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特許7392240符号化方法、復号方法、符号化デバイス、復号デバイス、通信システム、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】符号化方法、復号方法、符号化デバイス、復号デバイス、通信システム、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/34 20060101AFI20231129BHJP
   H04B 10/516 20130101ALI20231129BHJP
【FI】
H04L27/34
H04B10/516
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022539084
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2020116678
(87)【国際公開番号】W WO2021135421
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】202010001718.8
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ホン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジュアン
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-535741(JP,A)
【文献】特表2021-517792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0262274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/34
H04B 10/516
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-2
3GPP TSG CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化方法であって、
取得された符号化対象データを、予め設定した規則に従って、位相データおよび振幅データに分割する段階と、
前記符号化対象データに対応するコンスタレーション図を取得する段階であって、前記コンスタレーション図は、複数のコンスタレーションポイントを有し、前記複数のコンスタレーションポイントは、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントは、対応する確率値を含み、前記確率値は、対応する前記コンスタレーションポイントの発生確率を示す、段階と、
前記コンスタレーション図と各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値とに基づいて、前記振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階と、
前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群と前記位相データとを組み合わせ、次に、符号化を行うことにより、出力データを取得する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記コンスタレーション図における各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値は、情報エントロピー、コンスタレーションポイントの数、および前記確率的コンスタレーションシェーピング符号化の符号長さに基づいて判定され、前記情報エントロピーは、前記符号化対象データの容量に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群と前記位相データとを組み合わせ、次に、符号化を行うことにより、出力データを取得する前記段階は、
前記シンボルシーケンス群の少なくとも1つのシンボルシーケンス群をシンボルシーケンスの少なくとも2つのカテゴリに分割する段階であって、前記少なくとも2つのカテゴリは、シンボルシーケンスの1番目のカテゴリとシンボルシーケンスの2番目のカテゴリとを有し、前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリの振幅値は0でなく、前記シンボルシーケンスの2番目のカテゴリの振幅値は0である、段階と、
前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリと前記位相データを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する段階と、
前記シンボルシーケンスの2番目のカテゴリと前記組み合わせたデータを組み合わせ、前記出力データを取得する段階と
を有する
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記位相データおよび前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群のチェックデータを取得する段階をさらに備える方法であって、
前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリと前記位相データとを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する前記段階は、
前記チェックデータおよび前記位相データを組み合わせ、位相およびチェックを組み合わせたデータを取得する段階と、
前記位相およびチェックを組み合わせたデータと前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリとを組み合わせ、前記位相および振幅を組み合わせたデータを取得する段階と
を有する
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群は、前記コンスタレーション図に存在し、前記振幅データがマッピングされる前記コンスタレーションポイントの振幅インデックスであり、前記振幅インデックスの値にはK+1のカテゴリが存在し、Kは正の整数であって、
前記位相およびチェックを組み合わせたデータと前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリを組み合わせ、前記位相および振幅を組み合わせたデータを取得する前記段階は、
前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリに含まれたビットを分類し、振幅ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、同じ振幅ビットシーケンスの群に含まれたビットの振幅インデックスが同じ値を持つ、段階と、
前記位相およびチェックを組み合わせたデータを分割し、前記振幅ビットシーケンスのK個の群と1対1に対応する位相ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、前記位相ビットシーケンスのK個の群の各々の長さが前記振幅ビットシーケンスの対応する群の振幅インデックスの値に関連付けられる、段階と、
前記振幅ビットシーケンスのK個の群および対応する位相ビットシーケンスの群の各々に対して演算を行い、ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、前記ビットシーケンスのK個の群の少なくとも2つのビットシーケンスの長さが異なり、前記組み合わせたデータは前記ビットシーケンスのK個の群とする、段階と
を有する
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記振幅ビットシーケンスのK個の群と、対応する位相ビットシーケンスの群の各々に対して演算を行う前記段階は、
前記位相ビットシーケンスのK個の群に対して、予め設定した方式でマッピングを行い、位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群を取得する段階と、
前記位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群および振幅ビットシーケンスの対応する群の各々に対して演算を行い、前記ビットシーケンスのK個の群を取得する段階と
を有する
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コンスタレーション図と各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値とに基づいて、前記振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行う前記段階は、
予め設定した長さに基づいて、前記振幅データをセグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群に分割する段階と、
前記コンスタレーション図に基づいて、前記セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群の各々に対して確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行い、前記セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群と1対1に対応する前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階であって、前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群に含まれたビットが、前記コンスタレーションポイントの前記発生確率に対応する、段階と
を有する
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
復号方法であって、
受信した信号を取得する段階と、
前記受信した信号に対して硬判定を行い、第1の振幅データを取得する段階と、
前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する段階と、
予め設定したコンスタレーション図に基づいて、前記第2の振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング復号を行い、振幅復号したデータを取得する段階であって、前記コンスタレーション図は、複数のコンスタレーションポイントを有し、前記コンスタレーション図は、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントが対応する確率値を有し、前記確率値は、対応する前記コンスタレーションポイントの発生確率を示す、段階と、
前記振幅復号したデータと前記位相データとを組み合わせ、復号したデータを取得する段階と
を備える、方法。
【請求項9】
前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する前記段階は、
前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号をN回行い、前記第2の振幅データおよび前記位相データを取得する段階であって、前記位相データはN回目の復号が行われた後に取得され、Nは正の整数である、段階を有し、
N回の前記反復復号において、M回目の復号は、
(M-1)回目の復号の振幅データを取得する段階と、
前記(M-1)回目の復号の前記振幅データに基づいて、前記受信した信号を、振幅ビットシーケンスのK個の群に分割する段階であって、Kは正の整数である、段階と、
前記振幅ビットシーケンスのK個の群の各々に含まれたビット量を取得する段階と、
各振幅ビットシーケンス群および前記受信した信号に含まれた前記ビット量に基づいて、前記M回目の復号のためのLLR情報を取得する段階と、
前記M回目の復号のための前記LLR情報に対して、FEC復号を行い、前記M回目の復号の振幅データを取得する段階と
を含む
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各振幅ビットシーケンス群に含まれた前記ビット量は、前記振幅ビットシーケンスの対応する群の振幅値に関連する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサおよびメモリを備える符号化デバイスであって、
前記メモリと前記プロセッサとはラインを用いて相互接続され、前記メモリは命令を記憶し、前記プロセッサは、請求項1から7のいずれか一項に記載の符号化方法を実行するように構成される
符号化デバイス。
【請求項12】
プロセッサおよびメモリを備える復号デバイスであって、
前記メモリと前記プロセッサとはラインを用いて相互接続され、前記メモリは命令を記憶し、前記プロセッサは、請求項8から10のいずれか一項に記載の復号方法を実行するように構成される
