(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20231128BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20231128BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2023033890
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2019063383の分割
【原出願日】2019-03-28
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-020464(JP,A)
【文献】特開2018-189816(JP,A)
【文献】特開2011-215350(JP,A)
【文献】特開2009-092727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00-5/08
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学モジュールを備える可動体と、
固定体と、
前記可動体を前記固定体に対して移動可能に支持する支持機構と、
前記支持機構を介して前記可動体と前記固定体の間で前記可動体を支持するジンバルフレーム部を有するジンバル機構と、を備え、
前記ジンバルフレーム部は、光軸方向と交差する第1方向の両端部から前記光軸方向に沿って延設される2つの第1支持部用延設部と、前記光軸方向及び前記第1方向と交差する第2方向の両端部から前記光軸方向に沿って延設される2つの第2支持部用延設部と、を有し、
前記支持機構は、前記固定体に固定され前記2つの第1支持部用延設部を支持する2つの第1支持部と、前記可動体に固定され前記2つの第2支持部用延設部を支持する2つの第2支持部と、を有し、
前記2つの第1支持部用延設部のそれぞれには内側に向かってへこむ球凹面が形成されるとともに、前記2つの第1支持部のそれぞれには前記内側に向かって突出する球凸面が形成され、前記第1支持部用延設部の前記球凹面は、前記第1支持部の前記球凸面と嵌合することにより支持され、
前記2つの第2支持部用延設部のそれぞれには内側に向かってへこむ球凹面が形成されるとともに、前記2つの第2支持部のそれぞれには前記内側に向かって突出する球凸面が形成され、前記第2支持部用延設部の前記球凹面は、前記第2支持部の前記球凸面と嵌合することにより支持されていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
前記2つの第1支持部用延設部のそれぞれに形成された前記球凹面は、前記第1方向に沿って前記2つの第1支持部のそれぞれに形成された前記球凸面に対して各々外側に押圧力を付与し、
前記2つの第2支持部用延設部のそれぞれに形成された前記球凹面は、前記第2方向に沿って前記2つの第2支持部のそれぞれに形成された前記球凸面に対して各々外側に押圧力を付与することを特徴とする光学ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の光学ユニットにおいて、
前記ジンバルフレーム部には、金属製平板材料を折り曲げることによって前記2つの第1支持部用延設部および前記2つの第2支持部用延設部が形成されており、
前記ジンバルフレーム部の四方のコーナー部から光軸方向に折り曲げ形成することにより、第1支持部用延設部及び第2支持部用延設部は、それぞれ外側への押圧力を付与することを特徴とする光学ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
第1支持部用延設部の前記球凹面は、前記第1支持部用延設部の先端部に設けられており、
前記第1支持部は、第1支持部用延設部の前記球凹面からの与圧を受ける前記球凸面が設けられた側板部を有する第1スラスト受け部材であり、
第2支持部用延設部の前記球凹面は、前記第2支持部用延設部の先端部に設けられており、
前記第2支持部は、第2支持部用延設部の前記球凹面からの与圧を受ける前記球凸面が設けられた側板部を有する第2スラスト受け部材であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の光学ユニットにおいて、
前記第1スラスト受け部材と前記第2スラスト受け部材のそれぞれの前記側板部は金属製の板状部であり、該板状部に金属製の球体を溶接して前記球凸面を形成することを特徴とする光学ユニット。
【請求項6】
請求項4に記載の光学ユニットにおいて、
前記第1スラスト受け部材は、前記第1支持部用延設部に向けて突出する第1突出部を有する一方、前記第1支持部用延設部は、前記第1突出部の突出を許容するとともに前記第1支持部に対して前記第1支持部用延設部が前記光軸方向に沿って移動した場合に前記第1突出部と当接する第1当接部を有し、
前記第2スラスト受け部材は、前記第2支持部用延設部に向けて突出する第2突出部を有する一方、前記第2支持部用延設部は、前記第2突出部の突出を許容するとともに前記第2支持部に対して前記第2支持部用延設部が前記光軸方向に沿って移動した場合に前記第2突出部と当接する第2当接部を有することを特徴とする光学ユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
前記第1支持部と前記第1支持部用延設部とは、前記第1支持部用延設部の前記光軸方向における移動を規制する第1規制機構を備え、
