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特許7392110コンテンションウィンドウ維持方法、及びデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】コンテンションウィンドウ維持方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20231128BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20231128BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20231128BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20231128BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/02
H04W16/14
H04W28/04 110
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022509700
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2020108298
(87)【国際公開番号】W WO2021031914
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】201910760963.4
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 佳胤
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジャン-マリー マッツァレセ
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0254858(US,A1)
【文献】Samsung,Remaining details of DL LBT,3GPP TSG-RAN WG1#82b R1-155464,フランス,3GPP,2015年09月25日
【文献】Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Remaining details of single-carrier LBT,3GPP TSG-RAN WG1#82b R1-155625,フランス,3GPP,2015年09月26日
【文献】Samsung,Remaining details of HARQ-ACK based CWS adaptation,3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-156761,フランス,3GPP,2015年11月07日
【文献】Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Remaining Details of Single-Carrier LBT,3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-157013,フランス,3GPP,2015年11月07日
【文献】Samsung,Channel access procedures for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1901 R1-1901031,フランス,3GPP,2019年01月11日
【文献】Intel Corporation,Channel access mechanism for NR-unlicensed,3GPP TSG RAN WG1#96 R1-1902471,フランス,3GPP,2019年02月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンションウィンドウ維持方法であって、
通信装置によって、第1の時間ウィンドウ内で、第1の参照時間内に前記通信装置によって送信されたN個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持するステップであって、Nは、0より大きい整数であり、前記応答は、ACK及び/又はNACKを含み、前記コンテンションウィンドウ値は、前記N個の第1の参照データの受信された前記応答におけるACKの割合、及び/又は前記N個の第1の参照データの受信された前記応答におけるNACKの割合に基づいて維持される、ステップを含み、
前記通信装置は、前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記第1の時間ウィンドウ内で前記通信装置によって受信される前記応答における前記ACKの前記割合が10%以下であるとき、前記コンテンションウィンドウ値を増加させ
前記通信装置は、前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記第1の時間ウィンドウ内で前記通信装置によって受信される前記応答における前記ACKの前記割合が0に等しく、前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記第1の時間ウィンドウ内で前記通信装置によって受信される前記応答における前記NACKの前記割合が0に等しいとき、前記コンテンションウィンドウ値を調整しない、
コンテンションウィンドウ維持方法。
【請求項2】
前記通信装置は、前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記通信装置によって受信される前記応答における前記ACKの前記割合が10%より大きいとき、前記コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の時間ウィンドウの開始時点は、前記第1の参照時間の後にある、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の時間ウィンドウのサイズは、事前設定されている、
請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
通信装置であって、前記通信装置は、メモリと、前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、前記メモリは、命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、前記通信装置が動作、即ち、
第1の参照時間内に送信されたN個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおけるコンテンションウィンドウ値を維持することであって、Nは、0より大きい整数であり、前記応答は、ACK及び/又はNACKを含み、前記コンテンションウィンドウ値は、前記N個の第1の参照データの受信された前記応答におけるACKの割合、及び/又は前記N個の第1の参照データの受信された前記応答におけるNACKの割合に基づいて維持される、こと
を実行するために前記命令を実行するように構成され、
前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記第1の時間ウィンドウ内で前記通信装置によって受信される前記応答における前記ACKの前記割合が10%以下であるとき、前記コンテンションウィンドウ値は増加され
前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記第1の時間ウィンドウ内で前記通信装置によって受信される前記応答における前記ACKの前記割合が0に等しく、前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記第1の時間ウィンドウ内で前記通信装置によって受信される前記応答における前記NACKの前記割合が0に等しいとき、前記コンテンションウィンドウ値は調整されない、
通信装置。
【請求項6】
前記N個の第1の参照データのものであり、かつ前記通信装置によって受信される前記応答における前記ACKの前記割合が10%より大きいとき、前記コンテンションウィンドウ値は、最小コンテンションウィンドウ値に調整される、
請求項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記第1の時間ウィンドウの開始時点は、前記第1の参照時間の後にある、
請求項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記第1の時間ウィンドウのサイズは、事前設定されている、
請求項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置は、ネットワークデバイス、端末デバイス、チップ、又はチップシステムである、
請求項に記載の通信装置。
【請求項10】
コンピュータプログラムを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータに、請求項1~のいずれか1項に記載の前記方法を実行させる、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータに、請求項1~のいずれか1項に記載の前記方法を実行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項12】
通信装置であって、前記通信装置は、トランシーバユニットと、処理ユニットとを備え、
前記トランシーバユニットは、信号を送信又は受信するように構成され、
前記処理ユニットは、前記通信装置に、請求項1~のいずれか1項に記載の前記方法を実行させるように構成される、
通信装置。
【請求項13】
前記トランシーバユニットは、トランシーバであり、前記処理ユニットは、プロセッサである、
請求項12に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年8月16日に中国国家産権局に提出され、「CONTENTION WINDOW MAINTENANCE METHOD AND DEVICE」と題された中国特許出願第201910760963.4号の優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願は、通信技術の分野、特に、コンテンションウィンドウ維持(contention window maintenance)方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信技術の急速な発展に伴い、スペクトルリソースが益々不足してきている。このことは、アンライセンスバンド上の探求を促進する。第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project, 3GPP)は、ライセンスアシストアクセス(license assisted access, LAA)及び発展型ライセンスアシストアクセス(enhanced LAA, eLAA)技術をリリース13(Release-13, R-13)及びR-14にそれぞれ導入する。言い換えると、通信システムは、非スタンドアロン(Non-standalone)方式でアンライセンススペクトルに配置される。通信システムは、ライセンススペクトルのアシストを最大限に受けてアンライセンススペクトルリソースを利用することができる。
【0004】
アンライセンススペクトル上に配置される通信システムは、通常、コンテンションを通じて無線リソースを利用/共有する。通信デバイスは、同じルール又は類似のルールを利用することによって、アンライセンススペクトルリソースを公平に競い合って利用する。概して、信号を送信する前に、通信デバイスは、最初、リスニングを通じて、アンライセンススペクトル(即ち、チャネル)がアイドルかどうかを決定する。リスニングを通じて、アンライセンススペクトルがアイドル状態にあることを検出したとき、通信デバイスは、アンライセンススペクトル上で信号を送信してよく、そうでなければ、通信デバイスは、信号を送信しない。このリッスン・ビフォア・トークメカニズムは、リッスン・ビフォア・トーク(listen before talk, LBT)メカニズムと称される。
【0005】
LBTメカニズムの主なアイデアは、以下の通りである。通信デバイスがデータを送信する必要がある前に、通信デバイスは、コンテンションプロセス(ランダムバックオフプロセスとも称される)を実行する必要がある。コンテンションプロセスは、以下の通りである。
【0006】
S1:通信デバイスは、コンテンションウィンドウ(contention window, CW)値を含むインターバル(0,CW]から、ランダムにコンテンションの番号n(ランダムバックオフカウントとも称される)を選択し、コンテンションカウントカウンタをnに初期化する。コンテンションカウントnは、通信デバイスのランダムバックオフ持続時間を表すために利用される。
【0007】
S2:コンテンションウィンドウにおいて、コンテンションカウントカウンタが0より大きいとき、通信デバイスは、コンテンションカウントカウンタを1つ減少させ、次の観測スロットにおけるチャネルの状況を検出し、コンテンションカウンタが0に等しいとき、S5を実行する。
【0008】
S3:チャネルがアイドルであることを検出したとき、通信システムは、S2を実行し続ける。
【0009】
S4:チャネルがビジーであることが検出されたとき、コンテンションカウントカウンタのカウントを停止し、遅延時間の中でチャネルの状況を検出し、遅延時間の中でチャネルがアイドルであることが絶えず検出された後、コンテンションカウントカウンタのカウントを作動させ、S2を実行し続ける。
【0010】
S5:通信デバイスは、チャネル上でデータを送信する。
【0011】
LBTの間、通信システム内の複数の通信デバイスが同じランダム番号を選択するとき、複数の通信デバイスは、同じ時点でLBTを終了し、同時にデータを送信することがある。結果として、複数の通信デバイスのデータ送信は衝突し、相互干渉が発生し、最終的に、データ送信の失敗につながる。データ送信の衝突を回避するため、現在の標準は、通信デバイスが、受信端によってフィードバックされる応答に基づいてデータ送信状況を決定して、次のLBTによって利用されるコンテンションウィンドウCW値を調整できることのみを明示することができる。
【0012】
例えば、現時点で送信に成功したデータの割合が第1の閾値に到達すると決定したとき、通信デバイスは、現在のCWを維持するか又はCWを減少させる、又は、現時点で送信に失敗したデータの割合が第2の閾値に到達すると決定したとき、通信デバイスは、CWを増加させる。
【0013】
しかし、様々な理由のために、通信デバイスは、適時の方式で、受信端によってフィードバックされた応答を受信できないことがある。例えば、受信端は、LBTチャネルコンテンションを実行して、応答を送信するために時間が必要である。従って、受信端によってフィードバックされた応答に基づいて、上記の方法で通信デバイスによって決定されたデータ送信状況は不正確であり、言い換えると、通信デバイスによって決定された送信状況は、現在のデータ送信が衝突しているかどうかを正確に反映することができない。
【発明の概要】
【0014】
この出願は、コンテンションウィンドウ維持方法、及びデバイスを提供し、チャネルアクセス公平性が保証される限り、チャネルアクセス遅延、及び異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減する。
【0015】
第1の態様によれば、この出願の実施形態は、コンテンションウィンドウ維持方法を提供する。方法は、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、かつチャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイス(以下では、通信デバイスと称される)に適用されうる。方法は、以下のステップを含みうる。
【0016】
通信デバイスは、第1の参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内に、N個の第1の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数であり、通信デバイスは、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおけるコンテンションウィンドウ値を維持(maintain)する。
【0017】
方法において、通信デバイスは、応答を受信するための特定のバッファ時間(即ち、時間ウィンドウ)を設定する。バッファ時間内に、通信デバイスは、従来技術のものとは異なる第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持し、それによって、通信デバイスによってコンテンションウィンドウ値を維持することのフレキシビリティ、及び通信デバイスによってコンテンションウィンドウ値を決定することの正確性が改善できる。従って、チャネルアクセス公平性が保証される限り、方法は、通信デバイスのチャネルアクセス遅延、及び異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減することができる。
【0018】
可能な設計において、方法は、通信デバイスが、第1の時間ウィンドウの後、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持すること、をさらに含む。第1の時間ウィンドウが終了した後、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。これらの応答は、ある程度、現在のデータ送信環境を反映することができる。従って、通信デバイスが、第2のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、コンテンションウィンドウ値を決定することの正確性が改善できる。
【0019】
可能な設計において、通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないか、又はN個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるか、又はN個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
第1のターゲット参照データは、通信デバイスが成功応答ACKを受信する第1の参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信しない第1の参照データである。
【0020】
任意選択で、この設計において、第1の閾値と第2の閾値との和は、1に等しい。
【0021】
第1の閾値及び第2の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0022】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内で維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。この場合、通信デバイスが、いくつかの第1の参照データのACKを受信しないとき、通信デバイスは、送信に失敗した第1の参照データとして、第1の参照データを不正確にカウントし、本来はコンテンションウィンドウ値が最小コンテンションウィンドウ値に調整される必要があるときに、コンテンションウィンドウ値を不正確に調整及び増加させることがある。このことは、通信デバイスのチャネルアクセス遅延を増加させ、最終的には通信デバイスのチャネルアクセス公平性に影響を及ぼす。
【0023】
この実装の例において、上記の問題を解決するために、第2の閾値(例えば、90%)は、従来の維持方法における失敗閾値(例えば、80%)より大きく設定される。このようにすると、方法において、コンテンションウィンドウ値を増加させるための条件は、より厳格にでき、それによって、ACK応答遅延に起因して、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を増加させる確率は低減され、それにより、通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0024】
可能な設計において、通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第4の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えず、かつN個の第1の参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第4の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない。
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データであり、第3のターゲット参照データは、通信デバイスが失敗応答NACKを受信する第1の参照データである。
【0025】
任意選択で、この設計において、第3の閾値と第4の閾値との和は1に等しい。
【0026】
第3の閾値及び第4の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0027】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内で維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。この場合、通信デバイスによって受信されない応答は、ACKであってもよいし、又はNACKであってもよい。この実装において、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、通信デバイスは、ACK及びNACKが受信される第1の参照データのみを考慮し、DTXが受信される第1の参照データについての統計を収集しない。このようにすると、以下のケースが回避できる。第1の参照データのACKが遅延のために受信されないため、DTXが受信される第1の参照データとして、第1の参照データが不正確にカウントされる。NACKが受信される第1の参照データの数が、ACKが受信されない第1の参照データの数以下であるため、たとえ第4の閾値が従来技術の失敗閾値(例えば、80%)と同じ又は近くても、コンテンションウィンドウ値を増加させるための条件が、より厳格にでき、それにより、コンテンションウィンドウ値を増加させる確率が減少し、通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0028】
また、第4の閾値が、従来技術の失敗閾値(例えば、80%)と同じ又は近いため、第3の閾値は、従来技術の成功閾値(例えば、20%)と同じ又は近くなる。従って、この実装において、コンテンションウィンドウ値を最小値に調整するための条件が緩和されないことが保証でき、それによって、コンテンションウィンドウ値を最小値に調整する確率が増加されず、それによって、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率をさらに低減する。
【0029】
加えて、この設計において、N個の第1の参照データの応答が、コンテンションウィンドウ値を増加させるための条件も、コンテンションウィンドウを減少させるための条件も満たさないとき、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を変更しないままにしてよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0030】
可能な設計において、通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第5の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しないか、又は
通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第5の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を調整する。
【0031】
通信デバイスは、第4のターゲット参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第6の閾値を超えないか、又は、第4のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第7の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、第4のターゲット参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第6の閾値を超えるか、又は、第4のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第7の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
第4のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データであり、第3のターゲット参照データは、通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データである。
