(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】蓄電装置取付台
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20231129BHJP
H01G 2/04 20060101ALI20231129BHJP
H01G 2/02 20060101ALI20231129BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20231129BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20231129BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20231129BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01G2/04
H01G2/02 101C
H01G2/02 101D
H01M50/209
H01M50/291
H01M50/244 Z
(21)【出願番号】P 2019048941
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】吉牟田 治喜
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-097049(JP,A)
【文献】特開平10-031988(JP,A)
【文献】特開平07-081432(JP,A)
【文献】特開平06-328946(JP,A)
【文献】特開2015-043336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/289 - 293
H01M 50/204 - 216
H01M 50/244
H01M 50/262 - 264
H01G 2/04
H01G 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子を有する蓄電装置が取り付けられる台座部と、
第一方向において前記台座部とで前記蓄電装置
の少なくとも一部を挟む位置に配置される第一固定具と、
前記台座部に対して固定され、前記第一方向と交差する第二方向において前記第一固定具が固定される被固定部と、
前記第二方向に延び、前記第二方向において前記第一固定具を前記被固定部に固定する固定部材と、を備え、
前記第一固定具は、
前記第一方向及び前記第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、前記第一方向に向けて前記蓄電装置
の少なくとも一部を押圧する第一傾斜面を有する
蓄電装置取付台。
【請求項2】
蓄電素子を有する蓄電装置が取り付けられる台座部と、
第一方向において前記台座部とで前記蓄電装置
の少なくとも一部を挟む位置に配置される第一固定具と、
前記台座部に対して固定され、前記第一方向と交差する第二方向において前記第一固定具が固定される被固定部と、を備える蓄電装置取付台であって、
前記第一固定具は、
前記第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、前記第一方向に向けて前記蓄電装置
の少なくとも一部を押圧する第一傾斜面を有し、
前記蓄電装置取付台は、さらに、
前記蓄電装置
の少なくとも一部と前記第一固定具との間に配置される第二固定具を備え、
前記第二固定具は、前記第一傾斜面と対向する位置に、前記第一傾斜面に沿って延びる第二傾斜面を有する
蓄電装置取付台。
【請求項3】
蓄電素子を有する蓄電装置が取り付けられる台座部と、
第一方向において前記台座部とで前記蓄電装置
の少なくとも一部を挟む位置に配置される第一固定具と、
前記台座部に対して固定され、前記第一方向と交差する第二方向において前記第一固定具が固定される被固定部と、を備える蓄電装置取付台であって、
前記第一固定具は、
前記第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、前記第一方向に向けて前記蓄電装置
の少なくとも一部を押圧する第一傾斜面を有し、
前記蓄電装置取付台は、さらに、
前記第一固定具の前記台座部とは反対側に配置され、前記第一固定具の前記台座部とは反対側への移動を規制する規制部を備える
蓄電装置取付台。
【請求項4】
前記第一固定具は、前記規制部と対向する位置に、前記第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、前記第一傾斜面とは反対方向に傾斜した第三傾斜面を有する
請求項3に記載の蓄電装置取付台。
【請求項5】
さらに、
前記規制部と前記第一固定具との間に配置される第三固定具を備え、
前記第三固定具は、前記第三傾斜面と対向する位置に、前記第三傾斜面に沿って延びる第四傾斜面を有する
請求項4に記載の蓄電装置取付台。
【請求項6】
蓄電素子を有する蓄電装置が取り付けられる台座部と、
第一方向において前記台座部とで前記蓄電装置
の少なくとも一部を挟む位置に配置される第一固定具と、
前記台座部に対して固定され、前記第一方向と交差する第二方向において前記第一固定具が固定される被固定部と、を備え、
前記第一固定具は、
前記第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、前記第一方向に向けて前記蓄電装置
の少なくとも一部を押圧する第一傾斜面を有し、
前記第一固定具は、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向において、前記蓄電装置から突出して配置される突出部を有し、
前記突出部が、前記被固定部に固定される
蓄電装置取付台。
【請求項7】
前記第一傾斜面は、前記被固定部から離れるほど前記第一方向に向けて傾斜している
請求項1~6のいずれか1項に記載の蓄電装置取付台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子を有する蓄電装置が取り付けられる蓄電装置取付台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子を有する蓄電装置が、蓄電装置取付台に取り付けられる構成が広く知られている。例えば、特許文献1には、複数の電池セル(蓄電素子)を有する電池モジュール(蓄電装置)が、ねじ部材によってブラケットを介してトレイ(蓄電装置取付台)に取り付けられる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、蓄電装置の蓄電装置取付台への取り付けが困難になる場合があるという問題がある。つまり、蓄電装置は、省スペース化や軽量化等によって狭い場所に取り付けられることが多く、このような場合には、作業スペースが制限されて、上記従来のような構成では、取付作業が困難になるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、蓄電装置を容易に取り付けることができる蓄電装置取付台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置取付台は、蓄電素子を有する蓄電装置が取り付けられる台座部と、第一方向において前記台座部とで前記蓄電装置を挟む位置に配置される第一固定具と、前記台座部に対して固定され、前記第一方向と交差する第二方向において前記第一固定具が固定される被固定部と、を備え、前記第一固定具は、前記第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、前記第一方向に向けて前記蓄電装置を押圧する第一傾斜面を有する。
