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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】紙葉類取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/14 20190101AFI20231128BHJP
【FI】
G07D11/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023500475
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2021006536
(87)【国際公開番号】W WO2022176178
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】山田 昂
(72)【発明者】
【氏名】玉橋 知之
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敦
(72)【発明者】
【氏名】小泉 捷平
(72)【発明者】
【氏名】林 諭志
(72)【発明者】
【氏名】本橋 康大
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特許第7196360(JP,B2)
【文献】特開2010-108159(JP,A)
【文献】特開2009-098835(JP,A)
【文献】特開2006-004039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するように配置された第1の対向部及び第2の対向部と、
前記第1の対向部と前記第2の対向部とが対向する対向方向に移動可能に配置され、前記第1の対向部との間に投入口から紙葉類が投入される投入空間を形成し、前記第2の対向部との間に前記投入口から前記紙葉類が取出される取出し空間を形成する仕切り部と、
前記第1の対向部の第1の開口部から前記投入空間側に突出した状態で、当該投入空間に投入された前記紙葉類を搬送し、前記第1の対向部の前記第1の開口部及び前記仕切り部の第2の開口部から前記取出し空間側に突出した状態で、当該取出し空間に取残された前記紙葉類を搬送する搬送部とを備え、
前記仕切り部は、前記取出し空間に取残された前記紙葉類の前記搬送部による搬送時に取残し紙幣搬送位置に移動可能に配置され、
前記仕切り部は、前記第2の開口部を開放可能に塞ぐ第2のシャッタと、前記仕切り部が前記取残し紙幣搬送位置に移動する動作に連動して前記第2のシャッタを開くことで前記第2の開口部を開放する第2のシャッタ開閉部とを有する
ことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項2】
前記第1の対向部は、前記取出し空間に取残された前記紙葉類の前記搬送部による搬送時に取残し紙幣搬送位置に移動可能に配置され、
前記第2のシャッタ開閉部は、前記第1の対向部及び前記仕切り部が前記取残し紙幣搬送位置にあるとき、前記第1の対向部に嵌合して当該第1の対向部によって押圧されることで前記第2のシャッタを開く
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類取扱装置。
【請求項3】
前記第1の対向部は、前記第1の開口部を開放可能に塞ぐ第1のシャッタを有し、
前記第1の対向部は、前記対向方向に、前記紙葉類の投入時における投入位置と、前記紙葉類の前記搬送部による搬送時における搬送位置と、前記取残し紙幣搬送位置とに移動可能に配置され、
前記第1の対向部及び前記搬送部のそれぞれは、前記第1の対向部が前記投入位置から前記搬送位置及び前記取残し紙幣搬送位置に移動するときに互いに噛み合って前記第1のシャッタを開くことで前記第1の開口部を開放する第1のシャッタ開閉部を有する
ことを特徴とする請求項2記載の紙葉類取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客から投入される紙葉類を挟み込む1対の移動部材のうち繰出し部に近い側から紙葉類を挟み込み、紙葉類の投入時における位置から繰出し部まで移動する第1の移動部材と、この第1の移動部材の間隙から紙葉類の収納空間に突出し、紙葉類を搬送する繰り出し部のローラと、第1の移動部材が紙葉類の投入時の位置にあるときに上記間隙を塞ぎ、第1の移動部材が繰り出し部に移動するときに退避するようにモータによって駆動される遮蔽部材とを備える紙葉類入出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6165652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ATM(Automated Teller Machine)等の自動取引装置には、入金される紙幣の投入や出金される紙幣の取出しのために、紙幣入出金部が配置されている。このような紙幣入出金部において、投入口から紙葉類が投入される投入空間を隔てて互いに対向するように配置されたステージ及びルーフと、ステージの開口部から投入空間側に突出した状態で、この投入空間に投入された紙葉類を搬送する搬送部とを備える紙幣入出金部がある。
