(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】ヘテロアリール誘導体、その製造方法およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20231128BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231128BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231128BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20231128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231128BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20231128BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
C07D487/04 143
C07D487/04 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P43/00 111
A61K31/519
C07D519/00 301
(21)【出願番号】P 2022543553
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2021071297
(87)【国際公開番号】W WO2021143680
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】202010046221.8
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010660519.8
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510116819
【氏名又は名称】浙江海正薬業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Hisun Pharmaceutical CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.46 Waisha Road,Jiaojiang District,Taizhou,Zhejiang 318000,P.R.China
(73)【特許権者】
【識別番号】521508896
【氏名又は名称】上海昂睿医薬技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Aryl Pharmtech Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 3, 301 Minqiang Road, Songjiang, Shanghai, 201612, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】黄賢貴
(72)【発明者】
【氏名】郭陽輝
(72)【発明者】
【氏名】讐宗興
(72)【発明者】
【氏名】別平彦
(72)【発明者】
【氏名】廖偉偉
(72)【発明者】
【氏名】晏青燕
(72)【発明者】
【氏名】瀋衛超
(72)【発明者】
【氏名】曹海
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼慶娜
(72)【発明者】
【氏名】王▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】曹▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】孟力陳
(72)【発明者】
【氏名】呉諾毅
(72)【発明者】
【氏名】李文朋
(72)【発明者】
【氏名】葉成
(72)【発明者】
【氏名】胡泰山
(72)【発明者】
【氏名】陳磊
【審査官】坂口 岳志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/156397(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/165073(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/182960(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110143949(CN,A)
【文献】国際公開第2016/203404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(AI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】
式中:
Yは、化学結合または-S-から選択され;
Zが-NH-から選択される場合、Vは-N-
もしくは-CH-から選択され;
または、Zが-O-から選択される場合、Vは-N-から選択され;
QおよびTはそれぞれ独立してNまたはCHから選択され;ここで、QおよびTのうち少なくとも1つは、Nから選択され;
環Aは、アリール、ヘテロアリールまたは二環式縮合環から選択され、ここで、前記アリールは単環式アリールであり、前記ヘテロアリールは5~6員の単環式ヘテロアリールであ
り;
R
1は、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、-OR
5、-C(O)R
5、-SO
2R
5、-NR
6R
7、-SO
2NR
6R
7、-NHSO
2R
5または-C(O)NR
6R
7から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
5、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-OC(O)R
5、-SO
2R
5、-NR
6R
7、-SO
2NR
6R
7、-NHSO
2R
5または-C(O)NR
6R
7から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R
2は、シアノ、テトラゾリル、-C(O)R
5、-C(O)OR
5または-C(O)NR
6R
7から選択され;
R
3およびR
4は、それらと結合しているN原子と共に、4~11員ヘテロシクリ
ルを形成しており、ここで、前記ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、S
もしくはSO
2原子を内部に含み、前記ヘテロシクリルは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-CH
2R
5、-CH(OH)R
5、-CH
2OR
5、=O、-OR
5、-SR
5、-SOR
5、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-OC(O)R
5、-SO
2R
5、-NR
6R
7、-SO
2NR
6R
7、-NHC(=NH)NH
2、-NHSO
2R
5
もしくは-C(O)NR
6R
7から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール
もしくはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
8、-C(O)OR
8、-OC(O)R
8、-SO
2R
8、-NR
9R
10、-C(O)NR
9R
10、-SO
2NR
9R
10
もしくは-NR
9C(O)R
10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
または、R
3およびR
4は、それらと結合しているN原子と共に、以下の基を形成しており:
【化2】
【化3】
は単結合または二重結合であり;
【化4】
が単結合を表す場合、GおよびMはそれぞれ独立してNまたはCR
jから選択され;
【化5】
が二重結合を表す場合、GおよびMはそれぞれ独立してCから選択され;
環Bは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され;
Eは、NR
k、(CR
pR
q)
p、OまたはSから選択され;
Fは、(CR
pR
q)
qから選択され;
Eが(CR
pR
q)
pから選択されるという条件で、pは1であり、qは1であり;
または、pは2であり、qは0であり;EがNR
k、O
もしくはSから選択される場合、qは1であり;
Jは、CR
pR
qから選択され;
Kは、NRk、(CR
pR
q)
r、OまたはSから選択され;
rは、0または1であり;
R
m、R
n、R
pおよびR
qは、同一であるか、
もしくは異なっており、それぞれ独立してR
Aから選択され;
または、R
pおよびR
qは、それらと結合している炭素原子と共に、R
Bを形成しており;
R
cおよびR
dは、同一であるか、
もしくは異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、アルキル
もしくは-OR
5から選択され、ここで、前記アルキルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル
もしくは-NR
6R
7の置換基によって、任意でさらに置換されており;
または、R
cおよびR
dは、それらと結合している炭素原子と共に、R
Bを形成しており;
R
gは、同一であるか、
もしくは異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
5、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-OC(O)R
5、-SO
2R
5、-NR
6R
7、-SO
2NR
6R
7、-NHC(=NH)NH
2、-NHSO
2R
5
もしくは-C(O)NR
6R
7から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール
もしくはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル
もしくは-NR
6R
7の置換基によって、任意でさらに置換されており;
または、2つのR
gは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C=Oを形成しており;
R
jおよびR
kは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子またはアルキルから選択され;
R
Aは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
5、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-OC(O)R
5、-SO
2R
5、-NR
6R
7、-SO
2NR
6R
7、-NHC(=NH)NH
2、-NHSO
2R
5または-C(O)NR
6R
7から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルまたは-NR
6R
7の置換基によって任意でさらに置換されており;
R
Bは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して3~10員シクロアルキルまたは3~10員ヘテロシクリルから選択され、ここで、前記シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-OR
5、-C(O)R
5、-C(O)OR
5、-OC(O)R
5、-SO
2R
5、-NR
6R
7、-SO
2NR
6R
7、-NHC(=NH)NH
2、-NHSO
2R
5または-C(O)NR
6R
7から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール
もしくはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール
もしくはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
8、-C(O)OR
8、-OC(O)R
8、-SO
2R
8、-NR
9R
10、-C(O)NR
9R
10、-SO
2NR
9R
10
もしくは-NR
9C(O)R
10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
または、R
6およびR
7は、それらと結合しているN原子と共に、3~8員ヘテロシクリルを形成しており、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、S
もしくはSO
2原子を内部に含み、前記3~8員ヘテロシクリルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキル
もしくはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R
8、R
9およびR
10はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルまたはカルボキシレートから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
nは、0、1、2、3または4から選択され;
pは、1または2から選択される。
【請求項2】
前記二環式縮合環は、アリールまたはヘテロアリールと、単環式ヘテロシクリルまたは単環式シクロアルキルとの縮合環であり;
R
3
およびR
4
は、それらと結合しているN原子と共に、5~11員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、SまたはSO
2
原子を内部に含み、前記ヘテロシクリルは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-CH
2
R
5
、-CH(OH)R
5
、-CH
2
OR
5
、=O、-OR
5
、-SR
5
、-SOR
5
、-C(O)R
5
、-C(O)OR
5
、-OC(O)R
5
、-SO
2
R
5
、-NR
6
R
7
、-SO
2
NR
6
R
7
、-NHC(=NH)NH
2
、-NHSO
2
R
5
または-C(O)NR
6
R
7
から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
8
、-C(O)OR
8
、-OC(O)R
8
、-SO
2
R
8
、-NR
9
R
10
、-C(O)NR
9
R
10
、-SO
2
NR
9
R
10
または-NR
9
C(O)R
10
から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されている、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
一般式(AII)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化6】
式中:環A、m、ZおよびR
1~R
4は、請求項1と同一に定義される。
【請求項4】
一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化7】
式中:環A、Y、mおよびR
1~R
4は、請求項1と同一に定義される。
【請求項5】
一般式(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化8】
式中:環A、m、R
1、R
3およびR
4は、請求項1と同一に定義される。
【請求項6】
R
3およびR
4は、それらと結合しているN原子と共に、4~8員の単環式ヘテロシクリ
ルを形成しており、ここで、前記単環式ヘテロシクリルは、メチル、アミノ、シクロアルキル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロアリール、-CH
2NH
2、-CH
2OH、-NHC(=NH)NH
2、=Oまたは-OR
5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;ここで、前記メチル、シクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは、メシル、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ピリジニルまたはピリミジニルのうち1つ以上から選択される置換基によって、任意でさらに置換されてお
り;
R
5は、請求項1と同一に定義される、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
前記ヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジノメチルベンゾピラゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニルまたはベンゾオキサゾリルである、請求項6に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
R
3
およびR
4
は、それらと結合しているN原子と共に、5~6員の単環式ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記単環式ヘテロシクリルは、メチル、アミノ、シクロアルキル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロアリール、-CH
2
NH
2
、-CH
2
OH、-NHC(=NH)NH
2
、=Oまたは-OR
5
から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;ここで、前記メチル、シクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは、メシル、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ピリジニルまたはピリミジニルのうち1つ以上から選択される置換基によって、任意でさらに置換されている、請求項6または7に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
R
3
およびR
4
は、それらと結合しているN原子と共に、ピペリジニルを形成しており、ここで、前記ピペリジニルは、メチル、アミノ、シクロアルキル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロアリール、-CH
2
NH
2
、-CH
2
OH、-NHC(=NH)NH
2
、=Oまたは-OR
5
から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;ここで、前記メチル、シクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは、メシル、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ピリジニルまたはピリミジニルのうち1つ以上から選択される置換基によって、任意でさらに置換されている、請求項8に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
R
3およびR
4は、それらと結合しているN原子と共に、7~11員のスピロヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記スピロヘテロシクリルは、メチル、アミノ、-CH
2NH
2、-CH
2OH、-NHC(=NH)NH
2、=Oまたは-OR
5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R
5は、請求項1と同一に定義される、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
請求項
10に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩であり、前記スピロヘテロシクリルは、
【化9】
から選択される:
R
aは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立してメチル、アミノ、-CH
2NH
2、-CH
2OH、-NHC(=NH)NH
2または-OR
5から選択され;
または、2つのR
aは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C=Oを形成しており;
tは、1、2または3であり;
R
5は、請求項1と同一に定義される。
【請求項12】
R
3およびR
4は、それらと結合しているN原子と共に、7~11員の架橋ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記架橋ヘテロシクリルは、メチル、アミノ、-CH
2NH
2、-CH
2OH、-NHC(=NH)NH
2、=Oまたは-OR
5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R
5は、請求項1と同一に定義される、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
R
3およびR
4は、それらと結合しているN原子と共に、7~11員の縮合ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記縮合ヘテロシクリルは、メチル、アミノ、-CH
2NH
2、-CH
2OH、-NHC(=NH)NH
2、=Oまたは-OR
5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R
5は、請求項1と同一に定義される、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項
4に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化10】
式中:
環Bは、フェニル、3~8員シクロアルキル、4~8員ヘテロシクリルまたは5~6員ヘテロアリールから選択され;
Eは、NR
k、(CR
pR
q)
p、OまたはSから選択され;
Fは、((CR
pR
q)
qから選択され;
Eが(CR
pR
q)
pから選択されるという条件で、pは1であり、qは1であり;
または、pは2であり、qは0であり;EがNR
k、O
もしくはSから選択される場合、qは1であり;
R
mは、アミノ、-CH
2NH
2または-NHC(=NH)NH
2から選択され;
R
nは、水素原子、メチルまたは-CH
2OHから選択され;
R
pおよびR
qはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン、アミノ、C
1~C
4アルキル、ヒドロキシC
1~C
4アルキル、アミノC
1~C
4アルキルまたは-OR
5から選択され;
【化11】
環A、G、M、m、n、R
1~R
2、R
5、R
kおよびR
gは、請求項
4と同一に定義される。
【請求項15】
一般式(IV)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項
4に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化12】
式中:
環Bは、フェニル、3~8員シクロアルキル、4~8員ヘテロシクリルまたは5~6員ヘテロアリールから選択され;
Jは、CR
pR
qから選択され;
Kは、NR
k、(CR
pR
q)
r、OまたはSから選択され;
rは、0または1であり;
R
mは、アミノ、-CH
2NH
2または-NHC(=NH)NH
2から選択され;
R
nは、水素原子、メチルまたは-CH
2OHから選択され;
R
pおよびR
qはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン、アミノ、C
1~C
4アルキル、ヒドロキシC
1~C
4アルキル、アミノC
1~C
4アルキルまたは-OR
5から選択され;
【化13】
環A、G、M、m、n、R
1~R
2、R
5、R
kおよびR
gは、請求項
4と同一に定義される。
【請求項16】
一般式(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩であり、請求項
4に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化14】
式中:
環Bは、フェニル、3~8員シクロアルキル、4~8員ヘテロシクリルまたは5~6員ヘテロアリールから選択され;
R
cおよびR
dは、それらと結合している原子と共に、3~8員シクロアルキルを形成しており;
R
mは、アミノ、-CH
2NH
2または-NHC(=NH)NH
2から選択され;
R
nは、水素原子、メチルまたは-CH
2OHから選択され;
【化15】
環A、G、M、m、n、R
1~R
2およびR
gは、請求項
4と同一に定義される。
【請求項17】
一般式(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩:
【化16】
式中:
L
1は、存在しないか、または-(C=O)-および-(CR
wR
v)
u-から選択され、ここで、-(CR
wR
v)-のうちいずれか1つは、-N(R
z)-、-O-、-S-、-SO-および-SO
2-に、任意でさらに置き換わっており;
R
wおよびR
vのそれぞれは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシから選択され;
R
zのそれぞれは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子またはアルキルから選択され;
環Eは、Nを含有する4~11員の単環式ヘテロシクリル、Nを含有する4~11員の縮合ヘテロシクリルまたはNを含有する4~11員の架橋ヘテロシクリルから選択され、ここで、前記単環式ヘテロシクリル、縮合ヘテロシクリルまたは架橋ヘテロシクリルは、ハロゲン、アルキル、-OR
5または=Oから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
環Kは、存在しないか、またはシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
8、-C(O)OR
8、-OC(O)R
8、-SO
2R
8、-NR
9R
10、-C(O)NR
9R
10、-SO
2NR
9R
10または-NR
9C(O)R
10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
ここで、-L
1-環Kと、-(CH
2)
W-NH
2とは、環Eの同一の炭素原子に結合しており;
wは、0、1または2であり;
uは、0、1、2または3であり;
環A、Z、Q、T、m、n、R
1~R
2、R
5およびR
8~R
10は、請求項1と同一に定義される。
【請求項18】
R
1は、水素原子、F、Cl、Br、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シクロプロピルオキシ、エチニル、エテニル、-NHCH
3または-N(CH
3)
2から選択される、
請求項1~
5および
14~
17のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項19】
R
2は、-C(O)NH
2または-C(O)OHから選択される、
請求項
14~
17のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項20】
R
5は、水素原子またはアルキルから選択される、
請求項1~
5および14~17のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項21】
環Aは、フェニル、ピリジニルまたはピリミジニルから選択される、
請求項1~
5および
14~
17のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項22】
環Bは、以下から選択される、
【化17】
請求項
14~
16のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項23】
R
gは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、F、Cl、Br、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、メチル、エチル、エチニル、エテニル、-NHCH
3または-N(CH
3)
2から選択され;
または、2つのR
gは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C=Oを形成している、
請求項
14~
16のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項24】
環Eは、以下から選択される、
【化18】
請求項
17に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項25】
前記化合物は、以下から選択される、
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
請求項1
~5、14~17および24のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項26】
以下を含む、請求項
4に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法:
【化23】
一般式(Ia)で表される化合物およびNHR
3R
4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、一般式(Ib)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Ib)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、さらに、得られた化合物の保護基を任意で除去し、一般式(I)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
Yは、化学結合から選択され;
X
1は、脱離基から選択され、ここで、前記脱離基は、ハロゲンまたは-SO
2R
tから選択され;
X
2は、ハロゲンから選択され;
R
tは、アルキルから選択され;
環A、mおよびR
1~R
4は、請求項
4と同一に定義される。
【請求項27】
以下を含む、請求項
4に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法:
【化24】
一般式(Ia)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、一般式(Id)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Id)で表される化合物およびNHR
3R
4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、一般式(I)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
Yは、化学結合から選択され;
X
1は、脱離基から選択され、ここで、前記脱離基は、ハロゲンまたは-SO
2R
tから選択され;
X
2は、ハロゲンから選択され;
R
tは、アルキルから選択され;
環A、mおよびR
1~R
4は、請求項
4と同一に定義される。
【請求項28】
請求項4に記載の一般式(I)で表される化合物を製造するための中間体である、一般式(Ia)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体:
【化25】
式中:
X
1は、脱離基から選択され、ここで、前記脱離基は、ハロゲンまたはSO
2R
tから選択され;
X
2は、ハロゲンから選択され;
R
tは、アルキルから選択され;
R
2は、シアノ、テトラゾリル、-C(O)R
5、-C(O)OR
5または-C(O)NR
6R
7から選択され;
R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール
もしくはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール
もしくはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
8、-C(O)OR
8、-OC(O)R
8、-SO
2R
8、-NR
9R
10、-C(O)NR
9R
10、-SO
2NR
9R
10
もしくは-NR
9C(O)R
10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
または、R
6およびR
7は、それらと結合しているN原子と共に、3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、S
もしくはSO
2原子を内部に含み、前記3~8員ヘテロシクリルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキル
もしくはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R
8、R
9およびR
10はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルまたはカルボキシレートから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されている。
【請求項29】
以下を含む、請求項
28に記載の一般式(Ia)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法:
【化26】
一般式(Ie)で表される化合物のアミノを保護し、一般式(If)で表される化合物を得る工程;一般式(If)で表される化合物を、パラジウム触媒の作用下でカップリング反応させ、一般式(Ig)で表される化合物を得る工程;一般式(Ig)で表される化合物から保護基PGを除去し、一般式(Ih)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Ih)で表される化合物をハロゲン化反応させ、一般式(Ia)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
PGは、保護基であ
り;
X
3は、ハロゲンから選択され;
X
1、X
2およびR
2は、請求項
28と同一に定義される。
【請求項30】
PGは、以下である、
【化27】
請求項29に記載の一般式(Ia)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法。
【請求項31】
有効用量の、請求項1~
25のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤またはそれらの組み合わせとを含む、薬学的組成物。
【請求項32】
請求項1~
25のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、または請求項
31に記載の薬学的組成物の、SHP2アロステリック阻害剤の製造における使用。
【請求項33】
請求項1~
25のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、または請求項
31に記載の薬学的組成物の、SHP2によって媒介される疾患を治療するための医薬品の製造における使
用。
【請求項34】
SHP2によって媒介される前記疾患は、癌、癌転移、心血管疾患、免疫障害、線維症または視覚障害である、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
SHP2によって媒介される前記疾患は、ヌーナン症候群、レオパードスポット症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳癌、食道癌、肺癌、結腸癌、頭部癌、神経芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、未分化大細胞リンパ腫および膠芽細胞腫から選択される、
請求項
33または34に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、新規なヘテロアリール誘導体、その製造方法、当該誘導体を含む薬学的組成物、および治療剤としての、特にはSHP2アロステリック阻害剤としてのその使用に関する。
【0002】
〔背景〕
Srcホモロジー-2ドメイン含有タンパク質チロシンホスファターゼ(SHP2)はタンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)ファミリーの重要なメンバーであり、タンパク質チロシンホスファターゼである非受容体型11(PTPN11)遺伝子によってコードされ、タンパク質中のチロシンの脱リン酸化を触媒する。SHP2のN端末は、SHP2の細胞内局在および機能調節を制御する2つのSH2ドメインを含み、C端末は、触媒活性を有するPTPドメインおよびその活性に関連する2つのチロシン残基を含む。通常、SHP2は自己阻害状態にある。血小板由来成長因子PDGFおよびFGFなどの、成長因子、サイトカインまたは炎症因子によって刺激されると、触媒部位が露出し、SHP2酵素の活性化を誘導する。
【0003】
SHP2は、ヒト体内に広く存在しており、ラット肉腫(RAS)-細胞外シグナル関連キナーゼ(ERK)、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)-タンパク質キナーゼBおよびNF-KBに関与し、線維芽細胞成長因子、上皮成長因子、およびインスリン受容体下流のマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK/ERK)のような複数のシグナル伝達チャネルを活性化し、細胞増殖、分化、遊走およびアポトーシスを調節する。現在、SHP2の活性化変異は、ヌーナン症候群、レオパードスポット症候群、単球性白血病、黒色腫、固体腫瘍、心血管疾患、免疫障害、線維症または視覚障害の発生と密接に関連していることが分かっている。SHP2の過剰発現は、慢性顆粒球性白血病、肥満細胞症、神経膠芽腫、肺癌、乳癌および他の癌のリスクを増加させる。このことは、SHP2が様々な種類の癌および癌の様々な段階において重要な役割を果たすことを示している。腫瘍におけるSHP2の複数の機能のために、SHP2標的阻害剤に関する研究もまた、腫瘍治療に対する新しい希望および方向性をもたらす。
【0004】
異なる作用機構に従って、SHP2阻害剤を、競合阻害剤(タウトマイシン、フェニルピラゾリルヒドラジンスルホネートおよびNSC-87877を含む)、非競合阻害剤(インドールサリチル酸およびフモストンを含む)、および不可逆的阻害剤(アンチモニルグルコン酸ナトリウムおよびクリプトタンシノンを含む)に分類することができる。不可逆的SHP2阻害剤として、クリプトタンシノンが横紋筋肉腫、黒色腫、結腸癌および乳癌の増殖をインビトロで阻害することができることが報告されている一方、インビボ試験ではクリプトタンシノンがマウスの前立腺癌の増殖を阻害することができることが示されており、クリプトタンシノンが臨床的に有効な薬剤となり得るかを検証するためには多くの試験が必要である。
【0005】
現在、REVOLUTION Medicines Inc.によって開発された化合物であるRMC-4630は、固形腫瘍の治療のために臨床第II相に入っている一方、前臨床段階にあるRMC-4550が含まれる。一方、Jacobio(Jacobio Pharmaceuticals Co Ltd)およびNovartis(Novartis AG)によってそれぞれ開発された臨床第I相の3つの化合物JAB-3068、JAB-3312およびTNO-155も存在する。一方、Novartisの前臨床薬SHP-099が含まれている。REVOLUTION Medicines IncおよびNovartis AGは、WO-2019075265、WO-2018136265、WO-2018136264、WO-2017216706およびWO-2018013597などを含む一連のSHP2阻害剤特許を開示している。SHP2の研究はいくらか進展しているが、実証済みの医薬品はまだ市販されておらず、新規なSHP2阻害剤の研究開発を継続することがなお必要である。
【0006】
〔概要〕
上述の技術的課題に鑑み、本発明は、一般式(AI)で表される新規なヘテロアリール化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:
【0007】
【0008】
式中:
Yは、化学結合または-S-から選択され;
Zが-NH-から選択される場合、Vは-N-または-CH-から選択され;代替的に、Zが-O-から選択される場合、Vは-N-から選択され;
QおよびTはそれぞれ独立してNまたはCHから選択され;ここで、QおよびTのうち少なくとも1つは、Nから選択され;
環Aは、アリール、ヘテロアリールまたは二環式縮合環から選択され、ここで、前記アリールは単環式アリールであり、前記ヘテロアリールは5~6員の単環式ヘテロアリールであり、前記二環式縮合環は好ましくは、アリールまたはヘテロアリールと、単環式ヘテロシクリルまたは単環式シクロアルキルとの縮合環であり;
R1は、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、-OR5、-C(O)R5、-SO2R5、-NR6R7、-SO2NR6R7、-NHSO2R5または-C(O)NR6R7から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR5、-C(O)R5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-SO2R5、-NR6R7、-SO2NR6R7、-NHSO2R5または-C(O)NR6R7から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R2は、シアノ、テトラゾリル、-C(O)R5、-C(O)OR5または-C(O)NR6R7から選択され;
R3およびR4は、それらと結合しているN原子と共に、4~11員ヘテロシクリル、好ましくは5~11員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、SまたはSO2原子を内部に含み、前記ヘテロシクリルは、任意に、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-CH2R5、-CH(OH)R5、-CH2OR5、=O、-OR5、-SR5、-SOR5、-C(O)R5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-SO2R5、-NR6R7、-SO2NR6R7、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2R5または-C(O)NR6R7から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R8、-C(O)OR8、-OC(O)R8、-SO2R8、-NR9R10、-C(O)NR9R10、-SO2NR9R10または-NR9C(O)R10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
代替的に、R3およびR4は、それらと結合しているN原子と共に、以下の基を形成しており:
【0009】
【0010】
【0011】
は単結合または二重結合であり;
【0012】
【0013】
が単結合を表す場合、GおよびMはそれぞれ独立してNまたはCRjから選択され;
【0014】
【0015】
が二重結合を表す場合、GおよびMはそれぞれ独立してCから選択され;
環Bは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され;
Eは、NRk、(CRpRq)p、OまたはSから選択され;
Fは、(CRpRq)qから選択され;
Eが(CRpRq)pから選択されるという条件で、pは1であり、qは1であり;代替的に、pは2であり、qは0であり;EがNRk、OまたはSから選択される場合、qは1であり;
Jは、CRpRqから選択され;
Kは、NRk、(CRpRq)r、OまたはSから選択され;
rは、0または1であり;
Rm、Rn、RpおよびRqは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立してRAから選択され;
代替的に、RpおよびRqは、それらと結合している炭素原子と共に、RBを形成しており;
RcおよびRdは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、アルキルまたは-OR5から選択され、ここで、前記アルキルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキルまたは-NR6R7の置換基によって、任意でさらに置換されており;
代替的に、RcおよびRdは、それらと結合している炭素原子と共に、RBを形成しており;
Rgは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR5、-C(O)R5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-SO2R5、-NR6R7、-SO2NR6R7、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2R5または-C(O)NR6R7から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルまたは-NR6R7の置換基によって、任意でさらに置換されており;
代替的に、2つのRgは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C=Oを形成しており;
RjおよびRkは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子またはアルキルから選択され;
