IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深谷 幸水の特許一覧 ▶ フレッシュデザート株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-チョコバナナ冷蔵菓子 図1
  • 特許-チョコバナナ冷蔵菓子 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】チョコバナナ冷蔵菓子
(51)【国際特許分類】
   A23G 1/54 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
A23G1/54
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022212397
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2023-01-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 本願発明に係るチョコバナナ冷蔵菓子を公開した情報 1.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社ヤオコー 2.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社イトーヨーカ堂 3.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社とりせん 4.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社カスミ 5.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社ベルク 6.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社たいらや 7.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社シジシージャパン 8.販売日 :2022年1月24日 販売場所:株式会社ヨークベニマル
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520111659
【氏名又は名称】深谷 幸水
(73)【特許権者】
【識別番号】518250564
【氏名又は名称】フレッシュデザート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】深谷 幸水
【審査官】長谷川 莉慧霞
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0044339(US,A1)
【文献】特開2009-291142(JP,A)
【文献】はやしのなか 祭りの屋台でおなじみのチョコバナナがスーパーで買えるとは思わなかったが惜しいところで味はいまひとつ,2020年09月04日,<URL: http://blog.livedoor.jp/fore_fore/archives/9571073.html>,<検索日:2023/03/22>
【文献】フレッシュデザート(株), Twitter,2021年09月07日,<URL: https://twitter.com/FreshDessertInc/status/1435086605849530371?cxt=HHwWhsCoucTqueonAAAA>,<検索日:2023/03/22>
【文献】フレッシュデザート(株), Twitter,2021年09月10日,<URL: https://twitter.com/FreshDessertInc/status/1436261356378812416?cxt=HHwWgMCj-YGG0O4nAAAA>,<検索日:2023/03/22>
【文献】一口チョコバナナ, Cookpad,2016年05月24日,<URL: https://cookpad.com/recipe/3877704>,<検索日:2023/03/22>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥皮された生のバナナ全体をチョコレートでコーティングして冷蔵状態で食するチョコバナナであって、
チョコバナナの表面の一部に、当接する当接対象との分離用に加工された当接部位を備え
当接部位は、その製造工程でチョコバナナを載せたベルトコンベアのベルトと接しているチョコレートの表面に形成するエンボス加工された部位であることを特徴とすることで、ベルトコンベアからチョコバナナを簡単に分離できて出荷され、また、出荷されて消費者の手に渡り、包装容器又は包装袋からチョコバナナを取り出して食する時も、そのチョコレートによるコーティング状態を維持したまま包装容器又は包装袋からチョコバナナを取り出して食することができるチョコバナナ冷蔵菓子。
【請求項2】
当接部位のチョコレートコーティング層とバナナとの間に間隙を有しないことを特徴とする請求項1記載のチョコバナナ冷蔵菓子。
【請求項3】
一本のバナナをそのままコーティングしたことを特徴とする請求項1又は2記載のチョコバナナ冷蔵菓子。
【請求項4】
一本のバナナを複数個に切断した個々のバナナをそれぞれコーティングしたことを特徴とする請求項1又は2記載のチョコバナナ冷蔵菓子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、剥皮された生のバナナをチョコレートでコーティングして冷蔵状態で保存し、食するチョコバナナの冷蔵菓子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、生のバナナをチョコレートでコーティングしたいわゆる「チョコバナナ」はお祭りなどの露店で販売されている。
この場合、生のバナナに棒を突き刺し、溶けたチョコレートの容器の中に棒を持ってバナナを浸すことで、チョコレートでコーティングされた部分がどこにも当接しないようにして、チョコバナナを完成させる。こうして、1本1本、手作業でチョコバナナは作られる。
【0003】
なお、特許文献1では、バナナの表皮を剥いでその果肉にステイック(割箸等)を縦に挿し通して握り柄となし、これを冷凍器等に入れてフリージングを行った後、その表面にチヨコレートを被覆し更にその表面に、ピーナツ,ココナツ,アーモンドその他を細かく砕いた顆粒状のものを付着させることを特徴とするバナナケーキの製造方法およびバナナケーキに関するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭55-102357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、チョコバナナを棒を使用せずに、機械で大量生産することは極めて難しい。
棒を使用しないとすると、必ずバナナをコーティングしているチョコレートが何かしらに当接せざるを得ないからである。そして、一旦当接すると、その当接状態を解消するために剥がすと、その当接した部分が破れる(チョコレートの層が当接したまま、中身の生バナナが表出する状態)可能性が高い。