【0005】
このような紙幣入出金部において、ステージとルーフとの間に仕切り部(プッシャ)を配置することによって、ステージと仕切り部との間に、紙幣が投入される投入空間を形成し、仕切り部とルーフとの間に、紙幣が取出される取出し空間を形成することができる。
【0006】
このように仕切り部が配置される場合、取出し空間に取残された紙幣を取込む場合には、ステージの開口部のみならず仕切り部にも開口部を形成し、搬送部がステージの開口部及び仕切り部の開口部から投入空間側に突出した状態で、この投入空間に投入された紙幣を搬送することが考えられる。
【0007】
しかしながら、仕切り部に開口部が設けられていると、異物が仕切り部を通ってステージ側(投入空間側)とルーフ側(取出し空間側)とに移動可能となる。そこで、上述の遮蔽部材及びモータを配置することによって仕切り部の開口部を塞ぐと、モータが必要になるとともに、モータから遮蔽部材に動力を伝達する動力伝達機構が必要になる。そのため、紙幣入出金部の構造が複雑化する。
【0008】
本発明の目的は、第1の対向部との間に紙葉類の投入空間を形成し、第2の対向部との間に紙葉類の取出し空間を形成する仕切り部の開口部を塞ぐシャッタを簡素な構成で開くことができる紙葉類取扱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の紙葉類取扱装置は、互いに対向するように配置された第1の対向部及び第2の対向部と、前記第1の対向部と前記第2の対向部とが対向する対向方向に移動可能に配置され、前記第1の対向部との間に投入口から紙葉類が投入される投入空間を形成し、前記第2の対向部との間に前記投入口から前記紙葉類が取出される取出し空間を形成する仕切り部と、前記第1の対向部の第1の開口部から前記投入空間側に突出した状態で、当該投入空間に投入された前記紙葉類を搬送し、前記第1の対向部の前記第1の開口部及び前記仕切り部の第2の開口部から前記取出し空間側に突出した状態で、当該取出し空間に取残された前記紙葉類を搬送する搬送部とを備え、前記仕切り部は、前記取出し空間に取残された前記紙葉類の前記搬送部による搬送時に取残し紙幣搬送位置に移動可能に配置され、前記仕切り部は、前記第2の開口部を開放可能に塞ぐ第2のシャッタと、前記仕切り部が前記取残し紙幣搬送位置に移動する動作に連動して前記第2のシャッタを開くことで前記第2の開口部を開放する第2のシャッタ開閉部とを有する。
【発明の効果】
【0010】
開示の紙葉類取扱装置によれば、第1の対向部との間に紙葉類の投入空間を形成し、第2の対向部との間に紙葉類の取出し空間を形成する仕切り部の開口部を塞ぐシャッタを簡素な構成で開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態における自動取引装置の内部構成を示す左側面図である。
図2A】一実施の形態における自動取引装置の紙幣の搬送経路を説明するための説明図(その1)である。
図2B】一実施の形態における自動取引装置の紙幣の搬送経路を説明するための説明図(その2)である。
図2C】一実施の形態における自動取引装置の紙幣の搬送経路を説明するための説明図(その3)である。
図3A】一実施の形態における紙幣入出金部の入金動作を説明するための説明図(その1)である。
図3B】一実施の形態における紙幣入出金部の入金動作を説明するための説明図(その2)である。
図3C】一実施の形態における紙幣入出金部の入金動作を説明するための説明図(その3)である。
図4A】一実施の形態における紙幣入出金部の取残し紙幣取込み動作を説明するための説明図(その1)である。
図4B】一実施の形態における紙幣入出金部の取残し紙幣取込み動作を説明するための説明図(その2)である。
図5】一実施の形態におけるステージを図3BのV方向から見た図である。
図6】一実施の形態におけるステージを図3CのVI方向から見た図である。
図7】一実施の形態におけるプッシャを図4AのVII方向から見た図である。
図8】一実施の形態におけるプッシャを図4BのVIII方向から見た図である。
図9A】一実施の形態におけるプッシャの第2のシャッタの開閉を説明するための説明図(その1)である。
図9B】一実施の形態におけるプッシャの第2のシャッタの開閉を説明するための説明図(その2)である。
図9C】一実施の形態におけるプッシャの第2のシャッタの開閉を説明するための説明図(その3)である。
図10】一実施の形態における紙幣受け部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態に係る紙葉類取扱装置について、自動取引装置100を一例として、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、自動取引装置100の内部構成を示す左側面図である。
【0014】