【0032】
任意選択で、この設計において、第6の閾値と第7の閾値との和は1に等しい。
【0033】
第6の閾値及び第7の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0034】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内で維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。通信デバイスが応答を受信する第1の参照データ(即ち、第4のターゲット参照データ)が比較的少数であるとき、N個の第1の参照データの中で、ACKが受信される第1の参照データの割合は、比較的小さくなる。通信デバイスが依然として従来方法に従ってコンテンションウィンドウ値を維持している場合、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を増加させる確率は比較的大きい。このことは、通信デバイスのチャネルアクセス遅延を増加させ、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性に影響を及ぼす。
【0035】
上記の問題を解決するために、通信デバイスは、実際のACK及びNACK分布状況をより良く反映できる以下の2つの割合、
ACK及びNACKが受信される第1の参照データの中で、ACKが受信される第1の参照データの割合、及び、
ACK及びNACKが受信される第1の参照データの中で、NACKが受信される第1の参照データの割合、
に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるか、又はコンテンションウィンドウ値を最小コンテンションウィンドウ値に調整するかを決定し、それによって、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性が改善できる。従って、この実装において、通信デバイスのチャネルアクセス速度が保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0036】
加えて、通信デバイスが応答を受信する第1の参照データ(即ち、第4のターゲット参照データ)が非常に少数であるとき、実際のACK及びNACK分布状況は、たとえ上記の2つの割合が利用されたとしても、正確に反映できない。通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、また、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減するため、この場合、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を変更しないままにしてよい。
【0037】
第5の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。任意選択で、第5の閾値は、0%又は1%などの比較的小さい値に設定されてよい。
【0038】
可能な設計において、通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第8の閾値を超えないか、又はN個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第9の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第8の閾値を超えるか、又はN個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第9の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
第4のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第5のターゲット参照データは、N個の第1の参照データの中で、通信デバイスがACKもNACKも受信しない第1の参照データである。
【0039】
任意選択で、この設計において、第8の閾値と第9の閾値との和は1に等しい。
【0040】
第8の閾値及び第9の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0041】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内で維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。通信デバイスは、データ送信衝突に起因して応答を受信しないことがある。従って、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する第1の参照データが比較的少数であるとき、それは、有効な応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的多数であり、データ送信衝突の確率が比較的大きいことを示す。従って、通信デバイスは、その後のデータ送信プロセスで生じる送信衝突の確率を低減するためにコンテンションウィンドウ値を増加させてよい。
【0042】
それに対応して、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する第1の参照データが比較的多数であるとき、それは、応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的少数であり、データ送信衝突の確率が比較的小さいことを示す。従って、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を最小コンテンションウィンドウ値に調整してよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が改善できる。
【0043】
可能な設計において、第1の時間ウィンドウの後で、通信デバイスが、第2のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する機会は、それに限定されないが、以下の機会を含んでよい。
【0044】
機会1:第1の時間ウィンドウが終了したとき、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0045】
機会2:第1の時間ウィンドウが終了した後、少なくとも1つの第1の参照データの応答を受信したとき、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0046】
機会3:第1の時間ウィンドウが終了した後、データ送信プロセスを実行する前に、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0047】
この設計において、通信デバイスによって、第1の時間ウィンドウが終了した後で、コンテンションウィンドウ値を維持することのフレキシビリティが改善できる。
【0048】
可能な設計において、通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、第2のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第10の閾値を超えないか、又はN個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第11の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスが、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第10の閾値を超えるか、又はN個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第11の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
第1のターゲット参照データは、通信デバイスが成功応答ACKを受信する第1の参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信しない第1の参照データである。
【0049】
任意選択で、この設計において、第10の閾値と第11の閾値との和は1に等しい。
【0050】
第10の閾値及び第11の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0051】
第1の時間ウィンドウが終了した後に、コンテンションウィンドウ値が維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、通信デバイスによって受信されない応答が比較的少数になる。従って、第1の時間ウィンドウが終了した後、通信デバイスは、送信方法を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。N個の第1の参照データの中で、ACKが受信される第1の参照データの割合、及びN個の第1の参照データの中で、ACKが受信されない第1の参照データの割合は、実際の応答状態分布状況を反映できるため、上記の実装を利用することによって、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性が改善できる。従って、この実装において、通信デバイスのチャネルアクセス速度は保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0052】
任意選択で、第10の閾値は、従来技術の成功閾値と同じ又は近くてよい。それに対応して、第11の閾値は、従来技術の失敗閾値と同じ又は近くてよい。
【0053】
可能な設計において、通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、第2のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第12の閾値を超えないか、又はN個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第13の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第12の閾値を超えるか、又はN個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第13の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
第4のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第5のターゲット参照データは、N個の第1の参照データの中で、通信デバイスがACKもNACKも受信しない第1の参照データである。
【0054】
任意選択で、この設計において、第12の閾値と第13の閾値との和は1に等しい。
【0055】
第12の閾値及び第13の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0056】
通信デバイスは、データ送信衝突に起因して、応答を受信しないことがある。
従って、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する第1の参照データが比較的少数であるとき、それは、応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的多数であり、データ送信衝突の確率が比較的大きいことを示す。
従って、通信デバイスは、その後のデータ送信プロセスで生じる送信衝突の確率を低減するために、コンテンションウィンドウ値を増加させてよい。
【0057】
それに対応して、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する第1の参照データが比較的多数であるとき、それは、応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的少数であり、データ送信衝突の確率が比較的小さいことを示す。従って、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整してよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が改善できる。
【0058】
可能な設計において、いずれかの第1の参照データの応答を少なくとも1度受信したとき、通信デバイスは、第1の参照データの最終応答として、第1の参照データの最後に受信された応答を利用し、第1のルール又は第2のルールを利用することによって、各第1の参照データの最終応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0059】
各参照データの最後に受信された応答は、現在のネットワーク送信状況をより正確に反映できるため、通信デバイスは、各参照データの最後に受信された応答に基づいてコンテンションウィンドウ値を維持し、それによって、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性が改善でき、それにより、チャネルアクセス公平性を保証する限り、通信デバイスのチャネルアクセス遅延と、異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率とを低減する。
【0060】
可能な設計において、第1の時間ウィンドウの開始時点は、第1の参照時間の前又は後にあり、第1の時間ウィンドウの開始時点が第1の参照時間の前にあるとき、第1の時間ウィンドウの終了時点は、第1の参照時間の後にある、又は
第1の時間ウィンドウの開始時点は、第1の参照時間が配置されるデータ送信プロセスの後にある、又は
第1の時間ウィンドウの開始時点は、事前設定されたターゲット時間ドメインリソースの前又は後にあり、ターゲット時間ドメインリソースは、N個の第1の参照データの応答を送信するために利用される事前設定された初期時間ドメインリソースである。この設計において、第1の時間ウィンドウの位置のフレキシビリティが改善できる。
【0061】
可能な設計において、第1の時間ウィンドウのサイズは、事前設定され、通信デバイスと受信端との間で合意され、受信端のために通信デバイスによって構成され、又は通信デバイスが応答リソースをスケジューリングするのを受信端が待機する最大持続時間に等しくてよい。
【0062】
可能な設計において、第1の時間ウィンドウは、タイマーを利用することによって維持される。
【0063】
可能な設計において、第1の参照時間は、L番目のデータ送信プロセス中に配置され、第1の時間ウィンドウは、第1の参照時間に対応し、Lは、0より大きい整数であり、方法は、以下のステップをさらに含む。
【0064】
通信デバイスは、K番目の参照時間を決定し、第2の参照時間は、(L+K)番目のデータ送信プロセス中に配置され、通信デバイスは、K番目の参照時間内にM個の第2の参照データを送信しており、Mは、0より大きい整数であり、Kは、1より大きい整数であり、
通信デバイスは、K番目の参照時間の後、少なくとも1つの(K-Y)番目の参照データの応答を受信し、(K-Y)番目の参照データは、(K-Y)番目の参照時間内に送信された参照データであり、(K-Y)番目の参照時間は、(L+K-Y)番目のデータ送信プロセス中に配置され、Yは、0より大きく、Kより小さい整数である。
通信デバイスは、(L+K-Y)番目のデータ送信プロセスで実際に利用されるコンテンションウィンドウと、各(K-Y)番目の参照データの最後に受信された応答とに基づいて、(L+K-Y+1)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値を再決定する。
通信デバイスは、前のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値と、前のデータ送信プロセスにおける参照時間内に送信された参照データの最後に受信された応答とに基づいて、現在のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値を決定し、(L+K)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値が決定されるまで、前述のステップを繰り返す。
通信デバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値を、(L+K)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値にアップデートする。
通信デバイスは、K番目の参照時間に対応するK番目の時間ウィンドウ内で、第1のルールを利用することによって、M個の第2の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
K番目の参照時間に対応するK番目の時間ウィンドウが終了した後、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、M個の第2の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0065】
この設計において、前回の、コンテンションウィンドウ値を維持するための参照データの応答を受信したとき、通信デバイスは、参照データの最も最近受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を再維持するために、その時点にバックオフし、現在のコンテンションウィンドウ値が決定されるまで、後続のコンテンションウィンドウ値を順次再維持する。参照データの前回利用された応答にエラーが存在することに起因して、前回決定されたコンテンションウィンドウ値にエラーが存在することがあり、エラーは、複数回の後続の維持を通じて蓄積され、コンテンションウィンドウ値の正確性に影響を及ぼす。従って、方法において、前に決定されたコンテンションウィンドウ値は、参照データの最後の応答に基づいて修正されてよく、その後に決定されたコンテンションウィンドウ値は、順次修正されてよく、それによって、コンテンションウィンドウ値のエラー蓄積が回避され、それにより、最終的に決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性を改善する。
【0066】
第2の態様によれば、この出願の実施形態は、コンテンションウィンドウ維持方法をさらに提供する。方法は、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、チャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイス(以下では、通信デバイスと称される)に適用されうる。方法は、以下のステップを含みうる。
【0067】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内にN個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。通信デバイスは、参照時間の後、いずれかの第1の参照データの応答を少なくとも1度受信する。通信デバイスは、各参照データの最後に受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0068】
各参照データの最後に受信された応答は、現在のネットワーク送信状況をより正確に反映できるため、通信デバイスは、各参照データの最後に受信された応答に基づいてコンテンションウィンドウ値を維持し、それによって、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性が改善でき、それにより、チャネルアクセス公平性を保証する限り、通信デバイスのチャネルアクセス遅延と、異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率とを低減する。
【0069】
第3の態様によれば、この出願の実施形態は、コンテンションウィンドウ維持方法をさらに提供する。方法は、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、チャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイス(以下では、通信デバイスと称される)に適用されうる。方法は、以下のステップを含みうる。
【0070】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内にN個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する、又は
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えず、かつN個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない。
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信デバイスが失敗応答NACKを受信する参照データである。
【0071】
第4の態様によれば、この出願の実施形態は、コンテンションウィンドウ維持方法をさらに提供する。方法は、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、チャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイス(以下では、通信デバイスと称される)に適用されうる。方法は、以下のステップを含みうる。
【0072】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内にN個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない、又は
通信デバイスは、以下のステップを実行することによって、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を調整する。
【0073】
通信デバイスは、第1のターゲット参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないか、又は第1のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、第1のターゲット参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるか、又は第1のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
【0074】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データであり、第3のターゲット参照データは、通信デバイスがNACKを受信する参照データである。
【0075】
第5の態様によれば、この出願の実施形態は、コンテンションウィンドウ維持方法をさらに提供する。方法は、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、チャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイス(以下では、通信デバイスと称される)に適用されうる。方法は、以下のステップを含みうる。
【0076】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内にN個の参照データを送信している。
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないか、又はN個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるか、又はN個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、N個の参照データの中で、通信デバイスがACKもNACKも受信しない参照データである。
【0077】
上記の方法のいずれか1つの可能な設計において、通信デバイスは、例えば、以下の方法を利用することによって、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させてよい。
【0078】
方法1:通信デバイスは、従来の方法に従って現在のコンテンションウィンドウ値を増やす。具体的なプロセスについては、数式:CWp=(CW+1)*m-1、m≧2を参照されたい。
【0079】
方法2:通信デバイスは、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pと、最大コンテンションウィンドウ値CWmax,pとの範囲内で複数のレベル、例えば、CW1,p(即ち、CWmin,p)、CW2,p、CW,p、…、CWf,p(即ち、CWmax,p)を事前設定する。現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるとき、通信デバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値のレベルを決定し、次いで、コンテンションウィンドウ値を、そのレベルの次に高いレベルに調整してよい。例えば、現在のコンテンションウィンドウ値CWpがCWi,pであるとき、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpをCWi+1,pに調整してよい。
【0080】