RAは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR5、-C(O)R5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-SO2R5、-NR6R7、-SO2NR6R7、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2R5または-C(O)NR6R7から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルまたは-NR6R7の置換基によって、任意でさらに置換されており;
RBは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して3~10員シクロアルキルまたは3~10員ヘテロシクリルから選択され、ここで、前記シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-OR5、-C(O)R5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-SO2R5、-NR6R7、-SO2NR6R7、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2R5または-C(O)NR6R7から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R5、R6およびR7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R8、-C(O)OR8、-OC(O)R8、-SO2R8、-NR9R10、-C(O)NR9R10、-SO2NR9R10または-NR9C(O)R10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
代替的に、R6およびR7は、それらと結合しているN原子と共に、3~8員ヘテロシクリルを形成しており、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、SまたはSO2原子を内部に含み、前記3~8員ヘテロシクリルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルまたはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R8、R9およびR10はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルまたはカルボキシレートから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
nは、0、1、2、3または4から選択され;
pは、1または2から選択される。
【0016】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、一般式(AII)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である:
【0017】
【0018】
式中:環A、m、ZおよびR1~R4は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0019】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である:
【0020】
【0021】
式中:環A、Y、m、およびR1~R4は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0022】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、一般式(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である:
【0023】
【0024】
式中:環A、m、R1、R3およびR4は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)、(AII)、(I)もしくは(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において:
R3およびR4は、それらと結合しているN原子と共に、4~8員の単環式ヘテロシクリル、好ましくは5~6員の単環式ヘテロシクリル、より好ましくはピペリジニルを形成しており、ここで、前記単環式ヘテロシクリルは、メチル、アミノ、シクロアルキル、フェニル、ハロフェニル、ヘテロアリール、-CH2NH2、-CH2OH、-NHC(=NH)NH2、=Oまたは-OR5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;ここで、前記メチル、シクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは、メシル、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ピリジニルまたはピリミジニルのうち1つ以上から選択される置換基によって、任意でさらに置換されており;ここで、前記ヘテロアリールは好ましくは、ピリジニル、ピリミジノメチルベンゾピラゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニルまたはベンゾオキサゾリルであり;
R5は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0026】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)、(AII)、(I)もしくは(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において:
R3およびR4は、それらと結合しているN原子と共に、7~11員のスピロヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記スピロヘテロシクリルは、メチル、アミノ、-CH2NH2、-CH2OH、-NHC(=NH)NH2、=Oまたは-OR5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;R5は、一般式(AI)と同一に定義され;好ましくは、前記スピロヘテロシクリルは、
【0027】
【0028】
から選択される。
【0029】
Raは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立してメチル、アミノ、-CH2NH2、-CH2OH、-NHC(=NH)NH2または-OR5から選択されるか;または、2つのRaは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C=Oを形成しており;tは、1、2または3であり;R5は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)、(AII)、(I)もしくは(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、R3およびR4は、それらと結合しているN原子と共に、7~11員の架橋ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記架橋ヘテロシクリルは、メチル、アミノ、-CH2NH2、-CH2OH、-NHC(=NH)NH2、=Oまたは-OR5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;R5は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0031】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(I)もしくは(II)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、R3およびR4は、それらと結合しているN原子と共に、7~11員の縮合ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記縮合ヘテロシクリルは、メチル、アミノ、-CH2NH2、-CH2OH、-NHC(=NH)NH2、=Oまたは-OR5から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;R5は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0032】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、一般式(III)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である:
【0033】
【0034】
式中:
環Bは、フェニル、3~8員シクロアルキル、4~8員ヘテロシクリルまたは5~6員ヘテロアリールから選択され;
Eは、NRk、(CRpRq)p、OまたはSから選択され;
Fは、(CRpRq)qから選択され;
Eが(CRpRq)pから選択されるという条件で、pは1であり、qは1であり;代替的に、pは2であり、qは0であり;EがNRk、OまたはSから選択される場合、qは1であり;
Rmは、アミノ、-CH2NH2または-NHC(=NH)NH2から選択され;
Rnは、水素原子、メチルまたは-CH2OHから選択され;
RpおよびRqはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン、アミノ、C1~C4アルキル、ヒドロキシC1~C4アルキル、アミノC1~C4アルキルまたは-OR5から選択され;
【0035】
【0036】
環A、G、M、m、n、R1~R2、R5、RkおよびRgは、一般式(I)と同一に定義される。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、一般式(IV)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である:
【0038】
【0039】
式中:
環Bは、フェニル、3~8員シクロアルキル、4~8員ヘテロシクリルまたは5~6員ヘテロアリールから選択され;
Jは、CRpRqから選択され;
Kは、NRk、(CRpRq)r、OまたはSから選択され;
rは、0または1であり;
Rmは、アミノ、-CH2NH2または-NHC(=NH)NH2から選択され;
Rnは、水素原子、メチルまたは-CH2OHから選択され;
RpおよびRqはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン、アミノ、C1~C4アルキル、ヒドロキシC1~C4アルキル、アミノC1~C4アルキルまたは-OR5から選択され;
【0040】
【0041】
環A、G、M、m、n、R1~R2、R5、RkおよびRgは、一般式(I)と同一に定義される。
【0042】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、一般式(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である:
【0043】
【0044】
式中:
環Bは、フェニル、3~8員シクロアルキル、4~8員ヘテロシクリルまたは5~6員ヘテロアリールから選択され;
RcおよびRdは、それらと結合している原子と共に、3~8員シクロアルキルを形成しており;
Rmは、アミノ、-CH2NH2または-NHC(=NH)NH2から選択され;
Rnは、水素原子、メチルまたは-CH2OHから選択され;
【0045】
【0046】
環A、G、M、m、n、R1~R2およびRgは、一般式(I)と同一に定義される。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩は、一般式(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩である:
【0048】
【0049】
式中:
L1は、存在しないか、または-(C=O)-および-(CRwRv)u-から選択され、ここで、-(CRwRv)-のうちいずれか1つは、-N(Rz)-、-O-、-S-、-SO-および-SO2-に、任意でさらに置き換わっており;
RwおよびRvそれぞれは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシから選択され;
Rzそれぞれは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子またはアルキルから選択され;
環Eは、Nを含有する4~11員の単環式ヘテロシクリル、Nを含有する4~11員の縮合ヘテロシクリルまたはNを含有する4~11員の架橋ヘテロシクリルから選択され、ここで、前記単環式ヘテロシクリル、縮合ヘテロシクリルまたは架橋ヘテロシクリルは、ハロゲン、アルキル、-OR5または=Oから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
環Kは、存在しないか、またはシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R8、-C(O)OR8、-OC(O)R8、-SO2R8、-NR9R10、-C(O)NR9R10、-SO2NR9R10または-NR9C(O)R10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
ここで、-L1-環Kと、-(CH2)W-NH2とは、環Eの同一の炭素原子に結合しており;
wは、0、1または2であり;
uは、0、1、2または3であり;
環A、Z、Q、T、m、R1~R2、R5およびR8~R10は、一般式(AI)と同一に定義される。
【0050】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、R1は、水素原子、F、Cl、Br、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シクロプロピルオキシ、エチニル、エテニル、-NHCH3または-N(CH3)2から選択される。
【0051】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、R2は、-C(O)NH2または-C(O)OHから選択される。
【0052】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、R5は、水素原子またはアルキルから選択される。
【0053】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、環Aは、フェニル、ピリジニルまたはピリミジニルから選択される。
【0054】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(III)、(IV)もしくは(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、環Bは、以下から選択される。
【0055】
【0056】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(III)、(IV)もしくは(V)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、Rgは、同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素原子、F、Cl、Br、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、メチル、エチル、エチニル、エテニル、-NHCH3または-N(CH3)2から選択され;
代替的に、2つのRgは、それらと結合している同一の炭素原子と共に、C=Oを形成している。
【0057】
本発明の好ましい一実施形態において、一般式(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩において、環Eは、以下から選択される。
【0058】
【0059】
本発明の好ましい実施形態において、一般(AI)で表される化合物は、以下から選択される。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
さらに、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法を提供する:当該方法は、
【0070】
【0071】
一般式(Ia)で表される化合物およびNHR3R4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、一般式(Ib)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Ib)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、さらに、得られた化合物の保護基を任意で除去し、一般式(I)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
Yは、化学結合から選択され;
X1は、脱離基から選択され、ここで、前記脱離基は、ハロゲンまたは-SO2Rtから選択され;
X2は、ハロゲンから選択され;
Rtは、アルキルから選択され;
環A、mおよびR1~R4は、一般式(I)と同一に定義される。
【0072】
さらに、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法を提供する:当該方法は、
【0073】
【0074】
一般式(Ia)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、一般式(Id)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Id)で表される化合物およびNHR3R4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、得られた化合物の保護基を除去し、一般式(I)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
Yは、化学結合から選択され;
X1は、脱離基から選択され、ここで、前記脱離基は、ハロゲンまたは-SO2Rtから選択され;
X2は、ハロゲンから選択され;
Rtは、アルキルから選択され;
環A、mおよびR1~R4は、一般式(I)と同一に定義される。
【0075】
さらに、本発明は、一般式(I)で表される化合物を製造するための中間体である、一般式(Ia)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体を提供する:
【0076】
【0077】
式中:
X1は、脱離基から選択され、ここで、前記脱離基は、ハロゲンまたはSO2Rtから選択され;
X2は、ハロゲンから選択され;
Rtは、アルキルから選択され;
R2は、シアノ、テトラゾリル、-C(O)R5、-C(O)OR5または-C(O)NR6R7から選択され;
R5、R6およびR7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R8、-C(O)OR8、-OC(O)R8、-SO2R8、-NR9R10、-C(O)NR9R10、-SO2NR9R10または-NR9C(O)R10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
代替的に、R6およびR7は、それらと結合しているN原子と共に、3~8員ヘテロシクリルを形成しており、ここで、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、SまたはSO2原子を内部に含み、前記3~8員ヘテロシクリルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルまたはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されており;
R8、R9およびR10はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルまたはカルボキシレートから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されている。
【0078】
さらに、本発明は、一般式(Ia)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体の製造方法を提供する:当該方法は、
【0079】
【0080】
一般式(Ie)で表される化合物のアミノを保護し、一般式(If)で表される化合物を得る工程;一般式(If)で表される化合物を、パラジウム触媒の作用下でカップリング反応させ、一般式(Ig)で表される化合物を得る工程;一般式(Ig)で表される化合物から保護基PGを除去し、一般式(Ih)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Ih)で表される化合物をハロゲン化反応させ、一般式(Ia)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
PGは、保護基であり、好ましくは以下であり;
【0081】
【0082】
X3は、ハロゲンから選択され;
X1、X2およびR2は、一般式(Ia)と同一に定義される。
【0083】
さらに、本発明は、薬学的組成物を提供する。当該薬学的組成物は、有効用量の、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤またはそれらの組み合わせとを含む。
【0084】
本発明は、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的組成物の、SHP2アロステリック阻害剤の製造における使用を提供する。
【0085】
本発明はまた、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的組成物の、SHP2によって媒介される疾患を治療するための医薬品の製造における使用を提供する。ここで、SHP2によって媒介される前記疾患は、好ましくは癌、癌転移、心血管疾患、免疫障害、線維症または視覚障害であり;SHP2によって媒介される前記疾患は、好ましくはヌーナン症候群、レオパードスポット症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳癌、食道癌、肺癌、結腸癌、頭部癌、神経芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、未分化大細胞リンパ腫および膠芽細胞腫から選択される。
【0086】
本発明はさらに、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的組成物の、癌、癌転移、心血管疾患、免疫障害、線維症または視覚障害を治療するための医薬品の製造における使用を提供する。
【0087】
本発明は、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的組成物の、ヌーナン症候群、レオパードスポット症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳癌、食道癌、肺癌、結腸癌、頭部癌、神経芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、未分化大細胞リンパ腫および膠芽細胞腫を治療するための医薬品の製造における使用を提供する。
【0088】
本発明は、SHP2受容体を、一般式(AI)、(AII)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的組成物と接触させる工程を含む、インビトロでSHP2受容体を阻害するための方法を提供する。
【0089】
本発明は、有効用量の、一般式(AI)、(AII)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)で表される化合物、またはその立体異性体もしくはその互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的組成物を、治療を必要とする患者に投与する工程を含む、SHP2によって媒介される疾患を治療するための方法を提供する。ここで、SHP2によって媒介される疾患は、好ましくは癌、癌転移、心血管疾患、免疫障害、線維症または視覚障害であり;SHP2によって媒介される疾患は、より好ましくはヌーナン症候群、レオパードスポット症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳癌、食道癌、肺癌、結腸癌、頭部癌、神経芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、未分化大細胞リンパ腫および膠芽細胞腫から選択される。
【0090】
〔発明の詳細な説明〕
逆のことが述べられない限り、本発明の明細書および特許請求の範囲において使用されるいくつかの用語は、以下のように定義される。
【0091】
「アルキル」は、基または基の一部とみなされるとき、C1~C20直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を含むことを意味する。アルキルは、好ましくはC1~C10アルキルであり、より好ましくはC1~C6アルキルである。アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどを含むが、これらに限定されない。アルキルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0092】
「アルケニル」は、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合からなる上記で定義したアルキルを指す。アルケニルの代表的な例は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-、2-または3-ブテニルなどを含むが、これらに限定されない。アルケニルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0093】
「アルキニル」は、1つの炭素-炭素三重結合を有する脂肪族炭化水素基を指す。アルキニルは、直鎖または分岐鎖であってもよい。好ましくはC2~C10アルキニルであり、より好ましくはC2~C6アルキニルであり、最も好ましくはC2~C4アルキニルである。アルキニル基の例は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-、2-または3-ブチニルなどを含むが、これらに限定されない。アルキニルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0094】
「シクロアルキル」は、飽和または部分飽和の単環式、縮合、架橋およびスピロ環式炭素環を指す。好ましくはC3~C12シクロアルキルであり、より好ましくはC3~C8シクロアルキルであり、最も好ましくはC3~C6シクロアルキルである。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプトリエニル、シクロオクチルなどを含むが、これらに限定されず、シクロプロピルおよびシクロヘキセニルが好ましい。シクロアルキルは、任意に、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0095】
「スピロシクロアルキル」は、2つ以上の環状構造を有する5~18員の多環式基を指し、単環は互いに1つの炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有する。環は、1つ以上の二重結合を含むが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有しない。好ましくは6~14員であり、より好ましくは7~10員である。環の間で共有されるスピロ原子の数に応じて、スピロシクロアルキルは、モノスピロ、ジスピロまたはマルチスピロシクロアルキル、好ましくはモノスピロおよびジスピロシクロアルキルに分類してもよく、好ましくは4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員である。「スピロシクロアルキル」の非限定的な例は、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[3.5]ノニル、およびスピロ[2.4]ヘプチルを含むが、これらに限定されない。
【0096】
「縮合シクロアルキル」は、一対の炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を有する5~18員の全炭素多環式基を指し、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。縮合シクロアルキルは、好ましくは6~12員、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、縮合シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式または多環式の縮合シクロアルキル、好ましくは二環式または三環式に分類してもよく、より好ましくは5員/5員または5員/6員のビシクロアルキルである。「縮合シクロアルキル」の非限定的な例は、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル-1-アルケニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、デカリニルまたはテトラデカヒドロフェナントリルを含むが、これらに限定されない。
【0097】
「架橋シクロアルキル」は、互いに直接結合していない2つの炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を有する5~18員の全炭素多環式基を指し、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。架橋シクロアルキルは、好ましくは6~12員、より好ましくは7~10員である。架橋シクロアルキルは、好ましくは6~14員であり、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、架橋シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式または多環式の架橋シクロアルキル、好ましくは二環式、三環式または四環式、より好ましくは二環式または三環式に分類してもよい。「架橋シクロアルキル」の非限定的な例は、(1s,4s)-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、(1s,5s)-ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、および(1r,5r)-ビシクロ[3.3.2]デシルを含むが、これらに限定されない。
【0098】
「ヘテロシクリル」、「複素環(ヘテロサイクル、heterocycle)」または「複素環(ヘテロシクリック、heterocyclic)」は、本出願において相互交換可能に使用される。すべてが、1つ以上の環形成原子が酸素、窒素、硫黄原子などのヘテロ原子である非芳香族ヘテロシクリルを指し、単環式環、多環式環、縮合環、架橋環およびスピロを含む。好ましくは5~7員の単環式環または7~10員の二環式もしくは三環式環を有し、窒素、酸素および/または硫黄から選択される1、2または3つの原子を含んでいてもよい。「ヘテロシクリル」の例は、モルホリニル、オキセタニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、ピペリジニル、2-オキソ-ピペリジニル、ピロリジニル、2-オキソ-ピロリジニル、ピペラジン-2-オン、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、ピペラジニル、
【0099】
【0100】
を含むが、これらに限定されない。
【0101】
ヘテロシクリルは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0102】
「スピロヘテロシクリル」は、2つ以上の環状構造を有する5~18員の多環式基を指し、単環は互いに1つの原子を共有する。環は、1つ以上の二重結合を含むが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。ここで、1つ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。スピロヘテロシクリルは、好ましくは6~14員であり、より好ましくは7~10員環である。環の間で共有されるスピロ原子の数に応じて、スピロシクロアルキルは、モノスピロヘテロシクリル、ビスピロヘテロシクリルまたはマルチスピロヘテロシクリル、好ましくはモノスピロヘテロシクリルおよびビスピロヘテロシクリルに分類してもよい。好ましくは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員のモノスピロヘテロシクリルである。「スピロヘテロシクリル」の非限定的な例は、1,7-ジオキサスピロ[4.5]デシル、2-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノニル、7-オキサスピロ[3.5]ノニル、5-オキサスピロ[2.4]ヘプチル、
【0103】
【0104】
を含むが、これらに限定されない。
【0105】
「縮合ヘテロシクリル」は、一対の原子を共有する2つ以上の環状構造を有する多環式基を指し、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。ここで、1つ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。好ましくは6~14員、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、縮合ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式の縮合ヘテロシクリル、好ましくは二環式または三環式に分類してもよく、より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式縮合ヘテロシクリルである。「縮合ヘテロシクリル」の非限定的な例は、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル、オクタヒドロ-1H-イソインドリル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、オクタヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン(ジオキシン)および、
【0106】
【0107】
を含むが、これらに限定されない。
【0108】
「架橋ヘテロシクリル」は、互いに直接結合していない2つの原子を共有する2つ以上の環状構造を有する5~14員または5~18員の多環式基を指す。1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、いずれの環も完全に共役したπ電子芳香族系は有さない。ここで、1つ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。架橋ヘテロシクリルは、好ましくは6~14員、より好ましくは7~10員である。構成する環の数に応じて、架橋ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式の架橋ヘテロシクリル、好ましくは二環式、三環式または四環式、より好ましくは二環式または三環式に分類してもよい。「架橋ヘテロシクリル」の非限定的な例は、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2-アザビシクロ[2.2.2]オクチル、2-アザビシクロ[3.3.2]デシル、
【0109】
【0110】
を含むが、これらに限定されない。
【0111】
「アリール」は、1つまたは2つの環を含む炭素環式芳香族系を指し、ここで、環は縮合様式で共に結合していてもよい。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、およびテトラヒドロナフチルの芳香族基などの単環式または二環式アリールを含む。アリールは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0112】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および/または硫黄から選択される1~4つの原子を含んでいてもよい、5~6員の単環式環または8~10員の二環式環を指す。「ヘテロアリール」の例は、フラニル、ピリジニル、2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、1,3-ジオキソ-イソインドリル、キノリニル、インダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、およびベンゾイソオキサゾリル、
【0113】
【0114】
を含むが、これらに限定されない。ヘテロアリールは、置換されていてもよく、または、置換されていなくてもよい。
【0115】
「縮合環」は、互いに一対の原子を共有する2つ以上の環状構造を有する多環式基を指す。1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むことがあるが、少なくとも1つの環は完全に共役したπ電子芳香族系を有さず、一方、少なくとも1つの環は、完全に共役したπ電子芳香族系を有する。ここで、0、1またはそれ以上の環原子は、窒素、酸素またはS(O)n(nは0、1または2から選択される)のヘテロ原子から選択され、残りの環原子は炭素である。縮合環は、好ましくは二環式または三環式の縮合環であり、ここで、二環式縮合環は好ましくは、アリールまたはヘテロアリールと、単環式ヘテロシクリルまたは単環式シクロアルキルとの縮合環である。好ましくは7~14員、より好ましくは8~10員である。「縮合環」の例は、
【0116】
【0117】
を含むが、これらに限定されない。
【0118】
「アルコキシ」は、(アルキル-O-)の基を指す。ここで、アルキルは、本明細書中で定義される。C1~C6アルコキシが好ましい。このようなアルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0119】
「ヒドロキシ」は、-OH基を指す。
【0120】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0121】
「アミノ」は、-NH2を指す。
【0122】
「シアノ」は、-CNを指す。
【0123】
「ニトロ」は、-NO2を指す。
【0124】
「ベンジル」および「Bn」は、-CH2-フェニルを指す。
【0125】
「カルボキシル」は、-C(O)OHを指す。
【0126】
「カルボキシレート」は、-C(O)O-アルキルまたは-C(O)O-シクロアルキルを指す。ここで、アルキルおよびシクロアルキルの定義は、上記の通りである。
【0127】
「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを指す。
【0128】
「BOC」は、tert-ブトキシカルボニルを指す。
【0129】
「TFA」は、トリフルオロ酢酸を指す。
【0130】
「Ts」は、p-トルエンスルホニルを指す。
【0131】
「ヒドロキシC1~C4アルキル」は、ヒドロキシによって置換されたC1~C4アルキルを指す。
【0132】
「アミノC1~C4アルキル」は、アミノによって置換されたC1~C4アルキルを指す。
【0133】
「脱離基」は、化学反応において、より大きな分子から分離した原子または官能基であり、求核置換反応および脱離反応において使用される用語である。求核置換反応において、求核試薬によって攻撃される反応物は基質と呼ばれる一方、基質分子中で電子対を有し分離する原子または原子群は脱離基と呼ばれる。電子を容易に受容し、負電荷を保持する能力が強力な基は、良好な脱離基である。脱離基の共役酸のpKaが小さいほど、脱離基が他の分子から分離しやすくなる。その理由は、脱離基の共役酸のpKaが小さいほど、対応する脱離基が他の原子と結合する必要がなく、アニオンの形態(または電気的に中性な脱離基)で存在する傾向が高まるからである。一般的な脱離基は、ハロゲン、メシル、-OTsまたは-OHを含むが、これらに限定されない。
【0134】
「置換されている」は、基中の1つ以上の水素原子、好ましくは多くとも5つ、より好ましくは1~3つの水素原子が、対応する数の置換基によって、独立して、置き換わっていることを意味する。当然ながら、置換基は、それらの可能な化学的な位置にのみ存在し、当業者は、多くの努力をすることなく、(実験または理論を通して)可能な置換または不可能な置換を判断することができる。例えば、遊離水素を有するアミノまたはヒドロキシは、不飽和(例えば、オレフィン)結合を有する炭素原子と組み合わされるとき、不安定であることがある。
【0135】
本明細書において使用される場合、「置換する」または「置換されている」は、特に明記しない限り、基が、以下から選択される1つ以上の基によって置換されていることがあることを意味する:アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、メルカプト、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリック、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリックアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオ、アミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシル、カルボキシレート、=O、-OR5、-C(O)R5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-SO2R5、-NR6R7、-SO2NR6R7、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2R5または-C(O)NR6R7;
R5、R6およびR7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R8、-C(O)OR8、-OC(O)R8、-SO2R8、-NR9R10、-C(O)NR9R10、-SO2NR9R10または-NR9C(O)R10から選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されている;
代替的に、R6およびR7は、それらと結合しているN原子と共に、3~8員ヘテロシクリルを形成しており、前記3~8員ヘテロシクリルは、1つ以上のN、O、SまたはSO2原子を内部に含み、前記3~8員ヘテロシクリルは、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルまたはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によって、さらに置換されている;
R8、R9およびR10はそれぞれ独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルまたはカルボキシレートから選択される1つ以上の置換基によって、任意でさらに置換されている。
【0136】
「薬学的に許容可能な塩」は、元の生物学的活性を維持することができ、医学的使用に適している、上記の化合物のいくつかの塩を指す。一般式(I)で表される化合物の薬学的に許容可能な塩は、金属塩、適切な酸によって形成されたアミン塩であってもよい。
【0137】
「薬学的組成物」は、本明細書中に記載される1つ以上の化合物またはその生理学的に許容可能な塩もしくはプロドラッグ、および他の化学成分、ならびに生理学的に許容可能な担体および賦形剤などの他の成分を含む混合物を表す。薬学的組成物の目的は、生物への投与を促進し、活性成分の吸収を促進して、生物学的活性を発揮することである。
【0138】
〔本発明の化合物の合成方法〕
本発明の目的を達成するために、以下の技術的解決策が、本発明によって採用される。
【0139】
本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法を提供する:当該方法は、
【0140】
【0141】
一般式(Ia)で表される化合物およびNHR3R4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、一般式(Ib)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Ib)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、さらに、得られた化合物の保護基を任意で除去し、一般式(I)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
Yは、化学結合から選択され;
X1は、脱離基から選択され、ここで、脱離基は、ハロゲンまたは-SO2Rtから選択され;
X2は、ハロゲンから選択され;
Rtは、アルキルから選択され;
環A、mおよびR1~R4は、一般式(I)と同一に定義される。
【0142】
本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法を提供する:当該方法は、
【0143】
【0144】
一般式(Ia)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、一般式(Id)で表される化合物を得る工程;ならびに、一般式(Id)で表される化合物およびNHR3R4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、さらに得られた化合物から保護基を除去し、一般式(I)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
