(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】発話機器の発話を制御する方法、発話機器の発話を制御するサーバ、発話機器、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G10L 13/04 20130101AFI20231128BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G10L13/04 Z
G10L13/00 100Z
(21)【出願番号】P 2022519348
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2021022685
(87)【国際公開番号】W WO2022215277
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2021066049
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】鳥飼 将史
(72)【発明者】
【氏名】中井 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】占部 裕樹
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-018344(JP,A)
【文献】特開2018-119734(JP,A)
【文献】特開2015-204510(JP,A)
【文献】特開2016-224393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 13/04
G10L 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発話機器の発話を制御する方法であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させるステップと、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断した場合、前記対象機器に発話させるステップと、
を含み、
前記発話機器のそれぞれは複数の配置領域のうちのいずれか1つに配置されており、
前記禁止時間帯設定指令は、前記配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、前記対象領域に対する第2時間帯とを含む第2設定指令であり、
前記禁止時間帯を設定するステップにおいては、前記第2設定指令に基づいて、前記対象領域に配置された前記発話機器である対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第2時間帯を含むように設定する、
発話機器の発話を制御する方法。
【請求項2】
前記設定ユーザインタフェースを介して、前記配置領域に配置された複数の前記発話機器のうちの1つを代表機器として指定する代表機器設定指令を受信するステップと、
前記配置領域に対して前記代表機器を設定するステップと、
前記配置領域に配置された前記対象機器に発話させようとする時間が前記代表機器の前記禁止時間帯に該当しないと判断した場合、前記代表機器に発話させるステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載の発話機器の発話を制御する方法。
【請求項3】
発話機器の発話を制御する方法であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させるステップと、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断した場合、前記対象機器に発話させるステップと、
を含み、
前記対象機器は複数の配置領域にわたって移動可能であり、
前記禁止時間帯設定指令は、前記配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、前記対象領域に対する第3時間帯とを含む第3設定指令であり、
前記禁止時間帯を設定するステップは、
移動可能な対象機器が前記対象領域に入ったと判断した場合、前記第3設定指令に基づいて、前記移動可能な対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第3時間帯を含むように設定するステップと、
前記移動可能な対象機器が前記対象領域から離れたと判断した場合、前記移動可能な対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第3時間帯を含まないように設定するステップと、
を含む、
発話機器の発話を制御する方法。
【請求項4】
発話機器の発話を制御する方法であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させるステップと、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断した場合、前記対象機器に発話させるステップと、
を含み、
前記発話機器の発話を制御する方法は、
前記設定ユーザインタフェースを介して、少なくとも1つの前記発話機器を機器グループに所属すると指定するグルーピング指令を受信するステップ、
をさらに含み、
前記禁止時間帯設定指令は、前記機器グループに対する第4時間帯を含む第4設定指令であり、
前記禁止時間帯を設定するステップにおいては、前記第4設定指令に基づいて、前記機器グループに所属する前記発話機器である対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第4時間帯を含むように設定する、
発話機器の発話を制御する方法。
【請求項5】
発話機器の発話を制御する方法であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させるステップと、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断した場合、前記対象機器に発話させるステップと、
を含み、
前記端末装置は第1端末と第2端末とを含み、
前記発話機器の発話を制御する方法は、前記禁止時間帯設定指令を受信して、前記禁止時間帯を含むように設定した後、
前記第2端末の前記設定ユーザインタフェースを介して、別の禁止時間帯設定指令を受信するステップと、
前記別の禁止時間帯設定指令に基づいて、前記対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、
前記第1端末と前記第2端末との前記禁止時間帯に対する設定を同期させるように、前記別の禁止時間帯設定指令に基づいて設定した前記禁止時間帯を前記第1端末に通知するステップと、
をさらに含む、
発話機器の発話を制御する方法。
【請求項6】
前記禁止時間帯設定指令は、前記対象機器と前記対象機器に対する1つまたは複数の第1時間帯とを含む第1設定指令であり、
前記禁止時間帯を設定するステップにおいては、前記第1設定指令に基づいて、前記対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記1つまたは複数の第1時間帯を含むように設定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の発話機器の発話を制御する方法。
【請求項7】
前記対象機器に発話させようとする場合、発話内容が発話禁止の例外に該当すると判断した場合、現在時間が前記禁止時間帯に該当するかにかかわらず、前記対象機器に発話させるステップと、
をさらに含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の発話機器の発話を制御する方法。
【請求項8】
発話機器の発話を制御するサーバであって、
前記発話機器に対する禁止時間帯を記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させ、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信し、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断したとき、前記対象機器に発話させる
ように構成された前記サーバ制御部と、
を含み、
前記発話機器のそれぞれは複数の配置領域のうちのいずれか1つに配置されており、
前記禁止時間帯設定指令は、前記配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、前記対象領域に対する第2時間帯とを含む第2設定指令であり、
前記サーバ制御部は、前記禁止時間帯を設定するときに、前記第2設定指令に基づいて、前記対象領域に配置された前記発話機器である対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第2時間帯を含むように設定する、
発話機器の発話を制御するサーバ。
【請求項9】
前記サーバ制御部は、
前記設定ユーザインタフェースを介して、前記配置領域に配置された複数の前記発話機器のうちの1つを代表機器として指定する代表機器設定指令を受信し、
前記配置領域に対して前記代表機器を設定し、
前記配置領域に配置された前記対象機器に発話させようとする時間が前記代表機器の前記禁止時間帯に該当しないと判断した場合、前記代表機器に発話させる
ようにさらに構成されている、
請求項8に記載の発話機器の発話を制御するサーバ。
【請求項10】
発話機器の発話を制御するサーバであって、
前記発話機器に対する禁止時間帯を記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させ、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信し、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断したとき、前記対象機器に発話させる
ように構成された前記サーバ制御部と、
を含み、
前記対象機器は複数の配置領域にわたって移動可能であり、
前記禁止時間帯設定指令は、前記配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、前記対象領域に対する第3時間帯とを含む第3設定指令であり、
前記サーバ制御部は、前記禁止時間帯を設定するときに、
移動可能な対象機器が前記対象領域に入ったと判断した場合、前記第3設定指令に基づいて、前記移動可能な対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第3時間帯を含むように設定し、
前記移動可能な対象機器が前記対象領域から離れたと判断した場合、前記移動可能な対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第3時間帯を含まないように設定する
ようにさらに構成されている、
発話機器の発話を制御するサーバ。
【請求項11】
発話機器の発話を制御するサーバであって、
前記発話機器に対する禁止時間帯を記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させ、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信し、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断したとき、前記対象機器に発話させる
ように構成された前記サーバ制御部と、
を含み、
前記サーバ制御部は、