【0007】
これによれば、蓄電装置取付台は、第一方向において台座部とで蓄電装置を挟む第一固定具と、台座部に対して固定され第二方向において第一固定具が固定される被固定部とを備え、第一固定具は、第一方向に向けて蓄電装置を押圧する第一傾斜面を有している。このように、台座部に対して固定された被固定部に、第二方向において第一固定具を固定することで、第一固定具の第一傾斜面で蓄電装置を第一方向に向けて台座部に押圧する。つまり、第二方向における第一固定具の被固定部への固定作業によって、第一方向における蓄電装置の台座部への固定を行うことができる。これにより、蓄電装置を蓄電装置取付台に取り付ける際に、第一方向における作業が困難な場合でも、第二方向における作業を行えばよいため、取付作業の自由度を向上させることができ、蓄電装置を蓄電装置取付台に容易に取り付けることができる。
【0008】
また、前記第一傾斜面は、前記被固定部から離れるほど前記第一方向に向けて傾斜していることにしてもよい。
【0009】
これによれば、第一固定具の第一傾斜面は、被固定部から離れるほど第一方向に向けて傾斜している。これにより、第一固定具を被固定部に近付けるほど、第一傾斜面が第一方向に向けて蓄電装置を押圧することになる。このため、例えばネジで締め付けるなどにより第一固定具を被固定部に近付けることで、蓄電装置を台座部に押圧することができるため、蓄電装置を蓄電装置取付台に容易に取り付けることができる。
【0010】
また、さらに、前記蓄電装置と前記第一固定具との間に配置される第二固定具を備え、前記第二固定具は、前記第一傾斜面と対向する位置に、前記第一傾斜面に沿って延びる第二傾斜面を有することにしてもよい。
【0011】
これによれば、蓄電装置と第一固定具との間に第二固定具が配置されており、第二固定具は、第一固定具の第一傾斜面に沿う第二傾斜面を有している。これにより、第一傾斜面が第二傾斜面を面で押圧することとなるため、第一傾斜面からの力を第二傾斜面に容易に伝えることができ、蓄電装置を蓄電装置取付台に容易に取り付けることができる。
【0012】
また、さらに、前記第一固定具の前記台座部とは反対側に配置され、前記第一固定具の前記台座部とは反対側への移動を規制する規制部を備えることにしてもよい。
【0013】
これによれば、第一固定具の台座部とは反対側に、第一固定具の当該反対側への移動を規制する規制部が配置されている。このように、規制部によって、第一固定具の台座部とは反対側への移動を規制することができるため、第一固定具が蓄電装置とは反対側に逃げるのを抑制することができる。これにより、第一固定具が蓄電装置を台座部に容易に押圧することができるため、蓄電装置を蓄電装置取付台に容易に取り付けることができる。
【0014】
また、前記第一固定具は、前記規制部と対向する位置に、前記第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、前記第一傾斜面とは反対方向に傾斜した第三傾斜面を有することにしてもよい。
【0015】
これによれば、第一固定具は、規制部と対向する位置に、第一傾斜面とは反対方向に傾斜した第三傾斜面を有している。このように、第一固定具が規制部と対向する第三傾斜面を有していることで、第一固定具が被固定部に固定される際に、第三傾斜面が第一方向に向けて規制部に押圧される。これにより、第一固定具が蓄電装置とは反対側に逃げるのをより抑制することができるため、第一固定具が蓄電装置を台座部に容易に押圧することができ、蓄電装置を蓄電装置取付台に容易に取り付けることができる。
【0016】
また、さらに、前記規制部と前記第一固定具との間に配置される第三固定具を備え、前記第三固定具は、前記第三傾斜面と対向する位置に、前記第三傾斜面に沿って延びる第四傾斜面を有することにしてもよい。
【0017】
これによれば、規制部と第一固定具との間に第三固定具が配置されており、第三固定具は、第一固定具の第三傾斜面に沿う第四傾斜面を有している。このように、第三固定具が第四傾斜面を有していることで、第四傾斜面が第一固定具の第三傾斜面を面で押圧することとなるため、第一固定具が蓄電装置とは反対側に逃げるのをより抑制することができる。これにより、第一固定具が蓄電装置を台座部に容易に押圧することができるため、蓄電装置を蓄電装置取付台に容易に取り付けることができる。
【0018】
また、前記第一固定具は、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向において、前記蓄電装置から突出して配置される突出部を有し、前記突出部が、前記被固定部に固定されることにしてもよい。
【0019】
これによれば、第一固定具は、第三方向において、蓄電装置から突出する突出部を有しており、突出部が、被固定部に固定されている。このように、第一固定具において、蓄電装置から突出した突出部を被固定部に固定することができるため、蓄電装置から突出した位置で、容易に、第一固定具を被固定部に固定することができる。これにより、第一固定具で蓄電装置を台座部に容易に押圧することができるため、蓄電装置を蓄電装置取付台に容易に取り付けることができる。
【0020】
なお、本発明は、このような蓄電装置取付台として実現することができるだけでなく、当該蓄電装置取付台と蓄電装置とを備える蓄電設備としても実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明における蓄電装置取付台によれば、蓄電装置を容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態に係る蓄電設備の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る蓄電装置取付台が有する載置台の外観を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る蓄電装置取付台が有する固定具の外観を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る蓄電装置取付台が有する固定具の構成を示す側面図である。
【
図6】実施の形態に係る蓄電装置取付台が奏する効果を説明するための図である。
【
図7】実施の形態の変形例1に係る蓄電装置取付台が有する固定具の構成を示す側面図である。
【
図8】実施の形態の変形例2に係る蓄電装置取付台が有する固定具の構成を示す側面図である。
【
図9】実施の形態の変形例3に係る蓄電装置取付台が有する載置台、固定具及び固定部材の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(及びその変形例)に係る蓄電装置取付台及びそれを備える蓄電設備について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、寸法等は必ずしも厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0024】