Yは、化学結合から選択され;
X1は、脱離基から選択され、ここで、脱離基は、ハロゲンまたは-SO2Rtから選択され;
X2は、ハロゲンから選択され;
Rtは、アルキルから選択され;
環A、mおよびR1~R4は、一般式(I)と同一に定義される。
【0145】
本発明は、一般式(II)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法を提供する:当該方法は、
【0146】
【0147】
一般式(IIa)で表される化合物およびNHR3R4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、一般式(IIb)で表される化合物を得る工程;一般式(IIb)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、さらに、得られた化合物から保護基を任意で除去し、一般式(IIc)で表される化合物を得る工程;ならびに、水酸化ナトリウム溶液の条件下で、一般式(IIc)で表される化合物を加水分解し、一般式(II)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
X1は、脱離基から選択され、ここで、脱離基は、ハロゲンまたは-SO2Rtから選択され;
X2は、ハロゲンから選択され;
Rtは、アルキルから選択され;
環A、m、R1、R3およびR4は、一般式(II)と同一に定義される。
【0148】
本発明は、一般式(II)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法を提供する:当該方法は、
【0149】
【0150】
一般式(IIa)で表される化合物および一般式(Ic)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下およびアルカリ性条件下でスズキ反応させ、一般式(IId)で表される化合物を得る工程;一般式(IId)で表される化合物およびNHR3R4を、アルカリ性条件下で求核置換反応させ、一般式(IIc)で表される化合物を得る工程;ならびに、水酸化ナトリウム溶液の条件下で、一般式(IIc)で表される化合物を加水分解し、一般式(II)で表される化合物を得る工程;を含み、
式中:
X1は、脱離基から選択され、ここで、脱離基は、ハロゲンまたは-SO2Rtから選択され;
X2は、ハロゲンから選択され;
Rtは、アルキルから選択され;
環A、m、R1、R3およびR4は、一般式(II)と同一に定義される。
【0151】
〔実施形態〕
以下の実施例は本発明をさらに説明するために使用されるが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0152】
〔実施例〕
実施例は、式(I)で表される典型的な化合物の調製および関連する構造の同定データを示す。以下の実施例は、本発明を例示するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことに留意されたい。1H NMRスペクトルはBruker社の装置(400MHz)で測定し、化学シフトはppmで表した。テトラメチルシラン内部標準(0.00ppm)を使用した。1H NMRを次のように表した:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、m=マルチプレット、br=ブロード、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット。結合定数が示される場合は定数の単位はHzである。
【0153】
質量スペクトルはLC/MSで測定した。イオン化法はESIでもAPCIでもよい。
【0154】
薄層クロマトグラフィーのシリカゲルプレートとして、Yantai Huanghai HSGF254またはQingdao GF254シリカゲルプレートを使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)に用いたシリカゲルプレートの寸法は0.15mm~0.2mmであり、TLCで分離および精製した生成物の寸法は0.4mm~0.5mmであった。
【0155】
全般に、200~300メッシュのYantai Huanghaiシリカゲルをカラムクロマトグラフィー用の担体として使用した。
【0156】
以下の実施例において、特に明記しない限り、全ての温度は摂氏温度である。特に明記しない限り、種々の出発物質および試薬は市販されているかまたは公知の方法に従って合成し、市販の物質および試薬はさらなる精製を行わずに直接使用する。特に明記しない限り、市販品の製造業者として、Aldrich Chemical Company、ABCR GmbH & Co.KG、Acros Organics、Guangzan Chemical Science and Technology Ltd.、Jingyan Chemical Science and Technology Ltd.等を含むが、これらに限定されない。
【0157】
CD3OD:メタノール-d4。
【0158】
CDCl3:クロロホルム-d。
【0159】
DMSO-d6:ジメチルスルホキシド-d6。
【0160】
アルゴン雰囲気とは、反応フラスコが約1Lの体積のアルゴンバルーンに接続されていることを指す。
【0161】
本実施例において特に明記しない限り、反応における溶液は水溶液を指す。
【0162】
化合物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶離系および薄層クロマトグラフィーによって精製される。溶離系は、A:石油エーテルおよび酢酸エチル系;B:ジクロロメタンおよびメタノール系;ならびにC:ジクロロメタンおよび酢酸エチル系から選択される。溶媒の体積比は化合物の極性によって変化し、酢酸またはトリエチルアミン等の酸性または塩基性の試薬を少量添加して調整してもよい。
【0163】
〔実施例1〕
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
【0164】
【0165】
(ステップ1)
6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
テトラブチルアンモニウムシアニド 1a(2.81g、10.48mmol)、4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン 1b(1.8g、9.52mmol)およびトリエチレンジアミン(213.65mg、1.90mmol)をジクロロメタン(30mL)に順に加え、室温で2時間連続撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)でさらに分析および精製し、少量のトリエチルアミンを系に加え、6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1c(741mg)を収率43.33%で得た。
【0166】
MS m/z(ESI):179.9[M+1]
(ステップ2)
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1c(200mg、1.11mmol)およびN-ブロモスクシンイミド(218.06mg、1.23mmol)をアセトニトリル(4mL)に順に加え、90℃に加熱し、4時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)でさらに分析および精製し、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(280mg)を収率97.26%で得た。
【0167】
MS m/z(ESI):257.7[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチルN-[1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチル-4-ピペリジニル]カルバメート
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(200mg、773.81μmol)、tert-ブチルN-(4-メチル-4-ピペリジニル)カルバメート 1e(248.74mg、1.16mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(600.04mg、4.64mmol、810.87uL)をN-メチルピロリドン(3mL)に順に加え、110℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応溶液に酢酸エチル30mLおよび水15mLを加えて分液および抽出し、水層を分離した後、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で順に洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)で分離および精製し、tert-ブチルN-[1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチル-4-ピペリジニル]カルバメート 1f(230mg)を収率68.12%で得た。
【0168】
MS m/z(ESI):436.1[M+1]
(ステップ4)
tert-ブチルN-[1-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチル-4-ピペリジニル]カルバメート
アルゴンガスの保護下で、tert-ブチルN-[1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチル-4-ピペリジニル]カルバメート 1f(230mg、527.15μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(150.89mg、790.73μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(88.25mg、105.43μmol)、リン酸カリウム(335.27mg、1.58mmol)および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(98.26mg、210.86μmol)を混合溶液(1,4-ジオキサン:水=5:1)6mLに順に加え、120℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応溶液に水15mLおよび酢酸エチル30mLを加えて分液および抽出した後、有機相を飽和食塩水10mLで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチルN-[1-[4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル]-4-メチル-4-ピペリジニル]カルバメート 1h(143mg)を収率53.99%で得た。
【0169】
MS m/z(ESI):502.0[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチルN-[1-[4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル]-4-メチル-4-ピペリジニル]カルバメート 1h(140mg、278.67μmol)およびトリフルオロ酢酸(1.53g、13.42mmol、1mL)をジクロロメタン(3mL)に順に加え、室温で6時間反応させた。反応完了後、反応溶液に飽和炭酸ナトリウム溶液をゆっくりと滴下してpHを8に調整した後、減圧下で濃縮した。残渣に酢酸エチル30mLおよび水15mLを加え、分液および抽出した後、有機相を飽和食塩水10mLで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、目的生成物6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1(70mg)を収率47.92%で得た。
【0170】
MS m/z(ESI):401.9[M+1]
〔実施例2〕
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0171】
【0172】
(ステップ1)
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1(65mg、125.90μmol)および6M水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)をエタノール2mLに順に加え、80℃に加熱し、3時間反応させた。反応完了後、反応溶液にトリフルオロ酢酸をゆっくりと滴下してpHを5に調整した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)し、目的生成物6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 2(10mg)を収率13.80%で得た。
【0173】
MS m/z(ESI):421.9[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.56(dd,J=7.6,2.0Hz,1H),7.38-7.31(m,2H),4.64-4.60(m,2H),3.59-3.52(m,2H),1.89-1.82(m,4H),1.51(s,3H)。
【0174】
〔実施例3および実施例4〕
6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 3
6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 4
【0175】
【0176】
(ステップ1)
(R)-N-((3S,4S)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(300mg、1.16mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(750mg、5.8mmol、1.0mL)および(R)-2-メチル-N-((3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)プロパン-2-スルフィンアミド2,2,2-トリフルオロ酢酸 3a(478mg、1.74mmol)をN-メチルピロリドン(5mL)に順に加え、110℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応溶液に酢酸エチル30mLおよび水15mLを加えて分液および抽出し、水層を分離した後、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で順に洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって分離および精製し、生成物(R)-N-((3S,4S)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 3b(230mg)を収率40%で得た。
【0177】
MS m/z(ESI):495.9[M+1]
(ステップ2)
(R)-N-((3S,4S)-8-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
アルゴンガスの保護下で、(R)-N-((3S,4S)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 3b(230mg、463μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(142mg、745μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(77mg、93μmol)、リン酸カリウム(295mg、1.39mmol)および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(87mg、186μmol)を、1,4-ジオキサンと水との混合溶液(V1,4-ジオキサン:V水=5:1)6mLに順に加え、100℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応溶液に水15mLおよび酢酸エチル30mLを加えて分液および抽出した後、有機相を飽和食塩水10mLで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、生成物(R)-N-((3S,4S)-8-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 3c(74mg)を収率28%で得た。
【0178】
MS m/z(ESI):561.9[M+1]
(ステップ3)
6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
(R)-N-((3S,4S)-8-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 3c(74mg、132μmol)およびブロモスクシンイミド(26mg、145μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド1mLに順に加え、室温で2時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、生成物6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 3(20mg)を収率33%で得た。
【0179】
MS m/z(ESI):457.9[M+1]
(ステップ4)
6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 3(20mg、43.6μmol)および6M水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)をエタノール2mLに順に加え、80℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液にトリフルオロ酢酸をゆっくりと滴下してpHを5に調整した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)し、目的生成物6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 4(4.5mg)を収率22%で得た。
【0180】
MS m/z(ESI):475.9[M+1]
〔実施例5〕
(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0181】
【0182】
(ステップ1)
4,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(14.69g、174.60mmol)、4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン 1b(11g、58.20mmol)およびp-トルエンスルホン酸(1.00g、5.82mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に加え、60℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、4,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン 5a(14.2g)を収率89.3%で得た。
【0183】
MS m/z(ESI):272.9[M+1]
(ステップ2)
6-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
アルゴンガスの保護下で、4,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン 5a(2g、7.32mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(845.79mg、732.28μmol)およびシアン化亜鉛(1.72g、14.65mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に加え、110℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(50mL)を加えて完全に溶解させ、不溶物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、6-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 5b(0.8g)を収率41.4%で得た。
【0184】
(ステップ3)
6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
室温で、6-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 5b(1g、3.79mmol)をトリフルオロ酢酸(10mL)および水(1mL)に加え、室温で4時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1c(321mg)を収率47.1%で得た。
【0185】
MS m/z(ESI):179.9[M+1]
(ステップ4)
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
ブロモスクシンイミド(475.77mg、2.67mmol)および6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1c(320mg、1.78mmol)をアセトニトリル(10mL)に加え、2時間加熱および還流した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(380mg)を収率82.5%で得た。
【0186】
MS m/z(ESI):259.8[M+1]
(ステップ5)
(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
室温で、(R)-N-((S)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド2,2,2,-トリフルオロ酢酸 5c(110.87mg、361.75μmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(127.51mg、986.60μmol、162.93μL)および3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(85mg、328.87μmol)をN-メチルピロリドン(5mL)に加え、100℃に加熱し、3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 5d(151mg)を収率86.9%で得た。
【0187】
MS m/z(ESI):527.8[M+1]
(ステップ6)
(R)-N-((S)-1’-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
アルゴンガスの保護下で、(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 5d(150mg、283.84μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(162.49mg、851.52μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(52.98mg、113.54μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(47.54mg、56.77μmol)およびリン酸カリウム(180.75mg、851.52μmol)を12mLの混合溶液(1,4-ジオキサン:水=5:1)に順に加え、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分液した後、水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、(R)-N-((S)-1’-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 5e(115mg)を収率68.14%で得た。
【0188】
MS m/z(ESI):593.8[M+1]
(ステップ7)
(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
(R)-N-((S)-1’-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 5e(115mg、193.42μmol)を塩酸ジオキサン溶液(5mL)に加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 5f(94mg)を収率92.2%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0189】
MS m/z(ESI):472.9[M-16]
(ステップ8)
(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
室温で、(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 5f(94mg、155.52μmol)を水酸化ナトリウム水溶液(5M、1mL)と30%過酸化水素(1mL)とメタノール(1mL)との混合溶液に加え、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 5(21mg)を収率20.4%で得た。
【0190】
MS m/z(ESI):508.1[M+1]
1HNMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.24(s,3H),8.12(s,1H),7.65-7.70(m,2H),7.50-7.55(m,1H),7.30-7.42(m,5H),4.52-5.00(m,2H),4.39(s,1H),3.18-3.35(m,3H),3.00-3.10(m,1H),1.65-1.82(m,2H),1.47-1.60(m,2H)。
【0191】
〔実施例6〕
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0192】
【0193】
(ステップ1)
tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート
室温で、tert-ブチル(4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 6a(117.62mg、425.59μmol)、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(100mg、386.90μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(150.01mg、1.16mmol、191.68μL)をN-メチルピロリドン(5mL)に加え、110℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.1%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 6b(153mg)を収率79.35%で得た。
【0194】
MS m/z(ESI):497.8[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート
アルゴンガスの保護下で、tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 6b(153mg、307.00μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(175.74mg、920.99μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(57.30mg、122.80μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(51.41mg、61.40μmol)およびリン酸カリウム(195.50mg、920.99μmol)を11mLの混合溶液(1,4-ジオキサン:水=10:1)に順に加え、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 6c(128mg)を収率73.86%で得た。
【0195】
MS m/z(ESI):563.8[M+1]
(ステップ3)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 6c(120mg、212.59μmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)に加え、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 6d(89.94mg)を収率91.3%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0196】
MS m/z(ESI):447.1[M-16]
(ステップ4)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 6d(89.94mg、193.68μmol)を、メタノール(1.00mL)と水酸化ナトリウム水溶液(5M、1.00mL)と30%過酸化水素(0.5mL)との混合溶液に加え、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 6(18mg)を収率14.65%で得た。
【0197】
MS m/z(ESI):481.9[M+1]
1HNMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.25-8.50(m,3H),8.05-8.23(m,1H),7.60-7.80(m,4H),7.50-7.60(m,2H),7.38-7.50(m,3H),4.15-4.60(m,4H),1.93-2.18(m,2H),1.20-1.50(m,2H)。
【0198】
〔実施例7〕
6-((エンド)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0199】
【0200】
(ステップ1)
tert-ブチル((エンド)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
室温で、tert-ブチル((エンド)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 7a(144mg、636μmol)、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(150mg、580μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(225mg、1.74mmol)をN-メチルピロリドン(5mL)に加え、110℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相カラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、tert-ブチル((エンド)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 7b(150mg)を収率57.7%で得た。
【0201】
MS m/z(ESI):448.0[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル((エンド)-8-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
アルゴンガスの保護下で、tert-ブチル((エンド)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 7b(150mg、335μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(255mg、1.34mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(62.5mg、134μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(56mg、67μmol)およびリン酸カリウム(213mg、1.00mmol)を混合溶液(1,4-ジオキサン:水=5:1)12mLに加え、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチル((エンド)-8-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 7c(45mg)を収率26.1%で得た。
【0202】
MS m/z(ESI):513.8[M+1]
(ステップ3)
6-((エンド)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル((エンド)-8-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 7c(45mg、87.75μmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)に加え、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物6-((エンド)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 7d(35.9mg)を収率99%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0203】
MS m/z(ESI):413.6[M+1]
(ステップ4)
6-((エンド)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-((エンド)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 7d(35.9mg、86.6μmol)を、メタノール(1.00mL)と水酸化ナトリウム水溶液(5M、1.00mL)と30%過酸化水素(0.5mL)との混合溶液に加え、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-((エンド)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 7(18mg)を収率48%で得た。
【0204】
MS m/z(ESI):431.9[M+1]
〔実施例8〕
6-((エキソ)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0205】
【0206】
(ステップ1)
tert-ブチル((エキソ)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
室温で、tert-ブチル((エキソ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 8a(144mg、636μmol)、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(150mg、580μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(225mg、1.74mmol)をN-メチルピロリドン(5mL)に加え、110℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相カラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)に分離し、tert-ブチル((エキソ)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 8b(90mg)を収率34.6%で得た。
【0207】
MS m/z(ESI):448.0[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル((エキソ)-8-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
アルゴンガスの保護下で、tert-ブチル((エキソ)-8-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 8b(90mg、200μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(153mg、0.8mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(37mg、80μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(33mg、40μmol)およびリン酸カリウム(127mg、0.6mmol)を混合溶液(1,4-ジオキサン:水=5:1)12mLに順に加え、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチル((エキソ)-8-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 8c(25mg)を収率24.3%で得た。
【0208】
MS m/z(ESI):513.8[M+1]
(ステップ3)
6-((エキソ)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル((エキソ)-8-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート 8c(25mg、49μmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)に加え、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物6-((エキソ)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 8d(20mg)を収率98%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0209】
MS m/z(ESI):413.6[M+1]
(ステップ4)
6-((エキソ)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-((エキソ)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 8d(20mg、48μmol)を、メタノール(1.00mL)と水酸化ナトリウム水溶液(5M、1.00mL)と30%過酸化水素(0.5mL)との混合溶液に加え、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-((エキソ)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 8(9mg)を収率43.5%で得た。
【0210】
MS m/z(ESI):431.9[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.02-8.14(m,1H),7.87(br,3H),7.55-7.73(m,2H),7.30-7.47(m,2H),4.90-5.16(br,1H),4.49-4.76(br,1H),3.16-3.27(m,1H),2.29-2.48(m,2H),2.06-2.23(m,2H),1.83-2.01(m,2H),1.56-1.80(m,2H)。
【0211】
〔実施例9〕
(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
【0212】
【0213】
(ステップ1)
(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 5f(63mg、128.47μmol)を塩酸水溶液5mLに加え、3時間加熱および還流した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸 9(21mg)を収率25.43%で得た。
【0214】
MS m/z(ESI):509.1[M+1]
1HNMR(400MHz,DMSO-d6) δ13.64(s,1H),8.24(s,3H),7.63-7.75(m,1H),7.49-7.54(m,1H),7.40-7.48(m,2H),7.28-7.40(m,3H),4.47-4.88(m,2H),4.39(s,1H),3.18-3.40(m,3H),3.00-3.10(m,1H),1.61-1.82(m,2H),1.44-1.60(m,2H)。
【0215】
〔実施例10〕
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
【0216】
【0217】
(ステップ1)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 6d(50mg、107.68μmol)を濃塩酸3mLに加え、1時間加熱および還流した。反応完了後、反応溶液に炭酸カリウム溶液を加えてpHを9~10に調整し、減圧下で濃縮した後、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸 10(21mg)を収率32.65%で得た。
【0218】
MS m/z(ESI):465.8[M-16]
1HNMR(400MHz,DMSO-d6) δ13.70(s,1H),8.25-8.45(m,3H),7.68-7.76(m,3H),7.50-7.60(m,2H),7.40-7.50(m,3H),4.15-4.50(m,2H),3.43-3.60(m,2H),2.54-2.64(m,2H),2.00-2.15(m,2H)。
【0219】
〔実施例11〕
6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0220】
【0221】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
0℃で、水素化ナトリウム(2.40g、59.92mmol)、2-(2,6-ジフルオロフェニル)アセトニトリル 11a(1.53g、9.99mmol)およびtert-ブチルN,N-ビス(2-クロロエチル)カルバメート(2.66g、10.99mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド15mLに加え、氷浴中で1時間撹拌し、60℃に加熱した後、16時間撹拌した。反応完了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えて反応溶液をクエンチし、酢酸エチル(30mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチル4-シアノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 11b(0.67g)を収率20.81%で得た。
【0222】
MS m/z(ESI):222.8[M-99]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(233.25mg、4.16mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 11b(0.67g、2.08mmol)をジメチルスルホキシド(5mL)の溶液に加え、氷浴中で過酸化水素(2mL、30%)を反応溶液にゆっくりと加えた。滴下完了後、反応溶液を室温まで加熱し、30分間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水(100mL)を加えて白色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、真空中で乾燥し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 11c(0.64g)を収率90.47%で得た。
【0223】
MS m/z(ESI):285.1[M-55]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(985.51mg、2.29mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 11c(0.64g、1.88mmol)を含む20mLの混合溶液(アセトニトリル:水=1:1)に加え、室温で16時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 11d(251mg)を収率30.83%で得た。
【0224】
MS m/z(ESI):239.9[M-72]
(ステップ4)
4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 11d(270mg、691.61μmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)に加え、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-4-アミン 11e(138.85mg)を収率94.7%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0225】
MS m/z(ESI):160.1[M-52]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