方法3:ネットワークデバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値を固定値だけ増加させる。
【0081】
この設計において、通信デバイスによってコンテンションウィンドウ値を増加させることのフレキシビリティが改善できる。
【0082】
第6の態様によれば、この出願の実施形態は、上記の態様のいずれか1つにおけるステップを実行するように構成されたユニットを含む、通信デバイスを提供する。
【0083】
第7の態様によれば、この出願の実施形態は、少なくとも1つの処理要素と、少なくとも1つの記憶要素とを含む、通信デバイスを提供する。少なくとも1つの記憶要素は、プログラム及びデータを格納するように構成される。少なくとも1つの処理要素は、この出願の上記の態様のいずれか1つによる方法を実行するように構成される。
【0084】
第8の態様によれば、この出願の実施形態は、コンピュータプログラムをさらに提供する。コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されるとき、コンピュータに、上記の態様のいずれか1つによる方法を実行させる。
【0085】
第9の態様によれば、この出願の実施形態は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されるとき、コンピュータは、上記の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0086】
第10の態様によれば、この出願の実施形態は、チップをさらに提供する。チップは、メモリ内に格納されたコンピュータプログラムを読み出して、上記の態様のいずれか1つによる方法を実行するように構成される。
【0087】
第11の態様によれば、この出願の実施形態は、チップシステムをさらに提供する。チップシステムは、上記の態様のいずれか1つで提供される方法を実装することにおいてコンピュータ装置をサポートするように構成されたプロセッサを含む。可能な設計において、チップシステムは、メモリをさらに含み、メモリは、コンピュータ装置に必要なプログラム及びデータを格納するように構成される。チップシステムは、チップを含んでよく、又は、チップと他の分離したコンポーネントとを含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1A】この出願の実施形態による、通信システムの模式図である。
図1B】この出願の実施形態による、通信システムの模式図である。
図2】この出願の実施形態による、コンテンションウィンドウ維持方法のフローチャートである。
図3】この出願の実施形態による、参照時間kに対応する時間ウィンドウDの開始時点の例の図である。
図4A】この出願の実施形態による、コンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図4B】この出願の実施形態による、コンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図5A】この出願の実施形態による、他のコンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図5B】この出願の実施形態による、他のコンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図6】この出願の実施形態による、他のコンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図7A】この出願の実施形態による、他のコンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図7B】この出願の実施形態による、他のコンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図7C】この出願の実施形態による、他のコンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図8】この出願の実施形態による、他のコンテンションウィンドウ維持例の模式図である。
図9】この出願の実施形態による、通信デバイスの構造の図である。
図10】この出願の実施形態による、他の通信デバイスの構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
この出願は、コンテンションウィンドウ調整方法及びデバイスを提供し、チャネルアクセス公平性を保証する限り、チャネルアクセス遅延、及び異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減する。方法及びデバイスは、同じ発明思想に基づいている。方法の問題解決原理は、デバイスのものと類似しているため、相互参照が、方法及びデバイスの実装に対してなされることがあり、繰り返し説明が提供されない。
【0090】
以下において、当業者がより良い理解を得られるように、この出願における、いくつかの用語が説明される。
【0091】
(1)通信デバイスは、データ送信通信機能を持つ、通信システム内のデバイスである。この出願において、通信デバイスは、LBTコンテンションを通じて、アンライセンススペクトルリソースを利用する。
【0092】
任意選択で、通信デバイスは、ネットワークデバイス、端末デバイス、中継デバイスなどであってよい。このことは、この出願において限定されない。
【0093】
(2)ネットワークデバイスは、通信システム内にあり、かつ端末デバイスを無線ネットワークに接続するデバイスである。ネットワークデバイスは、無線アクセスネットワーク内のノードであり、基地局又は無線アクセスネットワーク(radio access network, RAN)ノード(又はデバイス)と称されることもある。
【0094】
現在、ネットワークデバイスのいくつかの例は、gNB、送受信ポイント(transmission reception point, TRP)、発展型NodeB(evolved NodeB, eNB)、無線ネットワークコントローラ(radio network controller, RNC)、NodeB(NodeB, NB)、アクセスポイント(access point, AP)、基地局コントローラ(base station controller, BSC)、基地トランシーバ局(base transceiver station, BTS)、ホーム基地局(例えば、ホーム発展型NodeB、又はホームNodeB、HNB)、ベースバンドユニット(baseband unit, BBU)、エンタープライズLTEディスクリートスペクトラムアグリゲーション(Enterprise LTE Discrete Spectrum Aggregation, eLTE-DSA)基地局などである。
【0095】
加えて、ネットワーク構造において、ネットワークデバイスは、中央ユニット(central unit, CU)ノード、及び分散ユニット(distributed unit, DU)ノードを含んでよい。この構造において、ロングタームエボリューション(long term evolution, LTE)システムにおけるeNBのプロトコルレイヤは分離される。いくつかのプロトコルレイヤの機能は全て、CUによって制御され、残りのプロトコルレイヤの一部又は全部の機能はDUに分散される。DUは全て、CUによって制御される。
【0096】
(3)端末デバイスは、音声及び/又はデータ接続をユーザに提供するデバイスである。端末デバイスは、ユーザ機器(user equipment, UE)、モバイル局(mobile station, MS)、モバイル端末(mobile terminal, MT)などと称されることもある。
【0097】
例えば、端末デバイスは、ハンドヘルドデバイス、任意の車載デバイス、又は無線接続機能を持つ路側ユニットであってよい。現在、端末デバイスのいくつかの例は、モバイルフォン(mobile phone)、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルインターネットデバイス(mobile internet device, MID)、スマートポイントオブセールス(point of sale, POS)、ウェアラブルデバイス、仮想現実(virtual reality, VR)デバイス、拡張現実(augmented reality, AR)デバイス、産業制御(industrial control)の無線端末、自律運転(self driving)の無線端末、リモート医療手術(remote medical surgery)の無線端末、スマートグリッド(smart grid)内の無線端末、輸送安全(transportation safety)における無線端末、スマートシティ(smart city)内の無線端末、スマートホーム(smart home)内の無線端末、様々なスマートメータ(スマート水量メータ、スマート電力メータ、及びスマートガスメータ)、eLTE-DSA UE、統合アクセス及びバックホール(integrated access and backhaul, IAB)能力を持つデバイス、車載電子制御ユニット(electronic control unit, ECU)など、車載コンピュータ、車載クルーズシステム、テレマティクスボックス(telematics box, T-BOX)などである。
【0098】
(4)中継デバイスは、ブリッジ機能を有し、端末デバイス、ネットワークデバイス、又は他の中継デバイスへの無線接続を構築できるデバイスである。比較的大きな物理的距離があるか、又は端末デバイスとネットワークデバイスとの間に障害物があるとき、端末デバイスは、直接的にネットワークデバイスに接続できない。この場合、少なくとも1つの中継デバイスが、マルチホップ通信を形成するために、端末デバイスとネットワークデバイスとの間に配置されることがあり、それによって、端末デバイスとネットワークデバイスとの間の無線接続が実装される。
【0099】
中継デバイスの物理的形態は、端末デバイス、ブリッジ、ネットワークデバイス(例えば、マイクロ基地局又はAP)、統合アクセス及びバックホールIABノード(node)、カスタマ構内設備(customer premises equipment, CPE)、統合アクセス及びバックホール能力を持つデバイスなどであってよい。このことは、この出願において限定されない。
【0100】
(5)応答は、データパケットの送信状況に基づいて、受信デバイスによって送信され、データパケットの送信状況を送信デバイスに通知するために利用され、それによって、送信デバイスは、応答に基づいて、再送信が必要であるかどうかを決定する。
【0101】
ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest, HARQ)技術をサポートする通信システムにおいて、データパケットを受信した後、受信デバイスは、ハイブリッド自動再送要求肯定応答(HARQ-acknowledgment, HARQ-ACK)を送信デバイスに送信して、受信デバイスによって、データパケットの送信の状況を送信デバイスに通知し、それによって、送信デバイスは、TBの送信状況に基づいて、データパケットが再送される必要があるかどうかを決定する。例えば、トランスポートブロック(transport block, TB)に基づいて送信を実行する通信システムにおいて、データパケットは、TBを含む。
【0102】
概して、HARQ-ACKは、肯定応答(Acknowledgement, ACK)、及び否定応答(Negative Acknowledgement, NACK)を含む。ACKは、データパケットの送信に成功していることを示し、NACKは、データパケットの送信に失敗していることを示す。この出願の実施形態において、「応答」及び「HARQ-ACK」は、特別な場合を除いて置き換えられることがある。
【0103】
例えば、ネットワークデバイスがダウンリンクPDSCHを端末デバイスに送信するとき、端末デバイスは、PDSCHについてのACK又はNACKをフィードバックする。他の例では、端末デバイスがアップリンクデータをネットワークデバイスに送信するとき、ネットワークデバイスは、シグナリングを利用することによって、アップリンクデータについてのACK又はNACKをフィードバックするか、又は、端末デバイスは、次回、同じHARQプロセスをスケジューリングするための、アップリンクスケジューリングシグナリングにおける新データインジケータ(NDI)がトグルされるかどうかを決定してよい。NDIがトグルされる場合、それはACKと等価であり、又は、NDIがトグルされない場合、それは、NACKと等価である。
【0104】
いくつかのシナリオにおいて、受信デバイスは、データパケットの送信に成功しているときのみACKを送信する。ACKを受信したとき、送信デバイスは、データパケットの送信が成功していると決定する、又は、ACKを受信しないとき、送信デバイスは、データパケットが送信に失敗し、再送される必要があると決定する。
【0105】
まとめると、この出願において、HARQ-ACKは、3つの状態、即ち、ACK、NACK、及び、ACK及びNACK以外の第3の状態を含む。第3の状態は、不連続送信(Discontinuous Transmission, DTX)と称されることがあり、第3の状態は、実質的に、ACK又はNACK以外の応答であってよく、「any」とも称される。いくつかの実施形態において、受信デバイスが有効な応答(ACK及びNACK)を検出しないことは、DTXが受信されることも意味する。
【0106】
(6)「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクト間の関連付け関係を記述し、3つの関係が存在しうることを示す。例えば、A及び/又はBは、以下の3つのケース、即ち、Aのみが存在すること、A及びBの両方が存在すること、そして、Bのみが存在することを表しうる。記号「/」は、通常、関連付けられたオブジェクト間での「又は」の関係を表す。
【0107】
この出願における「複数の」は、2つ又は2つより大きいことを意味し、「少なくとも1つの」は、1つ以上を意味することに留意すべきである。
【0108】
加えて、この出願の説明において、「第1の」及び「第2の」などの用語は、単に区別又は説明のために利用されるに過ぎず、相対的な重要性を示す又は暗示するもの、又は順序を示す又は暗示するものとして理解されることはできないと理解されるべきである。
【0109】
以下では、添付図を参照しながら、この出願の実施形態が詳細に説明される。
【0110】
図1Aは、この出願の実施形態において提供されるコンテンションウィンドウ方法が適用できる、可能な通信システムのアーキティクチャを示す。図1Aを参照する。通信システムは、ネットワークデバイスと、端末デバイス(図1Aの端末デバイスaから端末デバイスe)とを含む。
【0111】
ネットワークデバイスは、ネットワーク側で無線信号を受信及び送信でき、無線アクセス関連サービスを、ネットワークデバイスによって管理されるセル内の端末デバイスに提供することと、物理レイヤ機能、リソーススケジューリング機能、無線リソース管理機能、サービス品質(Quality of Service, QoS)管理機能、無線アクセス制御機能、及びモビリティ管理機能を実装することと、を担うエンティティである。
【0112】
端末デバイスは、ユーザ側で無線信号を受信及び送信でき、ネットワークデバイスを利用することによってネットワークにアクセスする必要があるエンティティである。
【0113】
任意選択で、図1Aに示した通信システムは、サイドリンク(sidelink)通信技術をサポートする。サイドリンク通信技術は、端末デバイスが直接的に接続でき、近接サービス(proximity services, ProSe)通信技術、又はデバイストゥデバイス(device to device, D2D)通信技術とも称されるニアフィールド通信技術である。通信システムにおいて、比較的近い地理的位置に位置し、サイドリンク通信をサポートする複数の端末デバイスは、1つの通信サブシステムを形成しうる。通信サブシステムにおいて、サイドリンク通信は、端末デバイス間で実行されうる。
【0114】
例えば、図1Aに示した通信システムにおいて、端末デバイスa、端末デバイスb、及び端末デバイスcは全て、サイドリンク通信をサポートする。この場合、3つの端末デバイスは、通信サブシステムを形成してよく、サイドリンクデータは、端末デバイスaと端末デバイスbとの間、及び端末デバイスbと端末デバイスcとの間で送信できる。
【0115】
図1Aに示した通信システムのアーキティクチャに基づいて、図1Bに示すように、この出願の実施形態は、通信システムのネットワークトポロジアーキティクチャをさらに提供する。ネットワークデバイス及び端末デバイスは、エアインターフェース(即ち、Uuインターフェース)を通じて接続されて、端末デバイスとネットワークデバイスとの間の通信(そのような通信は、簡単に、Uu通信又はセルラネットワーク通信と称されることがある)を実装しうる。ダイレクトリンクは、PC5インターフェースを通じて、サイドリンクデータを送信するために、隣接する端末デバイス間で構築されうる。
【0116】
アンライセンススペクトルリソースは、通信システムの容量を増加させ、ライセンススペクトルリソースの不足のプレッシャーを低減するために、図1A及び図1Bに示した通信システム内のデータ送信に利用されうる。例えば、Uuインターフェースを利用することによって相互に通信するとき、ネットワークデバイス及び端末デバイスは、アンライセンススペクトルリソースを利用することによって、データを送信しうる。他の例では、PC5インターフェースを利用することによって相互に通信するとき、端末デバイスは、アンライセンススペクトルリソースを利用することによって、データを送信しうる。
【0117】
図1A及び図1Bに示した通信システムは例として利用されており、この出願の実施形態で提供される方法が適用できる通信システムに関する限定を構成しないことにさらに留意されるべきである。この出願の実施形態は、様々なタイプ及び標準の通信システム、例えば、第5世代(The 5th Generation, 5G)通信システム、将来(第6世代、第7世代など)の通信システム、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution, LTE)通信システム、ビークルトゥエブリシング(vehicle to everything, V2X)通信システム、ロングタームエボリューションビークル(LTE-vehicle, LTE-V)通信システム、ビークルトゥビークル(vehicle to vehicle, V2V)通信システム、マシンタイプ通信(Machine Type Communications, MTC)システム、モノのインターネット(internet of things, IoT)通信システム、ロングタームエボリューションマシントゥマシン(LTE-machine to machine, LTE-M)通信システム、マシントゥマシン(machine to machine, M2M)通信システム、D2D通信システム、及びエンタープライズLTEディスクリートスペクトラムアグリゲーション(enterprise LTE discrete spectrum aggregation, eLTE-DSA)システムにさらに適用されてよい。このことは、この出願の実施形態において限定されない。
【0118】
図1A及び図1Bに示されている、アンライセンススペクトル上に配置される上記の通信システムにおいて、通信デバイス(ネットワークデバイス又は端末デバイス)は、通常、公平に競い合って、アンライセンススペクトルリソースを利用するために、LBTメカニズムを利用する。LBTメカニズムの主な手順については、背景技術の説明を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明されない。
【0119】
現在、通信システム内の通信デバイス上でデータ送信衝突が生じる確率を低減するために、LTE-LAA通信システム内のネットワークデバイスeNBによって、コンテンションウィンドウCWをアップデートするプロセスは、3GPP TS37.213で画定されている。LTE-LAA通信システムは、コンテンションウィンドウ値について異なる優先度を設定(例えば、優先度1、2、3、及び4を設定)し、対応する最小コンテンションウィンドウ値CWmin,p及び最大コンテンションウィンドウ値CWmax,pを、各優先度pについて設定しており、p∈{1,2,3,4}である。
【0120】
eNBが、優先度pで、1つのキャリア上で、PDSCHを送信することを望むとき、eNBは、コンテンションウィンドウ値CWpを、以下のステップに従って調整してよい。
【0121】
1.最初に、eNBは、CWp=CWmin,pを設定する。
【0122】
2.eNBは、現在のサブキャリア上での直近の送信における開始サブフレームを参照サブフレームとして定義し、eNBは、参照サブフレームで、複数の参照PDSCHを送信する。eNBは、参照サブフレームにおけるPDSCHの受信された応答に基づいて、次のLBTのCWpを調整する。
【0123】
eNBがNACKを受信するPDSCHの割合が失敗閾値(例えば、80%)を超えるか、又はeNBがACKを受信するPDSCHの割合が成功閾値(例えば、20%)より小さい場合、eNBは、CWpを増加させる、例えば、CWp=(CWp+1)*m-1、m≧2とする。増加されたCWpは、制約CWp≦CWmax,pを満たす必要があることに留意すべきである。NACKなどの応答、DTX、eNBによって受信されるanyは全て、NACKとしてカウントされる。
【0124】
他の場合、eNBは、CWp=CWmin,pを設定する。
【0125】
チャネルアクセス公平性が保証される限り、チャネルアクセス遅延、及び異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減するために、この出願は、コンテンションウィンドウ維持方法を提供する。方法は、図1A及び図1Bに示した通信システムに適用されうる。方法に関連する通信デバイスは、通信システム内のものであり、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、かつチャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイスであってよい。図2を参照する。方法は、以下の手順を特に含む。
【0126】
S201:通信デバイスは、第1の参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内にN個の第1の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。
【0127】
通信システムにおいて、通信デバイスは、複数のデータ送信プロセスを通じて、データを受信端に送信しうる。従って、第1の参照時間を決定するとき、通信デバイスは、L番目のデータ送信プロセスにおける第1の参照時間を決定しうる。例えば、通信デバイスは、L番目のデータ送信プロセス内の特定の時間期間を、第1の参照時間として利用してよく、又は通信デバイスは、L番目のデータ送信プロセス内の時間期間の一部を、第1の参照時間として利用してよい。例えば、通信デバイスは、無線フレームを送信してデータ送信プロセスを実行するとき、通信デバイスは、L番目のデータ送信プロセスを実行するために、無線フレーム内の最初のa個のスロットを、第1の参照時間として利用してよく、L及びaは、0より大きい整数である。
【0128】
第1の参照データは、第1の参照時間内に送信されるデータパケットでありうることに留意すべきである。例えば、ネットワークデバイスがダウンリンクデータを端末デバイスに送信するシナリオにおいて、ネットワークデバイスは、通信デバイスであり、第1の参照データは、物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel, PDSCH)であってよい。端末デバイスがアップリンクデータをネットワークデバイスに送信するシナリオおいて、端末デバイスは、通信デバイスであり、第1の参照データは、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel, PUSCH)であってよい。
【0129】
S202:通信デバイスは、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおいてコンテンションウィンドウ値を維持し、通信デバイスは、第1の時間ウィンドウの後、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。異なる実装において、第1のルール及び第2のルールは、同じであってもよいし、又は異なってもよい。
【0130】
チャネルアクセスコンテンションについて、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を記憶しているか、又はコンテンションウィンドウ値がプロトコルにおいて特定されていることに留意すべきである。このようにすると、通信デバイスが、データ送信プロセスの前に、LBTコンテンションプロセスを実行するとき、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を含むインターバルから、ランダムコンテンションカウントを選択することができる。
【0131】
