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  • 特許-貯湯給湯装置 図1
  • 特許-貯湯給湯装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】貯湯給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/104 20220101AFI20231129BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20231129BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20231129BHJP
   F24H 15/212 20220101ALI20231129BHJP
   F24H 15/32 20220101ALI20231129BHJP
   F24H 15/325 20220101ALI20231129BHJP
【FI】
F24H15/104
F24H15/395
F24H1/18 D
F24H1/18 H
F24H15/212
F24H15/32
F24H15/325
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019213957
(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公開番号】P2021085592
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和久
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 由典
(72)【発明者】
【氏名】大西 兼造
(72)【発明者】
【氏名】輿水 連太郎
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-009896(JP,A)
【文献】特開2016-156562(JP,A)
【文献】特開2006-250402(JP,A)
【文献】特開2011-242093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/00
F24H 15/395
F24H 1/18
F24H 15/325
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機と、補助熱源機と、湯水を貯留する貯湯タンクと、貯湯ポンプによって前記貯湯タンクの下部から取り出した湯水を前記主熱源機により加熱して前記貯湯タンクの上部に戻す加熱循環回路と、循環ポンプによって前記貯湯タンクの下部から取り出した湯水を前記補助熱源機により加熱して前記貯湯タンクの上部に流入可能に構成された通路を備えた貯湯給湯装置において、
前記貯湯タンクの上部には、この貯湯タンクの上部の湯水の温度を検出するサーミスタが設けられ、
前記加熱循環回路は、前記主熱源機を通った湯水の戻し先を前記貯湯タンク又は前記主熱源機に切替え可能なようにバイパス通路と貯湯切替弁を備え、
この貯湯給湯装置への水張り動作後、前記補助熱源機で加熱された湯水を前記貯湯タンクの上部に流入させて前記貯湯タンクの上部に貯湯し、その後に前記貯湯切替弁を前記貯湯タンクに湯水を戻すようにした状態で前記貯湯タンクの下部から取り出した湯水を前記主熱源機により加熱せずに前記加熱循環回路を介して前記貯湯タンクの上部に戻すことにより前記貯湯タンクの上部の湯水の温度が低下した場合には前記加熱循環回路への水張りは正常に行われていると判断することを特徴とする貯湯給湯装置。
【請求項2】
前記貯湯タンクの上部の湯水の温度が前記加熱循環回路の湯水循環により低下しない場合には、前記加熱循環回路への水張りは異常と判断して、その旨を報知することを特徴とする請求項1に記載の貯湯給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯給湯装置に関し、特に試運転時に加熱循環回路への水張りの成否を簡単に判断できるようにした貯湯給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