前記設定ユーザインタフェースを介して、少なくとも1つの前記発話機器を機器グループに所属すると指定するグルーピング指令を受信する
ようにさらに構成されており、
前記禁止時間帯設定指令は、前記機器グループに対する第4時間帯を含む第4設定指令であり、
前記サーバ制御部は、前記禁止時間帯を設定するときに、前記第4設定指令に基づいて、前記機器グループに所属する前記発話機器である対象機器に対して、前記禁止時間帯が前記第4時間帯を含むように設定する、
発話機器の発話を制御するサーバ。
【請求項12】
発話機器の発話を制御するサーバであって、
前記発話機器に対する禁止時間帯を記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部であって、
端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させ、
前記設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信し、
前記禁止時間帯設定指令に基づいて、前記発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、
前記対象機器に発話させようとする時間が前記禁止時間帯に該当しないと判断したとき、前記対象機器に発話させる
ように構成された前記サーバ制御部と、
を含み、
前記端末装置は第1端末と第2端末とを含み、
前記サーバ制御部は、前記禁止時間帯設定指令を受信して、前記禁止時間帯を含むように設定した後、
前記第2端末の前記設定ユーザインタフェースを介して、別の禁止時間帯設定指令を受信し、
前記別の禁止時間帯設定指令に基づいて、前記対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、
前記第1端末と前記第2端末との前記禁止時間帯に対する設定を同期させるように、前記別の禁止時間帯設定指令に基づいて設定した前記禁止時間帯を前記第1端末に通知する
ようにさらに構成されている、
発話機器の発話を制御するサーバ。
【請求項13】
前記禁止時間帯設定指令は、前記対象機器と前記対象機器に対する1つまたは複数の第1時間帯とを含む第1設定指令であり、
前記サーバ制御部は、前記禁止時間帯を設定するときに、前記第1設定指令に基づいて、前記対象機器に対して、禁止時間帯が前記1つまたは複数の第1時間帯を含むように設定する、
請求項8~12のいずれか1項に記載の発話機器の発話を制御するサーバ。
【請求項14】
前記サーバ制御部は、
前記対象機器に発話させようとする、かつ、発話内容が発話禁止の例外に該当すると判断した場合、現在時間が前記禁止時間帯に該当するかにかかわらず、前記対象機器に発話させる
ようにさらに構成されている、
請求項8~13のいずれか1項に記載の発話機器の発話を制御するサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発話機器に関し、特に発話機器の発話を制御する方法、発話機器の発話を制御するサーバ、発話機器、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家電とは、家庭用電化製品の略称であり、例えば、家庭で使うテレビ、冷蔵庫、空気調和機、洗濯機、掃除ロボット、音響機器、照明、給湯器、インターホンなどの電気器具である。従来では、ビープ音やブザー音を用いて、家電の運転状況をユーザに知らせる。例えば、洗濯機の洗濯が終了するとき、空気調和機が起動されるとき、または冷蔵庫の扉が所定時間以上に完全に閉じていないときには、これらの家電はユーザの注意力を引くようにビープ音を発する。
【0003】
現在、ビープ音などに代えて、より多くの情報を家電のユーザに伝達するために、人間の言語を含む音声を用いて発話することができる発話機器としての家電が開発されてきた。このような家電は発話機器と呼ばれ、ビープ音の代わりに、例えば、「洗濯が終わりました。」や、「冷蔵庫の扉が閉じていませんよ。」のように発話して、家電に関する情報をユーザに知らせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、発話機能を有する家電(被制御装置電子機器)に発話させるメッセージ通知制御システムが開示されている。具体的には、ユーザは端末装置のユーザ意向登録アプリを介して、家電に発話させたい条件を登録する。メッセージ通知制御システムは、家電の状態を検出し、検出する状態が登録された条件を満たす場合(例えば、冷蔵庫が開けている)、家電にメッセージを発話させる。
【0006】
しかしながら、引用文献1のメッセージ通知制御システムは、検出する家電の状態が設定した条件さえ満たせれば、一日中いつでも家電に発話させる。例えば、就寝中の深夜時間帯などの、ユーザが発話して欲しくないタイミングでも発話してしまうため、ユーザに不快感を与え得る。
【0007】
本発明は、発話機器の発話によってユーザに与える不快感を低減することができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するために、本発明は、発話機器の発話を制御する方法、発話機器の発話を制御するサーバ、発話機器、およびプログラムを提供するものである。
【0009】
本発明に係る一態様の発話機器の発話を制御する方法は、端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させるステップと、設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、禁止時間帯設定指令に基づいて、発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、対象機器に発話させようとする時間が禁止時間帯に該当しないと判断した場合、対象機器に発話させるステップと、を含む。
【0010】
また、本発明に係る他の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、発話機器に対する禁止時間帯を記憶するサーバ記憶部と、サーバ制御部とを含む。サーバ制御部は、端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させ、設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信し、禁止時間帯設定指令に基づいて、発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、対象機器に発話させようとする時間が禁止時間帯に該当しないと判断したとき、対象機器に発話させるように構成されている。
【0011】
また、本発明に係る他の態様の発話機器は、発話可能な発話機器であり、発話不可の禁止時間帯を記憶する機器記憶部と、機器制御部とを含む。機器制御部は、禁止時間帯設定指令を受信し、禁止時間帯設定指令に基づいて、禁止時間帯を設定し、発話指令を受信し、現在時間が禁止時間帯に該当しないと判断したとき、発話さするように構成されている。
【0012】
また、本発明に係る他の態様の発話機器の発話を制御する方法は、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、禁止時間帯設定指令に基づいて、禁止時間帯を設定するステップと、発話指令を受信するステップと、現在時間が禁止時間帯に該当しないと判断したとき、発話するステップと、を含む。
【0013】
また、本発明に係る他の態様のプログラムは、発話機器の発話を制御するサーバと通信する端末または発話機器で使用されるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、発話機器の発話を制御する方法、発話機器の発話を制御するサーバ、および発話機器によれば、発話機器の発話によってユーザに与える不快感を低減することができ、発話機器の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態1における発話機器および発話機器の発話を制御するサーバの概略構成を示すブロック図
【
図2】実施の形態1における発話機器を制御する方法の一例のフローチャート
【
図3A】実施の形態1における設定ユーザインタフェースの一例
【
図3B】実施の形態1における設定ユーザインタフェースの一例
【
図4】実施の形態1における設定ユーザインタフェースの一例
【
図7】実施の形態3における発話機器を制御する方法の一例のフローチャート
【
図9】実施の形態4におけるステップS130の一例のフローチャート
【
図11】実施の形態5におけるグルーピングのための設定ユーザインタフェースの一例
【
図12A】実施の形態5における機器グループ機器グループの一例
【
図12B】実施の形態5における機器グループの一例
【
図13】実施の形態6における発話機器および発話機器の発話を制御するサーバの概略構成を示すブロック図
【
図14】実施の形態6における発話機器を制御する方法の一例のフローチャート
【
図15】実施の形態6における発話機器を制御する方法の一例のシーケンス図
【
図16】実施の形態7における発話機器を制御する方法の一例のフローチャート
【
図17】実施の形態7における発話禁止例外基準の一例
【
図18】実施の形態8における発話機器を制御する方法の一例のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
先ず始めに、発話機器の発話を制御する方法、発話機器の発話を制御するサーバ、および発話機器の各種態様について説明する。
【0017】
本発明に係る第1の態様の発話機器の発話を制御する方法は、端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させるステップと、設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、禁止時間帯設定指令に基づいて、発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、対象機器に発話させようとする時間が禁止時間帯に該当しないと判断した場合、対象機器に発話させるステップと、を含む。
【0018】
本発明に係る第2の態様の発話機器の発話を制御する方法は、第1の態様において、禁止時間帯設定指令は、対象機器と当該対象機器に対する1つまたは複数の第1時間帯とを含む第1設定指令であってもよい。禁止時間帯を設定するステップにおいては、第1設定指令に基づいて、対象機器に対して、禁止時間帯が1つまたは複数の第1時間帯を含むように設定してもよい。
【0019】
本発明に係る第3の態様の発話機器の発話を制御する方法は、第1または2の態様において、発話機器のそれぞれは複数の配置領域のうちのいずれか1つに配置されており、禁止時間帯設定指令は、配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、対象領域に対する第2時間帯とを含む第2設定指令であってもよい。禁止時間帯を設定するステップにおいては、第2設定指令に基づいて、対象領域に配置された発話機器である対象機器に対して、禁止時間帯が第2時間帯を含むように設定してもよい。
【0020】
本発明に係る第4の態様の発話機器の発話を制御する方法は、第3の態様において、設定ユーザインタフェースを介して、配置領域に配置された複数の発話機器のうちの1つを代表機器として指定する代表機器設定指令を受信するステップと、配置領域に対して代表機器を設定するステップと、配置領域に配置された対象機器に発話させようとする時間が代表機器の禁止時間帯に該当しないと判断した場合、代表機器に発話させるステップと、をさらに含んでもよい。
【0021】