復号デバイス。
【請求項13】
通信システムであって、前記通信システムは、符号化デバイスおよび復号デバイスを備え、
前記符号化デバイスは、請求項1から7のいずれか一項に記載の符号化方法を実行するように構成され、
前記復号デバイスは、請求項8から10のいずれか一項に記載の復号方法を実行するように構成される、
通信システム。
【請求項14】
装置に請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年1月2日に中国国家知識産権局に出願され、「ENCODING METHOD, DECODING METHOD,AND APPARATUS」と題する中国特許出願第202010001718.8号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、通信分野に関し、特に、符号化方法、復号方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
データ伝送では、通常、伝送デバイスがデータを符号化し、符号化したデータを受信デバイスに送信する必要がある。
【0004】
通信システムにおいて、ビット情報は、振幅ビットと位相ビットとの2種類に分類されてよい。振幅ビットの確率は、例えば確率的コンスタレーションシェーピング(Probabilistic constellation shaping,PCS)アルゴリズムを用いて調整し、冗長ビットを含むシーケンスを出力する。そして、冗長ビットを含むシーケンスと位相ビットとを組み合わせた後、前方誤り訂正(Forward Error Correction,FEC)符号化器に入力して符号化し、情報ビットとチェックビットとを含む系統符号を取得する。符号化後に取得したビットストリームは、位相ビットと振幅ビットとに基づいてパルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation,PAM)信号にマッピングされるか、または同位相(in-phase)PAMと直交(quadrature)PAMに基づいてマッピングされ、次に、直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation,QAM)信号に組み合わせる。すなわち、PCSアルゴリズムを用いて、PAM信号またはQAM信号をシェーピングする。
【0005】
しかし、既存の解決手段では、マッピング後に取得した各シンボルに含まれた情報エントロピーは固定であり、シンボルの存在により、シンボルを識別するために少なくとも1つのビットが必要である。そのため、含まれる情報エントロピーは1より大きく、またはそれに等しい必要がある。しかし、データ伝送では、伝送されるデータがより大きな情報エントロピーを含む場合、より高い信号対ノイズ比(Signal to Noise Ratio,SNR)が必要である。そのため、過酷な伝送条件では、データに含まれたより小さな情報エントロピーが必要であり、特に長距離伝送、例えば海底ケーブル伝送のシナリオでは、通常より小さな情報エントロピーが必要である。そのため、データ伝送においていかに柔軟に情報エントロピーを運ぶかが、解決すべき緊急の課題となっている。
【発明の概要】
【0006】
本願は、データ伝送においてより柔軟な情報エントロピーを実施し、特に長距離のデータ伝送の安定性を向上させるために、より小さな情報エントロピーを実施する符号化方法、復号方法、および装置を提供するものである。
【0007】
第1の態様により、本願は符号化方法を提供し、前記符号化方法は、まず、取得した符号化対象データを、予め設定した規則に従って、位相データおよび振幅データに分割する段階と、次に、前記符号化対象データに対応するコンスタレーション図を取得する段階であって、前記コンスタレーション図は、複数のコンスタレーションポイントを有し、前記複数のコンスタレーションポイントは、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントは、対応する確率値を含み、前記確率値は、対応する前記コンスタレーションポイントの発生確率を示す、段階と、次に、前記コンスタレーション図と各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値とに基づいて、前記振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階と、次に、前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群と前記位相データとを組み合わせ、次に、符号化を行うことにより、出力データを取得する段階とを備える。
【0008】
そのため、本願のこの実施形態において、前記コンスタレーション図は、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含む。そのため、その後のPCS符号化において、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを使用することで、より小さな情報エントロピーを実施することができ、データ伝送においてデータに含まれた情報エントロピーをより柔軟に判定することが可能となる。
【0009】
可能な実装例では、コンスタレーション図の各コンスタレーションポイントに対応する確率値は、情報エントロピー、コンスタレーションポイントの量、および確率的コンスタレーションシェーピング(probabilistic constellation shaping、PCS)符号化の符号長に基づいて判定される。情報エントロピーは、前記符号化対象データの容量に依存する。
【0010】
本実施形態では、情報エントロピー、コンスタレーションポイントの数量、PCS符号化の符号長に基づいて、コンスタレーション図の各コンスタレーションポイントの確率値を判定してよい。そのため、より小さな情報エントロピーが必要である場合には、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの確率値を大きくして、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生確率を高くすることができる。振幅値が0であるコンスタレーションポイントが多く発生すると、符号化対象データで伝送すべき情報エントロピーが小さくなり、より小さな情報エントロピーを実施することができる。一方、より大きな情報エントロピーが必要な場合には、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの確率値を小さくすることで、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生確率を下げ、伝送されるデータに持たせる情報エントロピーをさらに大きくすることができる。代わりに、より大きな情報エントロピーが必要である場合には、振幅値のカテゴリを追加することで、伝送されるデータに含まれた情報エントロピーを増やすこともできる。そのため、本実施形態では、コンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントに対応する確率を用いることで、より柔軟な情報エントロピーを実施することができる。
【0011】
可能な実装例では、前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群と前記位相データとを組み合わせ、次に、符号化を行うことにより、出力データを取得する前記段階は、シンボルシーケンス群の少なくとも1つのシンボルシーケンス群をシンボルシーケンスの少なくとも2つのカテゴリに分割する段階であって、前記少なくとも2つのカテゴリは、シンボルシーケンスの1番目のカテゴリとシンボルシーケンスの2番目のカテゴリとを有し、前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリの振幅値は0でなく、前記シンボルシーケンスの2番目のカテゴリの振幅値は0である、段階と、次に、前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリと前記位相データを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する段階と、次に、前記シンボルシーケンスの2番目のカテゴリと前記位相および振幅を組み合わせたデータとを組み合わせ、出力データを取得する段階とを有する。
【0012】
本実施形態では、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を、シンボルシーケンスの2つのカテゴリに分割してよい。振幅値が0であるシンボルシーケンスの2番目のカテゴリは、位相データを用いて処理が行われないため、情報が最も少ない。そのため、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの量を増やすことで、より小さな情報エントロピーを実施することができる。一方、振幅値が0でないシンボルシーケンスの1番目のカテゴリを位相データと組み合わせて位相および振幅を組み合わせたデータを取得することで、振幅値が0でないコンスタレーションポイントが持つ情報エントロピーを増加させることができる。そのため、振幅値のカテゴリ量を増やす、および/または、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生確率を下げることで、より大きな情報エントロピーを実施することができる。
【0013】
可能な実装例では、前記方法はさらに、前記位相データおよび前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群のチェックデータを取得する段階を備え、前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリと前記位相データとを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する前記段階は、前記チェックデータおよび前記位相データを組み合わせ、位相およびチェックを組み合わせたデータを取得する段階と、
前記位相およびチェックを組み合わせたデータと前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリとを組み合わせ、前記位相および振幅を組み合わせたデータを取得する段階とを有してよい。
【0014】
本実施形態では、位相データとチェックデータとを組み合わせ、位相およびチェックを組み合わせたデータを取得し、位相およびチェックを組み合わせたデータとシンボルシーケンスの1番目のカテゴリを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する。そのため、出力データにはチェックデータを含むため、出力データを受信した復号デバイスは、チェックデータに基づくチェックを行うことで、より正確な復号したデータを取得することができ、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【0015】
可能な実装例では、少なくとも1つのシンボルシーケンス群は、コンスタレーション図にあり、振幅データがマッピングされるコンスタレーションポイントの振幅インデックスであり、振幅インデックスの値にはK+1のカテゴリがあり、Kは正の整数である。
前記位相およびチェックを組み合わせたデータと前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリを組み合わせ、前記位相および振幅を組み合わせたデータを取得する前記段階は、前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリに含まれたビットを分類し、振幅ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、同じ振幅ビットシーケンスの群に含まれたビットの振幅インデックスが同じ値を持つ、段階と、前記位相およびチェックを組み合わせたデータを分割し、振幅ビットシーケンスのK個の群と1対1に対応する位相ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、位相ビットシーケンスのK個の群の各々の長さが振幅ビットシーケンスの対応する群の振幅インデックスの値に関連付けられる、段階と、前記振幅ビットシーケンスのK個の群および対応する位相ビットシーケンスの群の各々に対して演算を行い、ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、前記ビットシーケンスのK個の群の少なくとも2つのビットシーケンスの長さが異なり、組み合わせたデータはビットシーケンスのK個の群とする、段階とを有してよい。
【0016】
本実施形態では、振幅ビットシーケンスと位相ビットシーケンスとを組み合わせる特定の方式を提供し、振幅ビットと対応する位相ビットとを組み合わせ、それによって振幅ビットと位相ビットとのマッピングを実施する。