貯湯給湯装置は、主熱源機と、上水又は貯湯タンクから取り出した湯水を加熱する補助熱源機と、湯水を貯留する貯湯タンクと、貯湯タンクの下部から湯水を取り出して主熱源機を経由して貯湯タンクの上部に戻す加熱循環回路とを有し、試運転時には、種々の配管系統への水張り状態や加熱循環回路への水張り状態を確認している。
【0003】
特に、機器の配置上の都合から加熱循環回路の循環を行う貯湯用の循環ポンプが貯湯タンクの底部よりも高い位置に配置される場合もあって、加熱循環回路に水張りする際に、加熱循環回路内のエア抜きが不十分のため、循環ポンプが空転状態となって加熱循環回路に湯水が流れず、主熱源機が空焚き状態になる虞がある。
【0004】
特許文献1の貯湯式給湯システムでは、貯湯タンクの上部から取り出した湯水を補助熱源機へ供給し、補助熱源機で加熱して貯湯タンクの下部に戻すことが可能に構成され、試運転時に主熱源機を休止状態のまま、補助熱源機で加熱した湯水を貯湯タンクの下部に押し込み、加熱循環回路の湯水を循環させて、試運転開始から所定時間の間に、主熱源機の熱交換器出口側温度が上昇した場合には、加熱循環回路への水張りが正常に行われていると判断し、そうでない場合は水張りが正常に行われていないと判断してその旨を報知するように構成している。
【0005】
尚、特許文献2に記載の貯湯給湯装置では、試運転時の水張り完了後に、貯湯用の循環ポンプ駆動開始前に、注湯電磁弁を閉弁させてから開弁状態に戻すことで、貯湯タンクの下部と上部の水圧の差圧を増大させて、加熱循環回路内のエアを貯湯タンクへ抜くようにしている。
【0006】
尚、特許文献3に記載の貯湯給湯装置では、試運転時の水張り完了後に、貯湯タンクに給水可能な給水電磁弁を閉弁させてから開弁に戻し、開弁状態になる前に貯湯用の循環ポンプを駆動するようにし、貯湯タンクの下部と上部の水圧の差圧を瞬間的に増大させて、貯湯用の循環ポンプを水張り状態にするように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5975271号公報
【文献】特許第5919957号公報
【文献】特許第6044117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の貯湯式給湯システムでは、貯湯タンクの上部から取り出した湯水を補助熱源機へ供給可能にする湯水取り出し回路を設けておくことが必要である。
しかし、最近、コストダウンの要請から、貯湯タンクの上部から取り出した湯水を補助熱源機へ供給する湯水取り出し回路を省略する場合がある。この場合、特許文献1に記載の方法で、加熱循環回路の水張りの成否を判断することができない。
本発明の目的は、前記の湯水取り出し回路を省略した場合にも、加熱循環回路の水張りの成否を簡単に判断可能にした貯湯給湯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の貯湯給湯装置は、主熱源機と、補助熱源機と、湯水を貯留する貯湯タンクと、貯湯ポンプによって前記貯湯タンクの下部から取り出した湯水を前記主熱源機により加熱して前記貯湯タンクの上部に戻す加熱循環回路と、循環ポンプによって前記貯湯タンクの下部から取り出した湯水を前記補助熱源機により加熱して前記貯湯タンクの上部に流入可能に構成された通路を備えた貯湯給湯装置において、前記貯湯タンクの上部には、この貯湯タンクの上部の湯水の温度を検出するサーミスタが設けられ、前記加熱循環回路は、前記主熱源機を通った湯水の戻し先を前記貯湯タンク又は前記主熱源機に切替え可能なようにバイパス通路と貯湯切替弁を備え、この貯湯給湯装置への水張り動作後、前記補助熱源機で加熱された湯水を前記貯湯タンクの上部に流入させて前記貯湯タンクの上部に貯湯し、その後に前記貯湯切替弁を前記貯湯タンクに湯水を戻すようにした状態で前記貯湯タンクの下部から取り出した湯水を前記主熱源機により加熱せずに前記加熱循環回路を介して前記貯湯タンクの上部に戻すことにより前記貯湯タンクの上部の湯水の温度が低下した場合には前記加熱循環回路への水張りは正常に行われていると判断することを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、補助熱源機で加熱された湯水を前記貯湯タンクの上部に流入させ、その後に前記主熱源機による加熱を行わない状態で加熱循環回路に湯水を循環させることにより加熱循環回路への水張り確認を行い、この加熱循環回路の湯水循環により貯湯タンクの上部の湯水の温度が低下した場合には加熱循環回路への水張りは正常に行われていると判断する。このように、簡単な方法により加熱循環回路への水張りが正常に行われているか否か判断することできる。