異なる実装において、通信デバイスがS202を実行するとき、第1の時間ウィンドウにおいて、通信デバイスは、以下の機会に、例えば、第1のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持するようにトリガされうる。
【0132】
機会1:第1の時間ウィンドウ内に、少なくとも1つの第1の参照データの応答を受信するとき、通信デバイスは、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。言い換えると、第1の参照データの応答を受信することは、コンテンションウィンドウ値を維持するように通信デバイスをトリガする。
【0133】
機会2:通信デバイスがデータ送信プロセスを実行する前、データ送信プロセスの時間ドメインリソース構成に基づいて、通信デバイスが、第1の時間ウィンドウにおいてデータ送信プロセスが許可される必要があると決定するとき、通信デバイスは、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。言い換えると、第1の時間ウィンドウにおいて実行対象のデータ送信プロセスは、コンテンションウィンドウ値を維持するように通信デバイスをトリガする。
【0134】
具体的には、上記のトリガ機会上で、通信デバイスは、以下の実装を利用することによって、例えば、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
【0135】
実装1
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/N)が第1の閾値を超えないとき、又は、N個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合(Num(NACK)+Num(DTX)/N)が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/N)が第1の閾値を超えるとき、又はN個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合(Num(NACK)+Num(DTX)/N)が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
【0136】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスが成功応答ACKを受信する第1の参照データであり、第1のターゲット参照データの数は、Num(ACK)によって表される。第2のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信しない第1の参照データであり、言い換えると、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがNACK及びDTXを受信する第1の参照データであり、第2のターゲット参照データの数は、Num(NACK)+Num(DTX)によって表される。
【0137】
任意選択で、この実装において、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0138】
第1の閾値及び第2の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0139】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内に維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。この場合、通信デバイスが、いくつかの第1の参照データのACKを受信しないとき、通信デバイスは、送信に失敗した第1の参照データとして、第1の参照データを不正確にカウントし、本来は、コンテンションウィンドウ値が最小コンテンションウィンドウ値に調整される必要があるときに、コンテンションウィンドウ値を不正確に調整し及び増加させることがある。このことは、通信デバイスのチャネルアクセス遅延を増加させ、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性に影響を及ぼす。
【0140】
この実装の例において、上記の問題を解決するために、第2の閾値(例えば、90%)は、従来の維持方法における失敗閾値(例えば、80%)より大きく設定される。このようにすると、方法において、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件がより厳格にでき、それによって、受信端のLBT失敗などによって、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を増加させる確率が低減され、それにより、通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0141】
実装2
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/N)が第3の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合(Num(NACK)/N)が第4の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/N)が第3の閾値を超えず、かつN個の第1の参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合(Num(NACK)/N)が第4の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない。
【0142】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データであり、第1のターゲット参照データの数は、Num(ACK)によって表される。第3のターゲット参照データは、通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第3のターゲット参照データの数は、Num(NACK)によって表される。
【0143】
任意選択で、この実装において、第3の閾値と第4の閾値との和は1に等しい。
【0144】
第3の閾値及び第4の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0145】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内に維持されるため、遅延又は受信端のLBT失敗に起因して、通信デバイスによって、比較的多数の応答が受信されない。この場合、通信デバイスによって受信されない応答は、ACKであってもよいし、又はNACKであってもよい。 この実装において、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、通信デバイスは、ACK及びNACKが受信される第1の参照データのみを考慮し、DTXが受信される第1の参照データについての統計を収集しない。このようにすると、以下のケース、即ち、遅延に起因して、第1の参照データのACKが受信されないために、第1の参照データが、送信に失敗した第1の参照データとして、不正確にカウントされること、が回避できる。NACKが受信される第1の参照データの数が、ACKが受信されない第1の参照データの数以下であるため、たとえ第4の閾値が従来技術の失敗閾値(例えば、80%)と同じ又は近くても、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件は、より厳格にでき、それにより、コンテンションウィンドウ値を増加させる確率を低減し、通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0146】
さらに、第4の閾値は、従来技術の失敗閾値(例えば、80%)と同じ又は近いため、第3の閾値は、従来技術の成功閾値(例えば、20%)と同じ又は近くなる。従って、この実装において、コンテンションウィンドウ値を最小値に調整する条件が緩和されず、それによって、コンテンションウィンドウ値を最小値に調整する確率が増加されず、それにより、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率をさらに低減する、ことを保証できる。
【0147】
加えて、この実装において、N個の第1の参照データの応答が、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件も、コンテンションウィンドウを減少させる条件も満たさないとき、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を変えないままにしてよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0148】
実装3
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合((Num(ACK)+Num(NACK))/N)が第5の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合((Num(ACK)+Num(NACK))/N)が第5の閾値を超えるときに、以下のステップ、
通信デバイスが、第4のターゲット参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/(Num(ACK)+Num(NACK)))が第6の閾値を超えないか、又は第4のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合(Num(NACK)/(Num(ACK)+Num(NACK)))が第7の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させること、又は
通信デバイスが、第4のターゲット参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/(Num(ACK)+Num(NACK))が第6の閾値を超えるか、又は第4のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合(Num(NACK)/(Num(ACK)+Num(NACK)))が第7の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整すること、
を実行することによって、コンテンションウィンドウ値を調整する。
【0149】
第4のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第4のターゲット参照データの数は、Num(ACK)+Num(NACK)によって表される。第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データであり、第1のターゲット参照データの数は、Num(ACK)によって表される。第3のターゲット参照データは、通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第3のターゲット参照データの数は、Num(NACK)によって表される。
【0150】
任意選択で、この実装において、第6の閾値と第7の閾値との和は1に等しい。
【0151】
第6の閾値及び第7の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。例えば、第6の閾値は、10%に設定されてよく、第の閾値は、90%に設定されてよい。
【0152】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内に維持されるため、遅延又は受信端のLBT失敗に起因して、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されないことを上記の実装における説明から学ぶことができる。通信デバイスが応答を受信する第1の参照データ(即ち、第4のターゲット参照データ)が比較的少数であるとき、N個の第1の参照データの中で、ACKが受信される第1の参照データの割合は、比較的小さく、通信デバイスは、通信デバイスのチャネルアクセス遅延が低減され、かつ通信デバイスのチャネルアクセス公平性が最終的に保証されるように、コンテンションウィンドウ値を調整する。
【0153】
上記の問題を解決するために、通信デバイスは、実際のACK及びNACK分布状況をより良く反映できる以下の2つの割合、
ACK及びNACKが受信される第1の参照データの中で、ACKが受信される第1の参照データの割合、及び、
ACK及びNACKが受信される第1の参照データの中で、NACKが受信される第1の参照データの割合、
に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるか、又はコンテンションウィンドウ値を最小コンテンションウィンドウ値に調整するかを決定し、それによって、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性が改善できる。従って、この実装において、通信デバイスのチャネルアクセス速度が保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0154】
加えて、通信デバイスが応答を受信する第1の参照データ(即ち、第4のターゲット参照データ)が非常に少数であるとき、たとえ上記の2つの割合が利用されたとしても、実際のACK及びNACK分布状況は正確に反映できない。通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、また、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減するために、通信デバイスは、この場合、コンテンションウィンドウ値を変えないままにしてよい。
【0155】
第5の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。任意選択で、第5の閾値は、0%又は1%などの比較的小さい値に設定されてよい。
【0156】
実装4
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合((Num(ACK)+Num(NACK))/N)が第8の閾値を超えないか、又はN個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合(Num(DTX)/N)が第9の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合((Num(ACK)+Num(NACK))/N)が第8の閾値を超えるか、又はN個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合(Num(DTX)/N)が第9の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
【0157】
第4のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第4のターゲット参照データの数は、Num(ACK)+Num(NACK)によって表される。第5のターゲット参照データは、N個の第1の参照データの中で、通信デバイスがACKもNACKも受信しない第1の参照データであり、言い換えると、第5のターゲット参照データは、DTXが検出される第1の参照データであり、第5のターゲット参照データの数は、Num(DTX)によって表される。
【0158】
任意選択で、この実装において、第8の閾値と第9の閾値との和は1に等しい。
【0159】
第8の閾値及び第9の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。例えば、第8の閾値は、10%に設定されてよく、第9の閾値は、90%に設定されてよい。
【0160】
コンテンションウィンドウ値が第1の時間ウィンドウ内に維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、通信デバイスによって、比較的多数の応答が受信されないことを上記の実装における説明から学ぶことができる。通信デバイスは、データ送信衝突に起因して、応答を受信しないことがある。従って、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する第1の参照データが比較的少数であるとき、それは、有効な応答が受信されない(又はDTXが受信される)第1の参照データが比較的多数であり、データ送信衝突の確率が比較的大きいことを示す。従って、通信デバイスは、その後のデータ送信プロセスにおいて生じる送信衝突の確率を低減するために、コンテンションウィンドウ値を増加させてよい。
【0161】
それに対応して、通信デバイスが応答(ACK又はNACK)を受信する第1の参照データが比較的多数であるとき、それは、応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的少数であり、データ送信衝突の確率が比較的小さいことを示す。従って、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整してよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が改善できる。
【0162】
いくつかの実装において、通信デバイスがS202を実行するとき、第1の時間ウィンドウの後、通信デバイスは、以下の機会に、第2のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持するようにトリガされうる。
【0163】
機会1:第1の時間ウィンドウが終了するとき、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。言い換えると、第1の時間ウィンドウの終了は、コンテンションウィンドウ値を維持するように通信デバイスをトリガする。
【0164】
機会2:第1の時間ウィンドウが終了した後、少なくとも1つの第1の参照データの応答を受信したとき、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。言い換えると、第1の参照データの応答を受信することは、コンテンションウィンドウ値を維持するように通信デバイスをトリガする。
【0165】
機会3:第1の時間ウィンドウが終了した後、データ送信プロセスを実行する前に、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。言い換えると、第1の時間ウィンドウの外で実行対象のデータ送信プロセスは、コンテンションウィンドウ値を維持するように通信デバイスをトリガする。
【0166】
第1の時間ウィンドウ内で、第1のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持するように、通信デバイスがトリガされないとき、通信デバイスは、機会3で、第2のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持するようにトリガされうることに留意すべきである。第1の時間ウィンドウ内で、第1のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持するように、通信デバイスがトリガされるとき、通信デバイスは、第2のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持することなく、直接的に、コンテンションウィンドウ値を利用することによって、データ送信プロセスを実行する。
【0167】
具体的には、上記のトリガ機会で、通信デバイスは、以下の実装を利用することによって、例えば、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第2のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持しうる。
【0168】
実装1
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/N)が第10の閾値を超えないか、又は、N個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合((Num(NACK)+Num(DTX))/N)が第11の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合(Num(ACK)/N)が第10の閾値を超えるか、又は、N個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合((Num(NACK)+Num(DTX))/N)が第11の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
【0169】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データであり、第1のターゲット参照データの数は、Num(ACK)によって表される。第2のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信しない第1の参照データであり、第2のターゲット参照データの数は、Num(NACK)+Num(DTX)によって表される。
【0170】
任意選択で、この実装において、第10の閾値と第11の閾値との和は1に等しい。
【0171】
第10の閾値及び第11の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0172】
第1の時間ウィンドウが終了した後、コンテンションウィンドウ値が維持されるため、受信端のLBT失敗などによって、通信デバイスによって受信されない応答が比較的少数になる。従って、第1の時間ウィンドウが終了した後、通信デバイスは、送信方法を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。N個の第1の参照データの中で、ACKが受信される第1の参照データの割合、及び、N個の第1の参照データの中で、ACKが受信されない第1の参照データの割合が、実際の応答状態分布状況を反映できるため、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性は、上記の実装を利用することによって改善できる。従って、この実装において、通信デバイスのチャネルアクセス速度が保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0173】
任意選択で、第10の閾値は、従来技術の成功閾値と同じ又は近くてよい。それに対応して、第11の閾値は、従来技術の失敗閾値と同じ又は近くてよい。例えば、第10の閾値は、20%に設定されてよく、第11の閾値は、80%に設定されてよい。
【0174】
実装2
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合((Num(ACK)+Num(NACK))/N)が第12の閾値を超えないか、又は、N個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合(Num(DTX)/N)が第13の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合((Num(ACK)+Num(NACK))/N)が第12の閾値を超えるか、又は、N個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合(Num(DTX)/N)が第13の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
【0175】
第4のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する第1の参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する第1の参照データであり、第4のターゲット参照データの数は、Num(ACK)+Num(NACK)によって表される。第5のターゲット参照データは、N個の第1の参照データの中で、通信デバイスがACKもNACKも受信しない第1の参照データであり、第5のターゲット参照データの数は、Num(DTX)によって表される。
【0176】
任意選択で、この実装において、第12の閾値と第13の閾値との和は1に等しい。
【0177】
第12の閾値及び第13の閾値の具体的な値は、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。例えば、第12の閾値は、20%に設定されてよく、第13の閾値は、80%に設定されてよい。
【0178】
通信デバイスは、データ送信衝突に起因して、応答を受信しないことがある。従って、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する第1の参照データが比較的少数であるとき、それは、応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的多数であり、データ送信衝突の確率が比較的大きいことを示す。従って、通信デバイスは、その後のデータ送信プロセスにおいて生じる送信衝突の確率を低減するために、コンテンションウィンドウ値を増加させてよい。
【0179】