なお、図1及び後述する図2A図4Bに示す上下、前後、左右の方向は、自動取引装置100の顧客側を前方向とした場合の一例にすぎないが、例えば、上下方向は鉛直方向であり、前後方向及び左右方向は水平方向である。
【0015】
図1に示す自動取引装置100は、例えばATM、BRU(Bill Recycle Unit)、CD(Cash Dispenser)、TCR(Teller Cash Recycler)などであり、本体部110と、中間搬送部120と、収納部130とを備える。一例ではあるが、本体部110と収納部130とは、図示しない仕切りを介して異なる空間に配置されており、中間搬送部120は、上記の仕切りを貫通するように紙幣B(図2A参照)を搬送する。なお、紙幣Bは、紙葉類の一例である。
【0016】
本体部110は、紙幣入出金部1と、搬送部111,113と、鑑別部112と、一時保留部114と、リジェクト部115とを有する。
【0017】
紙幣入出金部1は、ステージ10と、ルーフ20と、プッシャ30と、取込み搬送部40と、排出搬送部50と、前面パネル60と、シャッタ70と、第1の接触部80(図3A参照)と、紙幣受け部90(図10参照)とを有する。なお、紙幣入出金部1のみを紙葉類取扱装置の一例とみなすこともできる。
【0018】
ステージ10、ルーフ20、プッシャ30、取込み搬送部40、第1の接触部80、及び紙幣受け部90については、図3A図3C図4A及び図4B、並びに図5図10を参照しながら後述するが、取込み搬送部40は、ステージ10とプッシャ30との間の投入空間S1(図3A参照)に投入取出し口61から投入された紙幣Bを搬送することによって自動取引装置100の内部に取込む。また、取込み搬送部40は、プッシャ30とルーフ20との間の取出し空間S2(図4A参照)において取出されずに取残された出金用の紙幣Bを搬送することによって自動取引装置100の内部に取込む。
【0019】
図1に示す排出搬送部50は、紙幣Bをルーフ20とプッシャ30との間に排出する。
【0020】
前面パネル60は、自動取引装置100の上部前面において、上方にいくほど後方に位置するように、鉛直方向と水平方向とに傾斜して配置されている。前面パネル60には、投入取出し口61が設けられている。
【0021】
シャッタ70は、紙幣B(紙葉類)が投入される投入口の一例である投入取出し口61を開放可能に塞ぐ。なお、図1には、開いた状態のシャッタ70を実線で図示し、閉じた状態のシャッタ70を点線で図示する。
【0022】
搬送部111は、紙幣入出金部1から鑑別部112へ紙幣Bを搬送するとともに、鑑別部112と中間搬送部120との間で紙幣Bを搬送する。
【0023】
鑑別部112は、紙幣Bの真贋、汚れ、角折れ等を判定する。
【0024】
搬送部113は、鑑別部112と一時保留部114との間で紙幣Bを搬送するとともに、鑑別部112から紙幣入出金部1へ紙幣Bを搬送する。
【0025】
一時保留部114は、紙幣入出金部1に投入され、鑑別部112において正常と判定された紙幣Bを一時的に収納する。
【0026】
リジェクト部115は、鑑別部112において異常と判定された紙幣Bのうち返却されない紙幣Bを収納する。
【0027】
中間搬送部120は、本体部110と収納部130との間で紙幣Bを搬送する。
【0028】
収納部130は、本体部110の下方に配置され、複数の紙幣収納カセット131,132,133,134,135と、収納搬送部136とを有する。
【0029】
複数の紙幣収納カセット131~135は、例えば互いに異なる金種の紙幣Bを収納する。紙幣収納カセット131~135は、収納された紙幣Bを排出可能である。そのため、紙幣収納カセット131~135に収納された紙幣Bは、出金に利用される。
【0030】
収納搬送部136は、中間搬送部120と各紙幣収納カセット131~135との間で紙幣Bを搬送する。
【0031】
図2A図2Cは、自動取引装置100の紙幣Bの搬送経路R1~R4を説明するための説明図である。
【0032】
まず、図2Aに太い実線矢印で示す搬送経路R1のように、紙幣入出金部1に投入された紙幣Bは、取込み搬送部40及び搬送部111によって鑑別部112に搬送される。また、鑑別部112において正常と判定された紙幣Bは、搬送部113によって一時保留部114に搬送される。
【0033】
一方、図2Aに太い点線矢印で示す搬送経路R2のように、鑑別部112において異常と判定された紙幣B(偽造紙幣など)は、搬送部113及び排出搬送部50によって紙幣入出金部1に返却される。
【0034】
図2Bに太い実線矢印で示す搬送経路R3のように、一時保留部114に一時的に収納された紙幣Bは、搬送部113、鑑別部112、搬送部111、中間搬送部120、及び収納搬送部136によって各紙幣収納カセット131~135に搬送される。
【0035】
図2Cに太い実線矢印で示す搬送経路R4のように、各紙幣収納カセット131~135に収納された紙幣Bは、出金時に、収納搬送部136、中間搬送部120、搬送部111、鑑別部112、搬送部113、及び排出搬送部50によって紙幣入出金部1に排出される。
【0036】