【0011】
請求項2の貯湯給湯装置は、請求項1の発明において、前記貯湯タンクの上部の湯水の温度が前記加熱循環回路の湯水循環により低下しない場合には、前記加熱循環回路への水張りは異常と判断して、その旨を報知することを特徴としている。
上記の構成によれば、貯湯タンクの上部の湯水の温度が加熱循環回路の湯水循環により低下しない場合には、加熱循環回路への水張りは異常と判断して、その旨を報知する。このように、加熱循環回路への水張りの異常を報知するため、主熱交換器の空焚きや、貯湯ポンプの空転を防止することできる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明は種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る貯湯給湯装置の構成図である。
図2】加熱循環系統への水張りを確認する水張り確認制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づいて説明する。
最初に、貯湯給湯装置1について図1に基づいて説明する。
この貯湯給湯装置1は、水をヒートポンプユニット2(主熱源機)で温めて貯湯タンク3に貯留しておき、この貯湯タンク3からカラン4や風呂(図示略)に供給可能であり、上水や貯湯タンク3から取り出した湯水を補助熱源機5で加熱してカラン4や風呂の外に風呂用熱交換器6に供給可能なものである。
【0015】
貯湯給湯装置1は、断熱材で覆われた貯湯タンク3、ヒートポンプユニット2、ガス燃焼式の補助熱源機5、中和器5a、制御ユニット8、この制御ユニット8に接続された操作リモコン9を有すると共に、配管や機器を含む種々の流路系統として、給水系統A、加熱循環系統B、カラン4に給湯する給湯系統C、風呂に注湯する注湯系統D、風呂用熱交換器6に湯水を供給する熱利用系統Eを有する。熱利用系統Eには、風呂水を追い焚きする追い焚き系統Gが付随的に設けられている。尚、貯湯タンク3には底部から頂部に亙る複数の温度成層の湯温を検出する6つのサーミスタ3a~3fが付設され、サーミスタ3fは貯湯タンク3の頂部近傍部に配置されている。
【0016】
次に、上記の各系統について説明する。但し、主要な機器についてのみ説明し、本願に直接関係しないサーミスタや水抜き栓等については説明を省略する。
給水系統Aは、給水元栓10、減圧弁11を設けた通路12、この通路12に連なる通路13、この通路13に設けた逆止弁14、通路13を貯湯タンク3に接続する通路15を有する。この通路15には水抜き通路16が接続され、この水抜き通路16の下流端には排水バルブ17が設けられている。
【0017】
加熱循環系統Bは、貯湯タンク3の底部からヒートポンプユニット2まで延びる往き通路18と、ヒートポンプユニット2と、ヒートポンプユニット2から貯湯タンク3の頂部へ延びる戻り通路19と、往き通路18に設けた貯湯用の貯湯ポンプ21(以下、貯湯ポンプという)と、往き通路18と戻り通路19を接続するバイパス通路20と、戻り通路19とバイパス通路20の接続部に設けた貯湯切替弁22(三方電磁弁)等を有する。
【0018】
給湯系統Cは、貯湯タンク3の頂部から延びる通路25と、この通路25に接続された通路26と、この通路26に接続された通路27と、通路25,26の接続部に設けた混合弁28と、通路26に設けた給湯水量センサ29と、通路26,27の接続部に設けた水量調整弁30等を有する。混合弁28には通路12から延びる通路31が接続され、この通路31には逆止弁32が設けられている。通路26,31を接続するバイパス通路33には高温回避電磁弁34が設けられている。通路25の上流端近傍部(貯湯タンク3の頂部近傍)には通路25内に突出するサーミスタ7が取り付けられている。
【0019】