それに対応して、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する第1の参照データが比較的多数であるとき、それは、応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的少数であり、データ送信衝突の確率が比較的小さいことを示す。従って、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整してよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が改善できる。
【0180】
通信システムは、1回以上の応答フィードバックをサポートしうることに留意すべきである。通信システムが複数回の応答フィードバックをサポートするとき、通信デバイスは、いくつかの第1の参照データの応答を、コンテンションウィンドウ値を維持する前に複数回受信することがある。上記の実装のいずれか1つにおいて、第1のルール又は第2のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持するとき、通信デバイスは、第1の参照データの最後に受信された応答を、第1の参照データの最終応答として利用し、次いで、N個の第1の参照データの最終応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0181】
加えて、この出願のこの実施形態は、通信デバイスによって、第1の時間ウィンドウを決定するための方法をさらに提供する。
【0182】
実装において、通信デバイスは、以下の方式で、第1の時間ウィンドウの開始時点を決定しうる。
【0183】
第1の時間ウィンドウの開始時点は、第1の参照時間の前又は後にあり、第1の時間ウィンドウの開始時点が第1の参照時間の前にあるとき、第1の時間ウィンドウの終了時点は、第1の参照時間の後にある、又は
第1の時間ウィンドウの開始時点は、第1の参照時間が配置されるデータ送信プロセスの後にある、又は
第1の時間ウィンドウの開始時点は、事前設定されたターゲット時間ドメインリソースの前又は後にあり、ターゲット時間ドメインリソースは、N個の第1の参照データの応答を送信するために利用される事前設定された初期時間ドメインリソースである。
【0184】
他の実装において、通信デバイスは、以下の方式で、第1の時間ウィンドウのサイズを決定しうる。
【0185】
第1の時間ウィンドウのサイズは、事前設定され(例えば、標準規格で指定され)るか、通信デバイスと受信端との間で合意されるか、受信端のために通信デバイスによって構成されるか、又は通信デバイスが応答リソースをスケジューリングするのを受信端が待機する最大時間期間に等しくする、又は、通信デバイスの他の既存の持続時間が第1の時間ウィンドウとして再利用される。このことは、この出願において限定されない。
【0186】
加えて、第1の時間ウィンドウは、タイマー(timer)を利用することによって維持される。例えば、第1の時間ウィンドウの開始時点で、通信デバイスは、第1の時間ウィンドウタイマーをスタートさせ、第1の時間ウィンドウタイマーを0又はDに初期化する。次いで、時間が経過するにつれ、第1の時間ウィンドウタイマーのカウントは、インクリメント又はデクリメントされる。第1の時間ウィンドウタイマーのカウントがD又は0であるとき、第1の時間ウィンドウは終了する。Dは、0より大きく、Dは、秒、ミリ秒、サブフレーム、スロットなどの単位である。このことは、この出願において限定されない。
【0187】
この出願のこの実施形態の実装において、通信デバイスは、上記のステップを繰り返して、変化するデータ送信環境に適合するように、コンテンションウィンドウ値を継続的にアップデートしてよい。
【0188】
通信デバイスは、複数回、参照時間及び参照時間に対応する時間ウィンドウ(例えば、第1の時間ウィンドウは、第1の参照時間に対応する)を決定して、第1のルール又は第2のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持しうる。コンテンションウィンドウ値を維持するための毎度の方法については、ステップS201及びS202の上記説明を参照されたい。通信デバイスが今回の参照時間を決定した後、通信デバイスが、前回の参照時間内に送信された参照データの応答を受信したとき、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を再維持するために、その時点にバックオフし、今回維持されるコンテンションウィンドウが再維持されるまで、その時間後に維持されるコンテンションウィンドウ値を順次再維持する必要がある。
【0189】
例えば、実行対象のデータ送信プロセスが、コンテンションウィンドウ値を維持するように通信デバイスをトリガするとき、周期的な維持プロセスは、以下のようになる。
【0190】
通信デバイスがS201及びS202を実行した後、通信デバイスは、K番目の参照時間を決定し、第2の参照時間は、(L+K)番目のデータ送信プロセスに配置され、通信デバイスは、K番目の参照時間内にM個の第2の参照データを送信しており、Mは、0より大きい整数であり、Kは、1より大きい整数である、
通信デバイスが、K番目の参照時間の後、少なくとも1つの(K-Y)番目の参照データの応答を受信しない場合、通信デバイスは、ステップS202を実行することによって、第1のルール又は第2のルールを利用することによってコンテンションウィンドウ値を維持し続ける、又は
通信デバイスは、K番目の参照時間の後、少なくとも1つの(K-Y)番目の参照データの応答を受信し、(K-Y)番目の参照データは、(K-Y)番目の参照時間内に送信された参照データであり、(K-Y)番目の参照時間は、(L+K-Y)番目のデータ送信プロセスに配置され、Yは、0より大きく、かつKより小さい整数である、
通信デバイスは、(L+K-Y)番目のデータ送信プロセスで実際に利用されるコンテンションウィンドウと、各(K-Y)番目の参照データの最後に受信された応答とに基づいて、(L+K-Y+1)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値を再決定する、
通信デバイスは、前のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値と、前のデータ送信プロセスにおける参照時間内に送信された参照データの最後に受信された応答とに基づいて、現在のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値を決定し、(L+K)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値が決定されるまで、上記のステップを繰り返す、
通信デバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値を、(L+K)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値にアップデートする、
通信デバイスは、K番目の参照時間に対応するK番目の時間ウィンドウ内で、第1のルールを利用することによって、M個の第2の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する、
K番目の参照時間に対応するK番目の時間ウィンドウが終了した後、通信デバイスは、第2のルールを利用することによって、M個の第2の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0191】
上記のステップにおいて、前回のコンテンションウィンドウ値を維持するための参照データの応答を受信したとき、通信デバイスは、参照データの直近に受信された応答に基づいて、その時間にバックオフして、コンテンションウィンドウ値を再維持し、現在のコンテンションウィンドウ値が決定されるまで、その後のコンテンションウィンドウ値を順次再維持する。参照データの前回利用された応答にエラーが存在することに起因して、前回決定されたコンテンションウィンドウ値にエラーが存在することがあり、複数回の継続的な維持を通じてエラーが蓄積され、コンテンションウィンドウ値の正確性に影響を及ぼす。従って、方法において、前回決定されたコンテンションウィンドウ値は、参照データの最新応答に基づいて修正されてよく、その後に決定されるコンテンションウィンドウ値は、順次修正されてよく、それによって、コンテンションウィンドウ値のエラー蓄積が回避され、それにより、最終的に決定されるコンテンションウィンドウ値の正確性が改善する。
【0192】
例えば、通信デバイスは、優先度pのコンテンションウィンドウを利用するとき、この出願のこの実施形態において、通信デバイスは、例えば、以下の方法を利用することによって、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させうる。
【0193】
方法1:通信デバイスは、従来方法に従って、現在のコンテンションウィンドウ値を増加させる。具体的なプロセスについては、数式:CWp=(CW+1)*m-1、m≧2を参照されたい。
【0194】
方法2:通信デバイスは、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pと、最大コンテンションウィンドウ値CWmax,pとの範囲内に複数のレベル、例えば、CW1,p(即ち、CWmin,p)、CW2,p、CW,p、…、CWf,p(即ち、CWmax,p)を事前設定する。現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるとき、通信デバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値のレベルを決定し、次いで、そのレベルの次に高いレベルにコンテンションウィンドウ値を調整してよい。例えば、現在のコンテンションウィンドウ値CWpがCWi,pであるとき、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpをCWi+1,pに調整してよい。
【0195】
方法3:ネットワークデバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値を固定値だけ増加させる。
【0196】
この出願のこの実施形態は、コンテンションウィンドウ維持方法を提供する。方法において、通信デバイスは、第1のルールを利用することによって、時間ウィンドウ内で、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。通信デバイスは、応答を受信するための特定のバッファ時間(即ち、時間ウィンドウ)を設定する。バッファ時間内では、通信デバイスは、従来技術のものとは異なる第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持し、それによって、通信デバイスによって、コンテンションウィンドウ値を維持することのフレキシビリティと、通信デバイスによって、コンテンションウィンドウ値を決定することの正確性が改善できる。加えて、バッファ時間が終了した後、通信デバイスが、第2のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、コンテンションウィンドウ値を決定することの正確性が改善される。その結果、方法は、通信デバイスによって、コンテンションウィンドウ値を決定することの正確性を改善できる。従って、チャネルアクセス公平性を保証する限り、方法は、通信デバイスのチャネルアクセス遅延、及び、異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減できる。
【0197】
上記の実施形態に基づいて、この出願は、図に示すような、コンテンションウィンドウ維持例をさらに提供する。説明を簡単にするため、以下の例では、コンテンションウィンドウ維持方法は、以下のシナリオ、即ち、ネットワークデバイスが送信端としてサービス提供し、端末デバイスが受信端である、ことを例として利用することによって説明される。ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイスは、物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel, PDSCH)を利用することによって、データを送信してよく、端末デバイスは、物理アップリンク制御チャネル(physical uplink control channel, PUCCH)を利用することによって、各PDSCHの応答をネットワークデバイスにフィードバックしてよい。以下の例は、この出願のコンテンションウィンドウ維持方法に関する限定を構成しないことに留意すべきである。以下の例は、第1の参照時間が、参照時間kであり、第1の参照データが、参照時間k内に送信されたPDSCHである例を利用することによって説明される。
【0198】
例1:この例は、ネットワークデバイスによって、参照時間kに対応する時間ウィンドウDを決定するための方法を提供する。
【0199】
図3に示すように、ネットワークデバイスが1つのダウンリンクデータ送信プロセス(即ち、1つのダウンリンクバースト)において参照時間kを決定するとき、ネットワークデバイスは、参照時間kに対応する時間ウィンドウDの開始時点が、参照時間kの前(図中ではT1によって示される)、参照時間kの後(図中ではT1’によって示される)、参照時間kを含むダウンリンクデータ送信プロセスの終端の後(図中ではT2によって示される)、又は、端末デバイスに割り当てられるものであり、かつフィードバック時間k内にPDSCHの応答をフィードバックするために利用される直近時間ドメインリソースの前(図中ではT3によって示される)又は後(図中ではT3’によって示される)にあると決定しうる。
【0200】
加えて、参照時間kの時間ウィンドウDのサイズは、前もって(即ち、事前に)標準によって合意されてもよいし、又は無線リソース制御(radio resource control, RRC)シグナリングを利用することによって、端末デバイスのためにネットワークデバイスによって構成されてもよいし、又は、ネットワークデバイスは、他の既存の持続時間を、参照時間kの時間ウィンドウDのサイズとして再利用する。例えば、時間ウィンドウDのサイズが他の既存の持続時間であるとき、サイズは、ネットワークデバイスが追加の応答時間ドメインリソースをスケジューリングするのを端末デバイスが待機する最大の持続時間であってよい。
【0201】
ネットワークデバイスは、複数の方式で時間ウィンドウDを維持しうることにさらに留意すべきである。例えば、ネットワークデバイスは、タイマー(timer)を利用することによって、時間ウィンドウD(例えば、持続時間がT0)を維持しうる。例えば、時間ウィンドウDの開始時点で、通信デバイスは、時間ウィンドウタイマーをスタートさせ、時間ウィンドウを0又はT0に初期化する。次いで、時間が経過するにつれて、時間ウィンドウタイマーのカウントは、インクリメント又はデクリメントされる。時間ウィンドウタイマーのカウントがT0又は0であるとき、時間ウィンドウDは終了する。
【0202】
例2
ネットワークデバイスは、参照時間k、及び参照時間kに対応する時間ウィンドウDを決定する。ネットワークデバイスは、参照時間k内にN個のPDSCHを送信しており、参照時間kは、x番目のダウンリンクデータ送信プロセス(例えば、1つのバースト)に配置され、Nは、0より大きい整数である。ネットワークデバイスは、優先度pのコンテンションウィンドウ値を利用することによってデータを送信する。
【0203】
ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gを決定する。
【0204】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウD内にあるとき、ネットワークデバイスは、以下の方法(図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装1に対応する)を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0205】
ネットワークデバイスは、N個のPDSCHの中で、ネットワークデバイスがACKを受信しないPDSCHの割合が第1の閾値を超えるか、又は、N個のPDSCHの中で、ネットワークデバイスがACKを受信するPDSCHの割合が第2の閾値を超えない場合、現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる。
【0206】
他の場合、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpを、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0207】
任意選択で、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0208】
実装において、第1の閾値は、従来技術における80%より大きい。例えば、第1の閾値は、90%に設定されてよい。それに対応して、第2の閾値は、従来技術における20%より小さい。例えば、第2の閾値は、10%に設定されてよい。このようにすると、方法において、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件は、より厳格にでき、それによって、受信端のLBT失敗などによって、ネットワークデバイスがコンテンションウィンドウ値を増加させる確率が低減され、それにより、ネットワークデバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的にネットワークデバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0209】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信の開始時点gが、時間ウィンドウDの終端の後にあるとき、ネットワークデバイスは、以下の方法(図2に示した実施形態における、第2のルールを利用する実装1に対応する)を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0210】
ネットワークデバイスは、N個のPDSCHの中で、ネットワークデバイスがACKを受信しないPDSCHの割合が第3の閾値を超えるか、又は、N個のPDSCHの中で、ネットワークデバイスがACKを受信するPDSCHの割合が第4の閾値を超えない場合、現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウを増加させる。
【0211】
他の場合、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウCWpを、最小値CWmin,pに調整する。
【0212】
任意選択で、第3の閾値と第4の閾値との和は1に等しい。
【0213】
この例において、第3の閾値と第1の閾値との間の関係は限定されない。例えば、第1の閾値は、第3の閾値より大きい。
【0214】
実装において、第3の閾値は、従来技術の維持方法における失敗閾値80%と同じ又は近くてよい。それに対応して、第4の閾値は、従来技術の成功閾値20%と同じ又は近くてよい。
【0215】
時間ウィンドウDの後、ネットワークデバイスがコンテンションウィンドウを維持しうるため、ネットワークデバイスは、時間ウィンドウを、ネットワークデバイスによって応答を受信するためのバッファ時間として利用しうる。時間ウィンドウDの後、遅延に起因して、ネットワークデバイスによって受信されない応答が比較的少数であるので、送信に失敗したPDSCHとして、DTXが受信されるPDSCHがカウントされることに起因して、コンテンションウィンドウ値を増加させる確率が低減される。方法において、以下のケース、即ち、受信端がNACKをフィードバックせず、従って、通信システムのチャネルアクセス公平性が影響されることに起因して、コンテンションウィンドウ値が増加できないこと、は生じない。
【0216】
例えば、第1の閾値は90%であり、第2の閾値は10%であり、第3の閾値は80%であり、第4の閾値は20%である。図4A及び図4Bに示すように、ネットワークデバイスは、x番目のダウンリンクデータ送信プロセスにおける参照時間kを決定し、次いで、参照時間kに対応する時間ウィンドウDを決定する。差異を強調するために、PDSCH#1の応答がACKであり、PDSCH#2からPDSCH#4の応答がDTXであり、PDSCH#5の応答がNACKであると仮定する。
【0217】
ネットワークデバイスが、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウD内にあると決定するとき、ネットワークデバイスは、PDSCH#1からPDSCH#5の受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。5つのPDSCHの中で、ACKが受信されないPDSCHの割合が80%であり、事前設定された90%に達せず、かつ、5つのPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合が20%であり、事前設定された10%を超えるため、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0218】
ネットワークデバイスが、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウDから外れると決定するとき、ネットワークデバイスは、PDSCH#1からPDSCH#5の受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。5つのPDSCHの中で、ACKが受信されないPDSCHの割合が80%であり、事前設定された80%に達し、かつ、5つのPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合が20%であり、事前設定された20%を超えるため、通信デバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値CW0に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、言い換えると、コンテンションウィンドウ値をCW1に調整する、ここで、CW1>CW0である。
【0219】
例3:シナリオは、例2のものと同じである。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0220】
ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gを決定する。
【0221】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウD内にあるとき、ネットワークデバイスは、以下の方法(図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装2に対応する)を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0222】
ネットワークデバイスは、N個のPDSCHの中で、ネットワークデバイスがNACKを受信するPDSCHの割合が第1の閾値を超える場合、現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる。
【0223】
ネットワークデバイスは、N個のPDSCHの中で、ネットワークデバイスがACKを受信するPDSCHの割合が第2の閾値を超える場合、コンテンションウィンドウ値CWpを、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0224】
他の場合、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpを調整しない、言い換えると、現在のコンテンションウィンドウ値CWpを変えないままにする。
【0225】
任意選択で、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0226】
実装において、第1の閾値は、従来技術の維持方法における失敗閾値80%と同じ又は近くてよい。それに対応して、第2の閾値は、従来技術における成功閾値20%と同じ又は近くてよい。
【0227】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信の開始時点gが、時間ウィンドウDの終端の後にあるとき、ネットワークデバイスは、例2の方法を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。具体的なプロセスについては、例2を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0228】
例えば、第1の閾値は80%であり、第2の閾値は20%であり、第3の閾値は80%であり、第4の閾値は20%である。図5A及び図5Bに示すように、ネットワークデバイスは、x番目のダウンリンクデータ送信プロセスにおける参照時間kを決定し、次いで、参照時間kに対応する時間ウィンドウDを決定する。差異を強調するために、PDSCH#2及びPDSCH#3の応答がDTXであり、PDSCH#4の応答がNACKであると仮定する。
【0229】