以下の説明及び図面中において、蓄電装置の長手方向、または、蓄電装置取付台の第一固定具と被固定部との並び方向(つまり第一固定具と被固定部との固定方向)をX軸方向と定義する。蓄電装置取付台の第一固定具の延設方向、または、第一固定具の突出部の突出方向をY軸方向と定義する。蓄電装置の高さ方向、蓄電装置を蓄電装置取付台の台座部と第一固定具とで挟む方向、蓄電装置取付台の台座部と第二固定具と第一固定具と第三固定具と規制部との並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、以下では、X軸方向を第二方向とも呼び、Y軸方向を第三方向とも呼び、Z軸マイナス方向を第一方向とも呼ぶこととする。
【0025】
(実施の形態)
[1 蓄電設備の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電設備10の全般的な説明を行う。
図1は、本実施の形態に係る蓄電設備10の外観を示す斜視図である。
【0026】
図1に示すように、蓄電設備10は、蓄電装置100と、蓄電装置取付台20とを備えている。
【0027】
蓄電装置100は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置100は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置100は、例えば、電車、モノレールまたはリニアモーターカー等の電気鉄道用の鉄道車両、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械等の移動体の駆動用またはエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。
【0028】
蓄電装置取付台20は、蓄電装置100が取り付けられる取付台である。つまり、蓄電装置取付台20は、上述の移動体等に固定されて配置されており、蓄電装置100が取り付けられることで、蓄電装置100を当該移動体等に固定する。ここで、蓄電装置取付台20は、載置台200と、固定具300と、固定部材400及び401とを有している。
【0029】
載置台200は、蓄電装置100が載置される板状の部材である。固定具300及び固定部材400、401は、蓄電装置100を載置台200に対して固定するための部材である。つまり、載置台200の上面(Z軸プラス方向側の面)に蓄電装置100が載置され、固定具300及び固定部材400、401によって、蓄電装置100が載置台200に対して固定される。具体的には、蓄電装置100のX軸プラス方向の端部(後述の外装体突出部112)は、固定具300及び固定部材400によって載置台200に固定される。また、蓄電装置100のX軸マイナス方向の端部(後述の外装体突出部113)は、固定部材401によって載置台200に固定される。
【0030】
[2 蓄電装置の説明]
次に、蓄電装置100の構成について、詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係る蓄電装置100の外観を示す斜視図である。なお、
図2は、蓄電装置100の外装体110を透視して、外装体110内方を示した図となっている。
【0031】
図2に示すように、蓄電装置100は、外装体110と、外装体110に収容された複数の蓄電素子120(本実施の形態では、8つの蓄電素子120)とを備えている。なお、蓄電装置100は、外部からの電気を充電し外部へ電気を放電するための外部端子(正極外部端子及び負極外部端子)、複数の蓄電素子120を電気的に接続するバスバー等も備えているが、図示及び説明は省略する。また、蓄電装置100は、当該バスバーの位置決めを行うバスバーフレーム、蓄電素子120間に配置されるスペーサ、蓄電素子120を拘束するエンドプレート、蓄電素子120の充電状態や放電状態を監視するための回路基板やリレー等の電気機器等も備えていてもよいが、これらについても図示及び説明は省略する。
【0032】
蓄電素子120は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。例えば、蓄電素子120は、直方体形状(角形)の容器と、一対の電極端子(正極端子及び負極端子)とを備えている。また、当該容器の内方には、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)、及び、電極端子と電極体とを接続する一対の集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、また、電解液(非水電解質)が封入されている。
【0033】
なお、本実施の形態では、直方体形状(角形)の8個の蓄電素子120を図示しているが、蓄電素子120の形状及び個数は、特に限定されない。また、蓄電素子120は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子120は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子120は、固体電解質を用いた電池であってもよい。
【0034】
外装体110は、蓄電装置100の外装体を構成する略直方体形状(箱型)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体110は、複数の蓄電素子120等の外方に配置され、これら蓄電素子120等を所定の位置に配置し、衝撃などから保護する。また、外装体110の材質は特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁材料により構成されている。外装体110は、これにより、蓄電素子120等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0035】
具体的には、外装体110は、外装体本体部111と、外装体本体部111からX軸両方向に突出した外装体突出部112及び113とを有している。外装体本体部111は、外装体110の本体を構成する直方体形状の収容容器であり、内方に複数の蓄電素子120等が収容されている。外装体突出部112は、外装体本体部111のX軸プラス方向かつZ軸マイナス方向の端部からX軸プラス方向に突出し、かつ、Y軸方向に延設された矩形状かつ平板状の部位である。外装体突出部113は、外装体本体部111のX軸マイナス方向かつZ軸マイナス方向の端部からX軸マイナス方向に突出し、かつ、Y軸方向に延設された矩形状かつ平板状の部位である。また、外装体突出部113は、Y軸両方向の端部に形成された2つの円形状の貫通孔113aを有している。なお、外装体突出部113は、円形状の貫通孔113aに代えて、例えばU字状の切り欠きを有していてもよい。
【0036】
