(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】画像生成装置、画像生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 29/06 20060101AFI20231128BHJP
G01N 29/44 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G01N29/06
G01N29/44
(21)【出願番号】P 2022544958
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2020032124
(87)【国際公開番号】W WO2022044150
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹本 浩
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-214903(JP,A)
【文献】特開2005-156334(JP,A)
【文献】特開2020-123238(JP,A)
【文献】特開2020-077326(JP,A)
【文献】特開2019-197007(JP,A)
【文献】米国特許第10346969(US,B1)
【文献】国際公開第2019/180868(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110879254(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B、G01C,G01D、G01F、G01G、G01H、G01J、G01K、G01L、G01M、G01N、G01P、G01Q、G01R、G01S、G01T、G01V、G01W、A61B
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDream3)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成する画像生成部、
を備え、
前記画像生成部は、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する、
画像生成装置。
【請求項2】
前記画像生成部は、前記背景画像のパターンと前記ラベルとの組み合わせに対応する疑似欠陥を描画する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記画像生成部は、前記ラベルの輝度に対応して、輝度の異なる前記疑似欠陥を描画する、
請求項1または請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
画像生成装置の画像生成部が、欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成するステップ、
を有し、
前記画像生成部が前記疑似欠陥画像を生成するステップでは、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する、
画像生成方法。
【請求項5】
コンピュータに、
欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成するステップを実行させ、
前記疑似欠陥画像を生成するステップでは、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像生成装置、画像生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
検査画像から欠陥を検出(スクリーニング)する場合において、AIの活用が検討されている。ある検査画像から欠陥を正しく検出するためには、AIに対し十分な量の欠陥画像を学習させる必要がある。
また、学習済みのスクリーニングAIによって欠陥が適正に検出されているかどうかを確認するため、人工的な欠陥を挿入した試験片を用いて、検査員とスクリーニングAIとの検出性を比較し、検出精度などを調整する必要がある。
【0003】
上記内容に関連する技術として、特許文献1には、人工欠陥材料及びFRP構造体の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の理由により、スクリーニングAIを開発するために多くの試験片を製作する必要があり、開発費用が増加する。
【0006】
本発明の課題は、検査画像から欠陥を検出するスクリーニングAIを効率よく学習させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、画像生成装置は、欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成する画像生成部、を備え、前記画像生成部は、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、画像生成方法は、欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成するステップ、を有し、前記疑似欠陥画像を生成するステップでは、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、プログラムは、コンピュータに、欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成するステップを実行させ、前記疑似欠陥画像を生成するステップでは、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する。
【発明の効果】
【0010】
上述の画像生成装置、画像生成方法およびプログラムによれば、検査画像から欠陥を検出するスクリーニングAIを効率よく学習させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る画像生成装置の構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る検査の例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る画像生成アルゴリズムの学習方法を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る画像生成アルゴリズムの学習方法を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る画像生成アルゴリズムの学習方法を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る画像生成部の処理フローを示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る画像生成部の処理の詳細を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係る画像生成部の処理の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下、