室温で、4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-4-アミン 11e(138.85mg、425.59μmol)、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(100mg、386.90μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(150mg、1.16mmol)をN-メチルピロリドン(5mL)に加え、110℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 11f(181mg)を収率85.33%で得た。
【0226】
MS m/z(ESI):417.0[M-15]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
アルゴンガスの保護下で、6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 11f(150mg、345.43μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ホウ酸 1g(263.66mgol,1.38mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(64.48mg、138.17μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(57.85mg、69.09μmol)およびリン酸カリウム(219.97mg、1.04mmol)を、11mLの混合溶液(1,4-ジオキサン:水=10:1)に順に加え、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 11g(130mg)を収率61.26%で得た。
【0227】
MS m/z(ESI):483.0[M-15]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 11g(50mg、81.39μmol)を、メタノール(1.00mL)と水酸化ナトリウム水溶液(5M、1.00mL)と30%過酸化水素(0.5mL)との混合溶液に加え、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 11(15mg)を収率35.7%で得た。
【0228】
MS m/z(ESI):517.8[M+1]
1HNMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.50-8.70(m,3H),8.16(s,1H),7.55-7.70(m,3H),7.37-7.42(m,2H),7.22-7.33(m,2H),4.00-4.60(m,2H),3.60-3.90(m,2H),2.62-2.81(m,2H),2.00-2.25(m,2H)。
【0229】
〔実施例12〕
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0230】
【0231】
(ステップ1)
tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(800mg、3.10mmol)、tert-ブチル(4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 12a(729.65mg、3.40mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.20g、9.29mmol、1.53mL)をN-メチルピロリドン(5mL)に加え、110℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 12b(810mg)を収率59.98%で得た。
【0232】
MS m/z(ESI):435.9[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル(1-(3-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]カルバメート
アルゴンガスの保護下で、tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 12b(100mg、181.71μmol)、2-クロロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン 12c(138.21mg、545.13μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(30.42mg、36.34μmol)、リン酸カリウム(55.43mg、261.15μmol)および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(33.92mg、72.68μmol)を、11mLの混合溶液(1,4-ジオキサン:水=10:1)に順に加え、16時間加熱および還流した。反応完了後、反応溶液に水10mLおよび酢酸エチル10mLを加えて分液および抽出した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水10mLで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチル(1-(3-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]カルバメート 12d(51mg)を収率58.11%で得た。
【0233】
MS m/z(ESI):482.9[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル(1-(3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]カルバメート
アルゴンガスの保護下で、tert-ブチル(1-(3-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]カルバメート 12d(51mg、105.60μmol)および臭化第一銅(30.30mg、211.20μmol)をアセトニトリル5mLに加え、氷水浴中で0~10℃に冷却した後、tert-ブチル亜硝酸塩(22.0mg、211.20μmol)を加え、2時間反応させた。反応完了後、反応溶液を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した後、有機相を合わせ、有機相を飽和食塩水10mLで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチル(1-(3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]カルバメート 12e(42mg)を収率72.73%で得た。
【0234】
MS m/z(ESI):545.8[M+1]
(ステップ4)
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル(1-(3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]カルバメート 12e(42mg、76.80μmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)に加え、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 12fを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0235】
MS m/z(ESI):446.0[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 12f(50mg、81.39μmol)を、メタノール(1.00mL)と水酸化ナトリウム水溶液(5M、1.00mL)と30%過酸化水素(0.5mL)との混合溶液に加え、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 12(2.1mg)を収率4.4%で得た。
【0236】
MS m/z(ESI):463.8[M+1]
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.11(s,1H),8.01(s,3H),7.79(d,J=8.0Hz,1H),7.65(s,1H),7.35-7.48(m,1H),7.23-7.35(m,1H),4.30-4.55(m,2H),3.48-3.55(m,2H),1.68-1.79(m,4H),1.41(s,3H)。
【0237】
〔実施例13~21〕
実施例6のステップ1~ステップ4の操作工程を参照して、異なる出発物質を使用して実施例13~21の化合物を得た。
【0238】
【0239】
〔実施例22〕
2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0240】
【0241】
(ステップ1)
2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン 22a(1g、5.32mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(614.32mg、531.88μmol)およびシアン化亜鉛(1.25g、10.64mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に加え、110℃に加熱し、アルゴンガス置換後4時間撹拌した。反応完了後、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 22b(850mg)を収率89.49%で得た。
【0242】
MS m/z(ESI):178.9[M+1]
(ステップ2)
5-ブロモ-2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 22b(850mg、4.76mmol)をアセトニトリル溶液(20mL)に加え、ブロモスクシンイミド(1,270mg、7.14mmol)を加え、加熱および還流し、2時間撹拌した。反応完了後、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、5-ブロモ-2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル22c(1.05g)を収率85.68%で得た。
【0243】
MS m/z(ESI):256.8[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル(1-(5-ブロモ-4-シアノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート
室温で、tert-ブチル(4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 12a(174.79mg、815.61μmol)、N-メチルピロリドン(10mL)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(301.17mg、2.33mmol、384.83μL)を100mL一口丸底フラスコに加え、1分間振盪した後、5-ブロモ-2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 22c(200mg、776.78μmol)を加え、110℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル(1-(5-ブロモ-4-シアノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 22d(186mg)を収率55.01%で得た。
【0244】
MS m/z(ESI):434.9[M+1]
(ステップ4)
tert-ブチル(1-(5-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート
室温で、tert-ブチル(1-(5-ブロモ-4-シアノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 22d(186mg、427.27μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(326.13mg、1.71mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(79.75mg、170.91μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(71.56mg、85.45μmol)およびリン酸カリウム(272.09mg、1.28mmol)を50mL両口丸底フラスコに加え、最後に11mLの混合溶液(1,4-ジオキサン:水=10:1)を加えた。アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した後、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した。その後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、tert-ブチル(1-(5-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 22e(159mg)を収率74.22%で得た。
【0245】
MS m/z(ESI):500.9[M+1]
(ステップ5)
2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル(1-(5-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート 22e(159mg、317.11μmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)の溶液に加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 22fを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0246】
MS m/z(ESI):400.7[M+1]
(ステップ6)
2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 22f(160mg、310.49μmol)を、メタノール(1.00mL)と水酸化ナトリウム水溶液(5M、1.00mL)と30%過酸化水素(0.5mL)との混合溶液に溶かし、反応溶液を室温で0.5時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 22(48mg)を収率28.99%で得た。
【0247】
MS m/z(ESI):418.8[M+1]
1HNMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.0-7.80(m,4H),7.54-7.48(m,1H),7.48-7.43(m,1H),7.33-7.28(m,3H),4.45-4.35(m,2H),3.45-3.35(m,2H),1.78-1.65(m,4H),1.41(s,3H)。
【0248】
〔実施例23〕
6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
【0249】
【0250】
(ステップ1)
tert-ブチル4-(2-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート
氷水浴中で、水素化ナトリウム(2.40g、60mmol、60%)を、2-(2-クロロフェニル)アセトニトリル 23a(1.52g、10mmol)およびtert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート 23b(2.66g、11mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)の溶液に加え、1時間撹拌し、60℃に加熱した後、一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を100mLの混合溶媒(酢酸エチル:石油エーテル=10:90)と撹拌し、濾過し、乾燥させて、生成物tert-ブチル4-(2-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 23c(2.1g)を収率65.5%で得た。
【0251】
MS m/z(ESI):338.1[M+18]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(735mg、13.1mmol)およびtert-ブチル4-(2-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 23c(2.1g、6.55mmol)をジメチルスルホキシド(15mL)の溶液に加え、過酸化水素(30%、6.5mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水50mLを加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、真空中で乾燥し、生成物tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 23d(1.9g)を収率85.7%で得た。
【0252】
MS m/z(ESI):282.9[M-55]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 23d(1.9g、5.61mmol)を、水酸化カリウム(1.42g、25.23mmol)を含む、アセトニトリル(10mL)と水(40mL)との混合溶液に加えた後、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(882mg、3.08mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に亜硫酸ナトリウム(70.6mg、0.56mmol)を加え、15分間撹拌した後、酢酸エチル(20mL)およびリン酸カリウム(1.31g、6.17mmol)を加えて分液し、水相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、tert-ブチル4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 23e(1.62g)を収率93.0%で得た。
【0253】
MS m/z(ESI):311.0[M+1]
(ステップ4)
4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1mL)を、tert-ブチル4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 23e(200mg、643μmol)を含むジクロロメタン溶液3mLに滴下し、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン 23fを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0254】
MS m/z(ESI):211.0[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
ジイソプロピルエチルアミン(91.4mg、707μmol)および上記粗生成物4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン 23fを、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(150mg、580μmol)を含むN-メチルピロリドン(5mL)の溶液に加え、100℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液をC18逆相カラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、生成物6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 23g(200mg)を収率65.4%で得た。
【0255】
MS m/z(ESI):414.8[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 23g(200mg、462μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(353mg、1.85mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(77mg、92μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(86mg、185μmol)およびリン酸カリウム(294mg、1.39mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行った後、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 23h(90mg)を収率39.0%で得た。
【0256】
MS m/z(ESI):480.8[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 23h(90mg、180μmol)を濃塩酸3mLに加え、1時間加熱および還流した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸 23(12mg)を収率10%で得た。
【0257】
MS m/z(ESI):516.8[M+1]
1HNMR(400MHz,CD3OD) δ7.72-7.82(m 1H),7.57-7.67(m,2H),7.46-7.56(m,2H),7.33-7.45(m,2H),4.21-4.52(m,2H),3.78-4.03(m,2H),2.87-3.04(m,2H),2.23-2.39(m,2H)。
【0258】
〔実施例24〕
6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
【0259】
【0260】
(ステップ1)
tert-ブチル4-(4-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート
氷水浴中で、水素化ナトリウム(2.41g、60.2mmol、60%)を、2-(4-クロロフェニル)アセトニトリル 24a(1.52g、10mmol)およびtert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート 23b(2.67g、11mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)の溶液に加え、1時間撹拌し、60℃に加熱した後、一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチした後、酢酸エチル(30mL)を加えて抽出および分離し、次いで水相を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、生成物tert-ブチル4-(4-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 24b(2.4g)を収率74.6%で得た。
【0261】
MS m/z(ESI):338.1[M+18]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(840mg、15.0mmol)およびtert-ブチル4-(4-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 24b(2.40g、7.48mmol)をジメチルスルホキシド(15mL)の溶液に加え、過酸化水素(30%、6.5mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水50mLを加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、真空中で乾燥し、生成物tert-ブチル4-カルバモイル-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 24c(2.2g)を収率86.8%で得た。
【0262】
MS m/z(ESI):283.1[M-55]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 24c(1.0g、2.95mmol)を、水酸化カリウム(745mg、13.3mmol)を含む、アセトニトリル(2.5mL)と水(10mL)との混合溶液に加えた後、ジブロモヒダントイン(464mg、1.62mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に亜硫酸ナトリウム(37.8mg、0.3mmol)を加え、15分間撹拌した後、酢酸エチル(5mL)およびリン酸カリウム(688mg、3.25mmol)を加えて分液し、水相を酢酸エチル(5mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、tert-ブチル4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 24d(0.85g)を収率92.7%で得た。
【0263】
MS m/z(ESI):237.9[M-72]
(ステップ4)
4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1mL)を、tert-ブチル4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 24d(200mg、643μmol)を含むジクロロメタン溶液3mLに滴下し、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン 24eを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0264】
MS m/z(ESI):211.0[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
ジイソプロピルエチルアミン(91.4mg、707μmol)および上記粗生成物4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン 24eを、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(150mg、580μmol)を含むN-メチルピロリドン(5mL)の溶液に加え、100℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液をC18逆相カラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、生成物6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 24f(225mg)を収率73.5%で得た。
【0265】
MS m/z(ESI):414.8[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 24f(225mg、519.99μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(396.89mg、2.08mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(87.08mg、104.00μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(97.06mg、207.99μmol)およびリン酸カリウム(331mg、1.56mmol)を、1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行った後、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 24g(95mg)を収率36.6%で得た。
【0266】
MS m/z(ESI):480.8[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 24g(95mg、190μmol)を濃塩酸3mLに加え、1時間加熱および還流した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(4-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸 24(15mg)を収率8.8%で得た。
【0267】
MS m/z(ESI):516.8[M+1]
〔実施例25〕
6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
【0268】
【0269】
(ステップ1)
tert-ブチル4-(3-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート
氷水浴中で、水素化ナトリウム(2.4g、60mmol、60%)を、2-(3-クロロフェニル)アセトニトリル 25a(1.52g、10mmol)およびtert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート 23b(2.66g、11mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)の溶液に加え、1時間撹拌し、60℃に加熱した後、一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチした後、酢酸エチル(30mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、生成物tert-ブチル4-(3-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 25b(2.19g)を収率68.3%で得た。
【0270】
MS m/z(ESI):338.1[M+18]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(770mg、13.7mmol)およびtert-ブチル4-(3-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 25b(2.2g、6.86mmol)をジメチルスルホキシド(15mL)の溶液に加え、過酸化水素(30%、6.5mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水50mLを加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、真空中で乾燥し、生成物tert-ブチル4-カルバモイル-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 25c(2.28g)を収率98.1%で得た。
【0271】
MS m/z(ESI):260.9[M+23]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 25c(2.28g、6.73mmol)および[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(3.18g、7.40mmol)を、水酸化カリウム(566mg、10mmol)を含むアセトニトリル(15mL)と水(15mL)との混合溶液に加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応溶液をC18逆相カラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、tert-ブチル4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 25d(0.9g)を収率43.1%で得た。
【0272】
MS m/z(ESI):237.9[M-72]
(ステップ4)
4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1mL)を、tert-ブチル4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 25d(200mg、643μmol)を含むジクロロメタン溶液3mLに滴下し、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン 25eを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0273】
MS m/z(ESI):211.0[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
ジイソプロピルエチルアミン(91.4mg、707μmol)および上記粗生成物4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-4-アミン 25eを、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(150mg、580μmol)を含むN-メチルピロリドン(5mL)の溶液に加え、100℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液をC18逆相カラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、生成物6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 25f(230mg)を収率75.2%で得た。
【0274】
MS m/z(ESI):414.8[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 25f(100mg、231μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(176mg、924μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(38.7mg、46.2μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(43mg、92μmol)およびリン酸カリウム(147mg、693μmol)を、1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行った後、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて抽出および分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 25g(75mg)を収率65.1%で得た。
【0275】
MS m/z(ESI):480.8[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 25g(75mg、150μmol)を濃塩酸3mLに加え、1時間加熱および還流した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(3-クロロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸 25(7mg)を収率4.7%で得た。
【0276】
MS m/z(ESI):516.8[M+1]
〔実施例26〕
6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0277】
【0278】
(ステップ1)
1-ベンジル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-オール
5-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール 26a(321.16mg、1.70mmol、特許WO2017060326に従って調製)をテトラヒドロフラン5mLに加え、-78℃に冷却した後、n-ブチルリチウム(2.5M、783.22μL)を滴下し、-78℃で0.5時間撹拌し、1-ベンジルピペリジン-4-オン 26b(321.16mg、1.70mmol)を加え、-78℃で1時間撹拌した後、-20℃に加熱した。反応完了後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した後、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに精製し、1-ベンジル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-オール 26c(350mg)を収率68.49%で得た。
【0279】
MS m/z(ESI):392.1[M+1]
(ステップ2)
N-(1-ベンジル-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-イル)カルボキサミド
1-ベンジル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-オール 26c(1g、2.55mmol)をトリフルオロ酢酸10mLに加え、-15℃に冷却し、シアン化トリメチルシリル(1.01g、10.22mmol、1.28mL)および濃硫酸2mLを加え、ゆっくりと室温に加熱し、一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を氷水に注ぎ、6N水酸化ナトリウム溶液でpHを7~8に調整し、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、乾燥および濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、N-(1-ベンジル-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-イル)カルボキサミド 26d(530mg)を収率62.05%で得た。
【0280】
MS m/z(ESI):335.1[M+1]
(ステップ3)
1-ベンジル-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-アミン
N-(1-ベンジル-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-イル)カルボキサミド 26d(530mg、1.58mmol)および濃塩酸1mLをメタノール2mLに加え、80℃に加熱し、2時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮し、1-ベンジル-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-アミン 26e(450mg)を収率92.67%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0281】
MS m/z(ESI):307.0[M+1]
(ステップ4)
4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-アミン
1-ベンジル-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-アミン 26e(500mg、1.63mmol)および水酸化パラジウム/炭素(180mg、1.63mmol)をメタノール15mLに加え、真空置換を3回行い、室温で一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を珪藻土で濾過した後、減圧下で濃縮し、4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-アミン 26f(200mg)を収率56.67%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0282】
MS m/z(ESI):200.0[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-4-アミン 26f(80.33mg、371.43μmol)、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(80mg、309.52μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(120.01mg、928.57μmol)をジメチルアセトアミド2mLに加え、95℃に加熱し、2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 26g(120mg)を収率88.46%で得た。
【0283】
MS m/z(ESI):421.1[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 26g(120mg、273.80μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(208.98mg、1.10mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(45.85mg、54.76μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(51.04mg、109.52μmol)およびリン酸カリウム(174.13mg、821.39μmol)を混合溶液(1,4-ジオキサン:水=10:1)5.5mLに順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 26h(80mg)を収率57.93%で得た。
【0284】
MS m/z(ESI):487.0[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 26h(80mg、158.61μmol)および水酸化カリウム(17.80mg、317.23μmol)をジメチルスルホキシド2mLに加え、氷水浴中で過酸化水素1mLを加え、室温に加熱し、3時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に少量のトリフルオロ酢酸を加えてpHを7~8に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)し、生成物6-(4-アミノ-4-(1H-インダゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 26(19mg)を収率17.84%で得た。
【0285】
MS m/z(ESI):505.1[M-16]
〔実施例27〕
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0286】
【0287】
(ステップ1)
3-ヨード-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1c(290mg、1.62mmol)およびヨードスクシンイミド(726.69mg、3.23mmol)をジクロロエタン10mLに加え、80℃に加熱し、4時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、3-ヨード-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27a(250mg)を収率50.68%で得た。
【0288】
(ステップ2)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
4-フェニルピペリジン-4-アミン 27b(144.25mg、818.43μmol)、3-ヨード-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27a(250mg、818.43μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(317.32mg、2.46mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド3mLに加え、90℃に加熱し、2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、氷水に注いで固体を沈殿させた後、10分間撹拌し、固体を回収した。次いで、固体を真空下で乾燥させて、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27c(300mg)を収率82.32%で得た。
【0289】
MS m/z(ESI):428.8[M-16]
(ステップ3)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27c(150mg、336.88μmol)、(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)ボロン酸 27d(157.82mg、842.21μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(56.42mg、67.38μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(62.79mg、134.75μmol)およびリン酸カリウム(214.26mg、1.01mmol)を、混合溶液(1,4-ジオキサン:水=10:1)3.3mLに順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、2時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27e(40mg)を収率25.76%で得た。
【0290】
MS m/z(ESI):443.8[M-16]