なお、外装体本体部111の形状は、特に限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円形柱形状等、どのような形状であってもよい。また、外装体突出部112及び113についても、配置位置、大きさ及び形状は、特に限定されず、外装体突出部112及び113が載置台200に固定できる配置位置、大きさ及び形状であればよい。また、外装体本体部111と外装体突出部112及び113とは、本実施の形態では、一体に形成されているが、外装体突出部112及び113の少なくとも一方が外装体本体部111と別体で構成されていてもよい。
【0037】
[3 蓄電装置取付台の載置台の説明]
次に、蓄電装置取付台20が有する載置台200の構成について、詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る蓄電装置取付台20が有する載置台200の外観を示す斜視図である。
【0038】
図3に示すように、載置台200は、台座部210と、被固定部220と、規制部230とを有している。なお、載置台200の材質は特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属、または、上述の外装体110と同様の樹脂等で形成されている。
【0039】
台座部210は、載置台200の本体を構成する部位であり、蓄電装置100が取り付けられる平板状の基台である。つまり、
図1及び
図3に示すように、蓄電装置100が台座部210に載置された状態で、固定具300及び固定部材400によって、蓄電装置100の外装体突出部112が台座部210に対して固定される。また、固定部材401によって、蓄電装置100の外装体突出部113が台座部210に対して固定される。これらにより、蓄電装置100が、載置台200に対して固定される。
【0040】
具体的には、載置台200のX軸プラス方向側については、固定具300が固定部材400によって載置台200に対して固定されることで、外装体突出部112が、固定具300と台座部210との間に挟まれる。固定部材400は、例えば、ボルト及びナットを有する締結部位である。これにより、外装体突出部112が、載置台200に対して押圧されて固定される。
【0041】
載置台200のX軸マイナス方向側については、外装体突出部113のY軸両方向の端部に形成された2つの貫通孔113aのそれぞれに固定部材401が挿入されて、外装体突出部113が載置台200に対して固定される(
図6参照)。固定部材401は、例えば、ボルト及びナットを有する締結部位である。具体的には、台座部210のX軸マイナス方向かつY軸両方向の端部において、外装体突出部113の2つの貫通孔113aに対応する位置に、2つの貫通孔211が形成されている。これにより、固定部材401が、貫通孔113a及び貫通孔211に挿入されて台座部210と締結されることで、外装体突出部113が台座部210に対して固定される。
【0042】
なお、台座部210は、蓄電装置100を載置できる形状であれば、平板状でなくてもよく、例えば、梁等で枠組みが構成された部位であってもよいし、メッシュ状に構成された部位であってもよい。
【0043】
被固定部220は、載置台200のX軸プラス方向の端部に立設されて配置された、固定具300が固定される平板状の部位であり、台座部210に対して固定されている。具体的には、被固定部220は、台座部210のX軸プラス方向の端部寄りの部位からZ軸プラス方向に突出し、かつ、台座部210のY軸方向の一端から他端に亘って延設されて配置されている。
【0044】
また、被固定部220のZ軸マイナス方向の端部には、Y軸方向の一端部から他端部に亘ってZ軸プラス方向に凹んだ第一開口部221が形成されている。第一開口部221は、蓄電装置100が載置台200に載置される際に、外装体突出部112が内方に配置される矩形状の開口部(凹部)である。つまり、第一開口部221と台座部210のZ軸プラス方向側の面とで、X軸方向に貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔内に、外装体突出部112が配置(挿入)される。なお、第一開口部221は、外装体突出部112を内方に配置可能な大きさ及び形状であればどのような大きさ及び形状の凹部であってもよく、また、凹部ではなく、X軸方向に貫通する貫通孔であってもよい。
【0045】
さらに、被固定部220のY軸両方向の端部には、X軸方向に貫通する2つの第二開口部222が形成されている。第二開口部222は、固定部材400が挿入される円形状の開口部(貫通孔)である。つまり、固定部材400が第二開口部222に挿入されて被固定部220に締結されることで、X軸方向において固定具300が被固定部220に固定される。なお、第二開口部222は、固定部材400を挿入可能な大きさ及び形状であればどのような大きさ及び形状の貫通孔であってもよく、また、貫通孔ではなく、被固定部220のY軸方向の端部に形成された凹部(切り欠き)であってもよい。
【0046】
規制部230は、被固定部220のZ軸プラス方向の端縁からX軸プラス方向に突出し、かつ、被固定部220のY軸方向の一端から他端に亘って延設されて配置された矩形状かつ平板状の部位である。これにより、規制部230は、固定具300の台座部210とは反対側(Z軸プラス方向側)に被固定部220に対して固定されて配置され、固定具300の台座部210とは反対側(Z軸プラス方向側)への移動を規制する。
【0047】
[4 蓄電装置取付台の固定具の説明]
次に、蓄電装置取付台20が有する固定具300の構成について、詳細に説明する。
図4は、本実施の形態に係る蓄電装置取付台20が有する固定具300の外観を示す斜視図である。なお、
図4は、
図1に示した蓄電設備10における固定具300及びその周囲の構成を拡大して示す拡大斜視図である。
図5は、本実施の形態に係る蓄電装置取付台20が有する固定具300の構成を示す側面図である。なお、
図5は、
図4に示した固定具300及びその周囲をY軸マイナス方向から見た場合の構成を示す図である。
【0048】
図4及び
図5に示すように、固定具300は、第一固定具310と、第二固定具320と、第三固定具330とを有している。第一固定具310、第二固定具320及び第三固定具330の材質は特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属、または、上述の外装体110と同様の樹脂等で形成されている。なお、第一固定具310、第二固定具320及び第三固定具330は、全てが同じ材質で形成されていてもよいし、いずれか1つまたは全てが異なる材質で形成されていてもよい。
【0049】
[4.1 第一固定具の説明]
第一固定具310は、第一方向において台座部210とで蓄電装置100を挟む位置に配置される部材であり、第一方向と交差する第二方向に対して傾斜した傾斜面であって第一方向に向けて蓄電装置100を押圧する第一傾斜面311を有している。また、第一固定具310は、規制部230と対向する位置に、第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、第一傾斜面311とは反対方向に傾斜した第三傾斜面312を有している。本実施の形態では、第一方向は、Z軸マイナス方向であり、第二方向は、第一方向と直交する方向、つまり、X軸方向である。
【0050】
具体的には、第一固定具310は、被固定部220のY軸方向の一端から他端に亘って延設されて配置された六角柱形状の部材であり、X軸方向(第二方向)において被固定部220に固定されている。つまり、