次に、紙幣入出金部1の入金動作及び取残し紙幣取込み動作について説明する。
【0037】
図3A図3Cは、紙幣入出金部1の入金動作を説明するための説明図である。
【0038】
図4A及び図4Bは、紙幣入出金部1の取残し紙幣取込み動作を説明するための説明図である。
【0039】
図5は、ステージ10を図3BのV方向から見た図である。
【0040】
図6は、ステージ10を図3CのVI方向から見た図である。
【0041】
図7は、プッシャ30を図4AのVII方向から見た図である。
【0042】
図8は、プッシャ30を図4BのVIII方向から見た図である。
【0043】
図9A図9Cは、プッシャ30の第2のシャッタ34の開閉を説明するための説明図である。
【0044】
図10は、紙幣受け部90を示す斜視図である。
【0045】
まず、ステージ10、ルーフ20、プッシャ30、第1の接触部80、及び紙幣受け部90の構成について説明する。
【0046】
図3Aに示すように、ステージ10及びルーフ20は、投入空間S1を隔てて互いに対向するように配置されている。この投入空間S1は、図3A図4Bでは2点鎖線で示す前面パネル60の投入取出し口61から紙幣Bが投入される。
【0047】
ステージ10及びルーフ20は、紙幣Bの投入及び取出しが行われる投入取出し方向D2に平行に、前方にいくほど上方に位置するように、鉛直方向と水平方向とに傾斜して配置されている。そのため、ステージ10とルーフ20とが対向する対向方向D1は、投入取出し方向D2に直交し、後方にいくほど上方となるように鉛直方向と水平方向とに傾斜している。
【0048】
図5に示すように、ステージ10は、ステージ本体11と、2つの第1のシャッタ12(斜線部分)と、2つのギア13と、2つのギア14と、2つのラック15とを有する。なお、ステージ10は、第1の対向部の一例である。
【0049】
図3A図3Cに示すように、ステージ10は、ステージ10とルーフ20とが対向する対向方向D1に、紙幣Bの投入時における投入位置P11(図3A及び図3B参照)と、投入された紙幣Bの後述する取込み搬送部40のピックローラ41による搬送時における搬送位置P12(図3C参照)とに移動可能に配置されている。また、ステージ10は、紙幣Bが取出される取出し位置P13(図4A参照)と、取残し紙幣搬送位置P14(図4B)とにも移動可能に配置されている。
【0050】
図5及び図6に示すように、ステージ本体11には、取込み搬送部40のピックローラ41によって貫通される2つの第1の開口部11aが設けられている。
【0051】
2つの第1のシャッタ12のそれぞれは、第1の開口部11aを開放可能に塞ぐ。
【0052】
2つのギア13のそれぞれは、ステージ10(ステージ本体11)の下端の左右端部に設けられている。2つのギア13は、ステージ10が図3Aに示す投入位置P11から、図3Cに示す搬送位置P12に移動するときに後述する取込み搬送部40の2つのラック42に噛み合って回転する。
【0053】
2つのギア14は、2つのギア13の回転に伴って回転する。
【0054】
2つのラック15は、2つのギア14の回転に伴って上下動する。2つのラック15のそれぞれは、第1のシャッタ12に一体に設けられているか、或いは第1のシャッタ12に固定されている。
【0055】
そのため、ステージ10が図3Aに示す投入位置P11から、図3Cに示す搬送位置P12や図4Bに示す取残し紙幣搬送位置P14に移動するときに2つのギア13が取込み搬送部40の2つのラック42に噛み合って回転することによって、2つのギア14が回転し、2つのラック15が上昇し、2つの第1のシャッタ12が上昇する。これにより、図6に示すように、2つの第1のシャッタ12が2つの第1の開口部11aを開放するように開く。
【0056】
一方、ステージ10が図3Cに示す搬送位置P12や図4Bに示す取残し紙幣搬送位置P14から図3Aに示す投入位置P11や図4Aに示す取出し位置P13に移動するときには、2つのギア13が取込み搬送部40の2つのラック42に噛み合って逆回転することによって、2つのギア14が逆回転し、2つのラック15が下降し、2つの第1のシャッタ12が下降する。これにより、図5に示すように、2つの第1のシャッタ12が2つの第1の開口部11aを塞ぐ。
【0057】
ここで、ステージ10の2つのギア13、2つのギア14、及び2つのラック15は、ステージ10が投入位置P11から搬送位置P12及び取残し紙幣搬送位置P14に移動するときに互いに噛み合って第1のシャッタ12を開くことで第1の開口部11aを開放する第1のシャッタ開閉部の一例である。また、取込み搬送部40の2つのラック42は、取込み搬送部40が有する第1のシャッタ開閉部の一例である。
【0058】
なお、2つの第1のシャッタ12の開閉方向は、上下方向に限らず、左右方向であってもよい。また、2つの第1のシャッタ12が開くときに、上方ではなく下方に移動してもよい。このように、第1のシャッタ12の開閉方向は、任意である。また、第1の開口部11aは、ピックローラ41の数に合わせて2つ設けられているが、1つであっても3つ以上であってもよい。また、単一の第1のシャッタ12が複数の第1の開口部11aを塞ぐ場合には、第1のシャッタ12の数は、第1の開口部11aの数よりも少なくてよい。