【0017】
可能な実装例では、前記振幅ビットシーケンスのK個の群と、対応する位相ビットシーケンスの群の各々に対して演算を行う前記段階は、前記位相ビットシーケンスのK個の群に対して、予め設定した方式でマッピングを行い、位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群を取得する段階と、前記位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群および振幅ビットシーケンスの対応する群の各々に対して演算を行い、前記ビットシーケンスのK個の群を取得する段階とを有してよい。
【0018】
本実施形態では、位相ビットシーケンスは、さらに、予め設定した方式で位相マッピングされたビットシーケンスとマッピングされ、それによって、位相ビットから位相への変換を実施し、その後の符号化における振幅ビットから位相ビットへのマッピングの実施に役立つ。
【0019】
可能な実装例では、前記コンスタレーション図と各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値とに基づいて、前記振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する前記段階は、予め設定した長さに基づいて、前記振幅データをセグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群に分割する段階と、前記コンスタレーション図に基づいて、前記セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群の各々に対してPCS符号化を行い、前記セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群と1対1に対応する前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階であって、前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群に含まれたビットが、前記コンスタレーションポイントの前記発生確率に対応する、段階とを有してよい。本実施形態では、振幅データをセグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群に分割し、セグメント化されたビットシーケンス群ごとにコンスタレーション図に基づいてPCS符号化を行うことで、振幅データからシンボルシーケンスへのコンスタレーションマッピングを実施する。
【0020】
可能な実装例では、前記方法は、出力データを取得した後に、出力データを復号デバイスに伝送し、復号デバイスが出力データを復号し、出力データで運ばれる情報を取得する段階をさらに備える。
【0021】
第2の態様により、本願は復号方法を提供し、前記復号方法は、まず、受信した信号を取得する段階と、次に、受信した信号に対して硬判定を行い、第1の振幅データを取得する段階と、次に、前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する段階であって、Nは正の整数である、段階と、次に、予め設定したコンスタレーション図に基づいて、前記第2の振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング復号を行い、振幅復号したデータを取得する段階であって、前記コンスタレーション図は、複数のコンスタレーションポイントを有し、前記コンスタレーション図は、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントが対応する確率値を有し、前記確率値は、対応する前記コンスタレーションポイントの発生確率を示す、段階と、次に、前記振幅復号したデータと前記位相データとを組み合わせ、復号したデータを取得する段階とを備える。
【0022】
そのため、本実施形態では、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含むコンスタレーション図に基づいて、受信した信号を復号することができる。本実施形態の方法は、既存の解決手段と比較して、より小さな情報エントロピーを持つデータの伝送を実施することができる。長距離伝送シナリオ、例えば、海底ケーブルシナリオでは、より小さな情報エントロピーを用いてデータ伝送のSINRを低減し、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【0023】
可能な実装例では、前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する前記段階は、前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号をN回行い、前記第2の振幅データおよび前記位相データを取得する段階を含み、前記位相データはN回目の復号が行われた後に取得され、Nは正の整数であってよい。前記N回の反復復号におけるM回目の復号は、(M-1)回目の復号の振幅データを取得する段階と、(M-1)回目の復号の振幅データに基づいて、受信した信号を振幅ビットシーケンスのK個の群に分割する段階(Kは正の整数である)と振幅ビットシーケンスのK個の群の各々に含まれたビット量を取得する段階と、前記各振幅ビットシーケンス群に含まれたビット量と前記受信した信号とに基づいて、M回目の復号のLLR情報を取得し、前記M回目の復号のLLR情報に対してFEC復号を行い、前記M回目の復号の振幅データを取得する段階と、を有する。
【0024】
本実施形態では、特定の復号方式は提供される。受信した信号を復号する際、複数回の反復復号を行うことで、最終的に取得される復号したデータの精度を向上させることができる。また、振幅データを復号する際に、前回の復号で取得した振幅データに基づいて、受信した信号を参照して復号を行い、より正確な復号結果を取得してもよい。
【0025】
可能な実装例では、各振幅ビットシーケンス群に含まれたビット量は、前記振幅ビットシーケンスの対応する群のビット値に関連する。本実施形態では、各振幅ビットシーケンス群に含まれたビット量は、前記振幅ビットシーケンスの対応する群のビット値に関連する。そのため、各振幅ビットシーケンス群に含まれたビット量は、前記振幅ビットシーケンスの対応する群の前記ビット値に基づいて判定されることができる。これにより、各振幅ビットシーケンス群に含まれたビット量を判定する具体的な実装例を提供する。
【0026】
第3の態様により、本願の一実施形態は、プロセッサとメモリとを含む、符号化デバイスを提供する。前記プロセッサと前記メモリとは、ラインを介して相互接続され、前記プロセッサは、前記メモリ内のプログラムコードを呼び出して、前記第1の態様およびその実装のいずれか1つに記載の符号化方法における処理関連機能を実行する。
【0027】
第4の態様により、本願の一実施形態は、プロセッサとメモリとを含む復号デバイスを提供する。前記プロセッサと前記メモリとは、ラインを介して相互接続され、前記プロセッサは、前記メモリ内のプログラムコードを呼び出して、前記第1の態様およびその実装のいずれか1つに記載の復号方法における処理関連機能を実行する。
【0028】
第5の態様により、本願の一実施形態は、デジタル処理チップを提供する。前記チップは、プロセッサとメモリとを含む。前記メモリと前記プロセッサとは、ラインを用いて相互接続され、前記メモリは命令を記憶し、前記プロセッサは、第1の態様と第2の態様のいずれか1つの方法とその実装において処理関連機能を実行するように構成されている。
【0029】
第6の態様により、本願の一実施形態は通信システムを提供する。通信システムは、符号化デバイスと復号デバイスとを備える。符号化デバイスは、第3の態様で説明し、復号デバイスは、第4の態様で説明する。
【0030】
第7の態様により、本願の一実施形態は、命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記命令がコンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータは、第1の態様および第2の態様のいずれか1つの方法およびその実装を実行することが可能になる。
【0031】
第8の態様により、本願の一実施形態は命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様および第2の態様のいずれか1つの方法およびその実施態様を実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】本願による通信システムの概略図である。
【0033】
図1B】本願による別の通信システムの概略図である。
【0034】
図2】本願による符号化デバイスの概略構造図である。
【0035】
図3】本願による復号デバイスの概略構造図である。
【0036】
図4】本願による符号化方法の概略フローチャートを示す図である。
【0037】
図5】本願による符号化方法における判定したコンスタレーション図のプレーンの概略図である。
【0038】
図6】本願による符号化方法における判定した別のコンスタレーション図のプレーンの概略図である。
【0039】
図7】本願による別の符号化方法の概略フローチャートを示す図である。
【0040】
図8】本願による可変長マッピングの概略図である。
【0041】
図9】本願による復号方法の概略フローチャートを示す図である。
【0042】
図10】本願による別の復号方法の概略フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本願の実施形態における技術的解決手段を本願の実施形態における添付図面を参照しながら明確かつ完全に説明する。説明された実施形態は単に、本発明の実施形態の一部であり、全部ではないことは明らかである。創造的努力なしに本発明の実施形態に基づいて当業者によって取得された他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれたものとする。
【0044】
まず、図1Aを参照しながら、本願で提供した通信システムを説明する。本願で提供した符号化方法および復号方法を通信システムに適用してよい。通信システムは、複数のデバイスを備えてよい。複数のデバイスは、接続を確立して、通信ネットワークを介してデータを伝送してよい。以下の本願の実装例において、データ送信デバイスは符号化デバイスと称され、データ受信デバイスは復号デバイスと称される。
【0045】
具体的に、通信ネットワークは、光通信ネットワーク、無線通信ネットワーク、光通信ネットワークと無線通信ネットワークの組み合わせなどを含んでよい。光通信ネットワークは、光伝送ネットワーク(optical transport network、OTN)、同期デジタルハイアラーキ(synchronous digital hierarchy、SDH)、受動光ネットワーク(passive optical network、PON)、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))、フレキシブルイーサネット(登録商標)(Flex Ethernet(登録商標)、FlexE)などのいずれか1つまたはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。無線通信ネットワークは、第5世代(5th Generation、5G)移動通信技術システム、長期進化(long term evolution、LTE)システム、移動通信グローバルシステム(global system for mobile communications、GSM(登録商標))、符号分割多重アクセス(code division multiple access、CDMA)ネットワーク、広帯域符号分割多重アクセス(wideband code division multiple access、WCDMA(登録商標))ネットワーク、無線忠実度(wireless fidelity、Wi-Fi(登録商標))、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、ジグビー(登録商標)(ZigBee(登録商標))、無線識別(radio frequency identification、RFID)技術、長距離無線通信(ロングレンジ、Lora)および近距離無線通信(near field communication、NFC)のいずれか1または複数を含むが、これらに限定されるものではない。
【0046】
これに応じて、本願における符号化デバイスまたは復号デバイスは、通信ネットワークにおけるデバイスであってよく、例えば、5G基地局、OTNデバイス、ADSLデバイスまたは光通信デバイスであってよい。
【0047】