(ステップ4)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-ヒドロキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27e(40mg、86.78μmol)および4M塩酸ジオキサン溶液2mLをジクロロメタン1mLに加え、50℃に加熱し、4時間撹拌した。反応完了後、反応溶液をC18逆相カラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-ヒドロキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27f(30mg)を収率77.35%で得た。
【0291】
MS m/z(ESI):429.9[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-ヒドロキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27f(30mg、67.13μmol)をオキシ塩化リン1.5mLに加え、110℃に加熱し、一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温に冷却し、氷水に注ぎ、0.5時間撹拌し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル27g(30mg)を収率96.04%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0292】
MS m/z(ESI):448.1[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27g(30mg、64.47μmol)、水酸化ナトリウム(5.16mg、128.94μmol)および過酸化水素0.5mLをジメチルスルホキシド1mLに加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に少量のトリフルオロ酢酸を加えてpHを7~8に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)し、生成物6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 27(4.1mg)を収率10.01%で得た。
【0293】
MS m/z(ESI):482.8[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ8.36(d,J=4.9Hz,1H),7.72(d,J=7.7Hz,2H),7.58(t,J=7.6Hz,2H),7.50(s,1H),7.44(d,J=4.8Hz,1H),4.69(d,J=14.2Hz,2H),3.47(t,J=12.2Hz,2H),2.77(d,J=13.8Hz,2H),2.15(ddd,J=14.2,10.9,3.8Hz,2H)。
【0294】
〔実施例28〕
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0295】
【0296】
(ステップ1)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 27eをメタノール(10mL)に溶かし、水酸化ナトリウム(99.82mg、2.50mmol)および過酸化水素(1mL)を順に加え、室温で2時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を用いてpHを7に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、分離を行い、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 28(32mg)を収率10.38%で得た。
【0297】
MS m/z(ESI):478.9[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ8.06-8.12(m,1H),7.72(d,J=7.8Hz,2H),7.57(t,J=7.6Hz,2H),7.51(d,J=7.2Hz,1H),6.99-7.05(m,1H),4.68(d,J=14.2Hz,2H),4.01(d,J=1.3Hz,3H),3.46(t,J=12.2Hz,2H),2.77(d,J=14.0Hz,2H),2.08-2.23(m,2H)。
【0298】
〔実施例29〕
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0299】
【0300】
(ステップ1)
tert-ブチル(1-(3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート
アルゴンガスの保護下で、tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 6b(100mg、200.65μmol)、(2-クロロ-3-メチルフェニル)ボロン酸 29a(136.77mg、802.61μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(33.60mg、40.13μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(37.40mg、80.26μmol)およびリン酸カリウム(212.69mg、1.00mmol)を、混合溶液(1,4-ジオキサン:水=10:1)を順に加え、130℃に加熱し、3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル(1-(3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 29b(100mg)を収率91.61%で得た。
【0301】
MS m/z(ESI):543.9[M+1]
(ステップ2)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル(1-(3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 29b(100mg、183.81μmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)をジクロロメタン(1.5mL)に順に加え、室温で1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 29c(81mg)を収率99.27%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0302】
MS m/z(ESI):426.9[M-16]
(ステップ3)
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 29c(81mg、182.46μmol)および水酸化ナトリウム(43.79mg、1.09mmol)をメタノール(2mL)に加え、過酸化水素(0.2mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を用いてpHを7に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、分離を行い、6-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 29(50mg)を収率47.37%で得た。
【0303】
MS m/z(ESI):462.2[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.72(d,J=7.8Hz,2H),7.57(t,J=7.6Hz,2H),7.50(d,J=7.3Hz,1H),7.34(d,J=7.1Hz,1H),7.21-7.30(m,2H),4.67(d,J=14.4Hz,2H),3.45(t,J=12.0Hz,2H),2.76(d,J=13.9Hz,2H),2.40(s,3H),2.16(td,J=10.2,5.0Hz,2H)。
【0304】
〔実施例30〕
1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-アミン
【0305】
【0306】
(ステップ1)
tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート
tert-ブチル(1-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 6c(200mg、354.32μmol)、アジ化ナトリウム(230.31mg、3.54mmol)および塩化アンモニウム(191.33mg、3.54mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に加え、130℃に加熱し、6時間反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却した後、反応溶液に適量の水を加えて反応をクエンチし、固体を沈殿させ、次いで固体を濾過および乾燥し、tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 30a(150mg)を収率69.69%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0307】
MS m/z(ESI):607.2[M+1]
(ステップ2)
1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-アミン
tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-イル)カルバメート 30a(150mg、246.92μmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)をジクロロメタン(2mL)に加え、室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、分離を行い、1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-フェニルピペリジン-4-アミン 30(24mg)を収率15.33%で得た。
【0308】
MS m/z(ESI):507.1[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.73(d,J=7.9Hz,2H),7.59(q,J=8.1,7.6Hz,3H),7.51(d,J=7.3Hz,1H),7.43(d,J=7.6Hz,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H),4.73(d,J=14.1Hz,2H),3.49(t,J=12.1Hz,2H),2.78(d,J=14.0Hz,2H),2.18(td,J=11.0,10.6,5.5Hz,2H)。
【0309】
〔実施例32〕
6-(4-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0310】
【0311】
(ステップ1)
1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボニトリル
氷水浴中で、水素化ナトリウム(3.55g、88.80mmol)を、2-(2-フルオロフェニル)アセトニトリル 32a(2g、14.80mmol)およびN-ベンジル-2-クロロ-N-(2-クロロエチル)エタン-1-アミン 32b(3.78g、16.28mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に加え、氷浴中で1時間撹拌し、60℃に加熱した後、16時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を氷水100mLに注ぎ、0.5時間撹拌して固体を回収した後、石油エーテルに溶かし、濾過および乾燥して固体を得た。母液を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボニトリル 32c(4.1g)を収率94.11%で得た。
【0312】
MS m/z(ESI):295.0[M+1]
(ステップ2)
1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド
水酸化カリウム(1.56g、27.86mmol)および1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボニトリル 32c(4.1g、13.93mmol)をジメチルスルホキシド(10mL)の溶液に加え、過酸化水素(10mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を室温で5時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水(50mL)を加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、真空中で乾燥し、1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド 32d(3.1g)を収率71.25%で得た。
【0313】
MS m/z(ESI):313.1[M+1]
(ステップ3)
1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-アミン
水酸化カリウム(2.51g、44.66mmol)を、1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-カルボキサミド 32d(3.1g、9.92mmol)を含むアセトニトリル(20mL)と水(30mL)との混合溶液に加えた後、水浴中で1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(1.56g、5.46mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に亜硫酸ナトリウム(125.04mg、992.38μmol)を加え、室温で15分間撹拌した後、酢酸エチル(50mL)およびリン酸カリウム(1.32g、10.92mmol)を加えて分液し、水相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-アミン 32e(2.4g)を収率85.05%で得た。
【0314】
MS m/z(ESI):285.1[M+1]
(ステップ4)
tert-ブチル(1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート
1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-アミン 32e(2.4g、8.44mmol)、水酸化ナトリウム(405.11mg、10.13mmol)およびジ-tert-ブチルジカーボネート(3.68g、16.88mmol)を、水(5mL)と1,4-ジオキサン(10mL)との混合溶液に加え、室温で3時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を濾過し、濾液を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル(1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート 32f(1.9g)を収率58.55%で得た。
【0315】
MS m/z(ESI):385.1[M+1]
(ステップ5)
tert-ブチル(4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート
tert-ブチル(1-ベンジル-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート 32f(900mg、2.34mmol)および10%パラジウム炭素(450mg)をメタノール(30mL)に加え、室温および水素圧力中で18時間水素化した。反応完了後、反応溶液を珪藻土で濾過してPd/Cを除去し、メタノールでリンスした後、減圧下で濃縮し、tert-ブチル(4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート 32g(689mg)を収率99.99%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0316】
MS m/z(ESI):295.0[M+1]
(ステップ6)
tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(737.60mg、5.71mmol、943.22μL)、tert-ブチル(4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート 32g(560mg、1.90mmol)および3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(491.70mg、1.90mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(3mL)の溶液に加え、100℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、混合溶液に水100mLを注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート 32h(600mg)を収率61.08%で得た。
【0317】
MS m/z(ESI):516.1[M+1]
(ステップ7)
tert-ブチル(1-(3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート
tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート 32h(250mg、484.15μmol)、(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)ボロン酸 27d(272.17mg、1.45mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(162.17mg、193.66μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(180.49mg、387.32μmol)およびリン酸カリウム(513.32μmol、2.42mmol)を、1,4-ジオキサン(6mL)と水(0.6mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、130℃に加熱し、4.5時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル(1-(3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)カルバメート 32i(160mg)を収率57.07%で得た。
【0318】
MS m/z(ESI):578.9[M+1]
(ステップ8)
6-(4-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル(1-(3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)tert-ブチルカルバメート 32i(30mg、51.81μmol)およびトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)の溶液に加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、6-(4-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 32jを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0319】
MS m/z(ESI):462.1[M-16]
(ステップ9)
6-(4-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
上記粗生成物6-(4-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 32jをメタノール(3mL)に溶かし、水酸化ナトリウム(10.36mg、258.92μmol)および過酸化水素(0.3mL)を順に加えた後、室温で2時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を用いてpHを7に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 32(7mg)を収率27.2%で得た。
【0320】
MS m/z(ESI):497.2[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ8.01(d,J=5.0Hz,1H),7.61(s,1H),7.47(dd,J=5.9,2.0Hz,1H),7.17-7.32(m,2H),6.94(d,J=5.1Hz,1H),4.35-4.45(m,2H),3.92(s,3H),3.64(ddd,J=13.6,9.7,3.1Hz,2H),2.64-2.73(m,2H),2.06-2.15(m,2H)。
【0321】
〔実施例33〕
6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0322】
【0323】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
1-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン 33a(1.56g、9.51mmol)と、tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(2g、9.51mmol)と、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムを含む1Mテトラヒドロフラン溶液(2.85g、14.27mmol)とをトルエン20mLに加え、70℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、水20mLおよび酢酸エチル(20mL×3)を加えて抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル4-シアノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-tert-カルボキシレート 33b(410mg)を収率12.16%で得た。
【0324】
MS m/z(ESI):255.1[M-99]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(129.52mg、2.31mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 33b(409mg、1.15mmol)をジメチルスルホキシド(2mL)の溶液に加え、水浴中で過酸化水素(0.8mL)を反応溶液にゆっくりと加えた後、反応溶液を室温に加熱し、30分間反応させた。反応完了後、反応溶液に水100mLを加えて大量の固体を沈殿させ、濾過によって液体を除去し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 33c(400mg)を収率93.07%で得た。
【0325】
MS m/z(ESI):317.1[M-55]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(13.56mg、241.69μmol)およびtert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 33c(20mg、53.71μmol)をアセトニトリル(5mL)と水(5mL)の混合溶液に加え、水浴中で1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(8.45mg、29.54μmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、tert-ブチル4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 33d(18.5mg)を収率100%で得た。
【0326】
MS m/z(ESI):289.1[M-55]
(ステップ4)
4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 33d(199mg、577.87μmol)およびトリフルオロ酢酸0.5mLをジクロロメタン溶液2mLに加え、1時間連続反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-4-アミン 33e(141mg)を収率99.9%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0327】
MS m/z(ESI):228.1[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(136mg、526.19μmol)をN-メチルピロリドン(2mL)に加え、N,N-ジメチルアセトアミド(203.47mg、1.57mmol)および4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-4-アミン 33e(141mg、577.26μmol)を加え、80℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 33f(190mg)を収率77.65%で得た。
【0328】
MS m/z(ESI):449.0[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 33f(190mg、407.50μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(311.04mg、1.63mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(68.25mg、81.50μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(76.06mg、163.00μmol)およびリン酸カリウム(259.62mg、1.22mmol)を、1,4-ジオキサン(8mL)と水(0.8mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 33g(75mg)を収率34.57%で得た。
【0329】
MS m/z(ESI):515.0[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
5M水酸化ナトリウム(0.5mL)を、6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 33g(55mg、103.32μmol)を含むメタノール(1mL)溶液に加えた後、過酸化水素(0.5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 33(2mg)を収率3.5%で得た。
【0330】
MS m/z(ESI):550.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ13.58(s,1H),8.48(s,2H),8.14(s,1H),7.97(t,J=8.1Hz,2H),7.85(t,J=7.7Hz,1H),7.73(t,J=7.7Hz,1H),7.61-7.68(m,2H),7.40(d,J=4.3Hz,2H),4.24(s,2H),3.75(s,2H),2.67(s,2H),2.22(s,2H)。
【0331】
〔実施例34〕
6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン酸
【0332】
【0333】
6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 33g(20mg、37.57μmol)を濃塩酸(0.7mL)に加え、密閉し、100℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボン 酸34(3mg)を収率14.4%で得た。
【0334】
MS m/z(ESI):551.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ13.67(s,1H),8.50(s,2H),7.97(d,J=7.9Hz,2H),7.82(s,1H),7.71(dd,J=6.3,3.4Hz,3H),7.45(q,J=3.4,2.6Hz,2H),4.15(s,2H),3.73(s,2H),2.67(s,2H),2.20(s,2H)。
【0335】
〔実施例35〕
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0336】
【0337】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
4-(ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミド 35a(1.06g、4.19mmol)、tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(800mg、3.80mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(639.22mg、4.95mmol)をトルエン(2mL)に加え、室温で15分間撹拌し、0℃に冷却し、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムを含む1Mテトラヒドロフラン溶液(834.83mg、4.19mmol)を滴下した後、室温に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液に飽和塩化ナトリウム溶液20mLを加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 35b(630mg)を収率54.94%で得た。
【0338】
MS m/z(ESI):302.0[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(234.58mg、4.18mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 35b(630mg、2.09mmol)をジメチルスルホキシド(2.3mL)に加え、水浴中で過酸化水素(1mL)を反応溶液にゆっくりと加えた後、反応溶液を室温に加熱し、30分間反応させた。反応完了後、反応溶液に水100mLを加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 35c(667mg)を収率99.90%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0339】
MS m/z(ESI):320.0[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(527.29mg、9.40mmol)およびtert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 35c(667mg、2.09mmol)を、アセトニトリル(2mL)と水(2mL)との混合溶液に加え、水浴中で1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(328.40mg、1.15mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 35d(500mg)を収率82.17%で得た。
【0340】
MS m/z(ESI):292.2[M+1]
(ステップ4)
4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 35d(200mg、686.37μmol)およびトリフルオロ酢酸0.5mLをジクロロメタン2mLに加え、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-4-アミン 35e(131mg)を収率99.78%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0341】
MS m/z(ESI):192.1[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(147.51mg、570.74μmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(3mL)に加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(221.29mg、1.71mmol)および4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-4-アミン 35e(131mg、684.89μmol)を加え、80℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 35f(120mg)を収率50.88%で得た。
【0342】
MS m/z(ESI):413.1[M+1]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 35f(70.17mg、169.79μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(129.59mg、679.14μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(28.43mg、33.96μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(31.69mg、67.91μmol)およびリン酸カリウム(108.17mg、509.36μmol)を、1,4-ジオキサン(2mL)と水(0.2mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 35g(15mg)を収率18.43%で得た。
【0343】
MS m/z(ESI):479.1[M+1]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
5M水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)を、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 35g(17.04mg、35.54μmol)を含むメタノール(1mL)溶液に加えた後、過酸化水素(0.5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 35(1mg)を収率5.66%で得た。
【0344】
MS m/z(ESI):497.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ13.57(s,1H),8.63(d,J=4.9Hz,1H),8.12(s,1H),7.99(s,1H),7.66(d,J=5.2Hz,1H),7.40(d,J=4.8Hz,2H),7.21(s,1H),6.66(s,1H),5.32(s,2H),1.92-2.11(m,4H),1.79(d,J=30.8Hz,4H),1.45(s,2H)。
【0345】
〔実施例36〕
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0346】
【0347】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
3-(ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミド 36a(1.98g、7.85mmol)、tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(1.5g、7.13mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.20g、9.27mmol)をトルエン4mLに加え、室温で15分間撹拌し、0℃に冷却し、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムを含む1Mテトラヒドロフラン溶液(1.57g、7.85mmol)を滴下した後、室温に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液に飽和塩化ナトリウム溶液20mLを加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した後、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 36b(1.18g)を収率54.89%で得た。
【0348】
MS m/z(ESI):302.0[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(439.37mg、7.83mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 36b(1.18g、3.92mmol)をジメチルスルホキシド(6.81mL)に加え、水浴中で過酸化水素(2.7mL)を反応溶液にゆっくりと加えた後、反応溶液を室温に加熱し、30分間反応させた。反応完了後、反応溶液に水100mLを加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 36c(1.25g)を収率100%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0349】
MS m/z(ESI):320.0[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(988.17mg、17.61mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 36c(1.25g、3.91mmol)を含むアセトニトリル(3mL)と水(3mL)との混合溶液に加え、水浴中で1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(615.44mg、2.15mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 36d(700mg)を収率61.38%で得た。
【0350】
MS m/z(ESI):292.2[M+1]
(ステップ4)
4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 36d(200mg、686.37μmol)およびトリフルオロ酢酸0.5mLをジクロロメタン2mLに加え、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下ですぐに濃縮し、4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-アミン 36e(131mg)を収率99.78%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0351】
MS m/z(ESI):192.1[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-ニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(147.51mg、570.74μmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(3mL)に加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(221.29mg、1.71mmol)および4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-アミン 36e(131.00mg、684.89μmol)を加え、80℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 36f(80mg)を収率33.92%で得た。
【0352】
MS m/z(ESI):413.1[M+1]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 36f(80.19mg、194.04μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(148.11mg、776.16μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(32.50mg、38.81μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(36.22mg、77.62μmol)およびリン酸カリウム(123.62mg、582.12μmol)を、1,4-ジオキサン(10mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 36g(12mg)を収率12.90%で得た。
【0353】
MS m/z(ESI):479.1[M+1]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
5M水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)を、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 36g(11.02mg、22.99μmol)を含むメタノール(1mL)溶液に加えた後、過酸化水素(0.5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 36(1mg)を収率8.74%で得た。
【0354】
MS m/z(ESI):497.1[M+1]
〔実施例37〕
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0355】
【0356】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
2-(ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミド 37a(2.65g、10.46mmol)、tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(2g、9.51mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.60g、12.36mmol)をトルエン2mLに加え、室温で15分間撹拌し、0℃に冷却し、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムを含む1Mテトラヒドロフラン溶液(2.09g、10.46mmol)を滴下した後、室温に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液に飽和塩化ナトリウム溶液20mLを加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 37b(1.4g)を収率48.84%で得た。
【0357】
MS m/z(ESI):302.0[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(703.74mg、12.54mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 37b(1.89g、6.27mmol)をジメチルスルホキシド(10.9mL)に加え、水浴中で過酸化水素(4.3mL)を反応溶液にゆっくりと加えた後、反応溶液を室温に加熱し、30分間反応させた。反応完了後、反応溶液に水100mLを加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 37c(2g)を収率99.85%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0358】
MS m/z(ESI):320.0[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(1.58g、28.18mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 37c(2g、6.26mmol)を含むアセトニトリル(6mL)と水(6mL)との混合溶液に加え、水浴中で1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(984.70mg、3.44mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 37d(1.3g)を収率71.25%で得た。
【0359】
MS m/z(ESI):292.2[M+1]
(ステップ4)
4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 37d(219mg、751.58μmol)およびトリフルオロ酢酸0.5mLをジクロロメタン2mLに加え、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下ですぐに濃縮し、4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-4-アミン 37e(143.76mg)を収率100.00%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0360】