【0059】
ルーフ20は、対向方向D1に移動可能であり、図4Bに示す紙幣Bの取込み搬送時には、プッシャ30との間に紙幣Bを挟み込むため、プッシャ30に接近するように移動する。なお、ルーフ20は、第2の対向部の一例である。
【0060】
プッシャ30は、図7に示すように、可動部材31と、回動軸32(図3A参照)と、プッシャ本体33と、2つの第2のシャッタ34(斜線部分)と、2つの嵌合部35と、2つのギア36と、2つのラック37とを有する。
【0061】
プッシャ30は、ステージ10とルーフ20との間において、ステージ10とルーフ20との対向方向D1に移動可能に配置されている仕切り部の一例である。
【0062】
図3Aに示すように、プッシャ30は、投入位置P21において、投入取出し口61から紙幣Bが投入される投入空間S1をステージ10との間に形成する。
【0063】
図4Aに示すように、プッシャ30は、取出し位置P23において、投入取出し口61から紙幣Bが取出される取出し空間S2をルーフ20との間に形成する。
【0064】
また、プッシャ30は、投入された紙幣Bのピックローラ41による搬送時における図3Cに示す搬送位置P22や、図4Bに示す取残し紙幣搬送位置P14にも移動可能である。
【0065】
また、プッシャ30は、投入取出し口61側の先端に設けられステージ10側(図4A参照)及びルーフ20側(図3A参照)のそれぞれに移動可能な可動部材31を有する。この可動部材31は、図7に示すように、例えば、対向方向D1と投入取出し方向D2とに交差する左右方向(図7においても左右方向)において、プッシャ30(プッシャ本体33)の中心付近の一部のみに設けられているとよい。
【0066】
図3Aに示すように、可動部材31は、回動軸32を回動中心として回動可能に支持されている。また、可動部材31は、トーションばねなどの弾性体によって、ステージ10及びルーフ20と平行な位置を保つように付勢されているとよい。可動部材31のうち回動軸32を挟んで投入取出し口61とは反対側には、下方側(ステージ10側)に突出する被押圧突起31aが設けられている。
【0067】
図7及び図8に示すように、プッシャ本体33には、後述する取込み搬送部40の2つのピックローラ41によって貫通される2つの第2の開口部33aが設けられている。
【0068】
2つの第2のシャッタ34のそれぞれは、第2の開口部33aを開放可能に塞ぐ。
【0069】
2つの嵌合部35のそれぞれは、プッシャ30(プッシャ本体33)の下端の左右端部に設けられている。2つの嵌合部35のそれぞれは、ステージ10及びプッシャ30が図4Bに示す取残し紙幣搬送位置P14,P24にある場合に、図9Cに示すステージ10の嵌合部16に嵌合した状態で嵌合部16によって押圧されることで、左右方向に互いに離れるように移動する。
【0070】
2つのギア36は、2つの嵌合部35が左右方向に互いに離れる動きに連動して回転する。
【0071】
2つのラック37は、2つのギア36の回転に伴って左右方向に移動する。2つのラック37のそれぞれは、第2のシャッタ34に一体に設けられているか、或いは第2のシャッタ34に固定されている。
【0072】
そのため、ステージ10の2つの嵌合部16がプッシャ30の2つの嵌合部35を左右方向に互いに離れるように移動させると、2つのギア36が回転し、2つの第2のシャッタ34とともに2つのラック37が互いに左右方向に離れるように移動する。これにより、図8に示すように、第2のシャッタ34が第2の開口部33aを開放するように開く。
【0073】
一方、プッシャ30が図4Bに示す取残し紙幣搬送位置P24から退避すると、2つの嵌合部35が互いに近づくように移動することによって、2つのギア36が逆回転し、2つの第2のシャッタ34とともに2つのラック37が互いに左右方向に近づくように移動する。これにより、図7に示すように、第2のシャッタ34が第2の開口部33aを塞ぐ。
【0074】
ここで、図9A図9Cに示す例では、ステージ10の2つの嵌合部16は、例えばレバーであり、図9Cに示すようにステージ10及びプッシャ30が取残し紙幣搬送位置P14,P24にあるとき、2つの嵌合部35に嵌合することによって回転し、2つの嵌合部35を左右方向に互いに離れるように移動させる。
【0075】
一方、図9Aに示すように、ステージ10及びプッシャ30が、入金された紙幣Bの搬送位置P12,P22に位置する場合、並びに、図9Bに示すように、ステージ10及びプッシャ30が、出金される紙幣Bが取出される際の取出し位置P13,P23に位置する場合には、2つの嵌合部16と2つの嵌合部35との嵌合が解除され、2つの嵌合部16は、例えば図示しない付勢手段の付勢力によって元の位置に復帰する。また、2つの嵌合部35も例えば図示しない付勢手段の付勢力によって元の位置に復帰する。
【0076】