前記第2支持部と前記第2支持部用延設部とは、前記第2支持部用延設部の前記光軸方向における移動を規制する第2規制機構を備えていることを特徴とする光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、可動体と、固定体と、可動体を固定体に対して移動可能に支持する支持機構と、支持機構を介して可動体と固定体の間で可動体を支持するジンバルフレーム部を有するジンバル機構と、を備える様々な光学ユニットが使用されている。例えば、特許文献1には、可動体と、固定体と、可動枠を有するジンバル機構と、支持機構としての第1接点用バネ及び第2接点用バネと、を備える光学ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の光学ユニットのような、従来の、可動体と固定体と支持機構とジンバル機構とを備える光学ユニットにおいては、ジンバル機構におけるジンバルフレーム部が外れる場合がある。そこで、本発明は、ジンバルフレーム部が外れることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光学ユニットは、光学モジュールを備える可動体と、固定体と、前記可動体を前記固定体に対して移動可能に支持する支持機構と、前記支持機構を介して前記可動体と前記固定体の間で前記可動体を支持するジンバルフレーム部を有するジンバル機構と、を備え、前記ジンバルフレーム部は、光軸方向に沿って延設される第1支持部用延設部と、前記光軸方向に沿って延設される第2支持部用延設部と、を有し、前記支持機構は、前記固定体に固定され前記第1支持部用延設部を支持する第1支持部と、前記可動体に固定され前記第2支持部用延設部を支持する第2支持部と、を有し、前記第1支持部用延設部は、前記第1支持部に対して、球凸面と球凹面とが嵌合することにより支持され、前記第2支持部用延設部は、前記第2支持部に対して、球凸面と球凹面とが嵌合することにより支持され、前記第1支持部用延設部と前記第1支持部との前記光軸方向における移動を規制する第1規制機構と、前記第2支持部用延設部と前記第2支持部との前記光軸方向における移動を規制する第2規制機構と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本態様によれば、第1支持部用延設部と第1支持部との光軸方向における移動を規制する第1規制機構と、第2支持部用延設部と第2支持部との光軸方向における移動を規制する第2規制機構と、を備える。このため、光軸方向にジンバルフレーム部が外れることを効果的に抑制できる。また、第1支持部用延設部は、第1支持部に対して、球凸面と球凹面とが嵌合することにより支持され、第2支持部用延設部は、第2支持部に対して、球凸面と球凹面とが嵌合することにより支持されている。すなわち球面同士を接触させることで、光軸方向以外の方向においてもジンバルフレーム部が外れることを抑制可能である。
【0007】
本発明の光学ユニットにおいては、前記第1支持部用延設部を2つ有し、各々の前記第1支持部用延設部は、前記光軸方向と交差する第1方向に沿って各々反対方向に押圧力を付与し、前記第2支持部用延設部を2つ有し、各々の前記第2支持部用延設部は、前記光軸方向及び前記第1方向とともに交差する第2方向に沿って各々反対方向に押圧力を付与することが好ましい。第1支持部用延設部の各々及び第2支持部用延設部の各々が反対方向に押圧する構成となっていることで、支点の位置のぶれの抑制や光軸方向と交差する方向においてジンバルフレーム部が外れることを効果的に抑制できるためである。
【0008】
本発明の光学ユニットは、前記第1支持部用延設部に球凹面が形成されるとともに前記第1支持部に球凸面が形成され、前記第2支持部用延設部に球凹面が形成されるとともに前記第2支持部に球凸面が形成されることが好ましい。第1支持部用延設部及び第2支持部用延設部に球凹面が形成され、第1支持部及び第2支持部に球凸面が形成される構成とすることで、該光学ユニットの製造を容易にできるためである。
【0009】
本発明の光学ユニットにおいては、前記第1規制機構は、前記第1支持部に設けられ、前記第1支持部用延設部に向けて突出する第1突出部と、前記第1支持部用延設部に設けられ、前記第1突出部の突出を許容するとともに前記第1支持部に対して前記第1支持部用延設部が前記光軸方向に沿って移動した場合に前記第1突出部と当接する第1当接部と、を有し、前記第2規制機構は、前記第2支持部に設けられ、前記第2支持部用延設部に向けて突出する第2突出部と、前記第2支持部用延設部に設けられ、前記第2突出部の突出を許容するとともに前記第2支持部に対して前記第2支持部用延設部が前記光軸方向に沿って移動した場合に前記第2突出部と当接する第2当接部と、を有することが好ましい。第1支持部及び第2支持部に突出部を設け、第1支持部用延設部及び第2支持部用延設部に該突出部と当接する当接部を設ける構成とすることで、該光学ユニットの製造を容易にできるためである。
【0010】
本発明の光学ユニットにおいては、前記第1支持部は、前記第1支持部用延設部を挟むように前記第1突出部を複数有し、前記第2支持部は、前記第2支持部用延設部を挟むように前記第2突出部を複数有することが好ましい。第1突出部で第1支持部用延設部を挟み、第2突出部で第2支持部用延設部を挟むことで、ジンバルフレーム部を複数の突出部の間で両方向から囲むことができ、光軸方向と交差する方向においてジンバルフレーム部が外れることを効果的に抑制できるためである。
【0011】
本発明の光学ユニットにおいては、前記第1支持部用延設部は、前記第1突出部の突出を許容する第1孔部を有し、前記第2支持部用延設部は、前記第2突出部の突出を許容する第2孔部を有することが好ましい。第1支持部用延設部及び第2支持部用延設部を両側から突出部で挟む構成に比べて、第1支持部用延設部及び第2支持部用延設部を細く形成でき、装置を小型化できるためである。
【0012】