より具体的には、本願で提供される技術的解決手段は、複数の種類の光通信システムに適用することができ、例えば、コヒーレント光通信システム、インコヒーレント通信システム、直接検出光通信システム、および本発明の技術的解決手段を実施し得る他の通信システムなどが挙げられる。以下、図1Bを参照しながら、コヒーレント光通信システムを例に挙げて説明する。
【0048】
図1Bは、本願の一実施形態によるコヒーレント光通信システムの概略構造図である。コヒーレント光通信システムは、符号化デバイス110、光ファイバ120および復号デバイス130を備える。符号化デバイス110は、信号光源101、変調器102、偏波ビームスプリッタ(polarization beam splitter、PBS)103および偏波ビームコンバイナ(polarization beam combiner、PBC)104を備えてよい。符号化デバイス110は、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、またはデジタル信号処理チップをさらに備えてよく、電気信号を生成するように構成されている。復号デバイス130は、局部発振器光源105、バランス型受信機106、PBS(図示せず)、周波数混合器107および電気復調回路108を備えてよい。電気復調回路108は、DSPまたはデジタル信号処理チップを有してよい。符号化デバイスおよび復号デバイスは、同じデバイスまたは異なるデバイスにあってよい。本願において、2つの別個のデバイスのみを説明の例とし、限定的に使用するものではない。本願の実施形態における技術的解決手段は、偏波多重化をサポートするコヒーレント光通信システムに適用してもよく、別の形態のコヒーレント光通信システム、例えば、単一の偏波状態を利用するコヒーレント光通信システムに適用してもよい。単一の偏波状態を利用するコヒーレント光通信システムは、PBSまたはPBCを有していない可能性がある。
【0049】
符号化デバイス110において、信号光源101はレーザであってよい。偏波ビームスプリッタ103を使用することで、信号光源101に照射された光信号を、光信号Xおよび光信号Yに分割する。変調器102は、一方の電気信号を光信号Xに負荷し、他方の電気信号を光信号Yに負荷する。電気信号は、符号化デバイス(TxDSP)のDSPが、情報ビットストリームに対して、FEC、コンスタレーションマッピング、パルスシェーピングなどの1または複数の処理を行った後に取得されてもよい。変調器102は、I/Q変調器であってもよく、各電気信号は信号Iと信号Qとを含み、信号Iと信号Qとの間の位相差は90度である。電気信号が変調器102を通過した後、XI、XQ、YI、およびYQである4つの信号が形成される。そして、偏波ビームコンバイナ104を用いて、電気信号が載った光信号Xと光信号Yを多重化する。そして、光ファイバ120を介して多重化された信号が送信される。
【0050】
復号デバイス130は、光ファイバ120を伝送された光信号を受信した後、偏波ビームスプリッタにより受信した光信号を2つの直交信号に分割し、各直交信号と局部発振器光源105で発生した1つの光信号との間で周波数混合107が行われる。局部発振器光源105はレーザであってよい。周波数混合を行うと、偏波と位相とが直交する4つの光信号XI、XQ、YI、YQが取得される。そして、バランス型受信機106は、光信号をアナログ電気信号に変換し、アナログ電気信号をアナログ-デジタル変換回路で4つのデジタル電気信号に変換する。受信デバイスでのDSP(RxDSP)は、デジタル電気信号に対して、分散補償、偏波分離、均一化、復号などの処理の1または複数を行う。
【0051】
さらに、図1Bを参照しながら、本願で提供される符号化デバイスおよび復号デバイスについて、以下でより詳細に説明する。
【0052】
図2は、本願発明の一実施形態による符号化デバイスの概略構造図である。符号化デバイスは、送信端のDSP(TxDSP)201、デジタル-アナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)202、信号光源203、変調器204、偏波ビームスプリッタ(PBS)205、偏波ビームコンバイナ(PBC)206などを含んでよい。TxDSP201は、FECモジュール、コンスタレーションマッピングモジュール、パルスシェーピングモジュール、およびスペクトラムシフティングモジュールなどの1または複数の機能モジュールを含んでよい。TxDSP上の機能モジュールは、ハードウェアに基づいて実装されてもよく、ソフトウェアに基づいて実装されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装されてもよい。例えば、TxDSPは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、またはデジタル論理回路によって実装することができる。別の例として、TxDSPはプロセッサおよびメモリを備えてよい。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムコードを実行することにより、1または複数の機能モジュールの機能を実施する。別の例として、TxDSPは、プログラムコードを記憶する機能を有しなく、プロセッサの機能のみを有してよい。符号化デバイスの動作原理については、図1Bの実施形態における符号化デバイス110の説明を参照する。本願において、符号化デバイスは、以下の図4から図8までのいずれか1つの実施形態に対応する符号化方法の段階を実行するために使用されてもよい。より具体的には、以下の図4から図8までのいずれか1つの実施形態に対応する符号化方法の段階は、TxDSPによって実行されてもよい。
【0053】
DAC202、信号光源203、PBS205またはPBC206は、オプションのモジュールであることを留意すべきである。例えば、符号化デバイスが無線通信ネットワーク内のデバイスである場合、DAC202、PBS205、PBC206を含まず、信号光源203を発振器に置き換えて、無線信号の伝送を完了させてもよい。
【0054】
図3は、本願の一実施形態による復号デバイスの概略構造図である。復号デバイスは、局部発振器光源301、偏波ビームスプリッタ(PBS)302、ビームスプリッタ(beam splitter、BS)303、混合器304、平衡受信器305、アナログ/デジタル変換器(Analog-to-Digital Converter、ADC)306、および受信端DSP(RxDSP)307を備えてもよい。RxDSP707は、分散補償、均一化、偏波分離、位相回復、およびFECを実行するように構成された1または複数の機能モジュールを含んでもよい。RxDSP上の機能モジュールは、ハードウェアに基づいて実装されてもよく、ソフトウェアに基づいて実装されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装されてもよい。例えば、RxDSPは、ASIC、FPGA、またはデジタル論理回路を使用して実装することができる。別の例として、RxDSPはプロセッサおよびメモリを備えてよい。プロセッサは、メモリに記憶したプログラムコードを実行することにより、1または複数の機能モジュールの機能を実施する。別の例として、RxDSPは、プログラムコードを記憶する機能を有しなく、プロセッサの機能のみを有してよい。復号デバイスの原理については、図1の実施形態における復号デバイス130の説明を参照する。本願において、復号デバイスは、以下で図9に対応する復号方法の段階を実行するために使用されてもよい。より具体的には、以下の図9に対応する復号方法の段階は、RxDSPによって実行されてもよい。
【0055】
なお、ADC306、局部発振器光源301、PBS302、平衡受信器305、またはBS303はオプションのモジュールであることに留意すべきである。例えば、復号デバイスが無線通信ネットワーク内のデバイスである場合、ADC306、平衡受信器305、PBS302、BS303を含まず、局部発振器光源301を発振源に置き換えて、無線信号の伝送を完了させてもよい。
【0056】
以下、図1Aから図3に提供された通信システム、符号化デバイス、および復号デバイスに基づいて、本願で提供される符号化方法および復号方法について説明する。
【0057】
図4を参照しながら、本願で提供される符号化方法について以下で説明する。
【0058】
401:符号化対象データを取得する。
【0059】
符号化対象データは、符号化デバイスに記憶したデータであってよく、または符号化デバイスにより別のデバイスから受信したデータであってもよい。
【0060】
例えば、符号化デバイスは伝送経路上のノードであってよい。符号化デバイスは、アップストリームノードにより送信したデータを受信して、上記データを符号化対象データとして使用してよく、または符号化デバイスが復号デバイスにローカルデータを送信する必要がある場合に、符号化デバイスはローカルデータを符号化対象データとして使用してよい。
【0061】
402:予め設定した規則に従って符号化対象データを位相データおよび振幅データに分割する。
【0062】
符号化対象データを取得した後、符号化デバイスは、予め設定した規則に従って符号化対象データを位相データおよび振幅データに分割する。
【0063】
予め設定した規則は具体的に、予め設定した長さに基づいて符号化対象データを複数のデータブロックに分割することと、次に、データブロックの一部を位相データとして使用し、データブロックの他の一部を振幅データとして使用することとを含む。例えば、符号化対象データを均等に2つの部分に分割して、同じ長さを持つ位相データおよび振幅データを取得してもよく、または符号化対象データを2つの長さが異なる部分に分割して、位相データおよび振幅データを取得してもよく、または同様のことをしてよい。
【0064】
403:符号化対象データに対応するコンスタレーション図を取得する。
【0065】
コンスタレーション図は複数のコンスタレーションポイントを有し、複数のコンスタレーションポイントは振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントは対応する確率値を含み、確率値は、対応するコンスタレーションポイントの発生確率を示している。
【0066】
コンスタレーション図は、二次元、三次元、四次元、または六次元コンスタレーション図などの多次元コンスタレーション図であってよい。例えば、コンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントは行列の形態に整然と配置されてよい。プレーンの1つについて、図5を参照する。コンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントは整然な格子(lattice)を形成し、1つのコンスタレーションポイントは4つのコンスタレーションポイントに隣接する。コンスタレーション図は通常、Z格子と称され、nは次元を表す。別の例として、コンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントは行列に配置されていない。プレーンの1つについて、図6を参照する。1つのコンスタレーションポイントは6つのコンスタレーションポイントに隣接する。通常、コンスタレーションポイントが行列に配置されていない二次元のコンスタレーション図をA2格子と称されてよく、コンスタレーションポイントが行列に配置されていない四次元のコンスタレーション図をD4格子と称されてよい。また、本願では、特にA2またはD4のようにコンスタレーションポイントが行列の形式に整然と配置されていないコンスタレーション図に対して、より多くのビット情報の伝送が実施される。例えば、A2は二次元空間におけるユークリッド球空間の最密配置空間であり、A2におけるコンスタレーションポイントの密度は
【数1】
である。コンスタレーションポイント間の最小距離が同じで情報エントロピーが同じ場合、A2格子のコンスタレーション図を用いた場合の平均消費電力は、Z格子のQAMコンスタレーション図を用いた場合の平均消費電力より0.42dB少なくなる。すなわち、コンスタレーションポイント間の最小距離が同じで情報エントロピーが同じ場合、同じエネルギーを用いれば、Z格子のQAMコンスタレーション図で符号化した場合よりも、A2格子のコンスタレーション図で符号化した場合の方が多くの情報ビットが伝送されることになる。
【0067】
なお、コンスタレーション図が多次元コンスタレーション図である場合、本願に言及した振幅値は、全次元におけるコンスタレーションポイントの振幅値が計算された後に取得された振幅値であることを留意すべきである。コンスタレーションポイントの振幅値は、全次元の振幅値の二乗和の平方根を抽出することで取得される。例えば、コンスタレーションポイントが[xi,xq,yi,yq]である場合、コンスタレーションポイントの振幅値は、
【数2】
である。振幅値が0であるコンスタレーションポイントについて、各次元における振幅値は0である。例えば、本願においてD4格子を用いると、振幅値が0であるコンスタレーションポイントは[0,0,0,0]である。別の例として、本願においてA2格子を用いると、振幅値が0であるコンスタレーションポイントは[0,0]である。
【0068】