図5に示すように、第一固定具310には貫通孔313が形成されており、この貫通孔313と被固定部220の第二開口部222とに固定部材400のボルト410が挿入されてナット420と螺合することで、第一固定具310が被固定部220に固定される。
【0051】
さらに具体的には、第一固定具310は、第一方向及び第二方向と交差する第三方向において、蓄電装置100から突出して配置される突出部310aを有しており、突出部310aが、被固定部220に固定されている。本実施の形態では、第三方向は、第一方向及び第二方向と直交する方向、つまり、Y軸方向である。つまり、
図4に示すように、第一固定具310は、Y軸両方向における両端部が、蓄電装置100からY軸両方向に突出して配置されていることにより、第一固定具310は、蓄電装置100からY軸両方向に突出する2つの突出部310aを有していることとなる。そして、この2つの突出部310aが、被固定部220に固定されることで、第一固定具310が被固定部220に固定される。
【0052】
また、第一固定具310は、Z軸方向において、第二固定具320を介して、台座部210とで蓄電装置100の外装体突出部112を挟む位置に配置されている。つまり、台座部210、外装体突出部112、第二固定具320及び第一固定具310が、この順に、Z軸プラス方向に向けて並んで配置されている。そして、第一固定具310は、X軸方向(具体的には、X軸方向及びZ軸方向)に対して傾斜した傾斜面であって、第二固定具320を介してZ軸マイナス方向に向けて外装体突出部112を押圧する第一傾斜面311を有している。第一傾斜面311は、被固定部220から離れるほどZ軸マイナス方向(第一方向)に向けて傾斜した平面であり、Y軸方向に延設されて配置されている。言い換えれば、第一傾斜面311は、X軸プラス方向に向かうほどZ軸マイナス方向に向かうように傾斜した傾斜面である。つまり、第一傾斜面311は、X軸プラス方向側の端部がX軸マイナス方向側の端部よりもZ軸マイナス方向側に位置するように傾斜した傾斜面である。
【0053】
また、第一固定具310は、Z軸方向において、規制部230とで第三固定具330を挟む位置に配置されている。つまり、第一固定具310、第三固定具330及び規制部230が、この順に、Z軸プラス方向に向けて並んで配置されている。このように、規制部230が、第一固定具310の台座部210とは反対側に配置されており、この規制部230によって、第一固定具310は、台座部210とは反対側への移動が規制される。
【0054】
そして、第一固定具310は、第三固定具330を介して規制部230と対向する位置、つまり、第三固定具330と対向する位置に、X軸方向(具体的には、X軸方向及びZ軸方向)に対して傾斜した第三傾斜面312を有している。第三傾斜面312は、第一傾斜面311とは反対方向に傾斜した傾斜面、つまり、被固定部220から離れるほどZ軸プラス方向(第一方向とは反対方向)に向けて傾斜した平面であり、Y軸方向に延設されて配置されている。言い換えれば、第三傾斜面312は、X軸プラス方向に向かうほどZ軸プラス方向に向かうように傾斜した傾斜面である。つまり、第三傾斜面312は、X軸プラス方向側の端部がX軸マイナス方向側の端部よりもZ軸プラス方向側に位置するように傾斜した傾斜面である。
【0055】
なお、第三傾斜面312は、第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、第一方向に向けて蓄電装置100を押圧する第一傾斜面の一例とすることができる。
【0056】
[4.2 第二固定具の説明]
第二固定具320は、蓄電装置100と第一固定具310との間において、第一固定具310のY軸方向の一端から他端に亘って延設されて配置された三角柱形状の部材である。つまり、第二固定具320は、Z軸方向において、蓄電装置100の外装体突出部112と第一固定具310とに挟まれる位置、かつ、台座部210とで外装体突出部112を挟む位置に配置されている。
【0057】
そして、第二固定具320は、第一固定具310の第一傾斜面311と対向する位置に、第一傾斜面311に沿って延びる第二傾斜面321を有している。第二傾斜面321は、被固定部220から離れるほどZ軸マイナス方向に向けて傾斜した平面であり、Y軸方向に延設されて配置されている。また、第二固定具320のX軸マイナス方向側の面は、被固定部220に沿ってY軸方向に延設されて配置され、第二固定具320のZ軸マイナス方向側の面は、蓄電装置100の外装体突出部112に沿ってY軸方向に延設されて配置されている。つまり、第二固定具320は、第一固定具310の第一傾斜面311と、被固定部220のX軸プラス方向側の面と、外装体突出部112のZ軸プラス方向側の面とに当接した状態で配置されている。
【0058】
なお、第二固定具320は、被固定部220に対して固定されていてもよいし、被固定部220に係合または嵌合されることで、被固定部220に対して位置決めされていてもよい。また、載置台200は、第二固定具320のY軸方向への移動を規制する規制部を有していてもよい。
【0059】
ここで、第二固定具320は、第一方向において台座部210とで蓄電装置100を挟む位置に配置され、第二方向において被固定部220に固定される第一固定具の一例とすることができる。この場合、第二傾斜面321は、第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、第一方向に向けて蓄電装置100を押圧する第一傾斜面の一例とすることができる。
【0060】
[4.3 第三固定具の説明]
第三固定具330は、規制部230と第一固定具310との間において、第一固定具310のY軸方向の一端から他端に亘って延設されて配置された三角柱形状の部材である。つまり、第三固定具330は、Z軸方向において、規制部230と第一固定具310とに挟まれる位置に配置されている。
【0061】
そして、第三固定具330は、第一固定具310の第三傾斜面312と対向する位置に、第三傾斜面312に沿って延びる第四傾斜面331を有している。第四傾斜面331は、第二傾斜面321とは反対方向に傾斜した傾斜面、つまり、被固定部220から離れるほどZ軸プラス方向に向けて傾斜した平面であり、Y軸方向に延設されて配置されている。また、第三固定具330のX軸マイナス方向側の面は、被固定部220に沿ってY軸方向に延設されて配置され、第三固定具330のZ軸プラス方向側の面は、規制部230に沿ってY軸方向に延設されて配置されている。つまり、第三固定具330は、第一固定具310の第三傾斜面312と、被固定部220のX軸プラス方向側の面と、規制部230のZ軸マイナス方向側の面とに当接した状態で配置されている。
【0062】
なお、第三固定具330は、被固定部220及び規制部230の少なくとも一方に固定されていてもよいし、当該少なくとも一方に係合または嵌合されることで、当該少なくとも一方に対して位置決めされていてもよい。また、載置台200は、第三固定具330のY軸方向への移動を規制する規制部を有していてもよい。
【0063】