本発明の光学ユニットにおいては、前記第1支持部は、L字形状であり、前記第2支持部は、L字形状であることが好ましい。第1支持部及び第2支持部をL字形状とすることで、第1支持部及び第2支持部がジンバルフレーム部を押し込む方向における規制部の役割をすることができ、ジンバルフレーム部が外れることを効果的に抑制できるためである。また、第1支持部及び第2支持部をL字形状とすることで、固定体及び可動体に対する接触面積を大きくでき、固定体及び可動体に対する固定強度を高くできるためである。
【0013】
本発明の光学ユニットにおいては、前記固定体は前記第1支持部の挿し込み経路を有するとともに、前記第1支持部は該第1支持部の前記挿し込み経路の幅に対応する幅となるよう折り曲げられた折り曲げ部を有し、前記可動体は前記第2支持部の挿し込み経路を有するとともに、前記第2支持部は該第2支持部の前記挿し込み経路の幅に対応する幅となるよう折り曲げられた折り曲げ部を有することが好ましい。固定体に対する第1支持部の位置決め精度及び可動体に対する第2支持部の位置決め精度を高くすることができるためである。
【0014】
本発明の光学ユニットにおいては、前記第1支持部用延設部及び前記第1支持部のうち、球凸面を備える側は金属で構成され、前記第2支持部用延設部及び前記第2支持部のうち、球凸面を備える側は金属で構成されることが好ましい。球凸面を備える側を金属で構成することで、球凸面を備える構成を溶接により簡単かつ高い強度で形成できるためである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光学ユニットは、ジンバルフレーム部が外れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例1に係る光学ユニットの平面図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る光学ユニットの斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る光学ユニットの分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の斜視図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る光学ユニットのジンバルフレーム部の斜視図である。
【
図6】本発明の実施例1に係る光学ユニットの支持機構の斜視図である。
【
図7】本発明の実施例1に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部及びその周辺を表す側面断面図である。
【
図8】本発明の実施例1に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部及びその周辺を表す斜視図であり、ジンバルフレーム部が挿入方向に規制されている状態を表す図である。
【
図9】本発明の実施例1に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部及びその周辺を表す斜視図であり、ジンバルフレーム部が挿入方向とは反対方向に規制されている状態を表す図である。
【
図10】本発明の実施例1に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部を表す側面断面図である。
【
図11】本発明の実施例2に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部を表す側面断面図である。
【
図12】本発明の実施例3に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部を表す側面断面図である。
【
図13】本発明の実施例4に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部を表す側面断面図である。
【
図14】本発明の実施例5に係る光学ユニットのジンバルフレーム部及び支持機構の一部を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
【0018】
[実施例1](
図1から
図10)
最初に、本発明の実施例1に係る光学ユニットについて
図1から
図10を用いて説明する。なお、
図2において、符号Lが付された一点鎖線は光軸を示し、符号L1が付された一点鎖線は光軸と交差する第1軸線を示し、符号L2が付された一点鎖線は光軸L及び第1軸線L1と交差する第2軸線L2を示している。また、各図において、Z軸方向は光軸方向であり、X軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとヨーイングの軸方向であり、Y軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとピッチングの軸方向である。
【0019】
<光学ユニットの全体構成の概略>
図1から
図3を参照して、本実施例に係る光学ユニット10の構成について説明する。光学ユニット10は、光学モジュール12を備える可動体14と、Y軸方向を回転軸とする方向(ピッチング方向)及びX軸方向を回転軸とする方向(ヨーイング方向)に変位可能な状態で可動体14を保持する固定体16と、を備えている。また、可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に駆動する回転駆動機構18と、固定体16に対して可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に回転可能に支持する支持機構20(スラスト受け部材)とを備えている。さらに、光学ユニット10は、ジンバルフレーム部25を有するジンバル機構21を備えており、ジンバルフレーム部25は、第1軸線L1の両端部から光軸方向に沿って延設される第1支持部用延設部27aと、第2軸線L2の両端部から光軸方向に沿って延設される第2支持部用延設部27bと、を有している。
【0020】
<光学モジュール>