ここで、プッシャ30の2つの嵌合部35、2つのギア36、及び2つのラック37は、第2のシャッタ34を開閉する第2のシャッタ開閉部の一例である。この第2のシャッタ開閉部は、ステージ10(嵌合部16)に嵌合し、ステージ10(嵌合部16)によって押圧されることで第2のシャッタ34を開くものであることが望ましいが、例えば、紙幣入出金部1の内部に設けられた図示しない部材により取残し紙幣搬送位置P24において押圧されることによって、プッシャ30が取残し紙幣搬送位置P24に移動する動作に連動して第2のシャッタ34を開くものであってもよいし、どのような機構が採用されてもよい。
【0077】
例えば、プッシャ30の左右両端に設けられた2つのローラが、取残し紙幣搬送位置P24以外の位置では、プッシャ30の移動時に図示しないガイドに沿って回転しながら、このガイドによって左右方向における中心側に加圧されることで、上述のギア36及びラック37の動作を介して2つの第2のシャッタ34が閉じ、取残し紙幣搬送位置P24では、上記ガイドによって左右方向における中心側に加圧されなくなることで上述のギア36及びラック37の動作を介して2つの第2のシャッタ34が開いてもよい。但し、この場合には、ローラの渋りによってプッシャ30が対向方向D1に移動しづらくなり、ひいては、2つの第2のシャッタ34が開閉しづらくなることがある。
【0078】
なお、2つの第2のシャッタ34の開閉方向は、左右方向に限らず、上下方向であってもよい。また、2つの第2のシャッタ34が開くときに互いに離れる方向ではなく互いに接近する方向に移動してもよい。このように、第2のシャッタ34の開閉方向は、任意である。また、第2の開口部33aは、ピックローラ41の数に合わせて2つ設けられているが、1つであっても3つ以上であってもよい。また、単一の第2のシャッタ34が複数の第2の開口部33aを塞ぐ場合には、第2のシャッタ34の数は、第2の開口部33aの数よりも少なくてよい。
【0079】
図3Bに示す取込み搬送部40は、ピックローラ41と、ラック42とを有する。ピックローラ41及びラック42は、図3Bでは表れないが、2つずつ配置されている(2つのピックローラ41は図9A図9C参照)。
【0080】
図3Cに示すように、2つのピックローラ41は、ステージ10の2つの第1の開口部11aから投入空間S1(図3A参照)側に突出した状態で、この投入空間S1に投入された紙幣Bを搬送する。
【0081】
また、2つのピックローラ41は、図4Bに示すように、ステージ10の2つの第1の開口部11a(図5参照)及びプッシャ30の2つの第2の開口部33a(図7参照)から取出し空間S2(図4A参照)側に突出した状態で、取出し空間S2に取残された紙幣Bを搬送する。
【0082】
ここで、取込み搬送部40は、ステージ10の第1の開口部11aから投入空間S1側に突出した状態で、この投入空間S1に投入された紙幣B(紙葉類)を搬送し、ステージ10の第1の開口部11a及びプッシャ30の第2の開口部33aから取出し空間S2側に突出した状態で、この取出し空間S2に取残された紙幣Bを搬送する搬送部の一例である。
【0083】
図3Cに示すように、2つのラック42は、上述のとおり、ステージ10の2つのギア13に噛み合う。
【0084】
なお、取込み搬送部40は、ステージ10側ではなくルーフ20側に配置されていてもよい。その場合、第1の開口部11a及び第1のシャッタ12は、ステージ10ではなくルーフ20に配置される。
【0085】
ところで、紙幣入出金部1において、ステージ10及びプッシャ30は、ルーフ20とは異なり、取出し空間S2の下方(ステージ10は更に投入空間S1の下方)に位置するため、ルーフ20に第1の開口部が設けられている場合と比較して、プッシャ30の第2の開口部33a及びステージ10の第1の開口部11aからは異物が紙幣入出金部1の内部に進入しやすい。しかしながら、本実施の形態のように、紙幣入出金部1の装置構造上の制約などによって、取込み搬送部40がルーフ20側ではなくステージ10側に配置される場合がある。この場合には特に、異物が第2の開口部33a及び第1の開口部11aから紙幣入出金部1の内部に落下しやすい。本実施の形態では、上述のとおり、プッシャ30の第2の開口部33aを開放可能に塞ぐ第2のシャッタ34及びステージ10の第1の開口部11aを開放可能に塞ぐ第1のシャッタ12が配置されているため、第2の開口部33a及び第1の開口部11aから紙幣入出金部1の内部への異物の落下を防止することができる。
【0086】
第1の接触部80は、図3Aに示すように、投入取出し口61の後方に設けられ、前面パネル60の裏面側から下方に突出する突起である。
【0087】
図10に示すように、紙幣受け部90は、4本の支持部材91と、ベース部92と、4つの補強部93とを有する。紙幣受け部90は、投入取出し方向D2、すなわち取出し口61に接近及び離隔する方向に移動可能に配置されている。
【0088】
支持部材91は、紙幣Bを支持するアームである。支持部材91は、図4Aに示すように投入取出し口61に対向するように取出し空間S2に配置されている。
【0089】
ベース部92には、4本の支持部材91が固定されている。ベース部92には、プッシャ30との干渉を回避するための凹部92aが設けられている。