ここで、第三固定具330は、第一方向において台座部210とで蓄電装置100を挟む位置に配置され、第二方向において被固定部220に固定される第一固定具の一例とすることができる。この場合、第四傾斜面331は、第二方向に対して傾斜した傾斜面であって、第一方向に向けて蓄電装置100を押圧する第一傾斜面の一例とすることができる。
【0064】
[5 効果の説明]
次に、蓄電装置取付台20が奏する効果について、詳細に説明する。
図6は、本実施の形態に係る蓄電装置取付台20が奏する効果を説明するための図である。具体的には、
図6は、蓄電装置取付台20に複数の蓄電装置100(
図6では6個の蓄電装置100a~100f)が取り付けられている状態を示している。つまり、
図6における蓄電装置取付台20は、当該複数の蓄電装置100を載置可能な載置台200と、当該複数の蓄電装置100に対応する固定具300、固定部材400及び401とを有している。
【0065】
蓄電素子120を有する蓄電装置100は、重量物になることが多く、蓄電装置取付台20に強固に取り付ける必要がある。例えば、車または鉄道車両等の移動体に蓄電装置100を配置する場合には、蓄電装置100の揺れを抑制する必要があり、移動体でなくても、地震等の振動に対して強固に取り付けておくのが好ましい。しかしながら、蓄電装置100は、省スペース化や軽量化等によって狭い場所に取り付けられることが多いため、強固に取り付けるための取付作業が困難になる場合がある。
【0066】
例えば、
図6に示す蓄電装置100a及び蓄電装置100d等のように、蓄電装置100の外装体突出部112同士が向かい合って配置されている場合、蓄電装置100の奥側(蓄電装置100aのX軸プラス方向側、及び、蓄電装置100dのX軸マイナス方向側)の作業は非常に困難になる。また、外装体突出部112の上方(Z軸プラス方向)に他の部材が配置されていたりして、外装体突出部112に上方からアクセスするのが困難な場合がある。
【0067】
通常、蓄電装置100は、蓄電装置100が配置される床面に対して固定されることが多いため、当該床面に対して垂直な方向でボルト等により固定されることが多い。そして、当該床面への固定に適するように、例えば、
図2の貫通孔113aのような孔が、蓄電装置100の奥側の外装体突出部112にも設けられる。このような蓄電装置100に対して、上記の配置環境では、蓄電装置100の奥側の固定のためにボルト等をZ軸方向に締結するような作業は困難なものとなる。ここで、蓄電装置100の設置環境に合わせて蓄電装置100の固定構造を設計することも考えられるが、蓄電装置100のコストアップとなり好ましくない。上記のような場合、蓄電装置100aの奥側の外装体突出部112については、第一固定具310等を介して、
図6におけるX軸マイナス方向側からアクセスすることができる。蓄電装置100dの奥側の外装体突出部112については、第一固定具310等を介して、
図6におけるX軸プラス方向側からアクセスすることができる。
【0068】
このような構成としては、例えば、鉄道車両等に搭載される外装ケース(電池収納箱)内に、複数の蓄電装置100がY軸方向に配列された蓄電装置群が、X軸方向に2列並べられて配置されている蓄電設備(電池パック)を例示することができる。当該外装ケースは、それぞれの蓄電装置群の前面(例えばX軸プラス方向側の蓄電装置群のX軸プラス方向側の面)に対向する位置に、開閉可能な扉(開閉カバー)を有している。これにより、それぞれの蓄電装置100には、Z軸方向からのアクセスは困難であるが、X軸方向からはアクセスすることができる。
【0069】
このため、本発明の実施の形態に係る蓄電装置取付台20によれば、第二方向(X軸方向)において第一固定具310が被固定部220に固定されることで、第一固定具310の第一傾斜面311が、第一方向(Z軸マイナス方向)に向けて蓄電装置100を押圧する。つまり、台座部210に対して固定された被固定部220に、第二方向において第一固定具310を固定することで、第一固定具310の第一傾斜面311で蓄電装置100の外装体突出部112を第一方向に向けて台座部210に押圧する。これにより、第二方向における第一固定具310の被固定部220への固定作業によって、第一方向における外装体突出部112の台座部210への固定を行うことができる。このように、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に取り付ける際に、第一方向における作業が困難な場合でも、第二方向における作業を行えばよいため、取付作業の自由度を向上させることができる。これにより、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に容易に取り付けることができる。
【0070】
また、第一固定具310の第一傾斜面311は、被固定部220から離れるほど第一方向に向けて傾斜している。これにより、第一固定具310を被固定部220に近付けるほど、第一傾斜面311が第一方向に向けて外装体突出部112を押圧することになる。このため、固定部材400のボルト410をナット420に対して締め付けて第一固定具310を被固定部220に近付けることで、外装体突出部112を台座部210に押圧することができるため、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に容易に取り付けることができる。また、第一固定具310を被固定部220に近付けるという簡単な作業を行うことで外装体突出部112を台座部210に押圧することができるため、容易に、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に強固に固定することができる。
【0071】
また、外装体突出部112と第一固定具310との間に第二固定具320が配置されており、第二固定具320は、第一固定具310の第一傾斜面311に沿う第二傾斜面321を有している。これにより、第一傾斜面311が第二傾斜面321を面で押圧することとなるため、第一傾斜面311からの力を第二傾斜面321に容易に伝えることができ、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に容易に取り付けることができる。また、第一傾斜面311からの力を第二傾斜面321が面で受けることができるため、第二固定具320が外装体突出部112を台座部210に強固に押圧することができ、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に強固に固定することができる。
【0072】
また、第一固定具310の台座部210とは反対側に、第一固定具310の当該反対側への移動を規制する規制部230が配置されている。このように、規制部230によって、第一固定具310の台座部210とは反対側への移動を規制することができるため、第一固定具310が外装体突出部112とは反対側に逃げるのを抑制することができる。これにより、第一固定具310が外装体突出部112を台座部210に容易に押圧することができるため、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に容易に取り付けることができる。また、第一固定具310が外装体突出部112とは反対側に逃げるのを抑制することができるため、第一固定具310が外装体突出部112を台座部210に強固に押圧することができ、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に強固に固定することができる。