本実施例において、光学モジュール12は略矩形筐体状に形成されており、例えばカメラ付携帯電話機やタブレット型PC等に搭載される薄型カメラ等として用いられる。光学モジュール12は、被写体側にレンズ12aを備え、矩形筐体状のハウジング12bの内部に撮像を行うための光学機器等が内蔵されている。本実施例における光学ユニット10は、一例として、光学モジュール12に生じたピッチングの振れ(Y軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)及びヨーイングの振れ(X軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)の補正を行うアクチュエーターを内蔵し、ピッチングの振れの補正及びヨーイングの振れの補正が可能な構成となっている。
【0021】
なお、本実施例において、光学ユニット10は、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れの補正が可能な構成としたが、この構成に限定はされず、例えば、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れのいずれか一方のみの補正が可能な構成でもよい。
【0022】
<撮像素子>
図3で表されるように、光学モジュール12は、被写体側とは反対側に撮像素子50を備えている。そして、撮像素子50には、第1フレキシブル配線基板51aが接続されている。ここで、本実施例の撮像素子50は、不図示の接続部を有し、該接続部に第1フレキシブル配線基板51aが接続されている。
【0023】
<可動体>
図1から
図3において、可動体14は、光学モジュール12と、ホルダ枠22と、磁石24A及び24Bとを備えている。ホルダ枠22は、光学モジュール12のレンズ12aが設けられる前面(被写体側の面)と、反対側の後面を除く、残りの4面を取り囲むように設けられる矩形枠状の部材として構成されている。本実施例のホルダ枠22は、一例として光学モジュール12を着脱可能に構成されている。ホルダ枠22において固定体16と対向する2面を利用して、ピッチング及びヨーイングの補正用の磁石24A及び24Bがこれらの外面に取り付けられている。なお、
図3においては、磁石24A及び24Bの設けられる位置が分かり易いようにホルダ枠22とは離れた位置にある状態で磁石24A及び24Bを表しているが、磁石24A及び24Bはホルダ枠22に取り付けられている。
【0024】
<固定体>
図1から
図3において、固定体16は、固定枠28と、コイル32A及び32Bと、を備えている。本実施例において、固定枠28は、可動体14を被写体側で囲う第1前面カバー部28aと、ホルダ枠22の4面を囲う側面カバー部28bと、被写体側に設けられ第1フレキシブル配線基板51aを載置する第2前面カバー部28cと、被写体側とは反対側を覆う後面カバー部28dと、から構成されている。なお、
図3においては、コイル32A及び32Bの磁石24A及び24Bに対する位置が分かり易いように側面カバー部28bとは離れた位置にある状態でコイル32A及び32Bを表しているが、コイル32A及び32Bは側面カバー部28bに取り付けられている。
【0025】
図3で表されるように、本実施例において可動体14が固定体16内に配置された状態において、磁石24Aとコイル32A、磁石24Bとコイル32B、は対向状態となる。また、本実施例において、磁石24Aとコイル32Aとの対、磁石24Bとコイル32Bとの対は、回転駆動機構18を構成している。回転駆動機構18により、可動体14のピッチング及びヨーイングの補正が行われる。なお、本実施例において、コイル32A及びコイル32Bは一例として巻線コイルとして構成されているが、コイルをパターンとして基板配線内に取り込んだパターン基板(コイル基板)としてもよい。
【0026】
また、ピッチング及びヨーイングの補正は以下のように行われる。光学ユニット10にピッチング方向とヨーイング方向の両方向又はいずれか一方向の振れが発生すると、不図示の振れ検出センサ(ジャイロスコープ)によって振れを検出し、その結果に基づいて回転駆動機構18を駆動させる。その後、磁気センサー(ホール素子)などを用いて、光学ユニット10の振れを精度よく回転駆動機構18がその振れを補正するように作用する。即ち、光学ユニット10の振れを打ち消す方向に可動体14を動かすように各コイル32A及び32Bに電流が流され、これにより振れが補正される。
【0027】
本実施例の光学ユニット10においては、可動体14を固定体16に対して、第1軸線L1と第2軸線L2を回転軸として、回転させる回転駆動機構18を備えている。第1軸線L1と第2軸線L2での回転の複合によりピッチングの軸方向及びヨーイングの軸方向に回転する。ここで、回転駆動機構18は、本実施例のように、可動体14に対してX軸方向のうちの第1フレキシブル配線基板51aが配置されている側以外の位置に配置されていることが好ましい。回転駆動機構18を第1フレキシブル配線基板51aが形成されていない側に配置できるので、回転駆動機構18や該回転駆動機構18に接続される第2フレキシブル配線基板51bと、第1フレキシブル配線基板51aと、の接触を抑制できるためである。したがって、このような構成とすることで、光学ユニット10を大きくする必要が無くなり、光学ユニット10を小型化できる。なお、本明細書における「回転」とは、360°回転することを要せず、回転方向に揺動する場合を含む意味である。
【0028】
なお、振れを補正する動作のための駆動源としては、回転駆動機構18のようなコイル32A及び32Bと、磁石24A及び24Bと、の各対により構成されるボイスコイルモーターに限定されない。他の駆動源としてステッピングモーターやピエゾ素子等を利用したものを使用することも可能である。
【0029】
次に、
図4から