MS m/z(ESI):192.1[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(161.03mg、623.02μmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(3mL)に加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(241.56mg、1.87mmol)および4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-4-アミン 37e(143.0mg、747.63μmol)を加え、80℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 37f(200mg)を収率77.68%で得た。
【0361】
MS m/z(ESI):413.1[M+1]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 37f(200.48mg、485.10μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(370.27mg、1.94mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(81.24mg、97.02μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(90.54mg、194.04μmol)およびリン酸カリウム(309.06mg、1.46mmol)を、1,4-ジオキサン(10mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 37g(30mg)を収率12.90%で得た。
【0362】
MS m/z(ESI):479.1[M+1]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
5M水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)を、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 37g(30mg、62.58μmol)を含むメタノール(1mL)溶液に加えた後、過酸化水素(0.5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 37(1mg)を収率3.21%で得た。
【0363】
MS m/z(ESI):497.1[M+1]
〔実施例38〕
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0364】
【0365】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
アルゴンガス下で、水素化ナトリウム(1.39g、53.45mmol)を、2-(ピリジン-2-イル)アセトニトリル 38a(1.80g、15.27mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)の溶液に加え、0℃に冷却し、tert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート(4.07g、16.80mmol)をバッチで加え、1時間連続撹拌し、60℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液40mLを加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 38b(3.27g)を収率74.51%で得た。
【0366】
MS m/z(ESI):231.9[M-55]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 38b(3.27g、11.38mmol)および水酸化カリウム(1.28g、22.76mmol)をジメチルスルホキシド(8.12mL)に加え、反応溶液に過酸化水素(8.12mL)をゆっくりと加え、反応溶液を室温まで加熱し、30分間反応させた。反応完了後、反応溶液に水100mLを加えて大量の固体を沈殿させ、濾過し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 38c(1.3g)を収率37.41%で得た。
【0367】
MS m/z(ESI):306.2[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(1.07g、19.16mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 38c(1.3g、4.26mmol)を含むアセトニトリル(3.4mL)と水(13.7mL)との混合溶液に加え、水浴中で1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(669.46mg、2.34mmol)をバッチで加え、室温で16時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に亜硫酸ナトリウムを加え、室温で15分間撹拌した後、酢酸エチル50mLおよびリン酸カリウムを加えた後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 38d(1.18g)を収率100%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0368】
MS m/z(ESI):278.1[M+1]
(ステップ4)
4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 38d(180mg、648.97μmol)をジクロロメタン(4mL)に加えた後、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-アミン 38e(115.03mg)を収率100%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0369】
MS m/z(ESI):178.1[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(130mg、502.97μmol)をN-メチルピロリドン(5mL)に加えた後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(195.01mg、1.51mmol)および4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-アミン 38e(89.15mg、502.97μmol)を加え、110℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によってさらに分析および精製し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 38f(150mg)を収率74.70%で得た。
【0370】
MS m/z(ESI):398.9[M+1]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 38f(150mg、375.71μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(286.77mg、1.50mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(62.92mg、75.14μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(70.13mg、150.28μmol)およびリン酸カリウム(239mg、1.13mmol)を、1,4-ジオキサン(10mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 38g(26mg)を収率14.87%で得た。
【0371】
MS m/z(ESI):464.9[M+1]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 38g(26.27mg、55.87μmol)、水酸化ナトリウム(0.5mL)および過酸化水素(0.5mL)をメタノール(1mL)の混合溶液に順に加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 38(5mg)を収率18.51%で得た。
【0372】
MS m/z(ESI):482.9[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ8.75(d,J=4.8Hz,1H),7.97(t,J=7.8Hz,1H),7.75(d,J=8.1Hz,1H),7.61(dd,J=7.4,1.9Hz,1H),7.48(dd,J=7.6,4.9Hz,1H),7.34-7.44(m,2H),4.21(d,J=25.2Hz,4H),2.58-2.69(m,2H),2.17(dd,J=13.9,7.4Hz,2H)。
【0373】
〔実施例39〕
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0374】
【0375】
(ステップ1)
スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-オン
tert-ブチル5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン6,4’-ピペリジン]-1’-カルボキシレート 39a(600mg、1.98mmol)をジクロロメタン(4mL)に加え、1時間連続反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-オン 39b(401mg)を収率99.92%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0376】
MS m/z(ESI):202.9[M+1]
(ステップ2)
3-ブロモ-6-(5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(300mg、1.16mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(750.05mg、5.80mmol)およびスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-オン 39b(399.08mg、1.97mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に加え、90℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、3-ブロモ-6-(5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 39c(350mg)を収率71.08%で得た。
【0377】
MS m/z(ESI):424.0[M+1]
(ステップ3)
(R,Z)-N-(1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-イリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
3-ブロモ-6-(5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 39c(369mg、869.76μmol)および(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(316.25mg、2.61mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に加え、100℃で16時間反応させた。反応完了後、反応溶液に水を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、水層を分離した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(30mL×2)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、(R,Z)-N-(1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-イリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 39d(458mg)を収率99.84%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0378】
MS m/z(ESI):527.1[M+1]
(ステップ4)
(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(0.5M、5.21mL)を、(R,Z)-N-(1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-イリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 39d(458mg、868.35μmol)を含むテトラヒドロフラン(5mL)の溶液に加え、室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水50mLを加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 39e(300mg)を収率65.25%で得た。
【0379】
MS m/z(ESI):529.2[M+1]
(ステップ5)
(R)-N-((S)-1’-(3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 39e(150mg、283.31μmol)、2,3-ジクロロベンゼンチオール 39f(76.10mg、424.97μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(15.57mg、17.00μmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(16.39mg、28.33μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(73.23mg、566.62μmol)を1,4-ジオキサン(4mL)に加え、窒素ガス置換を行い、100℃に加熱し、3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によってさらに分析および精製し、(R)-N-((S)-1’-(3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 39g(125mg)を収率70.30%で得た。
【0380】
MS m/z(ESI):627.1[M+1]
(ステップ6)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
(R)-N-((S)-1’-(3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 39g(125mg、199.17μmol)を含むジクロロメタン(4mL)の溶液を、メタノール中の塩酸(4M、199.17μL)にゆっくりと滴下し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 39h(104mg)を収率99.76%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0381】
MS m/z(ESI):522.8[M+1]
(ステップ7)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
5M水酸化ナトリウム溶液(0.25mL)を、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 39h(104mg、198.69μmol)を含むメタノール(2mL)の溶液に加えた後、過酸化水素(0.5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 39(3mg)を収率2.13%で得た。
【0382】
MS m/z(ESI):541.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ13.34(s,1H),8.54(d,J=5.0Hz,1H),8.30(s,2H),8.24(s,1H),7.91(d,J=5.0Hz,1H),7.88(s,1H),7.63(dd,J=8.0,1.5Hz,1H),7.44(d,J=7.6Hz,1H),7.35(dd,J=7.7,4.9Hz,2H),4.46(d,J=5.5Hz,1H),3.27(d,J=16.6Hz,2H),3.07-3.21(m,2H),1.73(d,J=14.2Hz,2H),1.54(d,J=13.2Hz,2H)。
【0383】
〔実施例40〕
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0384】
【0385】
(ステップ1)
(R)-N-((S)-1’-(3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 39e(150mg、283.31μmol)、(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸 40a(216.35mg、1.13mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(47.45mg、56.66μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(52.88mg、113.32μmol)およびリン酸カリウム(180.41mg、849.93μmol)を1,4-ジオキサン(3mL)に加え、窒素ガス置換を行い、100℃に加熱し、7時間反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によってさらに分析および精製し、(R)-N-((S)-1’-(3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 40b(80mg)を収率47.41%で得た。
【0386】
MS m/z(ESI):596.2[M+1]
(ステップ2)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
(R)-N-((S)-1’-(3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 40b(80mg、134.31μmol)を含むジクロロメタン(4mL)の溶液を、メタノール中の塩酸(4M、134.31μL)にゆっくりと滴下し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 40c(66mg)を収率99.99%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0387】
MS m/z(ESI):492.2[M+1]
(ステップ3)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
5M水酸化ナトリウム溶液(1.31mL)を、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 40c(66mg、134.29μmol)を含むメタノール(952.38μL)の溶液に加えた後、過酸化水素(238.10μL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 40(10mg)を収率14.6%で得た。
【0388】
MS m/z(ESI):510.2[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.76(d,J=4.6Hz,1H),8.55(d,J=4.9Hz,1H),8.28-8.43(m,3H),8.13(s,1H),7.91(t,J=7.9Hz,2H),7.73(dd,J=7.8,4.8Hz,1H),7.58(s,1H),7.36(dd,J=7.6,5.1Hz,1H),4.74(s,2H),4.47(d,J=5.4Hz,1H),3.26-3.34(m,3H),3.16(d,J=16.9Hz,1H),1.76(d,J=13.8Hz,2H),1.57(d,J=13.3Hz,2H)。
【0389】
〔実施例41〕
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0390】
【0391】
(ステップ1)
3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-6-(5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-(5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 39c(150mg、353.56μmol)、3-クロロ-2-(シクロプロポキシ)ピリジン-4-チオール 41a(142.61mg、707.12μmol、特許WO2018013597に従って自己調製)、ヨウ化第一銅(33.67mg、176.78μmol)、銅(22.47mg、353.56μmol)および炭酸カリウム(146.60mg、1.06mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に加え、窒素ガス置換を行い、130℃に加熱し、17時間反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-6-(5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 41b(60mg)を収率31.14%で得た。
【0392】
MS m/z(ESI):545.2[M+1]
(ステップ2)
(R,Z)-N-(1’-(3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-イリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-6-(5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 41b(60mg、110.09μmol)および(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(40.03mg、330.27μmol)をチタン酸テトラエチル(2.00mL)に加え、100℃に加熱し、3時間反応させた。反応完了後、反応溶液に水20mLを加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。水層を分離した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(30mL×2)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、(R,Z)-N-(1’-(3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-イリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 41c(71mg)を収率99.50%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0393】
MS m/z(ESI):648.2[M+1]
(ステップ3)
(R)-N-((S)-1’-(3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(0.5M、657.20μL)を、(R,Z)-N-(1’-(3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)スピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5(7H)-イリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 41c(71mg、109.53μmol)を含むテトラヒドロフラン(1mL)溶液に加え、室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水50mLを加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、(R)-N-((S)-1’-(3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 41d(40mg)を収率56.16%で得た。
【0394】
MS m/z(ESI):650.3[M+1]
(ステップ4)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
(R)-N-((S)-1’-(3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 41d(40mg、61.52μmol)を含むジクロロメタン(3.94mL)の溶液を、メタノール中の塩酸(4M、61.52μL)にゆっくりと滴下し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 41e(33mg)を収率98.24%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0395】
MS m/z(ESI):546.2[M+1]
(ステップ5)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム(0.15mL)を、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 41e(33mg、60.43μmol)を含むメタノール(1.5mL)溶液に加えた後、過酸化水素(0.3mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((3-クロロ-2-シクロプロポキシピリジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 41(11mg)を収率32.2%で得た。
【0396】
MS m/z(ESI):563.9[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.54(d,J=5.0Hz,1H),8.29(s,2H),8.12(s,1H),7.86-7.97(m,2H),7.81(s,1H),7.35(t,J=6.3Hz,1H),6.55(d,J=5.4Hz,1H),4.46(s,1H),4.32(s,1H),3.31(d,J=13.4Hz,2H),3.25(s,1H),3.14(d,J=16.9Hz,2H),2.67(s,1H),2.33(s,1H),1.73(d,J=14.2Hz,2H),1.55(d,J=12.9Hz,2H),0.67-0.84(m,4H)。
【0397】
〔実施例42〕
エチル(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキシレート
【0398】
【0399】
(ステップ1)
エチル(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキシレート
(R)-N-((S)-1’-(4-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 5e(130mg、218.65μmol)を濃塩酸(3mL)およびエタノール(3mL)に加え、100℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、エチル(S)-6-(1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキシレート 42(20mg)を収率17%で得た。
【0400】
MS m/z(ESI):537.2[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.29(s,3H),7.72-7.85(m,1H),7.51(d,J=5.0Hz,3H),7.37(d,J=4.8Hz,2H),7.33(d,J=6.6Hz,1H),4.60(d,J=25.5Hz,2H),4.39(d,J=6.1Hz,1H),3.91(d,J=7.3Hz,2H),3.22(d,J=16.4Hz,1H),3.07(s,1H),1.63-1.83(m,2H),1.56(s,2H),1.24(s,2H),0.88(t,J=7.2Hz,3H)。
【0401】
〔実施例43〕
6-(4-アミノ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0402】
【0403】
(ステップ1)
((メチルスルホニル)メチル)リチウム
(メチルスルホニル)メタン 43a(300mg、3.19mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)に加え、窒素ガス置換し、-20℃でn-ブチルリチウムを含む通常のヘキサン溶液(2.5M、1.66mL)を滴下し、-20℃で1時間連続反応させた。反応完了後、((メチルスルホニル)メチル)リチウム 43bを得て、これを処理せずに次のステップに直接使用した。
【0404】
(ステップ2)
tert-ブチル4-((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート 43c(384mg、1.27mmol、特許WO2007125321に従って自己調製)をテトラヒドロフラン(3mL)に加えた後、反応溶液を-20℃で上記の反応系に滴下し、1時間連続反応させた。反応完了後、反応溶液に飽和塩化アンモニウム溶液を加え、反応溶液を酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、水層を分離した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(30mL×2)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル4-((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 43d(120mg)を収率23.83%で得た。
【0405】
MS m/z(ESI):397.3[M+1]
(ステップ3)
2-メチル-N-(4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)プロパン-2-スルフィンアミド
tert-ブチル4-((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート 43d(120mg、302.60μmol)をジクロロメタン(2.5mL)に加えた後、室温でトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、2時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、2-メチル-N-(4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)プロパン-2-スルフィンアミド 43e(89.71mg)を収率100.00%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0406】
MS m/z(ESI):297.2[M+1]
(ステップ4)
N-(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(76.67mg、296.63μmol)、2-メチル-N-(4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)プロパン-2-スルフィンアミド 43e(87.94mg、296.63μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(191.68mg、1.48mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に加え、80℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、N-(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 43f(70mg)を収率45.52%で得た。
【0407】
MS m/z(ESI):518.0[M+1]
(ステップ5)
N-(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
N-(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 43f(70mg、135.02μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(103.06mg)540.07μmol、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(22.61mg、27.00μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(25.20mg、54.01μmol)およびリン酸カリウム(86.02mg、405.05μmol)を、1,4-ジオキサン(2mL)と水(0.2mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、16時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、N-(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 43g(60mg)を収率76%で得た。
【0408】
MS m/z(ESI):584.1[M+1]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
N-(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド 43g(10mg、17.11μmol)をジクロロメタン(2mL)に加え、メタノール中の塩酸(4M、17.11μL)を滴下し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、6-(4-アミノ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 43h(8.22mg)を収率100.00%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0409】
MS m/z(ESI):479.8[M+1]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム溶液(0.15mL)を、6-(4-アミノ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 43h(8.22mg、17.11μmol)を含むメタノール(1mL)の溶液に加えた後、過酸化水素(0.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を加えてpHを酸性に調整した後、反応溶液に液体クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 43(7mg)を収率82.15%で得た。
【0410】
MS m/z(ESI):498.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ13.60(s,1H),8.27(s,2H),8.16(s,1H),7.61-7.73(m,2H),7.40(d,J=4.9Hz,2H),4.58(s,1H),4.31(s,1H),3.90(s,2H),3.64(s,2H),3.19(s,3H),2.13(d,J=13.6Hz,2H),1.85(s,2H)。
【0411】
〔実施例44〕
6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0412】
【0413】
(ステップ1)
tert-ブチル4-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート
室温で、tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 44a(19.85g、94.4mmol)と、5-フルオロ-2-メトキシピリジン(3.0g、23.6mmol)と、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムを含む1Mテトラヒドロフラン溶液(35.4mL)とを、テトラヒドロフラン(40mL)の溶液に順に加え、アルゴンガスの保護下で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、減圧下で濃縮した後、酢酸エチル(30mL)を加えて分液し、次いで水相を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分離および精製し、生成物tert-ブチル4-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 44b(680mg)を収率9.1%で得た。
【0414】
MS m/z(ESI):318.0[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(240mg、4.3mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 44b(680mg、2.14mmol)をジメチルスルホキシド(2mL)の溶液に加え、過酸化水素(30%、1mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水50mLを加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、真空中で乾燥し、生成物tert-ブチル4-カルバモイル-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 44c(370mg)を収率51.5%で得た。
【0415】
MS m/z(ESI):335.9[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(522mg、1.21mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 44c(370mg、1.1mmol)を含むアセトニトリル(2mL)の溶液に加え、室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、生成物tert-ブチル4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 44d(170mg)を収率50.1%で得た。
【0416】
MS m/z(ESI):307.8[M+1]
(ステップ4)
4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1mL)を、tert-ブチル4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 44d(170mg、553μmol)を含むジクロロメタン溶液3mLに滴下し、室温で1時間反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン 44eを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0417】
MS m/z(ESI):191.2[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(225mg、1.74mmol)および上記粗生成物4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン 44eを、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(150mg、580μmol)を含むN-メチルピロリドン(5mL)溶液に加え、100℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に逆クロマトグラフィー的精製(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)を行い、生成物6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 44f(150mg)を収率63.2%で得た。
【0418】
MS m/z(ESI):411.8[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 44f(150mg、349μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(266.7mg、1.4mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(58.5mg、69.9μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(65.2mg、139.8μmol)およびリン酸カリウム(222.5mg、1.05mmol)を、1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて液分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 44g(30mg)を収率17.3%で得た。
【0419】
MS m/z(ESI):477.8[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化カリウム(6.8mg、121μmol)および6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 44g(30mg、61μmol)をジメチルスルホキシド(1mL)溶液に加えた後、過酸化水素(30%、0.5mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を滴下してpHを3~4に調整した後、反応溶液に液体クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 44(5mg)を収率16%で得た。
【0420】
MS m/z(ESI):512.8[M+1]
〔実施例45〕
6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0421】
【0422】
(ステップ1)
tert-ブチル4-(6-クロロピリジン-3-イル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート
氷水浴中で、水素化ナトリウム(3.6g、90.0mmol、60%)を、2-(6-クロロピリジン-3-イル)アセトニトリル 45a(2.29g、15mmol)およびtert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート(3.99g、16.5mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)の溶液に加え、1時間撹拌し、60℃に加熱した後、一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)を加えて分液した後、水相を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、生成物tert-ブチル4-(6-クロロピリジン-3-イル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 45b(0.9g)を収率18.7%で得た。
【0423】
MS m/z(ESI):322.0[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(314mg、5.6mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート 45b(0.9g、2.8mmol)をジメチルスルホキシド(4mL)の溶液に加え、過酸化水素(30%、2mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水50mLを加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、真空中で乾燥し、生成物tert-ブチル4-カルバモイル-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 45c(0.9g)を収率94.7%で得た。
【0424】
MS m/z(ESI):340.0[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(1.25g、2.91mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 45c(0.9g、2.65mmol)を含むアセトニトリル(10mL)の溶液に加え、室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に飽和重炭酸ナトリウム溶液(40mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、生成物tert-ブチル4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 45d(0.4g)を収率48.4%で得た。
【0425】
MS m/z(ESI):311.9[M+1]