【0073】
また、第一固定具310は、規制部230と対向する位置に、第一傾斜面311とは反対方向に傾斜した第三傾斜面312を有している。このように、第一固定具310が規制部230と対向する第三傾斜面312を有していることで、第一固定具310が被固定部220に固定される際に、第三傾斜面312が第一方向に向けて規制部230に押圧される。これにより、第一固定具310が外装体突出部112とは反対側に逃げるのをより抑制することができるため、第一固定具310が外装体突出部112を台座部210に容易に押圧することができ、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に容易に取り付けることができる。また、第一固定具310が外装体突出部112とは反対側に逃げるのをより抑制することができるため、第一固定具310が外装体突出部112をより強固に台座部210に押圧することができ、蓄電装置100をより強固に蓄電装置取付台20に固定することができる。
【0074】
また、規制部230と第一固定具310との間に第三固定具330が配置されており、第三固定具330は、第一固定具310の第三傾斜面312に沿う第四傾斜面331を有している。このように、第三固定具330が第四傾斜面331を有していることで、第四傾斜面331が第一固定具310の第三傾斜面312を面で押圧することとなるため、第一固定具310が外装体突出部112とは反対側に逃げるのをより抑制することができる。これにより、第一固定具310が外装体突出部112を台座部210に容易に押圧することができるため、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に容易に取り付けることができる。また、第一固定具310が外装体突出部112とは反対側に逃げるのをより抑制することができるため、第一固定具310が外装体突出部112をより強固に台座部210に押圧することができ、蓄電装置100をより強固に蓄電装置取付台20に固定することができる。
【0075】
また、第一固定具310は、第三方向(Y軸方向)において、蓄電装置100から突出する突出部310aを有しており、突出部310aが、被固定部220に固定されている。このように、第一固定具310において、蓄電装置100から突出した突出部310aを被固定部220に固定することができるため、蓄電装置100から突出した位置で、容易に、第一固定具310を被固定部220に固定することができる。これにより、第一固定具310で外装体突出部112を台座部210に容易に押圧することができるため、蓄電装置100を蓄電装置取付台20に容易に取り付けることができる。
【0076】
[6 変形例の説明]
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。
図7は、本実施の形態の変形例1に係る蓄電装置取付台20aが有する固定具300aの構成を示す側面図である。具体的には、
図7は、
図5に対応する図である。
【0077】
図7に示すように、本変形例における蓄電装置取付台20aは、上記実施の形態における蓄電装置取付台20が有する固定具300に代えて、固定具300aを有している。固定具300aは、上記実施の形態における固定具300が有する第二固定具320及び第三固定具330に代えて、第二固定具320a及び第三固定具330aを有している。その他の構成については、上記実施の形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0078】
第二固定具320a及び第三固定具330aは、第一固定具310のY軸方向の一端から他端に亘って延設されて配置された四角柱形状の部材である。具体的には、第二固定具320aは、被固定部220のX軸プラス方向側の面と、外装体突出部112のZ軸プラス方向側の面とは、面で当接しているが、第一固定具310の第一傾斜面311とは、角部が当接した状態で配置されている。つまり、第二固定具320aは、上記実施の形態における第二固定具320が有する第二傾斜面321を有していない。第三固定具330aについても同様に、上記実施の形態における第四傾斜面331を有していない。
【0079】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置取付台20aによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、第二固定具320a及び第三固定具330aが、第一固定具310の第一傾斜面311及び第三傾斜面312に沿った傾斜面を有していない。これにより、第二固定具320a及び第三固定具330aを、四角柱という単純な形状で作製すればよいため、蓄電装置取付台20aの製造を容易にすることができる。
【0080】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。
図8は、本実施の形態の変形例2に係る蓄電装置取付台20bが有する固定具300bの構成を示す側面図である。具体的には、
図8は、
図5に対応する図である。
【0081】
図8に示すように、本変形例における蓄電装置取付台20bは、上記実施の形態における蓄電装置取付台20が有する固定具300に代えて、固定具300bを有している。固定具300bは、上記実施の形態における固定具300が有する第一固定具310に代えて、第一固定具310bを有している。その他の構成については、上記実施の形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0082】
第一固定具310bは、被固定部220のY軸方向の一端から他端に亘って延設されて配置された四角柱形状の部材である。具体的には、第一固定具310bは、第二固定具320及び第三固定具330に、角部が当接した状態で配置されている。つまり、第一固定具310bは、上記実施の形態における第一固定具310が有する第一傾斜面311及び第三傾斜面312を有していない。
【0083】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置取付台20bによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、第一固定具310bが、第二固定具320の第二傾斜面321及び第三固定具330の第四傾斜面331に沿った傾斜面を有していない。これにより、第一固定具310bを、四角柱という単純な形状で作製すればよいため、蓄電装置取付台20bの製造を容易にすることができる。
【0084】
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。
図9は、本実施の形態の変形例3に係る蓄電装置取付台20cが有する載置台200c、固定具300c及び固定部材400cの構成を示す側面図である。具体的には、
図9は、
図5に対応する図である。
【0085】