図10を参照して、本実施例の光学ユニット10の要部である支持機構20及びジンバル機構21について詳細に説明する。なお、本実施例の光学ユニット10の
図7から
図10、並びに、後述する実施例2から実施例5の光学ユニット10の
図11から
図14においては、第1スラスト受け部材20aによる第1支持部用延設部27aの支持構成を表しているが、第2スラスト受け部材20bによる第2支持部用延設部27bの支持構成も同様の構成である。
【0030】
<ジンバル機構>
ジンバル機構21は、金属製平板材料を折り曲げることによって形成されるバネ性を兼ね備えた機構である。具体的には、
図4及び
図5で表されるように、本実施例のジンバル機構21は、ジンバルフレーム部25を有し、ジンバルフレーム部25の四方のコーナー部から被写体側とは反対側に光軸方向に90°折り曲げられて形成される、2つの第1支持部用延設部27aと、2つの第2支持部用延設部27bと、を備えることによって構成されている。別の表現をすると、本実施例のジンバルフレーム部25は、光軸方向に沿って延設される2つの第1支持部用延設部27aと、光軸方向に沿って延設される2つの第2支持部用延設部27bと、を有している。なお、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bについては、必ずしもその全部が板状でなくてもよく、その一部のみを板状に形成してバネ性を発揮させるようにしてもよい。本実施例のジンバル機構21は、このような構成となっていることで、外側方向O(
図4)に向けて与圧を与えることが可能な構成となっている。
【0031】
<支持機構>
支持機構20は、可動体14を固定体16に対して、第1軸線L1と第2軸線L2を回転軸として、回動可能に支持する。
図4で表されるように、支持機構20としては、第1支持部用延設部27aを支持する2つの第1スラスト受け部材20aと、第2支持部用延設部27bを支持する2つの第2スラスト受け部材20bと、を有している。そして、第1スラスト受け部材20aは固定体16の側面カバー部28bにおける矩形枠状部分の4隅のうちの対向する2か所に配置され、第2スラスト受け部材20bは矩形枠状の可動体14のホルダ枠22の4隅にうちの対向する2か所に配置される。すなわち、第1スラスト受け部材20aは固定体16に固定され、第2スラスト受け部材20bは可動体14に固定される。なお、側面カバー部28bにおける矩形枠状部分と矩形枠状の可動体14とは4隅の位置が揃うように配置され、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは該4隅に1つずつ配置される。
【0032】
<支持機構によるジンバル機構の支持構成>
図7及び
図10などで表されるように、第1支持部用延設部27aには球凹面B1が設けられ、第1スラスト受け部材20aには球凸面B2が設けられ、球凹面B1と球凸面B2とが当接することにより第1支持部用延設部27aは第1スラスト受け部材20aに支持されている。なお、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bとは同様の構成であり第1スラスト受け部材20aと第2スラスト受け部材20bとは同様の構成であるので、第2支持部用延設部27bには球凹面B1が設けられ、第2スラスト受け部材20bには球凸面B2が設けられ、球凹面B1と球凸面B2とが当接することにより第2支持部用延設部27bは第2スラスト受け部材20bに支持されている。そして、2つの第1支持部用延設部27aの各々及び2つの第2支持部用延設部27bの各々は、外側方向Oに向けて与圧がかかる構成となっているので、該与圧により、各球凹面B1は対応する各々の球凸面B2に対して押圧し、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bは、対応する第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに支持される。
【0033】
また、
図8及び
図9などで表されるように、第1スラスト受け部材20aには第1支持部用延設部27aに向けて突出する2つの第1突出部201が形成されている。そして、
図9で表されるように、第1支持部用延設部27aには、第1突出部201の突出を許容するとともに第1スラスト受け部材20aに対して第1支持部用延設部27aが光軸方向に沿って移動した場合に第1突出部201と当接する第1当接部271が形成されている。なお、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bとは同様の構成であり第1スラスト受け部材20aと第2スラスト受け部材20bとは同様の構成であるので、第2スラスト受け部材20bには第2支持部用延設部27bに向けて突出する2つの第2突出部202が形成されている。そして、
図9で表されるように、第2支持部用延設部27bには、第2突出部202の突出を許容するとともに第2スラスト受け部材20bに対して第2支持部用延設部27bが光軸方向に沿って被写体側に移動した場合に第2突出部202と当接する第2当接部272が形成されている。別の表現をすると、本実施例の光学ユニット10は、第1支持部用延設部27aと第1スラスト受け部材20aとの光軸方向における移動を規制する第1規制機構127と、第2支持部用延設部27bと第2スラスト受け部材20bとの光軸方向における移動を規制する第2規制機構227と、を備えている。
【0034】
また、
図6から
図10で表されるように、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは、略L字形状をしている。別の表現をすると、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bからの与圧を受ける側板部211と、
