成パターンが変更されてもファン(FN)を適切に制御することができる。
【0042】
ファン制御装置(10)は、特定部(26)がファン構成パターンを特定できない場合、ファン(FN)の個数および種類の少なくとも一方が異常であることを通知する第1通知部(30A)を備えてもよい。これにより、ファン構成パターンが規定外であることをオペレータに通知することができる。
【0043】
ファン構成パターンに対応付けられた閾値は、ファン(FN)の種類ごとに規定されていてもよい。これにより、ファン(FN)を適切に制御することができる。
【0044】
ファン制御装置(10)は、ファン(FN)を駆動する駆動電流を複数の入出力ポート(18)の各々に出力するファン駆動部(20)と、複数の入出力ポート(18)の各々から入力される信号に基づいて、回転速度を検出する検出部(22)と、を備え、取得部(24)は、検出部(22)が検出した検出数を、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の個数として取得し、検出部(22)が検出した回転速度に基づいて、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の種類を取得してもよい。これにより、実際にファン(FN)が回転したときの状態からそのファン(FN)の個数および種類を取得することができる。
【0045】
取得部(24)は、ファン(FN)の定格回転速度とファン(FN)の種類とが対応付けられたテーブルを用いて、検出部(22)が検出した回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定し、特定した定格回転速度に対応付けられたファン(FN)の種類を、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の種類として取得してもよい。これにより、規定のファン(FN)の種類を回転速度に応じて取得することができる。
【0046】
ファン制御装置(10)は、検出部(22)が検出した回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定できなかった場合、規定のファン(FN)以外が入出力ポート(18)に接続されていることを通知する第2通知部(30B)を備えてもよい。これにより、ファン(FN)が規定外であることをオペレータに通知することができる。
【0047】
(第2の発明)
第2の発明は、複数の入出力ポート(18)を有し、複数の入出力ポート(18)の少なくとも1つに接続されているファン(FN)を制御するファン制御装置(10)がファン(FN)を回転させるときの回転速度の閾値を設定する設定方法である。設定方法は、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の個数および種類を取得する取得ステップ(S4、S5)と、ファン(FN)の個数および種類を示す複数のファン構成パターンのうち、取得ステップ(S4、S5)で取得されたファン(FN)の個数および種類と合致するファン構成パターンを特定する特定ステップ(S8)と、特定ステップ(S8)で特定されたファン構成パターンに対応付けられた閾値を、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)に設定する設定ステップ(S9)と、を含む。これにより、ファン構成パターンが変更されてもファン(FN)を適切に制御することができる。
【0048】
設定方法は、特定ステップ(S8)でファン構成パターンが特定できない場合、ファン(FN)の個数および種類の少なくとも一方が異常であることを通知する第1通知ステップ(S10)を含んでもよい。これにより、ファン構成パターンが規定外であることをオペレータに通知することができる。
【0049】
ファン構成パターンに対応付けられた閾値は、ファン(FN)の種類ごとに規定されていてもよい。これにより、ファン(FN)を適切に制御することができる。
【0050】
設定方法は、ファン(FN)を駆動する駆動電流を入出力ポート(18)の各々に出力する出力ステップ(S1)と、複数の入出力ポート(18)の各々から入力される信号に基づいて、回転速度を検出する検出ステップ(S2)と、を含み、取得ステップ(S4、S5)は、検出ステップ(S2)で検出された検出数を、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の個数として取得し、検出ステップ(S2)で検出された回転速度に基づいて、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の種類を取得してもよい。これにより、実際にファン(FN)が回転したときの状態からそのファン(FN)の個数および種類を取得することができる。
【0051】
取得ステップ(S4、S5)は、ファン(FN)の定格回転速度とファン(FN)の種類とが対応付けられたテーブルを用いて、検出ステップ(S2)で検出された回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定し、特定した定格回転速度に対応付けられたファン(FN)の種類を、入出力ポート(18)に接続されているファン(FN)の種類として取得してもよい。これにより、規定のファン(FN)の種類を回転速度に応じて取得することができる。
【0052】
設定方法は、検出ステップ(S2)で検出された回転速度との差が許容誤差範囲となる定格回転速度を特定できなかった場合、規定のファン(FN)以外が入出力ポート(18)に接続されていることを通知する第2通知ステップ(S6)を含んでもよい。これにより、ファン(FN)が規定外であることをオペレータに通知することができる。
図1
図2
図3