本発明に係る第5の態様の発話機器の発話を制御する方法は、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、対象機器は複数の配置領域にわたって移動可能であり、禁止時間帯設定指令は、配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、対象領域に対する第3時間帯とを含む第3設定指令であってもよい。禁止時間帯を設定するステップは、移動可能な対象機器が対象領域に入ったと判断した場合、第3設定指令に基づいて、移動可能な対象機器に対して、禁止時間帯が第3時間帯を含むように設定するステップと、移動可能な対象機器が対象領域から離れたと判断した場合、移動可能な対象機器に対して、禁止時間帯が第3時間帯を含まないように設定するステップと、を含んでもよい。
【0022】
本発明に係る第6の態様の発話機器の発話を制御する方法は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、設定ユーザインタフェースを介して、少なくとも1つの発話機器を機器グループに所属すると指定するグルーピング指令を受信するステップをさらに含んでもよい。禁止時間帯設定指令は、機器グループに対する第4時間帯を含む第4設定指令であってもよい。禁止時間帯を設定するステップにおいては、第4設定指令に基づいて、機器グループに所属する発話機器である対象機器に対して、禁止時間帯が第4時間帯を含むように設定してもよい。
【0023】
本発明に係る第7の態様の発話機器の発話を制御する方法は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、端末装置は第1端末と第2端末とを含んでもよい。発話機器の発話を制御する方法は、禁止時間帯設定指令を受信して、禁止時間帯を含むように設定した後、以下のステップをさらに含んでもよい。すなわち、第2端末の設定ユーザインタフェースを介して、別の禁止時間帯設定指令を受信するステップと、別の禁止時間帯設定指令に基づいて、対象機器に対して、禁止時間帯を設定するステップと、第1端末と第2端末との禁止時間帯に対する設定を同期させるように、別の禁止時間帯設定指令に基づいて設定した禁止時間帯を第1端末に通知するステップと、をさらに含んでもよい。
【0024】
本発明に係る第8の態様の発話機器の発話を制御する方法は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、対象機器に発話させようとする、かつ、発話内容が発話禁止の例外に該当すると判断した場合、現在時間が禁止時間帯に該当するかにかかわらず、対象機器に発話させるステップと、をさらに含んでもよい。
【0025】
本発明に係る第9の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、発話機器に対する禁止時間帯を記憶するサーバ記憶部と、サーバ制御部とを含む。サーバ制御部は、端末装置に、設定ユーザインタフェースを表示させ、設定ユーザインタフェースを介して、禁止時間帯設定指令を受信し、禁止時間帯設定指令に基づいて、発話機器のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、対象機器に発話させようとする時間が禁止時間帯に該当しないと判断したとき、対象機器に発話させるように構成されている。
【0026】
本発明に係る第10の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、第9の態様において、禁止時間帯設定指令は、対象機器と対象機器に対する1つまたは複数の第1時間帯とを含む第1設定指令であってもよい。サーバ制御部は、禁止時間帯を設定するときに、第1設定指令に基づいて、対象機器に対して、禁止時間帯が1つまたは複数の第1時間帯を含むように設定してもよい。
【0027】
本発明に係る第11の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、第9または10の態様において、発話機器のそれぞれは複数の配置領域のうちのいずれか1つに配置されており、禁止時間帯設定指令は、配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、対象領域に対する第2時間帯とを含む第2設定指令であってもよい。サーバ制御部は、禁止時間帯を設定するときに、第2設定指令に基づいて、対象領域に配置された発話機器に対して、禁止時間帯が第2時間帯を含むように設定してもよい。
【0028】
本発明に係る第12の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、第11の態様において、サーバ制御部は、設定ユーザインタフェースを介して、配置領域に配置された複数の発話機器のうちの1つを代表機器として指定する代表機器設定指令を受信し、配置領域に対して代表機器を設定し、配置領域に配置された対象機器に発話させようとする時間が代表機器の禁止時間帯に該当しないと判断した場合、代表機器に発話させるようにさらに構成されていてもよい。
【0029】
本発明に係る第13の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、第9~12の態様のいずれか1つにおいて、対象機器は複数の配置領域にわたって移動可能であり、禁止時間帯設定指令は、配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、対象領域に対する第3時間帯とを含む第3設定指令であってもよい。サーバ制御部は、禁止時間帯を設定するときに、移動可能な対象機器が対象領域に入ったと判断した場合、第3設定指令に基づいて、移動可能な対象機器に対して、禁止時間帯が第3時間帯を含むように設定し、移動可能な対象機器が対象領域から離れたと判断した場合、移動可能な対象機器に対して、禁止時間帯が第3時間帯を含まないように設定するようにさらに構成されていてもよい。
【0030】
本発明に係る第14の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、第9~13の態様のいずれか1つにおいて、サーバ制御部は、設定ユーザインタフェースを介して、少なくとも1つの発話機器を機器グループに所属すると指定するグルーピング指令を受信するようにさらに構成されていてもよい。禁止時間帯設定指令は、機器グループに対する第4時間帯を含む第4設定指令であってもよい。サーバ制御部は、禁止時間帯を設定するときに、第4設定指令に基づいて、機器グループに所属する発話機器に対して、禁止時間帯が第4時間帯を含むように設定してもよい。
【0031】
本発明に係る第15の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、第9~14の態様のいずれか1つにおいて、端末装置は第1端末と第2端末とを含んでもよい。サーバ制御部は、禁止時間帯設定指令を受信して、禁止時間帯を含むように設定した後、第2端末の設定ユーザインタフェースを介して、別の禁止時間帯設定指令を受信し、別の禁止時間帯設定指令に基づいて、対象機器に対して、禁止時間帯を設定し、第1端末と第2端末との禁止時間帯に対する設定を同期させるように、別の禁止時間帯設定指令に基づいて設定した禁止時間帯を第1端末に通知するようにさらに構成されていてもよい。
【0032】
本発明に係る第16の態様の発話機器の発話を制御するサーバは、第9~15の態様のいずれか1つにおいて、サーバ制御部は、対象機器に発話させようとする、かつ、発話内容が発話禁止の例外に該当すると判断した場合、現在時間が禁止時間帯に該当するかにかかわらず、対象機器に発話させるようにさらに構成されていてもよい。
【0033】
本発明に係る第17の態様の発話機器は、発話可能な発話機器であり、発話不可の禁止時間帯を記憶する機器記憶部と、機器制御部とを含む。機器制御部は、禁止時間帯設定指令を受信し、禁止時間帯設定指令に基づいて、禁止時間帯を設定し、発話指令を受信し現在時間が禁止時間帯に該当しないと判断したとき、発話さするように構成されている。
【0034】
本発明に係る第18の態様の発話機器の発話を制御する方法は、禁止時間帯設定指令を受信するステップと、禁止時間帯設定指令に基づいて、禁止時間帯を設定するステップと、発話指令を受信するステップと、現在時間が禁止時間帯に該当しないと判断したとき、発話するステップと、を含む。
【0035】
本発明に係る第19の態様のプログラムは、第9~16の態様のいずれか1つにおける発話機器の発話を制御するサーバと通信する端末、または、第17の態様における発話機器で使用されるプログラム
【0036】
《実施の形態1》
以下、本発明に係る発話機器の発話を制御する方法、発話を制御するサーバ、発話機器、およびプログラムの実施の形態1について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
以下で説明する実施の形態1は、本発明の一例を示すものである。以下の実施の形態1において示される数値、形状、構成、ステップ、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。以下の実施の形態1における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0038】
以下に述べる実施の形態1において、特定の要素に関しては変形例を示す場合があり、その他の要素に関しては任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。実施の形態1において、それぞれの変形例の構成をそれぞれ組み合わせることにより、それぞれの変形例における効果を奏するものとなる。
【0039】
以下の詳細な説明において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0040】
図1は、実施の形態1における発話機器および発話機器の発話を制御するサーバの概略構成を示すブロック図である。サーバ10(以下、「サーバ10」と略称する。)は、少なくとも1つの発話可能な発話機器20と、発話機器20に関連する端末装置30とも通信可能である。サーバ10は、少なくとも1つの情報元装置40または少なくとも1つの外部情報源50から情報を受信し、受信した情報に基づいて発話機器20に発話させてもよい。以下、各構成要素の概略を説明する。
【0041】
<発話機器20>
発話機器20は、発話機能を有する機器である。実施の形態1の発話機器20は、発話機能を有する家電(発話家電)を含む。家電とは、家庭用電化製品の略称である。発話機器20は、家庭で用いられる電子機器であれば任意の種類の機器であってもよく、例えば、家庭で使うテレビ、冷蔵庫、空気調和機、洗濯機、掃除ロボット、音響機器(スマートスピーカを含む)、照明、給湯器、インターホンなどの電気器具が含まれる。発話機器20は、「民生用発話機器」、「発話家電」と称してもよい。発話機能とは、スピーカを用いて人間の言語を含む音声を発する機能という。発話機能は、人間の言語を含まない、ビープ音、ブザー音、アラーム等の音のみを発声する機能とは異なり、人間の言語を用いてより多くの情報をユーザに伝達することができる。発話家電としての発話機器20はそれぞれの家電機能を発揮するように構成されている。例えば、空気調和機である発話機器20は、圧縮機と熱交換器と室内温度センサとを含み、制御空間において冷房、暖房、および除湿の機能を発揮するように構成されている。また、例えば、掃除ロボットである発話機器20は、バッテリと集塵機構と移動機構と物体検知センサとを含み、移動可能な範囲内で移動しながら掃除するように構成されている。