可能な実装例では、コンスタレーション図の各コンスタレーションポイントに対応する確率は、情報エントロピー、コンスタレーションポイントの量、および確率的コンスタレーションシェーピング(probabilistic constellation shaping、PCS)符号化の符号長に関連する。情報エントロピーは、符号化対象データの容量に依存する。容量は、単位時間に伝送したビットデータの量である。より大きな容量は、より大きな情報エントロピーが含まれることを示す。さらに、符号化対象データに対応するコンスタレーション図を取得すると、符号化対象データの伝送速度に参照してよい。符号化対象データが異なれば、コンスタレーション図も異なる場合がある。例えば、符号化対象データがより大きな容量を有する場合、選択したコンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントはより密に分配され、選択したコンスタレーション図は、より多くのコンスタレーションポイントを含み、したがって、より大きな量のデータの伝送を実施する。例えば、400ギガビット/秒の容量を有する符号化対象データは100GHzの帯域幅で符号化デバイスによって伝送され、判定したコンスタレーション図は、少なくとも16個のコンスタレーションポイントを含む。
【0069】
404:コンスタレーション図および各コンスタレーションポイントに対応する確率値に基づいて、振幅データでの確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する。
【0070】
符号化デバイスは、段階403に判定したコンスタレーション図および各コンスタレーションポイントに対応する確率値に基づいて、振幅データでのPCS符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する。
【0071】
可能な実装例では、段階404は具体的に、予め設定した長さに基づいて、振幅データをセグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群に分割する段階と、コンスタレーション図に基づいて、セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群に対してPCS符号化を行い、セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群と1対1に対応する少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階であって、少なくとも1つのシンボルシーケンス群に含まれたビットが、コンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントの発生確率に対応する、段階とを有してよい。
【0072】
具体的に、コンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントの発生確率に基づいて、PCS符号化がセグメント化されたビットシーケンスの各群を1つのシンボルシーケンス群に、予め設定したマッピングの態様でマッピングする。コンスタレーションポイントの振幅値は同じでも異なっていてもよく、さらに振幅値のカテゴリが含まれていてもよい(例えば、振幅値は0、1、2、3、4、5などであってよい)。予め設定したマッピングの態様は、予め設定したアルゴリズムを用いて行うマッピングであってもよく、マッピング関係に基づいて直接行うマッピングであってもよい。PCS符号化とは、mビットシーケンスをnビットシーケンスにマッピングする符号化であり、mとnは正の整数であり、nはmより大きい、と理解することができる。異なるmビットシーケンスに対応するnビットシーケンスも異なる。具体的には、PCS符号化を行った後に出力されるシンボルシーケンスに含まれた各ビットを1つのコンスタレーションポイントとし、シンボルシーケンスにおける各コンスタレーションポイントの発生量と対応する確率値を一致させる。例えば、コンスタレーションポイントの振幅値が0と1を含み、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生確率が0.5、振幅値が1であるコンスタレーションポイントの発生確率が0.5、出力シンボルシーケンスが6ビットを含み、各ビットが1つのコンスタレーションポイントを表す場合、6ビット中に振幅値0が3つ、振幅値1が3つとなることが考えられる。すなわち、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生量は確率0.5と一致し、振幅値が1であるコンスタレーションポイントの発生量は確率0.5と一致する。
【0073】
例示的なシナリオでは、マッピングテーブルを検索する方式は、mビットシーケンスをnシンボルシーケンスにマッピングするために、PCS符号化を実装するために使用されてよい(ここで、nシンボルシーケンスは、少なくともnビットを含むシンボルである)。また、mビットシーケンスと対応するnシンボルシーケンスのマッピング関係をマッピングテーブルに記憶してもよい。マッピングテーブルの出力シンボルシーケンスに含まれたビットは、コンスタレーション図におけるコンスタレーションポイントの発生確率に対応する。ビットシーケンスは2個あるので、対応するテーブルには少なくとも2*n個のビットが含まれる。PCS符号化では、mビットシーケンスに対応する値でマッピングテーブルを検索し、対応するnシンボルシンボルシーケンスを出力する。例えば、m=4、n=6とする例がある。マッピングテーブルについては、以下の表1を参照し、シンボル0とシンボル1の確率を共に0.5に等しくする。
【表1】
【0074】
表1において、出力シンボルシーケンスの各シンボルは、コンスタレーションポイントの振幅インデックスを示す。また、表1の出力シンボルシーケンスにおけるコンスタレーションポイントの発生量は、コンスタレーションポイントの確率値に対応する。例えば、表1において、振幅インデックスが0であるコンスタレーションポイントの発生確率は0.5であり、振幅インデックスが1であるコンスタレーションポイントの発生確率は0.5であり、表1のコンスタレーションポイントの発生量は確率と一致している。
【0075】
PCS符号化を行う段階は、具体的には、振幅データを複数の4ビットビットシーケンスの群に分割し、マッピングテーブルを検索し、次に、対応する6ビットシンボルシーケンスを取得することを含むことができる。例えば、mビットシーケンスが「0010」であれば、対応する出力シンボルシーケンスは「001101」となる。
【0076】
その上、出力シンボルシーケンスはさらに、例えば、2、3、4、5のようなより多くの値を含むことができる。異なる値は、異なる振幅を表す。例えば、値が2であるビットは、振幅値2または振幅値のソート後に取得される振幅値の2番目のカテゴリのインデックスを表し、値が3であるビットは、振幅値3または振幅値のソート後に取得される振幅値の3番目のカテゴリのインデックスを表し、値が4であるビットは、振幅値4または振幅値のソート後に取得される振幅値の4番目のカテゴリのインデックスを表し、値が5であるビットは、振幅値5または振幅値のソート後に取得される振幅値の5番目のカテゴリのインデックスを表すことなどが挙げられる。残りは類推で推定することができる。
【0077】
405:少なくとも1つのシンボルシーケンス群と位相データとを組み合わせ、次に符号化を実行し、出力データを取得する。
【0078】
少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する後、少なくとも1つのシンボルシーケンス群と位相データとを組み合わせたデータを符号化し、出力データを取得する。
【0079】
可能な実装例において、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を、シンボルシーケンスの、シンボルシーケンスの1番目のカテゴリおよびシンボルシーケンスの2番目のカテゴリを含む、少なくとも2つのカテゴリに分割し、シンボルシーケンスの1番目のカテゴリの振幅値が0ではなく、シンボルシーケンスの2番目のカテゴリの振幅値は0である。そして、シンボルシーケンスの1番目のカテゴリと位相データとを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する。そして、シンボルシーケンスの2番目のカテゴリと位相および振幅を組み合わせたデータとを組み合わせ、出力データを取得する。
【0080】
可能な実装例において、段階405の前に、本実施形態に提供された方法はさらに、位相データのチェックデータおよび少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階を備えてよい。具体的に、位相データと少なくとも1つのシンボルシーケンス群とを組み合わせ、次にFECエンコーダに入力し、位相データおよび少なくとも1つのシンボルシーケンス群に対してFEC符号化を実行し、チェックデータを取得してよい。
【0081】
FEC符号化の具体的な処理は、位相データと少なくとも1つのシンボルシーケンス群とを組み合わせた後に取得したデータを
【数3】
で表し、ここで、uは予め設定した生成行列を用いることで符号化され、
【数4】
であるチェックデータを取得することが挙げられ、ここで、
【数5】
である。
【0082】
チェックデータを取得した後、振幅値が0でないシンボルシーケンスの1番目のカテゴリと位相データとを組み合わせる際に、さらにチェックデータを追加して組み合わせる。具体的には、チェックデータと位相データとを組み合わせ、位相およびチェックを組み合わせたデータを取得することができる。例えば、位相データの先頭または末端にチェックデータを追加して、位相およびチェックを組み合わせたデータを取得する。そして、位相およびチェックを組み合わせたデータと、振幅値が0でないシンボルシーケンスの1番目のカテゴリとを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する。
【0083】
より具体的には、段階404で取得した少なくとも1つのシンボルシーケンス群は、コンスタレーション図にあり、振幅データがマッピングされるコンスタレーションポイントの振幅インデックスとなる。振幅値のインデックスの値はK+1のカテゴリでよく、振幅値0に対応するインデックスは0であり、Kは正の整数である。例えば、ビットシーケンス「0010」が「001202」にマッピングされる場合、「001202」の「2」はマッピングされたコンスタレーションポイントの振幅インデックスを表し、コンスタレーションポイントの振幅値が振幅値の2番目のカテゴリに属することを示す。コンスタレーション図が、振幅値が0、2、4、6のコンスタレーションポイントを含み、振幅値が昇順に並ぶ場合、振幅値の0番目のカテゴリは0を含み、振幅値の1番目のカテゴリは2を含み、振幅値2番目のカテゴリは4を含み、振幅値の3番目のカテゴリは6を含む。確かに、振幅値の大きさによって並べ替えを行わないこともある。例えば、振幅値が0、4、6、2のように配置されている。この場合、0番目のカテゴリの振幅値には0、1番目のカテゴリの振幅値には4、2番目のカテゴリ振幅値には6、3番目のカテゴリの振幅値には2が含まれる。
【0084】
少なくとも1つのシンボルシーケンス群が、コンスタレーション図にあり、振幅データがマッピングされるコンスタレーションポイントの振幅インデックスであることを、以下により具体的に説明する。
【0085】
位相データおよび少なくとも1つのシンボルシーケンス群のチェックデータが取得されたら、振幅インデックスを2値化してもよい。例えば、振幅値のカテゴリが4つある場合、振幅インデックス0は「00」、振幅インデックス1は「01」、振幅インデックス2は「11」、振幅インデックス3は「10」と表される。振幅値のカテゴリが多い場合、より多くのビットを使用して振幅インデックスを表すことができる。例えば、振幅値のカテゴリが6つある場合、3ビットで振幅インデックスを表すことができる。振幅インデックス0は「000」、振幅インデックス1は「010」などで表される。残りは類推で推定することができる。
【0086】
位相データと、振幅値が0でないシンボルシーケンスの1番目のカテゴリを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得することは具体的に、シンボルシーケンスの1番目のカテゴリに含まれたビットを分類し、振幅ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、同じ振幅ビットシーケンスの群に含まれたビットの振幅インデックスが同じ値を持つ、段階と、次に、位相およびチェックを組み合わせたデータを分割し、振幅ビットシーケンスのK個の群と1対1に対応する位相ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、位相ビットシーケンスのK個の群の各々の長さが振幅ビットシーケンスの対応する群の振幅インデックスの値に関連付けられる、段階と、次に、振幅ビットシーケンスのK個の群および対応する位相ビットシーケンスの群の各々を組み合わせ、ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、ビットシーケンスのK個の群は位相および振幅を組み合わせたデータを形成し、ビットシーケンスのK個の群のうち少なくとも2つのビットシーケンス群の長さが異なる、段階とを有してよい。