(ステップ4)
4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1mL)を、tert-ブチル4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート 45d(300mg、962μmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に滴下し、室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン 45eを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0426】
MS m/z(ESI):212.0[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(300mg、2.32mmol)および上記粗生成物4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン 45eを、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(200mg、774μmol)を含むN-メチルピロリドン(5mL)溶液に加え、100℃に加熱し、1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 45f(280mg)を収率83.4%で得た。
【0427】
MS m/z(ESI):415.8[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 45f(280mg、646μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(493mg、2.58mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(108mg、129μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(121mg、258μmol)およびリン酸カリウム(411mg、1.94mmol)を、1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)を加えて液分離した後、水相を酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 45g(120mg)を収率37.2%で得た。
【0428】
MS m/z(ESI):481.8[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化カリウム(8.1mg、144μmol)および6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 45g(36mg、72μmol)をジメチルスルホキシド(1mL)溶液に加えた後、過酸化水素(30%、0.5mL)を反応溶液にゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を1時間撹拌した。反応完了後、トリフルオロ酢酸を滴下してpHを3~4に調整した後、反応溶液に液体クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(6-クロロピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 45(12mg)を収率32%で得た。
【0429】
MS m/z(ESI):516.8[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.76(d,J=4.0Hz,1H),8.54(br,3H),8.09-8.20(m,2H),7.62-7.76(m,3H),7.35-7.44(m,2H),4.11-4.67(m,2H),3.40-3.70(m,2H),2.55-2.72(m,2H),2.02-2.20(m,2H)。
【0430】
〔実施例46〕
6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0431】
【0432】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
氷水浴中で、tert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート(4g、16.52mmol)および2-(4-メトキシフェニル)アセトニトリル 46a(2.21g、15.02mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(35mL)に順に加え、60%水素化ナトリウム(3g、75.09mmol)をバッチで上記混合溶液に加えた後、60℃に加熱し、5時間反応させた。反応溶液を室温に冷却し、水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、tert-ブチル4-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 46b(1.78g)を収率37.5%で得た。
【0433】
MS m/z(ESI):217.1[M-99]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル4-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 46b(1.78g、5.63mmol)および水酸化カリウム(631.34mg、11.25mmol)をジメチルスルホキシド(8mL)に順に加え、過酸化水素(4mL)を滴下し、1時間連続撹拌した。反応溶液に大量の水(50mL)を加えて白色固体を沈殿させ、これを濾過および乾燥し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 46c(1.45g)を収率77.1%で得た。
【0434】
MS m/z(ESI):279.0[M-55]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(619.88mg、2.17mmol)、水酸化カリウム(1.09g、19.51mmol)およびtert-ブチル4-カルバモイル-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 46c(1.45g、4.34mmol)を、アセトニトリル(10mL)と水(10mL)との混合溶液に順に加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で精製し、tert-ブチル4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 46d(1.18g)を収率88.8%で得た。
【0435】
MS m/z(ESI):234.1[M-72]
(ステップ4)
4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 46d(818mg、2.67mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(6.56g、57.51mmol)をゆっくりと加え、室温で一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン 46eを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0436】
MS m/z(ESI):190.1[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
上記粗生成物4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン 46e、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(689.12mg、2.67mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.38g、10.66mmol)をN-メチルピロリドン(8mL)に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃で4時間連続撹拌した。反応溶液を水(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 46f(1.1g)を収率96.3%で得た。
【0437】
MS m/z(ESI):411.0[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 46f(1.1g、2.57mmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(1.96g、10.27mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(430.14mg、513.68μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(479.39mg、1.03mmol)およびリン酸カリウム(2.18g、10.27mmol)を、1,4-ジオキサン(12mL)と水(1.2mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、水(10mL)を加え、酢酸エチルで3回(100mL×3)抽出した後、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 46g(400mg)を収率31.5%で得た。
【0438】
MS m/z(ESI):476.9[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 46g(300mg、606.83μmol)および水酸化カリウム(68.10mg、1.21mmol)をジメチルスルホキシド(4mL)に順に加えた後、過酸化水素(1mL)を滴下した。反応溶液を室温で1時間連続撹拌した後、反応溶液に水(20mL)を加えて淡黄色固体を沈殿させ、希塩酸で中和し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)により精製し、6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 46(200mg)を収率64.6%で得た。
【0439】
MS m/z(ESI):495.1[M-16]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.62-7.66(m,2H),7.58(dd,J=7.6,2.0Hz,1H),7.33-7.40(m,2H),7.08-7.12(m,2H),4.72-4.75(m,2H),3.85(s,3H),3.33-3.40(m,2H),2.72-2.76(m,2H),2.08-2.16(m,2H)。
【0440】
〔実施例47〕
6-(4-アミノ-4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0441】
【0442】
(ステップ1)
6-(4-アミノ-4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 46(50mg、97.58μmol)をジクロロメタン(3mL)に溶かし、三臭化ホウ素(5mL、1.0Mジクロロメタン溶液)をゆっくりと滴下し、室温で2時間反応させた。反応完了後、氷水(100mL)を加え、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮し、液体クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 47(15mg)を収率30.9%で得た。
【0443】
MS m/z(ESI):481.1[M-16]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.58(dd,J=7.6,2.0Hz,1H),7.52-7.55(m,2H),7.33-7.40(m,2H),6.94-6.96(m,2H),4.72-4.76(m,2H),3.32-3.38(m,2H),2.71-2.75(m,2H),2.06-2.13(m,2H)。
【0444】
〔実施例48〕
6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0445】
【0446】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
2-(2-メトキシフェニル)アセトニトリル 48a(1g、6.79mmol)およびtert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート(1.81g、7.47mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(6mL)に溶かし、60%水素化ナトリウム(1.06g、26.51mmol)をバッチで加え、40分間撹拌し、70℃に加熱し、一晩反応させた。反応溶液を室温に冷却し、水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、tert-ブチル4-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 48b(1.7g)を収率79.1%で得た。
【0447】
MS m/z(ESI):217.0[M-99]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(283.75mg、5.06mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 48b(0.8g、2.53mmol)をジメチルスルホキシド(5mL)に溶かし、過酸化水素(5mL)をゆっくりと滴下し、室温で一晩反応させた。反応溶液に多量の水を加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、乾燥し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 48c(400mg)を収率47.3%で得た。
【0448】
MS m/z(ESI):279.0[M-55]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(302.02mg、5.38mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 48c(400mg、1.20mmol)を含むアセトニトリル(2mL)と水(3mL)との混合溶液に加え、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(188.10mg、657.88μmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水(100mL)およびリン酸カリウム(279.30mg、1.32mmol)を加え、15分間撹拌した後、酢酸エチル(20mL)および亜硫酸ナトリウム(15.07mg、119.61μmol)を加えて分液し、水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮し、tert-ブチル4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 48d(366m)を収率99.6%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0449】
MS m/z(ESI):234.1[M-72]
(ステップ4)
4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 48d(366mg、1.19mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(3g、26.31mmol)をゆっくりと加え、室温で一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン 48eを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0450】
MS m/z(ESI):190.1[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(283.17mg、1.10mmol)、上記粗生成物4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン 48eおよびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(566.37mg、4.38mmol)をN-メチルピロリドン(3mL)に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃で2時間連続撹拌した。反応溶液を水(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 48f(360mg)を収率70.8%で得た。
【0451】
MS m/z(ESI):411.0[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 48f(360mg、840.56μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(641.58mg、3.36mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(140.77mg、168.11μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(156.89mg、336.22μmol)およびリン酸カリウム(713.70mg、3.36mmol)を、1,4-ジオキサン(4mL)と水(0.4mL)との混合溶液に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 48g(160mg)を収率38.5%で得た。
【0452】
MS m/z(ESI):477.1[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 48g(160mg、323.64μmol)および水酸化カリウム(36.32mg、647.28μmol)をジメチルスルホキシド(5mL)に順に加えた後、過酸化水素(0.5mL)を滴下した。反応溶液を室温で1時間連続撹拌した後、反応溶液に水(20mL)を加えて淡黄色固体を沈殿させ、希塩酸で中和し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 48(90mg)を収率54.4%で得た。
【0453】
MS m/z(ESI):495.1[M-16]
〔実施例49〕
6-(4-アミノ-4-(2-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0454】
【0455】
(ステップ1)
6-(4-アミノ-4-(2-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 48(20mg、39μmol)をジクロロメタン(6mL)に溶かし、三臭化ホウ素(488.92mg、1.95mmol)を滴下した。反応完了後、反応溶液にジクロロメタン(40mL)および水(50mL)を加えて抽出した。水相をジクロロメタン(40mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮し、液体クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm、内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05%TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(2-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 49(3mg)を収率15.4%で得た。
【0456】
MS m/z(ESI):481.0[M-16]
〔実施例50〕
6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0457】
【0458】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
2-(3-メトキシフェニル)アセトニトリル 50a(2g、13.59mmol)およびtert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート(3.62g、14.95mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(12mL)に溶かし、60%水素化ナトリウム(2.17g、54.36mmol)をバッチで加え、40分間撹拌し、70℃に加熱し、一晩反応させた。反応溶液を室温に冷却し、水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、tert-ブチル4-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 50b(3.8g)を収率88.3%で得た。
【0459】
MS m/z(ESI):217.0[M-99]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(709.37mg、12.64mmol)およびtert-ブチル4-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 50b(2.00g、6.32mmol)をジメチルスルホキシド(10mL)に溶かし、過酸化水素(2mL)をゆっくりと滴下し、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応溶液に水(50mL)を加えて黄色固体を沈殿させ、濾過した後、濾過ケーキを水で洗浄し、乾燥し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 50c(1.7g)を収率80.4%で得た。
【0460】
MS m/z(ESI):279.0[M-55]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(1.28g、22.88mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 50c(1.7g、5.08mmol)を含むアセトニトリル(6mL)と水(9mL)との混合溶液に加え、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(799.43mg、2.80mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)およびリン酸カリウム(1.19g、5.59mmol)を加え、15分間撹拌した後、酢酸エチル(50mL)および亜硫酸ナトリウム(64.05mg、508.36μmol)を加えて分液し、水相を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製し、tert-ブチル4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 50d(1.0g)を収率64.2%で得た。
【0461】
MS m/z(ESI):234.1[M-72]
(ステップ4)
4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン
tert-ブチル4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート 50d(1g、3.26mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(5g、43.85mmol)をゆっくりと加え、室温で一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン 50eを得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0462】
MS m/z(ESI):190.1[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-4-アミン 50e(300mg、1.45mmol)、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 1d(375.88mg、1.45mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(751.82mg、5.82mmol)をN-メチルピロリドン(5mL)に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃で4時間連続撹拌した。反応完了後、反応溶液を水(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 50f(550mg)を収率88.3%で得た。
【0463】
MS m/z(ESI):411.0[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 50f(0.55g、1.28mmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸 1g(980.19mg、5.14mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(215.07mg、256.84μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(239.70mg、513.68μmol)およびリン酸カリウム(1.09g、5.14mmol)を、1,4-ジオキサン(7mL)と水(0.7mL)との混合溶液に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、水(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)により精製し、6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 50g(290mg)を収率46.0%で得た。
【0464】
MS m/z(ESI):477.1[M-16]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル 50g(290.00mg、586.60μmol)および水酸化カリウム(65.83mg、1.17mmol)をジメチルスルホキシド(4mL)に順に加えた後、過酸化水素(1mL)を滴下した。反応溶液を室温で1時間連続撹拌した後、反応溶液に水(20mL)を加えて淡黄色固体を沈殿させ、希塩酸で中和し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した後、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド 50(210mg)を収率70%で得た。
【0465】
MS m/z(ESI):495.1[M-16]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.58(dd,J=7.6,2.0Hz,1H),7.50(t,J=8.0Hz,1H),7.33-7.40(m,2H),7.26-7.29(m,1H),7.24(t,J=2.0Hz,1H),7.08(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),4.66-4.69(m,2H),3.87(s,3H),3.46-3.51(m,2H),2.72-2.75(m,2H),2.10-2.19(m,2H)。
【0466】
〔実施例51〕
6-(4-アミノ-4-(3-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0467】
【0468】
(ステップ1)
6-(4-アミノ-4-(3-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル50(80mg、156.13μmol))をジクロロメタン(4mL)に溶解し、氷浴中で三臭化ホウ素(5mL、1.0Mジクロロメタン溶液)を徐々に滴下し、室温で2時間反応させた。反応溶液に氷水(20mL)を加え、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮し、液体クロマトグラマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;内径250×21.2mm;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(3-ヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド51(15mg)を収率19.3%で得た。
【0469】
MS m/z(ESI):481.1[M-16]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.57-7.59(m,1H),7.33-7.40(m,3H),7.12-7.17(m,2H),6.90(d J=8.0Hz,1H),4.67-4.71(m,2H),3.47(t,J=12.0Hz,2H),2.69-2.73(m,2H),2.09-2.16(m,2H)。
【0470】
〔実施例52〕
6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0471】
【0472】
(ステップ1)
1-ベンジル-4-シクロプロピルピペリジン-4-カルボニトリル
室温で、水酸化カリウム(1.31g、23.30mmol)を、1-ベンジル-4-シクロプロピルピペリジン-4-カルボニトリル52a(280mg、1.17mmol、WO2003042174に従って自己調製)を含むターシャリーブタノール溶液(20mL)に加え、110℃に加熱し、一晩反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮し、水20mLを加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1-ベンジル-4-シクロプロピルピペリジン-4-カルボキサミド52b(300mg)を99.1%の収率で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0473】
MS m/z(ESI):259.2[M+1]
(ステップ2)
1-ベンジル-4-シクロプロピルピペリジン-4-アミン
水酸化カリウム(293.19mg、5.23mmol)を、1-ベンジル-4-シクロプロピルピペリジン-4-カルボキサミド52b(300mg、1.16mmol)を含むアセトニトリル(2mL)および水(6mL)の混合溶液に加え、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(249.00mg、870.89μmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、1-ベンジル-4-シクロプロピルピペリジン-4-アミン52c(200mg)を収率74.77%で得た。
【0474】
MS m/z(ESI):231.2[M+1]
(ステップ3)
4-シクロプロピルピペリジン-4-アミン
炭素上のパラジウム(72.66mg、520.95μmol)を、1-ベンジル-4-シクロプロピルピペリジン-4-アミン52c(200mg、868.25μmol)を含むメタノール溶液(20mL)に加え、水素ガス置換を行い、室温で3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を珪藻土で濾過し、4-シクロプロピルピペリジン-4-アミン52d(121.7mg)を収率99.96%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0475】
MS m/z(ESI):141.1[M+1]
(ステップ4)
6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル1d(224.32mg、867.89μmol)、4-シクロプロピルピペリジン-4-アミン52d(121.7mg、867.89μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(336.50mg、2.60mmol)を、N,N-ジメチルアセトアミド(2.5mL)に順に加え、100℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液はC18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で、6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル52e(180mg)に収率57.26%で分離された。
【0476】
MS m/z(ESI):345.0[M-16]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル52e(90mg、248.46μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸1g(165.94mg、869.62μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(20.81mg、24.85μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(23.19mg、49.69μmol)およびリン酸カリウム(158.22mg、745.39μmol)を1,4-ジオキサン(6mL)と水(0.6mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、110℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液に水20mLを加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって精製し、6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル52f(15mg)を14.09%の収率で得た。
【0477】
MS m/z(ESI):411.1[M-16]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム(7.00mg、175.10μmol)を、6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル52f(15mg、35.02μmol)を含むメタノール溶液(2mL)に加え、その後過酸化水素(0.2mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド52(2.04mg)を収率13%で得た。
【0478】
MS m/z(ESI):446.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.10(s,1H),7.96(s,3H),7.57-7.73(m,2H),7.39(d,J=4.9Hz,2H),4.20(s,2H),3.80(s,2H),1.68(s,4H),1.23(s,1H),0.43-0.65(m,4H)。
【0479】
〔実施例53〕
2-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0480】
【0481】
(ステップ1)
2-(4-アミノ-4フェニルピペリジン-1-イル)-5-ブロモ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.40g、10.83mmol)を4-フェニルピペリジン-4-アミン27b(318mg、1.80mmol)を含むN,N-ジメチルアセトアミド溶液(5mL)に加え、30秒間撹拌し、5-ブロモ-2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル22c(464.53mg、1.80mmol)を加え、120℃に加熱し、一晩反応させた。反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、2-(4-アミノ-4フェニルピペリジン-1-イル)-5-ブロモ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル53a(50mg)を収率6.98%で得た。
【0482】
MS m/z(ESI):380.2[M-16]
(ステップ2)
2-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
2-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-5-ブロモ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル53a(50mg、125.86μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸1g(84.06mg、440.51μmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(10.54mg、12.59μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(11.75mg、25.17μmol)およびリン酸カリウム(80.15mg、377.58μmol)を1,4-ジオキサン(3mL)と水(0.3mL)との混合溶液に順に加え、アルゴンガス置換を行い、110℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によって精製し、2-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル53b(50mg)を収率85.74%で得た。
【0483】
MS m/z(ESI):446.1[M-16]
(ステップ3)
2-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム(21.58mg、539.54μmol)を、2-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボニトリル53b(50mg、107.91μmol)を含むメタノール溶液(3mL)に加え、その後過酸化水素(0.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、2-(4-アミノ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-5-(2,3-ジクロロフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-カルボキサミド53(13.14mg)を収率25%で得た。
【0484】
MS m/z(ESI):481.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ11.85(s,1H),8.33(s,3H),7.93(s,1H),7.70(d,J=7.7Hz,2H),7.39-7.62(m,5H),7.30(d,J=5.5Hz,3H),4.33(d,J=13.7Hz,2H),3.90(s,2H),3.44(t,J=11.5Hz,2H),2.08(t,J=11.3Hz,2H)。
【0485】
〔実施例54〕
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0486】
【0487】
(ステップ1)
3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)プロパノエートメチル
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(473.65mg、517.25μmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(598.58mg、1.03mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.01g、31.03mmol)および4-ブロモピリミジン-2-アミン54a(1.8g、10.34mmol)を1,4-ジオキサン溶液(30mL)に加え、アルゴンガス置換を行い、その後3-メルカプトプロパノエートメチルを加え、一度アルゴンガス置換を行い、85℃に加熱し、3時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:装置A)によって精製し、3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)プロパノエートメチル54b(2.1g)を収率95.19%で得た。
【0488】
MS m/z(ESI):214.1[M+1]
(ステップ2)
2-アミノピリミジン-4-チオラートナトリウム
室温で、メチル酸ナトリウム(506.62mg、9.38mmol)を、メチル3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)プロパノエート54b(1g、4.69mmol)を含むメタノール溶液(6mL)に加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、2-アミノピリミジン-4-チオラートナトリウム54c(670mg)を収率96.08%で得た。
【0489】
MS m/z(ESI):128.1[M+1]
(ステップ3)
(R)-N-((S)-1’-(3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
2-アミノピリミジン-4-チオラートナトリウム54c(120mg、804.56μmol)、(R)-N-((S)-1’-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィナミド39e(340.78mg、643.65μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73.68mg、80.46μmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(93.11mg、160.91μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(311.95mg、2.41mmol)を1,4-ジオキサン溶液(3mL)に加え、アルゴンガス置換を行い、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液に水20mLを加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系B)によってさらに分析および精製し、(R)-N-((S)-1’-(3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド54d(140mg)を収率37%で得た。
【0490】
MS m/z(ESI):576.2[M+1]
(ステップ4)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
濃塩酸(17.73mg、486.36μmol)を、(R)-N-((S)-1’-(3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド54d(70mg、121.59μmol)を含むメタノール溶液(3mL)に加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル54e(57mg)を収率99.42%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0491】
MS m/z(ESI):472.2[M+1]
(ステップ5)
(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピぺリジン]-1’-イル)-3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム(24.18mg、604.40μmol)を、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル54e(57mg、120.88μmol)を含むメタノール溶液(3mL)に加え、その後過酸化水素(0.4mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21・2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、(S)-6-(5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-3-((2-アミノピリミジン-4-イル)チオ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド54(7.2mg)を収率12%で得た。
【0492】
MS m/z (ESI):490.2[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ8.48(d,J=5.2Hz,1H),7.91(d,J=7.8Hz,1H),7.78(d,J=6.8Hz,1H),7.25-7.41(m,1H),6.59(d,J=6.8Hz,1H),4.81-4.85(m,2H),4.45(s,1H),3.33(q,J=14.9,14.3Hz,2H),3.16(s,2H),1.65-1.81(m,2H),1.57(d,J=13.3Hz,1H),1.34-1.48(m,1H).