図8で表されるように第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bの先端220に対する当接部となる床板部210と、を有している。床板部210は、
図8で表されるように、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに対して第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bが光軸方向に沿って被写体側とは反対側に移動した場合に、先端220が当接して第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bの移動を規制する役割をしている。第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは、固定体16の挿し込み経路162にL字形状に形成された溝161及び可動体14の挿し込み経路142にL字形状に形成された溝141に接着剤を配置させ、側板部211及び床板部210の両方を接着することで、固定体16及び可動体14に強固に固定されている。
【0035】
ここで、上記のように本実施例の第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bはL字形状であるが、床板部210を有さない構成としてもよい。床板部210を有さなくても、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに対して第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bが光軸方向に沿って被写体側とは反対側に移動した場合に、第1突出部201及び第2突出部202と第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bの壁部230(
図8及び
図9参照)とが当接し、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bの移動を規制することができるためである。
【0036】
上記のように、支持機構20を介して可動体14と固定体16とに支持されるジンバルフレーム部25は、光軸方向に沿って延設される2つの第1支持部用延設部27aと、光軸方向に沿って延設される2つの第2支持部用延設部27bと、を有している。そして、支持機構20は、固定体16に固定され第1支持部用延設部27aを支持する2つの第1支持部としての第1スラスト受け部材20aと、可動体14に固定され第2支持部用延設部27bを支持する第2支持部としての第2スラスト受け部材20bと、を有している。
そして、第1突出部201及び第1当接部271と、第1スラスト受け部材20aの床板部210及び第1支持部用延設部27aの先端220とで、第1支持部用延設部27aと第1スラスト受け部材20aとの光軸方向における移動を規制する第1規制機構127を形成している。同様に、第2突出部202及び第2当接部272と、第2スラスト受け部材20bの床板部210及び第2支持部用延設部27bの先端220とで、第2支持部用延設部27bと第2スラスト受け部材20bとの光軸方向における移動を規制する第2規制機構227を形成している。このため、本実施例の光学ユニット10は、光軸方向にジンバルフレーム部25が外れることを効果的に抑制できる。
また、2つの第1支持部用延設部27aは、何れも、第1スラスト受け部材20aに対して、球凸面B2と球凹面B1とが当接することにより支持され、同様に、2つの第2支持部用延設部27bは、何れも、第2スラスト受け部材20bに対して、球凸面B2と球凹面B1とが嵌合することにより支持されている。このように球面同士を接触させることで、本実施例の光学ユニット10は、光軸方向以外の方向においてもジンバルフレーム部25が外れることを抑制している。
【0037】
また、上記のように、2つの第1支持部用延設部27aの各々は、外側方向O(別の表現をすると、光軸方向と交差する第1方向である第1軸線L1に沿って各々反対方向)に押圧力を付与し、2つの第2支持部用延設部27bの各々も、外側方向O(別の表現をすると、光軸方向及び第1方向とともに交差する第2方向である第2軸線L2に沿って各々反対方向)に押圧力を付与する。このように、第1支持部用延設部27aの各々及び第2支持部用延設部27bの各々が反対方向に押圧する構成となっていることで、支点の位置のぶれの抑制や光軸方向と交差する何れの方向に力が加わっても反発力が生じるとともに球凸面B2と球凹面B1とが確りと当接され、本実施例の光学ユニット10は、光軸方向と交差する方向においてジンバルフレーム部25が外れることを効果的に抑制している。
【0038】
また、上記のように、本実施例の光学ユニット10においては、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは、共にL字形状をしている。このため、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは、ジンバルフレーム部25を押し込む方向における規制部の役割をしており、ジンバルフレーム部25が外れることを効果的に抑制している。また、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bをL字形状とすることで、固定体16及び可動体14に対する接触面積を大きくしており、固定体16及び可動体14に対する固定強度を高くしている。
【0039】
また、
図8及び