【0087】
オプションとして、振幅ビットシーケンスのK個の群と、対応する位相ビットシーケンスの群の各々を組み合わせる段階は具体的に、位相ビットシーケンスのK個の群に対して、予め設定した方式でマッピングを行い、位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群を取得する段階と、次に、位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群および振幅ビットシーケンスの対応する群の各々に対して演算を行い、ビットシーケンスのK個の群を取得する段階とを有してよい。演算は、具体的には、例えば、積演算、テンソル積演算、表検索などを挙げることができるが、ある演算に限定されるものではない。
【0088】
オプションとして、符号化対象データを符号化し、出力データを取得した後、符号化デバイスはさらに、出力データを復号デバイスに送信する。復号デバイスは、出力データを復号し、出力データに含まれたデータを抽出する。このように、符号化対象データの伝送を成功に完了させる。
【0089】
そのため、本願発明の実装例では、選択したコンスタレーション図に振幅値が0であるコンスタレーションポイントが含まれるため、振幅値が0であるコンスタレーションポイントに基づいて、より小さな情報エントロピーを実装することができる。例えば、より小さな情報エントロピーが必要である場合は、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生確率を高くし、より大きな情報エントロピーが必要である場合は、振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生確率を低くし、またはコンスタレーション図における振幅値のカテゴリの数量を多くするなどしてもよい。そのため、本願の実施形態で提供される符号化方法は、より柔軟な情報エントロピーを実装することができる。
【0090】
以下、本願で提供する符号化方法についてより詳しく説明する。
【0091】
例えば、図7は、本願発明による他の符号化方法の一実施形態を示す概略図である。
【0092】
まず、符号化デバイスは、符号化対象データを取得し、符号化対象データを位相データと振幅データとに分割する。
【0093】
そして、符号化デバイスは、振幅データに対してデータマッチング符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得するが、本実施形態ではPCS符号化が使用される。また、PCS符号化を行う前に、符号化デバイスはコンスタレーション図を選択し、コンスタレーション図における各コンスタレーションポイントの発生確率を判定する。少なくとも1つのシンボルシーケンス群は、振幅データがマッピングされるコンスタレーションポイントの振幅値の振幅インデックスを含む。
【0094】
例えば、本実施形態では、D4格子を一例として使用して説明する。コンスタレーション図のプレーンの1つについて、図6を参照する。各コンスタレーションポイントを[xi,xq,yi,yq]と表現し、各コンスタレーションポイントのエネルギーをxi+xq+yi+yqと表してよい。
【0095】
エネルギーが0であるコンスタレーションポイントが1つあり、そのコンスタレーションポイントの振幅インデックスが0であり、そのコンスタレーションポイントは具体的に[0000]を含む。
【0096】
エネルギーが2であるコンスタレーションポイントが24個あり、コンスタレーションポイントの振幅インデックスは1であり、コンスタレーションポイントは具体的には以下を含む。
【数6】
【0097】
エネルギーが4であるコンスタレーションポイントが24個あり、コンスタレーションポイントの振幅インデックスは2であり、コンスタレーションポイントは具体的には以下を含む。
【数7】
【0098】
エネルギーが6のコンスタレーションポイントが96個あり、コンスタレーションポイントの振幅インデックスは3であり、コンスタレーションポイントは具体的には以下の通りを含む。
【数8】
【0099】
情報エントロピーが1であるPCS符号化を実施するために、振幅インデックス0と振幅インデックス1を選択することができる。エネルギーが0であるコンスタレーションポイントとエネルギーが2であるコンスタレーションポイントとを含む、すなわち、合計のコンスタレーションポイントの量は1+24=25である。コンスタレーションポイントの発生確率を調整し、振幅インデックスが1である24個のコンスタレーションポイントの確率を同じにした。そのため、25個のコンスタレーションポイントの発生確率を、[0.328,0.028,0.028,...,0.028]と設定し、「0.328」はエネルギーを0としたコンスタレーションポイントの発生確率になる。
【0100】
この場合、各シンボルの平均情報エントロピーは-0.328*log2(0.328)-0.028*log2(0.028)*24≒4となる。
【0101】
各シンボルの平均エネルギーは、0.028*2*24=1.344となる。
【0102】
既存解決手段のQPSKコンスタレーションポイント(±1,±1,±1,±1)/sqrt(2)では、各シンボルの平均情報エントロピーは4、平均エネルギーは2であったが、本ソリューションでは、各シンボルの平均情報エントロピーは4、平均エネルギーは2である。
【0103】
明らかに、本実施形態における各シンボルのエネルギーは、既存の解決手段におけるQPSKコンスタレーション図におけるエネルギーより小さくなっている。
【0104】
したがって、本実施形態では、コンスタレーション図とコンスタレーションポイントの確率分布を用いることで、より小さなエネルギーを用いてより多くの情報エントロピーの転送を実施することができる。
【0105】
そして、符号化デバイスは、少なくとも1つのシンボルシーケンス群と位相データを組み合わせたデータをFECエンコーダに入力して符号化する。少なくとも1つのシンボルシーケンス群は、振幅インデックスの値を含む。そのため、少なくとも1つの振幅インデックス群に含まれた振幅インデックスは、複数の2進数ビットに変換する必要がある。例えば、振幅インデックスが4つのカテゴリある場合、「0」は「00」、「1」は「01」、「2」は「10」、「3」は「11」などに変換される。FECエンコーダは、位相データおよび少なくとも1つのシンボルシーケンス群のチェックデータを出力する。
【0106】
符号化デバイスは、チェックデータと位相データとを位相およびチェックを組み合わせたデータに組み合わせ、位相およびチェックを組み合わせたデータと少なくとも1つのシンボルシーケンス群とを組み合わせて、出力データを取得する。本実施形態において、位相およびチェックを組み合わせたデータと、少なくとも1つのシンボルシーケンス群とを組み合わせて出力データを取得することは、位相およびチェックを組み合わせたデータと、少なくとも1つのシンボルシーケンス群とに対して可変長マッピングを行い、出力データを取得することである。
【0107】
例えば、可変長マッピングについて、図8を参照する。
【0108】
振幅ビットシーケンス(すなわち、少なくとも1つのシンボルシーケンス群)を分割し、振幅インデックス値が0である1つの振幅ビットシーケンス群と、振幅インデックス値が0でない振幅ビットシーケンスのK個の群を含む、K+1群の振幅ビットシーケンスを取得する。振幅ビットシーケンスが分割されると、それに対応して位相およびチェックを組み合わせたデータも分割され、位相およびチェックを組み合わせたデータが分割されるときに使用される長さは、振幅ビットシーケンスの対応する群の振幅インデックスの値に関連している。具体的には、振幅ビットシーケンスは、予め設定した量のビット単位で分割されてよく、すなわち、各振幅ビットシーケンス群は、予め設定した量のビットを含む。位相ビットシーケンスの各群に含まれたビット量は、対応する振幅インデックス値と予め設定した量に基づいて判定される。
【0109】
例えば、振幅インデックス値が0でない振幅ビットシーケンスのK個の群において、各振幅ビットシーケンス群は2ビットを含む。振幅ビットシーケンスのK個の群の1つを一例として使用する。振幅ビットシーケンス群に対応する位相ビットシーケンスに含まれたビット量を、振幅ビットシーケンスに含まれた振幅インデックス値に基づいて判定する。振幅ビットシーケンスに含まれた振幅インデックス値は2である場合、対応する位相ビットシーケンスに含まれたビット量は9である。振幅インデックスが2であるコンスタレーションポイントが24個あり、振幅インデックスが2である2ビットは、576個(24*24=576)の可能なコンスタレーションポイントの組み合わせを示すことが理解され得る。位相ビットシーケンスの各ビットの可能な値は0または1を含み、したがって9ビットに対応する可能なビットシーケンスの組み合わせは512個(2=512)ある。512は、振幅インデックスが2である2ビットにおける可能なコンスタレーションポイントの量よりも大きくない。すなわち、振幅インデックス値が2である2ビットにおける可能なコンスタレーションポイントの組み合わせは、9ビットに対応するビットシーケンスの組み合わせを含んでよい。振幅ビットシーケンスに含まれた振幅インデックス値は3である場合、対応する位相ビットシーケンスに含まれたビット量は13である。振幅インデックスが3であるコンスタレーションポイントが96個あり、振幅インデックス値が3である2ビットは、9216個(96*96=9216)の可能なコンスタレーションポイントの組み合わせを示すことが理解され得る。位相ビットシーケンスの各ビットの可能な値は0または1を含み、したがって13位相ビットは8192(213=8192)個の可能な組み合わせがある。8192は、振幅インデックス値が3である2ビットにおける可能なコンスタレーションポイントの量よりも大きくない。すなわち、振幅インデックス値が3である2ビットにおける可能なコンスタレーションポイントの組み合わせは、可能な13ビットのビットシーケンスの組み合わせを含んでよい。
【0110】
符号化デバイスは、位相およびチェックを組み合わせたデータを分割した後、分割後に取得された位相ビットシーケンスの各群に対して位相マッピングを行い、位相ビットシーケンスの群を0、π/2、π、-π/2などの異なる位相の組み合わせにマッピングし、位相ビットシーケンスの群と1対1に対応する位相マッピングされたビットシーケンスの群を取得する。そして、符号化デバイスは、位相マッピングされたビットシーケンスの各群と振幅ビットシーケンスの対応する群に対して積演算を行い、位相マッピングされたビットシーケンスの群と1対1に対応するビットシーケンスのK個の群を取得する。
【0111】
例えば、振幅インデックス値が1である2ビットを振幅ビットシーケンスから分割するたびに、位相およびチェックを組み合わせたデータから9ビットを分割し、その9ビットに対して位相マッピングを行い、9ビットを0、π/2、π、-π/2のような異なる位相の組み合わせにマッピングされた後、異なる位相の組み合わせと振幅インデックス値が1である2ビットに対してテンソル積演算を行って1群のビットシーケンスを取得する。振幅ビットシーケンスから振幅インデックス値が2である2ビットを分割するたびに、位相およびチェックを組み合わせたデータから9ビットを分割し、9ビットに対して位相マッピングを行い、9ビットを0、π/2、π、-π/2のような異なる位相の組み合わせにマッピングされた後、異なる位相の組み合わせと振幅インデックス値が2である2ビットに対してテンソル積演算を行って1群のビットシーケンスを取得し、さらに、振幅ビットシーケンスから振幅インデックス値3である2ビットを分割するたびに、位相およびチェックを組み合わせたデータから13ビットを分割し、13ビットに対して位相マッピングを行い、13ビットを0、π/2、π、-π/2のような異なる位相の組み合わせにマッピングされた後、異なる位相の組み合わせと振幅インデックス値3である2ビットに対してテンソル積演算を行い、1群のビットシーケンスを取得する。残りは類推から推定して、ビットシーケンスのK個の群を取得することができる。
【0112】
符号化デバイスは、ビットシーケンスのK個の群と、振幅インデックスが0である振幅ビットシーケンスの群とを組み合わせる。このやり方で、出力データを取得することができる。
【0113】