【0042】
図1の実施例において、発話機器20は、機能を発揮するための情報を記憶する機器記憶部21(家電記憶部)と、発話機器20全体を制御する機器制御部22(家電制御部)と、サーバ10または端末装置30と通信可能な機器通信部23(家電通信部)と、発話するためのスピーカ24とを含む。発話機器20は、機能を発揮するために様々なセンサ25を少なくとも1つ含んでもよい。発話機器20は、視覚的な情報をユーザに表示するためのディスプレイを含んでもよい。なお、本開示においては、この例示の発話機器20について説明するが、他の発話機器20において同様の構成としてもよい。
【0043】
機器記憶部21は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、機器制御部22の作業領域として機能するメモリであってもよい。機器記憶部21は、例えば、フラッシュメモリ、RAM、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。機器記憶部21は、発話用の音声データまたは映像データを記憶してもよい。発話用の音声データまたは映像データは、発話機器20の出荷前に記憶させるものであってもよく、販売者または家庭内のユーザの指令に基づいて他の記憶媒体から読み込むものであってもよく、販売者またはユーザの指令に基づいてインターネットを介してダウンロードするものであってもよい。
【0044】
機器制御部22は、発話機器20全体の制御を司るコントローラである。機器制御部22は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。機器制御部22は、機器記憶部21に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、発話機器20における各種の制御を実現することができる。また、機器制御部22は機器記憶部21と協働して、機器記憶部21に記憶されたデータを読み取り/書き込みを行うことができる。機器制御部22は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0045】
機器制御部22は、設定ユーザインタフェースを介してユーザによる様々な設定値(例えば、空気調和機の設定温度、テレビの表示チャネル、掃除ロボットの掃除時間)を受信することができる。機器制御部22は、これらの設定値および様々なセンサ25から受信した検出値(例えば、室内温度、物体の有無)などに基づいて、発話機器20の家電機能を発揮するように発話機器20の各部品を制御する。機器制御部22は、サーバ10または端末装置30から指令を受信して、当該指令にしたがって発話機器20を制御してもよい。また、機器制御部22は、後述する発話機器の発話を制御する方法に基づいて、サーバ10からの指令にしたがって発話を行う。
【0046】
機器通信部23は、サーバ10やユーザの端末装置30等と通信することもでき、例えば、インターネットパケットを送受信することもできる。機器制御部22は、機器通信部23を介してサーバ10と協働するとき、インターネットを介してサーバ10から発話に関するパラメータ値または指令を受信することできる。
【0047】
スピーカ24は、機器制御部22が指定する音声データを用いて、電気信号を音響信号に変換し、音波として空間に放射するものである。スピーカ24は音声インタフェースを介して機器制御部22と通信してもよい。スピーカ24は、発話機器20の種類等に基づいて適宜に設けられ得る。例えば、テレビである発話機器20において、スピーカ24はテレビの正面の両側に設けられ得る。掃除ロボットである発話機器20において、スピーカ24は掃除ロボットのハウジング内に設けられ得る。それぞれの発話機器20のスピーカ24は異なる規格や発話能・発声力を有してもよい。例えば、テレビのスピーカ24は比較的に高い発話・発声能力を有するが、洗濯機のスピーカ24は比較的に低い発話・発声能力を有してもよい。本開示はスピーカ24の発話・発声能力について制限しない。
【0048】
発話機器20は、ディスプレイを含む場合がある。ディスプレイは、視覚的な情報をユーザに表示するためのものである。ディスプレイは、例えば、テレビのスクリーンのように綺麗な映像を表示するために解像度が高いものであってもよく、洗濯機や電子レンジにおいて設定用のユーザインタフェース(user interface、UI)を表示するための、解像度が低いパネルディスプレイであってもよい。本開示はディスプレイの表示能力について制限しない。また、ディスプレイは表示機能を有するタッチパネルであってもよい。
【0049】
センサ25は、発話機器20の機能を発揮するために発話機器20の外部から様々な情報を取得するためのものである。例えば、センサ25は、空気調和機が設けられた部屋内部の温度を検出する室内温度センサ、空気調和機が設けられた部屋の外の温度を検出する室外温度センサ、掃除ロボットの前方に物体の有無を検出する物体センサ、冷蔵庫の扉が完全に閉じているか否かを検出する開閉センサなどであってもよい。センサ25にて検出された情報は、機器記憶部21に入力されて記憶され、後に機器制御部22が利用したり、端末装置30またはサーバ10に送信されたりする。
【0050】
<端末装置30>
端末装置30は、発話機器20に関連する装置である。端末装置30は、例えば、発話機器20のコントローラであってもよく、複数種類の家電製品を同時に管理・制御できるコントローラであってもよい。また、端末装置30は、発話機器20との間でデータ通信を行うことができる情報端末、例えば、専用の関連アプリケーション32が組み込まれたスマートフォン、携帯電話、モバイルフォン、タブレット、ウェアラブル装置、コンピュータなどであってもよい。サーバ10または機器制御部22は、端末装置30を介してユーザが入力した設定または指令を取得することができる。一般的には、端末装置30はグラフィックユーザインタフェース(graphical user interface、GUI)を表示するためのディスプレイを含む。ただ、音声ユーザインタフェース(voice User Interface、VUI)を介してユーザと相互作用する場合、ディスプレイの代わりに、またはディスプレイに加えて、端末装置30はスピーカとマイクとを含んでもよい。
【0051】
<情報元装置40>
情報元装置40は、発話機器20が発話する内容に関連する情報源である。情報元装置40は、発話機器20が設けられた家庭内の別の機器(家電)であってもよい。情報元装置40が別の機器である場合、本開示では、情報元装置40は情報元機器(情報元家電)とも呼ばれる。情報元家電は発話機器20であってもよく、発話機能を有しない家電であってもよい。情報元機器は、その運転状態などの機器情報(家電情報)をサーバ10に送信し、サーバ10は、受信した機器情報に基づいて発話内容を設定してもよい。機器情報の例としては、例えば、情報元家電の起動状態、運転モード、異常情報、現在位置、最寄りのユーザなどが挙げられる。
【0052】
<外部情報源50>
外部情報源50は、発話機器と直接的に関わらないサービスに関する情報、例えば、気象情報や、宅配便の配送状況に関する情報を提供する情報源である。サーバ10は、外部情報源50から取得する情報に基づいて、発話内容を設定してもよい。
【0053】
<サーバ10>
サーバ10は、少なくとも1つの発話機器20を制御するサーバである。さらに具体的にいうと、サーバ10は、少なくとも1つの発話機器20に対して、人間の言語を含む音声データまたは映像データを用いて発話させるように制御する。1つの実施例において、サーバ10は、インターネットを経由して少なくとも1つの発話機器20に接続して発話を制御することができる。同じ家庭に設けられた複数の発話機器20に対して、サーバ10は一度にこれらの複数の発話機器を制御することができる。
【0054】
サーバ10は、後述する発話機器の発話を制御する方法の実行以外、他の目的に用いられてもよい。例えば、サーバ10は、少なくとも1つの発話機器20を管理するため、またはデータを収集するための発話機器20の製造会社の管理サーバであってもよい。または、サーバ10は、アプリケーションサーバであってもよい。実施の形態1において、サーバ10は、サーバ記憶部12と、サーバ制御部14とを含む。サーバ10は、発話機器20、端末装置30、情報元装置40、または外部情報源50と通信するためのサーバ通信部16をさらに含んでもよい。
【0055】
<サーバ記憶部12>
サーバ記憶部12は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、サーバ制御部14の作業領域として機能するメモリであってもよい。サーバ記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、RAM、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。サーバ記憶部12は、サーバ10内部のメモリであってもよく、サーバ10と無線通信または有線通信にて接続されているストレージ装置であってもよい。
【0056】
サーバ記憶部12は、発話用の音声データまたは映像データを記憶する。様々な発話用の音声データまたは映像データは、発話制御の対象となる発話機器20の種類、発話機器20の機器情報、情報元装置40の種類、外部情報源50の種類、情報元装置40または外部情報源50から取得した情報などに応じて生成され得る。1つの実施例において、サーバ10は、発話機器20に発話させる前に、発話用の音声データまたは映像データを事前に生成してサーバ記憶部12に記憶させる。別の実施例において、サーバ10は、発話させる直前に発話用の音声データまたは映像データを動的(実行時)に生成してサーバ記憶部12に記憶させる。サーバ記憶部12は、これらの音声データもしくは映像データを生成するための素材データ、または途中のデータを記憶してもよい。
【0057】
<サーバ制御部14>
サーバ10のサーバ制御部14は、サーバ10全体の制御を司るコントローラである。サーバ制御部14は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、GPU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。サーバ制御部14は、サーバ記憶部12に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、サーバ10における各種の制御を実現することができる。また、サーバ制御部14は、サーバ記憶部12と協働してサーバ記憶部12に記憶されたデータを読み取り/書き込みを行うことができる。サーバ制御部14は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0058】
<サーバ通信部16>
サーバ通信部16は、サーバ制御部14と協働して、発話機器20や、端末装置30、情報元装置40、外部情報源50等とインターネットパケットを送受信する、すなわち、通信することもできる。例えば、サーバ10は、サーバ通信部16を介して端末装置30から指令を受信してもよく、発話機器20に対して指示を送信してもよく、情報元装置40または外部情報源50から情報を受信してもよい。サーバ通信部16または機器通信部23は、サーバ10と、発話機器20と、端末装置30と、情報元装置40と、外部情報源50との間において、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格にしたがい通信を行い、データの送受信を行ってもよい。インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、ブルートゥース(登録商標)と通信してもよい。