ネットワークデバイスが、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウD内にあると決定するとき、ネットワークデバイスは、参照時間k内に送信されたPDSCH#1からPDSCH#4の受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。4つのPDSCHの中で、NACKが受信されるPDSCHの割合は25%であり、事前設定された80%を超えず、かつ、4つのPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合は0%であり、事前設定された20%を超えないため、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CW0を調整しない、言い換えると、現在のコンテンションウィンドウ値CW0を変えないままにする。
【0230】
ネットワークデバイスが、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウDの終端の後にあると決定するとき、ネットワークデバイスは、参照時間k内に送信されたPDSCH#1からPDSCH#4の受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。4つのPDSCHの中で、ACKが受信されないPDSCHの割合が100%であり、事前設定された80%に達するため、通信デバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値CW0に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、言い換えると、コンテンションウィンドウ値をCW1に調整する、ここで、CW1>CW0である。
【0231】
例4:シナリオは例2のものと同じである。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0232】
ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gを決定する。
【0233】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウD内にあるとき、ネットワークデバイスは、以下の方法(図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装3に対応する)を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0234】
ネットワークデバイスは、ACK及びNACKが受信されるPDSCHの中で、NACKが受信されるPDSCHの割合が第1の閾値を超えるか、又は、ACK及びNACKが受信されるPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合が第2の閾値を超えない場合、現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる。
【0235】
ネットワークデバイスが、どのPDSCHのACKもNACKも受信しない場合、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpを調整しない、言い換えると、現在のコンテンションウィンドウ値CWpを変えないままにする。
【0236】
他の場合、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpを、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0237】
任意選択で、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0238】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信の開始時点gが時間ウィンドウDの終端の後にあるとき、ネットワークデバイスは、例2の方法を利用することによって、コンテンションウィンドウを維持する。具体的なプロセスについては、例2を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0239】
例えば、第1の閾値は90%であり、第2の閾値は10%であり、第3の閾値は80%であり、第4の閾値は20%である。
【0240】
図4A及び図4Bは、説明のための例としてさらに利用される。
【0241】
ネットワークデバイスが、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウD内にあると決定するとき、ネットワークデバイスは、参照時間k内に送信されたPDSCH#1からPDSCH#4の受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。ネットワークデバイスは、PDSCH#1のACKを受信し、PDSCH#5のNACKを受信する、言い換えると、ネットワークデバイスは、2つのPDSCHの有効な応答を受信する。2つのPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合は50%であり、第2の閾値を超え、かつ、2つのPDSCHの中で、NACKが受信されるPDSCHの割合は50%であり、第1の閾値を超えないため、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CW0を、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0242】
ネットワークデバイスが、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウDから外れると決定するとき、ネットワークデバイスは、参照時間k内に送信されたPDSCH#1からPDSCH#5の受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。通信デバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値CW0に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、言い換えると、コンテンションウィンドウ値をCW1に調整する、ここで、CW1>CW0である。詳細については、例2を参照されたい。
【0243】
例5:シナリオは、例2のものと同じである。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0244】
ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gを決定する。
【0245】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウD内にあるとき、ネットワークデバイスは、以下の方法(図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装4に対応する)を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0246】
ネットワークデバイスは、N個のPDSCHの中で、DTXが検出されるPDSCHの割合が第1の閾値を超えるか、又は、ACK及びNACKが受信されるPDSCHの割合が第2の閾値を超えない場合、現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる。
【0247】
他の場合、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpを、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0248】
任意選択で、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0249】
(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが、時間ウィンドウDの終端の後にあるとき、ネットワークデバイスは、以下の方法(図2に示した実施形態における、第2のルールを利用する実装2に対応する)を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0250】
ネットワークデバイスは、N個のPDSCHの中で、DTXが検出されるPDSCHの割合が第3の閾値を超えるか、又は、ACK及びNACKが受信されるPDSCHの割合が第4の閾値を超えない場合、現在のコンテンションウィンドウ値CWpに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる。
【0251】
他の場合、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CWpを、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0252】
任意選択で、第3の閾値と第4の閾値との和は1に等しい。
【0253】
時間ウィンドウD内及び時間ウィンドウDの終端後にコンテンションウィンドウを維持するための2つの方法の説明から、2つの方法の原理が実質的に同じであることを学ぶことができる。第1の閾値と第3の閾値との間の大小関係はこの例において限定されず、第1の閾値は、第3の閾値より大きくても、小さくても、又は等しくてもよいことにさらに留意すべきである。同様に、第2の閾値は、第4の閾値より大きくても、小さくても、又は等しくてもよい。
【0254】
応答のために保持されるバッファ時間は、時間ウィンドウが終了した後にコンテンションウィンドウ値を維持するときと比較して、時間ウィンドウDにおいてコンテンションウィンドウ値が維持されるときの方が短い。従って、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の有効な応答が通信デバイスによって受信されないため、遅延に起因して通信デバイスが応答ACK又はNACKを受信できず、結果として、通信デバイスの統計エラーが比較的大きくなることを回避するため、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を増加させる、この例において、第1の閾値は、第3の閾値より大きく設定されてよく、例えば、第1の閾値は90%であり、第3の閾値は80%である。このようにすると、通信デバイスが、時間ウィンドウD内でコンテンションウィンドウ値を維持するとき、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件は、より厳格にでき、それによって、コンテンションウィンドウ値を増加させる確率が低減され、それにより、通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0255】
例6:シナリオは、例2のものと同じである。詳細については、ここでは再度説明されない。この例において、通信システムが複数回の応答フィードバックをサポートするとき、端末デバイスは、例えば、図6に示すように、複数の応答フィードバック機会を有する。
【0256】
参照時間内にPDSCH#1からPDSCH#4を送信した後、ネットワークデバイスは、時間ウィンドウD内に2つの応答フィードバック受信機会を有する。第1の応答フィードバック機会において、ネットワークデバイスは、PDSCH#1からPDSCH#3の応答を受信せず、PDSCH#4のNACKを受信する。第2の応答フィードバック機会において、ネットワークデバイスは、PDSCH#1及びPDSCH#2のACKを受信し、PDSCH#3の応答を受信しない。
【0257】
ネットワークデバイスが、(x+1)番目のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点gが時間ウィンドウDの終端の後にあると決定するとき、ネットワークデバイスは、PDSCH#1からPDSCH#4の最後に受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。例えば、ネットワークデバイスが、図2に示した実施形態における、第2のルールを利用する実装1を利用するとき、PDSCH#1及びPDSCH#2の応答がACKであり、PDSCH#3の応答がDTXであり、PDSCH#4の応答がNACKであるため、4つのPDSCHの中で、ACKが受信されないPDSCHの割合は50%であり、事前設定された80%に達せず、従って、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する。
【0258】
例7:シナリオは、例2のものと同じである。詳細については、ここでは再度説明されない。この例において、ネットワークデバイスは、例えば、図7Aから図7Cに示すように、継続的にコンテンションウィンドウ値を維持するために、実行対象のデータ送信プロセスによってトリガされうる。
【0259】
第2のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイスは、第1のダウンリンクデータ送信プロセスにおける参照時間k1を決定し、参照時間k1に対応する時間ウィンドウD1を決定する。ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、第2のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点が時間ウィンドウD1内にあると決定し、ネットワークデバイスは、第1のルールを利用することによって、PDSCH#1からPDSCH#4のものであり、かつ時間ウィンドウD1内に受信される応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する(例えば、図2に示した実施形態における第1のルールを利用する実装2に対応する)。4つのPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合が特定の閾値20%を超えず、かつ、4つのPDSCHの中で、NACKが受信されるPDSCHの割合が80%を超えないため、ネットワークデバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値CW0を変えないままにする。第2のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイスによって実際に利用されるコンテンションウィンドウ値は、CW0である。
【0260】
第2のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、PDSCHを送信するとき、ネットワークデバイスは、端末デバイスがPDSCH#1からPDSCH#3に対する応答を再びフィードバックする必要があることを端末デバイスにさらに通知してよい。従って、第2のダウンリンクデータ送信プロセスが終了した後、端末デバイスは、PDSCH#1からPDSCH#3に対する応答を再びフィードバックし、第2のデータ送信プロセスにおいて送信されたデータに対する応答をフィードバックする。
【0261】
図7A及び図7Bに示すように、第2のダウンリンクデータ送信が終了した後、PDSCH#1からPDSCH#3のものであり、かつネットワークデバイスによって受信される全ての応答は、NACKである。この場合、ネットワークデバイスは、第1のルール(例えば、図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装2に対応する)を再利用して、コンテンションウィンドウ値を維持する。PDSCH、即ち、PDSCH#1からPDSCH#4の中で、NACKが受信されるPDSCHの割合100%が特定の閾値80%を超えるため、それは、現在のネットワーク送信状況において、第2のダウンリンクデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値が、CW0に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させること、即ち、CW1にすることによって取得される必要があることを示す。ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値がCW1である必要があると決定しうる。次いで、ネットワークデバイスは、第2のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、実行対象の第3のデータ送信のための参照時間k2を決定し、参照時間k2に対応する時間ウィンドウD2を決定する。
【0262】
図7Aに示すように、ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、第3のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点が時間ウィンドウD2内にあると決定し、ネットワークデバイスは、PDSCH#5及びPDSCH#6のものであり、かつ、時間ウィンドウD2内に受信される応答に基づいて、第1のルールを利用し続けて(例えば、図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装2に対応する)、コンテンションウィンドウ値を維持する。PDSCH#5の応答はACKであり、PDSCH#6の応答はDTXである。2つのPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合50%は、事前設定された20%を超えるため、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pに調整する必要がある。第3のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイスによって利用されるコンテンションウィンドウ値は、図に示すように、CWmin,pである。
【0263】
図7Bに示すように、ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、第3のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点が時間ウィンドウD2内にあると決定し、ネットワークデバイスは、PDSCH#5及びPDSCH#6のものであり、かつ時間ウィンドウD2内に受信される応答に基づいて、第1のルールを利用し続けて(例えば、図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装2に対応する)、コンテンションウィンドウ値を維持する。PDSCH#5の応答はACKであり、PDSCH#6の応答はDTXである。2つのPDSCHの中で、NACKが受信されるPDSCHの割合0%が、事前設定された80%を超えず、かつ、2つのPDSCHの中で、ACKが受信されるPDSCHの割合0%もまた、事前設定された20%を超えないため、ネットワークデバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値CW1を変えないままにする。第3のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイスによって利用されるコンテンションウィンドウ値は、図に示すように、CW1である。
【0264】
図7Cに示すように、第2のダウンリンクデータ送信プロセスが終了した後、PDSCH#1からPDSCH#3のものであり、かつネットワークデバイスによって受信される全ての応答は、ACKである。この場合、ネットワークデバイスは、第1のルールを再利用して(例えば、図2に示した実施形態における、第1のルールを利用する実装2に対応する)、コンテンションウィンドウ値を維持する。PDSCH、即ち、PDSCH#1からPDSCH#4の中で、ACKが受信されるPDSCHの割合75%が、特定の閾値20%を超えるため、それは、現在のネットワーク送信状況において、第2のダウンリンクデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値が、最小コンテンションウィンドウ値CWmin,pである必要があることを示す。ネットワークデバイスは、現在のコンテンションウィンドウ値がCWmin,pである必要があることを決定しうる。次いで、ネットワークデバイスは、第2のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、実行対象の第3のデータ送信のための参照時間k2を決定し、参照時間k2に対応する時間ウィンドウD2を決定する。
【0265】
さらに、図7Cに示すように、ネットワークデバイスは、PDSCHのリソース構成に基づいて、第3のダウンリンクデータ送信プロセスの開始時点が、時間ウィンドウD2の終端の後にあると決定し、ネットワークデバイスは、PDSCH#5及びPDSCH#6のものであり、かつ時間ウィンドウD2内に受信される応答に基づいて、第2のルールを利用し続けて(例えば、図2に示した実施形態における、第2のルールを利用する実装1に対応する)、コンテンションウィンドウ値を維持する。PDSCH#5の応答及びPDSCH#6の応答は両方ともDTXである。2つのPDSCHの中で、NACKが受信されるPDSCHの割合100%が、事前設定された80%を超えるため、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CWmin,pに基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる。増加されたコンテンションウィンドウ値は、CW2である。第3のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイスによって利用されるコンテンションウィンドウ値は、図に示すように、CW2である。
【0266】
例8:シナリオは、例2のものと同じである。詳細については、ここでは再度説明されない。この例において、ネットワークデバイスは、時間ウィンドウの終端に基づいて、コンテンションウィンドウ値をアップデート及び維持するようにトリガされうる。ネットワークデバイスは、複数回、参照時間、及び参照時間に対応する時間ウィンドウを決定して、継続的にコンテンションウィンドウ値を維持する。具体的なプロセスについては、図8を参照されたい。
【0267】
第1のダウンリンクデータ送信プロセスを許可するとき、ネットワークデバイスは、(0又はD1に初期化された)第1のカウンタタイマー1をスタートさせる。ネットワークデバイスは、第1のダウンリンクデータ送信プロセスにおける参照時間k1を決定する、ここで、ネットワークデバイスは、参照時間k1内でPDSCH#1からPDSCH#4を送信している。
【0268】
第1のダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイス内に格納されているコンテンションウィンドウ値はCW0であり、PDSCH#1からPDSCH#4の応答(PUCCH#1からPUCCH#4)が受信される予定の時点までCW0のままにする(seg#1)。
【0269】
ネットワークデバイスによって受信されたPUCCH#1からPUCCH#3がDTXであり、ネットワークデバイスによって受信されたPUCCH#4がNACKであり、第1のカウンターがD1又は0に達しなかったため、ネットワークデバイスは、タイマー1が時間ウィンドウ境界に達する(D1まで増加する又は0まで減少する)まで、現在のコンテンションウィンドウ値を変えない(CW0のままにする)(seg#2)。
【0270】
ネットワークデバイスによって現在維持されるコンテンションウィンドウ値がCW0であるため、ネットワークデバイスが第2のダウンリンクデータ送信プロセスを実行する前に、ネットワークデバイスがLBTを実行するとき、第2のダウンリンクデータ送信プロセスで利用されるコンテンションウィンドウ値は、CW0である。
【0271】
第2のダウンリンクデータ送信プロセスを許可するとき、ネットワークデバイスは、(0又はD2に初期化された)第2のカウンタタイマー2をスタートさせる。時間ウィンドウD1でコンテンションウィンドウ値が変更されず、参照時間k1内にPDSCHに対応する応答が受信されないため、時間ウィンドウD1の境界から開始すると(seg#3)、ネットワークデバイスは、第1のルールを利用することによって(例えば、図2に示し実施形態における、第1のルールを利用する実装2)、PDSCH#1からPDSCH#4の応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を、現在のコンテンションウィンドウ値CW0に基づいて、次に大きな値CW1に調整する。
【0272】
ネットワークデバイスが、参照時間k1内に再びPDSCHの応答を受信するとき、タイマー1は満了し、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値をアップデートている。従って、ネットワークデバイスは、依然として、コンテンションウィンドウ値CW1を変えないままにする(seg#4)。
【0273】
ネットワークデバイスが、PUCCH#5及びPUCCH#6がDTXであることを検出するとき、参照時間k2に対応する第2のカウンタタイマー2は満了していないため、ネットワークデバイスは、seg#5において、コンテンションウィンドウ値CW1を変えないままにし続ける。タイマー2が満了した後(seg#6)、参照k2内でPDSCHの応答が受信されないため、ネットワークデバイスは、第2のルールを利用することによって(例えば、図2に示した実施形態における、第2のルールを利用する実装1)、PDSCH#5及びPDSCH#6の受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を、CW1から、次に大きな値CW2に調整してよい。