〔実施例55〕
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0493】
【0494】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水素化ナトリウム(3.56g、88.88mmol)を、2-(ピリジン-3-イル)アセトニトリル55a(3g、25.39mmol)およびtert-ブチルビス(2-クロロエチル)カルバメート(6.76g、27.93mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(35mL)の溶液に加え、60℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム40mLでクエンチし、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって、さらに分析および精製して、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート55b(6.6g)を収率90.44%で得た。
【0495】
MS m/z(ESI):288.2[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(781.05mg、13.92mmol)を、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボン酸塩55b(2g、6.96mmol)を含むジメチルスルホキシド溶液(12mL)に加え、過酸化水素(5mL)をゆっくりと滴下した。反応完了後、反応溶液に水10mLを加え、1時間連続して撹拌し、その後濾過し、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート55c(1.8g)を収率84.69%で得た。
【0496】
MS m/z(ESI):306.2[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(1.24g、2.88mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート55c(800.00mg、2.62mmol)を含むアセトニトリル溶液(12mL)と水(12mL)とに加え、室温で一晩反応させた。反応完了後、反応溶液に重炭酸ナトリウム溶液40mLを加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボン酸塩55d(726mg)を収率99.91%で得た。
【0497】
MS m/z(ESI):278.2[M+1]
(ステップ4)
4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1mL)を、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート55d(150mg、540.81μmol)を含むジクロロメタン溶液(4mL)に加え、室温で40分間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮して、4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン55e(95.86mg)を収率100.00%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0498】
MS m/z(ESI):178.1[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(314.86mg、2.44mmol)および3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル1d(125.94mg、487.25μmol)を、4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-アミン55e(95mg、535.98μmol)を含むN-メチルピロリドン溶液(5mL)に加え、110℃に加熱し、1時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮して、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20-45mm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-yl)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル55f(130mg)を収率66.83%で得た。
【0499】
MS m/z(ESI):399.0[M+1]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピぺリジン-1イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル55f(130mg、325.61μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸1g(248.53mg、1.30mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(54.53mg、65.12μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(60.78mg、130.25μmol)およびリン酸カリウム(207.45mg、976.84μmol)を、1,4-ジオキサン(8mL)と水(0.8mL)との混合溶液に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、110℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル55g(10mg)を収率6.60%で得た。
【0500】
MS m/z(ESI):465.1[M+1]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)および過酸化水素(0.5mL)を、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル55g(10mg、21.49μmol)を含むメタノール溶液(1mL)に順に加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド55(2.19mg)を収率21%で得た。
【0501】
MS m/z(ESI):483.1[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ8.99(s,1H),8.74(s,1H),8.28(d,J=8.3Hz,1H),7.71(s,1H),7.61(dd,J=7.5,2.0Hz,1H),7.32-7.50(m,2H),4.67(d,J=14.2Hz,2H),3.57(t,J=12.0Hz,2H),2.82(d,J=13.8Hz,2H),2.15-2.37(m,2H)。
【0502】
〔実施例56〕
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0503】
【0504】
(ステップ1)
tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水素化ナトリウム(1.36g、33.96mmol)を、2-(ピリジン-4-イル)アセトニトリル56a(1.5g、9.70mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド溶液(25mL)にバッチで加え、60℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム40mLでクエンチし、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によってさらに分析および精製して、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート56b(1.65g)を収率59.18%で得た。
【0505】
MS m/z(ESI):288.2[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(644.37mg、11.48mmol)を、tert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート56b(1.65g、5.74mmol)を含むジメチルスルホキシド溶液(15mL)に加え、過酸化水素(5mL)と共にゆっくりと滴下し、熱を激しく放出させた。反応溶液を氷水で部分的に冷却し、室温で1時間反応させてもよい。反応完了後、大量の固体を沈殿させ、濾過して、生成物tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート56c(1.08g)を収率61.59%で得た。
【0506】
MS m/z(ESI):306.2[M+1]
(ステップ3)
tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
水酸化カリウム(892.99mg、15.92mmol)を、tert-ブチル4-カルバモイル-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート56c(1.08g、3.54mmol)を含むアセトニトリル(2.5mL)と水(10mL)との混合溶液に加え、水浴中で1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(758.41mg、2.65mmol)をバッチで加え、室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート56d(980mg)を収率99%で得た。
【0507】
MS m/z(ESI):278.2[M+1]
(ステップ4)
4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1mL)を、tert-ブチル4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート56d(250mg、901.35μmol)を含むジクロロメタン溶液(4mL)に加え、室温で40分間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-アミン56e(159.76mg)を収率100.00%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0508】
MS m/z(ESI):178.1[M+1]
(ステップ5)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(486.11mg、3.76mmol)を、4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-アミン56e(160mg、902.70μmol)を含むN,N-ジメチルアセトアミド溶液(3mL)に加え、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル1d(194.43mg、752.25μmol)を加え、80℃に加熱し、1.5時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル56f(274mg)を収率91.23%で得た。
【0509】
MS m/z(ESI):399.1[M+1]
(ステップ6)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピぺリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル56f(122mg、305.58μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸1g(291.55mg、1.53mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(51.18mg、61.12μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(57.04mg、122.23μmol)およびリン酸カリウム(194.68mg、916.73μmol)を、1,4-ジオキサン(8mL)と水(0.8mL)との混合溶液に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、100℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm、移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル56g(60mg)を収率42.2%で得た。
【0510】
MS m/z(ESI):465.1[M+1]
(ステップ7)
6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)および過酸化水素(0.5mL)を、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル56g(60mg、128.94μmol)を含むメタノール溶液(1mL)に順に加え、室温で1.5時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil; 250×21.2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド56(16.22mg)を収率26%で得た。
【0511】
MS m/z(ESI):483.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.74(d,J=5.2Hz,2H),8.58(s,3H),8.14(s,1H),7.61-7.78(m,4H),7.40(d,J=4.8Hz,2H),4.27(s,2H),3.81(s,2H),2.47(s,2H),2.09(s,2H)。
【0512】
〔実施例57〕
6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0513】
【0514】
(ステップ1)
3-フェニルピペリジン-4-アミン
トリフルオロ酢酸(1.5mL)およびtert-ブチル4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシレート57a(350mg、1.27mmol、特許WO2019169153に従って自己調製)をジクロロメタン溶液(6mL)に加え、室温で40分間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮して、3-フェニルピペリジン-4-アミン57b(223.21mg)を99%の収率で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0515】
MS m/z(ESI):177.1[M+1]
(ステップ2)
6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(400.03mg、3.10mmol)を、3-フェニルピペリジン-4-アミン57b(223mg、1.26mmol)を含むN,N-ジメチルアセトアミド(3mL)溶液に加え、3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル1d(200mg、773.81μmol)を加え、70℃に加熱し、1.5時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル57c(180mg)を収率58.41%で得た。
【0516】
MS m/z(ESI):398.1[M+1]
(ステップ3)
6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル57c(180mg、451.97μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸1g(344.98mg、1.81mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(75.69mg、90.39μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(84.36mg、180.79μmol)およびリン酸カリウム(287.95mg、1.36mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)と水(1mL)との混合溶液に順に加え、アルゴンガス置換を3回行い、120℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、C18逆相クロマトグラフィーカラム(C18分離カラム20~45μm;移動相A:H2O、移動相B:CH3CN)上で分離し、6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル57d(21mg)を収率10.01%で得た。
【0517】
MS m/z(ESI):464.1[M+1]
(ステップ4)
6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)を6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル57d(21mg、45.22μmol)を含むメタノール溶液(2mL)に加え、過酸化水素(0.5mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、液相クロマトグラフィー精製(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド57(3.6mg)を収率16.5%で得た。
【0518】
MS m/z(ESI):482.1[M+1]
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.11(s,1H),7.86(s,1H),7.58-7.77(m,2H),7.41(dt,J=20.8,8.0Hz,4H),4.26(s,1H),3.77(s,1H),3.20(q,J=13.4,12.6Hz,2H),2.80(s,1H),2.17(d,J=12.4Hz,1H),1.98(s,1H),1.59(s,1H)。
【0519】
〔実施例58〕
6-(4-アミノ-4-エチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
【0520】
【0521】
(ステップ1)
tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-エチルピペリジン-4-イル)カルバメート
3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル1d(150mg、580μmol)、tert-ブチル(4-エチルピペリジン-4-イル)カルバメート58a(133mg、580μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(300mg、2.32mmol、385μL)をN-メチルピロリドン(3mL)に加え、アルゴンガス置換を行い、100℃に加熱し、4時間反応させた。反応完了後、反応溶液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチし、その後酢酸エチル(30mL)を加え、水相を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄した。有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって、さらに分離および精製し、tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-エチルピペリジン-4-イル)カルバメート58b(250mg)を収率96%で得た。
【0522】
MS m/z(ESI):449.9[M+1]
(ステップ2)
tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-エチルピペリジン-4-イル)カルバメート
tert-ブチル(1-(3-ブロモ-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-エチルピペリジン-4-イル)カルバメート58b(250mg、555μmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸1g(424mg、2.22mmol)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(93mg、111μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-イソプロポキシ-1,1’-ビフェニル(104mg、222μmol)およびリン酸カリウム(471mg、2.22mmol)を1,4-ジオキサン(3mL)と水(0.3mL)との混合溶液に加え、アルゴンガス置換を3回行い、130℃に加熱し、24時間反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチし、その後酢酸エチル(30mL)を加え、水相を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄した。有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:系A)によって、さらに分離および精製し、tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-エチルピペリジン-4-イル)カルバメート58c(250mg)を収率87%で得た。
【0523】
MS m/z(ESI):516.2[M+1]
(ステップ3)
6-(4-アミノ-4-エチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル
tert-ブチル(1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-4-シアノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-エチルピペリジン-4-イル)カルバメート58c(250mg、484μmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5.00g、43.9mmol)をゆっくり加え、室温で一晩撹拌した。反応完了後、反応溶液に酢酸エチル(80mL)を加え、飽和重炭酸ナトリウム(100mL×3)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、6-(4-アミノ-4-エチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル58d(140mg)を収率69%で得て、これを精製せずに次の反応に直接使用した。
【0524】
MS m/z(ESI):416.1[M+1]
(ステップ4)
6-(4-アミノ-4-エチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド
6-(4-アミノ-4-エチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボニトリル58d(140mg、336μmol)および水酸化カリウム(38mg、673μmol)をジメチルスルホキシド(4mL)に順に加え、その後過酸化水素(30%、1mL)をゆっくり滴下し、室温で1時間連続して撹拌した。反応完了後、少量の水を加えて淡黄色の固体を析出させ、濾過して固体を得て、液相分離(分離カラム:AKZONOBEL Kromasil;250×21.2mm内径;5μm、20mL/min;移動相A:0.05% TFA+H2O、移動相B:CH3CN)を行い、6-(4-アミノ-4-エチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-カルボキサミド58(15mg)を収率10.3%で得た。
【0525】
MS m/z(ESI):433.9[M+1]
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ7.57-7.59(m,1H),7.33-7.40(m,2H),4.37-4.41(m,2H),3.76-3.82(m,2H),2.66(s,4H),1.90-1.99(m,4H),1.79-1.86(m,2H),1.06(t,J=7.6Hz,3H)。
【0526】
〔生物学的評価〕
〔試験例1 SHP2に関する本発明の化合物のアロステリック阻害活性の測定〕
インビトロでの組換えヒト全長SHP2の活性に対する本発明の化合物の阻害の程度を測定するために、以下の手法を使用した。SHP2は、SHP2のSrc相同2(SH2)ドメインにジ-チロシル-リン酸化ペプチドが結合することによって、アロステリックに活性化された。後者の活性化ステップはSHP2の自己阻害性インターフェース放出をもたらし、その後、基質認識および反応触媒作用のために使用され得るSHP2タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)を活性化する。
【0527】
実験プロセスは以下のように簡潔に記載した:試験化合物を最初にDMSOに溶解して貯蔵溶液を調製した。反応は、384ウェルSmall VolumeTM HiBaseマイクロプレート(Greiner,784075)中で行った。最初に、SHP2(signalchem、P38-20G-10ug)およびSHP-2活性化ペプチド(IRS1_pY1172(dPEG8)pY1222)BPS、79319-1)を、最終濃度がそれぞれ0.5nMおよび0.5uMになるまでウェルに加えた。その後、試験すべき化合物を0.00004~10uMの濃度範囲で加え、25℃で60分間インキュベートした。その後、DiFMUP(Thermo、D6567)を反応物に加え、25℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートリーダー(BMG)を用いて、それぞれ340nmおよび450nmの励起および発光波長で読み取りを行った。コントロール群(0.1% DMSO)の蛍光強度比と比較して、それぞれの濃度における化合物の阻害率パーセンテージを算出し、化合物濃度-阻害率の対数値を用いてGraphPad Prism 5ソフトウェアによる非線形回帰解析を行うことにより、化合物のIC50値を求め、表1に示した。
【0528】
【0529】
結論:表1から、本発明の化合物は、SHP2酵素に対して好ましいアロステリック阻害効果を有することが分かる。
【0530】
備考:SHP-099(WO2015107493に従って調製)の構造は以下のとおりである:
【0531】
【0532】
〔試験例2 NCI-H23細胞増殖の阻害に対する本発明の化合物の測定〕
NCI-H23細胞増殖に対する本発明の化合物の効果を測定するために、以下の手法を用いた。NCI-H23細胞(KRAS G12C突然変異を含む)はCell Resource Center of Shanghai Institutes for Biological Sciences、Chinese Academy of Sciencesから購入し、10%ウシ胎児血清、100Uペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび1mMピルビン酸ナトリウムを含むRPMI 1640培地中で培養した。細胞の活性は、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega、品番:G7573)によって測定した。
【0533】
実験方法はキット指示書のステップに従って操作したが、方法は以下のように簡潔に記載した。試験化合物を最初にDMSOに溶解して、10mMの貯蔵溶液を調製し、その後試験試料として調製した培地に希釈した。試験化合物の最終濃度は10,000nMから1.52nMであった。対数期の細胞を96ウェル細胞培養皿に1ウェルあたり1,000細胞を接種し、37℃の5%CO2インキュベーターで一晩培養した後、試験化合物をインキュベーターに加えて120時間培養を続けた。培養後、50μLのCellTiter-Glo検出溶液を各ウェルに加え、5分間振盪し、その後10分間放置した。その後、発光モードを使用して、マイクロプレートリーダー上のサンプルの各ウェルの発光値を読み取った。コントロール群(0.3% DMSO)の数値と比較して、それぞれの濃度における化合物の阻害率パーセンテージを算出し、化合物濃度-阻害率の対数値を用いてGraphPad Prism 5ソフトウェアによる非線形回帰解析を行うことにより、細胞増殖を阻害する化合物のIC50値を得て、表2に示した。
【0534】
【0535】
表2から、本発明の化合物は、NCI-H23に対して好ましい阻害効果を有することが分かる。
【0536】
備考:RMC-4550(WO2018013597に従って調製した)の構造は以下の通りである:
【0537】
【0538】
〔試験例3 NCI-H358細胞増殖の阻害に対する本発明の化合物の測定〕
NCI-H358細胞増殖に対する本発明の化合物の効果を測定するために、以下の手法を用いた。NCI-H358細胞(KRAS G12C突然変異を含む)はCell Resource Center of Shanghai Institutes for Biological Sciences、Chinese Academy of Sciencesから購入し、10%ウシ胎児血清、100Uペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび1mMピルビン酸ナトリウムを含むRPMI 1640培地中で培養した。細胞の活性は、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega、品番:G7573)によって測定した。
【0539】
実験方法はキット指示書のステップに従って操作したが、方法は以下のように簡潔に記載した。試験化合物を最初にDMSOに溶解して、10mMの貯蔵溶液を調製し、その後試験試料として調製した培地に希釈した。試験化合物の最終濃度は10,000nMから1.52nMであった。対数期の細胞を96ウェル細胞培養皿に1ウェルあたり1,000細胞を接種し、37℃の5%CO2インキュベーターで一晩培養した後、試験化合物をインキュベーターに加えて120時間培養を続けた。培養後、50μLのCellTiter-Glo検出溶液を各ウェルに加え、5分間振盪し、その後10分間放置した。その後、発光モードを使用して、マイクロプレートリーダー上のサンプルの各ウェルの発光値を読み取った。コントロール群(0.3% DMSO)の数値と比較して、それぞれの濃度における化合物の阻害率パーセンテージを算出し、化合物濃度-阻害率の対数値を用いてGraphPad Prism 5ソフトウェアによる非線形回帰解析を行うことにより、細胞増殖を阻害する化合物のIC50値を得て、表3に示した。
【0540】
【0541】
表3から、本発明の化合物がNCI-H358に対して好ましい阻害効果を有することがわかる。
【0542】
〔試験例4 薬物動態学的試験〕
(1.実験目的)
ICRマウスを試験動物として使用し、LC/MS/MS方法を使用して、本発明の化合物5および化合物6を胃内注入により投与したマウスの血漿中における異なる時点での薬剤濃度を測定し、マウスにおける本発明の化合物の薬物動態学的特性を研究した。
【0543】
(2.実験溶液)
2.1 実験薬剤および動物:
化合物5および化合物6
ICRマウス、雄、29.0g~33.8g、Beijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.から購入した。
【0544】
2.2 薬剤の調製
適正量の薬剤を秤量し、適正量のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na、0.5%Tween80を含む)を加え、ボルテックスし、1mg/kg懸濁液中に超音波調製した。
【0545】
2.3 投与
試験された各化合物の胃内投与群(各群9匹)のICRマウスを一晩絶食させ、その後、胃内投与(PO、投与量は1mg/kg、および投与体積は10mL/kg)により投与し、投与4時間後に食餌を与えた。
【0546】
(3.操作)
投与前および投与0.083時間後、0.25時間後、0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後および24時間後に頚静脈から約0.2mLの血液を採取し、抗凝固剤としてヘパリンナトリウムを用いた。採取した血液サンプルを氷上に置き、遠心分離(遠心分離条件:1,500g、10分)により血漿を分離した。採取した血漿サンプルを分析前に-40℃~-20℃で保存した。
【0547】
胃内投与後のマウス血漿中の試験された化合物の含有量を測定するために、LC-MS/MSを使用した。
(4.薬物動態学的パラメータの結果)
本発明の化合物の薬物動態学的パラメータを表4に示した。
【0548】
【0549】
結論:本発明の化合物5および化合物6は高血中濃度および曲線下面積を有し、良好な薬物動態学的特性を有する。
【0550】
〔試験例5 マウスにおける薬物動態学的試験〕
(1.実験目的)
ICRマウスを試験動物として使用し、LC/MS/MS方法を使用して、本発明の化合物27を胃内注入により投与したマウスの血漿中における異なる時点での薬剤濃度を測定し、マウスにおける本発明の化合物の薬物動態学的特性を研究した。
【0551】
(2.実験溶液)
2.1 実験薬剤および動物:
化合物27
ICRマウス、雄、29.0g~33.8g、Beijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.から購入した。
【0552】
2.2 薬剤の調製
適正量の薬剤化合物27を秤量し、適正量のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na、0.5%Tween80を含む)を加え、ボルテックスし、0.5mg/kg懸濁液中に超音波調製した。
【0553】
2.3 投与
試験された各化合物の胃内投与群(各群9匹)のICRマウスを一晩絶食させ、その後、胃内投与(PO、化合物27の投与量は5mg/kg、および化合物27の投与体積は10mL/kg)により投与し、投与4時間後に食餌を与えた。
【0554】
(3.操作)
投与前および投与0.083時間後、0.25時間後、0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、12時間後、および24時間後に頚静脈から約0.2mLの血液を採取し、抗凝固剤としてヘパリンナトリウムを用いた。採取した血液サンプルを氷上に置き、遠心分離(遠心分離条件:1,500g、10分)により血漿を分離した。採取した血漿サンプルを分析前に-40℃~-20℃で保存した。
【0555】
胃内投与後のマウス血漿中の試験すべき化合物の含有量を測定するために、LC-MS/MSを使用した。
【0556】
〔4.薬物動態学的パラメータの結果〕
本発明の化合物の薬物動態学的パラメータを表5に示した。
【0557】
【0558】
結論:本発明の化合物27は高血中濃度および曲線下面積を有し、良好な薬物動態学的特性を有する。
【0559】
〔試験例6 NCI-H358腫瘍担癌BALB/cヌードマウスの皮下移植腫瘍における本発明の化合物の増殖阻害効果の試験〕
(1.実験目的)
NCI-H358細胞株を皮下移植したBALB/cヌードマウスの動物モデルにおいて、実施例27の化合物の抗腫瘍効果および安全性を評価すること
(2.対象の調製)
DMAを加えた溶媒コントロール群:Solutol HS 15:生理食塩水=5:10:85(v/v/v);
おおよその量の実施例27化合物を秤量し、おおよその量のDMA(ジメチルアセトアミド)を加えて化合物を完全に溶解させ、その後、Solutol HS 15および生理食塩水(DMA:Solutol HS 15:生理食塩水=5:10:85(v/v/v))を順に加え、ボルテックスによって均一に混合し、構成濃度は3mg/mLであった。
【0560】
(3.実験動物)
BALB/cヌードマウス、雌、6~7週齢(腫瘍細胞を接種した時のマウスの週齢)、12匹、Jiangsu GemPharmatechから購入した。
【0561】
(4.細胞培養)
NCI-H358細胞を、10%ウシ胎児血清、1%ピルビン酸ナトリウムおよび1%グルタミンを含むRPMI1640培地中で培養した。指数増殖期のNCI-H358細胞を集め、ヌードマウスの皮下腫瘍接種に適した濃度までPBSに再懸濁した。
【0562】
(5.動物のモデル化およびランダムな群分け)
12匹の雌BALB/cヌードマウスの背中の右側に約3×106のNCI-H358細胞を皮下接種した。腫瘍の平均体積が約100mm3から200mm3に達すると、各群の6匹のマウスで腫瘍の大きさに従ってマウスをランダムに分けた。各群の動物は、動物の重量に応じて1日1回(qd)対象を与えられ、以下の表に従って毎日一定の時刻に、10日間連続で経口(po)投与し、毎日の重量を記録した。
【0563】
(6.動物への投与および観察)
腫瘍接種後、通常のモニタリングには、腫瘍の増殖への効果、ならびに動物の正常な行動(具体的には実験動物のモビリティ、摂食および飲水、体重増加または減少、眼、被膜(coat)および他の異常)に対する治療が含まれた。
【0564】
相対腫瘍体積(RTV)、相対腫瘍阻害率(T/C)および腫瘍阻害率(IR)の計算式は以下の通りであった:
(1)TV(腫瘍体積)=1/2×a×b2、ここで、aおよびbは、それぞれ腫瘍の長さおよび幅を表す;
(2)RTV(相対腫瘍体積)=Vt/V0、ここで、V0は群分け投与時に測定された腫瘍体積(つまりd0)、Vtは各測定における腫瘍体積である;
(3)相対腫瘍増殖率T/C(%)=TRTV/CRTV×100%、ここで、TRTVは治療群のRTVであり、CRTVはコントロール群のRTVである;
(4)腫瘍増殖阻害率TGI(%)=(1-T/C)×100%;ここで、TおよびCは、特定の時点における治療群およびコントロール群の相対腫瘍体積である。
【0565】
(7.結果)
【0566】
【0567】
30mg/kgの投与量で、本発明の実施例27の化合物はNCI-H358腫瘍担持BALB/cヌードマウスに対して明らかな増殖阻害効果を有しながらも、体重の明らかな変化はなく、高い安全性を有する。