図9で表されるように、本実施例の光学ユニット10においては、固定体16は第1スラスト受け部材20aの挿し込み経路162を有するとともに、第1スラスト受け部材20aは該第1スラスト受け部材20aの挿し込み経路162の幅に対応する幅となるよう折り曲げられた折り曲げ部201aを有している。また、可動体14は第2スラスト受け部材20bの挿し込み経路142を有するとともに、第2スラスト受け部材20bは該第2スラスト受け部材20bの挿し込み経路142の幅に対応する幅となるよう折り曲げられた折り曲げ部202aを有している。本実施例の光学ユニット10は、このような構成としていることで、固定体16に対する第1スラスト受け部材20aの位置決め精度及び可動体14に対する第2スラスト受け部材20bの位置決め精度を高くしている。
【0040】
なお、本実施例の光学ユニット10においては、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bは金属で構成され、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは金属または樹脂で構成されている。このように、第1支持部用延設部27a及び第1スラスト受け部材20aのうち、球凸面B2を備える側は金属で構成され、第2支持部用延設部27b及び第2スラスト受け部材20bのうち、球凸面B2を備える側は金属で構成されることが好ましい。球凸面B2を備える側を金属で構成することで、例えば金属製の球体を金属製の板状部に溶接するなどして、球凸面B2を備える構成を簡単かつ高い強度で形成できるためである。なお、球凹面B1を備える構成も金属で形成してもよいが、球凹面B1を備える構成を樹脂で形成することで、最適な球凹面B1を簡単に形成できるとともに球凸面B2に対する摺動性、すなわち、可動体14の可動性を向上できる。ただし、球凸面B2を備える側を金属で形成することに限定されず、球凹面B1を備える側を樹脂で形成することに限定されない。
【0041】
ここで、
図8及び
図9で表されるように、本実施例の光学ユニット10においては、第1スラスト受け部材20aは、第1支持部用延設部27aを挟むように第1突出部201を複数有し、第2スラスト受け部材20bは、第2支持部用延設部27bを挟むように第2突出部202を複数有する構成となっている。第1突出部201で第1支持部用延設部27aを挟み、第2突出部202で第2支持部用延設部27bを挟むことで、ジンバルフレーム部25を複数の突出部の間で両方向から囲むことができ、光軸方向と交差する方向においてジンバルフレーム部25が外れることを効果的に抑制できる。
【0042】
また、本実施例の光学ユニット10においては、第1支持部用延設部27aに球凹面B1が形成されるとともに第1スラスト受け部材20aに球凸面B2が形成され、第2支持部用延設部27bに球凹面B1が形成されるとともに第2スラスト受け部材20bに球凸面B2が形成されている。このような構成とすることで、光学ユニット10の製造を容易化できる。
【0043】
[実施例2](
図11)
次に、実施例2の光学ユニット10について
図11を用いて説明する。
図11は、実施例2の光学ユニット10のジンバルフレーム部25及び支持機構20の一部を表す側面断面図であり、実施例1の光学ユニット10における
図10に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、支持機構20によるジンバル機構21の支持構成以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
【0044】
実施例1の光学ユニット10においては、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに球凹面B1が形成され、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに球凸面B2が形成されていた。一方、本実施例の光学ユニット10においては、
図11で表されるように、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに球凸面B2が形成され、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに球凹面B1が形成されている。
【0045】
また、実施例1の光学ユニット10及び本実施例の光学ユニット10は共に、第1スラスト受け部材20aに設けられ、第1支持部用延設部27aに向けて突出する第1突出部201と、第1支持部用延設部27aに設けられ、第1突出部201の突出を許容するとともに第1スラスト受け部材20aに対して第1支持部用延設部27aが光軸方向に沿って移動した場合に第1突出部201と当接する第1当接部271と、を有する第1規制機構127を備えている。また、第2スラスト受け部材20bに設けられ、第2支持部用延設部27bに向けて突出する第2突出部202と、第2支持部用延設部27bに設けられ、第2突出部202の突出を許容するとともに第2スラスト受け部材20bに対して第2支持部用延設部27bが光軸方向に沿って移動した場合に第2突出部202と当接する第2当接部272と、を有する第2規制機構227を備えている。このように、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに突出部を設け、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに該突出部と当接する当接部を設ける構成とすることで、光学ユニット10の製造が容易化する。
【0046】
[実施例3](
図12)
次に、実施例3の光学ユニット10について
図12を用いて説明する。
図12は、実施例3の光学ユニット10のジンバルフレーム部25及び支持機構20の一部を表す側面断面図であり、実施例1の光学ユニット10における
図10に対応する図である。なお、上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、支持機構20によるジンバル機構21の支持構成以外は、実施例1及び実施例2の光学ユニット10と同様の構成である。