本実施形態では、振幅インデックスが0であるコンスタレーションポイントを直接組み合わせ、位相データとの処理を行わないため、振幅インデックスが0であるコンスタレーションポイントは最も情報量が少ない。そのため、振幅インデックスが0であるコンスタレーションポイントの発生確率を増やすことで、より小さな情報エントロピーを取得することができる。より大きな情報エントロピーが必要である場合、振幅値のカテゴリの数を増し、および/または振幅値が0であるコンスタレーションポイントの発生確率を減らすことで、情報エントロピーを増やすことができる。例えば、振幅インデックスが0であるコンスタレーションポイントは位相情報を持たず、振幅インデックスが1であるコンスタレーションポイントが24個、振幅インデックスが2であるコンスタレーションポイントが24個あるので、少なくとも4ビット超の情報(log2(24)>4)が含まれ、振幅インデックスが3である異なるコンスタレーションポイントが96個あるので、6ビット超の情報(log2(96)>6)が含まれてよい。したがって、柔軟な情報エントロピーを実施することができる。
【0114】
以上、本願で提供する符号化方法について詳しく説明した。
以下、本願で提供する復号方法について説明する。
【0115】
図9を参照しながら、本願で提供される復号方法について、以下で詳細に説明する。復号方法は以下の段階を備える。
【0116】
901:受信した信号を取得する。
【0117】
符号化対象データを符号化する後、符号化デバイスは、符号化したデータを、通信ネットワークを介して復号デバイスに送信する。復号デバイスは、符号化デバイスにより送信された、受信した信号を受信する。通信ネットワークについて、図1Aの関連した説明を参照する。
【0118】
902:受信した信号に対して硬判定を実行し、第1の振幅データを取得する。
【0119】
受信した信号を受信する後、復号デバイスは、受信した信号に対して硬判定を実行し、第1の振幅データを取得する。
【0120】
具体的に、復号デバイスは、受信した信号の振幅値に対して、硬判定を行い、各ビットの振幅値を取得する。例えば、受信したビットの振幅値が0であれば、復号デバイスはそのビットの振幅値を0と決定し、受信したビットの振幅値が0と1の間であれば、復号デバイスはそのビットの振幅値を1と決定し、受信したビットの振幅値が1と2の間であれば、復号デバイスはそのビットの振幅値を2と決定することなどが挙げられる。残りは類推で推定することができる。
【0121】
903:受信した信号と第1の振幅データに基づいて反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する。
【0122】
第1の振幅データを取得した後、受信した信号および第1の振幅データに基づいて反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する。
【0123】
具体的には、反復復号処理は、受信した信号と第1の振幅データとに基づいて、N回の反復復号を行い、第2の振幅データと位相データとを取得すること、ここでNは正の整数であり、位相データを、N回目の復号を行った後に取得することと、を含んでもよい。
【0124】
第1の復号の際に、復号デバイスは、受信した信号と第1の振幅データとに基づいて対数尤度比(log likelihood ratio、LLR)を計算し、第1LLRに対してFEC復号を行い、第1の復号の振幅データを取得する。振幅データおよび受信した信号を次の復号において入力データとして使用する。
【0125】
M回目の復号は一例として用いられ、(M-1)回目の復号の振幅データを取得する段階と、(M-1)回目の復号の振幅データに基づいて、受信した信号を振幅ビットシーケンスのK個の群に分割する段階(Kは正の整数である)と振幅ビットシーケンスのK個の群の各々に含まれたビット量を取得する段階と、各振幅ビットシーケンス群に含まれたビット量と受信した信号とに基づいて、M回目の復号のLLR情報を取得し、M回目の復号のLLR情報に対してFEC復号を行い、M回目の復号の振幅データを取得する段階と、を有する。
【0126】
また、各振幅ビットシーケンス群に含まれたビット量は、振幅ビットシーケンスの対応する群におけるビットの振幅値に関連する。例えば、振幅値は3である場合、対応するビット量は13であり、振幅値は2である場合、対応するビット量は9である。
【0127】
例えば、第1の振幅データにおけるnビット目のLLR値を、以下のように計算する:
【数9】
【0128】
受信した信号はsであり、cは想定した伝送シンボル集合であり、
【数10】
はそれぞれ、nビット目の値を1とすることができる伝送コンスタレーションポイント集合およびnビット目の値を0とすることができる伝送コンスタレーションポイント集合であり、p(s|c)はcを伝送したときにsを受信する確率を示し、p(c|s)はsを受信したときにcを伝送する確率を示す。
【0129】
受信した信号にはノイズが含まれることがあり、その結果、硬判定またはLLR計算で誤った判定が行われることがあるため、LLR値を計算した後、FEC復号を行うことで、より正確な振幅データを取得することができる。具体的なFEC復号の態様は、チェックマトリクスを復号デバイスに予め設定することを含んでよい。
【数11】
【0130】
また、G.H=0である。Gについて、段階405に説明した生成行列を参照する。したがって、計算で取得した出力LLRに誤った判定があるかどうかは、Hを用いて検証することができる。具体的な検証方法は、
【数12】
であり、ここで、Cは出力振幅データ、Vは計算で取得したLLR値の集合である。
【0131】
N回目の復号において、FECデコーダに出力した復号したデータを、予め設定した方式で分割し、第2の振幅データおよび位相データを取得する。予め設定した方式は、符号化デバイスと復号デバイスとが合意した方式であり、符号化デバイス置がFEC符号化を行う前に少なくとも1つのシンボルシーケンス群と位相データとを組み合わせる方式を逆にしたものである。復号したデータを分割する段階は、段階405において少なくとも1つのシンボルシーケンス群と位相データとを組み合わせる方式の逆処理である。例えば、段階405で少なくとも1つのシンボルシーケンス群と位相データとを連結する際に、最初のyビットが少なくとも1つのシンボルシーケンス群、最後のqビットが位相データである場合、復号デバイスは、出力する復号したデータを分割する際に、最初のyビットを第2の振幅データとして、最後のqビットを位相データとして、分割する。
【0132】
また、振幅データに含まれたビットの値は振幅インデックスであるため、FEC復号を行う前に振幅データの値における振幅インデックスを対応する2値ビットに置き換える。例えば、振幅インデックス値のカテゴリが4つある場合、振幅インデックス値0を「00」に置き換え、振幅インデックス値1を「01」に置き換え、振幅インデックス値2を「10」に置き換え、振幅インデックス値3を「11」に置き換える。
【0133】
例えば、図10に示すように、受信した信号に対して硬判定を実行して、第1の振幅データを取得した後、復号デバイスは、受信した信号を参照して第1の振幅データに対して第1のLLR計算を行い、そして、第1のLLR計算を介して取得したLLR情報に対して第1のFEC復号を行い、第1のFEC復号を介して取得した振幅データを取得する。そして、復号デバイスは、第1のFEC復号を介して取得した振幅データおよび受信した信号に基づいて、第2のLLR計算を行い、LLR情報を取得し、第2のLLR計算を介して取得したLLR情報に対して第2のFEC復号を行い、第2のFEC復号後に振幅データを取得することなどが挙げられる。N回目の復号において、復号デバイスは、(N-1)回目のFEC復号を介して取得したLLR情報および受信した信号に基づいて、LLR情報を計算し、N回目のLLR計算を介して取得したLLR情報に対してFEC復号を行い、N回目の復号の振幅データを取得する。復号デバイスは、N回目の復号の振幅データを分割し、第2の振幅データおよび位相データを取得する。
【0134】
904:予め設定したコンスタレーション図に基づいて第2の振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング復号を行い、振幅復号したデータを取得する。
【0135】
第2の振幅データを取得した後、予め設定したコンスタレーション図に基づいて第2の振幅データに対してPCS復号を行い、振幅復号したデータを取得する。コンスタレーション図について、段階403における関連説明を参照する。詳細は本明細書において再び説明しない。
【0136】
具体的に、段階403で説明したPCS復号処理およびPCS符号化処理は、互いに逆である。予め設定したアルゴリズムを用いてPCS符号化を行う場合、予め設定したアルゴリズムの逆動作に基づいて対応するPCS復号を行う。
【0137】
例えば、上述のマッピングテーブルに基づいてPCS符号化を行う場合、本実施形態におけるPCS復号を、上述のマッピングテーブルに基づいて行ってもよい。例えば、復号デバイスに記憶されたマッピングテーブルは表2であってよい。
【表2】
【0138】
表2は表1と同様であって、詳細は本明細書に再び説明しない。表1の出力シンボルシーケンスが表2の入力シンボルシーケンスであり、表1の入力ビットシーケンスが表2の出力ビットシーケンスであることが相違点である。
【0139】
第2の振幅データを取得した後、復号デバイスは、PCS復号の復号長に基づいて第2の振幅データを少なくとも1つのシンボルシーケンス群に分割し、マッピングテーブルを検索して少なくとも1つのシンボルシーケンス群に、少なくとも1つのシンボルシーケンス群にと1対1対応であるセグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群をマッピングすることができる。セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群は振幅復号したデータである。例えば、少なくとも1つのシンボルシーケンス群の1つは「110001」である場合、マッピングされたビットシーケンスは「1111」である。
【0140】
905:振幅復号したデータと位相データとを組み合わせ、復号したデータを取得する。
【0141】
振幅復号したデータを取得した後、復号デバイスは、振幅復号したデータと位相データとを組み合わせ、復号したデータを取得する。
【0142】
なお、振幅復号したデータと位相データとを組み合わせる特定の方式と段階402とは、互いに逆処理であってもよいものとして理解され取得する。例えば、符号化デバイスが符号化対象データを均等に2部分に分割した場合、振幅復号したデータと位相データを直接組み合わせて復号したデータを取得することができる。
【0143】
そのため、本実施形態では、復号デバイスは、予め設定したコンスタレーション図に基づいて、第2の振幅データに対してPCS復号を行い、対応する振幅復号したデータを取得してよい。コンスタレーション図は複数のコンスタレーションポイントを有し、コンスタレーション図は振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントは対応する確率値を含み、確率値は、対応するコンスタレーションポイントの発生確率を示している。そのため、復号デバイスは、確率値に基づいて受信した信号を復号し、正確な復号したデータを取得し、受信した信号に含まれたデータを抽出してもよい。このやり方で、より柔軟な情報エントロピーを実施し、またはより大きな情報エントロピーを含む受信データを受信することができる。
【0144】
本願の一実施形態はさらにデジタル処理チップを提供する。デジタル処理チップは、TxDSP201またはRxDSP307またはTxDSP201またはRxDSP307の機能を実施するために使用される回路と1または複数のインタフェースを統合する。メモリがデジタル処理チップに統合されている場合、デジタル処理チップは、図1Aから図9に対応する上述の実施形態のいずれか1または複数の方法段階を完了することができる。デジタル処理チップにメモリを統合しない場合、デジタル処理チップはインタフェースを介して外部メモリに接続することができる。デジタル処理チップは、外部メモリに記憶されたプログラムコードに基づいて、上述の実施形態における符号化デバイスまたは復号デバイスで実行される動作を実行する。
【0145】
当業者であれば、上述の実施形態の段階のすべてまたは一部が、関連ハードウェアを指示するプログラムによって実施され取得することを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。言及された記憶媒体は、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリなどであってよい。具体的には、例えば、上述の処理装置またはプロセッサは、中央処理装置、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェアコンポーネント、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。これらの機能がハードウェアにより実行されるか、ソフトウェアにより実行されるかは、特定の用途および技術的解決手段の設計上の制約条件によって決まる。当業者であれば、異なる方法を使用して、説明した機能を特定の用途ごとに実装し得るが、かかる実装が本願の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