注湯系統Dは、水量調整弁30から分岐した通路35と、この通路35から浴槽(図示略)まで延びる通路36と、通路35に設けた注湯電磁弁37及び注湯水量センサ38と、通路36に設けた風呂サーミスタ40等を有する。通路12から分岐して注湯電磁弁37まで延びる通路41の下流端に逆流防止弁42が接続され、この逆流防止弁42が注湯電磁弁37に接続され、逆流防止弁42からホッパー43まで延びるオーバーフロー通路44も設けられている。
【0020】
熱利用系統Eは、補助熱源機への通路に設けられた循環ポンプ46と、この循環ポンプ46から補助熱源機5まで延びて内部の熱交換器に接続された通路48と、ガス燃焼式の補助熱源機5と、この補助熱源機5内の熱交換器から延びる通路49と、この通路49から延びて風呂用熱交換器6を通過して下方へ延びる通路51と、通路51の下流端から循環ポンプ46まで延びる通路52と、通路51,52の接続部に設けられた風呂熱交出口電磁弁54等を有する。尚、通路48には循環水量センサ45が設けられている。
【0021】
尚、補助熱源機5に燃料ガスを導入するガス通路5bと、補助熱源機5にドレン通路5cを介して接続された中和器5aも設けられている。
【0022】
また、通路49,25を接続するバイパス通路49aと、このバイパス通路49aに設けられたタンク水比例弁55も設けられている。通路15,52を接続する接続通路15aには貯湯出口サーミスタ56が設けられている。接続通路15aをホッパー43に接続するオーバーフロー通路57には逃し弁59が設けられている。
【0023】
追い焚き系統Gは、通路36の上流端から風呂用熱交換器6まで延びる通路75と、風呂用熱交換器6から浴槽まで延びる通路76と、通路75に介装された風呂ポンプ77及び風呂水流スイッチ78及び水位センサ39等を有する。
ここで、上記の複数の流路系統に設けられた制御対象の機器(ポンプやバルブ等)は、制御ユニット8により制御され、センサ類の検出信号は制御ユニット8に供給される。
【0024】
ここで、本願は、試運転時に水張り動作完了後に行う加熱循環系統B(加熱循環回路)への水張りを確認する水張り確認制御に特徴を有するものである。
以下、図2のフローチャートに基づいて、上記の加熱循環系統Bへの水張り確認制御について説明する。尚、このフローチャートは制御ユニット8に予め格納されており、この制御は試運転時に水張り動作完了後に操作端末9から所定の指令を入力することで開始される。尚、図2において、Si(i=1,2,・・・)は各ステップを示す。
【0025】
この制御が開始されると、S1において補助熱源機5及び循環ポンプ46の作動が開始される。このとき、循環ポンプ46の作動により貯湯タンク3の底部の湯水が通路15、15a,52,48を通って補助熱源機5に供給され、この補助熱源機5で加熱された湯水が通路49、49a,25を通って貯湯タンク3の頂部へ供給される。尚、カラン4が閉じているため、混合弁28は水100%となっていて湯水が通路25から通路26へ流れることはない。そのため、補助熱源機5で加熱された湯水が貯湯タンク3の頂部へ貯湯される。
【0026】
次に、S2において流量計45が検出する流量Qが所定値βL/分(例えば5L/分)以上になったか否か判定され、その判定がNoのときは循環ポンプ46のポンプ回転数を所定値(例えば、500rpm)だけ増加させてからS2へ戻る。ポンプ回転数が過小の場合には貯湯タンク3の頂部に貯湯するのに長い時間がかかるためである。
【0027】
S2の判定がYesになると、S4において設定時間t1(例えば、2分)経過したか否か判定し、その判定がNoのうちはS4を繰り返し、S4の判定がYesになるとS5へ移行する。少なくとも設定時間t1の間貯湯することで、貯湯タンク3の頂部に所定量の温かい湯水を貯湯することができる。S5では、上記のように貯湯した状態で、サーミスタ3fの検出温度Th1がメモリに記憶される。この検出温度Th1は、貯湯タンク3の頂部内の湯水の温度を反映した温度である。
その後、S6では補助熱源機5と循環ポンプ46を停止させる。このように停止させるのは、後述するS9で検出する検出温度Th2に貯湯タンク3内の頂部の湯水の温度を反映させる為である。
【0028】