【0059】
<発話機器の発話を制御する方法>
サーバ10は、サーバ記憶部12およびサーバ制御部14を用いて、発話機器20の発話を制御する方法を実行する。当該方法は、発話によってユーザに与える不快感を低減するように、ユーザの指示に基づいて発話の禁止時間帯を設定する。
図2は、実施の形態1における発話機器の発話を制御する方法のフローチャートであり、発話機器の発話を制御する方法は以下のステップS110~ステップS170を含む。
【0060】
サーバ10のサーバ制御部14は、ユーザに禁止時間帯の設定を促すように、発話機器20に関連する端末装置30に、設定UIを表示させる(ステップS110)。ユーザは設定UIを介して、少なくとも1つの発話機器20に対する禁止時間帯を入力することができる。禁止時間帯とは、家電の発話が望ましくないとユーザに思われる時間帯である。例えば、禁止時間帯は、一般的には就寝中の深夜時間帯の0時から6時までの時間帯であってもよく、子供が勉強する16時から19時までの時間帯であってもよい。
【0061】
端末装置30は、設定UIで入力を受けると、禁止時間帯設定指令をサーバに送信する。サーバ制御部14は、設定UIおよびサーバ通信部16を介して、禁止時間帯設定指令を受信する(ステップS120)。サーバ制御部14は、禁止時間帯設定指令に基づいて、発話機器20のうちの少なくとも1つである対象機器に対して、禁止時間帯を設定する(ステップS130)。1つの発話機器20に対して、1つまたは複数の禁止時間帯を設定してもよい。禁止時間帯の管理が煩雑にならないように、1つの発話機器20に対して禁止時間帯が設定可能な数について上限を設けてもよい。例えば、1つの発話機器20に対して3つの禁止時間帯まで設定可能なように制限してもよい。
【0062】
禁止時間帯設定指令は、例えば、禁止時間帯と、当該禁止時間帯の適用対象である発話機器20(対象機器)を特定する情報とを含んでもよい。対象機器は禁止時間帯設定指令に指定された禁止時間帯の適用対象であり、禁止時間帯設定指令は発話機器20の識別子または名称によって対象機器を指定してもよい。
【0063】
1つの実施例において、禁止時間帯設定指令は、対象機器と対象機器に対する1つまたは複数の第1時間帯とを含む第1設定指令である。ステップS130においては、サーバ制御部14は、第1設定指令に基づいて、対象機器に対して、禁止時間帯が1つまたは複数の第1時間帯を含むように設定する。例えば、禁止時間帯設定指令は、発話機器「テレビ」と、第1時間帯「00:00~06:00」を含む。サーバ制御部14は、この禁止時間帯設定指令を受信すると、「テレビ」を対象機器とし、第1時間帯「00:00~06:00」を「テレビ」の禁止時間帯として追加するように設定し、設定結果をサーバ記憶部12に記憶する。
【0064】
図3Aおよび
図3Bは、端末装置30が専用の関連アプリケーション32の組み込まれたスマートフォンである場合の設定UIの画面60一例である。
図3Aおよび
図3Bの画面60を含む設定UIは、関連アプリケーション32のUIであってもよい。
図3Aに示された画面60において、画面60内のボタン61aを押すと、「掃除ロボット」という発話機器20に対して発話の禁止時間帯を設定することができ、ボタン61bを押すと、「テレビ」という発話機器20に対して発話の禁止時間帯を設定することができる。また、この実施例において、画面60には、特定の発話機器20の発話可否を設定するためのスイッチボタン61cや、発話機能についてより細かく設定するためのボタン61d、設定をやり直すためのボタン61dなども設けられている。
【0065】
ボタン61aが押されたら、設定UIは
図3Bに示された画面62aに遷移し、ボタン61aに対応する「掃除ロボット」の禁止時間帯を表示する。画面62aの例では、「掃除ロボット」に対して禁止時間帯がまだ設定されておらず、ボタン63aを押すと新規の禁止時間帯を設定することができる。ボタン63aが押されたら、設定UIは画面64aに遷移し、禁止時間帯をユーザに入力させる。
【0066】
同様に、ボタン61bが押されたら、設定UIは
図3Bに示された画面62bに遷移し、ボタン61bに対応する「テレビ」の禁止時間帯を表示する。画面62bに示された例では、「テレビ」に対しては「00:00~06:00」という禁止時間帯がすでに設定されている。画面62bのボタン63bを押すと、設定された禁止時間帯を変更したり、追加の禁止時間帯を設定したりすることができる。ボタン63bが押されたら、設定UIは画面64bに遷移し、追加の禁止時間帯をユーザに入力させる。
【0067】
ユーザが画面64aまたは画面64bで禁止時間帯を入力すると、端末装置30は、入力された禁止時間帯と、その禁止時間帯に対応する発話機器20の識別子とを含む第1設定指令をサーバ10に送信する。サーバ制御部14は、サーバ通信部16を介して受信する第1設定指令に基づいて、「掃除ロボット」または「テレビ」を対象機器にして、その禁止時間帯を設定する。
【0068】
図4は、端末装置30が発話機器20のコントローラである場合の設定UIの一例である。発話機器20がディスプレイを含む場合、サーバ制御部14は
図4に示された設定UIを発話機器20のディスプレイに表示させてもよい。
図4に示された画面65において、設定UIを表示するコントローラに対応する発話機器20、または設定UIを表示する発話機器20の発話機能についての情報または設定用ボタン66が設けられている。
【0069】
この実施例において、画面65内のボタン66を押すと、設定UIは画面67に遷移する。画面67において、ボタン68aによって禁止時間帯が表示される。また、画面67において、ボタン68bによって、当該発話機器20に対して、紐付けられる情報元装置40または外部情報源50を設定することができる。サーバ制御部14は、紐付けられた情報元装置40または外部情報源50(すなわち、画面67でオンと設定された項目)に関する情報に基づいて、当該発話機器20に発話させることができる。
【0070】
画面67内のボタン68aが押されたら、設定UIは画面69に遷移し、当該発話機器20の禁止時間帯を表示する。画面69に示されたように、当該発話機器20に対しては「00:00~06:00」および「15:00~15:30」という禁止時間帯がすでに設定されている。ユーザは設定UIの画面69を介して、既存の禁止時間帯を変更したり、追加の禁止時間帯を設定したりすることができる。
【0071】
そして、サーバ制御部14は、設定された禁止時間帯に基づいて発話機器20に対して発話制御を行う。サーバ制御部14は、情報元装置40または外部情報源50から受信する情報に基づいて、対象機器に発話させようとするか否かを判断する(ステップS140)。さらに具体的にいうと、サーバ制御部14は、受信する情報に基づいて、所定の発話条件を満たしているか否かを判断し、所定の発話条件に対応する発話内容を設定する。例えば、サーバ制御部14は、「洗濯機」の情報元装置40から洗濯が終了したとの情報を受信し、さらに外部情報源50から雨の予報との情報を受信する場合、「洗濯が終わりました。この後天気が崩れる予報です。」という発話内容を「スマートスピーカ」の対象機器に発話させようとしてもよい。
【0072】
対象機器に発話させようとする場合、対象機器に発話させようとする時間、すなわち、現在時間が対象機器の禁止時間帯に該当するか否かを判断する(ステップS150)。仮に、サーバ制御部14は、「洗濯機」の情報元装置40から洗濯が終了したとの情報を受信し、その情報を「スマートスピーカ」の対象機器に発話させようとする。そして、仮に「スマートスピーカ」に対して「00:00~06:00」の禁止時間帯が設定されている。この場合、サーバ制御部14は現在時間を取得し、現在時間が禁止時間帯内にあるか否かを判断する。例えば、現在時間が「05:00」であれば禁止時間帯に該当し、現在時間が「09:00」であれば禁止時間帯に該当しない。
【0073】
現在時間が禁止時間帯に該当しないと判断した場合、サーバ制御部14は対象機器に発話させる(ステップS160)。例えば、「スマートスピーカ」の対象機器に「洗濯が終わりました。」との発話内容を発話させてもよい。一方、現在時間が禁止時間帯に該当すると判断した場合、サーバ制御部14は対象機器に発話させないように制御する(ステップS170)。
【0074】
1つの実施例において、現在時間が禁止時間帯に該当すると判断した場合、サーバ制御部14はステップS140で発話させようとする内容を破棄する。すなわち、禁止時間帯の後でも当該内容を対象機器に発話させない。
【0075】
別の実施例において、現在時間が禁止時間帯に該当すると判断した場合、発話内容が「発話保留基準」に該当するか否かをさらに判断する。発話保留基準は、時間が経過してもユーザに通知すべきこと、例えば、ユーザが通知を聞くと行動する必要があること、すなわち、発話内容の重要性がユーザにとって比較的高いことを予め規定する。発話保留基準は、サーバ記憶部12に記憶され得る。発話内容が発話保留基準に該当しないと判断する場合、すなわち、発話内容の重要性がユーザにとって比較的低い場合、サーバ制御部14は、当該発話内容を対象機器に発話させない、かつ、当該発話内容を破棄する。一方、発話内容が発話保留基準に該当すると判断する場合、すなわち、発話内容の重要性がユーザにとって比較的高い場合、サーバ制御部14は、禁止時間帯において当該発話内容を対象機器に発話させないが、禁止時間帯が終了したら当該発話内容を対象機器に発話させる。
【0076】
図5は、実施の形態1における発話保留基準の一例である。例えば、番号1に関して、洗濯が終了し、かつ雨の予報がある条件を満たせば、「洗濯が終わりました。この後天気が崩れる予報です。」という発話内容を対象機器に発話させる。仮に、現在時間が対象機器の禁止時間帯に該当する場合は、発話内容をすぐに対象機器に発話させないが、当該発話内容は発話保留基準に該当するため、禁止時間帯が終了したら、サーバ制御部14は当該発話内容を「スマートスピーカ」に発話させる。これにより、ユーザは、洗濯物を室内に干したり衣類乾燥機で乾燥させたりすることができる。
【0077】
また、1つの実施例において、サーバ10と通信する端末、例えば、発話機器20または端末装置30は、上述したような発話制御を実行するために使用されるプログラムを有する。
【0078】
これにより、サーバ制御部14は発話制御の処理が完了する。サーバ制御部14は発話機器20に対して禁止時間帯を設定し、禁止時間帯内に発話機器20に発話させないように制御することができる。この発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、発話が望ましくないとユーザに思われる禁止時間帯に発話機器20に発話させないため、ユーザに与える不快感をより確実に低減することができる。また、ユーザが設定UIを介して禁止時間帯を手軽に設定できるため、発話機能の利便性を向上することができる。さらに、サーバ10は発話保留基準に該当する発話内容を一旦保留して、禁止時間帯の終了後に発話させ得るため、重要な情報を漏らずにユーザに通知することができる。
【0079】
《実施の形態2》
<特定の配置領域に配置された対象機器の場合>
実施の形態2において、発話機器20のそれぞれは複数の配置領域のうちのいずれか1つに配置されている。サーバ制御部14は配置領域ごとに禁止時間帯を設定することができる。
【0080】
図6は、実施の形態2における配置領域の一例である。この例示において、家庭内の空間は、配置領域70a(居間)、配置領域70b(台所)、配置領域70c(寝室)、配置領域70d(脱衣所)、および配置領域70e(浴室)に分割されている。様々な発話機器20、例えば、テレビ、音響機器、空気調和機、掃除ロボット、調理家電、冷蔵庫、洗濯機、給湯器はいずれかの配置領域70a~配置領域70eに配置されている。