【0090】
4つの補強部93のそれぞれは、支持部材91を補強するために、各支持部材91とベース部92との間に設けられ、三角板形状を呈する。
【0091】
以下、紙幣入出金部1の入金動作及び取残し紙幣取込み動作の流れについて説明する。
【0092】
図3Aに示すように、プッシャ30は、紙幣Bの投入時に、投入位置P21においてステージ10との間に投入空間S1を形成する。このとき、可動部材31は、第1の接触部80に接触して上記の弾性体の弾性力に抗して押圧されることによって、ルーフ20側に傾くように移動する。これにより、投入空間S1(プッシャ30とステージ10との間)が投入取出し口61に向かって広くなるため、顧客が紙幣Bを投入しやすくなる。なお、可動部材31は、例えば図示しない駆動手段の動力によって、ルーフ20側に傾くように移動してもよい。
【0093】
図3Bに示すように、プッシャ30は、紙幣Bの投入完了後に、ステージ10に向けて移動し、ステージ10との間に紙幣Bを挟み込む。その後、図3Cに示すように、ステージ10がプッシャ30とともに前方に向かって斜め下方に取込み搬送部40側の搬送位置P12に移動する。これにより、上述のとおり、図6に示すように、ステージ10の2つの第1のシャッタ12が開き、第1の開口部11aが露出する。そして、ステージ10に設けられた2つの第1の開口部11aから取込み搬送部40の2つのピックローラ41が突出した状態で、紙幣Bは、取込み搬送部40によって図1に示す搬送部111に向けて搬送される。
【0094】
紙幣Bの出金時には、排出予定枚数の紙幣Bが図1に示す排出搬送部50によってプッシャ30とルーフ20との間に搬送された後、図4Aに示すように、プッシャ30は、ルーフ20とともにステージ10に向けて移動する。プッシャ30は、紙幣Bの取出し時には、取出し位置P23においてルーフ20との間に取出し空間S2を形成する。このとき、可動部材31は、被押圧突起31aがステージ10に接触して上記の弾性体の弾性力に抗して押圧されることによって、ステージ10側に傾くように移動する。これにより、取出し空間S2(プッシャ30とルーフ20との間)が投入取出し口61に向かって広くなるため、顧客が紙幣Bを取出しやすくなる。
【0095】
ここで、ステージ10は、可動部材31に接触することによって可動部材31をステージ10側に移動させる第2の接触部の一例として機能する。なお、可動部材31は、上述のように、例えば図示しない駆動手段の動力によって、ステージ10側に傾くように移動してもよい。また、可動部材31は、ステージ10以外の第2の接触部に接触することによって、ステージ10側に傾くように移動してもよい。また、可動部材31は、被押圧突起31a以外の部分でステージ10(第2の接触部)に接触してもよい。
【0096】
その後、紙幣Bを支持する支持部材90が投入取出し口61側に移動する。そして、顧客は、紙幣Bを取出す。
【0097】
顧客が紙幣Bを取出し忘れた場合、図4Bに示すように、ステージ10が前方に向かって斜め下方に取残し紙幣搬送位置P14に移動するとともに、プッシャ30が前方に向かって斜め下方に取残し紙幣搬送位置P24に移動する。これにより、上述のとおり、図6に示すように、ステージ10の2つの第1のシャッタ12が開き、2つの第1の開口部11aが露出する。また、図8に示すように、プッシャ30の2つの第2のシャッタ34が開き、2つの第2の開口部33aが露出する。また、ルーフ20もプッシャ30との間に取残された紙幣Bを挟み込むように前方に向かって斜め下方に移動する。
【0098】
その後、ステージ10に設けられた2つの第1の開口部11a及びプッシャ30の2つの第2の開口部33aから取込み搬送部40の2つのピックローラ41が突出した状態で、取残された紙幣Bは、取込み搬送部40によって図1に示す搬送部111に向けて搬送される。
【0099】
以上説明した本実施の形態では、紙葉類取扱装置の一例である自動取引装置100は、ステージ10(第1の対向部の一例)と、ルーフ20(第2の対向部の一例)と、プッシャ30(仕切り部の一例)と、取込み搬送部40(搬送部の一例)とを備える。ステージ10及びルーフ20は、互いに対向するように配置されている。プッシャ30は、ステージ10とルーフ20とが対向する対向方向D1に移動可能に配置され、ステージ10との間に投入取出し口61(投入口の一例)から紙幣B(紙葉類の一例)が投入される投入空間S1を形成し、ルーフ20との間に投入取出し口61から紙幣Bが取出される取出し空間S2を形成する。取込み搬送部40は、ステージ10の第1の開口部11aから投入空間S1側に突出した状態で、この投入空間S1に投入された紙幣Bを搬送し、ステージ10の第1の開口部11a及びプッシャ30の第2の開口部33aから取出し空間S2側に突出した状態で、この取出し空間S2に取残された紙幣Bを搬送する。プッシャ30は、取出し空間S2に取残された紙幣Bの取り込み搬送部40による搬送時に取残し紙幣搬送位置P24に移動可能に配置されている。また、プッシャ30は、第2の開口部33aを開放可能に塞ぐ第2のシャッタ34と、プッシャ30が取残し紙幣搬送位置P24に移動する動作に連動して第2のシャッタ34を開くことで第2の開口部33aを開放する第2のシャッタ開閉部(例えば、2つの嵌合部35、2つのギア36、及び2つのラック37)とを有する。