【0274】
ネットワークデバイスに格納されている現在のコンテンションウィンドウ値はCW2であるため、ネットワークデバイスが第3のダウンリンク送信を実行する前に、ネットワークデバイスがLBTを実行するとき、ネットワークデバイスは、コンテンションウィンドウ値CW2を利用することによって、LBTを実行する。
【0275】
この出願は、さらに、他のコンテンションウィンドウ維持方法を提供する。方法は、図1A及び図1Bに示した通信システムに適用されうる。方法に関連する通信デバイスは、通信システム内のものであり、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、かつチャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイスであってよい。この出願のこの実施形態は、通信デバイスが複数回の応答フィードバックをサポートするシナリオに適用可能である。方法の手順は、以下のステップを含む。
【0276】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。
【0277】
通信デバイスは、参照時間の後、第1の参照データのいずれかの応答を少なくとも1度受信する。
【0278】
通信デバイスは、各参照データの最後に受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する。
【0279】
この実施形態において、通信デバイスは、複数の実装を利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。詳細については、図2に示した実施形態における、第1のルールの4つの実装及び第2のルールに対応する2つの実装を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0280】
各参照データの最後に受信された応答が、より正確に現在のネットワーク送信状況を反映できるため、通信デバイスは、各参照データの最後に受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持し、それによって、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性は改善でき、それにより、チャネルアクセス公平性が保証される限り、通信デバイスのチャネルアクセス遅延、及び、異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減する。
【0281】
この出願は、さらに他のコンテンションウィンドウ維持方法をさらに提供する。方法は、図1A及び図1Bに示した通信システムに適用されうる。方法に関連する通信デバイスは、通信システム内のものであり、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、かつチャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイスであってよい。方法の手順は、以下のステップを含む。
【0282】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。
【0283】
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないか、又は、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるか、又は、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
【0284】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信しない参照データであり、言い換えると、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがNACK及びDTXを受信する参照データである。
【0285】
この実装において、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0286】
通信デバイスがN個の参照データの応答を受信した直後に、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を維持するため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。この場合、通信デバイスが、いくつかの参照データのACKを受信しないとき、通信デバイスは、送信に失敗したデータとして、参照データを不正確にカウントし、コンテンションウィンドウ値が本来は最小コンテンションウィンドウ値に調整される必要があるときに、コンテンションウィンドウ値を不正確に調整及び増加させることがある。このことは、通信デバイスのチャネルアクセス遅延を増加させ、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性に影響を及ぼす。
【0287】
上記の問題を解決するために、第2の閾値(例えば、90%)が、従来の維持方法における失敗閾値(例えば、80%)より大きく設定される。このようにすると、方法において、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件は、より厳格にでき、それによって、ACK応答遅延に起因して、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を増加させる確率が低減され、それにより、通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0288】
この出願は、さらに他のコンテンションウィンドウ維持方法をさらに提供する。方法は、図1A及び図1Bに示した通信システムに適用されうる。方法に関連する通信デバイスは、通信システム内のものであり、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、チャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイスであってよい。従来のコンテンションウィンドウ維持方法において、DTXが受信される参照データは、受信に失敗した参照データとしてカウントされ、そのようなカウントによって引き起こされるエラーは、決定されたコンテンションウィンドウ値のエラーをさらに引き起こす。従って、この出願のこの実施形態で提供される方法において、通信デバイスは、受信に失敗した参照データとして、DTXが受信される参照データをもはやカウントしない。
【0289】
実装において、通信デバイスは、以下の手順を実行することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
【0290】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。
【0291】
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する、又は
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えず、かつ、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない。
【0292】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信デバイスが失敗応答NACKを受信する参照データである。
【0293】
任意選択で、この実装において、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0294】
第1の閾値及び第2の閾値の具体的な値については、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。例えば、第1の閾値は、20%に設定されてよく、第2の閾値は、80%に設定されてよい。
【0295】
通信デバイスがN個の参照データの応答を受信した後、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を直ちに維持するため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。通信デバイスによって受信されない応答は、ACKであってもよいし、又はNACKであってもよい。この実装において、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、通信デバイスは、ACK及びNACKが受信される参照データのみを考慮し、DTXが受信される参照データについての統計を収集しない。このようにすると、以下のケース、即ち、遅延に起因して参照データのACKが受信されないために、第1の参照データが、DTXが受信される参照データとして不正確にカウントされること、が回避できる。NACKが受信される参照データの数は、ACKが受信されない参照データの数以下であるため、たとえ、第2の閾値が従来技術の失敗閾値(例えば、80%)と同じ又は近くても、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件は、より厳格にでき、それにより、コンテンションウィンドウ値を増加させる確率を低減し、通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性を保証する。
【0296】
さらに、第2の閾値は、従来技術の失敗閾値(例えば、80%)と同じ又は近いため、第1の閾値は、従来技術の成功閾値(例えば、20%)と同じ又は近い。従って、この実装において、コンテンションウィンドウ値を最小値に調整する条件は緩和されないことが保証でき、それによって、コンテンションウィンドウ値を最小値に調整する確率が増加せず、それにより、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率をさらに低減する。
【0297】
加えて、この実装において、N個の参照データの応答が、コンテンションウィンドウ値を増加させる条件も、コンテンションウィンドウを減少させる条件も満たさないとき、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を変えないままにしてよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0298】
他の実装において、通信デバイスは、以下の手順を実行することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
【0299】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である。
【0300】
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない、又は
通信デバイスは、以下のステップ、即ち、
第1のターゲット参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないか、又は、第1のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えるときに、通信デバイスが、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させること、又は
第1のターゲット参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるか、又は、第1のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えないときに、通信デバイスが、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整すること、
を実行することによって、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるときに、コンテンションウィンドウ値を調整する。
【0301】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データであり、第3のターゲット参照データは、通信デバイスがNACKを受信する参照データである。
【0302】
任意選択で、この実装において、第2の閾値と第3の閾値との和は1に等しい。
【0303】
第2の閾値及び第3の閾値の具体的な値については、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0304】
例えば、第2の閾値は、20%に設定されてよく、第3の閾値は、80%に設定されてよい。
【0305】
通信デバイスがN個の参照データの応答を受信した直後に、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を維持するため、受信端のLBT失敗などによって、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。通信デバイスが応答を受信する参照データ(即ち、第1のターゲット参照データ)が比較的少数であるとき、N個の参照データの中で、ACKが受信される参照データの割合は比較的小さい。通信デバイスが、従来の方法に従ってコンテンションウィンドウ値をさらに維持する場合、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を増加させる確率は比較的大きい。このことは、通信デバイスのチャネルアクセス遅延を増加させ、最終的に通信デバイスのチャネルアクセス公平性に影響を及ぼす。
【0306】
上記の問題を解決するために、通信デバイスは、実際のACK及びNACK分布状況をより良く反映できる以下の2つの割合、
ACK及びNACKが受信される参照データの中で、ACKが受信される参照データの割合、及び、
ACK及びNACKが受信される第1の参照データの中で、NACKが受信される参照データの割合、
に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるか、又はコンテンションウィンドウ値を最小コンテンションウィンドウ値に調整するかを決定し、それによって、決定されたコンテンションウィンドウ値の正確性が改善できる。従って、この実装において、通信デバイスのチャネルアクセス速度が保証でき、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率も低減できる。
【0307】
加えて、通信デバイスが応答を受信する参照データ(即ち、第1のターゲット参照データ)が非常に少数であるとき、実際のACK及びNACK分布状況は、たとえ上記の2つの割合が利用されても、正確に反映できない。通信デバイスのチャネルアクセス速度を保証し、また、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を減少させることに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減するために、この場合、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を変えないままにしてよい。
【0308】
第1の閾値の具体的な値については、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。任意選択で、第5の閾値は、0%又は1%などの比較的小さい値に設定されてよい。
【0309】
他の実装において、通信デバイスは、以下の手順を実行することによって、コンテンションウィンドウ値を維持しうる。
【0310】
通信デバイスは、参照時間を決定し、通信デバイスは、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信している。
【0311】
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないか、又は、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
通信デバイスは、N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるか、又は、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する。
【0312】
第1のターゲット参照データは、通信デバイスがACKを受信する参照データ、及び通信デバイスがNACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、N個の参照データの中で、通信デバイスがACKもNACKも受信しない参照データであり、言い換えると、第2のターゲット参照データは、通信デバイスがDTXを検出する参照データである。
【0313】
任意選択で、この実装において、第1の閾値と第2の閾値との和は1に等しい。
【0314】
第1の閾値及び第2の閾値の具体的な値については、この出願のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。
【0315】
例えば、第1の閾値は、20%に設定されてよく、第2の閾値は、80%に設定されてよい。
【0316】
通信デバイスがN個の参照データの応答を受信した直後に、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を維持するため、遅延又は受信端のLBT失敗に起因して、比較的多数の応答が通信デバイスによって受信されない。通信デバイスは、データ送信衝突に起因して、応答を受信しないことがある。従って、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する参照データが比較的少数であるとき、それは、有効な応答が受信されない(又は、DTXが受信される)第1の参照データが比較的多数であり、データ送信衝突の確率が比較的大きいことを示す。従って、通信デバイスは、その後のデータ送信プロセスにおいて生じる送信衝突の確率を低減させるために、コンテンションウィンドウ値を増加させてよい。
【0317】
それに対応して、通信デバイスが応答(ACK及びNACK)を受信する参照データが比較的多数であるとき、それは、応答が受信されない(又は、DTXが受信される)参照データが比較的少数であり、データ送信衝突の確率が比較的小さいことを示す。従って、通信デバイスは、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整してよい。このようにすると、通信デバイスのチャネルアクセス速度が改善できる。
【0318】
上記の実施形態に基づいて、この出願の実施形態は、通信デバイスを提供する。デバイスの構造は、図9に示されている。デバイスは、通信ユニット901と、処理ユニット902とを含む。通信デバイス900は、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、チャネルコンテンションについてのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイスであってよく、上記の実施形態におけるコンテンションウィンドウ維持方法を実装してよい。端末デバイス及びネットワークデバイスは、図1A及び図1Bに示した通信システム内で利用されうる。
【0319】
任意選択で、通信デバイスが、図2に示したコンテンションウィンドウ維持方法を実装するとき、ユニットの機能は以下のようになる。
【0320】
通信ユニット901は、データを受信及び送信するように構成される。
【0321】
処理ユニット902は、第1の参照時間を決定することであって、通信ユニット901は、第1の参照時間内に、N個の第1の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である、ことを行い、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおけるコンテンションウィンドウ値を維持し、第1の時間ウィンドウの後、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持するように構成される。
【0322】
実装において、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおけるコンテンションウィンドウ値を維持するとき、処理ユニット902は、
N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないか、又は、N個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるか、又は、N個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する
ように特に構成される。
【0323】
第1のターゲット参照データは、通信ユニット901が成功応答ACKを受信する第1の参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信しない第1の参照データである。
【0324】
実装において、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおけるコンテンションウィンドウ値を維持するとき、処理ユニット902は、以下のことを行うように特に構成される。
【0325】
N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整すること、又は
N個の第1の参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第4の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させること、又は
N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えず、かつ、N個の第1の参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第4の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しないこと。
【0326】
第1のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する第1の参照データであり、第3のターゲット参照データは、通信ユニット901が失敗応答NACKを受信する第1の参照データである。
【0327】
実装において、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおけるコンテンションウィンドウ値を維持するとき、処理ユニット902は、以下のことを行うように特に構成される。
【0328】
N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第5の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しないこと、又は
N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第5の閾値を超えるとき、以下のステップを実行することによって、コンテンションウィンドウ値を調整すること。
【0329】
第4のターゲット参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第6の閾値を超えないか、又は、第4のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第7の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるステップ、又は
第4のターゲット参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第6の閾値を超えるか、又は、第4のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第7の閾値を超えないときに、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整するステップ。
【0330】
第4のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する第1の参照データ、及び通信ユニット901がNACKを受信する第1の参照データであり、第1のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する第1の参照データであり、第3のターゲット参照データは、通信ユニット901がNACKを受信する第1の参照データである。
【0331】
実装において、第1のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、第1の時間ウィンドウにおけるコンテンションウィンドウ値を維持するとき、処理ユニット902は、