【0081】
実施の形態2において、禁止時間帯設定指令は、配置領域70a~配置領域70eのうちの少なくとも1つである対象領域と、対象領域に対する第2時間帯とを含む第2設定指令である。そして、ステップS130においては、サーバ制御部14は、第2設定指令に基づいて、対象領域に配置された発話機器である対象機器に対して、禁止時間帯が第2時間帯を含むように設定する。
【0082】
1つの実施例において、サーバ制御部14は、配置領域70a~70eのうちの対象領域に配置されたすべての発話機器に対して、禁止時間帯が第2時間帯を含むように設定してもよい。例えば、ユーザは設定UIを介して配置領域70bを対象領域として指定し、この対象領域に対して禁止時間帯を「00:00~06:00」に指定してもよい。端末装置30は、設定UIを介してこのような入力を受けると、配置領域70bの識別子を含む第2設定指令をサーバ10に送信する。サーバ制御部14は、第2設定指令に基づいて、配置領域70bである対象領域に配置されたすべての発話機器20(
図6に示された例では「調理家電」および「冷蔵庫」)を対象機器にして、その禁止時間帯を設定する。
【0083】
異なる配置領域70a~配置領域70eに対して、異なる禁止時間帯を設定してもよい。例えば、第2設定指定は、配置領域70aである対象領域と、配置領域70aに対する「16:00~19:00」の禁止時間帯とを含む。1つの実施例において、禁止時間帯設定指令は複数の設定指定を包括的に含んでもよい。例えば、第2設定指令は、配置領域70bである対象領域と、配置領域70bに対する「00:00~06:00」の禁止時間帯とに加えて、配置領域70aである対象領域と、配置領域70aに対する「16:00~19:00」の禁止時間帯とをさらに含んでもよい。
【0084】
サーバ制御部14は、第2設定指定に基づいて、配置領域70aである対象領域に配置されたすべての発話機器20(「テレビ」、「音響機器」、「空気調和機a」および「掃除ロボット」)を対象機器にして、「16:00~19:00」の禁止時間帯を設定する。
【0085】
1つの実施例において、同じ配置領域内の複数の発話機器20に対しては異なる禁止時間帯を設定してもよい。例えば、配置領域70aに配置された発話機器20に対して禁止時間帯を「00:00~06:00」に設定した後、「テレビ」に対して「16:00~19:00」の禁止時間帯を追加してもよく、あるいは、配置領域70a内の「音響機器」に対して「00:00~06:00」の禁止時間帯を「01:00~05:00」に変更してもよい。
【0086】
特定の対象領域に対する禁止時間帯の設定は、当該対象領域に配置された発話機器20に一括して適用してもよい。このようにすれば、特定の空間(対象領域)全体において発話しないように安静を保つことができ、ユーザに与える不快感をより低減することができる。なお、本開示における用語「安静」とは、発話機器20が発話しない状態と指し、対象領域から音がしないことではない。発話機器20自身の稼働による音、例えば、音響機器から流れる音楽や、洗濯機の稼働音などは発話制御の範囲外であり、発話が安静することとは関係していない。
【0087】
そして、ユーザは同配置領域内の発話機器20の禁止時間帯を一括して設定することができるため、発話機能がより利用しやすくなる。また、一括設定の後でもさらに個別設定できるため、禁止時間帯の設定の自由度が高く、発話機能がより利用しやすくなる。
【0088】
《実施の形態3》
<特定の配置領域に代表機器(代表家電)を指定する場合>
実施の形態3において、ユーザは、特定の配置領域に「代表機器」を指定することができ、サーバ制御部14は、同じ配置領域における他の発話機器20の代わりに代表機器に発話させることができる。
【0089】
図7は、実施の形態3における発話機器を制御する方法の一例のフローチャートである。サーバ制御部14は、設定UIを介して代表機器設定指令を受信する(ステップS210)。代表機器設定指令は、ユーザの入力に基づいて、特定の配置領域に配置された複数の発話機器20のうちの1つを代表機器として指定する。1つの実施例において、代表機器の設定は、上述した設定UIとは別のUIによって行われる。
【0090】
サーバ制御部14は、代表機器設定指令を受信すると、代表機器設定指令に基づいて当該配置領域に対して代表機器を設定する(ステップS220)。言い換えると、ステップS220において、サーバ制御部14は、特定の配置領域の代表機器と、当該配置領域の他の発話機器20とを紐付ける。
【0091】
図8は、実施の形態3における配置領域の一例である。
図8の実施例において、配置領域70aに「音響機器」の発話機器20が代表機器として設定され、配置領域70bに「冷蔵庫」の発話機器20が代表機器として設定される。仮に、「テレビ」に「○○番組の録画が終わりました。」を発話させようとする場合、サーバ制御部14は、「テレビ」が配置された配置領域70aに代表機器が設定されているか否かを判断する。配置領域70aに「音響機器」の代表機器が設定されているため、サーバ制御部14は、「テレビ」の代わりに「音響機器」の代表機器に「○○番組の録画が終わりました。」を発話させようとする(S140’~S170’)。
【0092】
図7に示すように、サーバ制御部14は、対象機器に発話させようとする前に、上述したステップS110、ステップS120およびステップS130にしたがって、代表機器を含んだ発話機器20に対して禁止時間帯を設定してもよい。
【0093】
なお、ステップS110~ステップS130とステップS210~ステップS220との順番は
図7の例示に限らない。ある発話機器20は禁止時間帯が設定されてから代表機器として設定されてもよい。
【0094】
1つの実施例において、サーバ制御部14は代表機器を自動的に設定してもよい。例えば、サーバ制御部14は、配置領域内の複数の発話機器20のうち、番号が最も小さい識別子を有する発話機器20、配置領域の中央に最も近い発話機器20、発話頻度が最も高い発話機器20、またはユーザの操作頻度が最も高い発話機器20を代表機器として設定してもよい。
【0095】
代表機器が設定されている場合、サーバ制御部14は、上述したステップS140~ステップS170に代えて、元の対象機器の代わりに、代表機器を対象機器として扱い、以下のステップS140’~ステップS170’を行う。
【0096】
ステップS140’においては、サーバ制御部14は、代表機器が指定された配置領域に配置された対象機器に発話させようとするか否かを判断する。さらに具体的にいうと、サーバ制御部14は、対象機器に発話させようとするか否かを判断し、かつ、対象機器の配置された配置領域に代表機器が設定されたか否かを判断する。代表機器が設定されたと判断した場合、サーバ制御部14は、元の対象機器の代わりに、代表機器を対象機器として扱い、代表機器に発話させようとする。
【0097】
配置領域に配置された対象機器に発話させようとする場合、サーバ制御部14は、対象機器に発話させようとする時間、すなわち、現在時間を取得し、現在時間が代表機器の禁止時間帯に該当するか否かを判断する(ステップS150’)。現在時間が代表機器の禁止時間帯に該当しないと判断した場合、サーバ制御部14は代表機器に発話させる(ステップS160’)。一方、現在時間が代表機器の禁止時間帯に該当すると判断した場合、サーバ制御部14は代表機器に発話させない(ステップS170’)。
【0098】
例えば、仮に、「音響機器」が配置領域70aの代表機器として設定されている。そして、配置領域70a内の「テレビ」に対して「00:00~06:00」と「16:00~19:00」との禁止時間帯が設定されており、配置領域70a内の「音響機器」に対して「01:00~05:00」との禁止時間帯が設定されている。現在時間が「05:30」である場合、代表機器である「音響機器」の禁止時間帯に該当しないため、元々「テレビ」に発話させようとする発話内容は、「音響機器」によって発話される。
【0099】
なお、配置領域内のすべての発話機器20に対して同じ禁止時間帯が設定されている場合、サーバ制御部14は、
図7のフローにおいて、ステップS140’~ステップS170’に代えて、上述したステップS140~ステップS170を行ってもよい。
【0100】
実施の形態3の発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、より自由に発話機器20に発話させながらも、禁止時間帯の設定をしたがってユーザに与える不快感を低減することができる。
【0101】
《実施の形態4》
<対象機器が移動可能である場合>
実施の形態4において、対象機器となる発話機器20は複数の配置領域にわたって移動可能である。サーバ制御部14は、配置領域に禁止時間帯を設定し、さらに、移動可能な対象機器の所在の配置領域に基づいて、対象機器の発話可否を判断する。
【0102】
実施の形態2と同様に、ユーザは、設定UIを介して少なくとも1つの配置領域を対象領域として指定し、この対象領域に対して禁止時間帯を指定してもよい。サーバ制御部14は、上述したステップS110およびステップS120で端末装置30から禁止時間帯設定指令を受信する。実施の形態4において、禁止時間帯設定指令は、配置領域のうちの少なくとも1つである対象領域と、対象領域に対する第3時間帯とを含む第3設定指令である。サーバ制御部14は、ステップS130において、第3設定指令に基づいて移動可能な対象機器の禁止時間帯を設定することができる。
【0103】
図9は、実施の形態4におけるステップS130の一例のフローチャートである。実施の形態4において、ステップS130はステップS131~ステップS134を含む。
図10は、実施の形態4における配置領域の一例である。
【0104】
まず、サーバ制御部14は、移動可能な対象機器が対象領域に入ったか否かを判断する(ステップS131)。発話機器20は、「掃除ロボット」などの自力で移動可能なもの、または、「携帯式テレビ」や「携帯式音響機器」などのユーザの持ち運びで移動可能なものであり得る。このような発話機器20である対象機器は、最初に配置された配置領域から離れて、複数の配置領域にわたって移動可能である。例えば、
図10に示された「掃除ロボット」は、配置領域70a、配置領域70abおよび配置領域70cにわたって移動可能である。
【0105】
1つの実施例において、移動可能な発話機器20は、現在位置を含む機器情報をサーバ10に送信し、サーバ制御部14は機器情報に基づいて発話機器20が所在する配置領域を判断する。別の実施例において、移動可能な発話機器20の機器記憶部21には配置領域の情報、例えば、配置領域のマップを記憶している。移動可能な発話機器20の機器制御部22は、現在位置を配置領域の情報と照合して所在する配置領域を判断し、所在する配置領域を含む機器情報をサーバ10に送信する。
【0106】
サーバ制御部14は、移動可能な発話機器20が所在する配置領域を判断してまたは受信して、所在する配置領域を対象領域と照合することによって、移動可能な対象機器が対象領域に入ったか否かを判断する。移動可能な対象機器が対象領域に入ったと判断した場合、サーバ制御部14は、第3設定指令に基づいて、移動可能な対象機器に対して、禁止時間帯が第3時間帯を含むように設定する(ステップS132)。
【0107】
例えば、仮に、ユーザは設定UIを介して、配置領域70cを対象領域として指定し、この対象領域に対して禁止時間帯を「00:00~06:00」に指定する。そして、端末装置30は、配置領域70cの識別子および当該禁止時間帯を含む第3設定指令をサーバ10に送信する。サーバ制御部14は、第3設定指令に基づいて、現に配置領域70cである対象領域に所在する発話機器20(「空気調和機b」)、および、配置領域70cに入ってきた「掃除ロボット」発話機器20を対象機器にして、その禁止時間帯を設定する。