図9に示すように、本変形例における蓄電装置取付台20cは、上記実施の形態における蓄電装置取付台20が有する載置台200、固定具300及び固定部材400に代えて、載置台200c、固定具300c及び固定部材400cを有している。載置台200cは、上記実施の形態における載置台200の構成に加えて、被固定部240を有している。固定具300c及び固定部材400cは、上記実施の形態における固定具300及び固定部材400を、Y軸まわりに180°回転させた構成を有している。その他の構成については、上記実施の形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0086】
被固定部240は、規制部230のX軸プラス方向の端縁と台座部210とを繋ぐYZ平面に平行な平板状の部位であり、被固定部220と同様の形状を有している。そして、固定具300cは、固定部材400cによって被固定部240に対して固定されている。つまり、固定部材400cのボルト410が、被固定部240の開口部241と第一固定具310の貫通孔313と被固定部220の第二開口部222とに挿入されてナット420と螺合することで、第一固定具310が被固定部240に固定される。これにより、上記実施の形態と同様に、固定具300cが蓄電装置100の外装体突出部112を台座部210に向けて押圧することで、蓄電装置100が蓄電装置取付台20cに取り付けられる。
【0087】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置取付台20cによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、第一固定具310がX軸プラス方向側の被固定部240に固定されるため、X軸プラス方向側からアクセスすることで、第一固定具310を被固定部240に固定することができる。このため、X軸マイナス方向側からのアクセスが困難な場合でも、蓄電装置100を蓄電装置取付台20cに容易に取り付けることができる。
【0088】
なお、本変形例において、X軸マイナス方向側からアクセスできる構成にしてもよい。例えば、ボルト410の向きを上記実施の形態と同様に配置して、ボルト410でナット420をX軸プラス方向に移動させることにより、第一固定具310を被固定部240に向けて押圧して、第一固定具310を被固定部240に対して固定することにしてもよい。
【0089】
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置取付台について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0090】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置取付台が有する被固定部、規制部230、第一固定具、第二固定具、及び、第三固定具は、Y軸方向に延設されて形成されていることとした。しかし、これらの部材の形状は特に限定されず、これらの部材のうちのいずれかの部材が、上記実施の形態及びその変形例の場合の長さよりも、Y軸方向に短く形成されていることにしてもよい。また、これらの部材のうち、柱状の部材を様々な柱形状に形成することができ、板状の部材を様々な板形状に形成することができ、また、板状の部材を柱状に形成することもでき、柱状の部材を板状に形成することもできる。
【0091】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置100の外装体突出部112が、台座部210と固定具とで挟まれて、台座部210に対して固定されることとした。しかし、蓄電装置100が有するどのような部位が、台座部210に対して固定されてもよい。例えば、複数の蓄電素子120を有する蓄電モジュールが平板状部材に載置され、当該平板状部材が蓄電モジュールから突出しており、当該平板状部材の突出した部位が台座部210に対して固定されることにしてもよい。または、蓄電装置100は外装体突出部112のような突出した部位を有しておらず、外装体本体部111が、台座部210と固定具とで挟まれて、台座部210に対して固定されることにしてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態及びその変形例では、固定具は、第一固定具と第二固定具と第三固定具とを有していることとした。しかし、第一固定具が第一傾斜面で蓄電装置100を押圧することができれば、固定具は、第二固定具及び第三固定具の少なくとも一方を有していないことにしてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態及びその変形例では、載置台は、規制部230を有していることとした。しかし、第一固定具が第一傾斜面で蓄電装置100を押圧することができれば、載置台は、規制部230を有していないことにしてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置取付台のX軸プラス方向の端部に固定具が配置されて、蓄電装置100が取り付けられることとした。しかし、蓄電装置取付台のX軸マイナス方向の端部においても、X軸プラス方向の端部と同様に固定具が配置されることにしてもよい。
【0095】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置取付台のX軸プラス方向のY軸両方向の端部において、第一固定具が被固定部に固定されることとした。しかし、蓄電装置取付台のX軸プラス方向の、Y軸プラス方向またはY軸マイナス方向のいずれかの端部においては、第一固定具が被固定部に固定される構成ではないことにしてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一固定具は、蓄電装置100から突出する突出部310aを有しており、突出部310aが、被固定部に固定されることとした。しかし、第一固定具は、突出部310aを有しておらず、蓄電装置100から突出しない位置で、被固定部に固定されることにしてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0098】
また、本発明は、このような蓄電装置取付台として実現することができるだけでなく、蓄電装置取付台と蓄電装置100とを備える蓄電設備10としても実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を有する蓄電装置が取り付けられる蓄電装置取付台等に適用できる。
【符号の説明】
【0100】
10 蓄電設備
20、20a、20b、20c 蓄電装置取付台
100、100a~100f 蓄電装置
110 外装体
111 外装体本体部
112、113 外装体突出部
113a、211、313 貫通孔
120 蓄電素子
200、200c 載置台
210 台座部
220、240 被固定部
221 第一開口部
222 第二開口部
230 規制部
241 開口部
300、300a、300b、300c 固定具
310、310b 第一固定具
310a 突出部
311 第一傾斜面
312 第三傾斜面
320、320a 第二固定具
321 第二傾斜面
330、330a 第三固定具
331 第四傾斜面
400、400c、401 固定部材
410 ボルト
420 ナット