次に、S7において、ヒートポンプユニット2は停止状態に保持したまま、貯湯ポンプ21を作動開始させる。次に、S8において、設定時間t2(例えば、30秒)経過したか否か判定し、その判定がNoのうちはS8を繰り返し、S8の判定がYesになると、S9においてサーミスタ3fの検出温度Th2がメモリに記憶される。この検出温度Th2は貯湯タンク3内の頂部の湯水の温度を反映した温度である。
【0029】
次に、貯湯ポンプ21の作動開始後に所定時間t2経過すると、加熱循環系統Bの湯水が循環して、通路19の低温の湯水が貯湯タンク3の頂部に流入するため、貯湯タンク3の頂部の湯水の温度が低下する。加熱循環系統Bの水張りが不完全の場合には、通路19の低温の湯水が貯湯タンク3の頂部に流入しないため、貯湯タンク3の頂部の湯水の温度が低下しない。そのため、加熱循環系統Bの水張り状態を検出温度Th2を用いて判定することができる。
【0030】
S10では、温度差(Th1-Th2)が所定値α(例えば、αは5°)以上か否か判定し、その判定がYesの場合はS11において加熱循環系統B(通路18~20)の水張りは正常と判断する。加熱循環系統Bの水張りが正常であれば、通路19から貯湯タンク3の頂部に供給された低温の水が流入するため貯湯タンク3の頂部の湯水の温度が確実に低下するため、加熱循環系統Bの水張りが正常であると判断することができる。
このように、正常であると判断した場合は、その旨を操作端末9に文字表示や音声にて報知する。この報知からユーザーは加熱循環系統Bの水張りが正常であることを知ることができる。
【0031】
S10の判定がNoの場合は、S12において加熱循環系統B(通路18~20)の水張りは異常と判断し、S13では加熱循環系統Bの水張り異常を操作端末9により文字表示や音声にて報知する。S11やS13からS14へ移行し、S14においては給湯ポンプ21を停止させ、この制御が終了する。
【0032】
次に、以上説明した貯湯給湯装置1の作用、効果について説明する。
貯湯給湯装置1への水張り後には、補助熱源機5で加熱された湯水を貯湯タンク3の頂部に流入させて貯湯タンク3の上部に貯湯する。その後にヒートポンプユニット2(主熱源機)による加熱を行わない状態で、貯湯ポンプ2によって加熱循環系統Bに湯水を循環させることにより加熱循環系統Bへの水張り確認を行う。この加熱循環系統Bの湯水循環により貯湯タンク3の上部の湯水の温度が低下した場合には加熱循環系統Bへの水張りは正常に行われていると判断する。このように、簡単な方法により加熱循環系統Bへの水張りが正常に行われているか否か判断することできる。
【0033】
そして、貯湯タンク3の上部の湯水の温度が加熱循環系統Bの湯水循環により低下しない場合には、加熱循環系統Bへの水張りは異常と判断して、その旨を操作端末9により報知する。このように、加熱循環系統Bへの水張りの異常を報知するため、ヒートポンプユニット2の空焚きや、貯湯ポンプ21の空転を防止することできる。
【0034】
しかも、上記の加熱循環系統Bへの水張りを確認する水張り確認制御は、貯湯タンク3の頂部から湯水を取り出して補助熱源機5へ供給する通路を必要としないため、汎用性に優れる。
【0035】
次に、上記の実施例を部分的に変更する例について説明する。
1)前記加熱循環系統Bへの水張りを確認する水張り確認制御においては、貯湯タンク3の頂部に設けられたサーミスタ3fで検出した温水温度を採用したが、通路25に設けられたサーミスタ7で検出した温水温度を採用してもよい。その場合、貯湯ポンプ21の作動開始と同時もしくは開始後に注湯電磁弁37を開き、通路25にタンク上部の湯水を通過させるように構成するとよい。
2)前記の貯湯給湯装置1は、貯湯給湯装置の一例を示すものであり、本発明は種々の貯湯給湯装置に適用することができる。例えば、ヒートポンプユニット2の代わりに燃料電池ユニットやガスエンジンを設ける場合もある。
【0036】
3)その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態をも包含するものである。
【符号の説明】
【0037】
1 貯湯給湯装置
2 ヒートポンプユニット(主熱源機)
3 貯湯タンク
3f サーミスタ
5 補助熱源機
7 サーミスタ
8 制御ユニット
9 操作リモコン
B 加熱循環系統
図1
図2