【0100】
このように、取込み搬送部40(ピックローラ41)が貫通するための第2の開口部33aがプッシャ30に設けられていても、第2の開口部33aを塞ぐ第2のシャッタ34が配置されていることによって、第2の開口部33aから異物がステージ10側(投入空間S1側)とルーフ20側(取出し空間S2側)とに移動するのを防止することができる。また、第2のシャッタ開閉部の一例である嵌合部35等が、プッシャ30が取残し紙幣搬送位置P24に移動する動作に連動して第2のシャッタ34を開くことによって、モータ等の駆動手段や、この駆動手段から第2のシャッタ34に動力を伝達する動力伝達機構などが配置されるのを省略することができる。
【0101】
よって、本実施の形態によれば、プッシャ30の第2の開口部33aを塞ぐ第2のシャッタ34を簡素な構成で開くことができる。
【0102】
また、本実施の形態では、ステージ10は、取出し空間S2に取残された紙幣Bの取込み搬送部40による搬送時に取残し紙幣搬送位置P14に移動可能に配置され、第2のシャッタ開閉部は、ステージ10及びプッシャ30が取残し紙幣搬送位置P14,P24にあるとき、ステージ10(嵌合部16)に嵌合し、ステージ10(嵌合部16)によって押圧されることで第2のシャッタ34を開く。
【0103】
これにより、プッシャ30とともに取残し紙幣搬送位置P14に移動するステージ10(嵌合部16)によってプッシャ30の嵌合部35を押圧するため、ステージ10の周囲などのステージ10以外の部材によって嵌合部35を押圧するのと比較して簡素な構成で、第2のシャッタ34を開くことができる。また、嵌合部16が嵌合部35に嵌合した状態で嵌合部35を押圧するため、第2のシャッタ34を確実に開くことができる。
【0104】
また、本実施の形態では、ステージ10は、第1の開口部11aを開放可能に塞ぐ第1のシャッタ12を有し、ステージ10は、対向方向D1に、紙幣Bの投入時における投入位置P11と、紙幣Bの取込み搬送部40による搬送時における搬送位置P12と、取残し紙幣搬送位置P14とに移動可能に配置され、ステージ10及び取り込み搬送部40のそれぞれは、ステージ10が投入位置P11から搬送位置P12及び取残し紙幣搬送位置P14に移動するときに互いに噛み合って第1のシャッタ12を開くことで第1の開口部11aを開放する第1のシャッタ開閉部(例えば、2つのギア13、2つのギア14、及び2つのラック15、並びに2つのラック42)を有する。
【0105】
このように、取込み搬送部40(ピックローラ41)が貫通するための第1の開口部11aがステージ10に設けられていても、第1の開口部11aを塞ぐ第1のシャッタ12が配置されていることによって、紙幣Bの投入空間S1から異物が第1の開口部11aを通って紙幣入出金部1の内部に進入するのを防止することができる。また、ステージ10のギア13と40のラック42とが噛み合うことによって第1のシャッタ12を開閉することができるため、モータ等の駆動手段や、この駆動手段から第1のシャッタ12に動力を伝達する動力伝達機構などが配置されるのを省略することができる。
【0106】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されず、構成要素を変形して具体化することができる。例えば、本実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において発明の種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 紙幣入出金部
10 ステージ
11 ステージ本体
11a 第1の開口部
12 第1のシャッタ
13,14 ギア
15 ラック
16 嵌合部
20 ルーフ
30 プッシャ
31 可動部材
31a 被押圧突起
32 回動軸
33 プッシャ本体
33a 第2の開口部
34 第2のシャッタ
35 嵌合部
36 ギア
37 ラック
40 取込み搬送部
41 ピックローラ
42 ラック
50 排出搬送部
60 前面パネル
61 投入取出し口
70 シャッタ
80 第1の接触部
90 紙幣受け部
91 支持部材
92 ベース部
92a 凹部
93 補強部
100 自動取引装置
110 本体部
111 搬送部
112 鑑別部
113 搬送部
114 一時保留部
115 リジェクト部
120 中間搬送部
130 収納部
131~135 紙幣収納カセット
136 収納搬送部
B 紙幣
D1 対向方向
D2 投入取出し方向
P11,P21 投入位置
P12,P22 搬送位置
P13,P23 取出し位置
P14,P24 取残し紙幣搬送位置
R1~R4 搬送経路
S1 投入空間
S2 取出し空間
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10