【0006】
そこで、本願発明者は、棒を使用せずに、機械で大量生産できるチョコバナナ冷蔵菓子を提供すべく、本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の発明は、剥皮された生のバナナをチョコレートでコーティングして冷蔵状態で食するチョコバナナであって、チョコバナナの表面の一部又は全部に、当接する当接対象との分離用に加工された当接部位を備えたことを特徴とするチョコバナナ冷蔵菓子である。
第2の発明は、当接部位が、エンボス加工された部位であることを特徴とする上記第1の発明に係るチョコバナナ冷蔵菓子である。
第3の発明は、当接部位のチョコレートコーティング層とバナナとの間に間隙を有しないことを特徴とする上記第1の発明又は第2の発明に係るチョコバナナ冷蔵菓子である。
第4の発明は、一本のバナナをそのままコーティングしたことを特徴とする上記第1の発明から第3の発明のいずれかに係るチョコバナナ冷蔵菓子である。
第5の発明は、一本のバナナを複数個に切断した個々のバナナをそれぞれコーティングしたことを特徴とする上記第1の発明から第3の発明のいずれかに係るチョコバナナ冷蔵菓子である。
【発明の効果】
【0008】
上記した本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)チョコバナナの、他の部材や場所等と当接する部分(当接部位)が、当接するもの(当接対象)から取れやすくなり、チョコレートのコーティングが維持される。
(2)製造工程だけでなく、販売後の容器(ケースや包装袋)中でもチョコレートのコーティングが破られずに、全体がチョコレートでコーティングされた状態を維持できる。
(3)当接部位がエンボス加工であれば、当接対象との当接面積が少なくなり、分離を容易且つ確実に実現できる。
(4)当接部位のチョコレートコーティング層とバナナとの間に間隙がないことでチョコレートコーティング層とバナナとが一体化して、より確実に分離できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願発明に係るチョコバナナ冷蔵菓子を説明する説明図(1)。
図2】本願発明に係るチョコバナナ冷蔵菓子を説明する説明図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態では、一本のバナナを複数個に切断した個々のバナナをそれぞれチョコレートでコーティングした「ひとくちチョコバナナ」を例に説明するが、一本のバナナをそのままチョコレートでコーティングした「まるごとチョコバナナ」も同様である。
【0011】
図1は、本願発明に係る「ひとくちチョコバナナ」を図示したものである。
ひとくちチョコバナナ10は、一口大にカットされた生のバナナ20をチョコレート30でその全体をコーティングしている。図示は、そのひとくちチョコバナナ10の縦断面図であるが、バナナ全体がチョコレート30で覆われている。
【0012】
チョコレート20でその全体がコーティングされているひとくちチョコバナナ10は、製造過程及び輸送・販売過程等において必ず他の物(当接対象)と当接することになる(製造工程であれば、ベルトコンベア、輸送・販売過程であれば、包装容器など)。その時に、その当接対象と容易に分離できなければ、当接部分のチョコレート30が剥がれてしまい全体コーティングを実現できない。そこで、ひとくちチョコバナナ10はその底面に当接対象と分離できる当接部位40を備えた。
【0013】
当接部位40は、チョコレート30の表面をエンボス加工(凹凸加工)している。これにより、当接部位40は、当接対象と直接に接する当接面積が少なくなり、当接対象との分離を容易且つ確実に実現できる。なお、当接部位40は、エンボス加工に限るものではなく、当接対象との分離を促進するものであればよい(チョコレート30の表面に不着接性の物質を塗布するなど)。
【0014】
また、当接部位40のチョコレートコーティング層とバナナ20との間に間隙を有しないようにするとよい。間隙がないことでチョコレートコーティング層とバナナ20とが一体化して、より確実に分離できるからである。その逆に、間隙があるとチョコレートコーティング層とバナナ20との間で分断が生じやすくなり、チョコレートコーティング層がバナナ20から剥がれやすくなる。
【0015】
図2は、本願発明に係る「ひとくちチョコバナナ」の製造工程を図示したものである。
まず、バナナを剥皮して一口大にカットされた生のバナナ20を用意する(工程A)。
次に、バナナ20にチョコレート30をコーティングする(工程B)。この時、バナナ20は流動状(溶けた状態)のチョコレート30を上から垂らしてコーティングするが、ローラーコンベア60上を移動することによりバナナ20の底面にもチョコレート30がコーティングされる。それにより、バナナ20の全体を囲繞するようにチョコレート30によるコーティング層が形成される。
【0016】
そして、バナナ20の全体をチョコレート30でコーティングしたあと冷却し、チョコレートを固める(工程C)。この時、ベルトコンベア70に載せながら、ベルトコンベア70のベルトによってベルトと接しているチョコレート30の表面にエンボス加工を施して、エンボス加工された当接部位40を形成する。このようにして、エンボス加工された当接部位40を備えて、当接対象との分離可能なチョコバナナ10が完成する。
【0017】
完成したチョコバナナ10は、エンボス加工された当接部位40によってベルトコンベア70から簡単に分離でき、出荷されることになる。また、出荷されて消費者の手に渡り、包装容器や包装袋からチョコバナナ10を取り出して食する時も、エンボス加工された当接部位40があることで、そのチョコレート30によるコーティング状態を維持したまま包装容器や包装袋からチョコバナナ10を取り出して食することができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本願発明は、棒を用いない量産可能なチョコバナナに広く利用できるものである。
なお、バナナだけでなく、バナナ以外の生のフルーツのチョコレートコーティングにも広く利用できるものでもある。
【符号の説明】
【0019】
10 ひとくちチョコバナナ
20 バナナ(生のバナナ)
30 チョコレート(コーティング材)
40 当接部位(エンボス加工)
60 ローラーコンベア
70 ベルトコンベア
【要約】
【課題】 棒を使用せずに、機械で大量生産できるチョコバナナ冷蔵菓子を提供することにある。
【解決手段】 ひとくちチョコバナナ10は、一口大にカットされた生のバナナ20をチョコレート30でその全体をコーティングしている。そして、ひとくちチョコバナナ10は、その底面に当接対象と分離できる当接部位40を備えた。当接部位40は、チョコレート30の表面をエンボス加工(凹凸加工)している。これにより、当接部位40は、当接対象と直接に接する当接面積が少なくなり、当接対象との分離を容易且つ確実に実現できる。
【選択図】 図1
図1
図2