【0108】
このようにすれば、安静に保たせたい配置領域に新たな発話機器20が入る場合においても、当該配置領域の安静を保ち続ける。
【0109】
サーバ制御部14は、さらに、移動可能な対象機器が対象領域から離れた否かを判断する(ステップS133)。移動可能な対象機器が対象領域から離れたと判断した場合、移動可能な対象機器に対して、禁止時間帯が第3時間帯を含まないように設定する(ステップS134)。すなわち、移動可能な対象機器は、対象領域に入ったら当該対象領域の禁止時間帯に適用され、対象領域から離れたら当該適用が外される。
【0110】
例えば、仮に配置領域70aの禁止時間帯が「01:00~05:00」と設定されており、配置領域70cの禁止時間帯が「00:00~06:00」と設定されている。「掃除ロボット」が配置領域70aに入ると、サーバ制御部14は、「掃除ロボット」を配置領域70cの対象機器として、その禁止時間帯に「01:00~05:00」の時間帯を追加する。後に「掃除ロボット」が配置領域70aから離れて配置領域70cに入ると、サーバ制御部14は、「掃除ロボット」を配置領域70cの対象機器として、その禁止時間帯から「01:00~05:00」の時間帯を削除し、「00:00~06:00」の時間帯を追加する。
【0111】
1つの実施例において、サーバ制御部14は、対象機器が対象領域に入ったかまたは離れたかという条件とは異なる条件に基づいて禁止時間帯を設定してもよい。例えば、サーバ制御部14は、対象機器の所在する配置領域の禁止時間帯の設定を対象機器に適用してもよい。適用するときに、サーバ制御部14は、対象機器に対する禁止時間帯を追加する、または、対象機器に対する禁止時間帯を所在する配置領域の禁止時間帯に書き換えるように設定する。この実施例において、サーバ制御部14は、移動可能な対象機器の所在する配置領域が変化したか否かを判断してもよい。変化したと判断した場合、サーバ制御部14は、移動可能な対象機器が現に所在する配置領域を対象領域とし、対象領域の禁止時間帯を当該対象機器に適用してもよい。
【0112】
実施の形態4の発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、移動可能な発話機器20に対してもその禁止時間帯を動的に設定することができる。よって、安静な配置領域に入る発話機器20が不用意に発話して安静な状態を破ることを回避でき、より確実にユーザに与える不快感を低減することができる。また、移動可能な発話機器20の禁止時間帯を動的に設定することができるため、禁止時間帯の設定の自由度が高く、発話機能がより利用しやすくなる。
【0113】
《実施の形態5》
<発話機器がグルーピングされる場合>
実施の形態5において、少なくとも1つの発話機器20は機器グループ(家電グループ)にグルーピングされる。サーバ制御部14は、機器グループごとに禁止時間帯を設定することができる。
【0114】
ユーザは設定UIまたは別のUIを介して発話機器20をグルーピングしてもよい。
図11は、実施の形態5におけるグルーピングのための設定UIの一例である。設定UIの画面80には、少なくとも1つの発話機器20に関する情報が表示される。
図11に示された例では、発話機器20a「テレビ」、発話機器20b「掃除ロボット」、発話機器20c「冷蔵庫」に関する情報が表示されている。ユーザは、少なくとも1つの発話機器20を選択し、ボタン82を押してグルーピングを実行してもよい。
図11に示された例では、発話機器20b「掃除ロボット」と発話機器20c「冷蔵庫」が、グルーピングの対象として選択されている。
図11に示されていないが、ユーザは設定UIを介して、機器グループの管理、例えば、新規登録、名称変更、メンバー変更などを行ってもよい。
【0115】
端末装置30が設定UIを介してユーザの選択およびボタン押しとの入力を受けると、グルーピング指令をサーバ10に送信する。グルーピング指令は、指定される機器グループに関する情報(例えば、機器グループの識別子または名称)と、当該機器グループに所属させようとされる発話機器20に関する情報(例えば、当該発話機器20の識別子または名称)とを含む。
【0116】
サーバ制御部14は、例えば、
図2に示されたステップS140の前に、設定UIを介してグルーピング指令を受信するステップを実行する。上述したように、グルーピング指令は、少なくとも1つの発話機器を機器グループに所属すると指定する。
【0117】
実施の形態5において、禁止時間帯設定指令は、機器グループに対する第4時間帯を含む第4設定指令である。そして、ステップS130においては、サーバ制御部14は、第4設定指令に基づいて、機器グループに所属する発話機器である対象機器に対して、禁止時間帯が第4時間帯を含むように設定する。
【0118】
図12Aは、実施の形態5における機器グループの一例である。この例示において、「グループa」、「グループb」および「グループc」の機器グループと、それぞれの機器グループのグループメンバーとして設定されている発話機器20とを示している。
【0119】
サーバ制御部14は、実施の形態2~4において説明した、配置領域およびそれに配置された発話機器20に対する処理と同様なやり方で、機器グループおよびそれに所属する発話機器20に対して処理してもよい。例えば、サーバ制御部14は、
図2に示されたステップS130において、機器グループに所属するすべての発話機器20を対象機器として、禁止時間帯が第4時間帯を含むように設定してもよい。異なる機器グループに対して、異なる禁止時間帯を設定してもよい。また、同じ機器グループに所属する複数の発話機器20に対して異なる禁止時間帯を設定してもよい。例えば、機器グループに所属するすべての発話機器20に対して禁止時間帯を設定した後、特定の発話機器20に対して個別に禁止時間帯を追加したり変更したりしてもよい。
【0120】
1つの実施例において、実施の形態3と同様に、機器グループに代表機器を指定してもよい。
図12Bは、実施の形態5における機器グループの一例である。サーバ制御部14は、機器グループの代表機器と、当該機器グループに所属する他の発話機器20とを紐付ける。この実施例において、サーバ制御部14は、機器グループ内の他の発話機器20の代わりに代表機器に発話させてもよく、ステップS150において代表機器の禁止時間帯に基づいて発話可否を判断してもよい。例えば、
図12Bに示された「グループa」に代表機器「スマートスピーカ」が設定されるため、「スマートスピーカ」は他のグループメンバー「洗濯機」の代わりに発話できる。
【0121】
なお、ユーザは任意に機器グループを編成することができ、例えば、異なる配置領域に配置された発話機器20を同じ機器グループに入れてもよく、異なる種類の発話機器20を同じ機器グループに入れてもよい。
【0122】
実施の形態5の発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、機器グループに対する禁止時間帯の設定は一括して容易に行うことができ、発話機能がより利用しやすくなる。ユーザは発話機器の位置や種類と関係なく自由に編成できるため、禁止時間帯の設定の自由度がより高くなる。また、一括設定の後でもさらに個別設定できるため、禁止時間帯の設定の自由度が高く、発話機能がより利用しやすくなる。
【0123】
《実施の形態6》
<複数の異なる端末装置またはユーザが設定する場合>
実施の形態6において、異なるユーザが、またはユーザが異なる端末装置を用いて、同じ対象機器に対して禁止時間帯を設定することができる。サーバ制御部14は、同じ対象機器に対する設定を同期させることができる。
【0124】
図13は、実施の形態6における発話機器および発話機器の発話を制御するサーバの概略構成を示すブロック図である。この実施例において、端末装置30は第1端末30aと第2端末30bとを含み、ユーザは第1端末30aまたは/および第2端末30bを用いて禁止時間帯を設定することができる。なお、第1端末30aのユーザと第2端末30bのユーザは同じであってもよく、異なってもよい。第1端末30aと第2端末30bとも設定UIを表示して、ユーザ入力に基づいてサーバ10に禁止時間帯設定指令を送信することができる。
【0125】
図14は、実施の形態6における発話機器を制御する方法の一例のフローチャートである。
図15は、実施の形態6における発話機器を制御する方法の一例のシーケンス図である。まず、サーバ制御部14は、第1端末30aを用いて
図2に示されたステップS110~ステップS130を行い、対象機器に対して禁止時間帯を設定する。S130の後、サーバ制御部14はさらに、第2端末30bを用いて
図14に示されたステップS310~ステップS330を行い、対象機器に対して禁止時間帯を設定する。
【0126】
サーバ制御部14は、第2端末30bの設定UIを介して、別の禁止時間帯設定指令を受信する(ステップS310)。そして、サーバ制御部14は、別の禁止時間帯設定指令に基づいて、対象機器に対して、禁止時間帯を設定する(ステップS320)。例えば、ユーザ「父」が第1端末30aを用いて「テレビ」に対して「00:00~06:00」の禁止時間帯を設定した後、ユーザ「母」が第2端末30bを用いて同じ「テレビ」に対して「16:00~19:00」の禁止時間帯を追加設定してもよい。
【0127】
そして、サーバ制御部14は、第1端末30aと第2端末30bとの禁止時間帯に対する設定を同期させるように、別の禁止時間帯設定指令に基づいて設定した禁止時間帯を第1端末30aに通知する(ステップS330)。同様に、同期のために、サーバ制御部14は第1端末30aからの禁止時間帯設定指令に基づいて設定した禁止時間帯を第2端末30bに通知してもよい。
【0128】
1つの実施例において、ユーザは、端末装置30または/および発話機器20のコントローラもしくは発話機器20本体のUI(
図4の実施例をご参照)を用いて、禁止時間帯を設定することができる。この場合、サーバ制御部14は同様に、端末装置30と発話機器20本体またはそのコントローラとの禁止時間帯に対する設定を同期させるように、それぞれに設定される禁止時間帯を通知してもよい。
【0129】
1つの実施例において、禁止時間帯について設定可能な枠がまだある場合、ステップS320では別の禁止時間帯設定指令に基づいて禁止時間帯を追加する。設定可能な枠が全部埋まっている場合、すなわち、すでに上限(例えば、3つの枠)まで設定されている場合、設定が行う時間の古い順で、古い禁止時間帯の設定を削除して、新たな設定を追加してもよい。
【0130】
1つの実施例において、同じ発話機器20に対して、複数のユーザのそれぞれが設定する禁止時間帯をユーザ別で処理してもよい。例えば、発話機器20に対して、それぞれのユーザは3つまでの禁止時間帯を設定してもよい。このようにすれば、ユーザごとにパーソナライズ設定が可能となる。1つの実施例において、発話機器20またはサーバ制御部14は、人感センサ、ブルートゥース(登録商標)接続、GPSの技術などを用いてユーザの位置を取得することができる。サーバ制御部14は、
図2に示されたステップS150において、対象機器に最寄りのユーザを特定し、当該ユーザに設定された禁止時間帯に基づいて発話可否を判断してもよい。
【0131】
実施の形態6の発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、異なる端末装置またはユーザによって禁止時間帯を設定することができ、禁止時間帯の設定を同期させることもできる。端末装置および発話機器を含む複数の装置によって設定が実行可能なので、より便利に設定できる。また、ユーザごとにパーソナライズ設定が可能となり、発話機能がより利用しやすくなる。