N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第8の閾値を超えないか、又は、N個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第9の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第8の閾値を超えるか、又は、N個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第9の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する
ように特に構成される。
【0332】
第4のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する第1の参照データ、及び通信ユニット901がNACKを受信する第1の参照データであり、第5のターゲット参照データは、N個の第1の参照データの中で、通信ユニット901がACKもNACKも受信しない第1の参照データである。
【0333】
実装において、第1の時間ウィンドウが終了した後、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、処理ユニット902は、
第1の時間ウィンドウが終了するとき、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する、又は
第1の時間ウィンドウが終了した後、少なくとも1つの第1の参照データの応答が受信されるとき、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する、又は
第1の時間ウィンドウが終了した後、データ送信プロセスを実行する前に、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する
ように特に構成される。
【0334】
実装において、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、処理ユニット902は、
N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第10の閾値を超えないか、又は、N個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第11の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
N個の第1の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第10の閾値を超えるか、又は、N個の第1の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第11の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する
ように特に構成される。
【0335】
第1のターゲット参照データは、通信ユニット901が成功応答ACKを受信する第1の参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信しない第1の参照データである。
【0336】
実装において、第2のルールを利用することによって、N個の第1の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持するとき、処理ユニット902は、
N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第12の閾値を超えないか、又は、N個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第13の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
N個の第1の参照データの中で、第4のターゲット参照データの割合が第12の閾値を超えるか、又は、N個の第1の参照データの中で、第5のターゲット参照データの割合が第13の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する
ように特に構成される。
【0337】
第4のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する第1の参照データ、及び通信ユニット901がNACKを受信する第1の参照データであり、第5のターゲット参照データは、N個の第1の参照データの中で、通信ユニット901がACKもNACKも受信しない第1の参照データである。
【0338】
実装において、処理ユニット902は、通信ユニット901を利用することによって、いずれかの第1の参照データの応答を少なくとも1度受信し、第1の参照データの最後に受信された応答を、第1の参照データの最終応答として利用するように特に構成される。
【0339】
実装において、第1の時間ウィンドウの開始時点は、第1の参照時間の前又は後にあり、第1の時間ウィンドウの開始時点が第1の参照時間の前にあるとき、第1の時間ウィンドウの終了時点は、第1の参照時間の後にある、又は
第1の時間ウィンドウの開始時点が、第1の参照時間が配置されるデータ送信プロセスの後にある、又は
第1の時間ウィンドウの開始時点は、事前設定されたターゲット時間ドメインリソースの前又は後にあり、ターゲット時間ドメインリソースは、N個の第1の参照データの応答を送信するために利用される事前設定された初期時間ドメインリソースである。
【0340】
実装において、第1の時間ウィンドウのサイズは、事前設定されるか、通信デバイスと受信端との間で合意されるか、受信端のために通信デバイスによって構成されるか、又は、通信デバイスが応答リソースをスケジューリングするのを受信端が待機する最大持続時間に等しくてよい。
【0341】
実装において、第1の時間ウィンドウは、タイマーを利用することによって維持される。
【0342】
実装において、第1の参照時間は、L番目のデータ送信プロセスに配置され、第1の時間ウィンドウは、第1の参照時間に対応し、Lは、0より大きい整数であり、処理ユニット902は、
K番目の参照時間を決定することであって、第2の参照時間は、(L+K)番目のデータ送信プロセスに配置され、通信ユニット901は、K番目の参照時間内にM個の第2の参照データを送信しており、Mは、0より大きい整数であり、Kは、1より大きい整数である、ことを行い、
K番目の参照時間の後、通信ユニット901を利用することによって、少なくとも1つの(K-Y)番目の参照データの応答を受信することであって、(K-Y)番目の参照データは、(K-Y)番目の参照時間内に送信された参照データであり、(K-Y)番目の参照時間は、(L+K-Y)番目のデータ送信プロセスに配置され、Yは、0より大きく、かつKより小さい整数である、ことを行い、
(L+K-Y)番目のデータ送信プロセスにおいて実際に利用されるコンテンションウィンドウと、各(K-Y)番目の参照データの最後に受信された応答とに基づいて、(L+K-Y+1)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値を再決定し、
前のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値と、前のデータ送信プロセスにおける参照時間内に送信された参照データの最後に受信された応答とに基づいて、現在のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値を決定し、(L+K)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値が決定されるまで、上記のステップを繰り返し、
現在のコンテンションウィンドウ値を、(L+K)番目のデータ送信プロセスで利用される必要があるコンテンションウィンドウ値にアップデートし、
K番目の参照時間に対応するK番目の時間ウィンドウにおいて、第1のルールを利用することによって、M個の第2の参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持し、
K番目の参照時間に対応するK番目の時間ウィンドウが終了した後、第2のルールを利用することによって、M個の第2参照データの応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する
ようにさらに構成される。
【0343】
任意選択で、通信デバイスが他のコンテンションウィンドウ維持方法を実装するとき、ユニットの機能は、以下のようになる。
【0344】
通信ユニット901は、データを受信及び送信するように構成される。
【0345】
処理ユニット902は、参照時間を決定することであって、通信ユニット901は、第1の参照時間内にN個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である、ことを行い、参照時間の後、いずれかの第1の参照データの応答を少なくとも1度受信し、各参照データの最後に受信された応答に基づいて、コンテンションウィンドウ値を維持する、ように構成される。
【0346】
任意選択で、通信デバイスが他のコンテンションウィンドウ維持方法を実装するとき、ユニットの機能は、次のようになる。通信ユニット901は、データを受信及び送信するように構成される。
【0347】
処理ユニット902は、
参照時間を決定することであって、通信ユニット901は、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である、ことを行い、そして、
N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整するか、又は
N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるか、又は
N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えず、かつ、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しない
ように構成される。
【0348】
第1のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信ユニット901が失敗応答NACKを受信する参照データである。
【0349】
任意選択で、通信デバイスが他のコンテンションウィンドウ維持方法を実装するとき、ユニットの機能は、次のようになる。通信ユニット901は、データを受信及び送信するように構成される。
【0350】
処理ユニット902は、
参照時間を決定することであって、通信ユニット901は、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信しており、Nは、0より大きい整数である、ことを行い、そして、
N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を調整しないか、又は
N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるとき、以下のステップ、即ち、
第1のターゲット参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないか、又は、第1のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させるステップ、又は
第1のターゲット参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるか、又は、第1のターゲット参照データの中で、第3のターゲット参照データの割合が第3の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整するステップ、
を実行することによって、コンテンションウィンドウ値を調整する
ように構成される。
【0351】
第1のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する参照データ、及び通信ユニット901がNACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する参照データであり、第3のターゲット参照データは、通信ユニット901がNACKを受信する参照データである。
【0352】
任意選択で、通信デバイスが他のコンテンションウィンドウ維持方法を実装するとき、ユニットの機能は、次のようになる。通信ユニット901は、データを受信及び送信するように構成される。
【0353】
処理ユニット902は、
参照時間を決定することであって、通信ユニット901は、第1の参照時間内に、N個の参照データを送信している、ことを行い、そして、
N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えないか、又は、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えるとき、現在のコンテンションウィンドウ値に基づいて、コンテンションウィンドウ値を増加させる、又は
N個の参照データの中で、第1のターゲット参照データの割合が第1の閾値を超えるか、又は、N個の参照データの中で、第2のターゲット参照データの割合が第2の閾値を超えないとき、コンテンションウィンドウ値を、最小コンテンションウィンドウ値に調整する
ように構成される。
【0354】
第1のターゲット参照データは、通信ユニット901がACKを受信する参照データ、及び通信ユニット901がNACKを受信する参照データであり、第2のターゲット参照データは、N個の参照データの中で、通信ユニット901がACKもNACKも受信しない参照データである。
【0355】
この出願の実施形態におけるモジュール分割は例であり、単なる論理機能分割に過ぎず、実際の実装においては他の分割方式があってもよいことに留意すべきである。加えて、この出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてよいし、又は、ユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してよいし、又は、少なくとも2つのユニットが1つのユニットに統合されてよい。統合ユニットは、ハードウェアの形態で実装されてよいし、又はソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてよい。
【0356】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は利用されるとき、統合ユニットは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されうる。そのような理解に基づき、この出願の実質的な技術的解決策、又は現在の技術に対して貢献する部分、又は技術的解決策の全部又は一部は、ソフトウェア製品の形態で実装されうる。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなどであってよい)又はプロセッサ(processor)に対し、この出願の実施形態で説明された方法の全て又は一部のステップを実行するように指示するための様々な命令を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含む。
【0357】
上記の実施形態に基づき、この出願の実施形態は、通信デバイスをさらに提供する。通信デバイスは、アンライセンススペクトルの利用をサポートし、チャネルコンテンションのためのLBTメカニズムを利用するネットワークデバイス又は端末デバイスであってよく、上記の実施形態におけるコンテンションウィンドウ維持方法を実装してよい。端末デバイス及びネットワークデバイスは、図1及び図1Bに示した通信システムにおいて利用されうる。図10に示すように、通信デバイス1000は、トランシーバ1001と、プロセッサ1002とを含む。任意選択で、通信デバイス1000は、メモリ1003をさらに含む。トランシーバ1001、プロセッサ1002、及びメモリ1003は、互いに接続される。
【0358】
任意選択で、トランシーバ1001、プロセッサ1002、及びメモリ1003は、バス1004を利用することによって、互いに接続される。バス1004は、周辺コンポーネントインターコネクト(peripheral component interconnect, PCI)バス、拡張インダストリスタンダードアーキテクチャ(extended industry standard architecture, EISA)バスなどであってよい。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類されうる。表記を簡単にするため、1つの細い線のみが図10においてバスを表示するために利用されているが、このことは、1つのバスのみ又は1つのタイプのバスのみがあることを意味しない。
【0359】
トランシーバ1001は、データを受信及び送信して、通信システム内の他のデバイスと通信するように構成される。任意選択で、トランシーバ1001は、無線周波数装置及びアンテナによって実装されうる。
【0360】
プロセッサ1002は、上記の実施形態で提供されるコンテンションウィンドウ維持方法における通信デバイスの機能を実装するように構成される。詳細については、上記の実施形態における説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明されない。
【0361】
プロセッサ1002は、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor, NP)、CPUとNPとの組み合わせなどであってよい。プロセッサ1002は、ハードウェアチップをさらに含んでよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device, PLD)、又はそれらの組み合わせであってよい。PLDは、コンプレックスプログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device, CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array, FPGA)、ジェネリックアレイロジック(generic array logic, GAL)、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。上記の機能を実装するとき、プロセッサ1002は、ハードウェアによって実装されてよく、又は、もちろん、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてよい。
【0362】
メモリ1003は、プログラム命令などを格納するように構成される。具体的には、プログラム命令は、プログラムコードを含んでよく、プログラムコードは、コンピュータ動作命令を含む。メモリ1003は、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)を含んでよく、又は、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリであってよい。プロセッサ1002は、メモリ1003に格納されたプログラム命令を実行して上記の機能を実装し、それによって、上記の実施形態で提供されるコンテンションウィンドウ維持方法が実装される。
【0363】
上記の実施形態に基づき、この出願の実施形態は、コンピュータプログラムをさらに提供する。コンピュータプログラムがコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、上記の実施形態で提供されるコンテンションウィンドウ維持方法を実行する。
【0364】
上記の実施形態に基づき、この出願の実施形態は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されるとき、コンピュータは、上記の実施形態で提供されるコンテンションウィンドウ維持方法を実行する。
【0365】
上記の実施形態に基づき、この出願の実施形態は、チップをさらに提供する。チップは、メモリに格納されたコンピュータプログラムを読み出して、上記の実施形態で提供されるコンテンションウィンドウ維持方法を実装するように構成される。
【0366】
上記の実施形態に基づき、この出願の実施形態は、チップシステムを提供する。チップシステムは、上記の実施形態における通信デバイスの機能を、コンピュータ装置が実装することをサポートするように構成された、プロセッサを含む。可能な設計において、チップシステムは、メモリをさらに含み、メモリは、コンピュータ装置に必要なプログラム及びデータを格納するように構成される。チップシステムは、チップを含んでよく、又は、チップ及び他の分離したコンポーネントを含んでよい。
【0367】
まとめると、この出願の実施形態は、コンテンションウィンドウ調整方法及びデバイスを提供する。方法において、通信デバイスは、第1のルールを利用することによって、時間ウィンドウ内のコンテンションウィンドウのサイズを維持しうる。通信デバイスは、応答を受信するための特定のバッファ時間(即ち、時間ウィンドウ)を設定する。バッファ時間内に、通信デバイスは、従来技術のものとは異なる第1のルールを利用することによって、コンテンションウィンドウ値を維持し、それによって、通信デバイスによって、コンテンションウィンドウ値を維持することのフレキシビリティ、及び、通信デバイスによって、コンテンションウィンドウ値を決定することの正確さが改善できる。加えて、バッファ時間が終了した後、バッファ時間内の遅延によって、通信デバイスによって受信されない応答が比較的少数であり、それによって、第2のルールを利用することによって、通信デバイスがコンテンションウィンドウ値を維持するときに、コンテンションウィンドウ値を決定することの正確さが改善できる。まとめると、方法は、通信デバイスによって、コンテンションウィンドウ値を決定することの正確さを改善できる。従って、チャネルアクセス公平性を保証する限り、方法は、通信デバイスのチャネルアクセス遅延、及び、異なる通信デバイスが同じコンテンションウィンドウを選択することに起因して生じるデータ送信衝突の確率を低減できる。
【0368】
この出願の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されうると、当業者は理解すべきである。従って、この出願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせを持つ実施形態の形態を利用しうる。加えて、この出願は、コンピュータ利用可能プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ利用可能記憶媒体(それらに限定されないが、磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなどを含む)上に実装されるコンピュータプログラム製品の形態を利用しうる。
【0369】
この出願は、この出願による、方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明されている。コンピュータプログラム命令は、フローチャート及び/又はブロック図中の各プロセス及び/又は各ブロックと、フローチャート及び/又はブロック図中のプロセス及び/又はブロックの組み合わせとを実装するために利用されうると理解すべきである。コンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサに提供されてよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサによって実行される命令は、フローチャート中の1つ以上のプロセス及び/又はブロック図の1つ以上のブロック中の具体的な機能を実装するための装置を生成する。
【0370】
コンピュータプログラム命令は、代替的に、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスに対して具体的な方式で動作するように指示できるコンピュータ可読メモリ内に格納されてよく、それによって、コンピュータ可読メモリ内に格納された命令は、命令装置を含む人工物を生成する。命令装置は、フローチャート中の1つ以上のプロセス及び/又はブロック図中の1つ以上のブロックにおける具体的な機能を実装する。
【0371】
コンピュータプログラム命令は、代替的に、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスにロードされてよく、それによって、一連の動作及びステップが、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実行され、それによって、コンピュータ実装処理が生成される。従って、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実行される命令は、フローチャート中の1つ以上のプロセス及び/又はブロック図中の1つ以上のブロックにおける具体的な機能を実装するためのステップを提供する。
【0372】
当業者が、この出願の思想及び範囲を逸脱することなく、この出願に様々な修正及び変形を施すことができることは明らかである。この出願は、それらが、この出願の特許請求の範囲によって画定される保護範囲及びその等価技術に包含される限りにおいて、この出願のこれらの修正及び変形をカバーすることを意図している。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10