【0146】
実施形態を実施するためにソフトウェアが使用される場合、上述の実施形態における方法段階は、コンピュータプログラム製品の形態で完全にまたは部分的に実施され取得する。コンピュータプログラム製品は、1または複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータ上でロード及び実行されると、本願の実施形態に係る手順または機能の全てまたは一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワークまたは別のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよく、あるコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体へ伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバまたはデジタル加入者線(DSL))または無線(例えば、赤外線、電波またはマイクロ波)方式で伝送されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ、または、1もしくは複数の使用可能な媒体を統合するサーバもしくはデータセンタ等のデータ記憶デバイスによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体であってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)、または半導体媒質であってよい。
【0147】
最後に、前述の説明は本願の単なる特定の実装例にすぎず、本願の保護範囲を限定する意図はないことに留意されたい。本願において開示する技術的範囲内で当業者が容易に考え出す変形または置換はいずれも、本願の保護範囲に含まれたものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲の対象となるものとする。
[他の可能な項目]
[項目1]
取得された符号化対象データを、予め設定した規則に従って、位相データおよび振幅データに分割する段階と、
前記符号化対象データに対応するコンスタレーション図を取得する段階であって、前記コンスタレーション図は、複数のコンスタレーションポイントを有し、前記複数のコンスタレーションポイントは、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントは、対応する確率値を含み、前記確率値は、対応する前記コンスタレーションポイントの発生確率を示す、段階と、
前記コンスタレーション図と各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値とに基づいて、前記振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階と、
前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群と前記位相データとを組み合わせ、次に、符号化を行うことにより、出力データを取得する段階と
を備える、符号化方法。
[項目2]
前記コンスタレーション図における各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値は、情報エントロピー、コンスタレーションポイントの数、および前記確率的コンスタレーションシェーピング符号化の符号長さに基づいて判定され、前記情報エントロピーは、前記符号化対象データの容量に依存する、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群と前記位相データとを組み合わせ、次に、符号化を行うことにより、出力データを取得する前記段階は、
シンボルシーケンス群の少なくとも1つのシンボルシーケンス群をシンボルシーケンスの少なくとも2つのカテゴリに分割する段階であって、前記少なくとも2つのカテゴリは、シンボルシーケンスの1番目のカテゴリとシンボルシーケンスの2番目のカテゴリとを有し、前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリの振幅値は0でなく、前記シンボルシーケンスの2番目のカテゴリの振幅値は0である、段階と、
前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリと前記位相データを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する段階と、
前記シンボルシーケンスの2番目のカテゴリと前記組み合わせたデータを組み合わせ、出力データを取得する段階と
を有する
項目1または2に記載の方法。
[項目4]
前記位相データおよび前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群のチェックデータを取得する段階をさらに備える方法であって、
前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリと前記位相データとを組み合わせ、位相および振幅を組み合わせたデータを取得する前記段階は、
前記チェックデータおよび前記位相データを組み合わせ、位相およびチェックを組み合わせたデータを取得する段階と、
前記位相およびチェックを組み合わせたデータと前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリとを組み合わせ、前記位相および振幅を組み合わせたデータを取得する段階と
を有する
項目3に記載の方法。
[項目5]
前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群は、前記コンスタレーション図に存在し、前記振幅データがマッピングされるコンスタレーションポイントの振幅インデックスであり、前記振幅インデックスの値にはK+1のカテゴリが存在し、Kは正の整数であって、
前記位相およびチェックを組み合わせたデータと前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリを組み合わせ、前記位相および振幅を組み合わせたデータを取得する前記段階は、
前記シンボルシーケンスの1番目のカテゴリに含まれたビットを分類し、振幅ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、同じ振幅ビットシーケンスの群に含まれたビットの振幅インデックスが同じ値を持つ、段階と、
前記位相およびチェックを組み合わせたデータを分割し、振幅ビットシーケンスのK個の群と1対1に対応する位相ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、位相ビットシーケンスのK個の群の各々の長さが振幅ビットシーケンスの対応する群の振幅インデックスの値に関連付けられる、段階と、
前記振幅ビットシーケンスのK個の群および対応する位相ビットシーケンスの群の各々に対して演算を行い、ビットシーケンスのK個の群を取得する段階であって、前記ビットシーケンスのK個の群の少なくとも2つのビットシーケンスの長さが異なり、組み合わせたデータはビットシーケンスのK個の群とする、段階と
を有する
項目4に記載の方法。
[項目6]
前記振幅ビットシーケンスのK個の群と、対応する位相ビットシーケンスの群の各々に対して演算を行う前記段階は、
前記位相ビットシーケンスのK個の群に対して、予め設定した方式でマッピングを行い、位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群を取得する段階と、
前記位相マッピングされたビットシーケンスのK個の群および振幅ビットシーケンスの対応する群の各々に対して演算を行い、前記ビットシーケンスのK個の群を取得する段階と
を有する
項目5に記載の方法。
[項目7]
前記コンスタレーション図と各コンスタレーションポイントに対応する前記確率値とに基づいて、前記振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング符号化を行い、少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する前記段階は、
予め設定した長さに基づいて、前記振幅データをセグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群に分割する段階と、
前記コンスタレーション図に基づいて、前記セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群の各々に対してPCS符号化を行い、前記セグメント化されたビットシーケンスの少なくとも1つの群と1対1に対応する前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群を取得する段階であって、前記少なくとも1つのシンボルシーケンス群に含まれたビットが、前記コンスタレーションポイントの前記発生確率に対応する、段階と
を有する
項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
受信した信号を取得する段階と、
受信した信号に対して硬判定を行い、第1の振幅データを取得する段階と、
前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する段階であって、Nは正の整数である、段階と、
予め設定したコンスタレーション図に基づいて、前記第2の振幅データに対して確率的コンスタレーションシェーピング復号を行い、振幅復号したデータを取得する段階であって、前記コンスタレーション図は、複数のコンスタレーションポイントを有し、前記コンスタレーション図は、振幅値が0であるコンスタレーションポイントを含み、各コンスタレーションポイントが対応する確率値を有し、前記確率値は、対応する前記コンスタレーションポイントの発生確率を示す、段階と、
前記振幅復号したデータと前記位相データとを組み合わせ、復号したデータを取得する段階と
を備える、復号方法。
[項目9]
前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号を行い、第2の振幅データおよび位相データを取得する前記段階は、
前記受信した信号および前記第1の振幅データに基づいて、反復復号をN回行い、前記第2の振幅データおよび前記位相データを取得する段階であって、前記位相データはN回目の復号が行われた後に取得され、Nは正の整数である、段階を有し、
前記N回の前記反復復号において、M回目の復号は、
(M-1)回目の復号の振幅データを取得する段階と、
前記(M-1)回目の復号の前記振幅データに基づいて、前記受信した信号を、振幅ビットシーケンスのK個の群に分割する段階で会って、Kは正の整数である、段階と、
前記振幅ビットシーケンスのK個の群の各々に含まれたビット量を取得する段階と、
各振幅ビットシーケンス群および前記受信した信号に含まれた前記ビット量に基づいて、前記M回目の復号のためのLLR情報を取得する段階と、
前記M回目の復号のための前記LLR情報に対して、FEC復号を行い、前記M回目の復号の振幅データを取得する段階と
を含む
項目8に記載の方法。
[項目10]
各振幅ビットシーケンス群に含まれた前記ビット量は、前記振幅ビットシーケンスの対応する群の振幅値に関連する、項目9に記載の方法。
[項目11]
プロセッサおよびメモリを備える符号化デバイスであって、
前記メモリと前記プロセッサとはラインを用いて相互接続され、前記メモリは命令を記憶し、前記プロセッサは、項目1から7のいずれか一項に記載の符号化方法を実行するように構成される
符号化デバイス。
[項目12]
プロセッサおよびメモリを備える復号デバイスであって、
前記メモリと前記プロセッサとはラインを用いて相互接続され、前記メモリは命令を記憶し、前記プロセッサは、項目8から10のいずれか一項に記載の復号方法を実行するように構成される
復号デバイス。
[項目13]
通信システムであって、前記通信システムは、符号化デバイスおよび復号デバイスを備え、
前記符号化デバイスは、項目1から7のいずれか一項に記載の符号化方法を実行するように構成され、
前記復号デバイスは、項目8から10のいずれか一項に記載の復号方法を実行するように構成される、
通信システム。
[項目14]
命令を含む可読記憶媒体であって、前記命令が装置上で実行されると、前記装置に項目1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させることを可能にする、可読記憶媒体。
[項目15]
命令を含むプログラム製品であって、前記プログラム製品が装置上で実行されると、前記装置に項目1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させることを可能にする、プログラム製品。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10