図1~
図7を参照しながら、第1の実施形態に係る画像生成装置について詳しく説明する。
【0013】
(画像生成装置の構成)
図1は、第1の実施形態に係る画像生成装置の構成を示す図である。
図1に示す、第1の実施形態に係る画像生成装置1は、スクリーニングAIの学習のために必要な欠陥画像を疑似的に生成可能な装置である。
【0014】
本実施形態において、上記スクリーニングAIは、例えば航空機などに用いられる構造体に対する超音波検査画像を入力し、当該検査画像から欠陥を検出するAIである。また、本実施形態に係る画像生成装置1は、上記構造体の正常な部位の超音波検査画像に対し疑似的な欠陥を描画して、超音波検査による疑似欠陥画像を生成する装置である。
【0015】
図1に示すように、画像生成装置1は、CPUである画像生成部10と、メモリ11と、出力機器12と、入力機器13と、記録媒体14とを備えている。
【0016】
画像生成部10は、CPUが予め用意されたプログラムに従って動作することで実現される。画像生成部10の処理内容については後述する。
【0017】
メモリ11は、いわゆる主記憶装置であって、CPU10の動作に必要な記憶領域を提供する。
【0018】
出力機器12は、いわゆる液晶ディスプレイモニタやスピーカ等である。
【0019】
入力機器13は、マウスやキーボード、タッチセンサ等の入力機器である。
【0020】
記録媒体14は、例えばHDDやSSD等の大容量補助記憶装置である。本実施形態においては、事前に学習済みの画像生成アルゴリズムARが記録されている。
画像生成アルゴリズムARは、学習段階において、実際の欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、その欠陥の種類および形状に対応するラベルが付されたラベル画像(後述)とのペアに基づいて学習された画像生成AIである。前述の画像生成部10は、この画像生成アルゴリズムARを用いて、健全箇所の背景画像にラベルが付された画像生成用ラベル画像から、当該ラベルに対応する疑似欠陥を背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成する。
本実施形態においては、画像生成アルゴリズムARは、GAN(Generative Adversarial Network)を利用した画像生成アルゴリズムであるpix2pixであるものとする。pix2pixは、2つのペアとなる画像の関係性を学習することで、一方の画像からペアとなる他方の画像を生成することができる。
なお、他の実施形態においては、画像生成アルゴリズムARは、pix2pixに限られることはなく、同様の機能を有する他のアルゴリズムであってもよい。
【0021】
(構造体に対する検査の例)
図2は、第1の実施形態に係る検査の例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態においては、検査対象となる構造体Xに対し、上下左右の各方向から超音波検査を行い、その検査画像を取得する。超音波検査では、1つの検査方向において、層方向(深さ方向)にも複数種類の画像が取得される。
前述のスクリーニングAIは、このようにして取得されたあらゆる検査画像に対し、適正に(検査員の判断と同レベルに)欠陥を検出することが求められる。
【0022】
(画像生成アルゴリズムの学習方法)
図3~
図5は、第1の実施形態に係る画像生成アルゴリズムの学習方法を示す図である。
図3~
図5を参照しながら、画像生成アルゴリズムARに対する事前の学習方法について詳しく説明する。
【0023】
通常の検査員による検査では、検査対象となる構造体X(
図2)に対応して、人工的に欠陥が形成された試験片(限度見本)が作成される。通常、この試験片には複数種類の欠陥が形成され、ここに形成された各欠陥は、検査員が、構造体Xに対して検出すべき欠陥の見本となる。
【0024】
本実施形態においては、この試験片の検査画像(検出すべき欠陥が写された検査画像)である欠陥画像PDと、この欠陥画像PDに対し欠陥の種類及び形状に対応するラベルを付したラベル画像PLとのペアを用いて画像生成アルゴリズムARを学習する。
【0025】
例えば、
図3に示す例では、試験片における欠陥Dが写された欠陥画像PDに対し、赤色のラベルLrが付されたラベル画像PLが作成される。このラベルLrの色(赤)は、欠陥画像PDに映されている欠陥Dの種類に対応して決定されている。また、ラベルLrの形状(縦長の形状)は、欠陥画像PDに映されている欠陥Dの形状に対応して(同等の形状となるように)決定されている。
学習段階においては、このような欠陥画像PDとラベル画像PLとのペアを多数用意して、その対応関係を学習させる。
【0026】
図4は、欠陥の種類とラベルの色との対応関係の例を示している。
図4に示すように、種類(「内部が黒の欠陥」、「内部が白く縁取られた欠陥」、「境界が不明瞭な欠陥」、「内部がグレーの欠陥」)が異なる欠陥D1~D4ごとに、対応するラベル色(赤、青、黄、緑)が定められている。
【0027】
また、本実施形態においては、画像生成アルゴリズムARの学習段階において、欠陥画像PDの背景パターンも考慮して学習させる。
図5では、ある欠陥D1(ボイド/剥離)、欠陥D2(異物)それぞれの、背景パターン(A、B、C)ごとの写り方を示している。
図5に示すように、同じ種類の欠陥であっても、背景パターンごとに色合いが異なるような写り方をしている。
そこで、本実施形態においては、画像生成アルゴリズムARを学習させる際に、欠陥画像PDとラベル画像PLとのペアを背景パターン(A、B、C)で分類しながら学習させる。このようにすることで、画像生成アルゴリズムARは、あるラベル色(例えば、青)に対応する疑似欠陥(例えば、欠陥D1)を背景画像に描画する際に、その背景画像の背景パターン(A、B、C)にマッチした疑似欠陥を描画することができる。
【0028】
(画像生成部の処理フロー)
図6は、第1の実施形態に係る画像生成部の処理フローを示す図である。
また、
図7、
図8は、第1の実施形態に係る画像生成部の処理の詳細を示す図である。
以下、
図6~
図8を参照しながら、学習済みの画像生成アルゴリズムARを用いた画像生成部10の処理について詳しく説明する。
【0029】
まず、画像生成部10は、画像生成用ラベル画像を取得する(ステップS01)。ここで、画像生成用ラベル画像とは、欠陥のない背景画像に、加工により所望のラベルを付した画像である。