【0132】
《実施の形態7》
<禁止時間帯内に例外的に発話させる場合>
禁止時間帯内には、原則的には対象機器20に発話させないが、実施の形態7では、発話内容によって、例えば緊急性の高い発話内容であれば、禁止時間帯内でも例外的に発話させることができる。
【0133】
図16は、実施の形態7における発話機器を制御する方法の一例のフローチャートである。サーバ制御部14は、予め規定する発話禁止のる例外に基づいて、発話制御を行ってもよい。例えば、サーバ制御部14は、予め規定する「発話禁止例外基準」に基づいて、発話制御を行ってもよい。
図17は、実施の形態7における発話禁止例外基準の一例である。
【0134】
禁止時間帯は、ユーザに発話が望ましくない時間帯として設定されるものである。しかしながら、発話内容が緊急性の高い事態に関連する場合、例えば、ユーザに実害が生じ得る事態の発生に関連する場合、当該発話内容をユーザに知らせるべきである。このように禁止時間帯内であってもユーザに通知すべきこと、すなわち、発話内容の重要性がユーザにとって相当に高いことが発話禁止例外基準に予め規定されている。発話禁止例外基準はサーバ記憶部12に記憶され得る。
【0135】
図16に示されているように、サーバ制御部14は、対象機器に発話させようとして(ステップS140で「はい」)、かつ、現在時間が禁止時間帯に該当すると判断した場合(ステップS150で「はい」)、発話内容が発話禁止の例外に該当するか否かをさらに判断する(ステップS410)。例えば、サーバ制御部14は、発話内容がサーバ記憶部12に記憶された発話禁止例外基準に該当するか否かをさらに判断する。サーバ制御部14は、発話内容が発話禁止の例外に該当すると判断した場合(ステップS410で「はい」)、すなわち、発話内容の重要性/緊急性がユーザにとって比較的高い場合、現在時間が禁止時間帯に該当するかにかかわらず、対象機器に発話させる(S160)。一方、発話内容が発話禁止の例外に該当しないと判断する場合(ステップS410で「いいえ」)、すなわち、発話内容の重要性/緊急性がユーザにとって比較的低い場合、サーバ制御部14は、当該発話内容を対象機器に発話させない(S160)。
【0136】
例えば、部屋の室内温度が一定値(例えば、35℃)以上または一定値以下(例えば、10℃)になると、ユーザの身体に悪い影響をもたらす可能性が高い。この場合において、禁止時間帯に該当しても、緊急性のある現状をユーザに知らせるような発話、または、空気調和機を起動することを促すような発話を、対象機器にさせる。
【0137】
1つの実施例において、発話内容が発話禁止例外基準に該当せず、対象機器に発話させない場合、サーバ制御部14はさらに、発話内容が発話保留基準(実施の形態1をご参照)に該当するか否かを判断する。発話内容の重要性/緊急性は、発話禁止例外基準に該当するまでに高くないが、発話保留基準に該当する場合がある。この場合において、サーバ制御部14は上述したように、発話内容を保留し、禁止時間帯が終了したら当該発話内容を対象機器に発話させる。一方、発話内容が発話禁止例外基準と発話保留基準ともに該当しない場合、サーバ制御部14は当該発話内容を破棄してもよい。
【0138】
1つの実施例において、サーバ記憶部12は、発話禁止例外基準の代わりに、処理基準を記憶する。処理基準は、発話機能が起こされ得る発話条件と、発話条件が対応する処理および発話内容と、例外であるかを表す例外フラグとを含む。ステップS140またはステップS140’において、サーバ制御部14は、発話条件が満たされているか否かを判断することによって、対象機器に発話させようとするか否かを判断してもよい。ステップS410において、サーバ制御部14は、例外フラグに基づいて、発話内容が発話禁止の例外に該当するか否かを判断してもよい。
【0139】
また、発話条件は、情報元装置40の種類、情報元装置40の稼働状態、発話可能時間(すなわち、禁止時間帯以外の時間帯)などを含んでもよい。サーバ制御部14は、特定の条件をフィルタすることによって、発話の禁止機能および発話の禁止機能の例外を実行することができる。この場合、ステップS140、ステップS150およびステップS170が統合され得る。例えば、発話機器20に対して「00:00~06:00」の禁止時間帯が設定されており、「06:01~24:00」発話可能時間が設定されている。発話させようか否かを判断するとき、現在時間および発話可能時間で発話条件をフィルタすることによって、発話内容が発話禁止の例外に該当するか否かを判断してもよい。
【0140】
実施の形態7の発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、発話内容によって、例えば緊急性の高い発話内容であれば、禁止時間帯内でも例外的に発話させることができる。そのため、ユーザに即時に知らせるべき発話は禁止させることがなく、しかるべく発話される。
【0141】
《実施の形態8》
<発話機器が禁止時間帯を設定し、発話の可否を判断する場合>
実施の形態8において、禁止時間帯の設定、および発話の可否についての判断は、サーバ制御部14によってはなく、発話機器20自体によって行われる。
【0142】
図18は、実施の形態8における発話機器を制御する方法の一例のフローチャートである。発話機器20の機器記憶部21は、発話不可の禁止時間帯を記憶する。発話機器20の機器制御部22は、
図18のフローチャートを実行するように構成されている。
【0143】
まず、機器制御部22は、端末装置30またはサーバ10から、禁止時間帯設定指令を受信する(ステップS510)。禁止時間帯設定指令は、ユーザが設定UIを介して発話機器20に対して指定する禁止時間帯を含む。機器制御部22は、受信する禁止時間帯設定指令に基づいて、発話機器20自体の禁止時間帯を設定する(ステップS520)。機器制御部22は、機器通信部23を介してサーバ10から発話指令を受信するとき(ステップS530)、現在時間を取得し、現在時間が禁止時間帯に該当するか否かを判断する(ステップS540)。現在時間が禁止時間帯に該当しないと判断したとき(ステップS540で「いいえ」)、機器制御部22はサーバ10によって設定された発話内容を発話する(ステップS550)。一方、現在時間が禁止時間帯に該当すると判断したとき(ステップS540で「はい」)、機器制御部22は発話しない(ステップS560)。
【0144】
1つの実施例において、機器記憶部21は、発話機器20が所在する配置領域を記憶し、当該配置領域に対する禁止時間帯に基づいて、発話機器20自体の禁止時間帯を設定してもよい。1つの実施例において、機器通信部23は、発話機器20が所在する配置領域または所属する機器グループの代表機器と通信可能である。機器制御部22は、発話しようとする発話内容を代表機器に送信して発話させる。1つの実施例において、機器記憶部21は、発話保留基準または発話禁止例外基準を記憶する。機器制御部22は、これらの基準に基づいて、禁止時間帯内に発話するか、または、発話しないと判断する発話内容を保留するか廃棄するかについて判断する。
【0145】
実施の形態8の発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、発話機器20自体が禁止時間帯の設定、および発話の可否についての判断を行うことができる。
【0146】
<発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムを利用する事例>
本開示に記載の発話機器の発話を制御する方法、サーバ、発話機器、およびプログラムによれば、禁止時間帯を自由に設定することができ、発話機器の発話機能を利用しやすくする。そのため、禁止時間帯の設定は様々な場面にあわせて利用され得る。以下、禁止時間帯についていくつかの設定事例を説明するが、本発明の範囲はこれらに限らない。
【0147】
<事例1>
小さい子供がいる家庭において、親などのユーザは子供の睡眠時間帯に合わせて禁止時間帯を設定してもよい。例えば、子供は「22:00~08:00」の時間帯によく寝る場合、子供の寝室に配置される発話機器に対して、「22:00~08:00」を禁止時間帯に設定してもよい。
【0148】
<事例2>
お客様の訪問があって、事前に訪問時間を知っている場合、その訪問時間に合わせて禁止時間帯を設定してもよい。例えば、毎週の水曜日の「19:00~21:00」に家庭教師が来る場合、学習机の周りの発話機器に対して、「毎週の水曜日の22:00~08:00」を禁止時間帯に設定してもよい。
【0149】
<事例3>
ユーザが慣習的に睡眠を取る時間帯に合わせて禁止時間帯を設定してもよい。例えば、ユーザは、寝室に配置されるすべての発話機器電に対して、普段ではよく熟睡する「01:00~05:00」の時間帯を禁止時間帯に設定してもよい。
【0150】
<事例4>
住宅内で仕事や勉強する場合、集中して作業したい時間帯に合わせて禁止時間帯を設定してもよい。例えば、在宅勤務を行うユーザに一定範囲内の発話機器電に対して、「09:00~17:30」の勤務時間を禁止時間帯に設定してもよい。
【0151】
<発話機器の発話を制御するサーバ10と通信する端末で使用されるプログラム>
サーバ10と通信する端末、例えば、発話機器20または端末装置30は、上述したような制御方法を実行するために使用されるプログラムを有する。
【0152】
発話制御を実行するためのプログラムが発話機器20に使用される場合、当該プログラムは、機器記憶部21に記憶される。機器制御部22は当該プログラムを実行することによって発話制御の機能を実現する。1つの実施例において、機器制御部22は当該プログラムを実行することによって、サーバ10から発話指示を受信して発話する。別の実施例において、機器制御部22は、当該プログラムを実行することによって、実施の形態8のように発話機器の制御方法を行う。
【0153】
発話制御を実行するためのプログラムが端末装置30に使用される場合、当該プログラムは、端末装置30の記憶部に記憶される。端末装置30は、当該プログラムを実行することによって、設定UIで禁止時間帯についてのユーザ入力(例えば、対象機器の指定、または、禁止時間帯の指定もしくは変更)を受け、ユーザ入力に基づいて禁止時間帯設定指示をサーバ10または発話機器20に送信する。
【0154】
以上は本発明の具体的な実施の形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。本発明は図面および前述した具体的な実施の形態において前述された内容を含むが、本発明がそれらの内容に限定されるものではない。本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、開示された様々の実施の形態または実施例を組み合わせることができる。本発明の機能および構造原理から逸脱しない変更は特許請求の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0155】
10 発話機器の発話を制御するサーバ(サーバ)
12 サーバ記憶部
14 サーバ制御部
16 サーバ通信部
20 発話機器
21 機器記憶部
22 機器制御部
23 機器通信部
24 スピーカ
25 センサ
30 端末装置
30a 第1端末
30b 第2端末
32 関連アプリケーション
40 情報元装置
50 外部情報源
60、62a、62b、64a、64b、65、67、69、80 画面
61a、61b、61c、61d、61e、63a、63b、66、68a、68b、82 ボタン
70a、70b、70c、70d、70e 配置領域