【0047】
実施例1及び実施例2の光学ユニット10は、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに第1突出部201及び第2突出部202を設け、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに第1突出部201及び第2突出部202と当接する第1当接部271及び第2当接部272を設ける構成であった。一方、本実施例の光学ユニット10は、
図12で表されるように、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに第1当接部271及び第2当接部272を設け、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに第1突出部201及び第2突出部202を設ける構成である。また、本実施例の光学ユニット10は、
図12で表されるように、実施例1の光学ユニット10と同様、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに球凹面B1が形成され、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに球凸面B2が形成されている。
【0048】
[実施例4](
図13)
次に、実施例4の光学ユニット10について
図13を用いて説明する。
図13は、実施例4の光学ユニット10のジンバルフレーム部25及び支持機構20の一部を表す側面断面図であり、実施例1の光学ユニット10における
図10に対応する図である。なお、上記実施例1から実施例3と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、支持機構20によるジンバル機構21の支持構成以外は、実施例1から実施例3の光学ユニット10と同様の構成である。
【0049】
本実施例の光学ユニット10は、
図13で表されるように、実施例3の光学ユニット10と同様、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに第1当接部271及び第2当接部272を設け、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに第1突出部201及び第2突出部202を設ける構成である。また、本実施例の光学ユニット10は、
図13で表されるように、実施例2の光学ユニット10と同様、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bに球凸面B2が形成され、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに球凹面B1が形成されている。
【0050】
[実施例5](
図14)
次に、実施例5の光学ユニット10について
図14を用いて説明する。
図14は、実施例5の光学ユニット10のジンバルフレーム部25及び支持機構20の一部を表す正面図である。なお、上記実施例1から実施例4と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、支持機構20によるジンバル機構21の支持構成以外は、実施例1から実施例4の光学ユニット10と同様の構成である。
【0051】
本実施例の光学ユニット10においては、第1支持部用延設部27aは、第1突出部201の突出を許容する第1孔部273を有し、第2支持部用延設部27bは、第2突出部202の突出を許容する第2孔部274を有している。そして、第1突出部201と第1孔部273とで第1規制機構127、第2突出部202と第2孔部274とで第2規制機構227を形成している。このような構成となっていることで、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bを両側から突出部で挟む構成に比べて、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bを細く形成できており、装置(光学ユニット10)を小型化している。
【0052】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。
また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
10…光学ユニット、12…光学モジュール、12a…レンズ、12b…ハウジング、
14…可動体、16…固定体、18…回転駆動機構、
20…支持機構(スラスト受け部材)、
20a…第1スラスト受け部材(第1支持部)、
20b…第2スラスト受け部材(第2支持部)、21…ジンバル機構、
22…ホルダ枠、24A…磁石、24B…磁石、25…ジンバルフレーム部、
27a…第1支持部用延設部、27b…第2支持部用延設部、28…固定枠、
28a…第1前面カバー部、28b…側面カバー部、28c…第2前面カバー部、
28d…後面カバー部、32A…コイル、32B…コイル、50…撮像素子、
51a…第1フレキシブル配線基板、51b…第2フレキシブル配線基板、
127…第1規制機構、141…溝、142…挿し込み経路、161…溝、
162…挿し込み経路、201…第1突出部(第1規制機構)、
201a…折り曲げ部、202…第2突出部(第2規制機構)、
202a…折り曲げ部、210…床板部(第1規制機構、第2規制機構)、
211…側板部、220…先端(第1規制機構、第2規制機構)、230…壁部、
271…第1当接部(第1規制機構)、272…第2当接部(第2規制機構)、
273…第1孔部(第1規制機構)、274…第2孔部(第2規制機構)、
B1…球凹面、B2…球凸面、L…光軸