具体例として、
図7に示す画像生成用ラベル画像PIは、欠陥が写されていない背景画像BGに対し、緑色のラベルLg、赤色のラベルLr1、Lr2、黄色のラベルLyが付されて作成されている。
【0030】
図6に戻り、次に、画像作成部10は、ステップS01で取得した画像生成用ラベル画像を画像生成アルゴリズムARに入力する。画像生成アルゴリズムARは、入力された画像生成用ラベル画像を読み取って、その画像内に存在するラベルの色、形状、濃度、背景パターンを取得する(ステップS02)。
【0031】
続いて、画像生成アルゴリズムARは、ラベルの色、形状、濃度、背景パターンに応じた疑似欠陥を描画する(ステップS03)。そして、画像生成部10は、ラベルに応じた疑似欠陥が描画された画像である疑似欠陥画像を出力する(ステップS04)。
【0032】
図7に示す疑似欠陥画像PFでは、画像生成用ラベル画像PIのラベルLgのラベル色(緑)に対応して、「内部がグレーの欠陥」である疑似欠陥Fgが描画されている。また、疑似欠陥画像PFでは、画像生成用ラベル画像PIのラベルLr1、Lr2のラベル色(赤)に対応して、「内部が黒の欠陥」である疑似欠陥Fr1、Fr2が描画されている。更に、疑似欠陥画像PFでは、画像生成用ラベル画像PIのラベルLyのラベル色(黄)に対応して、「境界が不明瞭な欠陥」である疑似欠陥Fyが描画されている。
また、疑似欠陥画像PFでは、その背景画像BGの背景パターンにマッチする色合いの疑似欠陥が描画されている。
【0033】
次に、
図8を参照しながら、ラベルの輝度に応じて、異なる輝度の疑似欠陥を描画する機能について説明する。
本実施形態に係る画像生成アルゴリズムARは、画像生成用ラベル画像PIに付されたラベルの輝度に応じた輝度の疑似欠陥を描画する。具体的には、
図8に示すように、ラベルの輝度を10%~100%に変化させた場合、そのラベルに応じて描画される疑似欠陥の輝度も10%~100%の範囲で調整される。これにより、画像生成用ラベル画像に付したラベル色の輝度により、疑似欠陥画像PFに描画される疑似欠陥の輝度をコントロールすることができる。つまり、ユーザーは、ラベルのRGB値により、任意の疑似欠陥を生成することができる。
【0034】
(作用・効果)
以上の通り、第1の実施形態に係る画像生成装置1(画像生成部10)は、画像生成用ラベル画像PIに付されたラベルの色(例えば、「赤」、「青」、「黄」、「緑」)に対応する種類(例えば、「内部が黒の欠陥」、「内部が白く縁取られた欠陥」、「境界が不明瞭な欠陥」、「内部がグレーの欠陥」)の疑似欠陥を描画する。
このようにすることで、ユーザーがラベル色を選択してラベルを付すだけで、所望する種類の疑似欠陥が描画された疑似欠陥画像を生成させることができる。
したがって、多数の試験片を要することなく、複数種類の疑似欠陥画像を用することができるので、スクリーニングAIを効率よく学習させることができる。
【0035】
また、第1の実施形態に係る画像生成装置1(画像生成部10)は、画像生成用ラベル画像PIにおける背景画像のパターン(A、B、C)とラベルとの組み合わせに対応する疑似欠陥を描画する。
このようにすることで、背景パターンごとに、背景画像にマッチした疑似欠陥を描画することができる。
【0036】
また、第1の実施形態に係る画像生成装置1(画像生成部10)は、画像生成用ラベル画像PIに付したラベルの輝度に対応して、輝度の異なる疑似欠陥を描画する。
このようにすることで、RGB値の調整により、描画される疑似欠陥の輝度を所望にコントロールすることができる。
【0037】
なお、第1の実施形態(及び変形例)においては、上述した画像生成装置1の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0038】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0039】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0040】
<付記>
各実施形態に記載の画像生成装置1、画像生成方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0041】
(1)第1の態様に係る画像生成装置(1)は、欠陥が写された検査画像である欠陥画像(PD)と、当該欠陥画像(PD)に欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像(PL)とに基づいて学習された画像生成アルゴリズム(AR)を用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像(PI)を入力し、画像生成用ラベル画像(PI)に付されたラベルに対応する疑似欠陥を背景画像に描画して疑似欠陥画像(PF)を生成する画像生成部(10)、を備え、画像生成部(10)は、ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する。
【0042】
(2)第2の態様に係る画像生成装置(1)において、画像生成部(10)は、背景画像のパターンとラベルとの組み合わせに対応する疑似欠陥を描画する。
【0043】
(3)第3の態様に係る画像生成装置(1)において、画像生成部(10)は、ラベルの輝度に対応して、輝度の異なる疑似欠陥を描画する。
【0044】
(4)第4の態様に係る画像生成方法は、欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成するステップ、を有し、前記疑似欠陥画像を生成するステップでは、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する。
【0045】
(5)第5の態様に係るプログラムは、コンピュータに、欠陥が写された検査画像である欠陥画像と、当該欠陥画像に前記欠陥の種類及び形状に対応するラベルが付されたラベル画像とに基づいて学習された画像生成アルゴリズムを用いて、背景画像に所望のラベルを付して作成された画像生成用ラベル画像を入力し、前記画像生成用ラベル画像に付されたラベルに対応する疑似欠陥を前記背景画像に描画して疑似欠陥画像を生成するステップを実行させ、前記疑似欠陥画像を生成するステップでは、前記ラベルの色に対応する種類の疑似欠陥を描画する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述の画像生成装置、画像生成方法およびプログラムによれば、検査画像から欠陥を検出するスクリーニングAIを効率よく学習させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 画像生成装置
10 画像生成部
11 メモリ
12 出力機器
13 入力機器
14 記録媒体
AR 画像生成アルゴリズム